(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076366
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】緑化用具
(51)【国際特許分類】
A01G 13/02 20060101AFI20240529BHJP
E02D 17/20 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
A01G13/02 A
E02D17/20 102C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023196583
(22)【出願日】2023-11-20
(31)【優先権主張番号】P 2022187434
(32)【優先日】2022-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000231431
【氏名又は名称】日本植生株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074273
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英夫
(74)【代理人】
【識別番号】100173222
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100151149
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 幸城
(72)【発明者】
【氏名】横井 誠
(72)【発明者】
【氏名】今井 宏昭
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 忠寛
(72)【発明者】
【氏名】中村 剛志
(72)【発明者】
【氏名】戸来 義仁
(72)【発明者】
【氏名】中島 慶子
【テーマコード(参考)】
2B024
2D044
【Fターム(参考)】
2B024AA00
2B024DB04
2D044DA01
2D044DA07
2D044DB01
(57)【要約】
【課題】施工性の向上を図ることができ、均一性のある効果的な獣害対策の実現に資する緑化用具を提供すること。
【解決手段】植生体2と、該植生体2の上方に植物生育空間Sを形成するためのネット3とを一体的に具備した。前記ネット3は、展開した前記植生体2に対して弛み得る状態で一体化されている。前記植生体2と前記ネット3とは、少なくとも一辺部どうしが一体化されている。前記ネット3は、長方形状の前記植生体2の短手方向又は長手方向に前記植物生育空間Sを複数形成可能に該植生体2に一体化されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植生体と、該植生体の上方に植物生育空間を形成するためのネットとを一体的に具備したことを特徴とする緑化用具。
【請求項2】
前記ネットは、展開した前記植生体に対して弛み得る状態で一体化されている請求項1に記載の緑化用具。
【請求項3】
前記植生体と前記ネットとは、少なくとも一辺部どうしが一体化されている請求項1または2に記載の緑化用具。
【請求項4】
前記植生体と前記ネットとは、全周にわたって周縁部どうしが一体化されている請求項1または2に記載の緑化用具。
【請求項5】
前記ネットは、長方形状の前記植生体の短手方向又は長手方向に前記植物生育空間を複数形成可能に該植生体に一体化されている請求項3に記載の緑化用具。
【請求項6】
前記植生体と別体である前記ネットが前記植生体に接合により一体化されているか、前記植生体の一部が他部の外側にはみ出すようにし、そのはみ出した部分が前記ネットとなるように構成してある請求項5に記載の緑化用具。
【請求項7】
前記ネットに、大きな目合いが並ぶ疎部と小さな目合いが並ぶ密部とを設けてある請求項6に記載の緑化用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、動物による食害を防止しつつ緑化を図ることのできる緑化構造体を構築するために、植生対象面に敷設される緑化用具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示の草食動物による食害の防止装置は、保護エリアを網状体で覆い、かつスペーサを用いてその網状体を保護エリアから浮かせた状態で配置するものである。この装置による食害防止効果は高く、広く普及するに至っているが、必要な部品点数が多く、コストが高い、さらに施工に手間がかかるといった課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3793524号公報
【特許文献2】特開2010-252715号公報
