(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076379
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】デジタルナンバープレート、操作システム及び操作方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20240529BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023199222
(22)【出願日】2023-11-24
(31)【優先権主張番号】10 2022 131 087.6
(32)【優先日】2022-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】523444947
【氏名又は名称】サヒット クライキ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】サヒット クライキ
(57)【要約】
【課題】従来から公知の実施形態のナンバープレートよりも優れた改良されたナンバープレートを創出すること。
【解決手段】本発明は、車両のデジタルナンバープレートに関し、車両登録番号を形成する文字、および/または、数字のシーケンスを表示する表示装置と、ファイルを記憶する記憶ユニットと、記憶ユニットに記憶されたファイルを所定のソースと認証する認証ユニットと、記憶ユニットに記憶されたファイルを暗号化および復号化する暗号化ユニットと、サーバ(3)と無線または有線で送信、および/または、受信するユニットと、認証ユニットが、ファイルが所定のソースに由来することを確認した場合、ファイルに含まれる車両登録番号を表示装置に表示するように表示装置を制御するように設計された制御ユニットと、を含む。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両登録番号を形成する文字、および/または、数字のシーケンスを表示する表示装置(2)と、
ファイルを記憶する記憶ユニットと、
前記記憶ユニットに記憶された前記ファイルを所定のソースと認証する認証ユニットと、
前記記憶ユニットに記憶された前記ファイルを暗号化および復号化する暗号化ユニットと、
サーバ(3)と無線または有線で送信、および/または、受信するユニットと、
前記認証ユニットが、前記ファイルが前記所定のソースに由来することを確認した場合、前記ファイルに含まれる前記車両登録番号を前記表示装置(2)に表示するように前記表示装置(2)を制御するように設計された制御ユニットと、
を含む、
車両のデジタルナンバープレート(1)。
【請求項2】
前記制御ユニットは、さらに、所定の期間内のみ、前記ファイルに含まれる前記車両登録番号を変更なく前記表示装置(2)に表示し、有効な前記車両登録番号の継続した表示が前記車両登録番号を含む前記ファイルの受信および真正性の検証の繰り返しを必要とする、
請求項1に記載のデジタルナンバープレート(1)。
【請求項3】
前記表示装置(2)が前記ファイルに含まれる前記車両登録番号を変更なく表示する長さを定義する期間は、前記ファイル自体の構成要素により定義され、前記期間は、好ましくは、1日、1週間、1か月、または、1年である、
請求項2に記載のデジタルナンバープレート(1)。
【請求項4】
前記車両登録番号を含む前記ファイルの受信、および/または、真正性の検証の成功が繰り返されることなく、前記所定の期間が経過し、
前記制御ユニットは、さらに、前記車両登録番号の無効の可能性を示すために、前記表示装置(2)の表示を変更するように設計され、
特に、前記表示装置(2)の変更は、例えば、赤など、基準から逸脱した特定の色における前記車両登録番号の表示を含む、
請求項2または3に記載のデジタルナンバープレート(1)。
【請求項5】
前記ファイルは、さらに、前記認証ユニットによる前記ファイルの認証が成功した後、前記車両登録番号に関連する様々な特性を前記表示装置(2)により表示させるために、特に、前記車両登録番号が盗難品として登録されている場合、例えば、緑など、基準から逸脱した特定の色で前記車両登録番号を表示させるために、前記制御ユニットに前記表示装置(2)の表示を変更させる構成要素を含む、
請求項1から4のいずれか一項に記載のデジタルナンバープレート(1)。
【請求項6】
前記認証ユニットが前記ファイルをチェックする前記所定のソースに関する情報は、好ましくは、初期化後に前記所定のソースに関する情報を変更することができない方法において、前記デジタルナンバープレート(1)に予め設定される、
請求項1から5のいずれか一項に記載のデジタルナンバープレート(1)。
【請求項7】
前記表示装置(2)は、デジタルディスプレイであり、特に、LCD、LED、および/または、OLEDディスプレイである、
