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  • 特開-ニキビ肌改善用の組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076367
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】ニキビ肌改善用の組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20240529BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20240529BHJP
   A61K 8/42 20060101ALI20240529BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20240529BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20240529BHJP
   A61K 8/67 20060101ALI20240529BHJP
   A61K 8/365 20060101ALI20240529BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240529BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20240529BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20240529BHJP
   A61K 31/704 20060101ALI20240529BHJP
   A61K 31/16 20060101ALI20240529BHJP
   A61K 31/366 20060101ALI20240529BHJP
   A61K 36/484 20060101ALI20240529BHJP
   A61K 36/539 20060101ALI20240529BHJP
   A61K 31/455 20060101ALI20240529BHJP
   A61K 31/19 20060101ALI20240529BHJP
   A61K 31/05 20060101ALI20240529BHJP
   A61K 31/4164 20060101ALI20240529BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20240529BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240529BHJP
   A61P 17/10 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
A61K8/34
A61K8/60
A61K8/42
A61K8/49
A61K8/9789
A61K8/67
A61K8/365
A61Q19/00
A61Q5/00
A61Q5/02
A61K31/704
A61K31/16
A61K31/366
A61K36/484
A61K36/539
A61K31/455
A61K31/19
A61K31/05
A61K31/4164
A61P31/04
A61P17/00 101
A61P17/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023196845
(22)【出願日】2023-11-20
(31)【優先権主張番号】10-2022-0159757
(32)【優先日】2022-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0133749
(32)【優先日】2023-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】514112488
【氏名又は名称】エルジー ハウスホールド アンド ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ス-ヨン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ユン-ホ・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ノ-ジン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジェ-ヨン・シン
【テーマコード(参考)】
4C083
4C086
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA112
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC471
4C083AC472
4C083AC641
4C083AC642
4C083AC792
4C083AC841
4C083AC842
4C083AC851
4C083AD531
4C083AD532
4C083AD631
4C083AD632
4C083CC04
4C083CC05
4C083CC38
4C083DD23
4C083DD31
4C083EE14
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA07
4C086BC17
4C086BC19
4C086BC38
4C086EA10
