(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076682
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】舶用操縦装置
(51)【国際特許分類】
B63H 21/22 20060101AFI20240530BHJP
B63B 49/00 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
B63H21/22 A
B63B49/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188362
(22)【出願日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(74)【代理人】
【識別番号】100211122
【弁理士】
【氏名又は名称】白石 卓也
(72)【発明者】
【氏名】藤村 達也
(72)【発明者】
【氏名】川崎 直行
(72)【発明者】
【氏名】榊原 隆嗣
(72)【発明者】
【氏名】田中 広樹
(72)【発明者】
【氏名】坂部 明信
(72)【発明者】
【氏名】家根 大彰
(57)【要約】
【課題】推進モードが切り替わる場合でも、操作部の操作量に応じた船舶の推進力の程度を示す推進情報と、推進情報に対応する船舶の推進器への指令値を操縦者が把握できる舶用操縦装置を提供することを目的とする。
【解決手段】舶用操縦装置は、船舶の推進速度を制御するために操作される操作部と、操作部の操作位置に応じた船舶の推進速度の程度を示す推進情報と船舶の推進器への指令値とが対応付けて表示される表示部と、第1種の推進モードである場合に操作位置に応じた第1種の指令値に基づいて推進器の推進力を制御し、第2種の推進モードである場合に操作位置に応じた第2種の指令値に基づいて推進器の推進力を制御する推進制御部と、第1種の推進モードである場合に第1種の指令値を推進情報と対応付けて表示部に表示し、第2種の推進モードである場合に第2種の指令値を推進情報と対応付けて表示部に表示する表示制御部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶の推進速度を制御するために操作される操作部と、
前記操作部の操作位置に応じた前記船舶の推進速度の程度を示す推進情報と前記船舶の推進器への指令値とが対応付けて表示される表示部と、
前記船舶が第1種の推進モードである場合に前記操作部の操作位置に応じた第1種の指令値に基づいて前記推進器の推進力を制御し、前記船舶が第2種の推進モードである場合に前記操作位置に応じた第2種の指令値に基づいて前記推進器の推進力を制御する推進制御部と、
前記船舶が第1種の推進モードである場合に前記第1種の指令値と前記第2種の指令値のうち前記第1種の指令値を前記推進情報と対応付けて前記表示部に表示し、前記船舶が第2種の推進モードである場合に前記第1種の指令値と前記第2種の指令値のうち前記第2種の指令値を前記推進情報と対応付けて前記表示部に表示する表示制御部と、
を備える舶用操縦装置。
【請求項2】
前記推進器は、翼角を制御可能な可変ピッチプロペラと、前記可変ピッチプロペラを回転させる原動機と、を有し、
前記第1種の推進モードは、前記可変ピッチプロペラの翼角及び前記原動機の回転速度の両方を制御して推進するモードであり、
前記第2種の推進モードは、前記可変ピッチプロペラの翼角及び前記原動機の回転速度の両方を制御して推進するモードであり、
前記表示制御部は、
前記船舶が前記第1種の推進モードである場合に前記可変ピッチプロペラの翼角及び前記原動機の回転速度を指令する前記第1種の指令値を前記推進情報に対応付けて前記表示部に表示し、
前記船舶が前記第2種の推進モードである場合に前記可変ピッチプロペラの翼角を指令する前記第2種の指令値を前記推進情報に対応付けて前記表示部に表示し、
前記第2種の推進モードである場合に表示される翼角の値は、前記第2種の推進モードである場合に表示される翼角の値と異なる、
請求項1に記載の舶用操縦装置。
【請求項3】
前記操作部は、所定の方向に沿って移動可能であるハンドルであり、
前記推進情報は、前記ハンドルの操作位置に応じた前記推進力の程度を示す複数の文字列であり、前記表示部に前記所定の方向に沿って表示され、
前記表示制御部は、
前記船舶が前記第1種の推進モードである場合に前記複数の文字列のそれぞれに対応する前記第1種の指令値を前記推進情報と対応付けて前記表示部に表示し、
前記船舶が前記第2種の推進モードである場合に前記複数の文字列のそれぞれに対応する前記第2種の指令値を前記推進情報と対応付けて前記表示部に表示する、
請求項1に記載の舶用操縦装置。
【請求項4】
前記推進器は、プロペラを回転させる第1の原動機を含む第1の推進器と、前記プロペラを回転させる第2の原動機を含む第2の推進器と、を有し、
前記第1種の推進モードは、前記第1の原動機及び前記第2の原動機の両方で推進するモードであり、
前記第2種の推進モードは、前記第1の原動機及び前記第2の原動機の内の一方のみで推進するモードであり、
前記表示制御部は、
前記船舶が前記第1種の推進モードである場合に前記第1の原動機及び前記第2の原動機それぞれの回転速度を指令する第1種の指令値を前記推進情報に対応付けて前記表示部に表示し、
前記船舶が前記第2種の推進モードである場合に前記第1の原動機及び前記第2の原動機の一方の回転速度を指令する前記第2種の指令値を前記推進情報に対応付けて前記表示部に表示する、
請求項1に記載の舶用操縦装置。
【請求項5】
前記推進器は、翼角を制御可能な可変ピッチプロペラと、前記可変ピッチプロペラを回転させる原動機と、を有し、
前記第1種の推進モードは、前記可変ピッチプロペラの翼角及び前記原動機の回転速度の両方を制御して推進するモードであり、
前記第2種の推進モードは、前記原動機を一定速度で回転させ、前記可変ピッチプロペラの翼角を制御して推進するモードであり、
前記表示制御部は、
前記船舶が前記第1種の推進モードである場合に前記可変ピッチプロペラの翼角及び前記原動機の回転速度を指令する前記第1種の指令値を前記推進情報に対応付けて前記表示部に表示し、
前記船舶が前記第2種の推進モードである場合に前記可変ピッチプロペラの翼角を指令する前記第2種の指令値を前記推進情報に対応付けて前記表示部に表示する、
請求項1に記載の舶用操縦装置。
【請求項6】
前記推進器は、プロペラを回転させる原動機を有し、
前記第1種の推進モードは、前記原動機の回転速度を指令して推進するモードであり、
前記第2種の推進モードは、前記船舶の対地船速又は対水船速を指令して推進するモードであり、
前記表示制御部は、
前記船舶が前記第1種の推進モードである場合に前記原動機の回転速度を指令する前記第1種の指令値を前記推進情報に対応付けて前記表示部に表示し、
前記船舶が前記第2種の推進モードである場合に前記対地船速又は前記対水船速を指令する前記第2種の指令値を前記推進情報に対応付けて前記表示部に表示する、
請求項1に記載の舶用操縦装置。
【請求項7】
