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特開2024-7637不動産売却マッチング装置、および、不動産売却マッチングシステム
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  • 特開-不動産売却マッチング装置、および、不動産売却マッチングシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007637
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】不動産売却マッチング装置、および、不動産売却マッチングシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20240101AFI20240112BHJP
【FI】
G06Q50/16
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108829
(22)【出願日】2022-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】516105305
【氏名又は名称】株式会社LeTech
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(74)【代理人】
【識別番号】100217467
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴崎 一磨
(72)【発明者】
【氏名】藤原 寛
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC27
(57)【要約】
【課題】顧客の不動産の売却において、顧客に適した業者の選択を可能にする不動産売却マッチング装置を提供する。
【解決手段】不動産売却マッチング装置1は、代理人によって操作される代理人端末2、および、不動産業者によって操作される複数の業者端末3と通信する通信部13と、記憶部12と、代理人端末2から入力される不動産情報を記憶部12に記憶させ、業者端末3からの指示に応じて読み出して、当該業者端末3で表示させる不動産情報管理部111と、複数の業者端末3のそれぞれから入力される提案情報を記憶部12に記憶させ、代理人端末2からの指示に応じて読み出して、代理人端末2で表示させる提案情報管理部112と、代理人端末2から顧客情報を取得する顧客情報管理部113とを備えている。顧客情報管理部113は、複数の提案情報の中から代理人端末2によって選択された選択提案情報を入力した業者端末3で、顧客情報を表示させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産の売却を検討している顧客の代理人によって操作される第1端末、および、不動産業者によって操作される複数の第2端末と通信する通信部と、
各種情報を記憶する記憶部と、
前記第1端末から入力される不動産情報を前記記憶部に記憶させ、かつ、前記複数の第2端末のいずれかからの指示に応じて前記記憶部から読み出した前記不動産情報を当該第2端末で表示させる不動産情報管理部と、
前記複数の第2端末のそれぞれから入力される提案情報を前記記憶部に記憶させ、かつ、前記第1端末からの指示に応じて前記記憶部から読み出した複数の前記提案情報を前記第1端末で表示させる提案情報管理部と、
前記第1端末から前記顧客の顧客情報を取得する顧客情報管理部と、
を備え、
前記顧客情報管理部は、複数の前記提案情報の中から前記第1端末によって選択された選択提案情報を入力した第2端末で、前記顧客情報を表示させる、
不動産売却マッチング装置。
【請求項2】
前記選択提案情報を入力した第2端末を操作する不動産業者についての評価情報を前記第1端末から入力され、かつ、当該評価情報を前記記憶部に記憶させる評価情報登録部をさらに備え、
前記提案情報管理部は、各提案情報を入力した第2端末を操作する不動産業者についての評価情報を前記記憶部から取得し、当該評価情報を前記提案情報に付加して前記第1端末で表示させる、
請求項1に記載の不動産売却マッチング装置。
【請求項3】
契約成立後、前記第2端末から報酬を入金されたときに、前記第1端末に紹介料を送金する精算処理部をさらに備えている、
請求項1または2に記載の不動産売却マッチング装置。
【請求項4】
前記第1端末から契約成立の紹介料を決定するための紹介料情報を取得する紹介料情報取得部をさらに備え、
前記精算処理部は、前記紹介料情報に応じて、前記第1端末に送金する紹介料を決定する、
請求項3に記載の不動産売却マッチング装置。
【請求項5】
前記紹介料情報は、紹介料をゼロとする場合を含んでいる、
請求項4に記載の不動産売却マッチング装置。
【請求項6】
不動産の売却を検討している顧客の代理人によって操作される第1端末と、
不動産業者によって操作される複数の第2端末と、
前記第1端末および前記複数の第2端末と通信する通信部、および、各種情報を記憶する記憶部を有する不動産売却マッチング装置と、
を備える不動産売却マッチングシステムであって、
前記不動産売却マッチング装置は、
前記第1端末から入力される不動産情報を前記記憶部に記憶させ、かつ、前記複数の第2端末のいずれかからの指示に応じて前記記憶部から読み出した前記不動産情報を当該第2端末で表示させる不動産情報管理部と、
前記複数の第2端末のそれぞれから入力される提案情報を前記記憶部に記憶させ、かつ、前記第1端末からの指示に応じて前記記憶部から読み出した複数の前記提案情報を前記第1端末で表示させる提案情報管理部と、
前記第1端末から前記顧客の顧客情報を取得する顧客情報管理部と、
を備え、
前記顧客情報管理部は、複数の前記提案情報の中から前記第1端末によって選択された選択提案情報を入力した第2端末で、前記顧客情報を表示させる、
