(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076372
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 40/20 20180101AFI20240529BHJP
G06Q 10/02 20120101ALI20240529BHJP
【FI】
G16H40/20
G06Q10/02
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023198442
(22)【出願日】2023-11-22
(31)【優先権主張番号】P 2022187551
(32)【優先日】2022-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】521224343
【氏名又は名称】株式会社ペースノ-ト
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】野尻 智洋
(72)【発明者】
【氏名】由井 聖太
(72)【発明者】
【氏名】上甲 晋資
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 錬
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA02
5L099AA13
(57)【要約】
【課題】介護施設における予約管理作業の効率性を向上することができる情報処理方法等を提供する。
【解決手段】情報処理方法は、第1入所態様に係る第1入所者及び第2入所態様に係る第2入所者を含む複数種類の入所者を受け入れ可能であり、第1入所者用ベッド及び第2入所者用ベッドを含む複数のベッドを備える介護施設について、前記介護施設における各ベッドに対応する複数のベッド情報表示領域を備え、第1入所者及び第2入所者の入所に係るベッドの予約受け付けが可能な予約表を生成し、生成した前記予約表を出力し、出力した前記予約表を用いて受け付けた前記第1入所者用ベッド及び第2入所者用ベッドの予約に関する情報を取得し、取得した前記予約に関する情報に応じて前記予約表における各ベッド情報表示領域に予約状況を出力し、前記予約表は、前記第1入所者用のベッドの予約の空き枠に対し前記第2入所者の入所に係る予約受け付けが可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1入所態様に係る第1入所者及び第2入所態様に係る第2入所者を含む複数種類の入所者を受け入れ可能であり、第1入所者用ベッド及び第2入所者用ベッドを含む複数のベッドを備える介護施設について、前記介護施設における各ベッドに対応する複数のベッド情報表示領域を備え、第1入所者及び第2入所者の入所に係るベッドの予約受け付けが可能な予約表を生成し、
生成した前記予約表を出力し、
出力した前記予約表を用いて受け付けた前記第1入所者用ベッド及び第2入所者用ベッドの予約に関する情報を取得し、
取得した前記予約に関する情報に応じて前記予約表における各ベッド情報表示領域に予約状況を出力し、
前記予約表は、前記第1入所者用のベッドの予約の空き枠に対し前記第2入所者の入所に係る予約受け付けが可能である
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項2】
前記第1入所者は施設サービスを受けるための介護老人保健施設入所者であり、前記第2入所者は短期入居サービスを受けるためのショートステイ入所者である
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記予約表において所定期間中に空き枠を有さない前記第1入所者用のベッドに対応するベッド情報表示領域を非表示にする
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記予約に関する情報は、予約対象となるベッドのベッド識別情報、入所者の氏名、入所者ステータス、入所日、入所元、退所日、退所後の行先、要介護度、入所前後訪問指導の状況及び退所前後訪問指導の状況のうちの少なくとも1つを含む
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項5】
入所者の氏名、入所日、入所元、退所日、退所先のうちの少なくとも1つを前記予約表に対応付けて表示させる
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項6】
取得した複数の前記予約に関する情報を記憶し、
記憶する複数の前記予約に関する情報に基づいて、前記介護施設におけるベッド稼働率をベッド種類毎に導出する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項7】
取得した複数の前記予約に関する情報を記憶し、
記憶する複数の前記予約に関する情報に基づいて、所定期間毎の入所者又は退所者を示す表を生成する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項8】
生成した前記表を用いて、前記入所者に対する入所前後訪問指導の実施状況又は前記退所者に対する退所前後訪問指導の実施状況を取得する
請求項7に記載の情報処理方法。
【請求項9】
取得した複数の前記予約に関する情報を記憶し、
記憶する複数の前記予約に関する情報に基づいて、日毎の各ベッドに対する入所者を示す表を生成する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項10】
取得した複数の前記予約に関する情報を記憶し、
記憶する複数の前記予約に関する情報に基づいて、所定期間以上の予約の空きを有するベッドを特定し、
特定したベッドの予約の空きに関する情報を前記予約表に対応付けて表示させる
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記予約に関する情報に基づいて、前記介護施設におけるベッドの空き状況を取得し、
取得した前記介護施設におけるベッドの空き状況を通知するための通知情報を生成し、
生成した前記通知情報を医療機関又は居宅介護支援事業所へ送信する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項12】
取得した複数の前記予約に関する情報を記憶し、
記憶する複数の前記予約に関する情報に基づいて、介護報酬の額を決定するための指標に関する情報を導出する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記介護報酬の額を決定するための指標に関する情報は、ベッド回転率、在宅復帰率、要介護度4又は5の割合、入所前後訪問指導割合及び退所前後訪問指導割合のうちの少なくとも1つを含む
請求項12に記載の情報処理方法。
【請求項14】
複数の予約に係る前記予約に関する情報を記憶し、
記憶した前記予約に関する情報に基づいて、前記介護施設におけるベッド稼働率、ベッド回転率、在宅復帰率、総入所者数、入所者の入所元別の入所者数、総退所者数、退所後の行先別の退所者数、及び前記介護施設の利用予約状況がショートステイの新規利用又は定期利用から介護老人保健施設入所へ変更された利用者数の少なくとも1つを算出する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項15】
複数の予約に係る前記予約に関する情報を記憶し、
記憶した前記予約に関する情報に基づいて、前記介護施設における所定期間毎のベッド稼働率、ベッド回転率、在宅復帰率、総入所者数、入所者の入所元別の入所者数、総退所者数、退所後の行先別の退所者数、及び前記介護施設の利用予約状況がショートステイの新規利用又は定期利用から介護老人保健施設入所へ変更された利用者数の少なくとも1つを算出し、
算出した所定期間毎の値を一覧で示す一覧情報を生成する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項16】
複数の予約に係る入所者の入所日及び入所元を含む前記予約に関する情報を記憶し、
記憶した各入所者の入所日及び入所元と、医療機関に関する医療機関情報とに基づいて、複数の医療機関の中から営業対象である医療機関を特定する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項17】
複数の予約に係る入所者の氏名、退所日及び退所後の行先を含む前記予約に関する情報を記憶し、
記憶した前記予約に関する情報に基づいて、在宅復帰した入所者の一覧を生成する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項18】
複数の予約に係る入所者の氏名、退所日及び退所後の行先を含む前記予約に関する情報を記憶し、
記憶した前記予約に関する情報に基づいて、退所後の行先が医療機関である入所者の一覧を生成する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項19】
特定日における前記予約に関する情報に基づいて、前記介護施設における全てのベッドに関するベッドの識別情報と、前記特定日の入所者とを対応付けて示す入所者一覧を生成する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項20】
第1入所態様に係る第1入所者及び第2入所態様に係る第2入所者を含む複数種類の入所者を受け入れ可能であり、第1入所者用ベッド及び第2入所者用ベッドを含む複数のベッドを備える介護施設について、前記介護施設における各ベッドに対応する複数のベッド情報表示領域を備え、第1入所者及び第2入所者の入所に係るベッドの予約受け付けが可能な予約表を生成し、
生成した前記予約表を出力し、
出力した前記予約表を用いて受け付けた前記第1入所者用ベッド及び第2入所者用ベッドの予約に関する情報を取得し、
取得した前記予約に関する情報に応じて前記予約表における各ベッド情報表示領域に予約状況を出力する
処理を実行する制御部を備え、
前記予約表は、前記第1入所者用のベッドの予約の空き枠に対し前記第2入所者の入所に係る予約受け付けが可能である
情報処理装置。
【請求項21】
第1入所態様に係る第1入所者及び第2入所態様に係る第2入所者を含む複数種類の入所者を受け入れ可能であり、第1入所者用ベッド及び第2入所者用ベッドを含む複数のベッドを備える介護施設について、前記介護施設における各ベッドに対応する複数のベッド情報表示領域を備え、第1入所者及び第2入所者の入所に係るベッドの予約受け付けが可能な予約表を生成し、
生成した前記予約表を出力し、
出力した前記予約表を用いて受け付けた前記第1入所者用ベッド及び第2入所者用ベッドの予約に関する情報を取得し、
取得した前記予約に関する情報に応じて前記予約表における各ベッド情報表示領域に予約状況を出力し、
前記予約表は、前記第1入所者用のベッドの予約の空き枠に対し前記第2入所者の入所に係る予約受け付けが可能である
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項22】
第1入所態様に係る第1入所者及び第2入所態様に係る第2入所者を含む複数種類の入所者を受け入れ可能であり、第1入所者用ベッド及び第2入所者用ベッドを含む複数のベッドを備える介護施設について、前記介護施設における各ベッドに対応する複数のベッド情報表示領域を備え、第1入所者及び第2入所者の入所に係るベッドの予約受け付けが可能な予約表を取得し、
取得した前記予約表を用いて受け付けた前記第1入所者用ベッド及び第2入所者用ベッドの予約に関する情報を出力し、
出力した前記予約に関する情報に応じて、前記予約表における各ベッド情報表示領域に予約状況を表示し、
前記予約表は、前記第1入所者用のベッドの予約の空き枠に対する前記第2入所者の入所に係る予約受け付けが可能である
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢化社会の進行に伴い介護施設を利用する被介護者が増加している。被介護者である入所者及びその家族は、例えば医療機関やケアマネージャーと相談することにより介護施設の選択、介護施設との契約及び利用スケジュールの決定等を行う。利用スケジュールに沿って予め介護施設へ入所予約が行われ、予約当日に入所者は介護施設へ入所する。
【0003】
介護施設の担当者は、入所者に対する介護業務を行いながら、入所者の送迎、医療機関やケアマネージャーに対する営業、各種事務処理などを行う必要があり、負担が大きかった。このような介護施設における作業の効率化を図るための技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
介護施設は、主に介護老人保健施設と介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)とに分類される。いずれも介護を提供する入居施設であるが、特に介護老人保健施設は、要介護度高齢者(要介護度1以上)の在宅復帰を目指すための看護及び介護を提供するものであり、入所期間が限られている。介護老人福祉施設は、要介護度3以上の高齢者に対し入所期間に制限を設けることなく入所することが可能である。また、上記以外の介護施設の利用方法としてショートステイが挙げられる。ショートステイでは、1回の利用あたり1泊2日又は2泊3日等の短い期間を月に複数回といった入所形態で介護施設を利用する入所者が多い。
【0006】
介護施設では、上述のような様々な入所形態の入所者に係る数多くの予約を管理する必要があり、管理作業の効率性に関して改善の余地があった。
【0007】
