(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076698
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
B65H 31/00 20060101AFI20240530BHJP
B41J 11/00 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
B65H31/00 B
B41J11/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188385
(22)【出願日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】中田 聡
(72)【発明者】
【氏名】山田 克己
(72)【発明者】
【氏名】穴田 洋一
(72)【発明者】
【氏名】田中 当成
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 寛治
(72)【発明者】
【氏名】小宮山 雄佑
(72)【発明者】
【氏名】鹿沼 大資
【テーマコード(参考)】
2C058
3F054
【Fターム(参考)】
2C058AB07
2C058AC05
2C058AE02
2C058AF66
3F054AA01
3F054AC05
3F054BA02
3F054BC02
3F054BC09
3F054BD03
3F054BG11
(57)【要約】
【課題】排紙トレイに設けられたストッパーが収納されずに載置部が収容された状態で、操作部が閉じられた際に、装置の破損を防ぐ。
【解決手段】操作部は筐体の第1面に対して平行状態と傾斜状態とに回動可能に設けられ、排出トレイは、収容位置と使用位置とに変位可能な載置部と、収納状態と延長状態とに変位可能な延長部と、を有し、前記載置部が前記収容位置にあって、前記延長部が前記延長状態であるとき、前記延長部は、前記筐体の外部に突出し、前記第1面に直交する方向に見て、少なくとも前記延長状態の前記延長部は、前記平行状態の前記操作部とオーバーラップし、前記操作部において前記平行状態のときに前記第1面と対向する裏面と、前記延長部の先端とが当接した際に、前記延長状態から前記収納状態に変位する第1方向の力が加わる、記録装置。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に記録を行う記録部と、
前記記録部によって記録された前記媒体が排出される排出トレイと、
装置の操作を行う操作部と、
前記記録部を収容する筐体と、
を備える記録装置であって、
前記操作部は、前記筐体の第1面に対して、前記第1面に沿った平行状態と、前記第1面と交差する傾斜状態とに回動可能に設けられ、
前記排出トレイは、
前記筐体の内部に収容された収容位置と、前記筐体の前記第1面から外部に突出した使用位置と、に変位可能な載置部と、
前記載置部に収納された収納状態と、前記載置部に対して突出した延長状態と、に変位可能な延長部と、
を有し、
前記載置部が前記収容位置にあって、前記延長部が前記延長状態であるとき、前記延長部は、前記筐体の外部に突出し、
前記第1面に直交する方向に見て、少なくとも前記延長状態の前記延長部は、前記平行状態の前記操作部とオーバーラップし、
前記操作部において前記平行状態のときに前記第1面と対向する裏面と、前記延長部の先端とが当接した際に、前記延長状態から前記収納状態に変位する第1方向の力が加わる、
記録装置。
【請求項2】
前記裏面の前記先端と当接する面及び前記先端の前記裏面と当接する面の少なくとも一方は、前記第1方向と交差する、
請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記延長部は、回動軸を中心に回動して前記収納状態と、前記延長状態と、に変位可能である、
請求項1に記載の記録装置。
【請求項4】
前記裏面の前記先端と当接する当接部は、傾斜して突出している、
請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記延長部は、前記延長状態において、前記媒体の排出方向と交差する方向に突出する、
請求項3に記載の記録装置。
【請求項6】
前記先端は、前記媒体の排出方向と交差する幅方向において、前記媒体が排出される領域の中央に位置する、
請求項5に記載の記録装置。
【請求項7】
前記延長部は、並行移動可能である、
請求項1に記載の記録装置。
【請求項8】
前記延長部を前記延長状態に向けて付勢する付勢部をさらに備える、
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項9】
媒体に記録を行う記録部と、
前記記録部によって記録された媒体が排出される排出トレイと、
装置の操作を行う操作部と、
前記記録部を収容する筐体と、
を備える記録装置であって、
前記操作部は、前記筐体の第1面に対して、前記第1面に沿った平行状態と、前記第1面と交差する傾斜状態とに回動可能に設けられ、
前記排出トレイは、
前記筐体の内部に収容された収容位置と、前記筐体の前記第1面から外部に突出した使用位置と、に変位可能な載置部と、
前記載置部に収納された収納状態と、前記載置部に対して突出した延長状態と、に変位可能な延長部と、
を有し、
前記載置部が前記収容位置にあって、前記延長部が前記延長状態であるとき、前記延長部は、前記筐体の外部に突出し、
前記第1面に直交する方向に見て、少なくとも前記延長状態の前記延長部は、前記平行状態の前記操作部とオーバーラップし、
前記延長部は、前記載置部に対して変位する第1延長部と、前記第1延長部に対して軸部を中心に回動する第2延長部と、を有し、
前記軸部は、前記第1面に平行に延びる、
記録装置。
【請求項10】
前記第1面に直交する方向に見て、前記軸部を中心に回動した前記第2延長部の少なくとも一部が、前記平行状態の前記操作部とオーバーラップしない、
請求項9に記載の記録装置。
【請求項11】
前記載置部を前記収容位置と、前記使用位置と、に変位させる駆動源をさらに備える、
請求項1乃至請求項7のいずれか一項又は請求項9に記載の記録装置。
【請求項12】
前記載置部は、前記媒体の排出方向における下流が上向きになるように傾斜して支持する傾斜部を有し、
前記延長部は、前記収納状態において、前記傾斜部に収納される、
請求項1乃至請求項7のいずれか一項又は請求項9に記載の記録装置。
【請求項13】
前記載置部の変位に応じて、前記操作部を回動させる連動部をさらに備え、
前記載置部は、前記媒体の排出方向における下流が上向きになるように傾斜して支持する傾斜部を有し、
前記第1面に交差する方向に見て、前記傾斜部は、前記平行状態の前記操作部とオーバーラップする、
請求項1乃至請求項7のいずれか一項又は請求項9記載の記録装置。
【請求項14】
前記載置部において前記媒体が載置される載置面と、前記延長部において前記媒体を支持する支持面と、が交差する、
請求項1乃至請求項7のいずれか一項又は請求項9に記載の記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
媒体に画像を記録する記録装置が知られている。
記録装置は、例えば、インクジェット方式のプリンターなどである。
【0003】
特許文献1に記載された記録装置では、操作パネルが収納位置と展開位置との間で揺動可能であり、排出トレイが収納位置と展開位置との間で進退可能である(特許文献1参照。)。収納位置の操作パネルと収納位置の排出トレイとは、側面視で高さ方向にオーバーラップする領域を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、排出トレイが、メイン排出トレイと、メイン排出トレイに収納可能なサブ排出トレイである延長トレイと、を有する場合、操作パネルと延長トレイとの干渉が発生することがあった。
【0006】
例えば、特許文献1に記載された記録装置の構成において、延長トレイが設けられた場合、延長トレイが収納されずに排出トレイが収納位置に退避したとき、ユーザーが延長トレイを収納していないことに気付かずに操作パネルを閉じようとしてしまう可能性がある。このとき、操作パネルと延長トレイとが接触してしまい、装置が破損する可能性がある。
【0007】
なお、自動で排出トレイが進退する構成に限らず、ユーザーが手動で排出トレイを収納する場合においても、延長トレイを収納せずにメイントレイのみを収納した状態で操作パネルを閉じようとすると、同様な問題が発生し得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために一態様は、媒体に記録を行う記録部と、前記記録部によって記録された前記媒体が排出される排出トレイと、装置の操作を行う操作部と、前記記録部を収容する筐体と、を備える記録装置であって、前記操作部は、前記筐体の第1面に対して、前記第1面に沿った平行状態と、前記第1面と交差する傾斜状態とに回動可能に設けられ、前記排出トレイは、前記筐体の内部に収容された収容位置と、前記筐体の前記第1面から外部に突出した使用位置と、に変位可能な載置部と、前記載置部に収納された収納状態と、前記載置部に対して突出した延長状態と、に変位可能な延長部と、を有し、前記載置部が前記収容位置にあって、前記延長部が前記延長状態であるとき、前記延長部は、前記筐体の外部に突出し、前記第1面に直交する方向に見て、少なくとも前記延長状態の前記延長部は、前記平行状態の前記操作部とオーバーラップし、前記操作部において前記平行状態のときに前記第1面と対向する裏面と、前記延長部の先端とが当接した際に、前記延長状態から前記収納状態に変位する第1方向の力が加わる、記録装置である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る記録装置の一例を示す外観斜視図である。
