IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社comveyの特許一覧

特開2024-76407梱包材追跡方法、梱包材追跡プログラム及び梱包材追跡システム
<>
  • 特開-梱包材追跡方法、梱包材追跡プログラム及び梱包材追跡システム 図1
  • 特開-梱包材追跡方法、梱包材追跡プログラム及び梱包材追跡システム 図2
  • 特開-梱包材追跡方法、梱包材追跡プログラム及び梱包材追跡システム 図3
  • 特開-梱包材追跡方法、梱包材追跡プログラム及び梱包材追跡システム 図4
  • 特開-梱包材追跡方法、梱包材追跡プログラム及び梱包材追跡システム 図5
  • 特開-梱包材追跡方法、梱包材追跡プログラム及び梱包材追跡システム 図6
  • 特開-梱包材追跡方法、梱包材追跡プログラム及び梱包材追跡システム 図7
  • 特開-梱包材追跡方法、梱包材追跡プログラム及び梱包材追跡システム 図8
  • 特開-梱包材追跡方法、梱包材追跡プログラム及び梱包材追跡システム 図9
  • 特開-梱包材追跡方法、梱包材追跡プログラム及び梱包材追跡システム 図10
  • 特開-梱包材追跡方法、梱包材追跡プログラム及び梱包材追跡システム 図11
  • 特開-梱包材追跡方法、梱包材追跡プログラム及び梱包材追跡システム 図12
  • 特開-梱包材追跡方法、梱包材追跡プログラム及び梱包材追跡システム 図13
  • 特開-梱包材追跡方法、梱包材追跡プログラム及び梱包材追跡システム 図14
  • 特開-梱包材追跡方法、梱包材追跡プログラム及び梱包材追跡システム 図15
  • 特開-梱包材追跡方法、梱包材追跡プログラム及び梱包材追跡システム 図16
  • 特開-梱包材追跡方法、梱包材追跡プログラム及び梱包材追跡システム 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076407
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】梱包材追跡方法、梱包材追跡プログラム及び梱包材追跡システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0833 20230101AFI20240530BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240530BHJP
【FI】
G06Q10/0833
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187877
(22)【出願日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】522247116
【氏名又は名称】株式会社comvey
(74)【代理人】
【識別番号】230116539
【弁護士】
【氏名又は名称】恩田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】梶田 伸吾
【テーマコード(参考)】
5L010
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L030BB21
5L049AA16
5L049BB21
(57)【要約】      (修正有)
【課題】梱包材を繰り返し利用可能な形態にて回収できる仕組みを確保でき、既にあるインフラを利用することで特段の追加の人的資源を必要とせず梱包材を繰り返し利用することを促進する梱包材追跡方法及び梱包材追跡システムを提供する。
【解決手段】表面に梱包材と一体をなすように生成される読み取り可能な識別子コードを有する、繰り返し利用可能な梱包材をコンピュータで追跡可能とする方法として、商品購入者の管理する端末である購入者端末又は商品販売店舗の管理する端末である店舗端末の少なくともいずれか一方からの配送済み商品の梱包材に付された識別コードの読取りを受付けるコード読取受付ステップと、識別コードを端末とは異なる端末での読取を受付ける再読取ステップと、をコンピュータを用いて実行する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に梱包材と一体をなすように生成される読み取り可能な識別コードを有する、繰り返し利用可能な梱包材をコンピュータを用いて追跡可能とする方法であって、
商品販売店舗と、梱包材とを紐づける梱包材関連付けステップと、
商品購入者の管理する端末である購入者端末又は前記商品販売店舗の管理する端末である店舗端末の少なくともいずれか一方からの配送済み商品の梱包材に付された前記識別コードの読取りを受付けるコード読取受付ステップと、
前記識別コードの前記端末とは異なる端末での読取を受付ける再読取ステップと、
からなる梱包材追跡方法。
【請求項2】
コード読取受付ステップにて購入者端末からの前記識別コードの読取りを受付けた場合であって、かつ再読取ステップにて前記識別コードの読取を受け付けた場合に、前記購入者端末を管理する商品購入者に対し、所定の報奨を付与する報奨付与ステップをさらに備える請求項1に記載の梱包材追跡方法。
【請求項3】
報奨付与ステップは、前記商品購入者からの読取受付回数や読取対象の梱包材に応じて付与する報奨を制御する付与制御サブステップをさらに備える請求項2に記載の梱包材追跡方法。
【請求項4】
前記識別コードと、紐づけられる梱包材の使用回数と、使用状態とを少なくとも相互に紐づけて記録する識別コード記録ステップをさらに備え、
前記使用回数が閾値を超えた場合にアラートを出力する耐用アラート出力ステップをさらに備える請求項1に記載の梱包材追跡方法。
【請求項5】
前記識別コードと、紐づけられる梱包材の使用回数と、使用状態とを少なくとも相互に紐づけて記録する識別コード記録ステップをさらに備え、
コード読取受付ステップにて読取りを受け付けた後所定時間経過後に前記使用状態が変化しない場合に、当該読取対象の識別コードと紐づけられる商品販売店舗の情報を出力する返却確認要求出力ステップをさらに備える請求項1に記載の梱包材追跡方法。
【請求項6】
再読取ステップにて読取対象となった梱包材の洗浄状況に関する情報である洗浄情報を取得する洗浄情報取得ステップと、
前記取得した洗浄情報に応じ、再び商品販売店舗と当該梱包材とを紐づけ可能に制御する再利用制御ステップと、
をさらに備える請求項1に記載の梱包材追跡方法。
【請求項7】
表面に梱包材と一体をなすように生成される読み取り可能な識別コードを有する、繰り返し利用可能な梱包材をコンピュータを用いて追跡可能とするためのプログラムであって、
商品販売店舗と、梱包材とを紐づける梱包材関連付けステップと、
商品購入者の管理する端末である購入者端末又は前記商品販売店舗の管理する端末である店舗端末の少なくともいずれか一方からの配送済み商品の梱包材に付された前記識別コードの読取りを受付けるコード読取受付ステップと、
前記識別コードの前記端末とは異なる端末での読取を受付ける再読取ステップと、
をコンピュータにて実行可能とする梱包材追跡プログラム。
【請求項8】
表面に梱包材と一体をなすように生成される読み取り可能な識別コードを有する、繰り返し利用可能な梱包材を追跡可能とするシステムであって、
商品販売店舗と、梱包材とを紐づける梱包材関連付け部と、
商品購入者の管理する端末である購入者端末又は前記商品販売店舗の管理する端末である店舗端末の少なくともいずれか一方からの商品購入者の管理する端末である購入者端末又は前記商品販売店舗の管理する端末である店舗端末の少なくともいずれか一方からの配送済み商品の梱包材に付された前記識別コードの読取りを受付けるコード読取受付部と、
前記識別コードの前記端末とは異なる端末での読取を受付ける再読取部と、
を有する梱包材追跡システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繰り返し利用可能な梱包材を管理目的でコンピュータを用いて追跡可能とする方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種インターネットサービスの発展や新型コロナウイルス感染症拡大などの影響で、Eコマースの発展が目覚ましい。ただ、その副次的効果として、Eコマースを通じて物流過程で用いられる商品等の梱包材の需要が高まり、その消費量も増大しており、例えば段ボールなどの簡易な構成でかつ頑丈な素材が好んで用いられるようになってきた。
