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特開2024-76347自動車投光器のための部品の自動組立方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076347
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】自動車投光器のための部品の自動組立方法
(51)【国際特許分類】
   B23P 19/04 20060101AFI20240529BHJP
【FI】
B23P19/04 E
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023177291
(22)【出願日】2023-10-13
(31)【優先権主張番号】22209304.9
(32)【優先日】2022-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン ヤックル
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ミッターレーナー
【テーマコード(参考)】
3C030
【Fターム(参考)】
3C030BB04
3C030BC04
(57)【要約】
【課題】自動車投光器のための部品の自動組立方法を改善する。
【解決手段】自動車投光器のための部品の自動組立方法。該方法は以下の順のステップを有する:第1部品要素(1a)及び第2部品要素(1b)の提供、但し第1部品要素(1a)は第1コンタクト部分(6a)を備えた第1受容要素(4a)を有し、第2部品要素(1b)は第2コンタクト部分(6b)を備えた第2受容要素(4b)を有する;第1保持部分(8a)を備えた第1グリップアーム(7a)及び第2保持部分(8b)を備えた第2グリップアーム(7b)を有するグリップアーム装置(7)の提供;グリップアーム装置(7)による第1部品要素(1a)のグリップ、これにより第1部品要素(1a)は保持されかつその回転が阻止される;第2部品要素(1b)におけるグリップされた第1部品要素(1a)の位置合わせ;部品(1)を形成するための第2部品要素(1b)に対する第1部品要素(1a)の組み付け。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車投光器のための部品(1)の自動組立方法であって、
前記方法は、以下の順のステップ:
*組立状態において自動車投光器のための部品(1)を一緒に形成するよう構成された第1部品要素(1a)及び第2部品要素(1b)を提供すること、但し、前記第1部品要素(1a)は、当該第1部品要素(1a)の第1側部(5a)に第1受容要素(4a)を、当該第1部品要素(1a)の前記第1側部(5a)の反対側の第2側部(5b)に第2受容要素(4b)を有し、前記第1受容要素(4a)は第1コンタクト部分(6a)を、前記第2受容要素(4b)は第2コンタクト部分(6b)を有し、前記第1コンタクト部分(6a)には凹部又は凸部が、前記第2コンタクト部分(6b)には凹部又は凸部が形成されている、
*前記部品(1)を形成するために前記第1部品要素(1a)を前記第2部品要素(1b)に自動的に組み付けるための組立装置を提供すること、但し、前記組立装置は、第1グリップアーム(7a)及び第2グリップアーム(7b)を備える制御可能なグリップアーム装置(7)を有し、前記グリップアーム装置(7)は、前記第1グリップアーム(7a)と前記第2グリップアーム(7b)の協働によって、前記第1部品要素(1a)をグリップするよう、構成されており、前記組立装置は、前記部品(1)を形成するために、グリップされた前記第1部品要素(1a)を前記第2部品要素(1b)に組み付けるよう、構成されており、前記第1グリップアーム(7a)には前記第1コンタクト部分(6a)の凹部又は凸部に対し相補的に形成された第1保持部分(8a)が形成されており、前記第2グリップアーム(7b)には前記第2コンタクト部分(6b)の凹部又は凸部に対し相補的に形成された第2保持部分(8b)が形成されており、前記第1保持部分(8a)と前記第2保持部分(8b)は前記グリップアーム装置(7)の主軸(z)に沿って配置されており、前記グリップアーム装置(7)による前記第1部品要素(1a)のグリップ状態において、前記第1グリップアーム(7a)は、前記第1保持部分(8a)が前記第1コンタクト部分(6a)の凹部又は凸部と嵌合するよう、前記第1コンタクト部分(6a)に係合し、かつ、前記第2グリップアーム(7b)は、前記第2保持部分(8b)が前記第2コンタクト部分(6b)の凹部又は凸部と嵌合するよう、前記第2コンタクト部分(6b)に係合し、前記嵌合によって、前記第1部品要素(1a)は実質的に前記第1グリップアーム(7a)と前記第2グリップアーム(7b)の間において保持されかつ前記主軸(z)の周りでの回転が阻止されている、
*前記第1グリップアーム(7a)が前記第1受容要素(4a)の前記第1コンタクト部分(6a)にかつ第2グリップアーム(7b)が前記第2受容要素(4b)の前記第2コンタクト部分(6b)に係合できるよう、前記第1部品要素(1a)において前記グリップアーム装置(7)を位置合わせすること、
*前記第1グリップアーム(7a)と前記第2グリップアーム(7b)との協働によって前記第1部品要素(1a)をグリップすること、但し、当該グリップ後、前記第1部品要素(1a)が保持されかつ前記主軸(z)の周りでの回転が阻止されるよう、前記第1保持部分(8a)が前記第1コンタクト部分(6a)の凹部又は凸部とかつ前記第2保持部分(8b)が前記第2コンタクト部分(6b)の凹部又は凸部と嵌合すること、
*前記部品(1)を形成するために前記第1部品要素(1a)が前記第2部品要素(1b)に組付け可能になるよう、グリップされた前記第1部品要素(1a)を前記第2部品要素(1b)において位置合わせすること、
*前記第1部品要素(1a)を前記第2部品要素(1b)に組み付けて前記部品(1)を形成すること
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記第1受容要素(4a)は前記第1部品要素(1a)の前記第1側部(5a)から延出し、前記第2受容要素(4b)は前記第1部品要素(1a)の前記第2側部(5b)から突出していること
