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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076449
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】複合タオル
(51)【国際特許分類】
   A47K 7/02 20060101AFI20240530BHJP
   A47K 10/02 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
A47K7/02 C
A47K10/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187962
(22)【出願日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】522462605
【氏名又は名称】岡林 明弘
(74)【代理人】
【識別番号】100108442
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義孝
(72)【発明者】
【氏名】岡林 明弘
(72)【発明者】
【氏名】岡林 千賀子
【テーマコード(参考)】
2D134
【Fターム(参考)】
2D134CC03
2D134CC04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】1つのタオルで洗面及び入浴後の体拭きとして使用することができるとともに、入浴中の体洗いや垢擦りとして使用することができる複合タオルを提供する。
【解決手段】複合タオル10Aは、縦方向へ延びる両側縁19,20及び縦方向と交差する幅方向へ延びる両端縁21,22と、前面23及び背面24とを有する浴用タオル11と、縦方向へ延びる両側縁25,26及び幅方向へ延びる両端縁27,28と、前面29及び背面30とを有し、浴用タオル11の背面24に取り付けられた垢擦りタオル12とから形成され、浴用タオル11と垢擦りタオル12とが略同形同大に成形され、浴用タオル11の側縁19,20の内側近傍に垢擦りタオル12の側縁25,26が各々位置するとともに、浴用タオル11の端縁21,22の内側近傍に垢擦りタオル12の端縁27,28が各々位置した状態で、垢擦りタオル12が浴用タオル11に分離不能に縫い付けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向へ延びる両側縁及び前記一方向と交差する交差方向へ延びる両端縁と、所定面積の前面及び背面とを有して前記一方向へ長い浴用タオルと、前記一方向へ延びる両側縁及び前記交差方向へ延びる両端縁と、所定面積の前面及び背面とを有し、前記浴用タオルの前面又は背面に分離不能又は分離可能に取り付けられた前記一方向へ長い垢擦りタオルとから形成され、前記浴用タオルと前記垢擦りタオルとが、略同形同大に成形されていることを特徴とする複合タオル。
【請求項2】
前記複合タオルでは、前記浴用タオルの一方の側縁に前記垢擦りタオルの一方の側縁が一致し、前記浴用タオルの他方の側縁に前記垢擦りタオルの他方の側縁が一致するとともに、前記浴用タオルの一方の端縁に前記垢擦りタオルの一方の端縁が一致し、前記浴用タオルの他方の端縁に前記垢擦りタオルの他方の端縁が一致した状態で、該垢擦りタオルが該浴用タオルに分離不能又は分離可能に取り付けられ、又は、前記浴用タオルの一方の側縁の内側近傍に前記垢擦りタオルの一方の側縁が位置し、前記浴用タオルの他方の側縁の内側近傍に前記垢擦りタオルの他方の側縁が位置するとともに、前記浴用タオルの一方の端縁の内側近傍に前記垢擦りタオルの一方の端縁が位置し、前記浴用タオルの他方の端縁の内側近傍に前記垢擦りタオルの他方の端縁が位置した状態で、該垢擦りタオルが該浴用タオルに分離不能又は分離可能に取り付けられている請求項1に記載の複合タオル。
【請求項3】
前記垢擦りタオルが、前記浴用タオルに縫い糸によって縫い付けられ、前記縫い糸によって縫い付けられた前記垢擦りタオルが、前記浴用タオルに対して分離不能に連結されている請求項1又は請求項2に記載の複合タオル。
【請求項4】
前記複合タオルが、前記浴用タオル及び前記垢擦りタオルの両側縁の内側近傍に沿って前記一方向へ延びる前記縫い糸の第1逢着線と、それらタオルの両端縁の内側近傍に沿って前記交差方向へ延びる前記縫い糸の第2逢着線と、それらタオルの前記交差方向の幅寸法を二分又は三分或いは四分するように、前記浴用タオル及び前記垢擦りタオルの一方の端縁から他方の端縁に向かって前記一方向へ延びる前記縫い糸の第3逢着線と、それらタオルの前記一方向の長さ寸法を二分又は三分或いは四分するように、前記浴用タオル及び前記垢擦りタオルの一方の側縁から他方の側縁に向かって前記交差方向へ延びる前記縫い糸の第4逢着線とを有する請求項3に記載の複合タオル。
【請求項5】
前記垢擦りタオルが、前記浴用タオルに仮縫い糸によって仮縫いされ、前記仮縫い糸によって仮縫いされた前記垢擦りタオルが、前記浴用タオルに対して分離可能に連結されている請求項1又は請求項2に記載の複合タオル。
【請求項6】
前記浴用タオルと前記垢擦りタオルとが、該浴用タオル及び該垢擦りタオルの仮縫い始点から仮縫い終点に向かって一連に繋がる前記仮縫い糸によって仮縫いされ、前記仮縫い糸が、前記浴用タオル及び前記垢擦りタオルに対して引き抜き可能に仮縫いされている請求項5に記載の複合タオル。
【請求項7】
前記仮縫い糸が、前記仮縫い始点及び前記仮縫い終点においてその一方の端部と他方の端部とを結んだ結び目を有し、前記複合タオルでは、前記結び目を解除して前記仮縫い糸の一方の端部と他方の端部とを分離させた後、前記仮縫い糸を前記浴用タオル及び前記垢擦りタオルから引き抜きことで、該浴用タオルと該垢擦りタオルとを分離可能である請求項6に記載の複合タオル。
【請求項8】
前記複合タオルでは、前記浴用タオル及び前記垢擦りタオルにおける仮縫い始点と仮縫い終点とが略同一地点にあり、前記結び目を表す目印が、前記浴用タオル及び前記垢擦りタオルのうちの該結び目が露出する前記仮縫い始点又は前記仮縫い終点に付けられている請求項7に記載の複合タオル。
【請求項9】