本開示の目的は、介護施設における予約管理作業の効率性を向上することのできる情報処理方法等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、第1入所態様に係る第1入所者及び第2入所態様に係る第2入所者を含む複数種類の入所者を受け入れ可能であり、第1入所者用ベッド及び第2入所者用ベッドを含む複数のベッドを備える介護施設について、前記介護施設における各ベッドに対応する複数のベッド情報表示領域を備え、第1入所者及び第2入所者の入所に係るベッドの予約受け付けが可能な予約表を生成し、生成した前記予約表を出力し、出力した前記予約表を用いて受け付けた前記第1入所者用ベッド及び第2入所者用ベッドの予約に関する情報を取得し、取得した前記予約に関する情報に応じて前記予約表における各ベッド情報表示領域に予約状況を出力し、前記予約表は、前記第1入所者用のベッドの予約の空き枠に対し前記第2入所者の入所に係る予約受け付けが可能である。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、第1入所態様に係る第1入所者及び第2入所態様に係る第2入所者を含む複数種類の入所者を受け入れ可能であり、第1入所者用ベッド及び第2入所者用ベッドを含む複数のベッドを備える介護施設について、前記介護施設における各ベッドに対応する複数のベッド情報表示領域を備え、第1入所者及び第2入所者の入所に係るベッドの予約受け付けが可能な予約表を取得し、取得した前記予約表を用いて受け付けた前記第1入所者用ベッド及び第2入所者用ベッドの予約に関する情報を出力し、出力した前記予約に関する情報に応じて、前記予約表における各ベッド情報表示領域に予約状況を表示し、前記予約表は、前記第1入所者用のベッドの予約の空き枠に対する前記第2入所者の入所に係る予約受け付けが可能である処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、介護施設における予約管理作業の効率性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】介護施設端末の構成を示すブロック図である。
【
図4】介護施設DBに記憶される情報の内容例を示す図である。
【
図5】入所者DBに記憶される情報の内容例を示す図である。
【
図6】入退所DBに記憶される情報の内容例を示す図である。
【
図7】居宅DBに記憶される情報の内容例を示す図である。
【
図8】医療機関DBに記憶される情報の内容例を示す図である。
【
図9】入所元・退所先DBに記憶される情報の内容例を示す図である。
【
図10】管理DBに記憶される情報の内容例を示す図である。
【
図11】予約表を含む予約表画面の第1例を示す模式図である。
【
図12】ベッドの予約受け付け方法を説明する図である。
【
図13】ベッドの予約受け付け方法を説明する図である。
【
図14】予約表を含む予約表画面の第2例を示す模式図である。
【
図15】予約表を含む予約表画面の第3例を示す模式図である。
【
図16】ベッド種類の受け付けに関する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図17】ベッドの予約の受け付けに関する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図18】第2実施形態における入退所予定表の一例を示す模式図である。
【
図19】第2実施形態の情報処理システムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図20】第3実施形態の情報処理装置が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図21】空き状況の通知の一例を示す模式図である。
【
図22】ダッシュボードの一例を示す模式図である。
【
図23】医療機関リストの一例を示す模式図である。
【
図25】在宅復帰者リストの一例を示す模式図である。
【
図26】全入所者リストの一例を示す模式図である。
【
図27】一覧情報の出力処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、情報処理システム100の概要図である。本実施形態における情報処理システム100は、情報処理装置1及び介護施設端末2を含む。情報処理装置1及び介護施設端末2は、インターネット等のネットワークNを介して情報の送受信が可能である。情報処理装置1及び介護施設端末2は、ネットワークNを介して、居宅介護支援事業所端末3及び医療機関端末4それぞれと通信接続されている。
【0014】
情報処理装置1は、例えばサーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ、量子コンピュータ等であり、様々の情報処理、情報の送受信が可能である。情報処理装置1は、例えば予約管理サービスの提供者によって管理される。情報処理装置1は、予約管理サービスを享受する介護施設における入所者の入所予約に関する情報を収集し、収集した情報に基づき、予約状況を管理するための予約表を含む各種情報を介護施設端末2へ送信する。
【0015】
介護施設端末2は、通信機能を有する情報処理端末装置であり、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。介護施設端末2は、例えば介護施設における予約管理業務を行う相談員又は介護施設の全体を管理する管理者等のユーザにより管理される。ユーザは、介護施設端末2を用いて情報処理装置1から送信される各種情報を確認することができる。介護施設端末2の数は1又は3以上でもよい。
【0016】
情報処理システム100は、複数の介護施設に係る複数の介護施設端末2を含み、複数の介護施設へ予約管理サービスが提供される構成であってよい。
【0017】
居宅介護支援事業所端末3及び医療機関端末4それぞれは、通信機能を有する情報処理端末であり、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。居宅介護支援事業所端末3は、例えば居宅介護支援事業所のケアマネージャー(介護支援専門員)により管理される。医療機関端末4は、例えば医療機関の担当者により管理される。居宅介護支援事業所端末3及び医療機関端末4それぞれの数は2以上でもよい。
【0018】
予約管理サービスの提供対象となる介護施設は、複数のベッドを備え、介護保険制度に基づく介護サービスを提供する。本実施形態の介護施設は、介護老人保健施設又は介護老人保健施設と特別養護老人ホームとを併設する施設である。介護施設は、施設サービス及び短期入所(居宅)サービスを提供することができ、複数種類の入所態様に係る入所者を受け入れ可能である。入所者は、施設サービスを受けるための介護老人保健施設(以下、老健とも記載する)入所者と、短期入居サービスを受けるためのショートステイ入所者とを含む。入所者はさらに、特別養護老人ホーム入所者を含んでもよい。
【0019】
老健入所者は、在宅復帰を目指すために介護施設へ入所する要介護高齢者であり、通常、約3か月から6か月程度といった比較的長い期間にわたり介護施設へ入所する。老健入所者は、例えば、医療機関の退院後に、又は、自宅から介護施設へ入所する。一定期間リハビリなどを行い目標とする身体状態まで回復すると、介護施設を退所して自宅(居宅)へ戻る。介護施設は、新たに入所した老健入所者が一定期間内に退所できるよう、適切な介護、リハビリ等を提供することが求められている。
【0020】
ショートステイ入所者は、例えば1泊2日又は2泊3日等の比較的短い期間で、月に複数回といった態様で介護施設へ入所する場合が多い。ショートステイ入所者又はその関係者とケアマネージャーとの相談に応じて、介護施設の利用日及び利用回数等を含むケアプランが作成され、作成されたケアプランに従って介護施設へ入所予約の申し込みが行われる。
【0021】
介護施設の相談員は、介護施設のベッドの予約に空き枠がある場合、ケアマネージャーや医療機関の担当者に空き状況を伝え、空床期間に予約を受け付けるための営業活動を行う。ベッドの予約状況を正確に把握し、ベッドコントロールを最適化することで、介護施設におけるベッド稼働率を高め、入所を希望する入所者をより多く受け入れることができる。このように、ベッドの予約管理は介護施設の運営において重要である一方で、多数のベッドを備え様々な入所態様の入所者を受け入れる介護施設において、各ベッドの予約状況及び各入所者の入退所予定を正確に把握し、予約を管理することは容易ではない。
【0022】
従来、このような入所予約の管理、営業活動、稼働率や在宅復帰指標の把握等、介護施設の運営に関する作業の多くが人手により行われており、介護施設の相談員又は管理者等のユーザの負担が大きかった。本情報処理システム100では、情報処理装置1により、入所の予約に関する情報を収集し、収集した予約に関する情報に基づき、介護施設の稼働状況を把握するための各種情報を介護施設端末2へ提供する。ユーザは、介護施設端末2を介して提供される各種情報を確認することで、介護施設の運営状況、最適な営業方針等を容易且つ好適に把握することができる。
【0023】
図2は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、制御部11、記憶部12、及び通信部13を備える。情報処理装置1は、複数台のコンピュータで構成し分散処理する構成でもよく、1台のサーバ内に設けられた複数の仮想マシンによって実現されていてもよく、クラウドサーバを用いて実現されていてもよい。
【0024】
制御部11は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等を用いたプロセッサを備える。制御部11は、内蔵するROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等のメモリ、クロック、カウンタ等を用い、各構成部を制御して処理を実行する。
【0025】
記憶部12は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリを備える。記憶部12は、情報処理装置1に接続された外部記憶装置であってもよい。記憶部12は、制御部11が参照する各種プログラム及びデータを記憶する。
【0026】
本実施形態の記憶部12は、介護施設の予約に関する処理をコンピュータに実行させるためのプログラム1Pと、このプログラム1Pの実行に必要なデータとしての介護施設DB(Data Base:データベース)111、入所者DB112、入退所DB113、居宅DB114、医療機関DB115、入所元・退所先DB116、及び管理DB117とを記憶している。各データベースには、入所者の入所に係るベッドの予約に関する情報が記憶されている。データベースの詳細は後述する。
【0027】
プログラム1Pを含むプログラム(プログラム製品)は、当該プログラムを読み取り可能に記録した非一時的な記録媒体1Aにより提供されてもよい。記憶部12は、不図示の読出装置によって記録媒体1Aから読み出されたプログラムを記憶する。記録媒体1Aは、例えば磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等である。また、通信ネットワークに接続されている外部サーバからプログラムをダウンロードし、記憶部12に記憶させてもよい。プログラム1Pは、単一のコンピュータプログラムでも複数のコンピュータプログラムにより構成されるものでもよく、また、単一のコンピュータ上で実行されても通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されてもよい。
【0028】
通信部13は、ネットワークNを介して外部装置と通信するための通信モジュールを備える。制御部11は、通信部13を介して介護施設端末2、居宅介護支援事業所端末3及び医療機関端末4それぞれとの間でデータを送受信する。
【0029】
情報処理装置1の構成は
図2の例に限らず、例えば各種情報を表示する表示部、ユーザの操作を受け付ける操作部等を備えてもよい。
【0030】
図3は、介護施設端末2の構成を示すブロック図である。介護施設端末2は、制御部21、記憶部22、通信部23、表示部24及び操作部25を備える。制御部21は、一又は複数のCPU、GPU等を用いたプロセッサを備える。制御部21は、内蔵するROM又はRAM等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。
【0031】
記憶部22は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを備える。記憶部22は、制御部21が参照するプログラム及びデータが記憶されている。記憶部22は、介護施設の予約の受け付けに関する処理をコンピュータに実行させるためのプログラム2Pを記憶している。記憶部22はまた、介護施設端末2を識別するための装置情報を記憶している。装置情報は、介護施設端末2に固有の情報であり、介護施設を特定するため情報である。
【0032】
プログラム2Pを含むプログラム(プログラム製品)は、当該プログラムを読み取り可能に記録した非一時的な記録媒体2Aにより提供されてもよい。記憶部22は、不図示の読出装置によって記録媒体2Aから読み出されたプログラムを記憶する。記録媒体2Aは、例えば磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等である。また、通信ネットワークに接続されている外部サーバからプログラムをダウンロードし、記憶部22に記憶させてもよい。プログラム2Pは、単一のコンピュータプログラムでも複数のコンピュータプログラムにより構成されるものでもよく、また、単一のコンピュータ上で実行されても通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されてもよい。プログラム2Pは、情報処理装置1からダウンロードしたスクリプトプログラムを、制御部21がブラウザプログラム上で実行することにより機能するものであってもよい。
【0033】
通信部23は、ネットワークNを介した通信を実現するための通信デバイスである。制御部21は、通信部23を介して情報処理装置1との間の情報の送受信を行う。
【0034】
表示部24は、例えば液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイ装置を備える。表示部24は、制御部21からの指示に従って、予約表を含む各種の情報を表示する。
