(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076412
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】振動子用のパッケージ、圧電振動子および発振器
(51)【国際特許分類】
H03H 9/02 20060101AFI20240530BHJP
H03B 5/32 20060101ALI20240530BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20240530BHJP
H01L 23/13 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
H03H9/02 A
H03B5/32 H
H01L23/12 F
H01L23/12 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187885
(22)【出願日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】713005174
【氏名又は名称】エスアイアイ・クリスタルテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 則彰
(74)【代理人】
【識別番号】100166305
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 徹
(72)【発明者】
【氏名】市村 直也
(72)【発明者】
【氏名】宮田 秀光
【テーマコード(参考)】
5J079
5J108
【Fターム(参考)】
5J079AA04
5J079BA43
5J079HA02
5J079HA07
5J079HA25
5J079HA29
5J108BB02
5J108EE03
5J108EE07
5J108FF09
5J108FF13
5J108GG03
5J108GG15
5J108GG16
(57)【要約】
【課題】配線構造が複雑化することを抑制しつつ、配線と集積回路チップとの接触を回避できる振動子用のパッケージを提供する。
【解決手段】振動子用のパッケージ3は、圧電振動片に電気的に接続される集積回路チップ7が実装されるチップ実装領域12を有する。チップ実装領域12は、集積回路チップ7に対向する実装面71と、集積回路チップ7の端子に対向するチップ用電極53A~53Fと、集積回路チップ7に接合され、チップ用電極53A~53Fと集積回路チップ7の端子とを電気的に接続するバンプ73と、実装面71に設けられ、チップ用電極53A~53Fのうち第1電極に電気的に接続し、平面視でチップ用電極53A~53Fのうち第1電極以外の少なくともいずれか2つの第2電極の間を通過する引き回し配線61F,61Gと、実装面71とバンプ73との間に設けられ、実装面71に対してバンプ73を嵩上げする盛り上げ部75と、を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発振子として圧電振動片が実装される振動片実装領域と、
前記圧電振動片に電気的に接続され、発振回路を有する集積回路チップが実装されるチップ実装領域と、
を有し、
前記チップ実装領域は、
前記集積回路チップに対向する実装面と、
前記集積回路チップの端子に対向する電極と、
前記集積回路チップに接合され、前記電極と前記集積回路チップの前記端子とを電気的に接続するバンプと、
前記実装面に設けられ、前記電極のうち少なくとも1つの第1電極に電気的に接続し、平面視で前記電極のうち前記第1電極以外の少なくともいずれか2つの第2電極の間を通過する引き回し配線と、
前記実装面と前記バンプとの間に設けられ、前記実装面に対して前記バンプを嵩上げする盛り上げ部と、
を有する、
振動子用のパッケージ。
【請求項2】
前記盛り上げ部は、前記電極と前記バンプとの間に介在する、
請求項1に記載の振動子用のパッケージ。
【請求項3】
前記盛り上げ部は、導電性物質により形成され、前記電極と前記バンプとを電気的に接続する、
請求項2に記載の振動子用のパッケージ。
【請求項4】
前記盛り上げ部は、前記実装面と前記電極との間に介在し、前記実装面を形成する材料と同じ材料により形成されている、
請求項1に記載の振動子用のパッケージ。
【請求項5】
前記盛り上げ部は、セラミックス材料により形成されている、
請求項4に記載の振動子用のパッケージ。
【請求項6】
請求項1に記載の振動子用のパッケージと、
前記振動片実装領域に実装された前記圧電振動片と、
を備える圧電振動子。
【請求項7】
請求項6に記載の圧電振動子と、
前記チップ実装領域に実装された前記集積回路チップと、
を備える発振器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動子用のパッケージ、圧電振動子および発振器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話などの電子機器には、水晶を利用した圧電振動子を備えた発振器が用いられている。圧電振動子は、圧電振動片と、圧電振動片を気密に封止するパッケージと、を備える。さらに、パッケージには、圧電振動子からの信号を演算処理する集積回路チップが実装されるチップ実装面が設けられる(例えば、特許文献1から特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5101201号公報