【0003】
いっぽうで、種々の要因により、それら梱包材素材の大量生産大量消費の観点が見直され、梱包材の取扱いにも環境負荷の少ない持続可能な仕組みが求められるようになってきた。より具体的にいうと、梱包材を繰り返し利用するためのリサイクルや、リユースが可能なエコシステムやそのような取り組みを促進するための管理に関する技術がより強く求められている。例えば特許文献1には、複数の梱包物を格納可能なロッカー装置に関する技術において、格納された梱包物を扉内から取り出す際に、当該梱包物を梱包していた梱包材を収納し回収するための空間を同一ロッカー装置内に設ける仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-119354
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ただ、このような従来技術では回収対象の梱包材が破かれたり汚れたりすることを防ぐことができず、再利用可能な形態にて回収できるか担保されていなかった。この点従来技術では、カーボンニュートラルの要請に伴い再処理時に二酸化炭素の消費が避けられないリサイクルではなく、リユースの観点からは難点があった。また、この従来技術は自宅で物品を受け取る場合には利用困難なほか、梱包物回収のために特に当該ロッカー装置へ派遣すべき人的資源を要するという点でも、真に持続可能なものとは言い難かった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上のような課題を解決すべく、本発明は、表面に梱包材と一体をなすように生成される読み取り可能な識別コードを有する、繰り返し利用可能な梱包材をコンピュータを用いて追跡可能とする方法として、商品販売店舗と、梱包材とを紐づける梱包材関連付けステップと、商品購入者の管理する端末である購入者端末又は前記商品販売店舗の管理する端末である店舗端末の少なくともいずれか一方からの商品購入者の管理する端末である購入者端末又は前記商品販売店舗の管理する端末である店舗端末の少なくともいずれか一方からの配送済み商品の梱包材に付された前記識別コードの読取りを受付けるコード読取受付ステップと、前記識別コードの前記端末とは異なる端末での読取を受付ける再読取ステップと、からなる梱包材追跡方法などを提案する。
【0007】
また、上記発明に関連して、コード読取受付ステップにて購入者端末からの前記識別コードの読取りを受付けた場合であって、かつ再読取ステップにて前記識別コードの読取を受け付けた場合に、前記購入者端末を管理する商品購入者に対し、所定の報奨を付与する報奨付与ステップをさらに備える梱包材追跡方法なども提案する。
【0008】
また、上記発明に関連して、報奨付与ステップが、前記商品購入者からの読取受付回数や読取対象の梱包材に応じて付与する報奨を制御する付与制御サブステップをさらに備える梱包材追跡方法なども提案する。
【0009】
また、上記各発明に関連して、前記識別コードと、紐づけられる梱包材の使用回数と、使用状態とを少なくとも相互に紐づけて記録する識別コード記録ステップをさらに備え、前記使用回数が閾値を超えた場合にアラートを出力する耐用アラート出力ステップをさらに備える梱包材追跡方法なども提案する。
【0010】
また、上記各発明に関連して、前記識別コードと、紐づけられる梱包材の使用回数と、使用状態とを少なくとも相互に紐づけて記録する識別コード記録ステップをさらに備え、コード読取受付ステップにて読取りを受け付けた後所定時間経過後に前記使用状態が変化しない場合に、当該読取対象の識別コードと紐づけられる商品販売店舗の情報を出力する返却確認要求出力ステップをさらに備える梱包材追跡方法なども提案する。
【0011】
また、上記各発明に関連して、再読取ステップにて読取対象となった梱包材の洗浄状況に関する情報である洗浄情報を取得する洗浄情報取得ステップと、前記取得した洗浄情報に応じ、再び商品販売店舗と当該梱包材とを紐づけ可能に制御する再利用制御ステップと、
をさらに備える梱包材追跡方法なども提案する。
【0012】
さらに、上記各方法に関連したプログラムやシステムなどに関する発明も提案する。
【発明の効果】
【0013】
主に以上のような構成をとる本発明によって、梱包材を繰り返し利用可能な形態にて回収できる仕組みを確保でき、既にあるインフラを利用することで特段の追加の人的資源を必要とせず梱包材を繰り返し利用することを促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明のシステムの概略図
図2】実施形態1のシステムの機能ブロックの一例を示す図
図3】実施形態1のシステムにおける梱包材関連付け部での処理の一例をディスプレイにて表示した図
図4】実施形態1のシステムにおける梱包材関連付け部での処理の別の一例をディスプレイにて表示した図
図5】実施形態1のシステムにおける梱包材関連付け部での処理の別の一例をディスプレイにて表示した図
図6】実施形態1のシステムにおける梱包材関連付け部での処理の別の一例をディスプレイにて表示した図
図7】実施形態1のシステムの機能的な各構成をまとめて一のハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図
図8】実施形態1のシステムにおける処理の流れの一例を示す図
図9】実施形態1のシステムにおける処理の流れの一例を各関係者における各種処理(コンピュータを用いたものに限られない)の流れの観点から示す参考図
図10】実施形態2のシステムの機能ブロックの一例を示す図
図11】実施形態2のシステムにおける処理の流れの一例を示す図
図12】実施形態3のシステムの機能ブロックの一例を示す図
図13】実施形態3のシステムにおける処理の流れの一例を示す図
図14】実施形態4のシステムの機能ブロックの一例を示す図
図15】実施形態4のシステムにおける処理の流れの一例を示す図
図16】実施形態5のシステムの機能ブロックの一例を示す図
図17】実施形態5のシステムにおける処理の流れの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
まず図1を示す。図1は本発明の概要を示す図である。同図に示されているように、本発 明は、商品に関する取引当事者の複数の端末0103、0104とネットワークを介して連携された一又は複数のサーバ等のコンピュータ0101、0102を用いて実現され、当該コンピュータは、個々の梱包材0110を識別するためのバーコードや多次元コードその他のコード情報0111を用いた管理を行うためにネットワークを介した情報の送受信を行う。具体的には、当該コード情報をリーダ等の読取装置(当該読取機能を備える端末を含む。)を用いて読取り、梱包材の現在位置や配送状況、繰り返し利用するための耐久性能その他の情報と紐づけて管理する。
【0016】
ちなみに、本発明で用いられる梱包材0110は、例えば上記サーバ等のコンピュータを管理する管理事業者においてその製造・販売等が管理されており、いったん商品販売店舗に販売、貸与等の形態にて提供され、その後消費者への商品配送のように供され、当該消費者の手によって上記管理事業者に返送されることで繰り返し利用(リユース)される。そしてそれらの商流の適宜のタイミングで識別コードの読取処理が行われ、当該処理を通じて取得された情報を用いてさらに種々の処理が行われる、と言った具合である。なお、図1に示されている例とは異なり、消費者が当該梱包材を商品販売店舗に返送するような構成も特に排除はされない。
【0017】
そして、上述した本発明を実現する各種コンピュータと連携対象となる各種端末については、特にその種別を限定することはなく、例えばタブレット0103やスマートフォン0104、スマートウォッチ、スマートグラスなどが考えられる。本発明を実施するにあたり上記端末を用いるのは、主にEC等のオンライン上で商品0120を販売する事業者であったり、当該事業者から商品0120を購入した消費者であったりすることが考えられる。ただ、携帯端末を用いて本発明に関与する関係者はこれらの者に限定されるものではなく、他にも例えば、購入された商品を運搬する物流事業者、当該商品を保管する保管事業者、使用済梱包材の回収拠点たる拠点事業者その他の商品流通の各過程に関与する可能性のある者であればだれでも端末の操作を通じて、本発明の実施に関与することができる。
