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特開2024-7640サーバ、コネクティッド車両及び車両制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007640
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】サーバ、コネクティッド車両及び車両制御方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
G08G1/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108834
(22)【出願日】2022-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 康宏
(72)【発明者】
【氏名】榎本 光洋
(72)【発明者】
【氏名】宇野 淳
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181MC04
5H181MC12
5H181MC22
(57)【要約】
【課題】コネクティッド車両からサーバに送信されるアップロード情報の情報量およびサーバの処理量を削減すること。
【解決手段】
ネットワークを介した通信機能を備えたコネクティッド車両を制御するサーバは、複数のコネクティッド車両それぞれから、前記複数のコネクティッド車両のセンサによって検出された情報に基づいて生成される複数のアップロード情報を受信する受信部と、前記複数のアップロード情報の少なくとも二つに同一の車両に関する情報が重複して含まれる場合、前記複数のアップロード情報に重複して前記情報が含まれる複数の車両の中からコネクティッド車両を特定する特定部と、前記複数のコネクティッド車両の各々に対して、前記特定されたコネクティッド車両を示すコネクティッド車両情報を送信する送信部と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介した通信機能を備えたコネクティッド車両を制御するサーバであって、
複数のコネクティッド車両それぞれから、前記複数のコネクティッド車両のセンサによって検出された情報に基づいて生成される複数のアップロード情報を受信する受信部と、
前記複数のアップロード情報の少なくとも二つに同一の車両に関する情報が重複して含まれる場合、前記複数のアップロード情報に重複して前記情報が含まれる複数の車両の中からコネクティッド車両を特定する特定部と、
前記複数のコネクティッド車両の各々に対して、前記特定されたコネクティッド車両を示すコネクティッド車両情報を送信する送信部と、
を備えるサーバ。
【請求項2】
前記特定部は、前記複数のアップロード情報の少なくとも二つに同一の車両に関する情報が重複して含まれる場合、前記複数の車両の中から前記通信機能を備えていない非コネクティッド車両を特定し、
前記特定された非コネクティッド車両に関する情報を前記アップロード情報に含めて送信するコネクティッド車両を、前記複数のコネクティッド車両の中から選択する選択部を更に備え、
前記送信部は、前記複数のコネクティッド車両の各々に対して、前記選択されたコネクティッド車両を示す選択情報を送信する、
請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記選択部は、前記複数のコネクティッド車両の各々と前記非コネクティッド車両との間の距離に基づいて、前記非コネクティッド車両に関する情報を前記アップロード情報に含めて送信する前記コネクティッド車両を選択する、
請求項2記載のサーバ。
【請求項4】
前記選択部は、前記複数のコネクティッド車両の各々の進行方向に対して前記非コネクティッド車両が形成する角度に基づいて、前記非コネクティッド車両に関する情報を前記アップロード情報に含めて送信する前記コネクティッド車両を選択する、
請求項2記載のサーバ。
【請求項5】
ネットワークを介したサーバとの通信機能を備えたコネクティッド車両であって、
センサと、
前記センサによって検出された情報に基づいて、前記サーバに対するアップロード情報を生成する生成部と、
前記アップロード情報を前記サーバに対して送信する送信部と、
自車両及び他のコネクティッド車両それぞれから送信された複数のアップロード情報に重複して情報が含まれる複数の車両の中から特定されたコネクティッド車両を示すコネクティッド車両情報を、前記サーバから受信する受信部と、
前記コネクティッド車両情報に基づいて、前記他のコネクティッド車両に関する情報を含まないように、前記アップロード情報の生成を制御する制御部と、
を備えるコネクティッド車両。
【請求項6】
前記受信部は、前記サーバによって選択された、前記通信機能を備えていない非コネクティッド車両に関する情報を前記アップロード情報に含めて送信するコネクティッド車両を示す選択情報を受信し、
前記制御部は、前記選択情報が自車両を示す場合、前記非コネクティッド車両に関する情報を含むように、前記アップロード情報の生成を制御する、
請求項5に記載のコネクティッド車両。
【請求項7】
前記受信部は、前記サーバによって選択された、前記通信機能を備えていない非コネクティッド車両に関する情報を前記アップロード情報に含めて送信するコネクティッド車両を示す選択情報を受信し、
前記制御部は、前記選択情報が自車両以外の他のコネクティッド車両を示す場合、前記非コネクティッド車両に関する情報を含まないように、前記アップロード情報の生成を制御する、
請求項5又は請求項6記載のコネクティッド車両。
【請求項8】
サーバが、ネットワークを介した通信機能を備えたコネクティッド車両を制御する車両制御方法であって、
複数のコネクティッド車両それぞれから、前記複数のコネクティッド車両のセンサによって検出された情報に基づいて生成される複数のアップロード情報を受信する工程と、
