(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076628
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】作業方法、作業システム、及び作業プログラム
(51)【国際特許分類】
A01B 69/00 20060101AFI20240530BHJP
【FI】
A01B69/00 301
A01B69/00 303Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188285
(22)【出願日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】石川 彬
【テーマコード(参考)】
2B043
【Fターム(参考)】
2B043AA10
2B043AB15
2B043BA02
2B043BA09
2B043BB01
2B043BB03
2B043BB04
2B043BB06
2B043BB07
2B043BB08
2B043BB12
2B043BB14
2B043DA04
2B043DA17
2B043EA32
2B043EB05
2B043EC03
2B043ED03
2B043ED12
2B043ED16
2B043EE01
2B043EE02
2B043EE05
2B043EE06
(57)【要約】
【課題】作業領域における複数の作業の作業効率を向上させることが可能な作業方法、作業システム、及び作業プログラムを提供すること。
【解決手段】制御部21は、後作業の第2作業を実行させる第2作業位置を特定し、前作業の第1作業を実行させる際に、前記第2作業位置、前記第2作業の作業情報に基づいて特定される前記第1作業を実行させる第1作業位置、前記作業情報に基づいて特定される前記第1作業を停止させる作業停止位置の少なくともいずれかに関する作業支援情報を報知させる。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業領域において、第1作業車両に第1作業を実行させ、前記第1作業より後に第2作業車両に第2作業を実行させる作業方法であって、
前記第2作業を実行させる第2作業位置を特定することと、
前記第1作業を実行させる際に、前記第2作業位置、前記第2作業の作業情報に基づいて特定される前記第1作業を実行させる第1作業位置、前記作業情報に基づいて特定される前記第1作業を停止させる作業停止位置の少なくともいずれかに関する作業支援情報を報知させることと、
を実行する作業方法。
【請求項2】
前記第1作業車両は、それぞれが個別に作業処理を行うことが可能な複数の作業部を備え、
前記複数の作業部のうち前記作業停止位置に対応する作業部の識別情報を操作端末に表示させる、
請求項1に記載の作業方法。
【請求項3】
前記作業領域に前記第1作業車両の第1目標経路を生成し、
前記作業領域に前記第2作業車両の第2目標経路を生成し、
前記第1目標経路に含まれる複数の作業経路のうち前記作業停止位置に対応する作業経路を識別可能に操作端末に表示させる、
請求項1に記載の作業方法。
【請求項4】
前記操作端末に表示される前記作業領域に、前記第1目標経路と前記第2目標経路とを重ねて表示させる、
請求項3に記載の作業方法。
【請求項5】
前記第2作業車両の車輪の走行位置が、隣り合う前記作業経路の間隙又は前記第1作業車両の車輪の走行位置に重なるように、前記第1目標経路及び前記第2目標経路を生成する、
請求項3に記載の作業方法。
【請求項6】
前記第1作業車両が前記作業領域において前記第1作業を開始した後、かつ、前記第1作業車両が前記作業停止位置に対応する作業経路の走行を開始する前に、前記作業支援情報を操作端末に表示させる、
請求項1~5のいずれかに記載の作業方法。
【請求項7】
前記作業停止位置における前記第1作業を停止させるか、又は、前記作業停止位置が生じないように前記第1作業車両の第1目標経路を生成するかをユーザーが選択可能な選択画面を操作端末に表示させる、
請求項1~5のいずれかに記載の作業方法。
【請求項8】
前記作業停止位置は、前記第2作業車両の車輪の走行位置に対応する、
請求項1~5のいずれかに記載の作業方法。
【請求項9】
前記作業情報は、前記第2作業車両に設けられる作業機の作業幅、前記第2作業車両の左右の車輪の間隔、及び、前記第2作業車両の車輪の幅の少なくともいずれかを含む、
請求項1~5のいずれかに記載の作業方法。
【請求項10】
作業領域において、第1作業車両に第1作業を実行させ、前記第1作業より後に第2作業車両に第2作業を実行させる作業システムであって、
前記第2作業を実行させる第2作業位置を特定する特定処理部と、
前記第1作業を実行させる際に、前記第2作業位置、前記第2作業の作業情報に基づいて特定される前記第1作業を実行させる第1作業位置、前記作業情報に基づいて特定される前記第1作業を停止させる作業停止位置の少なくともいずれかに関する作業支援情報を報知させる報知処理部と、
を備える作業システム。
【請求項11】
作業領域において、第1作業車両に第1作業を実行させ、前記第1作業より後に第2作業車両に第2作業を実行させる作業プログラムであって、
前記第2作業を実行させる第2作業位置を特定することと、
前記第1作業を実行させる際に、前記第2作業位置、前記第2作業の作業情報に基づいて特定される前記第1作業を実行させる第1作業位置、前記作業情報に基づいて特定される前記第1作業を停止させる作業停止位置の少なくともいずれかに関する作業支援情報を報知させることと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための作業プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両に複数の作業を実行させる作業方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圃場において施肥作業、播種作業、移植作業などを行う作業車両が知られている(例えば特許文献1参照)。また、圃場に薬剤を散布したり、収穫物を収穫したりする作業車両も知られている。作業車両は、例えば農作物を栽培する場合、これら複数の作業を所定の順序に従って実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、例えば、第1作業車両が施肥作業及び播種作業を行い、その後に第2作業車両が散布作業を行う場合に、第2作業車両の車輪が、第1作業車両により作業された部分を踏み付けてしまうことがある。この場合、前記部分の作業が無駄になってしまう。このように、従来の技術では、複数の作業を行う場合に無駄な作業部分が生じ、作業効率が低下する問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は、作業領域における複数の作業の作業効率を向上させることが可能な作業方法、作業システム、及び作業プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る作業方法は、作業領域において、第1作業車両に第1作業を実行させ、前記第1作業より後に第2作業車両に第2作業を実行させる作業方法である。前記作業方法は、前記第2作業を実行させる第2作業位置を特定することと、前記第1作業を実行させる際に、前記第2作業位置、前記第2作業の作業情報に基づいて特定される前記第1作業を実行させる第1作業位置、前記作業情報に基づいて特定される前記第1作業を停止させる作業停止位置の少なくともいずれかに関する作業支援情報を報知させる。
【0007】
本発明に係る作業システムは、作業領域において、第1作業車両に第1作業を実行させ、前記第1作業より後に第2作業車両に第2作業を実行させる作業システムである。前記作業システムは、特定処理部と報知処理部とを備える。前記特定処理部は、前記第2作業を実行させる第2作業位置を特定する。前記報知処理部は、前記第1作業を実行させる際に、前記第2作業位置、前記第2作業の作業情報に基づいて特定される前記第1作業を実行させる第1作業位置、前記作業情報に基づいて特定される前記第1作業を停止させる作業停止位置の少なくともいずれかに関する作業支援情報を報知させる。
【0008】
本発明に係る作業プログラムは、作業領域において、第1作業車両に第1作業を実行させ、前記第1作業より後に第2作業車両に第2作業を実行させる作業プログラムである。前記作業プログラムは、前記第2作業を実行させる第2作業位置を特定することと、
前記第1作業を実行させる際に、前記第2作業位置、前記第2作業の作業情報に基づいて特定される前記第1作業を実行させる第1作業位置、前記作業情報に基づいて特定される前記第1作業を停止させる作業停止位置の少なくともいずれかに関する作業支援情報を報知させることと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるための作業プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、作業領域における複数の作業の作業効率を向上させることが可能な作業方法、作業システム、及び作業プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る作業システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る一の作業車両の目標経路の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る他の作業車両の目標経路の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る一の作業車両の一例を示す外観図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る他の作業車両の一例を示す外観図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る一の作業車両の作業機の一例を示す模式図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る他の作業車両の作業機の一例を示す模式図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る一の作業車両の作業経路の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る他の作業車両の作業経路の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係る他の作業車両の作業経路の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示されるメニュー画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される登録画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される作業計画一覧の一例を示す図である。