不動産売却マッチングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不動産の売却を行うための不動産売却マッチング装置および不動産売却マッチングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、中立的な立場で、顧客の資産状況を把握し、資産運用のアドバイス、および、売買手続きを行う金融の専門家であるIFA(Independent Financial Advisor:独立系ファイナンシャルアドバイザ)が知られている。IFAは、金融機関の営業方針の影響を受けない独立した立場で、顧客に適した提案を行うことができる。IFAは、顧客の資産運用において、不動産の売買の提案をする場合がある。不動産の購入においては、条件に合った不動産の情報を提供するためのシステムが種々、開発されている。例えば、特許文献1には、不動産物件データベースから該当するウェブページを抽出し、クライアント装置に配信する不動産物件取引支援システムが開示されている。IFAは、このような不動産の情報を提供するシステムを利用して、顧客に適した不動産を提案できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-171044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、不動産の売却においては、過去に取り引きがある、または、紹介を受けた不動産仲介業者などを紹介するのが一般的である。しかしながら、この場合、選択肢が限定されるので、顧客本位の立場で、顧客に適した不動産仲介業者を紹介できているとは言えない。また、不動産仲介業者など、不動産のプロとの間には情報格差が存在するため、IFAは、紹介された不動産会社と1対1での対話を経ても、顧客本位で対応できる不動産会社であるかを適切に判断することは容易ではない。
【0005】
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、顧客の不動産の売却において、顧客に適した業者の選択を可能にする不動産売却マッチング装置および不動産売却マッチングシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明の第1の側面によって提供される不動産売却マッチング装置は、不動産の売却を検討している顧客の代理人によって操作される第1端末、および、不動産業者によって操作される複数の第2端末と通信する通信部と、各種情報を記憶する記憶部と、前記第1端末から入力される不動産情報を前記記憶部に記憶させ、かつ、前記複数の第2端末のいずれかからの指示に応じて前記記憶部から読み出した前記不動産情報を当該第2端末で表示させる不動産情報管理部と、前記複数の第2端末のそれぞれから入力される提案情報を前記記憶部に記憶させ、かつ、前記第1端末からの指示に応じて前記記憶部から読み出した複数の前記提案情報を前記第1端末で表示させる提案情報管理部と、前記第1端末から前記顧客の顧客情報を取得する顧客情報管理部と、を備え、前記顧客情報管理部は、複数の前記提案情報の中から前記第1端末によって選択された選択提案情報を入力した第2端末で、前記顧客情報を表示させる。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記不動産売却マッチング装置は、前記選択提案情報を入力した第2端末を操作する不動産業者についての評価情報を前記第1端末から入力され、かつ、当該評価情報を前記記憶部に記憶させる評価情報登録部をさらに備え、前記提案情報管理部は、各提案情報を入力した第2端末を操作する不動産業者についての評価情報を前記記憶部から取得し、当該評価情報を前記提案情報に付加して前記第1端末で表示させる。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記不動産売却マッチング装置は、契約成立後、前記第2端末から報酬を入金されたときに、前記第1端末に紹介料を送金する精算処理部をさらに備えている。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記不動産売却マッチング装置は、前記第1端末から契約成立の紹介料を決定するための紹介料情報を取得する紹介料情報取得部をさらに備え、前記精算処理部は、前記紹介料情報に応じて、前記第1端末に送金する紹介料を決定する。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記紹介料情報は、紹介料をゼロとする場合を含んでいる。
【0012】
本発明の第1の側面によって提供される不動産売却マッチングシステムは、不動産の売却を検討している顧客の代理人によって操作される第1端末と、不動産業者によって操作される複数の第2端末と、前記第1端末および前記複数の第2端末と通信する通信部、および、各種情報を記憶する記憶部を有する不動産売却マッチング装置と、を備える不動産売却マッチングシステムであって、前記不動産売却マッチング装置は、前記第1端末から入力される不動産情報を前記記憶部に記憶させ、かつ、前記複数の第2端末のいずれかからの指示に応じて前記記憶部から読み出した前記不動産情報を当該第2端末で表示させる不動産情報管理部と、前記複数の第2端末のそれぞれから入力される提案情報を前記記憶部に記憶させ、かつ、前記第1端末からの指示に応じて前記記憶部から読み出した複数の前記提案情報を前記第1端末で表示させる提案情報管理部と、前記第1端末から前記顧客の顧客情報を取得する顧客情報管理部と、を備え、前記顧客情報管理部は、複数の前記提案情報の中から前記第1端末によって選択された選択提案情報を入力した第2端末で、前記顧客情報を表示させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、不動産情報管理部は、第1端末から入力された不動産情報を第2端末に表示させる。また、提案情報管理部は、不動産情報に対して複数の第2端末からそれぞれ入力された提案情報を第1端末に表示させる。したがって、第1端末を操作する代理人は、複数の提案情報から顧客に適したものを選択できる。これにより、本発明に係る不動産売却マッチング装置は、代理人に、顧客の不動産の売却において、顧客に適した不動産業者の選択をさせることができる。
【0014】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係る不動産売却マッチングシステムの全体構成を示すブロック図である。