【0018】
以下、本発明の各実施形態について図面とともに説明する。まず実施形態と請求項の相互の関係は、以下のとおりである。まず、実施形態1は主に請求項1、7、8などに対応する。実施形態2は主に請求項2、3などに対応する。実施形態3は主に請求項4などに対応する。実施形態4は主に請求項5などに対応する。実施形態5は主に請求項6などに対応する。ただし、各実施形態にて説明する技術的特徴は、他の実施形態にて説明する技術的特徴と組み合わせて用いられることも可能である。
【0019】
なお、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではなく、技術常識に従って特許請求の範囲の各請求項に記載の技術的思想を有し、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施し得る。
【0020】
<<実施形態1>>
<概要>
図2は、本実施形態の梱包材追跡システムの機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「梱包材追跡システム」0200は、「梱包材関連付け部」0201と、「コード読取受付部」0202と、「再読取部」0203と、を有する。
【0021】
ここで本実施形態を含む本発明の梱包材追跡システムは、表面に梱包材と一体をなすように生成される読み取り可能な識別コードを有する、繰り返し利用可能な梱包材を追跡可能とするシステムとして実現されうる。もっとも典型的な生成例は、梱包材の表面に二次元コードを読み取り可能な位置に印刷する方法が考えられるが、他にも例えば梱包材の表面に二次元コードが表示された別部材を縫合したり、シール等の粘着剤で貼付したりすることが考えられる。また、小型ディスプレイを梱包材表面に備え付け、同表示画面に二次元コードを表示させるような構成も特に排除されない。
【0022】
また、本発明は梱包材の再利用を含む繰り返し利用可能な管理の仕組みを提案するものであるところ、ここでいう繰り返し利用可能という意味は、複数回の輸送への耐性をもった素材、縫製、構造を有する物質であるという点にある。ただし、特定の素材や特定の製法に限定されるものではなく、取り扱う商品の種別や大きさ、運搬地の気候その他の利用環境に応じて複数種類の梱包材を使い分けうる。
【0023】
なお、以下で詳しく説明する梱包材追跡システムは、その機能の一又は複数の機能を複数の装置にて実現するようにも構成され得るものであって、その機能ブロックは、いずれもハードウェア又はソフトウェアとして実現され得る。コンピュータを用いるものを例にすれば、CPUやメインメモリ、GPU、TPU、画像メモリ、バス、二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ)、コードリーダ、タッチパネル、タッチパネルをタッチするための電子ペンなどの各種入力デバイスやディスプレイその他各種出力デバイス、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインタフェース、通信用インタフェース、それらのハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他のアプリケーションプログラムなどが挙げられる。
【0024】
そしてメインメモリ上に展開したプログラムに従った演算処理によって、入力デバイスやその他インタフェースなどから入力されメモリやハードウェア上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、前記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が作成されたりする。ここで、上記プログラムは、モジュール化された複数のプログラムとして実現されてもよいし、2以上の分散管理されたプログラムをクラウドコンピューティングその他の方法により組み合わせて一のプログラムとして実現されても良い。
【0025】
<機能的構成>
「梱包材関連付け部」0201は、商品販売店舗と、梱包材とを紐づけるように構成されている。具体的には、商品販売店舗、梱包材のそれぞれに対し、あらかじめそれらを識別可能なIDを付与しておき、当該IDどうしを紐づける処理を行う。商品販売店舗と梱包材との紐づけ処理は、その他の情報の紐づけ処理とともに行われてよく、その場合に紐づけられる情報は様々な種類が考えられる。
【0026】
ここで図3を示す。同図は、本実施形態の梱包材追跡システムにおける梱包材関連付け部での処理の一例をディスプレイにて表示した図である。同図では、商品販売店舗(同図では法人・個人等の営業態様を問わず、まとめて「事業者」と表記している)ごとに当該事業者を識別するための「事業者ID」を付与し、事業者IDごとに「事業者名」「担当者名」「メールアドレス」「バッグ購入数(バッグID)」との項目にて特定可能な情報を紐づけている様子が示されている。ここでいう「事業者名」とは事業者の屋号や商号、法人名称等が登録され、「担当者名」は連絡先となる担当者の氏名等が登録される。「メールアドレス」は当該担当者あるいは事業者と連絡するためのメールアドレスが登録されるが、同欄は電話番号や住所その他連絡先となる情報であれば様々な情報を登録可能である。
【0027】
また、「バッグ購入数(バッグID)」欄には、当該事業者に提供した梱包材(バッグ)の数を登録するとともに、当該提供した梱包材を識別するためのID(バッグID)をも登録する。なお同図ではバッグIDは図示されていないが、例えば、点線で囲われた領域0301内に設けられたボタンをクリックすることにより、同欄にて提供対象として登録された全てのバッグのバッグIDを表示させることが可能である。そしてこれらの情報は、所定のキーワードを入力することにより検索可能な構成であることが望ましい。このように商品販売店舗と梱包材とを紐づける処理を行うことにより、その後に梱包材が利用される場合に、その流通過程を追跡可能となったり、商品販売店舗ごとの利用頻度や利用態様を管理したりすることも容易になる。なお、ここでいうバッグIDとは、梱包材表面に生成される識別コードと紐付けられており、当該識別コードを読み取ることで特定のバッグを識別することが可能となる。
【0028】
なお、梱包材関連付け部における処理を通じて、本実施形態の梱包材追跡システムにおいては、上述した態様に加え様々な管理機能を備えることが可能となる。それらの一例を示すために図4を示す。同図は、梱包材を所望する商品販売店舗に対する梱包材提供状態を管理するためのページをディスプレイに表示させる場合の一例である。同画面においては、「注文番号」「注文日時」「事業者名」「金額」「注文内容」「発送状況」などの欄が登録可能に設定されており、それぞれの項目に情報が登録されている様子が示されている。各欄に登録されている情報(例えば事業者名)をクリックするなどの方法で、図3を用いて示した同一の情報が示されるページを表示させるなど、相互の情報を連携して表示することももちろん可能である(以下で他の図示を通じて説明する表示例についても同様である)。
【0029】
図4のうち特に「注文内容」の欄について説明すると、梱包材の種別及び提供単位が登録可能に設定されており、同図における例では「Type-A」「Type-B」「Type-C」などの梱包材の種別が登録されている様子が確認できる。このように、異なる種別(大きさや形状、形態、オプション等)の梱包材をまとめて管理することが可能な態様を採用することで、多くの商品販売店舗の需要に応える梱包材追跡システムを提供することが可能となる。
【0030】
次に図5を示す。同図は、個々の梱包材を管理するためのページをディスプレイに表示させる場合の一例である。同画面においては、「バッグID」「種別」「幅」「高さ」「奥行」「色」などの欄が登録可能に設定されており、それぞれの項目に情報が登録されている様子が示されている。ひとつひとつの梱包材を識別するためのIDとして付されるバッグIDと、梱包材の大きさや色が管理可能となっており、当該機能を備えることで、梱包可能な商品や配送料金(配送事業者では、大きさに応じて配送料金が決まっているのが通常である)、商品の梱包に適した色などを確認したり推奨したりすることができるようになる。