【
図14A】
図14Aは、本発明の実施形態に係る一の作業車両の目標経路の一例を示す図である。
【
図14B】
図14Bは、本発明の実施形態に係る他の作業車両の目標経路の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施形態に係る一の作業車両の他の目標経路の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、本発明の実施形態に係る作業システムによって実行される設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、本発明の実施形態に係る他の作業車両の目標経路の一例を示す図である。
【
図18】
図18は、本発明の実施形態に係る他の作業車両の目標経路の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、本発明の実施形態に係る他の作業車両の目標経路の一例を示す図である。
【
図20】
図20は、本発明の実施形態に係る他の作業車両の目標経路の一例を示す図である。
【
図21】
図21は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される走行画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る作業システム1は、作業車両10と操作端末20とを含んでいる。また、作業システム1には、複数の作業車両10が含まれる。各作業車両10と操作端末20とは、通信網N1を介して通信可能である。例えば、各作業車両10と操作端末20とは、携帯電話回線網、パケット回線網、又は無線LANを介して通信可能である。
【0013】
本実施形態では、作業車両10がトラクターである場合を例に挙げて説明する。なお、他の実施形態として、作業車両10は、田植機、コンバイン、建設機械、又は除雪車などであってもよい。作業車両10は、作業領域である圃場内を予め設定された目標経路に従って自動走行(自律走行)可能な構成を備えている。また、作業車両10は、圃場内において自動走行しながら所定の作業を行うことが可能である。例えば、各作業車両10は、測位装置16により算出される作業車両10の現在位置の位置情報に基づいて、圃場内において予め設定された目標経路に従って自動走行しながら所定の作業を行う。
【0014】
例えば、作業車両10aは、
図2に示す圃場Fにおいて、予め設定された目標経路R1に従って自動走行しながら作業を行う。作業車両10aには作業機14(例えば施肥播種機)が装着されている。目標経路R1には、複数列に配列された直線状の作業経路R11~R18等と、作業経路を接続する旋回経路(不図示)とが含まれる。作業車両10aは、目標経路R1に従って、圃場Fにおいて一方側(
図2では左側)から他方側(
図2では右側)へ向かって往復走行しながら施肥作業及び播種作業を行う。なお、作業車両10aは、施肥作業及び播種作業を同時に行うことが可能に構成されてもよい。
図2において、符号Faは、作業車両10aの作業範囲(施肥・播種範囲)を示している。
【0015】
また例えば、作業車両10bは、
図3に示す圃場Fにおいて、予め設定された目標経路R2に従って自動走行しながら作業を行う。作業車両10bには作業機14(散布機(スプレーヤ))が装着されている。目標経路R2には、複数列に配列された直線状の作業経路R21~R25等と、作業経路を接続する旋回経路(不図示)とが含まれる。作業車両10bは、目標経路R2に従って、圃場Fにおいて一方側(
図3では左側)から他方側(
図3では右側)へ向かって往復走行しながら防除作業(例えば薬剤の散布作業)を行う。
図3において、符号Faは、作業車両10bの作業範囲(散布範囲)を示している。なお、作業車両10aの作業範囲と作業車両10bの作業範囲とは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0016】
また例えば、作業車両10bは、作業車両10aが施肥及び播種した領域(作業範囲Fa)に薬剤を散布する。
【0017】
このように、作業車両10a及び作業車両10bのそれぞれは同一の圃場Fにおいて連携して作業を行う。例えば、作業車両10aは先行して前作業(施肥作業及び播種作業)を行い、作業車両10bは作業車両10aの作業後に後作業(散布作業)を行う。各作業車両10の作業内容は限定されない。例えば、作業車両10aが先行して畝立て作業及び移植作業を行い、作業車両10bが作業車両10aの作業後に散布作業を行ってもよい。また例えば、作業車両10aが先行して耕起作業を行い、作業車両10bが作業車両10aの作業後に畝立て作業を行ってもよい。
【0018】
なお、作業システム1は、3台以上の作業車両10が含まれてもよい。例えば、野菜(例えばじゃがいも)の栽培計画に従って、作業システム1に、耕起、整地、施肥・播種、除草、防除、収穫の各作業を行う複数の作業車両10が含まれてもよい。また、1台のトラクターが各作業に応じて作業機14を付け替えてもよい。すなわち、複数の作業車両10において、作業機14が装着される車両(例えばトラクター)は共通であってもよい。
【0019】
[作業車両10]
図1に示すように、作業車両10は、車両制御装置11、記憶部12、走行装置13、作業機14、通信部15、測位装置16などを備える。車両制御装置11は、記憶部12、走行装置13、作業機14、測位装置16などに電気的に接続されている。なお、車両制御装置11及び測位装置16は、無線通信可能であってもよい。
図4には作業車両10aの一例を示し、
図5には作業車両10bの一例を示している。なお、作業車両10a及び作業車両10bにおいて共通する構成を説明する際は「作業車両10」と称す。
【0020】
通信部15は、作業車両10を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して操作端末20などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。作業車両10は、通信部15を介して操作端末20のそれぞれと無線通信を行うことが可能である。
【0021】
記憶部12は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部である。記憶部12には、車両制御装置11に自動走行処理を実行させるための自動走行プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記自動走行プログラムは、フラッシュROM、EEPROM、CD、又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、所定の読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。なお、前記自動走行プログラムは、サーバー(不図示)から通信網N1を介して作業車両10にダウンロードされて記憶部12に記憶されてもよい。また、記憶部12には、操作端末20において生成される目標経路の経路データが記憶されてもよい。
【0022】
走行装置13は、作業車両10を走行させる駆動部である。
図4及び
図5に示すように、走行装置13は、エンジン131(駆動源)、前輪132、後輪133、トランスミッション134、フロントアクスル135、リアアクスル136、ハンドル137などを備える。なお、前輪132及び後輪133は、作業車両10の左右にそれぞれ設けられている。また、走行装置13は、前輪132及び後輪133を備えるホイールタイプに限らず、作業車両10の左右に設けられるクローラを備えるクローラタイプであってもよい。
【0023】
エンジン131は、不図示の燃料タンクに補給される燃料を用いて駆動するディーゼルエンジン又はガソリンエンジンなどの駆動源である。走行装置13は、エンジン131とともに、又はエンジン131に代えて、電気モータを駆動源として備えてもよい。なお、エンジン131には、不図示の発電機が接続されており、当該発電機から作業車両10に設けられた車両制御装置11等の電気部品及びバッテリー等に電力が供給される。なお、前記バッテリーは、前記発電機から供給される電力によって充電される。そして、作業車両10に設けられている車両制御装置11及び測位装置16等の電気部品は、エンジン131の停止後も前記バッテリーから供給される電力により駆動可能である。
【0024】
エンジン131の駆動力は、トランスミッション134及びフロントアクスル135を介して前輪132に伝達され、トランスミッション134及びリアアクスル136を介して後輪133に伝達される。また、エンジン131の駆動力は、PTO軸(不図示)を介して作業機14にも伝達される。作業車両10が自動走行を行う場合、走行装置13は、車両制御装置11の命令に従って走行動作を行う。
【0025】
作業機14は、例えば耕起機、整地機、施肥播種機、除草機、散布機、収穫機などであって、作業車両10に着脱可能である。これにより、作業車両10は、作業機14各々を用いて各種の作業を行うことが可能である。
図4の作業車両10aの作業機14は、施肥播種機の一例であり、