前記複合タオルが、前記浴用タオル及び前記垢擦りタオルの他方の側縁と一方の端縁とが交差する第1交差位置からそれらタオルの一方の端縁に沿って前記交差方向へ延びる前記仮縫い糸の第1逢着線と、前記第1逢着線に繋がり、それらタオルの一方の側縁と一方の端縁とが交差する第2交差位置からそれらタオルの一方の側縁と他方の端縁とが交差する第3交差位置に向かってそれらタオルの一方の側縁に沿って前記一方向へ延びる前記仮縫い糸の第2逢着線と、前記第2逢着線に繋がり、前記第3交差位置からそれらタオルの他方の側縁と他方の端縁とが交差する第4交差位置に向かってそれらタオルの他方の端縁に沿って前記交差方向へ延びる前記仮縫い糸の第3逢着線と、前記第3逢着線に繋がり、前記第4交差位置から前記第2交差位置に向かって斜め方向へ延びる前記仮縫い糸の第4逢着線と、前記第4逢着線に繋がり、前記第2交差位置から前記第1交差位置に向かってそれらタオルの一方の端縁に沿って前記交差方向へ延びる前記仮縫い糸の第5逢着線と、前記第5逢着線に繋がり、前記第1交差位置から前記第3交差位置に向かって斜め方向へ延びる前記仮縫い糸の第6逢着線と、前記第6逢着線に繋がり、前記第3交差位置から前記第4交差位置に向かってそれらタオルの他方の端縁に沿って前記交差方向へ延びる前記仮縫い糸の第7逢着線と、前記第7逢着線に繋がり、前記第4交差位置から前記第1交差位置に向かってそれらタオルの他方の側縁に沿って前記一方向へ延びる前記仮縫い糸の第8逢着線とを有する請求項8に記載の複合タオル。
【請求項10】
前記垢擦りタオルの少なくとも一部が、前記浴用タオルと異なる色に着色されている請求項1ないし請求項9いずれかに記載の複合タオル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴用タオルと垢擦りタオルとから形成された複合タオルに関する。
【背景技術】
【0002】
綿タオルの一部分に,合成繊維又は化学繊維又は人造繊維又は人造絹糸又はこれらの混合繊維又はこれらと綿の混合繊維でできた垢擦り用繊維又は垢擦り用タオルを一定面積縫製して連結し、綿タオルと垢擦り用繊維又は垢擦り用タオルとを一体化した垢擦り付きタオルが開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-112918号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に開示の垢擦り付きタオルは、綿タオルのほぼ中央の一部分に垢擦り用繊維又は垢擦り用タオルが縫製によって連結されているが、垢擦り用繊維又は垢擦り用タオルの利用面域が小さく、垢擦り用繊維又は垢擦り用タオルを利用して体の老廃物や角質、毛穴の汚れを十分に洗い落とすことができず、満足な垢擦り効果を得ることができない。又、綿タオルから垢擦り用タオルを容易に分離することができず、綿タオルと垢擦り用タオルとを分離してそれらタオルを別々に使用することができない。
【0005】
本発明の目的は、老廃物や角質、毛穴の汚れを十分に洗い落とすことができ、満足な垢擦り効果を得ることができる複合タオルを提供することにある。本発明の他の目的は、1つのタオルで洗面及び入浴後の体拭きとして使用することができるとともに、入浴中の体洗いや垢擦りとして使用することができる複合タオルを提供することにある。本発明の他の目的は、浴用タオルと垢擦りタオルとを容易に分離することができ、それらタオルを別々に使用することができる複合タオルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための本発明の特徴は、一方向へ延びる両側縁及び一方向と交差する交差方向へ延びる両端縁と、所定面積の前面及び背面とを有して一方向へ長い浴用タオルと、一方向へ延びる両側縁及び交差方向へ延びる両端縁と、所定面積の前面及び背面とを有し、浴用タオルの前面又は背面に分離不能又は分離可能に取り付けられた一方向へ長い垢擦りタオルとから形成され、浴用タオルと垢擦りタオルとが、略同形同大に成形されていることにある。
【0007】
本発明の一例として、複合タオルでは、浴用タオルの一方の側縁に垢擦りタオルの一方の側縁が一致し、浴用タオルの他方の側縁に垢擦りタオルの他方の側縁が一致するとともに、浴用タオルの一方の端縁に垢擦りタオルの一方の端縁が一致し、浴用タオルの他方の端縁に垢擦りタオルの他方の端縁が一致した状態で、垢擦りタオルが浴用タオルに分離不能又は分離可能に取り付けられ、又は、浴用タオルの一方の側縁の内側近傍に垢擦りタオルの一方の側縁が位置し、浴用タオルの他方の側縁の内側近傍に垢擦りタオルの他方の側縁が位置するとともに、浴用タオルの一方の端縁の内側近傍に垢擦りタオルの一方の端縁が位置し、浴用タオルの他方の端縁の内側近傍に垢擦りタオルの他方の端縁が位置した状態で、垢擦りタオルが浴用タオルに分離不能又は分離可能に取り付けられている。
【0008】
本発明の他の一例としては、垢擦りタオルが、浴用タオルに縫い糸によって縫い付けられ、縫い糸によって縫い付けられた垢擦りタオルが、浴用タオルに対して分離不能に連結されている。
【0009】
本発明の他の一例としては、複合タオルが、浴用タオル及び垢擦りタオルの両側縁の内側近傍に沿って一方向へ延びる縫い糸の第1逢着線と、それらタオルの両端縁の内側近傍に沿って交差方向へ延びる縫い糸の第2逢着線と、それらタオルの交差方向の幅寸法を二分又は三分或いは四分するように、浴用タオル及び垢擦りタオルの一方の端縁から他方の端縁に向かって一方向へ延びる縫い糸の第3逢着線と、それらタオルの一方向の長さ寸法を二分又は三分或いは四分するように、浴用タオル及び垢擦りタオルの一方の側縁から他方の側縁に向かって交差方向へ延びる縫い糸の第4逢着線とを有する。
【0010】
本発明の他の一例としては、垢擦りタオルが、浴用タオルに仮縫い糸によって仮縫いされ、仮縫い糸によって仮縫いされた垢擦りタオルが、浴用タオルに対して分離可能に連結されている。
【0011】
本発明の他の一例としては、浴用タオルと垢擦りタオルとが、浴用タオル及び垢擦りタオルの仮縫い始点から仮縫い終点に向かって一連に繋がる仮縫い糸によって仮縫いされ、仮縫い糸が、浴用タオル及び垢擦りタオルに対して引き抜き可能に仮縫いされている。
【0012】
本発明の他の一例としては、仮縫い糸が、仮縫い始点及び仮縫い終点においてその一方の端部と他方の端部とを結んだ結び目を有し、複合タオルでは、結び目を解除して仮縫い糸の一方の端部と他方の端部とを分離させた後、仮縫い糸を浴用タオル及び垢擦りタオルから引き抜きことで、浴用タオルと垢擦りタオルとを分離可能である。
【0013】
