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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007636
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】ディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240112BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20240112BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240112BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20240112BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240112BHJP
   G09G 5/377 20060101ALI20240112BHJP
   G09G 5/14 20060101ALI20240112BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20240112BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20240112BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
B60R11/02 C
G09F9/30 308Z
G09F9/00 362
G09G5/36 520F
G09G5/36 520G
G09G5/00 550H
G09G5/00 510A
G09G5/00 550C
G09G5/36 510B
G09G5/00 510H
G09G5/00 510Q
G09G5/00 510M
G09G5/00 530T
G09G5/36 530Y
G09G5/36 520P
G09G5/36 520L
G09G5/14 A
H01L27/32
H05B33/14 A
H05B33/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108828
(22)【出願日】2022-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 信一
(72)【発明者】
【氏名】笠井 和善
【テーマコード(参考)】
3D020
3K107
5C094
5C182
5G435
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BB01
3D020BC03
3D020BD09
3D020BE03
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB08
3K107CC41
3K107DD17
3K107EE61
3K107EE63
3K107EE66
3K107FF15
5C094AA01
5C094BA27
5C094DA06
5C182AA02
5C182AA23
5C182AA27
5C182AB15
5C182AB26
5C182AC02
5C182AC03
5C182AC35
5C182BA01
5C182BA06
5C182BA14
5C182BA27
5C182BA46
5C182BA47
5C182BA66
5C182BA75
5C182CB13
5C182CB14
5C182CB24
5C182CB25
5C182CB26
5C182CB42
5C182CB44
5C182CB52
5C182CC02
5C182DA42
5C182DA52
5C182DA63
5C182DA65
5G435AA01
5G435BB05
5G435CC09
5G435EE13
5G435EE20
5G435GG46
5G435LL17
(57)【要約】
【課題】ディスプレイの設置による不快感を低減するための技術を提供する。
【解決手段】ディスプレイ装置は、可撓性を有するシート状の表示部と、表示部を収納する収納部と、表示部の収納部からの引き出し及び表示部の収納部への巻き取りが可能な駆動機構と、表示部に表示させる情報に応じて、表示部を露出させる領域の大きさを変更するように駆動機構を動作させる制御部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有するシート状の表示部と、
前記表示部を収納する収納部と、
前記表示部の前記収納部からの引き出しと、前記表示部の前記収納部への巻き取りとが可能な駆動機構と、
前記表示部に表示させる情報に応じて、前記表示部を露出させる露出領域の大きさを変更するように前記駆動機構を動作させる制御部と、
を備えるディスプレイ装置。
【請求項2】