【0035】
操作部25は、ユーザの操作を受け付けるインタフェースである。操作部25は、例えばキーボード、ディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイス、スピーカ及びマイクロフォン等を備える。操作部25は、ユーザからの操作入力を受け付け、操作内容に応じた制御信号を制御部21へ送出する。
【0036】
居宅介護支援事業所端末3及び医療機関端末4それぞれは、上述した通りコンピュータであり、そのハードウェア構成は介護施設端末2と同様であるため、詳細な図示及び説明を省略するが、制御部、記憶部、通信部、表示部及び操作部等を備える。
【0037】
図4は、介護施設DB111に記憶される情報の内容例を示す図である。介護施設DB111は、介護施設に関する情報を格納するデータベースであり、介護施設情報テーブル1111及びベッド情報テーブル1112を含む。
【0038】
介護施設情報テーブル1111には、例えば複数の介護施設それぞれについて、介護施設ID、グループ名、介護施設名、及び介護施設端末情報等の情報を紐付けたレコードが格納されている。
【0039】
介護施設IDは、介護施設を識別するための識別情報である。介護施設IDは、地方自治体等の指定権者から付与された事業所番号を含んでもよい。グループ名は、例えば複数の介護施設を統括する法人のようなグループに介護施設が属する場合における、介護施設の属するグループの名称である。介護施設端末情報は、介護施設に対応付けられる介護施設端末2の識別情報(例えば機器ID、IPアドレス等)を含む。介護施設情報テーブル1111にはさらに、情報処理システム100におけるサービスを用いる際にユーザにより使用されるアカウントに関するアカウント情報等が含まれてもよい。
【0040】
ベッド情報テーブル1112には、例えばベッドIDをキーに、介護施設ID、部屋種類、ベッド種類、及び時期等の情報を紐付けたレコードが格納されている。ベッドIDは、介護施設におけるベッドを識別するための識別情報であり、例えばベッド番号である。なお各ベッドは、ベッド単位で管理されるものに限定されず、複数のベッドを有する部屋単位で管理されるものであってもよい。この場合、ベッド情報は、例えばベッドの設置される部屋を識別するための部屋番号であってもよい。多床室といった複数個のベッドを備える部屋の場合には、同室における各ベッドを識別するため便宜上の識別情報(例えば部屋番号及び枝番)が付与されてもよい。
【0041】
介護施設IDは、ベッドIDのベッドを有する介護施設の介護施設IDである。部屋種類は、ベッドIDのベッドが設置される部屋に関する情報を含む。部屋種類は、例えば、認知症型又は一般型及び個室又は多床室を含む部屋種別と、当該部屋の利用可能な性別の情報とを含む。ベッド種類は、ベッドIDのベッドの利用種類に関する情報を含む。ベッド種類は、例えば老健入所者用ベッドを意味する老健と、ショートステイ入所者用ベッドを意味するショートとを含む。介護施設における複数のベッドについて、老健入所者用及びショートステイ入所者用に供するベッド数は随時変更可能である。予約を管理するユーザは、所定期間毎に、予約状況に応じてベッドの内訳を適宜設定することができる。
【0042】
詳しくは後述するが、ショートステイ入所者用ベッド(以下、単にショートステイ用ベッドとも記載する)に対しては、基本的にショートステイ入所者の予約のみを受け付ける。老健入所者用ベッド(以下、単に老健用ベッドとも記載する)に対しては、主に老健入所者の予約を受け付け、予約に空きがある場合には、ショートステイ入所者の予約を受け付けることが可能である。なお、ショートステイ用ベッドに対し老健入所者の予約を受け付ける構成であってもよい。
【0043】
時期は、ベッド種類が適用される時期(期間)である。時期は、ベッド情報の対象期間に対応する。
図4に示す例にて、ベッド種類は1か月毎に設定される。ベッド情報は、例えばベッドID及び時期毎に生成され、格納される。
【0044】
介護施設DB111の情報は、例えばユーザが初めて情報処理システム100におけるサービスを用いる際に情報処理装置1にて提供される登録用の画面上において、ユーザが介護施設端末2で登録操作をすることによって収集される。また、介護施設DB111の情報は随時更新される。なお、部屋種類の性別については、ユーザによる登録を受け付けてもよく、情報処理装置1等により入所者の性別に基づき判定することで収集してもよい。
【0045】
図5は、入所者DB112に記憶される情報の内容例を示す図である。入所者DB112は、介護施設の予約を行う入所者に関する入所者情報を格納するデータベースである。入所者DB112は介護施設毎に生成されてよい。なお、本明細書において、特に断りのない限り、「入所者」とは、介護施設を利用する利用者と同義であり、介護施設へ入所する者だけでなく、介護施設を退所する者を含む広義の入所者を意味するものである。
【0046】
入所者DB112には、例えば入所者IDをキーに、入所者名、性別、入所態様、老健管理情報、及びショートステイ管理情報等の情報を紐付けたレコードが格納されている。入所者IDは、入所者を識別するための識別情報である。入所者名は入所者の氏名である。性別は、入所者の性別である。入所態様は、入所者の入所態様であり、老健列及びショートステイ列を含む。例えば、老健入所者としての入所履歴(利用履歴)がある場合、老健列に丸印が記録され、老健入所者としての入所履歴のない場合、老健列にバツ印が記録される。ショートステイ列も同様に、ショートステイ入所者としての入所履歴の有無を示す情報が記録される。
【0047】
老健管理情報は、老健入所を管理するための情報であり、例えば入所者の要介護度及び当該要介護度の確認日を含む。ショートステイ管理情報は、ショートステイ入所を管理するための情報であり、例えば居宅介護支援事業所名及び担当者名を含む。居宅介護支援事業所名は、担当者の属する居宅介護支援事業所の名称である。担当者名は、入所者を担当するケアマネージャーの名前である。
【0048】
入所者DB112の情報は、例えば入所者が初めて各入所態様にて介護施設を利用する際に、介護施設端末2を介してユーザによる入力を受け付けることによって収集される。介護施設DB111の情報は随時更新される。入所者の要介護度が変更される度、ユーザは老健管理情報を更新することができる。
【0049】
図6は、入退所DB113に記憶される情報の内容例を示す図である。入退所DB113は、入退所の予約に関する入退所情報を格納するデータベースである。入退所DB113は介護施設毎に生成されてよい。入退所DB113には、例えば入退所情報を識別するIDをキーに、入所者ID、入所態様、ベッドID、入所日、入所時刻、入所元、入所詳細、退所日、退所時刻、退所後の行先、退所詳細、及び空床日数等の情報を紐付けたレコードが格納されている。入退所情報はさらに、食事数、送迎有無等の情報を含んでもよい。入退所情報は、例えばベッドID毎、入所日の時系列順に格納されている。なお、老健入所時点において退所時期が明確でない場合、老健入所に係る情報には退所日といった退所の予約に関する情報は含まれなくてもよい。
【0050】
入所者IDは、入退所に係る入所者の入所者IDである。入所態様は、入退所に係る入所者の入所態様であり、例えば老健又はショートを含む。ベッドIDは、入退所に係るベッドのベッドIDである。
【0051】
入所日は、入退所の予約に係る入所日であり、ベッドの利用開始日に対応する。入所時刻は、入所日における入所予定時刻であり、例えば予約時に受け付けたチェックイン時刻を含む。入所元は、入退所に係る入所者がどこから来たかを示す情報であり、例えば自宅、入所前に滞在していた医療機関名、介護施設名等を含む。入所詳細は、入所に関する付加情報であり、例えば、通常入所であることを意味する「入所」、転室に伴う入所(ベッドの利用開始)であることを意味する「転室(入)」等を含む。
【0052】
退所日は、入退所の予約に係る退所日であり、ベッドの利用終了日に対応する。入所時刻は、退所日における退所予定時刻であり、例えば予約時に受け付けたチェックアウト時刻を含む。退所後の行先は、入退所に係る入所者の退所後の行先を示す情報であり、例えば自宅、医療機関名、介護施設名等を含む。退所詳細は、退所に関する付加情報であり、例えば、通常退所であることを意味する「退所」、逝去に伴う退所であることを意味する「逝去」、転室に伴う退所(ベッドの利用終了)であることを意味する「転室(出)」等を含む。
【0053】
空床日数は、入退所の予約に係るベッドの空床日の日数である。空床日とは、ベッドに対する入所予約が無く、ベッドが空いている日を意味する。空床日数は、同一のベッド番号を含み時系列で隣接する前後の入退所情報における退所日及び入所日に基づき算出可能である。上記方法でカウントされた空床日数は、入退所DB113において、時系列順で後の入退所情報の空床情報列に格納される。
【0054】
図6に示す例において、ID25の入退所情報は、ベッドID201、退所日9月15日である。ID23の入退所情報は、ベッドID201、入所日9月18日である。ベッドID201について、9月15日以降9月18日以前を入所日とする入退所情報は存在しないことから、ID25及びID23の利用情報は時系列で隣接する。この場合、ID23の入退所情報の空床日数列に、ID25の退所日の翌日からID23の入所日の前日までの日数をカウントした空床日数2が格納される。
【0055】
入退所DB113にはさらに、ベッドの被せ入所日の日数が含まれてもよい。被せ入所日とは、同一ベッドに対し同日に異なる入所者に係る2つの予約が存在する日を意味する。被せ入所日の日数は、同一ベッドについて、退所日と入所日とが重なる2つの入退所情報が存在する日の日数を算出することで得られる。
【0056】
入退所DB113の情報は、介護施設端末2を通じて入退所の予約の登録を受け付けることにより収集される。ユーザは、予約の受け付けに応じて、介護施設端末2を用いて、予約に関する情報を登録する。情報処理装置1は、介護施設端末2から送信される新たな予約に関する情報を受信する都度、受信した情報及び受信した情報に応じて導出される情報を入退所DB113に追加又は変更する。入退所DB113の情報は随時更新される。
【0057】
図7は、居宅DB114に記憶される情報の内容例を示す図である。居宅DB114は、居宅介護支援事業所に関する情報を格納するデータベースである。居宅DB114は介護施設毎に生成されてよい。居宅DB114には、例えば、居宅介護支援事業所IDをキーに、居宅介護支援事業所名、所在地、電話番号、FAX番号、介護施設から居宅介護支援事業所までの距離、及び居宅介護支援事業所端末情報等の情報を紐付けたレコードが格納されている。居宅DB114にはさらに、居宅介護支援事業所の事業所番号、ケアマネージャー数、全利用者数、要介護認定されている利用者数、居宅介護支援事業所の系列法人における介護サービス提供の有無等の情報が含まれてもよい。
【0058】
居宅DB114に記憶される情報の一部は、例えば国又は地方自治体等の提供する居宅介護支援事業所の公開情報から収集することができる。情報処理装置1は、地方自治体の外部サーバ等から提供される居宅介護支援事業所一覧を取得し、取得した居宅介護支援事業所一覧から各種属性情報を抽出することにより、居宅介護支援事業所名、所在地、電話番号、FAX番号等を取得する。この場合において、情報処理装置1は、予め設定される所在地の範囲内に限定して居宅介護支援事業所を抽出してもよい。
【0059】
情報処理装置1は、取得した情報と、各居宅介護支援事業所の所在地及び介護施設の所在地又は地図情報等に基づき算出される距離と、既知である場合の居宅介護支援事業所端末3の端末情報と、を対応付けて居宅DB114に記憶する。居宅DB114の情報は随時更新されてよい。情報処理装置1は、介護施設端末2を介してユーザによる入力を受け付けることにより居宅介護支援事業所に関する情報を取得してもよい。
【0060】
図8は、医療機関DB115に記憶される情報の内容例を示す図である。医療機関DB115は、医療機関に関する情報を格納するデータベースである。医療機関DB115は介護施設毎に生成されてよい。医療機関DB115には、例えば、医療機関IDをキーに、医療機関名、所在地、電話番号、FAX番号、介護施設から医療機関までの距離、及び医療機関端末情報等の情報を紐付けたレコードが格納されている。居宅DB114にはさらに、医療機関のベッド数(病床数)、年間退院者数、退院者のうちの老健入所者数、医療機関の系列法人における介護サービス提供の有無等の情報が含まれてもよい。
【0061】
情報処理装置1は、居宅DB114と同様に、例えば国又は地方自治体等の提供する医療機関の公開情報から収集した情報に基づいて医療機関DB115を生成してもよい。
【0062】
図9は、入所元・退所先DB116に記憶される情報の内容例を示す図である。入所元・退所先DB116は、入所者の入所先及び退所後の行先に関する情報を格納するデータベースである。入所元・退所先DB116は介護施設毎に生成されてよい。入所元・退所先DB116には、例えば、複数の入所元及び退所後の行先の候補それぞれについて、入所元・退所先IDをキーに、候補先の名称、種類、居宅介護支援事業所ID又は医療機関ID、所在地、電話番号、FAX番号等の情報を紐付けたレコードが格納されている。種類は、入所元及び退所後の行先を所定基準に従い複数分類した場合の種別であり、例えば自宅、施設(自宅)、施設(非自宅)、医療機関等を含む。施設(自宅)とは、自宅扱いの施設(居宅サービスの施設)を意味する。施設(非自宅)とは、非自宅扱いの施設を意味する。医療機関とは、例えば病院、有床の診療所等を含む。入所元・退所先DB116と、居宅DB114及び医療機関DB115とは、共通項目である居宅介護支援事業所ID及び医療機関IDによりデータ連携されてもよい。
【0063】
情報処理装置1は、居宅DB114と同様に、例えば国又は地方自治体等の提供する医療機関、居宅介護支援事業所等の公開情報から、入所元・退所先DB116に記憶する情報の一部を収集してもよい。情報処理装置1は、介護施設端末2を介してユーザによる入力を受け付けることにより入所元・退所後の行先に関する情報を取得してもよい。