【0031】
さらに図6を示す。同図は、個々の梱包材の利用状況を管理するためのページをディスプレイに表示させる場合の一例である。同画面においては、「バッグID」「入荷日」「使用回数」「ステータス」「更新日時」などの欄が登録可能に設定されており、それぞれの項目に情報が登録されている様子が示されている。これらの欄に情報を入力することにより、個々の梱包材がいつから利用を開始し、その後どのような利用経過を経て、現在どのような利用状況にあるかを一覧視することが可能となる。すなわち、「入荷日」として当該バッグIDにて識別可能な梱包材が利用可能となった日を登録し、「使用回数」として当該梱包材が商品流通に用いられた回数を登録し、「ステータス」として現在の利用状況を登録するとともに、「更新日時」として直近の情報更新のタイミングを登録する、といった具合である。
【0032】
なお、同図における「ステータス」欄の登録内容の一例についてより具体的に説明する。「Cleaned」との登録は、いったん物流過程で利用された後に返却がなされ、かつ洗浄も完了した状態を示している。「Distributed」との登録は、物流過程で利用されている状態を示している。「Lost」との登録は、いずれかの時点において当該梱包材が紛失した状態を示している。「Returened」との登録は、いったん物流過程で利用された後に返却がなされた状態を示している。「Posted」との登録は、いったん物流過程で利用された後に、消費者の対応により返却過程にある状態を示している。当該構成を採用することにより、管理者において、個々の梱包材の状況を詳細に把握することができ、次回以降の利用のための施策構築を容易にすることができる。なお、図6を用いて示した項目はあくまで一例であって、これら以外の項目を登録したり、表示されている項目を登録しない処理を行うことももちろん可能である。
【0033】
以上のように、図3ないし6を用いて説明した各管理画面の表示は、随時コンピュータにて行われる情報の入力を通じて登録可能である。特に梱包材のステータスを含む状態を登録する場合には、当該梱包材と紐づけられている識別コードの読み取り処理を通じて行われることが考えられる。典型的には、梱包材の表面に生成されるバーコードや二次元コードその他のコード情報をコードリーダ等の機器を用いて読取ることで当該コードと紐づけて登録されているバッグIDと紐づく各種の情報の編集を受けつけることが考えられる。このように、商品販売店舗と梱包材とを紐づけるとともに、これらに関連する種々の情報をともに紐づけることができるようにすることにより、管理者において、個々の梱包材が繰り返し利用可能となるよう随時好適な施策を講じるための情報を整理し支援することが可能となる。
【0034】
なおここで、識別コードを梱包材表面に加え、他の位置にも表示させるような構成を採用することも考えられる。具体的には、梱包材の裏面(物品が格納されている内側の面や、折り曲げ可能な形状の裏側に位置する面)や、梱包材表面のそれぞれ異なる位置に二以上の複数の識別コードを表示するような構成などである。梱包材表面は物流過程での擦れや汚損、破損などで読取が困難になる場合があり、当該構成を採用することにより、万一梱包材表面の識別コードが読取り困難な状況になっても、代替的に利用可能な他の識別コードの読み取りを通じて梱包材の管理を行うことが可能になる。
【0035】
上記に関連して、複数表示される識別コードは、それぞれ同一のコードであってもよいし、異なるコードであってもよい。異なるコードを表示する場合には、複数の識別コードを相互に紐づけて管理するためのIDが別途設けられる。この場合には、一の梱包材に対し、図5図6を用いて説明したバッグIDが複数設けられることになる。当該構成を採用することで、例えば、一の梱包材に紐づけられる上記複数の異なる識別コードを全て読み取った場合にのみ適正な読取りと判定するなど、不正な梱包材管理がおこなわれないようセキュリティに配慮した運用も可能となる。
【0036】
「コード読取受付部」0202は、商品購入者の管理する端末である購入者端末又は前記商品販売店舗の管理する端末である店舗端末の少なくともいずれか一方からの配送済み商品の梱包材に付された前記識別コードの読取りを受付けるように構成されている。具体的には、前記商品を梱包材に入れて配送手配を行う際に、店舗端末にて前記識別コードの読取を行い、当該読取処理に係る情報を受付ける場合もあれば、前記商品が梱包材に入れられて配送された際に、購入者端末にて前記識別コードの読取を行い、当該読取処理に係る情報を受付ける場合もありうる。あるいは、当該梱包材を返却処理する際に前記識別コードの読取を行い、当該読取処理に係る情報を受付ける場合もありうる。いずれの処理においても、当該読取の日時や読取位置に関する情報などを、梱包材関連付け部にて読取対象の識別コードと紐付けられるバッグIDとともに記録することにより、当該バッグIDにて識別される梱包材の所在を把握することができ、紛失等のトラブルを未然に防ぐことが可能となる。
【0037】
なお、店舗端末にて前記識別コードの読取を行い、当該読取処理に係る情報を受付ける場合に、当該店舗に対し、当該情報に応じて所定の報奨を与える店舗報奨部を設けるような構成を採用してもよい。例えば、過去の使用回数が所定回数以上のバッグIDにて識別される梱包材の読取処理に係る情報を受付けた場合には、リユースに伴うCO2削減(新たな梱包材の製造やリサイクルに伴う再処理を行う場合に比べ、リユースはCO2の削減が見込まれると言われている)効果向上に対応した報奨を付与したり、所定期間中に一定回数以上のバッグIDにて識別される梱包材の読取処理に係る情報を受付けた場合にも同様の報奨を付与する事が考えられる。近年大きな社会課題となっているCO2削減の取組は、いち事業者単位にとどまらずサプライチェーン全体で取組むべき問題とされており、本構成を採用することにより、直接梱包材を製造する事業者ではない店舗においても、当該サプライチェーンの一角を担う事業者としてCO2削減に取組む姿勢の向上を促すことが可能となる。
【0038】
ちなみに、ここで述べた報奨に関する情報は、当該報奨を付与した店舗を識別するIDとともに記録しておき、所定の要求に応じて、第三者の管理する端末に出力するような構成を採用してもよい。具体的には、当該店舗とサプライチェーンを同じくする他事業者や当該店舗に融資する金融機関、投資家、当該店舗の従業員や一般消費者など様々な者が対象として考えられ、これらの第三者に適宜報奨に関する情報を出力可能とすることにより、当該店舗のCO2削減に対する取り組みを客観的に評価したり当該評価を支援したりすることも可能となる。
【0039】
ここまでは、購入者端末又は店舗端末にてなされた梱包材に付された前記識別コードの読取処理を受付ける構成について説明したが、もちろんこれらの端末の双方からの読取を受付ける構成も排除されない。当該構成を採用すれば、店舗で商品を配送したタイミングや商品購入者が商品を受け取ったタイミング、あるいは商品購入者が当該商品が梱包された梱包材を返却するタイミングをリアルタイムに把握可能になり、梱包材の追跡管理をより厳密かつ的確に行うことが可能になる。
【0040】
「再読取部」0203は、前記識別コードの前記端末とは異なる端末での読取を受付けるように構成されている。ここでいう「前記端末とは異なる端末」とは、コード読取受付部における受付元とは異なる主体が管理する端末であり、例えば本実施形態の梱包材追跡システムの管理事業者の管理する端末が該当するほか、コード読取受付部での読取受付元が購入者端末である場合には、店舗端末も該当する。なお、コード読取受付部にて店舗端末からの読取を受け付けた場合には、再読取部にて当該店舗端末からの読取は受け付けない。適正な梱包材の流通過程を把握困難だからである。
【0041】
このとき、再読取部にて受け付けた読取に係る情報が、コード読取受付部での処理を経た識別コードに関するものでないと判断される場合には、当該情報を警告情報として出力することが考えられる。係る判断結果は、適正な流通過程のもとで当該梱包材が流通したものではないことが疑われるためであり、当該警告情報を出力することにより、梱包材ひいては購入商品の盗難や紛失等を適時に把握することが可能である。