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA16
4C086MA63
4C086NA14
4C086ZA89
4C086ZA90
4C086ZB35
4C088AB38
4C088AB60
4C088BA08
4C088MA16
4C088MA63
4C088NA14
4C088ZA89
4C088ZA90
4C088ZB35
4C206AA01
4C206AA02
4C206CA17
4C206DA07
4C206GA03
4C206MA01
4C206MA04
4C206MA36
4C206MA83
4C206NA14
4C206ZA89
4C206ZA90
4C206ZB35
(57)【要約】
【課題】本発明は、ニキビ肌改善用の組成物に関する。
【解決手段】本発明のニキビ肌改善用の組成物は、病原性ニキビ菌を抑制して、病原性ニキビ菌と非病原性ニキビ菌とのマイクロバイオームの均衡を望ましく調節することで、ニキビ肌の改善効果が顕著に優秀である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エスシン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、グルコノラクトン、クリンバゾール、オウゴン抽出物、甘草抽出物、ナイアシン、ナイアシンアミド、グリコール酸及びバクチオールからなる群より選択されたいずれか一つ以上を成分として含むニキビ肌改善用の組成物。
【請求項2】
前記成分が、組成物の総重量に対して0.001~20重量%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ニキビ肌改善は、病原性ニキビ菌抑制、病原性ニキビ菌と非病原性ニキビ菌の均衡維持またはニキビ肌のマイクロバイオーム調節である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記病原性ニキビ菌が、C.acnes RT4またはRT5である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記非病原性ニキビ菌が、C. acnes RT6である、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
前記ニキビ肌改善用の組成物が、化粧料または医薬部外品の組成物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記ニキビ肌改善用の組成物が、頭皮用の組成物である、請求項1に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニキビ肌改善用の組成物に関する。
【0002】
本出願は、2022年11月24日出願の韓国特許出願第10-2022-0159757号及び2023年10月6日出願の韓国特許出願第10-2023-0133749号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
皮膚に存在する微生物は、病原菌侵入、免疫系調節または天然物分解などの多様な代謝に必須の役割を果たして皮膚状態に影響を及ぼし得る。皮膚は、病原菌の侵入を阻むための物理的バリアとして作用し、皮膚バリアが弱化するか、または共生体と病原体の均衡が崩れる場合、皮膚疾患が発生し得る。即ち、皮膚の微生物マイクロバイオームの組成を研究することは、皮膚疾患の病因または皮膚状態との連関性を明かすのに有用である。
【0004】
キューティバクテリウムアクネス(Cutibacterium acnes;C.acnes)は、皮膚を弱酸性に維持するために、皮脂をグリセロールと脂肪酸に分解して病原性バクテリアの侵入または成長を抑制する役割を果たす。C.acnesは、皮膚に常在している主な菌種の一つであり、皮膚バリアの維持のための重要な役割を果たしている。C.acnesのリボタイプ(ribotype)のうちRT4及びRT5は、ニキビを誘発する病原性ニキビ菌と知られており、これらは皮膚で炎症性サイトカインの分泌を誘発してニキビなどの炎症を起こし得る。一方、C.acnes RT6は、元気な皮膚に多量常在する非病原性ニキビ菌として知られている。
【0005】
ニキビ肌を改善するために、抗菌または殺菌作用を有する抗生剤を肌に適用することは、C.acnesのみならず肌に存在するマイクロバイオーム全体に影響を及ぼすため、望ましくない。そこで、ニキビ肌を改善するために、皮膚マイクロバイオームの均衡を阻害することなく、病原性ニキビ菌であるC.acnes RT4及びRT5を効果的に抑制可能な成分の開発が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ニキビ肌の改善効果が優秀な組成物を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、病原性ニキビ菌を抑制し、病原性ニキビ菌と非病原性ニキビ菌とのマイクロバイオームの均衡を望ましく維持して、ニキビ肌の改善効果が優秀な組成物を提供することを他の目的とする。
【0008】