【
図2】実施形態に係る記録装置の操作部が45度開いた状態の一例を示す外観斜視図である。
【
図3】実施形態に係る記録装置の排紙トレイが引き出された状態の一例を示す外観斜視図である。
【
図4】実施形態に係る記録装置の排紙トレイ及びストッパーが引き出された状態の一例を示す外観斜視図である。
【
図5】実施形態に係る記録装置における操作部とストッパーとの干渉を説明するための図である。
【
図6】実施形態に係る記録装置の内部の概略的な構成の一例を示す図である。
【
図7】第1実施形態に係る第1記録装置の第1ストッパーの構成の一例を示す図である。
【
図8】第1a実施形態に係る第1a記録装置の第1aストッパーの構成の他の一例を示す図である。
【
図9】第2実施形態に係る第2記録装置の第2ストッパーの構成の一例を示す図である。
【
図10】第3実施形態に係る第3記録装置の第3操作部の構成の一例を示す図である。
【
図11】第3実施形態に係る第3記録装置の第3操作部及び第3ストッパーの構成の一例を示す図である。
【
図12】第3実施形態に係る第3記録装置の第3操作部及び第3ストッパーの構成の一例を示す図である。
【
図13】第4実施形態に係る第4記録装置の第4ストッパーが収納された状態の一例を示す外観斜視図である。
【
図14】第4実施形態に係る第4記録装置の第4ストッパーが収納された状態の一例を示す断面図である。
【
図15】第4実施形態に係る第4記録装置の第4ストッパーが引き出された状態の一例を示す外観斜視図である。
【
図16】第4実施形態に係る第4記録装置の第4ストッパーが引き出された状態の一例を示す側面図である。
【
図17】第5実施形態に係る第5記録装置の第5ストッパーが引き出された状態の一例を示す外観斜視図である。
【
図18】第5実施形態に係る第5記録装置の第5ストッパーが収納された状態の一例を示す外観斜視図である。
【
図19】第5実施形態に係る第5記録装置の切換部の移動に関する構成の一例を示す外観斜視図である。
【
図20】第5実施形態に係る第5記録装置の第5ストッパーが引き出された状態の一例を示す外観斜視図である。
【
図21】第5実施形態に係る第5記録装置の第5ストッパーが引き出された状態の裏側の一例を示す外観斜視図である。
【
図22】第5実施形態に係る第5記録装置の第5ストッパーが引き出された状態の裏側の一例を示す外観斜視図である。
【
図23】第5実施形態に係る第5記録装置の第5ストッパーが収納された状態の一例を示す外観斜視図である。
【
図24】第5実施形態に係る第5記録装置の第5ストッパーが収納された状態の裏側の一例を示す外観斜視図である。
【
図25】第5実施形態に係る第5記録装置の第5保持部の一例を示す外観斜視図である。
【
図26】第5実施形態に係る第5記録装置の第5ストッパーが引き出された状態の一例を示す断面図である。
【
図27】第5実施形態に係る第5記録装置の第5ストッパーが収納された状態の一例を示す断面図である。
【
図28】第6実施形態に係る第6記録装置の第6ストッパーの構成の一例を示す外観斜視図である。
【
図29】第6実施形態に係る第6記録装置の第6ストッパーの構成の一例を示す側面図である。
【
図30】第6実施形態に係る第6記録装置の第6ストッパーの構成の一例を示す側面図である。
【
図31】第6実施形態に係る第6記録装置の第6ストッパーの構成の一例を示す側面図である。
【
図32】第7実施形態に係る第7記録装置の第7排紙トレイが引き出されて第7ストッパーが引き出された状態の一例を示す外観斜視図である。
【
図33】第7実施形態に係る第7記録装置の第7排紙トレイが引き出されて第7ストッパーが引き出された状態の裏側の一例を示す外観斜視図である。
【
図34】第7実施形態に係る第7記録装置の第7排紙トレイが引き出されて第7ストッパーが収納された状態の裏側の一例を示す外観斜視図である。
【
図35】第7実施形態に係る第7記録装置の第7排紙トレイが収納されて第7ストッパーが収納された状態の一例を示す外観斜視図である。
【
図36】第7実施形態に係る第7記録装置の第7排紙トレイが収納されて第7ストッパーが収納された状態の裏面の一例を示す外観斜視図である。
【
図37】第7実施形態に係る第7記録装置の第7案内部の裏面の一例を示す外観斜視図である。
【
図38】第7実施形態に係る第7記録装置の第7ストッパーの一例を示す外観斜視図である。
【
図39】第7実施形態に係る第7記録装置の第7案内部と第7ストッパーとの係合の一例を示す側面図である。
【
図40】第7実施形態に係る第7記録装置の第7案内部と第7ストッパーとの係合の解放の一例を示す側面図である。
【
図41】第7実施形態に係る第7記録装置の補助トレイの一例を示す外観斜視図である。
【
図42】第8記録装置の第8操作部と第8排紙トレイとの連動機構を説明するための図である。
【
図43】第8記録装置の第8操作部と第8排紙トレイとの連動機構を説明するための図である。
【
図44】第8記録装置の第8操作部と第8排紙トレイとの連動機構を説明するための図である。
【
図45】第8記録装置の第8操作部と第8排紙トレイとの連動機構を説明するための図である。
【
図46】第8記録装置の第8操作部と第8排紙トレイとの連動機構を説明するための図である。
【
図47】第8記録装置の第8操作部と第8排紙トレイとの連動機構を説明するための図である。
【
図48】第8a記録装置の第8a操作部と第8a排紙トレイとの他の位置関係の例を示す図である。
【
図49】第8a記録装置の第8a操作部と第8a排紙トレイとの他の位置関係の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1~
図6を参照して、実施形態に係る記録装置1の概略を説明する。
図1は、実施形態に係る記録装置1の一例を示す外観斜視図である。
図1には、説明の便宜上、三次元直交座標軸であるXYZ直交座標軸を示してある。
本実施形態では、X軸に平行な方向が記録装置1の幅方向に相当し、Y軸に平行な方向が記録装置1の奥行き方向である前後方向に相当し、Z軸に平行な方向が記録装置1の高さ方向である上下方向に相当する。
本実施形態では、Y軸の負側における記録装置1の面を前面と呼んで説明する。
【0012】
本実施形態では、記録装置1は、載置台に載置された原稿を読み取るスキャナーを備えるインクジェット方式のプリンターである。このような記録装置1は、複合機と呼ばれてもよい。なお、上記のスキャナーに加えてあるいは上記のスキャナーに代えて、原稿を搬送しながら読み取る自動原稿搬送式のスキャナーを備えていても良い。また、スキャナーを備えないプリンターであっても良い。
ここで、プリンターとしては、必ずしもインクジェット方式のプリンターに限られず、レーザー方式のプリンターが用いられてもよい。
本実施形態では、印刷対象の媒体は、紙であり、用紙などと呼ばれてもよい。なお、印刷対象の媒体としては、必ずしも紙でなくてもよく、例えば、補助トレイを用いて、媒体としてCD-R(Compact Disc Recordable)が用いられてもよい。
なお、スキャナーについては、詳しい説明を省略する。
【0013】
記録装置1は、筐体11と、操作部21と、を備える。
説明の便宜上、記録装置1の筐体11の前面を第1面A1とも呼ぶ。
本実施形態では、操作部21は、パネル状となっており、パネル部と呼ばれてもよい。
操作部21は、前面において、上下方向のうちの上方の一部の面を構成している。
図1の例では、操作部21の面が第1面A1と平行である平行状態を示してある。
図1の例では、排紙トレイ31の載置部41が収納位置にあるため、筐体11によって見えない載置部41は図示されていない。
【0014】
ここで、操作部21は、例えば、幅方向の中央部などに液晶部分を有し、タッチパネルでユーザーからの操作を受け付ける構成を有していてもよい。
また、操作部21は、例えば、物理的なキー又はボタンなどを備えて、これによりユーザーからの操作を受け付ける構成を有していてもよい。
【0015】
図2は、実施形態に係る記録装置1の操作部21が45度開いた状態の一例を示す外観斜視図である。
図2には、
図1と同様なXYZ直交座標軸を示してある。
図2の例では、操作部21の面が第1面A1と交差する傾斜状態を示してある。
具体的には、操作部21の面の上端付近に、第1面A1と平行であり幅方向に延びる回転軸が設けられている。そして、操作部21は、当該回転軸を中心軸として回動可能である。
図2の例では、操作部21の下端が前方に突出するように、操作部21が45度回動されている。
図2の例では、排紙トレイ31の載置部41が収納位置にある。
図2には、操作部21の前面の反対側の面である裏面B1を示してある。
【0016】
操作部21は、
図1に示されるように収納状態であるときには、記録装置1の設置面に対して垂直であり、記録装置1の前面を構成する。一方、操作部21は、使用される際には、
図2に示されるように、ユーザーが操作し易いように任意の角度の傾斜に変更することが可能である。
ここで、本実施形態では、操作部21は、任意の角度の傾斜状態で停止することが可能な構成となっている。
なお、本実施形態では、操作部21の開閉は、手動で行われてもよく、あるいは、記録装置1により自動で行われてもよい。
