(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007642
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】印刷装置および印刷台
(51)【国際特許分類】
B41J 11/02 20060101AFI20240112BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240112BHJP
B41J 13/10 20060101ALI20240112BHJP
D06B 11/00 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
B41J11/02
B41J2/01 305
B41J13/10
D06B11/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108838
(22)【出願日】2022-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】加藤 悠介
【テーマコード(参考)】
2C056
2C058
2C059
3B154
【Fターム(参考)】
2C056EA04
2C056FA04
2C056FA10
2C056FB03
2C056FB07
2C056HA29
2C058AB15
2C058AC07
2C058AD01
2C058AE02
2C058AF31
2C058DA11
2C058DA34
2C059DD06
2C059DD13
2C059DD31
3B154AB18
3B154AB27
3B154AB31
3B154BA09
3B154BB33
3B154BB46
3B154BC07
3B154BC16
3B154BC17
3B154BC28
3B154BC41
3B154BD01
3B154CA03
3B154DA13
(57)【要約】
【課題】印刷媒体の位置決めの精度を容易に向上させる印刷装置および印刷台を提供すること。
【解決手段】印刷装置1は、TシャツFの表面に対してインクを吐出する印刷ヘッド7と、TシャツFをセット可能であり、印刷ヘッド7と対向して配置される印刷台4と、を備え、印刷ヘッド7に対して、印刷台4が+Y方向または-Y方向に相対的に移動することにより、印刷台4にセットされたTシャツFの表面に所望の画像を印刷し、印刷台4は、TシャツFがセットされる際に、印刷台4に対するTシャツFの位置決めをガイドするガイド部材40を有し、ガイド部材40は、+Y方向に沿う対称軸Oに対して線対称に配置される一対のガイド目印42を有し、対称軸Oは、印刷台4において、+X方向の中心位置を通る。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体の表面に対してインクを吐出する印刷ヘッドと、
前記印刷媒体をセット可能であり、前記印刷ヘッドと対向して配置される印刷台と、を備え、
前記印刷ヘッドに対して、前記印刷台が第1方向または前記第1方向と反対方向に相対的に移動することにより、前記印刷台にセットされた前記印刷媒体の前記表面に所望の画像を印刷し、
前記印刷台は、前記印刷媒体がセットされる際に、前記印刷台に対する前記印刷媒体の位置決めをガイドするガイド部材を有し、
前記ガイド部材は、前記第1方向に沿う対称軸に対して線対称に配置される一対のガイド目印を有し、
前記対称軸は、前記印刷台において、前記第1方向と直交する第2方向の中心位置を通ることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
一対の前記ガイド目印は、一対の第1ガイド目印と、一対の前記第1ガイド目印の外側に配置される一対の第2ガイド目印と、を含む、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記ガイド部材は、前記印刷台の前記第1方向に配置され、
一対の前記ガイド目印は、前記ガイド部材の前記第1方向の端部に配置される、請求項1または請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記ガイド部材は、一対の前記ガイド目印を結ぶ連結目印を有し、
前記連結目印は、前記対称軸に対して線対称に配置される、請求項1または請求項2に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記印刷ヘッドを覆う外装を備え、
前記外装は複数の側壁を含み、
複数の前記側壁のうち前記第1方向を向くと共に、前記印刷媒体を前記印刷台にセットする際にユーザーと対向する前記側壁には、一対の壁面目印が配置され、
一対の前記壁面目印は、前記第1方向からの側面視にて、前記対称軸に対して線対称に配置される、請求項1または請求項2に記載の印刷装置。
【請求項6】
一対の前記壁面目印は、目盛りの少なくとも一部を構成する、請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
一対の前記第1ガイド目印は、第1の色であり、
