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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076346
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】接続具
(51)【国際特許分類】
   B44C 1/28 20060101AFI20240529BHJP
【FI】
B44C1/28 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023174659
(22)【出願日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】P 2022187102
(32)【優先日】2022-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023071487
(32)【優先日】2023-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000228442
【氏名又は名称】日本クロージャー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003524
【氏名又は名称】弁理士法人愛宕綜合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】榎本 勝己
(72)【発明者】
【氏名】村元 勝広
(72)【発明者】
【氏名】大田 剛
(72)【発明者】
【氏名】脇島 淳
(57)【要約】
【課題】 円形状の天面壁と該天面壁の周縁から垂下する円筒形状のスカート壁とを有する物品をモザイク片として使用して立体的に配列して立体的な装飾品を作成することを可能にする接続具を提供する
【解決手段】 接続具は、容器蓋のスカート壁の外径に対応した内径を有する少なくとも1個のリング形状部と、リング形状部に配設された少なくとも1個の挟み部を含む。挟み部は間隔をおいて立設された少なくとも2個の挟み片を含む。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形状の天面壁と該天面壁の周縁から垂下する円筒形状のスカート壁とを有する物品をモザイク片として利用して、立体的装飾品を作成するための接続具にして、
該物品の該スカート壁の外径に対応した内径を有する少なくとも1個のリング形状部と、該リング形状部に付設された少なくとも1個の挟み部を含み、
該挟み部は間隔をおいて立設された少なくとも2個の挟み片を含む、
ことを特徴とする接続具。
【請求項2】
該挟み部は該リング形状部の上面に接続された底板片を含み、該挟み片は該底板片の上面に立設されている、請求項1記載の接続具。
【請求項3】
該リング形状部の厚さは該物品の該スカート壁の厚さに対応しており、該挟み片の間隔も該物品の該スカート壁の厚さに対応している、請求項1又は2記載の接続具。
【請求項4】
該挟み部は該底板片の上面に間隔をおいて立設された3個の挟み片を含み、該底板片は該リング形状部の上面に平行に且つ該リング形状部の上面を跨って延在し、3個の該挟み片は等間隔をおいて配設され且つ該リング形状部の外周面に接する外接面に平行に延在する、請求項2記載の接続具。
【請求項5】
該リング形状部の上面には周方向に間隔をおいて複数の該挟み部が配設されている、請求項1又は2記載の接続具。
【請求項6】
120度の角度間隔をおいて同一高さに配設され且つ相互に接する外周面が接続されている3個の該リング形状部を含む、請求項1又は2記載の接続具。
【請求項7】
3個の該リング形状部の相互に接する部位の上面の各々には該挟み部が配設されており、該挟み部の各々は等間隔をおいて配設され且つ該リング形状部の外周面の相互に接する部位の外接面に平行に延在する3個の該挟み片を含む、請求項6記載の接続具。
【請求項8】
3個の該リング形状部の相互に接する部位に隣接してそれらの外側に位置する部位の各々には、該挟み部が配設されており、該挟み部の各々は等間隔をおいて配設され且つ該リング形状部の外周面の相互に接する部位の外接面に垂直に延在する3個の該挟み片を含む、請求項6記載の接続具。
【請求項9】
3個の該リング形状部の各々には1個又は複数個の該挟み部が配設されており、3個の該リング形状部の各々に配設された該挟み部の少なくとも1個は等間隔をおいて配設され且つ該リング形状部の外周面に接する外接面に平行に延在する3個の該挟み片を含む、請求項6記載の接続具。