前記複数のアップロード情報の少なくとも二つに同一の車両に関する情報が重複して含まれる場合、前記複数のアップロード情報に重複して前記情報が含まれる複数の車両の中からコネクティッド車両を特定する工程と、
前記複数のコネクティッド車両の各々に対して、前記特定されたコネクティッド車両を示すコネクティッド車両情報を送信する工程と、
を備える車両制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ、コネクティッド車両及び車両制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークを介したサーバとの通信機能を有する車両(以下、「コネクティッド車両」という)が注目されている。例えば、非特許文献1には、コネクティッド車両は、車両の状態や周囲の道路状況などの様々なデータを車両に搭載されたセンサにより取得し、センサにより取得された情報を、ネットワークを介してサーバに送信することが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“平成27年度版情報通信白書特集テーマ「ICTの過去・現在・未来」”,[online],総務省,[令和4年5月27日検索],インターネット,< https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/html/nc241210.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、コネクティッド車両に関する技術として、コネクティッド車両に搭載されたセンサによって検出された自車両及び/又は他車両に関する情報をサーバに送信して、サーバ上で形成される仮想空間で車両の動作をシミュレーションする技術(例えば、デジタルツイン、Cyber-Physical System:サイバーフィジカルシステム等)も注目されている。このような技術の普及に伴い、コネクティッド車両からサーバに送信される情報(以下、「アップロード情報」という)の情報量が増大する恐れがあるため、ネットワークの逼迫を招く恐れがある。
【0005】
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであって、コネクティッド車両からサーバに送信されるアップロード情報の情報量を削減可能なサーバ、コネクティッド車両及び車両制御方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るサーバは、ネットワークを介した通信機能を備えたコネクティッド車両を制御するサーバであって、複数のコネクティッド車両それぞれから、前記複数のコネクティッド車両のセンサによって検出された情報に基づいて生成される複数のアップロード情報を受信する受信部と、前記複数のアップロード情報の少なくとも二つに同一の車両に関する情報が重複して含まれる場合、前記複数のアップロード情報に重複して前記情報が含まれる複数の車両の中からコネクティッド車両を特定する特定部と、前記複数のコネクティッド車両の各々に対して、前記特定されたコネクティッド車両を示すコネクティッド車両情報を送信する送信部と、を備える。
【0007】
本開示の他の態様に係るコネクティッド車両は、ネットワークを介したサーバとの通信機能を備えたコネクティッド車両であって、センサと、前記センサによって検出された情報に基づいて、前記サーバに対するアップロード情報を生成する生成部と、前記アップロード情報を前記サーバに対して送信する送信部と、自車両及び他のコネクティッド車両それぞれから送信された複数のアップロード情報に重複して情報が含まれる複数の車両の中から特定されたコネクティッド車両を示すコネクティッド車両情報を、前記サーバから受信する受信部と、前記コネクティッド車両情報に基づいて、前記他のコネクティッド車両に関する情報を含まないように、前記アップロード情報の生成を制御する制御部と、を備える。
【0008】
本開示の他の態様に係る車両制御方法は、サーバが、ネットワークを介した通信機能を備えたコネクティッド車両を制御する車両制御方法であって、複数のコネクティッド車両それぞれから、前記複数のコネクティッド車両のセンサによって検出された情報に基づいて生成される複数のアップロード情報を受信する工程と、前記複数のアップロード情報の少なくとも二つに同一の車両に関する情報が重複して含まれる場合、前記複数のアップロード情報に重複して前記情報が含まれる複数の車両の中からコネクティッド車両を特定する工程と、前記複数のコネクティッド車両の各々に対して、前記特定されたコネクティッド車両を示すコネクティッド車両情報を送信する工程と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、コネクティッド車両からサーバに送信されるアップロード情報の情報量を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態に係る車両制御システム1の概要を示す図である。
図2図2は、本実施形態に係る車両制御システム1の動作の一例を示す図である。
図3図3は、本実施形態に係る車両制御システム1の各装置の物理構成の一例を示す図である。
図4図4は、本実施形態に係るサーバ10及びコネクティッド車両20の機能構成の一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態に係る車両制御システム1における第1の動作例を示す図である。
図6図6は、本実施形態に係る車両制御システム1における第2の動作例を示す図である。
図7図7は、本実施形態に係る車両制御システム1における第3の動作例を示す図である。
図8図8は、本実施形態に係る車両制御システム1における第3の動作例を示す図である。