【特許文献2】特許第3783235号公報
【特許文献3】特開2002-330027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、金属膜により形成された配線がチップ実装面に設けられていると、パッケージに反りが生じた場合に、配線が集積回路基板に接触してショートする可能性がある。そこで、チップ実装面のうち平面視で集積回路基板に重なる箇所を避けるように配線を設けると、パッケージ内の配線の引き回しが複雑になり、配線を形成する金属材料の使用量の増大が生じる場合がある。
【0005】
そこで本発明は、配線構造が複雑化することを抑制しつつ、配線と集積回路チップとの接触を回避できる振動子用のパッケージ、並びにそのパッケージを備えた圧電振動子および発振器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る振動子用のパッケージは、発振子として圧電振動片が実装される振動片実装領域と、前記圧電振動片に電気的に接続され、発振回路を有する集積回路チップが実装されるチップ実装領域と、を有し、前記チップ実装領域は、前記集積回路チップに対向する実装面と、前記集積回路チップの端子に対向する電極と、前記集積回路チップに接合され、前記電極と前記集積回路チップの前記端子とを電気的に接続するバンプと、前記実装面に設けられ、前記電極のうち少なくとも1つの第1電極に電気的に接続し、平面視で前記電極のうち前記第1電極以外の少なくともいずれか2つの第2電極の間を通過する引き回し配線と、前記実装面と前記バンプとの間に設けられ、前記実装面に対して前記バンプを嵩上げする盛り上げ部と、を有する。
【0007】
第1の態様によれば、実装面上に設けられた電極にバンプが接合した構成と比較して、実装面と集積回路チップとの間隔を広げることができる。これにより、パッケージに反りが生じた場合にも、パッケージの実装面のうち第2電極間を通過する引き回し配線に集積回路チップが接触することを回避できる。したがって、配線構造が複雑化することを第2電極間に引き回し配線を配置することで抑制しつつ、実装面上に設けられた配線と集積回路チップとの接触を回避できる。
【0008】
本発明の第2の態様に係る振動子用のパッケージは、上記第1の態様に係る振動子用のパッケージにおいて、前記盛り上げ部は、前記電極と前記バンプとの間に介在していてもよい。
【0009】
第2の態様によれば、電極を実装面に対して嵩上げする必要がないので、引き回し配線と電極とを同一工程で形成できる。これにより、従来のパッケージと比較して電極を形成する工程が増加しないので、製造工程の複雑化を抑制できる。
【0010】
本発明の第3の態様に係る振動子用のパッケージは、上記第2の態様に係る振動子用のパッケージにおいて、前記盛り上げ部は、導電性物質により形成され、前記電極と前記バンプとを電気的に接続していてもよい。
【0011】
第3の態様によれば、盛り上げ部が電極とバンプとの導通を担うので、盛り上げ部とは別に電極とバンプとを電気的に接続する構造を設ける必要がない。したがって、盛り上げ部を設けたことによる構造の複雑化を抑制できる。
【0012】
本発明の第4の態様に係る振動子用のパッケージは、上記第1の態様に係る振動子用のパッケージにおいて、前記盛り上げ部は、前記実装面と前記電極との間に介在し、前記実装面を形成する材料と同じ材料により形成されていてもよい。
【0013】
第4の態様によれば、盛り上げ部による嵩上げの高さを確保しやすい。したがって、パッケージに反りが生じた場合にも、引き回し配線と集積回路チップとの接触をより確実に回避できる。
【0014】
本発明の第5の態様に係る振動子用のパッケージは、上記第4の態様に係る振動子用のパッケージにおいて、前記盛り上げ部は、セラミックス材料により形成されていてもよい。
【0015】
第5の態様によれば、従来公知のセラミックスパッケージの製造方法を用いて盛り上げ部を形成できる。したがって、製造コストの増加を抑制できる。
【0016】
本発明の第6の態様に係る圧電振動子は、上記第1の態様から第5の態様のいずれかの態様に係る振動子用のパッケージと、前記振動片実装領域に実装された前記圧電振動片と、を備える。
【0017】
第6の態様によれば、実装面上に設けられた電極にバンプが接合した構成と比較して、実装面と集積回路チップとの間隔を広げることができる。これにより、パッケージに反りが生じた場合にも、パッケージの実装面のうち第2電極間を延びる引き回し配線に集積回路チップが接触することを回避できる。したがって、引き回し配線を第2電極間に配置することで配線構造が複雑化することを抑制しつつ、実装面上に設けられた配線と集積回路チップとの接触を回避できる。
【0018】
本発明の第7の態様に係る発振器は、上記第6の態様に係る圧電振動子と、前記チップ実装領域に実装された前記集積回路チップと、を備える。
していてもよい。
【0019】