【0064】
図10は、管理DB117に記憶される情報の内容例を示す図である。管理DB117は、介護施設における予約状況を管理するための情報を格納するデータベースである。管理DB117は、入所の予約状況に関する入所テーブル1171及び退所の予約状況に関する退所テーブル1172を含む。管理DB117は介護施設毎に生成されてよい。
【0065】
入所テーブル1171には、例えば複数の入所予約について、ベッドID、入所日、入所者ID、入所者名、入所元、種類、入所詳細、1週間以内入退所、入所者ステータス、入所前後訪問指導、及び時期等の情報を紐付けたレコードが格納されている。
【0066】
ベッドID、入所日、入所者ID、入所元及び入所詳細の内容は、入退所DB113と同様である。入所者名は、入所者DB112と同様であり、入所者IDに対応する入所者名である。種類は、入所元・退所先DB116と同様であり、入所元に対応する種類である。1週間以内入退所は、1週間以内入退所の有無を示す情報を含む。1週間以内入退所とは、医療機関への入院に応じて、介護施設から退所した後1週間以内に再び当該介護施設へ入所する入退所態様を意味する。入所者ステータスは、入所者の介護施設の利用状態に関する情報である。例えば、過去所定期間内(例えば直近6か月間)に介護施設への入所履歴があり、対象時期において入所予約がなされた入所者である場合、入所者ステータス列に「再入所」が格納される。
【0067】
入所前後訪問指導は、老健入所者に対する入所前後訪問指導の実施状況を示す情報を含む。入所前後訪問指導及び後述する退所前後訪問指導とは、国又は地方自治体が定める訪問指導である。入所前後訪問指導列には、訪問指導が行なわれたことを意味する「済」、又は、訪問指導が行なわれていないことを意味する「未」が格納される。時期は、所定間隔で期間を区分した場合における、入所日の属する時期(期間)である。
図10の例では、時期は1か月単位で区分される。
【0068】
退所テーブル1172には、例えば複数の退所予約について、ベッドID、退所日、退所に係る入所者の入所者ID、退所者名(退所に係る入所者名)、退所後の行先、種類、退所詳細、1週間以内入退所、入所日数、再入所日、退所前後訪問指導、要介護度、在宅復帰、及び時期等の情報を紐付けたレコードが格納されている。
【0069】
ベッドID、退所日、入所者ID、退所後の行先及び退所詳細の内容は、入退所DB113と同様である。なお、ベッドIDは、退所者が退所時に在籍したベッドのIDを示し、入所から退所まで該当するベッド(部屋)から動いていないことを意味するものではない。退所者名及び要介護度は、入所者DB112の入所者及び要介護度と同様であり、入所者IDに対応する退所者の入所者名及び要介護度である。種類は、入所元・退所先DB116と同様であり、退所後の行先に対応する種類である。1週間以内入退所及び期間は、入所テーブル1171と同様である。入所日数は、退所予約がなされたベッドに対する入所日数である。再入所日は、退所後の再入所がある場合における再入所の日付である。退所前後訪問指導は、老健入所者に対する退所前後訪問指導の実施状況を示す情報を含む。在宅復帰は、入所者IDに対応する退所者が、在宅復帰に該当する退所者であるか否かを示す情報を含む。在宅復帰列には、例えば在宅復帰に該当することを示す「該当」又は在宅復帰に該当しないことを示す「非該当」が格納される。
【0070】
情報処理装置1は、各データベースに記憶した情報に基づいて、管理DB117を生成する。入所日又は退所日が対象期間に属する入退所情報を入退所DB113から抽出するとともに、入所者DB112及び入所元・退所先DB116を参照することで、ベッドID、入所日、入所者名、入所者ID、入所元、入所詳細、退所日、退所後の行先及び退所詳細が導出される。入退所DB113における入退所情報の履歴に基づき、1週間以内入退所の有無、入所者ステータス、入所日数、再入所日が導出される。1週間以内入退所の有無は、退所後の行先を特定の医療機関とする退所予約の後、1週間以内に、当該特定の医療機関を入所元とする入所予約が行われたか否により特定することができる。在宅復帰に該当するか否かは、退所後の行先の種類、1週間以内入退所の有無、入所日数、再入所日及び要介護度等に基づき判定することができる。在宅復帰の判定手法の詳細は後述する。
【0071】
上記
図4から
図10にて示した各データベースの記憶内容は一例であり限定されるものではない。情報処理装置1は、上述した各データベースに基づき予約表を生成し、介護施設における各ベッドの予約状況及び空き枠を提示する。
【0072】
図11は、予約表を含む予約表画面50の第1例を示す模式図である。情報処理装置1は、介護施設端末2を通じて予約表画面50を表示部24に表示させる。
【0073】
予約表画面50には、予約表を表示する予約表欄501が含まれている。予約表欄501に表示される予約表502は、所定期間を表示対象期間として、表示対象期間における各ベッドの予約状況を表示する。予約表502は、横方向(列項目)に表示対象期間の日付を、縦方向(行項目)に各ベッドの識別情報(
図11に示す例ではベッド番号)を配置してあり、複数のベッドにそれぞれ対応する複数のベッド行503を備える。ベッド行503は、ベッド情報表示領域に対応する。複数のベッド行503は、ベッド種類に応じてまとめられ、ベッド種類毎にベッド番号順に並べられている。各ベッド行群の上部には、ベッド種類を示すベッド種類表示部504が設けられている。なお、ベッドの表示順序はユーザによって任意に並べ替え可能に構成されてもよい。
【0074】
図11の例にて予約表502は、2022年9月の1か月間を表示対象期間とし、表示対象期間の前後1日を含む予約状況を一覧表示する。予約表の上側にショートステイ用ベッドに対応するベッド行群が表示され、下側に老健用ベッドに対応するベッド行群が表示されている。
図11では、説明の簡易のため、ショートステイ用ベッドのベッド行503を2行のみ表示するが、予約表502は、ショートステイ用ベッドの数に応じたベッド行数を備えるものであってよい。
【0075】
予約表画面50は、例えば予約表画面50の出力要求を受け付けた日を含む当月を初期の予約表の表示対象期間とし、予約表欄501の上部に設けられた表示期間変更ボタンの選択に応じて任意の表示対象期間(表示月)の指定を受け付け可能に構成されている。
【0076】
情報処理装置1は、介護施設端末2を通じて予約表画面50の出力要求を受け付けた場合、横方向に表示対象月に応じた日付列、縦方向に各ベッド番号に対応するベッド行503を備える予約表502を生成する。ベッド行503を生成する場合において、情報処理装置1は、ベッド情報テーブル1112に基づき、ベッド種類毎に各ベッドを分類し、分類した各ベッド種類に含まれる複数のベッド行503をベッド番号の降順又は昇順に並べる。情報処理装置1は、ベッドの表示順の指定をユーザから受け付け、受け付けた表示順に従って各ベッド行503を並べてもよい。
【0077】
情報処理装置1は、予約表502を通して、各ベッドに対するベッド種類の設定及び変更を受け付けることができる。情報処理装置1は、例えば、ショートステイ用ベッドであることを示すベッド種類表示部504に設けられた設定ボタン505のタップ操作を受け付けると、ショートステイ用ベッドとして使用するベッドの数及びベッド番号の入力を受け付ける不図示の入力欄を表示させる。情報処理装置1は、表示させた入力欄を通じてベッドの数及びベッド番号の入力を受け付ける。ショートステイ用ベッドとして指定されたベッド以外のベッドは、老健用ベッドとなる。情報処理装置1は、受け付けたベッドの数及びベッド番号に従って、介護施設DB111のベッド情報テーブル1112を更新する。
【0078】
情報処理装置1は、生成した予約表502上に、予約状況を示す情報を表示させる。
図11に示す例では、予約表502において、予約状況は、ベッド毎に入所予約の各々について入所日と退所日との間において日付方向に延びる線表現(
図11の例では帯状のオブジェクト)506により、入所者名と共に表示される。
【0079】
情報処理装置1は、入退所DB113に記憶する情報に基づき、予約表画面50の出力対象となる介護施設の介護施設IDに対応する入退所情報の中から、入所日及び退所日の少なくとも一方が表示対象期間に含まれる入退所情報を抽出する。
【0080】
情報処理装置1は、抽出した入退所情報に基づき、入所期間に応じた長さのオブジェクト506を生成し、生成したオブジェクト506を、入退所情報のベッドIDに対応するベッド行503において入所期間に対応する日付列に表示させる。また情報処理装置1は、入退所情報の入所者IDに係る入所者名を入所者DB112から読み出し、読み出した入所者名をオブジェクト506上に重畳表示させる。情報処理装置1はさらに、入退所情報に含まれる入所時刻、退所時刻、入所元、退所後の行先、入所詳細、及び退所詳細等をオブジェクト506の近傍に表示させてもよい。
【0081】
各ベッド行503は、例えば複数行により構成されるといったように、縦方向に十分な表示領域を確保することにより、入所期間の重なる又は連続する複数の予約が存在する場合であっても、各予約に係る複数のオブジェクト506を重なることなく表示することができる。
【0082】
オブジェクト506は、例えば入所者の入所態様に応じた表示色が設定されてもよい。例えば、情報処理装置1は、ショートステイ入所者と老健入所者とでオブジェクト506の色彩を異ならせる。オブジェクト506はさらに、入所者毎に異なる色が設定されてもよい。この場合、情報処理装置1は、特定の入所者に関する入所期間の異なる複数の予約について、共通する色を用いてオブジェクト506を生成する。
【0083】
また情報処理装置1は、予約表502において、ベッドの予約がなされていない期間、すなわち予約の空き枠を認識可能に表示させてもよい。情報処理装置1は、例えば、ベッドの予約の有無に応じて日付列の背景色を変更するなど、ベッド行503における各日付列の表示態様をベッドの予約の有無に応じて異ならせる。空き枠に関する表示処理は、老健用ベッドのベッド行503に対してのみ施されてもよい。
図11の例では、老健用ベッド行において、予約の無い空き枠の期間を白背景で表示し、予約の有る期間を灰色背景で表示している。これにより、予約の空き枠を一見して容易に把握することができる。
【0084】
予約表502は、特に老健用ベッドに関し、表示対象期間中に予約の空き枠を有さないベッド番号に係るベッド行503の表示/非表示を切り替え可能に構成されることが好ましい。ベッド行は、例えば、老健用ベッドであることを示すベッド種類表示部504に設けられた切替ボタン507を通じて、表示/非表示を切り替え可能に構成されてもよい。
【0085】
情報処理装置1は、初期の表示態様として、表示対象期間中に予約の空き枠を有さないベッド番号に係るベッド行503を非表示とし、予約の空き枠を有するベッド番号に係るベッド行503のみを表示する予約表502を生成する。
図11に示す例において、ベッド番号201からベッド番号305までの間のベッド番号に係るベッドは、9月中は入所の予約が埋まっており、予約の空き枠がないことを示す。切替ボタン507を通じて全ベッド表示への切り替え指示を受け付けた場合、情報処理装置1は、ベッド行503の表示/非表示を切り替え、全ての老健用ベッドに係る全ベッド行503を予約表502に表示させる。上記構成により、多数のベッドを備える介護施設において、予約の受け付けが可能なベッドの予約状況のみを効率的に確認することができるともに、必要に応じて所望のベッド番号の予約状況を随時確認することができる。
【0086】
なお、予約状況の表示態様は、オブジェクト506を用いるものに限らず、予約状況を視認可能であればよい。情報処理装置1は、例えば各ベッド行503における入所期間に対応する日付列に色付け、枠付け等の画像処理を施すことで予約状況を表示してもよい。
【0087】
予約表502は、予約状況の表示機能とともに予約受け付け機能を備える。ユーザは、上述の予約表502を利用して、新たなベッドの予約を行うことができる。
図12及び
図13は、ベッドの予約受け付け方法を説明する図である。
図12及び
図13を用いて、予約表502を通じた予約受け付け方法を説明する。
【0088】
介護施設端末2は、予約表画面50において所定の登録開始操作を受け付ける。登録開始操作は、例えば予約表502上において、いずれかのベッド行503の日付列を選択するクリック操作である。情報処理装置1は、介護施設端末2を通じて登録開始操作を受け付けた場合、入所情報及び退所情報の登録を受け付けるための登録画面52を介護施設端末2へ送信する。介護施設端末2は、情報処理装置1から受信した登録画面52を、例えば予約表502上にポップアップ表示させる。介護施設端末2は、登録画面52を利用して入所情報及び退所情報の登録を受け付ける。
【0089】
登録画面52は、入所情報の登録を受け付ける入所情報登録画面521(
図12を参照)と、退所情報の登録を受け付ける退所情報登録画面522(
図13を参照)とを備える。登録画面52は、一例として、空床の情報を編集することにより入所を、入所の情報を編集することにより退所及び転室の情報を登録可能とするが、これに限るものではない。また、例えば登録画面52の上側に設けられたタブの切り替えにより、入所情報登録画面521と退所情報登録画面522との切り換えが可能としてもよい。なお、登録画面52の構成は、
図12及び
図13に示す例に限らず、例えば入所情報登録画面521と退所情報登録画面522とを別画面で構成してもよい。この場合、登録開始操作を受け付ける際、登録を受け付ける情報の種別の選択を受け付け、受け付けた情報の種別に応じた登録画面を出力してもよい。
【0090】
図12に示すように、入所情報登録画面521は、入所者名、入所の対象となるベッド番号、入所日、入所時刻、入所者の入所態様、入所の理由、入所元等の情報の登録を受け付け可能に構成されている。
【0091】
入所情報は、例えば、選択ボタン(
