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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076424
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】検査治具
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/067 20060101AFI20240530BHJP
   G01R 1/073 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
G01R1/067 C
G01R1/073 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187907
(22)【出願日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006758
【氏名又は名称】株式会社ヨコオ
(74)【代理人】
【識別番号】100127306
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 剛
(72)【発明者】
【氏名】三浦 力
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 久史
【テーマコード(参考)】
2G011
【Fターム(参考)】
2G011AA10
2G011AA15
2G011AB01
2G011AB08
2G011AC14
2G011AE11
2G011AF03
2G011AF06
(57)【要約】
【課題】 破損しにくい検査治具を提供する。
【解決手段】 検査治具1は、検査対象コネクタ100と電気的に接続可能な基板と、移動可能な可動部材と、伸縮可能な伸縮部材と、前記伸縮部材を保持する伸縮部材保持部と、前記可動部材と前記伸縮部材保持部とを互いに離すように付勢する弾性部材と、を備え、前記弾性部材が所定量以上に縮むように、前記可動部材を前記伸縮部材保持部に近づけた時に、前記可動部材が前記伸縮部材を押し、前記伸縮部材が前記基板を押し、前記基板が前記検査対象コネクタ100と電気的に接続された状態になる。
【選択図】 図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象コネクタと電気的に接続可能な基板と、
移動可能な可動部材と、
伸縮可能な伸縮部材と、
前記伸縮部材を保持する伸縮部材保持部と、
前記可動部材と前記伸縮部材保持部とを互いに離すように付勢する弾性部材と、を備え、
前記弾性部材が所定量以上に縮むように、前記可動部材を前記伸縮部材保持部に近づけた時に、前記可動部材が前記伸縮部材を押し、前記伸縮部材が前記基板を押し、前記基板が前記検査対象コネクタと電気的に接続された状態になる、検査治具。
【請求項2】
支持部と、
前記支持部を介して、第1方向と垂直な方向に移動可能な状態で、前記可動部材を保持するブラケットと、を更に備え、
前記可動部材は、前記支持部よりも前記ブラケットに近い位置に配置される、請求項1に記載の検査治具。
【請求項3】
前側基板が、検査装置と電気的に接続するために使用されるコネクタを更に備え、
前記ブラケットは、前記コネクタを収容する切り欠きを有する、請求項2に記載の検査治具。
【請求項4】
前記可動部材は、前記ブラケットとの前記第1方向の距離が変動しない状態で、前記支持部を介して、前記ブラケットに取り付けられる、請求項2または請求項3に記載の検査治具。
【請求項5】
前記検査対象コネクタの筐体と接触する部材を更に備え、
前記伸縮部材保持部は、前記部材における前記筐体と接する領域との前記第1方向の距離が変動しない状態で、前記部材に取り付けられる、請求項4に記載の検査治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、プローブを用いた検査治具などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6380549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、プローブが直接検査対象物に接触する構成であり、検査治具が破損しやすかった。
【0005】
したがって本発明の目的の一例は、破損しにくい検査治具を提供することである。本発明の他の目的は、本明細書の記載から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、検査対象コネクタと電気的に接続可能な基板と、移動可能な可動部材と、伸縮可能な伸縮部材と、前記伸縮部材を保持する伸縮部材保持部と、前記可動部材と前記伸縮部材保持部とを互いに離すように付勢する弾性部材と、を備え、前記弾性部材が所定量以上に縮むように、前記可動部材を前記伸縮部材保持部に近づけた時に、前記可動部材が前記伸縮部材を押し、前記伸縮部材が前記基板を押し、前記基板が前記検査対象コネクタと電気的に接続された状態になる、検査治具である。
【0007】
本発明の上記態様によれば、破損しにくい検査治具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の検査治具を下方から見た分解斜視図である。
図2】検査治具を上方から見た分解斜視図である。
図3】検査治具と検査対象コネクタとを上方から見た斜視図である。
図4】検査治具と検査対象コネクタとを下方から見た斜視図である。
