(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076515
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
H02S 40/22 20140101AFI20240530BHJP
H01L 31/042 20140101ALI20240530BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
H02S40/22
H01L31/04 500
G09F9/00 347A
G09F9/00 313
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188082
(22)【出願日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100195648
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 悠太
(74)【代理人】
【識別番号】100175019
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 健朗
(74)【代理人】
【識別番号】100104329
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 卓治
(72)【発明者】
【氏名】岡田 裕司
【テーマコード(参考)】
5F151
5F251
5G435
【Fターム(参考)】
5F151AA01
5F151AA08
5F151AA10
5F151JA02
5F151JA03
5F151JA13
5F151JA22
5F251AA01
5F251AA08
5F251AA10
5F251JA02
5F251JA03
5F251JA13
5F251JA22
5G435AA00
5G435BB05
5G435BB12
5G435EE49
5G435GG21
5G435GG43
5G435HH05
(57)【要約】
【課題】各ソーラーセルに対する入射光量のばらつきを低減することができる表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、情報を表示する表示部と、複数のソーラーセルを有するソーラーパネルと、透明カバー5を備える。透明カバー5の前面5aは、Y軸に対して曲率を有する。複数のソーラーセルは、Y軸の方向における位置が互いに異なる第1セル31及び第2セル32を含む。第1セル31の中心C1を通る第1垂線L1と前面5aの交点を第1交点P1とし、前面5aの第1交点P1での第1接線T1とY軸とのなす角度を第1角度αとし、第2セル32の中心C2を通る第2垂線L2と前面5aの交点を第2交点P2とし、前面5aの第2交点P2での第2接線T2とY軸とのなす角度を第2角度βとすると、第1セル31は、第1角度αに応じた面積を有し、第2セル32は、第2角度βに応じた面積を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する表示部と、
互いに直交する第1の軸及び第2の軸によって規定される基準平面に沿って配列された複数のソーラーセルを有するソーラーパネルと、
曲面である前面、並びに、前記表示部及び前記ソーラーパネルに向く後面を有する透明カバーと、を備え、
前記透明カバーの前記前面は、前記第1の軸に対して曲率を有し、
前記複数のソーラーセルは、前記第1の軸の方向における位置が互いに異なる第1セル及び第2セルを含み、
前記基準平面に垂直で前記第1セルの中心を通る線と、前記前面の交点を第1交点とし、
前記第1の軸および前記基準平面の法線で規定される平面を第1平面とすると、前記第1交点を通る前記第1平面と前記前面との交わる線の前記第1交点での接線と、前記第1の軸とのなす角度を第1角度とし、
前記基準平面に垂直で前記第2セルの中心を通る線と、前記前面の交点を第2交点とし、
前記第2交点を通る前記第1平面と前記前面との交わる線の前記第2交点での接線と、前記第1の軸とのなす角度を第2角度とすると、
前記第1セルは、前記第1角度に応じた面積を有し、
前記第2セルは、前記第2角度に応じた面積を有する、
表示装置。
【請求項2】
前記透明カバーの前方から前記前面の前記第1交点に入射する光の反射率を第1反射率とし、
前記透明カバーの前方から前記前面の前記第2交点に入射する光の反射率を第2反射率とすると、
前記第1セルの面積は、前記第1角度に応じた前記第1反射率に基づいて定められ、
前記第2セルの面積は、前記第2角度に応じた前記第2反射率に基づいて定められている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1セル及び前記第2セルは、
前記第1の軸に平行な辺と前記第2の軸に平行な辺とを有する矩形状であり、
前記第2の軸が延びる方向の長さが同じである一方、前記第1の軸が延びる方向の長さが互いに異なる、
