(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076686
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20240530BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H01L25/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188366
(22)【出願日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】林 慧
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770AA21
5H770DA44
5H770JA19X
5H770PA22
5H770PA42
5H770QA01
5H770QA05
5H770QA08
5H770QA22
(57)【要約】
【課題】スイッチング速度を向上できる半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、回路基板と、前記回路基板に実装されたディスクリート型の第1スイッチング素子と、前記回路基板に実装されたディスクリート型の第2スイッチング素子と、を有し、前記第1スイッチング素子は、第1トランジスタと、前記第1トランジスタに接続された第1主端子および第2主端子と、を有し、前記第2スイッチング素子は、第2トランジスタと、前記第2トランジスタに接続された第3主端子および第4主端子と、を有し、前記第1主端子から前記第2主端子に電流が流れ、前記第3主端子から前記第4主端子に電流が流れ、前記第1スイッチング素子は第1面を備え、前記第2スイッチング素子は第2面を備え、前記第1面と前記第2面とが向かい合い、前記第1面に垂直な方向からの平面視で、前記第2主端子は、前記第1主端子の第1の側にあり、前記第4主端子は、前記第3主端子の前記第1の側とは反対の第2の側にある。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板と、
前記回路基板に実装されたディスクリート型の第1スイッチング素子と、
前記回路基板に実装されたディスクリート型の第2スイッチング素子と、
を有し、
前記第1スイッチング素子は、
第1トランジスタと、
前記第1トランジスタに接続された第1主端子および第2主端子と、
を有し、
前記第2スイッチング素子は、
第2トランジスタと、
前記第2トランジスタに接続された第3主端子および第4主端子と、
を有し、
前記第1主端子から前記第2主端子に電流が流れ、
前記第3主端子から前記第4主端子に電流が流れ、
前記第1スイッチング素子は第1面を備え、
前記第2スイッチング素子は第2面を備え、
前記第1面と前記第2面とが向かい合い、
前記第1面に垂直な方向からの平面視で、
前記第2主端子は、前記第1主端子の第1の側にあり、
前記第4主端子は、前記第3主端子の前記第1の側とは反対の第2の側にある、
半導体装置。
【請求項2】
前記第1面に垂直な方向からの平面視で、
前記第3主端子は前記第1主端子よりも前記第2主端子に近く、
前記第1主端子は前記第3主端子よりも前記第4主端子に近い、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1面に垂直な方向からの平面視で、
前記第1主端子の位置と前記第4主端子の位置とが重なり、
前記第2主端子の位置と前記第3主端子の位置とが重なる、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1主端子と前記第4主端子との間に接続されたコンデンサを有する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2主端子と前記第3主端子とが接続されている、
請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1主端子と前記第3主端子とが接続され、
前記第2主端子と前記第4主端子とが接続されている、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1スイッチング素子を冷却する第1冷却器と、
前記第2スイッチング素子を冷却する第2冷却器と、
を有する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1冷却器と前記第2スイッチング素子との間に前記第1スイッチング素子があり、
前記第2冷却器と前記第1スイッチング素子との間に前記第2スイッチング素子がある、
請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記回路基板に実装された第1制御素子と、
前記回路基板に実装された第2制御素子と、
を有し、
前記第1スイッチング素子は、前記第1トランジスタおよび前記第1制御素子に接続された第1制御端子を有し、
前記第2スイッチング素子は、前記第2トランジスタおよび前記第2制御素子に接続された第2制御端子を有する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1面および前記第2面は、前記回路基板に垂直である、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トランジスタを含むディスクリート型のスイッチング素子を複数有する半導体装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近時、半導体装置に対して更なるスイッチング速度の向上が要請されている。
