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特開2024-76350光起電力モジュールの製造方法及び光起電力モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076350
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】光起電力モジュールの製造方法及び光起電力モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/048 20140101AFI20240529BHJP
   H01L 31/05 20140101ALI20240529BHJP
【FI】
H01L31/04 560
H01L31/04 570
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023182728
(22)【出願日】2023-10-24
(31)【優先権主張番号】202211481197.6
(32)【優先日】2022-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522171073
【氏名又は名称】晶科能源(海▲寧▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】黄世亮
(72)【発明者】
【氏名】郭志球
(72)【発明者】
【氏名】関迎利
(72)【発明者】
【氏名】楊敬国
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251DA10
5F251EA19
5F251JA06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光起電力モジュールの製造方法等を開示する。
【解決手段】光起電力モジュールの製造方法は、フロントシートと少なくとも2つの電池セルを提供し、フロントシートと少なくとも2つの電池セルを順次敷設し、前記フロントシートと前記電池セルとの間に第1接着層を敷設し、前記第1接着層を予備硬化することと、前記第1接着層が予備硬化された後に、前記少なくとも2つの電池セルをPVリボンで接続して、セルストリングを形成することと、第2接着層とバックシートを提供し、直列接続されたセルストリングに第2接着層とバックシートを順次敷設し、前記第2接着層を硬化させてから光起電力モジュールを形成することと、を含む。電池を直列接続する前に、第1接着層を予備硬化することにより、電池の片面溶接時の応力による電池の反りを防止し、電池に隠れクラックや破片が発生するリスクを回避し、光起電力モジュールの歩留まりを高めることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントシートを敷設し、前記フロントシートに第1接着層を敷設し、前記第1接着層に複数の電池セルを敷設し、前記フロントシートと前記電池セルとの間にある前記第1接着層を予備硬化することと、
前記第1接着層が予備硬化された後に、前記複数の電池セルをPVリボンで接続して、セルストリングを形成することと、
前記セルストリングに第2接着層を敷設し、前記第2接着層にバックシートを敷設し、前記バックシートと前記セルストリングとの間にある前記第2接着層を硬化させてから光起電力モジュールを形成することと、を含む、
ことを特徴とする光起電力モジュールの製造方法。
【請求項2】
前記第1接着層および/または前記第2接着層が接着剤または封止用接着フィルムである、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力モジュールの製造方法。
【請求項3】
前記第1接着層と前記第2接着層がいずれも接着剤である場合、フロントシートの電池セルに近い側に接着剤を印刷してから、接着剤に電池セルを敷設し、前記フロントシートと前記複数の電池セルとの間にある接着剤を予備硬化し、セルストリングに接着剤を印刷した後に、接着剤にバックシートを敷設し、前記セルストリングと前記バックシートとの間にある接着剤を硬化し、あるいは、
前記第1接着層が接着剤で、前記第2接着層が封止用接着フィルムである場合、フロントシートの電池セルに近い側に接着剤を印刷してから、接着剤に電池セルを敷設し、前記フロントシートと前記複数の電池セルとの間にある接着剤を予備硬化し、セルストリングに裏面封止用接着フィルムを敷設し、前記裏面封止用接着フィルムにバックシートを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、セルストリング、裏面封止用接着フィルム及びバックシートを積層する、
ことを特徴とする請求項2に記載の光起電力モジュールの製造方法。
【請求項4】
前記フロントシートに垂直な方向において、前記接着剤の厚さは0.1mm以上である、
ことを特徴とする請求項3に記載の光起電力モジュールの製造方法。
【請求項5】
前記フロントシートと前記複数の電池セルとの間にある接着剤を予備硬化することは、加熱硬化を含み、加熱硬化の温度範囲は、100℃~200℃であり、加熱硬化の時間範囲は、5min~30minであり、または、
前記フロントシートと前記複数の電池セルとの間にある接着剤を予備硬化することは、紫外線硬化を含み、紫外線硬化は、365nm波長の紫外線ランプを採用し、硬化時間が1s~60sである、
