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特開2024-766排水溝周り部材、床構造、および、樹脂床材の施工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000766
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】排水溝周り部材、床構造、および、樹脂床材の施工方法
(51)【国際特許分類】
   E04F 17/08 20060101AFI20231226BHJP
   E04F 15/00 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
E04F17/08 B
E04F15/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099657
(22)【出願日】2022-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】000222495
【氏名又は名称】東リ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125184
【弁理士】
【氏名又は名称】二口 治
(74)【代理人】
【識別番号】100188488
【弁理士】
【氏名又は名称】原谷 英之
(72)【発明者】
【氏名】古谷 伸一
【テーマコード(参考)】
2E220
【Fターム(参考)】
2E220AA08
2E220AB03
2E220AB04
2E220AB10
2E220AB23
2E220AC11
2E220BA01
2E220BC03
2E220DA02
2E220DB03
2E220DB09
2E220FA03
2E220GA32X
2E220GB33X
2E220GB34X
2E220GB37X
2E220GB37Z
(57)【要約】
【課題】施工後の排水溝周り部材上の排水の流れが改善された排水溝周り部材を提供する。
【解決手段】排水溝周り部材10は、第1帯状部1と、第2帯状部2と、前記第1帯状部1の側端縁と前記第2帯状部2の側端縁とを結合する結合部3とを有し、前記第1帯状部1の厚さが、結合部側端から先端に向かって、漸次的または段階的に増加していることを特徴とする。前記排水溝周り部材10は、施工後は、排水溝周り部材10の第1帯状部1の高さが、樹脂床材側から排水溝に向かって、漸次的または段階的に低くなるため、樹脂床材40側から流れてきた排水が、排水溝30へと流れやすくなり、排水溝周り部材10上に残存することが抑制される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1帯状部と、第2帯状部と、前記第1帯状部の側端縁と前記第2帯状部の側端縁とを結合する結合部とを有し、
前記第1帯状部の厚さが、結合部側端から先端に向かって、漸次的または段階的に増加していることを特徴とする排水溝周り部材。
【請求項2】
前記第1帯状部の先端縁の裏面側に、延出部が一体成形されており、
前記延出部の厚さが、前記第1帯状部の先端の厚さよりも薄い請求項1に記載の排水溝周り部材。
【請求項3】
前記第2帯状部の厚さが、結合部側端から先端に向かって、漸次的または段階的に増加している請求項1または2に記載の排水溝周り部材。
【請求項4】
前記第1帯状部および/または第2帯状部の裏面に、溝が設けられている請求項1または2に記載の排水溝周り部材。
【請求項5】
請求項1に記載の排水溝周り部材を備えた床構造であって、
床部と排水溝とを有し、
前記床部に樹脂床材が敷設され、
前記床部の前記排水溝の近傍に空隙が形成されており、
前記空隙に排水溝周り部材の第2帯状部が挿入され、前記排水溝周り部材の第1帯状部が床部上面に載置されており、
前記第1帯状部の先端縁と、前記樹脂床材の端縁とが接合されていることを特徴とする床構造。
【請求項6】
請求項1に記載の排水溝周り部材を用いた樹脂床材の施工方法であって、
床部と排水溝とを有する床構造において、前記床部の前記排水溝の近傍に形成された空隙に、排水溝周り部材の第2帯状部を挿入し、前記排水溝周り部材の第1帯状部を床部上面に載置する第1工程;
前記床部に、樹脂床材を敷設する第2工程;
前記第1帯状部の先端縁と前記樹脂床材の端縁とを接合する第3工程を有することを特徴とする施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水溝近傍に樹脂床材を敷設する際に用いられる排水溝周り部材に関する。
【背景技術】
【0002】
排水溝を備えた床部に樹脂床材を敷設する場合、排水溝の周囲において樹脂床材を固定するために排水溝周り部材を使用することが提案されている。例えば、特許文献1には、従来の施工方法について、排水溝周り部材として合成樹脂製L形アングルを用いることが記載されている(特許文献1(段落0004、図9)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-16140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来使用されている排水溝周り部材は、樹脂床材を固定することのみ考慮されており、この排水溝周り部材上における排水の流れやすさについては検討されていなかった。このような排水溝周り部材(L字アングル)は、部材を構成するそれぞれの帯状部は、厚みが均一に形成されている。そのため、施工後は、排水溝周り部材の上面が水平となってしまい、排水が排水溝周り部材上に残存しやすいという問題があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、施工後の排水溝周り部材上の排水の流れが改善された排水溝周り部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決することができた本発明の排水溝周り部材は、第1帯状部と、第2帯状部と、前記第1帯状部の側端縁と前記第2帯状部の側端縁とを結合する結合部とを有し、前記第1帯状部の厚さが、結合部側端から先端に向かって、漸次的または段階的に増加していることを特徴とする。
【0007】
本発明の排水溝周り部材は、排水溝の近傍に形成された空隙に第2帯状部が挿入され、第1帯状部が床部上面に載置されるように設置される。また、第1帯状部は、空隙に対して排水溝とは反対側に設置され、この第1帯状部の先端縁と樹脂床材の端縁とが接合される。
【0008】
そして、本発明の排水溝周り部材は、第1帯状部の厚さが、結合部側端から先端に向かって、漸次的または段階的に増加している。そのため、施工後は、排水溝周り部材の第1帯状部の高さが、樹脂床材側から排水溝に向かって、漸次的または段階的に低くなる。このように施工後に第1帯状部の高さに傾斜ができるため、樹脂床材側から流れてきた排水が、排水溝へと流れやすくなり、排水溝周り部材上に残存することが抑制される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の排水溝周り部材を用いれば、施工後に、排水溝周り部材上における排水の流れが改善され、排水溝周り部材上に残存することが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の排水溝周り部材の一例を示す側面図である。