【特許文献3】特開2021-179138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本出願人は、その課題を解決すべく、スペーサを必要とせず、植物の成長力を利用した新たな緑化構造体を発案した(特許文献2)。しかしながら、この緑化構造体では、特許文献2の第1の実施形態([0027])、第2の実施形態([0030])にあるように、植生マット等を法面上に固定する工程と、ネットをその上に敷設する工程とが別工程となっており、依然として施工性に課題がある。
【0005】
しかも、特許文献2に記載の緑化構造体では、植物が生育する空間は、ネットに対しアンカー等の固定手段を人力で打設することによって形成される(仕切られる、区画が形成される)ものであり、同空間の高さ、大きさ、形等が作業する人によってまちまち、個々別々となり、均一性のある効果的な獣害対策にならないという課題もある。
【0006】
特許文献3に記載の法面保護用植生基盤材も、施工前にはマット状の植生基盤材料とネットは別体であり([0025])、施工性等の点で特許文献2の緑化構造体と共通の課題がある。
【0007】
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、施工性の向上を図ることができ、均一性のある効果的な獣害対策の実現に資する緑化用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る緑化用具は、植生体と、該植生体の上方に植物生育空間を形成するためのネットとを一体的に具備したことを特徴とする(請求項1)。
【0009】
上記緑化用具において、前記ネットは、展開した前記植生体に対して弛み得る状態で一体化されていてもよい(請求項2)。
【0010】
上記緑化用具において、前記植生体と前記ネットとは、少なくとも一辺部どうしが一体化されていてもよい(請求項3)。
【0011】
上記緑化用具において、前記植生体と前記ネットとは、全周にわたって周縁部どうしが一体化されていてもよい(請求項4)。
【0012】
上記緑化用具において、前記ネットは、長方形状の前記植生体の短手方向又は長手方向に前記植物生育空間を複数形成可能に該植生体に一体化されていてもよい(請求項5)。
【0013】
上記緑化用具において、前記植生体と別体である前記ネットが前記植生体に接合により一体化されているか、前記植生体の一部が他部の外側にはみ出すようにし、そのはみ出した部分が前記ネットとなるように構成してあってもよい(請求項6)。
【0014】
上記緑化用具において、前記ネットに、大きな目合いが並ぶ疎部と小さな目合いが並ぶ密部とを設けてあってもよい(請求項7)。
【発明の効果】
【0015】
本願発明では、施工性の向上を図ることができ、均一性のある効果的な獣害対策の実現に資する緑化用具が得られる。
【0016】
すなわち、本願の各請求項に係る発明の緑化用具は、植生体と、植生体の上方に植物生育空間を形成するためのネットとを一体的に具備しているので、この緑化用具を法面等に固定すれば、植生体の法面等への固定と、植生体の上方へのネットの敷設とが一度に行われることになり、施工性の向上を図ることができる。また、ネットが植生体と別体であると、ネットによって形成される植物生育空間の個々の大きさにばらつきが生じ易いが、ネットを植生体に予め一体化しておくことにより、そうしたばらつきを生じ難くすることも容易となり、ひいては均一性のある効果的な獣害対策の実現に資することになる。さらに、緑化用具を一度敷設すれば、後は植物の成長に頼るだけであることから、そのメンテナンスなどがほとんど不要である。
【0017】
請求項2に係る発明の緑化用具では、これを法面等に固定した状態にすれば、この法面等で成長する植物がネットを持ち上げて植物生育空間(鹿等の食害動物の攻撃を防ぎ、かつ植物の生育を妨げるものが存在しない空間)を形成するのであり、植物生育空間を形成するためだけの部材や工数を不要とすることができる。しかも、ネットが法面等から持ち上がる分、植物は自由度を持って良好に生育し易い上、ネットが法面等から浮くことにより、鹿等の食害動物を法面等に侵入し難くすることができる。
【0018】
請求項3に係る発明の緑化用具では、例えば植生体とネットとをともに平面視矩形状とし、その一辺部どうしのみを一体化しておくことにより、植生体とネットとの一体化のための構造の簡略化と工数削減とを図ることができる。そして、この場合、緑化用具を法面等に固定する際、植生体及びネットの一辺部とその反対側の他辺部とにアンカー打設するようにすれば、一辺部のみならず他辺部においても植生体とネットとが一体化されることになるので、植物生育空間の形成の確実化を図ることができる。
【0019】