前記表示部は長方形状であり、
前記収納部は、前記表示部の長手方向の少なくとも一端側に設けられ、
前記駆動機構は、前記表示部の長手方向の一端側と他端側とをそれぞれ支持し、
前記制御部は、前記駆動機構の前記一端側の位置と、前記他端側の位置とをそれぞれ変位させる
請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記ディスプレイ装置は自動車に設置され、
前記制御部は、前記表示部に地図情報を表示している場合であって、前記自動車が交差点に接近したとき、前記表示部の前記露出領域を拡張し、前記表示部に表示される前記地図情報の大きさを維持しつつ、拡張された前記露出領域に交差点の拡大図を表示させる
請求項2に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記表示部は、ユーザによる操作の入力を受けるタッチパネルであり、
前記制御部は、前記表示部に映像コンテンツを表示している場合において、映像若しくは音響の設定又は前記映像コンテンツの再生に関する操作が開始された場合、前記表示部の前記露出領域を拡張し、前記表示部に表示される前記映像コンテンツの大きさを維持しつつ、拡張された前記露出領域に前記映像若しくは音響の設定又は前記映像コンテンツの再生に関する操作メニューを表示させる
請求項2に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記表示部に表示させる文字列又は画像の大きさに応じて、前記表示部の前記露出領域を拡張又は縮小させる
請求項2に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記表示部の不使用時において、前記表示部のすべて又は略すべてを前記収納部に収納させる
請求項2に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
ユーザの動作を検知するジェスチャーセンサをさらに備え、
前記制御部は、前記ジェスチャーセンサが検知した前記ユーザが両手又は2つの指を開閉する操作に応じて前記表示部の前記露出領域を拡張又は縮小させる
請求項2に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記表示部は、その長手方向に分割され、分割された領域の各々に異なるコンテンツを表示する
請求項2に記載のディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車のインストルメントパネルなどに設置するディスプレイの大型化に対するニーズが高まっている。しかしながら、大型ディスプレイを常駐させた場合、使用者に対してディスプレイに視界を遮られる印象を与え、車室空間を狭く見せてしまうというデメリットもある。特にディスプレイの不使用時は、ディスプレイは車両の前方の視界を遮る壁面のようであるため、使用者にディスプレイを煩わしく感じさせることがある。
【0003】
そこで、下記の特許文献1に開示されているような巻取式のディスプレイを採用することも考えられる。特許文献1は、省電力モードへの移行や操作時間タイムアウトのような所定トリガーによって電動巻き取り動作を開始することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-167922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、使用中に一定の大きさでディスプレイを引き出していると、使用者には視界を遮る印象を与え、車室空間を狭く見せてしまうおそれがある。そこで、本技術は、ディスプレイの設置による不快感を低減するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術に係るディスプレイ装置は、可撓性を有するシート状の表示部と、表示部を収納する収納部と、表示部の収納部からの引き出し及び表示部の収納部への巻き取りが可能な駆動機構と、表示部に表示させる情報に応じて、表示部を露出させる領域の大きさを変更するように駆動機構を動作させる制御部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本技術によれば、表示部が露出する領域を必要最小限にすることができ、使用者に対して視界を遮る印象を与えることを抑制することができる。すなわち、ディスプレイの設置による不快感を低減するための技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、表示部を露出させた表示装置の一例を示す図である。
図2図2は、表示部を収納した表示装置の一例を示す図である。
図3図3は、表示装置の一例を示す模式的な断面図である。
図4図4は、表示部に表示させる情報、サイズ、表示部の位置に関する設定の一例を示す図である。
図5図5は、露出領域の変更処理の一例を示す処理フロー図である。
