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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076593
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】排熱利用装置
(51)【国際特許分類】
   F01K 25/10 20060101AFI20240530BHJP
   F01K 27/02 20060101ALI20240530BHJP
   F01D 15/10 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
F01K25/10 R
F01K27/02 D
F01D15/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188209
(22)【出願日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000001845
【氏名又は名称】サンデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(72)【発明者】
【氏名】粕谷 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】山口 幸雄
【テーマコード(参考)】
3G081
【Fターム(参考)】
3G081BA07
3G081BB04
3G081BC11
3G081BD03
(57)【要約】
【課題】発熱設備を有する工場などの施設において前記発熱設備を冷却するための熱媒体が流れる熱媒体流路と共に設けられ、前記発熱設備の排熱を有効利用することを可能とする排熱利用装置を提供する。
【解決手段】排熱利用装置10は、発熱設備HEを有する施設において発熱設備HEを冷却するための熱媒体が流れる第1熱媒体流路101と共に設けられる。排熱利用装置10は、第1蒸発器11A、膨張機13、発電機14、凝縮器15、第1凝縮器ファン16A及びポンプ17を有する第1ランキンサイクル装置RC1を含む。排熱利用装置10は、熱媒体を第1熱媒体流路101内で強制的に流す第1熱媒体ポンプ103Aを発電機14で発電された電力で動作させるように構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱設備を有する施設において前記発熱設備を冷却するための熱媒体が流れる熱媒体流路と共に設けられる排熱利用装置であって、
前記発熱設備の熱を吸収した前記熱媒体と作動流体とを熱交換させて前記作動流体を加熱する蒸発器と、前記蒸発器で加熱された前記作動流体を膨張させて動力を発生させる膨張機と、前記膨張機で発生させた動力によって駆動されて発電する発電機と、前記膨張機で減圧された前記作動流体と空気とを熱交換させて前記作動流体を冷却する凝縮器と、前記凝縮器で冷却された前記作動流体を前記蒸発器に向けて送出するポンプとを有するランキンサイクル装置を含み、
前記熱媒体を前記熱媒体流路内で強制的に流す熱媒体ポンプ又は熱媒体ファンを、前記発電機で発電された電力で動作させるように構成されている、排熱利用装置。
【請求項2】
前記熱媒体流路には、前記熱媒体ポンプと、前記熱媒体を冷却する熱媒体冷却器とが設けられ、
前記熱媒体ポンプを前記発電機で発電された電力で動作させるように構成されている、請求項1に記載の排熱利用装置。
【請求項3】
前記熱媒体流路には、前記熱媒体ポンプと、空気を利用して前記熱媒体を冷却する熱媒体冷却器とが設けられると共に、前記熱媒体冷却器には、前記熱媒体冷却器に流通する空気流を形成する冷却ファンが付設されており、
前記熱媒体ポンプを前記発電機で発電された電力で動作させ、前記冷却ファンを前記発電機で発電された電力又は前記膨張機で発生させた動力で動作させるように構成されている、請求項1に記載の排熱利用装置。
【請求項4】
前記蒸発器は、前記熱媒体流路を構成する配管にこれを覆う所定長さの配管部材が取り付けられた二重管構造を有し、前記配管と前記配管部材との間を前記作動流体が流れるように構成されている、請求項1~3のいずれか一つに記載の排熱利用装置。
【請求項5】
前記ランキンサイクル装置が一つのユニットとして形成され、当該ユニットが前記熱媒体流路に設置可能に構成される、請求項1~3のいずれか一つに記載の排熱利用装置。
【請求項6】
前記ランキンサイクル装置と前記熱媒体冷却器と前記冷却ファンとが一つのユニットとして形成され、当該ユニットが前記熱媒体流路に設置可能に構成される、請求項3又は4に記載の排熱利用装置。
【請求項7】
前記ランキンサイクル装置と、前記熱媒体流路の一部を構成し且つ前記熱媒体冷却器を兼ねる前記蒸発器を経由する第1流路部と、前記第1流路部に設置された前記熱媒体ポンプとが一つのユニットとして形成され、
前記ユニットは、前記第1流路部の一端が前記熱媒体流路の一部を構成し且つ前記発熱設備の熱を吸収した前記熱媒体が流れる第2流路部に接続され、前記第1流路部に他端が前記熱媒体流路の一部を構成し且つ前記発熱設備の熱を吸収する前の前記熱媒体が流れる第3流路部に接続可能に構成される、
請求項2又は3に記載の排熱利用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排熱を利用する排熱利用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
排熱利用装置の一例として特許文献1に記載された熱発電装置が知られている。特許文献1に記載された熱発電装置は、ランキンサイクルを利用しており、熱源から供給される熱媒体と作動流体とを熱交換させるように構成された熱交換部を有する蒸発器と、蒸発器で加熱された作動流体から動力を回収する膨張機と、膨張機で回収された動力を電力に変換する発電機と、膨張機で減圧された作動流体を冷却する凝縮器と、凝縮器で冷却された作動流体を吸入して蒸発器に向けて吐出するポンプと、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-121665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
焼却炉、工業炉又はボイラーなどの熱の発生を伴う設備(以下「発熱設備」という)を有する工場などの施設には、通常、発熱設備から熱を搬送するための熱媒体、換言すれば、発熱設備を冷却するための熱媒体が流れる熱媒体流路が設けられている。このような施設では、発熱設備の排熱を利用することで省エネルギー化等を図ることが可能である。しかし、実際には、発熱設備の排熱が有効に利用されていない施設が多く存在するのが実情である。
【0005】