図2図1の排水溝周り部材の斜視図である。
図3】本発明の排水溝周り部材の他の例を示す側面図である。
図4図3の排水溝周り部材の斜視図である。
図5】本発明の排水溝周り部材の他の例を示す側面図である。
図6図5の排水溝周り部材の斜視図である。
図7】本発明の排水溝周り部材を用いた床構造の一例を示す模式図である。
図8】参考例の排水溝周り部材を用いた床構造の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[排水溝周り部材]
以下、本発明の排水溝周り部材の一例について、図面を参照して説明する。なお、本発明は、下記実施態様に限定されるものではない。
【0012】
(第1実施態様)
図1は、排水溝周り部材10の第1実施態様の側面図である。図2は、図1の排水溝周り部材10の斜視図である。排水溝周り部材10は、屋内、半屋外、屋外において、排水溝の周りで用いられる。排水溝周り部材10が使用される場所としては、例えば、給食室、浴室、屋内プール、工場等の屋内;マンションのバルコニー、外廊下等の半屋外;屋外プール等の屋外が挙げられる。本発明の排水溝周り部材10は、第1帯状部1と、第2帯状部2と、前記第1帯状部1の側端縁と前記第2帯状部2の側端縁とを結合する結合部3とを有する。
【0013】
(第1帯状部)
前記第1帯状部1は平面視形状が長方形状の平板部材である。前記第1帯状部1の厚さは、結合部側端から先端に向かって、漸次的または段階的に増加している。具体的には、結合部3と結合している側端縁から、他方の側端縁に向かって、厚さが漸次的または段階的に増加している。このように構成されることで、第1帯状部1を床部上面に載置すると、第1帯状部1の高さが、樹脂床材側から排水溝に向かって、漸次的または段階的に低くなる。このように第1帯状部1の高さに傾斜ができるため、樹脂床材側から流れてきた排水が、排水溝へと流れやすくなり、排水溝周り部材10上に残存することが抑制される。
【0014】
前記「漸次的に増加している」とは、厚さが連続的に増加していることを指す。前記第1帯状部1の厚さが、漸次的に増加している場合、任意の箇所の厚さTnと、この点から先端側に10mm移動した箇所の厚さTn+10との差(Tn+10-Tn)は、0mm超、好ましくは0.1mm以上であり、0.8mm以下が好ましく、より好ましくは0.5mm以下、さらに好ましくは0.3mm以下である。
【0015】
前記「段階的に増加している」とは、厚さが断続的に増加していることを指す。前記第1帯状部1の厚さが、段階的に増加している場合、段の数は2以上、5以下が好ましい。また、隣り合う段の厚さの差は、段の数に応じて適宜調整すればよく、0mm超、0.4mm以下が好ましい。
【0016】
前記第1帯状部1の厚さは、漸次的に増加していることが好ましく、厚さの変化が線形であることがより好ましい。すなわち、第1帯状部1の断面形状において、表面が結合部側端から先端に向かって直線状に傾斜していることがより好ましい。なお、第1帯状部1は、第2帯状部2が配置されている側が裏面であり、第2帯状部2が配置されていない側が表面である。
【0017】
前記第1帯状部1の結合部側端の厚さT11と、先端の厚さT13との差(T13-T11)は、0.2mm以上が好ましく、より好ましくは0.3mm以上であり、1.0mm以下が好ましく、より好ましくは0.6mm以下である。
【0018】
前記第1帯状部1の幅(結合部側端から先端までの長さ)W1は、10mm以上が好ましく、より好ましくは15mm以上であり、30mm以下が好ましく、より好ましくは25mm以下である。
【0019】
前記第1帯状部1は、前記差(T13-T11)と前記長さW1との比((T13-T11)/W1)が、0.1以上が好ましく、より好ましくは0.2以上である。前記比((T13-T11)/W1)が0.1以上であれば排水溝周り部材の排水性が向上し、排水が排水溝周り部材10上に残存することがより抑制される。前記比((T13-T11)/W1)の上限は特に限定されないが、通常0.4以下が好ましく、より好ましくは0.3以下である。
【0020】
前記第1帯状部1の先端の厚さT13は、樹脂床材の厚さに応じて適宜調整すればよい。前記第1帯状部1の先端の厚さT13は、1.0mm以上が好ましく、より好ましくは1.5mm以上であり、6.0mm以下が好ましく、より好ましくは4.0mm以下である。
【0021】
前記第1帯状部1の結合部側端の厚さT11は、特に限定されず、結合部と結合している部分の機械的強度が維持できればよい。前記第1帯状部1の結合部側端の厚さT11は、0.9mm以上が好ましく、より好ましくは1.4mm以上であり、5.9mm以下が好ましく、より好ましくは3.9mm以下である。
【0022】
前記第1帯状部1の結合部側端の厚さT11、先端の厚さT13、および、前記第1帯状部1の結合部側端と先端との中央点の厚さT12は、T11<T12<T13の関係を満足することが好ましい。
【0023】
前記第1帯状部1は、裏面に、溝1aが設けられていることが好ましい。裏面に溝1aを設けることで、接着剤との接触面積が増大し、強固に床部に固定できる。前記溝1aは、第1帯状部1の長手方向と平行になるように3本形成され、第1帯状部1の長手方向の全長にわたって設けられている。前記溝1aの断面形状は矩形状である。
【0024】
なお、溝1aの形状や本数は適宜調節すればよい。溝1aが複数形成される場合、隣接する溝1aの間の距離は、例えば、1.0mm~5.0mmである。また、前記溝1aの方向は特に限定されないが、第1帯状部1の長手方向と平行になるように形成されていることが好ましい。前記溝1aの長さは特に限定されないが、第1帯状部1の長手方向の全長にわたって設けられていることが好ましい。
【0025】
前記溝1aの深さは、第1帯状部1の結合部側端の厚さT11を100%としたとき、10%~30%が好ましい。前記溝1aの幅は特に限定されないが、0.5mm~2.0mmが好ましい。前記溝1aの幅は、深さ方向に一定としてもよいし、変化させてもよい。例えば、溝1aの断面形状が、深くなるほど幅が広くなるように形成すれば、接着剤硬化後にアンカー効果が生じ、一層強固に床部に固定できる。これによって、施工後、第1帯状部1が床部から浮きあがることを防止し、長期間にわたって排水の流れを円滑にすることができる。前記溝の断面形状は特に限定されず、矩形状、台形状、V字状、U字状等が挙げられる。
【0026】
第1帯状部1の裏面に溝1aを設けた場合、溝1aが存在する位置における第1帯状部1の厚さは、溝1aが設けられていない部分に基づいてベースラインを引き、このベースラインと表面から厚さを求めるものとする。なお、図1では、第1帯状部1の裏面に溝1aを設けた態様を記載しているが、溝1aが形成されていなくてもよい。
【0027】
(第2帯状部)
