(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076694
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】高濃度粉塵センサ
(51)【国際特許分類】
G01N 15/06 20240101AFI20240530BHJP
G01N 15/075 20240101ALI20240530BHJP
【FI】
G01N15/06 D
G01N15/06 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188377
(22)【出願日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】594056926
【氏名又は名称】株式会社エムシーエム
(74)【代理人】
【識別番号】100097515
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100136700
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 俊博
(72)【発明者】
【氏名】酒井 喜久雄
(72)【発明者】
【氏名】酒井 健二
(72)【発明者】
【氏名】片谷 篤史
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高濃度の粉塵濃度を長期間安定して計測することができ、計測精度を高めメンテナンス周期を大幅に伸ばすことができる高濃度粉塵センサを提供する。
【解決手段】筐体10、換気装置20、空気循環装置30、微粒子検出センサ40、及び制御装置50を備える。筐体は吸気口12と排気口14を有する。換気装置は、吸気口を通して粉塵含有空気Gを導入し排気口から排気する換気気流B1を形成し、一次除塵空間S1において重力沈降効果により粉塵Pを除去した一次処理空気A1を形成する。空気循環装置は、筐体内に換気気流と空間的又は時間的に隔離された循環気流B2を形成し、二次除塵空間S2において重力沈降効果により粉塵を再除去した微粒子含有空気A2を形成する。微粒子検出センサは、微粒子含有空気の微粒子濃度Yを計測する。制御装置は、換算係数Kを用いて微粒子濃度Yから外部粉塵濃度Xを算出する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口と排気口を有しそれ以外は密閉された中空の筐体と、
外部から前記吸気口を通して外部粉塵濃度の粉塵含有空気を導入し、筐体内の一部を換気し、前記排気口から排気する換気気流を形成する換気装置と、
前記筐体内に前記換気気流と空間的又は時間的に隔離された循環気流を形成する空気循環装置と、を備え、
前記換気装置は、前記換気気流の流速を低減し重力沈降効果により粉塵の一部を除去した一次処理空気を形成する一次除塵空間を有し、
前記空気循環装置は、前記循環気流の流速を低減し重力沈降効果により粉塵の一部を再除去した微粒子含有空気を形成する二次除塵空間を有し、
さらに、前記微粒子含有空気の微粒子濃度を計測する微粒子検出センサと、
前記換気装置、前記空気循環装置及び前記微粒子検出センサを制御し、前記微粒子濃度を前記外部粉塵濃度に換算する換算係数を用いて前記外部粉塵濃度を算出する制御装置と、を備える、高濃度粉塵センサ。
【請求項2】
前記換気装置は、前記排気口の内側に固定され前記換気気流を形成する換気ファンを有し、
前記換気気流は、前記一次除塵空間において、重力沈降効果により相対的に大径の粉塵を除去可能な流速まで減速される、請求項1に記載の高濃度粉塵センサ。
【請求項3】
前記換気装置は、前記一次除塵空間に設置され前記換気気流を拡散してその流速を低減し重力沈降効果により前記一次処理空気を形成する整流格子を有する、請求項2に記載の高濃度粉塵センサ。
【請求項4】
前記空気循環装置は、前記循環気流を形成する循環ファンを有し、
前記循環気流は、前記一次処理空気の一部を含み、かつ前記二次除塵空間において重力沈降効果により相対的に小径の粉塵を除去可能な流速まで減速される、請求項1に記載の高濃度粉塵センサ。
【請求項5】
前記循環気流の全体が前記換気気流の上流側から相対的に離れて位置し、
前記循環気流の一部が前記換気気流の下流側に相対的に近接して位置し、前記一次処理空気の一部が前記循環気流に混入する、請求項1に記載の高濃度粉塵センサ。
【請求項6】
前記制御装置は、前記換気装置と前記空気循環装置を交互に運転して、前記換気気流と前記循環気流を時間的に隔離する、請求項1に記載の高濃度粉塵センサ。
【請求項7】
前記換気装置と前記空気循環装置の運転間に両方を停止するインターバル期間を有する、請求項6に記載の高濃度粉塵センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘削中のトンネル内の粉塵濃度を計測する高濃度粉塵センサに関する。