本発明の他の一例として、複合タオルでは、浴用タオル及び垢擦りタオルにおける仮縫い始点と仮縫い終点とが略同一地点にあり、結び目を表す目印が、浴用タオル及び垢擦りタオルのうちの結び目が露出する仮縫い始点又は仮縫い終点に付けられている。
【0014】
本発明の他の一例としては、複合タオルが、浴用タオル及び垢擦りタオルの他方の側縁と一方の端縁とが交差する第1交差位置からそれらタオルの一方の端縁に沿って交差方向へ延びる仮縫い糸の第1逢着線と、第1逢着線に繋がり、それらタオルの一方の側縁と一方の端縁とが交差する第2交差位置からそれらタオルの一方の側縁と他方の端縁とが交差する第3交差位置に向かってそれらタオルの一方の側縁に沿って一方向へ延びる仮縫い糸の第2逢着線と、第2逢着線に繋がり、第3交差位置からそれらタオルの他方の側縁と他方の端縁とが交差する第4交差位置に向かってそれらタオルの他方の端縁に沿って交差方向へ延びる仮縫い糸の第3逢着線と、第3逢着線に繋がり、第4交差位置から第2交差位置に向かって斜め方向へ延びる仮縫い糸の第4逢着線と、第4逢着線に繋がり、第2交差位置から第1交差位置に向かってそれらタオルの一方の端縁に沿って交差方向へ延びる仮縫い糸の第5逢着線と、第5逢着線に繋がり、第1交差位置から第3交差位置に向かって斜め方向へ延びる仮縫い糸の第6逢着線と、第6逢着線に繋がり、第3交差位置から第4交差位置に向かってそれらタオルの他方の端縁に沿って交差方向へ延びる仮縫い糸の第7逢着線と、第7逢着線に繋がり、第4交差位置から第1交差位置に向かってそれらタオルの他方の側縁に沿って一方向へ延びる仮縫い糸の第8逢着線とを有する。
【0015】
本発明の他の一例としては、垢擦りタオルの少なくとも一部が、浴用タオルと異なる色に着色されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る複合タオルによれば、一方向へ長い浴用タオルと浴用タオルに分離不能又は分離可能に取り付けられた一方向へ長い垢擦りタオルとから形成され、浴用タオルと垢擦りタオルとが略同形同大に成形され、浴用タオルの略全域に重なるように垢擦りタオルの略全域が取り付けられるから、浴用タオルと略同形同大の利用面積が大きい垢擦りタオルを利用して老廃物や角質、毛穴の汚れを十分に洗い落とすことができ、満足な垢擦り効果を得ることができる。複合タオルは、体拭きに浴用タオルを利用し、体洗いや垢擦りに垢擦りタオルを利用することで、1つのタオルで洗面及び入浴後の体拭きとして使用することができるとともに、入浴中の体洗いや垢擦りとして使用することができる。
【0017】
浴用タオルの一方の側縁に垢擦りタオルの一方の側縁が一致し、浴用タオルの他方の側縁に垢擦りタオルの他方の側縁が一致するとともに、浴用タオルの一方の端縁に垢擦りタオルの一方の端縁が一致し、浴用タオルの他方の端縁に垢擦りタオルの他方の端縁が一致した状態で、垢擦りタオルが浴用タオルに取り付けられ、又は、浴用タオルの一方の側縁の内側近傍に垢擦りタオルの一方の側縁が位置し、浴用タオルの他方の側縁の内側近傍に垢擦りタオルの他方の側縁が位置するとともに、浴用タオルの一方の端縁の内側近傍に垢擦りタオルの一方の端縁が位置し、浴用タオルの他方の端縁の内側近傍に垢擦りタオルの他方の端縁が位置した状態で、垢擦りタオルが浴用タオルに分離不能に取り付けられている複合タオルは、それらタオルの両側縁どうしが連結され、それらタオルの両端縁どうしが連結されることで、垢擦りタオルの使用中に垢擦りタオルが浴用タオルに対してズレ動くことはなく、垢擦りタオルの不用意な捲れや偏りを防ぐことができ、利用面積が大きい垢擦りタオルを使用して老廃物や角質、毛穴の汚れを確実に洗い落とすことができ、満足な垢擦り効果を得ることができる。
【0018】
垢擦りタオルが浴用タオルに縫い糸によって縫い付けられ、縫い糸によって縫い付けられた垢擦りタオルが浴用タオルに対して分離不能に連結されている複合タオルは、浴用タオル又は垢擦りタオルの使用中にそれらタオルが分離すると、浴用タオルや垢擦りタオルを回収する手間や時間を要するが、縫い糸による縫製によって垢擦りタオルが浴用タオルに分離不能に縫い付けられているから、浴用タオルを使用した体拭き中や垢擦りタオルを使用した体洗い中又は垢擦り中に浴用タオルと垢擦りタオルとが不用意に分離することはなく、分離したタオルの回収にかかる煩雑な作業を回避することができ、浴用タオルを使用して体拭きを行うことができ、垢擦りタオルを使用して体洗いや垢擦りを行うことができる。複合タオルは、縫い糸による縫製によって垢擦りタオルが浴用タオルに縫い付けられているから、垢擦りタオルの使用中に垢擦りタオルが浴用タオルに対してズレ動くことはなく、垢擦りタオルの不用意な捲れや偏りを防ぐことができ、利用面積が大きい垢擦りタオルを使用して老廃物や角質、毛穴の汚れを確実に洗い落とすことができ、満足な垢擦り効果を得ることができる。
【0019】
浴用タオル及び垢擦りタオルの両側縁の内側近傍に沿って一方向へ延びる縫い糸の第1逢着線と、それらタオルの両端縁の内側近傍に沿って交差方向へ延びる縫い糸の第2逢着線と、それらタオルの交差方向の幅寸法を二分又は三分或いは四分するように、浴用タオル及び垢擦りタオルの一方の端縁から他方の端縁に向かって一方向へ延びる縫い糸の第3逢着線と、それらタオルの前記一方向の長さ寸法を二分又は三分或いは四分するように、浴用タオル及び垢擦りタオルの一方の側縁から他方の側縁に向かって交差方向へ延びる縫い糸の第4逢着線とを有する複合タオルは、浴用タオル及び垢擦りタオルの両側縁が両側縁の内側近傍に延びる縫い糸の第1逢着線によって縫い付けられ、それらタオルの両端縁が両端縁の内側近傍に延びる縫い糸の第2逢着線によって縫い付けられ、それらタオルが1~3本の縫い糸の第3逢着線によって縫い付けられているとともに、それらタオルが1~3本の縫い糸の第4逢着線によって縫い付けられているから、浴用タオルを使用した体拭き中や垢擦りタオルを使用した体洗い中又は垢擦り中に浴用タオルと垢擦りタオルとが不用意に分離することはなく、分離したタオルの回収にかかる煩雑な作業を回避することができ、浴用タオルを使用して体拭きを行うことができ、垢擦りタオルを使用して体洗いや垢擦りを行うことができる。複合タオルは、縫い糸の第1~第4逢着線によって垢擦りタオルが浴用タオルに縫い付けられているから、垢擦りタオルの使用中に垢擦りタオルが浴用タオルに対してズレ動くことはなく、垢擦りタオルの不用意な捲れや偏りを防ぐことができ、利用面積が大きい垢擦りタオルを使用して老廃物や角質、毛穴の汚れを確実に洗い落とすことができ、満足な垢擦り効果を得ることができる。
