(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076539
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】照明器具の取付構造及び照明装置
(51)【国際特許分類】
F21V 19/00 20060101AFI20240530BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240530BHJP
【FI】
F21V19/00 411
F21S2/00 230
F21V19/00 211
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188118
(22)【出願日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤江 正明
【テーマコード(参考)】
3K013
【Fターム(参考)】
3K013BA01
3K013EA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】照明器具の器具本体の部材及び形状が限定されず汎用性が高い照明器具の取付構造及び照明装置を得る。
【解決手段】照明器具の取付構造は、器具本体の内部に光源が収納された照明器具を被取付部に取り付ける取付構造であって、器具本体の外側に器具本体と接触するように配置され、第1の貫通孔が形成された板状の本体側絶縁体と、本体側絶縁体の外側に重なるように配置され、第1の貫通孔と連通する第2の貫通孔、及び、第2の貫通孔と離間して設けられた第3の貫通孔が形成された板状の中間絶縁体と、中間絶縁体の外側に重なるように配置され、第3の貫通孔と連通する第4の貫通孔が形成された板状の外側絶縁体と、第3の貫通孔、第4の貫通孔、及び被取付部に形成された被取付穴に配置され、中間絶縁体及び外側絶縁体を被取付部に固定する締結具と、を備える。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具本体の内部に光源が収納された照明器具を被取付部に取り付ける取付構造であって、
前記器具本体の外側に前記器具本体と接触するように配置され、第1の貫通孔が形成された板状の本体側絶縁体と、
前記本体側絶縁体の外側に重なるように配置され、前記第1の貫通孔と連通する第2の貫通孔、及び、前記第2の貫通孔と離間して設けられた第3の貫通孔が形成された板状の中間絶縁体と、
前記中間絶縁体の外側に重なるように配置され、前記第3の貫通孔と連通する第4の貫通孔が形成された板状の外側絶縁体と、
前記第3の貫通孔、前記第4の貫通孔、及び前記被取付部に形成された被取付穴に配置され、前記中間絶縁体及び前記外側絶縁体を前記被取付部に固定する第1の締結具と、
前記第2の貫通孔、前記第1の貫通孔、及び前記器具本体に形成された本体貫通孔に配置され、前記中間絶縁体及び前記本体側絶縁体を前記器具本体に固定する第2の締結具と、を備えた
照明器具の取付構造。
【請求項2】
前記中間絶縁体において前記本体側絶縁体と接触する側面の前記第3の貫通孔の周縁部には、第1凹部が形成されており、
前記第1の締結具は、
前記第1凹部に配置されて前記第3の貫通孔の前記周縁部と係り合う頭部と、
前記頭部から延びて前記中間絶縁体及び前記外側絶縁体を貫通する軸部と、を有するものである
請求項1に記載の照明器具の取付構造。
【請求項3】
前記中間絶縁体において前記外側絶縁体と接触する側面の前記第2の貫通孔の周縁部には、第2凹部が形成されており、
前記第2の締結具は、
前記第2凹部に配置されて前記第2の貫通孔の前記周縁部と係り合うボルト頭部と、前記ボルト頭部から延びて前記中間絶縁体、前記本体側絶縁体、及び前記器具本体における前記本体貫通孔が形成された壁面部を貫通するボルト軸部と、
前記器具本体の内部に配置され、前記ボルト軸部の先端部に取り付けられるナットと、を有するものである
請求項1に記載の照明器具の取付構造。
【請求項4】
前記本体側絶縁体、前記中間絶縁体及び前記外側絶縁体の積層方向における前記中間絶縁体の厚さは、前記積層方向における前記本体側絶縁体の厚さ及び前記外側絶縁体の厚さよりも厚い
請求項1に記載の照明器具の取付構造。
【請求項5】
前記第2の貫通孔は、前記第3の貫通孔の周囲に複数設けられ、
前記第1の貫通孔及び前記第2の締結具は、前記第2の貫通孔の数と同数設けられる
請求項1に記載の照明器具の取付構造。
【請求項6】
前記器具本体の内部に光源が収納された照明器具と、
請求項1~5のいずれか一項に記載の照明器具の取付構造と、を備えた
照明装置。
【請求項7】
前記照明器具は、
前記光源、及び前記光源を支持する灯具外郭を有する灯具ユニットと、
前記光源を点灯させる電力を前記灯具ユニットに供給する電源ユニットと、
前記器具本体内に設けられ、前記器具本体を前記灯具ユニット及び前記電源ユニットから絶縁し、且つ前記第2の締結具から前記灯具ユニット及び前記電源ユニットを離間させるように前記灯具ユニット及び前記電源ユニットを支持する内部絶縁部と、を備えた
請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記内部絶縁部は、
前記器具本体の内面に沿って前記器具本体と前記灯具ユニット及び前記電源ユニットとの間に配置された絶縁シートと、
前記器具本体における前記本体貫通孔が形成された壁面部において前記第2の締結具が配置される部分とは別の部分に、前記第2の締結具の前記器具本体内への突出高さよりも高い高さを有して設けられ、前記灯具ユニットが固定される絶縁台と、を有するものである
請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記照明器具は、
前記絶縁台に対して前記灯具ユニットを固定する灯具取付具を備え、
前記灯具取付具は、前記器具本体の前記壁面部に対して絶縁されている
請求項8に記載の照明装置。
【請求項10】
前記絶縁台は、前記器具本体の前記壁面部に前記絶縁シートを介して設置され、
前記灯具取付具は、前記絶縁シートにより前記器具本体の前記壁面部から絶縁されている
請求項9に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具の取付構造及び照明装置に関し、特に、H鋼等の被取付部に対して照明器具を取り付ける取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
照明器具の取付構造として、照明器具を被取付部に対して固定するボルトを用いたものがある。また、器具本体の内部と被取付部との間には絶縁性が要求されるため、金属製のボルトと接触する部分に絶縁部材を設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、ケーシング(すなわち器具本体)の周壁を、絶縁性を有する樹脂材料により構成し、また、該周壁のうち光が透過する光出射面以外の壁部(例えば、器具本体の後壁面部)の表面に、ボルトの一部を、器具本体の内部に貫通させない状態で取り付けることができる蟻溝状の構造が形成されている。詳しくは、ボルトを貫通させた金属製の取付プレートが器具本体の長手方向の端から蟻溝状の構造の内部に挿入されてこの構造の内部に取付プレート及びボルト頭部が収納されており、ボルト脚部(以下、ボルト軸部という)は器具本体の外に突出している。そして、その突出したボルト軸部を、H鋼等の被取付部に設けられた被取付穴に貫通させてナットを締め付けることで、照明器具が被取付部に対して取り付けられる。すなわち、特許文献1に開示された照明器具の取付構造では、器具本体の内部と被取付部との絶縁性を確保するために、器具本体の材料及び形状により器具本体の内部とボルトとを絶縁している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された取付構造では、照明器具の器具本体を、絶縁性を有する樹脂材料で構成する必要があり、また、器具本体に、ボルトの頭部及び取付プレートを収納するための蟻溝状の構造を形成する必要がある。したがって、特許文献1に開示された取付構造では、照明器具の器具本体の部材及び形状が過度に限定されてしまい、汎用性が低いものとなる。