【0017】
図3は、実施形態に係る記録装置1の排紙トレイ31が引き出された状態の一例を示す外観斜視図である。
図3には、
図1と同様なXYZ直交座標軸を示してある。
図3の例では、操作部21の面が第1面A1と交差する傾斜状態を示してある。
図3の例では、排紙トレイ31の載置部41が使用位置にある。本実施形態では、印刷が行われない場合には、載置部41が収容位置とされて筐体11の内部に収容されることで、記録装置1が占めるスペースを小さくすることが可能である。
本実施形態では、上下方向に関して、排紙トレイ31と比べて上方に、操作部21が位置する配置が用いられている。
【0018】
排紙トレイ31は、載置部41と、ストッパー61と、を備える。
載置部41は、前方に、媒体の落下を防止する傾斜部51を有する。傾斜部51は、排紙トレイ31の載置部41の先端部分に設けられており、排出した用紙が落下しないように上向きの角度がついた斜面を持っている。
載置部41は、上面が載置面A11となっている。載置面A11は、例えば、用紙の重心を含んだ面積のほとんどを保持するために大型に形成されている場合が多い。
載置部41は、メイン排紙トレイなどと呼ばれてもよい。メイン排紙トレイは、メイン排出トレイの一例である。
ストッパー61は、サブ排紙トレイなどと呼ばれてもよい。サブ排紙トレイは、サブ排出トレイの一例である。
図3の例では、ストッパー61が収納された収納状態を示してある。
【0019】
ここで、排紙トレイ31は、記録装置1の記録部111で印刷された用紙を排出する際に、ユーザーによって当該用紙を取り出し易くする。
排紙トレイ31は、記録装置1の前方に張り出しているため、未使用時には収納可能な構成となっている。排紙トレイ31は、収納時には操作部21よりも後ろ側に隠れており、使用時には使用位置に移動させられる。
排紙トレイ31を移動させる構成としては、例えば、ユーザーの手動により排紙トレイ31を移動させる構成が用いられてもよく、あるいは、記録装置1により自動で排紙トレイ31を移動させる構成が用いられてもよい。記録装置1により自動で排紙トレイ31を移動させる構成としては、例えば、排紙トレイ31を収納位置から使用位置に自動で引き出す構成と、排紙トレイ31を使用位置から収納位置に自動でしまう構成と、の一方又は両方が用いられてもよい。
【0020】
図4は、実施形態に係る記録装置1の排紙トレイ31及びストッパー61が引き出された状態の一例を示す外観斜視図である。
図4には、
図1と同様なXYZ直交座標軸を示してある。
図4の例では、操作部21の面が第1面A1と交差する傾斜状態を示してある。
図4の例では、排紙トレイ31の載置部41が使用位置にある。
図4の例では、ストッパー61が延長された延長状態を示してある。
【0021】
本実施形態では、排紙トレイ31の載置部41の先端に設けられたストッパー61により、A4普通紙などのように軽い用紙を高速印刷及び排紙した際などに当該用紙が記録装置1から落下して散乱しないように支持する。ストッパー61は、例えば、載置部41の面に対して所定の角度がついた状態で使用される。
【0022】
図5は、実施形態に係る記録装置1における操作部21とストッパー61との干渉を説明するための図である。
図5には、
図1と同様なXYZ直交座標軸を示してある。
【0023】
図5の例では、X軸の正側から負側に向かう視点で見た場合について、記録装置1の側面を示してある。
図5に示されるように、本実施形態では、ストッパー61が引き出された状態で載置部41の引き出し又は収納が行われると、操作部21の位置によっては、ストッパー61と操作部21とが干渉して、破損する可能性がある。
【0024】
具体例として、ユーザーが手動でストッパー61を収納状態と延長状態との間で変位させる構成では、ストッパー61が延長状態のまま、載置部41の収納が行われた状態で、操作部21が傾斜状態から平行状態に閉じられる可能性がある。
【0025】
図6は、実施形態に係る記録装置1の内部の概略的な構成の一例を示す図である。
図6には、
図1と同様なXYZ直交座標軸を示してある。
【0026】
記録装置1は、記録部111と、カセット121と、給紙ローラー131と、反転ローラー132と、紙送りローラー133と、従動ローラー134と、排紙ローラー135と、従動ギザローラー136と、排出トレイ駆動ピニオン141と、駆動源161と、を備える。
【0027】
ここで、下側の紙送りローラー133と上側の従動ローラー134とが組み合わせられている。
下側の排紙ローラー135と上側の従動ギザローラー136とが組み合わされている。
本実施形態では、給紙ローラー131、反転ローラー132、紙送りローラー133、従動ローラー134、排紙ローラー135、及び、従動ギザローラー136から、搬送ローラーが構成されている。
【0028】
駆動源161は、例えば、モーターを含む。
駆動源161は、搬送ローラーを駆動する。
また、駆動源161は、搬送ローラー以外の構成部を駆動することに兼用されてもよい。例えば、駆動源161は、搬送ローラーの駆動と、排紙トレイ31の駆動と、を行ってもよい。この場合、記録装置1において、排紙トレイ31の動作が自動化される。
【0029】
本実施形態では、媒体が搬送されていく側を下流と呼び、その逆の側を上流と呼ぶ。つまり、媒体は上流から下流へ搬送される。
カセット121に収納された媒体が、給紙ローラー131により取り出されて、反転ローラー132、紙送りローラー133及び従動ローラー134、排紙ローラー135及び従動ギザローラー136を経由して、排紙トレイ31の載置面A11に排紙される。
紙送りローラー133及び従動ローラー134の位置と、排紙ローラー135及び従動ギザローラー136の位置との間に、記録部111が配置されている。
【0030】
記録部111は、媒体に、印刷対象の画像を印刷する。
記録部111は、例えば、キャリッジに搭載されており、キャリッジの移動に伴って移動することで、媒体の所定範囲に印刷を行う。
記録部111は、例えば、印字部又は印刷部などと呼ばれてもよい。
【0031】
記録部111は、媒体に記録を行う。
排紙トレイ31は、記録部111によって記録された媒体が排出される排出トレイの一例である。
操作部21は、装置の操作を行う。
筐体11は、記録部111を収容する。
操作部21は、筐体11の第1面A1に対して、第1面A1に沿った平行状態と、第1面A1と交差する傾斜状態とに回動可能に設けられている。
排紙トレイ31の載置部41は、筐体11の内部に収容された収容位置と、筐体11の第1面A1から外部に突出した使用位置と、に変位可能である。
排紙トレイ31のストッパー61は、載置部41に収納された収納状態と、載置部41に対して突出した延長状態と、に変位可能な延長部の一例である。
【0032】
載置部41が収容位置であって、ストッパー61が延長状態であるとき、ストッパー61は、筐体11の外部に突出する。
また、第1面A1に直交する方向であるY方向に見て、少なくとも延長状態のストッパー61は、平行状態の操作部21とオーバーラップする。
なお、操作部21が平行状態で、載置部41が収容位置であるときにはストッパー61が収納状態となるように構成される場合には、ストッパー61と操作部21とが干渉してしまうため、操作部21が平行状態で、載置部41が収容位置であってストッパー61が延長状態である場合は生じないが、ここでは、ストッパー61と操作部21との配置関係を説明するために、その場合について説明した。
【0033】
記録装置1は、載置部41を収容位置と、使用位置と、に変位させる駆動源161を備える。
なお、これに関して他の構成が用いられてもよい。
【0034】
載置部41は、媒体の排出方向における下流が上向きになるように傾斜して支持する傾斜部51を有する。ストッパー61は、収納状態において、傾斜部51に収納される。
なお、これに関して他の構成が用いられてもよい。
【0035】
載置部41において媒体が載置される載置面A11と、ストッパー61において媒体を支持する支持面A12と、が交差する。
なお、これに関して他の構成が用いられてもよい。
【0036】
以降の各実施形態では、
図1~
図6に示される記録装置1に各実施形態に係る特徴的な構成を適用した記録装置を例示して説明する。
このため、以降の各実施形態では、
図1~
図6に示される記録装置1と同様な構成部については、同じ符号を用いて説明する。
また、以降の各実施形態では、各実施形態に係る特徴的な構成の説明において参照しない部分について、符号の図示を省略する場合がある。
また、以降の各実施形態では、説明の便宜上、同じ名称の構成部を区別するために、第1あるいは第2などのように数字等を用いて区別する場合がある。なお、各構成部の名称は、説明の便宜上のものであり、他の名称で呼ばれてもよい。
【0037】
第1実施形態について説明する。
図7を参照して、第1実施形態に係る第1記録装置201を説明する。
【0038】
図7は、第1実施形態に係る第1記録装置201の第1ストッパー261の構成の一例を示す図である。
図7には、
図1と同様なXYZ直交座標軸を示してある。
図7の例では、第1記録装置201のうち、第1排紙トレイ231の前方の部分のみを図示してある。本実施形態では、第1記録装置201の他の部分については、
図1~
図6の例と同様であり、詳しい説明を省略する。
【0039】
第1ストッパー261は、第1載置部241のうち、第1ストッパー261が設けられる第1傾斜部251の箇所の傾斜面に平行な板状の形状を有している。