図5】前側基板組立体の分解斜視図である。
図6】前側フレキシブル基板と前側コネクタの組立体、前側プローブ保持部、前側コネクタベース、前側プローブ群の斜視図である。
図7】前側フレキシブル基板の舌片がある領域を前側で且つ下側から見た斜視図である。
図8】後側基板組立体の分解斜視図である。
図9】第1状態の検査治具と検査対象コネクタのyz断面構成図である。
図10】第1状態の前側フレキシブル基板の舌片がある領域を拡大したxz断面構成図である。
図11】第2状態の検査治具と検査対象コネクタのyz断面構成図である。
図12】第3状態の検査治具と検査対象コネクタのyz断面構成図である。
図13】第4状態の検査治具と検査対象コネクタのyz断面構成図である。
図14】第4状態の前側フレキシブル基板の舌片がある領域を拡大したxz断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態について、図1図8を用いて説明する。なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。また、各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが出来る。
【0010】
(検査治具1)
図1図8に示すように、本実施形態における検査治具1は、基板保持部20、基板部30、水平位置調整部40を備える。検査治具1は、基板保持部20の下側保持部21の下端のコネクタ接触部21aを介して、検査対象の検査対象コネクタ(BtoBコネクタ、Board to Boardコネクタ)100と接触し、内部の前側フレキシブル基板31a及び後側フレキシブル基板32aと電気的に接続する。なお、図1図2では、検査対象コネクタ100の図示を省略している。
【0011】
方向を説明するために、2つの基板組立体(前側基板組立体31、後側基板組立体32)が並べられる水平方向(前後方向)をx方向とし、x方向に垂直で且つ2つの支持部43(右支持部材43a、左支持部材43b)が並べられる方向(左右方向)をy方向、x方向とy方向に垂直な方向(上下方向)をz方向(第1方向)として説明する。図1において、xyz軸のそれぞれの矢印が指し示す方向をそれぞれ前方向、右方向、上方向と定義する。具体的には、後側基板組立体32から前側基板組立体31に向かう方向を前方向と定義する。また、2つの支持部43のうち図1の右上に位置する左支持部材43bから図1の左下に位置する右支持部材43aに向かう方向を右方向と定義する。また、下側保持部21から水平位置調整部40に向かう方向を上方向と定義する。
【0012】
(基板保持部20)
基板保持部20は、下側保持部(ワークガイド)21、上側保持部(接続板)23を有する。下側保持部21は、基板部30のz方向下側に設けられる。上側保持部23は、基板部30のz方向上側に設けられる。下側保持部21と上側保持部23は、z方向で基板部30を挟む。
【0013】
下側保持部21は、検査対象コネクタ100の筐体(前側フレキシブル基板31a若しくは後側フレキシブル基板32aと接する電極を保持する部材)と接触する部材である。下側保持部21は、z方向に貫通する孔を有する。下側保持部21の孔には、z方向上側から、基板部30の下端が挿入される。下側保持部21のz方向下側には凸部(コネクタ接触部21a)が形成される。コネクタ接触部21aには、z方向下側から、検査対象コネクタ100の上端が挿入される。すなわち、コネクタ接触部21aには、検査対象コネクタ100が着脱可能な状態で取り付けられる。
【0014】
下側保持部21のz方向上側には、前側基板組立体31の前側プローブ保持部31c、及び後側基板組立体32の後側プローブ保持部32cが取り付けられる。前側プローブ保持部31cの下側保持部21への取り付けは、z方向下側からのネジ止めによって行われる。後側プローブ保持部32cの下側保持部21への取り付けは、z方向下側からのネジ止めによって行われる。このため、前側プローブ保持部31c及び後側プローブ保持部32cは、下側保持部21(コネクタ接触部21a)の検査対象コネクタ100の筐体と接する領域とのz方向の距離が変動しない状態で、下側保持部21に取り付けられる。
【0015】
上側保持部23は、右上側保持部材23aと左上側保持部材23bを有する。上側保持部23のz方向下側には、前側基板組立体31の前側プッシュブロック31i、及び後側基板組立体32の後側プッシュブロック32iが取り付けられる。前側プッシュブロック31iの上側保持部23への取り付けは、z方向上側からのネジ止めによって行われる。後側プッシュブロック32iの上側保持部23への取り付けは、z方向上側からのネジ止めによって行われる。
【0016】
(基板部30)
基板部30は、前側基板組立体31、後側基板組立体32を有する。前側基板組立体31はx方向前側に、後側基板組立体32はx方向後側に配置される。
【0017】
(前側基板組立体31)
図5に示すように、前側基板組立体31は、前側フレキシブル基板(可撓性基板)31a、前側コネクタ31b、前側プローブ保持部(伸縮部材保持部)31c、前側コネクタベース31d、前側コネクタカバー31f、前側プローブ群31g、前側バネ31h、前側プッシュブロック(可動部材)31iを有する。
【0018】
(前側フレキシブル基板31a)
図6図7に示すように、前側フレキシブル基板31aは、コネクタ接続端(一方の端部)31a1、保持部接続端(他方の端部)31a2、パターン部31a3を有する。
【0019】