前記推進器は、プロペラを回転させる原動機と、前記プロペラに対して連結状態を切り替え可能に接続される軸発電機と、を有し、
前記第1種の推進モードは、前記軸発電機と前記プロペラとを連結し、前記軸発電機及び前記原動機の両方で推進するモードであり、
前記第2種の推進モードは、前記軸発電機と前記プロペラとの連結を解除し、前記原動機のみで推進するモードであり、
前記表示制御部は、
前記船舶が前記第1種の推進モードである場合に前記軸発電機の回転速度及び前記原動機それぞれの回転速度を指令する前記第1種の指令値を前記推進情報に対応付けて前記表示部に表示し、
前記船舶が前記第2種の推進モードである場合に前記原動機の回転速度を指令する前記第2種の指令値を前記推進情報に対応付けて前記表示部に表示する、
請求項1に記載の舶用操縦装置。
【請求項8】
前記推進器は、第1種燃料のみ及び前記第1種燃料と異なる第2種燃料と前記第1種燃料との混合燃料のいずれか投入されてプロペラを回転させるデュアルフューエルエンジンであり、
前記第1種の推進モードは、前記第1種燃料のみが前記デュアルフューエルエンジンに投入されるモードであり、
前記第2種の推進モードは、前記混合燃料が前記デュアルフューエルエンジンに投入されるモードであり、
前記表示制御部は、
前記船舶が前記第1種の推進モードである場合に前記デュアルフューエルエンジンの回転速度を指令する前記第1種の指令値を前記推進情報に対応付けて前記表示部に表示し、
前記船舶が前記第2種の推進モードである場合に前記第1種の指令値と異なる値を示し、前記デュアルフューエルエンジンの回転速度を指令する前記第2種の指令値を前記推進情報に対応付けて前記表示部に表示する、
請求項1に記載の舶用操縦装置。
【請求項9】
前記推進情報は、船舶の推進方向を示し、
前記表示制御部は、前記推進方向が前進を示す場合と後退を示す場合とで異なる色で表示する、
請求項1に記載の舶用操縦装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、舶用操縦装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレグラフは、一般的に船舶の船橋に設けられ、推進力を発生させるエンジンを制御する制御装置にエンジン出力を指令するための操縦装置であり、操縦レバーの操作量に応じた指令値を制御装置に出力する。テレグラフの筐体には、操縦レバーの位置に対応した船舶の推進速度の程度を示す文字列が印字されている(例えば特許文献1参照)。船舶は、複数の推進モードを有する場合があり、同じ文字列に対応する位置に操縦レバーを操作しても、この場合、推進モードによって原動機に異なる指令値が送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、テレグラフの筐体に印字されている文字列が固定であるため、推進モードが切り替わった場合、操縦者は文字列のみでは指令値を直感的に把握することが困難になる。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、推進モードが切り替わる場合でも、操作部の操作量に応じた船舶の推進力の程度を示す推進情報と、推進情報に対応する船舶の推進器への指令値を操縦者(または利用者)が把握できる舶用操縦装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る舶用操縦装置は、船舶の推進速度を制御するために操作される操作部と、前記操作部の操作位置に応じた前記船舶の推進速度の程度を示す推進情報と前記船舶の推進器への指令値とが対応付けて表示される表示部と、前記船舶が第1種の推進モードである場合に前記操作部の操作位置に応じた第1種の指令値に基づいて前記推進器の推進力を制御し、前記船舶が第2種の推進モードである場合に前記操作位置に応じた第2種の指令値に基づいて前記推進器の推進力を制御する推進制御部と、前記船舶が第1種の推進モードである場合に前記第1種の指令値と前記第2種の指令値のうち前記第1種の指令値を前記推進情報と対応付けて前記表示部に表示し、前記船舶が第2種の推進モードである場合に前記第1種の指令値と前記第2種の指令値のうち前記第2種の指令値を前記推進情報と対応付けて前記表示部に表示する表示制御部と、を備える舶用操縦装置である。
(1)によれば、推進モードが切り替わる場合でも、操作部の操作量に応じた船舶の推進力の程度を示す推進情報と、推進情報に対応する船舶の推進器への指令値を操縦者(または利用者)が把握できる。
【0007】
(2)また、本発明の一態様に係る舶用操縦装置は、前記推進器は、翼角を制御可能な可変ピッチプロペラと、前記可変ピッチプロペラを回転させる原動機と、を有し、前記第1種の推進モードは、前記可変ピッチプロペラの翼角及び前記原動機の回転速度の両方を制御して推進するモードであり、前記第2種の推進モードは、前記可変ピッチプロペラの翼角及び前記原動機の回転速度の両方を制御して推進するモードであり、前記表示制御部は、前記船舶が前記第1種の推進モードである場合に前記可変ピッチプロペラの翼角及び前記原動機の回転速度を指令する前記第1種の指令値を前記推進情報に対応付けて前記表示部に表示し、前記船舶が前記第2種の推進モードである場合に前記可変ピッチプロペラの翼角を指令する前記第2種の指令値を前記推進情報に対応付けて前記表示部に表示し、前記第2種の推進モードである場合に表示される翼角の値は、前記第2種の推進モードである場合に表示される翼角の値と異なる、上記(1)に記載の舶用操縦装置である。
(2)によれば、運航状態に応じて、操作部50の位置に応じた回転数指令値と翼角指令値が、第1種の推進モードと第2種の推進モードによって異なる場合であっても、切り替えた推進モードに応じた推進情報に対応する船舶の推進器への指令値を操縦者が把握できる。
【0008】
(3)また、本発明の一態様に係る舶用操縦装置は、前記操作部が、所定の方向に沿って移動可能であるハンドルであり、前記推進情報が、前記ハンドルの操作位置に応じた前記推進力の程度を示す複数の文字列であり、前記表示部に前記所定の方向に沿って表示され、前記表示制御部が、前記船舶が前記第1種の推進モードである場合に前記複数の文字列のそれぞれに対応する前記第1種の指令値を前記推進情報と対応付けて前記表示部に表示し、前記船舶が前記第2種の推進モードである場合に前記複数の文字列のそれぞれに対応する前記第2種の指令値を前記推進情報と対応付けて前記表示部に表示する、上記(1)または上記(2)に記載の舶用操縦装置である。
(3)によれば、所定の方向(例えば横方向)に第1種の指令値と推進情報とが対応付けて表示されるので、利用者は視認しやすくなる。
【0009】
(4)また、本発明の一態様に係る舶用操縦装置は、前記推進器が、プロペラを回転させる第1の原動機を含む第1の推進器と、前記プロペラを回転させる第2の原動機を含む第2の推進器と、を有し、前記第1種の推進モードが、前記第1の原動機及び前記第2の原動機の両方で推進するモードであり、前記第2種の推進モードが、前記第1の原動機及び前記第2の原動機の内の一方のみで推進するモードであり、前記表示制御部が、前記船舶が前記第1種の推進モードである場合に前記第1の原動機及び前記第2の原動機それぞれの回転速度を指令する第1種の指令値を前記推進情報に対応付けて前記表示部に表示し、前記船舶が前記第2種の推進モードである場合に前記第1の原動機及び前記第2の原動機の一方の回転速度を指令する前記第2種の指令値を前記推進情報に対応付けて前記表示部に表示する、上記(1)に記載の舶用操縦装置である。