ことを特徴とする請求項3に記載の光起電力モジュールの製造方法。
【請求項6】
前記第1接着層と前記第2接着層とがいずれも封止用接着フィルムである場合、フロントシートの電池セルに近い側に前面封止用接着フィルムを敷設してから、前記前面封止用接着フィルムに電池セルを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、前面封止用接着フィルムおよび電池セルを予備積層し、セルストリングに裏面封止用接着フィルムを敷設し、前記裏面封止用接着フィルムにバックシートを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、セルストリング、裏面封止用接着フィルムおよびバックシートを積層し、あるいは、
前記第1接着層が封止用接着フィルムで、前記第2接着層が接着剤である場合、フロントシートの電池セルに近い側に前面封止用接着フィルムを敷設してから、前記前面封止用接着フィルムに電池セルを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、前面封止用接着フィルム及び電池セルを積層し、セルストリングに接着剤を印刷し、接着剤にバックシートを敷設し、セルストリングとバックシートとの間にある接着剤を硬化する、
ことを特徴とする請求項2に記載の光起電力モジュールの製造方法。
【請求項7】
重ね合わせられたフロントシート、前面封止用接着フィルムおよび電池セルを予備積層する間に、予備積層時間は10min以下であり、予備積層温度は140℃以下である、
ことを特徴とする請求項6に記載の光起電力モジュールの製造方法。
【請求項8】
重ね合わせられたフロントシート、セルストリング、裏面封止用接着フィルムおよびバックシートを積層する間に、積層時間範囲は10min~20minであり、積層温度範囲は140℃~160℃である、
ことを特徴とする請求項6に記載の光起電力モジュールの製造方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の光起電力モジュールの製造方法によって製造されるものであり、順次配列されたフロントシート、第1接着層、セルストリング、第2接着層及びバックシートを含み、前記セルストリングが少なくとも2つの電池セルを備え、隣接する2つの電池セルがPVリボンによって接続され、前記第1接着層および/または前記第2接着層が接着剤または接着フィルムである、
ことを特徴とする光起電力モジュール。
【請求項10】
前記電池セルがバックコンタクト電池セルであり、前記PVリボンが電池セルの裏面に接続されている、
ことを特徴とする請求項9に記載の光起電力モジュール。
【請求項11】
前記接着剤の面積がセルストリングの寸法以上であり、および/または、接着フィルムの寸法が前記セルストリングの寸法以上である、
ことを特徴とする請求項9に記載の光起電力モジュール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、光起電力の技術分野に関し、特に、光起電力モジュールの製造方法及び光起電力モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電池セルの電極位置と構造を変えることで、前面グリッド線と導電性PVリボンの遮蔽を低減させ、バックコンタクト電池セルを発展させることは、当面電池セルの変換効率を高める重要なルートの一つである。この中で産業化されたバックコンタクト電池セルは、主に2種類ある。一つは、メタルラップスルー(MWT)技術である。この技術は、電池セルの変換効率の向上にある程度寄与しているが、現在、産業化の最高変換効率は、20%より低い。この技術は、電池セル表面の遮蔽を完全になくすことができないため、効率の更なる向上に一定のボトルネックがある。もう一つは、インターディジテッドバックコンタクト(IBC)技術である。この技術によって、電池セルの表面にグリッド線や導電性PVリボンが一切なく、電池セルの表面のグリッド線や導電性リボンの遮蔽を完全になくし、正負電極をセルの裏面に設計し、エミッタ領域と接触する電極とベース領域と接触する電極とを交互に分布させることで、電池セルの表面全体が光照射を受けるようになり、光生成キャリアをより効果的に収集し、エネルギー変換効率を大幅に高めることができる。IBC電池セルは、すでに産業化最高の変換効率24.2%を実現しており、現在、この変換効率が産業化された結晶シリコン電池の第1位を占めており、将来の高効率電池の重要な発展方向である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
上記に鑑みて、本発明には、光起電力モジュールの製造方法が提供され、この光起電力モジュールの製造方法は、
フロントシートを敷設し、前記フロントシートに第1接着層を敷設し、前記第1接着層に複数の電池セルを敷設し、前記フロントシートと前記電池セルとの間にある前記第1接着層を予備硬化することと、
前記第1接着層が予備硬化された後に、前記複数の電池セルをPVリボンで接続して、セルストリングを形成することと、
前記セルストリングに第2接着層を敷設し、前記第2接着層にバックシートを敷設し、前記バックシートと前記セルストリングとの間にある前記第2接着層を硬化させてから光起電力モジュールを形成することと、を含む。