【0005】
本開示は、スイッチング速度を向上できる半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の半導体装置は、回路基板と、前記回路基板に実装されたディスクリート型の第1スイッチング素子と、前記回路基板に実装されたディスクリート型の第2スイッチング素子と、を有し、前記第1スイッチング素子は、第1トランジスタと、前記第1トランジスタに接続された第1主端子および第2主端子と、を有し、前記第2スイッチング素子は、第2トランジスタと、前記第2トランジスタに接続された第3主端子および第4主端子と、を有し、前記第1主端子から前記第2主端子に電流が流れ、前記第3主端子から前記第4主端子に電流が流れ、前記第1スイッチング素子は第1面を備え、前記第2スイッチング素子は第2面を備え、前記第1面と前記第2面とが向かい合い、前記第1面に垂直な方向からの平面視で、前記第2主端子は、前記第1主端子の第1の側にあり、前記第4主端子は、前記第3主端子の前記第1の側とは反対の第2の側にある。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、磁束を打ち消し合うことで寄生インダクタンスを低減し、寄生インダクタンスの低減に伴ってスイッチング速度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る半導体装置を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図4】
図4は、第1スイッチング素子を示す模式図である。
【
図5】
図5は、第2スイッチング素子を示す模式図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る半導体装置を示す回路図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態に係る半導体装置を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図10】
図10は、第3実施形態に係る半導体装置を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、第3実施形態に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図12】
図12は、第3実施形態に係る半導体装置を示す回路図である。
【
図13】
図13は、第4実施形態に係る半導体装置を示す斜視図である。
【
図14】
図14は、第4実施形態に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図15】
図15は、第4実施形態に係る半導体装置を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施するための形態について、以下に説明する。
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。以下の説明では、同一または対応する要素には同一の符号を付し、それらについて同じ説明は繰り返さない。本明細書中の結晶学的記載においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示している。また結晶学上の指数が負であることは、通常、"-"(バー)を数字の上に付すことによって表現されるが、本開示では数字の前に負の符号を付している。また、以下の説明では、XYZ直交座標系を用いるが、当該座標系は、説明のために定めるものであって、半導体装置の姿勢について限定するものではない。また、任意の点からみて、+Z側を上方、上側または上ということがあり、-Z側を下方、下側または下ということがある。
【0011】
〔1〕 本開示の一態様に係る半導体装置は、回路基板と、前記回路基板に実装されたディスクリート型の第1スイッチング素子と、前記回路基板に実装されたディスクリート型の第2スイッチング素子と、を有し、前記第1スイッチング素子は、第1トランジスタと、前記第1トランジスタに接続された第1主端子および第2主端子と、を有し、前記第2スイッチング素子は、第2トランジスタと、前記第2トランジスタに接続された第3主端子および第4主端子と、を有し、前記第1主端子から前記第2主端子に電流が流れ、前記第3主端子から前記第4主端子に電流が流れ、前記第1スイッチング素子は第1面を備え、前記第2スイッチング素子は第2面を備え、前記第1面と前記第2面とが向かい合い、前記第1面に垂直な方向からの平面視で、前記第2主端子は、前記第1主端子の第1の側にあり、前記第4主端子は、前記第3主端子の前記第1の側とは反対の第2の側にある。
【0012】
スイッチング動作時に、第1スイッチング素子において、第1主端子から第1トランジスタを経由して第2主端子に電流が流れ、第2スイッチング素子においては、第3主端子から第2トランジスタを経由して第4主端子に電流が流れる。このとき、平面視で、第2主端子が第1主端子の第1の側にあり、第4主端子が第3主端子の第1の側とは反対の第2の側にあるため、第1スイッチング素子に生じる磁束の向きと、第2スイッチング素子に生じる磁束の向きとが逆になる。従って、これらの磁束が互いに打ち消し合い、寄生インダクタンスが低減される。このため、半導体装置のスイッチング動作の速度を向上できる。
【0013】