請求項4に係る発明の緑化用具では、植生体とネットの全周を一体化してあるので、法面等に緑化用具を固定すれば、一つの緑化構造体として独立して全体にわたり植物生育空間を形成することが可能となる。この際、適宜の箇所にアンカー打設することで、植物生育空間の仕切形状を任意に形成することもできる。
【0020】
請求項5に係る発明の緑化用具では、一つの緑化用具で複数の植物生育空間を形成することができ、複数の植物生育空間の並び方等にバリエーションを持たせることも容易となる。
【0021】
請求項6に係る発明の緑化用具において、植生体とネットとが別体であり、両者が接合により一体化されている場合には、植生体に対するネットの接合位置の変更等が容易となり、植生体の一部が他部の外側にはみ出すようにし、そのはみ出した部分がネットとなるように構成してある場合には、ネットを植生体に接合するための部材や工数の削減を図ることができる。
【0022】
特許文献2の緑化構造体では、ネット下方の植物生育空間内でネットに当たった牧草が曲がった状態で生育する(特許文献2[0029])のであり、つまりはネットが露出した状態となるため、牧草(植物)による緑化構造体の外観向上を図る(景観上自然で優れたものにする)ことができず、この点は、特許文献3に記載の法面保護用植生基盤材も同様と考えられるところ、請求項7に係る発明の緑化用具では、例えば、緑化用具を固定した法面等で成長する植物がネットの密部を通過せず疎部を通過するようにしてあれば、疎部を通過した植物によって緑化用具の外観向上を図ることができるとともに、密部は植物によって持ち上げられることにより、植物生育空間の拡大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る緑化用具の分解斜視図である。
【
図2】(A)は前記緑化用具の構成を概略的に示す説明図、(B)は前記緑化用具を敷設する際におけるアンカーピンの打設位置を示す説明図、(C)~(E)は前記緑化用具を折り畳む手順を示す説明図である。
【
図3】(A)及び(B)は、前記緑化用具を用いた緑化方法を示す説明図である。
【
図4】(A)は前記緑化用具の変形例の構成を概略的に示す説明図、(B)は(A)の緑化用具を敷設する際におけるアンカーピンの打設位置を示す説明図、(C)、(D)は(A)の緑化用具を折り畳む手順を示す説明図である。
【
図5】(A)~(C)は前記緑化用具の他の変形例の構成を概略的に示す説明図、(D)及び(E)は(A)~(C)の緑化用具に用いる上ネットの変形例を示す平面図及び正面図である。
【
図6】(A)~(F)は前記緑化用具のさらに他の変形例の構成を概略的に示す説明図である。
【
図7】(A)及び(B)は前記緑化用具の別の変形例の構成を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施の形態について以下に説明する。
【0025】
図1、
図2(A)に示す緑化用具1は、動物による食害を防止しつつ緑化を図ることのできる緑化構造体を構築するために、植生対象面に敷設されるものである。ここで、植生対象面とは、例えば道路や山腹等の法面、河川敷、川岸、湖岸などで植生により緑化する対象となる面(施工地)を意味する。以下では、本例の緑化用具1を、
図3(A)に示すように法面N(植生対象面の一例)に敷設する場合について説明する。
【0026】
図1、
図2(A)に示すように、緑化用具1は、植生マット(植生体の一例)2と、植生マット2の上方に植物生育空間S(
図3(A)及び(B)参照)を形成するためのネット(後述するネット5と区別するため、以下では上ネットということもある)3とを一体的に具備する。
【0027】
植生マット2は、
図1に示すように、平面視略長方形状のシート4と、シート4と略同サイズでシート4を下面(緑化用具1を法面Nに敷設した際に法面Nに向く面)側に保持するネット(上述のネット3と区別するため、以下では下ネットということもある)5とを備え、全体として平面視略長方形状を呈する。
【0028】
シート4は、例えば、スフなどの薄綿からなり、下ネット5の下面に貼着等により接合される。シート4の下面には、例えばトールフェスクなどの牧草の草本植物等の緑化用の植物P(
図3(B)参照)の種子aを保持するようにしてある。この保持は、例えば、水溶性糊を用いてシート4に種子aを接着することによって行える。なお、一般に草本類を用いることは、施工初期の緑被率を高める点において好適であり、草本類は早期緑化可能であるので植生の回復を早期に図ることができるといった点で有利である。
【0029】
下ネット5は、植物Pの種子aの通芽を許容する目合いを有する可撓性ネットであり、例えばポリエチレン、ナイロン、ポリエステル、アラミド等の耐腐食性の合成樹脂繊維やポリ乳酸系などの生分解性の合成樹脂繊維、ヤシや麻、藁などの植物繊維、紙などを用いて、格子状に成型したものである。
【0030】