【背景技術】
【0002】
トンネル掘削工事において、爆破や機械掘削、ズリ処理、コンクリート吹付け、等の工程において、大量の粉塵が発生する。そのため、労働安全衛生の観点から、粉塵対策に関するガイドラインが定められ、トンネル内の粉塵濃度を計測することが要望されている。
【0003】
この要望を満たすため、重量法計測器や係数法計測器の使用が推奨されている。
重量法計測器は、ろ過捕集した試料の重さを量り、空気流量で除して濃度を算出する質量濃度測定方法に基づく装置であり、精度は高いが操作が難しい。
また、係数法計測器は、相対濃度計(デジタル粉じん計)で測定したカウント数(単位時間あたりの粒子の数)に質量濃度変換係数を乗じて濃度を算出する相対濃度指示方法に基づく装置である。しかし、係数法計測器は、消費電力が大きく電池が1日持たない、高価でありかつ数か月ごとに校正を要するので費用がかかりすぎる、等の問題点がある。
【0004】
そこで、光散乱法に基づく粉塵センサデバイスを用いることが提案されている(例えば、特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-126046号公報、「微粒子検出センサ、ほこりセンサ、空調機器、および微粒子検出センサの制御方法」
【特許文献2】国際公開第2017/217078号、「光電式ほこりセンサ装置および空調機器」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
「光散乱法に基づく粉塵センサデバイス」は、受光部と発光部から構成され、検出領域に入った粒子に、発光部から赤外発光ダイオードが照射されることで、浮遊粉塵による散乱光が生じ、この散乱光を受光部で受光する。これにより、受光した光量に応じた電圧が出力される。
以下、光散乱法に基づく粉塵センサデバイスを単に、「微粒子検出センサ」と呼ぶ。かかる微粒子検出センサは、既に、数社から市販されている。
【0007】
しかし、上述した既存の微粒子検出センサを用いて、掘削中のトンネル内の粉塵濃度を計測すると、以下の問題点があった。
(1)トンネル内の粉塵濃度は、爆破や機械掘削、ズリ処理、コンクリート吹付け、等の工程において、2~3mg/m3以上の高濃度となる。
これに対し、既存の微粒子検出センサは、ハウスダクトの検出やたばこの煙の判別を主目的としており、低濃度(例えば0~0.6mg/m3)の粉塵濃度を計測するようになっている。そのため、この微粒子検出センサを用いて、掘削中のトンネル内の粉塵濃度を計測しても、検出出力が飽和してしまい高濃度の粉塵濃度を計測できない。
(2)既存の微粒子検出センサを用いて、掘削中のトンネル内の粉塵濃度を計測すると、高濃度の粉塵により短期間(例えば3週間程度)でセンサの内部機構に粉塵による汚れが発生し継続して使用できなくなる。
また、トンネル内の粉塵は、粒径が2.5μmを超える大径の粉塵を含むため、ろ過式のほこりフィルターを用いると、短時間でほこりフィルターが目詰まりし、継続して使用できなくなる。
【0008】
本発明はかかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、掘削中のトンネル内の高濃度の粉塵濃度を長期間安定して計測することができ、これにより計測精度を高めかつメンテナンス周期を大幅に伸ばすことができる高濃度粉塵センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、吸気口と排気口を有しそれ以外は密閉された中空の筐体と、
外部から前記吸気口を通して外部粉塵濃度の粉塵含有空気を導入し、筐体内の一部を換気し、前記排気口から排気する換気気流を形成する換気装置と、
前記筐体内に前記換気気流と空間的又は時間的に隔離された循環気流を形成する空気循環装置と、を備え、
前記換気装置は、前記換気気流の流速を低減し重力沈降効果により粉塵の一部を除去した一次処理空気を形成する一次除塵空間を有し、
前記空気循環装置は、前記循環気流の流速を低減し重力沈降効果により粉塵の一部を再除去した微粒子含有空気を形成する二次除塵空間を有し、
さらに、前記微粒子含有空気の微粒子濃度を計測する微粒子検出センサと、
前記換気装置、前記空気循環装置及び前記微粒子検出センサを制御し、前記微粒子濃度を前記外部粉塵濃度に換算する換算係数を用いて前記外部粉塵濃度を算出する制御装置と、を備える、高濃度粉塵センサが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の構成によれば、一次除塵空間において換気装置が換気気流の流速を低減し重力沈降効果により粉塵の一部を除去した一次処理空気を形成するので、目詰まりのおそれなく、粉塵の一部(例えば相対的に大径の粉塵)を効果的に除去することができる。
【0011】