第7の態様によれば、集積回路チップが実装面上に設けられた配線に接触することを抑制されるので、発振器の信頼性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、配線構造が複雑化することを抑制しつつ、配線と集積回路チップとの接触を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】第1実施形態の発振器を上方から見た平面図である。
【
図3】
図2のIII-III線における断面図である。
【
図4】第1実施形態の発振器を下方から見た底面図である。
【
図5】第1実施形態の第1ベース基板を下方から見た底面図である。
【
図6】第1実施形態の第1ベース基板を上方から見た平面図である。
【
図7】第1実施形態の第2ベース基板を上方から見た平面図である。
【
図8】第1実施形態の第1フレームを上方から見た平面図である。
【
図10】第2実施形態の発振器を示す図であって、
図9に対応する断面図である。
【
図11】実施形態の第1変形例の発振器を模式的に示す断面図である。
【
図12】実施形態の第2変形例のパッケージを模式的に示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
【0023】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の発振器の外観斜視図である。
図2は、第1実施形態の発振器を上方から見た平面図である。
図3は、
図2のIII-III線における断面図である。なお
図2および
図3では、後述する導電部50の図示を省略している。また、
図2では、後述するシールリング40および封口板45の一部を切断して図示している。
図1から
図3に示すように、発振器1は、パッケージ3および圧電振動片4を有する圧電振動子2と、パッケージ3に実装された集積回路チップ7と、を備える。圧電振動子2は、発振子として機能する。集積回路チップ7は、圧電振動片4に電気的に接続されており、圧電振動片4からの発振出力を生成する発振回路を有する。発振回路で生成された出力信号は、例えば、クロック信号等の基準信号として利用される。
【0024】
図1に示すように、パッケージ3は、パッケージ本体10と、シールリング40を介してパッケージ本体10に接合される封口板45と、を備える。パッケージ3は、直方体状を呈している。以下の説明では、必要に応じてX,Y,Zの直交座標系を用いて説明する。この場合、X軸方向は、平面視においてパッケージ3の長手方向(以下、単に長手方向という)である。Y軸方向は、平面視においてパッケージ3の短手方向(以下、単に短手方向という)である。Z軸方向は、パッケージ3の厚さ方向(以下、単に厚さ方向という)である。平面視は、厚さ方向から見た方向である。さらに、以下の説明では、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向のうち、図中矢印側をプラス(+)側とし、矢印とは反対側をマイナス(-)側として説明する。さらに、厚さ方向のうち+Z側を上方とし、-Z側を下方とする。
【0025】
パッケージ本体10は、第1ベース基板20と、第2ベース基板25と、第1フレーム30と、第2フレーム35と、を備える。第1ベース基板20、第2ベース基板25、第1フレーム30、および第2フレーム35は、それぞれセラミックス製である。セラミックス材料としては、例えばアルミナ製のHTCC(High Temperature Co-Fired Ceramic)や、ガラスセラミックス製のLTCC(Low Temperature Co-Fired Ceramic)等が挙げられる。
【0026】
図1および
図2に示すように、第1ベース基板20は、平面視で長方形状を呈する基板とされている。第1ベース基板20の平面視における外形は、パッケージ3の平面視における外形に一致している。
【0027】
第2ベース基板25は、平面視において外形が第1ベース基板20と同形状を呈する基板である。第2ベース基板25は、第1ベース基板20上に重ねられた状態で焼結等によって一体的に接合されている。第2ベース基板25には、第2ベース基板25を厚さ方向に貫通する貫通部26が形成されている(
図3を併せて参照)。貫通部26は、平面視で角丸長方形状を呈している。貫通部26の内側面において、短手方向の両側に位置する部分には、短手方向の内側に向けて突出する実装部27が形成されている。
【0028】
第1フレーム30は、平面視において外形が第2ベース基板25と同形状を呈する基板である。第1フレーム30は、平面視で矩形環状に形成されている。第1フレーム30は、第2ベース基板25上に重ねられた状態で焼結等によって一体的に接合されている。第1フレーム30の内側は、第2ベース基板25のうち一対の実装部27を除く部分の内側と同形状を呈している。上方から見て第1フレーム30に囲まれた領域は、圧電振動片4が実装される振動片実装領域11である。
【0029】
図4は、第1実施形態の発振器を下方から見た底面図である。なお
図4では、見やすくするために導電部50にハッチングを付している。
図1および
図4に示すように、第2フレーム35は、平面視において外形が第1ベース基板20と同形状を呈する基板である。第2フレーム35は、平面視で矩形環状に形成されている。第2フレーム35は、第1ベース基板20に対して第2ベース基板25の反対側に配置されている。第2フレーム35は、第1ベース基板20上に重ねられた状態で焼結等によって一体的に接合されている。第2フレーム35の内側は、平面視で角丸長方形状を呈している。下方から見て第2フレーム35に囲まれた領域は、集積回路チップ7が実装されるチップ実装領域12である。