図2】本サービスを説明するためのフローチャートである。
図3】本サービスを説明するためのフローチャートである。
図4】IFA端末または業者端末の表示画面に表示される画面の一例を示す図である。
図5】IFA端末または業者端末の表示画面に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0017】
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る不動産売却マッチングシステムA1の全体構成を示すブロック図である。不動産売却マッチングシステムA1は、不動産売却マッチング装置1、代理人端末2、および業者端末3を備えている。代理人端末2および業者端末3は、通信回線5を介して、不動産売却マッチング装置1と通信可能である。なお、代理人端末2および業者端末3の数は限定されない。不動産売却マッチングシステムA1は、売却物件に対する提案を収集して提示し、希望に合った提案を選択させることでマッチングを行うシステムである。不動産売却マッチングシステムA1が行う上記マッチングサービスを以下では、「本サービス」と記載する場合がある。
【0018】
代理人端末2は、不動産の売却を検討している顧客に売却先を提案しようと考えている代理人によって操作される情報処理端末である。代理人としては、例えばIFA、金融アドバイザ、税理士などが考えられるが、これらに限定されない。本実施形態では、IFAが代理人である場合を例にして記載している。代理人端末2は、ノート型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、スマートフォン、携帯電話、およびタブレット型端末などの汎用的なコンピュータ端末によって構成される。IFAは、代理人端末2のブラウザ機能により表示される、本サービスの利用者向けの専用のWebサイト( 以下、「専用サイト」と記載する場合がある)から本サービスを利用できる。また、IFAは、本サービスの利用者向けの専用のアプリケーションソフトウェア( 以下、「専用アプリ」と記載する場合がある)がインストールされた代理人端末2を用いて本サービスを利用することができる。専用アプリは、例えば、通信回線5を介して不動産売却マッチング装置1からダウンロードされ、代理人端末2にインストールされてもよい。図1においては図示しないが、代理人端末2は、操作者からの操作入力を受け付ける操作部、各種情報を記憶する記憶部、通信を行う通信部、表示画面に表示を行う表示部、および各部の動作を統括制御する制御部を備えている。
【0019】
業者端末3は、不動産の売買を仲介する仲介業者、または、不動産の買取を行う買取業者(デベロッパーなども含む)などの不動産業者によって操作される情報処理端末である。業者端末3は、ノート型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、スマートフォン、携帯電話、およびタブレット型端末などの汎用的なコンピュータ端末によって構成される。不動産業者は、業者端末3のブラウザ機能により表示される専用サイトから本サービスを利用できる。また、不動産業者は、専用アプリがインストールされた業者端末3を用いて本サービスを利用することができる。専用アプリは、例えば、通信回線5を介して不動産売却マッチング装置1からダウンロードされ、業者端末3にインストールされてもよい。図1においては図示しないが、業者端末3は、操作者からの操作入力を受け付ける操作部、各種情報を記憶する記憶部、通信を行う通信部、表示画面に表示を行う表示部、および各部の動作を統括制御する制御部を備えている。
【0020】
不動産売却マッチング装置1は、本サービスを提供する情報処理装置であり、いわゆるサーバである。本サービスは、IFAが顧客の売却したい不動産の不動産情報を登録し、不動産情報を見た不動産業者が提案情報を登録し、登録された提案情報の中からIFAが顧客に適した提案情報を選択することで、当該提案情報を登録した不動産業者とIFAとのマッチングを支援するサービスである。不動産情報は、不動産の情報であり、物件の情報および各種条件などが含まれている。提案情報は、不動産業者による提案についての情報である。不動産情報および提案情報の詳細は後述する。また、本サービスは、マッチングされた不動産業者とIFAとの間での進捗/経過の報告、および、質問/依頼に対する回答の場を提供する。また、本サービスは、売買契約締結後の精算処理および評価の登録も行う。不動産売却マッチング装置1は、制御部11、記憶部12、通信部13、およびバス19を備えている。なお、不動産売却マッチング装置1は、操作者からの操作入力を受け付ける操作部および画像を表示画面に表示させる表示部を備えてもよい。制御部11、記憶部12、および通信部13は、バス19によって相互にデータ伝送可能に接続されている。
【0021】
記憶部12は、各種情報を記憶する構成である。記憶部12は、一次記憶部としてのROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)と、二次記憶部とを備えている。ROMは、読み取り専用の記憶媒体であって、基本プログラムが記憶されている。RAMは、書き換え可能な記憶媒体であって、応用プログラムを格納するエリアとプログラムを処理するためのワークエリアとを提供する。二次記憶部は、例えばフラッシュメモリやハードディスクなどであり、ダウンロードした応用プログラムや各種データを記憶している。本実施形態では、記憶部12の二次記憶部は不動産情報、提案情報、および顧客情報(後述)が登録されるデータベースを含んでいる。
【0022】
通信部13は、通信回線5を介して、外部の装置との間で通信を行う構成であり、有線LANまたは無線LANを介して通信回線5に接続する。本実施形態では、通信部13は、代理人端末2および業者端末3(以下では、これらをまとめて「各端末2~3」と記載する場合がある)と通信を行う。
【0023】