【0004】
選択できるように、前記第1接着層および/または前記第2接着層が接着剤または封止用接着フィルムである。
【0005】
選択できるように、前記第1接着層と前記第2接着層がいずれも接着剤である場合、フロントシートの電池セルに近い側に接着剤を印刷してから、接着剤に電池セルを敷設し、前記フロントシートと前記複数の電池セルとの間にある接着剤を予備硬化し、セルストリングに接着剤を印刷した後に、接着剤にバックシートを敷設し、前記セルストリングと前記バックシートとの間にある接着剤を硬化し、あるいは、前記第1接着層が接着剤で、前記第2接着層が封止用接着フィルムである場合、フロントシートの電池セルに近い側に接着剤を印刷してから、接着剤に電池セルを敷設し、前記フロントシートと前記複数の電池セルとの間にある接着剤を予備硬化し、セルストリングに裏面封止用接着フィルムを敷設し、前記裏面封止用接着フィルムにバックシートを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、セルストリング、裏面封止用接着フィルム及びバックシートを積層する。
【0006】
選択できるように、前記フロントシートに垂直な方向において、前記接着剤の厚さは0.1mm以上である。
【0007】
選択できるように、前記フロントシートと前記複数の電池セルとの間にある接着剤を予備硬化することは、加熱硬化を含み、加熱硬化の温度範囲は、100℃~200℃であり、加熱硬化の時間範囲は、5min~30minであり、前記フロントシートと前記複数の電池セルとの間にある接着剤を予備硬化することは、紫外線硬化を含み、紫外線硬化は、365nm波長の紫外線ランプを採用し、硬化時間が1s~60sである。
【0008】
選択できるように、前記第1接着層と前記第2接着層とがいずれも封止用接着フィルムである場合、フロントシートの電池セルに近い側に前面封止用接着フィルムを敷設してから、前記前面封止用接着フィルムに電池セルを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、前面封止用接着フィルムおよび電池セルを予備積層し、セルストリングに裏面封止用接着フィルムを敷設し、前記裏面封止用接着フィルムにバックシートを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、セルストリング、裏面封止用接着フィルムおよびバックシートを積層し、あるいは、前記第1接着層が封止用接着フィルムで、前記第2接着層が接着剤である場合、フロントシートの電池セルに近い側に前面封止用接着フィルムを敷設してから、前記前面封止用接着フィルムに電池セルを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、前面封止用接着フィルム及び電池セルを積層し、セルストリングに接着剤を印刷し、接着剤にバックシートを敷設し、セルストリングとバックシートとの間にある接着剤を硬化する。
【0009】
選択できるように、重ね合わせられたフロントシート、前面封止用接着フィルムおよび電池セルを予備積層する間に、予備積層時間は10min以下であり、予備積層温度は140℃以下である。
【0010】
選択できるように、重ね合わせられたフロントシート、セルストリング、裏面封止用接着フィルムおよびバックシートを積層する間に、積層時間範囲は10min~20minであり、積層温度範囲は140℃~160℃である。
【0011】
本発明には、光起電力モジュールが提供され、この光起電力モジュールは、上記の光起電力モジュールの製造方法によって製造されるものであり、順次配列されたフロントシート、第1接着層、セルストリング、第2接着層及びバックシートを含み、前記セルストリングが少なくとも2つの電池セルを備え、隣接する2つの電池セルがPVリボンによって接続され、前記第1接着層および/または前記第2接着層が接着剤または接着フィルムである。
【0012】
選択できるように、前記電池セルがバックコンタクト電池セルであり、前記PVリボンが電池セルの裏面に接続されている。
【0013】
選択できるように、前記接着剤の面積がセルストリングの寸法以上であり、および/または、接着フィルムの寸法が前記セルストリングの寸法以上である。
【発明の効果】
【0014】
従来技術と比べて、本発明で提供される光起電力モジュールの製造方法及び光起電力モジュールは、少なくとも以下の技術的効果を奏している。
【0015】
本発明で提供される光起電力モジュールの製造方法及び光起電力モジュールでは、この光起電力モジュールの製造方法は、フロントシートと少なくとも2つの電池セルを順次敷設し、フロントシートと電池セルとの間に第1接着層を敷設し、第1接着層を予備硬化することと、第1接着層が予備硬化された後に、少なくとも2つの電池セルをPVリボンで接続してセルストリングを形成することと、直列接続されたセルストリングに第2接着層とバックシートを順次敷設し、第2接着層を硬化してから光起電力モジュールを形成することとを含み、上記の方案では、電池を直列接続する前に、第1接着層を予備硬化することにより、電池の片面溶接時の応力による電池の反りを防止し、電池に隠れクラックや破片が発生するリスクを回避し、光起電力モジュールの歩留まりを高めることができる。