【0005】
本開示は、上記のような課題を背景としてなされたものであり、照明器具の器具本体の部材及び形状が過度に限定されず汎用性が高い照明器具の取付構造及び照明装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明器具の取付構造は、器具本体の内部に光源が収納された照明器具を被取付部に取り付ける取付構造であって、前記器具本体の外側に前記器具本体と接触するように配置され、第1の貫通孔が形成された板状の本体側絶縁体と、前記本体側絶縁体の外側に重なるように配置され、前記第1の貫通孔と連通する第2の貫通孔、及び、前記第2の貫通孔と離間して設けられた第3の貫通孔が形成された板状の中間絶縁体と、前記中間絶縁体の外側に重なるように配置され、前記第3の貫通孔と連通する第4の貫通孔が形成された板状の外側絶縁体と、前記第3の貫通孔、前記第4の貫通孔、及び前記被取付部に形成された被取付穴に配置され、前記中間絶縁体及び前記外側絶縁体を前記被取付部に固定する第1の締結具と、前記第2の貫通孔、前記第1の貫通孔、及び前記器具本体に形成された本体貫通孔に配置され、前記中間絶縁体及び前記本体側絶縁体を前記器具本体に固定する第2の締結具と、を備えたものである。
【0007】
また、本開示に係る照明装置は、器具本体の内部に光源が収納された照明器具と、上記の照明器具の取付構造と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、第3の貫通孔、第4の貫通孔、及び被取付部に形成された被取付穴に配置され、中間絶縁体及び外側絶縁体を被取付部に固定する第1の締結具と、第2の貫通孔、第1の貫通孔、及び器具本体に形成された本体貫通孔に配置され、中間絶縁体及び本体側絶縁体を器具本体に固定する第2の締結具と、を備える。そして、中間絶縁体において第2の貫通孔と第3の貫通孔とは離間して設けられている。これにより、本開示では、器具本体とH鋼等の被取付部とを締結する締結具が、器具本体とは導通するが被取付部とは絶縁された第2の締結具と、被取付部とは導通するが器具本体とは絶縁された第1の締結具と、に分けて構成される。且つ、第1の締結具と第2の締結具とは、中間絶縁体における第2の貫通孔と第3の貫通孔との間の部分で絶縁される。したがって、器具本体及び第2の締結具に対して、H鋼等の被取付部に固定される第1の締結具が絶縁されることで、器具本体の内部と被取付部とが絶縁される。このように、本開示では、絶縁体及び第1の締結具を照明器具の外部に設けて器具本体の内部と被取付部との絶縁を実現しているので、従来のように照明器具の器具本体の部材及び形状を限定する必要が無く、汎用性が高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施の形態に係る照明装置の斜視図である。
【
図3】
図1の照明装置を右側から見た側面図である。
【
図4】
図1の照明装置がH鋼に設置された状態を示す正面図である。
【
図5】
図4のH鋼と照明装置との取り付け構成を示す分解斜視図である。
【
図6】
図1の照明装置においてカバーを外した状態を示す正面図である。
【
図7】
図2の照明装置のA-A線矢視断面図である。
【
図8】
図7の照明器具を模式的に示す模式図である。
【
図9】
図2の照明装置における器具本体と取付構造との組み付け構成を正面側から示す分解斜視図である。
【
図10】
図2の照明装置における器具本体と取付構造との組み付け構成を背面側から示す分解斜視図である。
【
図11】
図10の器具本体の外側に組み付けられた取付構造の外観を示す背面図である。
【
図12】
図11の取付構造において外側絶縁体を外した状態を示す背面図である。
【
図13】
図4のH鋼に取り付けられた照明装置の内部の構成を示す構成図である。
【
図16】
図13の照明装置の内部絶縁部と取付構造との位置関係を示す概略背面図である。
【
図17】
図16の照明装置のE-E断面を模式的に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の照明装置100は、照明器具2と、照明器具2を被取付部200に対して取り付ける取付構造1と、を備えている。以下、照明器具2が、H鋼である被取付部200に取り付けられる場合の照明装置100の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、本開示は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本開示の主旨を逸脱しない範囲で種々に変形することができる。以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」又は「後」等)を適宜用いるが、これらは説明のためのものであって、本開示を限定するものではない。以下に説明する各図において、X軸、Y軸及びZ軸は直交しており、矢印Z方向は上下方向を示し、矢印X方向は左右方向を示し、矢印Y方向は前後方向を示す。以下の説明では、照明装置100及び照明器具2において光が出射する側を前側(すなわち正面側)と定義し、照明器具2は背面側で被取付部200に取り付けられるものとする。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。なお、各図面では、各構成部材の相対的な寸法関係又は形状等が実際のものとは異なる場合がある。
【0011】
実施の形態.
図1は、本開示の実施の形態に係る照明装置100の斜視図である。
図2は、
図1の照明装置100の下面図である。
図3は、
図1の照明装置100を右側から見た側面図である。
図4は、
図1の照明装置100がH鋼に設置された状態を示す正面図である。
図5は、
図4のH鋼と照明装置100との取り付け構成を示す分解斜視図である。以下、
図1~
図5に基づき、照明装置100を構成する照明器具2及び取付構造1の概略構成について説明する。
【0012】
図5に示されるように、照明器具2は、ケーシング2aと、ケーシング2a内に収容された灯具ユニット40等とを備える。ケーシング2aは、前面側が開口した箱状の器具本体20と、器具本体20に取り付けられて器具本体20の前面側の本体開口部20aを覆う板状のカバー30とを有する。器具本体20は、例えば金属製の部材で構成される。
図1に示されるように、カバー30は、カバー30の中央部を構成し、光が透過する出射部31と、カバー30の外周部を構成し、出射部31を支持する化粧枠32等と、を有する。カバー30の出射部31は、光を透過する例えばアクリル樹脂(PMMA)で構成され、灯具ユニット40の光を照明器具2の外へ出射する。化粧枠32は、金属製であり、例えばSUS304のようなステンレスで構成される。
【0013】
図5に示されるように、カバー30の化粧枠32には、カバー30を器具本体20に固定するためのカバー固定具91が挿入される取付穴32hが形成されている。化粧枠32の取付穴32h、及び後述する本体フランジ22fの取付穴22fhにカバー固定具91が配置されることで、器具本体20に対してカバー30が固定される。カバー固定具91は、例えばねじで構成される。また、図示していないが、化粧枠32の取付穴32hを介したケーシング2a内への水の浸入を防ぐために、カバー固定具91のねじ頭と化粧枠32との間に例えば防水座金を設けてもよい。
【0014】
図1及び
