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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076393
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】組み立て式梱包体
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/68 20060101AFI20240530BHJP
【FI】
B65D85/68 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187848
(22)【出願日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】593045053
【氏名又は名称】株式会社NAITO
(72)【発明者】
【氏名】山田 政樹
(72)【発明者】
【氏名】勝股 香
【テーマコード(参考)】
3E037
【Fターム(参考)】
3E037AA20
3E037BA02
3E037BA03
3E037BC01
3E037BC04
3E037CA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】遊技機の装飾部品を容易に梱包して搬送ができ、保管する場合は折り畳みが可能な組み立て式梱包体を提供すること。
【解決手段】第1矩形板部21と、第1外周壁部23とを有する上方が開口された箱状の下蓋部材20と、下蓋部材と上蓋部材10と、第2矩形板部31と、第2壁部33と第2外周壁部材30と、を備えた折り畳み可能な梱包体であって、2つの第2外周壁部材は、第1短形板部に対して垂直に起立して載置され、起立して載置された2つの第2外周壁部材に上蓋部材を被せることで形成される第1収容空間において第1梱包対象物Oが梱包可能となる第1形態と、2つの第2外周壁部材は、第2矩形板部31と第1矩形板部とが平行になる向きで、下蓋部材の内部側に倒されて収容され、2つの第2外周壁部材に上蓋部材を被せることで、折り畳み可能となる第2形態と、の2つの形態に相互に変化可能であることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1矩形板部と、前記第1矩形板部の各辺周縁から屈曲して伸びる第1壁部の組み合わせによる第1外周壁部とを有する上方が開口された箱状の下蓋部材と、
前記下蓋部材と同一構成の上蓋部材と、
第2矩形板部と、前記第2矩形板部の一対の辺周縁から屈曲して伸びる第2壁部とを有する平面視コの字型の第2外周壁部材と、を備えた折り畳み可能な梱包体であって、
2つの前記第2外周壁部材は、前記下蓋部材の内部側であって該下蓋部材の一対の辺の夫々において、前記第2外周壁部材の下端面が前記第1矩形板部に接するように、前記第1短形板部に対して垂直に起立して載置され、
起立して載置された2つの前記第2外周壁部材に前記上蓋部材を被せることで形成される第1収容空間において第1梱包対象物が梱包可能となる第1形態と、
2つの前記第2外周壁部材は、前記第2矩形板部と前記第1矩形板部とが平行になる向きで、前記下蓋部材の内部側に倒されて収容され、
倒されて収容された2つの前記第2外周壁部材に前記上蓋部材を被せることで、折り畳み可能となる第2形態と、の2つの形態に相互に変化可能であることを特徴とする組み立て式梱包体。
【請求項2】
前記第1形態において、2つの前記第2壁部と、前記下蓋部材及び前記上蓋部材の前記第1壁部とで、形成され、外部から前記第1収容空間内部を目視できる窓部を有することを特徴とする請求項1に記載の組み立て式梱包体。
【請求項3】
前記第1矩形板部上に前記第1梱包対象物が積載される底板部材を備え、
前記第1形態において、前記第2外周壁部材の前記下端面は、前記底板部材と前記下蓋部材とで形成される溝部を埋めるように前記第1矩形板部に接して、前記第1短形板部に対して垂直に起立して載置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の組み立て式梱包体。
【請求項4】
前記第1収容空間内に第2梱包対象物を中に収納可能な長尺状の第2梱包部材を備え、