図6図6は、カーナビゲーションシステムの表示例を示す図である。
図7図7は、映像コンテンツ及び設定メニューの表示例を示す図である。
図8図8は、地図情報及び映像コンテンツの表示例を示す図である。
図9図9は、表示部の露出領域を最小化する例を示す図である。
図10図10は、文字列の長さに応じて表示部の露出領域の大きさを変更する例を示す図である。
図11図11は、第2の実施形態に係る表示装置の一例を示す模式的な断面図である。
図12図12は、車室内の天井に設置される表示装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成には限定されない。
【0010】
<実施形態1>
図1は、表示部11を露出させた表示装置1の一例を示す図である。図2は、表示部を収納した表示装置1の一例を示す図である。本実施形態に係る表示装置1は、自動車のインストルメントパネル2に設置されるCID(Center Information Display)である。表示装置1は、例えばフレキシブル有機ELディスプレイのような、可撓性を有するシート状の表示部11と、表示部11を巻き取って収納する第1収納部12及び第2収納部13とを備えるフレキシブルディスプレイ装置である。表示部11は長方形状であり、長手方向の一端側に第1収納部12が接続され、他端側に第2収納部13が接続されている。また、表示部11は、タッチパネルが積層された入出力装置であってもよい。第1収納部12及び第2収納部13は、それぞれ円柱状の筐体を有すると共に、その横断面の中央部に形成された軸(図示せず)の周囲に表示部11を巻き取ることができる。すなわち、筐体の側面には、軸方向に沿ったスリットが形成されており、表示部11は、スリットから引き出され、又はスリット内へ巻き取られる。また、第1収納部12及び第2収納部13の軸部分は、鉛直下方から支持部141によって支持されている。図1及び図2の例では、支持部141は、上下に分割されたインストルメントパネル2の間の溝部21を通過してインストルメントパネル2の内部から車室内に突出する。また、支持部141は、溝部21に沿って水平方向(具体的には、車両の進行方向に直交する左右方向)に摺動可能になっている。なお、溝部21は、空気調和機の吹出口に形成される水平方向のスリットであってもよい。
【0011】
図3は、表示装置1の一例を示す模式的な断面図である。表示装置1は、表示部11、第1収納部12及び第2収納部13のほかに、駆動機構14と、制御部15と、センサ16とを備えている。駆動機構14は、上述した支持部141と、支持部141を水平方向に摺動させるアクチュエータ142と、上述した軸部分に表示部11を巻き取る巻取部143とを含む。2つの支持部141は、それぞれ第1収納部12、第2収納部13を支持する。アクチュエータ142は、例えば水平方向(図3において一点鎖線の矢印で示す左右方向)に延在するリニアガイドに沿って支持部141を変位させる。巻取部143は、例えばモーターを用いたものであってもよいし、スプリングを用いたものであってもよく、表示部11を第1収納部12又は第2収納部13の筐体内に巻き取る。すなわち、モーターを使用する場合は、巻取部143は、アクチュエータ142の動作と連動して表示部11を引き出し、又は巻き取る。スプリングを使用する場合は、巻取部143は、アクチュエータ142の動作により変化する2つの支持部141の距離に応じて表示部11を引き出し、又は巻き取る。
【0012】
制御部15は、例えば車載装置が備えるプロセッサであり、表示部11に表示させる情報の内容に応じて、駆動機構14を動作させる。すなわち、駆動機構14を動作させることにより、表示部11が引き出された露出領域の大きさ及び表示部11を配置する位置を変更する。このように、表示部11に表示させる情報の内容に応じて、表示部11の露出領域を小さくすることができ、車室内の空間を広げ、ディスプレイの設置による不快感を低減する。なお、情報は、表示部11の露出領域に表示されるよう制御されるものとする。制御部15は、表示部11に映像信号を出力するプロセッサと連携して動作するもので
あってもよいし、表示部11に映像信号を出力するプロセッサを兼ねるものであってもよい。また、制御部15は、内蔵メモリを有するマイクロコントローラであってもよいし、記憶装置(図示せず)と接続されていてもよい。
【0013】
センサ16は、例えばユーザのジェスチャーを検出するためのジェスチャーセンサ等のモーションセンサである。センサ16は、例えば赤外線を検出する光検出器やカメラを含み、ユーザの腕や手、指の動作に応じた情報を出力する。なお、センサ16が出力する情報に基づいて例えば制御部15がジェスチャーを検知するようにしてもよいし、センサ16はジェスチャーを検知した結果を出力するモジュールであってもよい。例えば、センサ16が出力する情報に基づいて、ユーザの両手又は2つの指を開閉する動作が検知された場合、制御部15は、表示部11の露出領域を拡張又は縮小させるようにしてもよい。