図4では、照明器具2のケーシング2aは、カバー30の側すなわち光が出射する前側から見て、一方向(矢印X方向で示す左右方向)に長辺が延びる長方形形状を有し、出射部31もまた、この一方向(左右方向)に長辺が延びる長方形形状を有している。以下では、照明器具2を正面側から見た場合においてケーシング2aの長辺が延びる方向(左右方向)を長手方向、ケーシング2aの短辺が延びる方向(矢印Z方向で示す上下方向)を短手方向と称する場合がある。
【0015】
図3に示されるように、器具本体20は、背面を構成する後壁面部21と、後壁面部21の左右方向(矢印X方向)の端部及び上下方向(矢印Z方向)の端部から前方に延びる周壁部22と、を有する。
図1~
図3に示されるように、周壁部22は、ケーシング2aの長手方向(矢印X方向)に延びた上壁面部22a及び下壁面部22bと、ケーシング2aの短手方向(矢印Z方向)に延びた右壁面部22c及び左壁面部22dと、を有する。以下、器具本体20の後壁面部21、上壁面部22a、下壁面部22b、右壁面部22c及び左壁面部22dを区別せず、それぞれを器具本体20の壁面部という場合がある。
【0016】
図1に示されるように、器具本体20の長手方向(矢印X方向)の端部である右壁面部22c及び左壁面部22dには、電源用穴22hpが形成されており、この電源用穴22hpには、防水コネクタ29が取り付けられている。また、器具本体20の下壁面部22bには、器具本体20の内部の水を器具本体20の外へ排出するための水抜き穴22hwが形成されている。
【0017】
また、
図5に示されるように、器具本体20は、周壁部22の前端から本体開口部20aの中央側に突出した本体フランジ22fを有し、カバー固定具91が挿入される取付穴22fhは、器具本体20の本体フランジ22fに形成されている。
図5では、化粧枠32の開口部32oの上方及び下方のそれぞれに左右方向(矢印X方向)に沿って複数の取付穴32hが形成され、これらの取付穴32hと対向するように、本体開口部20aの上側及び下側の本体フランジ22fのそれぞれに左右方向に沿って複数の取付穴22fhが形成されている。
【0018】
また、
図2及び
図3に示されるように、取付構造1は、器具本体20の外部に配置された外部絶縁部16と、外部絶縁部16の内部から器具本体20と反対の側(すなわち後方)に延びて外部絶縁部16から突出した第1の締結具11と、を有する。
【0019】
また、
図5に示されるように、被取付部200において、照明器具2の取付面すなわち後壁面部21と対向する壁部201には、被取付穴201hが形成されている。
図5では、被取付穴201hは、壁部201において左右方向(矢印X方向)の2箇所に設けられている。被取付穴201hには、
図2に示した取付構造1の第1の締結具11において外部絶縁部16から突出した部分が配置される。
【0020】
図6は、
図1の照明装置100においてカバー30を外した状態を示す正面図である。
図6には、照明器具2の後方に配置された2つの取付構造1、各取付構造1の外部絶縁部16及び第1の締結具11が、破線で示される。
図7は、
図2の照明装置100のA-A線矢視断面図である。
図8は、
図7の照明器具2を模式的に示す模式図である。
図9は、
図2の照明装置100における器具本体20と取付構造1との組み付け構成を正面側から示す分解斜視図である。
図10は、
図2の照明装置100における器具本体20と取付構造1との組み付け構成を背面側から示す分解斜視図である。
図11は、
図10の器具本体20の外側に組み付けられた取付構造1の外観を示す背面図である。
図12は、
図11の取付構造1において外側絶縁体15を外した状態を示す背面図である。以下、
図6~
図12に基づき、照明器具2及び取付構造1の構成について詳しく説明する。
【0021】
まず、
図6~
図8に基づき照明器具2の構成について詳しく説明する。
図6に示されるように照明器具2を正面視した場合において、灯具ユニット40は、器具本体20内において長手方向(矢印X方向)及び短手方向(矢印Z方向)の略中央に配置され、長手方向に延びている。
図7に示されるように、灯具ユニット40は、光源41と、光源41からの光を透過する透光面43と、透光面43が配置される開口部42oが形成され、光源41を支持する灯具外郭42と、を有する。光源41は、LED(Light Emitting Diode)及び基板等で構成される。灯具ユニット40は、透光面43がカバー30の出射部31と対向するように器具本体20内に配置される。
【0022】
灯具外郭42は、例えば、複数の部材で構成され、部材同士は結合ねじ93により固定される。
図7では、灯具外郭42は、透光面43が配置される開口部42oが形成された前側外郭42aと、前側外郭42aの後方に配置された後側外郭42bとにより構成される。そして、前側外郭42a及び後側外郭42bの上端部同士及び下端部同士がそれぞれ、結合ねじ93により固定される。また、
図7では、結合ねじ93によって固定された前側外郭42a及び後側外郭42bのそれぞれの上下方向の中央部は、前方に突出するように屈曲した構成とされる。これにより、前側外郭42aの上下方向の中央部と後側外郭42bの上下方向の中央部との間には、光源41が配置される空間SP1が形成され、また、後側外郭42bの上下方向の中央部の背面側には、器具本体20の後壁面部21との間に空間SP2が形成される。
【0023】
また、照明器具2は、光源41を点灯させる電力を灯具ユニット40に供給する電源ユニット50を備える。電源ユニット50は、灯具ユニット40の後方の空間SP2に配置される。
【0024】
また、
図6に示されるように、照明器具2は、端子台60、端子台60と灯具ユニット40とを中継する中継コネクタ61、端子台60に接続され、化粧枠32と器具本体20との間に設けられた導通線62、端子台60と電源ユニット50とを接続する配線64(
図7参照)、及び、端子台60に接続されたアース渡り線63等といった配線部を備える。端子台60、中継コネクタ61、導通線62及びアース渡り線63は、器具本体20の内部において、例えば、灯具ユニット40の長手方向の両側に設けられた空間に配置される。また、端子台60と電源ユニット50とを接続する配線64(
図7参照)は、器具本体20の内部において短手方向の一端側(
図7では上側)に、器具本体20の後壁面部21に沿うように配置される。
【0025】
ここで、
図8に基づき、器具本体20とカバー30との接続部分の一構成例について説明する。器具本体20の本体フランジ22fは、周壁部22の前端から本体開口部20aの中央側へ延びたフランジ前面部22faと、フランジ前面部22faの先端から後壁面部21の側(すなわち後方)へ延びたフランジ先端部22fbとを有する。すなわち、本体フランジ22fは、器具本体20の後壁面部21と並行して設けられるフランジ前面部22faと、器具本体20の周壁部22と並行して設けられるフランジ先端部22fbとにより、L字状の断面形状を有する。
【0026】
カバー30の化粧枠32は、照明器具2のケーシング2aの前面を構成する化粧枠前面部32aと、化粧枠前面部32aの外周端から後方に突出した化粧枠フランジ32fとを有する。化粧枠前面部32aの中央部には、出射部31が配置される開口部32oが形成されている。
【0027】
カバー30においてカバー固定具91が挿入される取付穴32h(
図5参照)は、化粧枠32の化粧枠前面部32aに形成されている。そして、器具本体20においてカバー固定具91が挿入される取付穴22fh(
図5参照)は、本体フランジ22fのフランジ前面部22faにおいて化粧枠前面部32aの取付穴32hと対向する部位に形成されている。
【0028】
また、
図8に示されるように、照明器具2は、器具本体20の前面(すなわちフランジ前面部22fa)の外周端部に設けられた例えばシリコン製(詳しくは、シリコンゴム等)の第1パッキン75を備える。第1パッキン75は、器具本体20にカバー30が固定された状態で、カバー30の化粧枠フランジ32fの後端と接触する。第1パッキン75は、器具本体20にカバー30が取り付けられる際の緩衝材として機能する。