一対の前記第2ガイド目印は、前記第1の色とは異なる第2の色である、請求項2に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記印刷媒体を前記印刷台にセットする際のユーザーの位置を、ユーザーセット位置とするとき、
前記印刷台を挟んで前記ユーザーセット位置に面する壁面を有し、
前記壁面には、一対の壁面目印が配置され、
一対の前記壁面目印は、前記第1方向からの側面視にて、前記対称軸に対して線対称に配置される、請求項1または請求項2に記載の印刷装置。
【請求項9】
一対の前記壁面目印は、目盛りの少なくとも一部を構成する、請求項8に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記印刷媒体を前記印刷台にセットする際に、前記印刷台に前記印刷媒体を固定する固定フレームを備え、
前記固定フレームには、スケールが配置される、請求項1または請求項2に記載の印刷装置。
【請求項11】
印刷が成される印刷媒体をセット可能な印刷台であって、
前記印刷媒体が前記印刷台にセットされる際に、前記印刷媒体の位置決めをガイドするガイド部材を有し、
前記ガイド部材は、一対のガイド目印を有すると共に、前記印刷台の第1方向に配置され、
一対の前記ガイド目印は、前記第1方向に沿う対称軸に対して線対称に配置され、
前記対称軸は、前記第1方向と直交する第2方向の中心位置を通ることを特徴とする印刷台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置および印刷台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、Tシャツなどの布地の印刷媒体に絵柄などを印刷する印刷装置が知られていた。該印刷装置には、店頭などで顧客の要望に応じて一品一葉で印刷を実行するものがある。例えば特許文献1には、位置決めにガイド板を利用して、Tシャツをプラテンに載置する被服印刷装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の印刷装置では、印刷位置に対する印刷媒体の位置決めの精度を向上させることが難しいという課題があった。詳しくは、ガイド板にTシャツを被せて、Tシャツの首部および肩部とガイド板の突出部分の端縁とを当接させて位置決めを行うとしている。上記端縁がV字状であるため、大まかな位置決めが成される一方で、精密な位置決めはユーザーの経験や勘に頼る場合があった。特に、Tシャツおよびガイド板を平面視したとき、双方の左右方向の中心に位置ずれが生じ易くなっていた。すなわち、印刷媒体の位置決めの精度を容易に向上させる印刷装置が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
印刷装置は、印刷媒体の表面に対してインクを吐出する印刷ヘッドと、前記印刷媒体をセット可能であり、前記印刷ヘッドと対向して配置される印刷台と、を備え、前記印刷ヘッドに対して、前記印刷台が第1方向または前記第1方向と反対方向に相対的に移動することにより、前記印刷台にセットされた前記印刷媒体の前記表面に所望の画像を印刷し、前記印刷台は、前記印刷媒体がセットされる際に、前記印刷台に対する前記印刷媒体の位置決めをガイドするガイド部材を有し、前記ガイド部材は、前記第1方向に沿う対称軸に対して線対称に配置される一対のガイド目印を有し、前記対称軸は、前記印刷台において、前記第1方向と直交する第2方向の中心位置を通ることを特徴とする。
【0006】
印刷台は、印刷が成される印刷媒体をセット可能な印刷台であって、前記印刷媒体が前記印刷台にセットされる際に、前記印刷媒体の位置決めをガイドするガイド部材を有し、前記ガイド部材は、一対のガイド目印を有すると共に、前記印刷台の第1方向に配置され、一対の前記ガイド目印は、前記第1方向に沿う対称軸に対して線対称に配置され、前記対称軸は、前記第1方向と直交する第2方向の中心位置を通ることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る印刷装置の構成を示す斜視図。
【
図2】印刷台およびガイド部材の構成を示す平面図。
【
図6】Tシャツがセットされた印刷台の外観を示す平面図。
【
図7】壁面目印の構成および機能を説明する模式図。
【
図8】壁面目印の構成および機能を説明する模式図。
【
図9】第2実施形態に係る印刷装置の構成を示す斜視図。
【
図12】第3実施形態に係る固定フレームの使用形態を説明する模式図。
【
図13】固定フレームによって固定されたTシャツを示す平面図。
【
図14】固定フレームを用いた印刷位置修正のためのアプリケーション画面。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に述べる実施の形態では、Tシャツなどの印刷媒体に一品一葉で絵柄などの印刷を実行する印刷装置、および印刷に適用される印刷台を例示して、図面を参照して説明する。該印刷装置はインクジェットプリンターである。
【0009】