また、下ネット5には、その長手方向に適宜間隔をおいて短手方向に延びる筒状の収容部6を複数設け、各収容部6に長尺状の肥料袋7を挿入収容してある。肥料袋7は、有機質材料や保水材及び肥料等の植生基材bが収容された例えば不織布などからなる。
【0031】
一方、上ネット3は、
図1に示すように平面視略長方形状を呈し、展開した植生マット2に対して弛み得る状態で植生マット2に部分的に一体化される。本例の上ネット3は、植生マット2よりも長く(長手方向の寸法が大きく)、
図2(A)に示すように、その短手方向に延びる植物生育空間Sが長手方向に複数(図示例では五つ)並ぶ状態とすることが可能な大きさとしてある。
【0032】
上ネット3を構成する繊維として、例えば合成樹脂からなるモノフィラメントと合成樹脂からなりモノフィラメントよりも太いフラットヤーンを使用し、これらをたて(経)またはよこ(緯)の方向に連結させて、平面視ほぼ長方形状に編物仕上げしてなる可撓性ネットである。また、上ネット3には、植物Pの生育を阻害する程度の目の細かいネットを用いるのであり、例えば、格子状の目合いを有し、下ネット5よりも目が細かく、目合いの縦・横が同じ長さであるネットを採用することが考えられる。
【0033】
上ネット3に、忌避剤を混入させた合成樹脂製ネットや、忌避剤を塗布した合成樹脂製ネットまたは金属製ネットを用いてもよい。また、上ネット3は、編物の形で仕上げられても、織物の形で仕上げられてもよい。
【0034】
植生マット2と上ネット3との一体化の手段としては、縫製、接着、熱融着、ホッチキス止め等が考えられる。そして、植生マット2と上ネット3との一体化は、
図2(A)に示すように、緑化用具1の短手方向に延びる植物生育空間Sが複数形成されるように行うのであり、具体的には、植生マット2及び上ネット3の長手方向の一端側から他端側に向かって適宜の間隔おきに一体化領域Rを設定し、各一体化領域Rにおいて両者2,3の一体化を行うようにしてある。図示例では、植生マット2及び上ネット3の短手方向の一端から他端にかけて直線状(筋状)に延びる計六つの一体化領域Rを設けてある。各一体化領域Rにおける両者2,3の一体化は、例えば、連続的な線状接合となるように行ってもよいし、断続的な点状接合となるように行ってもよい。
【0035】
上記のように構成される緑化用具1は、必要に応じ表面が整地された法面N上に敷設(張設)される(
図3(A)参照)。この際、
図2(B)に示すように、アンカーピン(固定手段の一例)8を打設して緑化用具1を法面N上に固定する(
図2(A)に無く
図2(B)に有る黒い丸がそれぞれアンカーピン8を示している)。
【0036】
アンカーピン8の打設は、
図2(B)に示すように、少なくとも緑化用具1の法肩側端縁1aと法尻側端縁1bの各々左右両端付近(つまりは緑化用具1の四隅)に行うのが好ましく、図示例では各端縁1a、1bの左右両端付近と中央付近とにアンカーピン8を打設している。また、肥料袋7は、緑化用具1の他の構成部材よりも比較的重量があり、重力によって位置ずれし易いことから、各肥料袋7の長手方向の両端付近と中央付近とにもアンカーピン8を貫通打設(アンカリング)してある。但し、これに限らず、例えばアンカーピン8を肥料袋7に貫通打設せず、複数存在する一体化領域Rの何れか一つのすぐ法肩側に位置する(植物生育空間S内において法尻側に寄った位置にある)肥料袋7から法尻側にややずれた位置(この位置は一体化領域Rの法肩側又は法尻側でも一体化領域Rに重なっていてもよい)に打設し、肥料袋7を法尻側から保持するようにしてもよく、この場合、アンカーピン8の頭部を法肩側に屈曲させ、その頭部で肥料袋7を法面Nに押さえ付けるように打設すれば、肥料袋7を安定性良く保持することができる。そして、肥料袋7に貫通打設するアンカーピン8と貫通せずに法尻側から保持するアンカーピン8とを併用するようにしてもよい。
【0037】
ここで、緑化用具1は、予め例えばその長手方向にロール状に巻いておけば、法面Nに敷設する施工の際、その一端側を保持した状態で法肩側から法尻側へと転がすようにするだけで簡単に展開することができ、施工性の向上に資する。但し、展開した植生マット2に対して上ネット3は弛み得る状態で植生マット2に部分的に一体化されているのであり、不用意にロール状に巻くと好ましくない皺が上ネット3に入ってしまい、その結果、ロール状に巻いた緑化用具の一部に応力が集中して劣化や破損が生じたり、ロール状に巻いた状態の緑化用具1が嵩張ったり、上ネット3に生じた皺どうしが係合して上記の展開作業に支障を来したりする恐れがある。
【0038】
詳しくは、
図2(C)に示すように、各植物生育空間Sは、植生マット2において二つの一体化領域Rで挟まれた部位である床部2aと、上ネット3において二つの一体化領域Rで挟まれた部位である屋根部3aとで囲まれて形成されるものであり、床部2aより屋根部3aの方が緑化用具1の長手方向に長い。そのため、屋根部3aの全体を床部2aに沿わせようとしても、屋根部3aの一部は床部2aに沿わずに床部2aから浮いた状態になるのであり、緑化用具1を不用意にロール状に巻くと屋根部3aに好ましくない皺が入り易い。