そこで、本発明は、発熱設備を有する施設において前記発熱設備を冷却するための熱媒体が流れる熱媒体流路と共に設けられ、前記発熱設備の排熱を有効利用することを可能とする排熱利用装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面によると、発熱設備を有する施設において前記発熱設備を冷却するための熱媒体が流れる熱媒体流路と共に設けられる排熱利用装置が提供される。前記排熱利用装置は、ランキンサイクル装置を含み、ランキンサイクル装置は、前記熱設備の熱を吸収した前記熱媒体と作動流体とを熱交換させて前記作動流体を加熱する蒸発器と、前記蒸発器で加熱された前記作動流体を膨張させて動力を発生させる膨張機と、前記膨張機で発生させた動力によって駆動されて発電する発電機と、前記膨張機で減圧された前記作動流体と空気とを熱交換させて前記作動流体を冷却する凝縮器と、前記凝縮器で冷却された前記作動流体を前記蒸発器に向けて送出するポンプとを有する。前記排熱利用装置は、前記熱媒体を前記熱媒体流路内で強制的に流す熱媒体ポンプ又は熱媒体ファンを、前記発電機で発電された電力で動作させるように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、発熱設備を有する施設において前記発熱設備を冷却するための熱媒体が流れる熱媒体流路と共に設けられ、前記発熱設備の排熱を有効利用することを可能とする排熱利用装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】発熱設備冷却システムの一例の概略構成を示す図である。
図2】発熱設備冷却システムの他の例の概略構成を示す図である。
図3】第1実施形態に係る排熱利用装置の概略構成を示す図である。
図4】蒸発器の一例を示す図である。
図5】第2実施形態に係る排熱利用装置の概略構成を示す図である。
図6】第3実施形態に係る排熱利用装置の概略構成を示す図である。
図7】第3実施形態に係る排熱利用装置の変形例を示す図である。
図8】第4実施形態に係る排熱利用装置の概略構成を示す図である。
図9】第5実施形態に係る排熱利用装置の概略構成を示す図である。
図10】第5実施形態に係る排熱利用装置の変形例を示す図である。
図11】第6実施形態に係る排熱利用装置の概略構成を示す図である。
図12】第7実施形態に係る排熱利用装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本発明の概要]
本発明は、発熱設備を有する施設において前記発熱設備を冷却するための熱媒体が流れる熱媒体流路と共に設けられて、前記発熱設備の排熱を有効利用することを可能とする排熱利用装置を提供する。発熱設備は、熱を発生させる設備であればよく、特に限定されない。また、熱媒体は、水などの液体の熱媒体であってもよいし、空気などの気体の熱媒体であってもよい。さらに、施設は、新規なものであってもよいし、既存のものであってもよい。
【0010】
本発明による排熱利用装置は、ランキンサイクル、特に作動流体として有機作動流体を用いる有機ランキンサイクルを利用する。有機作動流体は、特に限定されないが、例えばハイドロフルオロオレフィン(HFO)系の作動流体であり得る。本発明による排熱利用装置は、熱媒体を介して発熱設備の排熱を回収して動力又は電力を発生させ、発生させた動力又は電力で熱媒体ポンプや熱媒体ファンなどを動作させるように構成され得る。熱媒体ポンプは、主に発熱設備を冷却するための液体の熱媒体を熱媒体流路内で強制的に流すために使用される。熱媒体ファンは、主に発熱設備を冷却するための気体の熱媒体を熱媒体流路内で強制的に流すために使用される。
【0011】
本発明による排熱利用装置は、発熱設備を冷却するための商用電源の電力使用量を低減し、発熱設備を有する施設の省エネルギー化を図ることを可能とする。
【0012】
以下、本発明による排熱利用装置の実施形態について説明する。但し、説明の便宜上、まず熱媒体を用いて発熱設備を冷却する構成(以下「発熱設備冷却システム」という)について説明し、その後、本発明による排熱利用装置の実施形態について説明する。なお、本明細書における「第1」、「第2」などの用語は、単に類似する要素を区別するために用いられ、それらが付された要素を限定するものではない。また、共通する要素等については同一の符号が用いられ、その説明が適宜省略されることがある。
【0013】
[発熱設備冷却システム]
図1は、発熱設備冷却システムの一例の概略構成を示す図である。図1に示された発熱設備冷却システムは、水などの液体の熱媒体(以下「第1熱媒体」という)を用いて発熱設備HEを冷却するように構成される。発熱設備HEは、施設における所定の建屋B内に配置されている。
【0014】
図1を参照すると、第1熱媒体を用いる発熱設備冷却システム(以下「第1発熱設備冷却システム」という)100は、発熱設備HEから熱を搬送するための第1熱媒体、すなわち、発熱設備HEを冷却するための第1熱媒体が流れる第1熱媒体流路101と、第1熱媒体流路101に設けられた第1熱媒体ポンプ103Aと、第1熱媒体流路101に設けられた第1熱媒体冷却器105Aと、第1熱媒体冷却器105Aに付設された第1冷却ファン107Aとを含む。
【0015】
第1熱媒体流路101は、発熱設備HEの内部と屋外との間で第1熱媒体を循環させる循環流路として形成されている。第1熱媒体ポンプ103Aは、電動ポンプである。第1熱媒体ポンプ103Aは、供給される電力で動作し、第1熱媒体を第1熱媒体流路101内で矢印X方向に強制的に流すように構成されている。第1熱媒体冷却器105Aは、屋外に配置されている。第1熱媒体冷却器105Aは、第1熱媒体と空気(外気)とを熱交換させることにより第1熱媒体を冷却するように構成されている。但し、これに限られない。第1熱媒体冷却器105Aは、空気(外気)を利用して第1熱媒体を冷却するように構成されていればよい。第1冷却ファン107Aは、電動ファンである。第1冷却ファン107Aは、供給される電力で動作し、第1熱媒体冷却器105Aに流通する空気流を形成するように構成されている。
【0016】
第1発熱設備冷却システム100では、第1熱媒体ポンプ103Aが商用電源の電力で動作することにより第1熱媒体が第1熱媒体流路101を矢印X方向に流れ、第1冷却ファン107Aが商用電源の電力で動作することにより第1熱媒体冷却器105Aでの第1熱媒体の冷却が促進される。
【0017】
第1発熱設備冷却システム100において、第1熱媒体は、発熱設備HEに流入し、発熱設備HE内を流れることで発熱設備HEの熱を吸収する。発熱設備HEの熱を吸収して発熱設備HEから流出した第1熱媒体は、第1熱媒体冷却器105Aに導かれ、第1熱媒体冷却器105Aを通過することで冷却される。そして、第1熱媒体冷却器105Aで冷却された第1熱媒体は、再び発熱設備HEに流入して発熱設備HE内を流れる。これにより、発熱設備HEが冷却される。
【0018】
図2は、発熱設備冷却システムの他の例の概略構成を示す図である。図2に示された発熱設備冷却システムは、空気などの気体の熱媒体(以下「第2熱媒体」という)を用いて発熱設備HEを冷却するように構成される。
【0019】
図2を参照すると、第2熱媒体を用いる発熱設備冷却システム(以下「第2発熱設備冷却システム」という)200は、発熱設備HEを冷却するための第2熱媒体が流れる第2熱媒体流路201と、第2熱媒体流路201に設けられた熱媒体ファン203とを含む。
【0020】
第2熱媒体流路201は、吸入ダクト2011と、発熱設備HEの内部空間と、排出ダクト2013と、排出筒2015とによって形成されている。
【0021】