以下の各図においては、必要に応じて相互に直交する座標軸としてXYZ軸を付し、各矢印が指す方向を+方向とし、+方向と反対の方向を-方向とする。Y軸は印刷装置1の前後方向に沿い、印刷装置1の+Y方向を前方とする。X軸は印刷装置1の左右方向に沿い、印刷装置1の+X方向を右方とする。Z軸は鉛直方向に沿う仮想軸であって、印刷装置1における+Z方向を上方とし、-Z方向を下方とする。X軸に沿う方向が左右方向であり、Y軸に沿う方向が前後方向であり、Z軸に沿う方向が上下方向である。
【0010】
本明細書において、第1方向とは+Y方向であり、第1方向と反対方向とは-Y方向であり、第2方向とは+X方向であり、第3方向とは+Z方向である。
【0011】
1.第1実施形態
図1に示すように、本実施形態に係る印刷装置1は、ガイド部材40を有する印刷台4、媒体搬送部3、操作パネル21、印刷ヘッド7、および外装8を備える。また、図示を省略するが、印刷装置1は、各種構成の稼働を統合的に制御する制御部を外装8の内部に有する。
【0012】
図1は、印刷台4の上面4aに、印刷媒体であるTシャツFがセットされた状態を示している。TシャツFの着用者の左胸に相当する領域には、印刷装置1により絵柄Dが印刷されている。ここで、
図1は、TシャツFをセット可能および取り出し可能な位置にある印刷台4を示している。
【0013】
なお、本明細書においてTシャツFをセットするとは、印刷台4およびガイド部材40の一部をTシャツFの内部に入れた状態で印刷装置1に設置する場合と、ガイド部材40を内部に入れたTシャツFを印刷台4の上面4aに載置する場合と、ガイド部材40の上面および印刷台4の上面4aにTシャツFを載置する場合と、のいずれかを指す。以下の説明では、特に断りがない限り、印刷台4およびガイド部材40の一部をTシャツFの内部に入れた状態で印刷装置1に設置する場合について述べる。
【0014】
外装8は、略直方体状の筐体であって、印刷ヘッド7、キャリッジ6、およびその他の各種構成を覆って内部に収納する。外装8の前方かつ上方には、操作パネル21が配置される。外装8は、図示しない複数の側壁を含む。複数の側壁のうち+Y方向を向く側壁8Sには、一対の壁面目印50が配置される。印刷装置1のユーザーは、印刷装置1にてTシャツFを印刷台4にセットする際に、側壁8Sと対向する。一対の壁面目印50の詳細については後述する。
【0015】
操作パネル21は、印刷装置1の稼働に関して、各種情報を表示する表示機能、および稼働条件などに対応する各種指示などを受け付ける入力機能を備える。操作パネル21は、例えばタッチパネル式の液晶表示装置を含む。操作パネル21は制御部と電気的に接続される。操作パネル21には、上記液晶表示装置とは別に、各種ボタンが備わってもよい。なお、印刷装置1の稼働に関する各種指示は、例えばパーソナルコンピューターなどの情報端末を介して印刷装置1に入力されてもよい。
【0016】
印刷ヘッド7はキャリッジ6の下方に配置される。印刷ヘッド7は、TシャツFの上方を向く表面に対してインクを吐出して印刷を行う。図示を省略するが、印刷ヘッド7は、下方を向く位置にノズル面を有する。ノズル面は、印刷装置1によって印刷が行われる際に、後述するプラテンと上下方向に対向する。ノズル面には複数のノズル列が配置される。
【0017】
複数のノズル列の各々は、複数のノズルから成り、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックなどの色を呈するインクを個別に吐出する。これらのインクは、外装8内に収納される、図示しないインク容器から配管を介して印刷ヘッド7に供給される。印刷ヘッド7から吐出されるインクは、上述した各色のインクの他、クリアインクや処理液などの液体であってもよい。
【0018】
印刷ヘッド7では、インク吐出の駆動手段であるアクチュエーターとして、圧電素子を用いている。圧電素子以外の駆動手段として、例えば、アクチュエーターとしての振動板を静電吸着により変位させる電気機械変換素子や、加熱によって生じる気泡にてインクを吐出する電気熱変換素子を用いてもよい。
【0019】
図示を省略するが、キャリッジ6はタイミングベルトに接続され、タイミングベルトはキャリッジモーターに駆動される。タイミングベルトは、キャリッジモーターの駆動によってキャリッジ6を主走査方向である左右方向へ移動させる。
【0020】
外装8において、側壁8Sの下方には開口部8aが設けられる。開口部8aから前方へ突出して媒体搬送部3が配置される。媒体搬送部3の上方には、媒体支持ユニット2が配置される。媒体支持ユニット2の上方では、媒体支持ユニット2によって印刷台4が支持される。
【0021】
印刷台4は、矩形の略平板状の部材であって、上方を向く主面である上面4aがXY平面に沿って配置される。印刷台4の上面4aには、TシャツFがセット可能である。上面4aは印刷ヘッド7と対向して配置される。印刷台4の+Y方向には、略平板状のガイド部材40が配置される。ガイド部材40は、TシャツFがセットされる際に、印刷台4に対するTシャツFの位置決めをガイドする。印刷台4およびガイド部材40の詳細については後述する。
【0022】
上述したプラテンとは、印刷装置1によって印刷が実行される際に、印刷台4の上面4aにおいて印刷ヘッド7と対向する領域をいう。すなわち、印刷台4にセットされるTシャツFには、プラテンにおいて印刷が成される。
【0023】
