(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076463
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】照明装置、及び表示装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240530BHJP
F21V 7/00 20060101ALI20240530BHJP
F21V 7/28 20180101ALI20240530BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
F21S2/00 484
F21V7/00 570
F21S2/00 482
F21V7/28
G02F1/13357
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187987
(22)【出願日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安永 博敏
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 寿史
(72)【発明者】
【氏名】増田 岳志
【テーマコード(参考)】
2H391
3K244
【Fターム(参考)】
2H391AA03
2H391AB04
2H391AC13
2H391AC26
2H391AC32
2H391CB13
2H391EA05
3K244AA01
3K244BA08
3K244BA26
3K244BA48
3K244CA02
3K244DA01
3K244GA01
3K244GA02
3K244GA03
3K244GA04
3K244GA05
3K244GA08
3K244GA10
(57)【要約】
【課題】薄型化しつつ、輝度ムラを抑制する。
【解決手段】表示パネル20に光を照射する照明装置30であって、表示パネル20と反対側に臨む発光面52Aを有する複数の光源52と、表示パネル20と反対側に複数の光源の実装面51Aを具備し、透光性を有する光源基板51と、光源基板51の表示パネル20と反対側に発光面52Aと所定の間隔を空けて設けられ、光源52からの光を光源基板51に向かって反射する反射層80と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルに光を照射する照明装置であって、
前記表示パネルと反対側に臨む発光面を有する複数の光源と、
前記表示パネルと反対側に前記複数の光源の実装面を具備し、透光性を有する光源基板と、
前記光源基板の前記表示パネルと反対側に前記発光面と所定の間隔を空けて設けられ、前記光源からの光を前記光源基板に向かって反射する反射層と、を備える照明装置。
【請求項2】
前記光源は、前記発光面の面積が0.01mm2以上1.0mm2以下のLEDである請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記光源は単色発光型であり、
前記光源基板の前記表示パネル側に設けられ、前記光源からの光を波長変換するための波長変換部材をさらに備える請求項1又は請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記反射層は、前記光源基板側の面における前記発光面との対向位置に、表面が曲面状をなす窪み部を有する請求項1又は請求項2に記載の照明装置。
【請求項5】
前記反射層は、前記光源基板側の面が平坦なシート状部材である請求項1又は請求項2に記載の照明装置。
【請求項6】
前記反射層の前記光源基板側の面は、光を拡散反射する請求項1又は請求項2に記載の照明装置。
【請求項7】
前記反射層の前記光源基板側の面は、白色の樹脂材料からなる請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記反射層の前記光源基板側の面は、光を鏡面反射する請求項1又は請求項2に記載の照明装置。
【請求項9】
前記反射層の前記光源基板側の面は、金属材料からなる請求項8に記載の照明装置。
【請求項10】
前記光源基板と前記反射層との間には透明樹脂材料が充填されている請求項1又は請求項2に記載の照明装置。
【請求項11】
前記実装面は、各々が少なくとも1つの前記光源を含む大きさを有する複数の分割領域に区分され、
前記複数の光源は、前記分割領域毎に独立して駆動可能である請求項1又は請求項2に記載の照明装置。
【請求項12】
請求項1又は請求項2に記載の照明装置を備える表示装置。
【請求項13】