前記第2帯状部2は平面視形状が長方形状の平板部材である。図1の排水溝周り部材10では、前記第2帯状部2の厚さが、均一に形成されている。つまり、図1の排水溝周り部材10は、第2帯状部2の結合部側端の厚さT21、先端の厚さT23、前記第2帯状部の結合部側端と先端との中央点の厚さT22が、同一または略同一である。
【0028】
前記第2帯状部2の先端の厚さT23は、特に限定されないが、1.0mm以上が好ましく、より好ましくは1.5mm以上であり、6.0mm以下が好ましく、より好ましくは4.0mm以下である。前記厚さT23が1.0mm以上であれば、機械的強度が高く、排水溝近傍の空隙に挿入する際に第2帯状部2が折れたり、割れたりすることが抑制され、6.0mm以下であれば排水溝近傍の空隙に挿入しやすくなる。
【0029】
なお、図1では、前記第2帯状部2の厚さが均一に形成されているが、前記第2帯状部2の厚さは、変化させてもよい。例えば、前記第1帯状部1と同様に、第2帯状部2の厚さを、結合部側端から先端に向かって、漸次的または段階的に増加させてもよい。
【0030】
また、図1の排水溝周り部材10では、前記第2帯状部2の先端の厚さT23が、前記第1帯状部1の先端の厚さT13と異なっている。前記第2帯状部2の先端の厚さT23が、前記第1帯状部1の先端の厚さT13と異なっていれば、厚さが異なる樹脂床材に対して、1種の排水溝周り部材で対応できる。
【0031】
この場合、第1帯状部1の先端の厚さT13は、2.0mm以上が好ましく、より好ましくは2.5mm以上であり、6.0mm以下が好ましく、より好ましくは3.5mm以下である。また、この場合、第2帯状部の先端の厚さT23は、1.0mm以上が好ましく、より好ましくは1.5mm以上であり、4.0mm以下が好ましく、より好ましくは2.5mm以下である。
【0032】
なお、前記第2帯状部2の先端の厚さT23が、前記第1帯状部1の先端の厚さT13と同一であってもよい。
【0033】
前記第2帯状部2の幅(結合部側端から先端までの長さ)W2は、10mm以上が好ましく、より好ましくは15mm以上であり、30mm以下が好ましく、より好ましくは25mm以下である。
【0034】
前記第2帯状部2は、裏面に、溝2aが設けられていることが好ましい。裏面に溝2aを設けることで、空隙に挿入して接着剤が硬化するとアンカー効果が生じ、空隙から抜け出すことがより抑制できる。これによって、施工後、第2帯状部2が空隙から浮きあがることを防止し、長期間にわたって排水の流れを円滑にすることができる。前記溝2aは、第2帯状部2の長手方向と平行になるように2本形成され、第2帯状部2の長手方向の全長にわたって設けられている。前記溝2aの断面形状は矩形状である。
【0035】
また、前記第1帯状部1の裏面および第2帯状部2の裏面に溝1a、2aが設けられている場合、それぞれに設けられている溝の形状および/または本数が異なっていることが好ましい。溝の形状および/または本数が異なっていれば、第1帯状部1と第2帯状部2とを一目で見分けることができ、施工性がより向上する。例えば、第1帯状部1の先端の厚さT13が3.0mm、第2帯状部2の先端の厚さT23が2.0mmである場合、先端が厚い第1帯状部の裏面の溝を3本とし、先端が薄い第2帯状部の裏面の溝を2本とすることで、施工時に、溝の数の多い帯状部が第1帯状部であることが直感的に分かり、確認作業を省略化でき、施工ミスを減らすことができる。
【0036】
なお、溝2aの形状や本数は適宜調節すればよい。溝2aが複数形成される場合、隣接する溝2aの間の距離は、例えば、1.0mm~5.0mmである。また、前記溝2aの方向は特に限定されないが、第2帯状部2の長手方向と平行になるように形成されていることが好ましい。前記溝2aの長さは特に限定されないが、第2帯状部2の長手方向の全長にわたって設けられていることが好ましい。
【0037】
前記溝2aの深さは、第2帯状部2の結合部側端の厚さT21を100%としたとき、10%~30%が好ましい。前記溝2aの幅は特に限定されないが、0.5mm~2.0mmが好ましい。前記溝2aの幅は、深さ方向に一定としてもよいし、変化させてもよい。例えば、溝2aの断面形状が、深くなるほど幅が広くなるように形成してもよい。前記溝の断面形状は特に限定されず、矩形状、台形状、V字状、U字状等が挙げられる。
【0038】
第2帯状部2の裏面に溝2aを設けた場合、溝2aが存在する位置における第2帯状部2の厚さは、溝2aが設けられていない部分に基づいてベースラインを引き、このベースラインと表面から厚さを求めるものとする。なお、図1では、第2帯状部2の裏面に溝2aを設けた態様を記載しているが、溝2aが形成されていなくもよい。
【0039】
(排水溝周り部材)
前記排水溝周り部材10は、第1帯状部1と、第2帯状部2と、前記第1帯状部1の側端縁と前記第2帯状部2の側端縁とを結合する結合部3とを有する。前記排水溝周り部材10は、第1帯状部1および第2帯状部2を別々に成形した後、結合部3を介して結合されていてもよいが、第1帯状部1、第2帯状部2、および、結合部3が一体成形されていることが好ましい。作製方法としては、押出成形等が挙げられる。
【0040】
前記排水溝周り部材10の断面において、第1帯状部1の裏面と第2帯状部2の裏面とのなす角θは、80°以上が好ましく、より好ましくは85°以上であり、100°以下が好ましく、より好ましくは95°以下、さらに好ましくは90°以下である。前記角θが上記範囲内であれば、排水溝周り部材10を設置した際に、第1帯状部1を床部上面に密着させやすくなる。
【0041】
前記結合部3の形状は特に限定されず、第1帯状部1の側端縁と第2帯状部2の側端縁とを強固に結合できればよい。なお、結合部3は、排水溝周り部材10を施工した際の結合部の高さが、床面上に載置される第1帯状部1の結合部側端の高さよりも低くなるように形成されている。
前記排水溝周り部材10は、第1帯状部1、第2帯状部2、および、結合部3の長手方向の長さはいずれも同一である。
【0042】
前記排水溝周り部材10のデュロメータ硬度は、タイプAで、60以上が好ましく、より好ましくは70以上であり、90以下が好ましく、より好ましくは80以下である。前記デュロメータ硬度が60以上であれば排水溝周り部材を持ち上げた際の変形が抑制され、施工性が向上し、90以下であれば可撓性が向上し、施工下地の歪みに合わせて変形させやすくなる。前記デュロメータ硬度は、JIS K7215(1986)に準拠して測定する。
【0043】
前記排水溝周り部材10の長さL10は、特に限定されないが、施工性の観点から1.0m以上が好ましく、より好ましくは1.5m以上であり、4.0m以下が好ましく、より好ましくは2.5m以下である。
【0044】
(構成材料)
前記排水溝周り部材10を構成する材料は、特に限定されず、従来使用されているものが使用できる。前記排水溝周り部材は、樹脂成分および可塑剤を含有する樹脂組成物から形成されていることが好ましい。
【0045】