図5の作業車両10bの作業機14は、散布機の一例である。
【0026】
ハンドル137は、オペレータ又は車両制御装置11によって操作される操作部である。例えば走行装置13では、車両制御装置11によるハンドル137の操作に応じて、不図示の油圧式パワーステアリング機構などによって前輪132の角度が変更され、作業車両10の進行方向が変更される。オペレータが例えばティーチング操作を行う場合、オペレータはハンドル137を操作して作業車両10を手動走行させる。
【0027】
また、走行装置13は、ハンドル137の他に、車両制御装置11によって操作される不図示のシフトレバー、アクセル、ブレーキ等を備える。そして、走行装置13では、車両制御装置11による前記シフトレバーの操作に応じて、トランスミッション134のギアが前進ギア又はバックギアなどに切り替えられ、作業車両10の走行態様が前進又は後進などに切り替えられる。また、車両制御装置11は、前記アクセルを操作してエンジン131の回転数を制御する。また、車両制御装置11は、前記ブレーキを操作して電磁ブレーキを用いて前輪132及び後輪133の回転を制動する。
【0028】
測位装置16は、測位制御部161、記憶部162、通信部163、及び測位用アンテナ164などを備える通信機器である。例えば、測位装置16は、
図4及び
図5に示すように、オペレータが搭乗するキャビン18の上部に設けられている。また、測位装置16の設置場所はキャビン18に限らない。さらに、測位装置16の測位制御部161、記憶部162、通信部163、及び測位用アンテナ164は、作業車両10において異なる位置に分散して配置されていてもよい。なお、前述したように測位装置16には前記バッテリーが接続されており、測位装置16は、エンジン131の停止中も稼働可能である。また、測位装置16として、例えば携帯電話端末、スマートフォン、又はタブレット端末などが代用されてもよい。
【0029】
測位制御部161は、一又は複数のプロセッサーと、不揮発性メモリ及びRAMなどの記憶メモリとを備えるコンピュータシステムである。記憶部162は、測位制御部161に測位処理を実行させるためのプログラム、及び測位情報、移動情報などのデータを記憶する不揮発性メモリなどである。例えば、前記プログラムは、フラッシュROM、EEPROM、CD、又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、所定の読取装置(不図示)で読み取られて記憶部162に記憶される。なお、前記プログラムは、サーバー(不図示)から通信網N1を介して測位装置16にダウンロードされて記憶部162に記憶されてもよい。
【0030】
通信部163は、測位装置16を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して基地局(不図示)などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0031】
測位用アンテナ164は、衛星から発信される電波(GNSS信号)を受信するアンテナである。
【0032】
測位制御部161は、測位用アンテナ164が衛星から受信するGNSS信号に基づいて作業車両10の現在位置を算出する。例えば、作業車両10が圃場Fを自動走行する場合に、測位用アンテナ164が複数の衛星のそれぞれから発信される電波(発信時刻、軌道情報など)を受信すると、測位制御部161は、測位用アンテナ164と各衛星との距離を算出し、算出した距離に基づいて作業車両10の現在位置(緯度及び経度)を算出する。また、測位制御部161は、作業車両10に近い基地局(基準局)に対応する補正情報を利用して作業車両10の現在位置を算出する、リアルタイムキネマティック方式(RTK-GNSS測位方式(RTK方式))による測位を行ってもよい。このように、作業車両10は、RTK方式による測位情報を利用して自動走行を行う。なお、作業車両10の現在位置は、測位位置(例えば測位用アンテナ164の位置)と同一位置であってもよいし、測位位置からずれた位置であってもよい。
【0033】
車両制御装置11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、車両制御装置11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより作業車両10を制御する。
【0034】
車両制御装置11は、作業車両10に対する各種のユーザー操作に応じて当該作業車両10の動作を制御する。また、車両制御装置11は、測位装置16により算出される作業車両10の現在位置と、予め設定される目標経路とに基づいて、作業車両10の自動走行処理を実行する。
【0035】
車両制御装置11は、前記CPUで前記自動走行プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記自動走行プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0036】
具体的には、車両制御装置11は、操作端末20から走行開始指示を取得すると作業車両10の自動走行を開始させる。例えば、操作端末20の操作画面においてオペレータがスタートボタンを押下すると、操作端末20は走行開始指示を作業車両10に出力する。車両制御装置11は、操作端末20から走行開始指示を取得すると、目標経路に応じた作業車両10の自動走行を開始させる。
【0037】
これにより、例えば、作業車両10aは、圃場F内において目標経路R1(
図2参照)に従って自動走行を開始し、作業機14による作業(例えば施肥作業及び播種作業)を行う。また、作業車両10bは、圃場F内において目標経路R2(
図3参照)に従って自動走行を開始し、作業機14による作業(例えば散布作業)を行う。なお、作業車両10bは、オペレータによる走行開始指示により作業車両10aが自動走行を開始した後、所定のタイミングで自動走行を開始してもよい。すなわち、作業システム1において、一の作業車両10が第1作業を開始してから終了するまでの間に、他の作業車両10が第1作業の作業済領域に対して第2作業を開始してもよい。作業計画に含まれる複数の作業のそれぞれについて、作業開始タイミングが予め設定されてもよい。
【0038】
作業車両10aが自動走行する目標経路R1と、作業車両10bが自動走行する目標経路R2とは、例えば操作端末20において生成される。作業車両10aは、操作端末20から目標経路R1に対応する経路データを取得して目標経路R1に従って自動走行し、作業車両10bは、操作端末20から目標経路R2に対応する経路データを取得して目標経路R2に従って自動走行する。
【0039】
また、車両制御装置11は、操作端末20から走行停止指示を取得すると作業車両10の自動走行を停止させる。例えば、操作端末20の操作画面においてオペレータがストップボタンを押下すると、操作端末20は走行停止指示を作業車両10に出力する。
【0040】
他の実施形態として、作業車両10はオペレータの手動操舵により走行してもよい。例えばオペレータは、作業車両10aに搭乗して目標経路R1を確認しながら手動操舵により走行させ、作業車両10bに搭乗して目標経路R2を確認しながら手動操舵により走行させる。
【0041】
次に、作業機14の具体的構成について説明する。以下では、作業車両10a(
図4参照)に装着される作業機14を施肥播種機14aと称し、作業車両10b(
図5参照)に装着される作業機14を散布機14bと称す。
図6は作業車両10aを上方から見た模式図であり、
図7は作業車両10bを上方から見た模式図である。
【0042】
先ず、
図4及び
図6を参照しつつ、施肥播種機14aの具体的構成について説明する。施肥播種機14aは、それぞれが個別に施肥及び播種を行うことが可能な複数の施肥播種部140(
図6参照)を備えている。
図6に示す施肥播種部140は、1条~12条のそれぞれの作業列(施肥播種列)に対応する施肥播種部4a~4lで構成されている。
【0043】
各施肥播種部140は、下部に作溝器141、鎮圧ローラ142等を配置し、前上部に肥料ホッパー143とその下部に肥料繰出装置144とを設け、その後部に種子ホッパー145と種子繰出装置146とを配置している。肥料繰出装置144の繰出軸にはアクチュエータとして繰出モータ147が連結され、種子繰出装置146の繰出軸にはアクチュエータとして繰出モータ148が連結されている。また、肥料ホッパー143には肥料残量センサ(不図示)が配置され、種子ホッパー145には種子残量センサ(不図示)が配置され、それぞれ残量を検知する。繰出モータ147、148、肥料残量センサ、及び種子残量センサは、車両制御装置11とデータ通信可能に接続されている。
【0044】
施肥作業及び播種作業時において、各施肥播種部140の繰出モータ147、148は、それぞれ作業車両10aの走行速度に応じて繰出量が変更されるように制御される。例えば作施肥作業及び播種作業を開始する前に、操作端末20において、各施肥播種部140の走行距離あたりの繰出量が設定される。
【0045】
また、各施肥播種部140は、個別に駆動を制御することが可能であり、例えば、車両制御装置11の命令又はオペレータの操作により、施肥及び播種動作のON/OFFを切り替える。例えば、車両制御装置11は、1条~12条に対応する施肥播種部4a~4lのうち特定の条に対応する施肥播種部140の駆動を、所定のタイミングで停止(条止め)させることが可能である。作業車両10aが自動走行する場合、車両制御装置11は、目標経路R1(
図2参照)に従って作業車両10aを自動走行させるとともに、目標経路R1と各施肥播種部140の動作を規定する動作情報(詳細は後述する)とに従って施肥作業及び播種作業を実行させる。
【0046】
次に、
図5及び
図7を参照しつつ、散布機14bの具体的構成について説明する。
【0047】
散布機14bは、作業車両10bの車体の後部に装着されている。車体の後部には、エンジン131の駆動力を散布機14bに出力するためのPTO軸(不図示)が配置されている。PTO軸には、トランスミッション134を介して、エンジン131の駆動力が伝達される。
【0048】