【請求項10】
該リング形状部及び該挟み部は合成樹脂から一体に形成されている、請求項1又は2記載の接続具。
【請求項11】
該リング形状部の内周面にはその全体に渡って又は周方向に間隔をおいた複数個の部位において軸線方向に延びる複数個の凹凸が交互に存在するナールが形成されている、請求項1又は2記載の接続具。
【請求項12】
該リング形状部の内面又は該挟み部の内面から径方向内側に向かって延びる梁が周方向に間隔をおいて複数配置されていて、複数の該梁は平面視における該リング形状部の中央にて相互に接続される、請求項1又は2記載の接続具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済みの容器蓋の如き円形天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下する円筒形状のスカート壁を有する物品をモザイク片として利用して、立体的装飾品を作成するための接続具に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、円形状の天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下する円筒形状のスカート壁を有する、使用済み(特に使用済みであることは明記されていないが使用済みであることが推定される)の、ポリテトラフルオロエチレンの如き適宜の合成樹脂から形成された容器(通常ペットボトルと称されている容器)に適用されていた容器蓋を、モザイク片として使用して絵画様の装飾品を作成するための配列具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-237184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
而して、上記配列具によれば、使用済みの容器蓋をモザイク片として使用して二次元的に配列して絵画様の装飾品を作成することができるが、使用済みの容器蓋をモザイク片として使用して立体的(三次元的)に配列することができず、立体的な装飾品を作成することができない。
【0005】
本発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、使用済みの容器蓋(以下、単に「容器蓋」ということもある)の如き円形天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下する円筒形状のスカート壁を有する物品をモザイク片として使用して立体的に配列して立体的な装飾品を作成することを可能にする新規な接続具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成する接続具として、
円形状の天面壁と該天面壁の周縁から垂下する円筒形状のスカート壁とを有する物品をモザイク片として利用して、立体的装飾品を作成するための接続具にして、
該物品の該スカート壁の外径に対応した内径を有する少なくとも1個のリング形状部と、該リング形状部に付設された少なくとも1個の挟み部を含み、
該挟み部は間隔をおいて立設された少なくとも2個の挟み片を含む、
ことを特徴とする接続具が提供される。
【0007】
該挟み部は該リング形状部の上面に接続された底板片を含み、該挟み片は該底板片の上面に立設されているのが好適である。好ましくは、該リング形状部の厚さは該物品の該スカート壁の厚さに対応しており、該挟み片の間隔も該物品の該スカート壁の厚さに対応している。該挟み部は該底板片の上面に間隔をおいて立設された3個の挟み片を含み、該底板片は該リング形状部の上面に平行に且つ該リング形状部の上面を跨って延在し、3個の該挟み片は等間隔をおいて配設され且つ該リング形状部の外周面に接する外接面に平行に延在するのが好適である。該リング形状部の上面には周方向に間隔をおいて複数の該挟み部が配設されているのが好ましい。好適形態は、120度の角度間隔をおいて同一高さに配設され且つ相互に接する外周面が接続されている3個の該リング形状部を含む。そして、3個の該リング形状部の相互に接する部位の上面の各々には該挟み部が配設されており、該挟み部の各々は等間隔をおいて配設され且つ該リング形状部の外周面の相互に接する部位の外周面に平行に延在する3個の該挟み片を含み、或いは3個の該リング形状部の相互に接する部位に隣接してそれらの外側に位置する部位の各々には、該挟み部が配設されており、該挟み部の各々は等間隔をおいて配設され且つ該リング形状部の外周面の相互に接する部位の外接面に垂直に延在する3個の該挟み片を含む。