【0020】
垢擦りタオルが浴用タオルに仮縫い糸によって仮縫いされ、仮縫い糸によって仮縫いされた垢擦りタオルが浴用タオルに対して分離可能に連結されている複合タオルは、複合タオル1つで洗面及び入浴後の体拭きとして使用することができるとともに、入浴中の体洗いや垢擦りとして使用することができることはもちろん、浴用タオル及び垢擦りタオルから仮縫い糸を取り外すことで、浴用タオルと垢擦りタオルとを容易に分離することができ、それらタオルの用途に応じてそれらタオルを別々に使用することができる。
【0021】
浴用タオルと垢擦りタオルとが浴用タオル及び垢擦りタオルの仮縫い始点から仮縫い終点に向かって一連に繋がる仮縫い糸によって仮縫いされ、仮縫い糸が浴用タオル及び垢擦りタオルに対して引き抜き可能に仮縫いされている複合タオルは、複合タオル1つで洗面及び入浴後の体拭きとして使用することができるとともに、入浴中の体洗いや垢擦りとして使用することができることはもちろん、仮縫い始点から仮縫い終点に向かって一連に繋がる仮縫い糸を浴用タオル及び垢擦りタオルから引き抜くことで、それらタオルの連結が解除されるから、浴用タオルと垢擦りタオルとを容易に分離することができ、それらタオルの用途に応じてそれらタオルを別々に使用することができる。
【0022】
仮縫い糸が仮縫い始点及び仮縫い終点においてその一方の端部と他方の端部とを結んだ結び目を有し、結び目を解除して仮縫い糸の一方の端部と他方の端部とを分離させた後、仮縫い糸を浴用タオル及び垢擦りタオルから引き抜きことで、浴用タオルと垢擦りタオルとを分離可能である複合タオルは、仮縫い糸の結び目を解除して仮縫い糸の一方の端部と他方の端部とを分離させた後、仮縫い糸の一方の端部又は他方の端部を引っ張って仮縫い糸をそれらタオルから引き抜きことで、それらタオルが分離されるから、浴用タオルと垢擦りタオルとを容易に分離することができ、それらタオルの用途に応じてそれらタオルを別々に使用することができる。
【0023】
浴用タオル及び垢擦りタオルにおける仮縫い始点と仮縫い終点とが略同一地点にあり、結び目を表す目印が浴用タオル及び垢擦りタオルのうちの結び目が露出する仮縫い始点又は仮縫い終点に付けられている複合タオルは、結び目を表す目印をそれらタオルのうちの結び目が露出する仮縫い始点又は仮縫い終点に付けることで、仮縫い糸の結び目が容易に分かり、仮縫い糸の結び目を解除して仮縫い糸の一方の端部又は他方の端部を引っ張り、仮縫い糸をそれらタオルから引き抜くことで、それらタオルが分離されるから、浴用タオルと垢擦りタオルとを容易に分離することができ、それらタオルの用途に応じてそれらタオルを別々に使用することができる。
【0024】
浴用タオル及び垢擦りタオルの他方の側縁と一方の端縁とが交差する第1交差位置からそれらタオルの一方の端縁に沿って交差方向へ延びる仮縫い糸の第1逢着線と、第1逢着線に繋がり、それらタオルの一方の側縁と一方の端縁とが交差する第2交差位置からそれらタオルの一方の側縁と他方の端縁とが交差する第3交差位置に向かってそれらタオルの一方の側縁に沿って一方向へ延びる仮縫い糸の第2逢着線と、第2逢着線に繋がり、第3交差位置からそれらタオルの他方の側縁と他方の端縁とが交差する第4交差位置に向かってそれらタオルの他方の端縁に沿って交差方向へ延びる仮縫い糸の第3逢着線と、第3逢着線に繋がり、第4交差位置から第2交差位置に向かって斜め方向へ延びる仮縫い糸の第4逢着線と、第4逢着線に繋がり、第2交差位置から第1交差位置に向かってそれらタオルの一方の端縁に沿って交差方向へ延びる仮縫い糸の第5逢着線と、第5逢着線に繋がり、第1交差位置から第3交差位置に向かって斜め方向へ延びる仮縫い糸の第6逢着線と、第6逢着線に繋がり、第3交差位置から第4交差位置に向かってそれらタオルの他方の端縁に沿って交差方向へ延びる仮縫い糸の第7逢着線と、第7逢着線に繋がり、第4交差位置から第1交差位置に向かってそれらタオルの他方の側縁に沿って一方向へ延びる仮縫い糸の第8逢着線とを有する複合タオルは、浴用タオル及び垢擦りタオルが仮縫い糸の第1~第8逢着線によって仮縫いされているから、浴用タオルを使用した体拭き中や垢擦りタオルを使用した体洗い中又は垢擦り中に浴用タオルと垢擦りタオルとが不用意に分離することはなく、浴用タオルを使用して体拭きを確実に行うことができ、垢擦りタオルを使用して体洗いや垢擦りを確実に行うことができる。複合タオルは、第1~第8逢着線に延びる縫い糸が一連に繋がっているから、仮縫い糸をそれらタオルから引き抜くことでそれらタオルが分離され、浴用タオルと垢擦りタオルとを容易に分離することができ、それらタオルの用途に応じてそれらタオルを別々に使用することができる。
【0025】
垢擦りタオルの少なくとも一部が浴用タオルと異なる色に着色されている複合タオルは、垢擦りタオルが浴用タオルと異なる色に着色されることで、浴用タオルと垢擦りタオルとを容易に区別することができ、浴用タオルを使用して体拭きを行うことができ、垢擦りタオルを使用して体洗いや垢擦りを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】浴用タオルの側から見た複合タオルの一例を示す平面図。
図2】垢擦りタオルの側から見た図1の複合タオルの平面図。
図3図1のA-A線端面図。
図4図1のB-B線端面図。
図5】浴用タオルの側から見た複合タオルの他の一例を示す平面図。
図6】垢擦りタオルの側から見た図5の複合タオルの平面図。
図7図5のC-C線端面図。
図8図5のD-D線端面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
添付の図面を参照し、本発明に係る複合タオルの詳細を説明すると、以下のとおりである。尚、図1は、浴用タオル11の側から見た複合タオル10Aの一例を示す平面図であり、図2は、垢擦りタオル12の側から見た図1の複合タオル10Aの平面図である。図3は、図1のA-A線端面図であり、図4は、図1のB-B線端面図である。図1,2では、縦方向(一方向)を矢印Xで示し、幅方向(交差方向)を矢印Yで示す。逢着
図1に示す複合タオル10Aは、浴用タオル11(温泉タオル)と垢擦りタオル12(ボディタオル)とから形成されている。浴用タオル11と垢擦りタオル12とは、略同形同大に成形されているが、垢擦りタオル11の大きさ(面積)が浴用タオル12の大きさ(面積)よりもわずかに小さい。尚、複合タオル10Aでは、浴用タオル11と垢擦りタオル12との大きさ(面積)が同一であってもよい。