前記第2梱包部材は、長手方向と垂直な前面及び後面と、側面と、を有し、
前記第1形態において、前記前面及び前記後面は、2つの前記第2外周壁部材の前記第2矩形板部に接して挟持され、
前記第2梱包部材の一対の前記側面は、前記上蓋部材の前記第1矩形板部及び前記第1梱包対象物に接して挟持されていることを特徴とする請求項1に記載の組み立て式梱包体。
【請求項5】
前記第1収容空間内に第2梱包対象物を中に収納可能な長尺状の第2梱包部材を備え、
前記第2梱包部材は、長手方向と垂直な前面及び後面と、側面と、を有し、
前記第1形態において、前記前面及び前記後面は、2つの前記第2外周壁部材の前記第2矩形板部に接して挟持され、
前記第2梱包部材の一対の前記側面は、前記上蓋部材の前記第1矩形板部及び前記第1梱包対象物に接して挟持されていることを特徴とする請求項2に記載の組み立て式梱包体。
【請求項6】
前記第1収容空間内に第2梱包対象物を中に収納可能な長尺状の第2梱包部材を備え、
前記第2梱包部材は、長手方向と垂直な前面及び後面と、側面と、を有し、
前記第1形態において、前記前面及び前記後面は、2つの前記第2外周壁部材の前記第2矩形板部に接して挟持され、
前記第2梱包部材の一対の前記側面は、前記上蓋部材の前記第1矩形板部及び前記第1梱包対象物に接して挟持されていることを特徴とする請求項3に記載の組み立て式梱包体。
【請求項7】
前記第1収容空間内に第3梱包対象物を中に収納可能な第3梱包部材を備え、
前記第2形態においては、2つの前記第2外周壁部材を前記下蓋部材の内部側に倒すことで、前記第2外周壁部材と前記下蓋部材の前記第1壁部とから形成される空間に、前記第2梱包部材および前記第3梱包部材が収容されることを特徴とする請求項6に記載の組み立て式梱包体。
【請求項8】
前記第2外周壁部材の一方の前記第2壁部の内面において、第4梱包対象物を中に収容可能であって、上端および下端に蓋部を有する筒状の第4梱包部材を備えることを特徴とする請求項1、2、4、5のいずれか一項に記載の組み立て式梱包体。
【請求項9】
前記第2形態において、前記第4梱包部材の前記蓋部が隣接して連続するように、2つの前記第2外周壁部材が、前記下蓋部材の内部側に倒されて収容され、前記第2外周壁部材の内側と前記下蓋部材の前記第1壁部とから形成される空間に前記第2梱包部材が収容されることを特徴とする請求項8に記載の組み立て式梱包体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機や遊技機の装飾部品を搬送する際に用いられ、保管する場合は折り畳みが可能な組み立て式梱包体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、パチンコ台やスロットマシーンなどの遊技機を倉庫や他店舗に移動させる場合や、特に、中古流通させる場合は、搬送時において品質保証の観点から、遊技機を出荷時の正規の梱包体で梱包してから、搬送する必要がある。このため、正規の梱包体は、遊技機が入荷された後も、廃棄されずに倉庫や店舗内で保管されていた。しかし、遊技機は、装飾を施すための特異な形状の部品が多数存在し、当該部品を搬送するような正規の梱包体はサイズが大きいものが多く、空の正規の梱包体を多数保管するのに店舗内に大きな保管場所が必要であった。
【0003】
そこで、特許文献1には、梱包物を目的地で開梱した後、胴筒、上蓋、及び下蓋を分離し、胴筒を扁平に折り畳んで下蓋内に収納して上蓋を下蓋に外嵌させることで、コンパクトに纏めることができる組立式梱包体が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-321538