また、3個の該リング形状部の各々には1個又は複数個の該挟み部が配設されており、3個の該リング形状部の各々に配設された該挟み部の少なくとも1個は等間隔をおいて配設され且つ該リング形状部の外周面に接する外接面に平行に延在する3個の該挟み片を含むのが好ましい。該リング形状部及び該挟み部は合成樹脂から一体に形成されているのが好都合である。該リング形状部の内周面にはその全体に渡って又は周方向に間隔をおいた複数個の部位において軸線方向に延びる複数個の凹凸が交互に存在するナールが形成されているのが望ましい。好適には、該リング形状部の内面又は該挟み部の内面から径方向内側に向かって延びる梁が周方向に間隔をおいて複数配置されていて、複数の該梁は平面視における該リング形状部の中央にて相互に接続される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の接続具によれば、リング形状部に物品の上端部を下方から挿入して物品を装着し、そしてまた挟み部の挟み片間に物品のスカート壁を局部的に挿入して物品を装着することができ、接続具を介して物品の配列を上下方向に展開することができる。また、接続具の挟み部の挟み片間に物品のスカート壁を局部的に挿入して物品を装着し、或いは接続具の挟み部の挟み片間に他の接続具のリング形状部を局部的に挿入して他の接続具を連結し、これによって物品の配列を横方向に展開することができる。かくして、物品をモザイク片として使用して立体的に配列して立体的な装飾品を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】使用済みの容器蓋の典型例を示す斜面図。
図2】本発明に従って構成された接続具の最も簡素な実施形態を示す斜面図。
図3図2に示す接続具の平面図。
図4図2及び図3に示す接続具における挟み部を拡大して図示する斜面図。
図5】本発明に従って構成された接続具の他の実施形態を示す斜面図。
図6図5に示す接続具の平面図。
図7】本発明に従って構成された接続具の更に他の実施形態を示す斜面図。
図8図7に示す接続具の平面図。
図9】本発明に従って構成された接続具の更に他の実施形態を示す斜面図。
図10図9に示す接続具の平面図。
図11】挟み部の変形例を示す部分斜面図。
図12図8及び図9に示す接続具を使用して容器蓋を立体的に接続した典型例を示す斜面図。
図13】本発明に従って構成された接続具の更に他の実施形態を示す斜面図。
図14図13に示す接続具の断面を部分的に拡大して示す斜面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、使用済みの容器蓋の典型例及び本発明に従って構成された接続具の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0011】
図1には、本発明に従って構成された接続具にモザイク片として装着される使用済みの容器蓋の典型例が図示されている。全体を番号2で示す容器蓋は、円形状の天面壁4とこの天面壁4の周縁から垂下する円筒形状のスカート壁6とを有する。スカート壁6の下端縁部は周方向に連続して延在する突条8が形成されている。スカート壁6の外周面における突条8よりも上方の部位には軸線方向に延びる複数個の凹凸が交互に存在するナール10が周方向全体に渡って形成されている。ナール10は周方向に間隔をおいた複数個の部位のみに形成されていることもある。図示の容器蓋2が容器(図示していない)の口頸部に装着され口頸部を密封していた状態においては、二点鎖線で図示する如くスカート壁6の下端には破断可能な複数個の橋絡部(図示を省略している)を介してタンパーエビデント裾部12が接続されていたが、容器の口頸部から容器蓋2を離脱する際に複数個の橋絡部が破断されてタンパーエビデント裾部12がスカート壁6から切り離される。かような容器蓋2はポリレチレン又はポリプロピレンの如き適宜の合成樹脂から形成されている。しかしながら、本発明に従って構成された接続具は合成樹脂から形成されている使用済みの容器蓋のみならず、シェルがアルミニウム基合金薄板の如き適宜の金属薄板から形成されている使用済みの容器蓋にも適用することができる。上述したとおりの容器蓋2自体は周知の形態でよく、それ故にその詳細な説明(天面壁の内面及びスカート壁の内周面の構成等)は本明細書においては省略する。
【0012】
本発明に従って構成された接続具に適用されるモザイク片は、使用済みの容器蓋に限られるものではなく、モザイク片専用として形成された、円形状の天面壁とこの天面壁の周縁から垂下する円筒形状のスカート壁とを有する、合成樹脂又は金属薄板等の適宜の材料から形成された物品も含まれる。