【0030】
図1および
図2に示すように、パッケージ本体10の四隅には、平面視1/4円弧状の切欠部15が、厚さ方向においてパッケージ本体10の全体に亘って形成されている。例えば、パッケージ本体10は、第1ベース基板20、第2ベース基板25、第1フレーム30、および第2フレーム35を形成するウエハ状のセラミックス基板を4枚重ねて接合した後、セラミックス基板を貫通する複数のスルーホールを行列状に形成し、各スルーホールを基準としながらセラミックス基板を格子状に切断することで作製される。その際、スルーホールが4分割されることで、切欠部15が構成される。
【0031】
パッケージ本体10の上面には、シールリング40が接合されている。シールリング40は、第2フレーム35の外形よりも一回り小さい導電性の枠状部材である。シールリング40の内側は、第2フレーム35の内側と同形状を呈している。ただし、シールリング40の内側は、第2フレーム35の内側よりも大きい形状を呈していてもよい。シールリング40は、第2フレーム35の上面に全周にわたって接合されている。具体的に、シールリング40は、銀ロウ等のロウ材やはんだ材等による焼付けによって第2フレーム35上に接合、または第2フレーム35上に形成された金属接合層に対する溶着等によって接合されている。
【0032】
シールリング40の材料としては、例えばニッケル基合金等が挙げられ、具体的にはコバール、エリンバー、インバー、42-アロイ等から選択すれば良い。特に、シールリング40の材料としては、パッケージ本体10を形成するセラミックス材料に対して熱膨張係数が近いものを選択することが好ましい。例えば、パッケージ本体10として熱膨張係数6.8×10-6/℃のアルミナを用いる場合には、シールリング40として熱膨張係数5.2×10-6/℃のコバールや、熱膨張係数4.5~6.5×10-6/℃の42-アロイを用いることが好ましい。
【0033】
封口板45は、パッケージ本体10との間に、圧電振動片4が配置されるキャビティCを形成する。封口板45は、導電性基板からなり、シールリング40上に接合されてパッケージ本体10内を気密に封止している。そして、シールリング40、封口板45、第1ベース基板20、第2ベース基板25および第1フレーム30により画成された空間は、気密封止されたキャビティCを構成する。
【0034】
図4に示すように、パッケージ3には、導電部50が設けられている。導電部50は、パッケージ3において電源電力や信号の導通路となる。導電部50は、金属材料により形成される。導電部50は、単一金属による単層膜でもよいし、異なる金属が積層された積層膜でもよい。例えば、導電部50は、タングステンまたはモリブデンからなる下地にニッケルを積層し、さらにニッケル上に金を積層した積層膜である。この場合、ニッケルおよび金をめっきにより成膜することができる。
【0035】
図5は、第1実施形態の第1ベース基板を下方から見た底面図である。
図6は、第1実施形態の第1ベース基板を上方から見た平面図である。
図7は、第1実施形態の第2ベース基板を上方から見た平面図である。
図8は、第1実施形態の第1フレームを上方から見た平面図である。なお
図5では、第2フレーム35の内周形状を仮想線で示している。また、
図6では、第2ベース基板25の貫通部26を仮想線で示している。
図4から
図8に示すように、導電部50は、マウント電極51A,51Bと、チップ用電極53A~53Fと、モニター用端子55A,55Bと、外部接続用端子57A~57Dと、引き回し配線61A~61Hと、貫通電極59A~59Cと、を備える。
【0036】
図7に示すように、マウント電極51A,51Bは、振動片実装領域11に設けられている。マウント電極51A,51Bは、第2ベース基板25の各実装部27の上面に設けられている。マウント電極51A,51Bは、各実装部27の上面の略全体に形成されている。マウント電極51A,51Bは、上方から見て第1フレーム30に重なる位置で短手方向の外側に突出した突出部51aを有する。
【0037】
図5に示すように、チップ用電極53A~53Fは、チップ実装領域12に設けられている。チップ用電極53A~53Fは、第1ベース基板20の下面に設けられている。チップ用電極53A~53Fは、矩形状に形成されている。チップ用電極53A~53Fは、集積回路チップ7の端子の数に合わせて複数設けられている。図示の例では、チップ用電極53A~53Fは、6個設けられている。チップ用電極53A~53Fは、互いに間隔をあけて配置されている。チップ用電極53A~53Fは、集積回路チップ7の端子に対向するように配置されている。チップ用電極53A~53Fは、フリップチップボンディングを介して集積回路チップ7の端子に接続される。
【0038】
チップ用電極53A~53Fは、第1チップ用電極53Aと、第2チップ用電極53Bと、第3チップ用電極53Cと、第4チップ用電極53Dと、第5チップ用電極53Eと、第6チップ用電極53Fと、である。これらチップ用電極53A~53Fは、例えば、外部電源用電極、信号出力用電極、第1振動片電極、第2振動片電極、グランド接続用電極、スイッチ用電極などである。