請求項1又は2に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置として、例えば特許文献1には、複数のソーラーセルで構成された発電機能部を含むソーラーパネルと、ソーラーパネルを覆う透明カバー(風防部材)とを備えた時計が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような表示装置において、太陽光等の反射で視認性が低下することを抑制するため、透明カバーの前面を曲面に形成する場合がある。このように前面が曲面の透明カバーを用いた場合、何の対策も施さなければ、曲面に対する光の入射位置に応じて各ソーラーセルに対する入射光量にばらつきが生じる。この結果、ソーラーパネルによる発電効率が低減する虞がある。
【0005】
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、各ソーラーセルに対する入射光量のばらつきを低減することができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る表示装置は、
情報を表示する表示部と、
互いに直交する第1の軸及び第2の軸によって規定される基準平面に沿って配列された複数のソーラーセルを有するソーラーパネルと、
曲面である前面、並びに、前記表示部及び前記ソーラーパネルに向く後面を有する透明カバーと、を備え、
前記透明カバーの前記前面は、前記第1の軸に対して曲率を有し、
前記複数のソーラーセルは、前記第1の軸の方向における位置が互いに異なる第1セル及び第2セルを含み、
前記基準平面に垂直で前記第1セルの中心を通る線と、前記前面の交点を第1交点とし、
前記第1の軸および前記基準平面の法線で規定される平面を第1平面とすると、前記第1交点を通る前記第1平面と前記前面との交わる線の前記第1交点での接線と、前記第1の軸とのなす角度を第1角度とし、
前記基準平面に垂直で前記第2セルの中心を通る線と、前記前面の交点を第2交点とし、
前記第2交点を通る前記第1平面と前記前面との交わる線の前記第2交点での接線と、前記第1の軸とのなす角度を第2角度とすると、
前記第1セルは、前記第1角度に応じた面積を有し、
前記第2セルは、前記第2角度に応じた面積を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、各ソーラーセルに対する入射光量のばらつきを低減することができる表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態に係る表示装置の平面図。
【
図2】同上実施形態に係る表示装置の
図1に示すA-A線に沿う概略断面図。
【
図3】同上実施形態に係る透明カバー、第1セル及び第2セルの関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1に示す表示装置100は、例えば、乗り物に搭載され、乗り物に関する情報を含む各種情報を、乗り物の乗員(主に運転者)であるユーザに表示する。当該各種情報は、乗り物の走行速度、残燃料、バッテリー残量、現在時刻などであればよい。表示装置100が搭載される乗り物は、車両、建設機械、農耕機械、スノーモービル、水上バイク等の任意の乗り物であればよい。
【0011】
表示装置100は、
図1、
図2に示すように、表示部1と、回路基板2と、ソーラーパネル3と、印刷板4と、透明カバー5と、インナーケース6と、筐体7と、を備える。
【0012】
図1は、表示装置100の平面図である。
図2は、表示装置の
図1に示すA-A線に沿う概略断面図である。
図2では、見易さを考慮して断面を示すハッチングを適宜省略した。また、以下では、各図に示すように、互いに直交するX、Y及びZ軸を用いて説明を行う場合がある。Y軸(第1の軸の一例)は、
図1の上下方向に延びる。X軸(第2の軸の一例)は、
図1の左右方向に延びる。Z軸は、
図1の紙面の法線方向に延びる。また、表示装置100を構成する各部に対して、表示装置100が表示する情報を視認するユーザの方向を「前」、その反対方向を「後」と呼ぶことがある。
【0013】
表示部1は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等からなり、情報を表示する。表示部1は、前方に向く表示面1aを有し、表示面1aに前記の各種情報を示す画像を表示する。例えば、表示面1aは、XY平面に平行である。
【0014】
回路基板2は、表示部1の後方に位置して表示部1と対向するPCB(Printed Circuit Board)からなる。回路基板2には、表示装置100の全体動作を制御する図示せぬコントローラ、二次電池等が実装される。コントローラは、乗り物に搭載されたバッテリーに基づき表示部1へ動作電力を供給し、表示部1の動作を制御する。また、回路基板2に実装された二次電池は、ソーラーパネル3による発電に応じて充電される。当該二次電池からも表示部1への動作電力の供給が可能である。
【0015】
ソーラーパネル3は、光エネルギーを電気エネルギーに変換するモジュールである。ソーラーパネル3は、例えば、無機ガラス、PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム等から構成される基板3aと、基板3a上に形成された複数のソーラーセル30、及び、各ソーラーセル30を電気的に接続する接続部(図示せず)とを備える。
【0016】
ソーラーセル30は、光起電力効果を利用して、光エネルギーを電気エネルギーに変換する発電領域を形成する。ソーラーセル30は、シリコン系太陽電池、又は、GaAs、CIGS等の化合物系太陽電池から構成される。各ソーラーセル30は、基板3aの前面上に薄膜状に成形される。ソーラーセル30の前面は、XY平面に平行である。