制御部11は、不動産売却マッチング装置1が備える各部の動作を統括制御する構成であり、CPU(Central Processing Unit)によって実現されている。制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行し、これに応じて処理を行い、通信部13を介して各端末2~3から各種情報を受信し、通信部13を介して各端末2~3に各種情報を送信する。制御部11は、機能構成として、不動産情報管理部111、提案情報管理部112、顧客情報管理部113、評価情報登録部114、紹介料情報取得部115、および精算処理部116を備えている。
【0024】
不動産情報管理部111は、代理人端末2から入力される不動産情報を受け付けて、記憶部12のデータベースに登録する。不動産情報には、物件情報、販売希望条件、取次条件、情報開示先、情報の扱い、およびメッセージなどが含まれている。物件情報には、例えば、物件の種別、現況、住所、最寄り駅と距離、物件名称、物件区分、築年月、用途地域、敷地面積、延床面積、および専有部面積などが含まれている。販売希望条件には、希望売却額および希望売却時期などが含まれている。取次条件には、媒介条件および成約時紹介料などが含まれている。なお、不動産情報はこれらに限定されない。また、不動産情報管理部111は、業者端末3からの指示に応じて、記憶部12のデータベースに登録された不動産情報を読み出して、業者端末3の表示画面に表示させる。なお、業者端末3の表示画面に表示される不動産情報は、上記の項目から抜粋された情報であり、担当のIFAの情報などが追加される。
【0025】
提案情報管理部112は、業者端末3から入力される提案情報を受け付けて、記憶部12のデータベースに登録する。提案情報には、提案方針、紹介先、紹介先区分(仲介/買主)、媒介条件、およびメッセージなどが含まれいている。なお、提案情報はこれらに限定されない。また、提案情報管理部112は、代理人端末2からの指示に応じて、記憶部12のデータベースに登録された提案情報を読み出して、代理人端末2の表示画面に表示させる。なお、代理人端末2の表示画面に表示される提案情報は、上記の項目から抜粋された情報であり、媒介する不動産業者の情報などが追加される。また、提案情報管理部112は、当該不動産業者についての評価情報(後述)を記憶部12のデータベースから読み出し、提案情報に付加して代理人端末2の表示画面に表示させる。
【0026】
顧客情報管理部113は、代理人端末2から入力される顧客情報を受け付けて、記憶部12のデータベースに登録する。顧客情報は、顧客に関する情報であり、顧客の名前および連絡先などが含まれている。また、顧客情報管理部113は、顧客情報を特定の業者端末3の表示画面に表示させる。特定の業者端末3は、代理人端末2によって選択された提案情報を入力した業者端末3である。
【0027】
評価情報登録部114は、代理人端末2から入力される評価情報を受け付けて、記憶部12のデータベースに登録する。評価情報は、売買契約が締結されたとき、または、媒介契約締結後、売買契約が成立せずに媒介が終了したときなどに、対応した不動産業者に対する評価として、代理人端末2から入力される。評価情報は、複数の項目が設けられており、項目ごとの評価点(例えば10段階)が入力される。項目には、例えば、当初提案の正確性、質問対応の迅速性、質問回答のわかりやすさ、および総合評価などが設定されている。なお、評価情報の項目はこれらに限定されないし、評価点の設定も限定されない。また、評価情報はコメントも含んでいる。また、評価情報登録部114は、代理人端末2から評価情報を入力されたときに、対応する不動産業者に対する評価情報を集計して(項目ごとの平均値を算出して)、記憶部12に記憶してもよい。
【0028】
紹介料情報取得部115は、代理人端末2から入力される紹介料情報を受け付けて、記憶部12のデータベースに登録する。紹介料情報は、不動産情報の取次条件に含まれる成約時紹介料として入力されてもよいし、顧客情報に含めて入力されてもよい。紹介料情報は、契約成立の紹介料を決定するための情報であり、例えば売買金額に対する紹介料の割合を百分率で示した紹介料率である。紹介料情報は、IFAが案件ごとに自由に設定し、代理人端末2を介して登録する。IFAは、顧客との関係性を高めたい場合、または、顧客が不動産の売却を急いでいる場合などには、紹介料を低く設定することで、不動産業者から有利な提案を早急に取得できる。IFAは、紹介料をゼロとするように紹介料情報を登録(紹介料率を0%に設定)することも可能である。また、IFAは、十分な報酬を望む場合などには、紹介料を高く設定することもできる。
【0029】
精算処理部116は、精算処理を行う。具体的には、精算処理部116は、業者端末3からの報酬の入金を管理する。報酬には、IFAへの紹介料と不動産売却マッチング装置1に対する成約手数料とが含まれている。精算処理部116は、データベースに登録された紹介料情報を読み出し、当該紹介料情報に基づいてIFAへの紹介料を算出する。また、精算処理部116は、所定の方法で成約手数料を算出する。また、精算処理部116は、代理人端末2への紹介料の送金を管理する。
【0030】
次に、図2図5を参照して、本サービスの詳細について説明する。図2および図3は、本サービスを説明するためのフローチャートである。図4および図5は、代理人端末2または業者端末3の表示画面に表示される画面の一例を示す図である。
【0031】
本サービスは、会員限定のサービスであり、代理人端末2および業者端末3はあらかじめ会員登録されている。会員登録の方法は特に限定されない。例えば、代理人端末2(業者端末3)は、不動産売却マッチング装置1の専用サイトにアクセスし、会員登録フォームに所定の情報を入力し、審査を経て、会員登録される。会員登録された際の会員登録フォームの情報は、記憶部12のデータベースに登録される。不動産売却マッチング装置1は、会員登録された代理人端末2(業者端末3)に認証キーを発行する。代理人端末2(業者端末3)はその認証キーを入力することで、専用サイトのサービスを受けることができる。
【0032】
会員登録された代理人端末2は、不動産売却マッチング装置1の専用サイトにアクセスして、顧客から売却を相談された不動産の不動産情報の登録を行うことができる。IFAは、代理人端末2の表示画面に表示された例えばメニュー画面で「不動産情報登録」を選択する。不動産売却マッチング装置1は、代理人端末2の表示画面に、不動産情報登録画面を表示させる。