【0039】
外部電源用電極は、集積回路チップ7の電源入力端子が接合される電極である。信号出力用電極は、集積回路チップ7の信号出力端子が接合される電極である。第1振動片電極および第2振動片電極は、圧電振動片4と電気的に接続される集積回路チップ7の端子が接合される電極である。グランド接続用電極は、集積回路チップ7のグランド端子が接合される電極である。スイッチ用電極は、集積回路チップ7のスイッチ信号入力端子が接合される電極である。
【0040】
第1チップ用電極53Aおよび第2チップ用電極53Bは、長手方向に並んでいる。第1チップ用電極53Aは、第2チップ用電極53Bの-X側に配置されている。第2チップ用電極53B、第3チップ用電極53Cおよび第4チップ用電極53Dは、短手方向に並んでいる。第2チップ用電極53Bは、第4チップ用電極53Dの+Y側に配置されている。第3チップ用電極53Cは、第1チップ用電極53Aおよび第4チップ用電極53Dの間に配置されている。第4チップ用電極53D、第5チップ用電極53Eおよび第6チップ用電極53Fは、長手方向に並んでいる。第6チップ用電極53Fは、第4チップ用電極53Dの-X側に配置されている。第5チップ用電極53Eは、第4チップ用電極53Dおよび第6チップ用電極53Fの間に配置されている。第1チップ用電極53Aおよび第6チップ用電極53Fは、短手方向に並んでいる。第1チップ用電極53Aは、第6チップ用電極53Fの+Y側に配置されている。全てのチップ用電極53A~53Fは、下方から見て集積回路チップ7に重なるように、チップ実装領域12における中央部に集約して配置されている(
図4を併せて参照)。
【0041】
一対のモニター用端子55A,55Bは、第1ベース基板20の下面に設けられている。一対のモニター用端子55A,55Bは、下方から見て第2フレーム35の内側に配置されている。一対のモニター用端子55A,55Bは、チップ実装領域12のうち全てのチップ用電極53A~53Fが配置された中央部を挟んで長手方向の両側に配置されている。
【0042】
図4に示すように、外部接続用端子57A~57Dは、第2フレーム35の下面に設けられている。外部接続用端子57A~57Dは、第2フレーム35の角部にそれぞれ独立して設けられている。
【0043】
図6に示すように、貫通電極59A~59Cは、第1貫通電極59Aと、第2貫通電極59Bと、第3貫通電極59Cと、である。第1貫通電極59Aは、パッケージ3の+X側かつ-Y側の角部に形成されている。第1貫通電極59Aは、第1ベース基板20、第2ベース基板25および第1フレーム30を一貫して厚さ方向に貫通している(
図5から
図8参照)。第1貫通電極59Aは、シールリング40を通じて封口板45と導通している。
【0044】
図7に示すように、第2貫通電極59Bは、キャビティCの-Y側に形成されている。第2貫通電極59Bは、第1ベース基板20および第2ベース基板25を一貫して厚さ方向に貫通している(
図5から
図7参照)。第2貫通電極59Bは、第2ベース基板25の上面で-Y側のマウント電極51Bの突出部51aと導通している。
【0045】
第3貫通電極59Cは、キャビティCの+Y側に形成されている。第3貫通電極59Cは、第1ベース基板20および第2ベース基板25を一貫して厚さ方向に貫通している(
図5から
図7参照)。第3貫通電極59Cは、第2ベース基板25の上面で+Y側のマウント電極51Aの突出部51aと導通している。
【0046】
図5に示すように、引き回し配線61A~61Hは、第1ベース基板20の下面に形成されている。引き回し配線61A~61Hは、それぞれチップ用電極53A~53Fの1つに接続している。引き回し配線61A~61Hは、第1引き回し配線61Aと、第2引き回し配線61Bと、第3引き回し配線61Cと、第4引き回し配線61Dと、第5引き回し配線61Eと、第6引き回し配線61Fと、第7引き回し配線61Gと、第8引き回し配線61Hと、である。
【0047】
第1引き回し配線61Aは、第1チップ用電極53Aに接続している。第1引き回し配線61Aは、-X側のモニター用端子55Aを避けるように延びている。第1引き回し配線61Aは、第1チップ用電極53Aから短手方向の外側に延びた後、長手方向の外側に延びている。第1引き回し配線61Aは、途中で分岐せずに、第1ベース基板20の下面における-X側かつ+Y側の角部まで延びている。第1引き回し配線61Aは、第1ベース基板20の下面における-X側かつ+Y側の角部で、図示しない接続配線を介して-X側かつ+Y側の角部の外部接続用端子57A(
図4参照)に接続している。
【0048】
第2引き回し配線61Bは、第2チップ用電極53Bに接続している。第2引き回し配線61Bは、+X側のモニター用端子55Bを避けるように延びている。第2引き回し配線61Bは、第2チップ用電極53Bから短手方向の外側に延びた後、長手方向の外側に延びている。第2引き回し配線61Bは、途中で分岐せずに、第1ベース基板20の下面における+X側かつ+Y側の角部まで延びている。第2引き回し配線61Bは、第1ベース基板20の下面における+X側かつ+Y側の角部で、図示しない接続配線を介して+X側かつ+Y側の外部接続用端子57B(