【0016】
もちろん、本発明を実施する任意の製品は、特に上述の全ての技術的効果を同時に達成する必要はない。
【0017】
以下の添付図面を参照して本発明の例示的な実施例を詳細に説明することで、本発明の他の特徴及びその利点が明瞭になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
明細書に組み込まれかつ明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の実施例を示し、それらの説明と共に、本発明の原理を説明するために使用される。
図1図1は、本発明に係る光起電力モジュールの製造方法のフローチャートである。
図2図2は、本発明に係る光起電力モジュールの製造方法の別のフローチャートである。
図3図3は、本発明に係る光起電力モジュールの製造方法の別のフローチャートである。
図4図4は、本発明に係る光起電力モジュールの製造方法の別のフローチャートである。
図5図5は、本発明に係る光起電力モジュールの製造方法の別のフローチャートである。
図6図6は、本発明に係る光起電力モジュールの構成を示す図である。
図7図7は、本発明に係るPVリボン、電池セル及び第1接着層の断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の各例示的な実施例について詳しく説明する。なお、特に明記されていない限り、これらの実施例に記載された部材とステップに対応する配置、数式及び数値は、本発明の範囲を限定するものではない。
【0020】
以下の少なくとも1つの例示的な実施例についての説明は、実際には例示的なものに過ぎずなく、本発明及びその応用又は使用に対するいかなる限定とするものではない。
【0021】
当業者の周知した技術、方法及び装置は、詳しく説明されないかもしれないが、適切な場合、前記技術、方法及び装置は、明細書の一部とみなされるべきである。
【0022】
ここで示され、検討されたすべての例において、いかなる具体的な数値は、単なる例示的なものとして解釈され、制限として解釈されるべきではない。したがって、例示的な実施例の他の例は、異なる数値を持ってもよい。
【0023】
なお、類似した記号と文字は、下記の図面で類似した項目を示している。このゆえに、ある項目が1つの図面で定義されると、次の図面ではそれ以上検討する必要がない。
【0024】
バックコンタクトセルは、正電極と負電極の両方がいずれも電池の裏面に位置しているため、通常PVリボンを溶接した後、その溶接応力が通常の電池と同じように前面と裏面溶接で溶接応力を相殺することができず、電池の反り問題が発生しやすい。バックコンタクト型太陽電池の反りは、バックコンタクトモジュールの後続の工程で隠れクラックや破片などの不良現象を引き起こしやすく、バックコンタクトモジュールの歩留まりに大きく影響し、製造コストの上昇を招いてしまう。
【0025】
したがって、電池の片面溶接(太陽電池の裏面側のみにて溶接する)時の応力による電池の反りを防止し、電池に隠れクラックや破片が発生するリスクを避け、ひいては光起電力モジュールの歩留まりを高めることができる光起電力モジュールの製造方法及び光起電力モジュールを提供することは、急務となっている。
【0026】
図1は、本発明で提供される光起電力モジュールの製造方法のフローチャートであり、図1に示すように、本実施例は、光起電力モジュールの製造方法を提供し、光起電力モジュールの製造方法は以下のステップを含む。
S1:フロントシートと少なくとも2つの電池セルを提供し、フロントシートと少なくとも2つの電池セルを順次敷設し、フロントシートと電池セルとの間に第1接着層を敷設し、第1接着層を予備硬化する。
具体的に、フロントシートを敷設し、前記フロントシートに第1接着層を敷設し、前記第1接着層に複数の電池セルを敷設し、前記フロントシートと前記電池セルとの間にある前記第1接着層を予備硬化する。
S2:第1接着層が予備硬化された後に、少なくとも2つの電池セルをPVリボンで接続して、セルストリングを形成する。
具体的に、前記第1接着層が予備硬化された後に、前記複数のPVリボンのうちの少なくとも1つのPVリボンを利用して複数の電池セルの対応するサブセットを接続して、各セルストリングを形成する。
S3:第2接着層とバックシートを提供し、直列接続されたセルストリングに第2接着層とバックシートを順次敷設し、第2接着層を硬化させてから光起電力モジュールを形成する。
具体的に、前記セルストリングに第2接着層を敷設し、前記第2接着層にバックシートを敷設し、前記バックシートと前記セルストリングとの間にある前記第2接着層を硬化させてから光起電力モジュールを形成する。
【0027】
具体的には、この光起電力モジュールの製造方法は、
フロントシートと少なくとも2つの電池セルを提供し、フロントシートが高光透過率のフレキシブルまたはリジッド材質、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、強化ガラス、ETFE(テトラフルオロエチレンとエチレン共重合体)または透明なフッ素系フィルムのいずれか1種で構成され、フロントシートが空気側と電池側に分けられ、通常の敷設時にフロントシートの空気側を下に向けてから、電池セルを敷設し、電池セルがマトリックス配列であってもよく、フロントシートと電池セルとの間には第1接着層を敷設し、第1接着層が接着剤または封止用接着フィルムであってもよく、電池セルをフロントシートに固定することを確保するように第1接着層を予備硬化するS1と、