【0014】
また、図3の例では、第1収納部12は、その筐体の表示部11が引き出される側に配置される第1のスイッチ121と、その反対側に配置される第2のスイッチ122とを有する。また、第2収納部13は、その筐体の表示部11が引き出される側に配置される第1のスイッチ131と、その反対側に配置される第2のスイッチ132とを有する。例えば、第1のスイッチ121、131がそれぞれユーザによって操作された場合、制御部15は、第1収納部12、第2収納部13に表示部11を収容するように(すなわち、表示部11の露出領域を縮小させるように)してもよい。また、第2のスイッチ122、132がそれぞれユーザによって操作された場合、制御部15は、第1収納部12、第2収納部13から表示部11を引き出すように(すなわち、表示部11の露出領域を拡張させるように)してもよい。第1のスイッチ121、131、第2のスイッチ122、132は、物理ボタンであってもよいし、静電容量式スイッチであってもよい。
【0015】
なお、表示装置1は、センサ16を備えていなくてもよい。また、表示装置1は、第1のスイッチ121、131及び第2のスイッチ122、132を備えていなくてもよい。両者を備えていない場合であっても、制御部15は、表示部11に表示させる情報に応じて、表示部11の露出領域の大きさを変更するように駆動機構14を動作させることができる。
【0016】
<露出領域の変更処理>
図4は、表示部11に表示させる情報、サイズ、表示部11の位置に関する設定の一例を示す図である。図4に示すテーブルは、制御部15が備えるメモリに予め記憶させておくようにしてもよいし、制御部15がアクセス可能な記憶装置(図示せず)に予め記憶させておくようにしてもよい。図4のテーブルは、レコード番号、表示情報1、サイズ1、表示情報2、サイズ2、及び位置の各属性を備える。レコード番号のフィールドには、各レコードを一意に特定する識別情報が登録されている。表示情報1及びサイズ1のフィールドには、表示部11に表示される情報と、当該情報を表示する領域の幅を示す情報との組み合わせが登録される。表示情報2及びサイズ2のフィールドには、表示部11に2つの情報が表示される場合における2つ目の情報と、当該2つ目の情報を表示する領域の幅を示す情報との組み合わせが登録される。位置のフィールドには、各レコードに示す情報を表示する場合における、例えば表示部11の露出領域の左端の位置を示す座標が登録される。なお、表示部11の露出領域の右端の位置を示す座標は、位置のフィールドの値と、サイズ1、サイズ2のフィールドの値とを積算することにより求めることができる。本実施形態に係る支持部141の位置はアクチュエータ142によって左右に移動可能である。よって、例えば表示部11の一部が第1収納部12又は第2収納部13に巻き取られた状態においては、位置のフィールドに登録された座標に基づいて、表示部11の露出領域を例えば運転席側又は助手席側に寄せて配置することができる。なお、図4に示すテーブルはデータベースの一例であり、適宜、正規化して複数のテーブルに情報を分けて記憶させてもよいし、非正規化して1つのテーブルに情報をまとめて記憶させてもよい。また
、3つ以上の情報を表示できるようにしてもよい。図4に示すような情報は予め定められていてもよいし、ユーザが設定できるようにしてもよい。
【0017】
図5は、露出領域の変更処理の一例を示す処理フロー図である。制御部15は、表示部11に表示する情報が変更されるか判断し(図5:S1)、変更されたと判断された場合(S1:YES)、表示部11の露出領域の大きさ及び位置を変更する(図5:S2)。S2においては、例えば図4に示したような情報に基づいて、表示部11の露出領域を予め設定された大きさ及び位置に変更するよう、駆動機構14を動作させる。なお、S1において変更されないと判断された場合は、S1の判断を繰り返す。また、S2の終了後も、図5に示す処理は、表示装置1の動作中に繰り返し実行される。図4に示したような設定に基づき、表示部11に表示させる情報に応じた範囲で表示部11の露出領域を変更することにより、情報を表示するための適切な露出領域の大きさを担保すると共に、できるだけ車室内の空間を広げディスプレイの設置による不快感を低減することができる。
【0018】