【0042】
再読取部は所定の識別コードを読取処理に係る情報を受付けることになるが、より具体的には、上記端末にて上記識別コードを読取った日時や読取位置に関する情報などを読取対象の識別コードと紐付けられるバッグIDとともに記録する。なおこのとき、バッグの使用状況に関する情報をともに取得することも可能である。例えば、前記バッグIDにて識別されるバッグの外内観の写真画像データをともに取得したり、バッグ受領者によるバッグの使用状況に関するコメントを受け付けたりといった具合である。係る処理を受付可能とすることにより、返却されたバッグの破損や汚損、自然消耗といった客観的な状態を把握可能にすることができ、その後に同一バッグをリユースするか否かの判断を支援することが可能となる。
【0043】
なお、ここで掲げたバッグの使用状況に関する情報を所定の基準に基づいてスコアリング処理する使用状況把握部や、当該処理結果に応じてリユースの可否を判断するリユース判断部を設けるような構成も考えられる。まず使用状況把握部においては、汚損や破損、自然消耗などリユースを阻害するような要素をその画像データから識別可能とするような画像処理が可能なモデルを備えることが考えられ、いったん上記画像データの入力を受付けると、当該モデルを用いて当該バッグの使用状況をスコアリング処理する構成が考えられる。具体的には、汚れの程度や部位、付着物の種別などに応じたスコアリング処理や、破損や自然消耗の程度や部位などに応じたスコアリング処理を行うことが考えられ、それらの処理を通じて当該モデルが再学習を行うような構成ももちろん考えられる。
【0044】
そして、リユース判断部においては、上記スコアリング処理の結果に加え、前記バッグの耐久性(あらかじめバッグの種別ごとにリユース可能な使用回数の目安などを記録しておくことが考えられる。)や、上述したバッグ受領者によるバッグの使用状況に関するコメントに関する情報をも用いて、当該バッグがリユース可能であるか否かや、どのような処理を施せばリユース可能になるか、あと何回程度リユースが可能かといった判断処理を行うことが考えられる。当該構成を採用することで、よりリユース可能なバッグの管理を効率的に行うことが可能になる。
【0045】
<具体的な構成>
ここで図7を示す。同図は本実施形態の梱包材追跡システムの機能的な各構成をまとめて一のハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図である。各装置はいずれも、それぞれ各種演算処理を実行するための「CPU」0701と、「記憶装置(記憶媒体)」0702と、「メインメモリ」0703と、「入出力インタフェース」0704、「ネットワークインタフェース」0705と、を備え、入出力インタフェースを介して、例えば「コードリーダ」0706などの外部周辺装置と情報の送受信を行う。
【0046】
また、本実施形態の梱包材追跡システムは、ネットワークインタフェースを介して複数の「携帯端末」0707や外部にて各種処理を行う「外部サーバ」0708などの外部装置と情報の送受信を行いうる。このネットワークインタフェースの具体的な態様は有線、無線を問わず、また通信の方法も、両端末間で直接、間接なされるかを問わない。よって特定の外部装置ないし同装置の利用者と紐づけられた第三者の管理するサーバとの間で情報の送受信を行ういわゆるクラウドコンピューティングの形式を採用することも可能である。
【0047】
記憶装置には以下で説明するような各種プログラムが格納されており、CPUはこれら各種プログラムをメインメモリのワーク領域内に読み出して展開、実行する。なお、これらの構成は、「システムバス」0799などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う(以上の構成の基本的な構成は、以下で説明する他の装置のいずれについても同様である。
【0048】
(梱包材関連付け部の具体的な構成)
梱包材関連付け部は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、具体的には、CPUが記憶装置から「梱包材関連付けプログラム」0710をメインメモリに読み出して実行し、商品販売店舗を識別するIDその他の情報と、梱包材を識別するバッグIDその他情報とを紐づける処理を行い、当該情報をメインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0049】
(コード読取受付部の具体的な構成)
コード読取受付部は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、具体的には、CPUが記憶装置から「コード読取受付プログラム」0720をメインメモリに読み出して実行し、購入者端末又は店舗端末の少なくともいずれか一方からの配送済み商品の梱包材に付された前記識別子コードの読取りを受付ける処理を行う。
【0050】
(再読取部の具体的な構成)
再読取跡部は、コンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、具体的には、CPUが記憶装置から「再読取プログラム」0730をメインメモリに読み出して実行し、前記識別子コードの、前記コード読取受付プログラム実行の際に識別した読取元の端末とは異なる端末での読取を受付ける処理を行う。
【0051】
<処理の流れ>
図8は、本実施形態の梱包材追跡システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS0801では、商品販売店舗と、梱包材とを紐づける(梱包材関連付けステップ)。その後ステップS0802にて、梱包材に生成される識別コードの読取処理があったかどうかを判定する。ここでの判定結果が読取処理ありとの内容でない限り、以後の処理は行われない。
【0052】
そしてステップS0803では、購入者端末又は店舗端末の少なくともいずれか一方からの配送済み商品の梱包材に付された前記識別コードの読取りを受付ける(コード読取受付ステップ)。その後ステップS0804にて、前記識別コードのさらなる読取処理があったかどうかを判定する。ここでの判定結果が読取処理ありとの内容でない限り、以後の処理は行われない。なお、読取処理の対象となる識別コードが、コード読取受付ステップでの処理を経ていないと判断される場合には、以後の処理を行わないだけでなく、警告情報を出力するような処理を行うことも考えられる。そしてステップS0805では、前記識別コードの前記端末とは異なる端末での読取を受付ける(再読取ステップ)。
【0053】
なおここで図9を示す。同図は図8で説明した梱包材追跡システムにおける処理の流れの一例を、関係者における各種処理(コンピュータを用いたものに限られない)の流れの観点から示す参考図である。同図においては左から商品販売店舗、本システムの管理者、商品購入者の処理の流れを示すものとし、上から下にかけて時系列にてその処理の流れを示す。ステップS0901では、本システム管理者にて商品販売店舗と、梱包材とを紐づける処理を行い、ステップS0902にて、本システム管理者から商品販売店舗に対し、直接または間接的に上記梱包材を発送する。その後はステップS0904にて、商品販売店舗から商品購入者に対し、商品梱包材に梱包の上配送するところ、その前段階として、ステップS0913にて、商品販売店舗での商品の梱包材に付された前記識別子コードの読取りを本システム管理者にて受け付ける処理がなされる場合もある。その一方、ステップS0904のあとに、ステップS0923にて、商品購入者での配送済商品の梱包材に付された前記識別子コードの読取りを本システム管理者にて受け付ける処理がなされる場合もある。
【0054】
その後商品購入者から、梱包材をリユースするための返送手続きが取られるところ、ステップS0915として返送先として本システム管理者が選択される場合もあれば、ステップS0925として商品販売店舗が選択される場合もありうる。そしてステップS0915が選択された場合には、ステップS0916として、本システム管理者にて前記識別コードの読取処理を行い、ステップS0925が選択された場合には、ステップS0926として、商品販売店舗にて前記識別コードの読取処理を行うとともに、その結果をステップS0927として、本システム管理者に対し出力する。