を特徴とする、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
前記第1保持部分(8a)及び前記第2保持部分(8b)は、夫々、前記主軸(z)に対し実質的に直角をなして配向された面に位置すること
を特徴とする、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記第1部品要素(1a)は組付部分(3)を有しかつ前記第2部品要素(1b)は組付相手部分(2)を有すること、
組立状態において、前記第1部品要素(1a)は前記組付部分(3)が前記第2部品要素(1b)の前記組付相手部分(2)に組付けられていること
を特徴とする、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、
前記組付部分(3)は前記第1側部(5a)及び前記第2側部(5b)とは異なる前記第1部品要素(1a)の第3側部(5c)に配されていること
を特徴とする、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、
前記第1部品要素(1a)は、前記第3側部(5c)が前記第1側部(5a)及び/又は前記第2側部(5b)に対し直角をなすよう、構成されていること
を特徴とする、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、
前記第1部品要素(1a)は、光学的有効領域と光学的非有効領域を有する光学部品、例えばレンズ、マイクロレンズアレイ又はマイクロミラーアクチュエータ要素を含むこと
を特徴とする、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、
前記第1受容要素(4a)及び前記第2受容要素(4b)は、夫々、前記光学的非有効領域に形成されていること
を特徴とする、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法において、
前記光学的非有効領域は実質的に前記光学的有効領域の周りに配されていること
を特徴とする、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、
前記第2部品要素(1b)は、少なくとも、以下の要素:第1部品要素(1a)に光を放射するための発光手段、前記発光手段の制御のための回路基板、前記第1部品要素(1a)の保持のための保持装置又はこれらの要素の任意の組み合わせ
の1つ以上を含むこと
を特徴とする、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、
前記第1受容要素(4a)及び前記第2受容要素(4b)は、前記第1部品要素(1a)と一体的に形成されていること
を特徴とする、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法において、
前記第1コンタクト部分(6a)における凹部又は凸部は少なくとも2つの方向に沿って延在していること、
前記第2コンタクト部分(6b)における凹部又は凸部は少なくとも2つの方向に沿って延在していること
を特徴とする、方法。
【請求項13】
自動車投光器のための部品(1)と前記部品の自動組立のための組立装置のためのグリップアーム装置(7)を含むシステムであって、
前記部品は、組立状態において一緒に前記部品(1)を形成する第1部品要素(1a)及び第2部品要素(1b)を有すること、前記第1部品要素(1a)は当該第1部品要素(1a)の第1側部(5a)に第1受容要素(4a)を、前記第1側部(5a)の反対側にある前記第1部品要素(1a)の第2側部(5b)に第2受容要素(4b)を有すること、前記第1受容要素(4a)は第1コンタクト部分(6a)を、前記第2受容要素(4b)は第2コンタクト部分(6b)を有すること、前記第1コンタクト部分(6a)には凹部又は凸部が、前記第2コンタクト部分(6b)には凹部又は凸部が形成されていること、
前記グリップアーム装置(7)は第1グリップアーム(7a)と第2グリップアーム(7b)を有すること、前記グリップアーム装置(7)は、組立ロボットに配設可能であり、前記組立ロボットによって制御可能に構成されており、前記第1グリップアーム(7a)と前記第2グリップアーム(7b)との協働によって前記第1部品要素(1a)をグリップするよう、構成されていること、前記第1グリップアーム(7a)には前記第1コンタクト部分(6a)の凹部又は凸部に対し相補的に形成された第1保持部分(8a)が、前記第2グリップアーム(7b)には前記第2コンタクト部分(6b)の凹部又は凸部に対し相補的に形成された第2保持部分(8b)が形成されており、そのため、前記グリップアーム装置(7)による前記第1部品要素(1a)のグリップ状態において、前記第1グリップアーム(7a)は、前記第1保持部分(8a)が前記第1コンタクト部分(6a)の凹部又は凸部に嵌合するよう、前記第1コンタクト部分(6a)と係合し、かつ、前記第2グリップアーム(7b)は、前記第2保持部分(8b)が前記第2コンタクト部分(6b)の凹部又は凸部に嵌合するよう、前記第2コンタクト部分(6b)と係合すること、前記第1保持部分(8a)と前記第2保持部分(8b)は前記グリップアーム装置(7)の主軸(z)に沿って配置されていること、前記嵌合は、前記第1部品要素(1a)が実質的に前記第1グリップアーム(7a)と前記第2グリップアーム(7b)との間において保持可能でありかつ前記グリップアーム装置に対する相対的な回転が阻止可能であるように、形成されること
を特徴とする、システム。
【請求項14】
自動車投光器のための部品であって、
前記部品(1)は、請求項1~12の何れかの自動組立方法によって組み立てられていること
を特徴とする、部品。
【請求項15】
請求項14に記載の部品(1)を含む自動車投光器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2022年11月24日に出願された欧州特許出願第22209304.9号についてのパリ条約上の優先権の利益を主張するものであり、当該出願の全内容は引照を以って本書に繰り込みここに記載されているものとする。