図12の例ではラジオボタン)及びプルダウン等の操作により、予め設定される複数の選択肢の中から選択を受け付けることで登録可能である。ベッド番号としては、介護施設に設けられる各ベッドのベッド番号の中から選択を受け付ける。情報処理装置1は、例えばベッド情報テーブル1112に記憶する情報に基づき、入所の対象となるベッド番号を示すプルダウンを生成してもよい。当該プルダウンについては、検索が可能であってもよい。
【0092】
入所者としては、予め入所者情報を登録済みの入所者の中から選択を受け付ける。情報処理装置1は、例えば入所者DB112に記憶する情報に基づき、登録済みの入所者を示すプルダウンを生成してもよい。この際、選択された入所態様に対応する入所者のみを含むプルダウンを生成してもよい。当該プルダウンについては、検索が可能であってもよい。
【0093】
入所態様の選択肢は、例えばショートステイ及び老健を含む。入所の理由の選択肢は、例えば入所を含む。入所の理由は、入所詳細に対応する。なお、入所情報登録画面521は、入所とは別に、同じ介護施設内の別の部屋に移動する転室の登録を受け付け可能に構成されてもよい。この場合、入所の理由にはさらに、転室が含まれてよい。
【0094】
入所元の選択肢は、例えば自宅、医療機関及び他の介護施設を含む。医療機関及び他の介護施設には、さらにプルダウンが設けられ、医療機関名及び介護施設名を登録することができる。情報処理装置1は、入所元・退所先DB116に記憶する情報に基づき、医療機関の候補及び介護施設の候補を示すプルダウンを生成してもよい。当該プルダウンについては、検索が可能であってもよい。なお、入所元及び後述する退所後の行先は、入所態様が老健である場合にのみ、登録を受け付ける構成であってもよい。
【0095】
情報処理装置1は、登録画面52の生成において、予め登録開始操作の受け付け時に選択されたベッド行503に基づいて、選択されたベッド行503のベッド番号を入所ベッド番号として登録画面52に初期表示させてもよい。同様に、登録開始操作の受け付け時に選択された日付列に基づいて、選択された日付列の日付を入所日として登録画面52に初期表示させてもよい。
【0096】
入所情報登録画面521は、特定のベッドに対する退所が発生した同日に異なる入所者の入所の登録を受け付ける、被せ入所の受け付けが可能であってもよい。
【0097】
ユーザは、登録すべき予約内容に応じてプルダウンメニューの選択、選択ボタンの有効化等を行うことにより、入所情報を登録する。介護施設端末2は、ユーザが操作部25を操作することによる入所情報の登録を受け付け、受け付けた入所情報を情報処理装置1へ送信する。
【0098】
情報処理装置1は、介護施設端末2から受信した入所情報を入退所DB113に記憶する。詳細には、情報処理装置1は、入所情報に含まれる入所者名に対応する入所者ID、入所態様、ベッド番号に対応するベッドID、入所日、入所時刻、入所元、入所詳細を、入退所DB113の各列に記憶する。
【0099】
介護施設端末2は、登録画面52の上側に設けられたタブの切り替え操作の受け付けに応じて、
図13に示すように退所情報登録画面522を表示させ、同様に、退所情報登録画面522を通じて退所情報の登録を受け付ける。
【0100】
退所情報登録画面522は、退所する入所者名(退所者名)、退所の対象となるベッド番号、退所日、退所時刻、退所の理由、退所後の行先等の情報の登録を受け付け可能に構成されている。退所の理由の選択肢は、例えば退所、逝去等を含む。退所の理由は、退所詳細に対応する。退所情報における他の項目の詳細は、入所情報と同様である。なお、退所情報登録画面522は、退所とは別に、同じ介護施設内の別の部屋に移動する転室の登録を受け付け可能に構成されてもよい。この場合、退所の理由の選択肢にはさらに、転室が含まれてよい。
【0101】
退所情報の受け付けに先立ち入所情報が登録済みである場合、情報処理装置1は、例えば、退所情報登録画面522における退所ベッド番号及び入所者名の一方の選択に応じて、他方を自動的に退所情報登録画面522に表示させてもよい。情報処理装置1は、入退所DB113に記憶する入所情報に基づき、選択された退所ベッド番号に対応する入所者名又は入所者に対応する退所ベッド番号を特定することができる。
【0102】
介護施設端末2は、ユーザが操作部25を操作することによる退所情報の登録を受け付け、受け付けた退所情報を情報処理装置1へ送信する。情報処理装置1は、介護施設端末2から受信した退所情報を入退所DB113に記憶する。詳細には、情報処理装置1は、退所情報に含まれるベッドID及び入所者名等に基づき、退所情報に紐付く入所情報を特定し、退所情報に含まれる退所日、退所時刻、退所後の行先、退所詳細を、特定した入所情報に対応付けて入退所DB113の各列に記憶する。また情報処理装置1は、取得した入所情報及び退所情報に基づき、ベッドの空床日数を更新する。
【0103】
情報処理装置1は、取得した入退所情報に応じて、予約表502を更新する。情報処理装置1は、新たに取得した入退所情報における入所日及び退所日に基づき、入所期間に応じた長さのオブジェクト506を生成し、生成したオブジェクト506を所定のベッドIDに対応するベッド行503に追加する。また、情報処理装置1は、追加したオブジェクト506の近傍に、入退所情報における入所元等の所定の情報を表示させる。情報処理装置1は、予約状況の更新に応じて、予約を受け付けた入所期間に対応する日付列の背景色を、予約有りに対応する背景色へ変更する。上述の処理により、予約の受け付け及び予約に関する情報の取得が実行され、予約状況が予約表502に表示される。
【0104】
なお、入所情報と退所情報とは、異なるタイミングで登録されてもよい。退所日が未定である場合には、入所情報のみの登録を受け付けた後、退所日が決定した段階で退所情報の登録を受け付けてもよい。予約管理の都合上、退所日が未定の入所予約に関し、例えば、入所期間が予め設定される所定期間であるものとして仮の退所日を決定し、決定した仮の退所日を一時的に入退所DB113に格納してもよい。
【0105】
なお入所情報又は退所情報の登録に際し、予約表502において登録対象のベッド番号に係るベッド行503が非表示の状態である場合、情報処理装置1は、入所情報又は退所情報の登録受け付け前に、予約表502に登録対象のベッド番号に係るベッド行503を表示させてもよい。情報処理装置1は、例えば、老健用ベッドであることを示すベッド種類表示部504に設けられた追加ボタン508を利用して、ベッド行503の追加指示及び追加を希望するベッド番号の指定を受け付ける。ベッド番号の指定は、例えば追加ボタン508のタップ操作に応じて非表示のベッド番号リストを示すプルダウン(不図示)を表示させ、当該プルダウンを通して受け付けてもよい。情報処理装置1は、指定されたベッド番号に係るベッド行503の表示状態を非表示から表示へ切り替える。ユーザは、新たに追加表示されたベッド番号に係るベッド行503を用いて、予約の登録操作を行うことができる。
【0106】
図12及び
図13を用いて説明した予約の受け付け方法は一例であり限定されるものではない。情報処理装置1は、例えば、登録画面52を介することなく、予約表502上で直接入力を受け付けることにより各種情報を取得してもよい。情報処理装置1は、例えば、いずれかのベッド行における日付列の選択を受け付けることにより、入所期間の指定を受け付けてもよい。
【0107】
本実施形態において、予約表502は、老健用ベッドに対し、老健用入所者に加えてショートステイ入所者の予約を受け付け可能に構成されている。老健用ベッドは、主に老健入所者の利用に供するが、老健用ベッドの予約に空き枠が有る場合には、当該空き枠に対しショートステイ入所者の予約を受け付けることができる。老健用ベッドの空き枠を、ショートステイ入所者の予約可能枠として利用することで、介護施設全体として効率的にベッドを稼働させることができる。
【0108】
一例として、
図11に示すように、ベッド番号201の老健用ベッドの予約状況として、9月15日以前の田中様及び9月21日以降の木村様の入所予約が既に登録されているものとする。ベッド番号201の9月16日から9月20までは、空き枠として白背景表示されている。
【0109】
ユーザは、9月18日から9月20までを入所期間とする鈴木様のショートステイ入所の予約を登録する。情報処理装置1及び介護施設端末2は、上述の予約処理を行い、新たな予約を受け付ける。
【0110】
図14は、予約表を含む予約表画面50の第2例を示す模式図である。
図14は、9月18日から9月20までの入所予約に応じて更新された予約表画面50を示す。
図14に示すように、ベッド番号201のベッド行において、9月18日から9月20日までの日付列に新たなオブジェクト506が表示されると共に、9月18日から9月20日までの日付列の背景色が灰色に変更される。
【0111】
予約表画面50にはさらに、
図11~
図14に示すように、入所予約に関する管理作業を支援するための情報を表示する管理情報欄510、及びベッドの予約状況に関する各種指標値を表示する指標欄511等が含まれてもよい。
【0112】
管理情報欄510は、予約表欄501に表示されている予約表502の表示対象期間(
図11~
図14の例では2022年9月)における、入所予約に関する管理作業を支援するための情報を表示する。本実施形態では、後述する空き状況の通知送信及び管理作業を支援するための情報として、空き枠リストを表示する。空き枠リストは、所定期間以上にわたる空き枠を有するベッドのリストであり、ベッドの予約の空きに関する情報を含む。空き枠リストは、例えば当日及び当日より2週間後の日付に空き枠を有するベッドのリストであってもよい。
図11~
図14の例にて、空き枠リストは、部屋種類別に空き枠を有するベッド数を表示するものであり、空き枠を有するベッドが設けられる部屋の認知症型/一般型の別、個室/多床室(入所者の性別含む)の別、及び空き枠を有するベッド数等を表示項目に含む。空き枠リストはさらに、空き枠に係るベッドの詳細を示すベッド別リストを備えてもよい。ベッド別リストは、空き枠を有するベッドのベッド番号、空き枠前後の退所日、入所日及び空床日数等を表示する。ベッド別リストは省略してもよい。
【0113】
情報処理装置1は、入退所DB113に記憶する情報に基づき、算出対象日において、空床日数が予め設定される閾値以上である入退所情報を特定する。情報処理装置1は、特定した入退所情報におけるベッドIDに対応するベッド情報に基づき、部屋種類別に空床数を算出し、算出した部屋種類別の空床数を空き枠リストに表示させる。また情報処理装置1は、特定した入退所情報におけるベッドIDに対応するベッド番号、及び空床日数をベッド別リストに表示させる。また情報処理装置1は、特定した入退所情報における入所日と、特定した入退所情報に時系列で隣接する1つ前の入退所情報における退所日とをベッド別リストに表示させる。
図11に示すように、新たな予約の登録前においては、ベッド番号201のベッドは、所定日数以上の空床日数を有することから、管理情報欄510の空き枠リストにおける2週間後の個室の空床数にカウントされているとともに、ベッド別リストに表示されている。新たな予約の受け付け後は、
図14に示すように、空床日数が所定日数未満となっており、空き枠リストにおける2週間後の個室の空床数が1減少しているとともに、ベッド別リストからベッド番号201が削除されている。空き枠リストには、老健用ベッドに加え、ショートステイ用ベッドの空きが表示されてもよい。
【0114】
指標欄511には、予約表欄501に表示されている予約表502の表示対象期間における各種指標値が表示される。指標欄511に含まれる指標としては、介護施設におけるベッドの予約管理に関する指標であれば限定されないが、例えば介護施設におけるベッドの稼働状況を示すベッド稼働率、老健入所に関するベッド回転率、在宅復帰率、及び要介護度4又は5の割合等を含んでよい。
【0115】
ベッド稼働率は、所定期間におけるベッドの稼働可能日数に対する、ベッドの総稼働日数である。稼働率は、空床日数が少ない程、被せ日数が多い程、高くなる。本実施形態では、介護施設全体でのベッド稼働率に加えて、ベッド種類毎のベッド稼働率を算出する。すなわち、所定期間における老健用ベッドの稼働可能日数に対する、全老健用ベッドの総稼働日数である老健用ベッドのベッド稼働率と、所定期間におけるショートステイ用ベッドの稼働可能日数に対する、全ショートステイ用ベッドの総稼働日数であるショートステイ用ベッドのベッド稼働率とを算出する。
【0116】
情報処理装置1は、入退所DB113及び介護施設DB111のベッド情報テーブル1112に記憶する情報に基づき、算出対象期間におけるベッド稼働率を算出し、算出結果を指標欄511に表示させる。
【0117】
ベッド回転率、在宅復帰率及び要介護度4又は5の割合は、介護報酬の額を決定するための指標の一種であり、国が定める算出式により算出される。介護報酬とは、介護施設を運営するサービス事業者に対して支払われるものであり、上述のベッド回転率、在宅復帰率及び要介護度4又は5の割合を含む、国が定める各種指標に基づいてその額が決定される。なお、上記介護報酬の額を決定するための指標とは、老健に関するものであり、指標値の算出には、老健入所に関する情報が用いられる。
【0118】
ベッド回転率は、直近3月間における入退所者の割合を表す値であり、下記(1)(2)式で表される。
ベッド回転率=30.4÷平均在所日数・・・(1)
平均在所日数=直近3月間の延入所者数÷{(直近3月間の新規入所者の延数+直近3月間の新規退所者の延数)÷2}・・・(2)
ここで、ベッド回転率の算出にあたり、1週間以内の医療機関への入院に係る退所は、退所とみなされず、すなわち、1週間以内の医療機関への入院に係る退所から入所までの期間は、介護施設への入所期間とみなされる。
【0119】
情報処理装置1は、2022年6月から2022年8月までの各月について、老健入所に関し、延入所者数、新規入所者の延数、及び新規退所者の延数を算出し、算出した3月間の平均値を算出することで、ベッド回転率を取得する。
【0120】