図示を省略するが、媒体搬送部3は、搬送モーターの駆動により、媒体支持ユニット2および印刷台4を前後方向に移動させる。換言すれば、印刷台4は、媒体搬送部3により、印刷ヘッド7に対向する位置を含む前後方向へ移動が可能である。
【0024】
印刷台4および媒体支持ユニット2が
図1に示した位置から後退した状態にて、印刷が開始される。そして、印刷ヘッド7に対して、印刷台4が+Y方向または-Y方向に相対的に移動すると共に、プラテンにおいて印刷ヘッド7が左右方向へ往復移動することにより、印刷台4にセットされたTシャツFに印刷が成される。これにより、TシャツFの上方を向く表面に、所望の画像など、例えば絵柄Dが形成される。なお、印刷が成されるTシャツFの表面は、TシャツFの前面すなわち着用者の胸側に限定されず、背面であってもよい。
【0025】
印刷台4および媒体支持ユニット2は、印刷時に外装8の後方を向く側面から後方へ突出する位置まで後退することが可能である。そのため、印刷台4にセットされたTシャツFにおいて、印刷台4の+Y方向の端部付近の領域にまで印刷が実行可能となる。
【0026】
TシャツFなどの布地の印刷媒体は、柔軟かつ形態が多様であるため、セットする際に位置決めが難しくなる場合があった。そのため、所望の印刷位置と実際に印刷が成される位置とにずれが生じ易くなっていた。これに対して、印刷装置1では、印刷台4およびガイド部材40を備えるため、TシャツFの位置決めが容易かつ正確になる。
【0027】
図2に示すように、ガイド部材40は、+Z方向からの平面視にて略五角形状である。なお、以下の
図2から
図6に関する説明では、特に断りがない限り+Z方向から平面視した状態を述べることとする。
【0028】
印刷台4は、略長方形状であって短辺がX軸に沿う。ガイド部材40は、印刷台4の+Y方向の短辺に対して、+Y方向に突出して配置される。ガイド部材40は、印刷台4に対して着脱可能である。
【0029】
ガイド部材40には中心線分41が設けられる。中心線分41は、Y軸に沿うと共に、ガイド部材40の最も+Y方向に突出した頂角を等分する。ガイド部材40は、X軸に沿う方向において、中心線分41に対して線対称である。
【0030】
ここで、中心線分41を含む直線を対称軸Oとする。対称軸Oは+Y方向、すなわちY軸に沿う。ガイド部材40は対称軸Oに対して線対称である。印刷台4も対称軸Oに対して線対称である。すなわち、対称軸Oは、印刷台4において、+Y方向と直交する+X方向の中心位置を通る。
【0031】
ガイド部材40は、対称軸Oに対して線対称に配置される一対のガイド目印42を有する。一対のガイド目印42は、上記頂角から略+X方向へ向かう斜辺と、上記頂角から略-X方向へ向かう斜辺と、に配置される。換言すれば、一対のガイド目印42は、ガイド部材40の+Y方向の端部に配置される。そのため、一対のガイド目印42を目安にして、TシャツFのネックラインの位置を合わせることができる。また、ネックライン側が印刷装置1から離れる方向に配置されることから、TシャツFの印刷台4へのセット作業が容易になる。
【0032】
一対のガイド目印42は、一対の第1ガイド目印42a、一対の第2ガイド目印42b、および一対の第3ガイド目印42cを含む。一対の第1ガイド目印42a、一対の第2ガイド目印42b、および一対の第3ガイド目印42cは、各々対称軸Oに対して線対称に配置される。
【0033】
一対の第1ガイド目印42aは、最も対称軸O寄りに配置される。一対の第2ガイド目印42bは、一対の第1ガイド目印42aの外側に、つまり対称軸Oから離れて配置される。一対の第3ガイド目印42cは、一対の第2ガイド目印42bの外側に、つまり最も対称軸Oから離れて配置される。そのため、ネックラインの形状やサイズが異なるTシャツFに対応することができる。
【0034】
一対の第1ガイド目印42a、一対の第2ガイド目印42b、および一対の第3ガイド目印42cは、各々異なる色に着色されていてもよい。すなわち、一対の第1ガイド目印42aを第1の色とし、一対の第2ガイド目印42bを第1の色とは異なる第2の色とし、一対の第3ガイド目印42cを第1の色および第2の色とは異なる第3の色としてもよい。これらにより、個々の視認性が向上して判別され易くなり、位置決めがさらに容易になる。また、同様な観点から、一対の第1ガイド目印42a、一対の第2ガイド目印42b、および一対の第3ガイド目印42cは、各々異なる形状であってもよい。
【0035】
上記2つの斜辺は、印刷台4にTシャツFをセットした際に、TシャツFのネックラインから肩部に相当する領域に対応する。すなわち、一対のガイド目印42のいずれかは、図示しないTシャツFのネックラインと重なるか、あるいは近傍に位置することになる。これにより、一対のガイド目印42のいずれかを目安にしてTシャツFのネックラインの位置決めを行えば、TシャツFのX軸に沿う方向の中心線を対称軸Oと重ねて印刷台4にセットすることが容易になる。
【0036】
ここで、一対のガイド目印42は、一対の第1ガイド目印42a、一対の第2ガイド目印42b、および一対の第3ガイド目印42cを含む構成に限定されない。一対のガイド目印42は、一対の第1ガイド目印42a、一対の第2ガイド目印42b、および一対の第3ガイド目印42cのうちのいずれか一対から成る構成であってもよく、さらに多数配置されていてもよい。