吸入ダクト2011は、第2熱媒体を発熱設備HEに導くためのダクトである。吸入ダクト2011は、第2熱媒体が空気である場合、屋外空間と発熱設備HE内とを連通させるように形成され得る。排出ダクト2013は、発熱設備HEから第2熱媒体を排出させるためのダクトである。排出ダクト2013は、吸入ダクト2011とは異なる位置、好ましくは吸入ダクト2011よりも高い位置に設けられ、屋外空間と発熱設備HE内とを連通させるように形成され得る。排出筒2015は、排出ダクト2013の先端部に接続されると共に屋外に位置しており、発熱設備HEから排出されて排出ダクト2013を流れてきた第2熱媒体を屋外に放出する。
【0022】
熱媒体ファン203は、電動ファンであり、吸入ダクト2011に配置されている。熱媒体ファン203は、供給される電力で動作し、第2熱媒体を発熱設備HEに送り込むことにより第2熱媒体を白抜き矢印方向に強制的に流すように構成されている。
【0023】
第2発熱設備冷却システム200では、熱媒体ファン203が商用電源の電力で動作することにより第2熱媒体が発熱設備HEに導入される。導入された第2熱媒体は、発熱設備HEの熱を吸収し、その後、発熱設備HEから排出ダクト2013に排出され、排出ダクト2013及び排出筒2015を介して屋外に放出される。これにより、発熱設備HEが冷却される。ここで、吸入ダクト2011は、第2熱媒体を発熱設備HEに導入するための導入流路を構成し、排出ダクト2013及び排出筒2015は、発熱設備HEの熱を吸収した第2熱媒体を外部に放出するための放出流路を構成する。
【0024】
[排熱利用装置]
(第1実施形態)
図3は、第1実施形態に係る排熱利用装置10の概略構成を示す図である。排熱利用装置10は、発熱設備HE及び第1発熱設備冷却システム100を有する施設に適用可能である。具体的には、排熱利用装置10は、第1発熱設備冷却システム100の第1熱媒体流路101の屋外に位置する部位に取り付けられ得る。換言すれば、排熱利用装置10は、第1発熱設備冷却システム100に付設され得る。
【0025】
図3を参照すると、排熱利用装置10は、第1ランキンサイクル装置RC1を含む。
【0026】
第1ランキンサイクル装置RC1は、第1蒸発器11Aと、膨張機13と、発電機14と、凝縮器15と、第1凝縮器ファン16Aと、ポンプ17と、作動流体が流れる作動流体循環流路19とを有する。第1蒸発器11A、膨張機13、凝縮器15及びポンプ17は、作動流体循環流路19にこの順で配置されている。
【0027】
第1蒸発器11Aは、第1熱媒体流路101に設置され、第1熱媒体を介して発熱設備HEの排熱を回収する。第1蒸発器11Aは、作動流体と、発熱設備HEから流出した第1熱媒体(つまり、発熱設備HEの熱を吸収した第1熱媒体)とを熱交換させることにより作動流体を加熱するように構成されている。逆に言えば、第1熱媒体は、第1蒸発器11Aを通過することで冷却され得る。
【0028】
本実施形態において、第1蒸発器11Aは、図4に示されるように、第1熱媒体流路101(具体的には第1熱媒体流路101における発熱設備HEから流出した第1熱媒体が流れる部位)を構成する配管111と、配管111を覆う所定長さを有する配管部材113とを含む。配管部材113には、作動流体の入口部113a及び作動流体の出口部113bが長さ方向に互いに離隔して設けられている。配管部材113は、配管111に後付けで取り付け可能である。また、配管部材113を配管111に取り付けられたときにできる配管部材113の両端のリング状の開口は閉塞される。そして、配管111と配管部材113との間が作動流体循環流路19の一部を構成する。換言すれば、第1蒸発器11Aは、第1熱媒体流路101を構成する配管(内管)111にこれを覆う所定長さの配管部材(外管)113が取り付けられた二重管構造を有し、配管(内管)111内を第1熱媒体が流れ、配管(内管)111と配管部材(外管)113との間を作動流体が流れるように構成される。
【0029】
膨張機13は、第1蒸発器11Aで加熱された作動流体を膨張させることにより動力(回転動力)を発生させる。換言すれば、膨張機13は、第1蒸発器11Aによって回収された発熱設備HEの排熱を動力に変換するように構成されている。特に限定されないが、膨張機13は、例えばスクロール膨張機であり得る。
【0030】
発電機14は、膨張機13の回転軸(出力軸)に連結されている。発電機14は、膨張機13で発生した動力によって駆動されて発電するように構成されている。換言すれば、膨張機13及び発電機14は、第1蒸発器11Aによって回収された発熱設備HEの排熱を電力に変換するように構成されている。
【0031】
凝縮器15は、膨張機13で膨張した(減圧された)作動流体と空気とを熱交換させることにより膨張機13で減圧された作動流体を冷却するように構成されている。
【0032】
第1凝縮器ファン16Aは、凝縮器15に付設される。第1凝縮器ファン16Aは、電動ファンである。第1凝縮器ファン16Aは、供給される電力で動作し、凝縮器15に流通する空気流を形成するように構成されている。第1凝縮器ファン16Aによって凝縮器15に向かう空気流が形成されることで凝縮器15での作動流体の冷却が促進される。
【0033】
ポンプ17は、電動ポンプである。ポンプ17は、供給される電力で動作し、凝縮器15で冷却されて凝縮した作動流体を第1蒸発器11Aに向けて送出する。
【0034】
第1実施形態に係る排熱利用装置10において、第1ランキンサイクル装置RC1は一つのユニットとして形成されており、当該ユニットが第1発熱設備冷却システム100の第1熱媒体流路101の屋外に位置する部位に設置可能に構成されている。
【0035】
第1実施形態に係る排熱利用装置10が設けられた場合、第1熱媒体ポンプ103Aが商用電源の電力で動作することにより第1熱媒体が第1熱媒体流路101を矢印X方向に流れ、第1冷却ファン107Aが商用電源の電力で動作することにより第1熱媒体冷却器105Aでの第1熱媒体の冷却が促進され得る。また、ポンプ17が商用電源の電力で動作することにより作動流体が作動流体循環流路19を矢印Y方向に流れ、第1凝縮器ファン16Aが商用電源の電力で動作することにより凝縮器15での作動流体の冷却が促進され得る。
【0036】
排熱利用装置10において、作動流体は、ポンプ17によって第1蒸発器11Aに向けて送出される。作動流体は、第1蒸発器11Aにおいて、発熱設備HEから流出した第1熱媒体(発熱設備HEの熱を吸収した第1熱媒体)と熱交換することによって加熱され、蒸気となって膨張機13に供給される。膨張機13に供給された作動流体は、膨張機13内で膨張する。これにより、膨張機13で動力(回転動力)が発生する。発電機14は、膨張機13で発生した動力によって駆動されて発電する。膨張機13で膨張した(減圧された)作動流体は、凝縮器15で空気と熱交換することによって冷却されて凝縮する。そして、凝縮器15で冷却された(凝縮した)作動流体は、ポンプ17によって再び第1蒸発器11Aに向けて送出される。また、第1発熱設備冷却システム100において、発熱設備HEの熱を吸収した第1熱媒体は、第1蒸発器11A及び第1熱媒体冷却器105Aを通過することで冷却され、冷却された第1熱媒体が再び発熱設備HEに供給される。
【0037】
発電機14が発電すると、排熱利用装置10は、第1凝縮器ファン16A及びポンプ17を商用電源の電力に代えて発電機14で発電された電力で動作させる。