【0033】
図4(a)は、代理人端末2の表示画面に表示される不動産情報登録画面91の一例を示す図である。不動産情報登録画面91には、必要事項を入力するための入力欄91a、図面登録ボタン91b、および登録ボタン91cが表示されている。IFAは、代理人端末2の操作部を操作して、各入力欄91aの入力を行う。入力欄91aは、項目によって、プルダウンメニューからの選択入力、チェックボックスの選択、または、直接の文字入力が行われる。例えば、「種別」の入力欄91aは、プルダウンメニューにより表示される「戸建て(実需)」、「マンション(実需)」、「土地(実需)」、および「マンション(収益)」等の中からの選択により入力される。なお、当該選択に応じて、入力すべき項目に目印が表示されたり、不動産情報登録画面91のレイアウトが変化してもよい。また、本実施形態では、図面登録ボタン91bが選択されると、図面を登録する画面が表示され、物件の図面などを添付することができる。IFAは、各入力欄91aの入力を行った後、登録ボタン91cをクリックすることで、不動産情報の入力を完了する(S1)。なお、不動産情報登録画面91の表示内容およびレイアウトなどは、図4(a)の例に限定されない。不動産売却マッチング装置1の不動産情報管理部111は、代理人端末2から入力された不動産情報を、記憶部12のデータベースに登録する(S2)。このとき、不動産情報管理部111は、当該不動産情報の初期ステータスとして「未公開」を設定する。以降、代理人端末2より、当該不動産の公開先を設定することにより「公開中」となるなど、案件の進捗に応じたステータスが反映される。
【0034】
会員登録された業者端末3は、不動産売却マッチング装置1の専用サイトにアクセスして、不動産情報の閲覧を行うことができる。不動産業者は、業者端末3の表示画面に表示された例えばメニュー画面で「不動産情報表示」を選択する(S3)。不動産情報管理部111は、記憶部12のデータベースに登録された不動産情報から、当該業者端末3を操作する不動産業者に開示可能な不動産情報を読み出して(S4)、業者端末3の表示画面に表示させる(S5)。開示先が限定されている不動産情報は、該当しない業者端末3の表示画面には表示されない。また、不動産情報管理部111は、読み出した不動産情報を入力した代理人端末2を操作するIFAの情報(以下では、「担当IFA情報」と記載する)も、記憶部12のデータベースから読み出して、業者端末3の表示画面に表示させる。
【0035】
図4(b)は、業者端末3の表示画面に表示される不動産情報表示画面92の一例を示す図である。不動産情報表示画面92には、不動産情報ごとに、物件概要、取次条件、担当IFA、顧客属性、およびメッセージが表示されている。各項目には、不動産情報および担当IFA情報に基づく内容が表示される。また、不動産情報表示画面92には、絞り込み条件欄92aおよび提案ボタン92bが表示されている。不動産業者は、業者端末3の操作部を操作して、絞り込み条件欄92aに絞り込み条件を入力することで、条件に一致する不動産情報だけを表示させることができる。不動産業者は、業者端末3の表示画面をみて、仲介/買取をしたい物件を検討し、提案を検討する。不動産業者は、仲介/買取をしたい物件を見つけた場合、その不動産情報の右側に表示されている提案ボタン92bをクリックすることで、当該不動産情報を選択して(S6)、提案を行うことができる。なお、不動産情報表示画面92の表示内容およびレイアウトなどは、図4(b)の例に限定されない。
【0036】
不動産業者が提案ボタン92bをクリックすると、業者端末3の表示画面に、提案情報登録画面が表示される。なお、不動産業者は、例えばメニュー画面で「提案情報登録」を選択することで、表示画面に提案情報登録画面を表示させてもよい。
【0037】
図5(a)は、業者端末3の表示画面に表示される提案情報登録画面93の一例を示す図である。提案情報登録画面93には、必要事項を入力するための入力欄93aおよび登録ボタン93bが表示されている。不動産業者は、業者端末3の操作部を操作して、各入力欄93aの入力を行う。入力欄93aは、項目によって、プルダウンメニューからの選択入力、または、直接の文字入力が行われる。不動産業者は、各入力欄93aの入力を行った後、登録ボタン93bをクリックすることで、提案情報の入力を完了する(S7)。なお、提案情報登録画面93の表示内容およびレイアウトなどは、図5(a)の例に限定されない。不動産売却マッチング装置1の提案情報管理部112は、業者端末3から入力された提案情報を、記憶部12のデータベースに、対応する不動産情報に関連付けて登録する(S8)。
【0038】
会員登録された代理人端末2は、不動産売却マッチング装置1の専用サイトにアクセスして、提案情報の閲覧を行うことができる。IFAは、代理人端末2の表示画面に表示された例えばメニュー画面で「提案情報表示」を選択する(S11)。提案情報管理部112は、記憶部12のデータベースに登録された提案情報から、当該代理人端末2に対応する提案情報、すなわち、当該代理人端末2が登録した不動産情報に対する提案情報を読み出して(S12)、代理人端末2の表示画面に表示させる(S13)。また、提案情報管理部112は、読み出した提案情報を入力した業者端末3を操作する不動産業者の情報(以下では、「媒介業者情報」と記載する)も、記憶部12のデータベースから読み出して、代理人端末2の表示画面に表示させる。さらに、提案情報管理部112は、当該不動産業者についての評価情報を記憶部12のデータベースから読み出して、代理人端末2の表示画面に表示させる。
【0039】