【0037】
ガイド部材40は、上記の形態に限定されず、例えば
図3に示す形態であってもよい。
図3に示すように、他の形態のガイド部材40は、一対のガイド目印42に加えて、連結目印44を有する。ここで、
図3のガイド部材40の説明では、
図2のガイド部材40と異なる構成について述べることとする。なお、
図3において一対のガイド目印42の各々は、連結目印44の各々と一体化しているが、上述した通りガイド部材40の+Y方向の端部に配置されている。
【0038】
連結目印44は、一対のガイド目印42を結んで連結させる。詳しくは、連結目印44は、第1連結目印44a、第2連結目印44b、および第3連結目印44cを含む。第1連結目印44aは一対の第1ガイド目印42aを連結し、第2連結目印44bは一対の第2ガイド目印42bを連結し、第3連結目印44cは一対の第3ガイド目印42cを連結する。
【0039】
これにより、TシャツFの位置決めにおいて、一対のガイド目印42と連結目印44を併用することが可能となるため、位置決めがさらに容易になると共に、精度をより向上させることができる。
【0040】
第1連結目印44a、第2連結目印44b、および第3連結目印44cは、各々-Y方向に膨らむ略円弧状である。第1連結目印44a、第2連結目印44b、および第3連結目印44cは、一対のガイド目印42と同様に、中心線分41および対称軸Oに対して線対称に配置される。
【0041】
連結目印44の形態は、丸首状のネックラインを有するTシャツFに好適である。すなわち、丸首状のネックラインと連結目印44とを対比させながら、TシャツFをセットすることが可能となる。これによって、TシャツFの位置決めをさらに容易に精度よく行うことができる。
【0042】
図4に示すように、他の形態のガイド部材40は、一対のガイド目印42に加えて、連結目印46を有する。ここで、
図4のガイド部材40の説明では、
図3のガイド部材40と異なる構成について述べることとする。なお、
図4において一対のガイド目印42の各々は、連結目印46の各々と一体化しているが、上述した通りガイド部材40の+Y方向の端部に配置されている。
【0043】
連結目印46は、一対のガイド目印42を結んで連結させる。詳しくは、連結目印46は、第1連結目印46a、第2連結目印46b、および第3連結目印46cを含む。第1連結目印46aは一対の第1ガイド目印42aを連結し、第2連結目印46bは一対の第2ガイド目印42bを連結し、第3連結目印46cは一対の第3ガイド目印42cを連結する。
【0044】
これにより、TシャツFの位置決めにおいて、一対のガイド目印42と連結目印46を併用することが可能となるため、位置決めがさらに容易になると共に、精度をより向上させることができる。
【0045】
第1連結目印46a、第2連結目印46b、および第3連結目印46cは、各々-Y方向が先端になる楔状である。第1連結目印46a、第2連結目印46b、および第3連結目印46cは、一対のガイド目印42と同様に、中心線分41および対称軸Oに対して線対称に配置される。
【0046】
連結目印46の形態は、V字状のネックラインを有するTシャツFに好適である。すなわち、V字状のネックラインと連結目印46とを対比させながら、TシャツFをセットすることが可能となる。これによって、TシャツFの位置決めをさらに容易に精度よく行うことができる。
【0047】
図5に示すように、他の形態のガイド部材40は、一対のガイド目印42に加えて、連結目印48を有する。なお、
図5のガイド部材40の説明では、
図3のガイド部材40と異なる構成について述べることとする。なお、
図5において一対のガイド目印42の各々は、連結目印48の各々と一体化しているが、上述した通りガイド部材40の+Y方向の端部に配置されている。
【0048】
図5のガイド部材40が有する一対のガイド目印42は、一対の第1ガイド目印42a、一対の第2ガイド目印42b、一対の第3ガイド目印42c、一対の第4ガイド目印42d、および一対の第5ガイド目印42eを有する。一対の第4ガイド目印42dおよび一対の第5ガイド目印42eは、略五角形状のガイド部材40のY軸に略沿う辺に配置される。
【0049】
連結目印48は、一対のガイド目印42を結んで連結させる。詳しくは、連結目印48は、第1連結目印48a、第2連結目印48b、第3連結目印48c、第4連結目印48d、および第5連結目印48eを含む。第1連結目印48aは一対の第1ガイド目印42aを連結し、第2連結目印48bは一対の第2ガイド目印42bを連結し、第3連結目印48cは一対の第3ガイド目印42cを連結、第4連結目印48dは一対の第4ガイド目印42dを連結し、第5連結目印48eは一対の第5ガイド目印42eを連結する。
【0050】
これにより、TシャツFの位置決めにおいて、一対のガイド目印42と連結目印48を併用することが可能となるため、位置決めがさらに容易になると共に、精度をより向上させることができる。
【0051】
連結目印48の各々は、各々X軸に略沿う線分であり、一対のガイド目印42と同様に、中心線分41および対称軸Oに対して線対称に配置される。
【0052】