【0038】
また、発電機14で発電された電力は、図3中に破線矢印で示されるように、第1発熱設備冷却システム100の第1熱媒体ポンプ103A及び第1冷却ファン107Aに供給される。第1熱媒体ポンプ103A及び第1冷却ファン107Aにはそれぞれ図示省略の入力電力切替部が設けられている。そして、第1熱媒体ポンプ103A及び第1冷却ファン107Aは、発電機14から電力が供給されると、商用電源の電力に代えて発電機14で発電された電力で動作する。
【0039】
このように、第1実施形態に係る排熱利用装置10は、第1蒸発器11Aによって発熱設備HEの排熱を回収し、膨張機13及び発電機14によって電力を発生させ、発生させた電力で第1凝縮器ファン16A及びポンプ17を動作させると共に、第1発熱設備冷却システム100の構成要素である第1熱媒体ポンプ103A及び第1冷却ファン107Aを動作させるように構成される。
【0040】
そのため、第1発熱設備冷却システム100における商用電源の電力使用量、つまり、発熱設備HEを冷却するための商用電源の電力使用量が低減され得る。したがって、第1実施形態に係る排熱利用装置10によれば、発熱設備HEを有する施設において、発熱設備HEの冷却を行いつつ、省エネルギー化を図ることができる。
【0041】
また、第1蒸発器11Aは、第1熱媒体流路101を構成する配管111にこれを覆う所定長さの配管部材113が取り付けられた二重管構造を有し、配管111と配管部材113との間を作動流体が流れるように構成されている。
【0042】
そのため、第1発熱設備冷却システム100の第1熱媒体流路101上に後付けで第1蒸発器11Aを設置すること、さらに言えば、第1ランキンサイクル装置RC1、すなわち、排熱利用装置10を第1発熱設備冷却システム100(の第1熱媒体流路101)に後付けで取り付けることが比較的容易である。
【0043】
なお、排熱利用装置10は、膨張機13及び発電機14によって発生させた電力で第1発熱設備冷却システム100の第1熱媒体ポンプ103A及び第1冷却ファン107Aのいずれか一方を動作させるように構成されてもよい。また、第1凝縮器ファン16Aは、例えば凝縮器15が第1冷却ファン107Aによって形成される空気流が当たるように配置されることで省略され得る。
【0044】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係る排熱利用装置20の概略構成を示す図である。排熱利用装置20は、発熱設備HEと、第1発熱設備冷却システム100の構成要素となり得る第1熱媒体流路101を有する施設に適用可能である。また、排熱利用装置20は、発熱設備HE及び第1発熱設備冷却システム100を有する施設において、第1発熱設備冷却システム100の第1熱媒体冷却器105A及び第1冷却ファン107Aに代えて設けられることが可能である。
【0045】
図5を参照すると、排熱利用装置20は、第1実施形態に係る排熱利用装置10がさらに第2熱媒体冷却器105B及び第2冷却ファン107Bを有した構成を有する。すなわち、排熱利用装置20は、第1ランキンサイクル装置RC1、第2熱媒体冷却器105B及び第2冷却ファン107Bを含む。また、第1熱媒体流路101には第1熱媒体ポンプ103Aが設けられる。
【0046】
第2熱媒体冷却器105Bは、第1発熱設備冷却システム100の第1熱媒体冷却器105Aに相当する。第2熱媒体冷却器105Bは、第1熱媒体流路101に設けられる。具体的には、第2熱媒体冷却器105Bは、第1熱媒体流路101の第1蒸発器11Aと第1熱媒体ポンプ103Aとの間に設置される。第2熱媒体冷却器105Bは、第1熱媒体冷却器105Aと同様、第1熱媒体と空気(外気)とを熱交換させることにより第1熱媒体を冷却するように構成される。
【0047】
第2冷却ファン107Bは、第1発熱設備冷却システム100の第1冷却ファン107Aに相当する。第2冷却ファン107Bは、第2熱媒体冷却器105Bに付設される。第2冷却ファン107Bは、電動ファンであり、供給される電力で動作して第2熱媒体冷却器105Bに流通する空気流を形成する。
【0048】
第2実施形態に係る排熱利用装置20において、第1ランキンサイクル装置RC1と第2熱媒体冷却器105Bと第2冷却ファン107Bとは一つのユニットとして形成されており、当該ユニットは、第1熱媒体流路101の屋外に位置する部位に設置可能に構成されている。なお、第2熱媒体冷却器105B及び第2冷却ファン107B以外の排熱利用装置20の構成は、第1実施形態に係る排熱利用装置10の構成と同じである。
【0049】
第2実施形態に係る排熱利用装置20が設けられた場合、第1熱媒体ポンプ103Aが商用電源の電力で動作することにより第1熱媒体が第1熱媒体流路101を矢印X方向に流れ、第2冷却ファン107Bが商用電源の電力で動作することにより第2熱媒体冷却器105Bでの第1熱媒体の冷却が促進され得る。また、ポンプ17が商用電源の電力で動作することにより作動流体が作動流体循環流路19を矢印Y方向に流れ、第1凝縮器ファン16Aが商用電源の電力で動作することにより凝縮器15での作動流体の冷却が促進され得る。
【0050】
排熱利用装置20において、作動流体は、ポンプ17によって第1蒸発器11Aに向けて送出され、第1蒸発器11Aにおける第1熱媒体との熱交換によって加熱される。加熱された作動流体は、膨張機13内で膨張し、これにより、膨張機13で動力が発生する。発電機14は、膨張機13で発生した動力によって駆動されて発電する。膨張機13で膨張した(減圧された)作動流体は、凝縮器15で冷却されて凝縮し、凝縮器15で冷却された(凝縮した)作動流体は、ポンプ17によって再び第1蒸発器11Aに向けて送出される。第1熱媒体流路101において、発熱設備HEの熱を吸収した第1熱媒体は、第1蒸発器11A及び第2熱媒体冷却器105Bを通過することによって冷却され、冷却された第1熱媒体が再び発熱設備HEに供給される。
【0051】
発電機14が発電すると、排熱利用装置20は、第1凝縮器ファン16A、ポンプ17及び第2冷却ファン107Bを商用電源の電力に代えて発電機14で発電された電力で動作させる。
【0052】
また、発電機14で発電された電力は、図5中に破線矢印で示されるように、第1熱媒体流路101に設けられた第1熱媒体ポンプ103Aに供給される。第1熱媒体ポンプ103Aには図示省略の入力電力切替部が設けられており、第1熱媒体ポンプ103Aは、発電機14から電力が供給されると、商用電源の電力に代えて発電機14で発電された電力で動作する。
【0053】
つまり、第2実施形態に係る排熱利用装置20は、第1蒸発器11Aによって発熱設備HEの排熱を回収し、膨張機13及び発電機14によって電力を発生させ、発生させた電力で第1凝縮器ファン16A及びポンプ17を動作させると共に、第1熱媒体を強制的に流す第1熱媒体ポンプ103Aと発熱設備HEの熱を吸収した第1熱媒体の冷却に寄与する第2冷却ファン107Bとを動作させるように構成される。
【0054】
そのため、発熱設備HEを冷却するための商用電源の電力使用量が低減され得る。したがって、第2実施形態に係る排熱利用装置20によっても、発熱設備HEを有する施設において、発熱設備HEの冷却を行いつつ、省エネルギー化を図ることができる。なお、第1実施形態に係る排熱利用装置10の場合と同様に、第1凝縮器ファン16Aは省略され得る。また、排熱利用装置20に第1熱媒体ポンプ103Aを内蔵してもよい。