散布機14bは、散布物(薬液など)を貯留する貯留タンク30と、貯留タンク30内の散布物を散布するブームユニット41と、PTO軸から伝達される駆動力によって駆動され、貯留タンク30内の散布物をブームユニット41に圧送するポンプ42とを含む。
【0049】
ブームユニット41は、車体の後方に散布物を散布する後方ブーム43と、車体の両側方にそれぞれ散布物を散布する一対の側方ブーム44(左側ブーム44L、右側ブーム44R)とを含む。すなわち、散布機14bは、3個のブーム(ユニット)で構成されている。後方ブーム43は、作業車両10の進行方向に対して直交する車幅方向(左右方向)に延びている。後方ブーム43には、後方ブーム43が延びる方向に等間隔で、複数の後方ノズル45が設けられている。複数の後方ノズル45は、下方に向けて散布物を吐出する。
【0050】
左側ブーム44Lは、後方ブーム43の左端部に連結されており、右側ブーム44Rは、後方ブーム43の右端部に連結されている。各側方ブーム44には、側方ブーム44が延びる方向に等間隔で複数の側方ノズル46が設けられている。複数の側方ノズル46は、下方に向けて散布物を吐出する。左側ブーム44Lは車体の左側に散布物を散布し、右側ブーム44Rは車体の右側に散布物を散布する。
【0051】
左側ブーム44Lは、左側ブーム44Lと後方ブーム43との連結部付近の所定の鉛直軸線まわりに回動可能である。左側ブーム44Lは、回動によって、左側ブーム44Lが延びる方向が略進行方向となるように左側ブーム44Lの先端が車体に近接する待機位置と、左側ブーム44Lが延びる方向が略車幅方向となるように左側ブーム44Lの先端が車体から離間する作業位置との間で移動する。すなわち、左側ブーム44Lは、前記待機位置の姿勢と前記作業位置の姿勢との間で、
図7に示す矢印方向に姿勢変化する。
【0052】
同様に、右側ブーム44Rは、右側ブーム44Rと後方ブーム43との連結部付近の所定の鉛直軸線まわりに回動可能である。右側ブーム44Rは、回動によって、右側ブーム44Rが延びる方向が略進行方向となるように右側ブーム44Rの先端が車体に近接する待機位置と、右側ブーム44Rが延びる方向が略車幅方向となるように右側ブーム44Rの先端が車体から離間する作業位置との間で移動する。すなわち、右側ブーム44Rは、前記待機位置の姿勢と前記作業位置の姿勢との間で、
図7に示す矢印方向に姿勢変化する。
【0053】
散布機14bは、一対の側方ブーム44のそれぞれを回動させる一対のブーム回動シリンダ(不図示)と、後方ブーム43及び一対の側方ブーム44を昇降させるブーム昇降シリンダ40(
図5参照)とをさらに含む。ブーム回動シリンダは、シリンダロッドを伸縮動作させることによって、対応する側方ブーム44を所定の回動中心まわりに回動させる。
【0054】
ブーム昇降シリンダ40は、シリンダロッドを伸縮動作させることによって、後方ブーム43及び一対の側方ブーム44を同時に昇降させる。一対の側方ブーム44は、水平に延びる下位置と、水平方向に傾斜する上位置との間で昇降する。
【0055】
散布機14bは、後方ブーム43の複数の後方ノズル45からの散布物の吐出を制御する後方バルブ(不図示)と、左側ブーム44Lの複数の側方ノズル46からの散布物の吐出を制御する左側バルブ(不図示)と、右側ブーム44Rの複数の側方ノズル46からの散布物の吐出を制御する右側バルブ(不図示)と、を含む。
【0056】
ポンプ42が駆動された状態で後方バルブが開かれると、後方ブーム43の複数の後方ノズル45から散布物が吐出される。ポンプ42が駆動された状態で左側バルブが開かれると、左側ブーム44Lの複数の側方ノズル46から散布物が吐出される。ポンプ42が駆動された状態で右側バルブが開かれると、右側ブーム44Rの複数の側方ノズル46から散布物が吐出される。
【0057】
車両制御装置11は、目標経路R2に設定された制御情報に基づいて、散布パターンを切り替える。散布パターンとしては、例えば、左側ブーム44L、後方ブーム43、及び右側ブーム44Rから散布が行われる全体散布パターン(
図7参照)、左側ブーム44L及び後方ブーム43から散布が行われる左側散布パターン(不図示)、右側ブーム44R及び後方ブーム43から散布が行われる右側散布パターン(不図示)、左側ブーム44L、後方ブーム43、及び右側ブーム44Rからの散布が停止される散布停止パターン(不図示)などが挙げられる。散布パターンはこれらに限定されず、例えば左側ブーム44L及び右側ブーム44Rのみから散布が行われる散布パターン、左側ブーム44Lのみから散布が行われる散布パターン、右側ブーム44Rのみから散布が行われる散布パターン、後方ブーム43のみから散布が行われる散布パターンなどが含まれてもよい。
【0058】
なお、作業車両10bの走行方向に対する左右方向の作業幅は、散布パターンに対応して設定される。例えば、全体散布パターン(
図7参照)における作業幅は、車体の後方において左右方向に延伸する作業幅(最大作業幅)に設定され、左側散布パターンにおける作業幅は、車体の後方及び左側方において左右方向に延伸する作業幅に設定され、右側散布パターンにおける作業幅は、車体の後方及び右側方において左右方向に延伸する作業幅に設定される。
【0059】
例えば、車両制御装置11は、散布パターンを左側散布パターンに設定すると、一対の側方ブーム44を下位置に移動させ、左側ブーム44Lを作動位置に移動させ、左側バルブを開く。また、左側散布パターンでは、車両制御装置11は、右側ブーム44Rを待機位置に維持する。
【0060】
また例えば、車両制御装置11は、散布パターンを右側散布パターンに設定すると、一対の側方ブーム44を下位置に移動させ、右側ブーム44Rを作動位置に移動させ、右側バルブを開く。また、右側散布パターンでは、車両制御装置11は、左側ブーム44Lを待機位置に維持する。
【0061】
また例えば、車両制御装置11は、散布パターンを全体散布パターンに設定すると、一対の側方ブーム44を下位置に移動させ、左側ブーム44L及び右側ブーム44Rをそれぞれ作動位置に移動させ、後方バルブ、左側バルブ及び右側バルブを開く。
【0062】
また例えば、車両制御装置11は、散布パターンを散布停止パターンに設定すると、一対の側方ブーム44を上位置に移動させ、左側ブーム44L及び右側ブーム44Rをそれぞれ待機位置に移動させ、後方バルブ、左側バルブ、及び右側バルブを閉じる。
【0063】
以上のように、作業車両10bでは、車両制御装置11は、目標経路R2(
図3参照)に従って作業車両10bを自動走行させるとともに、目標経路R2及び制御情報に従って散布パターンを切り替えて散布作業を実行させる。なお、車両制御装置11は、オペレータの操作に応じて、作業車両10bを手動走行させ、かつ散布パターンを切り替えて散布作業を実行させてもよい。
【0064】
ここで、例えば、作業車両10aが施肥作業及び播種作業を行い、その後に作業車両10bが散布作業を行う場合に、作業車両10bの車輪が、作業車両10aにより施肥及び播種された部分を踏み付けてしまうことがある。
【0065】
図8には、作業車両10aの施肥作業及び播種作業の一例を示している。なお、施肥播種部4a~4l(
図6参照)は、作業車両10aの車輪の走行位置に合わせて、4条目及び5条目の間と、8条目及び9条目の間とに所定の間隙が形成されるように設けられている。作業車両10aは、作業経路R11を走行しながら1条目~12条目を施肥作業及び播種作業し、続く作業経路R12を走行しながら1条目~12条目を施肥作業及び播種作業し、作業経路R13を走行しながら1条目~12条目を施肥作業及び播種作業し、作業経路R14を走行しながら1条目~12条目を施肥作業及び播種作業する。作業車両10aが施肥作業及び播種作業を終了すると、作業車両10bは施肥及び播種された領域において散布作業を行う。
【0066】
図9及び
図10には、作業車両10bの散布作業の一例を示している。なお、ここでは、作業車両10bの作業幅(散布機14bの全幅)が作業車両10aの作業幅(施肥播種機14aの全幅)の4倍の作業幅(作業経路R11~R14の合計作業幅)に相当する。作業車両10bは、作業経路R21(
図9参照)を走行しながら作業経路R11~R14に対応する4列分(48条分(12条×4列))の領域を一度に散布作業し、続く作業経路R22(
図10参照)を走行しながら作業経路R15~R18に対応する4列分(48条分)の領域を散布作業する。
【0067】
この場合に、例えば
図9に示すように、作業経路R21を走行する作業車両10bの車輪の走行位置が、作業車両10aの作業経路R12の3条目と作業経路R13の3条目に重なると、作業経路R12の3条目と作業経路R13の3条目の施肥及び播種された部分を踏み付けてしまう。同様に、
図10に示すように、作業経路R22を走行する作業車両10bの車輪の走行位置が、作業車両10aの作業経路R16の3条目と作業経路R17の3条目に重なると、作業経路R16の3条目と作業経路R17の3条目の施肥及び播種された部分を踏み付けてしまう。このため、踏み付けられた部分の施肥作業及び播種作業が無駄になり、作業効率が低下する問題が生じる。なお、作業車両10bの車輪が踏み付ける位置は、作業車両10aの作業幅、条間、作業車両10bのトレッド幅、車輪幅などに応じて変化する。これに対して、本実施形態に係る作業システム1は、以下に示すように、圃場Fにおける複数の作業の作業効率を向上させることが可能である。
【0068】
具体的には、作業車両10aの車両制御装置11は、複数の施肥播種部140のうち、施肥作業及び播種作業を停止させる作業停止位置(後述)に対応する施肥播種部140の作業処理を停止させる。例えば、作業車両10aの車両制御装置11は、作業車両10aが走行する複数の作業経路のうち、作業車両10bの作業幅に応じて特定される所定の作業経路において、前記作業停止位置に対応する施肥播種部140の作業処理を停止させる。例えば、作業車両10aの車両制御装置11は、複数の施肥播種部140のうち、作業車両10bの車輪の走行位置に対応する施肥播種部140の駆動を停止させる。
図9及び
図10に示す例では、作業車両10aの車両制御装置11は、作業車両10aが作業経路R12、R13、R16、R17を走行する際に3条目に対応する施肥播種部4c(
