(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076561
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】ダクト装置
(51)【国際特許分類】
F24F 13/02 20060101AFI20240530BHJP
B60L 50/60 20190101ALN20240530BHJP
B60L 58/33 20190101ALN20240530BHJP
【FI】
F24F13/02 A
F24F13/02 B
B60L50/60
B60L58/33
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188153
(22)【出願日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平野 智大
(72)【発明者】
【氏名】都築 実
(72)【発明者】
【氏名】國立 陽平
【テーマコード(参考)】
3L080
5H125
【Fターム(参考)】
3L080AB02
3L080AB04
3L080AB07
3L080AD02
5H125AA01
5H125AC12
5H125FF24
(57)【要約】
【課題】複数の部材が組み合わされて製造される製品から異音が生じる可能性を低減する。
【解決手段】ダクト装置は第1部材と第2部材とを備える。第1部材は第1係合部材を備える。第2部材は、第1係合部材が挿入される空間を画定し弾性変形できる第2係合部材を備える。第1係合部材は、挿入方向に伸びる支持部と、支持部の先端に接続され、支持部が伸びる方向に垂直な方向に支持部から突出する頭部と、頭部が突出する側において、頭部の突出方向に支持部から突出している接触部であって、その突出量が、頭部の最大の突出量より小さく、挿入方向に沿って頭部から遠ざかるにつれて小さくなる、接触部と、を備える。第1部材と第2部材が組み合わされた状態で、頭部は、第2係合部材が画定する空間の外にあり、接触部は、空間を画定する第2係合部材の内面によって押圧されている。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダクト装置であって、
流路の一部を画定する第1部材と、
前記第1部材と組み合わされ、前記流路の他の一部を画定する第2部材と、を備え、
前記第1部材は、第1係合部材を備え、
前記第2部材は、前記第1係合部材が挿入される空間を画定し弾性変形できる第2係合部材を備え、
前記第1係合部材は、
前記第1係合部材が挿入される方向である挿入方向に伸びる支持部と、
前記支持部の先端に接続されている頭部であって、前記支持部が伸びる方向に垂直な方向に前記支持部から突出する形状を有する頭部と、
前記支持部に対して前記頭部が突出する側において、前記頭部が突出する方向に前記支持部から突出している接触部であって、前記接触部の突出量は、前記頭部の最大の突出量より小さく、かつ前記挿入方向に沿って前記頭部から遠ざかるにつれて小さくなる、接触部と、を備え、
前記第1部材と前記第2部材とが組み合わされた状態において、
前記頭部の少なくとも一部は、前記第2係合部材が画定する前記空間の外にあり、
前記接触部は、前記空間を画定する前記第2係合部材の内面によって押圧されている、ダクト装置。
【請求項2】
請求項1に記載のダクト装置であって、
前記挿入方向、および前記支持部が伸びる方向に垂直な前記方向に垂直な、幅方向についての、前記接触部の幅は、前記幅方向についての前記頭部の幅よりも小さい、ダクト装置。
【請求項3】
請求項2に記載のダクト装置であって、
前記頭部の前記幅方向についての中心位置と、前記接触部の前記幅方向についての中心位置とは、一致する、ダクト装置。
【請求項4】
請求項3に記載のダクト装置であって、
前記接触部の前記幅は、前記頭部の前記幅の1/5以下である、ダクト装置。
【請求項5】
請求項1に記載のダクト装置であって、
前記接触部は、前記挿入方向について前記頭部から最も遠い部位において、0より大きい突出量を有する、ダクト装置。
【請求項6】
請求項5に記載のダクト装置であって、
前記接触部は、前記挿入方向について前記頭部に最も近い部位において、前記頭部の突出量の3/5以下の突出量を有する、ダクト装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載のダクト装置であって、
前記接触部の突出量は、前記挿入方向に沿って前記頭部から遠ざかるにつれて直線的に小さくなる、ダクト装置。
【請求項8】
請求項5に記載のダクト装置であって、
前記第1係合部材と前記第2係合部材とは、前記第1部材と前記第2部材とが組み合わされた状態において、前記接触部のうち前記挿入方向について前記頭部から最も遠い部位と、前記接触部のうち前記挿入方向について前記頭部に最も近い部位と、のうち、前記頭部に最も近い前記部位に近い位置において、前記接触部が、前記第2係合部材の前記内面から押圧されるように構成されている、ダクト装置。
【請求項9】
請求項1から6および請求項8のいずれか1項に記載のダクト装置であって、