また、本発明は、特定の成分を含む組成物のニキビ肌の改善用途、及び特定の成分を含む組成物を用いてニキビ肌を改善する方法を提供することをさらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を達成するために、本発明の発明者がニキビ肌の改善効果が優秀な新規物質を発掘するために鋭意研究した結果、エスシン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、グルコノラクトン、クリンバゾール、オウゴン抽出物、甘草抽出物、ナイアシン、ナイアシンアミド、グリコール酸またはバクチオールが、ニキビ肌の改善効果が顕著に優秀であることを見出した。本発明者は、前記成分が病原性ニキビ菌を抑制して、病原性ニキビ菌と非病原性ニキビ菌とのマイクロバイオームの均衡を望ましく維持させることで、ニキビ肌の改善効果が著しく優秀であることを確認し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明は、エスシン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、グルコノラクトン、クリンバゾール、オウゴン抽出物、甘草抽出物、ナイアシン、ナイアシンアミド、グリコール酸またはバクチオールからなる群より選択されたいずれか一つ以上を含むニキビ肌改善用の組成物を提供する。前記ニキビ肌改善用の組成物は、病原性ニキビ菌を抑制して、病原性ニキビ菌と非病原性ニキビ菌とのマイクロバイオームの均衡を望ましく維持することでニキビ肌の改善効果が顕著に優秀である。
【0011】
本発明一面で、前記ニキビ肌の改善とは、病原性ニキビ菌の抑制、病原性ニキビ菌と非病原性ニキビ菌との均衡維持またはニキビ肌のマイクロバイオームの調節を意味し得る。
【0012】
本発明の一面で、前記エスシン(Escin)は、セイヨウトチノキ(Aesculus hippocastanum)抽出物に含まれたサポニン混合物であり、血管収縮または血管保護の効果などをあると知られている。
【0013】
本発明の一面で、前記ステアラミドプロピルジメチルアミン(Stearamidopropyl Dimethylamine;SAPDA)のIUPAC名称は、N-[3-(Dimethylamino)propyl]octadecanamideであり、通常、ヘアコンディショナーに含有され、静電気防止、乳化またはヘアーコンディショニングなどの効果を奏すると知られている。
【0014】
本発明の一面で、前記グルコノラクトン(Gluconolactone)のIUPAC名称は、D-Glucono-1,5-lactoneであり、グルルコノデルタラクトン(GDL)とも命名される。通常、グルコノラクトンは、酸性化剤、硬化剤または発酵剤などの食品添加剤としての用途が知られている。
【0015】
本発明の一面で、前記クリンバゾール(Climbazole)は、通常、抗真菌剤またはフケ防止剤としてシャンプー、ローションまたはコンディショナーなどに含まれて使用されると知られている。
【0016】
本発明の一面で、前記オウゴン抽出物(Scutellaria Baicalensis Root Extract)は、シソ科に属する多年生牧草であるオウゴンの根抽出物を意味し得る。前記オウゴン抽出物は通常、止血、利尿または解熱などのための漢方薬材と知られている。
【0017】
本発明の一面で、前記甘草抽出物(Glycyrrhiza Glabra (Licorice) Root Extract)は、豆科に属する多年生牧草である甘草の根抽出物を意味し得る。前記甘草抽出物は、通常、甘味剤、血行改善または血圧減少などのための漢方薬材として知られている。
【0018】
本発明の一面で、前記ナイアシン(Niacin)は、ビタミンB3として言及される水溶性ビタミンであり、通常、健康補助食品または上昇したコレステロールと中性脂肪の治療用途として知られている。
【0019】
本発明の一面で、前記ナイアシンアミド(Niacinamide)は、ビタミンB3の一形態であり、通常、健康補助食品の用途として知られている。
【0020】
本発明の一面で、前記グリコール酸(Glycolic acid)は、α-ヒドロキシ酸の一類型であり、角質除去またはpH調節の用途として知られている。
【0021】
本発明の一面で、前記バクチオール(Bakuchiol)は、オランダビユ(Psoralea corylifolia)の種子から抽出され、通常、抗癌または抗酸化の用途として知られている。
【0022】
本発明の一面で、前記オウゴン抽出物または甘草抽出物は、オウゴンまたは甘草植物体を、水、エタノールまたはプロピレングリコールなど、望ましくは、水、エタノールまたはこれらの混合物を抽出溶媒として使用して抽出した抽出物が使用され得る。本発明の一面で、前記オウゴン抽出物は、オウゴンの根抽出物であり得る。また、前記甘草抽出物は、甘草の根抽出物であり得る。また、前記甘草抽出物は、グラブリジン(Glabridin)を含み得る。
【0023】
本発明の一面で、前記ニキビ肌改善用の組成物は、前記成分を組成物の総重量に対して0.001~20重量%、望ましくは0.01~15重量%、より望ましくは0.05~10重量%含み得る。前記成分が組成物の総重量に対して 0.001~20重量%である場合には、ニキビ肌の改善効果が優秀であるだけでなく、剤形安定性が阻害されず、皮膚刺激を起こさない。
【0024】
本発明の一面で、前記ニキビ肌の「改善」とは、ニキビ肌の予防または治療などを意味し得る。前記「予防」とは、本発明のニキビ肌改善用の組成物を個体に投与してニキビ皮膚疾患の発病を抑制するか、または遅延させる全ての行為を意味する。例えば、ニキビ皮膚疾患の発病が1%以上、望ましくは5%以上、より望ましくは10%以上に抑制また遅延されるとしたら、ニキビ皮膚疾患が予防されると看做し得る。また、前記「治療」とは、本発明のニキビ肌改善用の組成物を個体に投与してニキビ皮膚疾患の症状が好転するようにするか、または利する全ての行為を意味する。例えば、ニキビ皮膚疾患の症状が1%以上、望ましくは5%以上、より望ましくは10%以上に好転されると、ニキビ皮膚疾患が治療されると看做し得る。