〔2〕 〔1〕において、前記第1面に垂直な方向からの平面視で、前記第3主端子は前記第1主端子よりも前記第2主端子に近く、前記第1主端子は前記第3主端子よりも前記第4主端子に近くてもよい。この場合、第1スイッチング素子に生じる磁束と第2スイッチング素子に生じる磁束とがより互いに打ち消し合いやすい。
【0014】
〔3〕 〔1〕において、前記第1面に垂直な方向からの平面視で、前記第1主端子の位置と前記第4主端子の位置とが重なり、前記第2主端子の位置と前記第3主端子の位置とが重なってもよい。この場合、第1スイッチング素子に生じる磁束と第2スイッチング素子に生じる磁束とがより一層互いに打ち消し合いやすい。
【0015】
〔4〕 〔1〕から〔3〕のいずれかにおいて、前記第1主端子と前記第4主端子との間に接続されたコンデンサを有してもよい。この場合、コンデンサがスナバコンデンサとして機能し、リンギングを抑制できる。
【0016】
〔5〕 〔4〕において、前記第2主端子と前記第3主端子とが接続されていてもよい。この場合、第1スイッチング素子と第2スイッチング素子とが直列に接続され、例えば、第1スイッチング素子を上アームに含み、第2スイッチング素子を下アームに含むハーフブリッジ回路を構成できる。
【0017】
〔6〕 〔1〕から〔3〕のいずれかにおいて、前記第1主端子と前記第3主端子とが接続され、前記第2主端子と前記第4主端子とが接続されていてもよい。この場合、第1スイッチング素子と第2スイッチング素子とが並列に接続され、例えば、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を、ハーフブリッジ回路の上アームまたは下アームに用いることができる。
【0018】
〔7〕 〔1〕から〔6〕のいずれかにおいて、前記第1スイッチング素子を冷却する第1冷却器と、前記第2スイッチング素子を冷却する第2冷却器と、を有してもよい。この場合、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子の過度な温度上昇を抑制し、安定して動作させやすい。
【0019】
〔8〕 〔7〕において、前記第1冷却器と前記第2スイッチング素子との間に前記第1スイッチング素子があり、前記第2冷却器と前記第1スイッチング素子との間に前記第2スイッチング素子があってもよい。この場合、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を互いに近接して配置でき、磁束を打ち消しやすい。
【0020】
〔9〕 〔1〕から〔8〕のいずれかにおいて、前記回路基板に実装された第1制御素子と、前記回路基板に実装された第2制御素子と、を有し、前記第1スイッチング素子は、前記第1トランジスタおよび前記第1制御素子に接続された第1制御端子を有し、前記第2スイッチング素子は、前記第2トランジスタおよび前記第2制御素子に接続された第2制御端子を有してもよい。この場合、第1制御素子により第1スイッチング素子の動作を制御でき、第2制御素子により第2スイッチング素子の動作を制御できる。
【0021】
〔10〕 〔1〕から〔9〕のいずれかにおいて、前記第1面および前記第2面は、前記回路基板に垂直であってもよい。この場合、ディスクリート型の第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を狭い範囲内に配置しやすい。
【0022】
[本開示の実施形態]
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。第1実施形態は半導体装置に関する。第1実施形態は、例えば電力変換装置のハーフブリッジ回路に用いられる。
図1は、第1実施形態に係る半導体装置を示す斜視図である。
図2は、第1実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図3は、第1実施形態に係る半導体装置を示す模式図である。
図4は、第1スイッチング素子を示す模式図である。
図5は、第2スイッチング素子を示す模式図である。
図2は、
図3中のII-II線に沿った断面図に相当する。
【0023】
図1から
図3に示すように、第1実施形態に係る半導体装置1は、主として、回路基板11と、ディスクリート型の第1スイッチング素子100と、ディスクリート型の第2スイッチング素子200とを有する。半導体装置1は、更に、コンデンサ21と、第1冷却器161と、第2冷却器261と、第1ゲートドライバ162と、第2ゲートドライバ262とを有する。
【0024】
図4に示すように、第1スイッチング素子100は、主として、ドレイン端子111(D)と、ソース端子112(S)と、ゲート端子113(G)と、ダイパッド114と、第1トランジスタ110と、複数のソースワイヤ142と、ゲートワイヤ143と、封止樹脂150とを有する。
図4では、封止樹脂150を透視している。ダイパッド114は、YZ面に平行な金属板から構成されており、Y軸方向に平行な2辺およびZ軸方向に平行な2辺を備えた矩形状の平面形状を有する。ドレイン端子111は、YZ面に平行な金属板から構成されており、Z軸方向に平行な長辺を備えた矩形状の平面形状を有する。ドレイン端子111は、ダイパッド114の-Z側の辺の中心部につながっている。ドレイン端子111は、例えばダイパッド114と一体に構成されている。ソース端子112は、YZ面に平行な金属板から構成されており、Z軸方向に平行な長辺を備えた矩形状の平面形状を有する。ソース端子112は、ドレイン端子111およびダイパッド114から離れている。ソース端子112は、ドレイン端子111の+Y側31かつダイパッド114の-Z側にある。ゲート端子113は、YZ面に平行な金属板から構成されており、Z軸方向に平行な長辺を備えた矩形状の平面形状を有する。ゲート端子113は、ドレイン端子111およびダイパッド114から離れている。ゲート端子113は、ドレイン端子111の-Y側31かつダイパッド114の-Z側にある。ドレイン端子111は第1主端子の一例であり、ソース端子112は第2主端子の一例であり、ゲート端子113は第1制御端子の一例である。+Y側31は第1の側の一例である。