(4)によれば、第1の推進器と第2の推進器を有する船舶において、第1の原動機及び第2の原動機の両方で推進する第1種の推進モードと、第1の原動機及び第2の原動機の内の一方のみで推進する第2種の推進モードを切り替えた場合であっても、切り替えた推進モードに応じた推進情報に対応する船舶の推進器への指令値を操縦者が把握できる。
【0010】
(5)また、本発明の一態様に係る舶用操縦装置は、前記推進器が、翼角を制御可能な可変ピッチプロペラと、前記可変ピッチプロペラを回転させる原動機と、を有し、前記第1種の推進モードが、前記可変ピッチプロペラの翼角及び前記原動機の回転速度の両方を制御して推進するモードであり、前記第2種の推進モードが、前記原動機を一定速度で回転させ、前記可変ピッチプロペラの翼角を制御して推進するモードであり、前記表示制御部が、前記船舶が前記第1種の推進モードである場合に前記可変ピッチプロペラの翼角及び前記原動機の回転速度を指令する前記第1種の指令値を前記推進情報に対応付けて前記表示部に表示し、前記船舶が前記第2種の推進モードである場合に前記可変ピッチプロペラの翼角を指令する前記第2種の指令値を前記推進情報に対応付けて前記表示部に表示する、上記(1)に記載の舶用操縦装置である。
(5)によれば、可変ピッチプロペラの翼角及び原動機の回転速度の両方を制御して推進する第1種の推進モードと、原動機を一定速度で回転させ可変ピッチプロペラの翼角を制御して推進する第2種の推進モードを切り替えた場合であっても、切り替えた推進モードに応じた推進情報に対応する船舶の推進器への指令値を操縦者が把握できる。
【0011】
(6)また、本発明の一態様に係る舶用操縦装置は、前記推進器が、プロペラを回転させる原動機を有し、前記第1種の推進モードが、前記原動機の回転速度を指令して推進するモードであり、前記第2種の推進モードが、前記船舶の対地船速又は対水船速を指令して推進するモードであり、前記表示制御部が、前記船舶が前記第1種の推進モードである場合に前記原動機の回転速度を指令する前記第1種の指令値を前記推進情報に対応付けて前記表示部に表示し、前記船舶が前記第2種の推進モードである場合に前記対地船速又は前記対水船速を指令する前記第2種の指令値を前記推進情報に対応付けて前記表示部に表示する、上記(1)に記載の舶用操縦装置である。
(6)によれば、原動機の回転速度を指令して推進する第1種の推進モードと、船舶の対地船速又は対水船速を指令して推進する第2種の推進モードを切り替えた場合であっても、切り替えた推進モードに応じた推進情報に対応する船舶の推進器への指令値を操縦者が把握できる。
【0012】
(7)また、本発明の一態様に係る舶用操縦装置は、前記推進器が、プロペラを回転させる原動機と、前記プロペラに対して連結状態を切り替え可能に接続される軸発電機と、を有し、前記第1種の推進モードが、前記軸発電機と前記プロペラとを連結し、前記軸発電機及び前記原動機の両方で推進するモードであり、前記第2種の推進モードが、前記軸発電機と前記プロペラとの連結を解除し、前記原動機のみで推進するモードであり、前記表示制御部が、前記船舶が前記第1種の推進モードである場合に前記軸発電機の回転速度及び前記原動機それぞれの回転速度を指令する前記第1種の指令値を前記推進情報に対応付けて前記表示部に表示し、前記船舶が前記第2種の推進モードである場合に前記原動機の回転速度を指令する前記第2種の指令値を前記推進情報に対応付けて前記表示部に表示する、上記(1)に記載の舶用操縦装置である。
(7)によれば、軸発電機とプロペラとを連結し、軸発電機及び原動機の両方で推進する第1種の推進モードと、軸発電機とプロペラとの連結を解除し原動機のみで推進する第2種の推進モードを切り替えた場合であっても、切り替えた推進モードに応じた推進情報に対応する船舶の推進器への指令値を操縦者が把握できる。
【0013】
(8)また、本発明の一態様に係る舶用操縦装置は、前記推進器が、第1種燃料のみ及び前記第1種燃料と異なる第2種燃料と前記第1種燃料との混合燃料のいずれか投入されてプロペラを回転させるデュアルフューエルエンジンであり、前記第1種の推進モードが、前記第1種燃料のみが前記デュアルフューエルエンジンに投入されるモードであり、前記第2種の推進モードが、前記混合燃料が前記デュアルフューエルエンジンに投入されるモードであり、前記表示制御部が、前記船舶が前記第1種の推進モードである場合に前記デュアルフューエルエンジンの回転速度を指令する前記第1種の指令値を前記推進情報に対応付けて前記表示部に表示し、前記船舶が前記第2種の推進モードである場合に前記第1種の指令値と異なる値を示し、前記デュアルフューエルエンジンの回転速度を指令する前記第2種の指令値を前記推進情報に対応付けて前記表示部に表示する、上記(1)に記載の舶用操縦装置である。
(8)によれば、第1種燃料のみが前記デュアルフューエルエンジンに投入される第1種の推進モードと、混合燃料がデュアルフューエルエンジンに投入される第2種の推進モードを切り替えた場合であっても、切り替えた推進モードに応じた推進情報に対応する船舶の推進器への指令値を操縦者が把握できる。
【0014】
(9)また、本発明の一態様に係る舶用操縦装置は、前記推進情報が、船舶の推進方向を示し、前記表示制御部が、前記推進方向が前進を示す場合と後退を示す場合とで異なる色で表示する、上記(1)から上記(8)のうちのいずれか1つに記載の舶用操縦装置である。
(9)によれば、推進方向毎の推進情報を視覚的に把握することができる。
【発明の効果】
【0015】
上記(1)~(9)によれば、推進モードが切り替わった場合に、操縦者が指令値を直感的に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態に係る船舶の概略構成を示す図である。
【
図2】実施形態に係る表示部に表示される情報例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る第1種の推進モード時の表示と第2種の推進モード時の表示の一例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る第1種の推進モード時の表示と第2種の推進モード時の表示の他の例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る舶用操縦装置が行う処理手順を示すフローチャートである。
【
図6】第1の実施例における船舶の概略構成を示す図である。
【
図7】第1の実施例において第1種の推進モードと第2種の推進モードの場合に表示部に表示される情報例を示す図である。
【
図8】第2の実施例における船舶の概略構成を示す図である。