【0013】
図2及び図3を参照して説明を続けると、全体を番号14で示す図示の接続具は、本発明に従って構成された接続具の最も簡素な実施形態である。接続具14は1個のリング形状部16と1個の挟み部18とから構成されている。リング形状部16は周方向に連続して延在する円環形状であり、その内径は上記容器蓋2のスカート壁6の外径に対応している、更に詳細にはスカート壁6の外径と実質上同一又はこれより若干小さいことが重要である。リング形状部16の厚さは上記容器蓋2のスカート壁6の厚さと実質上同一であるのが好ましい。所望ならば、リング形状部16に軸線方向全体に渡って延在する1個のスリットを形成し、リング形状部16を所謂C字形状にすることもできる。リング形状部16の内周面における周方向に等間隔をおいた複数個(図示の場合は6個)の部位には、複数個の凹凸が交互に存在するナール19が形成されているのが好適である。かかるナール19は上記容器蓋2のスカート壁6の外周面に形成されているナール10に対応する、即ちナール19の凹凸の幅並びに凹の没入量及び凸の突出量はナール10の凹凸の幅並びに凹の没入量及び凸の突出量と実質上同一である。所望ならば、リング形状部16の周方向全体に渡ってナール19を形成することもできる。図示の実施形態においては、図4に明確に図示するとおり、挟み部18は、リング形状部16の上面に接続された底板片20及びこの底板片20の上面に間隔をおいて立設された3個の挟み片22、24及び26から構成されている。底板片20はその幅方向片側部がリング形状部16の上面に接続されており、リング形状部16の上面を跨って且つリング形状部16の上面と実質上平行に延在している。3個の挟み片22、24及び26は底板片20に対して実質上垂直に延在している。そしてまた、3個の挟み片22、24及び26は3個の挟み片22、24及び26の長手方向中心におけるリング形状部16の外周面に接する外接面Pに平行に延在している、換言すれば3個の挟み片22、24及び26は3個の挟み片22、24及び26の長手方向中心を通るリング形状部16の半径Rに対して垂直に延在している。中央に位置する挟み片22の両面は実質上平坦である。挟み片24の外側面は実質上平坦であるが内側面(即ち挟み片22に対面する面)は軸線方向に円弧形状であり、挟み片24の厚さは軸線方向中央部から上方及び下方に向かって漸次低減されている。同様に、挟み片26の外側面は実質上平坦であるが内側面(即ち挟み片22に対面する面)は軸線方向に円弧形状であり、挟み片26の厚さは軸線方向中央部から上方及び下方に向かって漸次低減されている。3個の挟み片22、24及び26の高さは実質上同一であるが、中央に位置する挟み片22は、両側に位置する挟み片24及び26よりも長く、挟み片22の両端部は挟み片24及び26の両端を超えて延出している。挟み片22と挟み片24との間隙は幅方向においてリング形状部16と略整合している、換言すれば挟み片24の内側面はリング形状部16の内周面、従って容器蓋2のスカート壁6の外周面と略整合している。挟み片22と挟み片24との間隔及び挟み片22と挟み片26との間隔は、上記容器蓋2のスカート壁6の厚さと実質上同一、従ってリング形状部16の厚さと実質上同一であるのが好ましい。所望ならば、底板片20上に3個の挟み片22、24及び26を配設することに代えて、挟み片24又は26省略して底板片20上に2個の挟み片22及び24又は26のみを配設することもできる。
【0014】
上述したとおりの接続具14は適宜の合成樹脂、例えばポリプロピレン又はポリエチレンの如きポリエステル系合成樹脂或いはポリカーボネート系合成樹脂、から一体に形成されているのが望ましい。接続具14は透明乃至半透明であるのが好都合であるが、白、赤又は青の如き所望色に着色することもできる。
【0015】
上記のとおりの接続具14の使用様式の一例について説明すると、図2に二点鎖線で図示する如く、容器蓋2のスカート壁6の上部に接続具14のリング形状部16を被嵌する。換言すれば、接続具14のリング形状部16に容器蓋2のスカート壁6の上部を下方から挿入する。容器蓋2のスカート壁6の外周面に形成されているナール10は接続具14のリング形状部16の内周面に形成されているナール19に係合される。スカート壁6に対するリング形状部16の下降は容器蓋2の天面壁4に接続具14の挟み部18の底板片20の下面が当接することによって規制される。