【0028】
複合タオル10A(後記する図5,6の複合タオル10Bを含む)は、それが折り畳まれた状態でビニール袋(図示せず)に収容され、旅館やホテル等の宿泊施設の客室又はフロント等に置かれ、無料又は有料で提供される。又、スーパー銭湯やサウナ風呂、健康ランド等の公衆浴場又は温泉施設の温泉浴場に置かれ、それら浴場において無料又は有料で提供される。複合タオル10Aは、縦方向(一方向)へ長い長方形に成形され、縦方向へ延びる両側縁部13,14及び縦方向と交差する幅方向(交差方向)へ延びる両端縁部15,16とを有するとともに、所定面積の長方形の前面17及び背面18を有する。
【0029】
浴用タオル11(温泉タオル)は、縦方向(一方向)へ長い長方形に成形され、縦方向へ延びる両側縁19,20及び縦方向と交差する幅方向(交差方向)へ延びる両端縁21,22とを有するとともに、所定面積の長方形の前面23及び背面24を有する。浴用タオル11は、半合成繊維や再生繊維、無機繊維、合成繊維等の化学繊維又は綿(コットン)や麻、絹等の天然繊維から作られた織物である。
【0030】
浴用タオル11には、主にパイル地から作られたパイルタオルが使用されるが、パイルタオルの他に、シャーリング地から作られたシャーリングタオル、柄を織りで表現したジャガードタオル、ガーゼ地から作られたガーゼパイルタオル、ワッフル織地から作られたワッフル織りタオル、ワパイル糸を基布にからませたカールマイヤー織りタオル、無撚糸地から作られた無撚糸タオル、合成繊維(ナイロン、ポリエステル等)で作られたマイクロファイバータオルを使用することもできる。
【0031】
垢擦りタオル12(ボディタオル)は、縦方向(一方向)へ長い長方形に成形され、縦方向へ延びる両側縁25,26及び幅方向(交差方向)へ延びる両端縁27,28を有するとともに、所定面積の長方形の前面29及び背面30を有する。垢擦りタオル12は、浴用タオル11の色とは異なる色に着色されている。例えば、浴用タオル11の色が白である場合、垢擦りタオル12が白以外の色に着色される。尚、垢擦りタオル12の少なくとも一部が浴用タオル11と異なる色に着色されていればよい。又、垢擦りタオル12と浴用タオル11とが同一の色であってもよい。垢擦りタオル12には、レーヨンやナイロン、ポリエステル、アクリル等の合成繊維から作られたそれが使用されているが、絹や綿、麻から作られた垢擦りタオル12を使用することもできる。
【0032】
複合タオル10Aでは、浴用タオル11の背面24に垢擦りタオル12の前面29が重なり、浴用タオル11の背面24と垢擦りタオル12の前面29とが当接している。尚、浴用タオル11の前面23に垢擦りタオル12の背面30が重なり、浴用タオル11の前面23と垢擦りタオル12の背面30とが当接していてもよい。
【0033】
複合タオル10Aでは、垢擦りタオル12の一方の側縁25が浴用タオル11の一方の側縁19よりも2~5mm縦方向方に配置され、垢擦りタオル12の一方の側縁25が浴用タオル11の一方の側縁19の内側近傍に位置している。垢擦りタオル12の他方の側縁26が浴用タオル11の他方の側縁20よりも2~5mm縦方向内方に配置され、垢擦りタオル12の他方の側縁26が浴用タオル11の他方の側縁20の内側近傍に位置している。
【0034】
複合タオル10Aでは、垢擦りタオル12の一方の端縁27が浴用タオル11の一方の端縁21よりも2~4mm縦方向内方に配置され、垢擦りタオル12の一方の端縁27が浴用タオル11の一方の端縁21の内側近傍に位置している。垢擦りタオル12の他方の端縁28が浴用タオル11の他方の端縁22よりも2~5mm縦方向内方に配置され、垢擦りタオル12の他方の端縁28が浴用タオル11の他方の端縁の22内側近傍に位置している。
【0035】
尚、浴用タオル11の一方の側縁19に垢擦りタオル12の一方の側縁25が一致し、浴用タオル11の他方の側縁20に垢擦りタオル12の他方の側縁26が一致するとともに、浴用タオル11の一方の端縁21に垢擦りタオル12の一方の端縁27が一致し、浴用タオル11の他方の端縁22に垢擦りタオル12の他方の端縁28が一致していてもよい。
【0036】
垢擦りタオル12は、浴用タオル11に縫い糸31によって縫い付けられている。縫い糸31によって浴用タオル11に縫い付けられた垢擦りタオル12は、浴用タオル11に対して分離不能に連結されている。浴用タオル11と垢擦りタオル12とは、それらタオル11,12の一方の側縁19,25の内側近傍に沿って縦方向(一方向)へ延びる縫い糸31の第1逢着線30aによって逢着され、それらタオル11,12の他方の側縁20,26の内側近傍に沿って縦方向(一方向)へ延びる縫い糸31の第1逢着線30aによって逢着されている。それらタオル11,12の一方の端縁21,27の内側近傍に沿って幅方向(交差方向)へ延びる縫い糸31の第2逢着線30bによって逢着され、それらタオル11,12の他方の端縁22,28の内側近傍に沿って幅方向(交差方向)へ延びる縫い糸31の第2逢着線30bによって逢着されている。
【0037】
更に、浴用タオル11と垢擦りタオル12とは、それらタオル11,12の幅方向(交差方向)の幅寸法を三等分するように、浴用タオル11及び垢擦りタオル12の一方の端縁21,27から他方の端縁22,28に向かって一方向へ延びる縫い糸31の2本の第3逢着線32cによって逢着され、それらタオル11,12の縦方向(一方向)の長さ寸法を四等分するように、浴用タオル11及び垢擦りタオル12の一方の側縁19,25から他方の側縁20,26に向かって幅方向(交差方向)へ延びる縫い糸31の3本の第4逢着線32dによって逢着されている。
【0038】
尚、浴用タオル11と垢擦りタオル12との幅方向(交差方向)の幅寸法を二等分又は四等分するように、浴用タオル11及び垢擦りタオル12の一方の端縁21,27から他方の端縁22,28に向かって一方向へ延びる縫い糸の1本又は3本の第3逢着線32cによって逢着され、浴用タオル11と垢擦りタオル12との縦方向(一方向)の長さ寸法を二等分又は三等分するように、浴用タオル11及び垢擦りタオル12の一方の側縁19,25から他方の側縁20,26に向かって幅方向(交差方向)へ延びる縫い糸の1本又は2本の第4逢着線32dによって逢着されていてもよい。
【0039】