請求項1から6のいずれか一項に記載のデジタルナンバープレート(1)。
【請求項8】
各デジタルナンバープレート(1)は、前記サーバ(3)と通信するための固有の識別子が提供されている、
請求項1から7のいずれか一項に記載のデジタルナンバープレート(1)。
【請求項9】
デジタルナンバープレート(1)を操作するためのシステム(10)であって、
請求項1から8のいずれか一項に記載のデジタルナンバープレート(1)と、
データベースを有し、送信、および/または、受信のためのユニットを介して、前記デジタルナンバープレート(1)と通信するように設計された中央サーバ(3)と、
を備え、
前記データベースは、前記中央サーバ(3)に知られた全ての前記デジタルナンバープレート(1)を含み、
前記中央サーバ(3)は、前記デジタルナンバープレート(1)に前記ファイルを送信するように設計され、
前記デジタルナンバープレート(1)は、前記受信したファイルの真正性の検証が成功した後、前記ファイルに含まれる前記車両登録番号、および、前記ファイルに含まれるその他の追加情報を前記表示装置(2)により表示する、
システム(10)。
【請求項10】
前記中央サーバ(3)は、前記データベースに記憶された前記デジタルナンバープレート(1)の特性を変更するために前記データベースにアクセスするための少なくとも一つのインタフェースを有し、好ましくは、前記少なくとも一つのインタフェースは、登録機関、警察、税関、または、その他の主権業務を行う他の企業によるアクセスを可能にする、
請求項9に記載のシステム(10)。
【請求項11】
デジタルナンバープレート(1)を操作するためのシステム(10)、特に、請求項9、または、請求項10に記載のシステム(10)を運用するための方法であって、
前記デジタルナンバープレート(1)の固有の識別子を、好ましくは、車両の登録のための補足書類とともに前記中央サーバ(3)に送信するステップと、
前記中央サーバ(3)から前記デジタルナンバープレート(1)に前記ファイルを作成して送信するステップであって、前記ファイルは、前記デジタルナンバープレート(1)による表示のための前記車両登録番号を含み、好ましくは、前記車両登録番号に加えて、さらに、前記デジタルナンバープレート(1)の前記表示装置(2)を介して表示されるさらなる情報が前記ファイルに含まれる、ステップと、
受信、および/または、大型送信のためのユニットにより、前記中央サーバ(3)から送信されたファイルを受信し、前記ファイルを前記記憶ユニットに記憶するステップと、
前記記憶ユニットに記憶された前記ファイルのソースの真正性を検証し、ソースの検証が正常に完了した場合、その確認を前記制御ユニットに送信するステップと、
前記制御ユニットが真正性の検証が成功したことの確認を受信した場合、前記ファイルに含まれる前記車両登録番号、および、前記ファイルに含まれるその他の情報を表示装置(2)に表示するステップと、
を含む、
方法。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項、または、請求項2の特徴を用いて開発された請求項10に記載のシステム(10)を含み、
前記中央サーバ(3)から前記デジタルナンバープレート(1)に送信される前記ファイルは、前記車両登録番号が変化されることなく前記表示装置(2)に表示可能な長さを特定する期間を含む、
請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のデジタルナンバープレート、デジタルナンバープレートの操作システムおよびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナンバープレート、又は、車両の登録は、通常、車両の登録事務所により発行され、道路交通への参加が許可される登録対象車両の固有の識別子である。ナンバープレートは、そのナンバープレートが設けられた車両が正しく登録されていることを証明するものであり、車両の所有者を確実に追跡することを可能にする。原則として、ナンバープレートは、薄いアルミニウムのプレートにより構成され、正式な登録番号がエンボス加工されている。登録番号は、文字と数字のシーケンスにより構成され、登録番号のシーケンスの論理構造の基盤となるシステムは、通常、国ごとに異なる制約の対象となる。
【0003】
また、近年では、プラスチック製のナンバープレートの人気が高まっており、アルミニウム製のナンバープレートの代替として定着している。
【0004】