【
図9】第2の実施例において第1種の推進モードと第2種の推進モードの場合に表示部40に表示される情報例を示す図である。
【
図10】第3の実施例において第1種の推進モードと第2種の推進モードの場合に表示部に表示される情報例を示す図である。
【
図11】第4の実施例における船舶の概略構成を示す図である。
【
図12】第4の実施例において第1種の推進モードと第2種の推進モードの場合に表示部に表示される情報例を示す図である。
【
図13】第5の実施例における船舶の概略構成を示す図である。
【
図14】第5の実施例において第1種の推進モードと第2種の推進モードの場合に表示部40に表示される情報例を示す図である。
【
図15】第6の実施例における操作部の位置と翼角の関係例、操作部の位置と回転数の関係例を示す図である。
【
図16】第6の実施例において第1種の推進モードと第2種の推進モードの場合に表示部40に表示される情報例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、本願でいう「XXに基づいて」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づいて」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
【0018】
推進器を1つ備える船舶の構成例と各機能部の機能例を説明する。
図1は、本実施形態に係る船舶の概略構成を示す図である。
図1のように、船舶1は、例えば、舶用操縦装置10と、推進器70と、を備える。
舶用操縦装置10は、例えば、推進制御部20と、表示制御部30と、表示部40と、操作部50と、を備える。
推進器70は、例えば、原動機74と、プロペラ80と、を備える。
【0019】
原動機74は、プロペラ80を回転させて船舶1の船体を推進させる推進力を発生させる推進機構である。原動機74は、船体を推進させ得るものであればよく、例えばエンジンまたはモータである。原動機74は、原動機74を運転するために、原動機74の回転数(または回転速度)や出力するトルクに応じた量の燃料または電力を消費する。
プロペラ80は、原動機74によって回転させられる、例えばスクリュープロペラである。なお、プロペラ80は、例えば翼角可変の可変ピッチプロペラであってもよい。
【0020】
推進制御部20は、船舶1の推進モード毎に、操作部50の操作位置に応じた指令値に基づいて推進器70の推進力を制御する。なお、推進モードについては、各実施形態で後述する。
【0021】
表示制御部30は、船舶1の推進モードに応じた指令値を推進情報と対応付けて表示部40に表示させる。なお、表示制御部30は、例えば、CPU(中央演算装置)、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、記憶部等で構成されていてもよい。また、表示制御部30は、推進モード毎に、指令値と推進情報を対応付けて自部に記憶している。
【0022】
表示部40は、例えば、液晶表示装置、有機EL(Electro Luminescence)表示装置等である。表示部40は表示制御部30に制御に応じて、船舶1の推進モード毎に表示させる指令値と推進情報を切り替える。
【0023】
操作部50は、目標速度や制御モード等の指令信号を推進制御部20に送信する。操作部50は、例えばハンドル等である。
【0024】
なお、表示制御部30と操作部50は、テレグラフハンドルとも呼ばれ、船舶1のブリッジ、コントローラルーム、エンジンサイド等の複数個所に設置される。
【0025】
ここで、表示部40に表示される情報例を説明する。
図2は、本実施形態に係る表示部40に表示される情報例を示す図である。符号g1の第1の表示領域には、例えば、ポジション(ウィング、コントローラルーム、エンジンサイド等)、現在の船舶の推進モードを示す情報、推進器への指令値(原動機74の指令回転数、プロペラ80の指令翼角、指令船速等)、推進器の現在値(推進器70の実回転数、プロペラ80の実翼角、実船速等)が表示される。なお、ポジションとは、テレグラフハンドルが船舶1内に複数設置されている場合に推進器70への指令値を送信する主体が設置されている場所である。また、ウィングは、操舵室(ブリッジ)にある左右の張り出した部分である。コントローラルームは、操舵室である。エンジンサイドは、原動機74が設置されているエンジンルームである。
【0026】
符号g2の第2の表示領域には、指令値が表示される。
図2は、符号g2の第2の表示領域に、原動機74の指令回転数とプロペラ80の指令翼角とが表示されている例である。また、細字は船舶1を前進させる(AHEAD)指令値を表し、太字は船舶1を後進(ASTERN)させる指令値を表す。なお、前進と後進の表示は、
図2のように線の太さを変える手法に限らず、色を変えて表示させても良い。前進と後進の表示は、例えば、前進が白文字(または黒文字あるいは緑文字)、後進が赤文字であっても良い。そして、表示制御部30は、推進方向が前進を示す場合と後退を示す場合とで異なる色(または太さ等)で表示する。
【0027】
符号g3の第3の表示領域には、操作部50の操作位置に応じた船舶1の推進速度及び推進方向の程度を示す推進情報が例えば文字列で表示される。なお、推進情報は、船舶1の推進方向の程度を表す情報であってもよい。
図2のように、表示制御部30は、例えば、推進情報「FULL」に指令値の回転数指令値「100(RPM)」と翼角指令値「15.0(DEG)」を対応付けて表示部40に表示させる。
【0028】
なお、
図2において、「N.FL」は「航海速力(出力100%の前進)」であり、「NAVIGATION FULL」を略して示している。「FULL」は「全速」であり、「HALF」は「半速」であり、「SLOW」は「微速」である、「DEAD」は「最微速」であり、「DEAD SLOW」または「SLOW DEAD」を略して示している。「STOP」は「原動機停止」である。また、「E.FL」は「航海速力(出力100%の後進)」であり、「EMERGENCY FULL」を略して示している。
なお、
図2に示した表示例は一例であり、これに限らない。例えば、指令値は、船速指令値等であってもよい。また、推進モードに応じて、推進情報も異なるように切り替えてもよい。
【0029】
ここで、推進モードについて説明する。なお、推進モードの選択や切り替えは、例えば、表示部40の画面上に設けられているタッチパネルセンサ52(
図2)が検出してもよく、または例えば切替スイッチ54(
図2)が検出するようにしてもよい。なお、表示制御部30は、推進モードの切替ボタンの画像を、表示部40に表示させてもよい。