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の組立式梱包体は、梱包または纏める際に、胴筒及び下蓋と、胴筒及び上蓋と、において重なり部の貫通孔にジョイントを嵌入または取外しをする必要があるため、手間を要していた。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、遊技機の装飾部品を容易に梱包して搬送ができ、保管する場合は折り畳みが可能な組み立て式梱包体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、第1矩形板部と、前記第1矩形板部の各辺周縁から屈曲して伸びる第1壁部の組み合わせによる第1外周壁部とを有する上方が開口された箱状の下蓋部材と、前記下蓋部材と同一構成の上蓋部材と、第2矩形板部と、前記第2矩形板部の一対の辺周縁から屈曲して伸びる第2壁部とを有する平面視コの字型の第2外周壁部材と、を備えた折り畳み可能な梱包体であって、2つの前記第2外周壁部材は、前記下蓋部材の内部側であって該下蓋部材の一対の辺の夫々において、前記第2外周壁部材の下端面が前記第1矩形板部に接するように、前記第1短形板部に対して垂直に起立して載置され、起立して載置された2つの前記第2外周壁部材に前記上蓋部材を被せることで形成される第1収容空間において第1梱包対象物が梱包可能となる第1形態と、2つの前記第2外周壁部材は、前記第2矩形板部と前記第1矩形板部とが平行になる向きで、前記下蓋部材の内部側に倒されて収容され、倒されて収容された2つの前記第2外周壁部材に前記上蓋部材を被せることで、折り畳み可能となる第2形態と、の2つの形態に相互に変換可能であることを特徴としたことにある。
【0008】
好ましくは、前記第1形態において、2つの前記第2壁部と、前記下蓋部材及び前記上蓋部材の前記第1壁部とで、形成され、外部から前記第1収容空間内部を目視できる窓部を有することを特徴としたことにある。
【0009】
好ましくは、前記第1矩形板部上に前記第1梱包対象物が積載される底板部材を備え、前記第1形態において、前記第2外周壁部材の前記下端面は、前記底板部材と前記下蓋部材とで形成される溝部を埋めるように前記第1矩形板部に接して、前記第1短形板部に対して垂直に起立して載置されることを特徴としたことにある。
【0010】
好ましくは、前記第1収容空間内に第2梱包対象物を中に収納可能な長尺状の第2梱包部材を備え、前記第2梱包部材は、長手方向と垂直な前面及び後面と、側面と、を有し、前記第1形態において、前記前面及び前記後面は、2つの前記第2外周壁部材の前記第2矩形板部に接して挟持され、前記第2梱包部材の一対の前記側面は、前記上蓋部材の前記第1矩形板部及び前記第1梱包対象物に接して挟持されていることを特徴としたことにある。
【0011】
好ましくは、前記第1収容空間内に第3梱包対象物を中に収納可能な第3梱包部材を備え、前記第2形態においては、2つの前記第2外周壁部材を前記下蓋部材の内部側に倒すことで、前記第2外周壁部材と前記下蓋部材の前記第1壁部とから形成される空間に、前記第2梱包部材および前記第3梱包部材が収容されることを特徴としたことにある。
【0012】
好ましくは、前記第2外周壁部材の一方の前記第2壁部の内側面において、第4梱包対象物を中に収容可能であって、上端および下端に蓋部を有する筒状の第4梱包部材を備えることを特徴としたことにある。
【0013】
好ましくは、前記第2形態において、前記第4梱包部材の前記蓋部が隣接して連続するように、2つの前記第2外周壁部材が、前記下蓋部材の内部側に倒されて収容され、前記第2外周壁部材の内側と前記下蓋部材の前記第1壁部とから形成される空間に前記第2梱包部材が収容されることを特徴としたことにある。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る組み立て式梱包体によれば、同一構成の下蓋部材及び上蓋部材と、平面視コの字型の第2外周壁部材と、を備えており、第1梱包対象物を梱包可能な第1形態から、第2外周壁部材を内部側に倒して下蓋部材に収容し、上蓋部材を被せることで折り畳みされたサイズの小さい第2形態に容易に変化可能とすることができ、保管スペースを小さくすることができる。
【0015】
さらに、本発明に係る組み立て式梱包体によれば、第1形態において、外部から第1収容空間内部を目視できる窓部を有しているので、開封しなくても第1梱包対象物を外部から確認することができる。
【0016】
さらに、本発明に係る組み立て式梱包体によれば、下蓋部材の第1矩形板部上に、第1梱包対象物が積載される底板部材を備えており、第1形態において、第2外周壁部材の下端面は、底板部材と下蓋部材とで形成される溝部を埋めるように第1矩形板部に接して、第1短形板部に対して垂直に起立して載置しているので、第2外周壁部材がずれることがなくなる。
