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特開2024-76494情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076494
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240530BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188049
(22)【出願日】2022-11-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-25
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】張 慧揚
(72)【発明者】
【氏名】高山 伸也
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC20
5L050CC20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】他の通信サービスを利用する端末の情報を、情報提供サービスにおいて活用しやすくする情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置1は、属性毎に、ユーザの行動の特徴が表現された特徴量が入力されると、当該ユーザが当該属性である信頼度を出力する機械学習モデルを、当該属性に関連付けて生成するモデル生成部131と、属性が未知である未知ユーザが使用する未知ユーザ端末の移動履歴を取得する取得部132と、移動履歴によって特定される未知ユーザの行動の特徴が表現された特徴量を、モデル生成部131が属性ごとに生成した複数の機械学習モデルそれぞれに入力することにより、複数の機械学習モデルそれぞれに信頼度を出力させるモデル適用部134と、複数の機械学習モデルそれぞれが出力した信頼度に基づいて、未知ユーザの属性を推定する推定部135と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
属性ごとに、ユーザの行動の特徴が表現された特徴量が入力されると、当該ユーザが当該属性である信頼度を出力する機械学習モデルを、当該属性に関連付けて生成するモデル生成部と、
属性が未知である未知ユーザが使用する未知ユーザ端末の移動履歴を取得する取得部と、
前記移動履歴によって特定される前記未知ユーザの行動の特徴が表現された特徴量を、前記モデル生成部が属性ごとに生成した複数の機械学習モデルそれぞれに入力することにより、前記複数の機械学習モデルそれぞれに前記信頼度を出力させるモデル適用部と、
前記複数の機械学習モデルそれぞれが出力した前記信頼度に基づいて、前記未知ユーザの属性を推定する推定部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、属性が既知である既知ユーザが使用する複数の既知ユーザ端末それぞれの移動履歴をさらに取得し、
前記モデル生成部は、前記機械学習モデルに関連付けられる属性に該当する前記既知ユーザ端末の前記移動履歴によって特定される前記既知ユーザの行動の特徴が表現された特徴量を教師データとして用いて前記機械学習モデルを生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記推定部は、前記複数の機械学習モデルそれぞれが出力した前記信頼度のうち、数値が相対的に高い前記信頼度を出力した前記機械学習モデルに関連付けられている属性を、前記未知ユーザの属性として推定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置は、
前記情報処理装置の利用者が指定した指定期間と、前記利用者が指定した指定範囲とを受け付ける受付部と、
前記未知ユーザの前記移動履歴に基づいて、前記指定期間において前記指定範囲に存在する前記未知ユーザ端末を特定する特定部と、
属性ごとに、当該属性に該当する前記未知ユーザを使用する前記未知ユーザ端末の数であって、前記特定部が特定した前記未知ユーザ端末の数を、前記未知ユーザの数として前記利用者に提示する提示部と、
をさらに有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置は、前記未知ユーザを、前記推定部が推定した前記未知ユーザの属性に関連付けられている前記機械学習モデルが出力した前記信頼度が予め定められた信頼度閾値を上回るか否かに分類する未知ユーザ分類部をさらに有し、
前記提示部は、さらに、前記未知ユーザの数を、前記未知ユーザ分類部が分類した結果に分けて提示する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取得部は、属性が既知である既知ユーザが使用する複数の既知ユーザ端末それぞれの移動履歴をさらに取得し、
前記特定部は、前記既知ユーザ端末の前記移動履歴に基づいて、前記指定期間において前記指定範囲に存在する前記既知ユーザ端末をさらに特定し、
前記提示部は、属性ごとに、当該属性に該当する前記既知ユーザを使用する前記既知ユーザ端末の数であって、前記特定部が特定した前記既知ユーザ端末の数を、前記既知ユーザの数としてさらに前記利用者に提示する、
請求項4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記モデル適用部は、前記既知ユーザの前記移動履歴によって特定される前記既知ユーザの行動の特徴が表現された特徴量を、前記既知ユーザの属性に対応する前記機械学習モデルに入力することにより、前記機械学習モデルに前記既知ユーザに対応する前記信頼度をさらに出力させ、
前記情報処理装置は、前記既知ユーザを、前記既知ユーザに対応する前記信頼度が、予め定められた信頼度閾値を上回るか否かに分類する既知ユーザ分類部をさらに有し、