【0002】
本発明は、自動車投光器のための部品の自動組立方法に関する。
【0003】
本発明は、更に、自動車投光器のための部品と組立装置のためのグリップアーム装置とを含む、システムに関する。
【0004】
本発明は、更に、自動車投光器のための部品に関する。
【0005】
本発明は、更に、部品を含む自動車投光器に関する。
【背景技術】
【0006】
従来技術において部品の自動組立法は既知である。通常は、この方法は、部品をグリップアームによってグリップして(掴んで)組み立てる組立ロボットによって実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】EP 3 088 798 A2
【特許文献2】EP 3 021 040 A1
【特許文献3】CN 217 727 751 U
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
部品要素のグリップ(掴み)及び保持がグリップアームから部品要素へ印加される最小圧力によって実行されること、ないしは、部品要素が吸引カップ装置によってグリップされて保持されることは、既知である。とりわけ自動車投光器(前照灯等)のための光学的ないしデリケートな(損傷を受け易い)部品要素の場合、グリップ及び保持のための既知の手段は目的に適わないことが判明している。なぜなら、グリップするために必要な最小圧力からして既に過度に大きく、光学的部品要素に損傷を引き起こすからであり、自動車投光器の分野においては、部品要素は、吸引カップ装置を使用するには、通常、余りに小さくないしは余りにデリケートに構成されているからである。
【0009】
それ故、本発明の課題は従来技術の欠点を低減ないし克服することである。従って、本発明は、とりわけ、部品要素が安全かつ損傷無く組み立てられる、自動車投光器のための構成部材の改善された自動組立方法を創出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の視点により、自動車投光器のための部品の自動組立方法が提供される。
前記方法は、以下の順のステップを含む:
*組立状態において自動車投光器のための部品を一緒に形成するよう構成された第1部品要素及び第2部品要素を提供すること、但し、前記第1部品要素は、当該第1部品要素の第1側部に第1受容要素を、当該第1部品要素の前記第1側部の反対側の第2側部に第2受容要素を有し、前記第1受容要素は第1コンタクト部分を、前記第2受容要素は第2コンタクト部分を有し、前記第1コンタクト部分には凹部又は凸部が、前記第2コンタクト部分には凹部又は凸部が形成されている、
*前記部品を形成するために前記第1部品要素を前記第2部品要素に自動的に組み付けるための組立装置を提供すること、但し、前記組立装置は、第1グリップアーム及び第2グリップアームを備える制御可能なグリップアーム装置を有し、前記グリップアーム装置は、前記第1グリップアームと前記第2グリップアームの協働によって、前記第1部品要素をグリップする(掴む)よう、構成されており、前記組立装置は、前記部品を形成するために、グリップされた前記第1部品要素を前記第2部品要素に組み付けるよう、構成されており、前記第1グリップアームには前記第1コンタクト部分の凹部又は凸部に対し相補的に形成された第1保持部分が形成されており、前記第2グリップアームには前記第2コンタクト部分の凹部又は凸部に対し相補的に形成された第2保持部分が形成されており、前記第1保持部分と前記第2保持部分は前記グリップアーム装置の主軸に沿って配置されており、前記グリップアーム装置による前記第1部品要素のグリップ状態において、前記第1グリップアームは、前記第1保持部分が前記第1コンタクト部分の凹部又は凸部と嵌合する(に嵌り込む)よう、前記第1コンタクト部分に係合し、かつ、前記第2グリップアームは、前記第2保持部分が前記第2コンタクト部分の凹部又は凸部と嵌合する(に嵌り込む)よう、前記第2コンタクト部分に係合し、前記嵌合によって、前記第1部品要素は実質的に前記第1グリップアームと前記第2グリップアームの間において保持されかつ前記主軸の周りでの回転が阻止されている、
*前記第1グリップアームが前記第1受容要素の前記第1コンタクト部分にかつ第2グリップアームが前記第2受容要素の前記第2コンタクト部分に係合(当接)できるよう、前記第1部品要素において前記グリップアーム装置を位置合わせ(位置決め)すること、
*前記第1グリップアームと前記第2グリップアームとの協働によって前記第1部品要素をグリップすること、但し、当該グリップ後、前記第1部品要素が保持されかつ前記主軸の周りでの回転が阻止されるよう、前記第1保持部分が前記第1コンタクト部分の凹部又は凸部とかつ前記第2保持部分が前記第2コンタクト部分の凹部又は凸部と嵌合すること、
*前記部品を形成するために前記第1部品要素が前記第2部品要素に組付け可能になるよう、グリップされた前記第1部品要素を前記第2部品要素において位置合わせすること、
*前記第1部品要素を前記第2部品要素に組み付けて前記部品を形成すること(形態1)。
本発明の第2の視点により、自動車投光器のための部品と前記部品の自動組立のための組立装置のためのグリップアーム装置を含むシステムが提供される。該システムにおいて、
前記部品は、組立状態において一緒に前記部品を形成する第1部品要素及び第2部品要素を有すること、前記第1部品要素は当該第1部品要素の第1側部に第1受容要素を、前記第1側部の反対側にある前記第1部品要素の第2側部に第2受容要素を有すること、前記第1受容要素は第1コンタクト部分を、前記第2受容要素は第2コンタクト部分を有すること、前記第1コンタクト部分には凹部又は凸部が、前記第2コンタクト部分には凹部又は凸部が形成されていること、