図7には、第1ストッパー261の第1回動軸C1の位置を示してある。
上下方向に沿った視線で見た場合、第1ストッパー261は長方形状の形状を有しており、その長方形の一端付近が第1回動軸C1を中心軸として第1載置部241に対して回動可能に構成されている。これにより、第1ストッパー261は、回動によって、収納状態と延長状態とで切り換え可能である。
図7には、第1ストッパー261の回動方向である第1回動方向D1を示してある。
【0040】
第1ストッパー261は、先端に近い位置に、第1把手部W1を有している。
第1把手部W1は、ユーザーの指によって引っ掛けられることが可能である。
なお、第1把手部W1は、例えば、窪み形状を有しているが、他の形状を有していてもよい。
【0041】
本実施形態では、第1ストッパー261が最も引き出された状態で、第1ストッパー261の長辺方向が、第1面A1に対して垂直方向と交差している。つまり、当該長辺方向は、第1面A1に対して90度未満の角度で交差している。
このように、第1ストッパー261が延長状態にあるとき、第1ストッパー261の長辺方向は排出方向に対して0よりも大きい所定の角度を有する。
【0042】
操作部21において平行状態のときに第1面A1と対向する裏面B1と、第1ストッパー261の第1先端E1とが当接した際に、第1ストッパー261が延長状態から収納状態に変位する第1方向F1の力が加わる。
当該力によって、ユーザーが手動で第1ストッパー261を収納状態にしなくても、第1載置部241が収容位置にあるときに、操作部21が傾斜状態から平行状態にされると、第1ストッパー261が自動的に延長状態から収納状態に変位する。
したがって、操作部21の裏面B1と第1ストッパー261の第1先端E1とが当接した際に、第1ストッパー261が延長状態から収納状態に変位する第1方向F1の力が加わることで、操作部21を閉じる力によって第1ストッパー261を収納する方向に変位させることができ、破損を抑制することができる。
【0043】
ここで、本実施形態では、例えば、操作部21の裏面B1と第1ストッパー261の第1先端E1とが当接した際に、第1ストッパー261が延長状態から収納状態に変位する第1方向F1の力が加わるように、操作部21の裏面B1と第1ストッパー261の第1先端E1との一方又は両方の形状を構成する。
また、操作部21の裏面B1と第1ストッパー261の第1先端E1とが当接した際に、第1ストッパー261が延長状態から収納状態に変位する第1方向F1の力は、例えば、第1ストッパー261が延長状態にある平衡状態を崩すときの変位方向の力を表すが、他の例として、当該変位方向の力を分力として含む力であってもよい。
【0044】
このような構成では、第1ストッパー261が排出方向に対して所定の角度を持つことから、操作部21が閉じられて、操作部21と第1ストッパー261とが干渉した際に、操作部21が下がるときの力を第1回動方向D1の力に分力させることで、第1ストッパー261を収納することができる。
【0045】
操作部21の裏面B1の第1先端E1と当接する面及び第1先端E1の裏面B1と当接する面の少なくとも一方は、第1方向F1と交差する。
したがって、操作部21の裏面B1の当接面の形状と第1ストッパー261の第1先端E1の当接面の形状との少なくとも一方の形状を変えるだけで、操作部21を閉じる力によって第1ストッパー261を収納する方向に変位させることを容易に実現することができる。
【0046】
第1ストッパー261は、第1回動軸C1を中心に回動して収納状態と、延長状態と、に変位可能である。
したがって、回動して収納する第1ストッパー261に対して、操作部21を閉じる力によって第1ストッパー261を収納する方向に変位させることができる。第1ストッパー261を回動して収納する構成とすることによって、搬送方向において収納領域を小さくすることができる。このため、第1載置部241の先端部を上向きに傾斜する設計などのように、設計の自由度を拡げることができる。
【0047】
第1ストッパー261は、延長状態において、媒体の排出方向と交差する方向に突出する。
したがって、第1ストッパー261が斜めになった状態で媒体を受けるため、幅方向において広い範囲を支持することができる。第1ストッパー261が斜めに配置されることで、第1ストッパー261の角で操作部21の裏面と当接するため、第1方向F1に力が加わるようにできる。
【0048】
第1記録装置201は、第1ストッパー261を延長状態に向けて付勢する付勢部を備える。
図7の例では、当該付勢部の第1付勢方向G1を示してある。当該付勢部は、例えば、ねじりバネなどを用いて構成されてもよい。
したがって、第1ストッパー261が延長状態に向けて付勢されているため、操作部21によって収納状態にされていない場合には延長状態となるため、ユーザーが延長させる必要がない。
なお、これに関して他の構成が用いられてもよい。
【0049】
例えば、第1載置部241は、媒体の排出方向における下流が上向きになるように傾斜して支持する第1傾斜部251を有する。
第1ストッパー261は、収納状態において、第1傾斜部251に収納される。
したがって、第1傾斜部251があることで、排出された媒体の飛び出しを抑制することができる。さらに、第1傾斜部251に第1ストッパー261を収納することで、装置の小型化が可能である。
なお、これに関して他の構成が用いられてもよい。
【0050】
ここで、第1傾斜部251は、例えば、上流から下流になるほど上方に位置し、つまり、上流から下流になるほど、重力とは逆の向きに位置する。
【0051】
例えば、第1載置部241において媒体が載置される第1載置面A21と、第1ストッパー261において媒体を支持する第1支持面A22と、が交差する。
したがって、第1載置面A21に対して第1ストッパー261が傾斜しているため、媒体の飛び出しを抑制することができる。
なお、これに関して他の構成が用いられてもよい。
【0052】
例えば、第1記録装置201は、第1載置部241を収容位置と、使用位置と、に変位させる駆動源161を備えてもよい。
したがって、自動で第1排紙トレイ231が移動することでユーザビリティが向上する。例えば、第1ストッパー261が延長状態のまま自動で第1排紙トレイ231が収納されると、ユーザーは第1ストッパー261が延長状態であることに気付かずに操作部21を閉じてしまう可能性が高くなるが、このような場合でも、破損を抑制することができる。
なお、これに関して他の構成が用いられてもよい。
【0053】
ここで、第1載置部241の駆動源は、必ずしも搬送ローラーの駆動源161と同じでなくてもよく、別の駆動源が第1記録装置201に備えられてもよい。
【0054】
以上のように、本実施形態に係る第1記録装置201では、第1排紙トレイ231に設けられた第1ストッパー261が収納されずに第1載置部241が収容された状態で、操作部21が閉じられた際に、装置の破損を防ぐことができる。
本実施形態に係る第1記録装置201では、このような際に、操作部21が閉じる力によって、収納されていない第1ストッパー261が収納される。
【0055】
このように、本実施形態に係る第1記録装置201では、第1排紙トレイ231の先端にあり用紙の落下を防止する第1ストッパー261を、操作部21が閉じる動きに連動して、収納する構成とした。本実施形態では、第1ストッパー261は、使用される延長状態で、媒体の排出方向に対して所定の角度を有している。
本実施形態では、例えば、ユーザーが意識せずに第1ストッパー261の収納が行われるため、ユーザーが収納し忘れた第1ストッパー261と閉じられる操作部21とが干渉して破損することを防ぐことができる。また、本実施形態では、例えば、第1ストッパー261の収納を行うための動力を不要とすることができ、簡単な機構により第1ストッパー261を収納位置に変位させることができる。
【0056】
図8を参照して、第1a実施形態に係る第1a記録装置201aを説明する。
図8は、第1a実施形態に係る第1a記録装置201aの第1aストッパー261aの構成の他の一例を示す図である。
図8には、
図1と同様なXYZ直交座標軸を示してある。
図8の例では、第1a記録装置201aのうち、第1a排紙トレイ231aの前方の部分のみを図示してある。本実施形態では、第1a記録装置201aの他の部分については、
図1~
図6の例と同様であり、詳しい説明を省略する。
【0057】
第1a記録装置201aは、
図7に示される第1記録装置201の変形例である。
第1a記録装置201aについて、
図7に示される第1記録装置201と相違する点を説明する。
【0058】
第1aストッパー261aの第1a先端E1aは、媒体の排出方向と交差する第1幅方向H1において、媒体が排出される領域の中央に位置する。
したがって、第1aストッパー261aの第1a先端E1aが媒体の第1幅方向H1における中央に位置するため、第1aストッパー261aが確実に媒体を支持することができる。
【0059】
ここで、
図8の例では、第1a載置部241aに対して第1aストッパー261aが最も引き出された延長状態にあるとき、第1aストッパー261aの第1a先端E1aは、媒体の排出方向と交差する第1幅方向H1において、媒体が排出される領域の中央に位置している。
このように、排出方向に対して所定の角度を持つ第1aストッパー261aの第1a先端E1aが第1幅方向H1の中心又はその付近と一致することで、第1aストッパー261aにより、例えば、大きいサイズの用紙が排紙される際に、当該用紙の幅方向の中央又はその付近で当該用紙を保持することができる。
