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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007649
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】会計装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
G07G1/00 301Z
G07G1/00 331A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108851
(22)【出願日】2022-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮島 惇
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142AA03
3E142BA18
3E142GA24
3E142GA41
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、メンテナンス時等の会計装置の転倒のリスクを低減することが可能な会計装置を提供することである。
【解決手段】実施形態の会計装置は、筐体と、前記筐体内部に、前記筐体から引き出し可能に収納された紙幣釣銭機と、前記筐体内部に、前記筐体から前記紙幣釣銭機と同方向に引き出し可能に収納された硬貨釣銭機と、前記紙幣釣銭機が引き出された場合に前記硬貨釣銭機が引き出しできないようにロックし、前記硬貨釣銭機が引き出された場合に前記紙幣釣銭機が引き出しできないようにロックする、ロック部と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内部に設けられた、前記筐体から引き出し可能に収納された紙幣釣銭機と、
前記筐体の内部に設けられた、前記筐体から前記紙幣釣銭機と同方向に引き出し可能に収納された硬貨釣銭機と、
前記紙幣釣銭機が引き出された場合に前記硬貨釣銭機が引き出しできないようにロックし、前記硬貨釣銭機が引き出された場合に前記紙幣釣銭機が引き出しできないようにロックする、ロック部と、
を備える会計装置。
【請求項2】
前記ロック部は、前記紙幣釣銭機が引き出された場合に前記硬貨釣銭機の引き出しを阻止する硬貨引き出し防止機構と、前記硬貨釣銭機が引き出された場合に前記紙幣釣銭機の引き出しを阻止する紙幣引き出し防止機構と、
を備えた請求項1に記載の会計装置。
【請求項3】
前記硬貨引き出し防止機構は、収納された前記紙幣釣銭機と当接する紙幣プッシャーと硬貨フックとを一体的に有し、前記紙幣釣銭機が引き出されると前記紙幣プッシャーと前記紙幣釣銭機との当接が外れて前記硬貨引き出し防止機構が回転して、前記硬貨フックが前記硬貨釣銭機と係止して前記硬貨釣銭機が引き出しできないようにロックし、
前記紙幣引き出し防止機構は、収納された前記硬貨釣銭機と当接する硬貨プッシャーと紙幣フックとを一体的に有し、前記硬貨釣銭機が引き出されると前記硬貨プッシャーと前記硬貨釣銭機との当接が外れて前記紙幣引き出し防止機構が回転して、前記紙幣フックが前記紙幣釣銭機と係止して前記紙幣釣銭機が引き出しできないようにロックする、
請求項2に記載の会計装置。
【請求項4】
前記硬貨引き出し防止機構および前記紙幣引き出し防止機構はともに基部に取り付けられた状態で同軸上で回動する、
請求項3に記載の会計装置。
【請求項5】
前記硬貨引き出し防止機構は、前記紙幣釣銭機が引き出された場合に、バネの付勢力によって回動し、前記紙幣引き出し防止機構は、前記硬貨釣銭機が引き出された場合に、バネの付勢力によって回動する、
請求項4に記載の会計装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、会計装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗では、会計装置を備えたセルフ型のチェックアウト方式が用いられる場合がある。セルフ型のチェックアウト方式の場合、店舗に設置された会計装置を顧客が操作し、購入する商品に係る商品登録操作や会計操作を行う。会計装置は、商品登録処理および会計処理を行う。
【0003】
また、商品登録装置と会計装置を備えたセミセルフ型のチェックアウト方式を用いる店舗もある。セミセルフ型のチェックアウト方式の場合、商品登録装置で店舗の店員が商品登録操作を行い、顧客は会計装置において会計操作を行う。会計装置は、会計処理を行う。
【0004】
このような会計装置は、現金で会計を行う顧客に対して釣銭を払い出す機能を有する。そのため会計装置は、紙幣の釣り銭を払い出す紙幣釣銭機と硬貨の釣り銭を払い出す硬貨釣銭機を内蔵する。
【0005】