図6参照)の駆動(作業処理)を停止させる。
【0069】
なお、作業車両10aが自動走行する構成では、作業車両10aの車両制御装置11は、作業車両10aの位置情報と、各作業経路に設定された、作業(ここでは施肥作業及び播種作業)を実行するか否かを示す動作情報(詳細は後述する)とに基づいて、各施肥播種部140の動作を制御する。ここでは、車両制御装置11は、作業車両10aが作業経路R12に進入する前に施肥播種部4cを一時停止(条止め)させ、作業車両10aが作業経路R14に進入する前に施肥播種部4cを再駆動させる。また、車両制御装置11は、作業車両10aが作業経路R16に進入する前に施肥播種部4cを一時停止(条止め)させ、作業車両10aが作業経路R18に進入する前に施肥播種部4cを再駆動させる。
【0070】
他の実施形態として、作業車両10aが手動走行する構成では、作業車両10aの車両制御装置11は、オペレータの操作に基づいて、各施肥播種部140の動作を制御する。例えば、オペレータは、操作端末20に表示される前記作業停止位置に関する情報(
図15、
図19参照)に基づいて、作業車両10aが作業経路R12に進入する前に施肥播種部4cを停止させる操作を行う。車両制御装置11は、オペレータの操作に応じて施肥播種部4cを一時停止(条止め)させる。また、オペレータは、操作端末20に表示される、施肥作業及び播種作業を行う作業位置の情報に基づいて、作業車両10aが作業経路R14に進入する前に施肥播種部4cを再駆動させる操作を行う。車両制御装置11は、オペレータの操作に応じて施肥播種部4cを再駆動させる。同様に例えば、オペレータは、操作端末20に表示される前記作業停止位置の情報に基づいて、作業車両10aが作業経路R16に進入する前に施肥播種部4cを停止させる操作を行う。車両制御装置11は、オペレータの操作に応じて施肥播種部4cを一時停止(条止め)させる。また、オペレータは、操作端末20に表示される作業位置の情報に基づいて、作業車両10aが作業経路R18に進入する前に施肥播種部4cを再駆動させる操作を行う。車両制御装置11は、オペレータの操作に応じて施肥播種部4cを再駆動させる。
【0071】
以上のように、作業車両10aの車両制御装置11は、作業車両10bの作業情報(作業車両10bに設けられる散布機14bの作業幅、作業車両10bのトレッド幅、作業車両10bの車輪幅など)に基づいて特定される作業位置において作業車両10aに施肥作業及び播種作業を実行させ、作業車両10bの車両制御装置11は、施肥作業及び播種作業が実行された領域において散布作業を実行させる。
【0072】
[操作端末20]
図1に示すように、操作端末20は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び通信部24などを備える情報処理装置である。操作端末20は、タブレット端末、スマートフォンなどの携帯端末で構成されてもよい。
【0073】
通信部24は、操作端末20を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して複数の作業車両10などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0074】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるタッチパネル、マウス、又はキーボードのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。オペレータ(ユーザー)は、表示部に表示される操作画面において、前記操作部を操作して各種情報(後述の作業車両情報、圃場情報、作業情報など)を登録する操作を行うことが可能である。また、オペレータは、前記操作部を操作して作業車両10に対する走行開始指示、走行停止指示などを行うことが可能である。さらに、オペレータは、作業車両10から離れた場所において、操作端末20に表示される走行軌跡により、圃場Fにおいて目標経路に従って自動走行する作業車両10の走行状態を把握することが可能である。
【0075】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD又はSSDなどの不揮発性の記憶部である。記憶部22には、制御部21に後述の設定処理(
図16参照)を実行させるための設定プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記設定プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、操作端末20が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。なお、前記設定プログラムは、サーバー(不図示)から通信網N1を介して操作端末20にダウンロードされて記憶部22に記憶されてもよい。
【0076】
また、記憶部22には、作業車両10の自動走行させるための専用アプリケーションがインストールされている。制御部21は、前記専用アプリケーションを起動させて、作業車両10に関する各種情報の設定処理、作業車両10の目標経路の生成処理、作業車両10に対する自動走行指示などを行う。
【0077】
図1に示すように、制御部21は、設定処理部211、生成処理部212、表示処理部213、及び出力処理部214などの各種の処理部を含む。なお、制御部21は、前記CPUで前記設定プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記設定プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0078】
設定処理部211は、作業車両10に関する情報(以下、作業車両情報という。)を設定する。具体的には、設定処理部211は、作業車両10の機種、作業車両10において測位用アンテナ164が取り付けられている位置、作業機14の種類、作業機14のサイズ及び形状、作業機14の作業車両10に対する位置、作業車両10の作業中の車速及びエンジン回転数、作業車両10の旋回中の車速及びエンジン回転数等の情報について、オペレータが操作端末20において登録する操作を行うことにより当該情報を設定する。
【0079】
例えば
図11に示すメニュー画面D1においてオペレータは「作業機登録」を選択して、登録画面(不図示)において、作業機の種類(施肥播種機、除草機、散布機など)、作業機の情報(作業幅、オーバーラップ幅など)を登録する。ここでは、オペレータは、作業計画に従って、作業機登録の登録操作を複数回繰り返す。例えば、じゃがいもの栽培計画に従って、耕起、整地、施肥・播種、除草、防除、収穫の作業ごとに、作業機登録の登録操作を行う。
【0080】
続いて、オペレータは、
図11に示すメニュー画面D1の「作業登録」を選択して、登録画面(
図12参照)において、作業計画に含まれる複数の作業を登録する。例えば
図12の登録画面D2において、オペレータは、作業追加ボタンK21を押下して、予め登録された複数の作業機から作業計画に応じた作業機を選択して、作業エリア、枕地の作業方法、無人走行/有人走行、旋回方法、車速、エンジン回転速度などの作業情報を登録する。設定処理部211は、オペレータが登録した作業情報を作業計画一覧D21に表示させる。具体的には、設定処理部211は、作業計画を設定する設定画面において、作業ごとに、作業内容、作業車両10(本機)及び作業機14の識別情報(名称、型番など)、及び作業エリアを一覧表示させる。
【0081】
図12には、「耕起」の作業に関する作業情報が登録された状態を示している。オペレータは、作業計画(例えばじゃがいも栽培計画)を作成する場合、登録画面D2の作業追加ボタンK21を押下して、耕起、整地、施肥・播種、除草、防除、収穫の各作業の作業情報を登録する。
図13には、前記各作業の作業情報が登録された作業計画一覧D21を示している。
【0082】
続いて、オペレータは、
図11に示すメニュー画面D1の「経路作成」を選択して、経路作成画面(不図示)において、作業計画に含まれる複数の作業のそれぞれに対応する目標経路を設定する。例えば、オペレータは、作業計画選択画面から作業対象の作業計画(ここでは「じゃがいも栽培計画」)を選択する。その後、オペレータは、登録画面(不図示)において、作業対象の圃場の選択、作業領域の指定、作業方向の設定、作業開始位置及び作業終了位置の設定、枕地幅の設定などを行う。
【0083】
生成処理部212は、前記作業情報及び前記設定情報に基づいて、圃場Fにおいて作業車両10を自動走行させる目標経路を生成する。例えば、生成処理部212は、作業計画に含まれる複数の作業のそれぞれに対応する目標経路を生成する。ここでは、生成処理部212は、じゃがいも栽培計画に含まれる、耕起、整地、施肥・播種、除草、防除、収穫の作業のそれぞれに対応する複数の目標経路をまとめて(一括して)生成する。なお、前記複数の作業のうち作業機14及び作業経路(作業範囲、作業位置)が共通する作業については、生成処理部212は、同一の目標経路を生成する。
【0084】
表示処理部213は、生成処理部212により生成された目標経路を操作表示部23に表示させる。
【0085】
具体的には、生成処理部212は、後作業を実行させる作業位置を特定する。また、生成処理部212は、後作業の作業情報に基づいて、前作業を実行させる作業位置を特定する。また、生成処理部212は、後作業の作業情報に基づいて、前作業を停止させる作業停止位置を特定する。ここで、前記作業情報は、後作業を行う作業車両10に設けられる作業機14の作業幅、当該作業車両10の左右の車輪の間隔(トレッド幅)、及び、当該作業車両10の車輪幅の少なくともいずれかを含む。
【0086】
ここでは、前作業として、作業車両10aが行う施肥作業及び播種作業を挙げ、後作業として、作業車両10bが行う散布作業を挙げる。例えば、生成処理部212は、圃場Fにおいて、作業車両10aに対応する目標経路R1(
図2参照)と、作業車両10bに対応する目標経路R2(
図3参照)とを生成する。表示処理部213は、生成処理部212により生成された目標経路R1、R2を経路作成結果画面D3に表示させる(