コネクタ接続端31a1は、前側フレキシブル基板31aのx方向前側で且つz方向上側の端部であり、コネクタ接続端31a1には、前側コネクタ31bが半田付けなどにより取り付けられる。保持部接続端31a2は、前側フレキシブル基板31aのx方向後側で且つz方向上側の端部であり、前側プローブ保持部31cに取り付けられる。例えば、保持部接続端31a2に設けられた孔31a21が、前側プローブ保持部31cのプローブ受け部31c1のz方向上側に設けられたボス(不図示)などに嵌め込まれる。ただし、保持部接続端31a2と前側プローブ保持部31cの取り付けは、孔31a21と当該ボスの嵌め込みに限るものではない。
【0020】
パターン部31a3は、コネクタ接続端31a1と保持部接続端31a2の間の領域である。パターン部31a3のz方向下側(表側)の面には、コネクタ接続端31a1から延びる信号線及び接地線のパターンが形成される。パターン部31a3は、y方向から見て略V字形状になるように曲げられる。パターン部31a3のz方向下側の面で、略V字形状になるように曲げられた状態の下端部には、信号線及び接地線の端部が設けられる。当該信号線及び接地線の端部は、検査対象コネクタ100の電極と電気的に接続する基板側電極として使用される。また、当該信号線及び接地線の端部の周囲(パターン部31a3の検査対象コネクタ100と電気的に接続される部分を含む領域)には、スリットSが設けられる。当該スリットSにより、略U字形状の舌片31a4が形成される。スリットSは、両端が閉口端の切れ込み(切れ目)であるが、一端が開口端で他端が閉口端であってもよい。なお、パターン部31a3のz方向下側(表側)の面に設けられるパターンは、信号線及び接地線に限るものではない。
【0021】
後述する前側プローブ群31gのプローブPによりz方向下側に変位させる量を多くするためには、舌片31a4を形成するスリットSの長手方向の長さを長くするのが望ましい。一方、信号線の高周波領域での特性が劣化しないようにするためには、舌片31a4を形成するスリットSの長手方向の長さを短くするのが望ましい。このため、舌片31a4のz方向下側への変位量と、信号線の高周波領域での特性とを考慮しながら、舌片31a4を形成するスリットSの長手方向の長さが決定される。1つの舌片31a4の中には、信号線若しくは接地線若しくは電力線が1つだけが設けられてもよいし、信号線と接地線と電力線の少なくとも一方が複数設けられてもよい。舌片31a4には、信号線と接地線と電力線以外のその他の種類の線が設けられていてもよい。
【0022】
また、スリットSにより形成される舌片31a4は、略U字形状に限るものではない。パターン部31a3が伸びない状態で、z方向上側から前側プローブ群31gのプローブPによりz方向下側に変位出来る限り、略V字形状、略C字形状、略L字形状、略溝形状など、他の形状であってもよい。
【0023】
なお、図1図4図5図7以外の図では、パターン部31a3の信号線及び接地線、スリットS、舌片31a4の図示を省略している。
【0024】
(前側コネクタ31b)
前側コネクタ31bは、前側フレキシブル基板31aのコネクタ接続端31a1に取り付けられる。前側コネクタ31bは、前側フレキシブル基板31aが、不図示の検査装置と電気的に接続するために使用される。
【0025】
(前側プローブ保持部31c)
前側プローブ保持部31cは、x方向前側で前側コネクタベース31dを保持する。前側プローブ保持部31cは、x方向後側で前側フレキシブル基板31aの保持部接続端31a2を保持する。
【0026】
(プローブ受け部31c1)
前側プローブ保持部31cのx方向後側で且つz方向下側には、前側プローブ群31gを保持するプローブ受け部31c1が設けられる。
【0027】
プローブ受け部31c1は、z方向に延びる孔で構成される。ただし、プローブ受け部31c1は、z方向に延びる溝で構成されてもよいし、溝と孔で構成されてもよい。プローブ受け部31c1の孔の上方(31c11)のx方向及びy方向の幅は、前側プローブ群31gを構成するプローブPのバネ収容部(バレル)P2の外径よりも大きい。プローブ受け部31c1の孔の下方(31c12)のx方向及びy方向の幅は、前側プローブ群31gを構成するプローブPの先端部P1の外径よりも大きく、バネ収容部P2の外径よりも小さい。プローブ受け部31c1の溝及び/若しくは孔の上端と下端は開口する。プローブPの上端部は、プローブ受け部31c1の孔の上方31c11を介して、上方に突出し、前側プッシュブロック31iと接する。プローブPの下端部は、プローブ受け部31c1の孔の下方31c12を介して、下方に突出し、舌片31a4と接する。
【0028】
(前側フレキシブル基板31aの前側プローブ保持部31cへの取り付け)
前側フレキシブル基板31aは、以下の2つの条件を満たすように、前側プローブ保持部31cに取り付けられる。
第1の条件:前側プローブ保持部31cのz方向下側が、前側フレキシブル基板31aのパターン部31a3のz方向上側の面と対向する。
第2の条件:前側プローブ保持部31cのプローブ受け部31c1のz方向下側に、前側フレキシブル基板31aのパターン部31a3の信号線及び接地線の端部が位置する。
【0029】
(前側コネクタベース31d)
前側コネクタベース31dは、x方向前側で前側コネクタ31bを保持する(図5参照)。前側コネクタベース31dは、前側プローブ保持部31cよりもz方向上側に位置し、前側プローブ保持部31cに取り付けられる。
【0030】