前記第1部材および前記第2部材は、ポリプロピレン樹脂で構成されている、ダクト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ダクト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、あらかじめ定められた流路に沿って流体を流通させるためのダクトが存在する。特許文献1の技術においては、上流側ダクトモジュールは、第1分割体と、第2分割体と、第3分割体と、を組み合わせることによって、形成される。第1分割体には、複数の係合孔部が形成されている。第2分割体のうち第1分割体の複数の係合孔部に対応する位置には、それぞれ係合爪が形成されている。複数の係合爪が、それぞれ対応する係合孔部に係合されることによって、第1分割体が第2分割体に係止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の発明者は、特許文献1の技術に基づいて、第1分割体と第2分割体とを係止する技術について、検討した。発明者らによって検討された技術においては、第1分割体が第2分割体に係止される際には、係合爪は、係合孔部が有する穴に挿入される。係合爪は、支持部と頭部とを備える。支持部は、係合爪が係合孔部の穴に挿入される方向に沿って、伸びている。支持部の先端は、頭部に接続されている。支持部は、係合爪が係合孔部の穴に挿入される方向に垂直な方向に、弾性変形できる。頭部は、係合爪が係合孔部の穴に挿入される方向に垂直な方向について、支持部の寸法よりも大きい寸法を有する。
【0005】
係合爪が係合孔部の穴に挿入される際には、係合孔部の穴の内面に頭部が接触して、係合孔部の穴の内面から押される。その結果、係合爪が係合孔部の穴に挿入される方向に垂直な方向に、支持部が弾性変形し、係合孔部の穴内で頭部が変位する。一方、係合孔部は、支持部とは逆の方向に弾性変形し、係合孔部の穴が拡張される。頭部は、拡張された穴の内部で変位する。頭部は、変位した状態で拡張された係合孔部の穴を通過する。頭部が係合孔部を通過すると、係合孔部は、係合爪から力を受けない状態となり、係合孔部の弾性変形は解消される。係合爪は、係合孔部の穴の内面から力を受けない状態となり、支持部の弾性変形は解消される。この状態において、係合爪が係合孔部の穴に挿入される方向に投射された場合に、係合爪の頭部と係合孔部の一部とは、重複する。このため、係合爪が係合孔部の穴から抜けてしまうことはない。この状態が、係合爪が係合孔部に係合している状態である。
【0006】
この技術においては、係合爪が係合孔部に係合している状態においては、係合孔部の穴内において、係合爪の支持部は自由に動き得る状態にある。このため、第1分割体と第2分割体が相対移動することにより、第1分割体と第2分割体が衝突したり、こすれあったりして、異音が生じ得る。そのような異音は、ダクトの近傍にいる人間に不快感を与える場合がある。また、第1分割体と第2分割体が相対移動することにより、第1分割体と第2分割体とが組み合わされて製造される製品の寸法誤差が大きくなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0008】
(1)本開示の一形態によれば、ダクト装置が提供される。このダクト装置は、流路の一部を画定する第1部材と、前記第1部材と組み合わされ、前記流路の他の一部を画定する第2部材と、を備える。前記第1部材は、第1係合部材を備える。前記第2部材は、前記第1係合部材が挿入される空間を画定し弾性変形できる第2係合部材を備える。前記第1係合部材は、前記第1係合部材が挿入される方向である挿入方向に伸びる支持部と、前記支持部の先端に接続されている頭部であって、前記支持部が伸びる方向に垂直な方向に前記支持部から突出する形状を有する頭部と、前記支持部に対して前記頭部が突出する側において、前記頭部が突出する方向に前記支持部から突出している接触部であって、前記接触部の突出量は、前記頭部の最大の突出量より小さく、かつ前記挿入方向に沿って前記頭部から遠ざかるにつれて小さくなる、接触部と、を備える。前記第1部材と前記第2部材とが組み合わされた状態において、前記頭部の少なくとも一部は、前記第2係合部材が画定する前記空間の外にあり、前記接触部は、前記空間を画定する前記第2係合部材の内面によって押圧されている。
このような態様とすれば、第1係合部材の接触部は、第2係合部材の弾性力によって、第2係合部材の内面から押圧されている。このため、第1係合部材は、その押圧力、および第2係合部材の内面との摩擦により、第2係合部材が画定する空間内において、自由に動くことができない。また、第1係合部材は、第2係合部材の内面からの押圧力を接触部に受けて、第1係合部材は、挿入方向に押されることになる。このため、このダクト装置は、第1部材と第2部材の衝突や摩擦による音を、生じさせにくい。また、このダクト装置においては、第1部材と第2部材の相対位置ずれが生じにくいため、ダクト装置の寸法誤差が小さい。
(2)上記形態のダクト装置において、前記挿入方向、および前記支持部が伸びる方向に垂直な前記方向に垂直な、幅方向についての、前記接触部の幅は、前記幅方向についての前記頭部の幅よりも小さい、態様とすることもできる。
このような態様においては、第1部材と前記第2部材とが組み合わされた状態において、空間を画定する第2係合部材の内面のうち、頭部の幅よりも狭い部分が、接触部によって押圧され弾性変形することになる。一方、空間を画定する第2係合部材の内面のうち接触部と接触しない部分においては、接触部と接触している部分よりも、弾性変形の量が少ないか、または弾性変形しない。このため、空間を画定する第2係合部材の内面のうち接触部と接触しない部分は、第2係合部材が画定する空間を、挿入方向と逆の方向に、頭部が抜けてしまうことを防止できる。よって、このダクト装置は、異音の発生を抑制しつつ、第1係合部材と第2係合部材との係合が解除される可能性を低減できる。
(3)上記形態のダクト装置において、前記頭部の前記幅方向についての中心位置と、前記接触部の前記幅方向についての中心位置とは、一致する、態様とすることもできる。
このような態様においては、空間を画定する第2係合部材の内面のうち接触部によって押圧されていない部分は、頭部の幅方向についての中心位置に対して、両側に均等に存在することとなる。よって、このダクト装置は、第1係合部材と第2係合部材との係合が解除される可能性を、より低減できる。