【0029】
また、カバー30は、出射部31の外周端部に設けられる例えばシリコン製の第2パッキン34を有する。カバー30の第2パッキン34は、出射部31と化粧枠32との間に介在し、出射部31と化粧枠32との緩衝材として機能する。
図8では、第2パッキン34は、出射部31の上下方向(矢印Z方向)の端部の表面を覆う略U字状の断面形状を有する。また、
図8では、出射部31の上下方向(矢印Z方向)の幅W1は化粧枠32の開口部32oの上下方向の幅W2よりも大きく、第2パッキン34及び出射部31は、化粧枠32の背面側に設けられている。
【0030】
また、カバー30は、化粧枠32に対して出射部31を取り付けるための出射部取付金具35を有している。出射部取付金具35は、出射部31の短手方向(矢印Z方向)両側にそれぞれ、出射部31の長手方向(矢印X方向)にわたって設けられる。出射部取付金具35は、金属製であり、例えば溶融亜鉛めっき鋼板(SGCC)で構成される。
【0031】
以下、
図8に基づき、出射部取付金具35の一構成例について説明する。出射部取付金具35は、出射部31の短手方向(矢印Z方向)の端部に取り付けられた第2パッキン34を化粧枠32との間に挟み込んで保持する保持部35aと、化粧枠前面部32aに対して固定される被固定部35bと、を有する。
【0032】
保持部35aは、出射部31の短手方向の端部の背面と接触する第1片35a1と、出射部31の短手方向の端面と接触する第2片35a2とを有し、L字状の断面形状を有する。被固定部35bは、化粧枠前面部32aの背面と接触する第3片35b1と、第3片35b1から後方に延びて先端がフランジ前面部22faと接触する第4片35b2とを有し、L字状の断面形状を有する。被固定部35bの第3片35b1が、保持部35aの第2片35a2の前端とつながっている。被固定部35bには、カバー固定具91が挿入される不図示の穴が形成されている。
【0033】
カバー固定具91により化粧枠32が器具本体20に固定されると、出射部取付金具35において、第4片35b2が本体フランジ22fのフランジ前面部22faと接触することで第3片35b1が化粧枠前面部32aの背面に押し当てられる。これにより、第3片35b1とつながっている保持部35aも前方に移動し、出射部31の短手方向の端部に取り付けられた第2パッキン34が、化粧枠前面部32aの背面と保持部35aとによって保持される。
【0034】
出射部取付金具35は、カバー30の第2パッキン34及び化粧枠32、器具本体20、並びにカバー固定具91と接触するが、灯具ユニット40等の器具本体20の内部に配置される内部構成部とは離間して設けられる。部品間の距離については後述する。
【0035】
次に、
図7及び
図9~
図12に基づき、照明器具2を被取付部200に取り付ける取付構造1について詳しく説明する。本実施の形態の照明装置100では、器具本体20の後壁面部21において長手方向の両側に本体貫通孔21h(
図9参照)が形成されており、後壁面部21に対して2つの取付構造1が装着されるものとして説明する。
【0036】
なお、器具本体20の複数の壁面部のうち取付構造1が装着される壁面部、及び、照明装置100が備える取付構造1の数は、上記の場合に限定されない。例えば、器具本体20の後壁面部21に2つの取付構造1を装着する代わりに、上壁面部22a及び下壁面部22bのそれぞれに1つの取付構造1を装着するようにしてもよい。ただし、本実施の形態では、器具本体20の複数の壁面部のうち光の出射側とは反対側の後壁面部21に全ての取付構造1を設けることで、器具本体20の内部の空間の無駄が無く絶縁性を確保している。
【0037】
図7、
図9及び
図10に示されるように、照明器具2の取付構造1は、器具本体20の後壁面部21の後方に複数の板状の絶縁体が積層されて成る外部絶縁部16と、第1の締結具11と、第2の締結具12と、を有する。外部絶縁部16を構成する複数の板状の絶縁体のうち、一部の絶縁体には第1の締結具11及び第2の締結具12の双方が貫通し、他の一部の絶縁体には第1の締結具11のみが貫通し、残りの絶縁体には第2の締結具12のみが貫通する。以下、取付構造1が3つの板状の絶縁体を有するものとして、説明する。
【0038】
外部絶縁部16は、後壁面部21の背面と接触する本体側絶縁体13と、本体側絶縁体13の後方に重なるように配置される中間絶縁体14と、中間絶縁体14の後方に重なるように配置される外側絶縁体15と、を有する。
図10及び
図11に示されるように、本体側絶縁体13、中間絶縁体14及び外側絶縁体15のそれぞれは略四角形状を有し、これらが積層されて成る外部絶縁部16は、略直方体形状又は略立方体形状を呈する。
【0039】
図9及び
図10に示されるように、本体側絶縁体13には第1の貫通孔13h1が形成され、また、中間絶縁体14には、本体側絶縁体13の第1の貫通孔13h1と連通する第2の貫通孔14h2が形成されている。第2の締結具12は、例えばボルト12v及びナット12n等で構成される。第2の締結具12は、中間絶縁体14の後方から中間絶縁体14の第2の貫通孔14h2、本体側絶縁体13の第1の貫通孔13h1、及び器具本体20の後壁面部21の本体貫通孔21hに挿入される。第2の締結具12は、中間絶縁体14及び本体側絶縁体13を、器具本体20の後壁面部21に対して固定する。
【0040】
また、
図9及び
図10に示されるように、中間絶縁体14には、第2の貫通孔14h2と離間して第3の貫通孔14h3が形成されている。また、外側絶縁体15には、中間絶縁体14の第3の貫通孔14h3と連通する第4の貫通孔15h4が形成されている。
図7に示されるように、第1の締結具11は、例えばボルト11v及びナット11n等で構成される。第1の締結具11は、中間絶縁体14の前方から中間絶縁体14の第3の貫通孔14h3、外側絶縁体15の第4の貫通孔15h4、及び被取付部200の被取付穴201hに挿入される。第1の締結具11は、中間絶縁体14及び外側絶縁体15を、被取付部200の壁部201に対して固定する。
【0041】
図7に示されるように、照明装置100において、中間絶縁体14及び本体側絶縁体13が第2の締結具12により器具本体20の後壁面部21に固定された状態で、第1の締結具11のボルト頭部11vhは、外部絶縁部16の内部において中間絶縁体14に係止され、第1の締結具11のボルト軸部11vaは、中間絶縁体14及び外側絶縁体15を貫通して、その先端部は外側絶縁体15の背面から突出する。第1の締結具11のボルト11vにおいて外側絶縁体15の背面から突出したボルト軸部11vaの先端部は、被取付部200の壁部201の被取付穴201hに挿入され、さらに壁部201から後方に突出した部分にナット11nが取り付けられる。すなわち、第1の締結具11は、中間絶縁体14及び外側絶縁体15を被取付部200に対して固定する。
【0042】
以下、第1の締結具11、第2の締結具12、及び中間絶縁体14の構成について詳しく説明する。
図7に示されるように、第1の締結具11は、被取付部200の壁部201の被取付穴201h内に嵌め込まれたカラー11cと、ボルト軸部11vaの先端部に取り付けられてナット11nの緩みを防止する平座金11wと、を有する。取付構造1により照明器具2が被取付部200の壁部201に取り付けられた状態では、平座金11wは、ナット11nと壁部201との間に位置する。
【0043】
図10では、第1の締結具11のボルト11vは六角ボルトである。この場合、
図7及び
図10に示されるように、ボルト頭部11vhの回転を防止する回転止めプレート11pを設けるとよい。回転止めプレート11pには、ボルト頭部11vhと略同じ大きさの六角形の穴が形成されており、この穴にボルト頭部11vhが配置される。すなわち、回転止めプレート11pは、六角形の穴の内面に六角形のボルト頭部11vhの外周面が引っ掛かることでボルト11vの回転を防止する構成とされる。回転止めプレート11pは、例えば四角形状の外形を有し、中間絶縁体14の後述する第1凹部14r1内に配置される。