前記樹脂成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記樹脂成分としては、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂等の各種の合成樹脂が挙げられる。塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル樹脂(ホモポリマー);塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エチレン-塩化ビニル共重合体等の塩化ビニルを共重合成分として含むコポリマーが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等が挙げられる。特に、優れた可撓性および耐久性を有し、加工性にも優れる点から、樹脂成分としては塩化ビニル系樹脂が好ましい。
【0046】
前記樹脂成分として、塩化ビニル系樹脂を用いる場合、樹脂成分中の塩化ビニル系樹脂の含有率は、50質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。樹脂成分として塩化ビニル系樹脂のみを用いることも好ましい。
【0047】
前記可塑剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記可塑剤としては、特に限定されず、ジオクチルフタレート(DOP)、ジヘプチルフタレート(DHP)、ジイソノニルフタレート(DINP)、リン酸トリオクチル(TOP)、リン酸トリフェニル(TPP)、ジオクチルテレフタレート(DOTP)、ジオクチルイソフタレート(DOIP)、ジイソノニルシクロヘキシルフタレート(DINCH)等が挙げられる。
【0048】
前記樹脂組成物中の可塑剤の含有量は、所望とする排水溝周り部材の硬度に応じて適宜調節すればよい。前記樹脂組成物中の可塑剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、20質量部以上が好ましく、より好ましくは30質量部以上であり、60質量部以下が好ましく、より好ましくは50質量部以下である。
【0049】
前記樹脂組成物は、必要に応じて、充填材を含有してもよい。前記充填材は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記充填材としては、無機系充填材が好ましい。前記無機系充填材としては、無機元素または金属元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、塩化物、ケイ酸塩等が挙げられる。具体的には、酸化カルシウム、炭酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、クレー、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、珪砂、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム等が挙げられる。炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムのいずれであっても良い。これらの中でも、加工性、コストの観点から炭酸カルシウムが無機系充填材として好適に用いられる。
【0050】
充填材は、通常は粉末状の形態で使用することができ、その体積平均粒子径は1μm~300μm程度の範囲内で適宜設定することができる。
【0051】
前記樹脂組成物中の充填材の含有量は、所望とする排水溝周り部材の硬度に応じて適宜調節すればよい。充填材を添加する場合、前記樹脂組成物中の充填材の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、50質量部以上が好ましく、より好ましくは70質量部以上であり、200質量部以下が好ましく、より好ましくは150質量部以下である。
【0052】
前記樹脂組成物には、他の添加剤が含まれていても良い。他の添加剤としては、安定剤、加工助剤、防黴剤、難燃剤、酸化防止剤、着色剤等が挙げられる。なお、これらの添加剤が無機化合物である場合は、そのような添加剤の含有量も、前記充填材の含有量に含めるものとする。
【0053】
(製造方法)
排水溝周り部材10は、例えば、前記構成材料を押出し成形することにより得ることができる。押出し成形品は、通常、非常に長いので、適宜な寸法に裁断することにより、排水溝周り部材10が得られる。また、押出成形後、排水溝周り部材10の表面にコーティング処理によってコート層を形成してもよい。コート層を形成することで、排水溝周り部材10に、親水性、撥水性、防汚性、耐摩耗性等を付与することができる。
【0054】
硬化前のコート層の材料に、親水剤や撥水剤を添加すると、コート層を形成することによって排水溝周り部材10に、親水性や撥水性を付与することができ、排水の流れを一層円滑にすることができる。特に、コート層材料に親水剤を添加して、親水性を付与することが好ましい。コート層を親水性とすることで、排水溝周り部材上に、排水が水滴として残存しにくくなり、排水性をより高めることができる。
【0055】
コート層の材料としては、活性エネルギー線硬化性樹脂、ワックス等が挙げられる。前記活性エネルギー線硬化性樹脂は、紫外線や電子線によって硬化する樹脂であり、加工性に優れる点から紫外線硬化性樹脂が好適である。
【0056】
(第2実施態様)
図3は、排水溝周り部材10の第2実施態様の側面図である。図4は、図3の排水溝周り部材10の斜視図である。
【0057】
図3、4に示した第2実施態様の排水溝周り部材10は、第1実施態様と第1帯状部1の形状のみが異なる。なお、第2帯状部2、結合部3については、前記第1実施態様と同様であるため、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0058】
図3、4に示した排水溝周り部材10は、第1帯状部1と、第2帯状部2と、前記第1帯状部1の側端縁と前記第2帯状部2の側端縁とを結合する結合部3とを有する。第1帯状部1、第2帯状部2、および、結合部3の長手方向の長さはいずれも同一である。
【0059】
(第1帯状部)
前記第1帯状部1は平面視形状が長方形状の平板部材であり、厚さが、結合部側端から先端に向かって、漸次的に増加している。図3に示した排水溝周り部材10は、前記第1実施態様と同様に、第1帯状部1の表面が、結合部側端から先端に向かって直線状に傾斜している。また、前記第1帯状部1の結合部側端の厚さT11、先端の厚さT13、および、前記第1帯状部の結合部側端と先端との中央点の厚さT12は、T11<T12<T13の関係を満足している。
【0060】
前記第1帯状部1の厚さL11、L12、L13、および、幅W1、ならびに、裏面に形成される溝1aについては、前記第1実施形態と同様であり、好ましい数値範囲も同様である。なお、図3、4では、第1帯状部1の裏面に溝1aを設けた態様を記載しているが、溝1aが形成されていなくてもよい。
【0061】
図3において、前記第1帯状部1は、先端縁の裏面側に、前記第1帯状部1の先端の厚さT13よりも薄い延出部1bが一体成形されている。厚さが薄い延出部1bを有することで、排水溝周り部材10を設置した際に、延出部1bの上方に空間ができ、この空間に接合材を配置することができる。前記延出部1bは、第1帯状部の長手方向の全長にわたって形成されていることが好ましい。
【0062】