紙幣釣銭機は、顧客に払い出すための相当量の紙幣を釣銭として収納する。硬貨釣銭機は、顧客に払い出すための相当量の硬貨を釣銭として収納する。このようなことから、紙幣釣銭機および硬貨釣銭機は、自身の重量に加えて収納された紙幣や硬貨の重量が加わるため、相当の重量となる。さらに、会計装置は顧客が操作することから、収納された紙幣や硬貨の回収回数や補充回数を減らすために、収納する紙幣や硬貨の量が大容量化されているため、紙幣釣銭機および硬貨釣銭機の重量はさらに重くなる傾向にある。
【0006】
ところで、会計装置は、紙幣や硬貨の回収や定期的なメンテナンスのため、紙幣釣銭機と硬貨釣銭機を同一方向(例えば前方)に引き出すことがある。紙幣釣銭機と硬貨釣銭機を同時に引き出すと、その重量によって会計装置の重量バランスが崩れて(重心位置がずれて)、会計装置は引き出された方向に転倒する危険性があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、メンテナンス時等の会計装置の転倒のリスクを低減することが可能な会計装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の会計装置は、筐体と、前記筐体内部に、前記筐体から引き出し可能に収納された紙幣釣銭機と、前記筐体内部に、前記筐体から前記紙幣釣銭機と同方向に引き出し可能に収納された硬貨釣銭機と、前記紙幣釣銭機が引き出された場合に前記硬貨釣銭機が引き出しできないようにロックし、前記硬貨釣銭機が引き出された場合に前記紙幣釣銭機が引き出しできないようにロックする、ロック部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る会計装置を斜め前方から見た外観図である。
図2図2は、会計装置の扉を開いて紙幣釣銭機を筐体から前方に引き出した状態を示す図である。
図3図3は、会計装置の扉を開いて硬貨釣銭機を筐体から前方に引き出した状態を示す図である。
図4図4は、会計装置を斜め後方(背面側)から見た外観図である。
図5図5は、ロック機構を分解した図である。
図6図6は、ロック機構の構成を示す図である。
図7図7は、ロック機構の一端部拡大した図であり、紙幣釣銭機と係止する構成を示す図である。
図8図8は、ロック機構の一端部拡大した図であり、硬貨釣銭機と係止する構成を示す図である。
図9図9は、紙幣釣銭機を筐体から引き出した状態の、ロック機構の硬貨釣銭機との係止状態を示す図である。
図10図10は、硬貨釣銭機を筐体から引き出した状態の、ロック機構の紙幣釣銭機との係止状態を示す図である。
図11図11は、第2実施形態に係る会計装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図12図12は、会計装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
図13図13は、会計装置の制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下第1実施形態について説明する。第1実施形態に係る会計装置は、例えばスーパーマーケット、コンビニエンスストア、量販店等の店舗に設置されるセミセルフチェックアウト装置(POS(Point of Sales)端末)における会計装置である。セミセルフチェックアウト装置は、店舗で販売される商品の商品登録処理および会計処理に使用される。セミセルフチェックアウト装置は、商品登録装置(図示せず)と会計装置とを有する。
【0011】
商品登録装置は、例えば店員が操作し、顧客が購入する商品の商品登録処理を実行する。商品登録処理とは、商品に付されているコードシンボル等を例えば光学的に読み取って当該商品を特定する商品特定情報を取得し、取得した商品特定情報に基づいて読み出した、当該商品の商品名や価格(商品情報)を表示部に表示するとともに、当該商品情報を記憶する処理をいう。
【0012】
会計装置は、顧客自身が操作し、会計処理を実行する。会計処理とは、商品登録処理を行った商品登録装置から受信した商品情報に基づいて、当該取引に係る合計金額の表示、現金やクレジットカード等のメディアによる決済処理、現金決済の場合に預り金に基づいて釣銭を計算して表示する処理、釣銭の発行を釣銭機に指示する処理、商品情報や会計情報(合計金額、預り金額、釣銭額等)を印字したレシートを印字部から発行する処理等をいう。
【0013】
図1は、第1実施形態に係る会計装置1の外観斜視図である。会計装置1は、例えば縦長で中空の略直方体状の筐体2を有する。会計装置1は、顧客が操作するために位置する前部に、筐体2の内部を開閉する扉21を備える。扉21は、筐体2に回動可能に取り付けられており、一側を軸心として回動することで筐体2の内部を開放および閉止する。
【0014】
会計装置1は、内部の下部に電源部や回路基板(いずれも図示せず)を有する。電源部は、会計装置1に電力を供給する。また、回路基板は、第2実施形態で後述する会計装置1の制御処理を実行する。
【0015】