例えば船舶1が第1種の推進モードと第2種の推進モードを有する場合、第1種の推進モードと第2種の推進モードでは、推進モード毎に推進情報に対応付けて表示される指令値が異なる。例えば、船舶1が1つのプロペラ80と2つの原動機74とを備える2機1軸船の場合、第1種の推進モードが第1の原動機と第2の原動機で航行する推進モードであり、第1の原動機と第2の原動機のうちのいずれか1つで航行する推進モードが第2種の推進モードである。または、原動機74がデュアルフューエルエンジンであり、デュアルフューエルエンジンが第1種燃料のみ及び第1種燃料と異なる第2種燃料と第1種燃料との混合燃料で動作可能である場合、第1種燃料のみでデュアルフューエルエンジンが動作するモードが第1種の推進モードであり、混合燃料でデュアルフューエルエンジンが動作するモードが第2種の推進モードである。なお、第1種の推進モードと第2種の推進モードの例は、各実施例で詳述する。
【0030】
図3は、本実施形態に係る第1種の推進モード時の表示と第2種の推進モード時の表示の一例を示す図である。
符号g50の表示例は、第1種の推進モード時の表示例である。第1種の推進モードでは、符号g51が示すように、操作部50の操作位置が「NAVIGATION FULL」にある場合に推進制御部20で生成される回転数指令値150(RPM)と翼角指令値20.0(DEG)とが「N.FULL」という文字列の隣に表示される。これにより、操縦者は、第1種の推進モード時に操作部50を「N.FULL」まで移動させた場合の指令値を容易に把握できる。
符号g60の表示例は、第2種の推進モード時の表示例である。第2種の推進モードでは、符号g61が示すように、操作部50の操作位置が「NAVIGATION FULL」にある場合に推進制御部20で生成される回転数指令値160(RPM)と翼角指令値20.0(DEG)とが「N.FULL」という文字列の隣に表示される。これにより、操縦者は、第2種の推進モード時に操作部50を「N.FULL」まで移動させた場合の指令値を容易に把握できる。
このように
図3の例では、同じハンドル位置かつ翼角であっても、推進モードによって指令値が異なっている。なお、
図3に示した例は一例であり、これに限らない。
【0031】
図3のように、本実施形態において、操作部50は、所定の方向に沿って移動可能であるハンドルである。また、推進情報は、操作部50の操作位置に応じた推進力の程度を示す複数の文字列であり、表示部40に所定の方向(例えば縦方向)に沿って表示される。なお、所定の方向は、例えば横方向であってもよい。そして、表示制御部30は、船舶1が第1種の推進モードである場合に複数の文字列のそれぞれに対応する第1種の指令値(例えば回転数、翼角)を推進情報と対応付けて表示部40に表示する。また、表示制御部30は、船舶1が第2種の推進モードである場合に複数の文字列のそれぞれに対応する第2種の指令値を推進情報と対応付けて表示部40に表示する。
【0032】
図4は、本実施形態に係る第1種の推進モード時の表示と第2種の推進モード時の表示の他の例を示す図である。
図4のように、第1種の推進モードと第2種の推進モードでは、例えば、操作部50の操作量に応じて変動する指令値の変動量が異なるようにしてもよい。すなわち、操作部の操作位置が同じ場合でも異なる指令値が推進器70に出力される。
符号g70は、通常推進モード(第1種の推進モード)の場合に表示部40に表示される情報例である。
符号g80は、微調推進モード(第2種の推進モード)の場合に表示部40に表示される情報例である。この例では、通常推進モードにおける「FULL」の部分が変更されて表示されている例である。符号g80の例では、操作部50の操作量に応じた翼角指令値の変動量が通常推進モード時より小さくなり、この指令値に合わせて推進情報も「FULL1」~「FULL11」のように変更される。なお、
図4に示した指令値や推進情報は一例であり、これに限らない。拡大される指令値は、例えば回転数や船速等であってもよい。
【0033】
次に、舶用操縦装置10が行う処理手順例を説明する。
図5は、本実施形態に係る舶用操縦装置が行う処理手順を示すフローチャートである。
【0034】
(ステップS1)舶用操縦装置10は、操作者が切替スイッチ54を切り替えたか否かを検出する。舶用操縦装置10は、切替スイッチ54が切り替わった場合(ステップS1;YES)、ステップS2の処理に進める。舶用操縦装置10は、切替スイッチ54が切り替わっていない場合(ステップS1;NO)、ステップS1の処理を繰り返す。
【0035】
(ステップS2)舶用操縦装置10は、検出した切替スイッチ54が示す制御内容が第1種の推進モードであるか否かを判別する。舶用操縦装置10は、検出した切替スイッチ54が示す制御内容が第1種の推進モードである場合(ステップS2;YES)、ステップS2の処理に進める。舶用操縦装置10は、検出した切替スイッチ54が示す制御内容が第1種の推進モード以外である場合(ステップS2;NO)、ステップS5の処理に進める。
【0036】
(ステップS3)舶用操縦装置10は、第1種の推進モードの指令値と推進情報を、自部から読み出す。
【0037】
(ステップS4)舶用操縦装置10は、読み出した第1種の推進モードの指令値と推進情報を表示部40に表示させる。舶用操縦装置10は、処理後、ステップS1に処理を戻す。
【0038】
(ステップS5)舶用操縦装置10は、第2種の推進モードの指令値と推進情報を、自部から読み出す。
【0039】
(ステップS6)舶用操縦装置10は、読み出した第2種の推進モードの指令値と推進情報を表示部40に表示させる。舶用操縦装置10は、処理後、ステップS1に処理を戻す。
【0040】
このように、本実施形態では、表示制御部30が、第1種の推進モードと第2種の推進モードが切り替えられた場合、第1種の指令値と、第2種の指令値が異なる値を示すように、表示部40に表示させるようにした。
【0041】
これにより、本実施形態によれば、推進モードが切り替わる場合でも、操作部50の操作量に応じた船舶1の推進力の程度を示す推進情報と、推進情報に対応する船舶1の推進器70への指令値を操縦者が把握できる。
また、本実施形態によれば、表示制御部30が、推進モード毎に指令値と推進情報とを応じて表示部40に表示させるため、従来のように操作部50にメモ等を用意する必要なく、現在の推進モードに応じた指令値を容易に把握できる。操作者は、推進モード毎に異なる指令値を確認しながら船舶1の操縦を行うことができる。
また、本実施形態によれば、切替スイッチ54が操作されて制御内容が変更になったり、追加された場合であっても、指令値に推進情報が対応付けられている新たな推進モードの情報を、表示制御部30に書き加えるか書き換えることで対応可能である。
【0042】
<第1の実施例>
本実施例において、第1種の推進モードは、操作部50の操縦位置に応じて可変ピッチプロペラ80の翼角及び原動機74の回転数の両方が制御されるモードである。第2種の推進モードは、操作部50の操縦位置に関わらず原動機74を一定速度で回転させ、操作部50の操縦位置に応じて可変ピッチプロペラの翼角が制御されるモードである。
【0043】
図6は、第1の実施例における船舶の概略構成を示す図である。
図6のように、船舶1Aは、例えば、舶用操縦装置10Aと、推進器70と、を備える。
舶用操縦装置10Aは、例えば、推進制御部20Aと、表示制御部30Aと、表示部40と、操作部50と、を備える。
推進器70は、例えば、原動機74と、プロペラ80Aと、を備える。プロペラ80Aは、翼角を制御可能な可変ピッチプロペラである。