複合タオル10A(図5,6の複合タオル10Bを含む)の使用例は、複合タオル10Aをビニール袋から取出し、公衆浴場や温泉浴場に入浴中に、複合タオル10Aを形成する垢擦りタオル12にボディー石鹸を付けて泡立たせた後、垢擦りタオル12によって体を洗う。又は、垢擦りタオル12によって体を擦り、垢落としを行う。次に、入浴後に脱衣所等において複合タオル10Aを形成する浴用タオル11によって体を拭き、浴用タオル11によって体に次いだ水分を拭き取る。
【0040】
複合タオル10Aは、浴用タオル11又は垢擦りタオル12の使用中にそれらタオル11,12が分離すると、浴用タオル11や垢擦りタオル12を回収する手間や時間を要するが、浴用タオル11及び垢擦りタオル12の両側縁19,20,25,25が両側縁19,20,25,25の内側近傍に延びる縫い糸31の第1逢着線32aによる縫製によって縫い付けられ、それらタオル11,12の両端縁21,22,27,28が両端縁21,22,27,28の内側近傍に延びる縫い糸31の第2逢着線32bによる縫製によって縫い付けられ、更に、それらタオル11,12がそれらタオル11,12の幅方向(交差方向)の幅寸法を三等分する2本の縫い糸31の第3逢着線32cによる縫製によって縫い付けられているとともに、それらタオル11,12がそれらタオル11,12の縦方向(一方向)の長さ寸法を四等分する3本の縫い糸31の第4逢着線32dによる縫製によって縫い付けられているから、浴用タオル11を使用した体拭き中や垢擦りタオル12を使用した体洗い中又は垢擦り中に浴用タオル11と垢擦りタオル12とが不用意に分離することはなく、分離したタオル11,12の回収にかかる煩雑な作業を回避することができ、浴用タオル11を使用して体拭きを行うことができ、垢擦りタオル12を使用して体洗いや垢擦りを行うことができる。
【0041】
複合タオル10Aは、縫い糸31の第1~第4逢着線32a~31dによる縫製によって垢擦りタオル12が浴用タオル11に縫い付けられているから、垢擦りタオル12の使用中に垢擦りタオル12が浴用タオル11に対してズレ動くことはなく、垢擦りタオル12の不用意な捲れや偏りを防ぐことができ、利用面積が大きい垢擦りタオル12を使用して老廃物や角質、毛穴の汚れを確実に洗い落とすことができ、満足な垢擦り効果を得ることができる。
【0042】
複合タオル10Aは、垢擦りタオル12が浴用タオル11と異なる色に着色されることで、浴用タオル11と垢擦りタオル12とを容易に区別することができ、浴用タオル11を使用して体拭きを確実に行うことができ、垢擦りタオル12を使用して体洗いや垢擦りを確実に行うことができる。
【0043】
図5は、浴用タオル11の側から見た複合タオル10Bの他の一例を示す平面図であり、図6は、垢擦りタオル12の側から見た図5の複合タオル10Bの平面図である。図7は、図5のC-C線端面図であり、図8は、図5のD-D線端面図である。図5,6では、縦方向(一方向)を矢印Xで示し、幅方向(交差方向)を矢印Yで示す。
【0044】
図5に示す複合タオル10Bは、浴用タオル11(温泉タオル)と垢擦りタオル12(ボディタオル)とから形成されている。浴用タオル11と垢擦りタオル12とは、略同形同大に成形され、浴用タオル11と垢擦りタオル12との大きさ(面積)が同一である。尚、垢擦りタオル12の大きさ(面積)が浴用タオル11の大きさ(面積)よりもわずかに小さくてもよい。
【0045】
複合タオル10Bは、縦方向(一方向)へ長い長方形に成形され、縦方向へ延びる両側縁部13,14及び縦方向と交差する幅方向(交差方向)へ延びる両端縁部15,16とを有するとともに、所定面積の長方形の前面17及び背面18を有する。浴用タオル11(温泉タオル)は、縦方向(一方向)へ長い長方形に成形され、縦方向へ延びる両側縁19,20及び縦方向と交差する幅方向(交差方向)へ延びる両端縁21,22とを有するとともに、所定面積の長方形の前面23及び背面24を有する。浴用タオル11は、図1の複合タオル10Aを形成する浴用タオル11と同一であり、半合成繊維や再生繊維、無機繊維、合成繊維等の化学繊維又は綿(コットン)や麻、絹等の天然繊維から作られた織物である。
【0046】
垢擦りタオル12(ボディタオル)は、縦方向(一方向)へ長い長方形に成形され、縦方向へ延びる両側縁25,26及び幅方向(交差方向)へ延びる両端縁27,28を有するとともに、所定面積の長方形の前面29及び背面30を有する。垢擦りタオル12は、浴用タオル11の色とは異なる色に着色されている。尚、垢擦りタオル12の少なくとも一部が浴用タオル11と異なる色に着色されていればよい。又、垢擦りタオル12と浴用タオル11とが同一の色であってもよい。垢擦りタオル12には、図1の複合タオル10Aを形成する垢擦りタオル12と同様に、レーヨンやナイロン、ポリエステル、アクリル等の合成繊維から作られたそれが使用されているが、絹や綿、麻から作られた垢擦りタオル12を使用することもできる。
【0047】
複合タオル10Bでは、浴用タオル11の背面24に垢擦りタオル12の前面29が重なっている。尚、浴用タオル11の前面23に垢擦りタオル12の背面30が重なっていてもよい。複合タオル10Bでは、浴用タオル11の一方の側縁19に垢擦りタオル12の一方の側縁25が略一致し、浴用タオル11の他方の側縁20に垢擦りタオル12の他方の側縁26が略一致するとともに、浴用タオル11の一方の端縁21に垢擦りタオル12の一方の端縁27が略一致し、浴用タオル11の他方の端縁22に垢擦りタオル12の他方の端縁28が略一致している。
【0048】
尚、複合タオル10Bでは、垢擦りタオル12の一方の側縁25が浴用タオル11の一方の側縁19よりも2~5mm縦方向内方に配置され、垢擦りタオル12の一方の側縁25が浴用タオル11の一方の側縁19の内側近傍に位置していてもよく、垢擦りタオル12の他方の側縁26が浴用タオル11の他方の側縁20よりも2~5mm縦方向内方に配置され、垢擦りタオル12の他方の側縁26が浴用タオル11の他方の側縁20の内側近傍に位置していてもよい。更に、垢擦りタオル12の一方の端縁27が浴用タオル11の一方の端縁21よりも2~4mm縦方向内方に配置され、垢擦りタオル12の一方の端縁27が浴用タオル11の一方の端縁21の内側近傍に位置していてもよく、垢擦りタオル12の他方の端縁28が浴用タオル11の他方の端縁22よりも2~5mm縦方向内方に配置され、垢擦りタオル12の他方の端縁28が浴用タオル11の他方の端縁22の内側近傍に位置していてもよい。