図9図9は、本実施形態に係る車両制御システム1における第4の動作例を示す図である。
図10図10は、本実施形態に係る車両制御システム1における第4の動作例を示す図である。
図11図11は、本実施形態に係る車両制御システム1における第5の動作例を示す図である。
図12図12は、本実施形態に係る車両制御システム1における第5の動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態におけるシステムについて、図面を参照して詳細に説明する。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。
【0012】
図1は、本実施形態に係る車両制御システム1の概要を示す図である。図1に示すように、車両制御システム1は、サーバ10と、サーバ10とのネットワークNを介した通信機能をそれぞれ備えた車両(以下、「コネクティッド車両」という)20A及び20Bを含んで構成される。なお、コネクティッド車両20A及び20Bを特に区別しない場合は、コネクティッド車両20と総称する。
【0013】
サーバ10は、コネクティッド車両20A及び20Bと通信を行うサーバである。サーバ10は、コネクティッド車両20A及び20Bそれぞれからのアップロード情報に基づいて、コネクティッド車両20A及び20Bの動作を仮想空間上でシミュレーションするサーバであってもよい。サーバ10は、例えば、MEC(Multi-access Edge Computing)サーバ、デジタルツインサーバ等として動作してもよい。ネットワークNは、無線及び有線の通信ネットワークである。
【0014】
コネクティッド車両20は、自車両に搭載された一つ又は複数のセンサによって、自車両に関する情報を少なくとも取得する。コネクティッド車両20は、自車両に搭載された一つ又は複数のセンサによって、自車両から所定範囲内に存在する他車両に関する情報を取得してもよい。他車両に関する情報は、自車両以外のコネクティッド車両20に関する情報と、サーバ10とのネットワークNを介した通信機能を備えていない車両(以下、「非コネクティッド車両」という)NCVに関する情報と、の少なくとも一つを含んでもよい。
【0015】
図2は、本実施形態に係る車両制御システム1の動作の一例を示す図である。図2では、例えば、コネクティッド車両20A及び20B、非コネクティッド車両NCVが同一方向に向かって走行しており、コネクティッド車両20Aの右前方にコネクティッド車両20Bが位置し、コネクティッド車両20Aの直進方向でコネクティッド車両20Bの左前方に非コネクティッド車両NCVが位置するものとする。
【0016】
例えば、図2に示すように非コネクティッド車両NCV、コネクティッド車両20A及び20Bが走行する場合、コネクティッド車両20Aは、自車両に搭載された一つ又は複数のセンサによって、コネクティッド車両20B及び非コネクティッド車両NCVを検出する。コネクティッド車両20Aは、自車両、コネクティッド車両20B及び非コネクティッド車両NCVに関する情報を含むアップロード情報をサーバ10に対して送信する。
【0017】
同様に、コネクティッド車両20Bは、自車両に搭載された一つ又は複数のセンサによって、コネクティッド車両20A及び非コネクティッド車両NCVを検出する。コネクティッド車両20Bは、自車両、コネクティッド車両20A及び非コネクティッド車両NCVに関する情報を含むアップロード情報をサーバ10に対して送信する。なお、非コネクティッド車両NCVは、サーバ10との通信機能を備えないので、サーバ10に対してアップロード情報を送信しない。
【0018】
図2に示すように、コネクティッド車両20A及び20Bそれぞれからのアップロード情報に、非コネクティッド車両NCV、コネクティッド車両20A及び20Bに関する情報が重複して含まれる場合、サーバ10において形成される仮想空間上に、コネクティッド車両20Aに対応する複数の仮想車両V20A_A及びV20A_B、コネクティッド車両20Bに対応する複数の仮想車両V20B_A及びV20B_B、非コネクティッド車両NCVに対応する複数の仮想車両VNCV_A及びVNCV_Bがそれぞれ重複して配置されてしまう。
【0019】
このように、複数のコネクティッド車両20からのアップロード情報に重複する車両に関する情報が含まれる場合、同一の車両に対応する複数の仮想車両Vが仮想空間上の重複配置されてしまい、アップロード情報の情報量と、それに伴うサーバ10の処理量が無駄に増加することになる。そこで、本実施形態に係る車両制御システム1では、同一の車両に対応する複数の仮想車両Vが仮想空間上に重複して配置されるのを回避することで、コネクティッド車両20からのサーバ10に対するアップロード情報の情報量を削減し、結果的に、サーバ10の処理量を削減する。
【0020】
(構成)
以下、本実施形態に係る車両制御システム1の構成について説明する。
<物理構成>
図3は、本実施形態に係る車両制御システム1の各装置の物理構成の一例を示す図である。車両制御システム1内の各装置(例えば、サーバ10及びコネクティッド車両20等)は、プロセッサ11、記憶装置12、有線又は無線の通信を行う通信装置13、各種の入力操作を受け付ける入力装置や各種情報の出力を行う入出力装置14を含む。
【0021】
プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、車両制御システム1内の各装置を制御する。プロセッサ11は、プログラムを記憶装置12から読み出して実行することで、本実施形態で説明する各種の処理を実行してもよい。車両制御システム1内の各装置は、1又は複数のプロセッサ11により構成されていてもよい。また、当該各装置は、コンピュータと呼ばれてもよい。プロセッサ11が記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより、各装置の制御部の少なくとも一部の機能を実現する。