連結目印48の形態は、ボートネックなどのように、ネックラインの一部がX軸に略沿う形態のTシャツFに好適である。すなわち、上記ネックラインと連結目印48とを対比させながら、TシャツFをセットすることが可能となる。これによって、TシャツFの位置決めをさらに容易に精度よく行うことができる。
【0053】
図6に示すように、TシャツFを
図3のガイド部材40を含む印刷台4にセットすると、一対の第3ガイド目印42cおよび第3連結目印44cはTシャツFによって覆われ、一対の第1ガイド目印42a、一対の第2ガイド目印42b、第1連結目印44a、および第2連結目印44bの一部が+Z方向に露出する。この場合、TシャツFのネックラインと、一対の第2ガイド目印42bおよび第2連結目印44bを目安にTシャツFの位置決めを容易、かつ精密に行うことができる。
【0054】
以上に述べたように、TシャツFの形態に応じてガイド部材40を選択して取り替えて使用してもよい。ここで、印刷台4は媒体支持ユニット2に対して着脱可能である。印刷台4へのTシャツFのセットは、媒体支持ユニット2から印刷台4を取り外して行ってもよく、媒体支持ユニット2に印刷台4を装着して行ってもよい。印刷台4は、媒体支持ユニット2に対して位置ずれがなく装着される。また、異なるサイズの印刷台4やガイド部材40を複数種類用意して、TシャツFのサイズなどに応じて使い分けてもよい。
【0055】
図7に示すように、一対の壁面目印50は、主としてTシャツFの裾側の位置決めに用いられる。なお、
図7では、印刷装置1の側壁8S、印刷台4、およびTシャツFのみを表示させている。また、
図7は、YZ平面に沿い、+Y方向と+Z方向との中間の方向から見た状態を示している。
【0056】
一対の壁面目印50は、+Y方向からの側面視にて、対称軸Oに対して線対称に配置される。TシャツFをセットする際には、TシャツFの裾側が側壁8Sに近い位置にくる。そのため、上述した通り、一対の壁面目印50により、TシャツFの裾側の位置決めが容易かつ精密になる。
【0057】
一対の壁面目印50は、一対の壁面目印50a,50bを含む。一対の壁面目印50a,50bは、目盛りの少なくとも一部を構成している。すなわち、上記目盛りでは、一対の壁面目印50a,50b、および図示しないその他の一対の壁面目印が、X軸に沿って互いに等間隔に配置されて成る。そのため、サイズの異なるTシャツFに対応して、位置決めの目安とすることができる。
図7に示したTシャツFでは、例えば、一対の壁面目印50bを目安に用いて、X軸に沿う方向のTシャツFの裾の端部の位置を合わせる。
【0058】
側壁8Sは、TシャツFを印刷台4にセットする際に、印刷装置1のユーザーと対向する。そのため、ユーザーは一対の壁面目印50と相対して作業することが可能となり、TシャツFをセットする際の作業性が向上する。
【0059】
図8に示すように、比較的に小さいサイズのTシャツFsに印刷を行う場合には、上記目盛りのうち対称軸Oに近い位置の一対の壁面目印50を用いる。具体的には、壁面目印50aと壁面目印50bの間の、その他の一対の壁面目印にて位置決めを行う。このように、一対の壁面目印50が目盛りを成すことから、大小異なるサイズのTシャツFに対して位置決めを容易、かつ精密に行うことができる。
【0060】
なお、TシャツFの位置決めにおいて、上記目盛りで事足りる場合には、ガイド部材40を用いなくてもよい。
【0061】
本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。TシャツFの位置決めを、容易かつ精密に行うことができる。詳しくは、一対のガイド目印42は、線対称であり、その対称軸Oが+X方向における印刷台4の中心を通る。そのため、一対のガイド目印42を目安として、印刷台4に対するTシャツFの位置を容易に合わせることが可能となる。このとき、特に+X方向の中心に対する位置ずれの発生が抑制される。したがって、TシャツFの位置決めにおいて、容易に制度が向上する印刷装置1および印刷台4を提供することができる。
【0062】
2.第2実施形態
図9に示すように、本実施形態に係る印刷装置102は、ガイド部材40を有する印刷台4、表示部112、キャリッジ6、印刷ヘッド7、および外装108を備える。また、図示を省略するが、印刷装置102は、各種構成の稼働を統合的に制御する制御部を外装108の内部に有する。以下の説明では、第1実施形態と異なる構成について言及し、重複する構成については説明を省略する。
【0063】
外装108は、略直方体状の筐体であって、印刷ヘッド7、キャリッジ6、およびその他の各種構成を覆って内部に収納する。外装108において、上方の面の前方かつ左方には、表示部112が配置される。表示部112は、印刷装置102の各種情報が表示される。なお、図示を省略するが、印刷装置102は、パーソナルコンピューターなどの情報端末を介して操作される。
【0064】
ここで、
図9は、外装108の図示しないカバーを開放した状態を示している。上記の状態では、TシャツFを印刷台4に着脱可能であり、印刷台4などにユーザーが触れて作業することができる。このとき、ユーザーは、印刷装置102の略中央の前方にて作業を行うこととなる。TシャツFを印刷台4にセットする際のユーザーの位置を、ユーザーセット位置とする。