【0049】
垢擦りタオル12は、浴用タオル11に仮縫い糸33によって仮縫いされている。仮縫い糸33によって浴用タオル11に仮縫いされた垢擦りタオル12は、浴用タオル12に対して分離可能に連結されている。浴用タオル11と垢擦りタオル12とは、浴用タオル11及び垢擦りタオル12の後記する第1逢着線35aの仮縫い始点39から第8逢着線35hの仮縫い終点40に向かって一連に繋がる仮縫い糸33によって仮縫いされている。仮縫い糸33は、浴用タオル11及び垢擦りタオル12に対して引き抜き可能に仮縫いされている。
【0050】
浴用タオル11と垢擦りタオル12とは、浴用タオル11及び垢擦りタオル12の他方の側縁20,26と一方の端縁21,27とが交差する第1交差位置34からそれらタオル11,12の一方の端縁21,27に沿って幅方向(交差方向)へ延びる仮縫い糸33の第1逢着線35aによって分離可能に逢着され(仮縫いされ)、それらタオル11,12の一方の側縁19,25と一方の端縁21,27とが交差する第2交差位置36からそれらタオル11,12の一方の側縁19,25と他方の端縁22,28とが交差する第3交差位置37に向かってそれらタオル19,25の一方の側縁19,25に沿って縦方向(一方向)へ延びる仮縫い糸33の第2逢着線35bによって分離可能に逢着されているとともに(仮縫いされているとともに)、第3交差位置37からそれらタオル11,12の他方の側縁2026と他方の端縁22,28とが交差する第4交差位置38に向かってそれらタオル11,12の他方の端縁22,28に沿って幅方向(交差方向)へ延びる仮縫い糸33の第3逢着線35cによって分離可能に逢着されている(仮縫いされている)。
【0051】
第4交差位置38から第2交差位置36に向かって斜め方向へ延びる仮縫い糸33の第4逢着線35dによって浴用タオル11と垢擦りタオル12とが分離可能に逢着され(仮縫いされ)、第2交差位置36から第1交差位置34に向かってそれらタオル11,12の一方の端縁21,27に沿って幅方向(交差方向)へ延びる仮縫い糸33の第5逢着線35eによって浴用タオル11と垢擦りタオル12とが分離可能に逢着されているとともに(仮縫いされているとともに)、第1交差位置34から第3交差位置37に向かって斜め方向へ延びる仮縫い糸33の第6逢着線35fによって浴用タオル11と垢擦りタオル12とが分離可能に逢着されている(仮縫いされている)。
【0052】
更に、第3交差位置37から第4交差位置38に向かってそれらタオル11,12の他方の端縁22,28に沿って幅方向(交差方向)へ延びる仮縫い糸33の第7逢着線35gによって浴用タオル11と垢擦りタオル12とが分離可能に逢着され(仮縫いされ)、第4交差位置38から第1交差位置34に向かってそれらタオル11,12の他方の側縁20,26に沿って縦方向(一方向)へ延びる仮縫い糸33の第8逢着線35hによって浴用タオル11と垢擦りタオル12とが分離可能に逢着されている(仮縫いされている)。
【0053】
第2逢着線35bは、第1逢着線35aに一連に繋がり、第3逢着線35cは、第2逢着線35bに一連に繋がり、第4逢着線35dは、第3逢着線35cに一連に繋がっている。第5逢着線35eは、第4逢着線35dに一連に繋がり、第6逢着線35fは、第5逢着線35eに一連に繋がり、第7逢着線35gは、第6逢着線35fに一連に繋がっている。第8逢着線35hは、第7逢着線35gに一連に繋がっている。第1逢着線35a~第8逢着線35hは、第1逢着線35a→第2逢着線35b→第3逢着線35c→第4逢着線35d→第5逢着線35e→第6逢着線35f→第7逢着線35g→第8逢着線35hの順で一つながりになっている。
【0054】
第1逢着線35aの第1交差位置34に位置する始端は、仮縫い始点39(縫い始め)になっている。仮縫い始点39では、仮縫い糸33が浴用タオル11及び垢擦りタオル12の外側に露出している。第8逢着線35hの第1交差位置34に位置する終端は、仮縫い終点40(縫い終わり)になっている。仮縫い終点40では、仮縫い糸33が浴用タオル11及び垢擦りタオル12の外側に露出している。仮縫い始点39及び仮縫い終点40は、第1交差位置34に位置し、略同一地点に存在する。
【0055】
第1交差位置34に位置する第1逢着線35aの始点及び第8逢着線35hの終点では、仮縫い始点39及び仮縫い終点40において仮縫い糸33の一方の端部と仮縫い糸33の他方の端部とを結んだ連結部41(結び目)が作られている。連結部41では、仮縫い糸33の一方の端部と仮縫い糸33の他方の端部とが固結びされ、一方の端部と他方の端部とが解け難くなっている。仮縫い糸33の連結部41(結び目)は、連結部41を除く他の部位における仮縫い糸33の色と異なる色に着色され、連結部41(結び目)を表す目印になっている。尚、目印として、浴用タオル11と垢擦りタオル12とのうちの少なくとも一方に連結部41(結び目)を指す矢印が表示されていてもよい。
【0056】
複合タオル10Bでは、連結部41(結び目)において仮縫い糸33の一方の端部(第1逢着線35aの始点)と仮縫い糸33の他方の端部(第8逢着線35hの終点)との連結を解除し(連結部41(結び目)において仮縫い糸33の一方の端部と仮縫い糸33の他方の端部とを切り離し)、仮縫い糸33の一方の端部を幅方向外方へ引っ張ることで、仮縫い糸33が第8逢着線35hから第1逢着線35aに向かって浴用タオル11及び垢擦りタオル12から次第に引き抜かれ、又は、仮縫い糸22の他方の端部を縦方向外方へ引っ張ることで、仮縫い糸22が第1逢着線35aから第8逢着線35hに向かって浴用タオル11及び垢擦りタオル12から次第に引き抜かれる。仮縫い糸33の全てを浴用タオル11及び垢擦りタオル12から引き抜くことで、仮縫い糸33による浴用タオル11と垢擦りタオル12との連結が解除され、浴用タオル11と垢擦りタオル12とが分離される。
【0057】