なお、
図8には、第1aストッパー261aの第1a回動軸C1aの位置も示してある。
図7では、第1ストッパー261の第1回動軸C1が、第1幅方向H1において、媒体が排出される領域の中央に位置しているが、
図8では、第1aストッパー261aの第1a回動軸C1aが、第1幅方向H1において、媒体が排出される領域の中央からずれた位置に位置している。
【0060】
以上のように、本実施形態に係る第1a記録装置201aでは、第1a排紙トレイ231aに設けられた第1aストッパー261aが収納されずに第1a載置部241aが収容された状態で、操作部21が閉じられた際に、装置の破損を防ぐことができる。
本実施形態に係る第1a記録装置201aでは、このような際に、操作部21が閉じる力によって、収納されていない第1aストッパー261aが収納される。
【0061】
第2実施形態について説明する。
図9を参照して、第2実施形態に係る第2記録装置301を説明する。
図9は、第2実施形態に係る第2記録装置301の第2ストッパー361の構成の一例を示す図である。
図9には、
図1と同様なXYZ直交座標軸を示してある。
図9の例では、第2記録装置301のうち、第2排紙トレイ331の前方の部分のみを図示してある。本実施形態では、第2記録装置301の他の部分については、
図1~
図6の例と同様であり、詳しい説明を省略する。
【0062】
第2記録装置301について、
図7に示される第1記録装置201と相違する点を説明する。
本実施形態の構成は、例えば、第1実施形態、又は、第1a実施形態のそれぞれに適用されてもよい。
【0063】
第2ストッパー361は、延長状態において、媒体の排出方向と同じ方向に突出する。
第2ストッパー361は、第2先端E2の裏面B1と当接する面である当接面371は、第2方向F2と交差する。
【0064】
ここで、第2方向F2は、操作部21の裏面B1と第2ストッパー361の第2先端E2とが当接した際に、第2ストッパー361が延長状態から収納状態に変位する方向である。
また、
図9の例では、第2ストッパー361の第2先端E2の当接面371は、X軸の負側に位置しているが、他の例として、X軸の正側に位置してもよく、この場合、第2ストッパー361が延長状態から収納状態に変位するときの回動方向が逆になる。
【0065】
このように、第2ストッパー361は、第2先端E2の形状として、所定の角度を持つ斜面の形状、又は、曲率を持つ形状を備える。これにより、第2ストッパー361は、操作部21が閉じる向きの力を第2方向F2の力に変えることができる。第2方向F2は、例えば、幅方向に平行な方向であり、延長状態にある第2ストッパー361を収納状態に向けて変位させる方向である。
図9の例では、第2ストッパー361が延長状態にあるとき、第2ストッパー361の長辺方向は、排出方向に平行である。
なお、
図9には、第2載置部341、及び、第2ストッパー361の第2回動軸C2も示してある。
【0066】
以上のように、本実施形態に係る第2記録装置301では、第2排紙トレイ331に設けられた第2ストッパー361が収納されずに第2載置部341が収容された状態で、操作部21が閉じられた際に、装置の破損を防ぐことができる。
本実施形態に係る第2記録装置301では、このような際に、操作部21が閉じる力によって、収納されていない第2ストッパー361が収納される。
【0067】
このように、本実施形態に係る第2記録装置301では、第2排紙トレイ331の先端にあり用紙の落下を防止する第2ストッパー361を、操作部21が閉じる動きに連動して、収納する構成とした。本実施形態では、第2ストッパー361の先端形状が、使用される延長状態で、媒体の排出方向に対して所定の角度を有している。
【0068】
第3実施形態について説明する。
図10~
図12を参照して、第3実施形態に係る第3記録装置401を説明する。
図10は、第3実施形態に係る第3記録装置401の第3操作部421の構成の一例を示す図である。
図11は、第3実施形態に係る第3記録装置401の第3操作部421及び第3ストッパー461の構成の一例を示す図である。
図12は、第3実施形態に係る第3記録装置401の第3操作部421及び第3ストッパーの461の構成の一例を示す図である。
図12には、それぞれ、
図1と同様なXYZ直交座標軸を示してある。
図10~
図12の例では、第3記録装置401のうち、第3排紙トレイ431の前方の部分及び第3操作部421のみを図示してある。本実施形態では、第3記録装置401の他の部分については、
図1~
図6の例と同様であり、詳しい説明を省略する。
【0069】
第3記録装置401について、
図7に示される第1記録装置201、
図8に示される第1a記録装置201a、又は、
図9に示される第2記録装置301と相違する点を説明する。
【0070】
第3操作部421の第3裏面B13の第3先端E3と当接する当接部471は、傾斜して突出している。
したがって、第3操作部421の第3裏面B13に傾斜した当接部471を設けるだけで、第3操作部421を閉じる力によって第3ストッパー461を収納する方向に変位させることを容易に実現することができる。
【0071】
図12には、第3排紙トレイ431の第3載置部441が収容位置にあり、第3ストッパー461が延長状態にあるときについて、第3操作部421と第3ストッパー461との位置関係を示してある。
図12に示される状態で、第3操作部421が傾斜状態から平行状態に変位させられるとき、第3操作部421の第3裏面B13の当接部471が第3ストッパー461の第3先端E3と衝突することで、第3ストッパー461を収納する方向に変位させることができる。
【0072】
このように、第3操作部421の第3裏面B13には、第3ストッパー461と干渉する位置に、第3操作部421が閉じる向きの力を第3ストッパー461が収納される向きの力に変える斜面を有する当接部471が備えられている。
図11の例では、X軸の負側の方が突起が高くX軸の正側に行くにしたがい突起が低くなる当接部471が備えられている。当接部471の斜面により、第3操作部421が閉じた際に、排出方向に対してより角度のある方向に第3ストッパー461を回動させることができる。
【0073】
以上のように、本実施形態に係る第3記録装置401では、第3排紙トレイ431に設けられた第3ストッパー461が収納されずに第3載置部441が収容された状態で、第3操作部421が閉じられた際に、装置の破損を防ぐことができる。
本実施形態に係る第3記録装置401では、このような際に、第3操作部421が閉じる力によって、収納されていない第3ストッパー461が収納される。
【0074】
このように、本実施形態に係る第3記録装置401では、第3排紙トレイ431の先端にあり用紙の落下を防止する第3ストッパー461を、第3操作部421が閉じる動きに連動して、収納する構成とした。本実施形態では、第3操作部421の裏面において第3ストッパー461と干渉する位置に、第3操作部421が閉じる向きの力を第3ストッパー461を収納する向きの力に変換する傾斜面が設けられている。
【0075】
第4実施形態について説明する。
図13~
図16を参照して、第4実施形態に係る第4記録装置501を説明する。
図13は、第4実施形態に係る第4記録装置501の第4ストッパー561が収納された状態の一例を示す外観斜視図である。
図14は、第4実施形態に係る第4記録装置501の第4ストッパー561が収納された状態の一例を示す断面図である。
図15は、第4実施形態に係る第4記録装置501の第4ストッパー561が引き出された状態の一例を示す外観斜視図である。
図16は、第4実施形態に係る第4記録装置501の第4ストッパー561が引き出された状態の一例を示す側面図である。
図13~
図16には、それぞれ、
図1と同様なXYZ直交座標軸を示してある。
図13~
図16の例では、第4記録装置501のうち、第4排紙トレイ531の前方の部分のみを図示してある。本実施形態では、第4記録装置501の他の部分については、
図1~
図6の例と同様であり、詳しい説明を省略する。
【0076】
本実施形態に係る第4ストッパー561の構成は、例えば、第1実施形態、第1a実施形態、第2実施形態、又は、第3実施形態の場合と比べて、回動の機構ではなく、延長方向に移動可能な機構が用いられている点で相違する。
【0077】
図13には、第4ストッパー561が収納状態にあるときについて、第4載置部541、第4ストッパー561及び案内部65の位置関係を示してある。
図14には、この状態について、第4載置部541の幅方向の中央付近における断面を、X軸の正側から負側の視点で見た様子の一例を示してある。当該断面は、YZ平面に平行な面である。
図14に示されるように、第4ストッパー561は、第4載置部541と案内部65との間に収納されている。
【0078】
図15には、第4ストッパー561が延長状態にあるときについて、第4載置部541、第4ストッパー561及び案内部65の位置関係を示してある。
図16には、この状態について、第4載置部541、第4ストッパー561及び案内部65を、X軸の正側から負側の視点で見た様子の一例を示してある。
【0079】
ここで、第4ストッパー561の延長方向の形状は、第4ストッパー561を収納する部分である、第4載置部541の第4載置面と案内部65との間の空洞の形状に応じた形状となっており、本実施形態では、第4載置部541の第4載置面と案内部65の下面との間の空洞に応じた円弧状の形状となっている。つまり、第4ストッパー561は、当該空洞に収納され得る形状を有しており、例えば、当該空洞の形状に似た形状を有していてもよい。