【0025】
第1トランジスタ110は、例えばMOS(metal-oxide-semiconductor)型電界効果トランジスタ(field effect transistor:FET)である。第1トランジスタ110は、例えば直方体状の立体形状を有しており、ダイパッド114の+X側の面に搭載されている。第1トランジスタ110は、-X側の面にドレインパッド(図示せず)を有し、+X側の面に、ソースパッド132と、ゲートパッド133とを有する。ドレインパッドは導電性接合材(図示せず)によりダイパッド114に接続されている。ソースパッド132は複数のソースワイヤ142によりソース端子112に接続されている。ゲートパッド133はゲートワイヤ143によりゲート端子113に接続されている。
【0026】
封止樹脂150は、第1トランジスタ110と、複数のソースワイヤ142と、ゲートワイヤ143と、ダイパッド114と、ドレイン端子111の一部分と、ソース端子112の一部分と、ゲート端子113の一部分とを封止する。第1スイッチング素子100は+X側に第1面120を有する。封止樹脂150が第1面120を構成する。
【0027】
図5に示すように、第2スイッチング素子200は、主として、ドレイン端子211(D)と、ソース端子212(S)と、ゲート端子213(G)と、ダイパッド214と、第2トランジスタ210と、複数のソースワイヤ242と、ゲートワイヤ243と、封止樹脂250とを有する。
図5では、封止樹脂250を透視している。ダイパッド214は、YZ面に平行な金属板から構成されており、Y軸方向に平行な2辺およびZ軸方向に平行な2辺を備えた矩形状の平面形状を有する。ドレイン端子211は、YZ面に平行な金属板から構成されており、Z軸方向に平行な長辺を備えた矩形状の平面形状を有する。ドレイン端子211は、ダイパッド214の-Z側の辺の中心部につながっている。ドレイン端子211は、例えばダイパッド214と一体に構成されている。ソース端子212は、YZ面に平行な金属板から構成されており、Z軸方向に平行な長辺を備えた矩形状の平面形状を有する。ソース端子212は、ドレイン端子211およびダイパッド214から離れている。ソース端子212は、ドレイン端子211の-Y側32かつダイパッド214の-Z側にある。ゲート端子213は、YZ面に平行な金属板から構成されており、Z軸方向に平行な長辺を備えた矩形状の平面形状を有する。ゲート端子213は、ドレイン端子211およびダイパッド214から離れている。ゲート端子213は、ドレイン端子211の+Y側31かつダイパッド214の-Z側にある。ドレイン端子211は第3主端子の一例であり、ソース端子212は第4主端子の一例であり、ゲート端子213は第2制御端子の一例である。-Y側32は第2の側の一例である。
【0028】
第2トランジスタ210は、例えばMOS型FETである。第2トランジスタ210は、例えば直方体状の立体形状を有しており、ダイパッド214の-X側の面に搭載されている。第2トランジスタ210は、+X側の面にドレインパッド(図示せず)を有し、-X側の面に、ソースパッド232と、ゲートパッド233とを有する。ドレインパッドは導電性接合材(図示せず)によりダイパッド214に接続されている。ソースパッド232は複数のソースワイヤ242によりソース端子212に接続されている。ゲートパッド233はゲートワイヤ243によりゲート端子213に接続されている。
【0029】
封止樹脂250は、第2トランジスタ210と、複数のソースワイヤ242と、ゲートワイヤ243と、ダイパッド214と、ドレイン端子211の一部分と、ソース端子212の一部分と、ゲート端子213の一部分とを封止する。第2スイッチング素子200は-X側に第2面220を有する。封止樹脂150が第1面120を構成する。
【0030】
回路基板11は、ドレイン端子111が接続される端子と、ソース端子112が接続される端子と、ゲート端子113が接続される端子と、ドレイン端子211が接続される端子と、ソース端子212が接続される端子と、ゲート端子213が接続される端子とを有する。
図1および
図3に示すように、第1スイッチング素子100は、ソース端子112がドレイン端子111の+Y側31に位置し、ゲート端子113がドレイン端子111の-Y側32に位置するようにして、回路基板11に実装されている。第2スイッチング素子200は、ソース端子212がドレイン端子211の-Y側32に位置し、ゲート端子213がドレイン端子211の+Y側31に位置するようにして、回路基板11に実装されている。そして、第1スイッチング素子100の第1面120と第2スイッチング素子200の第2面220とが向かい合っている。第1面120および第2面220は回路基板11に垂直である。より詳細には、第1面120および第2面220は回路基板11の+Z側の主面11Aに垂直である。
【0031】
半導体装置1では、
図2および