【0022】
記憶装置12は、例えば、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)等のストレージから構成される。記憶装置12は、プロセッサ11による処理の実行に必要な各種情報(例えば、プロセッサ11によって実行されるプログラム等)を記憶してもよい。記憶装置12は、各装置の記憶部の少なくとも一部の機能を実現する。
【0023】
通信装置13は、ネットワークを介して通信を行う装置であり、例えば、ネットワークカード、通信モジュール、チップ、アンテナ等を含んでもよい。入出力装置14は、例えば、キーボード、タッチパネル、マウス及び/又はマイク等の入力装置と、例えば、ディスプレイ及び/又はスピーカー等の出力装置とを含む。通信装置13は、各装置の送信部、受信部又は送受信部の少なくとも一部の機能を実現する。また、コネクティッド車両20における通信装置13は、車両の一部として予め組み込まれた構成でもよいし、乗員が携帯可能な通信端末等を持ち込んで備え付ける構成であってもよい。
【0024】
以上説明した物理構成は一例に過ぎない。車両制御システム1内の各装置は、図3に記載したハードウェアの一部が省略されていてもよいし、図3に記載されていないハードウェアを備えていてもよい。また、図3に示すハードウェアが1又は複数のチップにより構成されていてもよい。例えば、コネクティッド車両20は、一つ又は複数のセンサのセット(以下、「センサセット」という)や、電子制御ユニット(Electronic Control Unit、以下、「ECU」という)等を備えてもよい。
【0025】
コネクティッド車両20のセンサセットは、一つ又は複数のセンサを含む。例えば、センサセットは、カメラ(例えば、2次元カメラ又は3次元カメラ)、LiDAR(Light Detection And Ranging又はLaser Imaging Detection And Ranging)センサ、超音波センサ、レーダーセンサ、GNSS(Global Navigation Satellite System)センサ、及び、速度センサ等の少なくとも一つを含んでもよい。コネクティッド車両20のセンサセットは、コネクティッド車両20の前方のみを認識してもよいし、又は、コネクティッド車両20の周囲の360度を認識してもよい。このように、センサセットは、コネクティッド車両20の前方、後方、左方向、右方向等、360度周囲の少なくとも一部を認識する。
【0026】
ECUは、コネクティッド車両20の各機能を制御する制御装置であり、例えば、エンジン制御用のECU、ブレーキ制御用のECU、ステアリング制御用のECU、カーナビゲーション用のECU、マルチメディア用のECU等であってもよい。
【0027】
<機能構成>
図4は、本実施形態に係るサーバ10及びコネクティッド車両20の機能構成の一例を示す図である。図4に示すように、サーバ10は、受信部101、配置部102、判定部103、特定部104、選択部105及び送信部106を備える。
【0028】
受信部101は、コネクティッド車両20からのアップロード情報を受信する。具体的には、受信部101は、複数のコネクティッド車両20のそれぞれから、当該複数のコネクティッド車両20のセンサによって検出された情報に基づいて生成される複数のアップロード情報を受信する。
【0029】
ここで、アップロード情報は、コネクティッド車両20の一つ又は複数のセンサによって検出された自車両に関する情報を少なくとも含み、他車両(すなわち、他のコネクティッド車両20に関する情報及び/又は非コネクティッド車両NCVに関する情報)を含んでもよい。自車両に関する情報は、絶対的な情報(例えば、絶対速度、絶対位置等)を含んでもよい。他車両に関する情報は、自車両に対する相対的な情報(例えば、相対速度、相対位置、相対距離等)を含んでもよい。
【0030】
配置部102は、コネクティッド車両20からのアップロード情報に基づいて、現実空間の車両に対応する仮想車両Vを仮想空間上に配置する。具体的には、配置部102は、複数のコネクティッド車両20それぞれからの複数のアップロード情報の少なくとも二つに基づいて、仮想空間上に同一の車両に対応する複数の仮想車両Vを重複して配置してもよい。なお、当該同一の車両は、コネクティッド車両20及び/又は非コネクティッド車両NCVであればよい。
【0031】
判定部103は、受信部101によって複数のコネクティッド車両20から受信された複数のアップロード情報の少なくとも二つに同一の車両に関する情報が重複して含まれるか否かを判定する。例えば、判定部103は、当該複数のアップロード情報の少なくとも二つに含まれる、位置情報、及び、画像から認識される情報(例えば、車体の色や形、ナンバー等)の少なくとも一つに基づいて、複数のアップロード情報に同一の車両に関する情報が重複して含まれるか否かを判定してもよい。
【0032】
特定部104は、複数のアップロード情報の少なくとも二つに同一の車両に関する情報が重複して含まれる場合、当該複数のアップロード情報に重複して情報が含まれる複数の車両の中からコネクティッド車両20を特定する。具体的には、特定部104は、判定部103によって複数のアップロード情報の少なくとも二つに同一の車両に関する情報が重複して含まれると判定された場合、当該複数の車両の中からコネクティッド車両20を特定してもよい。例えば、特定部104は、当該同一の車両に関する情報が、絶対的な情報(例えば、絶対速度、絶対位置等)を含む場合、当該同一の車両をコネクティッド車両20として特定してもよい。
【0033】
また、特定部104は、複数のアップロード情報の少なくとも二つに同一の車両に関する情報が重複して含まれる場合、当該複数の車両の中から非コネクティッド車両NCVを特定してもよい。例えば、特定部104は、当該同一の車両に関する情報が、相対的な情報(例えば、相対速度、相対位置及び相対距離の少なくとも一つ等)である場合、当該同一の車両を非コネクティッド車両NCVとして特定してもよい。