【0055】
<効果>
以上の構成を採用する梱包材追跡システムを利用することにより、梱包材を繰り返し利用可能な形態にて回収できる仕組みを確保でき、既にあるインフラを利用することで特段の追加の人的資源を必要とせず梱包材を繰り返し利用することを促進することができる。
【0056】
<<実施形態2>>
<概要>
本実施形態の梱包材追跡システムは、基本的には実施形態1に記載の梱包材追跡システムの技術的特徴と同様であるが、コード読取受付部にて購入者端末からの前記識別コードの読取りを受付けた場合であって、かつ再読取部にて前記識別コードの読取を受け付けた場合に、当該購入者端末を管理する商品購入者に対し、所定の報奨を付与する点において更なる特徴を有している。
【0057】
<機能的構成>
図10は、本実施形態の梱包材追跡システムの機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「梱包材追跡システム」1000は、「梱包材関連付け部」1001と、「コード読取受付部」1002と、「再読取部」1003と、「報奨付与部」1004と、を有する。基本的な構成は、実施形態1の図2を用いて説明した梱包材追跡システムと共通するため、以下では相違点である「報奨付与部」1004の機能について説明する。
【0058】
「報奨付与部」1004は、コード読取受付部にて購入者端末からの前記識別コードの読取りを受付けた場合であって、かつ再読取部にて前記識別コードの読取を受け付けた場合に、当該購入者端末を管理する商品購入者に対し、所定の報奨を付与するように構成されている。実施形態1ではコード読取受付部の機能の説明に関連して、商品販売店舗に報奨を付与する店舗報奨部の説明を行ったが、ここで説明する報奨付与部は、報奨対象が商品購入者である点に特徴がある。すなわち、実施形態1にて説明したとおり、再読取部にて識別コードの読取を受付ける場合とは、商品購入者から梱包材が返却されたことを意味するのであって、そのような梱包材の返却を促進するための動機づけとして、当該商品購入者に対し、所定の報奨を付与することとするものである。
【0059】
具体的な報奨付与の処理としては、本システムの管理者端末又は店舗端末にて前記識別コードの読取を行うことにより再読取部における処理が行われた場合、購入者端末にて所定の報奨が取得可能な付与処理を行う。例えば、当該購入者が本システムに自身のIDを利用してログインした際に閲覧可能なクーポン等を付与したり、予め登録されている連絡先メールアドレスやSNSアカウントに対しDMの形式にて前記クーポンを送信したりすることが考えられる。また、クーポン以外でも店舗報奨部で説明したのと同様、梱包材の返却回数に応じて、リユースに伴うCO2削減効果向上に対応した報奨を付与したりする事も考えられる。これらのクーポン等の報奨は、購入商品や商品販売店舗などと直接関連した内容のものであっても良いし、抽象的にCO2削減に貢献した旨のメッセージ等でもよい。いずれにしてもこれらの報奨を付与することが梱包材返却の動機づけとなり、商品購入者に対し梱包材を繰り返し利用することの意義を認識させることができる。
【0060】
なお、報奨付与部の機能に関連し、前記商品購入者からの読取受付回数や読取対象の梱包材に応じて付与する報奨を制御する付与制御手段をさらに有するような構成を採用することも考えられる。読取受付回数が多くなるごとに付与する報奨をランクアップさせたり、読取対象の梱包材の大きさや材質その他リユースすることで同種の梱包材をリサイクルしたり再製造したりする場合に比べてのCO2削減量が変化する情報に応じて報奨の内容を変化させる処理が考えられる。当該構成を採用することにより、商品購入者は普段気にすることもなければ、なかなか主体的に調べることが難しいCO2削減量などを感覚的に把握することができることから、本システムの利用により意識的に取り組むことができるようになる。
【0061】
<具体的な構成>
本実施形態の梱包材追跡システムを構成する各装置のハードウェア構成は、基本的には、図7を用いて説明した実施形態1の梱包材追跡システムにおけるハードウェア構成と同様である。そこで以下については、これまで説明していない「報奨付与部」と「付与制御手段」の具体的な処理について説明する。
【0062】
(報奨付与部の具体的な構成)
報奨付与部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、コード読取受付プログラムの実行により購入者端末からの識別コードの読取りを受付けた場合であって、かつ再読取プログラムの実行により前記識別コードの読取を受け付けた場合に、CPUが記憶装置から「報奨付与プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、前記購入者端末を管理する商品購入者に対し、所定の報奨を付与する処理を行う。より具体的には、商品購入者IDと、所定の報奨に関する情報とを紐づけてメインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0063】
(付与制御手段の具体的な構成)
付与制御手段は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、報奨付与プログラムの実行に際し、CPUが記憶装置から「付与制御サブプログラム」をメインメモリに読み出して実行し、前記商品購入者からの読取受付回数や読取対象の梱包材に応じて付与する報奨を制御する。
【0064】
<処理の流れ>
図11は、本実施形態の梱包材追跡システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1101では、商品販売店舗と、梱包材とを紐づける(梱包材関連付けステップ)。その後ステップS1102にて、購入者端末から梱包材に生成される識別コードの読取処理があったかどうかを判定する。ここでの判定結果が購入者端末からの読取処理ありとの内容でない限り、以後の処理は行われない。
【0065】
そしてステップS1103では、購入者端末からの配送済み商品の梱包材に付された前記識別コードの読取りを受付ける(コード読取受付ステップ)。その後ステップS1104にて、前記識別コードの購入者端末以外の端末からのさらなる読取処理があったかどうかを判定する。ここでの判定結果が読取処理ありとの内容でない限り、以後の処理は行われない。そしてステップS1105では、前記購入者端末とは異なる端末での読取を受付け(再読取ステップ)、ステップS1106にて、前記購入者端末を管理する商品購入者に対し、所定の報奨を付与する(報奨付与ステップ)。
【0066】
<効果>
本実施形態の梱包材追跡システムを用いることにより、実施形態1の梱包材追跡システムを用いる場合に比べて、より梱包材の回収確率を高め、持続可能な梱包材利用を促進することが可能となる。
【0067】
<<実施形態3>>
<概要>
本実施形態の梱包材追跡システムは、基本的には実施形態1に記載の梱包材追跡システムの技術的特徴と同様であるが、前記識別コードと、紐づけられる梱包材の使用回数と、使用状態とを少なくとも相互に紐づけて記録するとともに、前記使用回数が閾値を超えた場合にアラートを出力する点をさらなる技術的特徴として備えている。
【0068】
<機能的構成>
図12は、本実施形態の梱包材追跡システムの機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「梱包材追跡システム」1200は、「梱包材関連付け部」1201と、「コード読取受付部」1202と、「再読取部」1203と、「識別コード記録部」1204と、「耐用アラート出力部」1205と、を有する。基本的な構成は、実施形態1の図2を用いて説明した梱包材追跡システムと共通するため、以下では相違点である「識別コード記録部」1204及び「耐用アラート出力部」1205の機能について説明する。
【0069】