【0017】
さらに、本発明に係る組み立て式梱包体によれば、第1収容空間内に第2梱包対象物を中に収納可能な長尺状の第2梱包部材を備え、第2梱包部材は、長手方向と垂直な前面及び後面と、側面と、を有し、第1形態において、前面及び後面は、2つの第2外周壁部材の第2矩形板部に接して挟持され、第2梱包部材の一対の側面は、上蓋部材の第1矩形板部及び第1梱包対象物に接して挟持されているので、第2梱包対象物も梱包できると同時に、第1梱包対象物を第1収容空間内に固定させることができる。
【0018】
さらに、本発明に係る組み立て式梱包体によれば、第1収容空間内に第3梱包対象物を中に収納可能な第3梱包部材を備え、第2形態においては、2つの第2外周壁部材を下蓋部材の内部側に倒すことで、第2外周壁部材と下蓋部材の第1壁部とから形成される空間に、第2梱包部材および第3梱包部材が収容されるので、第3梱包部材を用いても、収容可能とすることができる。
【0019】
さらに、本発明に係る組み立て式梱包体によれば、第2外周壁部材の一方の第2壁部の内側面において、第4梱包対象物を中に収容可能であって、上端および下端に蓋部を有する筒状の第4梱包部材を備えているので、第4梱包対象物を梱包できると同時に、柱として機能し梱包体がつぶれないようにすることができる。
【0020】
さらに、本発明に係る組み立て式梱包体によれば、第2形態において、第4梱包部材の蓋部が隣接して連続するように、2つの第2外周壁部材が、下蓋部材の内部側に倒されて収容され、第2外周壁部材の内側と下蓋部材の第1壁部とから形成される空間に第2梱包部材が収容されるので、上蓋部材と下蓋部材との間に隙間なく梱包することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施形態に係る第1形態の組み立て式梱包体の概略組立分解斜視図である。
図2】(a)下蓋部材に底板部材が載置された状態を示す概略平面図である。(b)第2外周壁部材が載置される様子を示す概略斜視図である。
図3】(a)第2外周壁部材の下端面が溝部を埋めるように載置される様子を示す概略断面図である。(b)第2外周壁部材が載置された様子を示す概略斜視図である。
図4】(a)第1梱包対象物が収容される様子を示す概略斜視図である。(b)第1梱包対象物が収容された様子を示す概略斜視図である。
図5】(a)第2梱包部材が載置される様子を示す概略斜視図である。(b)第2梱包部材が載置された様子を示す概略斜視図である。
図6】(a)第3梱包部材が載置される様子を示す概略斜視図である。(b)第3梱包部材が載置された様子を示す概略斜視図である。
図7】(a)上蓋部材が載置される様子を示す概略斜視図である。(b)上蓋部材が載置された様子を示す概略斜視図である。
図8】本発明の第1実施形態に係る第2形態の組み立て式梱包体の概略組立分解斜視図である。
図9図8の第2形態の組み立て式梱包体の概略断面図である。
図10】本発明の第2実施形態に係る第1形態の組み立て式梱包体の概略組立分解斜視図である。
図11】(a)下蓋部材に第2外周壁部材が載置される様子を示す概略斜視図である。(b)下蓋部材に第2外周壁部材が載置された様子を示す概略斜視図である。
図12】(a)下蓋部材に分割底板部材が載置される様子を示す概略斜視図である。(b)下蓋部材に分割底板部材が載置された様子を示す概略斜視図である。
図13図12の概略平面図である。
図14】(a)第1梱包対象物が収容される様子を示す概略斜視図である。(b)第1梱包対象物が収容された様子を示す概略斜視図である。
図15】(a)第2梱包部材が載置される様子を示す概略斜視図である。(b)第2梱包部材が載置された様子を示す概略斜視図である。
図16】(a)上蓋部材が載置される様子を示す概略斜視図である。(b)上蓋部材が載置された様子を示す概略斜視図である。
図17】本発明の第2実施形態に係る第2形態の組み立て式梱包体の概略組立分解斜視図である。
図18図17の第2形態の組み立て式梱包体の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照にしながら詳細に説明する。
【0023】
本発明に係る組み立て式梱包体100,200は、主に、段ボール、プラスチック段ボール等で形成されており、遊技機や遊技機の装飾部品を梱包することができる組み立て式の梱包体である。