図14A及び
図14B参照)。
【0087】
また、生成処理部212は、散布機14bの作業幅、作業車両10bのトレッド幅、及び、作業車両10bの車輪幅の少なくともいずれかに基づいて、作業車両10aにおいて施肥作業及び播種作業を停止させる作業停止位置を特定する。
図8~
図10に示す例では、生成処理部212は、作業車両10aにおける前記作業停止位置として、作業経路R12、R13、R16、R17のそれぞれの3条目を特定する。このように、生成処理部212は、作業車両10bの車輪の走行位置を、作業車両10aにおける前記作業停止位置として特定する。
【0088】
また、表示処理部213は、前記作業停止位置に関する情報を経路作成結果画面D3に表示させる。例えば
図15に示すように、表示処理部213は、前記作業停止位置に対応する施肥播種部140の識別情報(条止め箇所「3条目」)を経路作成結果画面D3に表示させる。また、表示処理部213は、目標経路R1に含まれる複数の作業経路のうち前記作業停止位置に対応する作業経路を識別可能に経路作成結果画面D3に表示させる(
図15の点線で示す作業経路(条止め経路))。なお、表示処理部213は、
図14Aに示す経路作成結果画面D3に代えて、
図15に示す経路作成結果画面D3を表示させてもよいし、
図14Aに示す経路作成結果画面D3においてオペレータが「次へ」を押下した場合に
図15に示す経路作成結果画面D3を表示させてもよい。
【0089】
また、表示処理部213は、目標経路R1、R2を一つの経路作成結果画面D3にまとめて表示させてもよい。例えば表示処理部213は、経路作成結果画面D3において、
図15に示す目標経路R1と
図14Bに示す目標経路R2とを、圃場Fに重ねて表示させてもよい。
【0090】
オペレータが生成された目標経路を確認すると、生成処理部212は、各作業に対応する目標経路を作業計画に関連付けて登録する。また、生成処理部212は、前記作業停止位置に関する情報を目標経路に対応付けて登録する。上述の例では、生成処理部212は、目標経路R1に、作業経路R12、R13、R16、R17のそれぞれにおいて3条目(施肥播種部4c)の作業を実行しない(駆動を停止する)こと、及び、その他の作業経路において1条目~12条目(施肥播種部4a~4l)の作業を実行することを示す動作情報を対応付けて登録する。このように、生成処理部212は、各作業経路に対して、作業(ここでは施肥作業及び播種作業)を実行するか否かを示す動作情報を設定する。
【0091】
以上のように、生成処理部212は、前作業が後作業の影響を受ける場合に、後作業の作業情報を考慮して前作業の目標経路を生成する。なお、生成処理部212は、前作業が後作業の影響を受けない場合には、後作業の作業情報を考慮することなく前作業の目標経路を生成する。上述の例では、生成処理部212は、作業車両10bの車輪の走行位置が、作業車両10aの車輪の走行位置に重なるように、目標経路R1及び目標経路R2を生成する。
【0092】
また、ここでは、生成処理部212は、作業車両10bに対応する目標経路R2に、散布パターン(全体散布パターン、左側散布パターン、右側散布パターン、散布停止パターンなど)を切り替える制御情報を設定する。
【0093】
生成処理部212は、作業計画(じゃがいも栽培計画)に含まれる、耕起、整地、施肥・播種、除草、防除、収穫の作業のそれぞれに対応する複数の目標経路を生成すると、当該作業計画に関連付けて登録する。このようにして、生成処理部212は、作業計画に応じて、複数の作業のそれぞれに対応する複数の目標経路を一括して生成する。オペレータは、作業計画一覧D21(
図12及び
図13参照)により作業計画を容易に確認することができ、また各作業に対応する目標経路(
図14A、
図14B及び
図15参照)を容易に確認することができる。例えば、制御部21は、作業計画一覧D21においてオペレータが所定の作業を選択した場合に、当該作業に対応する目標経路を表示させてもよい。これにより、オペレータは、各作業の目標経路を容易に確認することができる。
【0094】
ここで、オペレータは、作業を開始する際に、圃場の選択、作業(作業計画)の選択、目標経路の確認を行って、作業開始指示を行う。オペレータが作業開始指示を行うと、出力処理部214は、生成処理部212が生成した目標経路の経路データを作業車両10に出力する。具体的には、出力処理部214は、目標経路R1の経路データを作業車両10aに出力し、目標経路R2の経路データを作業車両10bに出力する。
【0095】
各作業車両10は、操作端末20において生成された経路データが作業車両10に転送されると、経路データを記憶部12に記憶する。各作業車両10は、測位用アンテナ164により作業車両10の現在位置を検出しつつ前記経路データに基づいて自動走行処理を実行する。
【0096】
例えばオペレータが経路作成結果画面D3(
図14B参照)において、生成された目標経路を確認して問題ないと判断すると作業開始ボタンK31を押下する。オペレータが作業開始指示を行うと、出力処理部214は、目標経路の経路データを作業車両10に出力する。例えば、出力処理部214は、施肥播種部4a~4l(
図6参照)の動作(ON/OFF)を規定する前記動作情報が対応付けられた目標経路R1の経路データを作業車両10aに出力し、散布パターンを規定する前記制御情報が対応付けられた目標経路R2の経路データを作業車両10bに出力する。
【0097】
各作業車両10は、目標経路の経路データを取得すると目標経路に従って自動走行を開始する。なお、ここでは、耕起、整地、施肥・播種、除草、防除、収穫の作業ごとに設定されたタイミングで、各作業車両10が自動走行を実行する。
【0098】
また、各作業車両10は、測位用アンテナ164により作業車両10の現在位置を検出しつつ前記経路データに基づいて自動走行処理を実行する。例えば、各作業車両10は、現在位置が圃場Fの走行開始位置と一致している場合に、オペレータにより操作画面においてスタートボタンが押下されて走行開始指示が与えられると、作業車両10の車両制御装置11によって、目標経路に従って自動走行を開始する。上述の例では、作業車両10aは、作業経路R12、R13、R16、R17のそれぞれにおいて3条目(施肥播種部4c)の作業を停止(条止め)し、その他の作業経路において1条目~12条目の作業を実行する。
【0099】
本実施形態では、作業システム1は、圃場Fにおいて、目標経路R1に従って作業車両10aを自動走行させ、作業車両10aの自動走行を開始させた後に、目標経路R2に従って作業車両10bを自動走行させる。また、作業システム1は、圃場Fにおいて、作業車両10aの自動走行を開始させた後に、作業車両10aの作業位置に基づいて作業車両10bの自動走行を開始させてもよい。
【0100】
オペレータは、作業車両10a、10bが自動走行している間、操作端末20において、圃場F内における走行状態、作業状況などを把握することが可能である。
【0101】
なお、操作端末20は、サーバーが提供する農業支援サービスのウェブサイト(農業支援サイト)に通信網N1を介してアクセス可能であってもよい。この場合、操作端末20は、操作制御部によってブラウザプログラムが実行されることにより、前記サーバーの操作用端末として機能することが可能である。そして、前記サーバーは、上述の各処理部を備え、各処理を実行する。
【0102】
[設定処理]
以下、
図16を参照しつつ、操作端末20の制御部21によって実行される前記設定処理の一例について説明する。例えば、前記設定処理は、制御部21がオペレータから作業車両10の目標経路を生成するための設定操作を受け付けた場合に制御部21によって開始される。
【0103】
なお、本願発明は、制御部21により前記設定処理の一部又は全部を実行する設定方法(本発明の作業方法の一例)の発明、又は、当該設定方法の一部又は全部を制御部21に実行させるための設定プログラム(本発明の作業プログラムの一例)の発明として捉えてもよい。また、前記設定処理は、一又は複数のプロセッサーが実行してもよい。
【0104】
ステップS1において、制御部21は、作業登録を行う。例えば
図12の登録画面D2において、オペレータが、作業追加ボタンK21を押下して、予め登録された複数の作業機から作業計画に応じた作業機を選択して、作業エリア、枕地の作業方法、無人走行/有人走行、旋回方法、車速、エンジン回転速度などの作業情報を登録する操作を行うと、制御部21は、作業に関連付けて作業情報を登録する。制御部21は、オペレータの前記登録操作に基づいて、作業計画に含まれる複数の作業のそれぞれの作業情報を登録する。例えば、オペレータがじゃがいも栽培計画を作成するために、耕起、整地、施肥・播種、除草、防除、収穫の各作業の作業情報を登録する操作を行うと、制御部21は、じゃがいも栽培計画に関連付けて前記各作業の作業情報を登録する。
【0105】
次にステップS2において、制御部21は、登録した複数の作業の作業情報を含む作業計画(作業計画一覧D21)を表示させる。例えば
図13に示すように、制御部21は、じゃがいも栽培計画の作業計画一覧D21を操作表示部23に表示させる。
【0106】
次にステップS3において、制御部21は、各作業の目標経路を生成する。具体的には、オペレータがメニュー画面D1(
図11参照)の「経路作成」を選択し、経路作成画面(不図示)の作業計画(ここでは「じゃがいも栽培計画」)を選択し、登録画面(不図示)において、圃場の選択、作業領域の指定、作業方向の設定、作業開始位置及び作業終了位置の設定、枕地幅の設定などを行う。
【0107】
制御部21は、作業計画に含まれる複数の作業のそれぞれに対応する目標経路を生成する。ここでは、制御部21は、じゃがいも栽培計画に含まれる、耕起、整地、施肥・播種、除草、防除、収穫の作業のそれぞれに対応する複数の目標経路を一括して生成する。
【0108】