前記提示部は、さらに、前記既知ユーザの数を、前記既知ユーザ分類部が分類した結果に分けて提示する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する、
属性ごとに、ユーザの行動の特徴が表現された特徴量が入力されると、当該ユーザが当該属性である信頼度を出力する機械学習モデルを、当該属性に関連付けて生成するステップと、
属性が未知である未知ユーザが使用する未知ユーザ端末の移動履歴を取得するステップと、
前記移動履歴によって特定される前記未知ユーザの行動の特徴が表現された特徴量を、属性ごとに生成した複数の機械学習モデルそれぞれに入力することにより、前記複数の機械学習モデルそれぞれに前記信頼度を出力させるステップと、
前記複数の機械学習モデルそれぞれが出力した前記信頼度に基づいて、前記未知ユーザの属性を推定するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
属性ごとに、ユーザの行動の特徴が表現された特徴量が入力されると、当該ユーザが当該属性である信頼度を出力する機械学習モデルを、当該属性に関連付けて生成するモデル生成部、
属性が未知である未知ユーザが使用する未知ユーザ端末の移動履歴を取得する取得部、
前記移動履歴によって特定される前記未知ユーザの行動の特徴が表現された特徴量を、前記モデル生成部が属性ごとに生成した複数の機械学習モデルそれぞれに入力することにより、前記複数の機械学習モデルそれぞれに前記信頼度を出力させるモデル適用部、及び
前記複数の機械学習モデルそれぞれが出力した前記信頼度に基づいて、前記未知ユーザの属性を推定する推定部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォンをはじめとする端末の位置に基づいて人口を推定する技術が知られている。特許文献1には、端末から取得した当該端末の位置を示す位置情報に基づいてターゲット地域における人口を解析する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-30373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、通信サービスを提供する通信事業者は、端末側の設定により、位置情報を取得できない端末の数が増えているため、他の通信事業者が提供する他の通信サービスを利用する端末の位置情報を用いることが検討されている。しかしながら、他の通信サービスを利用する端末の位置情報だけでは、通信事業者が推定した人口に基づく情報を提供する情報提供サービスにおいて活用しづらい場合があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、他の通信サービスを利用する端末の情報を、情報提供サービスにおいて活用しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様にかかる情報処理装置は、属性ごとに、ユーザの行動の特徴が表現された特徴量が入力されると、当該ユーザが当該属性である信頼度を出力する機械学習モデルを、当該属性に関連付けて生成するモデル生成部と、属性が未知である未知ユーザが使用する未知ユーザ端末の移動履歴を取得する取得部と、前記移動履歴によって特定される前記未知ユーザの行動の特徴が表現された特徴量を、前記モデル生成部が属性ごとに生成した複数の機械学習モデルそれぞれに入力することにより、前記複数の機械学習モデルそれぞれに前記信頼度を出力させるモデル適用部と、前記複数の機械学習モデルそれぞれが出力した前記信頼度に基づいて、前記未知ユーザの属性を推定する推定部と、を有する。
【0007】
前記取得部は、属性が既知である既知ユーザが使用する複数の既知ユーザ端末それぞれの移動履歴をさらに取得してもよいし、前記モデル生成部は、前記機械学習モデルに関連付けられる属性に該当する前記既知ユーザ端末の前記移動履歴によって特定される前記既知ユーザの行動の特徴が表現された特徴量を教師データとして用いて前記機械学習モデルを生成してもよい。
【0008】
前記推定部は、前記複数の機械学習モデルそれぞれが出力した前記信頼度のうち、数値が相対的に高い前記信頼度を出力した前記機械学習モデルに関連付けられている属性を、前記未知ユーザの属性として推定してもよい。
【0009】
前記情報処理装置は、前記情報処理装置の利用者が指定した指定期間と、前記利用者が指定した指定範囲とを受け付ける受付部と、前記未知ユーザの前記移動履歴に基づいて、前記指定期間において前記指定範囲に存在する前記未知ユーザ端末を特定する特定部と、属性ごとに、当該属性に該当する前記未知ユーザを使用する前記未知ユーザ端末の数であって、前記特定部が特定した前記未知ユーザ端末の数を、前記未知ユーザの数として前記利用者に提示する提示部と、をさらに有してもよい。
【0010】
前記情報処理装置は、前記未知ユーザを、前記推定部が推定した前記未知ユーザの属性に関連付けられている前記機械学習モデルが出力した前記信頼度が予め定められた信頼度閾値を上回るか否かに分類する未知ユーザ分類部をさらに有してもよいし、前記提示部は、さらに、前記未知ユーザの数を、前記未知ユーザ分類部が分類した結果に分けて提示してもよい。
【0011】
前記取得部は、属性が既知である既知ユーザが使用する複数の既知ユーザ端末それぞれの移動履歴をさらに取得してもよいし、前記特定部は、前記既知ユーザ端末の前記移動履歴に基づいて、前記指定期間において前記指定範囲に存在する前記既知ユーザ端末をさらに特定してもよいし、前記提示部は、属性ごとに、当該属性に該当する前記既知ユーザを使用する前記既知ユーザ端末の数であって、前記特定部が特定した前記既知ユーザ端末の数を、前記既知ユーザの数としてさらに前記利用者に提示してもよい。
【0012】