【0024】
組み立て式梱包体100,200は、梱包対象物が梱包されている第1形態と、店舗や倉庫等で折り畳んで保管された状態の第2形態の2つの形態に相互に変換可能である。第1実施形態に係る組み立て式梱包体100と第2実施形態に係る組み立て式梱包体200とに分けて説明を行う。
【0025】
[第1実施形態]
第1実施形態に係る組み立て式梱包体100は、図1に示すように、主に、上蓋部材10と、下蓋部材20と、第2外周壁部材30と、底板部材40と、第2梱包部材50と、第3梱包部材60と、を有している。
【0026】
(上蓋部材10及び下蓋部材20について)
上蓋部材10は、第1矩形板部11と、第1矩形板部11の各辺周縁から屈曲して伸びる4つの第1壁部12の組み合わせによる第1外周壁部13とを有する下方が開口された箱状の形態である。
【0027】
下蓋部材20は、上蓋部材10と同一の構成、大きさであり、第1矩形板部21と、第1矩形板部21の各辺周縁から屈曲して伸びる4つの第1壁部22の組み合わせによる第1外周壁部23と、を有する上方が開口された箱状の形態である。
【0028】
(底板部材40について)
底板部材40は、下蓋部材20の第1矩形板部21上に備えられており、底板部材40上に第1梱包対象物Oが積載される。底板部材40の厚さは、底板部材40上に第1梱包対象物Oが積載されて、下方からの衝撃から第1梱包対象物Oを保護するため、厚くなるように形成されている。また、底板部材40の大きさは、図2(a)に示すように、第1矩形板部21よりも、少し小さく形成されており、第1矩形板部21上に底板部材40を備えた場合、第1壁部22と底板部材40との間に溝部41が形成される。
【0029】
底板部材40と下蓋部材20とは、予め接着剤等で固定されて一体物としていてもよいし、固定されていなくてもよい。
【0030】
(第2外周壁部材30について)
第1実施形態に係る第2外周壁部材30は、第1形態において、組み立て式梱包体100の壁となる部分である。図1に示すように、平面視コの字型であって、第2矩形板部31と、第2矩形板部31の一対の辺周縁32から屈曲して伸びる第2壁部33と、を有している。
【0031】
また、第2壁部33の高さ方向の長さ33hは、上蓋部材10及び下蓋部材20の第1壁部12,22の高さ方向の長さ12h,22hの合計よりも長くなるように形成されており、第1矩形板部11,21の横方向の長さ11a,21aは、下蓋部材20に載置される対向する第2外周壁部材30の第2壁部33aの横方向の長さの合計よりも長くなるように形成されており、第1矩形板部11,21の縦方向の長さ11b,22bは、第2壁部33の縦方向の長さ33bと略同一である。
【0032】
(第1形態について)
第1形態は、第1梱包対象物O、第2梱包対象物及び第3梱包対象物が、組み立て式梱包体100に梱包されている状態である。以下、図2から図7まで、梱包する手順について説明をする。
【0033】
図2(a)に示すように、下蓋部材20の中央に底板部材40が設けられる。下蓋部材20と底板部材40とで形成される溝部41は、第2外周壁部材30の厚さ30tと略同一の厚さである。
【0034】
そして、第2外周壁部材30が起立された状態で、下蓋部材20の内部側であって、下蓋部材20の一対の辺の夫々において、下蓋部材20の第1短形板部21に対して垂直に起立して載置される。
【0035】
図2(b)に示すように、第2外周壁部材30の大きさは、第2外周壁部材30の外面34が第1外周壁部23の内面24に密接するような大きさに形成されている。
【0036】
第2外周壁部材30を下蓋部材20に載置する際、図3(a)に示すように、下蓋部材20と底板部材40とで形成される溝部41に第2外周壁部材30の下端面38が溝部41を埋めるようにして、第1矩形板部21に接して、第1短形板部21に対して垂直に起立して載置され、図3(b)の状態となる。
【0037】
溝部41を埋めるように、第2外周壁部材30を載置することで、第2外周壁部材30が固定され、組み立て式梱包体100に衝撃が加わっても、第2外周壁部材30が左右方向にずれるのを防いでいる。
【0038】