排水溝周り部材10は、樹脂床材との接合力を高めるために、排水溝周り部材10と樹脂床材との継ぎ目を接合材によって接合することが好ましい。この場合、施工時に、排水溝周り部材10と樹脂床材との継ぎ目部分に、接合材を配置する溝を形成する必要がある。この際、排水溝周り部材10と樹脂床材とを同時に切り欠いて溝を形成すると、排水溝周り部材10と樹脂床材との材料硬さが異なるため、綺麗な溝の形成が困難である。これに対して、第1帯状部1が延出部1bを有する場合、樹脂床材のみに切り欠きを形成するだけでよいため、接合用溝の形成が容易となる。また、樹脂床材に切り欠きを形成する際に、排水溝周り部材10の延出部1bを溝切カッター等のガイドとして利用できるため、綺麗な溝の形成が容易となる。これによって、施工後において、排水溝周り部材10と樹脂床材との継ぎ目部分が綺麗に仕上がり、樹脂床材から排水溝周り部材10へ流れる排水が継ぎ目部分で留まることなく円滑に流れることとなる。
【0063】
前記延出部1bの長さ(第1帯状部1の先端から延出部1bの先端までの長さ)は、1.0mm以上が好ましく、より好ましくは1.2mm以上であり、1.5mm以下が好ましく、より好ましくは1.4mm以下である。前記延出部1bの長さが1.0mm以上であれば延出部1bの上方に形成される空間が大きくなり、溶接棒を十分に配置することができ、1.5mm以下であれば延出部1bの機械的強度が良好となる。
【0064】
前記延出部1bの先端の厚さT14は、0.5mm以上が好ましく、より好ましくは1.0mm以上である。前記先端の厚さT14が0.5mm以上であれば延出部の機械的強度が良好となる。前記延出部1bの厚さは、第1帯状部側端から延出部1bの先端まで一定でもよいし、変化させてもよい。前記延出部1bは、第1帯状部側端の厚さが第1帯状部の先端の厚さT13と同一であり、第1帯状部側端から延出部1bの先端に向かって、漸次的または段階的に減少していることが好ましい。図3では、延出部1bの断面形状において、延出部1bの表面は、第1帯状部側端と延出部1bの先端とをつなぐ円弧状であることがより好ましい。この場合、円弧の曲率半径は、1.0mm以上が好ましく、より好ましくは1.2mm以上であり、1.5mm以下が好ましく、より好ましくは1.4mm以下である。
【0065】
前記第1帯状部の先端の厚さT13と延出部の先端の厚さT14との差(T13-T14)は、1.0mm以上が好ましく、より好ましくは1.2mm以上であり、1.5mm以下が好ましく、より好ましくは1.4mm以下である。前記差(T13-T14)が1.0mm以上であれば延出部1bの上方に形成される空間が大きくなり、接合材を十分に配置することができ、1.5mm以下であれば延出部1bの機械的強度が良好となる。
【0066】
(排水溝周り部材)
第2実施態様の排水溝周り部材10は、第1帯状部1の裏面と第2帯状部2の裏面とのなす角θ、デュロメータ硬度、および、長さL10の好適範囲は、第1実施態様と同様である。また、排水溝周り部材10を構成する材料についても、第1実施態様と同様である。
【0067】
なお、第2実施態様では、第1帯状部1の先端に延出部1bが形成されているため、施工時に、排水溝周り部材10と樹脂床材との継ぎ目に接合用溝を形成する際に、排水溝周り部材10を切り欠く必要がない。そのため、排水溝周り部材10のデュロメータ硬度を高くすることができる。そのため、第2実施態様の排水溝周り部材10のデュロメータ硬度は、タイプAで、70以上が好ましい。デュロメータ硬度が、タイプAで、70以上であれば、排水溝周り部材10の保管時や輸送時の変形をより抑制することができる。
【0068】
(第3実施態様)
図5は、排水溝周り部材10の第3実施態様の側面図である。図6は、図5の排水溝周り部材10の斜視図である。
【0069】
図5、6に示した第3実施態様の排水溝周り部材10は、第2実施態様と第2帯状部2の形状のみが異なる。なお、第1帯状部1、結合部3については、前記第2実施態様と同様であるため、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0070】
図5、6に示した排水溝周り部材10は、第1帯状部1と、第2帯状部2と、前記第1帯状部1の側端縁と前記第2帯状部2の側端縁とを結合する結合部3とを有する。第1帯状部1、第2帯状部2、および、結合部3の長手方向の長さはいずれも同一である。
【0071】
(第2帯状部)
前記第2帯状部2は平面視形状が長方形状の平板部材である。前記第2帯状部2の厚さは、結合部側端から先端に向かって、漸次的または段階的に増加している。具体的には、結合部3と結合している側端縁から、他方の側端縁に向かって、厚さが漸次的または段階的に増加している。このように構成することで、第2帯状部2を排水溝の近傍に形成された空隙に挿入し、接着剤を空隙に充填して硬化させた際にアンカー効果が生じ、空隙から抜け出しにくくなる。これによって、施工後、第2帯状部2が空隙から浮きあがることを防止し、長期間にわたって排水の流れを円滑にすることができる。
【0072】
なお、排水溝周り部材を構成する2つの帯状部の両方が、厚さが結合部側端から先端に向かって、漸次的または段階的に増加している場合、排水溝周り部材を構成する2つの帯状部は、どちらを第1帯状部としてもよい。この場合、床部の空隙に挿入される帯状部が第2帯状部となり、床部上に載置される帯状部が第1帯状部となる。
【0073】
前記第2帯状部2の厚さが、漸次的に増加している場合、任意の箇所の厚さTnと、この点から先端側に10mm移動した箇所の厚さTn+10との差(Tn+10-Tn)は、0mm超、好ましくは0.1mm以上であり、0.8mm以下が好ましく、より好ましくは0.5mm以下、さらに好ましくは0.3mm以下である。
前記第2帯状部2の厚さが、段階的に増加している場合、段の数は2以上、5以下が好ましい。また、隣り合う段の厚さの差は、段の数に応じて適宜調整すればよく、0mm超、0.4mm以下が好ましい。
【0074】
前記第2帯状部2の厚さは、漸次的に増加していることが好ましく、厚さの変化が線形であることがより好ましい。すなわち、第2帯状部2の断面形状において、表面が結合部側端から先端に向かって直線状に傾斜していることがより好ましい。なお、第2帯状部2は、第1帯状部1が配置されている側が裏面であり、第1帯状部1が配置されていない側が表面である。
【0075】
前記第2帯状部2の結合部側端の厚さT21と、先端の厚さT23との差(T23-T21)は、0.2mm以上が好ましく、より好ましくは0.3mm以上であり、1.0mm以下が好ましく、より好ましくは0.6mm以下である。
【0076】
前記第2帯状部2の幅(結合部側端から先端までの長さ)W2は、10mm以上が好ましく、より好ましくは15mm以上であり、30mm以下が好ましく、より好ましくは25mm以下である。
【0077】
前記第2帯状部2は、前記差(T23-T21)と前記長さW2との比((T23-T21)/W2)が、0.1以上が好ましく、より好ましくは0.2以上である。前記比((T23-T21)/W2)が0.1以上であればアンカー効果がより大きくなり、第2帯状部2が空隙からより抜け出しにくくなる。これにより、施工後、第2帯状部2が空隙から浮きあがることを防止し、長期間にわたって排水の流れを円滑にすることができる。前記比((T23-T21)/W2)の上限は特に限定されないが、通常0.4以下が好ましく、より好ましくは0.3以下である。