【0039】
そこで、
図2(C)~(E)に示すように、各屋根部3aにおいて床部2aから浮いた状態になる部分を畳み、その畳んだ部分が法肩側(緑化用具1を法面Nに敷設する際に法肩に向ける側)に倒れるようにし、
図2(E)に示すように、緑化用具1を法尻側からロール状に巻くことが考えられる。このように巻くことにより、好ましくない皺が上ネット3に入り難くなり、上記のような問題の発生防止を図ることができる。
【0040】
なお、
図2(D)、(E)の例では、各屋根部3aにおいて畳む部分が中央当たりに位置するようにしてあるが、この位置は適宜変更可能である。また、複数有る屋根部3aの間で畳む順序は問わないが、例えば上ネット3の柔軟性が比較的低く、屋根部3aを畳んだ状態にしても手を離すと元に戻ろうとするといった場合には、最初に最も法尻側にある屋根部3aのみを畳み、緑化用具1においてこの屋根部3aを含む部分のみをロール状に巻き、続いてその隣にある屋根部3aのみを畳み、この屋根部3aを含む部分のみをロール状に巻く、ということを繰り返すようにしてもよい。
【0041】
なお、緑化用具1を法面Nに運搬、敷設する際、予め肥料袋7を各収容部6に挿入保持してあれば、その敷設の際の作業の省力化を図ることができるが、肥料袋7を外した状態の緑化用具1を法面N上に運搬し、その後に収容部6に肥料袋7を挿入保持するようにしてもよく、この場合は緑化用具1の軽量化による運搬作業の省力化を図ることができる。
【0042】
上記のように構成される本例の緑化用具1は、植生マット2と、植生マット2の上方に植物生育空間Sを形成するための上ネット3とを一体的に具備しているので、この緑化用具1を法面Nに固定すれば、植生マット2の法面Nへの固定と、植生マット2の上方への上ネット3の敷設とが一度に行われることになり、施工性の向上を図ることができる。また、上ネット3が植生マット2と別体であると、上ネット3によって形成される植物生育空間Sの個々の大きさにばらつきが生じ易いが、上ネット3を植生マット2に予め一体化しておくことにより、そうしたばらつきを生じ難くすることも容易となり、ひいては均一性のある効果的な獣害対策の実現に資することになる。さらに、緑化用具1を一度敷設すれば、後は植物Pの成長に頼るだけであることから、そのメンテナンスなどがほとんど不要である。
【0043】
また、緑化用具1において、上ネット3は、展開した植生マット2に対して弛み得る状態で植生マット2に一体化されているので、緑化用具1を法面Nに固定した状態にすれば、この法面Nで成長する植物Pが上ネット3を持ち上げて植物生育空間S(鹿等の食害動物の攻撃を防ぎ、かつ植物Pの生育を妨げるものが存在しない空間)を形成するのであり、植物生育空間Sを形成するためだけの部材や工数を不要とすることができる。しかも、上ネット3が法面Nから持ち上がる分、植物Pは自由度を持って良好に生育し易い上、上ネット3が法面Nから浮くことにより、鹿等の食害動物を法面Nに侵入し難くすることができる。
【0044】
上記のように、緑化用具1を法面N上に敷設した状態とすることにより、種子aはシート4によって飛散・流亡することが防止されるとともに、保温効果を持った薄綿で構成したシート4により、種子aは発芽・成長に適した温度下・環境下に置かれることになる。また、上ネット3及び下ネット5により降雨や風食などによる法面Nの浸食(エロージョン)が確実に防止される。
【0045】
その後、時間が経過すると、植生マット2の種子aが発芽し、植物生育空間S内で上ネット3に当たった植物Pは曲がった状態で生育することになる。そして、この植物Pの成長に伴い早い時期に上ネット3が持ち上がり始め、さらに植物Pの成長に伴って持ち上がり(
図3(B)参照)、最終的に植物生育空間S内に植物Pが繁殖する。
【0046】
上記のように法面Nに緑化用具1を敷設することによって構築される緑化構造体では、上ネット3を柔軟な植物Pで支えて法面Nから浮かせることにより、その上を鹿等の食害動物が歩行するときに不安定になるようにして鹿等の食害動物を法面Nに侵入しにくくさせることと、たとえ法面Nに侵入しても、殆どの植物Pは上ネット3で保護された植物生育空間S内で生育しているため食害動物によって食べ尽くされる恐れが無いという食害防止方法を採っている。
【0047】
このように緑化用具1によって構築される緑化構造体では、上ネット3を法面Nから浮かせるために、別途コイルばねのようなスペーサを使うことなく上ネット3直下の植物生育空間Sに生育する植物Pの成長力を利用している。そのため、法面Nの上方にたるませた状態で上ネット3を配し、上ネット3下方に植物Pが曲がった状態で生育可能な植物生育空間Sを形成するわけであるが、上ネット3を植物Pの成長力を用いて法面Nから浮かせる(持ち上げる)ことを可能とすることと、植物Pを健全に生長させるため植物生育空間Sの生育環境を損なわないことの調和点として、上ネット3の目合いの面積の下限値を適宜に設定することが好ましい。なぜなら、上ネット3の目合いが小さすぎると、通気性・透水性・光透過性が不十分となり、植物生育空間Sの生育環境が損なわれて植物Pが健全に生長できないという事態に陥ることになるからである。