第1壁部12,22の横方向の長さ11a,21aは、下蓋部材20に載置される対向する第2外周壁部材30の第2壁部33aの横方向の長さの合計よりも長くなるように形成されているので、下蓋部材20に第2外周壁部材30を対向するように、載置すると第2壁部33同士の間には横隙間36が形成される。
【0039】
その後、図4(a)に示すように、第1梱包対象物Oを底板部材40及び第2外周壁部材30で形成される空間内に収容する。
【0040】
この際、図4(b)に示すように、第2外周壁部材30は、第1梱包対象物Oよりも高くなるように第2外周壁部材30の高さ30hが調整されている。
【0041】
そして、図5(a)に示すように、中に第2梱包対象物が収納された長尺状の第2梱包部材50が、第1梱包対象物O上に載置される。第2梱包部材50の面は、長手方向と垂直な前面51及び後面52と、長手方向と平行な側面53と、を有している。
【0042】
第2梱包部材50を載置する際は、外部から組み立て式梱包体100を見た際に横隙間36から第2梱包部材50の側面53の一部が見えるように載置する。
【0043】
また、図5(b)に示すように、第2梱包部材50の横方向の長さ50aは、第2梱包部材50を第1梱包対象物O上に載置するときに、前面51及び後面52が2つの第2外周壁部材30の第2矩形板部31に接して挟持されるように横方向の長さが調整されている。前面51及び後面52が2つの第2外周壁部材30の第2矩形板部31に接して挟持されることで、第2梱包部材50が空間内に固定され、組み立て式梱包体100に衝撃が加わっても、第2梱包部材50が横方向にずれるのを防いでいる。
【0044】
さらに、第2梱包部材50の高さ50hは、第2梱包部材50を第1梱包対象物O上に載置するときに、第2梱包部材50の一対の側面53が上蓋部材10の第1矩形板部21及び第1梱包対象物Oに接して挟持されるように高さ方向の長さが調整されている。一対の側面53が上蓋部材10の第1矩形板部21及び第1梱包対象物Oに接して挟持されることで、第2梱包部材50が空間内に固定され、組み立て式梱包体100に衝撃が加わっても、第2梱包部材50が高さ方向にずれるのを防いでいるのと同時に、第1梱包対象物Oも高さ方向にずれるのを防いでいる。
【0045】
また、本実施形態において、第1梱包対象物Oは、凹部O1の形状を有しているため、凹部O1に挟めるように、第2梱包部材50の横方向の長さ50aを調整することで、組み立て式梱包体100に衝撃が加わっても、第2梱包部材50が縦方向にずれるのを防いでいる。
【0046】
第2梱包部材50を載置した後、図6(a)に示すように、中に第3梱包対象物が収納された第3梱包部材60を底板部材40上の空いている隙間に載置する。
【0047】
第2梱包部材50の縦方向の長さ50bは、第2梱包部材50を底板部材40上の空いている隙間に載置した際に、第2外周壁部材30と第2梱包部材50とに接して挟持されるように縦方向の長さが調整されている。第3梱包部材60が第2外周壁部材30と第2梱包部材50とに接して挟持されることで、第3梱包部材60が空間内に固定され、組み立て式梱包体100に衝撃が加わっても、第3梱包部材60が縦方向にずれるのを防いでいる。
【0048】
第3梱包部材60も第2梱包部材50と同様に、外部から組み立て式梱包体100を見た際に横隙間36から第3梱包部材60の面61が見えるように載置する。
【0049】
第3梱包部材60を載置した後は、図7(a)に示すように、上方から第2外周壁部材30を嵌めるように、上蓋部材10を載置することで、第1収容空間が形成され、第1収容空間内に梱包対象物が梱包された状態となり、梱包の一連の流れが完了する。
【0050】
さらに、図7(b)の状態から上蓋部材10と下蓋部材20とが、外れないように、組み立て式梱包体100の周りにポリプロピレン等で形成された紐を巻き付けて固定してもよい。
【0051】
図7(b)に示すように、梱包後、2つの第2壁部33と、下蓋部材20及び上蓋部材10の第1壁部12,22とで、外部から第1収容空間の内部を目視可能な窓部70が形成される。作業者は、窓部70から第1梱包対象物O、第2梱包部材50の側面53及び第3梱包部材60の面61を確認することができる。窓部70から見える第2梱包部材50の側面53及び第3梱包部材60の面61には、第2梱包対象物及び第3梱包対象物が記載したラベルを貼り付けられており、作業者はラベルを確認することで梱包されている対象物を認識することができる。