図3に示すように、第1スイッチング素子100のゲート端子113と第2スイッチング素子200のソース端子212とが、ZX面に平行な平面内にあり、ソース端子212がゲート端子113の+X側にある。第1スイッチング素子100のドレイン端子111と第2スイッチング素子200のドレイン端子211とが、ZX面に平行な他の平面内にあり、ドレイン端子211がドレイン端子111の+X側にある。第1スイッチング素子100のソース端子112と第2スイッチング素子200のゲート端子213とが、ZX面に平行な更に他の平面内にあり、ゲート端子213がソース端子112の+X側にある。
【0032】
このように、第1面120に垂直な方向からの平面視で、ソース端子112はドレイン端子111の+Y側31にあり、ソース端子212はドレイン端子211の+Y側31とは反対の-Y側32にある。
【0033】
第1冷却器161は、第1スイッチング素子100の-X側の面に取り付けられている。第1冷却器161は回路基板11から離れている。第1冷却器161は、例えばねじ止めにより第1スイッチング素子100に固定されている。第2冷却器261は、第2スイッチング素子200の+X側の面に取り付けられている。第2冷却器261は回路基板11から離れている。第2冷却器261は、例えばねじ止めにより第2スイッチング素子200に固定されている。すなわち、第1冷却器161と第2スイッチング素子200との間に第1スイッチング素子100があり、第2冷却器261と第1スイッチング素子100との間に第2スイッチング素子200がある。第1冷却器161は第1スイッチング素子100を冷却し、第2冷却器261は第2スイッチング素子200を冷却する。
【0034】
第1ゲートドライバ162および第2ゲートドライバ262は、回路基板11の+Z側の主面11Aに実装されている。例えば、第1ゲートドライバ162は第1冷却器161の-Z側にあり、第2ゲートドライバ262は第2冷却器261の-Z側にある。第1ゲートドライバ162は第1制御素子の一例であり、第2ゲートドライバ262は第2制御素子の一例である。
【0035】
コンデンサ21は、回路基板11の-Z側の主面11Bに実装されている。コンデンサ21は、回路基板11の+Z側の主面11Aに垂直な方向からの平面視で、第1スイッチング素子100と第2スイッチング素子200との間にある。コンデンサ21は、後述のように、第1スイッチング素子100のドレイン端子111と第2スイッチング素子200のソース端子212との間に接続されている。
【0036】
ここで、第1実施形態に係る半導体装置1の回路構成について説明する。第1実施形態に係る半導体装置1はハーフブリッジ回路を構成する。
図6は、第1実施形態に係る半導体装置を示す回路図である。なお、
図6に示す回路は、回路基板11に形成された配線を含む。
【0037】
図6に示すように、第1トランジスタ110のドレイン端子111がP端子51に接続され、第2トランジスタ210のソース端子212がN端子52に接続されている。つまり、P端子51とN端子52との間に第1トランジスタ110および第2トランジスタ210が直列に接続されている。第1トランジスタ110のソース端子112および第2トランジスタ210のドレイン端子211がO端子53に接続されている。コンデンサ21がドレイン端子111とソース端子212との間に接続されている。第1トランジスタ110が還流ダイオード118を含んでもよく、第2トランジスタ210が還流ダイオード218を含んでもよい。第1トランジスタ110のゲート端子113に第1ゲートドライバ162が接続され、第2トランジスタ210のゲート端子213に第2ゲートドライバ262が接続されている。
【0038】
第1実施形態では、第1ゲートドライバ162により第1スイッチング素子100が制御され、第2ゲートドライバ262により第2スイッチング素子200が制御される。そして、スイッチング動作時に、第1スイッチング素子100において、
図4に示すように、ドレイン端子111から第1トランジスタ110を経由してソース端子112に電流I1が流れる。この結果、
図3および
図4に示すように、電流I1のパワーループの内側に-X側を向く磁束H1が発生する。また、第2スイッチング素子200においては、
図5に示すように、ドレイン端子211から第2トランジスタ210を経由してソース端子212に電流I2が流れる。この結果、
図3および
図4に示すように、電流I2のパワーループの内側に+X側を向く磁束H2が発生する。従って、X軸に沿う方向で、磁束H1と磁束H2とが打ち消し合い、パワーループインダクタンスが低減される。このため、スイッチング動作の速度を向上できる。
【0039】
ドレイン端子111とソース端子212との間にコンデンサ21が接続されている。このため、コンデンサ21がスナバコンデンサとして機能し、リンギングを抑制できる。
【0040】
第1冷却器161および第2冷却器261が設けられている。このため、第1スイッチング素子100および第2スイッチング素子200の過度な温度上昇を抑制し、安定して動作させやすい。また、第1冷却器161と第2スイッチング素子200との間に第1スイッチング素子100があり、第2冷却器261と第1スイッチング素子100との間に第2スイッチング素子200がある。このため、第1スイッチング素子100および第2スイッチング素子200を互いに近接して配置でき、磁束を打ち消しやすい。
【0041】
第1面120および第2面220が回路基板11に垂直である。このため、ディスクリート型の第1スイッチング素子100および第2スイッチング素子200を狭い範囲内に配置しやすい。つまり、省スペース化に好適である。