図6は、カーナビゲーションシステムの表示例を示す図である。図6の上段に示す(1)においては、地図情報のみが表示部11に表示されている。このとき、図4の番号1のレコードに設定されている値に基づき、地図情報が表示される領域のサイズ及び表示部11を配置する位置の値に応じて、制御部15は表示部11の露出領域の大きさ及び位置を決定する。また、例えば車両が交差点に接近し、カーナビゲーションシステムが交差点の拡大図を表示部11に表示させる場合、図5のS1において制御部15は表示部11に表示する情報が変更されると判断する。そして、図4の番号2のレコードに設定されている値に基づき、交差点拡大図が表示される領域のサイズ、地図情報が表示される領域のサイズ、及び表示部11を配置する位置の値に応じて、制御部15は表示部11の露出領域の大きさ及び位置を決定する。図6の下段に示す(2)においては、表示部11の露出領域が右側に拡張されると共に、表示部11の左側に交差点拡大図が所定のサイズで表示されている。このとき、表示部11の右側に表示される地図情報のサイズは、変更されていない。このようにすれば、地図情報の視認性を低下させることなく、拡大図が必要ない場面においてはできるだけ車室内の空間を広げディスプレイの設置による不快感を低減することができる。
【0019】
図7は、映像コンテンツ及び設定メニューの表示例を示す図である。図7の上段に示す(1)においては、映像コンテンツのみが表示部11に表示されている。このとき、図4の番号3のレコードに設定されている値に基づき、映像コンテンツが表示される領域のサイズ及び表示部11を配置する位置の値に応じて、制御部15は表示部11の露出領域の大きさ及び位置を決定する。また、例えばユーザが音響設定に関する操作を開始し、設定メニューを表示部11に表示させる場合、図5のS1において制御部15は表示部11に表示する情報が変更されると判断する。そして、図4の番号4のレコードに設定されている値に基づき、映像コンテンツが表示される領域のサイズ、音響設定メニューが表示される領域のサイズ、及び表示部11を配置する位置の値に応じて、制御部15は表示部11の露出領域の大きさ及び位置を決定する。図7の下段に示す(2)においては、表示部11の露出領域が右側に拡張されると共に、表示部11の右側に例えばイコライザのような設定メニューが所定のサイズで表示されている。このとき、表示部11の左側に表示される映像コンテンツのサイズは、変更されていない。このように、表示部11の露出領域の大きさを変更することにより、映像コンテンツの視認性を低下させることなく、ユーザは設定変更の操作をすることができる。また、図4の番号5のレコードに示すように、設定メニューの代わりに、例えばチャプターメニューのような映像コンテンツの再生に関する操作メニューを表示するようにしてもよい。このようにすれば、映像コンテンツの視聴を妨げずに設定メニューを表示するための適切な露出領域の大きさを担保すると共に、設定の操作をしないときはできるだけ車室内の空間を広げディスプレイの設置による不快感を低減することができる。
【0020】
図8は、地図情報及び映像コンテンツの表示例を示す図である。図8の上段に示す(1)においては、地図情報のみが表示部11に表示されている。このとき、図4の番号1のレコードに設定されている値に基づき、地図情報が表示される領域のサイズ及び表示部11を配置する位置の値に応じて、制御部15は表示部11の露出領域の大きさ及び位置を決定する。また、例えば助手席のユーザが新たに映像コンテンツの視聴を開始した場合、図5のS1において制御部15は表示部11に表示する情報が変更されると判断する。そして、図4の番号6のレコードに設定されている値に基づき、地図情報が表示される領域のサイズ、映像コンテンツが表示される領域のサイズ、及び表示部11を配置する位置の値に応じて、制御部15は表示部11の露出領域の大きさ及び位置を決定する。図8の下段に示す(2)においては、表示部11の露出領域が右側に拡張されると共に、表示部11の左側に地図情報がサイズを変更して表示され、右側には映像コンテンツが所定のサイズで表示されている。このように、表示部11の露出領域の大きさを変更すると共に、表示する情報の内容に応じて表示サイズを調整してもよい。例えば運転席側と助手席側とで異なるコンテンツを表示させ、複数のユーザが表示装置1を利用できる。
【0021】
図9は、表示部11の露出領域を最小化する例を示す図である。例えば図4の番号7のレコードに基づき、図9においては、表示部11に空調の設定メニューのみが表示されている。このとき、表示部11の露出領域の大きさは設定メニューの表示に要する最低限の大きさになっている。ここで、大きさが変化しない一般的なCIDの場合は、不使用時においてもディスプレイが視界に入り、ユーザに対し車室内が狭小な印象を与えることがある。一方、本実施形態に係る表示装置1は、表示部11に表示させる情報に応じて、露出領域の大きさを変更する。よって、表示装置1によれば、地図情報や、映像コンテンツ、音楽コンテンツ等の表示を行わない場合は、表示部11の露出領域をより小さくすることができ、車室内の快適性を向上させることができる。
【0022】
なお、さらに空調の設定を完了させ、設定メニューを閉じる場合、表示部11のすべて又は略すべてを第1収納部12及び第2収納部13に収容させてもよい。また、例えば車両のアクセサリ電源(ACC電源)がオフにされた場合も、表示部11のすべて又は略すべてを第1収納部12及び第2収納部13に収容させてもよい。また、例えば支持部141と第1収納部12及び第2収納部13との接続箇所にヒンジを設けて表示部11を水平に保持できるようにしてもよい。この場合、表示部11のすべて又は略すべてを第1収納部12及び第2収納部13に収容させた後に、表示部11、第1収納部12及び第2収納部13をインストルメントパネル2内に収容できるようにしてもよい。