【0044】
推進制御部20Aは、第1種の推進モードの場合に、操作部50の操作位置に応じて可変ピッチプロペラの翼角及び原動機74の回転数の両方を制御する。推進制御部20Aは、第2種の推進モードの場合に、操作部50の操作位置に関わらず原動機74を一定速度で回転させ、操作部50の操作位置に応じて可変ピッチプロペラの翼角を制御して推進させる。
【0045】
表示制御部30Aは、船舶1Bが第1種の推進モードである場合に、推進制御部20Aで生成された可変ピッチプロペラの翼角及び原動機74の回転数それぞれの指令値である第1種の指令値を推進情報に対応付けて表示部40に表示する。表示制御部30Aは、船舶1Aが第2種の推進モードである場合に、推進制御部20Aで生成された可変ピッチプロペラの翼角の指令値である第2種の指令値を推進情報に対応付けて表示部40に表示する。
【0046】
図7は、第1の実施例において第1種の推進モードと第2種の推進モードの場合に表示部40に表示される情報例を示す図である。符号g200の表示例は、第1種の推進モード時の表示例である。符号g210の表示例は、第2種の推進モード時の表示例である。符号g200のように、第1種の推進モードでは、回転数指令値A1~A11(数値)と、翼角指令値B1~B11(数値)とのそれぞれが推進情報(文字列)と対応付けられて表示される。また、符号g210のように、第2種の推進モードでは、翼角指令値A1~A11と異なる翼角指令値B1~B11(数値)のそれぞれが推進情報(文字列)と対応付けられて表示される。
【0047】
以上のように、本実施例によれば、可変ピッチプロペラの翼角及び原動機74の回転速度の両方を制御して推進する第1種の推進モードと、原動機74を一定速度で回転させ可変ピッチプロペラの翼角を制御して推進する第2種の推進モードを切り替えた場合であっても、切り替えた推進モードに応じた推進情報に対応する船舶の推進器への指令値を操縦者が把握できる。
【0048】
<第2の実施例>
本実施例において、第1種の推進モードは、操作部50の操作位置に応じて1つのプロペラ80を第1の原動機及び第2の原動機の両方で推進するモードである。第2種の推進モードは、操作部50の操作位置に応じて1つのプロペラ80を第1の原動機及び第2の原動機のうちのいずれか1つで推進するモードである。
【0049】
図8は、第2の実施例における船舶の概略構成を示す図である。
図8のように、船舶1Bは、例えば、舶用操縦装置10Bと、推進器70Bと、を備える。
舶用操縦装置10Bは、例えば、推進制御部20Bと、表示制御部30Bと、表示部40と、操作部50と、を備える。
推進器70Bは、例えば、第1の推進器70B-1と、第2の推進器70B-2と、プロペラ80と、を備える。第1の推進器70B-1は、プロペラ80を回転させる第1の原動機74B-1を備える。第2の推進器70B-2は、プロペラ80を回転させる第2の原動機74B-2を備える。
【0050】
推進制御部20Bは、船舶1Bが第1種の推進モードである場合に、操作部50の操作位置に応じて第1の原動機74B-1及び第2の原動機74B-2の両方の回転数を制御する。推進制御部20Bは、船舶1Bが第2種の推進モードである場合に、操作部50の操作位置に応じて第1の原動機74B-1及び第2の原動機74B-2のうちのいずれか1つの回転数を制御する。
【0051】
表示制御部30Bは、船舶1Bが前記第1種の推進モードである場合に、推進制御部20Aで生成された第1の原動機74B-1及び第2の原動機74B-2それぞれの回転数指令値である第1種の指令値を推進情報に対応付けて表示部40に表示させる。表示制御部30Bは、船舶1Bが第2種の推進モードである場合に、推進制御部20Aで生成された第1の原動機74B-1及び第2の原動機74B-2の一方の回転数指令値である第2種の指令値を推進情報に対応付けて表示部40に表示させる。
【0052】
図9は、第2の実施例において第1種の推進モードと第2種の推進モードの場合に表示部40に表示される情報例を示す図である。符号g300の表示例は、第1種の推進モード時の表示例である。符号g310の表示例は、第2種の推進モード時の表示例である。なお、第1種の推進モードでは、2つの原動機(第1の原動機70B-1と第2の原動機70B-2)が同じ回転数指令値に基づいて制御されるため、1つの回転数指令値のみを表示させている。符号g300のように、第1種の推進モードでは、回転数指令値F1~F11(数値)のそれぞれが推進情報(文字列)と対応付けられて表示される。また、符号g310のように、第2種の推進モードでは、回転数指令値F1~F11と異なる値を示す回転数指令値G1~G11(数値)のそれぞれが推進情報(文字列)と対応付けられて表示される。
【0053】
なお、
図9の例では、指令値として回転速度(数値)を、推進情報(文字列)に対応付けて表示する例を示しているが、これに限らない。表示する指令値は、例えば回転数であってもよく、または回転数指令値と翼角指令値であってもよい。
【0054】
以上のように、本実施例によれば、第1の原動機74B-1及び第2の原動機74B-2の両方で推進する第1種の推進モードと、第1の原動機74B-1及び第2の原動機74B-2の内の一方のみで推進する第2種の推進モードを切り替えた場合であっても、切り替えた推進モードに応じた推進情報に対応する船舶の推進器への指令値を操作者が把握できる。
【0055】
<第3の実施例>
本実施例において、第1種の推進モードは、操作部50の操作位置に応じて原動機の回転数が制御されて船舶1が推進するモードである。第2種の推進モードは、操作部50の操作位置に応じて船舶1の対地船速又は対水船速が制御されて船舶1が推進するモードである。
【0056】
第3の実施例における船舶の概略構成は、例えば
図1の船舶1の構成と同様である。
【0057】
推進制御部20は、第1の推進モードの場合に、操作部50の操作位置に応じて生成した原動機74の回転数と現在の原動機の実回転数との差分に基づいて原動機74を制御する。推進制御部20は、第2の推進モードの場合に、操作部の操作位置に応じて生成した船舶1の対地船速又は対水船速と現在の船舶1の実対地船速又は実対水船速との差分に基づいて原動機74を制御する。なお、上述した第1の実施例と第2の実施例は、原動機74の回転数を制御して船舶1を制御する回転数制御の例であるが、本実施例では、船速を制御する船速制御の例である。回転数制御は、原動機74の回転数を回転数指令値にする制御であるため、原動機74の回転数が推進制御部20にフィードバックされる。これに対して、船速制御は、船舶1の船速を船速指令値にする制御であるため、船舶1の船速が推進制御部20にフィードバックされる。
【0058】
表示制御部30は、第1種の推進モードである場合に、推進制御部20で生成された原動機74の回転数指令値である第1種の指令値を推進情報に対応付けて表示部40に表示させる。表示制御部30は、第2種の推進モードである場合に、推進制御部20で生成された対地船速指令値又は対水船速指令値である第2種の指令値を推進情報に対応付けて表示部40に表示させる。