アルミニウム製、または、プラスチック製の馴染みのあるタイプのナンバープレートを使用することの欠点は、車両が変更された、または、登録が抹消された場合、一般にナンバープレートを再利用することが困難であり、廃棄しなければならないことである。また、車両の登録、再登録、登録抹消の通常の手続きは、公的な登録事務所において現地で行わなければならないため、非常に複雑であり、時間を要する。これは、車両の所有者は、登録事務所を訪問し、待ち時間を受け入れるか、または、登録サービスを利用することを意味し、時間、および/または、お金という形で多大な資源を費やすことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した問題を解決または少なくとも軽減することを意図しており、その結果、従来から公知の実施形態のナンバープレートよりも優れた改良されたナンバープレートを創出する。デジタルナンバープレートの操作システムは、さらに広範囲に及ぶ利点を達成する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これは、請求項1の全ての特徴を備えるデジタルナンバープレートにより実現される。
【0007】
したがって、車両登録番号を形成する文字、および/または、数字のシーケンスを表示する表示装置と、ファイルを記憶する記憶ユニットと、記憶ユニットに記憶されたファイルを所定のソースと認証する認証ユニットと、記憶ユニットに記憶されたファイルを暗号化および復号化する暗号化ユニットと、サーバと無線または有線で相互に送信、および/または、受信するユニットと、認証ユニットがファイルが所定のソースに由来することを確認した場合、ファイルに含まれる車両登録番号を表示装置に表示するように表示装置を制御するように設計された制御ユニットと、を備える、車両のデジタルナンバープレートが提供される。
【0008】
したがって、デジタルナンバープレートは、ナンバープレートが設けられた車両を一意に識別するための文字のシーケンスを表示することができる表示装置を有する。しかし、悪用を防止するため、デジタルナンバープレートは、ユーザが任意に選択可能な登録を表示するために使用することはできず、むしろ、許可された発行者(例えば、登録機関など)から発行されたものであることを保証するために、表示装置によって表示される登録シーケンスを含むファイルのソースの真正性が最初に確認される。
【0009】
一旦、信頼性のあるファイルのソースが認証手段により確認されると、表示装置は、ファイルに含まれる車両の登録シーケンスを表示するように制御ユニットにより指示される。
【0010】
原則として、デジタルナンバープレートとファイルの発行者(通常は、登録事務所、または、登録事務所の管理下にあるサーバ)との間の通信はサーバを利用して行われ、デジタルナンバープレートはサーバとの通信のための送信、または、受信のユニットを有する。
【0011】
通信のセキュリティをさらに増強するため、暗号化された形態でのみ通信を行うために、暗号化および復号化に暗号化ユニットを用いることができる。
【0012】
ここで、通信は、インターネット(モバイルデータ、WLAN、または、有線)または、衛星接続を介して可能となる。
【0013】
デジタルナンバープレートの利点は、車両登録シーケンスの表示が、登録シーケンスを含むファイルが信頼できる発行者(所定のソース、通常は登録事務所)から実際に発行された場合にのみ表示されることである。したがって、所定のソースから発行されていないファイルが、結果として、車両登録シーケンスの表示を行うことはない。これにより、例えば、アルミニウムプレートのように、ナンバープレートに対して任意の文字または数字のエンボス加工を行うことができなくなるため、悪用の可能性が大幅に減少する。
【0014】
本発明の任意の変更によれば、制御ユニットは、さらに、ファイルに含まれる車両登録番号が変更なく所定の期間内にのみ表示装置により表示されるように設計され、有効な車両登録番号の継続的な表示が車両登録番号を含むファイルの真正性の受信および検証の繰り返しを要求してもよい。
【0015】
したがって、表示装置により表示された車両登録シーケンスが指定された期間内において更新または有効化されない場合、表示装置は、例えば、ナンバープレートが設けられた車両の登録が無効になっている可能性があることを示すために、追加の表示を提供したり、または、特定の色に変更したりすることができる。
【0016】
好ましくは、表示装置がファイルに含まれる車両登録番号を変更なく表示する長さを定義する期間は、ファイル自体の構成要素により定義することができ、所定の期間は、好ましくは、1日、1週間、1か月、または、1年である。
【0017】
上述のように、車両登録番号は、例えば、赤や緑など、基準から逸脱した色に変更することができ、第三者がこの車両の登録が無効である可能性があることを容易に確認することができる。また、識別のために、表示装置に表示される追加の表示要素を表示装置に表示することも可能である。
【0018】
そのため、車両登録番号が変更なく表示装置により表示されるために、指定された期間内においてサーバと新たなデータの交換を実行することが必要となる。
【0019】