【0065】
上記のカバーが開放されると、印刷装置102内部の前方かつ中央に配置される媒体支持面130が露出する。上方からの平面視にて、媒体支持面130は、略矩形状であり、略中央に印刷台4が配置される。印刷台4は、図示しない支持部を介して媒体支持面130に支持される。印刷台4は、媒体支持面130に対して上方に浮いて配置される。印刷台4は、上記支持部に対して着脱可能である。印刷台4の+Y方向にはガイド部材40が備わる。
【0066】
媒体支持面130の右方、左方、および後方の三方には隔壁134が設けられる。隔壁134のうち前方を向く面は、壁面134sである。ユーザーは、印刷台4などに触れて作業する際に壁面134sと対向する。すなわち、壁面134sは、印刷台4を挟んでユーザーセット位置に面する。壁面134sには、一対の壁面目印50が配置される。
【0067】
図10に示すように、印刷装置102は、上述した構成に加えて、一対のガイド軸151、フレーム駆動部160、移動部180、インク収容部191、およびメンテナンス部193を備える。
図10では、上述した外装108を取り外した状態を示している。また
図10では、印刷台4にセットされるTシャツFなどを破線にて、キャリッジ6の-Z方向に配置される印刷ヘッド7を2点鎖線にて、それぞれ表示している。なお、
図10に関する以下の説明では、特に断りがない限り+Z方向から平面視した状態を述べることとする。
【0068】
媒体支持面130は、印刷装置102の略中央に配置される。媒体支持面130の略中央に印刷台4が配置される。印刷台4の+Y方向の端部にガイド部材40が取り付けられる。本実施形態のガイド部材40は、印刷台4に取り付けられた状態にて、印刷台4に対してY軸に沿う方向に移動可能に支持される。
図10では、+Y方向に移動したガイド部材40を破線で表示している。
【0069】
媒体支持面130には、左右一対の脇ガイド目印133,および頂部ガイド目印135が備わる。一対の脇ガイド目印133は、印刷台4にセットされるTシャツFの両脇の下部に対応して配置される。頂部ガイド目印135は、ガイド部材40の+Y方向に突出した頂部に対応して配置される。
【0070】
これにより、印刷台4にTシャツFをセットするには、ガイド部材40の図示しない一対のガイド目印42など、および一対の壁面目印50を含む目盛りを目安にして、TシャツFを対称軸Oに対して左右対称に配置する。これに加えて、一対の脇ガイド目印133および頂部ガイド目印135を目安にして、印刷台4に対してガイド部材40をY軸に沿う方向に移動させてY軸に沿う方向の位置を調整する。
【0071】
媒体支持面130には、TシャツFのサイズや形態に応じて、各々複数種類の一対の脇ガイド目印133および頂部ガイド目印135が備わっていてもよい。
【0072】
インク収容部191は、媒体支持面130の+X方向に配置される。インク収容部191には、各色インクや処理液などが個別に収容されている。これらの液体は、図示しない配管を介して印刷ヘッド7に搬送され、TシャツFの印刷などに供される。
【0073】
メンテナンス部193には、印刷ヘッド7のメンテナンスに適用される、図示しないノズル面ワイパー、ノズル吸引装置、および廃液タンクなどが備わる。メンテナンス部193と上下方向に対向する位置へ印刷ヘッド7が移動することにより、ノズルクリーニングなどの各種メンテナンスが実行可能となる。
【0074】
メインフレーム171は、X軸に沿う方向に延在する細長い部材である。メインフレーム171、一対のガイド軸151、および一対の脚部173などは、キャリッジ6をXY平面に沿って走査するための所謂ガントリーフレームを構成する。
【0075】
一対のガイド軸151は、Y軸に沿う細長い部材であって、インク収容部191、媒体支持面130、およびメンテナンス部193をX軸に沿う方向に挟んで配置される。一対のガイド軸151には、各々1つずつ脚部173が配置される。一対の脚部173は、一対のガイド軸151にY軸に沿う方向に移動可能に支持される。一対の脚部173は、一対のガイド軸151から上方に延在する部材であって、上端でメインフレーム171のX軸に沿う方向の両端部付近を支持する。
【0076】
フレーム駆動部160および移動部180は、-X方向のガイド軸151の-X方向に配置される。フレーム駆動部160および移動部180は、メインフレーム171をXY平面に沿って移動させる。
【0077】
フレーム駆動部160は、上記ガントリーフレームをY軸に沿う方向に往復移動させる。フレーム駆動部160は、フレーム駆動モーター161、伝達ベルト163,167、変速機構165を含む。
【0078】
フレーム駆動モーター161は、上記ガントリーフレームを移動させる駆動力を供給する。上記駆動力は、伝達ベルト163および変速機構165を介して伝達ベルト167に伝達される。
【0079】
伝達ベルト167は、無端ベルトであって、Y軸に沿って張架される。伝達ベルト167にはベルト接続部179を介して、-X方向の脚部173が固定される。そのため、上記駆動力は、-X方向の脚部173をY軸に沿って往復移動させる。
【0080】