【0048】
また、法面Nと上ネット3間に形成された植物生育空間S内に鹿等の食害動物の口が入らないようにすることは勿論のこと、植物生育空間S内に鹿等の食害動物の爪が入らないように(入るにしても爪が途中までしか入らないように)する必要があり、そのため上ネット3の目合いの面積の上限値も適宜に設定することが好ましい。なぜなら、上ネット3の目合いが大きすぎると、そこから鹿等の食害動物の爪が自由に挿入可能となり、植物生育空間S内に生育している植物Pを爪で引っ張るような事態が発生するからである。
【0049】
上述した上ネット3の目合いの面積の好適な上限値、下限値は、植物生育空間S内で生育させる植物Pの種類等によって変わる。例えば、植物生育空間S内で生育させる植物Pを草本類とし、上ネット3には木本類の生育を阻害する程度の目の細かいネットを使用し、植物Pに草本類よりも草丈の大きい樹木等の木本類を含まないようにする、といった場合には、上ネット3の目合いの面積を0.25mm2 (下限値)~100mm2 (上限値)とするのが好ましい。この場合、例えば目合いの縦・横を同じ長さとするのであれば、その長さとして0.5mm~10mmの範囲を選択し得る。すなわち、この長さが0.5mmの場合、目合いの面積は0.25mm2 (0.5mm×0.5mm)となり、10mmの場合、目合いの面積は100mm2 (10mm×10mm)となる。但し、上ネット3に、目合いの縦・横が異なる長さのネット、例えば、一般的な植生マットにも用いられ、長辺と短辺よりなる目合いを有するスダレ状のネットを用いてもよく、この場合は、目合いの長辺が10mmをはるかに越えて例えば50mmで、短辺が2mmのときであっても目合いの面積は100mm2 (50mm×2mm)となる。なお、上ネット3の目合いの面積は、1.0~30mm2 であるのがより好ましい。
【0050】
ここで、上ネット3により植物Pを保護するという観点からすれば上ネット3の目合いは植物Pを通さないように小さくするのが好ましいが、上ネット3の目合いを植物Pの一部が通って外側に出ることを許容する大きさとした場合(目合いの面積を例えば30mm2 よりも大きくした場合)であっても植物Pの生長点が植物生育空間S内に位置するようにしてあれば、食害動物と植物Pとの共存共栄的食害防止方法を実現することもできる。なぜなら、草本類、例えばトールフェスクなどの牧草からなる植物Pでは地上2cm(法面Nの表面から2cmの高さ位置)にある生長点より上側の部分が食べられても再生可能であるからである。
【0051】
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
【0052】
上記実施の形態では植生体として植生マット2を用いているが、これに限らず、例えば以下の(1)、(2)のようなものを植生体として用いてもよい。
(1)緑化材料(土壌改良材、保水材、肥料、有機質材料などの植生基材と植物種子を含む)を、2枚のシートで挟み込む、あるいはシートの下面または上面に固定して(保持させて)構成した植生シート。ここで、前記シートは、例えば薄綿ラップや不織布、紙などからなるものであり、例えば、簡単に水で解ける(分散する)水解性のシートでもよく、生分解性の繊維からなるシートでもよい。
(2)前記(1)の植生シートをネットに貼り合わせ等により保持させて構成した植生マット。これは、例えば土壌改良材、保水材、肥料、有機質材料などの植生基材bの少なくとも一つと、植物種子aとを下部に保持するシート(薄綿)4と、このシート4を下面に保持する下ネット5とを備えたものとすることができる。なお、前記(1)の植生シートに替えて、薄い素材間に植物種子aなどとともに、植生基材bの少なくとも一つを挟在させた所謂張芝体を下ネット5下面に保持させることが可能である。
【0053】
なお、上記の実施形態や上記(1)、(2)において、シート4、肥料袋7、張芝体の構成素材としては、例えばバクテリアなどの微生物で分解腐食されて経時的に消失する綿、絹、麻などの天然繊維や、再生セルロースからなるビスコースレーヨンなどの再生繊維、さらには、腐食性繊維の単独、又は、腐食性繊維と合成繊維とからなる混紡繊維を使用することも可能である。
【0054】
法面N近辺の例えば森の林床などの土とともに採取した植生種子(シードバンク)を種子aとしてシート4に保持させる、あるいは肥料袋7に収容することにより、植生種子(シードバンク)による植物を法面Nに導入することも可能である。この場合、植生種子(シードバンク)と草本類の種子a(植生種)とを併用すれば、早期の法面Nの緑化を行いながら、地域の景観にあった自然回復を達成できる。