【0078】
前記第2帯状部2の先端の厚さT23は、特に限定されないが、1.0mm以上が好ましく、より好ましくは1.5mm以上であり、6.0mm以下が好ましく、より好ましくは4.0mm以下である。前記厚さT23が1.0mm以上であれば、機械的強度が高く、排水溝近傍の空隙に挿入する際に第2帯状部2が折れたり、割れたりすることが抑制され、6.0mm以下であれば排水溝近傍の空隙に挿入しやすくなる。
【0079】
前記第2帯状部2の結合部側端の厚さT21は、特に限定されず、結合部と結合している部分の機械的強度が維持できればよい。前記第2帯状部2の結合部側端の厚さT21は、0.9mm以上が好ましく、より好ましくは1.4mm以上であり、5.9mm以下が好ましく、より好ましくは3.9mm以下である。
【0080】
前記第2帯状部2の結合部側端の厚さT21、先端の厚さT23、および、前記第2帯状部2の結合部側端と先端との中央点の厚さT22は、T21<T22<T23の関係を満足することが好ましい。
【0081】
図5の排水溝周り部材10は、第2帯状部2の先端の厚さT23が、第1帯状部1の先端の厚さT13と異なっている。前記第2帯状部2の先端の厚さT23が、前記第1帯状部1の先端の厚さT13と異なっていれば、厚さが異なる樹脂床材に対して、1種の排水溝周り部材で対応できる。
【0082】
この場合、第1帯状部1の先端の厚さT13は、2.0mm以上が好ましく、より好ましくは2.5mm以上であり、6.0mm以下が好ましく、より好ましくは3.5mm以下である。また、この場合、第2帯状部の先端の厚さT23は、1.0mm以上が好ましく、より好ましくは1.5mm以上であり、4.0mm以下が好ましく、より好ましくは2.5mm以下である。
【0083】
なお、前記第2帯状部2の先端の厚さT23が、前記第1帯状部1の先端の厚さT13と同一であってもよい。
【0084】
前記第2帯状部2の裏面に設けられる溝2aについては、第1実施態様と同様である。なお、図5、6では、第2帯状部2の裏面に溝2aを設けた態様を記載しているが、溝2aが形成されていなくてもよい。
【0085】
図5において、前記第2帯状部2は、先端縁の裏面側に、前記第2帯状部2の先端の厚さT23よりも薄い延出部2bが一体成形されている。厚さが薄い延出部2bを有することで、第2帯状部2を空隙に挿入しやすくなる。前記延出部2bは、第2帯状部2の長手方向の全長にわたって形成されていることが好ましい。
【0086】
前記延出部2bの長さ(第2帯状部2の先端から延出部2bの先端までの長さ)は、1.0mm以上が好ましく、より好ましくは1.2mm以上であり、1.5mm以下が好ましく、より好ましくは1.4mm以下である。前記延出部2bの長さが1.0mm以上であれば第2帯状部2bを空隙に挿入しやすくなり、1.5mm以下であれば延出部の機械的強度が良好となる。
【0087】
前記延出部2bの先端の厚さT24は、0.5mm以上が好ましく、より好ましくは1.0mm以上である。前記先端の厚さT24が0.5mm以上であれば延出部の機械的強度が良好となる。前記延出部2bの厚さは、第2帯状部側端から延出部2bの先端まで一定でもよいし、変化させてもよい。前記延出部2bは、第2帯状部側端の厚さが第2帯状部2の先端の厚さT23と同一であり、第2帯状部側端から延出部2bの先端に向かって、漸次的または段階的に減少していることが好ましい。図5では、延出部2bの断面形状において、延出部2bの表面は、第2帯状部側端と延出部2bの先端とをつなぐ円弧状であることがより好ましい。この場合、円弧の曲率半径は、1.0mm以上が好ましく、より好ましくは1.2mm以上であり、1.5mm以下が好ましく、より好ましくは1.4mm以下である。
【0088】
前記第2帯状部の先端の厚さT23と延出部の先端の厚さT24との差(T23-T24)は、1.0mm以上が好ましく、より好ましくは1.2mm以上であり、1.5mm以下が好ましく、より好ましくは1.4mm以下である。前記差(T23-T24)が1.0mm以上であれば第2帯状部2を空隙により挿入しやすくなり、1.5mm以下であれば延出部2bの機械的強度が良好となる。
【0089】
(排水溝周り部材)
第3施態様の排水溝周り部材10は、第1帯状部1の裏面と第2帯状部2の裏面とのなす角θ、デュロメータ硬度、および、長さL10の好適範囲は、第1実施態様と同様である。また、排水溝周り部材10を構成する材料についても、第1実施態様と同様である。
【0090】
[床構造]
以下、本発明の床構造の一例について、図面を参照して説明する。なお、本発明は、下記実施態様に限定されるものではない。図7は、図5、6に示した第3実施態様の排水溝周り部材10を備えた床構造の模式図である。
【0091】
本発明の床構造100は、前記排水溝周り部材10を備えた床構造である。前記床構造100は、床部20と排水溝30とを有し、前記床部20に樹脂床材40が敷設され、前記床部20の前記排水溝30の近傍に空隙21が形成されており、前記空隙21に排水溝周り部材10の第2帯状部2が挿入され、前記排水溝周り部材10の第1帯状部1が床部上面に載置されており、前記第1帯状部1の先端縁と、前記樹脂床材40の端縁とが接合されていることを特徴とする。
【0092】
前記床構造100は、床部20と排水溝30とを有する。このような床構造100としては、厨房、トイレ、浴室等の床構造が挙げられる。前記床部20の材質は特に限定されないが、モルタル、コンクリート、金属、木材、樹脂等が挙げられる。
【0093】
前記排水溝30の構造は特に限定されず、床部上の水等を排出できればよい。図7に示した床構造100では、前記排水溝30は周縁に外枠31が配置されている。前記外枠31は蓋受け部を有しており、この外枠31の蓋受け部上に溝蓋32が載置されている。
【0094】
前記床部20には樹脂床材40が敷設されている。前記樹脂床材40は、シート状、タイル状のいずれでもよい。前記樹脂床材は、例えば、JIS A 5705:2016で規定されるビニル系床材の床シート、床タイル等が挙げられる。
【0095】
前記床シートとしては、単層ビニル床シート、複層ビニル床シート、発泡複層ビニル床シート、クッションフロア等が挙げられる。前記床タイルとしては、単層ビニル床タイル、複層ビニル床タイル、コンポジションビニル等が挙げられる。前記床シートは、床面に敷設した際、床タイルよりも目地が少なく水の浸み込みを防止できるので、本発明のような水周りで好適に用いられる。
【0096】
前記樹脂床材は特に限定されず、用途に応じて適宜選択すればよい。前記樹脂床材の材質は、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料が好ましい。前記樹脂床材を構成する樹脂成分としては、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂等の各種の合成樹脂が挙げられる。これらの中でも、施工性や耐久性の観点から樹脂成分として塩化ビニル系樹脂を含有する樹脂床材が好ましい。