【0025】
本発明の一面で、前記病原性ニキビ菌と非病原性ニキビ菌とのマイクロバイオームの均衡を望ましく維持するということは、全体のニキビ菌のうち病原性ニキビ菌が35%以下、望ましくは20%以下であることを意味し得る。本発明のニキビ改善用の組成物を肌に適用する場合、病原性ニキビ菌が抑制されて病原性ニキビ菌によるニキビの発生メカニズムが顕著に抑制される。
【0026】
本発明の一面で、前記ニキビ菌は、キューティバクテリウムアクネス(Cutibacterium acnes,C.acnes)である。C.acnesのリボタイプ(ribotype)のうちRT4及びRT5は、ニキビを誘発する病原性ニキビ菌と知られており、これらは肌で炎症性サイトカインの分泌を誘発してニキビなどの炎症を起こし得る。一方、C.acnes RT6は、元気な肌に多量常在する非病原性ニキビ菌と知られている。
【0027】
また、本発明は、エスシン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、グルコノラクトン、クリンバゾール、オウゴン抽出物、甘草抽出物、ナイアシン、ナイアシンアミド、グリコール酸及びバクチオールからなる群より選択されたいずれか一つ以上を成分として含むニキビ肌改善用の化粧料組成物を提供する。また、本発明は、エスシン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、グルコノラクトン、クリンバゾール、オウゴン抽出物、甘草抽出物、ナイアシン、ナイアシンアミド、グリコール酸及びバクチオールからなる群より選択されたいずれか一つ以上を成分として含むニキビ肌改善用の医薬部外品組成物を提供する。
【0028】
本発明の一面で、前記化粧料組成物は、ニキビ肌の改善のために前記成分の他に本発明の効果を阻害しない範囲内で、保湿剤、増粘剤、界面活性剤、油性基剤、防腐剤、酸化防止剤、アルコール、香料、pH調節剤または天然抽出物などを含み得るが、これらに制限されない。前記化粧料組成物は、通常の化粧料製造法によって製造可能であり、化粧水類、ローション類、クリーム類またはシャンプー類などのような多様な剤形に製造され得る。例えば、前記化粧料組成物は、柔軟化粧水、収れん化粧水、栄養化粧水、栄養クリーム、マッサージクリーム、エッセンス、アイクリーム、アイエッセンス、クレンジングクリーム、クレンジングフォーム、クレンジングウォーター、パック、パウダー、ボディーローション、ボディークリーム、ボディーオイル及びボディーエッセンスなどの化粧品に剤形化でき、肌に塗る形態またはマイクロニードルなどを用いて、皮膚の内部に吸収される形態で適用され得る。
【0029】
本発明の一面で、前記医薬部外品組成物は、前記成分の他に必要に応じて薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤をさらに含み得る。前記薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤は、本発明の効果を阻害しない限り制限されず、例えば、充填在、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤、潤滑剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などを含み得る。前記薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤の代表的な例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、でん粉、ゼラチン、グリセリン、アカシアゴム、アルジネート、カルシウムホスフェート、カルシウムカーボネート、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、マグネシウムステアレート、鉱物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物性油、注射可能なエステル、ウイテプゾール、マクロゴール、tween61、カカオ脂、ラウリン脂などが挙げられる。本発明の医薬部外品組成物は、消毒清潔剤、シャワーフォーム、軟膏剤、ウェットティッシュ、コーティング剤、洗剤石けんまたはハンドウォッシュなどが挙げられるが、これらに制限されることではなく、医薬部外品の製剤化方法、容量、利用方法、構成成分などは、技術分野における公知の通常の技術から適切に選択可能である。
【0030】
また、本発明は、エスシン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、グルコノラクトン、クリンバゾール、オウゴン抽出物、甘草抽出物、ナイアシン、ナイアシンアミド、グリコール酸及びバクチオールからなる群より選択されたいずれか一つ以上を含む組成物のニキビ肌の改善用途を提供する。また、本発明は、エスシン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、グルコノラクトン、クリンバゾール、オウゴン抽出物、甘草抽出物、ナイアシン、ナイアシンアミド、グリコール酸及びバクチオールからなる群より選択されたいずれか一つ以上を含む組成物を皮膚に塗布する段階を含むニキビ肌の改善方法を提供する。本発明の一面で、前記ニキビ肌の改善用途及びニキビ肌の改善方法には、前記ニキビ肌改善用の組成物について説明された技術的特徴が同一に適用され得る。