会計装置1は、電源部等の上方であって筐体2の上下方向略中央部に、硬貨釣銭機4を有する。硬貨釣銭機4は、内部に、釣銭として支払う硬貨を収容する。硬貨釣銭機4は、扉21を回動して内部を開放した状態で、筐体2から前方(扉21の開放方向)に引き出す(前方にスライドさせる)ことができる。すなわち硬貨釣銭機4は、扉21を開いた状態で、筐体2に収納された収納位置と筐体2から前方に引き出された引き出し位置との間で移動可能となる。硬貨釣銭機4の筐体2からの引き出しは、操作者が硬貨釣銭機4を引き出す方向に移動させることで行われる。引き出された硬貨釣銭機4は、筐体2に対して押し込む(後方にスライドさせる)ことができる。硬貨釣銭機4の押し込みは、操作者が硬貨釣銭機4を筐体2に押し込む方向に移動させることで行われる。押し込まれた硬貨釣銭機4は、筐体2の内部の収納位置に収納される。
【0016】
硬貨釣銭機4は、前側(顧客が操作する側)に受皿47を有する。受皿47は、硬貨釣銭機4が釣銭として払い出した硬貨を受ける。受皿47は、扉21が閉止した状態で、扉21に前方に向けて設けられた開口部23から前方に突出した状態で露出する。顧客は、受皿47に払い出された硬貨を釣銭として受け取る。
【0017】
また、会計装置1は、硬貨釣銭機4上部であって筐体2の上部位置に、紙幣釣銭機3を有する。すなわち、紙幣釣銭機3と硬貨釣銭機4は、上下方向に配置される。紙幣釣銭機3は、内部に、釣り銭として支払う紙幣を収容する。紙幣釣銭機3は、扉21を回動して内部を開放した状態で、筐体2から前方(扉21の開放方向)に引き出す(前方にスライドさせる)ことができる。すなわち紙幣釣銭機3は、扉21を開いた状態で、筐体2に収納された収納位置と筐体2から前方に引き出された引き出し位置との間で移動可能となる。紙幣釣銭機3の引き出しは、操作者が紙幣釣銭機3を引き出す方向に移動させることで行われる。引き出された紙幣釣銭機3は、筐体2に対して押し込む(後方にスライドさせる)ことができる。紙幣釣銭機3の押し込みは、操作者が紙幣釣銭機3を筐体2に押し込む方向に移動させることで行われる。押し込まれた紙幣釣銭機3は、筐体2の内部に収納される。なお、詳細は後述するが、紙幣釣銭機3と硬貨釣銭機4を同時に筐体2から引き出すことはできない。
【0018】
紙幣釣銭機3は、上面に紙幣投入口31と紙幣受取口32を有する。紙幣投入口31は、預かり金としての紙幣を投入する口である。紙幣投入口31に投入された紙幣は紙幣釣銭機3に収容される。紙幣受取口32は紙幣釣銭機3が釣銭として払い出した紙幣を受ける。紙幣投入口31と紙幣受取口32は、扉21が閉止した状態で、扉21に上方に向けて設けられた開口部24に面した状態で露出する。顧客は、紙幣投入口31から紙幣を投入し、紙幣受取口32に払い出された紙幣を釣銭として受け取る。
【0019】
また、会計装置1は、筐体2の上面5に、硬貨投入口6を有する。硬貨投入口6は、預かり金としての硬貨を投入する口である。硬貨投入口6に投入された硬貨は、硬貨釣銭機4に収容される。
【0020】
また、会計装置1は、筐体2の側面に載置台22を有する。載置台22は、例えば商品登録装置において商品登録処理された商品を収納したカゴを載置する。カゴ内の商品は、会計装置1において会計処理した後に、顧客がレジ袋等に収納する。
【0021】
また、会計装置1は、筐体2の上面5の略中央部に印字部7と表示部8を有する。印字部7は、例えばサーマルプリンタであり、商品情報や会計情報を印字したレシートを発行する。表示部8は、例えば液晶表示器である。表示部8は、取引における商品情報や会計情報を表示する。表示部8の上面には操作部81が設けられている。操作部81は例えば透明なタッチパネルであり、キーボードの役目を果たす。
【0022】
また、会計装置1は、上面5の後部位置に、ポール9が設けられている。ポール9は、上方に延出しており、その上端部には発光部91が設けられている。発光部91は、例えばパトランプであり、会計装置1に異常やアクシデントが発生した場合には発光部91が発光や点滅することでアテンダントに報知する。
【0023】
ここからは、会計装置1の内部の構成について説明する。図2は、会計装置1の扉21を開いて紙幣釣銭機3を引き出し位置に引き出した状態を示す図である。この状態で、硬貨釣銭機4は筐体2の収納位置にロックされており、収納位置から引き出すことができない。この状態で、操作者は、紙幣釣銭機3のメンテナンス作業を行ったり、内部に収容されている紙幣の回収作業等を行う。この際、会計装置1の重心は紙幣釣銭機3を引き出し分だけ前方(引き出し方向)に移動するが、硬貨釣銭機4は筐体2の収納位置にロックされているため重心が極端に移動することがないため、従来のように紙幣釣銭機3と硬貨釣銭機4が同時に引き出された場合と比べて会計装置1が前方に転倒するリスクを低減することができる。
【0024】