前記モデル適用部は、前記既知ユーザの前記移動履歴によって特定される前記既知ユーザの行動の特徴が表現された特徴量を、前記既知ユーザの属性に対応する前記機械学習モデルに入力することにより、前記機械学習モデルに前記既知ユーザに対応する前記信頼度をさらに出力させてもよいし、前記情報処理装置は、前記既知ユーザを、前記既知ユーザに対応する前記信頼度が、予め定められた信頼度閾値を上回るか否かに分類する既知ユーザ分類部をさらに有してもよいし、前記提示部は、さらに、前記既知ユーザの数を、前記既知ユーザ分類部が分類した結果に分けて提示してもよい。
【0013】
本発明の第2の態様にかかる情報処理方法は、コンピュータが実行する、属性ごとに、ユーザの行動の特徴が表現された特徴量が入力されると、当該ユーザが当該属性である信頼度を出力する機械学習モデルを、当該属性に関連付けて生成するステップと、属性が未知である未知ユーザが使用する未知ユーザ端末の移動履歴を取得するステップと、前記移動履歴によって特定される前記未知ユーザの行動の特徴が表現された特徴量を、属性ごとに生成した複数の機械学習モデルそれぞれに入力することにより、前記複数の機械学習モデルそれぞれに前記信頼度を出力させるステップと、前記複数の機械学習モデルそれぞれが出力した前記信頼度に基づいて、前記未知ユーザの属性を推定するステップと、を有する。
【0014】
本発明の第3の態様にかかるプログラムは、コンピュータを、属性ごとに、ユーザの行動の特徴が表現された特徴量が入力されると、当該ユーザが当該属性である信頼度を出力する機械学習モデルを、当該属性に関連付けて生成するモデル生成部、属性が未知である未知ユーザが使用する未知ユーザ端末の移動履歴を取得する取得部、前記移動履歴によって特定される前記未知ユーザの行動の特徴が表現された特徴量を、前記モデル生成部が属性ごとに生成した複数の機械学習モデルそれぞれに入力することにより、前記複数の機械学習モデルそれぞれに前記信頼度を出力させるモデル適用部、及び前記複数の機械学習モデルそれぞれが出力した前記信頼度に基づいて、前記未知ユーザの属性を推定する推定部、として機能させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、他の通信サービスを利用する端末の情報を、情報提供サービスにおいて活用しやすくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】情報処理装置1が実行する処理の概要を説明するための図である。
図2】情報処理装置1の機能構成を模式的に示す図である。
図3】属性管理データベースの構成の一例を示す図である。
図4】未知ユーザの分類処理を模式的に表した図である。
図5】情報提供サービスの表示画面を模式的に表した図である。
図6】情報提供サービスの表示画面を模式的に表した図である。
図7】情報処理装置1が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[情報処理装置1が実行する処理の概要]
図1は、情報処理装置1が実行する処理の概要を説明するための図である。情報処理装置1は、通信サービスを提供する通信事業者が管理する装置であり、例えばサーバである。情報処理装置1は、情報提供サービスを管理する。情報提供サービスは、情報提供サービスの利用者に対して、指定された期間及びエリアの人口を分析した情報を提供するサービスである。
【0018】
情報提供サービスにおいては、通信事業者が提供する通信サービスを利用する端末の位置情報と、他の通信事業者が提供する他の通信サービスを利用する端末の位置情報とを用いて分析した人口を、当該端末を利用するユーザの特徴をもとに分類して利用者に提示する。通信事業者は、自社の通信サービスを利用する端末を使用するユーザの個人情報については保有しているが、他社の通信サービスを利用する端末を使用するユーザの個人情報については保有していない。また、通信事業者は、個人情報保護の観点等から、他の通信サービスを利用する端末の位置情報を取得することはできても、当該端末を使用するユーザの個人情報を取得することができない場合がある。この場合、通信事業者は、情報提供サービスにおいて、分析した人口を、ユーザの特徴をもとに分類することができないため、他の通信サービスを利用する端末の情報が活用しづらくなる。
【0019】
そこで、情報処理装置1は、他の通信サービスを利用する端末の位置情報に基づいて、情報提供サービスにおいて人口の分類に用いる情報、具体的には、当該端末を使用するユーザの属性を推定する。属性は、例えば、ユーザの年代及びユーザの性別のうちの少なくともいずれかであるが、これに限らず、特定の人物像であってもよい。特定の人物像は、例えば、所定のイベント又は所定の人物のファン、都市部の企業に勤務するサラリーマン、一人暮らしの学生、専業主婦等である。
【0020】
また、情報処理装置1は、ユーザの属性を推定するために用いる複数の推定モデルMを生成し、生成した複数の推定モデルMを管理する。推定モデルMは、対応する属性が関連付けられており、ユーザの行動の特徴が表現された特徴量を入力することにより、当該ユーザが推定モデルMに関連付けられている属性である信頼の度合いを示す信頼度を出力する機械学習モデルである。信頼度は、例えば、0から1までを範囲とする数値である。複数の推定モデルMには、それぞれ異なる属性が関連付けられている。
【0021】
以下、図1を参照しながら、情報処理装置1が実行する処理について説明する。図1に示す例において、情報処理装置1は、α属性の信頼度を出力する推定モデルM1と、β属性の信頼度を出力する推定モデルM2と、γ属性の信頼度を出力する推定モデルM3とを管理している。
【0022】