前側フレキシブル基板31aと前側コネクタ31bの組立体は、前側プローブ保持部31cと前側コネクタベース31dをx方向で挟み、且つ前側プローブ保持部31cの下端を包むようにして、前側プローブ保持部31c及び前側コネクタベース31dの組立体に取り付けられる。前側プローブ保持部31cの前側コネクタベース31dへの取り付けは、z方向下側からのネジ止めによって行われる。
【0031】
(前側コネクタカバー31f)
前側コネクタカバー31fは、前側フレキシブル基板31aのパターン部31a3の一部及び前側コネクタ31bのx方向前側を覆う。前側コネクタカバー31fの前側コネクタベース31dへの取り付けは、x方向前側からのネジ止めによって行われる。前側コネクタカバー31fと前側コネクタベース31dは、前側コネクタ31bをx方向で挟む。
【0032】
(前側プローブ群31g)
前側プローブ群31gは、z方向に伸縮するプローブ(伸縮部材)Pを複数有する(図6参照)。複数のプローブPは、y方向に並べられる。前側プローブ群31gを構成するプローブPのそれぞれは、z方向下側に先端部P1を有し、先端部P1よりもz方向上側にバネ収容部P2を有する。バネ収容部P2には、バネ(不図示)が収容される。先端部P1は、バネ収容部P2のバネにより全長が伸びる方向に付勢される。
【0033】
前側フレキシブル基板31aが前側プローブ保持部31cに取り付けられていない状態で、前側プローブ群31gを構成するプローブPのそれぞれが、前側プローブ保持部31cのプローブ受け部31c1に載置された場合、プローブPの先端部P1は、プローブ受け部31c1の溝及び/若しくは孔からz方向下側に突出する。ただし、プローブ受け部31c1の孔の上方31c11と下方31c12との間にある段差で、バネ収容部P2が保持されるので、プローブPはプローブ受け部31c1から落下しない。
【0034】
前側フレキシブル基板31aが前側プローブ保持部31cに取り付けられた状態で、前側プローブ群31gを構成するプローブPのそれぞれが、前側プローブ保持部31cのプローブ受け部31c1に載置された場合、プローブPの先端部P1は、前側フレキシブル基板31aの舌片31a4がある領域の裏側に接する。例えば、複数のプローブPのうち、第1のプローブPは、前側フレキシブル基板31aの検査対象コネクタ100と電気的に接続される領域の1つ(舌片31a4の1つ)と接する位置関係にある。また、複数のプローブPのうち、第1のプローブPとは別の第2のプローブPは、前側フレキシブル基板31aの検査対象コネクタ100と電気的に接続される領域の1つ(舌片31a4の1つ)であって、第1のプローブPに対応する舌片31a4と別の舌片31a4と接する位置関係にある。ただし、プローブPは軽いので、接するだけであって、舌片31a4をz方向下側に殆ど変位させない。
【0035】
前側フレキシブル基板31aと前側コネクタ31bの組立体の前側プローブ保持部31cと前側コネクタベース31dの組立体への取り付けは、前側プローブ群31gを構成するプローブPのそれぞれが、プローブ受け部31c1に載置された状態で行われる。
【0036】
(前側バネ31h、前側プッシュブロック31i)
前側プッシュブロック31iは、上側保持部23(右上側保持部材23a、左上側保持部材23b)に固定される。前側プッシュブロック31iの上側保持部23への固定は、z方向上側からのネジ止めによって行われる。このため、前側プッシュブロック31iは、ブラケット45とのz方向の距離が変動しない状態で、支持部43を介して、ブラケット45に取り付けられる。
【0037】
また、前側プッシュブロック31iは、z方向に移動可能な状態で、前側プローブ保持部31c及び前側コネクタベース31dに保持される。前側プッシュブロック31iの前側プローブ保持部31cによる前側プッシュブロック31iのz方向に移動可能な状態での保持は、x方向後側からのネジ止めによって行われる。前側プッシュブロック31iは、前側プローブ群31gを構成するプローブPのそれぞれをz方向下側に押し下げるために使用される。すなわち、前側プローブ群31gを構成する複数のプローブPは、前側フレキシブル基板31aと前側プッシュブロック31iの間に設けられる。
【0038】
前側プローブ保持部31cと前側プッシュブロック31iの間には、前側バネ31hが設けられる。前側バネ31hは、前側プッシュブロック31iと前側プローブ保持部31cとをz方向に互いに離すように付勢する。このため、前側バネ31hによって、前側プッシュブロック31iと前側プローブ保持部31cは離れた状態が維持される。前側バネ31hのバネ力は、検査対象コネクタ100に過度な力を掛けずに下側保持部(ワークガイド)21が嵌まり、且つプローブ(伸縮部材)Pを押さない加重に設定する。
【0039】
(後側基板組立体32)
図8に示すように、後側基板組立体32は、後側フレキシブル基板(可撓性基板)32a、後側コネクタ32b、後側プローブ保持部32c、後側コネクタベース32d、後側コネクタカバー32f、後側プローブ群32g、後側バネ32h、後側プッシュブロック(可動部材)32iを有する。
【0040】
x方向の向きが反転していること以外、後側基板組立体32の構成は、前側基板組立体31の構成と同様である。後側基板組立体32の後側フレキシブル基板32aは、前側基板組立体31の前側フレキシブル基板31aに相当する。後側基板組立体32の後側コネクタ32bは、前側基板組立体31の前側コネクタ31bに相当する。後側基板組立体32の後側プローブ保持部32cは、前側基板組立体31の前側プローブ保持部31cに相当する。後側基板組立体32の後側コネクタベース32dは、前側基板組立体31の前側コネクタベース31dに相当する。後側基板組立体32の後側コネクタカバー32fは、前側基板組立体31の前側コネクタカバー31fに相当する。後側基板組立体32の後側プローブ群32gは、前側基板組立体31の前側プローブ群31gに相当する。後側基板組立体32の後側バネ32hは、前側基板組立体31の前側バネ31hに相当する。後側基板組立体32の後側プッシュブロック32iは、前側基板組立体31の前側プッシュブロック31iに相当する。