前記グリップアーム装置は第1グリップアームと第2グリップアームを有すること、前記グリップアーム装置は、組立ロボットに配設可能であり、前記組立ロボットによって制御可能に構成されており、前記第1グリップアームと前記第2グリップアームとの協働によって前記第1部品要素をグリップするよう、構成されていること、前記第1グリップアームには前記第1コンタクト部分の凹部又は凸部に対し相補的に形成された第1保持部分が、前記第2グリップアームには前記第2コンタクト部分の凹部又は凸部に対し相補的に形成された第2保持部分が形成されており、そのため、前記グリップアーム装置による前記第1部品要素のグリップ状態において、前記第1グリップアームは、前記第1保持部分が前記第1コンタクト部分の凹部又は凸部に嵌合する(嵌り込む)よう、前記第1コンタクト部分と係合し、かつ、前記第2グリップアームは、前記第2保持部分が前記第2コンタクト部分の凹部又は凸部に嵌合する(嵌り込む)よう、前記第2コンタクト部分と係合すること、前記第1保持部分と前記第2保持部分は前記グリップアーム装置の主軸に沿って配置されていること、前記嵌合は、前記第1部品要素が実質的に前記第1グリップアーム[部分]と前記第2グリップアーム[部分]との間において保持可能でありかつ前記グリップアーム装置に対する相対的な回転が阻止可能であるように、形成されることを特徴とする(形態13)。
本発明の第3の視点により、自動車投光器のための部品が提供される。該部品は本発明の自動組立方法によって組み立てられている(形態14)。
本発明の第4の視点により、本発明の部品を含む自動車投光器が提供される(形態15)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の好ましい形態を示す。
(形態1)上記本発明の第1の視点参照。
(形態2)形態1に記載の方法において、
前記第1受容要素は前記第1部品要素の前記第1側部から延出し、前記第2受容要素は前記第1部品要素の前記第2側部から突出していることが好ましい。
(形態3)形態1に記載の方法において、
前記第1保持部分及び前記第2保持部分は、夫々、前記主軸に対し実質的に直角をなして配向された面に位置することが好ましい。
(形態4)形態1に記載の方法において、
前記第1部品要素は組付部分を有しかつ前記第2部品要素は組付相手部分を有すること、
組立状態において、前記第1部品要素は前記組付部分が前記第2部品要素の前記組付相手部分に組付けられていることが好ましい。
(形態5)形態4に記載の方法において、
前記組付部分は前記第1側部及び前記第2側部とは異なる前記第1部品要素の第3側部に配されていることが好ましい。
(形態6)形態5に記載の方法において、
前記第1部品要素は、前記第3側部が前記第1側部及び/又は前記第2側部に対し直角をなすよう、構成されていることが好ましい。
(形態7)形態1に記載の方法において、
前記第1部品要素は、光学的有効領域と光学的非有効領域を有する光学部品、例えばレンズ、マイクロレンズアレイ又はマイクロミラーアクチュエータ要素を含むことが好ましい。
(形態8)形態7に記載の方法において、
前記第1受容要素及び前記第2受容要素は、夫々、前記光学的非有効領域に形成されていることが好ましい。
(形態9)形態7に記載の方法において、
前記光学的非有効領域は実質的に前記光学的有効領域の周りに配されていることが好ましい。
(形態10)形態1に記載の方法において、
前記第2部品要素は、少なくとも、以下の要素:
第1部品要素に光を放射するための発光手段、前記発光手段の制御のための回路基板、前記第1部品要素の保持のための保持装置又はこれらの要素の任意の組み合わせ
の1つ以上を含むことが好ましい。
(形態11)形態1に記載の方法において、
前記第1受容要素及び前記第2受容要素は前記第1部品要素と一体的に形成されていることが好ましい。
(形態12)形態1に記載の方法において、
前記第1コンタクト部分における凹部又は凸部は少なくとも2つの方向に沿って延在していること、
前記第2コンタクト部分における凹部又は凸部は少なくとも2つの方向に沿って延在していることが好ましい。
(形態13)上記本発明の第2の視点参照。
(形態14)上記本発明の第3の視点参照。
(形態15)上記本発明の第4の視点参照。
【0012】
本発明に応じ、本方法は以下の順で以下のステップを有する:
*組立状態において自動車投光器のための部品を一緒に形成するよう構成された第1部品要素及び第2部品要素を提供すること、但し、前記第1部品要素は当該第1部品要素の第1側部に第1受容要素を有しかつ前記第1側部の反対側にある当該第1部品要素の第2側部に第2受容要素を有し、前記第1受容要素は第1コンタクト部分を有しかつ前記第2受容要素は第2コンタクト部分を有し、前記第1コンタクト部分には凹部又は凸部が形成されておりかつ前記第2コンタクト部分には凹部又は凸部が形成されている、
*前記部品を形成するために前記第1部品要素を前記第2部品要素に自動的に組み付けるための組立装置を提供すること、但し、前記組立装置は第1グリップアーム及び第2グリップアームを備える制御可能なグリップアーム装置を有し、前記グリップアーム装置は前記第1グリップアームと前記第2グリップアームの協働によって前記第1部品要素をグリップする(掴む)よう構成(適合化)されており、好ましくは前記第1グリップアームは前記第2グリップアームに対し平行に配設されており、前記組立装置は前記部品を形成するためにグリップされた前記第1部品要素を前記第2部品要素に組み付けるよう構成されており、前記第1グリップアームには前記第1コンタクト部分の凹部又は凸部に対し相補的に形成された第1保持部分が形成されており、前記第2グリップアームには前記第2コンタクト部分の凹部又は凸部に対し相補的に形成された第2保持部分が形成されており、前記第1保持部分と前記第2保持部分は前記グリップアーム装置の主軸に沿って配置されており、前記グリップアーム装置による前記第1部品要素のグリップ状態(前記グリップアーム装置によって前記第1部品要素がグリップされた状態)において、前記第1グリップアームは、前記第1保持部分が前記第1コンタクト部分の凹部又は凸部と嵌合する(に嵌り込む)よう、前記第1コンタクト部分に係合(当接)し、かつ、前記第2グリップアームは、前記第2保持部分が前記第2コンタクト部分の凹部又は凸部と嵌合する(に嵌り込む)よう、前記第2コンタクト部分に係合(当接)し、前記嵌合によって、前記第1部品要素は実質的に前記第1グリップアームと前記第2グリップアームの間において保持されかつ前記主軸の周りでの回転(捻り)が阻止されている、