前記表示パネルは液晶パネルである請求項12に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の技術は、照明装置、及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置において輝度ムラを抑制する技術が種々提案されており、その一例が特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の液晶表示装置は、発光部と、液晶表示素子と、これらの間に配置される拡散板と、を備える。発光部は、散乱反射面である光反射面、及び光透過面を有する導光体と、導光体に埋設された1個以上の発光素子と、を備える。光反射面と光透過面のなす角の平均は7~23゜の間とされる。このような構成にすれば、発光素子の光量を増大せずに、光の強度分布を均一化できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、照明装置を非常に薄型化すると、上記した特許文献1に記載の構成によっても光の強度分布を均一化するのは難しく、光源の配置に起因した輝度ムラが生じてしまうのが実情である。
【0005】
本願明細書に記載の技術は上記のような実情に基づいて完成されたものであって、薄型化しつつ、輝度ムラを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本技術に関わる照明装置は、表示パネルに光を照射する照明装置であって、前記表示パネルと反対側に臨む発光面を有する複数の光源と、前記表示パネルと反対側に前記複数の光源の実装面を具備し、透光性を有する光源基板と、前記光源基板の前記表示パネルと反対側に前記発光面と所定の間隔を空けて設けられ、前記光源からの光を前記光源基板に向かって反射する反射層と、を備える。
【0007】
(2)また、上記照明装置は、上記(1)に加え、前記光源は、前記発光面の面積が0.01mm2以上1.0mm2以下のLEDであってもよい。
【0008】
(3)また、上記照明装置は、上記(1)又は(2)に加え、前記光源は単色発光型であり、前記光源基板の前記表示パネル側に設けられ、前記光源からの光を波長変換するための波長変換部材をさらに備えていてもよい。
【0009】
(4)また、上記照明装置は、上記(1)から(3)のいずれか1つに加え、前記反射層は、前記光源基板側の面における前記発光面との対向位置に、表面が曲面状をなす窪み部を有していてもよい。
【0010】
(5)また、上記照明装置は、上記(1)から(3)のいずれか1つに加え、前記反射層は、前記光源基板側の面が平坦なシート状部材であってもよい。
【0011】
(6)また、上記照明装置は、上記(1)から(5)のいずれか1つに加え、前記反射層の前記光源基板側の面は、光を拡散反射してもよい。
【0012】
(7)また、上記照明装置は、上記(6)に加え、前記反射層の前記光源基板側の面は、白色の樹脂材料からなっていてもよい。
【0013】
(8)また、上記照明装置は、上記(1)から(5)のいずれか1つに加え、前記反射層の前記光源基板側の面は、光を鏡面反射してもよい。
【0014】
(9)また、上記照明装置は、上記(8)に加え、前記反射層の前記光源基板側の面は、金属材料からなっていてもよい。
【0015】
(10)また、上記照明装置は、上記(1)から(9)のいずれか1つに加え、前記光源基板と前記反射層との間には透明樹脂材料が充填されていてもよい。
【0016】
(11)また、上記照明装置は、上記(1)から(10)のいずれか1つに加え、前記実装面は、各々が少なくとも1つの前記光源を含む大きさを有する複数の分割領域に区分され、前記複数の光源は、前記分割領域毎に独立して駆動可能であってもよい。
【0017】
(12)本技術に関わる照明装置は、上記(1)から(11)のいずれか1つに記載の照明装置を備える。
【0018】
(13)また、上記照明装置は、上記(12)に加え、前記表示パネルは液晶パネルであってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本技術によれば、薄型化しつつ、輝度ムラを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図4】実施形態2に係るバックライト装置のLED付近を拡大した部分断面図
【
図5】他の実施形態に係るバックライト装置のLED付近を拡大した部分断面図
【
図6】他の実施形態に係るバックライト装置のLED付近を拡大した部分断面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態1>
実施形態1を
図1から
図3を参照して説明する。本実施形態では、バックライト装置30(照明装置の一例)を備えた液晶表示装置(表示装置の一例)10について例示する。なお、各図面には、X軸、Y軸、及びZ軸を示しており、各軸方向が各図で共通した方向となるように描かれている。また、Z軸方向において液晶パネル20側を表側とし、バックライト装置30側を裏側とする。