(4)上記形態のダクト装置において、前記接触部の前記幅は、前記頭部の前記幅の1/5以下である、態様とすることもできる。
このような態様においては、接触部の前記幅が頭部の幅の1/5より大きい態様に比べて、第1係合部材と第2係合部材との係合が解除される可能性を、より低減できる。
(5)上記形態のダクト装置において、前記接触部は、前記挿入方向について前記頭部から最も遠い部位において、0より大きい突出量を有する、態様とすることもできる。
このような態様においては、挿入方向について頭部から最も遠い部位において接触部の高さが0となる態様に比べて、接触部の全体にわたって、第1係合部材と第2係合部材との相対位置の変化に対する、第2係合部材の内面による接触部への押圧力の変化が小さい。このため、第1係合部材と第2係合部材の製造誤差、および第1係合部材と第2係合部材との組み付け誤差によらず、設計時に想定された大きさの力に近い力で、第2係合部材の内面に接触部が押圧される。
(6)上記形態のダクト装置において、前記接触部は、前記挿入方向について前記頭部に最も近い部位において、前記頭部の突出量の3/5以下の突出量を有する、態様とすることもできる。
このような態様においては、挿入方向ついて頭部に最も近い部位において、頭部の突出量の3/5よりも大きい突出量を有する態様に比べて、第2係合部材の内面のうち接触部によって押圧され弾性変形している部分においても、挿入方向と逆の方向に、頭部が抜けてしまうことを、効果的に防止できる。
(7)上記形態のダクト装置において、前記接触部の突出量は、前記挿入方向に沿って前記頭部から遠ざかるにつれて直線的に小さくなる、態様とすることもできる。
このような態様においては、第1係合部材と第2係合部材との相対位置の変化に対する、第2係合部材の内面による接触部への押圧力の変化の感度を、第1係合部材と第2係合部材との相対位置のズレの大きさによらず、一定にすることができる。このため、設計時に想定された大きさの力から大きく乖離した力で、第2係合部材の内面に接触部が押圧される可能性が低い。
(8)上記形態のダクト装置において、前記第1係合部材と前記第2係合部材とは、前記第1部材と前記第2部材とが組み合わされた状態において、前記接触部のうち前記挿入方向について前記頭部から最も遠い部位と、前記接触部のうち前記挿入方向について前記頭部に最も近い部位と、のうち、前記頭部に最も近い前記部位に近い位置において、前記接触部が、前記第2係合部材の前記内面から押圧されるように構成されている、態様とすることもできる。
このような態様においては、頭部から最も遠い部位に近い位置において、接触部が第2係合部材の内面を押圧される態様に比べて、第2係合部材によって画定される空間の、挿入方向に垂直な方向についての寸法が、大きく構成されている。このため、頭部から最も遠い部位に近い位置において接触部が第2係合部材の内面から押圧される態様に比べて、第2係合部材が画定する空間に、より小さい力で第1係合部材を挿入することができる。
(9)上記形態のダクト装置において、前記第1部材および前記第2部材は、ポリプロピレン樹脂で構成されている、態様とすることもできる。
このような態様とすれば、第2係合部材の内面により、適切な断面力で接触部を押圧することができる。
本開示は、ダクト装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、ダクト装置の製造方法や組み立て方法、ダクト装置の設計方法、などの形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態のダクト装置1の周囲の構造を示す説明図である。
【
図2】第1部材10と第2部材20を相互に固定している部分の斜視図である。
【
図3】第1部材10と第2部材20を相互に固定している部分の正面図である。
【
図7】第1係合部材100と第2係合部材200とが組み合わされる際の状態を示す説明図である。
【
図8】第1係合部材100と第2係合部材200とが組み合わされる際の状態を示す説明図である。
【
図9】第1係合部材100と第2係合部材200とが組み合わされた状態を示す説明図である。
【
図10】接触部160と内面202とが相互に押圧し合う力F10,F20を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
A.第1実施形態:
図1は、本実施形態のダクト装置1の周囲の構造を示す説明図である。ダクト装置1は、あらかじめ定められた流路FPに沿って流体を流通させる装置である。より具体的には、ダクト装置1は、蓄電池SBを冷却する空気を送るファン装置EFに、空気を供給する装置である(
図1の左部参照)。蓄電池SB、ファン装置EF、およびダクト装置1は、自動車の後部座席の下に配されている。
【0011】
ファン装置EFは、ファンと、ファンを駆動する電気モータと、を備えている。電気モータによってファンが駆動されると、ダクト装置1の空気取り入れ口から空気が導入され、蓄電池SB内に送られる(
図1の矢印Ai参照)。蓄電池SB内に送られた空気は、蓄電池SBから熱を奪い、蓄電池SB外に放出される(
図1の矢印Ao参照)。より具体的には、蓄電池SB内に導入された空気は、蓄電池SBの外殻を構成する複数の部材の隙間から、蓄電池SB外に放出される。
【0012】
ダクト装置1は、第1部材10と、第2部材20と、を備える。第1部材10は、空気の流路FPの一部を画定する。第2部材20は、第1部材10と組み合わされて、流路FPの他の一部を画定する。
図1の例において、第1部材10は、流路FPの上半分を画定する。第2部材20は、流路FPの下半分を画定する。第1部材10および第2部材20は、ポリプロピレン樹脂で構成されている。
【0013】
ダクト装置1の空気取り入れ口には、入口フィルタIFが取り付けられている(