*前記第1グリップアームが前記第1受容要素の前記第1コンタクト部分に係合(当接)することかつ第2グリップアームが前記第2受容要素の前記第2コンタクト部分に係合(当接)することができるよう、前記第1部品要素において前記グリップアーム装置を位置合わせ(位置決め)すること、
*前記第1グリップアームと前記第2グリップアームとの協働によって前記第1部品要素をグリップすること、但し、当該グリップ後、前記第1部品要素が保持されかつ前記主軸の周りでの回転(捻り)が阻止されるよう、前記第1保持部分が前記第1コンタクト部分の凹部又は凸部と嵌合し(に嵌り込み)かつ前記第2保持部分が前記第2コンタクト部分の凹部又は凸部と嵌合する(に嵌り込む)こと、
*前記部品を形成するために前記第1部品要素が前記第2部品要素に組付け可能になるよう、グリップされた前記第1部品要素を前記第2部品要素において位置合わせすること、
*前記第1部品要素を前記第2部品要素に組み付けて前記部品を形成すること。
【0013】
かくして、第1部品要素が確実に保持されかつ損傷を受けない状態に維持されるという利点が得られる。というのは、第1受容要素及び第2受容要素は夫々第1部品要素の側部から(外方へ)突出しており、そのため、第1部品要素が第2部品要素に組み付けられる領域はグリップアームが存在しない状態に維持されるからである。とりわけ、第1コンタクト部分、第2コンタクト部分、第1保持部分及び第2保持部分の構成(ないし形態)は、第1部品要素を確実に(安全に)かつ高信頼性を以ってグリップし(掴み)かつ保持するために必要な押圧力(圧縮力)を従来技術と比べてより小さくする。グリップアーム装置によって第1部品要素をグリップする(掴む)際、とりわけ、第1グリップアームと第2グリップアームは互いに向かって(互いに接近するよう)相対的に運動する。
【0014】
第1受容要素は第1部品要素の第1側部から延出しかつ第2受容要素は第1部品要素の第2側部から突出するよう構成可能である。とりわけ、第1部品要素は縦延伸を有し、第1受容要素と第2受容要素は夫々、第1部品要素の中心点から出発し、実質的に縦延伸に沿って(互いに対し)反対方向へ離れるよう延出(突出)する。
【0015】
第1保持部分及び第2保持部分は夫々主軸に対し実質的に直角をなして配向された面に位置するよう構成可能であり、好ましくは、第1グリップアームは長手軸を有しかつ第2グリップアームは長手軸を有し、これらの長手軸は夫々主軸に対し直角をなすよう配向される。
【0016】
第1部品要素は組付部分を有しかつ第2部品要素は組付相手部分を有し、組立状態において、第1部品要素はその組付部分が第2部品要素の組付相手部分に組付けられることが可能である。
【0017】
組付部分は第1側部及び第2側部とは異なる第1部品要素の第3側部に配される(設けられる)ことが可能である。
【0018】
第1部品要素は第3側部が第1側部及び/又は第2側部に対し直角をなすよう構成されることが可能である。
【0019】
第1部品要素は光学的有効領域と光学的非有効領域を有する光学部品、例えばレンズ、マイクロレンズアレイ又はマイクロミラーアクチュエータ要素を含むことが可能である。
【0020】
第1受容要素及び第2受容要素は夫々光学的非有効領域に形成され、好ましくは、組付部分は光学的有効領域に形成されることが可能である。かくして、光学的有効領域が部品の組立中に損傷を受けない状態に維持されるという利点が得られる。
【0021】
光学的非有効領域は実質的に光学的有効領域の周りに配されることが可能である。
【0022】
第2部品要素は、少なくとも、以下の要素の1つ以上を含むことが可能である:第1部品要素に光を放射するための、好ましくは当該発光手段を冷却するための冷却装置を含む、発光手段、発光手段の制御のための回路基板、第1部品要素の保持のための保持装置又はこれらの要素の任意の組み合わせ。好ましくは、第2部品要素は、第1部品要素へ光を放射するための発光手段を備えた回路基板と、発光手段の冷却のための冷却装置を含む。
【0023】
第1受容要素と第2受容要素は第1部品要素と一体的に形成されることが可能であり、好ましくは、第1部品要素、第1受容要素及び第2受容要素は射出成形法によって一体的に一緒に製造される。
【0024】
第1コンタクト部分における凹部又は凸部は少なくとも2つの方向に沿って延在(延伸)し、第2コンタクト部分における凹部又は凸部は少なくとも2つの方向に沿って延在(延伸)するよう構成されることが可能である。かくして、グリップ状態にある第1部品(要素)が主軸の周りで回転することが阻止されるという利点が得られる。凸部ないし凹部は例えば十字状、スリット状、x字状等に形成可能である。
【0025】
本発明により、自動車投光器のための部品と部品の自動組立のための組立装置のためのグリップアーム装置を含むシステムが提供される。
部品は組立状態において一緒に部品を形成する第1部品要素及び第2部品要素を有し、第1部品要素は当該第1部品要素の第1側部に第1受容要素を有しかつ第1側部の反対側にある第1部品要素の第2側部に第2受容要素を有し、第1受容要素は第1コンタクト部分を有しかつ第2受容要素は第2コンタクト部分を有し、第1コンタクト部分には凹部又は凸部が形成されかつ第2コンタクト部分には凹部又は凸部が形成されており、
グリップアーム装置は第1グリップアームと第2グリップアームを有し、グリップアーム装置は組立ロボットに配設可能であり、組立ロボットによって制御可能に構成されておりかつ第1グリップアームと第2グリップアームとの協働によって第1部品要素をグリップする(掴む)よう構成されており、好ましくは第1グリップアームは第2グリップアームに対し平行に配設されており、第1グリップアームには第1コンタクト部分の凹部又は凸部に対し相補的に形成された第1保持部分が形成されかつ第2グリップアームには第2コンタクト部分の凹部又は凸部に対し相補的に形成された第2保持部分が形成されており、そのため、グリップアーム装置によって第1部品要素をグリップした状態において、第1グリップアームは第1保持部分が第1コンタクト部分の凹部又は凸部と嵌合する(に嵌り込む)よう第1コンタクト部分と係合(当接)し、かつ、第2グリップアームは第2保持部分が第2コンタクト部分の凹部又は凸部と嵌合する(に嵌り込む)よう第2コンタクト部分と係合(当接)し、第1保持部分と第2保持部分はグリップアーム装置の主軸に沿って配置されており、この嵌合は、第1部品要素が実質的に第1グリップアーム[部分]と第2グリップアーム[部分]との間において保持されること及びグリップアーム装置に対する相対的なその回転が阻止されることを可能にする。