【0022】
液晶表示装置10は、
図1に示すように、画像を表示する液晶パネル(表示パネルの一例)20と、液晶パネル20に光を照射するバックライト装置(照明装置の一例)30と、ベゼル14(表ベゼル)と、を備える。液晶パネル20は、画像を表示可能な表示面20Aが表側を向いた姿勢で、ベゼル14と後述するバックライト装置30のシャーシ40(裏ベゼル)との間に挟持されている。液晶パネル20の面内は、画像を表示する表示領域AAと、表示領域AAを取り囲むように額縁状をなし画像が表示されない非表示領域NAAと、に区分されている。本実施形態における液晶パネル20、バックライト装置30、及び液晶表示装置10は、全体として横長な矩形状をなし、長辺方向が各図面のX軸方向と一致し、短辺方向がY軸方向と一致し、厚さ方向がZ軸方向と一致しているが、図示の形状は一例であり、限定されない。
【0023】
ベゼル14は、
図1に示すように、液晶パネル20の表側に配置される支持部材である。ベゼル14は、液晶パネル20の表側の周縁部に沿って延在しており、液晶表示装置10の表側の外観を構成している。ベゼル14は、例えば剛性に優れた金属(ステンレス鋼、アルミニウム等)からなる。
【0024】
バックライト装置30は、
図1に示すように、複数のLED52(光源の一例)と、LED52を実装するLED基板51(光源基板の一例)と、波長変換シート60(色変換シート、波長変換部材の一例)と、複数種類の光学シート33と、反射層80と、シャーシ40と、フレーム45と、を備える。LED52は、液晶パネル20の裏側(下側)に面状に配されており、バックライト装置30はいわゆる直下型のバックライト装置である。
【0025】
シャーシ40は、
図1に示すように、光出射側(液晶パネル20側)に向けて開口したトレー状をなし、その底部41上に反射層80が設置されている。シャーシ40は、例えば金属製(ステンレス鋼、アルミニウム等)とされる。シャーシ40の外周縁部は表側に突出して側壁42を構成している。フレーム45は、枠状をなし、シャーシ40の側壁42の内側に設けられ、側壁42と隣接している。フレーム45は、例えば光反射性に優れた白色ポリカーボネート等の樹脂からなる。フレーム45の内面には段差が形成されており、段差上に、LED52を実装したLED基板51、波長変換シート60、及び各種の光学シート33が積み重ねて設置されている。ただし、これらの部材は、フレーム45ではなく、別部材によって支持されていても構わない。
【0026】
ベゼル14、フレーム45、及びシャーシ40は、液晶パネル20及びバックライト装置30を一体的に保持している。ベゼル14、及びフレーム45等には、固定及び遮光のためにテープ状部材が適宜貼り付けられていてもよい。またベゼル14、及びフレーム45は、非枠状であっても構わない。
【0027】
LED52は、
図1及び
図2に示すように、矩形状をなすLED基板51の裏側の主面(実装面51A)上に、X軸方向(行方向)及びY軸方向(列方向)についてそれぞれほぼ等間隔に格子状(マトリックス状)に配されている。LED52は直方体状をなし、底面が実装面51Aに配されて、底面と反対側の上面が発光面52Aとなる、いわゆる頂面発光型(トップビュー型)とされる。発光面52Aは、液晶パネル20と反対側に臨んでおり、反射層80と対向している。LED52の光軸(発光光の発光強度が最も高い(ピークとなる)光の進行方向)はZ軸方向である。
【0028】
LED52は、発光面52Aの面積が5.0mm2以下と、一般的なLED(発光面の面積が10.0mm2程度)に比して小さい小型LEDである。LED52は、発光面52Aの面積が0.01mm2以上1.0mm2以下のいわゆるミニLED、又はマイクロLEDであることが好ましい。本実施形態に係るLED52は、単色発光型であり、小型化のために蛍光体を含有していない。LED52は、例えば約420nmから約500nmの波長領域に含まれる青色光(一次光)を発光する。LED52は、単色発光素子が蛍光体非含有の透明樹脂材料からなる封止材によって封止された構成をなしている。なお、LED52は、蛍光体を含有する白色発光型であっても構わず、CSP(Chip Scale Package)又はフリップチップタイプ等の小型化パッケージが用いられていても構わない。
【0029】
LED基板51は、透光性を有する基板(例えばガラス基板)に、導電材料からなる配線パターンが形成された構成をなしている。LED基板51の実装面51Aは、