この場合において、まず、情報処理装置1は、未知ユーザが使用する未知ユーザ端末の移動履歴を取得する。未知ユーザは、属性が未知であるユーザであり、例えば、情報処理装置1を管理する通信事業者とは異なる他の通信事業者が提供する他の通信サービスを利用するユーザである。移動履歴は、例えば、端末が有するGPS(Global Positioning System)受信機が受信したデータに基づいて測定された端末の位置の履歴である。
【0023】
情報処理装置1は、未知ユーザ端末の移動履歴によって特定される未知ユーザの行動の特徴が表現された特徴量を、推定モデルM1、推定モデルM2及び推定モデルM3それぞれに入力することにより、推定モデルM1、推定モデルM2及び推定モデルM3それぞれに信頼度を出力させる。
【0024】
そして、情報処理装置1は、推定モデルM1、推定モデルM2及び推定モデルM3それぞれが出力した信頼度に基づいて、未知ユーザの属性を推定する。図1に示す例において、推定モデルM1が出力した信頼度が「0.4」であり、推定モデルM2が出力した信頼度が「0.8」であり、推定モデルM3が出力した信頼度が「0.6」である場合、情報処理装置1は、最も高い信頼度を出力した推定モデルM2に関連付けられているβ属性を、未知ユーザの属性として推定する。
【0025】
このように、情報処理装置1は、未知ユーザの属性を推定することで、他の通信サービスを利用する端末の情報を、情報提供サービスにおいて活用しやすくすることができる。
以下、情報処理装置1の構成について説明する。
【0026】
[情報処理装置1の構成]
図2は、情報処理装置1の機能構成を模式的に示す図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示していないデータの流れがあってもよい。図2において、各機能ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示す機能ブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。機能ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0027】
通信部11は、ネットワークに接続するための通信インターフェースであり、外部の端末及びサーバからデータを受信するための通信コントローラを有する。
【0028】
記憶部12は、情報処理装置1を実現するコンピュータのBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)や情報処理装置1の作業領域となるRAM(Random Access Memory)、OS(Operating System)やアプリケーションプログラム、当該アプリケーションプログラムの実行時に参照される種々の情報を格納するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置である。
【0029】
記憶部12は、既知ユーザに関する情報を記憶している。既知ユーザは、属性が既知であるユーザであり、例えば、情報処理装置1を管理する通信事業者が提供する通信サービスを利用するユーザである。既知ユーザに関する情報は、例えば、名前、年齢、性別及び住所等を含む。既知ユーザに関する情報は、既知ユーザが所定のアンケートに回答した結果によって推定される人物像を示す情報をさらに含んでもよい。
【0030】
記憶部12は、既知ユーザ及び未知ユーザを含むユーザの属性を管理する属性管理データベースを記憶している。図3は、属性管理データベースの構成の一例を示す図である。図3に示す例において、属性管理データベースは、ユーザID(identifier)と、属性と、分類結果とを関連付けて記憶している。ユーザIDは、ユーザを識別するための情報である。属性は、推定された未知ユーザの属性と、既知ユーザに関する情報に含まれる既知ユーザの属性とを含む。分類結果は、信頼度に基づいて分類された結果を示す情報であり、例えば、あるユーザの行動が、当該ユーザの属性に該当する人の行動と比べて典型であるか否かを示す情報である。
【0031】
図2に戻り、制御部13は、情報処理装置1のCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することによって、モデル生成部131、取得部132、データ生成部133、モデル適用部134、推定部135、分類部136、受付部137、特定部138及び提示部139として機能する。
以下、モデル生成部131、取得部132、データ生成部133、モデル適用部134、推定部135、分類部136、受付部137、特定部138及び提示部139の機能の詳細を、推定モデルMを生成するために実行する生成処理と、ユーザの属性を推定するために実行する推定処理と、情報を提示するために実行する提示処理とに分けて説明する。
【0032】
[生成処理]
まず、情報処理装置1が実行する生成処理について説明する。モデル生成部131は、属性ごとに、ユーザの行動の特徴が表現された特徴量が入力されると、当該ユーザが当該属性である信頼度を出力する推定モデルMを、当該属性に関連付けて生成する。情報処理装置1は、以下の3つのステップを実行することにより、関連付けられる属性がそれぞれ異なる複数の推定モデルMを生成する。
【0033】
第1のステップとして、取得部132は、既知ユーザが使用する複数の既知ユーザ端末それぞれの移動履歴を取得する。例えば、まず、取得部132は、通信サービスを利用する複数の既知ユーザ端末に対して、移動履歴の送信要求を送信する。そして、取得部132は、送信要求に応じた複数の既知ユーザ端末から移動履歴を取得する。
【0034】
取得部132は、所定の間隔で既知ユーザ端末の位置を示す位置情報を取得することによって、既知ユーザ端末の移動履歴を取得してもよい。なお、取得部132は、既知ユーザ端末が発する電波を基地局が受信したときの電波の強度に基づいて、既知ユーザ端末の位置を推定してもよい。取得部132は、既知ユーザ端末の移動履歴と、当該既知ユーザ端末を使用する既知ユーザのIDとを関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0035】