【0055】
図2(A)等に示す上記実施形態の緑化用具1では、上ネット3は、長方形状の植生マット2の長手方向に植物生育空間Sを複数形成可能に植生マット2に一体化されているが、これに限らず、例えば、
図4(A)に示すように、上ネット3は、長方形状の植生マット2の短手方向に植物生育空間Sを複数(図示例では二つ)形成可能に植生マット2に一体化されていてもよい。この場合、緑化用具1に対するアンカーピン8の打設位置は
図4(B)に示すように設定することができる。なお、
図4(C)及び(D)の例では、緑化用具1をロール状に巻くに際して、緑化用具1の長手方向に延びる二つの屋根部3aにおいて床部2aから浮いた状態になる部分をそれぞれ互いに接近する方向に倒して折り畳んでいるが、この倒す方向は逆でもよい。
【0056】
なお、
図2(A)、
図4(A)に示す緑化用具1では、それぞれ一つの緑化用具1で複数の植物生育空間Sを形成することができ、複数の植物生育空間Sの並び方等にバリエーションを持たせることも容易となる。
【0057】
図2(A)に示す緑化用具1では、植生マット2と上ネット3とは、その長手方向の両端部(二辺部)どうしが一体化され、
図4(A)に緑化用具1では、植生マット2と上ネット3とは、その短手方向の両端部(二辺部)どうしが一体化されているが、これに限らず、例えば、植生マット2と上ネット3とで一辺部どうしのみが一体化されていてもよく、この場合、植生マット2と上ネット3との一体化のための構造の簡略化と工数削減とを図ることができる。そして、この場合、緑化用具1を法面N等に固定する際、植生マット2及び上ネット3の一辺部とその反対側の他辺部とにアンカー打設するようにすれば、一辺部のみならず他辺部においても植生マット2と上ネット3とが一体化されることになるので、植物生育空間Sの形成の確実化を図ることができる。
【0058】
あるいは、
図5(A)~(C)に示すように、植生マット2と上ネット3とは、全周にわたって周縁部どうしが一体化されていてもよい。すなわち、
図5(A)に示すように植生マット2の上側に上ネット3を重ねて同図(B)に示す状態とし、その全周にわたって適宜の手段により一体化してもよい(同図(C)参照)。この場合、植生マット2と上ネット3の全周を一体化してあるので、法面N等に緑化用具1を固定すれば、一つの緑化構造体として独立して全体にわたり植物生育空間Sを形成することが可能となる。この際、適宜の箇所にアンカー打設することで、植物生育空間Sの仕切形状を任意に形成することもできる。
【0059】
図5(C)の例では、植生マット2と上ネット3とを略同じ大きさとしてあるが、これに限らず、例えば
図5(D)及び(E)に示すように、上ネット3を植生マット2よりも大きく(図示例では長く)し、この上ネット3に例えば複数のプリーツ(ひだ)10を設けた状態で両者2,3を一体化すれば、植物生育空間Sの拡大を図ることも容易となる。
【0060】
上ネット3が相互に大きさの異なる複数の目合いを持つようにしてもよい。すなわち、
図3(A)に示すように緑化用具1を法面Nに固定すると、同図(B)に示すように、植生マット2によって法面N等における植物Pの成長促進、生育の確実化を図ることができる。そして、植生マット2の上方にある上ネット3は相互に大きさの異なる目合いを持ち、その下方で成長した植物Pの通過が比較的困難な領域と比較的容易な領域とが形成されるように目合いの大きさを異ならせておくことにより、通過が比較的困難な領域で成長した植物Pによって上ネット3を持ち上げて植物生育空間S(鹿等の食害動物の攻撃を防ぎ、かつ植物の生育を妨げるものが存在しない空間)を形成しつつ、通過が比較的容易な領域で成長し上ネット3を通過した植物Pによって上ネット3の露出面積を積極的に減らして外観向上を図る(景観上自然で優れたものにする)ことができる。この場合、上ネット3が法面Nから持ち上がる分、植物Pは自由度を持って良好に生育し易い上、上ネット3が法面Nから浮くことにより、鹿等の食害動物を法面Nに侵入し難くすることができる。また、植物生育空間Sを形成するためだけの部材や工数を不要とすることも可能となるという効果は損なわれない。
【0061】
具体的には、
図6(A)~(F)に示すように、上ネット3に、大きな目合いが並ぶ疎部11と小さな目合いが並ぶ密部12とを設けるようにすることが考えられる(図示例では、ライトグレー部分が疎部11、ダークグレー部分が密部12を示す)。例えば、緑化用具1を固定した法面N等で成長する植物Pが密部12を通過せず疎部11をある程度通過するようにしてあれば、疎部11を通過した植物Pによって景観上自然となり、緑化用具1の外観向上を図ることができるとともに、密部12は植物Pによって持ち上げられることにより、植物生育空間Sの拡大を図ることができる。