【0026】
本発明により、自動車投光器のための部品が提供される。該部品は本発明の自動組立方法によって組み立てられている。
【0027】
本発明により、本発明の自動組立方法によって組み立てられた部品を含む自動車投光器が提供される。
【0028】
本書の枠内において、概念「上」、「下」、「水平」、「垂直」は、部品が自動車投光器(前照灯等)に組み込まれた後に、該部品が正常な使用位置に配設されている場合における、方向(配向)を指示するものとして理解されるべきものである。
【0029】
本発明は、以下において、好ましい一実施例を用いて更に説明されるが、本発明は該実施例に限定されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一方法によって組み立てられた本発明の構成部材の一例の一実施例の斜視図。
図2】図示に示した部品の第1部品要素の一例。
図3】グリップアームによるグリップ前の第1部品要素。
図4】グリップアームによるグリップ後の第1部品要素。
図5】第1部品要素の一側部におけるコンタクト部分の一例。
図6】グリップアームの保持部分の一例。
図7】グリップアームによるグリップ前のコンタクト部分の一例と保持部分の一例。
図8】グリップアームによるグリップ後のコンタクト部分の一例と保持部分の一例。
【実施例0031】
図1は自動車投光器(前照灯等)のための部品1の一例を示す。部品1は本発明の自動組立方法によって製造されている。
【0032】
部品1は、組立状態において一緒に自動車投光器のための部品1を形成するよう構成されている第1部品要素1a及び第2部品要素1bを含む。
【0033】
図2は、第1側部5aに第1受容要素4aを及び第1側部5aの反対側の第2側部5bに第2受容要素4bを有する第1部品要素1aを示す。第1受容要素4aは第1コンタクト部分6aを有し、第2受容要素4bは第1コンタクト部分6bを有する。第1受容要素4aは第1部品要素1aの第1側部5aから、第1部品要素の主軸zに沿って、延出している。第2受容要素4bは第1部品要素1aの第2側部5bから、第1部品要素の主軸zに沿って、突出している。
【0034】
図示の実施例では、第1受容要素4aの縦延伸は第2受容要素4bの縦延伸よりも長い。換言すれば、第1受容要素4aは第2受容要素4bよりも長い。図示の実施例では、第1部品要素1aの下側に第1受容要素4aが、第1部品要素1aの上側に第2受容要素4bが配されている。第1受容要素4aと第2受容要素4bは、第1部品要素1aの垂直(方向の)側辺部に配されることも可能であることは明らかである。本発明に応じたグリップ(掴み)を可能にするためには、好ましくは第1部品要素1aの互いに向い合う側部ないし辺に配されている少なくとも2つの受容要素が必要である。
【0035】
第1コンタクト部分6aには凹部又は凸部が、第2コンタクト部分6bには凹部又は凸部が形成されている。図示の実施例では、十字状ないしx字状の凸部が形成されている。凹部又は凸部は第1コンタクト部分6aにおいて少なくとも2つの方向に沿って延在しており、第2コンタクト部分6bにおける凹部又は凸部は同様に少なくとも2つの方向に沿って延在している。
【0036】
部品1の組立は、第1部品要素1aを第2部品要素1bへ自動的に組み立てる(組み付ける)よう構成(適合化)された(不図示の)組立装置によって行われる。この種の組立装置は従来技術において既知である。本発明に応じ、従来技術に応じた組立装置と適合可能な制御可能なグリップアーム装置7が提供される。
【0037】
グリップアーム装置7は第1グリップアーム7aと第2グリップアーム7bを有する。グリップアーム装置7は、第1グリップアーム7aと第2グリップアーム7bとの協働によって第1部品要素1aをグリップする(掴む)よう構成(適合化)されている。第1グリップアーム7aは第2グリップアーム7bに対し平行に配置されている。組立装置は、グリップアーム装置7によってグリップされた第1部品要素1aを第2受容要素4bに組み付けて部品1を形成するよう構成(適合化)されている。グリップアーム装置7は、既知の組立装置と協働するよう使用可能に構成されている。
【0038】
図3図8に示されているように、第1グリップアーム7aには、第1コンタクト部分6aの凹部又は凸部に相補的に(適合するよう)構成された第1保持部分8aが形成されている。第2グリップアーム7bには、第2コンタクト部分6bの凹部又は凸部に相補的に(適合するよう)構成された第2保持部分8bが形成されている。第1保持部分8aと第2保持部分8bはグリップアーム装置7の主軸zに沿うよう配されている。グリップアーム装置7による第1部品要素1aのグリップ状態(図4及び図8参照)では、第1グリップアーム7aは、第1保持部分8aが第1コンタクト部分6aの凹部又は凸部と嵌合する(に嵌り込む)よう、第1コンタクト部分6aに係合(当接)する。第2グリップアーム7bは、第2保持部分8bが第2コンタクト部分6bの凹部又は凸部と嵌合する(に嵌り込む)よう、第2コンタクト部分6bに係合(当接)し、これらの両者の嵌合(嵌り込み)によって、第1部品要素1aは実質的に第1グリップアーム7aと第2グリップアーム7bの間において保持され、かつ、主軸zの周りでのその回転(捻り)が阻止される(回転に対して保護ないし確保される)。第1保持部分8aと第2保持部分8bは、夫々、主軸zに対し実質的に直角をなすよう配向されている(1つの)面に位置する。第1グリップアーム7aは長手軸xaを有し、第2グリップアーム7bは長手軸xbを有し、長手軸xa、xbは夫々主軸zに対し直角をなすよう配向されている(図3参照)。
【0039】