第2のステップとして、データ生成部133は、取得部132が取得した既知ユーザ端末の移動履歴ごとに、当該既知ユーザ端末の移動履歴に基づいて特徴量を生成する。具体的には、データ生成部133は、取得部132が取得した既知ユーザ端末の移動履歴ごとに、当該既知ユーザ端末の移動履歴に基づいてそれぞれ異なる複数の特徴量を含むベクトルデータを生成する。
【0036】
特徴量は、例えば、所定の期間(例えば、1週間、1か月等)において所定の施設(例えば、公共施設、娯楽施設、宿泊施設、飲食店、学校等)に滞在した時間、所定の期間において所定の移動手段(例えば、徒歩、車、電車等)で特定の経路(例えば、自宅から職場又は学校までの経路等)を移動した日数等である。データ生成部133は、例えば、既知ユーザ端末の移動履歴ごとに、地図情報を参照し、当該移動履歴に基づいて各特徴量を算出することにより、既知ユーザのベクトルデータを生成する。
【0037】
第3のステップとして、モデル生成部131は、属性ごとに、推定モデルMに関連付けられる当該属性の既知ユーザの特徴量を教師データとして用いて推定モデルMを生成する。具体的には、モデル生成部131は、属性ごとに、当該属性に該当する複数の既知ユーザのベクトルデータを教師データとして、決定木やニューラルネットワーク等の既知の機械学習手法を用いて推定モデルMを生成する。
【0038】
例えば、20代及び女性の組み合わせの属性に対応する推定モデルMを生成する場合、モデル生成部131は、記憶部12に記憶されている既知ユーザに関する情報を参照し、20代及び女性に該当する複数の既知ユーザのベクトルデータを教師データとして用いて、20代及び女性の組み合わせの属性に対応する推定モデルMを生成する。
【0039】
モデル生成部131は、生成した推定モデルMごとに、推定モデルMと、当該推定モデルMに対応する属性とを関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0040】
[推定処理]
続いて、情報処理装置1が実行する推定処理について説明する。推定部135は、未知ユーザ端末の移動履歴に基づいて、未知ユーザの属性を推定する。情報処理装置1は、以下の3つのステップを実行することにより、未知ユーザの属性を推定する。
【0041】
第1のステップとして、取得部132は、未知ユーザ端末の移動履歴を取得する。取得部132は、例えば、他の通信事業者が管理する外部のサーバから、複数の未知ユーザ端末の移動履歴を取得する。記憶部12に未知ユーザ端末の移動履歴が記憶されている場合、取得部132は、記憶部12から複数の未知ユーザ端末の移動履歴を取得してもよい。
【0042】
取得部132は、例えば、未知ユーザ端末の移動履歴と、当該未知ユーザ端末を使用する未知ユーザのIDとを関連付けて取得する。取得部132は、未知ユーザ端末の移動履歴のみを取得した場合、当該未知ユーザ端末を使用する未知ユーザのIDを生成してもよい。取得部132は、未知ユーザ端末の移動履歴と、当該未知ユーザ端末を使用する未知ユーザのIDとを関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0043】
第2のステップとして、モデル適用部134は、未知ユーザ端末の移動履歴によって特定される未知ユーザの行動の特徴が表現された特徴量を、モデル生成部131が属性ごとに生成した複数の推定モデルMそれぞれに入力することにより、複数の推定モデルMそれぞれに信頼度を出力させる。具体的には、まず、データ生成部133は、例えば、未知ユーザ端末の移動履歴に基づいて、未知ユーザのベクトルデータを生成する。そして、モデル適用部134は、未知ユーザのベクトルデータを、記憶部12に記憶されている複数の推定モデルMそれぞれに入力することにより、複数の推定モデルMそれぞれに信頼度を出力させる。
【0044】
第3のステップとして、推定部135は、複数の推定モデルMそれぞれが出力した信頼度に基づいて、未知ユーザの属性を推定する。推定部135は、複数の推定モデルMそれぞれが出力した信頼度のうち、数値が相対的に高い信頼度を出力した推定モデルMに関連付けられている属性を、未知ユーザの属性として推定する。
【0045】
推定部135は、例えば、複数の推定モデルMそれぞれが出力した信頼度のうち、数値が最も高い信頼度を出力した推定モデルMに関連付けられている属性を、未知ユーザの属性として推定する。このようにすることで、情報処理装置1は、既知ユーザの行動の特徴をもとに未知ユーザの属性を推定することができる。
【0046】
情報処理装置1は、属性を推定した未知ユーザを、当該属性に該当する人の行動として典型であるか否かに分類してもよい。具体的には、分類部136は、未知ユーザ分類部として機能し、未知ユーザを、推定部135が推定した未知ユーザの属性に関連付けられている推定モデルMが出力した信頼度が信頼度閾値を上回るか否かに分類する。信頼度閾値は、例えば、予め定められた数値である。
【0047】
図4は、未知ユーザの分類処理を模式的に表した図である。図4に示す例においては、信頼度閾値として「0.5」が設定されている例を説明する。図4(a)に示す例において、まず、モデル適用部134は、ある未知ユーザ端末の移動履歴によって特定される未知ユーザの行動の特徴が表現された特徴量を、推定モデルM1、推定モデルM2及び推定モデルM3それぞれに入力することにより、推定モデルM1、推定モデルM2及び推定モデルM3それぞれに信頼度を出力させる。推定部135は、推定モデルM1が出力した信頼度「0.4」と、推定モデルM2が出力した信頼度「0.8」と、推定モデルM3が出力した信頼度「0.6」とのうち、最も高い信頼度を出力した推定モデルM2に関連付けられているβ属性を、未知ユーザの属性として推定する。そして、分類部136は、推定モデルM2が出力した信頼度「0.8」が信頼度閾値「0.5」を上回っているので、未知ユーザを典型に分類する。