図3は、会計装置1の扉21を開いて硬貨釣銭機4を引き出し位置に引き出した状態を示す図である。この状態で、紙幣釣銭機3は筐体2の収納位置にロックされており、収納位置から引き出すことができない。この状態で、操作者は、硬貨釣銭機4のメンテナンス作業を行ったり、内部に収容されている硬貨の回収作業等を行う。この際、会計装置1の重心は硬貨釣銭機4を引き出し分だけ前方(引き出し方向)に移動するが、紙幣釣銭機3は筐体2の収納位置にロックされているため重心が極端に移動することがないため、従来のように紙幣釣銭機3と硬貨釣銭機4が同時に引き出された場合と比べて会計装置1が前方に転倒するリスクを低減することができる。
【0025】
図4は、会計装置1の背面を斜め後方から見た外観図である。図4では、紙幣釣銭機3と硬貨釣銭機4はともに収納位置に位置している。会計装置1の後ろ側に位置する背面部25(前面と反対側の面)には、ロック機構100(ロック部)が取り付けられている。ロック機構100は、紙幣釣銭機3が収納位置から引き出された場合に硬貨釣銭機4を収納位置にロックし、硬貨釣銭機4が収納位置から引き出された場合に紙幣釣銭機3を収納位置にロックする機能を備えた機構である。なお、ロック機構100は、紙幣釣銭機3が収納位置から少し引き出された状態(すなわち、紙幣釣銭機3が引き出し位置まで到達していない状態)で硬貨釣銭機4を収納位置にロックし、硬貨釣銭機4が収納位置から少し引き出された状態(すなわち、硬貨釣銭機4が引き出し位置まで到達していない状態)で紙幣釣銭機3を収納位置にロックする。ロック機構100については、図5図8で詳細に説明する。
【0026】
図5は、ロック機構100を分解した分解図である。図5において、ロック機構100は、紙幣引き出し防止機構110、硬貨引き出し防止機構120を備える。さらにロック機構100は、基部130を備える。紙幣引き出し防止機構110は、硬貨釣銭機4が引き出された場合に紙幣釣銭機3の引き出しを阻止する部材である。硬貨引き出し防止機構120は、紙幣釣銭機3が引き出された場合に硬貨釣銭機4の引き出しを阻止する部材である。基部130は、紙幣引き出し防止機構110と硬貨引き出し防止機構120を同軸上で回動可能に支持する部材である。
【0027】
紙幣引き出し防止機構110は、金属、プラスチック、樹脂等の素材で略コの字状に形成されている。紙幣引き出し防止機構110は、長形状の中央部113の一端側(一端の立設部)にプッシャー111を有し、中央部113の他端側(他端の立設部)に鍵形状のフック112を有する。紙幣引き出し防止機構110は、中央部113とプッシャー111とフック112が一体的に形成されている。
【0028】
硬貨引き出し防止機構120は、金属、プラスチック、樹脂等の素材で略コの字状に形成されている。硬貨引き出し防止機構120は、長形状の中央部123の一端側(一端の立設部)にフック122を有し、中央部123の他端側(他端の立設部)に鍵形状のプッシャー121を有する。硬貨引き出し防止機構120は、中央部123とプッシャー121とフック122が一体的に形成されている。
【0029】
基部130は、一端側に平行に形成された一対の第1立設片131を有し、他端側に平行に形成された一対の第2立設片132を有する。一対の第1立設片131の間には、略円柱状の軸141の両端が挿入されて、軸141は基部130に装着される。軸141の外周にはコイルバネ142が設けられる。また一対の第1立設片131の間には、略円柱状の軸143の両端が挿入されて、軸143は基部130に装着される。軸143の外周にはコイルバネ144が設けられる。軸141と軸143は、同軸状に基部130に装着されている。
【0030】
紙幣引き出し防止機構110の一端側(プッシャー111側)および硬貨引き出し防止機構120の一端側(フック122側)は、基部130に装着された軸143によって基部130に軸支される。軸支されたプッシャー111とフック122は、互いに隣接した位置に配置される。また、紙幣引き出し防止機構110の他端側(フック112側)および硬貨引き出し防止機構120の他端側(プッシャー121側)は、基部130に装着された軸141によって基部130に軸支される。軸支されたプッシャー121とフック112は、互いに隣接した位置に配置される。紙幣引き出し防止機構110と硬貨引き出し防止機構120は、同軸状に設けられた軸141と軸143によって、それぞれが独自に回動可能に軸支される。
【0031】
図6は、紙幣引き出し防止機構110と硬貨引き出し防止機構120が基部130に軸支(装着)された状態のロック機構100の構成を示す図である。図6において、紙幣引き出し防止機構110は、軸141と軸143を支軸として、矢印A方向(図6の時計方向)と矢印B方向(図6の反時計方向)に回動可能である。紙幣引き出し防止機構110は、コイルバネ142によって矢印B方向に回動するように付勢されている。また、硬貨引き出し防止機構120は、軸141と軸143を支軸として、矢印A方向と矢印B方向に回動可能である。硬貨引き出し防止機構120は、コイルバネ144によって矢印B方向に回動するように付勢されている。
【0032】