【0017】
複数のソーラーセル30は、
図1に示すように、XY平面(基準平面の一例)に沿って配列され、Y軸方向における位置が互いに異なる第1セル31及び第2セル32を含む。第1セル31と第2セル32は、Y方向において間隔を空けて配置されている。第1セル31は、第2セル32よりも
図1での上方に位置する。本実施形態では、一つの第1セル31と、当該第1セル31に対応する一つの第2セル32とのX方向における位置は同じである。本実施形態では、第1セル31及び第2セル32は、それぞれ、Y軸(第1の軸の一例)に平行な辺とX軸(第2の軸の一例)に平行な辺とを有する矩形状であり、X方向に3つ配列されている。また、本実施形態では、第1セル31及び第2セル32は、X方向の長さが同じである一方、Y方向の長さが互いに異なる。これにより、後に述べるように、第1セル31と第2セル32の面積(具体的には、前面の表面積)は異なる。
【0018】
印刷板4は、樹脂からなる透明板に印刷を施して構成される。印刷板4は、表示部1及びソーラーパネル3を前方から覆い、表示装置100の内部において、見栄え上不要な部分を覆い隠す。印刷板4は、表示部1が表示する画像を透かして視認させる窓4aを有する。窓4aは、印刷板4における可視光を透過させる部分であってもよいし、印刷板4に形成された開口部であってもよい。
【0019】
また、印刷板4においてソーラーパネル3と対向する部分は、紫外線、可視光線、近赤外線などのソーラーパネル3が反応する波長帯の光を透過させる。当該部分の光透過性能については、ソーラーセル30の種類、発電効率、及び、表示装置100の見栄えを勘案して決定すればよい。例えば、印刷板4においてソーラーパネル3と対向する部分に、窓4aと同様の窓を設けてもよい。
【0020】
透明カバー5は、有機ガラス、無機ガラスなどから構成される。透明カバー5は、曲面である前面5a、並びに、表示部1及びソーラーパネル3に向く後面5bを有する。透明カバー5は、印刷板4を挟んで、表示部1及びソーラーパネル3と向かい合う。
【0021】
本実施形態では、透明カバー5の前面5aは、Y軸(第1の軸の一例)に対してのみ曲率を有する。つまり、透明カバー5は、YZ平面と平行な断面で、前面5aの曲面が把握できるシリンドリカルレンズ状に形成されている。例えば、透明カバー5の後面5bは、XY平面と平行な平坦面である。
【0022】
透明カバー5の前面5aを上記のような曲面に形成することで、前面5aで反射した太陽光等の光がユーザに向かうことを抑制することができる。しかしながら、曲面である前面5aの箇所によって光の反射率が異なるため、透明カバー5を透過してソーラーパネル3に到達する光の量が、各ソーラーセル30の位置によって変化してしまう。この問題に対処すべく、後述のように、透明カバー5、第1セル31及び第2セル32の関係が規定される。
【0023】
インナーケース6は、印刷板4と回路基板2の間に位置し、表示部1及びソーラーパネル3を保持する。なお、ソーラーパネル3は、印刷板4の後面、又は、透明カバー5の後面5bに、透明接着剤により接着されてもよい。
【0024】
筐体7は、前方に向かって開口する開口部7aを有する箱状の構成である。開口部7aには、透明カバー5が取り付けられる。筐体7は、表示部1、回路基板2、ソーラーパネル3、印刷板4及びインナーケース6を内部に収容する。なお、筐体7は、複数の部材の組み合わせで構成されてもよい。
【0025】
(透明カバー5,第1セル31及び第2セル32の関係について)
ここからは、透明カバー5,第1セル31及び第2セル32の関係について説明する。
図3は、
図2の透明カバー5,第1セル31及び第2セル32について抜き出して拡大した図である。
図3では、見易さを考慮して断面を示すハッチングを省略した。
図1に示すように、3つの第1セル31の各々の大きさは同様であり、3つの第2セル32の各々の大きさは同様である。このため、
図3では、各ソーラーセル30のうち、
図1の最も左方に位置してY方向で隣り合う、一つの第1セル31と、一つの第2セル32とを代表して示した。
【0026】
【0027】
第1垂線L1は、XY平面(基準平面の一例)に垂直で第1セル31の中心C1を通る線である。なお、中心C1は、第1セル31の前面の重心である。第1交点P1は、第1垂線L1と、透明カバー5の前面5aの交点である。第1接線T1は、前面5aの第1交点P1での接線である。ここで、Y軸(第1の軸の一例)およびXY平面(基準平面の一例)の法線で規定される平面を「第1平面」とする。つまり、第1平面は、YZ平面と平行な面である。そうすると、具体的に、第1接線T1は、第1交点P1を通る第1平面と前面5aとの交わる線(つまり、
図3で前面5aを表す線)の第1交点P1での接線である。なお、本実施形態では、前面5aはY軸に対してのみ曲率を有するため、第1接線T1は、前面5aの第1交点P1での接平面をX方向から見た場合に現れる線に相当する。第1角度αは、第1接線T1と、Y軸(第1の軸の一例)とのなす角度である。なお、本実施形態では、前面5aはY軸に対してのみ曲率を有するため、第1角度αは、前面5aの第1交点P1での接平面と、XY平面とのなす角度に相当する。
【0028】