図1の下段左部参照)。入口フィルタIFにより、ダクト装置1に導入される空気に含まれている固形物が除去される。
【0014】
図2は、第1部材10と第2部材20とを相互に固定している部分の斜視図である。
図3は、第1部材10と第2部材20とを相互に固定している部分の正面図である。技術の理解を容易にするため、
図2および
図3においては、第1部材10と、第2部材20とを相互に固定している部分が四角形に切り出された状態が、示されている。第1部材10は、第1係合部材100を備える。第2部材20は、第2係合部材200を備える(
図2の中段右部、および
図3の中段参照)。
【0015】
図4は、第2係合部材200を示す斜視図である。技術の理解を容易にするため、
図4においても、第2係合部材200が四角形に切り出された状態が示されている。第2係合部材200は、第1係合部材100と組み合わされて、第1部材10と第2部材20とを相互に固定する(
図1~
図3参照)。第2係合部材200は、底部220と、ガイド壁260と、を有する。
【0016】
底部220は、第1係合部材100が挿入される空間Spdを画定する(
図4の中段参照)。底部220は、弾性変形できる。底部220は、第2部材20の外壁22に対して略垂直に突出している。底部220は、略長方形の板状の部位である。第1係合部材100が挿入される空間Spdは、底部220に設けられた連通孔である。連通孔としての空間Spdは、貫通方向について一定の形状を有する。より具体的には、連通孔としての空間Spdは、長方形の断面形状を有する。
【0017】
ガイド壁260は、底部220の空間Spdに第1係合部材100を誘導するための壁部である(
図4の左部参照)。ガイド壁260は、底部220に接続されている平板状の部材である。ガイド壁260は、第2部材20の外壁22と略平行に配されている。第2係合部材200の機能については、後により詳細に説明する。
【0018】
図5は、第1係合部材100を示す斜視図である。第1部材10の外壁12の端部には、段差部14を介して、カバー部16が設けられている(
図5の中段右部参照)。カバー部16は、第1部材10と第2部材20とが組み合わされた状態において、第2部材20の外壁22の一部を覆う(
図2の中段左部参照)。
【0019】
第1部材10の第1係合部材100は、第2係合部材200と組み合わされて、第1部材10と第2部材20とを相互に固定する(
図1~
図3参照)。第1係合部材100は、支持部120と、頭部140と、接触部160と、を備える。
【0020】
支持部120は、接触部160を介して、第2係合部材200を押圧して弾性変形させ、第2係合部材200による弾性力を生じさせる。支持部120は、第1部材10のカバー部16の先端に設けられている(
図5の下段右部参照)。支持部120は、挿入方向Diに伸びている。「挿入方向Di」とは、第2係合部材200に対して、第1係合部材100が挿入される方向である(
図5の上段左部、および
図4の上段右部参照)。支持部120は、変形方向Ddに弾性変形できる。変形方向Ddは、挿入方向Diに垂直な方向である(
図5の下段右部参照)。より具体的には、変形方向Ddは、第1係合部材100と第2係合部材200とが組み合わされる状態において、支持部120から第2部材20の外壁22に向かう向きである。支持部120は、その弾性変形により、変形方向Ddについての頭部140の変位を実現する。
【0021】
図6は、第1係合部材100の断面図である。より具体的には、
図6は、支持部120と、頭部140と、接触部160との中心線を含み、挿入方向Diおよび変形方向Ddを含む面についての、第1係合部材100の断面図である。
【0022】
頭部140は、第1係合部材100と第2係合部材200との係合を維持するための部位である。頭部140は、支持部120の先端に接続されている(
図5の下段左部参照)。頭部140は、支持部120が伸びる方向Diに垂直な方向、より具体的には、変形方向Ddと逆の方向である突出方向Dpに支持部120から突出する形状を有する(
図5の下段、および
図6の下段参照)。頭部140は、挿入方向Diに沿って頭部140の先端から遠ざかるにつれて、変形方向Ddの寸法が大きくなる形状を有する。
【0023】
接触部160は、第1係合部材100と第2係合部材200とが係合された状態において、第2係合部材200から押圧される部材である。接触部160は、支持部120に対して頭部140が突出する側において、突出方向Dpに支持部120から突出している(
図6の中央部、および
図5の下段中央部参照)。
【0024】
突出方向Dpについての接触部160の突出量p16は、頭部140の最大の突出量p14maxより小さい(
図6の中央部参照)。突出方向Dpについての接触部160の突出量p16は、挿入方向Diに沿って頭部140から遠ざかるにつれて小さくなっている。より具体的には、接触部160の突出量p16は、挿入方向Diに沿って頭部140から遠ざかるにつれて直線的に小さくなる。「寸法Xが、方向Dに沿ってRから遠ざかるにつれて直線的に小さくなる」とは、寸法Xが、方向Dに沿って計測されたRからの距離に対して、負の傾きで比例することを意味する。接触部160は、幅方向Dwに沿ってみたときに、台形状の形状を有する(
図6参照)。
【0025】
接触部160は、挿入方向Diについて頭部140から最も遠い部位162において、0より大きい突出量p16minを有する(
図6の上段参照)。接触部160は、挿入方向Diについて頭部140に最も近い部位164において、頭部140の突出量p14maxの56%の突出量p16maxを有する(
図6の下段参照)。本実施形態において、頭部140の突出量p14maxは、1.6mmである。部位164における接触部160の突出量p16maxは、0.9mmである。部位162における接触部160の突出量p16minは、0.6mmである。
