(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076374
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】垂直軸風力発電機
(51)【国際特許分類】
F03D 3/04 20060101AFI20240529BHJP
F03D 3/06 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
F03D3/04 B
F03D3/06 C
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023198711
(22)【出願日】2023-11-23
(31)【優先権主張番号】10-2022-0158851
(32)【優先日】2022-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】519379097
【氏名又は名称】アメイジング サン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003801
【氏名又は名称】KEY弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ハン キョンヒ
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA13
3H178AA22
3H178AA43
3H178AA53
3H178BB31
3H178CC03
3H178CC05
3H178DD03X
3H178DD12X
3H178DD28X
(57)【要約】 (修正有)
【課題】回転翼が風に逆らって回転する際に発生する逆回転風圧を最小化し、風力発電機を多段に設置しても強風に十分に耐えられる構造的に安定した垂直軸風力発電機を提供する。
【解決手段】層状に形成されて内部が空間に形成される少なくとも2つ以上の円錐フレームと、前記円錐フレームと前記円錐フレームとの間に垂直に設置されて回転する回転翼回転軸110と、前記回転翼回転軸110に固定翼120aと可変翼120b、120c、120dに分離形成される回転翼120を連結して、回転翼120の順風力を最大に強化し逆風力は最小化して高効率発電を可能にした垂直軸風力発電機に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸が地面と垂直に形成される垂直軸風力発電機において、
層状に形成されて内部が空間に形成される少なくとも2つ以上の円錐フレーム(130)と、
前記円錐フレーム(130)の外周に垂直に貫通して地上に固定される少なくとも3つ以上の支柱(140)と、
前記円錐フレーム(130)と前記円錐フレーム(130)との間に垂直に設置されて回転する回転翼回転軸(110)と、
固定翼(120a)と可変翼(120b、120c、120d)とに区分形成され、中心に円形の風口(120e)が形成されて前記回転翼回転軸(110)に等間隔で連結される少なくとも3つ以上の回転翼(120)と、
前記円錐フレーム(130)の内部に設置され、前記回転翼回転軸(110)の上下端に連結される加速ギア(150)と、
前記加速ギア(150)に連結されて電気を生産する発電装置(M)と、を含んでなることを特徴とする垂直軸風力発電機。
【請求項2】
前記回転翼(120)は、第1可変翼(120b)、第2可変翼(120c)および第3可変翼(120d)が内側にそれぞれ連結形成され、前記可変翼が風圧によって移動しながら風口(120e)が開閉される前記固定翼(120a)と、
前記第2可変翼(120c)、前記第3可変翼(120d)が内側にそれぞれ連結形成され、前記可変翼が風圧によって移動しながら風口(120e)が開閉される前記第1可変翼(120b)と、
前記第3可変翼(120d)が内側に連結形成され、前記可変翼が風圧によって移動しながら風口(120e)が開閉される前記第2可変翼(120c)と、
前記第2可変翼(120c)の内側に連結形成され、風圧によって移動しながら前記可変翼の風口(120e)を開閉する前記第3可変翼(120d)と、を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の垂直軸風力発電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は風力発電機に関し、より詳しくは、回転翼が取り付けられて回転される回転軸が垂直に形成されて発電される垂直軸風力発電機に関する。
【背景技術】
【0002】
大規模に設置される殆どの風力発電機は水平軸で形成され、水平軸の一側に大型翼が取り付けられている水平軸風力発電機が殆どである。水平軸風力発電機は翼が水平軸の一側に取り付けられて風を受けながら回転されるため発電効率はよいが、回転翼の長さが長く、回転半径が大きく、長い回転翼が回転するため騒音が大きくて、近隣生活空間には設置するのに不適合である。
【0003】