【0034】
選択部105は、複数のコネクティッド車両20(例えば、図2のコネクティッド車両20A及び20B)の中で、非コネクティッド車両NCVに関する情報をアップロード情報に含めて送信するコネクティッド車両20を選択する。具体的には、選択部105は、当該複数のコネクティッド車両20の各々と非コネクティッド車両NCVとの間の距離に基づいて、当該コネクティッド車両20を選択してもよい。また、選択部105は、当該複数のコネクティッド車両20の各々の進行方向に対して非コネクティッド車両NCVが形成する角度に基づいて、当該コネクティッド車両20を選択してもよい。
【0035】
また、選択部105は、選択情報が示すコネクティッド車両20から受信したアップロード情報に非コネクティッド車両NCVに関する情報が含まれない場合に、非コネクティッド車両NCVに関する情報をアップロード情報に含めて送信する他のコネクティッド車両20を再選択してもよい。
【0036】
送信部106は、複数のコネクティッド車両20の各々に対して、特定部104によって特定されたコネクティッド車両20を示す情報(以下、「コネクティッド車両情報」という)を送信する。また、送信部106は、選択部105によって選択されたコネクティッド車両20を示す情報(以下、「選択情報」という)を送信してもよい。
【0037】
図4に示すように、コネクティッド車両20は、生成部201、送信部202、受信部203、制御部204を備える。
【0038】
生成部201は、自車両に搭載されたセンサによって検出された情報に基づいて、サーバ10に対するアップロード情報を生成する。具体的には、生成部201は、当該センサによって検出された自車両に関する情報(例えば、絶対速度及び絶対位置の少なくとも一つ等)を少なくとも含むアップロード情報を生成する。また、生成部201は、当該センサによって検出された他車両に関する情報(例えば、相対速度、相対位置及び相対距離の少なくとも一つ等)を含むアップロード情報を生成してもよい。当該他車両は、コネクティッド車両20及び/又は非コネクティッド車両NCVであってもよい。
【0039】
送信部202は、生成部201によって生成されたアップロード情報をサーバ10に対して送信する。
【0040】
受信部203は、自車両及び他のコネクティッド車両20それぞれから送信された複数のアップロード情報の少なくとも二つに重複して情報が含まれる複数の車両の中から特定されたコネクティッド車両20を示すコネクティッド車両情報を、サーバ10から受信する。また、受信部203は、サーバ10によって選択されたコネクティッド車両20を示す選択情報を受信してもよい。当該選択されたコネクティッド車両20は、非コネクティッド車両NCVに関する情報をアップロード情報に含める車両として、サーバ10によって選択されたものである。
【0041】
制御部204は、生成部201によるアップロード情報の生成を制御する。具体的には、制御部204は、受信部203によって受信されたコネクティッド車両情報によって示される、自車両以外の他のコネクティッド車両20に関する情報を含まないように、生成部201によるアップロード情報の生成を制御する。
【0042】
また、制御部204は、受信部203によって受信された選択情報が自車両を示す場合、非コネクティッド車両NCVに関する情報を含むように、生成部201によるアップロード情報の生成を制御してもよい。また、制御部204は、受信部203によって受信された選択情報が自車両以外の他のコネクティッド車両20を示す場合、非コネクティッド車両NCVに関する情報を含まないように、生成部201によるアップロード情報の生成を制御してもよい。
【0043】
(動作)
図5~12を参照し、本実施形態に係る車両制御システム1における第1~第5の動作例を説明する。なお、以下に示す第1~第5の動作例は、例示にすぎず、図示するものに限られないことは勿論である。また、図5~12に示すステップの少なくとも一部の順番は入れ替えられてもよいし、不図示のステップが追加されてもよい。
【0044】
<第1の動作例>
図5は、本実施形態に係る車両制御システム1における第1の動作例を示す図である。図5では、図2で説明したように、サーバ10は、非コネクティッド車両NCV、コネクティッド車両20A及び20Bに関する情報を重複して含んだ2つのアップロード情報を、コネクティッド車両20A及び20Bそれぞれから受信しているものとする。
【0045】
また、サーバ10は、当該2つのアップロード情報に同一の車両(例えば、図2では、コネクティッド車両20A、コネクティッド車両20B及び非コネクティッド車両NCV)に関する情報が重複して含まれると判定しているものとする。また、サーバ10は、当該2つのアップロード情報に重複して情報が含まれる複数の車両の中からコネクティッド車両20A及び20Bを特定しているものとする。
【0046】
図5のステップS101において、サーバ10は、複数のアップロード情報に重複して情報が含まれる複数の車両の中から特定されたコネクティッド車両20A及び20Bを示すコネクティッド車両情報を、コネクティッド車両20A及び20Bの各々に対して送信する。なお、サーバ10は、コネクティッド車両20A及び20Bに対するコネクティッド車両情報を同一のタイミングで送信してもよいし、異なるタイミングで送信してもよい。
【0047】
ステップS102において、コネクティッド車両20Aは、ステップS101で受信されたコネクティッド車両情報が示すコネクティッド車両20Bに関する情報を含まず、自車両に関する情報を含むようにアップロード情報を生成し、生成したアップロード情報をサーバ10に送信する。図5に示すように、当該アップロード情報は、センサによって検出された非コネクティッド車両NCVに関する情報を含んでもよい。