【0048】
続いて、図4(b)に示す例において、まず、モデル適用部134は、図4(a)の未知ユーザ端末とは異なる別の未知ユーザ端末の移動履歴によって特定される未知ユーザの行動の特徴が表現された特徴量を、推定モデルM1、推定モデルM2及び推定モデルM3それぞれに入力することにより、推定モデルM1、推定モデルM2及び推定モデルM3それぞれに信頼度を出力させる。推定部135は、推定モデルM1が出力した信頼度「0.4」と、推定モデルM2が出力した信頼度「0.3」と、推定モデルM3が出力した信頼度「0.2」とのうち、最も高い信頼度を出力した推定モデルM1に関連付けられているα属性を、未知ユーザの属性として推定する。そして、分類部136は、推定モデルM1が出力した信頼度「0.4」が信頼度閾値「0.5」を上回っていないので、未知ユーザを非典型に分類する。このようにすることで、情報処理装置1は、情報提供サービスにおいて提示する未知ユーザの数を、属性以外の情報で分類することができる。
【0049】
分類部136は、既知ユーザ分類部としてさらに機能し、既知ユーザを、当該既知ユーザの属性に該当するユーザの行動として典型であるか否かに分類してもよい。具体的には、まず、モデル適用部134は、既知ユーザに対応する移動履歴によって特定される既知ユーザの行動の特徴が表現された特徴量を、既知ユーザの属性に対応する推定モデルMに入力することにより、推定モデルMに既知ユーザに対応する信頼度をさらに出力させる。そして、分類部136は、既知ユーザを、既知ユーザに対応する信頼度が信頼度閾値を上回るか否かに分類する。このようにすることで、情報処理装置1は、情報提供サービスにおいて提示する未知ユーザ及び既知ユーザの数を、属性以外の情報で分類することができる。
【0050】
分類部136は、分類した結果を属性管理データベースに記憶させる。具体的には、分類部136は、未知ユーザ及び既知ユーザを含むユーザのIDと、当該ユーザの属性と、分類結果とを関連付けて属性管理データベースに記憶させる。
【0051】
[提示処理]
続いて、情報処理装置1が実行する提示処理について説明する。提示部139は、情報処理装置1の利用者が指定した指定情報に基づいて、属性ごとに、当該指定情報及び当該属性に該当する未知ユーザの数を提示する。情報処理装置1は、以下の3つのステップを実行することにより、未知ユーザの数を提示する。
【0052】
第1のステップとして、受付部137は、利用者が指定した指定期間と、利用者が指定した指定範囲とを、指定情報として受け付ける。指定範囲は、地図上の範囲、地域(例えば、市区町村等)、場所(例えば、施設名等)等である。例えば、利用者が使用する利用者端末において、利用者が情報提供サービスのサイトにアクセスする操作を行うと、提示部139は、情報提供サービスの表示画面を利用者端末に表示させる。表示画面には、期間及び範囲を指定するための入力項目が設けられており、利用者が利用者端末に表示された表示画面において、期間及び範囲を入力すると、受付部137は、利用者が入力した指定期間と、利用者が入力した指定範囲とを受け付ける。受付部137は、指定属性の種類(例えば、年代、性別及び人物像のうちの少なくともいずれか)をさらに受け付けてもよい。
【0053】
第2のステップとして、特定部138は、未知ユーザ端末の移動履歴に基づいて、指定期間において指定範囲に存在する未知ユーザ端末を特定する。特定部138は、例えば、未知ユーザ端末ごとに、当該未知ユーザ端末の移動履歴及び地図情報を参照し、当該未知ユーザ端末が指定期間において指定範囲に存在したか否かを判定することにより、指定期間において指定範囲に存在する未知ユーザ端末を特定する。
【0054】
第3のステップとして、提示部139は、属性ごとに、当該属性に該当する未知ユーザが使用する未知ユーザ端末の数であって、特定部138が特定した未知ユーザ端末の数を、未知ユーザの数として利用者に提示する。例えば、まず、提示部139は、属性ごとに、当該属性と、指定情報及び当該属性に該当する未知ユーザの数とが関連付けられたユーザ数データを利用者端末に送信する。そして、利用者端末は、情報提供サービスの表示画面においてユーザ数データを表示させる。提示部139は、未知ユーザの数として、指定期間における未知ユーザの数の累計数を利用者に提示してもよいし、指定期間における1日の未知ユーザの数の統計値(例えば、平均値、中央値、最頻値等)を利用者に提示してもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、属性ごとに分類した未知ユーザの数を利用者に提示することができる。
【0055】
提示部139は、さらに、未知ユーザの数を、分類部136が分類した結果に分けて提示してもよい。例えば、まず、提示部139は、属性及び分類結果の組み合わせごとに、当該属性と、当該分類結果と、指定情報、当該属性及び当該分類結果に該当する未知ユーザの数とが関連付けられたユーザ数データを利用者端末に送信する。そして、利用者端末は、情報提供サービスの表示画面においてユーザ数データを表示させる。このようにすることで、情報処理装置1は、さらに属性以外の情報で分類した未知ユーザの数を利用者に提示することができる。
【0056】
提示部139は、利用者が指定した指定情報に基づいて、属性ごとに、当該指定情報及び当該属性に該当する既知ユーザの数をさらに提示してもよい。具体的には、まず、特定部138は、既知ユーザ端末の移動履歴に基づいて、指定期間において指定範囲に存在する既知ユーザ端末をさらに特定する。そして、提示部139は、属性ごとに、当該属性に該当する既知ユーザが使用する既知ユーザ端末の数であって、特定部138が特定した既知ユーザ端末の数を、既知ユーザの数としてさらに利用者に提示する。