【0055】
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態に係る排熱利用装置30の概略構成を示す図である。排熱利用装置30は、発熱設備HEと、第1発熱設備冷却システム100の構成要素となり得る第1熱媒体流路101とを有する施設に適用可能である。あるいは、排熱利用装置30は、発熱設備HE及び第1発熱設備冷却システム100を有する施設において、第1発熱設備冷却システム100の第1熱媒体冷却器105A及び第1冷却ファン107Aに代えて設けられることが可能である。
【0056】
図6を参照すると、第3実施形態に係る排熱利用装置30は、第2ランキンサイクル装置RC2、第3熱媒体冷却器105C及び第3冷却ファン107Cを含む。また、第1熱媒体流路101には第1熱媒体ポンプ103Aが設けられる。
【0057】
第2ランキンサイクル装置RC2は、第1ランキンサイクル装置RC1から発電機14が省略された構成を有する。すなわち、第2ランキンサイクル装置RC2は、第1蒸発器11Aと、膨張機13と、凝縮器15と、第1凝縮器ファン16Aと、ポンプ17と、作動流体循環流路19とを有する。
【0058】
第3熱媒体冷却器105Cは、第1発熱設備冷却システム100の第1熱媒体冷却器105Aに相当する。第3熱媒体冷却器105Cは、第1熱媒体流路101に設けられる。具体的には、第3熱媒体冷却器105Cは、第1熱媒体流路101の第1蒸発器11Aと第1熱媒体ポンプ103Aとの間に設置される。第3熱媒体冷却器105Cは、第1熱媒体冷却器105A及び第2熱媒体冷却器105Bと同様、第1熱媒体と空気(外気)とを熱交換させることにより第1熱媒体を冷却するように構成される。
【0059】
第3冷却ファン107Cは、第1発熱設備冷却システム100の第1冷却ファン107Aに相当する。第3冷却ファン107Cは、第3熱媒体冷却器105Cに付設される。また、第3冷却ファン107Cは、膨張機13の回転軸に連結されている。第3冷却ファン107Cは、機械式ファンであり、膨張機13で発生した動力によって駆動されて第3熱媒体冷却器105Cに流通する空気流を形成するように構成されている。
【0060】
第3実施形態に係る排熱利用装置30において、第2ランキンサイクル装置RC2と第3熱媒体冷却器105Cと第3冷却ファン107Cとは一つのユニットとして形成されており、当該ユニットは、第1熱媒体流路101の屋外に位置する部位に設置可能に構成されている。
【0061】
第3実施形態に係る排熱利用装置30が設けられた場合、第1熱媒体ポンプ103Aが商用電源の電力で動作することにより第1熱媒体が第1熱媒体流路101を矢印X方向に流れる。また、ポンプ17が商用電源の電力で動作することにより作動流体が作動流体循環流路19を矢印Y方向に流れ、第1凝縮器ファン16Aが商用電源の電力で動作することにより凝縮器15での作動流体の冷却が促進される。
【0062】
排熱利用装置30において、作動流体は、ポンプ17によって第1蒸発器11Aに向けて送出され、第1蒸発器11Aにおける第1熱媒体との熱交換によって加熱される。加熱された作動流体は、膨張機13内で膨張し、膨張機13で動力が発生する。第3冷却ファン107Cは、膨張機13で発生した動力で動作する。これにより、第3熱媒体冷却器105Cでの第1熱媒体の冷却が促進され得る。膨張機13で膨張した(減圧された)作動流体は、凝縮器15で冷却されて凝縮し、凝縮器15で冷却された作動流体は、ポンプ17によって再び第1蒸発器11Aに向けて送出される。また、第1熱媒体流路101において、発熱設備HEの熱を吸収した第1熱媒体は、第1蒸発器11A及び第3熱媒体冷却器105Cを通過することによって冷却され、冷却された第1熱媒体が再び発熱設備HEに供給される。
【0063】
つまり、第3実施形態に係る排熱利用装置30は、第1蒸発器11Aによって発熱設備HEの排熱を回収し、膨張機13によって動力を発生させ、発生させた動力で発熱設備HEの熱を吸収した第1熱媒体の冷却に寄与する第3冷却ファン107Cを動作させるように構成される。
【0064】
そのため、第3冷却ファン107Cを動作させるための電力が不要になる。また、第1凝縮器ファン16A及びポンプ17を動作させるための電力は、通常、第3冷却ファン107Cを動作させるための電力より小さい。よって、発熱設備HEを冷却するための商用電源の電力使用量が低減され得る。したがって、第3実施形態に係る排熱利用装置30によっても、発熱設備HEを有する施設において、発熱設備HEの冷却を行いつつ、省エネルギー化を図ることができる。なお、第1実施形態に係る排熱利用装置10の場合と同様に、第1凝縮器ファン16Aは省略され得る。また、排熱利用装置30に第1熱媒体ポンプ103Aを内蔵してもよい。
【0065】
なお、図示省略するが、第1熱媒体ポンプ103Aに代えて屋外に配置され且つ機械式の熱媒体ポンプが第1熱媒体流路101に設けられた場合、排熱利用装置30は、膨張機13で発生させた動力で前記機械式の熱媒体ポンプを動作させるように構成され得る。また、排熱利用装置30は、膨張機13で発生させた動力を、プーリ・ベルト伝達機構などの動力伝達機構を介して第3冷却ファン107Cや前記機械式の熱媒体ポンプに伝達するように構成されてもよい。さらに、第1実施形態に係る排熱利用装置10の場合と同様、第1凝縮器ファン16Aは省略され得る。
【0066】
ここで、図7に示されるように、第3実施形態に係る排熱利用装置30において、膨張機13と第3冷却ファン107Cとの間にモータ21及びワンウェイクラッチ23が設けられてもよい。モータ21は、主に商用電源の電力によって動作して第3冷却ファン107Cを駆動するように構成され、ワンウェイクラッチ23は、膨張機13側から第3冷却ファン107Cに向かう回転動力のみを伝達するように構成される。このようにすると、第2ランキンサイクル装置RC2側で故障等した場合であっても第3冷却ファン107Cを動作させることができる。したがって、第3熱媒体冷却器105Cでの第1熱媒体の冷却性能の低下、ひいては、発熱設備HEの冷却性能の低下が抑制され得る。
【0067】
(第4実施形態)
図8は、第4実施形態に係る排熱利用装置40の概略構成を示す図である。排熱利用装置40は、発熱設備HEと、第1発熱設備冷却システム100の構成要素となり得る第1熱媒体流路101とを有する施設に適用可能である。あるいは、発熱設備HE及び第1発熱設備冷却システム100を有する施設において、第1発熱設備冷却システム100の第1熱媒体冷却器105A及び第1冷却ファン107Aに代えて設けられることが可能である。
【0068】
図8を参照すると、排熱利用装置40は、第1ランキンサイクル装置RC1、第3熱媒体冷却器105C及び第3冷却ファン107Cを含む。また、第1熱媒体流路101には第1熱媒体ポンプ103Aが設けられる。
【0069】
第4実施形態に係る排熱利用装置40において、第1ランキンサイクル装置RC1と第3熱媒体冷却器105C及び第3冷却ファン107Cとは一つのユニットとして形成されており、当該ユニットは、第1熱媒体流路101の屋外に位置する部位に設置可能に構成される。