次にステップS4において、制御部21は、作業停止位置が存在するか否かを判定する。具体的には、制御部21は、生成した目標経路と、後作業の作業情報とに基づいて、前作業において作業を停止すべき箇所(作業停止位置)が存在するか否かを判定する。例えば、前作業である施肥作業及び播種作業の目標経路R1と、後作業である散布作業の目標経路R2とにおいて、制御部21は、目標経路R1に含まれる複数の作業経路のうち、散布作業の影響を受ける作業経路、例えば作業車両10bの車輪の走行位置に重なる作業経路が存在するか否かを判定する。制御部21は、目標経路R1に含まれる複数の作業経路のうち散布作業の影響を受ける作業経路が存在すると判定すると、作業停止位置を特定する。制御部21は、前記作業停止位置が存在すると判定すると(S4:Yes)、処理をステップS5に移行させる。一方、制御部21は、前記作業停止位置が存在しないと判定すると(S4:No)、処理をステップS6に移行させる。
【0109】
図8~
図10に示す例では、目標経路R1に含まれる複数の作業経路に、作業車両10bの車輪の走行位置に重なる作業経路R12、R13、R16、R17が存在する。この場合、制御部21は、作業経路R12、R13、R16、R17において、作業停止位置として、作業車両10bの車輪の走行位置に重なる位置(ここでは「3条目」及び「施肥播種部4c」)を特定する。
【0110】
次にステップS5において、制御部21は、各作業経路に対して、作業を実行するか否かを示す動作情報を設定する。上述の例では、制御部21は、目標経路R1において、作業経路R12、R13、R16、R17のそれぞれに、3条目(施肥播種部4c)の作業を実行しない(駆動を停止する)ことを示す動作情報を設定し、その他の作業経路に、1条目~12条目(施肥播種部4a~4l)の作業を実行することを示す動作情報を設定する。
【0111】
次にステップS6において、制御部21は、生成した各作業の目標経路を登録する。ここでは、制御部21は、前記各作業に対応する複数の目標経路をじゃがいも栽培計画に関連付けて登録する。また、制御部21は、前記動作情報を目標経路に対応付けて登録する。
【0112】
次にステップS7において、制御部21は、オペレータから作業開始指示を受け付けたか否かを判定する。制御部21は、前記作業開始指示を受け付けると(S7:Yes)、処理をステップS8に移行させる。制御部21は、前記作業開始指示を受け付けるまで待機する(S7:No)。
【0113】
ステップS8において、制御部21は、生成した目標経路の経路データを作業車両10に出力する。ここでは、制御部21は、耕起、整地、施肥・播種、除草、防除、収穫の各作業に対応する目標経路の経路データを各作業車両10に出力する。
【0114】
各作業車両10は、耕起、整地、施肥・播種、除草、防除、収穫の作業ごとに予め設定されたタイミングで、目標経路に従って自動走行を実行する。また、各作業車両10は、前記動作情報に基づいて作業を実行する。例えば、作業車両10aは、作業経路R12、R13、R16、R17を走行する際に3条目に対応する施肥播種部4c(
図6参照)を停止させて、3条目の施肥作業及び播種作業を省略する。また、作業車両10aは、その他の作業経路では、1条目~12条目に対応する施肥播種部4a~4l(
図6参照)を駆動させて施肥作業及び播種作業を実行する。
【0115】
以上説明したように、本実施形態に係る作業システム1は、後作業の第2作業の作業情報に基づいて、前作業の第1作業を実行させる作業位置及び/又は前作業を停止させる作業停止位置を特定し、前記作業位置及び/又は前記作業停止位置に基づいて、作業車両10aに第1作業を実行させ、第1作業が実行された圃場Fにおいて作業車両10bに第2作業を実行させる。
【0116】
例えば、作業システム1は、作業車両10bに設けられた作業機14の作業幅、作業車両10bの車輪のトレッド幅、及び、作業車両10bの車輪幅の少なくともいずれかに基づいて、作業車両10bの車輪の走行位置を前記作業停止位置として特定する。
【0117】
また、作業システム1は、後作業の第2作業を実行させる第2作業位置を特定し、前作業の第1作業を実行させる際に、前記第2作業位置、前記第2作業の作業情報に基づいて特定される前記第1作業を実行させる第1作業位置、前記作業情報に基づいて特定される前記第1作業を停止させる作業停止位置の少なくともいずれかに関する作業支援情報を報知させる。例えば、作業システム1は、前記作業停止位置に対応する作業機14の条止め箇所、前記作業停止位置に対応する作業経路を識別可能に表示させる(
図15参照)。
【0118】
上記構成によれば、第1作業において、第2作業の作業車両10bの車輪が走行する位置の作業を停止(省略)することができるため、第1作業において無駄な作業の発生を防ぐことができる。このため、圃場Fにおける複数の作業の作業効率を向上させることが可能となる。
【0119】
[他の実施形態]
本発明は上述の実施形態に限定されず、以下の実施形態であってもよい。
【0120】
上述の実施形態では、制御部21は、前記作業停止位置に対応する作業部(施肥播種部140)の駆動(作業処理)を停止させている。他の実施形態として、制御部21は、後作業の作業情報に基づいて、目標経路に含まれる複数の作業経路の間隔を設定してもよい。
【0121】
例えば、作業車両10aの目標経路R1に含まれる作業経路R12、R13、R16、R17のそれぞれの3条目が作業車両10bの車輪の走行位置に重なる場合に(
図9及び
図10参照)、制御部21は、
図17及び
図18に示すように、作業車両10aの作業経路のいずれかの条間に作業車両10bの車輪の走行位置が重なるように、作業経路R12、R13、R16、R17を設定する。例えば、制御部21は、作業車両10bの車輪の走行位置が当該走行位置から最も近い条間に重なるように、作業経路R12、R13、R16、R17を設定する。ここでは、制御部21は、作業経路R12、R13、R16、R17を中心位置(点線で示す作業経路)から右側に条間距離の半分の距離だけシフトさせる。これにより、作業車両10bが作業経路R21を走行する際に(
図17参照)、左側の車輪が作業経路R12の3条目と4条目の間隙を通り、右側の車輪が作業経路R13の2条目と3条目の間隙を通る。また、作業車両10bが作業経路R22を走行する際に(
図18参照)、右側の車輪が作業経路R16の3条目と4条目の間隙を通り、左側の車輪が作業経路R17の2条目と3条目の間隙を通る。
【0122】
なお、
図17及び
図18に示す例では、制御部21は、作業車両10bの車輪の走行位置に重なる作業経路R12、R13、R16、R17を右側にシフトしている。他の実施形態として、制御部21は、作業経路R12、R13、R16、R17を左側にシフトしてもよい。この場合、作業車両10bが作業経路R21を走行する際に、左側の車輪が作業経路R12の2条目と3条目の間隙を通り、右側の車輪が作業経路R13の3条目と4条目の間隙を通る。また、作業車両10bが作業経路R22を走行する際に、右側の車輪が作業経路R16の2条目と3条目の間隙を通り、左側の車輪が作業経路R17の3条目と4条目の間隙を通る。
【0123】
また、他の実施形態として、制御部21は、作業経路R12、R16を右側にシフトし、作業経路R13、R17を左側にシフトしてもよい。この場合、作業車両10bが作業経路R21を走行する際に、左側の車輪が作業経路R12の3条目と4条目の間隙を通り、右側の車輪が作業経路R13の3条目と4条目の間隙を通る。また、作業車両10bが作業経路R22を走行する際に、右側の車輪が作業経路R16の3条目と4条目の間隙を通り、左側の車輪が作業経路R17の3条目と4条目の間隙を通る。
【0124】
また、他の実施形態として、制御部21は、作業車両10bの車輪の走行位置に重なる作業経路のシフト方向を選択する操作をオペレータから受け付けて、オペレータの操作に応じて目標経路R1を生成してもよい。これにより、オペレータの意図した目標経路を生成することができる。
【0125】
このように、制御部21は、等間隔に配列された複数の作業経路のうち、作業車両10bの車輪の走行位置に重なる作業経路の位置を補正(左右方向にシフト)して目標経路R1を生成する。
【0126】
図17及び
図18に示す例では、制御部21は、作業車両10bの車輪の走行位置が作業車両10aの作業経路のいずれかの条間に重なるように、作業経路R12、R13、R16、R17を設定している。他の実施形態として、制御部21は、作業車両10bの車輪の走行位置が作業車両10aの車輪が通る間隙に重なるように、作業経路R12、R13、R16、R17を設定してもよい。例えば、作業車両10aの目標経路R1に含まれる作業経路R12、R13、R16、R17のそれぞれの3条目が作業車両10bの車輪の走行位置に重なる場合に(
図9及び
図10参照)、制御部21は、
図19及び
図20に示すように、作業車両10aの車輪が通る間隙(ここでは4条目と5条目の間隙)に作業車両10bの車輪の走行位置が重なるように、作業経路R12、R13、R16、R17を設定する。ここでは、制御部21は、作業経路R12、R16を中心位置(点線で示す作業経路)から右側にシフトさせ、作業経路R13、R17を中心位置(点線で示す作業経路)から左側にシフトさせる。
【0127】
なお、上述の例では、制御部21は、3条目が作業車両10bの車輪の走行位置に重なる場合に(
図9参照)、4条目と5条目の間隙に作業車両10bの車輪の走行位置が重なるように、作業経路R12を設定している(
図19参照)。他の実施形態として、制御部21は、例えば6条目が作業車両10bの車輪の走行位置に重なる場合に、4条目と5条目の間隙に作業車両10bの車輪の走行位置が重なるように、作業経路R12を設定し、例えば7条目が作業車両10bの車輪の走行位置に重なる場合に、8目と9条目の間隙に作業車両10bの車輪の走行位置が重なるように、作業経路R12を設定してもよい。すなわち、作業車両10aに対応する間隙が複数存在する場合に(ここでは、4条目と5条目の間隙、8目と9条目の間隙)、制御部21は、複数の間隙のうち作業車両10bの車輪の走行位置に重なる条位置に近い方の間隙に、作業車両10bの車輪の走行位置が重なるように、作業経路R12を設定してもよい。このため、作業経路のシフト方向は一方向に限定されず、当該作業経路は、作業車両10bの車輪の走行位置に重なる条位置に応じた方向にシフトされる。
【0128】
また、
図19及び