延入所者数は、老健用ベッドにおける入所総日数から得られる。入所総日数とは、老健用ベッドにおいて入所予約の行われた日の総数である。新規入所者の延数は、各月内の老健入所者数から新規入所者に該当しない老健入所者(1週間以内入退所の有る入所者)の数を減算して得られる。なお、転室に伴う入所者(入所詳細が「転室(入)」である入所者)は新規入所者に該当しない。新規退所者の延数は、各月内の老健退所者数から新規退所者に該当しない老健退所者(1週間以内入退所の有る退所者)の数を減算して得られる。対象月の新規退所者は、通常の退所者に加えて逝去及び1週間以上の入院による退所者を含む。転室に伴う退所者(退所詳細が「転室(出)」である退所者)は新規退所者に該当しない。情報処理装置1は、入退所DB113及び管理DB117に記憶する情報に基づき、特定の期間毎に、延入所者数、新規入所者の延数、及び新規退所者の延数をカウントする。情報処理装置1は、算出結果を指標欄511に表示させる。
【0121】
在宅復帰率は、算定日が属する月の前6月間における在宅で介護を受けることになった退所者の割合を表す値であり、下記(3)式で表される。
在宅復帰率=前6月間の居宅への退所者の延数÷(前6月間の退所者の延数-前6月間の死亡した者の総数)×100・・・(3)
ここで、在宅復帰率の算出にあたり、退所者の延数とは、当該介護施設における入所期間が1か月間を超える対象月退所者の延数である。1週間以内の医療機関への入院に係る退所は、退所とみなされない。居宅とは、自宅に加え、例えば親戚宅、自宅扱いの施設(例えば有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅等の施設)等、自宅とみなされるものを含む。また、要介護度4以上の退所者については、退所後14日以内に再入所した場合には居宅への退所とみなされない。要介護度3以下の退所者については、退所後30日以内に再入所した場合には居宅への退所とみなされない。
【0122】
情報処理装置1は、2022年2月から2022年8月までの各月について、老健入所に関し、居宅への退所者の延数、退所者の延数、及び死亡者の総数を算出し、算出した6月間の平均値を算出することで、在宅復帰率を取得する。居宅への退所者の延数は、各月内における老健退所者のうち、退所詳細が「退所」、且つ退所後の行先の種類が「自宅」又は「施設(自宅)」である老健退所者の数である。退所者の延数は、各月内における老健退所者の数から、退所者に該当しない老健入所者(例えば、1週間以内入退所の有る退所者、要介護度が所定値以上であり且つ退所後所定日数以内の再入所日が記録された退所者)の数を減算して得られる。死亡者の総数は、各月内における老健退所者のうち、退所詳細が「逝去」である老健退所者の数である。情報処理装置1は、管理DB117に記憶する情報に基づき、特定の期間毎に、居宅への退所者の延数、退所者の延数、及び死亡者の総数をカウントする。この場合において、情報処理装置1は、入所日数に基づき、入所期間が1か月間を超える退所の情報のみを計算対象とする。情報処理装置1は、算出結果を指標欄511に表示させる。
【0123】
要介護度4又は5の割合は、直近3月間の入所者延日数に対する、前3月間における要介護度4又は要介護度5に該当する入所者の延日数の割合を表す値である。
【0124】
情報処理装置1は、入退所DB113及び管理DB117に記憶する情報に基づき、2022年6月から2022年8月までの各月について、老健入所に関し、要介護度4又は5に該当する入所者の延日数及び入所者延日数を導出する。各月の要介護度4又は5に該当する入所者の延日数は、以下の算出手法により求めてもよい。初めに、月初めの老健入所者数に対し、月初めの要介護度4又は5に該当する入所者の比率を乗じて得られる値に、さらに月の日数を乗じて得られる値を取得する。取得した値に、月途中に入所した要介護度4又は5に該当する入所者の入所日数及び月途中に要介護度4又は5に区変した入所者の入所日数を加えるとともに、月途中に退所した要介護度4又5に該当する退所者の入所日数を減じて得られる値を、要介護度4又は5に該当する入所者の延日数とすることができる。
【0125】
情報処理装置1は、入所者延日数に対する、要介護度4又は5に該当する入所者の延日数の割合を算出し、算出した3月間の平均値を算出することで、要介護度4又は5の割合を取得する。
【0126】
上述した各種指標は、予約表502に対応付けて表示されてもよい。
図15は、予約表を含む予約表画面50の第3例を示す模式図である。
図15に示す例にて、予約表502は、指標表示部509を備える。指標表示部509は、老健用ベッド及びショートステイ用ベッドそれぞれと、ベッド全体とについて、空床数、入所数及びベッド稼働率を日毎に表示する。情報処理装置1は、上述の算出方法に従い、ベッド稼働率を日毎に算出し、算出結果を指標表示部509に表示させる。指標表示部509は、予約表502において折りたたみ/展開可能に構成され、ユーザの操作に応じて表示/非表示が切り替えられてもよい。
【0127】
なお、上述した各種指標の定義及びその算出方法は一例であり、上述の例に限定されない。情報処理装置1は、各データベースに記憶する予約に関する情報を用いて、介護報酬改定に応じて定義される各種指標を、適宜の計算方法により算出するものであってよい。
【0128】
図16は、ベッド種類の受け付けに関する処理手順の一例を示すフローチャートである。以下の各フローチャートにおける処理は、情報処理装置1の記憶部12に記憶するプログラム1Pに従って制御部11により実行されてもよく、制御部11に備えられた専用のハードウェア回路(例えばFPGA又はASIC)により実現されてもよく、それらの組合せによって実現されてもよい。また、以下の各フローチャートにおける処理は、介護施設端末2の記憶部22に記憶するプログラム2Pに従って制御部21により実行されてもよく、制御部21に備えられた専用のハードウェア回路により実現されてもよく、それらの組合せによって実現されてもよい。
【0129】
介護施設端末2の制御部21は、例えばユーザのアカウント情報によるログイン後、ユーザが操作部25を操作することによる、介護施設における所定のベッドに対するベッド種類の設定を受け付ける(ステップS11)。制御部21は、予約表502を通してベッド種類の設定を受け付けてもよい。制御部21は、受け付けたベッド種類の設定を情報処理装置1へ送信する(ステップS12)。
【0130】
情報処理装置1の制御部11は、ベッド種類の設定を受信する(ステップS13)。制御部11は、受信したベッド種類の設定をベッド情報テーブル1112に記憶する(ステップS14)。具体的には、ベッド情報テーブル1112において、受信した所定のベッドのベッドID及びログインしたアカウント情報に対応する介護施設の介護施設IDに対応させて、受信したベッド種類を記憶する。制御部11は、処理を終了する。
【0131】
図17は、ベッドの予約の受け付けに関する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0132】
介護施設端末2の制御部21は、例えばユーザのアカウント情報によるログイン後、ユーザが操作部25を操作することによる、予約表502の表示要求を受け付ける(ステップS21)。制御部21は、表示要求を情報処理装置1へ送信する(ステップS22)。
【0133】
情報処理装置1の制御部11は、表示要求を受信する(ステップS23)。制御部11は、予約表502を含む予約表画面50を生成する(ステップS24)。予約表502は、表示対象期間に対応する日付列を有する複数のベッド行503を備える。制御部11は、入退所DB113を参照し、ログインしたアカウント情報に対応する介護施設の介護施設IDに対応する表示対象期間における入退所情報を特定する。制御部11は、特定した入退所情報に基づいて、各ベッドの予約状況を示す情報を予約表502上に表示させる。制御部11は、予約表502に加え、各種指標値及び空き枠リスト等をさらに生成し、予約表画面50に表示させてもよい。
【0134】
制御部11は、生成した予約表画面50を、ログインしたアカウント情報に対応する介護施設の介護施設端末2へ送信する(ステップS25)。
【0135】
介護施設端末2の制御部21は、予約表画面50を受信し(ステップS26)、受信した予約表画面50を表示部24に表示する(ステップS27)。
【0136】
制御部21は、ユーザが操作部25を操作することによる、入所情報又は退所情報の登録を受け付ける(ステップS28)。制御部21は、入所情報及び退所情報の両方を受け付けてもよい。制御部21は、受け付けた入所情報又は退所情報を情報処理装置1へ送信する(ステップS29)。
【0137】
情報処理装置1の制御部11は、入所情報又は退所情報を受信する(ステップS30)。制御部11は、受信した入所情報又は退所情報を入退所DB113に記憶する(ステップS31)。制御部11はまた、受信した入所情報又は退所情報に基づき所定の情報を導出し、導出した情報と、受信した入所情報又は退所情報の一部とを対応付けて管理DB117に記憶する。
【0138】
制御部11は、受信した入所情報又は退所情報に基づいて、予約表画面50を更新するための更新情報を生成する(ステップS32)。更新情報は、最新の予約状況を予約表502に表示させるための情報を含む。更新情報は、予約表502に関する更新情報に加え、各種指標及び空き枠リストに関する更新情報を含んでもよい。制御部11は、生成した更新情報を介護施設端末2へ送信する(ステップS33)。
【0139】
介護施設端末2の制御部21は、更新情報を受信し(ステップS34)、受信した更新情報に基づいて、予約表画面50を更新する(ステップS35)。制御部21は、予約の受け付けを終了するか否かを判定する(ステップS36)。例えば所定の登録要求操作を受け付けたことにより、予約の受け付けを終了しないと判定した場合(ステップS36:NO)、制御部21は、処理をステップS28に戻し、新たな入所情報又は退所情報を受け付ける。所定の登録要求操作を受け付けていないことにより、予約の受け付けを終了すると判定した場合(ステップS36:YES)、制御部21は、処理を終了する。
【0140】
本実施形態によれば、入所の予約に関する情報を情報処理装置1により一元管理し、収集した予約に関する情報に基づき導出した介護施設の稼働状況を把握するための各種情報を、情報処理装置1から介護施設端末2へ送信することができる。ユーザは、介護施設端末2を介して提供される各種情報を確認することで、介護施設の稼働状況を容易且つ好適に把握することができ、予約の受け付け及び予約管理の作業負担が低減され、作業の効率性が向上される。
【0141】
ユーザは、予約表502を用いて簡単な操作を行うのみで、入退所の予約登録を行うことができる。予約状況は、予約表502を通じて、複数のベッドの予約状況を一見して確認可能に提示されるため、視覚的に容易且つ正確に把握することができる。
【0142】
予約表502は、通常のショートステイ用ベッドに対するショートステイ入所者の予約及び老健用ベッドに対する老健入所者の予約に加えて、老健用ベッドに対するショートステイ入所者の予約を受け付け可能に構成されている。複数のベッドを有し、複数種の入所態様に係る入所者を受け入れる介護施設において、介護施設全体としてのベッド稼働率の向上を図りつつ、各入所者の予約を正確に把握することができる。
【0143】
予約状況に加えて各種指標値や空き枠リストを提示することで、ユーザの予約管理作業及び営業活動をより好適に支援することができる。ベッド稼働率や介護報酬額の決定に用いる指標を最適化することは、介護施設の運営において重要である一方で、各種指標を求めるには煩雑な計算を要する。上記構成によれば、情報処理装置1により予約に関する情報を一元管理することで、各種指標をリアルタイムで提供することができる。ユーザは、各ベッドの稼働状況と、介護報酬の決定に用いられる指標値との両方を考慮し、ベッドコントロールの最適化を図ることができる。
【0144】
(第2実施形態)
第2実施形態では、入退所予定表を提供する構成を説明する。以下の各実施形態では主に第1実施形態との相違点を説明し、第1実施形態と共通する構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0145】
図18は、第2実施形態における入退所予定表53の一例を示す模式図である。第2実施形態の情報処理装置1は、介護施設における入退所者を管理するための入退所予定表を生成し、介護施設端末2へ提供する。
【0146】
図18に示すように、入退所予定表53は、所定期間における入所者を一覧で示す入所予定表531と、所定期間における退所者を一覧で示す退所予定表532とを含む。入退所予定表53は、例えば1か月単位で生成されてもよく、1日単位で生成されてもよい。
【0147】
入所予定表531の表示項目は、例えば入所日、入所時刻、入所者名、ベッド番号、入所元、及びショート入所有無を含む。ショート入所有無は、入所直前におけるショートステイ入所の利用有無である。入所予定表531はまた、入所前後訪問指導の実施状況の入力を受け付けるための複数の入力欄533を備える。退所予定表532の表示項目は、例えば退所日、退所者名、ベッド番号、退所後の行先、及び在宅復帰に該当するか否かを含む。退所予定表532はまた、退所前後訪問指導の実施状況の入力を受け付けるための複数の入力欄534を備える。
【0148】
情報処理装置1は、管理DB117の入所テーブル1171を参照し、入所日が入所予定表531の生成期間に属する入所の予約を特定し、特定した入所の予約に関する各表示項目の情報を抽出する。情報処理装置1は、抽出した情報を入所日の降順に並べるとともに、各入所の予約に対応付けた入力欄533を設けることにより、入所予定表531を生成する。情報処理装置1はまた、入退所DB113を参照し、各入所者における入所時刻及びショートステイ入所の利用有無を特定する。同様に、情報処理装置1は、管理DB117の退所テーブル1172を参照し、退所日が退所予定表532の生成期間に属する退所の予約に関する各表示項目の情報を抽出する。情報処理装置1は、抽出した情報を退所日の降順に並べるとともに、各退所の予約に対応付けた入力欄534を設けることにより、退所予定表532を生成する。
【0149】