【0052】
(第2形態について)
第2形態は、梱包対象物を収容しておらず、組み立て式梱包体100が折り畳まれて保管されている状態である。図8に示すように、2つの第2外周壁部材30は、第2矩形板部31と第1矩形板部11,21とが平行になる向きで、下蓋部材20の内部側に倒されて収容され、倒されて収容された2つの第2外周壁部材30に上方から上蓋部材10が被せられている。
【0053】
第1形態から梱包対象物を取り出し、2つの第2外周壁部材30を倒して、上蓋部材10を被せることで容易に第2形態に変換することができ、全体的な体積が小さくなるので、保管スペースを節約することができる。
【0054】
第2形態において、第2外周壁部材30と底板部材40とで形成される空間内には、第2梱包部材50及び第3梱包部材60が収容される。図9の断面図に示すように、第2壁部33の横方向の長さ33aは、底板部材40の厚さ40tと、第2梱包部材50の高さ方向の長さ50hと、第3梱包部材60の高さ方向の長さ60hとの合計となる長さであって、第2形態にすることで、上蓋部材10と下蓋部材20とが、隙間なく収まる長さになっている。
【0055】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る組み立て式梱包体200は、主に、上蓋部材10と、下蓋部材20と、第2外周壁部材30と、分割底板部材90と、第2梱包部材50と、を備えており、さらに、第4梱包部材80を備えている。
【0056】
第2実施形態の組み立て式梱包体200の上蓋部材10、下蓋部材20、第2外周壁部材30、及び第2梱包部材50は、第1実施形態の組み立て式梱包体100の構成のものと同様であるが、第1実施形態のときと比較して、さらに、第4梱包部材80を備えており、第3梱包部材60は備えられていない。
【0057】
(第4梱包部材80について)
第4梱包部材80は、図11(a)に示すように、第2外周壁部材30の一方の第2壁部33の内面において、第4梱包対象物を中に収容可能であって、上端81および下端82に蓋部83を有する筒状の梱包体である。
【0058】
蓋部83は、第2外周壁部材30の上端面37及び下端面38から段差39が設けられている。段差39を設けることで、組み立て式梱包体200が落下等したときに、衝撃が第4梱包対象物に直接加わらないようにしている。
【0059】
蓋部83の四端のうちの1つおいて、段差39箇所の一部が内側に折り曲げられることで、蓋部83が落ちないように形成されている。第4梱包対象物を取り出したいときは、段差39箇所の一部を外側に折り出すことで、蓋部83が解放されて、孔部83aを掴んで蓋部83及び第4梱包対象物を取りだすことができる。
【0060】
(分割底板部材90について)
分割底板部材90は、下蓋部材20上に設けられ、分割底板部材90上に第1梱包対象物Oが積載される。底板部材40と同様に、組み立て式梱包体200が落下した場合でも、衝撃が梱包対象物に直接加わらないように設けられている。
【0061】
第2実施形態に係る組み立て式梱包体200は、第4梱包部材80が設けられているので、1枚の底板部材40でなく分割した状態で形成され、2枚設けられている。
【0062】
(第1形態について)
第1形態は、第1梱包対象物O、第2梱包対象物及び第4梱包対象物が、組み立て式梱包体200に梱包されている状態である。以下、図11から図16まで、梱包する手順について説明をする。
【0063】
まず、図11(a)(b)に示すように、下蓋部材20に、第4梱包部材80が設けられた2つの第2外周壁部材30を相対するように嵌め込んで載置する。
【0064】
その後、図12(a)(b)に示すように、分割底板部材90をL字型となるように、2枚、下蓋部材20上に載置する。図13に示すように、分割底板部材90の縦方向の長さ90bは、第1矩形板部21の縦方向の長さ21bと略同一であり、1枚の分割底板部材90の横方向の長さ90aは、第4梱包部材80が設けられた第2外周壁部材30の内面24に沿うように長さが調整されている。
【0065】