【0026】
幅方向Dwについての接触部160の幅w16は、幅方向Dwについての頭部140の幅w14よりも小さい(
図5の中央部参照)。より具体的には、接触部160の幅w16は、頭部140の幅w14の15%である。本明細書において「幅方向Dw」とは、挿入方向Di、および支持部120が伸びる方向に垂直な変形方向Ddに、垂直な方向である。頭部140の幅方向Dwについての中心位置C14と、接触部160の幅方向Dwについての中心位置C16とは、一致する(
図3の中央部参照)。
【0027】
図7は、第1係合部材100と第2係合部材200とが組み合わされる際の第1係合部材100と第2係合部材200の状態を示す説明図である。第1部材10と、第2部材20とが係止される際には、第1係合部材100は、第2係合部材200が画定する空間Spdに挿入される。第1係合部材100が、第2係合部材200の空間Spdに向かって移動されると、まず、第2係合部材200の空間Spdの内面202に、第1係合部材100の頭部140が接触する(
図7の中央部参照)。
【0028】
図8は、第1係合部材100と第2係合部材200とが組み合わされる際の第1係合部材100と第2係合部材200の状態を示す、説明図である。第1係合部材100が、挿入方向Diに沿って、
図7の状態からさらに移動されると、第1係合部材100の頭部140が、第2係合部材200の内面202によって、変形方向Ddに押される。その結果、変形方向Ddに支持部120が弾性変形し、第2係合部材200が画定する空間Spd内で頭部140が変形方向Ddに変位する。同時に、第2係合部材200のうち頭部140によって押圧されている部分も、突出方向Dpに弾性変形する(
図8の中央部参照)。その結果、係合孔部202の空間Spdが拡張される。
【0029】
図9は、第1係合部材100と第2係合部材200とが組み合わされた状態を示す、説明図である。より具体的には、
図9は、
図3におけるIX-IX断面図に相当する説明図である。第1係合部材100が、挿入方向Diに沿って、
図8の状態からさらに移動されると、頭部140は、変形方向Ddに変位した状態で、拡張された空間Spdを通過する。なお、第2係合部材200が画定する空間Spdは、頭部140が変形方向Ddに変位して、拡張された空間Spd内を通過できる大きさおよび形状で設けられている。
【0030】
頭部140が空間Spdを通過した後、第1部材10のカバー部16の先端16tと、外壁22の先端22tが接触する相対位置に、第1係合部材100が達すると、第1係合部材100は、第2係合部材200に対して、それ以上、挿入方向Diに移動され得なくなる(
図9の中央部参照)。この状態において、第1部材10と第2部材20とは、組み合わされた状態となる。
【0031】
第1部材10と第2部材20とが組み合わされた状態において、第1係合部材100の頭部140は、第2係合部材200が画定する空間Spdの外にある。より具体的には、第1係合部材100の頭部140は、第2係合部材200が画定する空間Spdに対して、挿入方向Diの側にある(
図9、および
図2の下段右部参照)。
【0032】
図9の状態において、挿入方向Diに投射された場合に、第1係合部材100の頭部140の一部と第2係合部材200の一部とは、重複する。このため、第2係合部材200が画定する空間Spdから第1係合部材100が抜けてしまうことはない。すなわち、第1係合部材100と第2係合部材200とが組み合わされた状態が保たれる。
【0033】
頭部140が第2係合部材200が画定する空間Spdを通過した後の状態においては、頭部140に代わって、第1係合部材100の接触部160が、第2係合部材200の内面202に接触する。第1係合部材100と第2係合部材200とが組み合わされた状態において、第2係合部材200の内面202と第1係合部材100の接触部160とは、第1係合部材100と第2係合部材200において弾性変形が生じないと仮定すると、相互に干渉する位置関係にある。この状態において、変形方向Ddについての支持部120の弾性変形の量は、
図8の状態における支持部120の弾性変形の量よりも小さい。
【0034】
第1部材10と第2部材20とが組み合わされた状態において、第1係合部材100の接触部160は、空間Spdを画定する第2係合部材200が弾性変形していることに起因して、第2係合部材200の内面202によって押圧されている。
図9において、接触部160が第2係合部材200の内面202から押圧される力を、力F20として示す。
【0035】
このような構成においては、第1係合部材100の接触部160は、第2係合部材200の弾性力によって、第2係合部材200の内面202から押圧されている。このため、第1係合部材100は、その押圧力、および第2係合部材200の内面202との摩擦により、第2係合部材200が画定する空間Spd内において、自由に動くことができない。このため、このダクト装置1は、第1部材10と第2部材20の衝突や摩擦による音を、生じさせにくい。
【0036】
前述のように、ダクト装置1は、自動車の後部座席の下に配されている。このため、ダクト装置1が異音を発生させると、ユーザがそれを感知して不快感を覚える可能性がある。しかし、本実施形態においては、ダクト装置1は、異音を生じさせにくい構造を備えるため、ユーザが不快感を覚える可能性を低減できる。
【0037】
また、このダクト装置1においては、第1部材10と第2部材20の相対位置ずれが生じにくいため、ダクト装置1の寸法誤差が小さい。
【0038】
本実施形態においては、接触部160は、挿入方向Diについて頭部140に最も近い部位164において、頭部140の突出量p14maxの56%、すなわち60%(すなわち、3/5)以下の突出量p16maxを有する(