これに対し、垂直軸風力発電機は相対的に小規模であって建物の屋上などに設置して使用することができる。
【0004】
また、水平軸風力発電機は一つで形成される水平軸に一つの発電機のみ取り付けられるが、垂直軸風力発電機は多段に設置して複数個の発電機を同時に取り付けることができるため、相対的に大量の電気を生産することができる。
【0005】
但し、垂直軸風力発電機は、垂直軸に取り付けられる回転翼が回転軸を中心に回転しながら風から受ける逆回転風圧が発生し、回転力が低減するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許第10-2448925号公報
【特許文献2】韓国登録特許第10-1498785号公報
【特許文献3】韓国登録特許第10-1483461号公報
【特許文献4】韓国登録特許第10-1554307号公報
【特許文献5】韓国登録特許第10-1325752号公報
【特許文献6】韓国登録特許第10-1722659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述したような問題点を解決するためのものであって、回転翼が風に逆らって回転する際に発生する逆回転風圧を最小化し、風力発電機を多段に設置しても強風に十分に耐えられる構造的に安定した垂直軸風力発電機を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の風力発電機に取り付けられる回転翼が回転しながら受けるしかない逆回転風圧を最小化するために、回転翼120を中心に、風口120eが形成される固定翼120aと可変翼120b、120c、120dとに区分形成することで、順風時には可変翼が、固定翼120aの風口120eを塞ぎ、逆風時には、固定翼120aの風口を開けて逆風の風圧を最小化する。
【0009】
風力発電機が多段に形成される場合、各段の間に発電装置Mと加速ギア150が内蔵されるように、空間に形成された円錐フレーム130が層状に形成され、円錐フレーム130の外周に少なくとも3つ以上の支柱140を地上まで垂直に延長固定し、強風にも十分に耐えるようにする。
【発明の効果】
【0010】
本発明による垂直軸風力発電機は、回転翼120を、固定翼120aと可変翼とに区分し、固定翼120aの内側に風圧によって移動する可変翼を連結し、中心に形成された風口120eを開閉することで、順風時には翼の風圧が最大に発生するようにし、逆風時には翼の風圧を最小化して回転翼120の回転力を強化する。
【0011】
また、垂直軸風力発電機は、小型1段で形成する場合は狭い空間に設置することができるため、田園住宅、建物の屋上、街灯の上端に設置して近隣生活に必要な電気を生産することができる。
【0012】
また、垂直軸風力発電機は、多段に形成する場合は一つの発電施設に多数個の発電装置Mを設置することができるため、空間利用率を上げることができる。
【0013】
更に、垂直軸風力発電機は、多段塔状に形成する場合は各段の間に内部が空間に形成される円錐フレーム130が層状に形成され、円錐フレーム130の外周に少なくとも3つ以上の支柱140を地上まで延長固定して強風にも十分に耐えるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の回転翼回転軸110に連結される4つの回転翼120の側面図である。
【
図2】本発明の回転翼120が一つの固定翼120aと2つの可変翼120c、120dとに分離されることを示す図である。
【
図3】本発明の回転翼120が一つの固定翼120aと3つの可変翼120b、120c、120dとに分離されることを示す図である。
【
図4】本発明の2つの可変翼120c、120dが、風口が閉まっているボウル状に結合されている形態と、固定翼120aとが分離されていることを示す図である。
【
図5】本発明の2つの可変翼がボウル状に結合されている形態と、固定翼120aとが結合されて完成された回転翼を示す図である。
【
図6】本発明のボウル状に完成された回転翼120の断面図である。
【
図7】本発明の3つの可変翼120b、120c、120dが、風口120eが閉まっているボウル状に結合されている形態と、固定翼120aとが分離されていることを示す図である。
【
図8】本発明の風口が閉まっているボウル状に結合されている3つの可変翼120b、120c、120dが、固定翼120aの風口を塞ぐ形態で固定翼120aと結合されて全体的にボウル状の回転翼120を示す図である。
【
図9】本発明のボウル状に完成された回転翼120の断面図である。
【
図10】本発明の弾力バンド120fによって連結される2つの可変翼120c、120dが、間隔が維持された形態に形成されるために、風口120eが開いている形態を示す図である。
【
図11】本発明の風口120eが開いている形態で連結されている2つの可変翼120c、120dが、固定翼120aに連結されて風口が開いている状態の完成された回転翼120を示す図である。
【
図12】本発明の風口が空いている状態で完成された回転翼120の断面図である。