本発明の組立方法の進行中、グリップアーム装置7は、第1グリップアーム7aが第1受容要素4aの第1コンタクト部分6aに、第2グリップアーム7bが第2受容要素4bの第2コンタクト部分6bに係合(嵌合)できるよう、第1部品要素1aに位置合わせ(位置決め)される。グリップ前の位置合わせ(位置決め)の最終位置は図3に、細部については図7に示されている。
【0040】
次に、第1グリップアーム7aと第2グリップアーム7bの協働による第1部品要素1aのグリップ(掴持)が行われる。この協働によって、第1部品要素1aが保持されかつ主軸zの周りで回転されないよう、グリップ後、第1保持部分8aは第1コンタクト部分6aの凹部又は凸部に嵌合し(嵌り込み)かつ第2保持部分8bは第2コンタクト部分6bの凹部又は凸部に嵌合する(嵌り込む)。この状態は図4に示されており、詳細には図8に示されている。
【0041】
本発明の方法における次のステップにおいては、部品1を形成するために第1部品要素1aが第2部品要素1bに組付け可能になるよう、グリップされた(掴まれた)第1部品要素1aが組立装置によって第2部品要素1bにおいて位置合わせ(位置決め)される。
【0042】
最後に、第1部品要素1aが第2部品要素1bに組付けが行われて部品1が形成される。組み立てられた部品1は図1に示されている。
【0043】
図示の実施例では、第1部品要素1aは組付部分3を有し、第2部品要素1bは組付相手部分2を有する。組立状態においては、第1部品要素1aはその組付部分3が第2部品要素1bの組付相手部分2に組付けられている。組付部分3は、第1側部5a及び第2側部5bとは別の第1部品要素1aの第3側部5cに配置されている。第1部品要素1aは、第3側部5cが第1側部5a及び/又は第2側部5bに対し直角をなすように形成されている。
【0044】
第1部品要素1aは、光学有効(光学的な作用を有する)領域と非光学有効(光学的な作用を有しない)領域を有する光学部品、例えばレンズ、マイクロレンズアレイ又はマイクロミラーアクチュエータ要素(DMD要素)を含むことができる。第1受容要素4a及び第2受容要素4bは、夫々、光学的非有効領域に配されることができる。組付部分3は光学的有効領域に形成されていると有利である。光学的非有効領域は実質的に光学的有効領域の周囲に配されることができる。
【0045】
第2部品要素1bは、少なくとも、以下の要素の1つ以上を含むことができる:第1部品要素1aに光を放射するための発光手段、好ましくは発光手段の冷却のための冷却装置を含むもの、発光手段の制御のための回路基板、第1部品要素1aの保持のための保持装置又はそれらの任意の組み合わせ。図1に示した実施例では、第2部品要素1bは、発光手段を備えた回路基板と発光手段の冷却のための冷却装置とを含む。第1部品要素1aは(一)列に並べて配置(並置)された複数のレンズを含み、発光手段はこれらのレンズに光を放射するよう構成(適合化)されている。第1部品要素1aの反対側にある第2部品要素1bの側部には冷却装置が配されている。
【0046】
第1受容要素4aと第2受容要素4bは第1部品要素1aと一体的に構成されることが可能であり、この場合、好ましくは、第1部品要素1aと第1受容要素4aと第2受容要素4bは射出成形法によって一緒に一体的に製造される。
【0047】
本発明は以下の付記として記載可能である。
[付記1]自動車投光器のための部品の自動組立方法。
前記方法は、以下の順のステップを含む:
*組立状態において自動車投光器のための部品を一緒に形成するよう構成された第1部品要素及び第2部品要素を提供すること、但し、前記第1部品要素は、当該第1部品要素の第1側部に第1受容要素を、当該第1部品要素の前記第1側部の反対側の第2側部に第2受容要素を有し、前記第1受容要素は第1コンタクト部分を、前記第2受容要素は第2コンタクト部分を有し、前記第1コンタクト部分には凹部又は凸部が、前記第2コンタクト部分には凹部又は凸部が形成されている、
*前記部品を形成するために前記第1部品要素を前記第2部品要素に自動的に組み付けるための組立装置を提供すること、但し、前記組立装置は、第1グリップアーム及び第2グリップアームを備える制御可能なグリップアーム装置を有し、前記グリップアーム装置は、前記第1グリップアームと前記第2グリップアームの協働によって、前記第1部品要素をグリップする(掴む)よう、構成されており、前記組立装置は、前記部品を形成するために、グリップされた前記第1部品要素を前記第2部品要素に組み付けるよう、構成されており、前記第1グリップアームには前記第1コンタクト部分の凹部又は凸部に対し相補的に形成された第1保持部分が形成されており、前記第2グリップアームには前記第2コンタクト部分の凹部又は凸部に対し相補的に形成された第2保持部分が形成されており、前記第1保持部分と前記第2保持部分は前記グリップアーム装置の主軸に沿って配置されており、前記グリップアーム装置による前記第1部品要素のグリップ状態において、前記第1グリップアームは、前記第1保持部分が前記第1コンタクト部分の凹部又は凸部と嵌合する(に嵌り込む)よう、前記第1コンタクト部分に係合し、かつ、前記第2グリップアームは、前記第2保持部分が前記第2コンタクト部分の凹部又は凸部と嵌合する(に嵌り込む)よう、前記第2コンタクト部分に係合し、前記嵌合によって、前記第1部品要素は実質的に前記第1グリップアームと前記第2グリップアームの間において保持されかつ前記主軸の周りでの回転が阻止されている、
*前記第1グリップアームが前記第1受容要素の前記第1コンタクト部分にかつ第2グリップアームが前記第2受容要素の前記第2コンタクト部分に係合(当接)できるよう、前記第1部品要素において前記グリップアーム装置を位置合わせ(位置決め)すること、
*前記第1グリップアームと前記第2グリップアームとの協働によって前記第1部品要素をグリップすること、但し、当該グリップ後、前記第1部品要素が保持されかつ前記主軸の周りでの回転が阻止されるよう、前記第1保持部分が前記第1コンタクト部分の凹部又は凸部とかつ前記第2保持部分が前記第2コンタクト部分の凹部又は凸部と嵌合すること、
*前記部品を形成するために前記第1部品要素が前記第2部品要素に組付け可能になるよう、グリップされた前記第1部品要素を前記第2部品要素において位置合わせすること、