入退所予定表53は、ショートステイに係る入退所予定を含んでもよい。また、入退所予定表53はさらに、1週間以内入院者のリスト、1週間以内退院者のリスト、及び逝去者のリスト等を含んでもよい。
【0150】
入退所予定表53は、入所前後訪問指導及び退所前後訪問指導の実施状況の入力受け付け機能を備える。介護施設端末2は、情報処理装置1から送信された入退所予定表53を表示部24へ表示し、入退所予定表53を利用して、入所前後訪問指導及び退所前後訪問指導の実施状況の入力をユーザから受け付ける。
【0151】
ユーザは、入所予定表531に表示された入所者のうち入所前後訪問指導を実施済みの入所者に対応する入力欄533に、実施済みであることを示す情報を入力する。
図18の例では、入力欄533はチェックボックスにより構成されており、入所前後訪問指導を実施済みの場合、チェックボックスにチェックが入力される。また、ユーザは、退所予定表532に表示された退所者のうち退所前後訪問指導を実施済みの退所者に対応する入力欄534に、実施済みであることを示す情報を入力する。介護施設端末2は、受け付けた入所前後訪問指導及び退所前後訪問指導の実施状況を、情報処理装置1へ送信する。情報処理装置1は、受信した入所前後訪問指導及び退所前後訪問指導の実施状況を、管理DB117に記憶する。
【0152】
情報処理装置1は、取得した入所前後訪問指導及び退所前後訪問指導の実施状況に基づき、入所前後訪問指導割合及び退所前後訪問指導割合を算出してもよい。入所前後訪問指導割合及び退所前後訪問指導割合は、上述したベッド回転率等と同様、介護報酬額の決定に用いる指標の一種である。入所前後訪問指導割合は、前3月間の新規入所者の延数に対する、前3月間の入所者のうち入所前後訪問時指導を行った者の延数の割合を求めることで得られる。退所前後訪問指導割合は、前3月間における居宅への新規退所者の延数に対する、前3月間の退所者のうち退所前後訪問時指導を行った者の延数の割合を求めることで得られる。情報処理装置1は、得られた入所前後訪問指導割合及び退所前後訪問指導割合を、入所予定表531又は予約表502に対応付けて表示させてもよい。
【0153】
なお入退所予定表53は、入所予定表531及び退所予定表532のいずれか一方であってもよい。また入所予定表531は、新たな入所者及び退所者を表示するものに限らず、例えば日毎の各ベッドに対する入所者を一覧で表示するものであってもよい。情報処理装置1は、入退所DB113に記憶する情報に基づき、介護施設における全てのベッドについて、ベッド番号、入所者名、当該入所者の入所日、退所日、退所先等を対応付けて表示する入退所予定表53を日毎に生成する。入退所予定表53にはさらに、各ベッドに対する次の予約に係る入所予定者名、入所予定日、入所元等が表示されてもよい。これにより、当日の全入所者を一覧で確認することができる。
【0154】
図19は、第2実施形態の情報処理システム100が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0155】
介護施設端末2の制御部21は、例えばユーザのアカウント情報によるログイン後、ユーザが操作部25を操作することによる入退所予定表53の出力要求を受け付け、受け付けた入退所予定表53の要求を情報処理装置1へ送信する(ステップS41)。制御部21は、例えば、
図11に示した予約表画面50の上部に設けられた「入退所予定」と表示されたタブを指定することにより、入退所予定表53を含む入退所予定画面の要求を受け付けてもよい。
【0156】
情報処理装置1の制御部11は、入退所予定表53の要求を受信する(ステップS42)。制御部11は、管理DB117に記憶する情報に基づき、入退所予定表53を生成する(ステップS43)。制御部11は、管理DB117を参照して、ログインしたアカウント情報に対応する介護施設の介護施設IDに関し、所定期間における入所及び退所の予約状況を導出し、導出した予約状況に基づき、入退所予定表53を生成する。制御部11は、生成した入退所予定表53を介護施設端末2へ送信する(ステップS44)。
【0157】
介護施設端末2の制御部21は、入退所予定表53を受信し(ステップS45)、受信した入退所予定表53を表示部24に表示する(ステップS46)。
【0158】
制御部21は、ユーザが操作部25を操作することによる、入所前後訪問指導及び退所前後訪問指導の実施状況の入力を受け付ける(ステップS47)。制御部21は、受け付けた入所前後訪問指導及び退所前後訪問指導の実施状況を示す情報を、情報処理装置1へ送信する(ステップS48)。
【0159】
情報処理装置1の制御部11は、入所前後訪問指導及び退所前後訪問指導の実施状況を示す情報を受信する(ステップS49)。制御部11は、受信した入所前後訪問指導及び退所前後訪問指導の実施状況を管理DB117に記憶し(ステップS50)、一連の処理を終了する。
【0160】
上述の処理において、制御部11は、入退所予定表53の要求の受け付けに応じて入退所予定表53を生成するものに限らず、所定のタイミング(例えば毎月1日)で自動的に入退所予定表53を生成し、介護施設端末2へ送信してもよい。
【0161】
本実施形態によれば、所定期間の入退所者を一覧で示す入退所予定表53により、入退所者の全体を明確に把握することができる。また、ユーザは、入退所予定表53を利用して入所前後訪問指導及び退所前後訪問指導の実施状況を容易に入力することができる。入力された入所前後訪問指導及び退所前後訪問指導の実施状況に基づき、入所前後訪問指導割合及び退所前後訪問指導割合を効率的に算出することができる。
【0162】
(第3実施形態)
第3実施形態では、予約の空き状況の通知を生成する構成を説明する。
図20は、第3実施形態の情報処理装置1が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理装置1の制御部11は、例えば所定のタイミング(例えば毎月1日)又は所定条件を満たしたタイミング(例えば空床日数が所定値以上となった場合、ベッド稼働率が所定値未満となった場合等)にて以下の処理を開始する。制御部11は、ユーザによる通知生成要求の受け付けに応じて以下の処理を開始してもよい。
【0163】
情報処理装置1の制御部11は、入退所DB113に記憶する情報に基づき、介護施設における予約の空き状況を取得する(ステップS61)。制御部11は、例えば、入退所DB113に記憶する情報に基づき、通知の生成対象日又は生成対象日以降の特定日において、空床日数列に0以外が格納されている老健用ベッドを特定することで、予約の空き状況を取得する。制御部11は、取得した予約の空き状況に基づき、予約の空き状況を通知するための通知情報を生成する(ステップS62)。通知情報は、例えば予約の空き状況を示すテキスト形式の文書である。
【0164】
制御部11は、例えばメール機能、インターネットFAX機能、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)機能等により、生成した通知情報を医療機関端末4へ送信する(ステップS63)。通知情報は、例えば音声情報を含み、自動音声案内機能等により出力されてもよい。制御部11は、予め記憶する送信先リストに従い、介護施設の周辺に設置される医療機関に係る各医療機関端末4へ通知を送信してもよい。送信先リストは、医療機関DB115に記憶する情報に基づき作成されてもよい。制御部11は、例えば、介護施設からの距離が所定値以下の医療機関のみへ通知を送信してもよい。制御部11は、例えば、医療機関DB115における距離、医療機関のベッド数、年間退院者数、老健入所者数、及び介護サービス提供の有無の少なくとも1つに基づき、送信先候補となる医療機関の優先度を決定してもよい。制御部11は、医療機関DB115に記憶する複数の医療機関の中から優先度が高い順に所定数の医療機関を選択することで送信先を特定してもよい。制御部11は、入所元・退所先DB116に記憶する医療機関に係る各医療機関端末4へ通知を送信してもよい。
【0165】
上述の処理において、情報処理装置1は、老健用ベッドに加えて、ショートステイ用ベッドの空き状況を取得してもよい。情報処理装置1は、医療機関端末4へ通知情報を送信するものに限定されず、居宅介護支援事業所端末3へ通知情報を送信してもよい。情報処理装置1は、受信した通知情報に基づき、例えば老健用ベッド及びショートステイ用ベッドの空き状況の両方又はいずれか一方を選択し、所望の医療機関又は居宅介護支援事業所へ通知を送信してもよい。情報処理装置1は、介護施設端末2へ通知情報を送信してもよい。介護施設の担当者は、介護施設端末2により受信した通知情報に基づき、所望の医療機関又は居宅介護支援事業所へ通知を送信することができる。
【0166】
図21は、空き状況の通知の一例を示す模式図である。通知情報に基づく空状況の通知には、空き枠を有する老健用ベッド数が部屋種類及び部屋の性別毎に表示される。空き枠は、認知症型/一般型の別を考慮して表示されてもよい。
図21に示す例では、通知の生成対象日と、生成対象日から所定日数後とにおける空状況が表示されている。なお、通知における空き状況は、ユーザの操作を受け付けることにより変更可能であってよい。
【0167】
本実施形態によれば、情報処理装置1により、介護施設の空き状況を自動で収集し関係各所へ通知することができる。入所予約の受け付けのための営業活動における空き枠の確認、通知作成、電話連絡等といった工数を低減し、ユーザの作業負担を軽減することができる。
【0168】
(第4実施形態)
第4実施形態では、予約表を通じて収集した入退所情報に基づいて、各種の一覧情報を提供する。一覧情報としては、例えば、各種統計指標を示すダッシュボード54、営業先である医療機関を示す医療機関リスト55、営業先である居宅介護支援事業所を示す居宅リスト56、在宅復帰者を示す在宅復帰者リスト57、全ベッドに対する入所者を示す全入所者リスト58等が挙げられる。各種の一覧情報は、例えばそれら一覧情報を含む画面として介護施設端末2の表示部24に表示される。
【0169】
図22は、ダッシュボード54の一例を示す模式図である。ダッシュボード54は、例えば横軸を期間、縦軸を各種指標とする表形式であり、単位期間毎に算出された各種指標を一覧で示す。指標の算出単位は、例えば1か月間とすることができる。
図22の例にて、表示項目となる指標は、全体稼働状況、老健入所、老健入退所、ショートステイ入所、ショートステイ利用者、及びショートステイ継続利用等の複数カテゴリに区分されている。
【0170】
全体稼働状況の指標には、ベッド稼働率及び空床利用数が含まれる。ベッド稼働率は、介護施設の有する全ベッドに対する全体稼働率と、ベッド種類毎のベッド種別稼働率とを含んでもよい。空床利用数は、老健用ベッドの空き枠に対するショートステイ入所者の利用数(入所日数)である。
【0171】
老健入所の指標には、老健入所又は老健用ベッドに関する指標が含まれ、例えば期間末空床数、平均入所間空室日数、入退所被せ数、ベッド回転率、及び在宅復帰率が含まれる。期間末空床数は、単位期間の最終日(
図22では月末日)における合計空床数である。平均入所間空室日数は、期間中に入退所があった老健用ベッドにおける、退所者が退所してから次の入所者が入所するまでの空室日数の平均値である。入退所被せ数は、同一ベッドに対し同日に異なる2つの利用予約が存在する日数の合計値である。ベッド回転率及び在宅復帰率は、第1実施形態で説明したものと同様である。また、ベッド回転率等に基づいて「在宅復帰・在宅療養支援等指標」を点数として算出して表示してもよい。
【0172】
老健入退所の指標には、老健利用の入所者に関する入所者数、退所者数、1週間以内入退所数、及び逝去数を含む。入所者数は、単位期間あたりの全入所者数に加えて、入所タイプ別の入所者数が算出されてもよい。入所タイプとしては、例えば、医療機関及び非自宅扱いの施設からの入所である「非自宅より」、自宅及び自宅扱いの施設からの入所である「自宅より」、自宅及び自宅扱いの施設からの入所の中でも特に2回目以降の入所である「自宅からの再入所」等が挙げられる。退所者数は、単位期間あたりの全退所者数に加えて、退所タイプ別の退所者数が算出されてもよい。退所タイプとしては、例えば、在宅復帰の要件にあてはまる「在宅復帰者」、在宅復帰の要件にあてはまらない「非在宅復帰者」等が挙げられる。1週間以内入退所数とは、医療機関への入院に応じて、介護施設から退所した後1週間以内に再び当該介護施設へ入所した入所者の合計数である。
【0173】
ショートステイ入所、ショートステイ利用者及びショートステイ継続利用における指標はいずれも、ショートステイ入所者に関する指標である。
【0174】
ショートステイ入所の指標には、ショートステイ入所者の利用日数(入所日数)が含まれる。利用日数は、単位期間あたりの全利用日数に加えて、ベッド種類毎の利用日数、すなわちショートステイ用ベッドにおけるショートステイ入所者の利用日数と、老健用ベッドの空床利用におけるショートステイ入所者の利用日数を含む。
【0175】
ショートステイ利用者の指標には、ショートステイ入所に関する利用者数が含まれる。利用者数は、単位期間あたりの全利用者数に加えて、入所者の利用タイプ別の利用者数を含む。入所者のタイプとしては、例えば、初めて対象介護施設のショートステイ利用予約を行った「新規利用」、対象施設を定期的に利用している(例えば、過去所定期間内に所定回数のショートステイ利用予約がされている)「定期利用」、対象施設を不定期に利用している(新規利用及び定期利用のいずれにも当てはまらない)「不定期利用」等が挙げられる。
【0176】
ショートステイ継続利用の指標には、入所者における利用タイプの変換状況を表す情報が含まれる。利用タイプの変換は、例えば、新規から定期、新規から入所、新規から休止、定期から定期、定期から入所、及び定期から休止に分類される。新規から定期とは、当月(対象期間)の新規利用者が翌月(次の対象期間)においてショートステイの利用予約を行ったことを意味する。新規から入所とは、当月の新規利用者が当月又は翌月において老健の利用予約を行ったことを意味する。新規から休止とは、当月の新規利用者が翌月において利用予約を行わなかったことを意味する。定期からの変換についても同様である。