「識別コード記録部」1204は、前記識別コードと、紐づけられる梱包材の使用回数と、使用状態とを少なくとも相互に紐づけて記録するように構成される。具体的には、実施形態1にて図6を用いて説明したように、識別コードと紐付けられるバッグIDに関連して当該バッグIDが付された梱包材の通算の使用回数やステータスその他個々の梱包材の使用状況に関する情報を記録することが考えられるところ、識別コード記録部においては特に、上記梱包材の使用回数と使用状態とを記録する。使用状態とは実施形態1の再読取部の機能に関連して説明したバッグの破損や汚損、自然消耗といった客観的な状態のことを指しており、具体的な状態を文字表示するほか、当該状態を示す写真や動画のデータ等も記録の対象となりうる。
【0070】
識別コード記録部での処理は、再読取部での識別コードの読取処理を踏まえて行われることが望ましい。当該読取処理を通じて返却が確認された梱包材の使用状況を記録することが、以後の当該梱包材の管理に資するためである。ただし、後述の実施形態4のように再読取部での処理の前に同部での処理を行う場合のほか、例えば予め購入者端末からも識別コードと梱包材の使用状態の情報とを紐づけて取得し記録するような構成があってもよい。当該構成を採用すれば、梱包材が繰り返し利用される過程のどの場面で破損や汚損等が生じたのかを段階を追って確認することが可能になるため、当該破損等の責任追及にも資するほか、当該破損等の原因を分析し事態の改善を検討する際の参考情報としても有用に活用しうる。
【0071】
「耐用アラート出力部」1205は、前記使用回数が閾値を超えた場合にアラートを出力するように構成される。ここでの閾値は梱包材の種別に応じて予め設定された初期設定値である場合のほか、過去の使用状態を踏まえて前記初期設定値を適宜調整された調整値である場合もありうる。調整値を閾値とする場合は、識別コード記録部にて記録された情報を用いて当該調整値を演算する調整演算部を設け、当該演算処理の結果を前記識別コードと紐づけて記録しておくことも考えられる。当該構成を採用することにより、適宜の使用状況に応じ一の梱包材を最大限有効にリユースできる環境を整備することが容易になる。
【0072】
なお、ここで出力されるアラートとは、単に閾値を超過したという情報を内容とするものである場合のほか、これらの情報に加え、具体的に講ずべき対処策をもともに出力する構成も考えられる。具体的には、修補や洗浄などの処理を要する旨の情報などを、当該処理の具体的な内容とともに出力するような具合である。すなわち、ここでの閾値は、梱包材の耐久性が限界を超過したタイミングではなく、当該限界に至る前の何らかの保守が必要であったり、保守が可能であるタイミングを基準に設定される。当該構成を採用することで、管理者に対し、梱包材を長期間にわたりリユース可能とするための好適な保守方法に関する情報を提供し、かかる保守を促すことができる。
【0073】
<具体的な構成>
本実施形態の梱包材追跡システムを構成する各装置のハードウェア構成は、基本的には、図7を用いて説明した実施形態1の梱包材追跡システムにおけるハードウェア構成と同様である。そこで以下については、これまで説明していない「識別コード記録部」及び「耐用アラート出力部」の具体的な処理について説明する。
【0074】
(識別コード記録部の具体的な構成)
識別コード記録部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「識別コード記録プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、識別コードと、紐づけられる梱包材の使用回数と、使用状態とを少なくとも相互に紐づけてメインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0075】
(耐用アラート出力部の具体的な構成)
耐用アラート出力部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「耐用アラート出力プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、前記使用回数が閾値を超えたと判断される場合にアラートを出力する。
【0076】
<処理の流れ>
図13は、本実施形態の梱包材追跡システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなるが、ステップS1301ないしステップS1305までの処理は、実施形態1で説明したステップS0801ないしステップS0805までの処理と同一なので、ここでは説明を省略する。
【0077】
そのうえで、ステップS1306で前記識別コードと、紐づけられる梱包材の使用回数と、使用状態とを少なくとも相互に紐づけて記録する(識別コード記録ステップ)とともに、ステップS1307で、前記使用回数が閾値を超えたかどうかを判断する。超えないとの判断結果であればその後の処理を行わず、超えたとの判断結果であればステップS1308としてアラートを出力する(耐用アラート出力ステップ)。
【0078】
<効果>
本実施形態の梱包材追跡システムを用いることにより、実施形態1の梱包材追跡システムを用いる場合に比べて、梱包材の耐用可能限度いっぱいまで利用することができ、ひいては持続可能な梱包材利用サイクルをより高レベルで実現することが可能となる。
【0079】
<<実施形態4>>
<概要>
本実施形態の梱包材追跡システムは、基本的には実施形態1に記載の梱包材追跡システムの技術的特徴と同様であるが、前記識別コードと、紐づけられる梱包材の使用回数と、使用状態とを少なくとも相互に紐づけて記録するとともに、コード読取受付部にて読取りを受け付けた後所定時間経過後に前記使用状態が変化しない場合に、当該読取対象の識別コードと紐づけられる商品販売店舗の情報を出力する点をさらなる技術的特徴として備えている。
【0080】
<機能的構成>
図14は、本実施形態の梱包材追跡システムの機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「梱包材追跡システム」1400は、「梱包材関連付け部」1401と、「コード読取受付部」1402と、「再読取部」1403と、「識別コード記録部」1404と、「返却確認要求出力部」1405と、を有する。基本的な構成は、実施形態1の図2を用いて説明した梱包材追跡システムと共通し、さらに「識別コード記録部」の構成は、実施形態3の図12を用いて説明した梱包材追跡システムと共通するため、以下では上記各実施形態との相違点である「返却確認要求出力部」1405の機能について説明する。
【0081】
「返却確認要求出力部」1405は、コード読取受付部にて読取りを受け付けた後所定時間経過後に前記使用状態が変化しない場合に、当該読取対象の識別コードと紐づけられる商品販売店舗の情報を出力するように構成される。実施形態1の図9を用いて説明したように、コード読取受付部にてコード読取に係る情報を受付ける場合、当該読取元の端末は店舗端末又は購入者端末である。そしてその後所定時間が経過したにもかかわらず、その後の当該識別コードと紐づく梱包材の使用状態に変化がない場合には、当該梱包材が適正に返却されていないことが想定される。そのため、当該想定への対処を促す観点から、当該梱包材が納入された商品販売店舗(図6の「ステータス」欄に応じて、「バッグID」に紐付けられたバッグ種別を取り扱う事業者として図4「事業者名」欄に記載された商品販売店舗の図3「メールアドレス」欄記載の連絡先などが想定される。)の情報を出力する。当該構成を採用することで、商品販売店舗にて、商品購入者への問い合わせ等の手段を通じて梱包材の紛失や返却し忘れを迅速に把握し、事態に対処することが可能となる。
【0082】
なお、本実施形態の識別コード記録部においては、いったん再読取部での識別コードの読取処理を行う前に前記識別コード等の情報を記録し、その後再読取部での識別コードの読取処理を行った際にも当該識別コード等の情報を更新する記録処理をなすことが想定される。すなわち、梱包材の返却前と返却後とで、それぞれ一の識別コード等に対し識別コード記録部での記録処理が行われることになり、識別コード記録部での当該異なる記録処理として想定されるタイミングこそが、ここでいう所定時間ということになる。通常は商品購入者から梱包材が返送され到着するまでにかかる通常の配送日数を基準に設定されることが考えられ、3日ないし7日などの間隔を所定時間として設定することが望ましい。当該構成を採用すれば、いったん使用状態が変化しない場合(例えば、図6において示した「ステータス」に示される梱包材の使用状態が、「Distributed」との内容から、「Returned」に変化しなかったり、「Posted」に変化したもののその後変化しない場合)に、当該返却処理の過程で配送事業者による紛失があったり、そもそも商品購入者からの返却がまだなされていないなどの事情を想定して、かかる事態の確認を促すメッセージ等を出力することができる。