図4参照)に接続している。
【0049】
第3引き回し配線61Cは、第3チップ用電極53Cに接続している。第3引き回し配線61Cは、+X側のモニター用端子55Bを避けるように延びている。第3引き回し配線61Cは、第2引き回し配線61Bとモニター用端子55Bとの間に配置されている。第3引き回し配線61Cは、第3チップ用電極53Cから、短手方向に沿って第2引き回し配線61B側に延びた後、長手方向の外側に延び、さらに短手方向に沿って第2引き回し配線61Bから離れるように延びている。第3引き回し配線61Cは、途中で分岐せずに、第1ベース基板20の下面における+X側かつ-Y側の角部まで延びている。第3引き回し配線61Cは、第1ベース基板20の下面における+X側かつ-Y側の角部で、図示しない接続配線を介して+X側かつ-Y側の外部接続用端子57C(
図4参照)に接続している。さらに、第3引き回し配線61Cは、第1貫通電極59Aに接続している。
【0050】
第4引き回し配線61Dは、第4チップ用電極53Dに接続している。第4引き回し配線61Dは、第4チップ用電極53Dから長手方向の外側に延びている。第4引き回し配線61Dは、途中で分岐せずに延びて、+X側のモニター用端子55Bに接続している。
【0051】
第5引き回し配線61Eは、第4チップ用電極53Dに接続している。第5引き回し配線61Eは、第4チップ用電極53Dから短手方向の外側に延びている。第5引き回し配線61Eは、途中で分岐せずに延びて、第2貫通電極59Bに接続している。
【0052】
第6引き回し配線61Fは、第5チップ用電極53Eに接続している。すなわち、第5チップ用電極53Eは、本発明に係る第1電極である。第6引き回し配線61Fは、第1ベース基板20の下面における短手方向の中心を横切るように、短手方向に沿って延びている。第6引き回し配線61Fは、第5チップ用電極53E以外のチップ用電極53A~53D,53Fのうち少なくともいずれか2つの間を延びるように通過している。本実施形態では、第6引き回し配線61Fは、少なくとも、第6チップ用電極53Fと第2チップ用電極53Bおよび第3チップ用電極53Cそれぞれとの間、並びに第1チップ用電極53Aと第2チップ用電極53B、第3チップ用電極53Cおよび第4チップ用電極53Dそれぞれとの間を通過している。すなわち、第1チップ用電極53A、第2チップ用電極53B、第3チップ用電極53C、第4チップ用電極53Dおよび第6チップ用電極53Fは、本発明に係る第2電極である。第6引き回し配線61Fは、途中で分岐せずに延びて、第3貫通電極59Cに接続している。
【0053】
第7引き回し配線61Gは、第5チップ用電極53Eに接続している。第7引き回し配線61Gは、短手方向の内側に延びた後、長手方向の外側に延びている。第7引き回し配線61Gは、第5チップ用電極53E以外のチップ用電極53A~53D,53Fのうち少なくともいずれか2つの間を延びるように通過している。本実施形態では、第7引き回し配線61Gは、少なくとも、第6チップ用電極53Fと第1チップ用電極53A、第2チップ用電極53Bおよび第3チップ用電極53Cそれぞれとの間を延びている。すなわち、第1チップ用電極53A、第2チップ用電極53B、第3チップ用電極53Cおよび第6チップ用電極53Fは、本発明に係る第2電極である。第7引き回し配線61Gは、途中で分岐せずに延びて、-X側のモニター用端子55Aに接続している。なお本実施形態では、第7引き回し配線61Gのうち短手方向に沿って延びる部分が、第6引き回し配線61Fと一体化している。
【0054】
第8引き回し配線61Hは、第6チップ用電極53Fに接続している。第8引き回し配線61Hは、-X側のモニター用端子55Aを避けるように延びている。第8引き回し配線61Hは、第6チップ用電極53Fから短手方向の外側に延びた後、長手方向の外側に延びている。第8引き回し配線61Hは、途中で分岐せずに、第1ベース基板20の下面における-X側かつ-Y側の角部まで延びている。第8引き回し配線61Hは、第1ベース基板20の下面における-X側かつ-Y側の角部で、図示しない接続配線を介して-X側かつ-Y側の外部接続用端子57D(
図4参照)に接続している。
【0055】
図2および
図3に示すように、圧電振動片4は、パッケージ3の振動片実装領域11に配置され、キャビティC内に収容されている。圧電振動片4は、例えば、水晶によって形成された圧電板5を備える。圧電板5は、一対の振動腕部5a,5bと、一対の支持腕部5c,5dと、を有する。圧電振動片4は、支持腕部5c,5dが第2ベース基板25の実装部27に支持されることで、パッケージ3に実装されている。支持腕部5c,5dは、導電性接着剤によりマウント電極51A,51B(
図7参照)に接着される。圧電振動片4は、一対の振動腕部5a,5bがパッケージ本体10から浮いた状態で支持される。一対の振動腕部5a,5bの外表面には、所定の電圧が印加されたときに一対の振動腕部5a,5bを振動させる2系統の励振電極(図示略)が設けられている。ただし、圧電板5は、水晶に限らず、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などで形成されていてもよい。
【0056】
図3および