【0080】
第4ストッパー561は、並行移動可能である。
したがって、第4排紙トレイ531の移動方向に沿って収納する第4ストッパー561に対して、操作部21を閉じる力によって第4ストッパー561を収納する方向に変位させることを容易に実現することができる。
【0081】
ここで、本実施形態では、第4ストッパー561の延長方向の形状として、円弧に近い形状が用いられているが、他の形状が用いられてもよく、例えば、第4ストッパー561を収納する部分である、第4載置部541と案内部65との間の空洞の形状に応じた形状が用いられてもよい。
なお、第4ストッパー561の延長方向の形状としては、必ずしも曲率を持つ形状でなくてもよく、例えば、直線の形状、又は、2以上の直線が組み合わされた形状などが用いられてもよい。
【0082】
本実施形態では、第4ストッパー561の延長方向の形状は円弧状であり、第4排紙トレイ531の第4載置部541の上面と案内部65の下面との間の厚み部分に、第4ストッパー561を収納することが可能である。
例えば、第4ストッパー561は、延長状態に引き出された後、所定の半固定手法により、延長状態に引き出された位置を保持してもよい。そして、操作部21が閉じられる際に、当該半固定手法による半固定が解除されて、第4ストッパー561が円弧に沿って収納されることで、第4ストッパー561の破損を防止することができる。
なお、当該半固定手法としては、特に限定はなく、様々な手法が用いられてもよい。
【0083】
ここで、第4記録装置501は、第4ストッパー561を延長状態に向けて付勢する付勢部を備えてもよい。
この場合、第4ストッパー561が延長状態に向けて付勢されているため、操作部21などによって収納状態にされていない場合には延長状態となるため、ユーザーが延長させる必要がない。当該付勢部は、例えば、バネなどを用いて構成されてもよい。
なお、これに関して他の構成が用いられてもよい。
【0084】
以上のように、本実施形態に係る第4記録装置501では、第4排紙トレイ531に設けられた第4ストッパー561が収納されずに第4載置部541が収容された状態で、操作部21が閉じられた際に、装置の破損を防ぐことができる。
本実施形態に係る第4記録装置501では、このような際に、操作部21が閉じる力によって、収納されていない第4ストッパー561が収納される。
【0085】
第5実施形態について説明する。
図17~
図27を参照して、第5実施形態に係る第5記録装置601を説明する。
図17は、第5実施形態に係る第5記録装置601の第5ストッパー661が引き出された状態の一例を示す外観斜視図である。
図18は、第5実施形態に係る第5記録装置601の第5ストッパー661が収納された状態の一例を示す外観斜視図である。
図19は、第5実施形態に係る第5記録装置601の切換部672の移動に関する構成の一例を示す外観斜視図である。
図20は、第5実施形態に係る第5記録装置601の第5ストッパー661が引き出された状態の一例を示す外観斜視図である。
図21は、第5実施形態に係る第5記録装置601の第5ストッパー661が引き出された状態の裏側の一例を示す外観斜視図である。
図22は、第5実施形態に係る第5記録装置601の第5ストッパー661が引き出された状態の裏側の一例を示す外観斜視図である。
図23は、第5実施形態に係る第5記録装置601の第5ストッパー661が収納された状態の一例を示す外観斜視図である。
図24は、第5実施形態に係る第5記録装置601の第5ストッパー661が収納された状態の裏側の一例を示す外観斜視図である。
図25は、第5実施形態に係る第5記録装置601の第5保持部671の一例を示す外観斜視図である。
図26は、第5実施形態に係る第5記録装置601の第5ストッパー661が引き出された状態の一例を示す断面図である。
図27は、第5実施形態に係る第5記録装置601の第5ストッパー661が収納された状態の一例を示す断面図である。
図17~
図24、
図26~
図27には、それぞれ、
図1と同様なXYZ直交座標軸を示してある。
図17~
図27の例では、第5記録装置601のうち、第5ストッパー661、第5保持部671及び切換部672の構成に関する部分のみを図示してある。本実施形態では、第5記録装置601の他の部分については、
図1~
図6の例と同様であり、詳しい説明を省略する。
【0086】
第5記録装置601は、第5保持部671と、切換部672と、不図示のロック付勢バネと、を備える。
当該ロック付勢バネは、第5保持部671を上方の方向であるロック付勢方向673に付勢するバネである。
切換部672の位置に応じて、第5保持部671は上下に動く。
第5保持部671は、切換部672の位置に応じて、ロック付勢バネによって上方に位置させられているときに、第5ストッパー661の回転を規制する。
第5保持部671は、例えば、ロックなどと呼ばれてもよい。また、切換部672は、例えば、ロック軸などと呼ばれてもよい。
【0087】
第5ストッパー661は、延長状態から収納状態に回動して変位する向きに、図示を省略する付勢部により付勢されている。当該付勢部は、例えば、ねじりバネを用いて構成されてもよい。
第5ストッパー661の下方の面には、所定の部位に、回動を防止する壁である回動防止壁681が設けられている。
【0088】
図17、
図20、
図21、
図22、
図26に示されるように、第5載置部641が使用位置にあって、第5ストッパー661が延長状態にあるとき、切換部672は第5保持部671に接触せず、第5保持部671はロック付勢バネによってロック付勢方向673に付勢される。そして、第5保持部671が、第5ストッパー661の下方から回動防止壁681の付近に位置して、収納状態に変位しようとする第5ストッパー661の回動防止壁681に衝突することで、第5ストッパー661の延長状態を維持するロックが実現される。
【0089】
一方、第5ストッパー661が延長状態にあるとき、第5載置部641が使用位置から収容位置に変位させられると、
図18、
図23、
図24、
図27に示されるように、切換部672が第5保持部671に接触することで、第5保持部671は下方に移動させられる。そして、第5保持部671が第5ストッパー661の回動防止壁681よりも下方に移動することで、ロックが外れて、第5ストッパー661が収納状態に変位する。
【0090】
図24及び
図25などに示されるように、本実施形態では、切換部672は、棒状の形状を有しており、X軸に平行な方向に移動可能である。
また、第5保持部671は、凹部の内部に下方から上方へ向かう傾斜面を持つ傾斜凹部691を有している。本実施形態では、傾斜凹部691は貫通している。
【0091】
本実施形態では、切換部672は、切換部672に対して第5保持部671がある向きとは逆の向きに、図示を省略する付勢部によって付勢されている。当該付勢部の付勢方向は、X軸の正側から負側に向かう方向である。当該付勢部は、例えば、バネを用いて構成されてもよい。
【0092】
図26に示されるように、切換部672の先端が第5保持部671の傾斜凹部691に挿入されていないときには第5保持部671は上方に付勢される。
つまり、第5ストッパー661の使用時には、切換部672は第5保持部671とは逆側に付勢されていて第5保持部671から離れており、このため、ロック付勢バネによるロック付勢方向673の力により第5保持部671は上方に突き出している。そして、上方に突き出した第5保持部671と第5ストッパー661の回動防止壁681とが干渉することで、第5ストッパー661が収納方向に付勢されている力に抗して第5ストッパー661の使用位置を保持する。
【0093】
また、
図27に示されるように、切換部672の先端が第5保持部671の傾斜凹部691に挿入されると、第5保持部671は下方へ移動させられる。これにより、第5ストッパー661のロックが解除されて、第5ストッパー661は収納状態に変位する。
このように、第5載置部641が収容されていくにしたがって、切換部672が第5保持部671の方向に移動して第5保持部671を下方に押し下げることで、第5保持部671と回動防止壁681との干渉が解除されて、第5ストッパー661が収納状態に変位する。
【0094】
ここで、本実施形態では、X軸に平行な方向について、切換部672に対して第5保持部671がX軸の正側に配置される場合を示しているが、他の例として、切換部672に対して第5保持部671がX軸の負側に配置される構成が用いられてもよい。
【0095】
図19に示されるように、本実施形態では、第5載置部641が使用位置から収容位置に変位するときには、切換部672が第5記録装置601の所定部に衝突して、切換部672が第5保持部671に向かう方向に移動させられる構成となっている。一方、第5載置部641が収容位置から使用位置に変位すると、切換部672は解放されて第5保持部671から離れる方向に移動する。このように、第5載置部641が収容される動作によって第5ストッパー661のロックが解除されることで、第5ストッパー661が回動して収納される。
【0096】
図19の例では、第5載置部641は、第5記録装置601の所定部分であるガイド部V1の第1ガイド面V11に沿って、収容位置と使用位置との間で変位する。そして、第5載置部641が使用位置にあるときには、切換部672の一部が第5載置部641からX軸の負側に突出することが可能である一方、第5載置部641が収容位置に変位するにしたがい、切換部672の当該一部が次第にX軸の正側に移動させられていく構造となっている。