例えば、所定の期間は1日とすることができ、データは毎日更新する必要があり、さもなければ、表示装置は、表示を変更する。その中で、また、インターネット(または、衛星接続)への接続に問題のある可能性のあるエリアに所定の期間滞在する意図があることが事前に知られている場合、所定の期間の延長(例えば、登録事務所において)を特別に申請することも可能である。これは、対応するデータ交換が困難であることが事前に分かっているエリアで、デジタルナンバープレートが設けられた車両での長期滞在が計画されている場合に特に有効である。
【0020】
本発明のさらなる有利な変更によれば、車両登録番号を含むファイルの真正性の受信、および/または、検証の成功が繰り返されることなく、所定の期間が経過した場合、制御ユニットは、さらに、車両登録番号の無効の可能性を示すために、表示装置の表示を変更するように設計されてもよく、特に、表示装置の変更は、例えば、赤など、基準から逸脱した特定の色における車両登録番号の表示を含む。
【0021】
さらに、本発明の展開によれば、ファイルは、さらに、表示装置により車両登録番号に関連する様々な特性を表示するために、特に、車両登録番号が盗難品である場合、例えば、緑など、基準から逸脱した特定の色において車両登録番号を表示するために、認証ユニットによるファイルの検証に成功した後、制御ユニットに表示装置の表示を変更させる構成要素を含んでもよい。
【0022】
所定の期間を超えたか否かに関わらず、デジタルナンバープレートにより処理されるファイルの助けを借りて、表示装置による元の表示を変更することも可能であり、例えば、盗難届けが出された車両、または、警察の捜査の過程で指名手配されている車両であることを表示することができる。したがって、通信は、デジタルナンバープレートの表示を変更するために、サーバ側で開始することもできる。
【0023】
さらに、本発明によれば、認証ユニットがファイルを確認する所定のソースに関する情報は、好ましくは、デジタルナンバープレートの初期化後に所定のソースに関する情報が変更できない方法においてナンバープレートに事前に登録されてもよい。
【0024】
悪用の可能性をさらに制限するために、車両登録番号を表示するためのファイルのソースは、車両登録番号が記憶されて表示装置により実際に表示されるように、デジタルナンバープレートに事前に登録することができる。例えば、ソースに関連する情報は、読出可能で書込不可能である変更不可能なメモリモジュールに記憶することができる。これは、例えば、不揮発性で消去不可能なPROMメモリモジュール(PROMは、Programmable Read-Only Memoryの略)を用いて実現することができる。
【0025】
本発明の有利な実施形態によれば、表示装置は、デジタルディスプレイ、特に、LEC、LED、および/または、OLEDディスプレイであってもよい。
【0026】
また、各ナンバープレートは、サーバと通信するための固有の識別子を備えてもよい。これは、ナンバープレートとの正確な通信を可能にし、意図した通信相手ではない受信者にメッセージが送信されることを防止する。
【0027】
例えば、デジタルナンバープレートが最初に使用される場合、固有の識別子は、車両登録番号を含むファイルの発行を担当するサーバに送信されてもよい。サーバは、この固有の識別子を受信することで、デジタルナンバープレートの存在を認識し、さらなるステップを開始し、全ての要件を満たした場合、車両登録シーケンスを含むファイルをデジタルナンバープレートに送信する。デジタルナンバープレートの固有の識別子は、ターゲット送信のためにサーバに知らされる。サーバとデジタルナンバープレートとの間の通信は、悪用などをより困難にするために暗号化することができる。
【0028】
本発明は、さらに、デジタルナンバープレートを操作するためのシステムに関し、前記システムは、上述した態様の一つによるデジタルナンバープレートと、データベースを有し、送信、および/または、受信するユニットを介してデジタルナンバープレートと通信するように設計された中央サーバとを備え、データベースは、中央サーバに知られた全てのナンバープレート(または、対応する固有の識別子)を含み、中央サーバは、デジタルナンバープレートにファイルを送信するように設計され、デジタルナンバープレートは、受信したファイルの真正性の検証に成功した後、ファイルに含まれる車両登録番号およびファイルに含まれるその他の追加情報を表示装置により表示する。
【0029】
中央サーバは、デジタルナンバープレートとの通信が暗号化されている場合、暗号化および復号化のための暗号化ユニットを有する。
【0030】
原則として、中央サーバは、公的な管理下にあり、例えば、登録事務所により運営される。例えば、固有の識別子が将来の所有者の車両登録書類とともに登録事務所にデジタル送信された場合、登録事務所は、検証および承認の後、ファイル内において関連するナンバープレートに登録を送信することができ、登録は、解放(有効化)される。登録事務所への訪問は、もはや不要となる。