所望ならば、リング形状部16の内周面の所要部位に規制突条を形成して容器蓋2の天面壁4を規制突条に当接させることによって或いはリング形状部16の内周面の少なくとも一部を上方に向って内径が漸次低減する円錐台筒形状にして又はナール19の凸部の突出量を上方に向って漸次増大して容器蓋2のスカート壁6の上端部をリング形状部16の内周面又はナール19の凸部に弾性的に係合させる等によってスカート壁6に対するリング形状部16の下降を規制することもできる。そして、接続具14の上方側においては、他の容器蓋2のスカート壁6の下端部を挟み部18の挟み片22と挟み片24との間に挿入して、容器蓋2を接続具14に装着する。更に、必要に応じて接続具14の上方側に装着された容器蓋2のスカート壁6の上部に他の接続具14を被嵌することができる。かようにして、接続具14を複数個使用して容器蓋2の配列を上下方向に展開することができる。容器蓋2の配列の横方向への展開については、接続具14の挟み部18における挟み片22と挟み片26との間に他の接続具14のリング形状部16を局部的に挿入して接続具14に他の接続具14を連結する(所望ならば、接続具14に他の接続具14を接続することに代えて、2個の接続具14が一体に形成された形態の接続具を使用することもできる)、或いは容器蓋2のスカート壁6の下端部を局部的に挿入して接続具14に容器蓋2を装着すればよい。接続具14に接続された他の接続具14にはその下側及び上側に容器蓋2を装着することができる。かようにして複数個の接続具14を使用して複数個の容器蓋2を立体的に配列し、立体的な装飾品を作成することができる。接続具14の挟み部18における挟み片22と挟み片24との間隙及び挟み片22と挟み片26との間隙は直線状に延在するのに対して接続具14のリング形状部16及び容器蓋2のスカート壁6は円弧状に延在するが、挟み片22と挟み片24との間隙又は挟み片22と挟み片26との間隙に容器蓋2のスカート壁6又は接続具14のリング形状部16を局部的に挿入する際には、スカート壁6又はリング形状部16及び/又は挟み片22、24又は26が適宜に弾性変形される。
【0016】
図5及び図6は、本発明に従って構成された接続具の他の実施形態を図示している。図5及び図6に図示する接続具114は、120度の角度間隔をおいて同一高さに配列された3個のリング形状部116A、116B及び116Cを含んでいる。3個のリング形状部116A、116B及び116Cはそれらの外周面を相互に接して配置され、相互に接する外周面は接続されている。そしてまた、図示の実施形態においては接続具114の中心部にもリング形状部116A、116B及び116Cを形成する合成樹脂が充填されている。
【0017】
リング形状部116Aとリング形状部116Bとの相互に接する部位の上面、リング形状部116Bとリング形状部116Cとの相互に接する部位の上面、及びリング形状部116Cとリング形状部116Aとの相互に接する部位の上面の各々には、挟み部118A、118B及び118Cが配設されている。挟み部118A、118B及び118Cの各々は、夫々、底板片120A、120B及び120C並びにこれらの底板片120A、120B及び120Cの上面に間隔をおいて立設された3個の挟み片122A、124A及び126A、122B、124B及び126B並びに122C、124C及び126Cから構成されている。底板片120Aはリング形状部116A及びリング形状部116Bの上面に接続されており、リング形状部116A及びリング形状部116Bの上面に跨って且つリング形状部116A及びリング形状部116Bの上面と平行に延在し、底板片120Bはリング形状部116B及びリング形状部116Cの上面に接続されており、リング形状部116B及びリング形状部116Cの上面に跨って且つリング形状部116B及びリング形状部116Cの上面と平行に延在し、底板片120Cはリング形状部116C及びリング形状部116Aの上面に接続されており、リング形状部116C及びリング形状部116Aの上面に跨って且つリング形状部116C及びリング形状部116Aの上面と平行に延在している。3個の挟み片122A、124A及び126A、122B、124B及び126B並びに122C、124C及び126Cは、夫々、リング形状部116Aとリング形状部116Bとの相互に接する部位の外接面に平行に、リング形状部116Bとリング形状部116Cとの相互に接する部位の外接面に平行に、リング形状部116Cとリング形状部116Aとの相互に接する部位の外接面に平行に延在している。挟み部118A、118B及び118Cを構成する底板片120A、120B及び120C並びに3個の挟み片122A、124A及び126A、122B、124B及び126B並びに122C、124C及び126Cの形態自体は、図4に図示する挟み部18の底板片20並びに3個の挟み片22、24及び26と実質上同一でよい。