【0041】
(水平位置調整部40)
水平位置調整部40は、支持部(可動ヘッド)43、ブラケット45を有する(図1図4参照)。
【0042】
(支持部43)
支持部43は、右支持部材43aと左支持部材43bを有する。右支持部材43aと左支持部材43bは、y方向に並べられる。右支持部材43aと左支持部材43bのそれぞれは、環状コイルスプリング(不図示)などの弾性部材を内蔵する。
【0043】
右支持部材43aは、右上側保持部材23aのz方向下側に取り付けられる。右支持部材43aの右上側保持部材23aへの取り付けは、z方向上側からのネジ止めによって行われる。また、右支持部材43aは、ブラケット45のz方向下側に取り付けられる。右支持部材43aとブラケット45は、z方向で右上側保持部材23aを挟む。右支持部材43aのブラケット45への取り付けは、右上側保持部材23aの孔を通るz方向上側からのネジ止めによって行われる。
【0044】
右支持部材43aの右上側保持部材23aに取り付けられる領域は、右支持部材43aの弾性部材を介して、右支持部材43aのブラケット45に取り付けられる領域とxy方向(z方向に垂直な方向)に相対的に移動可能である。このため、右上側保持部材23aは、xy方向に移動可能な状態で、右支持部材43aとブラケット45の間に保持される。
【0045】
左支持部材43bは、左上側保持部材23bのz方向下側に取り付けられる。左支持部材43bの左上側保持部材23bへの取り付けは、z方向上側からのネジ止めによって行われる。また、左支持部材43bは、ブラケット45のz方向下側に取り付けられる。左支持部材43bとブラケット45は、z方向で左上側保持部材23bを挟む。左支持部材43bのブラケット45への取り付けは、左側上保持部材23bの孔を通るz方向上側からのネジ止めによって行われる。
【0046】
左支持部材43bの左上側保持部材23bに取り付けられる領域は、左支持部材43bの弾性部材を介して、左支持部材43bのブラケット45に取り付けられる領域とxy方向に相対的に移動可能である。このため、左上側保持部材23bは、xy方向に移動可能な状態で、左支持部材43bとブラケット45の間に保持される。
【0047】
支持部43(右支持部材43a、左支持部材43b)は、前側基板組立体31の前側フレキシブル基板31aの舌片31a4がある領域、及び後側基板組立体32の後側フレキシブル基板32aの舌片がある領域に関する、検査対象コネクタ100の電極とz方向で対向する位置からのズレを吸収するために使用される。
【0048】
例えば、前側基板組立体31の前側フレキシブル基板31aの舌片31a4がある領域、及び後側基板組立体32の後側フレキシブル基板32aの舌片がある領域が、検査対象コネクタ100の電極とz方向で対向する位置からxy平面上でずれているとする。この場合、検査治具1が検査対象コネクタ100に取り付けられる時に、ブラケット45と右支持部材43aのブラケット45に取り付けられる領域と左支持部材43bのブラケット45に取り付けられる領域とが移動せずに、基板保持部20と基板部30と右支持部材43aの右上側保持部材23aに取り付けられる領域と左支持部材43bの左上側保持部材23bに取り付けられる領域とが、xy平面上を移動することができる。
【0049】
(ブラケット45)
ブラケット45は、検査装置、工作機械など、検査治具1を保持し、移動させる装置(不図示)に取り付けられる。ブラケット45は、支持部43と上側保持部23とを介して、z方向に垂直な方向に移動可能な状態で、前側プッシュブロック31i及び後側プッシュブロック32iを保持する。
【0050】
ブラケット45は、第1領域45a、第2領域45b、第3領域45cを有する。第1領域45aは、ブラケット45の右端部に位置し、第2領域45bは、ブラケット45の左端部に位置し、第3領域45cは、第1領域45aと第2領域45bの間に位置する。第1領域45aのz方向下側には、右上側保持部材23aと右支持部材43aが配置される。第2領域45bのz方向下側には、左上側保持部材23bと左支持部材43bが配置される。
【0051】
第3領域45cは、前側基板組立体31の前側コネクタ31bと、後側基板組立体32の後側コネクタ32bとを収納するための切り欠きを有し、前側基板組立体31の前側コネクタ31bと、後側基板組立体32の後側コネクタ32bとによって、x方向で挟まれる。従って、前側コネクタ31bと後側コネクタ32bの上端は、上側保持部23及び支持部43よりもz方向上側に位置する。
【0052】
(前側プッシュブロック31iなどと支持部43の位置関係)
前側プッシュブロック31i及び後側プッシュブロック32iは、支持部43よりもブラケット45に近い位置に配置される。
【0053】
(各部の材料、金属部品、樹脂部品)
検査治具1を構成する部材のうち、前側フレキシブル基板31aなどの導通される領域、前側プローブ群31g、後側プローブ群32g、ネジは、金属で構成される。検査治具1を構成するその他の部材は、樹脂など非導電性部材で構成される。
【0054】
(検査治具1の検査対象コネクタ100への接続手順)