図4に示すように、集積回路チップ7は、パッケージ3のチップ実装領域12に配置されている。集積回路チップ7は、下方から見て一対の辺が長手方向に延び、かつ残りの一対の辺が短手方向に延びる矩形状に形成されている。集積回路チップ7の全体は、下方から見て第2フレーム35の内側に配置されている。集積回路チップ7は、下方から見て全てのチップ用電極53A~53Fに重なっている。集積回路チップ7は、下方から見て各モニター用端子55A,55Bの少なくとも一部に重ならないように配置されている。
【0057】
図4に示すように、チップ実装領域12は、上述したチップ用電極53A~53Fおよび引き回し配線61A~61Hに加えて、実装面71と、バンプ73と、盛り上げ部75と、を備える。
実装面71は、第1ベース基板20の下面のうち、集積回路チップ7に対向する部分である。すなわち、実装面71は、第1ベース基板20の下面のうち、下方から見て集積回路チップ7と重なる部分である。実装面71には、全てのチップ用電極53A~53Fと、引き回し配線61A~61Hのうち2つのチップ用電極の間を延びる引き回し配線(第6引き回し配線61Fおよび第7引き回し配線61G)と、が設けられている。2つのチップ用電極の間を延びる引き回し配線(第6引き回し配線61Fおよび第7引き回し配線61G)は、チップ用電極から実装面71の中心側に向けて延出している。
【0058】
図9は、
図4のIX-IX線における断面図である。
図4および
図9に示すように、バンプ73は、集積回路チップ7の端子に接合される。バンプ73は、フリップチップボンディング用の金バンプやはんだバンプ等である。バンプ73は、チップ用電極53A~53Fと集積回路チップ7の端子とを電気的に接続する。バンプ73は、超音波接合により集積回路チップ7の端子に接合される。バンプ73は、集積回路チップ7の支持を担う。なお集積回路チップ7と第1ベース基板20との間に樹脂が封入されている場合には、バンプ73は、集積回路チップ7の支持を補助的に行う。
【0059】
盛り上げ部75は、実装面71とバンプ73との間に設けられている。盛り上げ部75は、実装面71に対してバンプ73を嵩上げする。盛り上げ部75は、チップ用電極53A~53Fそれぞれとバンプ73との間に介在している。盛り上げ部75は、導電性物質により形成される。盛り上げ部75は、チップ用電極53A~53Fおよびバンプ73に直接導通し、チップ用電極53A~53Fおよびバンプ73を相互に導通させている。例えば、盛り上げ部75は、金属材料により形成される。この場合、盛り上げ部75は、単一金属による単層膜でもよいし、異なる金属が積層された積層膜でもよい。例えば、盛り上げ部75は、タングステンまたはモリブデンにより形成される。これにより盛り上げ部75の材料を導電部50の下地の材料と共用でき、製造コストの増加を抑制できる。盛り上げ部75は、チップ用電極53A~53Fよりも厚く形成されている。盛り上げ部75の下面は、厚さ方向に直交する平坦面である。盛り上げ部75の全体は、チップ用電極53A~53Fに重なっている。盛り上げ部75は、下方から見てその外形の内側にバンプ73の全体が位置するように形成されている。盛り上げ部75は、バンプ73およびチップ用電極53A~53Fの直接の接続を規制している。
【0060】
以上に説明したように、本実施形態のパッケージ3および圧電振動子2は、集積回路チップ7が実装されるチップ実装領域12を有する。チップ実装領域12は、集積回路チップ7に対向する実装面71と、集積回路チップ7の端子に対向するチップ用電極53A~53Fと、集積回路チップ7に接合され、チップ用電極53A~53Fと集積回路チップ7の端子とを電気的に接続するバンプ73と、実装面71に設けられ、チップ用電極53A~53Fのうち少なくともいずれか1つの第1電極に電気的に接続し、平面視でチップ用電極53A~53Fのうち第1電極以外の少なくともいずれか2つの第2電極の間を通過する引き回し配線(第6引き回し配線61Fおよび第7引き回し配線61G)と、実装面71とバンプ73との間に設けられ、実装面71に対してバンプ73を嵩上げする盛り上げ部75と、を有する。この構成によれば、実装面上に直接設けられたチップ用電極にバンプが接合した構成と比較して、実装面71と集積回路チップ7との間隔を広げることができる。これにより、パッケージ3に反りが生じた場合にも、パッケージ3の実装面71のうちチップ用電極間を通過する引き回し配線61F,61Gに集積回路チップ7が接触することを回避できる。したがって、配線構造が複雑化することをチップ用電極間に引き回し配線61F,61Gを配置することで抑制しつつ、引き回し配線61F,61Gと集積回路チップ7との接触を回避できる。
【0061】
盛り上げ部75は、チップ用電極53A~53Fとバンプ73との間に介在している。この構成によれば、チップ用電極53A~53Fを実装面71に対して嵩上げする必要がないので、引き回し配線61A~61Hとチップ用電極53A~53Fとを同一工程でスクリーン印刷などにより形成できる。これにより、従来のパッケージと比較してチップ用電極53A~53Fを形成する工程が増加しないので、製造工程の複雑化を抑制できる。
【0062】