【0070】
第4実施形態に係る排熱利用装置40が設けられた場合、第1熱媒体ポンプ103Aが商用電源の電力で動作することにより第1熱媒体が第1熱媒体流路101を矢印X方向に流れる。また、ポンプ17が商用電源の電力で動作することにより作動流体が作動流体循環流路19を矢印Y方向に流れ、第1凝縮器ファン16Aが商用電源の電力で動作することにより凝縮器15での作動流体の冷却が促進され得る。
【0071】
排熱利用装置40において、作動流体は、ポンプ17によって第1蒸発器11Aに向けて送出され、第1蒸発器11Aにおける第1熱媒体との熱交換によって加熱される。加熱された作動流体は、膨張機13内で膨張し、膨張機13で動力が発生する。第3冷却ファン107Cは、膨張機13で発生した動力で動作する。これにより、第3熱媒体冷却器105Cでの第1熱媒体の冷却が促進され得る。また、発電機14は、膨張機13で発生した動力によって駆動されて発電する。膨張機13で膨張した(減圧された)作動流体は、凝縮器15で冷却されて凝縮し、凝縮器15で冷却された作動流体は、ポンプ17によって再び第1蒸発器11Aに向けて送出される。第1熱媒体流路101において、発熱設備HEの熱を吸収した第1熱媒体は、第1蒸発器11A及び第3熱媒体冷却器105Cを通過することによって冷却され、冷却された第1熱媒体が再び発熱設備HEに供給される。
【0072】
発電機14が発電すると、排熱利用装置40は、第1凝縮器ファン16A及びポンプ17を商用電源の電力に代えて発電機14で発電された電力で動作させる。
【0073】
また、発電機14で発電された電力は、図8中に破線矢印で示されるように、第1熱媒体流路101に設けられた第1熱媒体ポンプ103Aに供給される。第1熱媒体ポンプ103Aには図示省略の入力電力切替部が設けられており、第1熱媒体ポンプ103Aは、発電機14から電力が供給されると、商用電源の電力に代えて発電機14で発電された電力で動作する。
【0074】
つまり、第4実施形態に係る排熱利用装置40は、第1蒸発器11Aによって発熱設備HEの排熱を回収し、膨張機13によって動力を発生させ、発生させた動力で第3冷却ファン107Cを動作させる。また、第4実施形態に係る排熱利用装置40は、第1蒸発器11Aによって発熱設備HEの排熱を回収し、膨張機13及び発電機14によって電力を発生させ、発生させた電力で第1凝縮器ファン16A及びポンプ17を動作させると共に第1熱媒体ポンプ103Aを動作させるように構成される。
【0075】
そのため、発熱設備HEを冷却するための商用電源の電力使用量が低減され得る。したがって、第4実施形態に係る排熱利用装置40によっても、発熱設備HEを有する施設において、発熱設備HEの冷却を行いつつ、省エネルギー化を図ることができる。なお、第1実施形態に係る排熱利用装置10の場合と同様に、第1凝縮器ファン16Aは省略され得る。また、排熱利用装置40に第1熱媒体ポンプ103Aを内蔵してもよい。
【0076】
(第5実施形態)
図9は、第5実施形態に係る排熱利用装置50の概略構成を示す図である。排熱利用装置50は、発熱設備HEと、第1発熱設備冷却システム100の構成要素となり得る第1熱媒体流路101とを有する施設に適用可能である。あるいは、発熱設備HE及び第1発熱設備冷却システム100を有する施設において、第1発熱設備冷却システム100の第1熱媒体ポンプ103A、第1熱媒体冷却器105A及び第1冷却ファン107Aに代えて設けられることが可能である。
【0077】
図9を参照すると、排熱利用装置50は、第3ランキンサイクル装置RC3及び第2熱媒体ポンプ103Bを含む。
【0078】
第3ランキンサイクル装置RC3は、第2蒸発器11Bと、膨張機13と、発電機14と、凝縮器15と、第1凝縮器ファン16Aと、ポンプ17と、作動流体循環流路19とを有する。第2蒸発器11B、膨張機13、凝縮器15及びポンプ17は、作動流体循環流路19にこの順で配置されている。
【0079】
第2蒸発器11Bは、第1蒸発器11Aと同様、第1熱媒体流路101に設置され、第1熱媒体を介して発熱設備HEの排熱を回収する。すなわち、第2蒸発器11Bは、作動流体と、発熱設備HEから流出した第1熱媒体(つまり、発熱設備HEの熱を吸収した第1熱媒体)とを熱交換させることにより作動流体を加熱するように構成されている。ここで、第2蒸発器11Bは、例えば第1蒸発器11Aと比べて大きな伝熱面積(交換熱量)を有しており、第1熱媒体は、第2蒸発器11Bを通過することにより十分に冷却されるようになっている。つまり、本実施形態において、第2蒸発器11Bは、発熱設備HEの熱を吸収した第1熱媒体を冷却する熱媒体冷却器を兼ねている。
【0080】
第2熱媒体ポンプ103Bは、第1熱媒体ポンプ103Aに相当する。第2熱媒体ポンプ103Bは、第1熱媒体流路101に設置される。第2熱媒体ポンプ103Bは、電動ポンプであり、供給される電力で動作し、第1熱媒体流路101内の第1熱媒体を矢印X方向に強制的に流すように構成されている。
【0081】
第5実施形態に係る排熱利用装置50において、第3ランキンサイクル装置RC3と第2熱媒体ポンプ103Bとはそれぞれ第1熱媒体流路101に設置される。
【0082】
第5実施形態に係る排熱利用装置50が設けられた場合、第2熱媒体ポンプ103Bが商用電源の電力で動作することにより第1熱媒体が第1熱媒体流路101を矢印X方向に流れ、ポンプ17が商用電源の電力で動作することにより作動流体が作動流体循環流路19を矢印Y方向に流れ、第1凝縮器ファン16Aが商用電源の電力で動作することにより凝縮器15での作動流体の冷却が促進される。
【0083】
排熱利用装置50において、作動流体は、ポンプ17によって第2蒸発器11Bに向けて送出される。作動流体は、第2蒸発器11Bにおいて、発熱設備HEの熱を吸収した第1熱媒体と熱交換することによって加熱され、蒸気となって膨張機13に供給される。膨張機13に供給された作動流体は、膨張機13内で膨張する。これにより、膨張機13で動力(回転動力)が発生し、発電機14は、膨張機13で発生した動力によって駆動されて発電する。膨張機13で膨張した(減圧された)作動流体は、凝縮器15で空気と熱交換することによって冷却されて凝縮する。そして、凝縮器15で冷却された(凝縮した)作動流体は、ポンプ17によって再び第2蒸発器11Bに向けて送出される。また、第1熱媒体流路101において、発熱設備HEの熱を吸収した第1熱媒体は、第2蒸発器11Bを通過することによって冷却され、冷却された第1熱媒体が再び発熱設備HEに供給される。
【0084】
発電機14が発電すると、排熱利用装置50は、第1凝縮器ファン16A、ポンプ17及び第2熱媒体ポンプ103Bを商用電源の電力に代えて発電機14で発電された電力で動作させる。
【0085】
つまり、第5実施形態に係る排熱利用装置50は、第2蒸発器11Bによって発熱設備HEの排熱を回収し、膨張機13及び発電機14によって電力を発生させ、発生させた電力で第1凝縮器ファン16A、ポンプ17及び第2熱媒体ポンプ103Bを動作させるように構成されている。
【0086】