図5(b)は、代理人端末2の表示画面に表示される提案情報表示画面94の一例を示す図である。提案情報表示画面94には、提案情報ごとに、提案概要、紹介先、媒介事業者、評価、およびメッセージが表示されている。各項目には、提案情報、媒介業者情報、および評価情報に基づく内容が表示される。また、提案情報表示画面94には、絞り込み条件欄94a、詳細ボタン94b、およびメッセージボタン94cが表示されている。IFAは、代理人端末2の操作部を操作して、絞り込み条件欄94aに絞り込み条件を入力することで、条件に一致する提案情報だけを表示させることができる。また、IFAは、メッセージボタン94cをクリックすることでメッセージ画面を表示させ、提案に対する質問を記入して送信することができる(S14)。不動産売却マッチング装置1が対応する業者端末3に当該メッセージ(質問)を転送することで(S15)、業者端末3は当該メッセージ(質問)を受信する(S16)。不動産業者は、業者端末3の表示画面に表示された例えばメニュー画面で「メッセージ」を選択し、表示された一覧から物件を選択することで、メッセージ画面を表示させる。不動産業者は、メッセージ履歴欄で、質問を確認できる。質問を確認した不動産業者がメッセージ欄に回答を入力して送信ボタンをクリックすると(S16)、不動産売却マッチング装置1が対応する代理人端末2に当該メッセージ(回答)を転送することで(S15)、代理人端末2は当該メッセージ(回答)を受信する(S14)。IFAは、メッセージ履歴欄で、回答を確認できる。
【0040】
本実施形態では、「評価」の欄には、評価情報を集計した結果を示す簡略化されたレーダーチャートが表示されている。IFAは、評価の内容を詳しく見たい場合、「評価」の欄に配置されている詳細ボタン94bをクリックすることで、図5(c)に一例を示す評価情報表示画面95を表示できる。評価情報表示画面95には、評価情報の詳細(データベースから読み出された各評価情報およびコメント)が表示されている。なお、「評価」の欄のレーダーチャートは、データベースから読み出した評価情報をその都度集計して作成してもよいし、評価情報登録部114が、評価情報を入力されるたびに集計して記憶部12に記憶している場合は、この情報を用いてもよい。なお、「媒介事業者」の欄がクリックされた場合に、提案情報管理部112は、媒介業者情報の詳細を代理人端末2の表示画面に表示させてもよい。この場合、当該不動産業者の過去の実績の概要なども表示させてもよい。また、これらの情報は、詳細ボタン94bがクリックされたときに表示される評価情報表示画面95に表示されてもよい。IFAは、代理人端末2の表示画面をみて、顧客に最適な提案を検討する。IFAは、顧客に最適な提案を見つけた場合、例えば「提案概要」の欄をクリックすることで、当該提案情報を選択して(S17)、依頼を行うことができる。なお、提案情報表示画面94の表示内容およびレイアウトなどは、図5(b)の例に限定されない。また、評価情報表示画面95の表示内容およびレイアウトなどは、図5(c)の例に限定されない。
【0041】
IFAが「提案概要」の欄をクリックすると、代理人端末2の表示画面に、顧客情報登録画面が表示される。なお、IFAは、例えばメニュー画面で「顧客情報登録」を選択することで、表示画面に顧客情報登録画面を表示させてもよい。
【0042】
図5(d)は、代理人端末2の表示画面に表示される顧客情報登録画面96の一例を示す図である。顧客情報登録画面96には、例えば、顧客名、連絡先、媒介条件、成約時紹介料、およびメッセージなどの必要事項を入力するための入力欄96aおよび紹介実施ボタン96bが表示されている。なお、成約時紹介料は、顧客情報登録画面で入力させてもよいし、不動産情報登録画面91(図4(a)参照)で入力させてもよい。IFAは、代理人端末2の操作部を操作して、各入力欄96aの入力を行う。入力欄96aは、項目によって、プルダウンメニューからの選択入力、または、直接の文字入力が行われる。IFAは、各入力欄96aの入力を行った後、紹介実施ボタン96bをクリックすることで、顧客情報の入力を完了する(S18)。なお、顧客情報登録画面96の表示内容およびレイアウトなどは、図5(d)の例に限定されない。不動産売却マッチング装置1の顧客情報管理部113は、代理人端末2から入力された顧客情報を、記憶部12のデータベースに、対応する不動産情報および提案情報に関連付けて登録する(S19)。なお、個人情報保護の観点から、顧客情報管理部113が顧客情報をデータベースに登録しない仕様としてもよい。そして、顧客情報管理部113は、採用された提案を行った業者端末3の表示画面に、媒介が依頼された旨の記載と、当該顧客情報とを表示させる(S20)。業者端末3の表示画面をみた不動産業者は、顧客情報を参照して、IFAの顧客(売主)に直接連絡を行って、媒介契約を締結する。
【0043】
媒介契約締結後、不動産業者は、IFAの顧客(売主)、ならびに、紹介先である買主または仲介業者などとの交渉を行う。本サービスは、不動産業者が交渉の進捗/経過をIFAに報告するための機能、および、IFAが不動産業者に質問/依頼をするための機能も備えている。不動産業者は、業者端末3の表示画面に表示された例えばメニュー画面で「メッセージ」を選択し、表示された一覧から物件を選択して、メッセージ画面を表示させる。不動産業者がメッセージ欄に進捗/経過を入力して送信ボタンをクリックすると(S21)、不動産売却マッチング装置1が対応する代理人端末2に当該メッセージを転送することで(S22)、代理人端末2は当該メッセージを受信する(S23)。また、不動産業者は、メッセージ画面で、当該不動産情報のステータスを変更できる。ステータスが変更された場合、不動産売却マッチング装置1は、対応する不動産情報のステータスを変更する(S22)。IFAは、代理人端末2の表示画面に表示された例えばメニュー画面で「メッセージ」を選択し、表示された一覧から物件を選択することで、メッセージ画面を表示させる。IFAは、メッセージ履歴欄で、進捗/経過を確認できる。
【0044】