【0059】
図10は、第3の実施例において第1種の推進モードと第2種の推進モードの場合に表示部40に表示される情報例を示す図である。符号g400の表示例は、第1種の推進モード時の表示例である。符号g410の表示例は、第2種の推進モード時の表示例である。符号g400のように、第1種の推進モードでは、回転数指令値1~11(数値)のそれぞれが推進情報(文字列)と対応付けて表示される。また、符号g410のように、第2種の推進モードでは、対地船速指令値または対水船速指令値1~11(数値)のそれぞれが推進情報(文字列)と対応付けて表示される。
【0060】
以上のように、本実施例によれば、原動機74の回転数を指令して推進する第1種の推進モードと、船舶1の対地船速又は対水船速を指令して推進する第2種の推進モードを切り替えた場合であっても、切り替えた推進モードに応じた推進情報に対応する船舶の推進器への指令値を操縦者が把握できる。
【0061】
<第4の実施例>
本実施例において、第1種の推進モードは、操作部50の操作位置に応じて軸発電機75(
図11)とプロペラ80とを連結し、軸発電機75及び原動機74の両方で推進するモードである。第2種の推進モードは、操作部50の操作位置に応じて軸発電機75とプロペラ80との連結を解除し、原動機74のみで推進するモードである。
【0062】
図11は、第4の実施例における船舶の概略構成を示す図である。
図11のように、船舶1Cは、例えば、舶用操縦装置10Cと、推進器70Cと、を備える。
舶用操縦装置10Cは、例えば、推進制御部20Cと、表示制御部30Cと、表示部40と、操作部50と、を備える。
推進器70Cは、原動機74と、軸発電機75と、プロペラ80と、を備える。
【0063】
原動機74は、プロペラ80を回転させる。
軸発電機75は、プロペラ80に対して連結状態を切り替え可能に接続され、プロペラ80を回転させる原動力を生成したり、プロペラ80の回転力を利用して発電したりする。
【0064】
推進制御部20Cは、第1種の推進モードである場合に、軸発電機75とプロペラ80とを連結し、操作部50の操作位置に応じて軸発電機75の回転数及び原動機の回転数の両方を制御する。推進制御部20Cは、第2種の推進モードである場合に、軸発電機75とプロペラ80との連結を解除し、操作部50の操作位置に応じて原動機74の回転数を制御する。
【0065】
表示制御部30Cは、第1種の推進モードである場合に、推進制御部20Cで生成された軸発電機75の回転数指令値及び原動機74の回転数指令値である第1種の指令値(数値)を推進情報(文字列)に対応付けて表示部40に表示させる。表示制御部30Cは、第2種の推進モードである場合に、推進制御部20Cで生成された原動機74の回転数指令値である第2種の指令値(数値)を推進情報(文字列)に対応付けて表示部40に表示する。
【0066】
図12は、第4の実施例において第1種の推進モードと第2種の推進モードの場合に表示部40に表示される情報例を示す図である。符号g500の表示例は、第1種の推進モード時の表示例である。符号g510の表示例は、第2種の推進モード時の表示例である。符号g500のように、第1種の推進モードでは、軸発電機75の回転数指令値及び原動機74の回転数指令値のそれぞれが推進情報(文字列)に対応付けて表示される。符号g510のように、第2種の推進モードでは、原動機74の回転速度を指令する第2種の指令値(数値)が推進情報(文字列)に対応付けられて表示される。
【0067】
以上のように、本実施例によれば、軸発電機75とプロペラ80とを連結し、軸発電機75及び原動機74の両方で推進する第1種の推進モードと、軸発電機75とプロペラ80との連結を解除し原動機74のみで推進する第2種の推進モードを切り替えた場合であっても、切り替えた推進モードに応じた推進情報に対応する船舶の推進器への指令値を操縦者が把握できる。
【0068】
<第5の実施例>
本実施例において、第1種の推進モードは、操作部50の操作位置に応じて第1種燃料のみがデュアルフューエルエンジンに投入される推進モードである。また、第2種の推進モードは、操作部50の操作位置に応じて混合燃料がデュアルフューエルエンジンに投入される推進モードである。
【0069】
図13は、第5の実施例における船舶の概略構成を示す図である。
図13のように、船舶1Dは、例えば、舶用操縦装置10Dと、推進器70Dと、を備える。
舶用操縦装置10Dは、例えば、推進制御部20Dと、表示制御部30Dと、表示部40と、操作部50と、推進器70Dと、を備える。
推進器70Dは、例えば、エンジン76と、プロペラ80と、を備える。
【0070】
エンジン76は、例えば、第1種燃料のみ、及び第1種燃料と異なる第2種燃料と第1種燃料との混合燃料のいずれか投入されてプロペラ80を回転させるデュアルフューエルエンジンである。
【0071】
推進制御部20Dは、第1種の推進モードである場合に、操作部50の操作位置に応じて第1種燃料のみをデュアルフューエルエンジンに投入して推進する。推進制御部20Dは、第2種の推進モードである場合に、操作部50の操作位置に応じて混合燃料をデュアルフューエルエンジンに投入して推進する。
【0072】
表示制御部30Dは、第1種の推進モードである場合に、推進制御部20Dで生成されたデュアルフューエルエンジンの回転数指令値である第1種の指令値(数値)を推進情報(文字列)に対応付けて表示部40に表示させる。表示制御部30Dは、第2種の推進モードである場合に、推進制御部20Dで生成された第1種の指令値と異なる値を示し、デュアルフューエルエンジンの回転数指令値である第2種の指令値(数値)を推進情報(文字列)に対応付けて表示部40に表示させる。
【0073】
図14は、第5の実施例において第1種の推進モードと第2種の推進モードの場合に表示部40に表示される情報例を示す図である。符号g600の表示例は、第1種の推進モード時の表示例である。符号g610の表示例は、第2種の推進モード時の表示例である。符号g600のように、第1種の推進モードでは、回転数指令値J1~J11(数値)のそれぞれが推進情報(文字列)と対応付けられて表示される。また、符号g610のように、第2種の推進モードでは、回転数指令値K1~K11(数値)のそれぞれが推進情報(文字列)と対応付けられて表示される。
【0074】
なお、
図14の例では、指令値として回転数指令値(数値)を、推進情報(文字列)に対応付けて表示する例を示しているが、これに限らない。表示する指令値は、例えば回転数指令値と翼角指令値であってもよい。
【0075】
以上のように、本実施例によれば、第1種燃料のみが前記デュアルフューエルエンジンに投入される第1種の推進モードと、混合燃料がデュアルフューエルエンジンに投入される第2種の推進モードを切り替えた場合であっても、切り替えた推進モードに応じた推進情報に対応する船舶の推進器への指令値を操縦者が把握できる。
【0076】
<第6の実施例>