次に、検査治具1をz方向上側からz方向下側に移動させて、検査対象コネクタ100に接続させる際の、前側バネ31hなどの伸縮状態の変化などを説明する(図9図14)。
【0055】
なお、図9図11図13のyz断面構成図は、プローブPがある領域の構成を分かりやすくするため、図1など他の図に示されるプローブPよりも大きめに示す。このため、図9図11図13のyz断面構成図と、図1など他の図とでは、プローブPの数、各部材の縦横比などが一致しない。
【0056】
また、後側バネ32hは、図9図11図13のyz断面構成図では図示されていない。しかしながら、後側バネ32hは、前側バネ31hのx方向後側に位置しており、前側バネ31hと同じように伸縮する。また、後側プッシュブロック32iは、図9図11図13のyz断面構成図では図示されていない。しかしながら、後側プッシュブロック32iは、前側プッシュブロック31iのx方向後側に位置しており、前側プッシュブロック31iと同じように移動する。また、後側プローブ群32gは、図9図11図13のyz断面構成図では図示されていない。しかしながら、後側プローブ群32gは、前側プローブ群31gのx方向後側に位置しており、前側プローブ群31gと同じように動作する。また、後側フレキシブル基板32aの舌片は、図示されていない。しかしながら、後側フレキシブル基板32aの舌片は、前側フレキシブル基板31aの舌片31a4のx方向後側に位置しており、前側フレキシブル基板31aの舌片31a4と同じように変位する。
【0057】
図9に示すように、検査治具1が検査対象コネクタ100と接触する前は、前側バネ31h、後側バネ32hは、伸びた状態であり、前側プッシュブロック31iと前側プローブ保持部31cの距離、及び後側プッシュブロック32iと後側プローブ保持部32cの距離はいずれも短くなっていない(第1状態)。このとき、前側プローブ群31gを構成するプローブPのz方向下側の先端部P1は、前側フレキシブル基板31aの舌片31a4に接する(図10参照)。しかしながら、プローブPは軽いので、前側フレキシブル基板31aの舌片31a4はz方向下側に殆ど押し下げられない。同様に、後側プローブ群32gを構成するプローブPのz方向下側の先端部P1は、後側フレキシブル基板32aの舌片に接する。しかしながら、プローブPは軽いので、後側フレキシブル基板32aの舌片はz方向下側に殆ど押し下げられない。
【0058】
図11に示すように、検査治具1のコネクタ接触部21aに、検査対象コネクタ100が嵌め込まれた直後は、前側バネ31h、後側バネ32hは、伸びた状態であり、前側プッシュブロック31iと前側プローブ保持部31cの距離、及び後側プッシュブロック32iと後側プローブ保持部32cの距離はいずれも短くなっていない(第2状態)。このとき、前側フレキシブル基板31aの舌片31a4及び後側フレキシブル基板32aの舌片は、検査対象コネクタ100と接触していない。
【0059】
図12に示すように、第2状態から、検査治具1がz方向下側に更に移動すると、前側バネ31hがz方向に縮み、前側プッシュブロック31iが前側プローブ保持部31cに近づけられる(第3状態)。この時、前側プッシュブロック31iは、前側プローブ群31gのプローブPの上端部に接する。同様に、後側バネ32hがz方向に縮み、後側プッシュブロック32iが後側プローブ保持部32cに近づけられる。この時、後側プッシュブロック32iは、後側プローブ群32gのプローブPの上端部に接する。しかしながら、前側プローブ群31g及び後側プローブ群32gは前側フレキシブル基板31aの舌片31a4及び後側フレキシブル基板32aの舌片を押し下げていないため、検査対象コネクタ100と接触していない。
【0060】
図13に示すように、第3状態から、検査治具1がz方向下側に更に移動すると、前側バネ31hがz方向に更に縮み、前側プッシュブロック31iが前側プローブ保持部31cに更に近づけられる(第4状態)。この時、前側プッシュブロック31iにより前側プローブ群31gのプローブPは押し下げられる。同様に、後側プッシュブロック32iがz方向に更に縮み、後側プッシュブロック32iが後側プローブ保持部32cに近づけられる。この時、後側プッシュブロック32iにより後側プローブ群32gのプローブPは押し下げられる。
【0061】
前側プッシュブロック31iがz方向下側に移動することにより、前側プローブ群31gのプローブPがz方向下側に移動し、プローブPの先端部P1が前側フレキシブル基板31aの裏側(z方向上側)を押す。これにより、前側フレキシブル基板31aの舌片31a4がz方向下側に押し下げられる(図14参照)。すなわち、前側プローブ群31gのプローブPにより、前側フレキシブル基板31aの舌片31a4が、検査対象コネクタ100の電極に近づけられる。同様に、後側プッシュブロック32iがz方向下側に移動することにより、後側プローブ群32gのプローブPがz方向下側に移動し、プローブPの先端部P1が後側フレキシブル基板32aの裏側(z方向上側)を押す。これにより、後側フレキシブル基板32aの舌片がz方向下側に押し下げられる。すなわち、後側プローブ群32gのプローブPにより、後側フレキシブル基板32aの舌片が、検査対象コネクタ100の電極に近づけられる。
【0062】
従って、前側バネ31hが所定量以上に縮むように、前側プッシュブロック31iを前側プローブ保持部31cに近づけた時に、前側プッシュブロック31iが前側プローブ群31gのプローブPを押し、前側プローグ群31gのプローブPが前側フレキシブル基板31aの舌片31a4を押し、前側フレキシブル基板31aが検査対象コネクタ100と電気的に接続された状態になる。同様に、後側バネ32hが所定量以上に縮むように、後側プッシュブロック32iを後側プローブ保持部32cに近づけた時に、後側プッシュブロック32iが後側プローブ群32gのプローブPを押し、後側プローグ群32gのプローブPが後側フレキシブル基板32aの舌片を押し、後側フレキシブル基板32aが検査対象コネクタ100と電気的に接続された状態になる。