【0048】
ステップS103において、コネクティッド車両20Bは、ステップS101で受信されたコネクティッド車両情報が示すコネクティッド車両20Aに関する情報を含まず、自車両に関する情報を含むようにアップロード情報を生成し、生成したアップロード情報をサーバ10に送信する。図5に示すように、当該アップロード情報は、センサによって検出された非コネクティッド車両NCVに関する情報を含んでもよい。
【0049】
ステップS102及びS103でそれぞれ受信された2つのアップロード情報は、非コネクティッド車両NCVに関する情報を重複して含むが、コネクティッド車両20A及び20Bに関する情報を重複して含まない。図5に示すように、サーバ10は、当該2つのアップロード情報に基づいて、コネクティッド車両20Aに対応する仮想車両V20A、コネクティッド車両20Bに対応する仮想車両V20B、及び、非コネクティッド車両NCVに対応する2つの仮想車両VNCV_A及びVNCV_Bを仮想空間上に配置する。
【0050】
このように、各コネクティッド車両20が、サーバ10からのコネクティッド車両情報が示す自車両以外の他のコネクティッド車両20に関する情報を含まず、自車両に関する情報を含むアップロード情報をサーバ10に送信することにより、同一のコネクティッド車両20に対応する複数の仮想車両Vが仮想空間上に重複して配置されるのを回避できる。これにより、各コネクティッド車両20から送信されるアップロード情報の情報量を図2に示す場合と比較して削減できる。
【0051】
<第2の動作例>
第1の動作例では、図5に示すように、非コネクティッド車両NCVに対応する複数の仮想車両VNCV_A及びVNCV_Bが仮想空間上に重複して配置されるのを回避できない恐れがある。そこで、第2の動作例では、サーバ10が、非コネクティッド車両NCVに関する情報をアップロード情報に含めるコネクティッド車両20を選択し、選択されたコネクティッド車両20を示す選択情報を送信する。なお、第2の動作例は、第1の動作例との相違点を中心に説明する。
【0052】
図6は、本実施形態に係る車両制御システム1における第2の動作例を示す図である。なお、図6の前提条件は、図5と同様である。図6は、図5との相違点を中心に説明する。図6に示すように、ステップS201において、サーバ10は、非コネクティッド車両NCVに関する情報をアップロード情報に含めるコネクティッド車両20として、コネクティッド車両20Bを選択し、選択されたコネクティッド車両20Bを示す選択情報を、コネクティッド車両20A及び20Bの各々に対して送信する。このように、図6のステップS201においてサーバ10はコネクティッド車両情報に加えて選択情報を送信する点で、図5のステップS101と異なる。
【0053】
例えば、図6では、サーバ10は、コネクティッド車両20A及び20Bの各々と非コネクティッド車両NCVとの間の距離に基づいて、非コネクティッド車両NCVに関する情報をアップロード情報に含めて送信するコネクティッド車両20として、コネクティッド車両20Bを選択するものとするが、これに限られない。図示しないが、サーバ10は、コネクティッド車両20A及び20Bの各々の進行方向に対して非コネクティッド車両NCVが形成する角度に基づいて、当該コネクティッド車両20として、コネクティッド車両20Aを選択してもよい。
【0054】
ステップS202において、コネクティッド車両20Aは、ステップS201で受信された選択情報が自車両以外のコネクティッド車両20Bを示すので、自車両に関する情報を含むが、非コネクティッド車両NCVに関する情報を含まないアップロード情報を生成する。
【0055】
ステップS203において、コネクティッド車両20Bは、ステップS101で受信された選択情報が自車両であるコネクティッド車両20Bを示すので、自車両に関する情報だけでなく、非コネクティッド車両NCVに関する情報を含むアップロード情報を生成する。
【0056】
このように、各コネクティッド車両20は、サーバ10からの選択情報が自車両を示す場合、非コネクティッド車両NCVに関する情報を含むアップロード情報をサーバ10に送信する一方、当該選択情報が自車両以外のコネクティッド車両20を示す場合、非コネクティッド車両NCVに関する情報を含まないアップロード情報をサーバ10に送信する。これにより、同一の非コネクティッド車両NCVに対応する複数の仮想車両Vが仮想空間上に重複して配置されるのを回避できる。これにより、選択情報によって示されていないコネクティッド車両20(例えば、図6のコネクティッド車両20A)から送信されるアップロード情報の情報量を第1の動作例よりも削減できる。
【0057】
<第3の動作例>
図7及び8を参照し、第3の動作例として、選択情報が示すコネクティッド車両20Bのセンサによって検出される範囲(以下、「検出範囲」という)Rから非コネクティッド車両NCVが逸脱した場合における動作例を説明する。なお、第3の動作例は、第2の動作例との相違点を中心に説明する。
【0058】
図7及び8は、本実施形態に係る車両制御システム1における第3の動作例を示す図である。図7及び8は、図6との相違点を中心に説明する。図7及び図8では、例えば、図6に示す非コネクティッド車両NCVが交差点等で曲がった場合を想定するが、これに限られず、選択情報が示すコネクティッド車両20Bの検出範囲R1から非コネクティッド車両NCVが逸脱した場合であればどのような場合であってもよい。図7のステップS301及びS302は、図6のステップS201及びS202と同様である。
【0059】