詳細は後述するが、紙幣引き出し防止機構110が矢印A方向に回動している場合は、フック112は紙幣釣銭機3から離反(アンロック状態)しており、ロック機構100(具体的には紙幣引き出し防止機構110)は紙幣釣銭機3の引き出し方向への移動を阻止していない(すなわち、ロック機構100は紙幣釣銭機3が引き出しできないようにロックしていない)。一方、コイルバネ142の付勢力によって紙幣引き出し防止機構110が矢印B方向に回動している場合は、フック112は紙幣釣銭機3に係止(ロック状態)し、ロック機構100(具体的には紙幣引き出し防止機構110)は紙幣釣銭機3の引き出し方向への移動を阻止している(すなわち、ロック機構100は紙幣釣銭機3が引き出しできないようにロックしている)。
【0033】
また、硬貨引き出し防止機構120が矢印A方向に回動している場合は、フック122は硬貨釣銭機4から離反(アンロック状態)しており、ロック機構100(具体的には硬貨引き出し防止機構120)は硬貨釣銭機4の引き出し方向への移動を阻止していない(すなわち、ロック機構100は硬貨釣銭機4が引き出しできないようにロックしていない)。一方、コイルバネ144の付勢力によって硬貨引き出し防止機構120が矢印B方向に回動している場合は、フック122は硬貨釣銭機4に係止(ロック状態)し、ロック機構100(具体的には硬貨引き出し防止機構120)は硬貨釣銭機4の引き出し方向への移動を阻止している(すなわち、ロック機構100は硬貨釣銭機4が引き出しできないようにロックしている)。
【0034】
図7は、ロック機構100を会計装置1の背面部25に取り付けた状態(図4の状態)の図6における点線円C部分を拡大した図である。また図8は、ロック機構100を会計装置1の背面部25に取り付けた状態(図4の状態)の図6における点線円D部分を拡大した図である。
【0035】
図7において、紙幣釣銭機3は、背面部に係止片33を有する。係止片33は、中空の開孔部331を有する。係止片33は、紙幣釣銭機3が収納位置に位置している場合に、背面部25から後方に突出する。紙幣釣銭機3が収納位置に位置している状態で、紙幣引き出し防止機構110が軸141および軸143を支点として図6の矢印B方向に回動すると、フック112の先端部が開孔部331に入り込むことで、フック112が係止片33と係止される。このようにして紙幣引き出し防止機構110は紙幣釣銭機3をロックして、紙幣釣銭機3の引き出し方向への引き出し(移動)を阻止する。また、紙幣釣銭機3が収納位置に位置している状態で、紙幣引き出し防止機構110が軸141および軸143を支点として図6の矢印A方向に回動すると、開孔部331に入り込んでいたフック112の先端部が開孔部331から外れることで、フック112と係止片33の係止が解除される。このようにして紙幣引き出し防止機構110による紙幣釣銭機3のロックが解除され、紙幣釣銭機3の引き出し方向への引き出し(移動)が可能となる。
【0036】
また、紙幣釣銭機3が筐体2に収納される過程において、紙幣釣銭機3が収納位置に収納される少し手前で、係止片33の先端部332がプッシャー121に当接し、紙幣釣銭機3が収納位置に収納されると、係止片33がプッシャー121を押すことで、硬貨引き出し防止機構120は、軸141および軸143を支点として、図6の矢印A方向に回動する。また、紙幣釣銭機3を筐体2から引き出すと、係止片33の先端部332とプッシャー121の当接が解除される。すると硬貨引き出し防止機構120は、コイルバネ142の付勢力によって、軸141および軸143を支点として、図6の矢印B方向に回動する。
【0037】
図8において、硬貨釣銭機4は、背面部に係止片43を有する。係止片43は、中空の開孔部431を有する。係止片43は、硬貨釣銭機4が収納位置に位置している場合に、背面部25から後方に突出する。硬貨釣銭機4が収納位置に位置している状態で、硬貨引き出し防止機構120が軸141および軸143を支点として図6の矢印B方向に回動すると、フック122の先端部が開孔部431に入り込むことで、フック122が係止片43と係止される。このようにして硬貨引き出し防止機構120は硬貨釣銭機4をロックして、硬貨釣銭機4の引き出し方向への引き出し(移動)を阻止する。また、硬貨釣銭機4が収納位置に位置している状態で、硬貨引き出し防止機構120が軸141および軸143を支点として図6の矢印A方向に回動すると、開孔部431に入り込んでいたフック122の先端部が開孔部431から外れることで、フック122と係止片43の係止が解除される。このようにして硬貨引き出し防止機構120による硬貨釣銭機4のロックが解除され、硬貨釣銭機4の引き出し方向への引き出し(移動)が可能となる。
【0038】
また、硬貨釣銭機4が筐体2に収納される過程において、硬貨釣銭機4が収納位置に収納される少し手前で、係止片43の先端部432がプッシャー111に当接し、硬貨釣銭機4が収納位置に収納されると、係止片43がプッシャー111を押すことで、紙幣引き出し防止機構110は、軸141および軸143を支点として、図6の矢印A方向に回動する。また、硬貨釣銭機4を筐体2から引き出すと、係止片43の先端部432とプッシャー111の当接が解除される。すると紙幣引き出し防止機構110は、コイルバネ144の付勢力によって、軸141および軸143を支点として、図6の矢印B方向に回動する。