【0057】
例えば、まず、提示部139は、属性と、指定情報及び当該属性に該当する未知ユーザ及び既知ユーザを含むユーザの数とが関連付けられたユーザ数データを利用者端末に送信する。具体的には、提示部139は、属性ごとに、当該属性と、当該属性及び特定部138が特定した未知ユーザ端末及び既知ユーザ端末を含むユーザ端末を使用するユーザのIDに関連付けて属性管理データベースに記憶されているユーザの数とが関連付けられたユーザ数データを利用者端末に送信する。そして、利用者端末は、情報提供サービスの表示画面においてユーザ数データを表示させる。このようにすることで、情報処理装置1は、属性ごとに分類したユーザの数を利用者に提示することができる。
【0058】
提示部139は、さらに、特定部が特定した既知ユーザ端末を使用する既知ユーザの数を、既知ユーザ分類部が分類した結果に分けて提示してもよい。例えば、まず、提示部139は、属性と、分類結果と、未知ユーザ及び既知ユーザを含むユーザの数(指定情報、当該属性及び当該分類結果に該当するユーザの数)とが関連付けられたユーザ数データを利用者端末に送信する。具体的には、提示部139は、属性及び分類結果の組み合わせごとに、当該属性と、当該属性、当該分離結果及び特定部138が特定した未知ユーザ端末及び既知ユーザ端末を含むユーザ端末を使用するユーザのIDに関連付けて属性管理データベースに記憶されているユーザの数とが関連付けられたユーザ数データを利用者端末に送信する。そして、利用者端末は、情報提供サービスの表示画面においてユーザ数データを表示させる。このようにすることで、情報処理装置1は、さらに属性以外の情報で分類したユーザの数を利用者に提示することができる。
【0059】
図5は、情報提供サービスの表示画面を模式的に表した図である。図5に示す例において、情報提供サービスの表示画面には、指定情報を入力する入力項目Dが設けられている。指定範囲の欄には、地図が表示されており、利用者が地図上において範囲Rを指定するが可能である。利用者が情報提供サービスの表示画面において、指定情報(指定範囲、指定期間及び指定属性)を入力すると、指定情報に該当するユーザ数データのグラフG1が情報提供サービスの表示画面に表示される。グラフG1では、指定属性として指定された年代別に、指定期間において、範囲Rに存在する未知ユーザ及び既知ユーザを含むユーザの数が表示されている。また、グラフG1では、年代別のユーザの数が、典型及び非典型に分けて表示されている。このようにすることで、情報処理装置1は、指定情報に該当するユーザとして、どのような特徴を持ったユーザがどのくらい存在するかを利用者に把握させることができる。
【0060】
なお、提示部139は、さらに、ユーザの数を、未知ユーザと既知ユーザとに分けて提示してもよい。図6は、情報提供サービスの表示画面を模式的に表した図である。図6に示すグラフG2では、年代別のユーザの数が、既知ユーザにおける典型、既知ユーザにおける非典型、未知ユーザにおける典型及び未知ユーザにおける非典型に分けて表示されている。
【0061】
[情報処理装置1の処理]
続いて、情報処理装置1が実行する処理の流れについて説明する。図7は、情報処理装置1が実行する処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートは、取得部132が、複数の既知ユーザ端末それぞれの移動履歴を取得したことを契機として開始する(S1)。モデル生成部131は、属性ごとに、推定モデルMに関連付けられる当該属性の既知ユーザの特徴量を教師データとして用いて推定モデルMを生成する(S2)。
【0062】
取得部132は、未知ユーザ端末の移動履歴を取得する(S3)。モデル適用部134は、未知ユーザ端末の移動履歴によって特定される未知ユーザの行動の特徴が表現された特徴量を、モデル生成部131が属性ごとに生成した複数の推定モデルMそれぞれに入力することにより、複数の推定モデルMそれぞれに信頼度を出力させる(S4)。そして、推定部135は、複数の推定モデルMそれぞれが出力した信頼度に基づいて、未知ユーザの属性を推定する(S5)。
【0063】
[本実施の形態における効果]
以上説明したとおり、情報処理装置1は、未知ユーザ端末の移動履歴によって特定される未知ユーザの行動の特徴が表現された特徴量を複数の推定モデルMそれぞれに入力することによって複数の推定モデルMがそれぞれ出力した信頼度に基づいて、未知ユーザの属性を推定する。このように、情報処理装置1は、未知ユーザの属性を推定することで、他の通信サービスを利用する端末の情報を、情報提供サービスにおいて活用しやすくすることができる。
【0064】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0065】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0066】
1 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 モデル生成部
132 取得部
133 データ生成部
134 モデル適用部
135 推定部
136 分類部
137 受付部
138 特定部
139 提示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-05-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
属性ごとに、ユーザの行動の特徴が表現された特徴量が入力されると、当該ユーザが当該属性である信頼度を出力する機械学習モデルを、当該属性に関連付けて生成するモデル生成部と、
属性が未知である未知ユーザが使用する未知ユーザ端末の移動履歴を取得する取得部と、