図6の下段参照)。このような構成とすることにより、以下のような効果が得られる。すなわち、部位164において頭部140の突出量の60%よりも大きい突出量を有する態様に比べて、内面202のうち接触部160によって押圧され弾性変形している部分においても、挿入方向Diと逆の方向に、頭部140が抜けてしまうことを、効果的に防止できる。
【0039】
図9において、接触部160が内面202から押圧される点を接触点CPとして示す。接触点CPは、接触部160のうち挿入方向Diについて頭部140から最も遠い部位162と、接触部160のうち挿入方向Diについて頭部140に最も近い部位164と、のうち、部位164に近い位置である(
図6参照)。
【0040】
接触部160の突出量p16は、挿入方向Diに沿って頭部140から遠ざかるにつれて小さくなる(
図6参照)。このため、第1部材10は、接触部160の頂部の傾斜に沿って、第2係合部材200の弾性変形量がある程度よりも小さくなるまで押し込まれた状態で、第2部材20と組み合わされる(
図9参照)。よって、第1部材10と第2部材20とが組み合わされた状態において接触部160と内面202の接触点CPが頭部140から遠い部位である態様Aと、接触点CPが頭部140に近い部位である態様Bと、を仮定すると、以下のようなことがいえる。すなわち、態様Aにおいては、態様Bに比べて、第2係合部材200が接触部160から外力を受けていないときの、変形方向Ddについての、空間Spdの寸法Wpdが、小さい(
図4参照)。
【0041】
本実施形態においては、接触点CPは、接触部160のうち挿入方向Diについて頭部140から最も遠い部位162と、頭部140に最も近い部位164と、のうち、部位164に近い位置である(
図6および
図9参照)。頭部140から最も遠い部位162に近い位置において接触部160が内面202から押圧される態様に比べて、外力を受けていないときの第2係合部材200の空間Spdの変形方向Ddの寸法Wpdが、大きい(
図4参照)。すなわち、変形方向Ddについて空間Spdが大きい。このため、より小さい力で、第1係合部材100を、第2係合部材200が画定する空間Spdに挿入し、頭部140に空間Spdを通過させることができる(
図7および
図8参照)。
【0042】
図10は、第1部材10の接触部160と第2部材20の内面202とが相互に押圧し合う力F10,F20を示す説明図である。実線で、第2係合部材200の内面202と、第1係合部材100の接触部160と、の基準となる相対位置を示す。基準となる相対位置において、接触部160が内面202を押圧する力を、力F10として示す。内面202が接触部160を押圧する力を、力F20として示す。力F10と力F20とは、作用反作用の関係にある。このため、力F10の大きさと力F20の大きさとは、等しい。
【0043】
図10において、挿入方向Diについての第1係合部材100の挿入量がより少ない場合の、第2係合部材200の内面202と、第1係合部材100の接触部160と、の相対位置を、破線で示す。挿入方向Diについての第1係合部材100の挿入量がより少ない場合の、第2係合部材200の内面202と、第1係合部材100の接触部160と、の接触点を、CP1で示す。第1係合部材100の挿入量がより少ない場合とは、
図9および
図10において、第1係合部材100がより上方にある場合である。
【0044】
図10において、挿入方向Diについての第1係合部材100の挿入量がより多い場合の、第2係合部材200の内面202と、第1係合部材100の接触部160と、の相対位置を、一点鎖線で示す。挿入方向Diについての第1係合部材100の挿入量がより多い場合の、第2係合部材200の内面202と、第1係合部材100の接触部160と、の接触点を、CP2で示す。第1係合部材100の挿入量がより多い場合とは、
図9および
図10において、第1係合部材100がより下方にある場合である。
【0045】
挿入方向Diについての第1係合部材100の挿入量がより少ない場合には、第2係合部材200の内面202は、接触部160のうち突出方向Dpの寸法がより大きい部位に押されることになる(
図10の破線参照)。その結果、第2係合部材200の内面202はより大きく弾性変形し、内面202が接触部160を押圧する力F20の大きさは、より大きくなる。その結果、接触部160が内面202を押し返す力F10の大きさも、より大きくなる。
【0046】
挿入方向Diについての第1係合部材100の挿入量がより多い場合には、第2係合部材200の内面202は、接触部160のうち突出方向Dpの寸法がより小さい部位に押されることになる(
図10の一点鎖線参照)。その結果、第2係合部材200の内面202はより小さく弾性変形し、内面202が接触部160を押圧する力F20の大きさは、より小さくなる。その結果、接触部160が内面202を押し返す力F10の大きさも、より小さくなる。
【0047】
このため、接触点CPにおいて、互いに押圧力を加えている第1係合部材100と第2係合部材200とは、相互に加える力F10,F20がより小さく、より安定した相対位置、すなわち、挿入方向Diについての第1係合部材100の挿入量がより多くなる相対位置をとろうとする。言い換えれば、第2係合部材200の内面202からの押圧力F20を接触部160に受けて、第1係合部材100は、挿入方向Diに押される。このため、このダクト装置1は、この点からも、第1部材10と第2部材20の衝突や摩擦による音を、生じさせにくく、寸法誤差を含みにくい。
【0048】
本実施形態においては、幅方向Dwについての、接触部160の幅w16は、幅方向Dwについての頭部140の幅w14よりも小さい(