図1に示すように、液晶パネル20と反対側、すなわちシャーシ40の底部41側を向くように設けられている。すなわち、LED基板51の裏側の主面が実装面51Aとなる。実装面51Aには、透明な保護層が形成されていてもよい。保護層は、例えばシリコンモールドや、OCAで接着したPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂層とされる。また例えば保護層は、透明樹脂材料をポッティングすることで、実装面51Aの一部に形成してもよい。
【0030】
実装面51Aは、
図2に示すように、隙間なく行列状に並ぶ複数の分割領域(分割領域、セグメント領域)DAに区分されている。本実施形態では、各分割領域DAは矩形状をなし、その中央部にLED52が1個ずつ含まれている。分割領域DAは、少なくとも1個のLED52を含む大きさを有していればよく、分割領域DAのピッチ、及び各分割領域DAに含まれるLED52の個数は、液晶パネル20の画面サイズや用途、要求精度に応じて適宜変更可能である。
【0031】
LED52には、LED基板51に形成された配線パターンを介して外部電源から駆動電力が供給される。バックライト装置30は、LED52に供給される駆動電力が分割領域DA毎に独立して制御されるローカルディミング駆動が行われるように当該配線パターン等が構成されている。これによりLED52の発光量は分割領域DA毎に局所的に調節可能となっている。バックライト装置30及び液晶表示装置10は、ローカルディミング駆動によって高精細かつ高コントラストな輝度調整、及び低消費電力化が可能となっている。
【0032】
波長変換シート60は、LED52の発光光(一次光)をより長波長の光(二次光)へ波長変換する。より詳しくは、波長変換シート60は、LED52からの青色光の一部を透過させると共に、青色光の他の一部を吸収して黄色光を発光する。バックライト装置30は、単色発光型のLED52を波長変換シート60と組み合わせて用いることで白色の合成光(混合光)を出射している。ただしLED52が白色発光型である場合、波長変換シート60は設けられていなくても構わない。
【0033】
波長変換シート60は、波長変換層と、波長変換層の一対の主面のうち一方、又は両方に設けられる基材と、を有する。波長変換層は、蛍光体を含有している。蛍光体は、一次光を異なる波長領域に含まれる二次光に波長変換できればその種類は限定されず、例えば量子ドット蛍光体、無機蛍光体、有機蛍光体とされる。基材は、波長変換層を支持する部分であって、例えば透明性の高い樹脂製(例えばポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂)とされる。基材には、後述するダイクロイックシートを用いてもよく、ダイクロイックシートと透明樹脂シートを透明粘着材(OCA(Optical Clear Adhesive)等)によって貼り合わせたものを用いてもよい。
【0034】
光学シート33は、LED基板51と液晶パネル20との間に介在して配されることで、LED52からの光に所定の光学作用を付与する。光学シート33は種々様々なものが知られており、液晶表示装置10の用途等に応じて1種類又は複数種類のものが適宜用いられる。本実施形態では光学シート33として、
図1に示すように、LED基板51と波長変換シート60との間にダイクロイックシート(ダイクロイックフィルター)33Aが配されている。また、波長変換シート60と液晶パネル20との間に、光拡散シート33B、2枚の輝度向上シート33C,33Dが配されている。
【0035】
ダイクロイックシート33Aは、バンドパスフィルタ機能を有する光学シートであって、波長変換シート60と組み合わせることで、色再現性を向上できる。本実施形態のダイクロイックシート33Aは、LED52からの青色光を透過させ、波長変換シート60からの黄色光(緑色光及び赤色光の混合光)を反射するフィルター機能を有する。
【0036】
光拡散シート33Bは、波長変換シート60からの光に拡散作用を付与することで、面内均一性を向上させる。光拡散シート33Bの厚さは、例えば30μm程度から3mm程度の範囲とされる。輝度向上シート33C,33Dは、光拡散シート33Bからの出射光に集光作用を付与し、正面輝度を高めている。
【0037】
輝度向上シート33C,33Dとして例えば、3M社のBEF(Brightness Enhancement Film)(登録商標)シリーズを用いることができる。2枚の輝度向上シート33C,33Dは、各々の単位レンズ(例えば断面山状の単位レンズ)の延在方向が直交するように配されている。その他の光学シート33の具体例としては、DBEF(Dual Brightness Enhancement Film)(登録商標)シリーズ等の輝度向上シート、ターニングレンズ、拡散シート、プリズムシート(輝度向上シートやターニングレンズを除く、プリズムもしくはレンズ形状を有する光学シート)が挙げられる。
【0038】
反射層80は、