第1接着層が予備硬化された後に、電池セルをPVリボンで接続してセルストリングを形成し、具体的には、PVリボンで電池セル間及びセルストリング間を直列接続し、内部直列接続を実現するS2と、
第2接着層とバックシートを提供し、第2接着層が接着剤または封止用接着フィルムであってもよく、バックシートが、光起電力モジュールの裏面に位置し、電池セルを保護かつ支持する役割を果たし、信頼できる絶縁性と耐水性と耐劣化性を備え、直列接続されたセルストリングに第2接着層とバックシートが順次敷設されており、第2接着層を硬化してから、光起電力モジュールを形成するS3と、を含む。
【0028】
上記の実施例からわかるように、本実施例で提供される光起電力モジュールの製造方法は、少なくとも以下の有益な効果を奏している。
【0029】
本実施例で提供される光起電力モジュールの製造方法では、フロントシートと少なくとも2つの電池セルを順次敷設し、フロントシートと電池セルとの間に第1接着層を敷設し、第1接着層を予備硬化し、第1接着層が予備硬化された後に、少なくとも2つの電池セルをPVリボンで接続してセルストリングを形成し、直列接続されたセルストリングに第2接着層とバックシートを順次敷設し、第2接着層を硬化してから光起電力モジュールを形成し、上記の方案では、電池を直列接続する前に、第1接着層を予備硬化することにより、電池の片面溶接時の応力による電池の反りを防止し、電池に隠れクラックや破片が発生するリスクを回避し、光起電力モジュールの歩留まりを高めることができる。
【0030】
本発明の一実施例では、第1接着層と第2接着層がいずれも接着剤である場合、フロントシートの電池セルに近い側に接着剤を印刷してから、接着剤に電池セルを敷設し、フロントシートと複数の電池セルとの間にある接着剤を予備硬化し、セルストリングに接着剤を印刷した後に、接着剤にバックシートを敷設し、セルストリングとバックシートとの間にある接着剤を硬化し、あるいは、第1接着層が接着剤で、第2接着層が封止用接着フィルムである場合、フロントシートの電池セルに近い側に接着剤を印刷してから、接着剤に電池セルを敷設し、フロントシートと複数の電池セルとの間にある接着剤を予備硬化し、セルストリングに裏面封止用接着フィルムを敷設し、裏面封止用接着フィルムにバックシートを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、セルストリング、裏面封止用接着フィルム及びバックシートを積層する。
【0031】
具体的には、図2は、本発明で提供される光起電力モジュールの製造方法の別のフローチャートである。図2に示すように、第1接着層と第2接着層がいずれも接着剤である場合、通常の敷設時に、まず、フロントシートの空気側を下に向け、次に、接着剤をフロントシートの電池側にスプレーしたり、印刷したりする。具体的には、電池セルの受光面を接着剤の表面に平らに敷き、電池セルがフロントシートと接触せず、電池セルの一部を接着剤の中に浸すが、接着剤が電池セルの裏面まで溢れておらず、そして、紫外線ランプ照射または加熱によって接着剤を硬化させ、電池セルの予備位置決めを完了させる。接着剤の硬化方式は、光硬化または熱硬化のいずれかを採用してもよく、例えば、光硬化の場合、紫外線硬化であってもよく、紫外線硬化は、365nm波長の紫外線ランプを採用し、硬化時間が1s~60sで、例えば、1s、15s、30s、45sまたは60sであってもよく、熱硬化の場合、加熱硬化であってもよく、加熱硬化の温度範囲が100℃~200℃で、例えば、100℃、120℃、140℃、160℃、180℃または200℃であり、加熱硬化の時間範囲が5~30minで、例えば、5min、10min、20min、または30minである。次に、PVリボンで電池セル間とセルストリング間を直列接続し、内部直列接続を実現する。そのすぐ後に、直列接続を完了させた電池に接着剤をスプレーし、接着剤がPVリボンの表面まで溢れることを確保する。最後に、バックシートを敷設し、光硬化または熱硬化で光起電力モジュールの封止を完了させる。ここで、例えば、光硬化の場合、紫外線硬化であってもよく、紫外線硬化は365nm波長の紫外線ランプを利用し、硬化時間が1s~30sで、例えば1s、10s、20sまたは30sである。熱硬化の場合、加熱硬化であってもよく、加熱硬化の温度範囲が100℃~200℃で、例えば、100℃、120℃、140℃、160℃、180℃または200℃であり、加熱硬化の時間範囲が6~40minで、例えば、6min、10min、20min、30minまたは40minである。なお、加熱硬化を採用する場合、加熱硬化の温度は加熱硬化の時間に反比例し、例えば、加熱硬化の温度が高いほど、加熱硬化の時間が短くなり、逆に、加熱硬化の温度が低いほど、加熱硬化の時間が長くなる。また、電池セルの予備位置決め時の加熱硬化時間は、バックシートを敷設した後の硬化時間よりも短くなってもよい。
【0032】