IFAは、代理人端末2の表示画面に表示された例えばメニュー画面で「メッセージ」を選択し、表示された一覧から物件を選択して、メッセージ画面を表示させる。IFAがメッセージ欄に質問/依頼を入力して送信ボタンをクリックすると(S24)、不動産売却マッチング装置1が対応する業者端末3に当該メッセージを転送することで(S25)、業者端末3は当該メッセージを受信する(S26)。また、IFAは、メッセージ画面で、当該不動産情報のステータスを変更できる。ステータスが変更された場合、不動産売却マッチング装置1は、対応する不動産情報のステータスを変更する(S25)。不動産業者は、業者端末3の表示画面に表示された例えばメニュー画面で「メッセージ」を選択し、表示された一覧から物件を選択することで、メッセージ画面を表示させる。不動産業者は、メッセージ履歴欄で、質問/依頼を確認できる。質問/依頼を確認した不動産業者がメッセージ欄に回答を入力して送信ボタンをクリックすると(S27)、不動産売却マッチング装置1が対応する代理人端末2に当該メッセージを転送することで(S28)、代理人端末2は当該メッセージを受信する(S29)。このときも、不動産業者は、メッセージ画面で、当該不動産情報のステータスを変更できる。ステータスが変更された場合、不動産売却マッチング装置1は、対応する不動産情報のステータスを変更する(S28)。IFAは、メッセージ履歴欄で、回答を確認できる。
【0045】
IFAの顧客(売主)と買主との売買契約が締結された場合、不動産業者は、業者端末3の表示画面に表示された例えばメニュー画面で「契約締結通知」を選択し、表示された一覧から物件を選択して、契約締結画面を表示させる。不動産業者が契約内容を入力して送信ボタンをクリックすると(S31)、不動産売却マッチング装置1が対応する代理人端末2に契約締結通知を転送することで(S32)、代理人端末2は契約締結通知を受領する(S33)。また、このとき、不動産売却マッチング装置1は、対応する不動産情報のステータスを「契約済み」に変更する(S32)。なお、ここで表示するステータスは顧客(売主)と不動産会社との媒介契約の進捗状況、および、顧客(売主)と買主との売買契約の進捗状況を表す適切な表現を指定するものとし、種々に設計変更自在である。
【0046】
その後、不動産業者は、IFAの顧客(売主)および買主から報酬を受け取った場合、不動産売却マッチング装置1の管理者に成約手数料を支払う。また、当該支払いの完了後、不動産売却マッチング装置1の管理者は、IFAに紹介料を支払う。この仕組みにより、IFAは不動産売却マッチング装置1の管理者とのみ報酬支払に関する契約を締結すれば足り、複数の不動産会社との契約なしに、報酬を受け取ることができる。本サービスは、当該精算処理を行う機能も備えている。不動産業者は、報酬を受け取った後、業者端末3の表示画面に表示された例えばメニュー画面で「精算処理」を選択し、表示された一覧から物件を選択して、精算画面を表示させる。不動産売却マッチング装置1の精算処理部116は、選択された物件の紹介料情報をデータベースから読み出し、当該紹介料情報に応じて算出したIFAへの紹介料と、所定の方法で算出された成約手数料との合計金額を報酬として、精算画面に表示させる。紹介料情報として紹介料をゼロとする情報(紹介料率が0%)が設定されている場合、精算処理部116は、IFAへの紹介料をゼロにする。不動産業者は、精算画面で報酬の支払い手続きを行う(S41)。例えば、不動産業者が業者端末3を操作して、支払いの承認を選択することで、図示しない決済サービス事業者に決済処理が依頼され、不動産売却マッチング装置1の管理者への送金が行われる。精算処理部116は、業者端末3からの入金を確認できたら、代理人端末2への紹介料の送金を行う(S42)。例えば、精算処理部116が決済サービス事業者に決済処理を依頼することで、IFAへの送金が行われる。これにより、代理人端末2は、不動産売却マッチング装置1から紹介料として報酬を受領する(S43)。なお、紹介料情報として紹介料をゼロとする情報が設定されている場合、精算処理部116は、代理人端末2への送金を行わない。なお、精算処理部116が行う精算処理は、これに限定されない
【0047】
また、本サービスでは、代理人端末2から入力される不動産業者の評価を受け付けている。当該評価は、提案情報表示画面94において、提案情報に付加して表示され、IFAによる提案情報の選択のための情報になる。IFAは、売買契約が締結されたとき、または、媒介契約締結後、売買契約が成立せずに媒介が終了したときなどに、代理人端末2の表示画面に表示された例えばメニュー画面で「評価登録」を選択し、表示された一覧から物件を選択して、評価画面を表示させる。IFAが項目ごとの評価点の入力、および、コメントの入力を行った後、登録ボタン93bをクリックすることで、評価情報の入力を完了する(S51)。不動産売却マッチング装置1の評価情報登録部114は、代理人端末2から入力された評価情報を、記憶部12のデータベースに、対応する不動産情報に関連付けて登録する(S52)。
【0048】
次に、不動産売却マッチングシステムA1の作用効果について説明する。
【0049】
本実施形態によると、不動産情報管理部111は、代理人端末2から入力された不動産情報を業者端末3に表示させる。また、提案情報管理部112は、不動産情報に対して複数の業者端末3からそれぞれ入力された提案情報を代理人端末2に表示させる。したがって、代理人端末2を操作するIFAは、複数の不動産業者から提案を受けることができ、提案情報から顧客により適切な提案を行える不動産業者を選択できる。これにより、不動産売却マッチング装置1は、IFAに、顧客の不動産の売却において、顧客に適した不動産業者の選択をさせることができる。また、不動産業者は、代理人(の顧客)に、提案の機会を得ることができる。
【0050】
IFAは、複数の業者端末3からそれぞれ入力された提案情報を比較することで、より顧客に有利な条件となる売却方針等を理解することができる。また、本実施形態によると、不動産売却マッチング装置1は、代理人端末2と業者端末3との間での、提案に対する質疑応答のための機能を有している。IFAは、各不動産会社の提案の差分などを元に不動産会社に質問を行うことで、不動産会社との情報格差がある状況においても、顧客本位で対応できる不動産会社であるかの判断材料を得ることができる。
【0051】
また、本実施形態によると、顧客情報管理部113は、採用された提案を行った業者端末3にだけ、顧客情報を開示する。したがって、顧客情報が他の不動産業者に知られることがない。
【0052】
また、本実施形態によると、提案情報管理部112は、提案情報表示画面94に評価情報を表示させる。IFAは、客観的な情報である評価情報も考慮して、提案情報を選択できる。また、評価情報が良い評価であると、提案が採用されやすくなるので、各不動産業者は、よい評価をもらえるように、よりよい対応を心掛けるようになる。