図7に示すように、コネクティッド車両20Bは、ステップS301で受信された選択情報が自車両を示すので、非コネクティッド車両NCVに関する情報を含むように、サーバ10に対するアップロード情報を生成しようとする。しかしながら、図7に示すように、非コネクティッド車両NCVはコネクティッド車両20Bのセンサによって検出される範囲R1から逸脱しているため、コネクティッド車両20Bは、当該非コネクティッド車両NCVに関する情報を取得できない。このため、ステップS303において、コネクティッド車両20Bは、非コネクティッド車両NCVに関する情報を含まず、自車両に関する情報を含むアップロード情報をサーバ10に送信することになる。
【0060】
図7に示す場合、サーバ10は、非コネクティッド車両NCVに関する情報を取得できないので、非コネクティッド車両NCVに対応する仮想車両VNCVは仮想空間上に配置されない。一方、図8に示すように、コネクティッド車両20Bの検出範囲R1から逸脱した非コネクティッド車両NCVが、他のコネクティッド車両20Cの検出範囲R2に入って検出されることも想定される。
【0061】
図8のステップS304において、コネクティッド車両20Cは、自車両に搭載されたセンサによって検出された情報に基づいて、当該コネクティッド車両20C及び非コネクティッド車両NCVに関する情報を含むアップロード情報を生成して、サーバ10に送信する。サーバ10は、当該アップロード情報に基づいてコネクティッド車両20Cに対応する仮想車両V20C及び非コネクティッド車両NCVに対応する仮想車両VNCVを仮想空間上に配置する。
【0062】
このように、サーバ10からの選択情報が示すコネクティッド車両20の検出範囲Rから非コネクティッド車両NCVが逸脱した場合であっても当該選択情報を受信していない他のコネクティッド車両20の検出範囲Rに入れば、サーバ10は、当該他のコネクティッド車両20及び当該非コネクティッド車両NCVに関する情報を含むアップロード情報を、当該他のコネクティッド車両20から受信できる。したがって、非コネクティッド車両NCVに対応する仮想車両VNCVを仮想空間上に適切に配置できる。
【0063】
<第4の動作例>
図9及び10を参照し、第4の動作例として、選択情報が示すコネクティッド車両20Bの検出範囲から非コネクティッド車両NCVが逸脱した場合における他の動作例を説明する。なお、第4の動作例は、第3の動作例との相違点を中心に説明する。
【0064】
図9及び10は、本実施形態に係る車両制御システム1における第4の動作例を示す図である。図9及び10は、図7及び8との相違点を中心に説明する。図9及び10では、図6に示す非コネクティッド車両NCVではなく、図6に示すコネクティッド車両20Bが交差点等で曲がった場合を想定する点で、図7及び8と異なる。図9のステップS401、S402及びS403は、それぞれ、図7のステップS301、S302及びS303と同様である。
【0065】
図9に示すように、選択情報が示すコネクティッド車両20Bが、自車両に関する情報を含み、非コネクティッド車両に関する情報を含まないアップロード情報をサーバ10に送信する場合、サーバ10は、非コネクティッド車両NCVに関する情報を取得できないので、非コネクティッド車両NCVに対応する仮想車両VNCVは仮想空間上に配置されない。
【0066】
そこで、図10に示すように、サーバ10は、非コネクティッド車両NCVに関する情報をアップロード情報に含めてサーバ10に送信するコネクティッド車両20を再選択してもよい。例えば、サーバ10は、選択情報が示すコネクティッド車両20Bから受信したアップロード情報が非コネクティッド車両に関する情報が含まない場合に、当該コネクティッド車両20を再選択してもよい。図10では、サーバ10は、非コネクティッド車両NCVがコネクティッド車両20Aの検出範囲R3内にあるので、サーバ10は、コネクティッド車両20Aを再選択する。
【0067】
ステップS404において、サーバ10は、再選択されたコネクティッド車両20Aを示す選択情報を少なくともコネクティッド車両20Aに送信する。コネクティッド車両20Aは、当該選択情報が自車両を示すので、ステップS405において、センサによって検出された情報に基づいて非コネクティッド車両NCVに関する情報をアップロード情報に含めてサーバ10に送信する。
【0068】
このように、サーバ10からの選択情報が示すコネクティッド車両20の検出範囲Rから非コネクティッド車両NCVが逸脱した場合であっても、サーバ10は、当該非コネクティッド車両NCVに関する情報をアップロード情報に含めて送信する他のコネクティッド車両20を再選択し、再選択された他のコネクティッド車両20を示す選択情報を送信する。当該選択情報を受信した他のコネクティッド車両20が、当該非コネクティッド車両NCVに関する情報を含むアップロード情報をサーバ10に送信することにより、非コネクティッド車両NCVに対応する仮想車両VNCVを仮想空間上に適切に配置できる。
【0069】
<第5の動作例>
図11及び12を参照し、第5の動作例として、非コネクティッド車両NCVを自車両の検出範囲Rに含む新たなコネクティッド車両20が出現する場合における動作例を説明する。なお、第5の動作例は、第3の動作例との相違点を中心に説明する。
【0070】
図11及び12は、本実施形態に係る車両制御システム1における第5の動作例を示す図である。図11及び12は、図6との相違点を中心に説明する。図11及び図12では、例えば、図6に示す非コネクティッド車両NCVとコネクティッド車両20Aとの間に、合流等によってコネクティッド車両20Cが割り込んだ場合を想定する。なお、図11では、コネクティッド車両20A及び20Bは、図6のステップS201のコネクティッド車両情報及び選択情報を受信しているものとする。
【0071】
図11のステップS501において、コネクティッド車両20Bは、サーバ10からの選択情報が自車両を示すので、自車両及び非コネクティッド車両NCVに関する情報を含むアップロード情報をサーバ10に送信する。
【0072】
ステップS502において、コネクティッド車両20Aは、サーバ10からのコネクティッド車両情報(図6のステップS201参照)がコネクティッド車両20Cを示していないので、自車両及びコネクティッド車両20Cに関する情報を含むアップロード情報をサーバ10に送信する。