【0039】
このように、紙幣釣銭機3が収納位置に収納されると、硬貨引き出し防止機構120が矢印A方向に回動してフック122と係止片43との係止が解除されるため、硬貨釣銭機4のロックが解除されて硬貨釣銭機4は引き出し方向への移動が可能となり、紙幣釣銭機3が収納位置から引き出されると、硬貨引き出し防止機構120が矢印B方向に回動してフック122と係止片43が係止されるため、硬貨引き出し防止機構120によって硬貨釣銭機4はロックされ、引き出し方向への移動が阻止される。図9は、紙幣釣銭機3が収納位置から引き出された状態を示す図である。図9に示すように、紙幣釣銭機3が引き出されると、硬貨引き出し防止機構120が矢印B方向に回動して、フック122が係止片43に係止して、硬貨釣銭機4をロックする。そのため、硬貨釣銭機4と紙幣釣銭機3とが同時に引き出されることがない。このような構成の会計装置1は、紙幣釣銭機3だけを引き出しても重心が大きく移動しないため、メンテナンス時等の会計装置1の転倒のリスクを低減することが可能となる。
【0040】
また、硬貨釣銭機4が収納位置に収納されると、紙幣引き出し防止機構110が矢印A方向に回動してフック112と係止片33との係止が解除されるため、紙幣釣銭機3のロックが解除されて紙幣釣銭機3は引き出し方向への移動が可能となり、硬貨釣銭機4が収納位置から引き出されると、紙幣引き出し防止機構110が矢印B方向に回動してフック112と係止片33が係止されるため、紙幣引き出し防止機構110によって紙幣釣銭機3はロックされ、引き出し方向への移動が阻止される。図10に示すように、硬貨釣銭機4が引き出されると、紙幣引き出し防止機構110が矢印B方向に回動して、フック112が係止片33に係止して、紙幣釣銭機3をロックする。そのため、紙幣釣銭機3と硬貨釣銭機4とが同時に引き出されることがない。このような構成の会計装置1は、硬貨釣銭機4だけを引き出しても重心が大きく移動しないため、メンテナンス時等の会計装置1の転倒のリスクを低減することが可能となる。
【0041】
(第2実施形態)
ここからは、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、ロック部の一例としてメカ機構で構成されたロック機構100を用いて紙幣釣銭機3と硬貨釣銭機4のロックを行うようにしたが、第2実施形態では、制御によって紙幣釣銭機3と硬貨釣銭機4のロックを行うようにした。なお、第2実施形態において、紙幣釣銭機3と硬貨釣銭機4の構成は第1実施形態と同じである。
【0042】
次に、第2実施形態に係る会計装置1のハードウェア構成について説明する。図11は、会計装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。図11に示すように、会計装置1は、CPU(Central Processing Unit)41、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)48、メモリ部44等を備えている。CPU41は会計装置1の制御主体となる。ROM42は各種プログラムを記憶する。RAM48はプログラムや各種データを展開する。メモリ部44は各種プログラムを記憶する。CPU41、ROM42、RAM48、メモリ部44は、互いにバス45を介して接続されている。CPU41とROM42とRAM48が、制御部400を構成する。すなわち、制御部400は、CPU41がROM42やメモリ部44に記憶されRAM48に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述する会計装置1の制御処理を実行する。
【0043】
RAM48は、商品情報部481、会計情報部482を備えている。商品情報部481は、商品登録装置が商品登録処理した商品の商品情報(商品名、商品の価格、等)を、商品登録装置から受信して記憶する。会計情報部482は、商品情報部481に記憶された商品情報に基づいて会計処理した商品の商品情報と会計情報を記憶する。
【0044】
メモリ部44は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、制御プログラムを記憶する制御プログラム部441を記憶する。
【0045】
また、制御部400は、バス45およびコントローラ46を介して、操作部81、表示部8、印字部7、スキャナ201、カードリーダ202、紙幣センサ203、硬貨センサ204、紙幣ロック部205、硬貨ロック部206と接続している。
【0046】