【0018】
図5及び図6に図示する接続具114においては、リング形状部116Aの上面側に装着される容器蓋2は、挟み部118Aの挟み片122Aと挟み片124Aとの間及び挟み部118Cの挟み片122Cと挟み片126Cとの間にスカート壁6の下部が局部的に挿入される。同様に、リング形状部116Bの上面側に装着される容器蓋2は、挟み部118Bの挟み片122Bと挟み片124Bとの間及び挟み部118Aの挟み片122Aと挟み片126Aとの間にスカート壁6の下部が局部的に挿入され、リング形状部116Cの上面側に装着される容器蓋2は、挟み部118Cの挟み片122Cと挟み片124Cとの間及び挟み部118Aの挟み片122Aと挟み片126Aとの間にスカート壁6の下部が局部的に挿入される。
【0019】
図7及び図8には、本発明に従って構成された接続具の更に他の実施形態が図示されている。図5及び図6に図示されている接続具114と同様に、図7及び図8に図示する接続具214も、120度の角度間隔をおいて同一高さに配列された3個のリング形状部216A、216B及び216Cを含んでいる。3個のリング形状部216A、216B及び216Cはそれらの外周面を相互に接して配置され、相互に接する外周面は接続されている。そしてまた、接続具214の中心部にもリング形状部216A、216B及び216Cを形成する合成樹脂が充填されている。
【0020】
図7及び図8に図示する接続具214においては、リング形状部216Aとリング形状部216Bとの相互に接する部位に隣接してその外側に位置する部位の上面、リング形状部216Bとリング形状部216Cとの相互に接する部位に隣接してその外側に位置する部位の上面、及びリング形状部216Cとリング形状部216Aとの相互に接する部位に隣接してその外側に位置する部位の上面の各々に、夫々、挟み部218A、218B及び218Cが配設されている。挟み部218A、218B及び218Cの各々は、夫々、底板片220A、220B及び220C並びにこれらの底板片220A、220B及び220Cの上面に間隔をおいて立設された3個の挟み片222A、224A及び226A、222B、224B及び226B並びに222C、224C及び226Cから構成されている。底板片220Aはリング形状部216A及びリング形状部216Bの上面に接続されており、リング形状部216A及びリング形状部216Bの上面に跨って且つリング形状部216A及びリング形状部216Bの上面と平行に延在し、底板片220Bはリング形状部216B及びリング形状部216Cの上面に接続されており、リング形状部216B及びリング形状部216Cの上面に跨って且つリング形状部216B及びリング形状部216Cの上面と平行に延在し、底板片220Cはリング形状部216C及びリング形状部216Aの上面に接続されており、リング形状部216C及びリング形状部216Aの上面に跨って且つリング形状部216C及びリング形状部216Aの上面と平行に延在している。3個の挟み片222A、224A及び226A、222B、224B及び226B並びに222C、224C及び226Cは、夫々、リング形状部216Aとリング形状部216Bとの相互に接する部位の外接面に対して垂直に、リング形状部216Bとリング形状部216Cとの相互に接する部位の外接面に対して垂直に、リング形状部216Cとリング形状部216Aとの相互に接する部位の外接面に対して垂直に延在している。挟み部218A、218B及び218Cを構成する底板片220A、220B及び220C並びに3個の挟み片222A、224A及び226A、222B、224B及び226B並びに222C、224C及び226Cの形態自体は、図4に図示する挟み部18の底板片20並びに3個の挟み片22、24及び26と実質上同一でよい。
【0021】
図7及び図8に図示する接続具214を使用する場合には、挟み部218Aの挟み片222Aと挟み片226Aとの間、挟み部218Bの挟み片222Bと挟み片226Bとの間、及び挟み部218Cの挟み片222Cと挟み片226Cとの間のいずれかに、容器蓋2のスカート壁6の下端部を局部的に挿入して接続具214に容器蓋2を装着して、或いは他の接続具214(或いは上記接続具14又は114)のリング形状部216(或いはリング形状部16又は116)を局部的に挿入して接続具214に他の接続具214(或いは接続具14又は114)を連結して、容器蓋2の横方向への配列を展開することができる。所望ならば、挟み部218Aの挟み片222Aと挟み片224Aとの間、挟み部218Bの挟み片222Bと挟み片224Bとの間、及び挟み部218Cの挟み片222Cと挟み片224Cとの間に1個の容器2のスカート壁6の下端部を局部的に挿入して、接続具214の中央に1個の容器蓋2を装着することもできる。