【0044】
なお、回転止めプレート11pは省略することができる。また、回転止めプレート11pを省略する場合において、ボルト頭部11vhと中間絶縁体14の側面14s1との間に、ボルト11vの緩みを防止する部品(不図示)を設けてもよい。
【0045】
図10に示されるように、第2の締結具12のナット12nは、器具本体20の内部、すなわち後壁面部21よりも前方に配置される。ナット12nは、中間絶縁体14、本体側絶縁体13及び後壁面部21を貫通したボルト軸部12vaにおいて後壁面部21の前方に突出した部分(すなわちボルト軸部12vaの先端部)に取り付けられる。
【0046】
また、
図12に示されるように、第2の締結具12は、ボルト軸部12vaにおいてボルト頭部12vhの側に取り付けられてボルト12vの緩みを防止する平座金12wを有する。
図12に示されるように、第1の締結具11のボルト11vが取り付けられた中間絶縁体14と、本体側絶縁体13(
図10参照)とが第2の締結具12により照明器具2の器具本体20に取り付けられた状態では、第2の締結具12の平座金12wは、ボルト頭部12vhと中間絶縁体14との間に位置する。平座金12wは、中間絶縁体14の後述する第2凹部14r2内に配置される。
【0047】
図7及び
図9に示されるように、中間絶縁体14において本体側絶縁体13と接触する側面14s1の第3の貫通孔14h3の周縁部には、第1凹部14r1が形成されている。第1凹部14r1内には第1の締結具11のボルト頭部11vhが配置され、ボルト頭部11vhと第3の貫通孔14h3の周縁部とが係り合う。これにより、器具本体20に対して固定された中間絶縁体14の第3の貫通孔14h3から、ボルト11vが抜け落ちない構成となっている。
【0048】
詳しくは、中間絶縁体14の側面14s1において第3の貫通孔14h3の周縁部に、ボルト軸部11vaよりも大きい径をもつボルト頭部11vhが接触し、引っ掛かる。なお、回転止めプレート11pは省略する場合において、ボルト頭部11vhと中間絶縁体14の側面14s1との間にボルト11vの緩みを防止する部品(不図示)を設ける場合には、この部品が第3の貫通孔14h3の周縁部に接触し、引っ掛かる構成であれば、ボルト11vの抜け落ちは防止できる。
【0049】
また、
図10及び
図12に示されるように中間絶縁体14において外側絶縁体15と接触する側面14s2の第2の貫通孔14h2の周縁部には、第2凹部14r2が形成されている。第2凹部14r2内には第2の締結具12のボルト頭部12vhが配置され、ボルト頭部12vhと第2の貫通孔14h2の周縁部とが係り合う。詳しくは、第2凹部14r2内に、第2の締結具12のボルト頭部12vh、及びボルト軸部12vaに取り付けられた平座金12wが配置され、平座金12wを介して、ボルト頭部12vhが第2の貫通孔14h2の周縁部に引っ掛かる。なお、平座金12wは省略してもよく、この場合、ボルト頭部12vhが第2の貫通孔14h2の周縁部に直接接触し、引っ掛かる構成となる。
【0050】
図9~
図12では、第1の締結具11は、外側絶縁体15及び中間絶縁体14の中央に配置される。そして、第3の貫通孔14h3は、中間絶縁体14の中央に設けられ、第4の貫通孔15h4は、外側絶縁体15の中央に設けられている。
【0051】
本体側絶縁体13及び中間絶縁体14を器具本体20に固定する第2の締結具12は、負荷を分散させるために複数設けられるとよい。
図9、
図10及び
図12では、第2の締結具12は、第1の締結具11の周囲に4つ設けられ、第1の貫通孔13h1は本体側絶縁体13の四隅に設けられ、第2の貫通孔14h2は中間絶縁体14の四隅に設けられ、本体貫通孔21hは、後壁面部21において本体側絶縁体13の4つの第1の貫通孔13h1と対向して4つ設けられている。
【0052】
図7及び
図9~
図12を用いて説明したように、取付構造1において、本体側絶縁体13及び中間絶縁体14は、第2の締結具12により器具本体20の後壁面部21に対して固定され、中間絶縁体14及び外側絶縁体15は、第1の締結具11により被取付部200の壁部201に対して固定される。本体側絶縁体13と外側絶縁体15との間に配置される中間絶縁体14は、第1の締結具11及び第2の締結具12の双方が貫通する共通の絶縁体であり、このような共通の絶縁体が設けられることで、取付構造1の締結具を第1の締結具11と第2の締結具12とに分けて構成しても、本体側絶縁体13と中間絶縁体14と外側絶縁体15とを一体的に組み付けることができる。
【0053】
上記のように、第1の締結具11及び第2の締結具12の双方が貫通する中間絶縁体14には、第1の締結具11のボルト頭部11vhが配置される第1凹部14r1、及び第2の締結具12のボルト頭部12vhが配置される第2凹部14r2が形成される。このため、
図7に示されるように、本体側絶縁体13、中間絶縁体14及び外側絶縁体15の積層方向(すなわち前後方向)における中間絶縁体14の厚さT14は、積層方向における本体側絶縁体13の厚さT13及び外側絶縁体15の厚さT15よりも厚く形成されている。
【0054】
図7、
図10及び
図12に示されるように、照明器具2の取付構造1において、器具本体20の後壁面部21に取り付けられる第2の締結具12と、被取付部200の壁部201に取り付けられる第1の締結具11とは、共通の中間絶縁体14において第2の貫通孔14h2と第3の貫通孔14h3との間に在る部分によって絶縁される。
図12の例では、中間絶縁体14において第1の締結具11のボルト軸部11vaと第2の締結具12の平座金12wとの間に在る部分により、第1の締結具11と第2の締結具12とが絶縁される。
【0055】
そして、
図7及び
図10~
図12に示されるように、前後方向(積層方向)では、器具本体20の後壁面部21に取り付けられる第2の締結具12は、外側絶縁体15によって被取付部200の壁部201に対して絶縁され、また、被取付部200の壁部201に取り付けられる第1の締結具11は、本体側絶縁体13によって照明器具2に対して絶縁される。
【0056】
したがって、照明装置100において、取付構造1の第2の締結具12は照明器具2の器具本体20と導通するが、取付構造1の第1の締結具11は、照明器具2に対して絶縁されている。結果、器具本体20と被取付部200とが絶縁される。また、取付構造1において外部絶縁部16から一部が露出する第1の締結具11は、照明器具2(すなわち器具本体20及び器具本体20の内部の構造)に対して絶縁されている。よって、照明器具2を被取付部200に対して取り付ける際に、ボルト11v等の第1の締結具11及びH鋼等の被取付部200からの電流による照明器具2への影響の発生が抑制できる。したがって、照明器具2の器具本体20を金属製の部材で構成することができる。
【0057】
なお、取付構造1の構成は、上記の構成に限定されない。例えば、外部絶縁部16を構成する板状の絶縁体(本体側絶縁体13、中間絶縁体14及び外側絶縁体15)の数、それぞれの板状の絶縁体の形状、第2の締結具12、第1の貫通孔13h1、第2の貫通孔14h2及び本体貫通孔21hの数及び位置、第1の締結具11、第3の貫通孔14h3、第4の貫通孔15h4、及び被取付穴201hの数及び位置は、適宜変更してよい。
【0058】
図1~
図3に示される照明装置100の組立方法について、
図9~
図10を用いて説明する。まず、中間絶縁体14の第1凹部14r1に回転止めプレート11pを配置し、中間絶縁体14の前方から中間絶縁体14の第3の貫通孔14h3に第1の締結具11のボルト11vを挿入する。この状態で、中間絶縁体14の後方から、平座金12wを取り付けた第2の締結具12のボルト12vを、中間絶縁体14の第2の貫通孔14h2、本体側絶縁体13の第1の貫通孔13h1、及び器具本体20の後壁面部21の本体貫通孔21hに挿入する。器具本体20には、予め内部絶縁部70(後述の