前記移動履歴によって特定される前記未知ユーザの行動の特徴が表現された特徴量を、前記モデル生成部が属性ごとに生成した複数の機械学習モデルそれぞれに入力することにより、前記複数の機械学習モデルそれぞれに前記信頼度を出力させるモデル適用部と、
前記複数の機械学習モデルそれぞれが出力した前記信頼度に基づいて、前記未知ユーザの属性を推定する推定部と、
前記情報処理装置の利用者が指定した指定期間と、前記利用者が指定した指定範囲とを受け付ける受付部と、
前記未知ユーザの前記移動履歴に基づいて、前記指定期間において前記指定範囲に存在する前記未知ユーザ端末を特定する特定部と、
属性ごとに、当該属性に該当する前記未知ユーザを使用する前記未知ユーザ端末の数であって、前記特定部が特定した前記未知ユーザ端末の数を、前記未知ユーザの数として前記利用者に提示する提示部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、属性が既知である既知ユーザが使用する複数の既知ユーザ端末それぞれの移動履歴をさらに取得し、
前記モデル生成部は、前記機械学習モデルに関連付けられる属性に該当する前記既知ユーザ端末の前記移動履歴によって特定される前記既知ユーザの行動の特徴が表現された特徴量を教師データとして用いて前記機械学習モデルを生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記推定部は、前記複数の機械学習モデルそれぞれが出力した前記信頼度のうち、数値が相対的に高い前記信頼度を出力した前記機械学習モデルに関連付けられている属性を、前記未知ユーザの属性として推定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記未知ユーザを、前記推定部が推定した前記未知ユーザの属性に関連付けられている前記機械学習モデルが出力した前記信頼度が予め定められた信頼度閾値を上回るか否かに分類する未知ユーザ分類部をさらに有し、
前記提示部は、さらに、前記未知ユーザの数を、前記未知ユーザ分類部が分類した結果に分けて提示する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、属性が既知である既知ユーザが使用する複数の既知ユーザ端末それぞれの移動履歴をさらに取得し、
前記特定部は、前記既知ユーザ端末の前記移動履歴に基づいて、前記指定期間において前記指定範囲に存在する前記既知ユーザ端末をさらに特定し、
前記提示部は、属性ごとに、当該属性に該当する前記既知ユーザを使用する前記既知ユーザ端末の数であって、前記特定部が特定した前記既知ユーザ端末の数を、前記既知ユーザの数としてさらに前記利用者に提示する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記モデル適用部は、前記既知ユーザの前記移動履歴によって特定される前記既知ユーザの行動の特徴が表現された特徴量を、前記既知ユーザの属性に対応する前記機械学習モデルに入力することにより、前記機械学習モデルに前記既知ユーザに対応する前記信頼度をさらに出力させ、
前記情報処理装置は、前記既知ユーザを、前記既知ユーザに対応する前記信頼度が、予め定められた信頼度閾値を上回るか否かに分類する既知ユーザ分類部をさらに有し、
前記提示部は、さらに、前記既知ユーザの数を、前記既知ユーザ分類部が分類した結果に分けて提示する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータが実行する、
属性ごとに、ユーザの行動の特徴が表現された特徴量が入力されると、当該ユーザが当該属性である信頼度を出力する機械学習モデルを、当該属性に関連付けて生成するステップと、
属性が未知である未知ユーザが使用する未知ユーザ端末の移動履歴を取得するステップと、
前記移動履歴によって特定される前記未知ユーザの行動の特徴が表現された特徴量を、属性ごとに生成した複数の機械学習モデルそれぞれに入力することにより、前記複数の機械学習モデルそれぞれに前記信頼度を出力させるステップと、
前記複数の機械学習モデルそれぞれが出力した前記信頼度に基づいて、前記未知ユーザの属性を推定するステップと、
前記コンピュータの利用者が指定した指定期間と、前記利用者が指定した指定範囲とを受け付けるステップと、
前記未知ユーザの前記移動履歴に基づいて、前記指定期間において前記指定範囲に存在する前記未知ユーザ端末を特定するステップと、
属性ごとに、当該属性に該当する前記未知ユーザを使用する前記未知ユーザ端末の数であって、特定した前記未知ユーザ端末の数を、前記未知ユーザの数として前記利用者に提示するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータを、
属性ごとに、ユーザの行動の特徴が表現された特徴量が入力されると、当該ユーザが当該属性である信頼度を出力する機械学習モデルを、当該属性に関連付けて生成するモデル生成部、
属性が未知である未知ユーザが使用する未知ユーザ端末の移動履歴を取得する取得部、
前記移動履歴によって特定される前記未知ユーザの行動の特徴が表現された特徴量を、前記モデル生成部が属性ごとに生成した複数の機械学習モデルそれぞれに入力することにより、前記複数の機械学習モデルそれぞれに前記信頼度を出力させるモデル適用部
前記複数の機械学習モデルそれぞれが出力した前記信頼度に基づいて、前記未知ユーザの属性を推定する推定部、
前記コンピュータの利用者が指定した指定期間と、前記利用者が指定した指定範囲とを受け付ける受付部、
前記未知ユーザの前記移動履歴に基づいて、前記指定期間において前記指定範囲に存在する前記未知ユーザ端末を特定する特定部、及び
属性ごとに、当該属性に該当する前記未知ユーザを使用する前記未知ユーザ端末の数であって、前記特定部が特定した前記未知ユーザ端末の数を、前記未知ユーザの数として前記利用者に提示する提示部、
として機能させるためのプログラム。