図5の中央部参照)。このような構成とすることにより、第1部材10と第2部材20とが組み合わされた状態において、第2係合部材200の内面202のうち、頭部140の幅w14よりも狭い部分が、接触部160によって押圧され弾性変形することになる(
図9および
図4のF10参照)。その部分は、突出方向Dpに弾性変形されて、拡張される。一方、第2係合部材200の内面202のうち接触部160と接触しない部分は、接触部160と接触している部分よりも、弾性変形の量が少ないか、または弾性変形しない。すなわち、その部分においては、空間Spdが突出方向Dpに拡張される寸法が小さいか、または0である。このため、空間Spdを画定する第2係合部材200の内面202のうち接触部160と接触しない部分は、第2係合部材200の空間Spdを、挿入方向Diと逆の方向に、頭部140が抜けてしまうことを防止できる。よって、ダクト装置1は、異音の発生を抑制しつつ、第1係合部材100と第2係合部材200との係合が解除される可能性を低減できる。
【0049】
より具体的には、本実施形態において、接触部160の幅w16は、頭部140の幅w14の15%、すなわち1/5以下である。このような構成とすることにより、接触部160の幅w16が頭部140の幅w14の1/5より大きい態様に比べて、第1係合部材100と第2係合部材200との係合が解除される可能性を、より低減できる。
【0050】
本実施形態においては、頭部140の幅方向Dwについての中心位置C14と、接触部160の幅方向Dwについての中心位置C16とは、一致する(
図3参照)。このような構成とすることにより、空間Spdを画定する第2係合部材200の内面202のうち接触部160と接触していない部分は、頭部140の中心位置C14に対して、両側に均等に存在することとなる(
図4の中央部参照)。よって、ダクト装置1は、第1係合部材100と第2係合部材200との係合が解除される可能性を、より低減できる。
【0051】
本実施形態においては、接触部160は、挿入方向Diについて頭部140から最も遠い部位162において、0より大きい突出量p16minを有する(
図6の上段参照)。
【0052】
このような構成とすることにより、部位162において接触部160の高さ、すなわち突出方向Dpの寸法が0となる態様に比べて、第1係合部材100と第2係合部材200との挿入方向Diの相対位置の変化に対する、第2係合部材200の内面202からの接触部160への押圧力F20の変化を小さくできる。このため、第1係合部材100と第2係合部材200の製造誤差、および第1係合部材100と第2係合部材200との組み付け誤差によらず、設計時に想定された大きさの力に近い力で、第2係合部材200の内面202に接触部160が押圧される。
【0053】
また、このような構成とすることにより、挿入方向Diについて頭部140から最も遠い部位162において接触部160の高さが0となる態様に比べて、挿入方向Diについての接触部160の端の位置が明確となる。このため、第1係合部材100を製造する際の、接触部160の形状および寸法の管理を容易にすることができる。
【0054】
本実施形態においては、接触部160の突出量p16は、挿入方向Diに沿って頭部140から遠ざかるにつれて直線的に小さくなっている(
図6参照)。このような構成とすることにより、第1係合部材100と第2係合部材200との相対位置の変化に対する、第2係合部材200の内面202による接触部160への押圧力の変化の感度を、相対位置のズレの大きさによらず、一定にすることができる。このため、第1係合部材100と第2係合部材200との設計時に想定された大きさの力から大きく乖離した力で、第2係合部材200の内面202に接触部160が押圧される可能性が低い。
【0055】
本実施形態においては、第1部材10および第2部材20は、ポリプロピレン樹脂で構成されている。このような構成とすることにより、第2係合部材200の内面202により、適切な大きさの断面力F20で、接触部160を押圧することができる。
【0056】
B.他の実施形態:
B1.他の実施形態1:
(1)上記実施形態において、支持部120は、挿入方向Diに沿って直線的に伸びている(
図5の下段右部参照)。しかし、支持部120は、屈曲部や湾曲部を含んでいてもよい。支持部120は、太さの異なる部位を含んでいてもよい。支持部120は、挿入方向Diの方向成分を含む方向に伸びている構成であればよい。
【0057】
(2)上記実施形態において、空間Spdは、第2係合部材200の底部220に設けられた、長方形の断面形状を有する連通孔である(
図4の中段参照)。しかし、空間Spdは、楕円形など、他の断面形状を有していてもよい。また、第2係合部材200は、底部220を備えず、底部220以外の部位に空間Spdを備えていてもよい。
【0058】
(3)上記実施形態において、頭部140は、挿入方向Diに沿って頭部140の先端から遠ざかるにつれて、変形方向Ddの寸法が大きくなる形状を有する(
図5の下段参照)。しかし、頭部140は、挿入方向Diについて、変形方向Ddの寸法が一定である部分を含んでいてもよい。頭部140は、挿入方向Diに沿って頭部140の先端から遠ざかるにつれて、変形方向Ddの寸法が小さくなる部分を含んでいてもよい。
【0059】
(4)上記実施形態においては、第1部材10と第2部材20とが組み合わされた状態において、第1係合部材100の頭部140は、第2係合部材200が画定する空間Spdに対して、挿入方向Diの側にある(
図9、および
図2の下段右部参照)。しかし、頭部140の一部は、第1部材10と第2部材20とが組み合わされた状態において、空間Spd内にあってもよい。
【0060】