本実施例において、第1種の推進モードは、天候が平穏で原動機にかかる負荷が変動しない船舶の運航状況で使用される平穏運航モードであり、操作部50の操作位置に応じて原動機74の回転数とプロペラ80の翼角を制御するモードである。第2種の推進モードは、平穏運航モードより可変ピッチプロペラの翼角を小さく設定した運航モードであり、操作部50の操作位置に応じて原動機74の回転数とプロペラ80の翼角を制御するモードである。このように、本実施例では、船舶1Aが、海象に応じて可変ピッチプロペラの翼角を適正に制御する複数のモードを有している。なお、本実施例の船舶の構成は、第1の実施例の船舶1A同様である。このため、プロペラ80Aは、例えば可変ピッチプロペラである。
【0077】
推進制御部20Aは、第1種の推進モードの場合に、操作部50の操作位置に応じて可変ピッチプロペラの翼角及び原動機74の回転数を平穏運航モードで制御する。推進制御部20Aは、第2種の推進モードの場合に、操作部50の操作位置に応じて可変ピッチプロペラの翼角及び原動機74の回転数を制御し、平穏運航モードより可変ピッチプロペラの翼角を小さく設定して制御する。なお、第2種の推進モードでは、可変ピッチプロペラの回転数に対する原動機74の出力が平穏運航モードより低く設定される。
【0078】
表示制御部30Aは、第1種の推進モードである場合に、推進制御部20Aで生成された第1種の回転数指令値と翼角指令値である第1種の指令値(数値)を推進情報(文字列)に対応つけて表示部40に表示させる。表示制御部30Aは、第2種の推進モードである場合に、推進制御部20Aで生成された第2種回転数指令値と翼角指令値である第2種の指令値(数値)を推進情報(文字列)に対応つけて表示部40に表示させる。
【0079】
図15は、第6の実施例における操作部の位置と翼角の関係例、操作部の位置と回転数の関係例を示す図である。
図15において、符号g700のグラフは、操作部の位置と回転数の関係例を示し、横軸が操作部の位置、縦軸が回転数(RPM)である。線g701は、第1種の推進モード時と第2種の推進モード時の操作部の位置と回転数の関係である。符号g710のグラフは、操作部の位置と翼角の関係例を示し、横軸が操作部の位置、縦軸が翼角(DEG)である。線g711は、第1種の推進モード時の操作部の位置と翼角の関係である。線g712は、第2種の推進モード時の操作部の位置と翼角の関係である。
図15の例では、第2種の推進モードの翼角が、第1種の推進モードの翼角より変動量が小さい例である。なお、
図15に示した例は一例であり、これに限らない。例えば、用途や運航状態に応じて、第2種の推進モードの翼角が、第1種の推進モードの翼角より変動量が大きくてもよい。
【0080】
図16は、第6の実施例において第1種の推進モードと第2種の推進モードの場合に表示部40に表示される情報例を示す図である。符号g750の表示例は、第1種の推進モード時の表示例である。符号g760の表示例は、第2種の推進モード時の表示例である。符号g750のように、第1種の推進モードでは、回転数指令値L1~L11(数値)と翼角指令値N1~N11(数値)のそれぞれが推進情報(文字列)と対応付けられて表示される。また、符号g760のように、第2種の推進モードでは、回転数指令値L1~L11(数値)と第1種の翼角指令値とは異なる値の翼角指令値M1~M11(数値)のそれぞれが推進情報(文字列)と対応付けられて表示される。
【0081】
以上のように、本実施例によれば、運航状態に応じて、操作部50の位置に応じた回転数指令値と翼角指令値が、第1種の推進モードと第2種の推進モードによって異なる場合であっても、切り替えた推進モードに応じた推進情報に対応する船舶の推進器への指令値を操縦者が把握できる。また、本実施例によれば、海象等に応じて推進モードを使い分けることで、燃費を向上させることができる。
【0082】
なお、上述した各実施例では、推進モードが2つの例を説明したが、推進モードは3つ以上(第1種の推進モード、第2種の推進モード、第3種の推進モード、…)であってもよい。この場合も、表示制御部30(または30A,30B,30C,30D)は、推進モードに応じた情報を、推進情報に対応付けて表示部40に表示させる。
【0083】
なお、上述した各実施例では、指令値を数値で表示し、推進情報を文字列で表示する例を示したが、これに限らない。例えば、推進情報は、各推進情報を表すアイコン等で表示しても良い。
【0084】
また、表示の切り替えは、船舶の推進モードが切り替えられたことを検出した後に行うため、船舶の運航中に切り替えることも可能である。なお、推進モードの切り替えは、作業者が手動で切り替えてもよく、推進制御部20(または20A,20B,20C,20D)等が運航状況等に応じて自動的に切り替えるようにしても良い。例えば、推進制御部20(または20A,20B,20C,20D)等が船舶の機構等に異常が発生したことを検出した場合に、推進モードを自動的に切り替えるようにしても良い。
【0085】
また、例えば、船舶の原動機を交換した場合であっても、表示制御部30(または30A,30B,30C,30D)に記憶されている情報を、交換した原動機に応じた推進モード毎の指令値と推進情報に書き換えることで対応することができる。
【0086】
なお、本発明における表示制御部30(または30A,30B,30C,30D)の機能の全てまたは一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより表示制御部30(または30A,30B,30C,30D)が行う処理の全てまたは一部を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0087】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0088】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形および置換を加えることができる。
本明細書で開示した実施形態のうち、複数の物体で構成されているものは、当該複数の物体を一体化してもよく、逆に一つの物体で構成されているものを複数の物体に分けることができる。一体化されているか否かにかかわらず、発明の目的を達成できるように構成されていればよい。
本明細書で開示した実施形態のうち、複数の機能が分散して設けられているものは、当該複数の機能の一部又は全部を集約して設けても良く、逆に複数の機能が集約して設けられているものを、当該複数の機能の一部又は全部が分散するように設けることができる。
機能が集約されているか分散されているかにかかわらず、発明の目的を達成できるように構成されていればよい。
【符号の説明】
【0089】
1,1A,1B,1C,1D…船舶、10,10A,10B,10C,10D…舶用操縦装置、80,80A…プロペラ、90…船体、20,20A,20B,20C,20D…推進制御部、30,30A,30B,30C,30D…表示制御部、40…表示部、50…操作部、70,70A,70C…推進器、70A-1…第1の推進器、70A-2…第2の推進器、74…原動機、74A-1…第1の原動機、74A-2…第2の原動機、75…軸発電機、76…エンジン