また、二次除塵空間において空気循環装置が循環気流の流速を低減し重力沈降効果により粉塵の一部(例えば相対的に小径の粉塵)を再除去した微粒子含有空気を形成する。これにより、微粒子含有空気の粉塵濃度を既存の微粒子検出センサに適した低濃度(例えば0~0.6mg/m3)まで下げることができ、微粒子検出センサにより微粒子含有空気の微粒子濃度を正確に計測することができる。
【0012】
また、制御装置により、微粒子濃度を外部粉塵濃度に換算する換算係数を用いて外部粉塵濃度を正確に算出することができる。
【0013】
従って、掘削中のトンネル内の高濃度(例えば2~3mg/m3以上)の粉塵濃度(外部粉塵濃度)を長期間安定して計測することができ、これにより計測精度を高めかつメンテナンス周期を大幅に伸ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】特許文献1に開示された微粒子検出センサのブロック図である。
【
図2】本発明による高濃度粉塵センサの全体構成図である。
【
図3】既存の微粒子検出センサによるトンネル内の粉塵濃度の計測例を示す図である。
【
図4】本発明による高濃度粉塵センサの実施例を示す断面図である。
【
図7】試験機1、2と比較機によるトンネル内の粉塵濃度の計測結果である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0016】
図1は、特許文献1に開示された微粒子検出センサのブロック図である。微粒子検出センサは、発光素子1、駆動部2、受光部3、パルスカウンタ4、信号処理部5、および制御部6で構成されている。
【0017】
発光素子1は、検出対象の微粒子に投射光E1を投射する。発光素子1は、例えば発光ダイオード(LED)、または、レーザーダイオード(LD)等である。
【0018】
駆動部2は、発光素子1を駆動する。受光部3は、微粒子からの散乱光E2を受光する。パルスカウンタ4は、受光部3から出力されるデジタル化された2値のパルス信号をカウントする。信号処理部5は、パルスカウンタ4の計数値のデータ保持や演算を行う。制御部6は、信号処理部5と、発光素子1の駆動期間、および、パルスカウンタ4のパルスカウント期間を制御する。
【0019】
この構成により、検出領域Aに入った粒子Pに、発光素子1から赤外発光ダイオードが照射されることで、浮遊粉塵による散乱光E2が生じ、この散乱光を受光部3で受光する。これにより、受光した光量に応じた電圧が出力され、検出領域Aの粉塵濃度を計測することができる。
【0020】
図2は、本発明による高濃度粉塵センサ100の全体構成図である。
この図において、本発明による高濃度粉塵センサ100は、筐体10、換気装置20、空気循環装置30、微粒子検出センサ40、及び制御装置50を備える。
【0021】
筐体10は、中空であり、吸気口12と排気口14を有しそれ以外は密閉されている。
この例で筐体10は、内寸法が幅B、奥行きD、高さHの直方体である。高さHは幅B及び奥行きDより大きいことが好ましい。
吸気口12と排気口14は、トンネル内側(この例では図の右側)に面して、下から吸気口12、排気口14の順で設けられる。
【0022】
換気装置20は、外部から吸気口12を通して粉塵含有空気Gを導入し、筐体内の一部を換気し、排気口14から排気する換気気流B1を形成する。
換気装置20は、この例では、排気口14の内側に固定され換気気流B1を形成する換気ファン22を有する。
また、換気装置20は、換気気流B1の流速を低減し重力沈降効果により粉塵Pの一部を除去した一次処理空気A1を形成する一次除塵空間S1を有する。
【0023】
一次除塵空間S1は、換気気流B1の上流側に位置しており、空気循環装置30と比較して相対的に大径の粉塵Pを除去する。
換気気流B1は、一次除塵空間S1において、重力沈降効果により相対的に大径の粉塵Pを除去可能な流速まで減速される。除去された大径の粉塵Pは、例えば筐体10の下方に移動し堆積する。
【0024】
空気循環装置30は、筐体内に換気気流B1と空間的又は時間的に隔離された循環気流B2を形成する。
また、空気循環装置30は、循環気流B2の流速を低減し重力沈降効果により粉塵Pの一部を再除去した微粒子含有空気A2を形成する二次除塵空間S2を有する。二次除塵空間S2は、循環気流B2の中間部分、すなわち微粒子検出センサ40の外側空間に位置しており、換気装置20と比較して相対的に小径の粉塵Pを除去する。
【0025】
「空間的に隔離」とは、循環気流B2の大部分が換気気流B1と直接接触せず、換気気流B1の一部のみが例えば拡散により循環気流B2に混入する状態を意味する。
この例で、循環気流B2の全体が換気気流B1の上流側から相対的に離れて位置し、かつ循環気流B2の一部が換気気流B1の下流側に相対的に近接して位置し、一次処理空気A1の一部が循環気流B2に混入するように構成されている。
従って、この場合、循環気流B2は一次処理空気A1の一部を含む微粒子含有空気A2となる。