そのため、発熱設備HEを冷却するための商用電源の電力使用量が低減され得る。したがって、第5実施形態に係る排熱利用装置50によっても、発熱設備HEを有する施設において、発熱設備HEの冷却を行いつつ、省エネルギー化を図ることができる。
【0087】
なお、図9中に破線で示されるように、第2蒸発器11Bに蒸発器ファン109が付設されてもよい。付設される蒸発器ファン109は、電動ファンであり、供給される電力(主に商用電源の電力)によって動作し、第2蒸発器11B、特に第1熱媒体が流れる側に流通する空気流を形成するように構成され得る。この場合、好ましくは、第2蒸発器11Bは、内側を作動流体が流れると共に外側を第1熱媒体が流れる二重管構造とされ得る。
【0088】
このようにすると、第2蒸発器11Bは、空気を利用して第1熱媒体を冷却することも可能になる。つまり、第2蒸発器11Bは、作動流体と第1熱媒体との熱交換によって第1熱媒体を冷却することに加えて又は代えて空気と第1熱媒体との熱交換によって第1熱媒体を冷却することが可能になる。したがって、第3ランキンサイクル装置RC3側で故障等が発生した場合や発熱設備HEの排熱量が多い場合であっても第2蒸発器11Bでの1熱媒体の冷却性能の低下、ひいては、発熱設備HEの冷却性能の低下が抑制され得る。
【0089】
ここで、図10に示されるように、第5実施形態に係る排熱利用装置50において、第3ランキンサイクル装置RC3と、第2蒸発器11Bを経由する第1流路部1011と、第1流路部1011に配置された第2熱媒体ポンプ103Bとが一つのユニットとして形成されてもよい。この場合、当該ユニット(すなわち、排熱利用装置50)は、第1流路部1011の一端が屋外の第1接続部C1において発熱設備HEから延びる第2流路部1012に接続され、第1流路部1011の他端が屋外の第2接続部C2において発熱設備HEから延びる第3流路部1013に接続されるように構成される。そして、第1流路部1011と第2流路部1012と第3流路部1013と発熱設備HEに設けられた設備内流路1014とによって第1熱媒体流路101が形成される。
【0090】
つまり、第1流路部1011、第2流路部1012、第3流路部1013及び設備内流路1014は、それぞれ第1熱媒体流路101の一部を構成する。また、第2流路部1012には発熱設備HEから流出した直後の第1熱媒体、すなわち、発熱設備HEの熱を吸収した第1熱媒体が流れ、第3流路部1013には発熱設備HEに流入する直前の第1熱媒体、すなわち、発熱設備HEの熱を吸収する前の第1熱媒体が流れる。なお、第2蒸発器11Bに蒸発器ファン109が付設された場合、蒸発器ファン109は上述のユニットに含まれ得る。
【0091】
(第6実施形態)
図11は、第6実施形態に係る排熱利用装置60の概略構成を示す図である。排熱利用装置60は、発熱設備HEと、第1発熱設備冷却システム100の構成要素となり得る第1熱媒体流路101とを有する施設に適用可能である。あるいは、発熱設備HE及び第1発熱設備冷却システム100を有する施設において、第1発熱設備冷却システム100の第1熱媒体ポンプ103A、第1熱媒体冷却器105A及び第1冷却ファン107Aに代えて設けられることが可能である。
【0092】
図11を参照すると、排熱利用装置60は、第4ランキンサイクル装置RC4及び第2熱媒体ポンプ103Bを含む。
【0093】
第4ランキンサイクル装置RC4は、第3ランキンサイクル装置RC3の第1凝縮器ファン16Aを第2凝縮器ファン16Bに代えた構成を有する。つまり、第4ランキンサイクル装置RC4は、第2蒸発器11Bと、膨張機13と、発電機14と、凝縮器15と、第2凝縮器ファン16Bと、ポンプ17と、作動流体循環流路19とを有する。
【0094】
第2凝縮器ファン16Bは、膨張機13の回転軸に連結されている。第2凝縮器ファン16Bは、機械式ファンであり、膨張機13で発生した動力によって駆動されて凝縮器15に流通する空気流を形成する。
【0095】
第6実施形態に係る排熱利用装置60において、第4ランキンサイクル装置RC4と第2熱媒体ポンプ103Bとはそれぞれ第1熱媒体流路101に設置される。
【0096】
第6実施形態に係る排熱利用装置60が設けられた場合、第2熱媒体ポンプ103Bが商用電源の電力で動作することにより第1熱媒体が第1熱媒体流路101を矢印X方向に流れ、ポンプ17が商用電源の電力で動作することにより作動流体が作動流体循環流路19を矢印Y方向に流れる。
【0097】
排熱利用装置60において、作動流体は、ポンプ17によって第2蒸発器11Bに向けて送出される。作動流体は、第2蒸発器11Bにおいて、発熱設備HEの熱を吸収した第1熱媒体と熱交換することによって加熱され、蒸気となって膨張機13に供給される。膨張機13に供給された作動流体は、膨張機13内で膨張し、膨張機13で動力(回転動力)が発生する。第2凝縮器ファン16Bは、膨張機13で発生した動力によって動作し、これにより、凝縮器15での作動流体の冷却が促進され得る。また、発電機14は、膨張機13で発生した動力によって駆動されて発電する。膨張機13で膨張した(減圧された)作動流体は、凝縮器15で冷却されて凝縮し、凝縮器15で冷却された作動流体は、ポンプ17によって再び第2蒸発器11Bに向けて送出される。第1熱媒体流路101において、発熱設備HEの熱を吸収した第1熱媒体は、第2蒸発器11Bを通過することによって冷却され、冷却された第1熱媒体が再び発熱設備HEに供給される。
【0098】
発電機14が発電すると、排熱利用装置60は、ポンプ17及び第2熱媒体ポンプ103Bを商用電源の電力に代えて発電機14で発電された電力で動作させる。
【0099】
つまり、第6実施形態に係る排熱利用装置60は、第2蒸発器11Bによって発熱設備HEの排熱を回収し、膨張機13によって動力を発生させ、発生させた動力で第2凝縮器ファン16Bを動作させる。また、第6実施形態に係る排熱利用装置60は、第2蒸発器11Bによって発熱設備HEの排熱を回収し、膨張機13及び発電機14によって電力を発生させ、発生させた電力でポンプ17及び第2熱媒体ポンプ103Bを動作させるように構成される。
【0100】
そのため、発熱設備HEを冷却するための商用電源の電力使用量が低減され得る。したがって、第6実施形態に係る排熱利用装置60によっても、発熱設備HEを有する施設において、発熱設備HEの冷却を行いつつ、省エネルギー化を図ることができる。
【0101】
なお、図示は省略するが、膨張機13で発生した動力は、プーリ・ベルト伝達機構等の動力伝達機構を介して第2凝縮器ファン16Bに伝達されてもよい。また、第5実施形態に係る排熱利用装置50と同様、第2蒸発器11Bに蒸発器ファン109が付設されてもよい。さらに、第5実施形態に係る排熱利用装置50と同様、第4ランキンサイクル装置RC4と第2蒸発器11Bを経由する第1流路部1011と第1流路部1011に配置された第2熱媒体ポンプ103Bとが一つのユニットとして形成されてもよい。この場合、当該ユニット(排熱利用装置60)は、第1流路部1011の一端が屋外の第1接続部C1にて発熱設備HEから延びる第2流路部1012に接続され、第1流路部1011の他端が屋外の第2接続部C2にて発熱設備HEから延びる第3流路部1013に接続されるように構成される。
【0102】
(第7実施形態)