(5)上記実施形態においては、第1係合部材100と第2係合部材200とがそれぞれ、ダクト装置1を構成する第1部材10と第2部材20に設けられている態様について説明した。しかし、第1係合部材と第2係合部材とは、たとえば、蓄電池SBを冷却した空気の出口側のダクトや、家庭用の空調機器のダクト、雨樋など、互いに組み合わされて任意の製品を構成する第1部材と第2部材に適用することができる。
【0061】
B2.他の実施形態2:
上記実施形態においては、幅方向Dwについての接触部160の幅w16は、幅方向Dwについての頭部140の幅w14よりも小さい(
図5の中央部参照)。しかし、幅方向Dwについての接触部160の幅w16は、幅方向Dwについての頭部140の幅w14以上であってもよい。
【0062】
B3.他の実施形態3:
上記実施形態においては、頭部140の幅方向Dwについての中心位置C14と、接触部160の幅方向Dwについての中心位置C16とは、一致する(
図3の中央部参照)。しかし、頭部140の幅方向Dwについての中心位置C14と、接触部160の幅方向Dwについての中心位置C16とは、幅方向Dwについて一致しない位置にあってもよい。
【0063】
B4.他の実施形態4:
上記実施形態においては、接触部160の幅w16は、頭部140の幅w14の15%、すなわち1/5以下である(
図5の中央部参照)。しかし、接触部160の幅w16は、頭部140の幅w14の1/6,1/8など、1/5よりも小さくてもよい。また、接触部160の幅w16は、頭部140の幅w14の1/4,1/3,1/2など、1/5よりも大きい大きくてもよい。ただし、頭部140の幅w14に対する接触部160の幅w16の大きさは、20%以下であることが好ましく、18%以下であることがより好ましく、16%以下であることがさらに好ましい。
【0064】
B5.他の実施形態5:
上記実施形態においては、接触部160は、挿入方向Diについて頭部140から最も遠い部位162において、0より大きい突出量p16minを有する(
図6の上段参照)。しかし、接触部160の部位162における突出量は、0であってもよい。
【0065】
B6.他の実施形態6:
上記実施形態においては、接触部160は、挿入方向Diについて頭部140に最も近い部位164において、頭部140の突出量p14maxの56%の突出量p16maxを有する(
図6の中央部参照)。しかし、部位164における接触部160の突出量p16maxは、頭部140の突出量p14maxの4/5,3/4など、より大きくてもよい。部位164における接触部160の突出量p16maxは、頭部140の突出量p14maxの2/5,1/3,1/4など、より小さくてもよい。ただし、部位164における接触部160の突出量p16maxは、頭部140の突出量p14maxの40~60%とすることが好ましく、50~55%とすることがさらに好ましい。
【0066】
B7.他の実施形態7:
上記実施形態においては、接触部160の突出量p16は、挿入方向Diに沿って頭部140から遠ざかるにつれて直線的に小さくなる(
図6の中央部参照)。しかし、接触部160の突出量p16は、挿入方向Diに沿って頭部140から遠ざかるにつれて突出方向Dpに凸のカーブを描く形状や、挿入方向Diに沿って頭部140から遠ざかるにつれて変形方向Ddに凸のカーブを描く形状など、他の形状とすることもできる。
【0067】
B8.他の実施形態8:
上記実施形態においては、接触部160と内面202との接触点CPは、接触部160のうち挿入方向Diについて頭部140から最も遠い部位162と、接触部160のうち挿入方向Diについて頭部140に最も近い部位164と、のうち、部位164に近い位置である(
図9参照)。しかし、接触部160と内面202との接触点CPは、部位162と部位164とのうち、部位162に近い位置であってもよい。
【0068】
B9.他の実施形態9:
上記実施形態においては、第1部材10および第2部材20は、ポリプロピレン樹脂で構成されている。しかし、第1部材10および第2部材20は、ポリエチレン樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂など、他の素材で構成されていてもよい。また、第1部材10および第2部材20は、互いに異なる素材で構成されていてもよい。さらに、第1部材10において、第1係合部材100と他の部位とが異なる素材で構成されていてもよい。第2部材20において、第2係合部材200と他の部位とが異なる素材で構成されていてもよい。
【0069】
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0070】
1…ダクト装置、10…第1部材、12…第1部材の外壁、14…段差部、16…カバー部、16t…カバー部の先端、20…第2部材、22…第2部材の外壁、22t…第2部材の外壁の先端、100…第1係合部材、120…支持部、140…頭部、160…接触部、162…頭部から最も遠い部位、164…頭部に最も近い部位、200…第2係合部材、202…内面、220…底部、260…ガイド壁、Ai…蓄電池内に送られる空気の流れを示す矢印、Ao…蓄電池外に放出される空気の流れを示す矢印、C14…幅方向についての頭部の中心位置、C16…幅方向についての接触部の中心位置、CP…接触点、CP1…接触点、CP2…接触点、Dd…変形方向、Di…挿入方向、Dp…突出方向、Dw…幅方向、EF…ファン装置、F10…接触部が内面を押圧する力、F20…内面が接触部を押圧する力、FP…流路、IF…入口フィルタ、SB…蓄電池、Spd…空間、p14max…頭部の最大の突出量、p16…突出方向についての接触部の突出量、p16max…挿入方向に沿って頭部に最も近い部位における接触部の突出量、p16min…挿入方向に沿って頭部から最も遠い部位における接触部の突出量、w14…幅方向についての頭部の幅、w16…幅方向についての接触部の幅