【0053】
また、本実施形態によると、精算処理部116は、業者端末3からの報酬が入金された場合、代理人端末2への紹介料の送金を行う。これにより、IFAは、不動産業者に請求するなどの手間を省略して、紹介料を得ることができる。また、本実施形態によると、紹介料情報取得部115は、代理人端末2から入力される紹介料情報を受け付けて、記憶部12のデータベースに登録する。したがって、IFAは、紹介料を、案件ごとに自分で自由に設定できる。したがって、IFAは、顧客との関係性や売却の緊急度などに応じて紹介料を設定できる。また、IFAは、紹介料をゼロとすることも可能である。紹介料がゼロの場合、不動産業者は、IFAに紹介料を支払う必要がないので、顧客により適した提案をより早く行うモチベーションが発生する。これにより、IFAは、紹介料をもらえないが、顧客との関係性を高めることができる。
【0054】
本発明に係る不動産売却マッチング装置および不動産売却マッチングシステムは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る不動産売却マッチング装置および不動産売却マッチングシステムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0055】
A1 :不動産売却マッチングシステム
1 :不動産売却マッチング装置
11 :制御部
111 :不動産情報管理部
112 :提案情報管理部
113 :顧客情報管理部
114 :評価情報登録部
115 :紹介料情報取得部
116 :精算処理部
12 :記憶部
13 :通信部
19 :バス
2 :代理人端末
3 :業者端末
5 :通信回線
91 :不動産情報登録画面
91a :入力欄
91b :図面登録ボタン
91c :登録ボタン
92 :不動産情報表示画面
92a :絞り込み条件欄
92b :提案ボタン
93 :提案情報登録画面
93a :入力欄
93b :登録ボタン
94 :提案情報表示画面
94a :絞り込み条件欄
94b :詳細ボタン
94c :依頼ボタン
95 :評価情報表示画面
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-10-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産の売却を検討している顧客の代理人によって操作される第1端末、および、不動産業者によって操作される複数の第2端末と通信する通信部と、
各種情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されたプログラムに応じて処理を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記第1端末から入力される、前記顧客の売却したい不動産の情報である不動産情報を前記記憶部に記憶させ、かつ、前記複数の第2端末のいずれかからの指示に応じて前記記憶部から読み出した前記不動産情報を当該第2端末で表示させる不動産情報管理処理と、
前記複数の第2端末のそれぞれから入力される、前記不動産情報を見て前記不動産業者が提案する情報である提案情報を前記記憶部に記憶させ、かつ、前記第1端末からの指示に応じて前記記憶部から読み出した複数の前記提案情報を前記第1端末で表示させる提案情報管理処理と、
契約成立後、前記第2端末から報酬を入金されたときに、前記第1端末に紹介料を送金する精算処理と、
を実行する、
不動産売却マッチング装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1端末から契約成立の紹介料を決定するための紹介料情報を取得する紹介料情報取得処理をさらに実行し
前記精算処理において、前記紹介料情報に応じて、前記第1端末に送金する紹介料を決定する、
請求項に記載の不動産売却マッチング装置。
【請求項3】
前記紹介料情報は、紹介料をゼロとする場合を含んでいる、
請求項に記載の不動産売却マッチング装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1端末から前記顧客に関する情報である顧客情報を取得する顧客情報管理処理をさらに実行し、
前記顧客情報管理処理において、複数の前記提案情報の中から前記第1端末によって選択された選択提案情報を入力した第2端末で、前記顧客情報を表示させる、
請求項1に記載の不動産売却マッチング装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記選択提案情報を入力した第2端末を操作する不動産業者についての評価情報を前記第1端末から入力され、かつ、当該評価情報を前記記憶部に記憶させる評価情報登録処理をさらに実行し
前記提案情報管理処理において、各提案情報を入力した第2端末を操作する不動産業者についての評価情報を前記記憶部から取得し、当該評価情報を前記提案情報に付加して前記第1端末で表示させる、
請求項に記載の不動産売却マッチング装置。
【請求項6】
不動産の売却を検討している顧客の代理人によって操作される第1端末と、
不動産業者によって操作される複数の第2端末と、
前記第1端末および前記複数の第2端末と通信する通信部、各種情報を記憶する記憶部、前記記憶部に記憶されたプログラムに応じて処理を行う制御部を有する不動産売却マッチング装置と、
を備える不動産売却マッチングシステムであって、
前記不動産売却マッチング装置の前記制御部は、
前記第1端末から入力される、前記顧客の売却したい不動産の情報である不動産情報を前記記憶部に記憶させ、かつ、前記複数の第2端末のいずれかからの指示に応じて前記記憶部から読み出した前記不動産情報を当該第2端末で表示させる不動産情報管理処理と、
前記複数の第2端末のそれぞれから入力される、前記不動産情報を見て前記不動産業者が提案する情報である提案情報を前記記憶部に記憶させ、かつ、前記第1端末からの指示に応じて前記記憶部から読み出した複数の前記提案情報を前記第1端末で表示させる提案情報管理処理と、
契約成立後、前記第2端末から報酬を入金されたときに、前記第1端末に紹介料を送金する精算処理と、
を実行する、
不動産売却マッチングシステム。