【0042】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1スイッチング素子100および第2スイッチング素子200の配置の点で第1実施形態と相違する。
図7は、第2実施形態に係る半導体装置を示す斜視図である。
図8は、第2実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図9は、第2実施形態に係る半導体装置を示す模式図である。
図8は、
図9中のVIII-VIII線に沿った断面図に相当する。
【0043】
第2実施形態に係る半導体装置2でも、
図7および
図9に示すように、第1スイッチング素子100は、ソース端子112がドレイン端子111の+Y側31に位置し、ゲート端子113がドレイン端子111の-Y側32に位置するようにして、回路基板11に実装されている。第2スイッチング素子200は、ソース端子212がドレイン端子211の-Y側32に位置し、ゲート端子213がドレイン端子211の+Y側31に位置するようにして、回路基板11に実装されている。そして、第1スイッチング素子100の第1面120と第2スイッチング素子200の第2面220とが向かい合っている。
【0044】
図8および
図9に示すように、半導体装置2では、回路基板11に設けられた端子の位置が半導体装置1とは相違しており、第1スイッチング素子100のドレイン端子111と第2スイッチング素子200のソース端子212とが、ZX面に平行な平面内にあり、ソース端子212がドレイン端子111の+X側にある。第1スイッチング素子100のソース端子112と第2スイッチング素子200のドレイン端子211とが、ZX面に平行な他の平面内にあり、ドレイン端子211がソース端子112の+X側にある。
【0045】
このように、半導体装置2では、第1面120に垂直な方向からの平面視で、ドレイン端子211はドレイン端子111よりもソース端子112に近く、ドレイン端子111はドレイン端子211よりもソース端子212に近い。より具体的には、第1面120に垂直な方向からの平面視で、ドレイン端子111の位置とソース端子212の位置とが重なり、ソース端子112の位置とドレイン端子211の位置とが重なっている。
【0046】
第2実施形態の他の構成は第1実施形態と同一である。
【0047】
第2実施形態でも、第1ゲートドライバ162により第1スイッチング素子100が制御され、第2ゲートドライバ262により第2スイッチング素子200が制御される。そして、スイッチング動作時に、
図9に示すように、電流I1(
図4参照)のパワーループの内側に-X側を向く磁束H1が発生し、電流I2(
図5参照)のパワーループの内側に+X側を向く磁束H2が発生する。第2実施形態では、第1実施形態と比べて、Y軸方向での磁束H1の位置と磁束H2の位置との一致度が高い。従って、磁束H1と磁束H2とがより打ち消し合い、パワーループインダクタンスがより低減される。このため、スイッチング動作の速度をより向上できる。
【0048】
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。第3実施形態は半導体装置に関する。第3実施形態は、例えばハーフブリッジ回路の上アームに用いられる。
図10は、第3実施形態に係る半導体装置を示す斜視図である。
図11は、第3実施形態に係る半導体装置を示す模式図である。
【0049】
図10および
図11に示すように、第3実施形態に係る半導体装置3は、主として、回路基板13と、ディスクリート型の第1スイッチング素子300と、ディスクリート型の第2スイッチング素子400とを有する。半導体装置3は、更に、第1冷却器361と、第2冷却器461と、第1ゲートドライバ362と、第2ゲートドライバ462とを有する。
【0050】
第1スイッチング素子300は第1スイッチング素子100と同一の構成を備え、第2スイッチング素子400は第2スイッチング素子200と同一の構成を備える。
【0051】
回路基板13は、回路基板11と同じく、ドレイン端子111が接続される端子と、ソース端子112が接続される端子と、ゲート端子113が接続される端子と、ドレイン端子211が接続される端子と、ソース端子212が接続される端子と、ゲート端子213が接続される端子とを有する。
図11に示すように、第1スイッチング素子300は、ソース端子112がドレイン端子111の+Y側31に位置し、ゲート端子113がドレイン端子111の-Y側32に位置するようにして、回路基板13に実装されている。第2スイッチング素子400は、ソース端子212がドレイン端子211の-Y側32に位置し、ゲート端子213がドレイン端子211の+Y側31に位置するようにして、回路基板13に実装されている。そして、第1スイッチング素子300の第1面120と第2スイッチング素子400の第2面220とが向かい合っている。第1面120および第2面220は回路基板13に垂直である。より詳細には、第1面120および第2面220は回路基板13の+Z側の主面13Aに垂直である。
【0052】
図11に示すように、半導体装置3では、第1スイッチング素子300のドレイン端子111と第2スイッチング素子400のソース端子212とが、ZX面に平行な平面内にあり、ソース端子212がドレイン端子111の+X側にある。第1スイッチング素子300のソース端子112と第2スイッチング素子400のドレイン端子211とが、ZX面に平行な他の平面内にあり、ドレイン端子211がソース端子112の+X側にある。
【0053】