【0063】
これにより、前側フレキシブル基板31a及び後側フレキシブル基板32aは、検査対象コネクタ100と電気的に接続した状態になる。また、前側プッシュブロック31i及び後側プッシュブロック32iは、z方向の移動可能範囲の最下端に押し下げられる。
【0064】
(検査治具1で可動部材(前側プッシュブロック31iなど)と伸縮部材(プローブP)を用いることの効果)
先に、前側プッシュブロック31iが前側プローブ群31gのプローブPを押し、後側プッシュブロック32iが後側プローブ群32gのプローブPを押す。押されたプローブPが、前側フレキシブル基板31aの舌片31a4、及び後側フレキシブル基板32aの舌片を押し、前側フレキシブル基板31a及び後側フレキシブル基板32aを検査対象コネクタ100に接続させる。このため、前側フレキシブル基板31a及び後側フレキシブル基板32aを大きく変形或いは変位させずに、検査治具1に含まれる前側フレキシブル基板31a及び後側フレキシブル基板32aと検査対象コネクタ100との電気的な接続が可能になる。すなわち、前側フレキシブル基板31a及び後側フレキシブル基板32aを含む検査治具1が破損しにくい状態で、検査治具1に含まれる前側フレキシブル基板31a及び後側フレキシブル基板32aと検査対象コネクタ100との電気的な接続が可能になる。
【0065】
(可動部材(前側プッシュブロック31iなど)を、支持部43よりもブラケット45に近い位置に配置することの効果)
右支持部材43aと可動部材(前側プッシュブロック31i、後側プッシュブロック32i)と左支持部材43bのそれぞれの少なくとも一部の領域が、第1方向に垂直な方向(y方向)に並べることが出来る。具体的には、右支持部材43aと前側プッシュブロック31iと左支持部材43bのそれぞれの少なくとも一部の領域が、y方向から見て重なる。また、右支持部材43aと後側プッシュブロック32iと左支持部材43bのそれぞれの少なくとも一部の領域が、y方向から見て重なる。このため、部材を効率良く配置出来、検査治具1のz方向の寸法を小さくすることが出来る。検査治具1のz方向の寸法を小さくすることで、支持部43を使ってxy方向のズレを調整する際の荷重を小さく出来る。
【0066】
(ブラケット45の第3領域45cに切り欠きを設けることの効果)
切り欠きに、前側基板組立体31の上端部分(前側コネクタ31bなど)及び後側基板組立体32の上端部分(後側コネクタ32など)を収納することが出来、検査治具1のz方向の寸法を小さくすることが出来る。
【0067】
(前側プッシュブロック31iなどとブラケット45のz方向の距離が変動しないことの効果)
支持部43によるxy方向の動きを除いて、所望の姿勢で前側プッシュブロック31i及び後側プッシュブロック32iがブラケット45に固定される。これにより、傾いた状態で検査治具1と検査対象コネクタ100の取り付けが行われても、検査治具1若しくは検査対象コネクタ100が破損することを防止出来る。
【0068】
(前側プローブ保持部31cと検査対象コネクタ100の筐体と接する領域とのz方向の距離が変動しないことの効果)
所望の姿勢で前側プローブ保持部31c及び後側プローブ保持部32cが下側保持部21に固定される。これにより、傾いた状態で検査治具1と検査対象コネクタ100の取り付けが行われても、検査治具1若しくは検査対象コネクタ100が破損することを防止出来る。
【0069】
(プローブPで個別に押し当てを行うことの効果)
信号線若しくは接地線における、検査対象コネクタ100と接触する部分(電極)の高さのバラツキを考慮して、電極ごとに個別にプローブPなどの伸縮部材を押し当て、それぞれの電極の検査対象コネクタ100との接続を確実に行うことが可能になる。
【0070】
(前側フレキシブル基板31a、後側フレキシブル基板32aに舌片を設けることの効果)
電極の高さのバラツキを吸収するため、プローブPなどの伸縮部材が押し当てられて、部分的に力が加わった場合、力が加わった部分を含む領域に形成された前側フレキシブル基板31aの舌片31a4が、スリットSを介して、前側フレキシブル基板31aの舌片31a4に隣接する他の領域から離れて、当該押された方向(z方向下側)に変位する。また、力が加わった部分を含む領域に形成された後側フレキシブル基板32aの舌片が、スリットSを介して、後側フレキシブル基板32aの舌片に隣接する他の領域から離れて、当該押された方向(z方向下側)に変位する。このため、舌片を設けない場合に比べて、変位しても可撓性基板(前側フレキシブル基板31a、後側フレキシブル基板32a)が破損しにくい。
【0071】
(端部を電極として使用することの効果)
信号線の途中で他の部材との電気的な接続が行われた場合には、当該接続箇所と端部との間がアンテナとして機能してノイズの受発信が行われるおそれがある。端部の近傍で他の部材との電気的な接続を行うことにより、ノイズの受発信を少なくすることが可能になる。なお、接地線の途中で他の部材との電気的な接続が行われた場合には、インピーダンスの整合が崩れるおそれがある。
【0072】
(その他の実施形態、プローブ以外の伸縮部材)