【0022】
図9及び図10は、本発明に従って構成された接続具の更に他の実施形態を図示している。図5及び図6に図示されている接続具114と同様に、図9及び図10に図示する接続具314も、120度の角度間隔をおいて同一高さに配列された3個のリング形状部316A、316B及び316Cを含んでいる。3個のリング形状部316A、316B及び316Cはそれらの外周面を相互に接して配置され、相互に接する外周面は接続されている。そしてまた、接続具314の中心部にもリング形状部316A、316B及び316Cを形成する合成樹脂が充填されている。
【0023】
図9及び図10に図示する接続具314においては、図5及び図6に図示する接続具114における挟み部118A、118B及び118Cに対応する挟み部318A、318B及び318Cに加えて、リング形状部316A、316B及び316Cの各々に、夫々、複数個(図示の場合は4個)の挟み部318A´、318B´及び318C´が配設されている。これらの挟み部318A´、318B´及び318C´の各々は、図2乃至図4に図示する接続具14における挟み部18と実質上同一である。所望ならば、挟み部318A、318B及び318C並びに318A´、318B´及び318C´の各々において、挟み片324A又は326A、324B又は326B、324C又は326C、324A´又は326A´、324B´又は346B´或いは324C´又は326C´を省略することもできるが、複数個の挟み部318A´の少なくとも1個、複数個の挟み部318B´の少なくとも1個及び複数個の挟み部318Cの少なくとも1個は、夫々、3個の挟み片322A´、324A´及び326A´、3個の挟み片322B´、324B´及び326B´、並びに3個の挟み片322C´、324C´及び326C´を含んでいるのが好ましい。
【0024】
図9及び図10に図示する接続具314においては、リング形状部316Aの上面側に装着される容器蓋2はそのスカート壁6の下部を局部的に挟み部318Aの挟み片322Aと挟み片324Aとの間、挟み部318Cの挟み片322Cと挟み片326Cとの間及び4個の挟み部318A´の挟み片322A´と挟み片324A´との間に挿入される。同様に、リング形状部316Bの上面側に装着される容器蓋2はそのスカート壁6の下部を局部的に挟み部318Bの挟み片322Bと挟み片324Bとの間、挟み部318Aの挟み片322Aと挟み片326Aとの間及び4個の挟み部318B´の挟み片322B´と挟み片324B´との間に挿入され、リング形状部316Cの上面側に装着される容器蓋2はそのスカート壁6の下部を局部的に挟み部318Cの挟み片322Cと挟み片324Cとの間、挟み部318Bの挟み片322Bと挟み片326Bとの間及び4個の挟み部318C´の挟み片322C´と挟み片324C´との間に挿入される。容器蓋2の横方向への配列の展開に関しては、リング形状部318Aに配設されている4個の挟み部318A´におけるいずれかの挟み片322A´と挟み片326A´との間、リング形状部318Bに配設されている4個の挟み部318B´におけるいずれかの挟み片322B´と挟み片326B´との間、或いはリング形状部318Cに配設されている4個の挟み部318C´におけるいずれかの挟み片322C´と挟み片326C´との間に、他の接続片314(或いは接続片14、114又は214)のリング形状部316(又はリング形状部16、116又は216)の下部を局部的に挿入して他の接続片314(或いは接続片14、114又は214)を接続する、或いは容器蓋2のスカート壁6の下部を局部的に挿入して容器蓋2を装着することによって遂行することができる。
【0025】
図11には挟み部の変形例が図示されている。図11に図示する挟み部418においては、底板片420はリング形状部416の外周面に接続されている内側端から半径方向外側に延在されている。底板片420の上面はリング形状部416の上面と実質上面一である。挟み部418の挟み片422及び426(図4に図示する挟み片22及び26に対応する)は底板片420の上面に立設されているが、挟み片424(図4に図示する挟み片24に対応する)はリング形状部416の上面に直接的に立設されている。
【0026】
図12には、多数の接続具114及び314と共に多数の容器蓋2を使用して作成した装飾品の一例として、東京タワーを模した装飾品が図示されている。
【0027】