【
図13】本発明の弾力バンド120fによって連結される3つの可変翼120b、120c、120dが、間隔が維持された形態に連結形成されて風口120eが空いている形態を示す図である。
【
図14】本発明の風口120eが開いている形態で連結形成されている3つの可変翼120b、120c、120dが固定翼120aに間隔が維持されたまま連結されて風口120eが開いている状態の完成された回転翼120を示す図である。
【
図15】本発明の風口が開いている状態の完成された回転翼120の断面図である。
【
図16】本発明の垂直軸風力発電機が多段に形成される場合、各段に設置されて発電装置Mと加速ギア150とが内部に取り付けられる空間が形成された円錐フレーム130の内部図である。
【
図17】本発明の多段塔状に形成される本発明の垂直軸風力発電機の内部断面図である。
【
図18】本発明の垂直軸風力発電機が小型1段に形成されて街灯のポールの上端に設置されることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付した図面を参照して本発明を詳細に説明すると以下のようである。
【0016】
図1は、本発明の垂直に形成される回転翼回転軸110に連結される円形の4つの回転翼120の側面図である。
【0017】
垂直軸に連結される回転翼120は、発電の便宜上、一方向にのみ回転されるように設置される。
【0018】
垂直軸に連結される回転翼120は、垂直軸の特性上、風の方向を基準に左側に位置する回転翼120は順風を受け、右側に位置する回転翼120は逆風を受けることを、回転しながら繰り返す。
【0019】
本発明は前記のように回転翼120が回転する際に受ける順風の風圧を最大に増加させ、逆風の風圧を最小化する機能を備えるために、回転翼120を固定翼120aと可変翼120b、120c、120dとに区分して形成する。
【0020】
固定翼120aと可変翼120b、120c、120dとには、中心に円形の風口120eが形成される。但し、可変翼が数個結合される場合、最後の位置で結合される可変翼には風口120eが形成されない。
【0021】
回転翼120は固定翼120aと可変翼120b、120c、120dとが結合して形成される。回転翼120が、固定翼120aと可変翼120b、120c、120dとによって形成される過程を説明すると以下のようである。
【0022】
固定翼120aは固定翼連結フレーム120gによって回転翼回転軸110に連結される。固定翼120aの内側に第1可変翼120bが4つの弾力バンド120fによって連結される。
【0023】
4つの弾力バンドのうち2つの弾力バンドは、固定翼120aの内側上部の左右部分と第1可変翼120bの上部の左右側面とに連結され、残りの2つの弾力バンドは同じ方法で下部の左右部分に連結される。
【0024】
前記のように固定翼120aと第1可変翼120bとが連結された後、順風による風圧が発生したら、第1可変翼120bの直径が小さい部分は固定翼120aの風口の中に挿入突出され、直径が大きい部分は固定翼120aの風口にかかった状態となる。
【0025】
次に、第1可変翼120bの内側に第2可変翼120cが4つの弾力バンド120fによって固定翼120aと第1可変翼120bと同じ方法で連結され、順風による風圧が発生したら、第2可変翼120cの直径が小さい部分は第1可変翼120bの風口の中に挿入突出され、直径が大きい部分は第1可変翼120bの風口にかかった状態となる。
【0026】
第2可変翼120cの内側に第3可変翼120dが4つの弾力バンド120fによって前記のような方法で連結され、順風による風圧が発生したら、第3可変翼120dの直径が小さい部分は第2可変翼120cの風口の中に挿入突出され、直径が大きい部分は第2可変翼120cの風口にかかった状態となって回転翼が完成されるが、前記のように順風の風圧を受けたら回転翼120の全体の様子がボウル状に形成されて、順風の風圧を最大限発生する。
【0027】
図2、
図3は、固定翼120aと第1、2、3可変翼120b、120c、120dとが分離された形態を示す図である。
【0028】
回転翼120は多段塔状の大型に形成する場合は3つの可変翼を取り付け、近隣生活用の小型1段に形成する場合は一つまたは2つの可変翼を取り付けるように区分されて形成される。
【0029】
一つの可変翼のみを取り付ける場合は、風口のない第3可変翼120dの形態の可変翼を取り付ける。
【0030】
図4は、2つの可変翼がボウル状に結合されている形態と固定翼120aが分離されている形態とを示す図である。
【0031】
図5は、前記ボウル状に結合されている2つの可変翼が固定翼120aと結合されて風口が塞がっているボウル状の完成した回転翼120を示す図である。
【0032】
図6は前記のように完成された回転翼120のボウル状の断面図である。
【0033】
図7、