操作部81は、表示部8上に設けられた、キーボードを構成するタッチパネルである。表示部8は、例えば液晶表示器であり、商品登録処理された商品の商品情報、会計処理された会計情報、等を表示する。印字部7は、商品情報、会計情報等を印字したレシートを発行する。スキャナ201は、例えば商品登録装置で印字して発行された、個別の取引に係る商品情報を会計装置1に呼び出すためのコードシンボル(バーコードあるいは2次元コード)を読み取る。カードリーダ202は、例えば決済処理するためのクレジットカード等から情報を読み取る。
【0047】
紙幣センサ203は、例えば光学センサやメカ式センサであり、紙幣釣銭機3が収納位置から引き出されたことを検知するセンサである。紙幣センサ203は、紙幣釣銭機3が収納位置から所定距離(例えば数センチメートル)引き出された場合に、収納位置から引き出されたことを検知する。また紙幣センサ203は、紙幣釣銭機3が収納位置に収納されたことを検知するセンサである。
【0048】
硬貨センサ204は、例えば光学センサやメカ式センサであり、硬貨釣銭機4が収納位置から引き出されたことを検知するセンサである。硬貨センサ204は、硬貨釣銭機4が収納位置から所定距離(例えば数センチメートル)引き出された場合に、収納位置から引き出されたことを検知する。また硬貨センサ204は、硬貨釣銭機4が収納位置に収納されたことを検知するセンサである。
【0049】
紙幣ロック部205は、例えばフック112と、当該フック112を係止片33と係止させるために、フック112を開孔部331に入り込ませ、当該フック112と係止片33との係止を解除させるために、入り込んでいたフック112を開孔部331から引き出すソレノイド等を有し、フック112を係止片33と係止させた状態で紙幣釣銭機3を収納位置から引き出すことをロックする。
【0050】
硬貨ロック部206は、例えばフック122と、当該フック122を係止片43と係止させるために、フック122を開孔部431に入り込ませ、当該フック122と係止片43との係止を解除させるために、入り込んでいたフック122を開孔部431から引き出すソレノイド等を有し、フック122を係止片43と係止させた状態で硬貨釣銭機4を収納位置から引き出すことをロックする。
【0051】
コントローラ46は、制御部400からの指示を受けて、操作部81、表示部8、印字部7、スキャナ201、カードリーダ202、紙幣センサ203、硬貨センサ204、紙幣ロック部205、硬貨ロック部206を制御する。ただ、説明の都合上、コントローラ46が行う制御を制御部400が行うとして説明する。
【0052】
また、制御部400は、バス45を介して、通信部207と接続している。通信部207は、通信回線を介して、商品登録装置と電気的に接続しており、商品登録装置と情報の送受信を行う。
【0053】
ここからは、第2実施形態に係る会計装置1の機能構成について説明する。図12は、会計装置1の機能構成を示す機能ブロック図である。制御部400は、ROM42やメモリ部44の制御プログラム部441に記憶された制御プログラムに従うことで、ロック部401として機能する。
【0054】
ロック部401は、紙幣釣銭機3が引き出されたときに硬貨釣銭機4が引き出しできないようにロックし、硬貨釣銭機4が引き出されたときに紙幣釣銭機3が引き出しできないようにロックする機能を有する。具体的には、ロック部401は、紙幣センサ203が紙幣釣銭機3が引き出されたことを検知した信号を紙幣センサ203から受信したときに、硬貨ロック部206を駆動して(フック122を係止片43と係止させて)硬貨釣銭機4が引き出しできないようにロックし、硬貨センサ204が硬貨釣銭機4が引き出されたことを検知した信号を硬貨センサ204から受信したときに、紙幣ロック部205を駆動して(フック112を係止片33と係止させて)紙幣釣銭機3が引き出しできないようにロックする機能を有する。
【0055】
次に、会計装置1の制御について説明する。図13は、会計装置1の制御処理の流れを示すフローチャートである。図13に示すように、会計装置1の制御部400は、商品情報部481に商品登録装置から受信した商品情報が記憶されているかを判断する(S11)。商品登録装置から商品情報を受信したと判断した場合には(S11のYes)、制御部400は、受信した商品情報に基づいて会計処理を実行する(S12)。そして制御部400は、会計処理した商品の商品情報と会計情報を会計情報部482に記憶する(S12)。そして制御部400は処理を終了してS11に戻る。
【0056】
また、商品登録装置からの商品情報の受信ではないと判断した場合には(S11のNo)、制御部400は、当該会計装置1のメンテナンスであるかを判断する(S21)。制御部400は、例えば会計装置1の上位装置からメンテナンスの指示を受信した場合には、メンテナンスであると判断する。メンテナンスではないと判断した場合には(S21のNo)、制御部400はS11に戻る。
【0057】