【0097】
なお、樹脂床材を構成する樹脂成分と排水溝周り部材を構成する樹脂成分とは同種であることが好ましい。例えば、前記樹脂床材が樹脂成分として塩化ビニル系樹脂を含有する場合、前記排水溝周り部材は、樹脂成分として塩化ビニル系樹脂を含有する樹脂組成物から形成されていることが好ましい。
【0098】
前記樹脂床材の厚さは特に限定されず用途に応じて適宜調節すればよい。なお、床部上に載置される排水溝周り部材の第1帯状部の先端の厚さは、前記樹脂床材の厚さとの差の絶対値が0.5mm以下であることが好ましく、前記樹脂床材の厚さと略一致していることがより好ましい。第1帯状部の先端の厚さが上記範囲内であれば、水の流れを阻害せず、また、台車などが上を通過しても段差による車輪からの圧力損傷の影響を受け難い。
【0099】
前記床部20の排水溝30の近傍には空隙21が形成されている。前記空隙21は、排水溝周り部材10の第2帯状部2を挿入できるようにするために形成される。前記空隙21は、床部20と外枠31との間に形成されている。前記空隙21は、排水溝30の外枠と平行となるように形成されている。前記排水溝30の周縁に外枠が設けられている場合、床部と前記外枠との間に空隙を形成すればよい。
【0100】
前記空隙21には、排水溝周り部材10の第2帯状部2が挿入されている。前記空隙21の深さは、前記第2帯状部2の幅W2よりも深く形成されている。前記空隙21の幅は、前記第2帯状部2の厚さT23よりも広く形成されている。また、前記空隙21は、第2帯状部2の周囲に接着剤50が充填されており、第2帯状部2が空隙21の内部に固定されている。なお、前記空隙21の幅および深さは、第2帯状部2の厚さおよび長さに応じて適宜調節すればよい。前記空隙21と排水溝30との距離は、特に限定されないが、通常0mm超~50mmである。
【0101】
なお、図7に示した排水溝周り部材10では、第2帯状部2の厚さが、結合部側端から先端に向かって、漸次的に増加している。つまり、空隙内において、第2帯状部2の厚さが、深くなるほど厚くなっている。そのため、接着剤50が硬化すると、アンカー効果が生じ、第2帯状部2が空隙21からより抜け出しにくくなっており、施工後の経時的な浮き上がりを防止し、長期間にわたって排水の流れを円滑にすることができる。
【0102】
前記排水溝周り部材10の第1帯状部1は、床部20上面に載置されている。前記第1帯状部1と床部上面との間には接着剤またはシール剤50が配置され、第1帯状部1と床部20とが接着剤またはシール剤50によって接着されている。また、前記空隙21は、第2帯状部2が挿入されるとともに、接着剤またはシール剤50が充填されていることが好ましい。マスキングテープでの処理が不要であり施工性に優れることから、空隙21には接着剤が充填されていることがより好ましい。
【0103】
前記接着剤としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等が使用でき、これらの中でも、強度の観点からエポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂が好ましい。シール剤としては、シリコーン系樹脂、変性シリコーン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリサルファイド系樹脂、アクリル系樹脂、ブチルゴム系樹脂等が使用でき、一成分型でも二成分型でもよい。シール材としては、強度の観点からポリウレタン系樹脂が好ましく、特に、二成分型のポリウレタン系樹脂が好ましい。
【0104】
前記排水溝周り部材10は、第1帯状部1の厚さが、結合部側端から先端に向かって、漸次的に増加している。つまり、床部20上の第1帯状部1の高さが、樹脂床材40側から排水溝30に向かって、漸次的に低くなっている。このように第1帯状部1の高さに傾斜があるため、樹脂床材40側から流れてきた排水が、排水溝30へと流れやすくなり、排水溝周り部材10上に残存することが抑制される。
【0105】
前記第1帯状部1の先端縁と、前記樹脂床材40の端縁とが接合材60により接合されている。前記第1帯状部1の先端縁と前記樹脂床材40の端縁は、端縁同士が突き合わさるように配置され、この端縁同士が接合されている。これらの接合は、接合材60を用いて行うことができる。前記接合材60は、排水溝周り部材10と樹脂床材40を接合するものであり、例えば、溶接棒、シール剤等が挙げられる。
【0106】
また、前記第1帯状部1の先端縁と前記樹脂床材40の端縁は、施工の容易さの観点から、溶接棒を用いた溶接によって接合されていることがより好ましい。溶接により接合する場合、前記第1帯状部1の先端縁と前記樹脂床材40の端縁との突き合わせ部分の表面に溶接用溝を形成し、この溶接用溝に溶接棒を配置すればよい。
【0107】
前記溶接用溝の断面形状は特に限定されないが、U字状、V字状等が挙げられる。前記溶接用溝の深さは、樹脂床材の厚さを100%としたとき、50%~67%が好ましい。前記溶接用溝の幅は特に限定されず、使用する溶接棒の直径に応じて適宜調節すればよいが、通常3.0mm~5.0mmである。
【0108】
前記接合材60としては、樹脂接合材が好ましく、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。なお、樹脂接合材、樹脂床材を構成する樹脂成分および排水溝周り部材を構成する樹脂成分とは同種であることが好ましい。例えば、前記樹脂床材が樹脂成分として塩化ビニル系樹脂を含有し、前記排水溝周り部材が樹脂成分として塩化ビニル系樹脂を含有する樹脂組成物から形成されている場合、接合材は、塩化ビニル系樹脂であることが好ましい。
【0109】
図7に示した床構造100では、前記第1帯状部1の先端縁と前記樹脂床材40の端縁は、接合材60を用いた溶接によって接合されている。前記第1帯状部1の先端縁と前記樹脂床材40の端縁との突き合わせ部分の表面に溶接用溝が形成され、この溶接用溝に接合材60が配置されている。なお、図7に示した排水溝周り部材10では、第1帯状部1が延出部1bを有している。そのため、溶接用溝は、樹脂床材40のみを切り欠くことで形成できる。
【0110】
[樹脂床材の施工方法]
本発明の樹脂床材の施工方法は、前記排水溝周り部材10を用いた樹脂床材40の施工方法である。
前記施工方法は、床部20と排水溝30とを有する床構造において、前記床部20の前記排水溝30の近傍に形成された空隙21に、排水溝周り部材10の第2帯状部2を挿入し、前記排水溝周り部材10の第1帯状部1を床部上面に載置する第1工程;前記床部20に、樹脂床材40を敷設する第2工程;前記第1帯状部1の先端縁と前記樹脂床材40の端縁とを接合する第3工程を有することが好ましい。
【0111】
(第1工程)
前記第1工程では、床部20と排水溝30とを有する床構造に、排水溝周り部材10を配置する。
【0112】