また、図4は、本発明で提供される光起電力モジュールの製造方法の別のフローチャートである。図4に示すように、第1接着層が接着剤、第2接着層が封止用接着フィルムである場合、まず、フロントシートの空気側を下に向け、次に、接着剤をフロントシートの電池側にスプレーしたり、印刷したりする。具体的には、電池セルの受光面を接着剤の表面に平らに敷き、電池セルがフロントシートと接触せず、電池セルの一部を接着剤に浸すが、接着剤が電池セルの裏面まで溢れていない。そして、紫外線ランプ照射または加熱によって接着剤を硬化させ、電池セルの予備位置決めを完了させる。接着剤の硬化は、光硬化または熱硬化のいずれかを採用できる。例えば、光硬化の場合、紫外線硬化であってもよく、紫外線硬化が波長365nmの紫外線ランプを採用し、硬化時間が1s~60sで、例えば、1s、15s、30s、45sまたは60sである。熱硬化の場合、加熱硬化であってもよく、加熱硬化の温度範囲が100℃~200℃で、例えば100℃、120℃、140℃、160℃、180℃または200℃であり、加熱硬化の時間範囲が5min~30minで、例えば5min、10min、20minまたは30minである。次に、PVリボンで電池セル間とセルストリング間を直列接続し、内部直列接続を実現する。そのすぐ後に、直列接続を完了させた電池に裏面封止用接着フィルムとバックシートを順次敷設する。最後に、積層によってモジュールの封止を実現し、積層時間範囲は15min~25minで、例えば、15min、18min、21minまたは25minである。積層温度範囲は140℃~160℃で、例えば140℃、145℃、150℃、155℃または160℃である。
【0033】
なお、フロントシートに垂直な方向において、接着剤の厚さは0.1mm以上である。フロントシートに垂直な方向において接着剤の厚さが0.1mm未満であると、敷設された接着剤が薄すぎて、フロントシートと電池セルを接着することができない。フロントシートに垂直な方向において接着剤の厚さが0.5mmを超えると、コストが高すぎるようになる。これにより、フロントシートに垂直な方向において接着剤の厚さを0.1mm~0.5mmに設定することで、敷設された接着剤が薄すぎることを効果的に回避し、フロントシートと電池セルを効果的に接着することができるだけでなく、コストを下げることができる。具体的には、フロントシートに垂直な方向において、接着剤の厚さが0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mmまたは0.5mmであってもよい。接着剤の光透過率が85%以上であり、これにより、電池セルが太陽光を受けることを効果的に確保することができる。
【0034】
上記の考案では、接着剤を予備硬化させることによって、電池の片面溶接時の応力による電池の反りを防止し、電池に隠れクラックや破片が発生するリスクを回避し、ひいては光起電力モジュールの歩留まりを高めることができる。
【0035】
本発明の一実施例では、第1接着層と第2接着層とがいずれも封止用接着フィルムである場合、フロントシートの電池セルに近い側に前面封止用接着フィルムを敷設してから、前面封止用接着フィルムに電池セルを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、前面封止用接着フィルムおよび電池セルを予備積層し、セルストリングに裏面封止用接着フィルムを敷設し、裏面封止用接着フィルムにバックシートを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、セルストリング、裏面封止用接着フィルムおよびバックシートを積層する。
【0036】
あるいは、第1接着層が封止用接着フィルムで、第2接着層が接着剤である場合、フロントシートの電池セルに近い側に前面封止用接着フィルムを敷設してから、前面封止用接着フィルムに電池セルを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、前面封止用接着フィルム及び電池セルを積層し、セルストリングに接着剤を印刷し、接着剤にバックシートを敷設し、セルストリングとバックシートとの間にある接着剤を硬化する。
【0037】
具体的には、図3は、本発明で提供される光起電力モジュールの製造方法の別のフローチャートである。図3に示すように、第1接着層と第2接着層がいずれも封止用接着フィルムである場合、封止用接着フィルムはEVA接着フィルム、POE接着フィルムまたはPVB接着フィルムであってもよく、EVA接着フィルムは、その主な成分がエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)であり、そして、少量の架橋剤、架橋助剤、劣化防止剤とその他の機能性添加剤を含んでいる。EVAは、2種類のモノマーを共重合して製造され、エチレン鎖が比較的安定的ものである。POE接着フィルムは、エチレン-オクテン共重合体で、飽和脂肪鎖から構成され、耐候性と耐紫外線劣化性能が良く、耐熱性と耐低温性能が優れ、使用温度範囲が広く、光透過率が良く、電気絶縁性能が優れ、コストパフォーマンスが高く、加工が簡単であるなどの特徴を持っている。PVB(ポリビニルブチラール)接着フィルムは、熱可塑性樹脂で、架橋反応がなく、繰り返し加工が可能で、耐候性を持っている。通常の敷設時に、まず、フロントシートの空気側を下に向け、前面封止用接着フィルムをフロントシートの電池側の面に敷設し、次に、電池セルを前面封止用接着フィルムの表面に敷設し、位置決めテープで電池部材の相対位置を固定する。