【0031】
さらに、本発明によれば、中央サーバは、データベースに記憶されたナンバープレートの特性を変更するためにデータベースにアクセスするための少なくとも一つのインタフェースを有し、好ましくは、少なくとも一つのインタフェースは、登録機関、警察、税関、その他の主権業務を行う企業によるアクセスを可能にする。
【0032】
上述のように、中央サーバは、登録機関の管理下にある。しかしながら、もちろん、例えば、警察または税関など、他の国家機関が特定のナンバープレートに適切な変更を加えるために中央サーバにアクセスすることも考えられる。例えば、特定登録車両が盗難品として報告された場合、警察は、中央サーバにアクセスし、ファイルが関連するナンバープレートに送信され、当該車両がおそらく盗難品であるか、または、警察により指名手配されていることを第三者が直ちに認識する態様で表示装置が変更されるように、対応するデータベースのエントリーを変更する。有利なことに、これは、車両登録番号の色を変更することで行われる。しかしながら、本発明が表示装置を変更することで、盗難された車両を認識させる他の方法を含むことは当業者にとって明らかである。デジタルナンバープレートが割り当てられた車両の異常を示すために、車両登録番号を点滅表示することも考えられる。
【0033】
さらに、主要な検査の期日が中央サーバのデータベースに含まれてもよく、車両の主要な検査が正常に実施されていない場合、または、例えば、検査機関(TUV(ドイツ技術検査協会)、DEKRAなど)によるデータベースへのアクセスを利用して、データベースの主要な検査の期日の対応する更新が行われていない場合、ナンバープレートに対応する送信が行われ、主要な検査がもはや無効であることを表示装置に表示させる。表示装置は、任意に変更でき、特に、車両登録番号を特定の色に変更することもできる。
【0034】
本発明は、デジタルナンバープレートを操作するためのシステム、特に、上述した一つの態様によるシステムの運用方法に関し、好ましくは、車両の登録のための補足資料(特に、登録証明書パート2(以前は車検証とも呼ばれていた))とともに、デジタルナンバープレートの固有の識別子を中央サーバに送信するステップと、中央サーバからデジタルナンバープレートにファイルを作成して送信するステップであって、ファイルは、ナンバープレートによる表示のための車両登録番号を含み、好ましくは、車両登録番号に加えて、ナンバープレートの表示ディスプレイを介して表示される更なる情報がファイルに含まれる、ステップと、受信、および/または、送信するユニットにより中央サーバから送信されたファイルを受信し、当該ファイルを記憶ユニットに記憶するステップと、記憶ユニットに記憶されたファイルのソースの真正性を確認し、ソースの確認が無事完了した場合、この確認を制御ユニットに転送するステップと、制御ユニットが真正性の確認が成功したことの確認を受信した場合、ファイルに含まれる車両登録番号、および、ファイルに含まれるその他の情報を表示装置により表示するステップと、を含む。
【0035】
例えば、車両は、ナンバープレートの特定の識別子をその他の証拠とともに登録事務所にデジタル送信することで登録を解除することができ、登録事務所は、中央サーバに記憶されたナンバープレートのためのファイルがそれに応じて変更されるように、所望の登録解除を実行する。中央サーバにより開始された、対応するナンバープレートに対するその後のファイルの送信により、前記ファイルには、登録をブロックする命令が含まれる。例えば、これは、車両登録番号を特定の色で表示装置に表示したり、表示装置による車両登録番号の表示を行わなかったりすることで実現される。
【0036】
ここで、中央サーバに送信されるデジタルナンバープレートの固有の識別子が、中央サーバとの通信をより安全にするために、暗号化ユニットを用いてデジタルナンバープレートにおいて事前に暗号化されることが提供されてもよい。
【0037】
さらに、本発明の方法の展開によれば、中央サーバからナンバープレートに送信されるファイルは、表示装置を変更することなく車両登録番号を表示できる長さを指定する期間を含むことが提供されてもよい。したがって、この期間は、表示装置に表示される車両登録番号の有効性を定義する。
【0038】
原則として、中央サーバとの接続は、表示装置による車両登録番号の不変の(有効な)表示のために、中央サーバへの接続が一日一回確立されなければならないことが要求されてもよい。さもなければ、制御ユニットは、所定の期間が経過した後、表示装置を変更するように設計され、ナンバープレートを装着した車両が登録されていないかもしれないことが第三者に直ちに明らかになる。
【0039】
本発明の更なる詳細、特徴、および、利点は、以下の図の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1A】デジタルナンバープレートを操作するシステムのいくつかの状態のうち一つの概略を示している。