図1に示すように、LED基板51の裏側に、LED52の発光面52Aと所定の間隔を空けて設けられている。反射層80は、LED52からの光をLED基板51に向かって反射する。本実施形態に係る反射層80は、LED基板51側の主面が
平坦なシート状部材(反射シート)である。反射層80の少なくとも表側の主面80Aは、優れた反射性を有する。反射層80は例えば、ESR(Enhanced Specular Reflector)等のポリエステル系やPET系の白色樹脂シート、又は基材に白色塗料が塗布されたものからなる。このようにすれば、主面80Aが光を拡散反射(散乱反射)することで高反射率を実現できる。また反射層80は例えば、銀(Ag)やアルミニウム(Al)等の金属シート、又は基材に銀(Ag)やアルミニウム(Al)等の金属材料が蒸着されたものからなる。このようにすれば、主面80Aが光を鏡面反射することで高反射率を実現できる。
【0039】
次に、上記したバックライト装置30の作用及び効果について説明する。LED52の発光面52Aから裏側に発せられた光は、
図3に示すように、反射層80の表側の主面80AによってLED基板51に向かって反射される。LED基板51は透光性を有しており、反射によってLED基板51に入射した光は、LED基板51内を通過して、表側に出射される。従って、LED52からの光は、発光面52Aから対向する反射層80に伝播した後、反射層80からLED基板51に反射されるため、LED基板51と反射層80との間を往復することとなる。これにより、バックライト装置30が薄型化した(Z軸方向の寸法が小さくなった)場合であっても、LED52からの光が拡散するだけの厚み方向(Z軸方向)の距離を確保しやすくなる。
【0040】
また、発光面52Aは液晶パネル20と反対側に臨んでおり、LED52の近傍(LED52との重畳領域)の輝度が過度に大きく、一次光の色味(本実施形態では青色)を帯びてしまう輝度ムラや色ムラ(いわゆるホットスポット、LEDムラ)を抑制できる。その結果、薄型化しつつ、輝度ムラや色ムラを抑制できる。
【0041】
上記した反射層80からLED基板51に向かって反射された光は、仮にLED52に通常サイズのLEDが用いられると、LEDによって遮られやすくなってしまう。そこで、LED52に小型LED(いわゆるミニLED、マイクロLED)を用いることで、反射層80からの反射光のLED基板51の透過率を向上でき、光の利用効率の低下を抑制できる。
【0042】
<実施形態2>
実施形態2に係る反射層180について
図4を参照して説明する。実施形態2において、実施形態1と同様の構成、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0043】
反射層180は、表面が曲面状をなす窪み部181を有する。窪み部181は、反射層180の表側の面において、LED52の発光面52Aとの対向位置に設けられている。このようにすれば、反射層180からの反射光が、窪み部181によって表側へより集光されるようになる。その結果、非表示領域NAAと重畳する外周縁部に向かう光を減少し、光の利用効率を向上できる。
【0044】
また、ローカルディミング駆動によって複数のLED52の一部のみを駆動(点灯)した場合に、点灯するLED52を含むディミング領域(駆動ディミング領域)からの光が、LED52が駆動されていない周辺のディミング領域(非駆動ディミング領域)に伝搬してしまう事態を抑制できる。これにより、非駆動ディミング領域がわずかに光ってしまい、部分点灯時のバックライト装置30の輝度が低下したり、輝度のコントラストが低下してしまう事態を抑制できる。
【0045】
窪み部181は、反射層180と樹脂材料によって一体形成されており、例えば白色の樹脂材料からなる。これにより光を拡散反射(散乱反射)することで高反射率を実現できる。
【0046】
また反射層180は、
図5で示す他の実施形態のように、樹脂材料製の基材180Aに、銀(Ag)やアルミニウム(Al)等の金属層180Bが蒸着されたものであってもよい。このようにすれば、金属層180Bの表面が光を鏡面反射することで高反射率を実現できる。
【0047】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0048】
(1)LED基板51と反射層80、180との間には、
図6に一例を示すように、透明樹脂材料90が充填されていても構わない。
【符号の説明】
【0049】
10…液晶表示装置(表示装置)、20…液晶パネル(表示パネル)、30…バックライト装置(照明装置)、51…LED基板(光源基板)、51A…実装面、52…LED(光源)、52A…発光面、60…波長変換シート(波長変換部材)、80,180…反射層、181…窪み部、DA…分割領域