本実施形態では、前側フレキシブル基板31aを裏側(z方向上側)からz方向下側に押す伸縮部材、及び後側フレキシブル基板32aを裏側(z方向上側)からz方向下側に押す伸縮部材として、プローブPを用いる形態を説明した。しかしながら、z方向に伸縮可能な部材であれば、プローブPに限らず、ゴムなど他の弾性部材が伸縮部材として用いられてもよい。
【0073】
(その他の実施形態、バネ以外の弾性部材)
本実施形態では、前側プローブ保持部31cと前側プッシュブロック31iの間に前側バネ31hが設けられ、後側プローブ保持部32cと後側プッシュブロック32iの間に後側バネ32hが設けられる形態を説明した。しかしながら、z方向に伸縮可能な部材であれば、バネに限らず、他の弾性部材が用いられてもよい。
【0074】
(その他の実施形態、基板)
本実施形態では、検査治具1に内蔵される基板は、可撓性がある基板であるとして説明した。しかしながら、検査治具1に内蔵される基板は、可撓性が無い基板であってもよい。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれると同様に、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0076】
本明細書によれば、以下の態様の検査治具が提供される。
(態様1)
態様1は、検査対象コネクタと電気的に接続可能な基板と、移動可能な可動部材と、伸縮可能な伸縮部材と、前記伸縮部材を保持する伸縮部材保持部と、前記可動部材と前記伸縮部材保持部とを互いに離すように付勢する弾性部材と、を備え、前記弾性部材が所定量以上に縮むように、前記可動部材を前記伸縮部材保持部に近づけた時に、前記可動部材が前記伸縮部材を押し、前記伸縮部材が前記基板を押し、前記基板が前記検査対象コネクタと電気的に接続された状態になる。
【0077】
上述の態様によれば、先に、可動部材が伸縮部材を押す。押された伸縮部材が、基板を押し、基板を検査対象コネクタに電気的に接続させる。このため、基板を大きく変形或いは変位させずに、検査治具に含まれる基板と検査対象コネクタとの電気的な接続が可能になる。すなわち、基板を含む検査治具が破損しにくい状態で、検査治具に含まれる基板と検査対象コネクタとの電気的な接続が可能になる。
【0078】
(態様2)
態様2は、支持部と、前記支持部を介して、第1方向と垂直な方向に移動可能な状態で、前記可動部材を保持するブラケットと、を更に備え、前記可動部材は、前記支持部よりも前記ブラケットに近い位置に配置される。
【0079】
上述の態様によれば、部材を効率良く配置出来、検査治具の第1方向の寸法を小さくすることが出来る。検査治具の第1方向の寸法を小さくすることで、支持部を使って第1方向に垂直な方向のズレを調整する際の荷重を小さく出来る。
【0080】
(態様3)
態様3は、前側基板が、検査装置と電気的に接続するために使用されるコネクタを更に備え、前記ブラケットは、前記コネクタを収容する切り欠きを有する。
【0081】
上述の態様によれば、検査治具の第1方向の寸法を小さくすることが出来る。
【0082】
(態様4)
態様4では、前記可動部材は、前記ブラケットとの前記第1方向の距離が変動しない状態で、前記支持部を介して、前記ブラケットに取り付けられる。
【0083】
上述の態様によれば、支持部による第1方向に垂直な方向の動きを除いて、所望の姿勢で可動部材がブラケットに固定される。これにより、傾いた状態で検査治具と検査対象コネクタの取り付けが行われても、検査治具若しくは検査対象コネクタが破損することを防止出来る。
【0084】
(態様5)
態様5は、前記検査対象コネクタの筐体と接触する部材を更に備え、前記伸縮部材保持部は、前記部材における前記筐体と接する領域との前記第1方向の距離が変動しない状態で、前記部材に取り付けられる。
【0085】
上述の態様によれば、所望の姿勢で伸縮部材保持部が検査対象コネクタの筐体と接触する部材に固定される。これにより、傾いた状態で検査治具と検査対象コネクタの取り付けが行われても、検査治具若しくは検査対象コネクタが破損することを防止出来る。
【符号の説明】
【0086】
1 検査治具、20 基板保持部、21 下側保持部(ワークガイド、検査対象コネクタの筐体と接触する部材)、21a コネクタ接触部、23 上側保持部(接続板)、23a 右上側保持部材、23b 左上側保持部材、30 基板部、31 前側基板組立体、31a 前側フレキシブル基板(可撓性基板)、31a1 コネクタ接続端、31a2 保持部接続端、31a21 孔、31a3 パターン部、31a4 舌片、31b 前側コネクタ、31c 前側プローブ保持部(伸縮部材保持部)、31c1 プローブ受け部、31c11 プローブ受け部の孔の上方、31c12 プローブ受け部の孔の下方、31d 前側コネクタベース、31f 前側コネクタカバー、31g 前側プローブ群、31h 前側バネ(弾性部材)、31i 前側プッシュブロック(可動部材)、32 後側基板組立体、32a 後側フレキシブル基板(可撓性基板)、32b 後側コネクタ、32c 後側プローブ保持部(伸縮部材保持部)、32d 後側コネクタベース、32f 後側コネクタカバー、32g 後側プローブ群、32h 後側バネ(弾性部材)、32i 後側プッシュブロック(可動部材)、40 水平位置調整部、43 支持部、43a 右支持部材、43b 左支持部材、45 ブラケット、45a 第1領域、45b 第2領域、45c 第3領域、100 検査対象コネクタ、P プローブ(伸縮部材)、P1 先端部、P2 バネ収容部、S スリット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14