また、図13に示すように、分割底板部材90の縦方向の長さ90b及び分割底板部材90の横方向の長さ90aは、第2壁部33の横方向の長さ33aと、分割底板部材90の縦方向の長さ90b、と、分割底板部材90の横方向の長さ90aと、の合計が第1矩形板部21の横方向の長さ21aとなるように調整されている。
【0066】
上記のように、分割底板部材90の縦方向の長さ90b及び横方向の長さ90aを調整することで、第1矩形板部21上に隙間なく、第2外周壁部材30及び分割底板部材90が載置され、分割底板部材90及び第2外周壁部材30の縦方向及び横方向の動きが制限され、外部から組み立て式梱包体200に衝撃が加わっても、分割底板部材90及び第2外周壁部材30がずれないようにしている。
【0067】
分割底板部材90を載置した後は、図14(a)(b)に示すように、分割底板部材90上に第1梱包対象物Oを載置する。
【0068】
その後、図15(a)(b)に示すように、第1実施形態のときと同様に、第2梱包部材50を第1梱包対象物O上に載置する。
【0069】
そして、図16(a)(b)に示すように、上方から第2外周壁部材30を嵌めるように、上蓋部材10を載置することで、第1収容空間が形成され、第1収容空間内に梱包対象物が梱包された状態となり、梱包の一連の流れが完了する。
【0070】
第1実施形態のときと同様に、図16(b)に示すように、梱包後、2つの第2壁部33と、下蓋部材20及び上蓋部材10の第1壁部12,22とで、外部から第1収容空間の内部を目視可能な窓部70が形成される。作業者は、窓部70から第1梱包対象物O及び第2梱包部材50の側面53を確認することができる。窓部70から見える第2梱包部材50の側面53には、第2梱包対象物及びが記載したラベルを貼り付けられており、作業者はラベルを確認することで梱包されている対象物を認識することができる。
【0071】
(第2形態について)
第2形態は、梱包対象物を収容しておらず、組み立て式梱包体200が折り畳まれて保管されている状態である。図17図18に示すように、2つの第2外周壁部材30は、第2矩形板部31と第1矩形板部11,21とが平行になる向きで、下蓋部材20の内部側に倒されて収容され、倒されて収容された2つの第2外周壁部材30に上方から上蓋部材10が被せられている。
【0072】
第1形態から梱包対象物を取り出し、2つの第2外周壁部材30を倒して、上蓋部材10を被せることで容易に第2形態に変換することができ、全体的な体積が小さくなるので、保管スペースを節約することができる。
【0073】
第4梱包部材80の蓋部83が隣接して連続するように、2つの第2外周壁部材30が、下蓋部材20の内部側に倒されて収容され、第2外周壁部材30の内側と下蓋部材20の第1壁部22とから形成される空間に第2梱包部材50が収容される。
【0074】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、遊技機の製造産業に利用可能である。
【符号の説明】
【0076】
100 組み立て式梱包体
10 上蓋部材
11 第1矩形板部
11a 横方向の長さ
11b 縦方向の長さ
12 第1壁部
12h 高さ
13 第1外周壁部
14 内面
20 下蓋部材
21 第1矩形板部
21a 横方向の長さ
21b 縦方向の長さ
22 第1壁部
22h 高さ
23 第1外周壁部
24 内面
30 第2外周壁部材
30t 厚さ
30h 高さ
31 第2矩形板部
32 周縁
33 第2壁部
33a 横方向の長さ
33b 縦方向の長さ
33h 高さ
34 外面
36 横隙間
37 上端面
38 下端面
39 段差
40 底板部材
41 溝部
50 第2梱包部材
50a 横方向の長さ
50b 縦方向の長さ
51 前面
52 後面
53 側面
60 第3梱包部材
60h 高さ方向の長さ
61 面
70 窓部
80 第4梱包部材
81 上端
82 下端
83 蓋部
83a 孔部
90 分割底板部材
90a 横方向の長さ
90b 縦方向の長さ
200 組み立て式梱包体
O 第1梱包対象物
O1 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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図18