【
図1B】デジタルナンバープレートを操作するシステムのいくつかの状態のうち一つの概略を示している。
【
図1C】デジタルナンバープレートを操作するシステムのいくつかの状態のうち一つの概略を示している。
【
図1D】デジタルナンバープレートを操作するシステムのいくつかの状態のうち一つの概略を示している。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1Aは、初期化の間のデジタルナンバープレート1を操作するためのシステム10を示している。表示装置2は、要求されたファイルを未だに受信していないため、車両登録番号が未だに表示されていないことがわかる。デジタルナンバープレート1が最初に使用され、新規の車両が登録される場合、デジタルナンバープレート1は、サーバ3に連絡し、デジタルナンバープレート1の固有の識別子をサーバ3に送信することが意図されている。加えて、車両の新規な登録の申請を完了するために、登録に必要な補助書類が送信されることができる。例えば、登録に必要な全ての書類が利用できるように、登録証明書パート2(以前は車検証とも呼ばれていた)がデジタルでまたは郵送で登録事務所に送信されることができる。
【0042】
デジタルナンバープレート1からサーバ3に送信される情報は、悪用をより困難にし、または、防止するために、暗号化および復号化ユニットを用いて暗号化された形態で送信されてもよい。
【0043】
デジタルナンバープレートの固有の識別子を受信した後、サーバ3は、ナンバープレートの固有の識別子がデータベースに既に登録されているか否かを確認するためにデータベース検索を実行する。登録されていない場合、データベースに新規のエントリーが作成され、車両の登録のための全ての要件を満たすか否かが確認される。全ての要件を満たす場合、車両登録番号はデジタルナンバープレート1に割り当てられ、固有の識別子により特定され、データベースのエントリーが更新される。
【0044】
図1Bは、デジタルナンバープレート1への車両登録番号を含むファイルの送信を示している。車両登録番号がデジタルナンバープレート1に割り当てられたことが記録されたサーバ3による承認が成功した後、車両登録番号を含むファイルが生成されてデジタルナンバープレート1に送信される。このファイルは、暗号化された形態にて送信されることができる。
【0045】
図1Cは、デジタルナンバープレート1が車両登録番号を含むファイルをサーバ3から受信した後のシステム10を示している。暗号化および復号化のユニットによる復号化の後、サーバ3から送信されたファイルは、認証ユニットにより確認される。これにより、ファイルが実際にサーバ3に由来し、不正な第三者から送信されていないことを保証する。一旦、認証ユニットが、ファイルがサーバ3に由来することを確認すると、デジタルナンバープレート1の制御ユニットがファイルに含まれる車両登録シーケンスを表示するように表示装置2に対して指示することができる。
図1Cにおいて、この例示的な車両登録シーケンスは、「M-SK1234」である。当業者は、文字、数字、および、特殊文字の任意の組み合わせを登録シーケンスとして用いることができることを認識している。
【0046】
デジタルナンバープレート1は、ナンバープレートが車両に常設されていなければ、車両に設けることができる。
【0047】
図1Dは、、車両登録シーケンスの表示を変更するために、サーバ3からデジタルナンバープレート1にファイルが送信されるシステム10の状態を示している。例えば、デジタルナンバープレート1が設けられた車両は、盗難品として報告されてもよく、警察は、インタフェースを介してデータベースにアクセスし、ナンバープレートに関連するデータベースのエントリーを変更する。サーバ3は、対応する更新ファイルをデジタルナンバープレート1に送信し、サーバ3から送信されたファイルの真正性がデジタルナンバープレート1において確立された後、ナンバープレートが設けられた車両が盗難された車両である可能性があることを第三者に直ちに認識させるために表示装置の元の表示が変更される。
【0048】
本実施例では、表示装置2は、元のバージョンにおいては白の背景に黒の文字および数字の組み合わせである車両登録シーケンスが、黒の背景に白で表示されるように、その配色が反転される態様で制御される。車両登録シーケンスの文字および数字の組み合わせの色の変化、ディスプレイの点滅、表示装置における更なる情報の付加なども、盗難された可能性のある車両の表示のための潜在的な選択肢であることは当業者にとって明らかである。盗難された可能性のある車両に注意を惹くために表示装置の領域にさらに追加の記号を表示することも同様に可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 デジタルナンバープレート
2 表示装置
3 サーバ
10 システム
【外国語明細書】