そして、予備積層工程に入り、前面封止用接着フィルムの物理変化または化学反応によってフロントシートと電池セルとの接着を行い、予備積層時間は10min以下であり、例えば、2min、3min、4min、5min、6min、7min、8min、9minまたは10minである。予備積層温度は140℃以下であり、例えば、120℃、125℃、130℃、135℃または140℃であってもよい。予備積層後、電池セルの少なくとも一部が前面封止用接着フィルムに侵入するが、電池セルとフロントシートとは接触しない。次に、PVリボンで電池セル間とセルストリング間を直列接続し、内部直列接続を実現する。そのすぐ後に、直列接続を完了させたセルストリングに裏面封止用接着フィルムとバックシートを順次敷設する。最後に、積層によって光起電力モジュールの封止を実現する。積層時間範囲は10min~20minで、例えば10min、12min、14min、16min、18minまたは20minであり、積層温度範囲は140℃~160℃で、例えば、140℃、145℃、150℃、155℃または160℃である。なお、前面封止用接着フィルムをフロントシートの電池側の表面に敷設し、前面封止用接着フィルムの予備積層後の厚さは電池厚さの1/2以上である。この考案を採用して、前面封止用接着フィルムを予備硬化することによって、電池片面溶接時の応力による電池の反りを防止し、電池に隠れクラックや破片が発生するリスクを回避し、ひいては光起電力モジュールの歩留まりを高めることができるだけでなく、積層時間を短縮することもできる。
【0038】
また、図5は、本発明で提供される光起電力モジュールの製造方法の別のフローチャートである。図5に示すように、第1接着層が封止用接着フィルムで、第2接着層が接着剤である場合、通常の敷設時には、まず、フロントシートの空気側を下に向け、前面封止用接着フィルムをフロントシートの電池側の表面に敷設する。次に、電池セルを前面封止用接着フィルムの表面に敷設し、位置決めテープで電池部材の相対位置を固定する。そして、積層工程に入り、前面封止用接着フィルムの物理変化または化学反応によって、フロントシートと電池セルの接着を実現し、積層時間範囲は20min~25minで、例えば、20min、21min、22min、23min、24minまたは25minである。積層温度範囲は140℃~160℃で、例えば、140℃、145℃、150℃、155℃または160℃である。積層工程後、電池セルの少なくとも一部が前面封止用接着フィルムに侵入するが、電池セルとフロントシートとは接触しない。次に、PVリボンで電池セル間とセルストリング間を直列接続し、内部直列接続を実現する。そのすぐ後に、直列接続を完了させたセルストリングに接着剤をスプレーして、接着剤がPVリボンの表面まで溢れることを確保する。最後に、バックシートを敷設し、光硬化または熱硬化で光起電力モジュールの封止を完了させる。この考案を採用して、前面封止用接着フィルムを予備硬化することによって、電池の片面溶接時の応力による電池の反りを防止し、電池に隠れクラックや破片が発生するリスクを回避し、ひいては光起電力モジュールの歩留まりを高めることができる。
【0039】
図6は、本発明で提供される光起電力モジュールの構成を示す図であり、図7は、本発明で提供されるPVリボン、電池セルおよび第1接着層の断面を示す図である。図6図7に示すように、本実施例は、光起電力モジュールを提供し、光起電力モジュールは、上記の光起電力モジュールの製造方法によって製造されるものであり、順次配列されたフロントシート101、第1接着層102、セルストリング103、第2接着層104及びバックシート105を含み、セルストリング103が少なくとも2つの電池セル1031を備え、隣接する2つの電池セルがPVリボン106によって接続され、フロントシート101が強化ガラスであってもよく、強化ガラスが高い強度、高いカウンターベンディング強度、高い耐衝撃強度、優れた安全性能などの利点を持っており、バックシート105がポリフッ化ビニル複合フィルム光起電力バックシートであってもよく、ポリフッ化ビニル複合フィルムPVバックシートがTPT光起電力バックシートとも呼ばれ、優れた耐候性、耐劣化性、耐テアー性および空気遮断効果、優れた絶縁性を有し、第1接着層102および/または第2接着層104が接着剤または接着フィルムであり、電池セルがバックコンタクト電池セルであり、PVリボン(図示せず)が電池セルの裏面に接続されている。
【0040】
第1接着層が接着剤または接着フィルムである場合、光起電力モジュールに垂直な方向において、接着剤または接着フィルムの厚さの範囲は150μm~250μmである。
【0041】
光起電力モジュールに垂直な方向において、接着剤または接着フィルムの厚さが150μm未満であると、電池セルがフロントシートと直接接触しやすく、電池セルが破断しやすくなる。光起電力モジュールに垂直な方向において、接着剤または接着フィルムの厚さが250μmを超えると、光起電力モジュールのコストが高くなる。したがって、光起電力モジュールに垂直な方向において、接着剤または接着フィルムの厚さの範囲が150μm~250μmであり、電池セルに破断が発生するリスクを避けることができるだけでなく、光起電力モジュールのコストを下げることができる。具体的には、第1接着層が接着剤または接着フィルムである場合、光起電力モジュールに垂直な方向において、接着剤または接着フィルムの厚さは150μm、180μm、210μmまたは250μmであってもよい。