図17参照)が設置されている。そして、第2の締結具12のボルト12vの先端部にナット12nを取り付けることで、中間絶縁体14及び本体側絶縁体13を後壁面部21に固定する。次に、中間絶縁体14の後方から突出したボルト11vの先端部が外側絶縁体15の第4の貫通孔15h4に挿入されるように、中間絶縁体14の後方に外側絶縁体15を配置する。この状態で、外側絶縁体15の後方から突出したボルト11vの先端部に、平座金11w及びナット11n(
図11参照)を取り付ける。そして、器具本体20内に、配線部、電源ユニット50及び灯具ユニット40等の内部構成部を設置し、出射部取付金具35を介してカバー固定具91によりカバー30を器具本体20に固定する。
【0059】
なお、照明装置100を被取付部200に設置する際には、
図7に示されるように、第1の締結具11のボルト11vの先端部から平座金11w及びナット11nを一旦外す。そして、外側絶縁体15の後方から突出したボルト11vの先端部を、壁部201の被取付穴201h内のカラー11cに挿入した後、壁部201の後方から再び平座金11w及びナット11nを取り付ける。
【0060】
図13は、
図4のH鋼に取り付けられた照明装置100の内部の構成を示す構成図である。
図14は、
図13の照明装置100のC-C線矢視断面図である。
図15は、
図13の照明装置100のD-D線矢視断面図である。
図16は、
図13の照明装置100の内部絶縁部70と取付構造1との位置関係を示す概略背面図である。
図17は、
図16の照明装置100のE-E断面を模式的に示す模式図である。以下、
図13~
図17に基づき、照明器具2の絶縁構造について詳しく説明する。
【0061】
図17に示されるように、照明器具2は、器具本体20の内部に設けられた内部絶縁部70を備える。内部絶縁部70は、照明器具2の外郭である器具本体20を、器具本体20の内部に配置された灯具ユニット40及び電源ユニット50等の内部構成部から絶縁するものである。また、
図8に示したように、器具本体20に取り付けられる照明器具のカバー30は、灯具ユニット40及び電源ユニット50等の内部構成部から離間するように設けられている。したがって、
図17に示される器具本体20、カバー30、器具本体20にカバー30を固定するためのカバー固定具91といった照明器具2の表面を構成する表面構成部、及び、表面構成部に取り付けられた出射部取付金具35を含む第1部品群と、灯具ユニット40、電源ユニット50、及び後述する灯具取付具94等の内部構成部である第2部品群とは、絶縁されている。
【0062】
図17では、内部構成部等の第2部品群は、破線で示される境界IBの内側に図示され、表面構成部等の第1部品群は、境界IBの外側に図示される。
図8に示される灯具ユニット40の結合ねじ93は、第2部品群に属する。取付構造1の第2の締結具12は、器具本体20と接触しているので、表面構成部等の第1部品群に属する。なお、取付構造1の第1の締結具11は、第1部品群及び第2部品群のいずれに対しても絶縁されている。
【0063】
図17に示されるように、内部絶縁部70は、器具本体20の内面に沿って器具本体20と灯具ユニット40等の内部構成部との間に配置された絶縁シート72と、器具本体20の後壁面部21の内面に設けられ、灯具ユニット40等の内部構成部が取り付けられる絶縁台71と、を有する。例えば、器具本体20の後壁面部21の内面に、ねじタップ加工したハット曲げ形状の取付金具(不図示)が予めスポット溶接されており、この取付金具に絶縁台71の前側からねじ固定されることで、器具本体20の後壁面部21に対して絶縁台71が取り付けられる。絶縁台71は、絶縁シート72を介して後壁面部21の内面に取り付けられている。
【0064】
また、
図13、
図16及び
図17に示されるように、照明器具2は、絶縁台71に対して灯具ユニット40を固定する灯具取付具94を備える。灯具取付具94は、例えば、ねじ94v及びナット94nで構成される。
図13では、灯具ユニット40の長手方向(矢印X方向)の中央部及び両側の端部に対向する3つの絶縁台71が設けられ、各絶縁台71に対して、灯具外郭42の短手方向(矢印Z方向)両側の端部が2つの灯具取付具94によって固定されている。以下、3つの絶縁台71のうち、灯具ユニット40の長手方向(矢印X方向)の中央部と対向するものを中央絶縁台71bと称し、3つの絶縁台71のうち、灯具ユニット40の長手方向(左右方向)両側の端部と対向するものをそれぞれ端部絶縁台71aと称する場合がある。
【0065】
図13に示されるように、端部絶縁台71aは、灯具ユニット40の長手方向(矢印X方向)の端部と対向するとともにこの端部よりも外側まで設けられ、この外側へ延び出た部分に、端子台60及び中継コネクタ61等が取り付けられる。端部絶縁台71aは、
図13に示されるように正面視で、照明器具2の長手方向に長辺を有する長方形形状とされている。
【0066】
図17に示されるように、各絶縁台71は、前後方向において予め決められた厚さT71を有し、各絶縁台71には、灯具取付具94の一部が収納される空洞部71hが、短手方向(上下方向)の2箇所に形成されている。空洞部71hは、絶縁台71を前後方向に貫通して設けられ、灯具取付具94のねじ頭94vhが配置される空洞部後部71hbと、灯具取付具94のねじ軸部94vaが配置される空洞部前部71hfとを有する。空洞部後部71hbの内径は、空洞部前部71hfの内径よりも大きい。灯具取付具94のねじ軸部94vaの先端部は、灯具ユニット40が取り付けられる絶縁台71の前面から突出している。ねじ軸部94vaの先端部には、灯具外郭42(前側外郭42a及び後側外郭42b)の短手方向の端部を介してナット94nが取り付けられている。換言すると、灯具取付具94は、絶縁台71に保持され、且つ絶縁台71と灯具外郭42の端部とを締結する構成となっている。
【0067】
照明器具2の前後方向において、灯具取付具94のねじ頭94vhと器具本体20の後壁面部21との間には絶縁シート72が設けられているので、灯具取付具94、及び灯具取付具94に接触している灯具外郭42と、器具本体20の後壁面部21とは、絶縁されている。また、
図14に示されるように、器具本体20内の絶縁台71が設けられていない領域において前側外郭42aと後側外郭42bとを固定する結合ねじ93の後端は、器具本体20の後壁面部21から、予め決められた距離Di(例えば、7[mm])以上離れている。
【0068】
また、
図17に示されるように、第2部品群に属する灯具ユニット40の灯具外郭42と、第1部品群に属する器具本体20及び出射部取付金具35等とは、予め決められた距離Di以上離間して設けられるか又は絶縁部材を介在させることにより、絶縁される。例えば、灯具ユニット40が絶縁台71を介して器具本体20の後壁面部21に取り付けられることで、灯具外郭42と器具本体20の後壁面部21との距離D1は、予め決められた距離Di以上とされる。また、灯具外郭42と器具本体20の下壁面部22bとの距離D2、及び、灯具外郭42と器具本体20の上壁面部22aとの距離(不図示)、灯具外郭42と本体フランジ22fとの距離D3、及び、灯具外郭42と出射部取付金具35との距離D4は、予め決められた距離Di以上とされる。
【0069】
図16に示されるように、照明器具2の取付構造1は、器具本体20の後壁面部21において絶縁台71(中央絶縁台71b及び2つの端部絶縁台71a)が設けられる部分とは別の部分に取り付けられる。具体的には、
図14及び
図15に示されるように、取付構造1において器具本体20の内部に配置される部分、すなわち第2の締結具12のボルト軸部12vaの先端部及びナット12nが、絶縁台71と重ならないように配置される。