【0083】
<具体的な構成>
本実施形態の梱包材追跡システムを構成する各装置のハードウェア構成は、基本的には、図7を用いて説明した実施形態1の梱包材追跡システムにおけるハードウェア構成及び実施形態3の梱包材追跡システムにおける識別コード記録部のハードウェア構成と同様である。そこで以下については、これまで説明していない「返却確認要求出力部」の具体的な処理について説明する。
【0084】
(返却確認要求出力部の具体的な構成)
耐用アラート出力部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「返却確認要求出力プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、コード読取受付プログラムの実行により読取りを受け付けた後所定時間経過後に、識別コード記録プログラムの実行結果である使用状態が変化しない場合に、当該読取対象の識別子コードと紐づけられる商品販売店舗に関する情報を読み出して所定の端末に対して出力する。
【0085】
<処理の流れ>
図15は、本実施形態の梱包材追跡システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなるが、ステップS1501ないしステップS1503までの処理は、実施形態1で説明したステップS0801ないしステップS0803までの処理と同一なので、ここでは説明を省略する。
【0086】
そしてステップS1504では、前記識別コードと、紐づけられる梱包材の使用回数と、使用状態とを少なくとも相互に紐づけて記録する(識別コード記録ステップ)とともに、ステップS1505にて、前記識別コード記録ステップでの処理から所定時間内に異なる端末での前記識別コードのさらなる読取処理があったかどうかを判定する。ここでの判定結果が読取処理ありとの内容でない場合は、ステップS1516として、当該読取対象の識別コードと紐づけられる商品販売店舗の情報を出力する(返却確認要求出力ステップ)。そしてステップS1505の処理結果がさらなる読取処理があったとの内容である場合には、ステップS1526として、前記識別コードの前記端末とは異なる端末での読取を受付ける(再読取ステップ)。
【0087】
<効果>
本実施形態の梱包材追跡システムを用いることにより、実施形態1の梱包材追跡システムを用いる場合に比べて、梱包材を採用した商品販売事業者にも梱包材の繰り返し利用に対する意識向上を促し、多様なメンバーを巻き込んだ持続可能な梱包材利用サイクルを実現することが可能となる。
【0088】
<<実施形態5>>
<概要>
本実施形態の梱包材追跡システムは、基本的には実施形態1に記載の梱包材追跡システムの技術的特徴と同様であるが、再読取部での読取対象となった梱包材の洗浄状況に関する情報である洗浄情報を取得するとともに、前記取得した洗浄情報に応じ、再び商品販売店舗と当該梱包材とを紐づけ可能に制御する点をさらなる技術的特徴として備えている。
【0089】
<機能的構成>
図16は、本実施形態の梱包材追跡システムの機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「梱包材追跡システム」1600は、「梱包材関連付け部」1601と、「コード読取受付部」1602と、「再読取部」1603と、「洗浄情報取得部」1604と、「再利用制御部」1605と、を有する。基本的な構成は、実施形態1の図2を用いて説明した梱包材追跡システムと共通するため、以下では相違点である「洗浄情報取得部」1604及び「再利用制御部」1605の機能について説明する。
【0090】
「洗浄情報取得部」1604は、再読取部での読取対象となった梱包材の洗浄状況に関する情報である洗浄情報を取得するように構成される。洗浄情報とは、図6の「ステータス」欄に示されている情報のうち「Cleaned」と表記されているような、洗浄済みであるか否かを示す情報であって、搬送過程で付着した汚損や、梱包物の特性に応じて内部に吸着した匂いなどを除去するための洗浄前か、洗浄中か、洗浄が完了したかを示す情報である。
【0091】
洗浄情報は、洗浄を担う事業者や本システムの管理者の洗浄担当者からの入力に応じて取得される。その際には、具体的な洗浄の方法や洗浄箇所、当該洗浄方法を採用した理由、洗浄完了予定日時、洗浄結果などもあわせて洗浄情報として入力を受けるける事が可能であり、当該構成を採用することで、梱包材を繰り返し利用するための好適な洗浄処理を事後的に分析することが可能となる。
【0092】
「再利用制御部」1605は、前記取得した洗浄情報に応じ、再び商品販売店舗と当該梱包材とを紐づけ可能に制御するように構成される。具体的には、図6で示した「ステータス」欄の記載が洗浄情報として「Cleaned」となっている場合に洗浄完了と判断し、図5で示したバッグIDの管理ページにて、商品販売店舗に紐づけ可能、すなわち供給可能な梱包材として記録することになる。このとき、図6で示した「使用回数」の欄も1回分カウントを増やすこととなる。当該構成を採用することにより、洗浄完了した梱包材のみが繰り返し利用可能となり、商品店舗や商品購入者に対し美観を損なうことなく梱包材を提供しリユースのように供してもらうことができるようになる。
【0093】
<具体的な構成>
本実施形態の梱包材追跡システムを構成する各装置のハードウェア構成は、基本的には、図7を用いて説明した実施形態1の梱包材追跡システムにおけるハードウェア構成と同様である。そこで以下については、これまで説明していない「洗浄情報取得部」及び「再利用制御部」の具体的な処理について説明する。
【0094】
(洗浄情報取得部の具体的な構成)
洗浄情報取得部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「洗浄情報取得プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、再読取プログラムの実行に際し読取対象となった梱包材の洗浄状況に関する情報である洗浄情報を取得し、メインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0095】
(再利用制御部の具体的な構成)
再利用制御部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「再利用制御力プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、前記取得した洗浄情報に応じ、再び当該梱包材と紐付けられるバッグIDが、所定の商品販売店舗と紐づけ可能となるための情報処理をおこなう。
【0096】
<処理の流れ>
図17は、本実施形態の梱包材追跡システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなるが、ステップS1701ないしステップS1705までの処理は、実施形態1で説明したステップS0801ないしステップS0805までの処理と同一なので、ここでは説明を省略する。
【0097】
そのうえで、ステップS1706では再読取ステップでの読取対象となった梱包材の洗浄状況に関する情報である洗浄情報を取得し(洗浄情報取得ステップ)、ステップS1707では、前記取得した洗浄情報に応じ、再び商品販売店舗と当該梱包材とを紐づけ可能に制御する(再利用制御ステップ)。
【0098】
<効果>
本実施形態の梱包材追跡システムを用いることにより、実施形態1の梱包材追跡システムを用いる場合に比べて、購入商品を梱包するという本質的要請において要求される美的外観をも維持したうえで持続可能な梱包材利用サイクルを実現することが可能となる。
【符号の説明】
【0099】
0200・・・梱包材追跡システム、0201・・・梱包材関連付け部、0202・・・コード読取受付部、0203・・・再読取部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17