*前記第1部品要素を前記第2部品要素に組み付けて前記部品を形成すること。
[付記2]上記の、とりわけ付記1に記載の方法において、
前記第1受容要素は前記第1部品要素の前記第1側部から延出し、前記第2受容要素(4b)は前記第1部品要素の前記第2側部から突出している。
[付記3]上記の、とりわけ付記1又は2に記載の方法において、
前記第1保持部分及び前記第2保持部分は、夫々、前記主軸に対し実質的に直角をなして配向された面に位置する。
[付記4]上記の、とりわけ付記1~3の何れかに記載の方法において、
前記第1部品要素は組付部分を有しかつ前記第2部品要素は組付相手部分を有する;
組立状態において、前記第1部品要素は前記組付部分が前記第2部品要素の前記組付相手部分に組付けられている。
[付記5]上記の、とりわけ付記4に記載の方法において、
前記組付部分は前記第1側部及び前記第2側部とは異なる前記第1部品要素の第3側部に配されている。
[付記6]上記の、とりわけ付記5に記載の方法において、
前記第1部品要素は、前記第3側部が前記第1側部及び/又は前記第2側部に対し直角をなすよう、構成されている。
[付記7]上記の、とりわけ付記1~6の何れかに記載の方法において、
前記第1部品要素は、光学的有効領域と光学的非有効領域を有する光学部品、例えばレンズ、マイクロレンズアレイ又はマイクロミラーアクチュエータ要素を含む。
[付記8]上記の、とりわけ付記7に記載の方法において、
前記第1受容要素及び前記第2受容要素は、夫々、前記光学的非有効領域に形成されている。
[付記9]上記の、とりわけ付記7又は8に記載の方法において、
前記光学的非有効領域は実質的に前記光学的有効領域の周りに配されている。
[付記10]上記の、とりわけ付記1~9の何れかに記載の方法において、
前記第2部品要素は、少なくとも、以下の要素の1つ以上を含む:第1部品要素に光を放射するための発光手段、前記発光手段の制御のための回路基板、前記第1部品要素の保持のための保持装置又はこれらの要素の任意の組み合わせ。
[付記11]上記の、とりわけ付記1~10の何れかに記載の方法において、
前記第1受容要素及び前記第2受容要素は、前記第1部品要素と一体的に形成されている。
[付記12]上記の、とりわけ付記1~11の何れかに記載の方法において、
前記第1コンタクト部分における凹部又は凸部は少なくとも2つの方向に沿って延在している;
前記第2コンタクト部分における凹部又は凸部は少なくとも2つの方向に沿って延在している。
[付記13]自動車投光器のための部品と前記部品の自動組立のための組立装置のためのグリップアーム装置を含むシステム。
前記部品は、組立状態において一緒に前記部品を形成する第1部品要素及び第2部品要素を有すること、前記第1部品要素は当該第1部品要素の第1側部に第1受容要素を、前記第1側部の反対側にある前記第1部品要素の第2側部に第2受容要素を有すること、前記第1受容要素は第1コンタクト部分を、前記第2受容要素は第2コンタクト部分を有すること、前記第1コンタクト部分には凹部又は凸部が、前記第2コンタクト部分には凹部又は凸部が形成されている;
前記グリップアーム装置は第1グリップアームと第2グリップアームを有すること、前記グリップアーム装置は、組立ロボットに配設可能であり、前記組立ロボットによって制御可能に構成されており、前記第1グリップアームと前記第2グリップアームとの協働によって前記第1部品要素をグリップするよう、構成されていること、前記第1グリップアームには前記第1コンタクト部分の凹部又は凸部に対し相補的に形成された第1保持部分が、前記第2グリップアームには前記第2コンタクト部分の凹部又は凸部に対し相補的に形成された第2保持部分が形成されており、そのため、前記グリップアーム装置による前記第1部品要素のグリップ状態において、前記第1グリップアームは、前記第1保持部分が前記第1コンタクト部分の凹部又は凸部に嵌合する(嵌り込む)よう、前記第1コンタクト部分と係合し、かつ、前記第2グリップアームは、前記第2保持部分が前記第2コンタクト部分の凹部又は凸部に嵌合する(嵌り込む)よう、前記第2コンタクト部分と係合すること、前記第1保持部分と前記第2保持部分は前記グリップアーム装置の主軸に沿って配置されていること、前記嵌合は、前記第1部品要素が実質的に前記第1グリップアーム[部分]と前記第2グリップアーム[部分]との間において保持可能でありかつ前記グリップアーム装置に対する相対的な回転が阻止可能であるように、形成される。
[付記14]自動車投光器のための部品。
前記部品は、付記1~12の何れかに記載の自動組立方法によって組み立てられているものである。
[付記15]付記14に記載の部品又は付記1~12の何れかに記載の自動組立方法によって組み立てられた部品を含む自動車投光器。
【0048】
本発明の全開示(特許請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択(「非選択」を含む。)が可能である。すなわち、本発明は、特許請求の範囲及び図面を含む全開示、本発明の技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【0049】
更に、特許請求の範囲に付記した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものであり、本発明を実施形態及び図示の実施例に限定することは意図していない。
【0050】
更に、上記の文献の全内容は引照を以って本書に繰り込みここに記載されているものとする。
【符号の説明】
【0051】
1 部品
1a 第1部品要素
1b 第2部品要素
2 組付相手部分
3 組付部分
4a 第1受容要素
4b 第2受容要素
5a 第1部品要素の第1側部
5b 第1部品要素の第2側部
5c 第1部品要素の第3側部
6a 第1コンタクト部分
6b 第2コンタクト部分
7 グリップアーム装置
7a 第1グリップアーム
7b 第2グリップアーム
8a 第1保持部分
8b 第2保持部分
z 第1部品要素の主軸
xa 第1グリップアームの長手軸
xb 第2グリップアームの長手軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】