図6(A)及び(B)に示すように、密部12を屋根部3aの頂部周辺にある程度の範囲(例えば屋根部3a全体の3分の1以上の面積)を持つように配置することにより、植物Pによる上ネット3の持ち上げによる植物生育空間Sの拡大の確実化を図ることができる。なお、
図6(C)の例では屋根部3aの長手方向に延びる疎部11と密部12を短手方向に交互に配し、
図6(D)の例では屋根部3aの短手方向に延びる疎部11と密部12を長手方向に交互に配してある。また、
図6(E)の例では疎部11を行列(マトリクス)状に点在させつつ、密部12を格子枠状に配してあるが、疎部11と密部12とを入れ替えるように設けてもよい。
図6(F)の例では、疎部11と密部12とを市松模様状に配してある。
【0062】
上ネット3に疎部11及び密部12を設ける方法としては、例えば、目合いが一定のネットに対してこれより目合いの細かいネットを部分的に接合するようにしてもよいし(この場合、接合した部分が密部12、接合していない部分が疎部11となる)、編み方や織り方等を部分的に異ならせて目合いの大きさを変化させる(一枚のネットに疎部11と密部12とを持たせる)ようにしてもよい。
【0063】
例えば、鹿の生育密度の高い地域では、疎部11を通過した植物Pが鹿に食べられ易く、施工1年目は、疎部11を通過した植物P(若草)によって密部12上方が覆われない領域が比較的広くなる傾向があるが、施工2年後、3年後になると、鹿は1年目の若草ほどは好んでその植物Pを食べなくなるという習性があり、つまりは疎部11を通過した植物Pによって密部12上方が覆われる領域が経時的に広くなっていくのであり、植物遷移という長期的な観点からみても、本例の緑化用具1による景観上の効果は期待できるものといえる。
【0064】
図6(A)~(F)では、上ネット3の目合いを大小の2段階とし、これに応じて疎部11と密部12との二つの領域を設けてあるが、これに限らず、例えば上ネット3の目合いを3段階以上に変化させ、こうした目合いの大きさに応じて疎部11又は密部12の少なくとも何れか一方を複数種類設けるようにしてもよい。ただし、上ネット3において少なくとも最も大きな目合いを持つ部分を通過した植物Pによって、上ネット3の一部が覆われるようにしてあることが、外観向上の確実化を図ることができるという点で好ましい。また、上ネット3において少なくとも最も小さな目合いを持つ部分は植物Pが通過しないか、通過する場合でもその通過量が最も大きな目合いを持つ部分よりも少なくなるようにしてあることが、植物Pによって上ネット3を持ち上げ植物生育空間Sを形成、拡大し易くなるという点で好ましい。
【0065】
図2(A)に示す緑化用具1では、植生マット2と別体である上ネット3が植生マット2に接合により一体化されているので、植生マット2に対する上ネット3の接合位置の変更等が容易である。しかし、これに限らず、例えば
図7(A)及び(B)に示すように、植生マット2の一部が他部の外側にはみ出すようにし(
図7(A)では植生マット2の短手方向にはみ出し、同図(B)では長手方向にはみ出している)、そのはみ出した部分が上ネット3となるように構成してあってもよく、この場合、上ネット3を植生マット2に接合するための部材や工数の削減を図ることができる。
【0066】
具体的には、
図7(A)及び(B)に示すように、植生マット2の下ネット5が他部の外側にはみ出すようにし、そのはみ出した部分が上ネット3となるように構成することが考えられる。但し、下ネット5は植物Pを通過させ、上ネット3は植物Pの通過を制限するものである必要があるため、例えば、下ネット5において他部からはみ出さない部分の目合いよりも他部からはみ出して上ネット3となる部分の目合いが小さくなるように下ネット5の編み方や織り方等を部分的に変えるようにしてもよいし、下ネット5の目合いは均一にしつつ上ネット5となる部分にはより目合いの細かいネットを接合するようにしてもよい。
【0067】
図1、
図2(A)に示す上記実施の形態の緑化用具1では、一つの植生マット2に対して一つの上ネット3を一体化するようにしているが、これに限らず、例えば、一つの植生マット2に対して複数の上ネット3を一体化するようにしてもよい。
【0068】
法面表層の保護工として施工される格子状の法枠内に本緑化用具1を適用することも可能である。
【0069】
なお、本明細書で挙げた変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0070】
1 緑化用具
2 植生マット
2a 床部
3 ネット(上ネット)
3a 屋根部
4 シート
5 ネット(下ネット)
6 収容部
7 肥料袋
8 アンカーピン
10 プリーツ
11 疎部
12 密部
a 種子
b 植生基材
N 法面
P 植物
R 一体化領域
S 植物生育空間