【0070】
図14に示されるように、灯具ユニット40が固定される絶縁台71は、その前後方向の高さ、すなわち絶縁台71の厚さT71が、第2の締結具12の器具本体20内への突出高さH、すなわち後壁面部21の前面から第2の締結具12のボルト軸部12vaの先端までの高さよりも高くなるように構成される。つまり、内部絶縁部70の絶縁台71は、取付構造1の第2の締結具12において器具本体20の内部に配置される部分から灯具ユニット40を離間させるように灯具ユニット40を支持している。
【0071】
このように、器具本体20等の表面構成部と灯具ユニット40等の内部構成部とを絶縁することにより、仮に内部構成部で漏電が生じた場合でも、照明器具2において使用者が触れる部分には電流が流れることがない。また、取付構造1のうち、取付構造1が照明器具2に装着された状態(
図2参照)で外部絶縁部16から一部が露出する金属製の第1の締結具11は、取付構造1のうち器具本体20と導通する第2の締結具12に対して絶縁されているので、仮に内部構成部で漏電が生じた場合でも、取付構造1において使用者が触れる部分には電流が流れることがない。
【0072】
以上のように、実施の形態に係る照明器具2の取付構造1は、器具本体20の内部に光源41が収納された照明器具2を被取付部200に取り付ける取付構造1である。取付構造1は、器具本体20の外側に器具本体20と接触するように配置された板状の本体側絶縁体13と、本体側絶縁体13の外側に重なるように配置された板状の中間絶縁体14と、中間絶縁体14の外側に重なるように配置された板状の外側絶縁体15と、を備える。本体側絶縁体13には、第1の貫通孔13h1が形成されている。中間絶縁体14には、第1の貫通孔13h1と連通する第2の貫通孔14h2、及び、第2の貫通孔14h2と離間して設けられた第3の貫通孔14h3が形成されている。外側絶縁体15には、第3の貫通孔14h3と連通する第4の貫通孔15h4が形成されている。また、取付構造1は、第3の貫通孔14h3、第4の貫通孔15h4、及び被取付部200に形成された被取付穴201hに配置され、中間絶縁体14及び外側絶縁体15を被取付部200に固定する第1の締結具11と、第2の貫通孔14h2、第1の貫通孔13h1、及び器具本体20に形成された本体貫通孔21hに配置され、中間絶縁体14及び本体側絶縁体13を器具本体20に固定する第2の締結具12と、を備える。
【0073】
本開示によれば、第3の貫通孔14h3、第4の貫通孔15h4、及び被取付部200に形成された被取付穴201hに配置され、中間絶縁体14及び外側絶縁体15を被取付部200に固定する第1の締結具11と、第2の貫通孔14h2、第1の貫通孔13h1、及び器具本体20に形成された本体貫通孔21hに配置され、中間絶縁体14及び本体側絶縁体13を器具本体20に固定する第2の締結具12と、を備える。そして、中間絶縁体14において第2の貫通孔14h2と第3の貫通孔14h3とは離間して設けられている。これにより、本開示では、器具本体20とH鋼等の被取付部200とを締結する締結具が、器具本体20とは導通するが被取付部200とは絶縁された第2の締結具12と、被取付部200とは導通するが器具本体20とは絶縁された第1の締結具11と、に分けて構成され、且つ、第1の締結具11と第2の締結具12とは、中間絶縁体14における第2の貫通孔14h2と第3の貫通孔14h3との間の部分で絶縁されるので、器具本体20及び第2の締結具12に対して、H鋼等の被取付部200に固定される第1の締結具11が絶縁されることで、器具本体20の内部と被取付部200とが絶縁される。本開示によれば、絶縁体及び第1の締結具11を照明器具2の外部に設けて器具本体20の内部と被取付部200との絶縁を実現しているので、従来のように照明器具のケーシングの周壁の部材及び形状を限定する必要が無く、汎用性が高いものとなる。
【0074】
また、中間絶縁体14において本体側絶縁体13と接触する側面14s1の第3の貫通孔14h3の周縁部には、第1凹部14r1が形成されている。第1の締結具11は、第1凹部14r1に配置されて第3の貫通孔14h3の周縁部と係り合うボルト頭部11vhと、ボルト頭部11vhから延びて中間絶縁体14及び外側絶縁体15を貫通するボルト軸部11vaと、を有するものである。
【0075】
これにより、第2の締結具12が取り付けられた状態では第1の締結具11の抜け落ちを防止することができ、また、本体側絶縁体13に中間絶縁体14の側面14s1が接触するように積層できる。
【0076】
また、中間絶縁体14において外側絶縁体15と接触する側面14s2の第2の貫通孔14h2の周縁部には、第2凹部14r2が形成されている。第2の締結具12は、第2凹部14r2に配置されて第2の貫通孔14h2の周縁部と係り合うボルト頭部12vhと、ボルト頭部12vhから延びて中間絶縁体14、本体側絶縁体13、及び器具本体20における本体貫通孔21hが形成された壁面部(例えば、後壁面部21)を貫通するボルト軸部12vaと、器具本体20の内部に配置され、ボルト軸部12vaの先端部に取り付けられるナット12nと、を有するものである。
【0077】
これにより、中間絶縁体14の側面14s2に外側絶縁体15が接触するように積層することができる。よって、照明器具2が取付構造1を介して被取付部200に取り付けられた状態では、器具本体20の内部まで貫通した第2の締結具12が、中間絶縁体14と外側絶縁体15との隙間から使用者の手に触れることが無い。
【0078】
また、本体側絶縁体13、中間絶縁体14及び外側絶縁体15の積層方向(例えば、前後方向)における中間絶縁体14の厚さT14は、積層方向における本体側絶縁体13の厚さT13及び外側絶縁体15の厚さT15よりも厚い。
【0079】
これにより、積層方向において第1の締結具11と第2の締結具12とが重複する長さが長くなるので、各締結具にかかる負荷を低減し、強度を確保できる。また、第1の締結具11及び第2の締結具12の双方が貫通する共通の中間絶縁体14の厚さT14を厚くすることにより、第1の締結具11及び第2の締結具12を係止するための構造(第1凹部14r1及び第2凹部14r2等)を中間絶縁体14に形成することが容易となる。
【0080】
また、第2の貫通孔14h2は、第3の貫通孔14h3の周囲に複数設けられ、第1の貫通孔13h1及び第2の締結具12は、第2の貫通孔14h2の数と同数設けられる。これにより、各第2の締結具12にかかる負荷を分散させることができ、器具本体20に対する本体側絶縁体13及び中間絶縁体14の固定強度を高めることができる。
【0081】
本実施の形態に係る照明装置100は、器具本体20の内部に光源41が収納された照明器具2と、上記の照明器具2の取付構造1と、を備える。これにより、照明器具2において取付構造1が設けられる壁面部(例えば、器具本体20の後壁面部21)の形状を簡易化でき、製造が容易な照明装置100を提供できる。
【0082】
また、照明器具2は、光源41、及び光源41を支持する灯具外郭42を有する灯具ユニット40と、光源41を点灯させる電力を灯具ユニット40に供給する電源ユニット50と、器具本体20内に設けられた内部絶縁部70と、を備える。内部絶縁部70は、器具本体20を灯具ユニット40及び電源ユニット50から絶縁し、且つ第2の締結具12から灯具ユニット40及び電源ユニット50を離間させるようにこれらを支持する。
【0083】
内部絶縁部70により灯具ユニット40及び電源ユニット50を支持することで、灯具ユニット40及び電源ユニット50に対して、器具本体20を絶縁させ、且つ第2の締結具12を離間させることができる。よって、器具本体20と接触する第2の締結具12についても灯具ユニット40及び電源ユニット50に対する絶縁を図ることができる。
【0084】