【0023】
図10は、文字列の長さに応じて表示部11の露出領域の大きさを変更する例を示す図である。図10の上段に示す(1)では、音楽コンテンツの再生画面において表示される楽曲のタイトルが、表示部11の露出領域内に収まっていない。このような場合、制御部15は、露出領域を広げるように駆動機構14を動作させるようにしてもよい。図10の下段に示す(2)では、楽曲のタイトルがすべて表示される程度に表示部11の露出領域が拡張されている。なお、このような文字列は楽曲のタイトルに限られず、映像コンテンツのチャプターメニューや、カーナビゲーションシステムの目的地リスト等についても同様の処理を行うようにしてもよい。また、文字列に限らず、表示部11に表示する何らかの画像を表示するために、制御部15は表示部11の露出領域を拡張するようにしてもよい。このようにすれば、情報を表示するための適切な露出領域の大きさを担保すると共に、できるだけ車室内の空間を広げディスプレイの設置による不快感を低減することができる。
【0024】
さらに、表示部11の露出領域の大きさは、ユーザの操作によっても変更できるようにしてもよい。例えばユーザが両手又は2つの指を開閉する操作を、図3に示すセンサ16
を用いて検知し、制御部15は表示部11の露出領域を拡張又は縮小させる。また、図3に示す第1のスイッチ121、131、第2のスイッチ122、132に対するユーザの操作に応じて、制御部15は表示部11の露出領域を縮小又は拡張させるようにしてもよい。このようにすれば、ユーザは簡易な操作により、表示部11を所望の大きさに変更することができる。
【0025】
<実施形態2>
図11は、第2の実施形態に係る表示装置1の一例を示す模式的な断面図である。本実施形態においては、上述した第1の実施形態と対応する構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。本実施形態においては、表示部11の一端側は収納部12の巻取部143に接続されており、他端側は支持部141に固定されている。すなわち、表示装置1は、1つの収納部12及び巻取部143のみを有する。なお、駆動機構14のうち支持部141及びアクチュエータ142は、表示部の長手方向の一端側と他端側とにそれぞれ接続されている。このように収納部12が表示部11の長手方向の少なくとも一端側に設けられた構成によっても、収納部12内に表示部11を巻き取ることで露出領域の大きさを変更できる。また、2つの支持部141の位置を変更することで、車室内における表示部11の位置を変更できる。
【0026】
<実施形態3>
図12は、車室内の天井に設置される表示装置1の一例を示す図である。本実施形態に係る表示装置1は、車室内の天井に設置されるRSE(Rear Seat Entertainment)シス
テムである。また、表示装置1の構成は、図3又は図11に示した例と同じである。なお、第1収納部12及び第2収納部13の軸部分は、鉛直上方から支持部141によって支持されるようにしてもよい。図3又は図11に示した表示装置1をRSEのフリップダウンモニタに使用する場合も、表示部11に表示させる情報の内容に応じて、表示部11の露出領域を小さくすることで、車室内の空間を広げ、ディスプレイの設置による不快感を低減することができる。また、比較的大型のモニタであっても収納部内に巻き取って天井に接続されたフリップダウンモニタのベース部にコンパクトに収容できるようになる。
【0027】
<その他>
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。例えば、表示装置1は、車載のディスプレイ以外に用いるようにしてもよい。車載装置以外であっても、表示させる情報の内容に応じて表示部11の露出領域の大きさを変更することにより、表示装置1を設置する空間の快適性を向上させることができる。また、表示部11を拡張又は縮小する方向は、水平方向に限らず、鉛直方向であってもよい。例えば縦長のディスプレイを上下に分割して複数の情報を表示できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0028】
1:表示装置
11:表示部
12:第1収納部
121:第1のスイッチ
122:第2のスイッチ
13:第2収納部
13:収容部
131:第1のスイッチ
132:第2のスイッチ
14:巻取機構
141:支持部
142:アクチュエータ
143:巻取部
15:制御部
16:センサ
2:インストルメントパネル
21:溝部
図1
図2
図3
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図10
図11
図12