【0026】
「時間的に隔離」とは、換気気流B1と循環気流B2が同時には形成されない状態を意味する。
後述する実施例では、換気ファン22と循環ファン32を交互運転し、循環ファン32の停止後にインターバル期間(休止期間)を設ける運転を意味する。
この場合、換気ファン22の運転停止時に換気気流B1の流れがなくなり重力沈降効果が顕著に作用するので、循環気流B2は一次処理空気A1からさらに粉塵が除去された微粒子含有空気A2となる。
【0027】
空気循環装置30は、循環気流B2を形成する循環ファン32を有する。循環ファン32は、循環気流B2を微粒子検出センサ40の貫通孔42の一端から吸引し他端(図で右側)から排出するように位置決めされている。貫通孔42から排出された循環気流B2は、微粒子検出センサ40の外側空間を通って貫通孔42の一端に戻る循環流を形成する。
この循環気流B2は、二次除塵空間S2(微粒子検出センサ40の外側空間)において、一次処理空気A1の一部を含み、かつ重力沈降効果により相対的に小径の粉塵Pを除去可能な流速まで減速される。除去された小径の粉塵Pは、例えば筐体10の下方に移動し、一部は換気気流B1と共に排気口14から排気され、残部は筐体10の下方に堆積する。
【0028】
微粒子検出センサ40は、微粒子含有空気A2の微粒子濃度Yを計測する。
微粒子検出センサ40は、上述した既存の微粒子検出センサ(光散乱法に基づく粉塵センサデバイス)であり、その中央に貫通孔42を有し、貫通孔42の中間位置に検出領域Aが設定されている。
【0029】
制御装置50は、換気装置20、空気循環装置30及び微粒子検出センサ40を制御し、粉塵含有空気Gの粉塵濃度(以下、「外部粉塵濃度X」)を算出する。
制御装置50は、例えば入出力装置、記憶装置、及び演算装置を有するコンピュータ(例えばマイコン)である。制御装置50の設置位置は、筐体10の内部でも外部でも、筐体10から離れた遠隔地でもよい。
【0030】
制御装置50は、記憶装置に微粒子濃度Yを外部粉塵濃度Xに換算する換算係数Kを記憶する。また制御装置50は、演算装置により換算係数Kを用いて外部粉塵濃度Xを算出する。
換算係数Kは、予め本発明の高濃度粉塵センサ100と別の精密な濃度計測機(例えば、重量法計測器や係数法計測器)を用いて、微粒子濃度Yと外部粉塵濃度Xを計測して求めることができる。
【0031】
例えば、外部粉塵濃度X/微粒子濃度Y=換算係数Kと定義すると、
外部粉塵濃度X=換算係数K×微粒子濃度Yの式で求めることができる。
【0032】
制御装置50は、好ましくは、換気装置20の換気ファン22と空気循環装置30の循環ファン32を同時に運転する。この場合、換気ファン22と循環ファン32の運転を同時に停止するインターバル期間を設けてもよい。
また、制御装置50は、さらに好ましくは、換気装置20と空気循環装置30を交互に運転して、換気気流B1と循環気流を時間的に隔離してもよい。
また、換気装置20と空気循環装置30の運転間に両方を停止するインターバル期間を設けてもよい。
【実施例0033】
(既存の微粒子検出センサによる計測例)
図3は、既存の微粒子検出センサによるトンネル内の粉塵濃度の計測例を示す図である。
この図において、(A)は初期状態、(B)は50日経過後である。また各図において、横軸は1日の経過時間、縦軸はセンサ出力(無単位)である。
以下、爆破や機械掘削、ズリ処理、コンクリート吹付け、等の高濃度の粉塵が発生する時を「高粉塵時」と呼び、逆に「明らかに粉塵濃度が極めて低い時間帯」を「低粉塵時」と呼ぶ。
【0034】
図3において、初期状態(A)では、低粉塵時の出力は約90、高粉塵時の出力はは約750を示している。これに対し、50日経過後(B)では、低粉塵時出力が約550まで上昇し、高粉塵時のピーク濃度の一部は検出出力が飽和している。
低粉塵時の出力の上昇は微粒子検出センサの発光素子又は受光素子が汚れたためと考えられる。
従ってこの結果から、既存の微粒子検出センサをそのまま用いた場合、掘削中のトンネル内の粉塵濃度を精度よく長期間計測することはできないといえる。
上述の構造により、ハニカム部25の開口寸法が大きい(約3mm)ので、粉塵含有空気Gに含まれる粉塵(例えば最大直径1mm未満)がハニカム部25に詰まる可能性はほとんどない。
また、換気ファン22のファン口径d3は、吸気口12と排気口14の直径d1、d2とほぼ同一であるので、外部から吸気口12を通して導入される粉塵含有空気Gの流速は換気ファン22の送風速度(約150cm/s)と同等となる。
また、整流格子24の直径d6の中空部分がチャンバーとして作用し、粉塵含有空気Gはハニカム部25で均一に分散される。この際、吸気口12の面積に対しハニカム部25の面積が大きいので、ハニカム部25を通過する粉塵含有空気Gの流速は約40cm/sまで減速され、粉塵含有空気Gから重力沈降効果により相対的に大径の粉塵Pを除去した一次処理空気A1を形成する。