【0073】
ステップS503において、コネクティッド車両20Cは、コネクティッド車両20Bを示す選択情報(図6のステップS201参照)を未受領であるので、自車両及び非コネクティッド車両NCVに関する情報を含むアップロード情報をサーバ10に送信する。
【0074】
図11では、コネクティッド車両20A~20Cの少なくとも二つからのアップロード情報に、同一の車両に関する情報が重複して含まれる。具体的には、コネクティッド車両20A及び20Cそれぞれからのアップロード情報には、同一のコネクティッド車両20Cに関する情報が重複して含まれる。また、コネクティッド車両20A及び20Bそれぞれからのアップロード情報には、同一の非コネクティッド車両NCVに関する情報が重複して含まれる。このため、サーバ10は、コネクティッド車両20Cに対応する複数の仮想車両V20C_A及びV20C_Cを重複して配置させてしまう。同様に、サーバ10は、非コネクティッド車両NCVに対応する複数の仮想車両VNCV_B及びVNCV_Cを重複して配置させてしまう。
【0075】
図11において、サーバ10は、コネクティッド車両20A~20Cの少なくとも二つからのアップロード情報に、同一の車両に関する情報が重複して含まれると判定する。このため、コネクティッド車両20A~20Cからのアップロード情報に情報が含まれる複数の車両(すなわち、コネクティッド車両20A~20C及び非コネクティッド車両NCV)の中から、コネクティッド車両20A~20Cを特定する。また、サーバ10は、当該複数の車両の中から、非コネクティッド車両NCVを特定し、当該非コネクティッド車両NCVに関する情報をアップロード情報に含めて送信するコネクティッド車両20として、コネクティッド車両20Bを選択する。
【0076】
図12のステップS504において、サーバ10は、コネクティッド車両20A~20Cからのアップロード情報に情報が含まれる複数の車両の中から特定されたコネクティッド車両20A~20Cを示すコネクティッド車両情報をコネクティッド車両20A~20Cに送信する。また、サーバ10は、非コネクティッド車両NCVに関する情報をアップロード情報に含めて送信するコネクティッド車両20として選択された、コネクティッド車両20Bを示す選択情報をコネクティッド車両20A~20Cの各々に送信する。
【0077】
ステップS505において、コネクティッド車両20Aは、コネクティッド車両20B及び20Cを検出するが、ステップS504で受信されたコネクティッド車両情報によって示されるコネクティッド車両20B及び20Cに関する情報を含めず、自車両に関する情報を含むアップロード情報をサーバ10に送信する。
【0078】
ステップS506において、コネクティッド車両20Bは、コネクティッド車両20A及び非コネクティッド車両NCVを検出するが、ステップS504で受信されたコネクティッド車両情報によって示されるコネクティッド車両20Aに関する情報を含めず、自車両に関する情報をアップロード情報に含める。また、コネクティッド車両20Bは、ステップS504で受信された選択情報が自車両を示すので、当該アップロード情報に非コネクティッド車両NCVに関する情報を更に含めてサーバ10に送信する。
【0079】
ステップS507において、コネクティッド車両20Cは、非コネクティッド車両NCVを検出するが、ステップS504で受信された選択情報が自車両を示さないので、非コネクティッド車両NCVに関する情報を含めず、自車両に関する情報を含むアップロード情報をサーバ10に送信する。
【0080】
このように、サーバ10は、複数のコネクティッド車両20それぞれからの複数のアップロード情報を受信し、当該複数のアップロード情報の少なくとも二つに同一の車両に関する情報が重複して含まれるか否かを判定してもよい。サーバ10は、当該複数のアップロード情報の少なくとも二つに同一の車両に関する情報が重複して含まれると判定された場合、当該複数のアップロード情報に情報が含まれる複数の車両の中からコネクティッド車両20を特定し、特定されたコネクティッド車両20を示すコネクティッド車両情報を複数のコネクティッド車両20の各々に送信する。これにより、複数のコネクティッド車両20それぞれからの複数のアップロード情報の全てに同一の車両に関する情報が含まれていなくても、同一の車両に対応する複数の仮想車両Vが仮想空間上に重複して配置されるのを回避できる。
【0081】
以上のように、本実施形態に係る車両制御システム1によれば、同一の車両に対応する複数の仮想車両が仮想空間上で重複して配置されるのを回避することで、コネクティッド車両20からのサーバ10に対するアップロード情報の情報量を削減できる。
【0082】
以上の通り、本実施形態に係る車両制御システム1によると、コネクティッド車両20からのサーバ10に対するアップロード情報の情報量を削減可能な新たな車両制御システムを提供できるので、本実施形態に係る技術は、持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の達成に貢献できる。
【0083】
(その他の実施形態)
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0084】
1…車両制御システム、10…サーバ、20、20A、20B…コネクティッド車両、NCV…非コネクティッド車両、V…仮想車両、11…プロセッサ、12…記憶装置、13…通信装置、14…入出力装置、101…受信部、102…配置部、103…判定部、104…特定部、105…選択部、106…送信部、201…生成部、202…送信部、203…受信部、204…制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12