図8は3つの可変翼120b、120c、120dがボウル状に結合されている形態と固定翼120aが分離されている形態とを示すが、前記ボウル状に結合されている3つの可変翼が固定翼120aと結合されて風口が塞がっているボウル状の完成された回転翼120を示す。
【0034】
図9は、前記のように完成された回転翼120のボウル状の断面図である。
【0035】
図10、
図11は2つの可変翼が逆風圧を受けて互いに間隔が維持されて風口120eが開いている状態で連結形成されており、前記2つの可変翼が固定翼120aに連結されて風口が開いている状態の回転翼120を示す。
【0036】
図12は、前記のように風口が開いている状態で完成された回転翼120の断面図である。
【0037】
図13、
図14は3つの可変翼120b、120c、120dが逆風を受けて互いに間隔が維持されて風口120eが開いている状態で連結形成されており、前記3つの可変翼120b、120c、120dが固定翼120aに連結されて風口が開いている状態の完成された回転翼120を示す。
【0038】
図15は、前記のように完成された回転翼120の断面図である。
【0039】
これまで回転翼120は固定翼120aと可変翼120b、120c、120dとに区分されて形成され、回転翼120が回転しながら風の方向を基準に左側に位置する際には順風を受け、右側に位置する際には逆風を受けると説明したが、順風を受ける回転翼120は可変翼120b、120c、120dが固定翼120aの内側で風口120eを塞いだ状態で結合されるため回転翼120全体がボウル状に形成され、逆風を受ける回転翼120は可変翼が固定翼120aの内側で間隔が維持されたまま連結されて風口120eが開く形状に形成されることを説明した。
【0040】
本発明の垂直軸風力発電機は少なくとも3つ以上の回転翼120が一定間隔で垂直に形成される回転翼回転軸110に連結されて回転することで発電することを基本原理としている。
【0041】
この際、回転翼120は垂直に形成される回転翼回転軸110に連結されて回転するため、風向を基準に順風の位置にくる際には順風を受けながら回転し、逆風の位置にくる際には逆風を受けながら回転を繰り返す。
【0042】
そのため、本発明の垂直軸風力発電機が高効率の発電を維持するためには、回転翼120の順風の風圧を最大に維持するようにし、逆風の風圧を最小化する必要がある。
【0043】
順風の回転翼120が風圧を最大に受けるためには、上述したように可変翼120b、120c、120dが固定翼120aの内側で連接されて、入口が広く風口120eが塞がって内部が密閉されたボウル状に形成されて風が抜けずにボウルの内部に集中される際に風圧が最も大きく形成され、逆風の回転翼120が風圧を最小化するためには、可変翼120b、120c、120dが固定翼120aで間隔を維持した状態になり、可変翼相互間にも間隔が維持されるようにして風口120eが開くようにすることで、風が最小抵抗で抜けられる際に風圧が最も小さく形成される。
【0044】
可変翼は小さい風圧でも迅速に移動して風口を開閉するように軽い素材で製作され、固定翼は強風にも耐えるように堅固な素材で製作されることが好ましい。
【0045】
前記のように、順風の際には回転翼120が最大の風圧を受けるようになり、逆風の際には最小の風圧を受けるようになるため、最大の回転力が発生して最大の発電が可能になる。
【0046】
図16は、本発明の垂直軸風力発電機を多段塔状に形成する場合、各段の間に設置されて内部に発電装置Mと加速ギア150が取り付けられる空間を提供し、外周には支柱孔130aが形成されて少なくとも3つ以上の支柱140が垂直に貫通されて地面まで延長固定されるため、強風にも安定性を維持するようにする円錐フレーム130を示す図である。
【0047】
図17は、本発明の垂直軸風力発電機を多段塔状に形成した内部断面図である。
【0048】
前記塔状に形成した垂直軸風力発電機は、各段の間に円錐フレーム130が形成されて内部に2つの発電装置Mと加速ギア150が取り付けられ、円錐フレーム130の外周には4つの支柱140が垂直に貫通されて地面まで延長固定される。
【0049】
図18は、本発明の垂直軸風力発電機が小型1段に形成されて街灯のポールの上端に設置されている側面図である。
【0050】
小型1段に形成されるため近隣地域に設置することができ、街灯以外に田園住宅や近隣建物の屋上に設置して生活に必要な電気を生産することができる。街灯に設置する場合、発電機の上部に太陽光電池板160を設置してもよい。
【0051】
本発明の垂直軸風力発電機は回転翼回転軸110の上下端に各発電装置を取り付けているが、
図18のように街灯のポールの上端に設置される発電装置Mは下端にのみ取り付けられる。
【符号の説明】
【0052】
110:回転翼回転軸 120:回転翼
120a:固定翼 120b:第1可変翼
120c:第2可変翼 120d:第3可変翼
120e:風口 120f:弾力バンド
120g:固定翼連結フレーム 120h:連結フレーム固定孔
130:円錐フレーム 130a:支柱孔
130b:回転軸孔 140:支柱
150:加速ギア 160:太陽電池板
M:発電装置