図20に示す例では、作業経路R12、R13、R16、R17をシフトさせることにより1条目及び2条目が、隣接する作業経路に重なるため、制御部21は、1条目及び2条目の作業を実行しない(駆動を停止する)ことを示す動作情報を設定してもよい。
【0129】
このようにして、制御部21は、後作業の作業情報に基づいて、複数の作業経路の間隔を設定して目標経路R1を生成し、生成した目標経路R1を作業車両10aに出力してもよい。作業車両10aは、目標経路R1(
図17~
図20参照)に従って自動走行しながら施肥作業及び播種作業を行う。
【0130】
以上のように、作業システム1は、作業車両10bによる後作業の作業情報に基づいて、作業車両10aによる前作業を停止させる作業停止位置を特定して作業停止位置に対応する作業部の作業処理を停止させる第1の構成(
図9及び
図10参照)を備えてもよいし、作業車両10bによる後作業の作業情報に基づいて、複数の作業経路の間隔を設定して作業車両10aの目標経路R1を生成し、目標経路R1に従って作業を実行させる第2の構成(
図17~
図20参照)を備えてもよい。また、作業システム1は、オペレータの選択操作に応じて、前記第1の構成及び前記第2の構成を切り替え可能であってもよい。すなわち、作業システム1は、前記作業停止位置における作業を停止させるか、又は、前記作業停止位置が生じないように作業車両10aの目標経路R1を生成するかをユーザーが選択可能な選択画面を操作端末20に表示させてもよい。
【0131】
本発明の他の実施形態として、作業システム1は、オペレータによる手動操作に従って作業車両10を走行処理(手動走行)及び作業処理を実行させてもよい。この場合、制御部21は、作業車両10aの位置に応じて作業支援情報を操作表示部23に表示させる。具体的には、制御部21は、作業車両10aが圃場Fにおいて作業を開始した後、かつ、作業車両10aが前記作業停止位置に対応する作業経路の走行を開始する前に、前記作業支援情報を操作表示部23に表示させる。例えば、作業車両10aが作業経路R12の作業を開始する前、すなわち作業車両10aが作業経路R12の開始位置に到達する前に、制御部21は、
図21に示すように、走行画面D4において、施肥作業及び播種作業の一時停止を促すメッセージを表示させる。具体的には、制御部21は、作業を停止させる位置(条止め箇所)を示す情報(ここでは「3条目」又は「施肥播種部4c」)を表示させる。オペレータは、前記情報を確認すると、施肥播種部4cの駆動を停止(OFF)する操作を行う。これにより、作業車両10aは、オペレータの手動操作に従って、作業経路R12を走行しながら3条目を除く1条目、2条目、4~12条目の施肥作業及び播種作業を行う。
【0132】
また、制御部21は、作業車両10aが施肥作業及び播種作業を行う場合に、走行画面D4において、前記作業停止位置に対応する施肥播種部140の情報(条止め箇所「3条目」)、及び、前記作業停止位置に対応する作業経路(作業経路R12、R13、R16、R17)を識別可能に表示させてもよい。また、制御部21は、作業車両10aが施肥作業及び播種作業を行う場合に、走行画面D4において、作業車両10bの作業位置(目標経路R2)を表示させてもよい。すなわち、作業システム1は、前作業を実行させる際に、後作業の作業位置、後作業の作業情報に基づいて特定される前作業の作業位置、前記作業情報に基づいて特定される前作業の作業停止位置の少なくともいずれかに関する作業支援情報を表示させる。なお、作業システム1は、前記作業支援情報を音声出力させてもよい。前記作業支援情報の表示処理及び音声出力処理は、本発明の報知処理の一例である。
【0133】
本発明の作業システムは、操作端末20単体で構成されてもよいし、作業車両10及び操作端末20で構成されてもよいし、作業車両10単体で構成されてもよい。また作業システムは、操作端末20に含まれる各処理部を備えたサーバーで構成されてもよい。
【0134】
[発明の付記]
以下、実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0135】
<付記1>
作業領域において、第1作業車両に第1作業を実行させ、前記第1作業より後に第2作業車両に第2作業を実行させる作業方法であって、
前記第2作業の作業情報に基づいて、前記第1作業を実行させる作業位置を特定することと、
前記作業領域の前記作業位置において前記第1作業車両に前記第1作業を実行させることと、
前記第1作業が実行された前記作業領域において前記第2作業車両に前記第2作業を実行させることと、
を実行する作業方法。
【0136】
<付記2>
前記作業情報は、前記第2作業車両に設けられる作業機の作業幅、前記第2作業車両の左右の車輪の間隔、及び、前記第2作業車両の車輪の幅の少なくともいずれかを含む、
付記1に記載の作業方法。
【0137】
<付記3>
前記作業情報に基づいて、前記第1作業を停止させる作業停止位置を特定し、
前記作業停止位置は、前記第2作業車両の車輪の走行位置に対応する、
付記1又は2に記載の作業方法。
【0138】
<付記4>
前記第1作業車両は、それぞれが個別に作業処理を行うことが可能な複数の作業部を備え、
前記複数の作業部のうち前記作業停止位置に対応する作業部の作業処理を停止させる、
付記3に記載の作業方法。
【0139】
<付記5>
前記第1作業車両が走行する複数の第1作業経路のうち、前記第2作業車両の作業幅に応じて特定される所定の前記第1作業経路において、前記作業停止位置に対応する作業部の作業処理を停止させる、
付記4に記載の作業方法。
【0140】
<付記6>
前記作業領域に前記第1作業車両の第1目標経路を生成することと、
前記作業領域に前記第2作業車両の第2目標経路を生成することと、
をさらに実行する付記1~5のいずれかに記載の作業方法。
【0141】
<付記7>
前記第1目標経路は複数の作業経路を含み、
前記作業情報に基づいて前記複数の作業経路の間隔を設定する、
付記6に記載の作業方法。
【0142】
<付記8>
前記第1目標経路は複数の作業経路を含み、
前記複数の作業経路のうち前記第2作業車両の車輪の走行位置に対応する作業経路の位置を補正する、
付記6又は7に記載の作業方法。
【0143】
<付記9>
前記第1目標経路は複数の作業経路を含み、
前記第2作業車両の車輪の走行位置が、隣り合う前記作業経路の間隙又は前記第1作業車両の車輪の走行位置に重なるように、前記第1目標経路及び前記第2目標経路を生成する、
付記6~8のいずれかに記載の作業方法。
【0144】
<付記10>
前記第1目標経路は複数の作業経路を含み、
前記複数の作業経路のそれぞれに、前記第1作業を実行するか否かを示す動作情報を設定し、
前記動作情報に基づいて前記第1作業車両に前記第1作業を実行させる、
付記6~9のいずれかに記載の作業方法。
【0145】
<付記11>
作業領域において、第1作業車両に第1作業を実行させ、前記第1作業より後に第2作業車両に第2作業を実行させる作業方法であって、
前記第2作業を実行させる第2作業位置を特定することと、
前記第1作業を実行させる際に、前記第2作業位置、前記第2作業の作業情報に基づいて特定される前記第1作業を実行させる第1作業位置、前記作業情報に基づいて特定される前記第1作業を停止させる作業停止位置の少なくともいずれかに関する作業支援情報を報知させることと、
を実行する作業方法。
【0146】
<付記12>
前記第1作業車両は、それぞれが個別に作業処理を行うことが可能な複数の作業部を備え、
前記複数の作業部のうち前記作業停止位置に対応する作業部の識別情報を操作端末に表示させる、
付記11に記載の作業方法。
【0147】
<付記13>
前記作業領域に前記第1作業車両の第1目標経路を生成し、
前記作業領域に前記第2作業車両の第2目標経路を生成し、
前記第1目標経路に含まれる複数の作業経路のうち前記作業停止位置に対応する作業経路を識別可能に操作端末に表示させる、
付記11又は12に記載の作業方法。
【0148】
<付記14>
前記操作端末に表示される前記作業領域に、前記第1目標経路と前記第2目標経路とを重ねて表示させる、
付記13に記載の作業方法。
【0149】
<付記15>
前記第2作業車両の車輪の走行位置が、隣り合う前記作業経路の間隙又は前記第1作業車両の車輪の走行位置に重なるように、前記第1目標経路及び前記第2目標経路を生成する、
付記13又は14に記載の作業方法。
【0150】
<付記16>
前記第1作業車両が前記作業領域において前記第1作業を開始した後、かつ、前記第1作業車両が前記作業停止位置に対応する作業経路の走行を開始する前に、前記作業支援情報を操作端末に表示させる、
付記11~15のいずれかに記載の作業方法。
【0151】
<付記17>
前記作業停止位置における前記第1作業を停止させるか、又は、前記作業停止位置が生じないように前記第1作業車両の第1目標経路を生成するかをユーザーが選択可能な選択画面を操作端末に表示させる、
付記11~16のいずれかに記載の作業方法。
【0152】
<付記18>
前記作業停止位置は、前記第2作業車両の車輪の走行位置に対応する、
付記11~17のいずれかに記載の作業方法。
【0153】
<付記19>
前記作業情報は、前記第2作業車両に設けられる作業機の作業幅、前記第2作業車両の左右の車輪の間隔、及び、前記第2作業車両の車輪の幅の少なくともいずれかを含む、
付記11~18のいずれかに記載の作業方法。
【符号の説明】
【0154】
1 :作業システム
10a :作業車両(第1作業車両)
10b :作業車両(第2作業車両)
11 :車両制御装置(作業処理部)
12 :記憶部
13 :走行装置
14a :施肥播種機(作業機)
4a~4l:施肥播種部(作業部)
14b :散布機(作業機)
15 :通信部
20 :操作端末
21 :制御部
22 :記憶部
23 :操作表示部
24 :通信部
211 :設定処理部
212 :生成処理部(特定処理部)
213 :表示処理部(報知処理部)
214 :出力処理部
F :圃場(作業領域)
R1 :目標経路(第1目標経路)
R2 :目標経路(第2目標経路)
R11~R18 :作業経路(第1作業経路)
R21~R25 :作業経路(第2作業経路)