盛り上げ部75は、導電性物質により形成され、チップ用電極53A~53Fとバンプ73とを電気的に接続する。この構成によれば、盛り上げ部75がチップ用電極53A~53Fとバンプ73との導通を担うので、盛り上げ部75とは別にチップ用電極53A~53Fとバンプ73とを電気的に接続する構造を設ける必要がない。したがって、盛り上げ部75を設けたことによる構造の複雑化を抑制できる。
【0063】
そして、本実施形態の発振器1は、上述した圧電振動子2を備えるので、集積回路チップ7が引き回し配線61F,61Gに接触することを抑制される。したがって、発振器1の信頼性を向上させることができる。
【0064】
[第2実施形態]
次に、
図10を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、盛り上げ部75がチップ用電極53A~53Fそれぞれとバンプ73との間に介在している。これに対して第2実施形態は、盛り上げ部75Aが実装面71とチップ用電極53それぞれとの間に介在している点で、第1実施形態とは異なる。なお、以下で説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
【0065】
図10に示すように、パッケージ3Aは、第1実施形態の盛り上げ部75に代えて、盛り上げ部75Aを備える。盛り上げ部75Aは、実装面71に積層されている。盛り上げ部75Aは、集積回路チップ7の端子に対向する位置に1つずつ配置されている。例えば、盛り上げ部75Aは、セラミックス製である。この場合、盛り上げ部75Aは、実装面71を形成する第1ベース基板20と同じ材料で形成されていることが望ましい。例えば、盛り上げ部75Aは、チップ実装領域12を囲う第2フレーム35よりも厚さ方向に薄く形成されていることが望ましい。盛り上げ部75Aの下面の全体は、厚さ方向に直交する平坦面である。
【0066】
チップ用電極53は、第1実施形態のチップ用電極53A~53Fそれぞれに対応する。チップ用電極53は、盛り上げ部75Aの下面に1つずつ設けられている。チップ用電極53は、図示しない接続配線を介して、実装面71に設けられた引き回し配線に接続している。接続配線は、盛り上げ部75Aに設けられた貫通電極であってもよいし、盛り上げ部75Aの側面に設けられた配線膜であってもよい。
【0067】
本実施形態において、バンプ73はチップ用電極53の下面に直接接合している。これにより、バンプ73は、集積回路チップ7の端子およびチップ用電極53に直接導通し、集積回路チップ7の端子およびチップ用電極53を相互に導通させている。
【0068】
本実施形態では、第1実施形態と同様の効果を奏する。これに加え、本実施形態では、盛り上げ部75Aが実装面71とチップ用電極53との間に介在し、第2フレーム35と同じ材料により形成されているので、盛り上げ部75Aによる嵩上げの高さを確保しやすい。したがって、パッケージ3Aに反りが生じた場合にも、引き回し配線と集積回路チップ7との接触をより確実に回避できる。また、盛り上げ部75Aをセラミックス製とすることで、盛り上げ部75Aの端縁を容易に直角に形成できる。これにより盛り上げ部75Aの下面のうち集積回路チップ7の実装に用いることができる領域を広く確保することができる。
【0069】
さらに、盛り上げ部75Aがセラミックス材料により形成されているので、従来公知のセラミックスパッケージの製造方法を用いて盛り上げ部75Aを形成できる。したがって、製造コストの増加を抑制できる。
【0070】
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、振動片実装領域11がパッケージ本体10の上面側に設けられているとともに、チップ実装領域12がパッケージ本体10の下面側に設けられているが、この構成に限定されない。例えば、
図11に示すように、振動片実装領域111およびチップ実装領域112がパッケージ本体110の同一面側に設けられていてもよい。この場合、圧電振動片4および集積回路チップ7が厚さ方向から見て重なり合うように配置されていてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、一対のモニター用端子55A,55Bが厚さ方向から見て集積回路チップ7を挟むように配置されているが、この構成に限定されない。例えば、
図12に示すように、一対のモニター用端子155が厚さ方向から見て集積回路チップ7に対する同じ側に配置されていてもよい。すなわち、一対のモニター用端子155が厚さ方向から見て全てのチップ用電極に対する同じ側に並んで配置されていてもよい。
【0072】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各実施形態および各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0073】
1…発振器 2…圧電振動子 3,3A…パッケージ 4…圧電振動片 7…集積回路チップ 11,111…振動片実装領域 12,112…チップ実装領域 53A…第1チップ用電極(第2電極、電極) 53B…第2チップ用電極(第2電極、電極) 53C…第3チップ用電極(第2電極、電極) 53D…第4チップ用電極(第2電極、電極) 53E…第5チップ用電極(第1電極、電極) 53F…第6チップ用電極(第2電極、電極) 61F,61G…引き回し配線 71…実装面 73…バンプ 75,75A…盛り上げ部