第2垂線L2は、XY平面(基準平面の一例)に垂直で第2セル32の中心C2を通る線である。なお、中心C2は、第2セル32の前面の重心である。第2交点P2は、第2垂線L2と、透明カバー5の前面5aの交点である。第2接線T2は、前面5aの第2交点P2での接線である。具体的に、第2接線T2は、第2交点P2を通る第1平面と前面5aとの交わる線(つまり、
図3で前面5aを表す線)の第2交点P2での接線である。なお、本実施形態では、前面5aはY軸に対してのみ曲率を有するため、第2接線T2は、前面5aの第2交点P2での接平面をX方向から見た場合に現れる線に相当する。第2角度βは、第2接線T2と、Y軸(第1の軸の一例)とのなす角度である。なお、本実施形態では、前面5aはY軸に対してのみ曲率を有するため、第2角度βは、前面5aの第2交点P2での接平面と、XY平面とのなす角度に相当する。
【0029】
図3を参照して分かるように、第1接線T1よりも第2接線T2が傾いているため、太陽光等の光が
図3の左方から透明カバー5の前面5aに進んできた場合、その光は、第1交点P1よりも第2交点P2でより多く反射する。そうすると、この場合、何の対策も施さなければ、第1セル31への入射光量に比べ、第2セル32への入射光量が減ってしまい、両者に対する入射光量にばらつきが生じてしまう。これを考慮し、本実施形態では、第1セル31よりも第2セル32の面積を大きく設定する。具体的手法は、以下の通りである。
【0030】
ソーラーセル30の数をnとし、透明カバー5の前面5aの反射率をRnとし、ソーラーセル30の総面積をAとすると、各ソーラーセル30の面積であるAnは、以下の式で決定される。
An=A×Rn/(R1+R2+・・・+Rn)
【0031】
また、第1角度α及び第2角度βと同様に定義される、各ソーラーセル30に対応する角度を特定角度θ
nとする。
図4に、特定角度θ
nと反射率R
nの関係のグラフを示す。なお、この関係は、理論計算、実験などを経て予め導くことができる。
【0032】
ここで、6つのソーラーセル30のうち、3つの第1セル31について、
図1の左から右に向かって、n=1、n=2、n=3と割り当て、3つの第2セル32について、
図1の左から右に向かって、n=4、n=5、n=6と割り当てる。こうした場合に、特定角度θ
nと、特定角度θ
n及び
図4のグラフに基づき導出される反射率R
nと、上記式から算出される面積A
nの一例を次に示す。
【0033】
(第1セル31)
θ1=α=5°、R1=7.3%、A1≒0.16×A
θ2=α=5°、R2=7.3%、A2≒0.16×A
θ3=α=5°、R3=7.3%、A3≒0.16×A
【0034】
(第2セル32)
θ4=β=15°、R4=8.3%、A4≒0.18×A
θ5=β=15°、R5=8.3%、A5≒0.18×A
θ6=β=15°、R6=8.3%、A6≒0.18×A
【0035】
以上のように、表示装置100においては、第1セル31は、第1角度αに応じた面積を有し、第2セル32は、第2角度βに応じた面積を有する。より具体的に、第1セル31の面積は、第1角度αに応じた反射率である第1反射率に基づいて定められ、第2セル32の面積は、第2角度βに応じた反射率である第2反射率に基づいて定められている。このようにしたから、各ソーラーセル30に対する入射光量にばらつきが生じることを抑制することができる。結果として、ソーラーパネル3による発電効率の低減を抑制することができる。
【0036】
また、この実施形態では、前述のように、各ソーラーセル30がX、Yの各方向に配列され、且つ、透明カバー5がY軸に対してのみ曲率を有する。これを考慮し、第1セル31及び第2セル32は、X方向の長さが同じである一方、Y方向の長さが互いに異なることで、互いの面積が異なる。こうすれば、各ソーラーセル30の幅方向(X方向)の長さを一定に保ちつつ、各ソーラーセル30の面積を調整することができるため、各ソーラーセル30を良好にレイアウトすることができる。
【0037】
なお、本発明は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。
【0038】
ソーラーセル30の個数は、任意である。ソーラーセル30の形状は矩形に限られず任意であり、平行四辺形、ハニカム形状、円形などであってもよい。この場合においても、各ソーラーセル30の中心は、各ソーラーセル30の前面の重心と考えれば良い。
【0039】
透明カバー5の前面5aは、Y軸だけでなく、X軸に対しても曲率を有していてもよい。つまり、透明カバー5の前面5aは、トロイダル面であってもよい。こうした場合、
図3のように、X方向から見た特定角度だけでなく、Y方向から見た特定角度を求めればよい。そして、各特定角度に応じた反射率R
nを求めた後、上記式を用いて各ソーラーセル30の面積を求めればよい。
【0040】
以上の説明では、本開示の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
【0041】
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0042】
100…表示装置
1…表示部、1a…表示面
2…回路基板
3…ソーラーパネル、3a…基板、30…ソーラーセル
31…第1セル、C1…中心
32…第2セル、C2…中心
4…印刷板、4a…窓
5…透明カバー、5a…前面、5b…後面
6…インナーケース
7…筐体、7a…開口部
L1…第1垂線、P1…第1交点、T1…第1接線、α…第1角度
L2…第2垂線、P2…第2交点、T2…第2接線、β…第2角度