図12は、第7実施形態に係る排熱利用装置70の概略構成を示す図である。排熱利用装置70は、発熱設備HE及び第2発熱設備冷却システム200を有する施設に適用可能である。すなわち、排熱利用装置70は、第2発熱設備冷却システム200に付設され得る。
【0103】
図12を参照すると、排熱利用装置70は、第5ランキンサイクル装置RC5を含む。
【0104】
第5ランキンサイクル装置RC5は、第3蒸発器11Cと、膨張機13と、発電機14と、凝縮器15と、第1凝縮器ファン16Aと、ポンプ17と、作動流体循環流路19とを有する。第3蒸発器11C、膨張機13、凝縮器15及びポンプ17は、作動流体循環流路19にこの順で配置されている。
【0105】
第3蒸発器11Cは、第2熱媒体を介して発熱設備HEの排熱を回収する。すなわち、第3蒸発器11Cは、作動流体と、発熱設備HEから排出された第2熱媒体(発熱設備HEの熱を吸収した第2熱媒体)とを熱交換させることにより作動流体を加熱するように構成されている。本実施形態において、第3蒸発器11Cは、第2発熱設備冷却システム200の排出ダクト2013と排出筒2015との間に介装されたダクト構成部材2017内に配置されている。ダクト構成部材2017は、排出ダクト2013及び排出筒2015と共に、発熱設備HEの熱を吸収した第2熱媒体を外部に放出するための放出流路を構成する。
【0106】
膨張機13は、第3蒸発器11Cで加熱された作動流体を膨張させることにより動力を発生させる。発電機14は、膨張機13の回転軸に連結されている。発電機14は、膨張機13で発生した動力によって駆動されて電力を発生させる。
【0107】
凝縮器15は、膨張機13で膨張した(減圧された)作動流体と空気とを熱交換させることにより膨張機13で減圧された作動流体を冷却する。第1凝縮器ファン16Aは、凝縮器15に付設される。第1凝縮器ファン16Aは、電動ファンであり、供給される電力で動作し、凝縮器15に流通する空気流を形成するように構成されている。
【0108】
ポンプ17は、電動ポンプであり、供給される電力で動作し、凝縮器15で冷却された作動流体を第3蒸発器11Cに向けて圧送する。
【0109】
第7実施形態に係る排熱利用装置70において、第5ランキンサイクル装置RC5は一つのユニットとして形成されており、当該ユニットは、ダクト構成部材2017を介して第2熱媒体流路201(前記放出流路)に設置可能に構成される。
【0110】
第7実施形態に係る排熱利用装置70が設けられた場合、熱媒体ファン203が商用電源の電力で動作することにより第2熱媒体が吸入ダクト2011を介して発熱設備HEに導入される。発熱設備HEに導入された第2熱媒体は、発熱設備HEの熱を吸収する。発熱設備HEの熱を吸収した第2熱媒体は、排出ダクト2013、ダクト構成部材2017及び排出筒2015を介して屋外に放出される(白抜き矢印を参照)。また、ポンプ17が商用電源の電力で動作することにより作動流体が作動流体循環流路19を矢印Y方向に流れ、第1凝縮器ファン16Aが商用電源の電力で動作することにより凝縮器15での作動流体の冷却が促進され得る。
【0111】
排熱利用装置70において、作動流体は、ポンプ17によって第3蒸発器11Cに向けて送出される。作動流体は、第3蒸発器11Cにおいて、発熱設備HEの熱を吸収した第2熱媒体と熱交換することにより加熱され、蒸気となって膨張機13に供給される。膨張機13に供給された作動流体は、膨張機13内で膨張する。これにより、膨張機13で動力(回転動力)が発生し、発電機14は、膨張機13で発生した動力によって駆動されて発電する。膨張機13で膨張した(減圧された)作動流体、凝縮器15で空気と熱交換することにより冷却されて凝縮する。そして、凝縮器15で冷却された(凝縮した)作動流体は、ポンプ17によって再び第3蒸発器11Cに向けて送出される。
【0112】
発電機14が発電すると、排熱利用装置70は、第1凝縮器ファン16A及びポンプ17を商用電源の電力に代えて発電機14で発電された電力で動作させる。
【0113】
また、発電機14で発電された電力は、図12中に破線矢印で示されるように、第2熱媒体流路201(吸入ダクト2011)に設けられた熱媒体ファン203に供給される。熱媒体ファン203には図示省略の入力電力切替部が設けられており、熱媒体ファン203は、発電機14で発電された電力が供給されると、商用電源の電力に代えて発電機14で発電された電力で動作する。
【0114】
つまり、第7実施形態に係る排熱利用装置70は、第2蒸発器11Bによって発熱設備HEの排熱を回収し、膨張機13及び発電機14によって電力を発生させ、発生させた電力で第1凝縮器ファン16A及びポンプ17を動作させると共に、第2熱媒体を強制的に流す熱媒体ファン203を動作させるように構成されている。
【0115】
そのため、発熱設備HEを冷却するための商用電源の電力使用量が低減され得る。したがって、第7実施形態に係る排熱利用装置70によっても、発熱設備HEを有する施設において、発熱設備HEの冷却を行いつつ、省エネルギー化を図ることができる。
【0116】
なお、第7実施形態に係る排熱利用装置70において、第3蒸発器11Cは、排出ダクト2013と排出筒2015との間に介装されたダクト構成部材2017内に配置されている。しかし、これに限られない。例えば、第3蒸発器11Cは、排出ダクト2013の途中に配置されてもよい。あるいは、第3蒸発器11Cは、排出筒2015又はその代替部品内に配置されてもよい。つまり、第3蒸発器11Cは、発熱設備HEの熱を吸収した第2熱媒体を屋外の放出するための放出流路内に設けられていればよい。
【0117】
また、図示省略するが、排熱利用装置70が熱媒体ファン203とは別の熱媒体ファンを有してもよい。この場合、まず、熱媒体ファン203が動作することで発熱設備HEが冷却される。そして、排熱利用装置70の発電機14が発電すると、熱媒体ファン203が停止され、排熱利用装置70が発電機14で発電された電力で前記別の熱媒体ファンを動作させることで発熱設備HEを冷却するように構成され得る。
【0118】
以上、本発明のいくつかの実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は、上述の実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいてさらなる変形が可能であることはもちろんである。
【符号の説明】
【0119】
10,20,30,40,50,60,70…排熱利用装置、
11A,11B,11C…蒸発器、
13…膨張機
14…発電機
15…凝縮器
16A,16B…凝縮器ファン
17…ポンプ
19…作動流体循環流路
100,200…発熱設備冷却システム、
101,201…熱媒体流路
103A,103B…熱媒体ポンプ
105A,105B,105C…熱媒体冷却器
107A,107B,107C…冷却ファン
203…熱媒体ファン
1011…第1流路部
1012…第2流路部
1013…第3流路部
1014…設備内流路
2011…吸入ダクト
2013…排出ダクト
2015…排出筒
2017…ダクト構成部材
B…建屋
HE…発熱設備
RC1,RC2,RC3,RC4,RC5…ランキンサイクル装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12