一方メンテナンスであると判断した場合には(S21のYes)、制御部400は、紙幣センサ203が、紙幣釣銭機3が引き出されたことを検知したかを判断する(S22)。紙幣センサ203が、紙幣釣銭機3が引き出されたことを検知したと判断した場合には(S22のYes)、ロック部401は、硬貨ロック部206を駆動して硬貨釣銭機4が引き出しできないようにロックする(S23)。
【0058】
次に制御部400は、紙幣センサ203が、紙幣釣銭機3が収納位置に収納したことを検知したかを判断する(S24)。検知するまで待機し、紙幣センサ203が、紙幣釣銭機3が収納位置に収納したことを検知したと判断した場合には(S24のYes)、制御部400は、硬貨ロック部206の駆動を解除して(フック122と係止片43との係止を解除して)硬貨釣銭機4のロックを解除する(S25)。そして制御部400は処理を終了してS11に戻る。
【0059】
また、紙幣釣銭機3が引き出されたことの検知ではないと判断した場合には(S22のNo)、制御部400は、硬貨センサ204が、硬貨釣銭機4が引き出されたことを検知したかを判断する(S26)。硬貨センサ204が、硬貨釣銭機4が引き出されたことを検知したと判断した場合には(S26のYes)、ロック部401は、紙幣ロック部205を駆動して紙幣釣銭機3が引き出しできないようにロックする(S27)。
【0060】
次に制御部400は、硬貨センサ204が、硬貨釣銭機4が収納位置に収納したことを検知したかを判断する(S28)。検知するまで待機し、硬貨センサ204が、硬貨釣銭機4が収納位置に収納したことを検知したと判断した場合には(S28のYes)、制御部400は、紙幣ロック部205の駆動を解除して(フック112と係止片33との係止を解除して)紙幣釣銭機3のロックを解除する(S29)。そして制御部400は処理を終了してS11に戻る。
【0061】
このように、第2実施形態の会計装置1は、紙幣釣銭機3が引き出された場合に、ロック部401が硬貨釣銭機4の引き出しをロックする。このような構成の会計装置1は、紙幣釣銭機3だけを引き出しても重心が大きく移動しないため、メンテナンス時等の会計装置1の転倒のリスクを低減することが可能となる。また、硬貨釣銭機4が引き出された場合に、ロック部401が紙幣釣銭機3の引き出しをロックする。このような構成の会計装置1は、硬貨釣銭機4だけを引き出しても重心が大きく移動しないため、メンテナンス時等の会計装置1の転倒のリスクを低減することが可能となる。
【0062】
以上説明したように、第1実施形態および第2実施形態の会計装置1は、筐体2と、筐体2の内部に設けられた、筐体2から引き出し可能に収納された紙幣釣銭機3と、筐体2の内部に設けられた、筐体2から紙幣釣銭機3と同方向に引き出し可能に収納された硬貨釣銭機4と、紙幣釣銭機3が引き出されたときに硬貨釣銭機4が引き出しできないようにロックし、硬貨釣銭機4が引き出されたときに紙幣釣銭機3が引き出しできないようにロックする、ロック部と、を備える。
【0063】
このような会計装置1は、紙幣釣銭機3と硬貨釣銭機4が同時に引き出されることがないため、メンテナンス時等に会計装置1の転倒のリスクを低減することが可能となる。
【0064】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0065】
例えば、各実施形態では、下側に硬貨釣銭機4を配置し、上側に紙幣釣銭機3を配置した。しながらこれに限らず、下側に紙幣釣銭機3を配置し、上側に硬貨釣銭機4を配置してもよい。
【0066】
また、各実施形態では、紙幣釣銭機3と硬貨釣銭機4を上下方向に配置した。しながらこれに限らず、紙幣釣銭機3と硬貨釣銭機4を横方向に並べて配置してもよい。
【0067】
また、各実施形態では、セミセルフ型のチェックアウト装置に用いられる会計装置を例に説明した。しながらこれに限らず、会計装置はセルフ型のチェックアウト装置であってもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 会計装置
2 筐体
3 紙幣釣銭機
4 硬貨釣銭機
21 扉
25 背面部
31 紙幣投入口
32 紙幣受取口
33 係止片
41 CPU
42 ROM
43 係止片
44 メモリ部
47 受皿
48 RAM
81 操作部
100 ロック機構
110 紙幣引き出し防止機構
111 プッシャー
112 フック
120 硬貨引き出し防止機構
121 プッシャー
122 フック
130 基部
131 第1立設片
132 第2立設片
141 軸
142 コイルバネ
143 軸
144 コイルバネ
203 紙幣センサ
204 硬貨センサ
205 紙幣ロック部
206 硬貨ロック部
331 開孔部
332 先端部
400 制御部
401 ロック部
431 開孔部
432 先端部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0069】
【特許文献1】特開2014-157586号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13