【0042】
第2接着層が接着剤である場合、光起電力モジュールに垂直な方向において、接着剤の厚さの範囲は200μm~300μmである。
【0043】
具体的には、光起電力モジュールに垂直な方向において、接着剤の厚さが200μm未満であると、電池セル1031がバックシート105と直接接触しやすく、電池セル1031が破断しやすくなり、光起電力モジュールに垂直な方向において、接着剤の厚さが300μmを超えると、光起電力モジュールのコストが高くなる。したがって、第2接着層が接着剤である場合、光起電力モジュールに垂直な方向において、接着剤の厚さ範囲は200μm~300μmであり、電池セルに破断が発生するリスクを避けることができるだけでなく、光起電力モジュールのコストを下げることに役立つ。第2接着層が接着剤である場合、光起電力モジュールに垂直な方向において、接着剤の厚さは200μm、220μm、240μm、260μm、280μmまたは300μmであってもよい。
【0044】
第2接着層が接着フィルムである場合、光起電力モジュールに垂直な方向において、接着フィルムの厚さの範囲は300μm~450μmである。
【0045】
具体的には、光起電力モジュールに垂直な方向において、接着フィルムの厚さが300μm未満であると、電池セル1031がバックシート105と直接接触しやすく、電池セル1031が破断しやすくなる。光起電力モジュールに垂直な方向において、接着フィルムの厚さが450μmを超えると、光起電力モジュールのコストが高すぎるようになる。したがって、第2接着層が接着フィルムである場合、光起電力モジュールに垂直な方向において、接着フィルムの厚さの範囲を300μm~450μmに設定することで、電池セルに破断が発生するリスクを避けることができるだけでなく、光起電力モジュールのコストを下げることにも役立つ。具体的には、第2接着層が接着フィルムである場合、光起電力モジュールに垂直な方向において、接着フィルムの厚さは300μm、330μm、360μm、390μmまたは450μmであってもよい。
【0046】
光起電力モジュールに垂直な方向において、バックコンタクト電池セルの厚さの範囲は、100~200μmであり、硬化前に少なくとも電池セルの高さの半分が接着剤によって覆われていることを確保する必要があり、例えば、電池セルを浸す接着剤の高さは、電池セルの高さの1/2~3/4を占めている。
【0047】
上記の実施例からわかるように、本実施例で提供される光起電力モジュールは、少なくとも以下の有益な効果を奏している。
【0048】
本実施例で提供される光起電力モジュールは、上記の光起電力モジュールの製造方法で製造され、接着剤および/または封止用接着フィルムで予備硬化することで、電池の片面溶接時の応力による電池の反りを防止し、電池に隠れクラックや破片が発生するリスクを回避し、ひいては光起電力モジュールの歩留まりを高め、製造コストを下げることができると。
【0049】
一実施例では、フロントシート/バックシートとセルストリングとの間の接着剤の面積がセルストリングの寸法以上であり、および/または、フロントシート/バックシートとセルストリングとの間の接着フィルムの寸法がセルストリングの寸法以上である。この考案を採用すると、接着剤の面積および/または接着フィルムの寸法をセルストリングの寸法以上にすることで、光起電力モジュールの封止により有利である。
【0050】
例によって本発明のいくつかの特定の実施例を詳しく説明したが、上記の例は、説明するためのものだけであり、本発明の範囲を限定するためのものではないことを当業者は理解すべきである。当業者は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、上記の実施例を修正できることを理解すべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって限定されている。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-02-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
フロントシートを敷設し、前記フロントシートに第1接着層を敷設し、前記第1接着層に複数の電池セルを敷設し、前記電池セルを前記フロントシートに固定するように、加熱硬化または紫外線硬化によって前記フロントシートと前記電池セルとの間にある前記第1接着層を予備硬化することと、
前記第1接着層が予備硬化された後に、前記複数の電池セルをPVリボンで接続して、セルストリングを形成することと、
前記セルストリングに第2接着層を敷設し、前記第2接着層にバックシートを敷設し、前記バックシートと前記セルストリングとの間にある前記第2接着層を硬化させてから光起電力モジュールを形成することと、を含む、
ことを特徴とする光起電力モジュールの製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項5】
前記加熱硬化の温度範囲は、100℃~200℃であり、前記加熱硬化の時間範囲は、5min~30minであり、または、
前記紫外線硬化は、365nm波長の紫外線ランプを採用し、硬化時間が1s~60sである、
ことを特徴とする請求項3に記載の光起電力モジュールの製造方法。