第1冷却器361は、第1スイッチング素子300の-X側の面に取り付けられている。第1冷却器361は回路基板13から離れている。第1冷却器361は、例えばねじ止めにより第1スイッチング素子300に固定されている。第2冷却器461は、第2スイッチング素子400の+X側の面に取り付けられている。第2冷却器461は回路基板13から離れている。第2冷却器461は、例えばねじ止めにより第2スイッチング素子400に固定されている。すなわち、第1冷却器361と第2スイッチング素子400との間に第1スイッチング素子300があり、第2冷却器461と第1スイッチング素子300との間に第2スイッチング素子400がある。第1冷却器361は第1スイッチング素子300を冷却し、第2冷却器461は第2スイッチング素子400を冷却する。
【0054】
第1ゲートドライバ362および第2ゲートドライバ462は、回路基板13の+Z側の主面13Aに実装されている。例えば、第1ゲートドライバ362は第1冷却器361の-Z側にあり、第2ゲートドライバ462は第2冷却器461の-Z側にある。第1ゲートドライバ362は第1制御素子の一例であり、第2ゲートドライバ462は第2制御素子の一例である。
【0055】
ここで、第3実施形態に係る半導体装置3の回路構成について説明する。第3実施形態に係る半導体装置3はハーフブリッジ回路の上アームを構成する。
図12は、第3実施形態に係る半導体装置を示す回路図である。なお、
図12に示す回路は、回路基板13に形成された配線を含む。
【0056】
図12に示すように、第1トランジスタ110のドレイン端子111および第2トランジスタ210のドレイン端子211がP端子51に接続されている。第1トランジスタ110のソース端子112および第2トランジスタ210のソース端子212がO端子53に接続されている。つまり、P端子51とO端子53との間に第1トランジスタ110および第2トランジスタ210が並列に接続されている。第1トランジスタ110のゲート端子113に第1ゲートドライバ362が接続され、第2トランジスタ210のゲート端子213に第2ゲートドライバ462が接続されている。
【0057】
第3実施形態では、第1ゲートドライバ362により第1スイッチング素子300が制御され、第2ゲートドライバ462により第2スイッチング素子400が制御される。そして、スイッチング動作時に、第1スイッチング素子300において、ドレイン端子111から第1トランジスタ110を経由してソース端子112に電流I1(
図4参照)が流れる。この結果、
図11に示すように、電流I1のパワーループの内側に-X側を向く磁束H1が発生する。また、第2スイッチング素子400においては、ドレイン端子211から第2トランジスタ210を経由してソース端子212に電流I2(
図5参照)が流れる。この結果、
図11に示すように、電流I2のパワーループの内側に+X側を向く磁束H2が発生する。従って、第2実施形態と同じく、X軸に沿う方向で、磁束H1と磁束H2とが打ち消し合い、パワーループインダクタンスが低減される。このため、スイッチング動作の速度を向上できる。
【0058】
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。第4実施形態は半導体装置に関する。第4実施形態は、例えばハーフブリッジ回路の下アームに用いられる。
図13は、第4実施形態に係る半導体装置を示す斜視図である。
図14は、第4実施形態に係る半導体装置を示す模式図である。
【0059】
図13および
図14に示すように、第4実施形態に係る半導体装置4は、主として、回路基板14と、ディスクリート型の第1スイッチング素子500と、ディスクリート型の第2スイッチング素子600とを有する。半導体装置4は、更に、第1冷却器561と、第2冷却器661と、第1ゲートドライバ562と、第2ゲートドライバ662とを有する。
【0060】
第1スイッチング素子500は第1スイッチング素子100と同一の構成を備え、第2スイッチング素子600は第2スイッチング素子200と同一の構成を備える。
【0061】
回路基板14は、回路基板11と同じく、ドレイン端子111が接続される端子と、ソース端子112が接続される端子と、ゲート端子113が接続される端子と、ドレイン端子211が接続される端子と、ソース端子212が接続される端子と、ゲート端子213が接続される端子とを有する。
図14に示すように、第1スイッチング素子500は、ソース端子112がドレイン端子111の+Y側31に位置し、ゲート端子113がドレイン端子111の-Y側32に位置するようにして、回路基板14に実装されている。第2スイッチング素子600は、ソース端子212がドレイン端子211の-Y側32に位置し、ゲート端子213がドレイン端子211の+Y側31に位置するようにして、回路基板14に実装されている。そして、第1スイッチング素子500の第1面120と第2スイッチング素子600の第2面220とが向かい合っている。第1面120および第2面220は回路基板14に垂直である。より詳細には、第1面120および第2面220は回路基板14の+Z側の主面14Aに垂直である。
【0062】
図14に示すように、半導体装置4では、第1スイッチング素子500のドレイン端子111と第2スイッチング素子600のソース端子212とが、ZX面に平行な平面内にあり、ソース端子212がドレイン端子111の+X側にある。第1スイッチング素子500のソース端子112と第2スイッチング素子600のドレイン端子211とが、ZX面に平行な他の平面内にあり、ドレイン端子211がソース端子112の+X側にある。
【0063】