【0031】
本発明に記載された全ての成分は、望ましくは、韓国、中国、アメリカ、ヨーロッパ、日本などの関連法規、規範(例えば、化粧品安全基準などに関する規定(韓国)、化粧品安全技術規範(中国))などで規定した最大使用値を超過しない。即ち、望ましくは、本発明による化粧料または医薬部外品組成物は、各国の関連法規、規範で許容する含量の限度で本発明による成分を含む。
【発明の効果】
【0032】
本発明のニキビ肌改善用の組成物は、病原性ニキビ菌を抑制して、病原性ニキビ菌と非病原性ニキビ菌とのマイクロバイオームの均衡を望ましく調節することで、ニキビ肌の改善効果が遥かに優秀である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の成分を用いて、病原性ニキビ菌C.acnes RT4に対する生長抑制効能を評価した結果である。
図2】本発明の成分を用いて、病原性ニキビ菌C.acnes RT5に対する生長抑制効能を評価した結果である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の理解を助けるために実施例などを挙げて詳しく説明する。しかし、本発明による実施例は他の多様な形態に変更可能であり、本発明の範囲が下記の実施例に限定されると解釈されてはならない。本発明の実施例は、本発明が属する分野における平均的な知識を持つ者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【実施例0035】
実験例1:病原性ニキビ菌(C.acnes RT4及びRT5)に対する生長抑制効能評価
96ウェルプレート(U-bottom deep well plate,SPLSPL)にBHI培地(BRAIN HEART INFUSION BROTH,BD DIFCO)に培養したC. acnes RT4(HL 053PA1)及びRT5(HL 043PA1)を、最終O.D.値が0.1になるようにシーディング(seeding)し、本発明の成分であるエスシン(Escin,Sigma-Aldrich)、ステアラミドプロピルジメチルアミン(MICOMIN SAPDA,CRODA)、グルコノラクトン(GLUCONO DELTA LACTONE T,ROQUETTE)、オウゴン抽出物(オウゴン抽出物2,現代バイオランド)、甘草抽出物(Glycyrrhiza glabra 70%エタノール抽出物)、ナイアシン(Niacin,Sigma-Aldrich)、ナイアシンアミド(NIACINAMIDE,DSM)、グリコール酸(GLYACID 70HP,PURAC)、バクチオール(Sytenol(登録商標) A,SYTHEON)を各々処理し、2日間37℃のインキュベーターで嫌気性条件で培養した。対照群(control)には、BHI培地のみを処理した。その後、微生物生存率分析(Microbial viability assay)を行って、各素材の微生物生長抑制効能を評価した。微生物生存率分析は、Dojindo社のMicrobial Viability Assay Kit-WST(Cat#:M439)を用いた。Microbial Viability Assay Kit-WST内のWST solutionと8-fold diluted electron mediator reagentを9:1で混合した後、各ウェルに10μlずつ入れ、37℃で1時間、嫌気条件で培養した。上澄液を新しい96ウェルプレート(96well flat-bottom cell culture plate)に移し、マイクロプレートリーダーで450nmにおける吸光度を測定した。この吸光度を用いて相対的な微生物の生存率を計算した。
【0036】
C.acnes RT4またはRT5に対する各成分の生長抑制効果を図1及び図2にグラフで示した。図1及び図2に示した実験結果から、各成分はC. acnes RT4及びRT5に対する生長抑制効果が著しく優秀であることを確認した。
【0037】
実験例2:頭皮マイクロバイオームの変化評価
表1のような組成から構成されたグルコノラクトン(GLUCONO DELTA LACTONE T,ROQUETTE)及びクリンバゾール(Climbazole,Hangzhou Dayangchem Co.,Ltd.)を含むシャンプーを、総12人(男性8人、女性4人)の被験者に使用させた後、頭皮マイクロバイオームの変化を評価した(in vivo評価)。先ず、評価前に2週間、被験者に同じシャンプーを使わせ、被験者の頭皮状態を同一に誘導した。実験群には0.5%のグルコノラクトン及び0.3%のクリンバゾールを含むシャンプーを2週間使わせ、対照群には前記成分を含んでいない対照群シャンプーを2週間使わせた。シャンプー使用前後の頭皮微生物を採集し、qPCRを行って病原性ニキビ菌であるC.acnes RT4及びRT5を検出した。
【0038】
【表1】
【表2】
【0039】
前記表2に記載された頭皮微生物の検出結果から、対照群はかえって病原性ニキビ菌が増加して悪化した一方、グルコノラクトン及びクリンバゾールを含むシャンプーを処理した実験群は、病原性ニキビ菌が74.3%の減少率を示し、大幅に減少した。このことから、前記実験群は病原性ニキビ菌を抑制して、肌において病原性ニキビ菌と非病原性ニキビ菌とのマイクロバイオームの均衡を望ましく維持することでニキビ肌を大幅に改善できることを確認した。
図1
図2
【外国語明細書】