【0177】
ダッシュボード54は、情報処理装置1の記憶部12の各種データベースにおける情報に基づいて各種指標を算出することにより、制御部11が自動で生成する。例えば、入退所DB113を参照し、単位期間毎の全入退所情報を読み出し、読み出した入退所情報の空床日数及び被せ入所日の合計数を算出することにより、ベッド稼働率が得られる。
【0178】
入退所DB113及び/又は管理DB117を参照し、単位期間毎に、対象単位期間に退所が記録された全老健入所者数と、退所後の行先から特定される入所タイプ別の老健入所者数と、入所元をさらに加味した再入所者数とをカウントすることにより、月内入所者数が得られる。入退所DB113及び/又は管理DB117を参照し、対象単位期間内に退所が記録された退所者の合計数を算出することにより、月内退所者数が得られる。さらに、各月内退所者における在宅復帰の該当有無に基づいて、退所タイプ別の退所者数が得られる。入退所DB113を参照し、入所者毎の予約履歴を解析することで特定される利用タイプを加味して入所日数をカウントすることにより、各利用者数や継続利用数が得られる。ベッド回転率及び在宅復帰率の算出方法は、第1実施形態で説明した通りである。
【0179】
ダッシュボード54は、例えば数値が閾値未満又は閾値以上である場合、アラート情報を表示するよう構成されてもよい。制御部11は、アラート出力対象となる各指標と、閾値とを対応付けて予め記憶しておく。制御部11は、算出した数値が閾値未満又は閾値以上であると判定した場合、ダッシュボード54における当該数値に対し、色付け、枠線、点滅等の処理を施すことで、アラート情報を認識可能に表示する。ダッシュボード54の指標内容は一例であり限定されるものではない。算出方法は適宜設定可能であり、また絶対数に代えて基準値に対する相対数を用いる、定性的に示す等、任意に変更されてもよい。ユーザが、指標の算出基準となる単位期間を指定できるように構成してもよい。
【0180】
図23は、医療機関リスト55の一例を示す模式図である。医療機関リスト55は、介護施設における入所者の予約状況に応じて特定される営業対象、すなわち新たな予約受け付けの可能性を有する医療機関のリストである。
【0181】
医療機関リスト55は、例えば表形式であり、項目として、医療機関の名称、所在地、距離、系列法人における介護老人保健サービスの提供有無、退院者数、介護老人保健施設への入所数、対象介護施設への入所数、及び連絡先等が含まれる。距離は、医療機関から対象介護施設までの距離である。介護老人保健施設への入所数とは、直近の所定期間における、医療機関における退院者のうちの介護老人保健施設への総入所数である。対象介護施設への入所数とは、総入所数のうち、医療機関リスト55の生成対象となる介護施設への入所数である。
【0182】
医療機関リスト55は、例えば、国や地方自治体の提供する医療機関の公開情報、地図情報、及び入退所DB113に記憶する情報等に基づき、情報処理装置1が自動で生成する。対象介護施設への入所数は、各医療機関の名称と入退所情報における入所元とが一致する入所者をカウントすることにより算出することができる。対象介護施設への入所数は、単位期間(例えば、1か月間)毎に算出されてもよい。
【0183】
情報処理装置1は、医療機関リスト55の所定項目に基づいて、リスト中の複数の医療機関を営業先候補順にソートする機能を有する。ソート項目は、例えば距離、介護老人保健サービスの提供有無、介護老人保健施設への入所数、対象介護施設への入所数等である。ソート項目には、ソート項目間での優先順位が設定されていてもよい。情報処理装置1は、ソート項目について、昇順又は降順、あるいは有無に応じて医療機関をソートし、ソートされた医療機関を一覧で閲覧可能な医療機関リスト55を生成する。例えば、距離が近い程、介護老人保健サービスの提供がない場合程、介護老人保健施設への入所数が多い程、対象介護施設への入所数が少ない程、順位が高くなる。ソート項目には、抽出対象とする上限値又は下限値が設定されていてもよい。情報処理装置1は、初期設定されているソート項目及び優先順位に従い医療機関を並び替えてもよく、ユーザから指定されたソート項目に従い医療機関を並び替えてもよい。医療機関リスト55は、フィルタ機能を備え、一部の情報の表示/非表示を選択可能であってもよい。医療機関リスト55は、例えば、距離、介護老人保健サービスの提供有無、介護老人保健施設への入所数等に応じてフィルタ可能であってもよく、表示対象となる医療機関を距離20km未満に絞りこみ可能であってもよい。
【0184】
図24は、居宅リスト56の一例を示す模式図である。居宅リスト56は、介護施設における入所者の予約状況やショートステイの紹介人数に応じて特定される営業対象、すなわち新たな予約受け付けの可能性を有する居宅介護支援事業所のリストである。
【0185】
居宅リスト56は、例えば表形式であり、項目として、居宅介護支援事業所の名称、所在地、距離、系列法人におけるショートステイサービスの提供有無、ケアプラン数、ケアマネージャー数、連絡先、及び対象介護施設へのショートステイ紹介人数等が含まれる。ケアプラン本数とは、居宅介護支援事業所で作成されるケアプランの本数である。ショートステイ紹介人数とは、直近の所定期間における、対象介護施設に対する居宅介護支援事業所からのショートステイ入所の紹介人数である。ショートステイ紹介人数は、単位期間毎(例えば1か月ごと)の紹介人数と、直近の所定期間(例えば12か月間)における合計人数とを含んでもよい。その他の項目の内容は、医療機関が居宅介護支援事業所に代わる以外は医療機関リスト55と同様である。
【0186】
居宅リスト56は、例えば、国や地方自治体の提供する居宅介護支援事業所の公開情報、地図情報、入退所DB113、及び入所者DB112に記憶する情報等に基づき、情報処理装置1が自動で生成する。情報処理装置1は、居宅リスト56の所定項目に基づいて、リスト中の複数の居宅介護支援事業所を営業先候補順にソートする機能を有する。ソート項目は、例えば距離、ショートステイサービスの提供有無、ケアプラン本数、ケアマネージャー数、紹介人数等である。居宅リスト56は、フィルタ機能を備えてもよい。居宅リスト56は、例えば距離、ショートステイサービスの提供有無、ケアマネージャー数、紹介人数等に応じて表示/非表示を選択可能に構成される。
【0187】
医療機関リスト55及び居宅リスト56により、優先的に空き枠情報等を提示すべき施設を一見して容易に把握可能となり、効率的な営業活動につながる。情報処理装置1は、医療機関リスト55又は居宅リスト56における順位の高い医療機関又は居宅介護支援事業所に対し、第3実施形態で説明した空き状況の通知を送信してもよい。医療機関リスト55及び居宅リスト56は、予め設定される所定項目に係る数値が閾値未満又は閾値以上である場合、アラート情報を表示するよう構成されてもよい。
【0188】
図25は、在宅復帰者リスト57の一例を示す模式図である。在宅復帰者リスト57は、介護施設における退所者のうち、在宅復帰に該当する退所者のリストである。在宅復帰者リスト57は、例えば表形式であり、項目として、退所日、退所者名、退所後の行先、及び再入所予約が登録みであるか否かを示す情報等が含まれる。情報処理装置1は、入退所DB113及び管理DB117に記憶する情報に基づいて、直近の所定期間において退所情報が記録された退所者の中から在宅復帰に該当する退所者を抽出し、抽出した退所者の退所日、退所者名及び退所後の行先を一覧で表示する在宅復帰者リスト57を生成する。情報処理装置1はまた、退所日以降の予約状況に基づいて、再入所予約の登録有無を判定し、判定結果に応じた情報を再入所予約列に表示させる。
【0189】
在宅復帰者リスト57の項目には、再入所の可能性があるか否かを示す情報が含まれてもよい。再入所の可能性の有無の判定は、ユーザにより行われてもよく、予め設定された判定ルールに従い情報処理装置1が実行してもよい。在宅復帰者リスト57は、表示部24に表示された在宅復帰者リスト57を通じて、ユーザの操作による、再入所の可能性の有無の入力を受け付けるように構成されてもよい。在宅復帰者リスト57は、任意情報を入力可能なメモ欄を備えてもよい。
【0190】
在宅復帰者リスト57は、所定項目に基づいてソート可能に構成されてもよい。ソート項目としては、例えば退所日、退所後の行先、再入所予約の登録有無、再入所の可能性の有無等が挙げられる。情報処理装置1は、例えば、介護施設端末2を通じてユーザからソート項目の指定を受け付け、指定されたソート項目に従い退所者を並び替える。在宅復帰者リスト57は、新たな入所予約を受け付けるためのフォロー作業のためのリストとして活用し得る。在宅復帰者リスト57は、フィルタ機能を備えてもよい。在宅復帰者リスト57は、例えば退所日、再入所予約の登録有無、再入所の可能性の有無等に応じて表示/非表示を選択可能に構成される。
【0191】
情報処理装置1は、抽出対象を、在宅復帰者に代えて退所後の行先が医療機関である退所者とすることにより、医療機関への退所者リストを生成してもよい。医療機関への退所者リストには、介護施設における退所者のうち、退所後の行先が医療機関である退所者に関する退所日、退所者名、退所後の行先、再入所予約の登録みであるか否かを示す情報、及び再入所の可能性があるか否かを示す情報等が一覧で表示される。医療機関への退所者リストは、新たな入所予約を受け付けるためのフォロー作業のためのリストとして活用し得る。
【0192】
図26は、全入所者リスト58の一例を示す模式図である。全入所者リスト58は、介護施設における全てのベッドに対する入所者を示すリストである。全入所者リスト58は、所定期間毎に生成される。
図26では、日毎の全入所者リスト58の例を示す。全入所者リスト58は、例えば表形式であり、項目として、ベッド番号、当該ベッド番号のベッドに対する入所者の氏名、入所日、退所日、退所後の行先、次に入所が予定されている入所予定者の氏名、入所日及び入所元等が含まれる。全入所者リスト58の項目には、入所者の性別、入所タイプ(例えば老健入所又はショートステイ入所)が含まれてもよい。
【0193】
全入所者リスト58は、入退所DB113等に記憶する情報に基づき、情報処理装置1が自動で生成する。情報処理装置1は、全入所者リスト58の生成対象日における全ての入所者の氏名等を抽出し、ベッド番号に対応付けて表示する。生成対象日における入所予約が存在しないベッドについては、空白又は空床であることを示す情報が表示されてもよい。情報処理装置1は、入所者に係る退所情報が記憶されている場合には、退所日及び退所後の行先を表示するとともに、対象ベッドに対する次の入所予定に係る入所情報が記憶されている場合には、入所予定者の氏名、入所日及び入所元を表示する。
【0194】
全入所者リスト58は、表形式に限らず、例えばマップ形式であってもよい。マップ形式の全入所者リスト58の場合、介護施設内のベッドのレイアウトを描画した施設マップ上に、各ベッドの入所者氏名等が表示されてもよい。
【0195】
上述した各種の一覧情報を含む画面には、印刷ボタン59(
図26参照)が含まれ、当該印刷ボタン59の選択を受け付けた場合、一覧情報を含む画面を所定のプリンタへ送信する構成であってもよい
【0196】
図27は、一覧情報の出力処理の一例を示すフローチャートである。介護施設端末2の制御部21は、例えばアカウント情報を用いたログイン受け付け後、操作部25を介して特定の一覧情報の表示要求を受け付けると以下の処理を開始する。
【0197】
介護施設端末2の制御部21は、一覧情報の要求を情報処理装置1へ送信する(ステップS71)。
【0198】
情報処理装置1の制御部11は、一覧情報の要求を受信する(ステップS72)。制御部11は、例えば入退所DB113及び管理DB117等に記憶する情報に基づき、アカウント情報に対応する一覧情報を生成する(ステップS73)。例えばダッシュボード54が要求された場合、制御部11は、各種データベースを参照して介護施設に関する各種指標を算出する。
【0199】
制御部11は、一覧情報を含む画面を生成し(ステップS74)、生成した一覧情報を含む画面を介護施設端末2へ送信する(ステップS75)。
【0200】
介護施設端末2の制御部21は、一覧情報を含む画面を受信する(ステップS76)。制御部21は、受信した一覧情報を含む画面を表示部24に表示し(ステップS77)、一連の処理を終了する。なお、情報処理装置1は介護施設端末2からの要求に応じて一覧情報を生成するものに限らず、例えば定期的なタイミングで一覧情報を生成し、出力してもよい。
【0201】
本実施形態によれば、予約表を通じて収集した入退所情報に基づいて、介護施設の状況を示す各種一覧を効率的に生成することができ、本システムの活用度が向上する。各種一覧により介護施設の運用状況を一見して容易に把握でき、担当者の作業負担を低減し、作業効率の向上が図られる。
【0202】
各種指標を数値化して提示するダッシュボードにより、利用予約状況の現状を正確に把握することができ、今後の対策や目標値を具体的に検討できる。
【0203】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
各実施形態に示すシーケンスは限定されるものではなく、矛盾の無い範囲で、各処理手順はその順序を変更して実行されてもよく、また並行して複数の処理が実行されてもよい。各処理の処理主体は限定されるものではなく、矛盾の無い範囲で、各装置の処理を他の装置が実行してもよい。
【0204】
各実施形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載してもよい。
【符号の説明】
【0205】
100 情報処理システム
1 情報処理装置
2 介護施設端末
3 居宅介護支援事業所端末
4 医療機関端末
11,21 制御部
12,22 記憶部
13,23 通信部
24 表示部
25 操作部
111 介護施設DB
112 入所者DB
113 入退所DB
114 居宅DB
115 医療機関DB
116 入所元・退所先DB
117 管理DB
1P,2P プログラム
1A,2A 記録媒体