また、内部絶縁部70は、器具本体20の内面に沿って器具本体20と灯具ユニット40及び電源ユニット50との間に配置された絶縁シート72と、灯具ユニット40が固定される絶縁台71と、を有するものである。絶縁台71は、器具本体20における本体貫通孔21hが形成された壁面部(例えば、後壁面部21)において第2の締結具12が配置される部分とは別の部分に、第2の締結具12の器具本体20内への突出高さHよりも高い高さ(厚さT71)を有して設けられる。
【0085】
したがって、灯具ユニット40等を支持する絶縁台71の高さ(例えば、厚さT71)によって器具本体20を灯具ユニット40等と絶縁させるとともに、この絶縁台71を利用して第2の締結具12と灯具ユニット40等との距離を確保することができる。よって、仮に灯具ユニット40等からの漏電が生じた場合でも、簡単な構成で、第2の締結具12及び器具本体20に電流が流れることを抑制することができる。
【0086】
また、照明器具2は、絶縁台71に対して灯具ユニット40を固定する灯具取付具94を備え、灯具取付具94は、器具本体20の壁面部(例えば、後壁面部21)に対して絶縁されている。これにより、灯具ユニット40を固定する灯具取付具94が器具本体20の壁面部に接触する構成と比べ、灯具取付具94を介した灯具ユニット40と器具本体20との導通が防止できる。
【0087】
また、絶縁台71は、器具本体20の壁面部(例えば、後壁面部21)に絶縁シート72を介して設置され、灯具取付具94は、絶縁シート72により器具本体20の壁面部から絶縁されている。
【0088】
これにより、灯具取付具94と器具本体20の壁面部との絶縁を簡便な絶縁シート72で実現できる。また、絶縁シート72等の絶縁部材を設けずに灯具取付具94と器具本体20の壁面部との空間距離のみで絶縁を図る場合と比べ、灯具取付具94と器具本体20の壁面部との距離を小さくしても絶縁できるので、器具本体20の内部の空間に無駄な空間が生じるのを抑制できる。
【0089】
以下、本開示の諸態様を付記する。
【0090】
(付記1)
器具本体の内部に光源が収納された照明器具を被取付部に取り付ける取付構造であって、
前記器具本体の外側に前記器具本体と接触するように配置され、第1の貫通孔が形成された板状の本体側絶縁体と、
前記本体側絶縁体の外側に重なるように配置され、前記第1の貫通孔と連通する第2の貫通孔、及び、前記第2の貫通孔と離間して設けられた第3の貫通孔が形成された板状の中間絶縁体と、
前記中間絶縁体の外側に重なるように配置され、前記第3の貫通孔と連通する第4の貫通孔が形成された板状の外側絶縁体と、
前記第3の貫通孔、前記第4の貫通孔、及び前記被取付部に形成された被取付穴に配置され、前記中間絶縁体及び前記外側絶縁体を前記被取付部に固定する第1の締結具と、
前記第2の貫通孔、前記第1の貫通孔、及び前記器具本体に形成された本体貫通孔に配置され、前記中間絶縁体及び前記本体側絶縁体を前記器具本体に固定する第2の締結具と、を備えた
照明器具の取付構造。
(付記2)
前記中間絶縁体において前記本体側絶縁体と接触する側面の前記第3の貫通孔の周縁部には、第1凹部が形成されており、
前記第1の締結具は、
前記第1凹部に配置されて前記第3の貫通孔の前記周縁部と係り合う頭部と、
前記頭部から延びて前記中間絶縁体及び前記外側絶縁体を貫通する軸部と、を有するものである
付記1に記載の照明器具の取付構造。
(付記3)
前記中間絶縁体において前記外側絶縁体と接触する側面の前記第2の貫通孔の周縁部には、第2凹部が形成されており、
前記第2の締結具は、
前記第2凹部に配置されて前記第2の貫通孔の前記周縁部と係り合うボルト頭部と、前記ボルト頭部から延びて前記中間絶縁体、前記本体側絶縁体、及び前記器具本体における前記本体貫通孔が形成された壁面部を貫通するボルト軸部と、
前記器具本体の内部に配置され、前記ボルト軸部の先端部に取り付けられるナットと、を有するものである
付記1又は2に記載の照明器具の取付構造。
(付記4)
前記本体側絶縁体、前記中間絶縁体及び前記外側絶縁体の積層方向における前記中間絶縁体の厚さは、前記積層方向における前記本体側絶縁体の厚さ及び前記外側絶縁体の厚さよりも厚い
付記1~3のいずれか1つに記載の照明器具の取付構造。
(付記5)
前記第2の貫通孔は、前記第3の貫通孔の周囲に複数設けられ、
前記第1の貫通孔及び前記第2の締結具は、前記第2の貫通孔の数と同数設けられる
付記1~4のいずれか1つに記載の照明器具の取付構造。
(付記6)
前記器具本体の内部に光源が収納された照明器具と、
付記1~5のいずれか1つに記載の照明器具の取付構造と、を備えた
照明装置。
(付記7)
前記照明器具は、
前記光源、及び前記光源を支持する灯具外郭を有する灯具ユニットと、
前記光源を点灯させる電力を前記灯具ユニットに供給する電源ユニットと、
前記器具本体内に設けられ、前記器具本体を前記灯具ユニット及び前記電源ユニットから絶縁し、且つ前記第2の締結具から前記灯具ユニット及び前記電源ユニットを離間させるように前記灯具ユニット及び前記電源ユニットを支持する内部絶縁部と、を備えた
付記6に記載の照明装置。
(付記8)
前記内部絶縁部は、
前記器具本体の内面に沿って前記器具本体と前記灯具ユニット及び前記電源ユニットとの間に配置された絶縁シートと、
前記器具本体における前記本体貫通孔が形成された壁面部において前記第2の締結具が配置される部分とは別の部分に、前記第2の締結具の前記器具本体内への突出高さよりも高い高さを有して設けられ、前記灯具ユニットが固定される絶縁台と、を有するものである
付記7に記載の照明装置。
(付記9)
前記照明器具は、
前記絶縁台に対して前記灯具ユニットを固定する灯具取付具を備え、
前記灯具取付具は、前記器具本体の前記壁面部に対して絶縁されている
付記8に記載の照明装置。
(付記10)
前記内部絶縁台は、前記器具本体の前記壁面部に前記絶縁シートを介して設置され、
前記灯具取付具は、前記絶縁シートにより前記器具本体の前記壁面部から絶縁されている
付記9に記載の照明装置。
【符号の説明】
【0091】
1 取付構造、2 照明器具、2a ケーシング、11 第1の締結具、11c カラー、11n ナット、11p 回転止めプレート、11v ボルト、11va ボルト軸部、11vh ボルト頭部、11w 平座金、12 第2の締結具、12n ナット、12v ボルト、12va ボルト軸部、12vh ボルト頭部、12w 平座金、13 本体側絶縁体、13h1 第1の貫通孔、14 中間絶縁体、14h2 第2の貫通孔、14h3 第3の貫通孔、14r1 第1凹部、14r2 第2凹部、14s1 側面、14s2 側面、15 外側絶縁体、15h4 第4の貫通孔、16 外部絶縁部、20 器具本体、20a 本体開口部、21 後壁面部、21h 本体貫通孔、22 周壁部、22a 上壁面部、22b 下壁面部、22c 右壁面部、22d 左壁面部、22f 本体フランジ、22fa フランジ前面部、22fb フランジ先端部、22fh 取付穴、22hp 電源用穴、22hw 水抜き穴、29 防水コネクタ、30 カバー、31 出射部、32 化粧枠、32a 化粧枠前面部、32f 化粧枠フランジ、32h 取付穴、32o 開口部、34 第2パッキン、35 出射部取付金具、35a 保持部、35a1 第1片、35a2 第2片、35b 被固定部、35b1 第3片、35b2 第4片、40 灯具ユニット、41 光源、42 灯具外郭、42a 前側外郭、42b 後側外郭、42o 開口部、43 透光面、50 電源ユニット、60 端子台、61 中継コネクタ、62 導通線、63 アース渡り線、64 配線、70 内部絶縁部、71 絶縁台、71a 端部絶縁台、71b 中央絶縁台、71h 空洞部、71hb 空洞部後部、71hf 空洞部前部、72 絶縁シート、75 第1パッキン、91 カバー固定具、93 結合ねじ、94 灯具取付具、94n ナット、94v ねじ、94va ねじ軸部、94vh ねじ頭、100 照明装置、200 被取付部、201 壁部、201h 被取付穴。