具体的には、ガイド部V1は、Y軸に平行な方向に延びる第1ガイド面V11と、第1ガイド面V11の前方に連続して設けられた第2ガイド面V12と、を有する。第2ガイド面V12は、第1ガイド面V11に対して傾斜した面となっており、
図19の例では、後方から前方に向かうにつれてX軸の負側に傾斜した面となっている。
そして、第5載置部641が使用位置から収容位置に変位する過程で、まず、切換部672のうちで第5載置部641から突出している端部が第2ガイド面V12に接触して第2ガイド面V12に沿って移動していき、その後、当該端部が第1ガイド面V11にまで到達して第1ガイド面V11に当接する。この過程で、ガイド部V1によって切換部672がX軸の正側に押し込まれる。
【0097】
第1面A1に直交する方向に見て、少なくとも延長状態の第5ストッパー661は、平行状態の操作部21とオーバーラップする。
なお、第5載置部641が収容位置であるときには第5ストッパー661が収納状態となるように構成される場合には、第5載置部641が収容位置であって第5ストッパー661が延長状態である場合は生じないが、ここでは、第5ストッパー661と操作部21との干渉を説明するために、その場合について説明した。
また、配置関係としては、第5載置部641が収容位置であって、第5ストッパー661が延長状態であるとき、第5ストッパー661は、筐体11の外部に突出する。
【0098】
第5載置部641が使用位置から収容位置に変位するとき、第5ストッパー661は収納状態となる。
したがって、第5載置部641が収容されると第5ストッパー661が収納状態となるため、第5ストッパー661を収納し忘れることがなく、より確実に破損を抑制することができる。
このように、第5載置部641と第5ストッパー661とが連動する。
【0099】
第5記録装置601は、第5ストッパー661を収納状態に向けて付勢する付勢部と、第5ストッパー661を延長状態で保持する第5保持部671と、第5ストッパー661を保持する保持状態と、第5ストッパー661の保持を解除した解除状態とで第5保持部671を切換可能な切換部672と、を備える。
第5載置部641が使用位置から収容位置に変位するとき、切換部672が第5保持部671を解除状態とする。
したがって、第5ストッパー661を収納状態に向けて付勢することで、ロックが解除されると第5ストッパー661が収納される。第5載置部641が収容される際にロックが解除されるため、簡単な構成で第5ストッパー661を収納させることができる。また、ロックがあることで、ユーザーが第5ストッパー661を延長した際にクリック感があるため、ユーザビリティが向上する。
なお、これに関して他の構成が用いられてもよい。
【0100】
ここで、本実施形態では、第5ストッパー661の裏側の凹部にロック機構が設けられているため、例えば、製品の高さ方向の小型化が可能である。
【0101】
第5保持部671は、第5載置部641が使用位置にあるときに、第5ストッパー661が延長状態にされた場合、第5ストッパー661を保持する。
したがって、ユーザーによって第5ストッパー661が延長状態にされると第5保持部671が第5ストッパー661を延長状態でロックし、不要なときは付勢部によって収納状態となることから、第5ストッパー661が使用されないときに邪魔になることを抑制することができる。
【0102】
ここで、第5載置部641が使用位置にあるときに、第5ストッパー661は、必ずしも延長状態に無くてもよく、収納位置にあってもよい。
【0103】
例えば、第5載置部641は、媒体の排出方向における下流が上向きになるように傾斜して支持する傾斜部51を有する。
第5ストッパー661は、収納状態において、傾斜部51に収納される。
したがって、傾斜部51があることで、排出された媒体の飛び出しを抑制することができる。さらに、傾斜部51に第5ストッパー661を収納することで、装置の小型化が可能である。
なお、これに関して他の構成が用いられてもよい。
【0104】
例えば、第5載置部641において媒体が載置される載置面A11と、第5ストッパー661において媒体を支持する支持面A12と、が交差する。
したがって、載置面A11に対して第5ストッパー661が傾斜しているため、媒体の飛び出しを抑制することができる。
なお、これに関して他の構成が用いられてもよい。
【0105】
例えば、第5記録装置601は、第5載置部641を収容位置と、使用位置と、に変位させる駆動源161を備えてもよい。
したがって、自動で第5排紙トレイ631が移動することでユーザビリティが向上する。なお、第5ストッパー661が延長状態のまま自動で第5排紙トレイ631が収納されると、ユーザーは第5ストッパー661が延長状態であることに気付かずに操作部21を閉じてしまう可能性が高くなるが、このような場合でも、破損を抑制することができる。
なお、これに関して他の構成が用いられてもよい。
【0106】
ここで、第5載置部641の駆動源は、必ずしも搬送ローラーの駆動源161と同じでなくてもよく、別の駆動源が第5記録装置601に備えられてもよい。
【0107】
以上のように、本実施形態に係る第5記録装置601では、第5排紙トレイ631に設けられた第5ストッパー661が収納されずに第5載置部641が収容された状態で、操作部21が閉じられた際に装置の破損を防ぐことができる。
本実施形態に係る第6記録装置701では、第5載置部641の収容に連動させて第5ストッパー661を収納させることによって、第5ストッパー661が収納されずに第5載置部641のみが収容されてしまう状況を回避することができる。
【0108】
第6実施形態について説明する。
図28~
図31を参照して、第6実施形態に係る第6記録装置701を説明する。
図28は、第6実施形態に係る第6記録装置701の第6ストッパー761の構成の一例を示す外観斜視図である。
図29は、第6実施形態に係る第6記録装置701の第6ストッパー761の構成の一例を示す側面図である。
図30は、第6実施形態に係る第6記録装置701の第6ストッパー761の構成の一例を示す側面図である。
図31は、第6実施形態に係る第6記録装置701の第6ストッパー761の構成の一例を示す側面図である。
図28~
図31には、それぞれ、
図1と同様なXYZ直交座標軸を示してある。
図28~
図31の例では、第6記録装置701のうち、第6排紙トレイ731の前方の部分のみを図示してある。本実施形態では、第6記録装置701の他の部分については、
図1~
図6の例と同様であり、詳しい説明を省略する。
【0109】
本実施形態に係る構成は、例えば、第1実施形態、第1a実施形態、第2実施形態~第5実施形態のそれぞれに適用されてもよく、あるいは、これらとは独立して実施されてもよい。
【0110】
第6ストッパー761は、第6載置部741に対して変位する第1延長部771と、第1延長部771に対して第6回動軸C6を中心に回動する第2延長部772と、を有する。
第6回動軸C6は、第1面A1に平行に延びる。
したがって、第6操作部721の裏面B7と第6ストッパー761の第6先端E6が当接した際に、第1面A1と平行な第6回動軸C6を中心に第2延長部772が回動できるため、第6ストッパー761の破損を抑制することができる。
【0111】
ここで、本実施形態では、第6ストッパー761の延長方向において、第6ストッパー761を第1延長部771と第2延長部772に分割し、第6先端E6がある側の第2延長部772を回動により屈曲可能な構成としている。本実施形態では、第6回動軸C6は、排出方向に垂直であり、水平方向に延びる可倒軸となっている。なお、第6回動軸C6は、第1面A1方向に延びていれば、水平方向と交差する方向に延びる軸であっても良い。
このように、本実施形態では、第6ストッパー761は、2個の部品である第1延長部771及び第2延長部772を用いて構成されており、使用時には、例えば、図示を省略する突起部などによって、第1延長部771と第2延長部772とが直線状に延びるように一体となっている。
【0112】
図29の例、
図30の例、
図31の例のように、例えば、第6操作部721が閉じる際に第6ストッパー761と接触し、さらに所定の荷重以上でユーザーが第6操作部721を閉じようと力を加えると、図示を省略する突起部などが外れて、ユーザーの力に抗しないように第6回動軸C6を中心軸として先端の第2延長部772が折れ曲がる。
【0113】
なお、本実施形態では、第2延長部772が下方に折れ曲がることが可能な場合を示したが、他の例として、第2延長部772が上方に折れ曲がることが可能な構成が用いられてもよい。
【0114】
第1面A1に直交する方向に見て、第6回動軸C6を中心に回動した第2延長部772の少なくとも一部が、平行状態の操作部21とオーバーラップしない。
したがって、第6回動軸C6を中心に折れた第2延長部772が第6操作部721とオーバーラップせず、視認できるため、ユーザーは第6ストッパー761の収納忘れに気付くことができる。
なお、これに関して他の構成が用いられてもよい。
【0115】
本実施形態では、第6ストッパー761を破損させずに、第6ストッパー761の収納忘れをユーザーに気付かせることができ、ユーザーに第6ストッパー761の収納を促すことができる。
【0116】