移動部180は、キャリッジ6をX軸に沿う方向に往復移動させる。移動部180は、キャリッジガイド軸183、キャリッジ駆動ベルト185,キャリッジ駆動プーリー186,およびキャリッジ駆動モーター187を含む。
【0081】
キャリッジガイド軸183は、メインフレーム171に沿うと共に、メインフレーム171の+Y方向に配置される。キャリッジガイド軸183は、メインフレーム171に固定され、キャリッジ6をX軸に沿う方向へ移動可能に支持する。キャリッジガイド軸183とメインフレーム171との間には、キャリッジ駆動ベルト185がキャリッジ駆動プーリー186などに張架される。キャリッジ駆動ベルト185は、無端ベルトであって、キャリッジ6を固定する。
【0082】
キャリッジ駆動モーター187は、メインフレーム171に対して、-X方向端部の-Y方向に設置される。キャリッジ駆動モーター187は、キャリッジ6を移動させる駆動力を供給する。上記駆動力は、キャリッジ駆動ベルト185に伝達され、キャリッジ6をX軸に沿って往復移動させる。
【0083】
印刷装置102では設置された印刷台4は移動せず、印刷台4に対してキャリッジ6がXY平面に沿って移動する。すなわち、上述した構成により、固定位置にある印刷台4に対して、キャリッジ6および印刷ヘッド7がX軸に沿う方向およびY軸に沿う方向へ相対的に移動する。これによりTシャツFに対して印刷が成される。
【0084】
図11に示すように、一対の壁面目印50は、X軸に沿って等間隔に配置される目盛りの一部を構成する。一対の壁面目印50および上記目盛りは、+Y方向からの側面視にて、対称軸Oに対して線対称に配置される。これにより、TシャツFの位置決めがさらに容易になると共に、位置決めの精度が向上する。
【0085】
ここで、
図11では、印刷台4にTシャツFを載置してセットしているが、これに限定されない。印刷台4は、支持部195を介して媒体支持面130から浮いて支持される。そのため、印刷台4をTシャツFの中に入れて、換言すれば印刷台4にTシャツFを被せた状態にて、TシャツFを印刷装置102にセットしてもよい。なお、TシャツFは、印刷台4の上方の面に載置される際に、固定フレームなどによって印刷台4に固定されてもよい。
【0086】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様な効果が得られる。
【0087】
3.第3実施形態
本実施形態では、印刷台4に対してTシャツFを固定する固定フレーム60を例示する。なお、以下の説明では、第1実施形態と異なる構成について言及し、重複する構成については説明を省略する。
【0088】
印刷装置1は、TシャツFを印刷台4にセットする際に、印刷台4にTシャツFを固定する固定フレーム60を備える。
図12に示すように、固定フレーム60は、矩形の枠状部材であり、4辺の+Z方向にスケール61が配置される。
【0089】
固定フレーム60の内縁は、印刷台4の外縁に対してやや大きく、TシャツFの布地を挟んだ状態で印刷台4の外縁と嵌合する。なお、
図12では、固定フレーム60を印刷台4およびTシャツFの上方から嵌め込むように配置しているが、これに限定されない。固定フレーム60は、印刷台4およびガイド部材40にTシャツFを被せる状態にて適用されてもよい。
【0090】
図13に示すように、固定フレーム60を用いてTシャツFを印刷台4に固定すると、TシャツFの胸部に対応する領域が固定フレーム60の枠内に入る。ここで、TシャツFに所望の絵柄を印刷する場合について述べる。
【0091】
ユーザーは、固定フレーム60の枠内にて、所望の絵柄デザインDx1の配置を決定する。このとき、ユーザーは、固定フレーム60の4辺のスケール61にて、絵柄デザインDx1の位置を決める。なお、このときユーザーは、絵柄デザインDx1と同じ大きさかつ同じデザインの紙などを別途用意して、固定フレーム60の枠内の配置を検討してもよい。
【0092】
次に、ユーザーは、印刷装置1を操作するパーソナルコンピューターなどのアプリケーション画面を参照する。
図14に示すように、アプリケーションの画面200には、TシャツFに対応するTシャツFの模擬画像Fx、固定フレーム60のスケール61に対応する方眼G、絵柄デザインDx2が表示される。方眼Gは、固定フレーム60のスケール61と等しい間隔である。
【0093】
ユーザーは、画面200にて、方眼Gを目安に絵柄デザインDx2を、TシャツFの現物で決めた位置へ移動させて、絵柄デザインDx2の配置を微調整する。その後、ユーザーは、印刷装置1に印刷を実行させる。
【0094】
本実施形態によれば、上記実施形態の効果に加えて以下の効果を得ることができる。固定フレーム60のスケール61を参照して、印刷装置1のアプリケーションの画面200上で印刷位置の微調整を行うことができる。また固定フレーム60によって、TシャツFを印刷台4により着実に固定することができる。
【符号の説明】
【0095】
1,102…印刷装置、4…印刷台、7…印刷ヘッド、8…外装、8S…側壁、40…ガイド部材、42…一対のガイド目印、42a…一対の第1ガイド目印、42b…一対の第2ガイド目印、44,46,48…連結目印、60…固定フレーム、61…スケール、134s…壁面、F,Fs…印刷媒体としてのTシャツ、O…対称軸。