第1冷却器561は、第1スイッチング素子500の-X側の面に取り付けられている。第1冷却器561は回路基板14から離れている。第1冷却器561は、例えばねじ止めにより第1スイッチング素子500に固定されている。第2冷却器661は、第2スイッチング素子600の+X側の面に取り付けられている。第2冷却器661は回路基板14から離れている。第2冷却器661は、例えばねじ止めにより第2スイッチング素子600に固定されている。すなわち、第1冷却器561と第2スイッチング素子600との間に第1スイッチング素子500があり、第2冷却器661と第1スイッチング素子500との間に第2スイッチング素子600がある。第1冷却器561は第1スイッチング素子500を冷却し、第2冷却器661は第2スイッチング素子600を冷却する。
【0064】
第1ゲートドライバ562および第2ゲートドライバ662は、回路基板14の+Z側の主面14Aに実装されている。例えば、第1ゲートドライバ562は第1冷却器561の-Z側にあり、第2ゲートドライバ662は第2冷却器661の-Z側にある。第1ゲートドライバ562は第1制御素子の一例であり、第2ゲートドライバ662は第2制御素子の一例である。
【0065】
ここで、第4実施形態に係る半導体装置4の回路構成について説明する。第4実施形態に係る半導体装置4はハーフブリッジ回路の下アームを構成する。
図15は、第4実施形態に係る半導体装置を示す回路図である。なお、
図15に示す回路は、回路基板14に形成された配線を含む。
【0066】
図15に示すように、第1トランジスタ110のドレイン端子111および第2トランジスタ210のドレイン端子211がO端子53に接続されている。第1トランジスタ110のソース端子112および第2トランジスタ210のソース端子212がN端子52に接続されている。つまり、O端子53とN端子52との間に第1トランジスタ110および第2トランジスタ210が並列に接続されている。第1トランジスタ110のゲート端子113に第1ゲートドライバ562が接続され、第2トランジスタ210のゲート端子213に第2ゲートドライバ662が接続されている。
【0067】
第4実施形態では、第1ゲートドライバ562により第1スイッチング素子500が制御され、第2ゲートドライバ662により第2スイッチング素子600が制御される。そして、スイッチング動作時に、第1スイッチング素子500において、ドレイン端子111から第1トランジスタ110を経由してソース端子112に電流I1(
図4参照)が流れる。この結果、
図14に示すように、電流I1のパワーループの内側に-X側を向く磁束H1が発生する。また、第2スイッチング素子400においては、ドレイン端子211から第2トランジスタ210を経由してソース端子212に電流I2(
図5参照)が流れる。この結果、
図14に示すように、電流I2のパワーループの内側に+X側を向く磁束H2が発生する。従って、第2実施形態と同じく、X軸に沿う方向で、磁束H1と磁束H2とが打ち消し合い、パワーループインダクタンスが低減される。このため、スイッチング動作の速度を向上できる。
【0068】
第3実施形態に係る半導体装置3と第4実施形態に係る半導体装置4とを組み合わせることで、ハーフブリッジ回路を構成してもよい。
【0069】
本開示において、第1トランジスタおよび第2トランジスタとして、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(insulated gate bipolar transistor:IGBT)が用いられてもよい。IGBTが用いられる場合、コレクタに接続される端子が第1主端子または第3主端子の一例であり、エミッタに接続される端子が第2主端子または第4主端子の一例である。
【0070】
第1スイッチング素子および第2スイッチング素子が実装された第1回路基板とは別に、第1ゲートドライバ(第1制御素子)が実装された第2回路基板と、第2ゲートドライバ(第2制御素子)が実装された第3回路基板とが用いられてもよい。この場合、第1回路基板、第2回路基板および第3回路基板をまとめて一つの回路基板とみなすことができる。
【0071】
以上、実施形態について詳述したが、本開示は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形および変更が可能である。
【符号の説明】
【0072】
1、2、3、4 半導体装置
11、13、14 回路基板
11A、11B、13A、14A 主面
21 コンデンサ
31 +Y側(第1の側)
32 -Y側(第2の側)
51 P端子
52 N端子
53 O端子
100、300、500 第1スイッチング素子
110 第1トランジスタ
111 ドレイン端子(第1主端子)
112 ソース端子(第2主端子)
113 ゲート端子(第1制御端子)
114 ダイパッド
118 還流ダイオード
120 第1面
132 ソースパッド
133 ゲートパッド
142 ソースワイヤ
143 ゲートワイヤ
150 封止樹脂
161、361、561 第1冷却器
162、362、562 第1ゲートドライバ(第1制御素子)
200、400、600 第2スイッチング素子
210 第2トランジスタ
211 ドレイン端子(第3主端子)
212 ソース端子(第4主端子)
213 ゲート端子(第2制御端子)
214 ダイパッド
218 還流ダイオード
220 第2面
232 ソースパッド
233 ゲートパッド
242 ソースワイヤ
243 ゲートワイヤ
250 封止樹脂
261、461、661 第2冷却器
262、462、662 第2ゲートドライバ(第2制御素子)
H1、H2 磁束
I1、I2 電流