前記排水溝周り部材10は、前記排水溝の近傍に形成された空隙21に第2帯状部を挿入し、前記床部20上面に第1帯状部1を載置する。具体的には、前記空隙21の内部に接着剤またはシール剤を配置し、前記床部20の上面に接着剤を塗布した後、空隙21に第2帯状部2を挿入し、床部20上面に第1帯状部1を載置する。そして、接着剤またはシール剤を硬化させることで、第2帯状部2を空隙21の内部に固定し、第1帯状部1を床部20上面に固定する。前記空隙21の内部には接着剤を配置することが好ましい。接着剤は、マスキングテープでの処理が不要なことから、施工性に優れる。特に、樹脂床材40と床部20との接着に用いる接着剤と同じものを用いると、接着剤の床部への塗布と、空隙への充填をワンステップで行うことができ、施工が容易になり特に好ましい。
【0113】
なお、排水溝30の近傍に空隙21が形成されていない場合には、第1工程を行う前に、空隙を形成すればよい。前記空隙21は、排水溝の近傍に、排水溝の外枠と平行となるように形成することが好ましい。前記空隙は、例えば、ダイヤモンドカッター等を用いて形成できる。
【0114】
(第2工程)
前記第2工程では、前記床部20に、樹脂床材40を敷設する。床部20に樹脂床材40を敷設する方法は特に限定されず、従来公知の方法で行えばよい。この際、樹脂床材40の端縁と、排水溝周り部材10の第1帯状部1の先端縁とが突き合わされるように敷設する。
【0115】
なお、前記第1工程および第2工程は、どちらを先に行ってもよい。つまり、第1工程を行った後、第2工程を行ってもよいし、第2工程を行った後、第1工程を行ってもよい。すなわち、排水溝周り部材を配置した後、樹脂床材を敷設してもよいし、樹脂床材を敷設した後、排水溝周り部材を配置してもよい。
【0116】
(第3工程)
前記第3工程では、前記第1帯状部1の先端縁と前記樹脂床材40の端縁とを接合する。前記第1帯状部1の先端縁と前記樹脂床材40の端縁とは、端縁同士が突き合わさるように配置されているため、この端縁同士を接合する。これらの接合は、接合材を用いて行うことができる。
【0117】
シール剤を用いて接合する場合、前記第1帯状部1の先端縁と前記樹脂床材40の端縁との間にシール剤を充填した後、シール剤を硬化させる。なお、シール剤を用いる場合、後述する溶接棒を用いた溶接と同様に、前記第1帯状部1の先端縁と前記樹脂床材40の端縁との突き合わせ部分の表面に接合材用の溝を形成してもよいし、溝を形成しなくてもよい。
【0118】
また、前記第1帯状部1の先端縁と前記樹脂床材40の端縁は、接合材を用いた溶接によって接合してもよい。
この場合、第3工程は、前記第1帯状部1の先端縁と前記樹脂床材40の端縁との突き合わせ部分の表面に溶接用溝を形成する工程、この溶接用溝に溶接棒を配置し、前記第1帯状部1の先端縁と前記樹脂床材40の端縁とを接合する工程を有する。
【0119】
前記溶接用溝を形成する工程では、前記第1帯状部1の先端縁と前記樹脂床材40の端縁との突き合わせ部分の表面を、工具を用いて切り欠いて、溝を形成する。なお、第1帯状部1と樹脂床材40は、別々に切り欠いてもよいし、同時に切り欠いてもよい。なお、第1帯状部1が延出部1bを有する場合は、樹脂床材40のみを切り欠けばよい。
【0120】
前記溶接用溝に溶接棒を配置し、前記第1帯状部1の先端縁と前記樹脂床材40の端縁とを接合する工程では、溶接棒を加熱して溶融させて溶接用溝に配置し、溶接棒を固化することで第1帯状部1と樹脂床材40とを溶接する。なお、溶接後、第1帯状部1および樹脂床材40の表面よりも溶接棒が盛り上がっている場合、第1帯状部1および樹脂床材40の表面に合わせて切り取る。
【0121】
図5に示す排水溝周り部材10は、第1帯状部1および第2帯状部2の厚みが異なり、かつ、第1帯状部1および第2帯状部2の両方の先端に延出部1b、2bが形成されている。施工時に作業者は、第1帯状部1および第2帯状部2のうち、樹脂床材40の厚みに近いほうの帯状部を選択して、樹脂床材40と接合するよう配置すればよい。第1工程では、第1帯状部1および第2帯状部2のいずれを空隙21に挿入しても、先端の延出部1b、2bによって挿入し易くなるという効果を有する。また、第3工程では、第1帯状部1および第2帯状部2のうち、第1工程で空隙21に挿入していない残余の帯状部は、先端の延出部によって、樹脂床材40の端縁との接合が容易になるという効果を有する。このように、第1帯状部1および第2帯状部2のいずれの延出部1b、2bも、それぞれ異なる効果を奏しつつ、施工性を飛躍的に高めることができる。
【0122】
また、図5に示す排水溝周り部材10は、第1帯状部1および第2帯状部2が両方とも、厚さが結合部側端から先端に向かって、漸次的または段階的に増加している。よって、第1工程にて、第1帯状部および第2帯状部のいずれを空隙21に挿入しても、施工後にアンカー効果で抜け難くなる。これにより、施工後、帯状部が空隙から浮きあがることを防止し、長期間にわたって排水の流れを円滑にすることができるという効果を奏する。また、施工後、第1帯状部1および第2帯状部2のうち、第1工程で空隙21に挿入していない残余の帯状部は、樹脂床材40と接合された後、排水の流れが排水溝へ流れ易くなるという効果を有する。このように、第1帯状部1および第2帯状部2のいずれも、それぞれ異なる効果を奏しつつ、施工後の排水性および強度を飛躍的に高めることができる。
【0123】
[床構造の参考例]
図8は、参考例の排水溝周り部材70を備えた床構造200の模式図である。図8において、床部20、空隙21、排水溝30、外枠31、溝蓋32、樹脂床材40、接着剤50、および、接合材60は図7と同様であるため、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0124】
図8に示した排水溝周り部材70は、第1帯状部71と、第2帯状部72と、前記第1帯状部71の側端縁と前記第2帯状部72の側端縁とを結合する結合部73とを有する。第1帯状部71および第2帯状部72は、平面視形状が長方形状の平板部材であり、厚さが、均一に成形されている。第1帯状部71および第2帯状部72は、先端縁の裏面側に、それぞれの先端の厚さよりも薄い延出部が一体成形されている。
【0125】
前記排水溝周り部材70の第1帯状部71は、床部20の上面に載置されている。排水溝周り部材70は、第1帯状部71の厚さが、均一であるため、床部20上の第1帯状部71の高さが、樹脂床材40側から排水溝30まで一定となっている。このように第1帯状部71の高さが一定であるため、樹脂床材40側から流れてきた排水が、排水溝周り部材70上に残存しやすい。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明に排水溝周り部材は、排水溝を備えた床部に樹脂床材を敷設する際に、排水溝の周囲において樹脂床材を固定するために使用できる。
【符号の説明】
【0127】
1:第1帯状部、1a:溝、1b:延出部、2:第2帯状部、2a:溝、2b:延出部、3:結合部、10:排水溝周り部材、20:床部、21:空隙、30:排水溝、31:外枠、32:溝蓋、40:樹脂床材、50、接着剤またはシール剤、60:接合材、100:床構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8