図13には、本発明に従って構成された接続具の更に他の実施形態が図示されている。本実施形態における接続具514にあっては、挟み部518の内面から径方向内側に向かって延びる梁528が周方向に間隔をおいて複数配置され、複数の梁528は平面視におけるリング形状部516の中央にて相互に接続される。図示の実施形態においては、挟み部518は周方向に等角度間隔をおいて6つ配設されており、梁528は周方向に1つおきの挟み部518の各々の内面さらに詳しくは挟み片524の内面から径方向内側に延びている。従って、図示の実施形態においては、梁528は全部で3本設けられていて、3本の梁528は周方向に等角度間隔をおいて配置されている。3本の梁528は全て実質上水平且つ直線状に延びている。換言すれば、3本の梁528は全て同一の高さ位置に存在する。図14に示すとおり、梁528の断面は実質上水平な下面530と、下面530の両端から上方に起立する一対の側面532と、一対の側面532の各々の上端から上方に向かって内側に弧状に湾曲せしめられ相互に接続する上面534とを有している。図13を参照して説明をすると、3本の梁528が相互に接続された中央接続部536の上面には円形の凹部538が形成されている。所望ならば、梁528は全ての挟み部518の内面から径方向内側に延びていてもよい。また、梁528はリング形状部516の内面から径方向内側に延びていてもよい。更にまた、複数の梁528の夫々の高さ位置は必ずしも全て同一でなくてもよい。
【0028】
本変形例における接続具にあっては、リング形状部516の内面又は挟み部518の内面から径方向内側に向かって延びる梁528が周方向に間隔をおいて複数配置されていて、複数の梁528は平面視におけるリング形状部516の中央(つまり中央接続部536)にて相互に接続されている。これにより、本変形例における接続具が上述した適宜の合成樹脂から一体に射出成形される際には、成型機から成形金型へ溶融状態の合成樹脂を流入させるための入口を中央接続部536の上面又は下面に規定つまり所謂ゲートを中央接続部536の上面又は下面に規定することで、溶融状態の合成樹脂を成形型内に迅速に流入させることができる。上記梁528を有しない形態の接続具(例えば図2に示す接続具14)が射出成形により成形される場合、上記ゲートは接続具の表面上の任意の一点に規定される。そうすると、ゲートから流入した溶融状態の合成樹脂はリング形状部を成形するための環状流路を2方向に分岐して流動した後ゲートと直径方向反対側にて合流することとなり、分岐してから合流するまでの時間が長く、合流した際の合成樹脂の樹脂温度が低下するため、合流した部位にて所謂ウェルドの如き成形不良を生じる虞がある。
【0029】
以上、添付図面を参照して、本発明に従って構成された接続具の好適実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能であることは多言を要しない。
【0030】
例えば、図2及び図3図5及び図6、並びに図9及び図10に図示する接続具においては、挟み部の挟み片はリング形状部の特定部位における外接面に平行に延在し、図7及び図8に図示する接続具においては、挟み部の挟み片はリング形状部の特定部位における外接面に対して垂直に延在するが、挟み部の挟み片はリング形状部の特定部位における外接面に対して適宜の角度をなして延在させることも可能である。
【符号の説明】
【0031】
2:容器蓋
4:天面壁
6:スカート壁
14:接続具
16:リング形状部
18:挟み部
20:底板片
22:挟み片
24:挟み片
26:挟み片
114:接続具
116A、B、C:リング形状部
118A、B、C:挟み部
120A、B、C:底板片
122A、B、C:挟み片
124A、B、C:挟み片
126A、B、C:挟み片
214:接続具
216A、B、C:リング形状部
218A、B、C:挟み部
220A、B、C:底板片
222A、B、C:挟み片
224A、B、C:挟み片
226A、B、C:挟み片
314:接続具
316A、B、C:リング形状部
318A、B、C:挟み部
318A´、B´、C´:挟み部
320A、B、C:底板片
320A´、B´、C´:底板片
322A、B、C:挟み片
322A´、B´、C´:挟み片
324A、B、C:挟み片
324A´、B´、C´:挟み片
326A、B、C:挟み片
326A´、B´、C´:挟み片
416:リング形状部
418:挟み部
420:底板片
422:挟み片
424:挟み片
426:挟み片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14