尚、図示はしていないが、浴用タオル11と垢擦りタオル12とは、浴用タオル11及び垢擦りタオル12の他方の側縁20,27と一方の端縁21,27とが交差する第1交差位置34からそれらタオル11,12の一方の側縁19,25と一方の端縁21,27とが交差する第2交差位置36に向かってそれらタオル11,12の一方の端縁21,27に沿って幅方向(交差方向)へ延びる仮縫い糸33の第1逢着線35aによって分離可能に逢着され(仮縫いされ)、第2交差位置36からそれらタオル11,12の一方の側縁19,20と他方の端縁22,28とが交差する第3交差位置37に向かってそれらタオル11,12の一方の側縁19,25に沿って縦方向(一方向)へ延びる仮縫い糸33の第2逢着線35bによって分離可能に逢着されているとともに(仮縫いされているとともに)、第3交差位置37からそれらタオル11,12の他方の側縁20,26と他方の端縁22,28とが交差する第4交差位置38に向かってそれらタオル11,12の他方の端縁22,28に沿って幅方向(交差方向)へ延びる仮縫い糸33の第3逢着線35cによって分離可能に逢着され(仮縫いされ)、第4交差位置38から第1交差位置34に向かってそれらタオル11,12の他方の側縁20,26に沿って縦方向(一方向)へ延びる仮縫い糸33の第4逢着線35dによって分離可能に逢着されていてもよい(仮縫いされていてもよい)。この場合、浴用タオル11及び垢擦りタオル12の両側縁19,20,25,26近傍及び両端縁21,22,27,28近傍が仮縫い糸33によって仮縫いされる。
【0058】
浴用タオル11及び垢擦りタオル12が第1逢着線35a~第4逢着線35dにおいて仮縫い糸33によって仮縫いされる場合、第1逢着線35a~第4逢着線35dは、第1逢着線35a→第2逢着線35b→第3逢着線35c→第4逢着線35dの順で一つながりになる。第1逢着線35aの第1交差位置34に位置する始端が仮縫い始点39(縫い始め)になり、仮縫い始点39において仮縫い糸33が浴用タオル11及び垢擦りタオル12の外側に露出している。第4逢着線35dの第1交差位置34に位置する終端が仮縫い終点40(縫い終わり)になり、仮縫い終点40において仮縫い糸33が浴用タオル11及び垢擦りタオル12の外側に露出している。仮縫い始点39及び仮縫い終点40は、第1交差位置34に位置し、略同一地点に存在する。
【0059】
第1交差位置34に位置する第1逢着線35aの始点及び第4逢着線35dの終点では、仮縫い始点39及び仮縫い終点40において仮縫い糸33の一方の端部と仮縫い糸33の他方の端部とを結んだ連結部41(結び目)が作られている。連結部41では、仮縫い糸33の一方の端部と仮縫い糸33の他方の端部とが固結びされ、一方の端部と他方の端部とが解け難くなっている。仮縫い糸33の連結部41(結び目)は、連結部41を除く他の部位における仮縫い糸33の色と異なる色に着色されている。
【0060】
複合タオル10Bでは、連結部41(結び目)において仮縫い糸33の一方の端部(第1逢着線35aの始点)と仮縫い糸33の他方の端部(第4逢着線35dの終点)との連結を解除し(連結部41(結び目)において仮縫い糸33の一方の端部と仮縫い糸33の他方の端部とを切り離し)、仮縫い糸33の一方の端部を幅方向外方へ引っ張ることで、仮縫い糸33が第4逢着線35dから第1逢着線35aに向かって浴用タオル11及び垢擦りタオル12から次第に引き抜かれ、又は、仮縫い糸33の他方の端部を縦方向外方へ引っ張ることで、仮縫い糸33が第1逢着線35aから第4逢着線35dに向かって浴用タオル11及び垢擦りタオル12から次第に引き抜かれる。仮縫い糸33の全てを浴用タオル11及び垢擦りタオル12から引き抜くことで、仮縫い糸33による浴用タオル11と垢擦りタオル12との連結が解除され、浴用タオル11と垢擦りタオル12とが分離される。
【0061】
複合タオル10Bは、浴用タオル11及び垢擦りタオル12が仮縫い糸33の第1~第8逢着線35a~35h又は第1~第4逢着線35a~35dによって仮縫いされているから、浴用タオル11を使用した体拭き中や垢擦りタオル12を使用した体洗い中又は垢擦り中に浴用タオル11と垢擦りタオル12とが不用意に分離することはなく、浴用タオル11を使用して体拭きを確実に行うことができ、垢擦りタオル12を使用して体洗いや垢擦りを確実に行うことができる。
【0062】
複合タオル10Bは、複合タオル10B1つで洗面及び入浴後の体拭きとして使用することができるとともに、入浴中の体洗いや垢擦りとして使用することができることはもちろん、第1~第8逢着線35a~35h又は第1~第4逢着線35a~35dに延びる縫い糸33が一連に繋がっているから、仮縫い糸33の連結部41(結び目)を解除して仮縫い糸33の一方の端部と他方の端部とを分離させた後、仮縫い糸33の一方の端部又は他方の端部を引っ張って仮縫い始点39から仮縫い終点40に向かって一連に繋がる仮縫い糸33を浴用タオル11及び垢擦りタオル12から引き抜くことで、それらタオル11,12の連結が解除されるから、浴用タオル11と垢擦りタオル12とを容易に分離することができ、それらタオル11,12の用途に応じてそれらタオル11,12を別々に使用することができる。
【0063】
複合タオル10Bは、仮縫い糸33の連結部41(結び目)が連結部41を除く他の部位における仮縫い糸33の色と異なる色に着色され、その色が連結部41(結び目)を表す目印になっているから、仮縫い糸33の連結部41(結び目)が容易に分かり、仮縫い糸33の連結部41(結び目)を解除して仮縫い糸33の一方の端部又は他方の端部を引っ張り、浴用タオル11と垢擦りタオル12とを確実に分離することができる。
【0064】
複合タオル10Bは、垢擦りタオル12が浴用タオル11と異なる色に着色されることで、浴用タオル11と垢擦りタオル12とを容易に区別することができ、浴用タオル11を使用して体拭きを確実に行うことができ、垢擦りタオル12を使用して体洗いや垢擦りを確実に行うことができる。
【符号の説明】
【0065】
10A 複合タオル
10B 複合タオル
11 浴用タオル(温泉タオル)
12 垢擦りタオル(ボディタオル)
13 側縁部
14 側縁部
15 端縁部
16 端縁部
17 前面
18 背面
19 側縁
20 側縁
21 端縁
22 端縁
23 前面
24 背面
25 側縁
26 側縁
27 端縁
28 端縁
29 前面
30 背面
31 縫い糸
32a 第1逢着線
32b 第2逢着線
32c 第3逢着線
32d 第4逢着線
33 仮縫い糸
34 第1交差位置
35a 第1逢着線
35b 第2逢着線
35c 第3逢着線
35d 第4逢着線
35e 第5逢着線
35f 第6逢着線
35g 第7逢着線
35h 第8逢着線
36 第2交差位置
37 第3交差位置
38 第4交差位置
39 仮縫い始点
40 仮縫い終点
41 連結部(結び目)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8