以上のように、本実施形態に係る第6記録装置701では、第6排紙トレイ731に設けられた第6ストッパー761が収納されずに第6載置部741が収容された状態で、操作部21が閉じられた際に、装置の破損を防ぐことができる。
本実施形態に係る第6記録装置701では、このような際に、操作部21が閉じる力によって、収納されていない第6ストッパー761の第2延長部772が変位する。このような第2延長部772の変位によって、第6ストッパー761が収納されていないことをユーザーに気付かせることができる。
【0117】
第7実施形態について説明する。
図32~
図41を参照して、第7実施形態に係る第7記録装置801を説明する。
図32は、第7実施形態に係る第7記録装置801の第7排紙トレイ831が引き出されて第7ストッパー861が引き出された状態の一例を示す外観斜視図である。
図33は、第7実施形態に係る第7記録装置801の第7排紙トレイ831が引き出されて第7ストッパー861が引き出された状態の裏側の一例を示す外観斜視図である。
図34は、第7実施形態に係る第7記録装置801の第7排紙トレイ831が引き出されて第7ストッパー861が収納された状態の裏側の一例を示す外観斜視図である。
図35は、第7実施形態に係る第7記録装置801の第7排紙トレイ831が収納されて第7ストッパー861が収納された状態の一例を示す外観斜視図である。
図36は、第7実施形態に係る第7記録装置801の第7排紙トレイ831が収納されて第7ストッパー861が収納された状態の裏面の一例を示す外観斜視図である。
図37は、第7実施形態に係る第7記録装置801の第7案内部865の裏面の一例を示す外観斜視図である。
図38は、第7実施形態に係る第7記録装置801の第7ストッパー861の一例を示す外観斜視図である。
図39は、第7実施形態に係る第7記録装置801の第7案内部865と第7ストッパー861との係合の一例を示す側面図である。
図40は、第7実施形態に係る第7記録装置801の第7案内部865と第7ストッパー861との係合の解放の一例を示す側面図である。
図41は、第7実施形態に係る第7記録装置801の補助トレイ66の一例を示す外観斜視図である。
図32~
図36、
図39~
図41には、それぞれ、
図1と同様なXYZ直交座標軸を示してある。
図32~
図41の例では、第7記録装置801のうち、第7排紙トレイ831の前方の部分、及び補助トレイ66の例のみを図示してある。本実施形態では、第7記録装置801の他の部分については、
図1~
図6の例と同様であり、詳しい説明を省略する。
【0118】
本実施形態に係る構成は、例えば、第5実施形態、又は、第6実施形態の構成と共に用いられてもよく、あるいは、これらとは独立して実施されてもよい。
【0119】
第7記録装置801では、
図32及び
図39に示されるように、第7排紙トレイ831の第7載置部841が使用位置にある場合には、第7案内部865の面は、第7載置部841の第7傾斜部851に沿うように、下流から上流に向かうほどに上方に位置するように傾けられた状態となる。
つまり、第7載置部841が使用位置にあるときには、第7案内部865は第7載置面A27に対して所定の角度を持った斜面を構成し、排出された用紙の先端が斜め上方を向くようにする。
【0120】
一方、
図35及び
図40に示されるように、第7排紙トレイ831の第7載置部841が使用位置から収容位置に変位させられると、第7案内部865の面は、当該面の上流側が上方に回動させられて、第7載置部841の第7載置面A27にほぼ平行な状態となる。
この状態において、補助トレイ66が使用される場合、第7案内部865は補助トレイ66を支持することが可能である。具体的には、補助トレイ66のガイド部材となる第7案内部865の面はほぼ水平となり、外部から挿入される補助トレイ66を支持することが可能である。
図40には、第7案内部865の面の上流側が回動する方向である第7回動方向D7を示してある。
【0121】
ここで、第7案内部865の回動は、例えば、第7記録装置801の機構的に実現されてもよく、あるいは、駆動源を用いて実現されてもよい。当該駆動源は、例えば、搬送ローラーの駆動源161と共通であってもよく、あるいは、別の駆動源が備えられてもよい。
【0122】
図33及び
図39に示されるように、第7載置部841が使用位置にあり、第7ストッパー861が延長状態にあるときに、第7案内部865の第7保持部871と第7ストッパー861の第1穴部881とが係合することで、第7ストッパー861が延長状態のまま固定される。
また、
図34に示されるように、第7載置部841が使用位置にあり、第7ストッパー861が収納状態にあるときに、第7案内部865の第7保持部871と第7ストッパー861の第2穴部882とが係合することで、第7ストッパー861が収納状態のまま固定される。
ただし、第7案内部865の第7保持部871と第7ストッパー861の第2穴部882とが係合した際に、第7ストッパー861が必ずしも固定されなくても良い。第7載置部841が使用位置にあり、第7ストッパー861が収納状態にあるときに、第7保持部871が、第7ストッパー861と干渉しないように第2穴部882が設けられているだけでも良い。
ここで、本実施形態では、第7案内部865の第7保持部871は、第7案内部865の下面から下方へ突出する突出部である。
【0123】
また、
図36に示されるように、第7載置部841が収容位置にあり、第7ストッパー861が収納状態にあるときには、第7案内部865の第7保持部871と第7ストッパー861の第2穴部882との係合は解放された状態となる。
なお、係合は、嵌合などと呼ばれてもよい。本実施形態では、第7保持部871の突起部分が第1穴部881及び第2穴部882に嵌合する形状を有している。
【0124】
図37には、第7案内部865の裏面の外観を示してある。
図38には、第1穴部881及び第2穴部882を有する第7ストッパー861の外観を示してある。
なお、本実施形態では、第7ストッパー861が第1穴部881及び第2穴部882を有する場合を示したが、他の例として、第7ストッパー861は、第1穴部881と第2穴部882とのいずれか一方を備える構成が用いられてもよい。
【0125】
第7記録装置801は、第7ストッパー861を収納状態に向けて付勢する付勢部を備える。当該付勢部の付勢方向は、第7付勢方向G7である。当該付勢部は、例えば、ねじりバネを用いて構成されてもよい。
第7排紙トレイ831は、特殊媒体を支持する補助トレイ66を案内可能であるとともに、媒体を支持可能な第7案内部865を有する。
当該特殊媒体は、例えば、CD-Rである。この場合、補助トレイ66は、CD-Rをはめ込むトレイである。当該トレイは、CDトレイなどと呼ばれてもよい。
なお、特殊媒体及び補助トレイ66として、他の種別のものが用いられてもよい。
【0126】
このように、本実施形態では、第7ストッパー861は収納方向に回動するように付勢されている。例えば、第7載置部841が使用位置にあるときに、第7ストッパー861がユーザーによって引き出されると、第7保持部871と第1穴部881とが嵌合して、第7ストッパー861が引き出された位置で保持される。
一方、第7ストッパー861が延長状態であり、第7載置部841が収容される場合、第7案内部865の面の上流側が第7載置面A27から離れる方向に回動して、当該面がほぼ水平になる。この際、第7案内部865の第7保持部871が第7ストッパー861の第1穴部881から外れ、第7ストッパー861は収納状態に変位する。
【0127】
第7案内部865は、第7ストッパー861を延長状態で保持する第7保持部871を有する。
第7案内部865は、第7載置部841が収容位置にあるときに、補助トレイ66を案内する案内位置に位置し、第7載置部841が使用位置にあるときに、媒体を支持する支持位置に位置する。
【0128】
第7保持部871は、第7案内部865が支持位置にあるときに、第7ストッパー861を延長状態で保持可能であり、第7案内部865が案内位置にあるときに、第7ストッパー861の保持を解除する。
【0129】
したがって、第7ストッパー861を収納状態に向けて付勢することで、ロックが解除されると第7ストッパー861が収納される。
第7案内部865が上昇する際にロックが解除されるため、簡単な構成で第7ストッパー861を収納させることができる。
第7案内部865の変位と連動させることで、部品点数の増加を抑制しつつ、第7ストッパー861の収納を実現することができる。
また、ロックがあることで、ユーザーが第7ストッパー861を延長した際にクリック感があるため、ユーザビリティが向上する。
【0130】
第7保持部871は、第7載置部841が使用位置にあるときに、第7ストッパー861が収納状態の場合及び第7ストッパー861が延長状態にされた場合に、第7ストッパー861を保持する。
したがって、ユーザーによって第7ストッパー861が延長状態にされると第7保持部871が第7ストッパー861を延長状態でロックし、不要なときは第7ストッパー861は付勢部によって収納状態となるとともに、第7ストッパー861が収納状態でロックされることから、第7ストッパー861が使用されないときに邪魔になることを抑制することができる。
なお、これに関して他の構成が用いられてもよい。例えば、第7ストッパー861が収納状態の場合及び第7ストッパー861が延長状態にされた場合のうちの一方で、第7ストッパー861を保持する構成が用いられてもよい。
【0131】
例えば、第7載置部841は、媒体の排出方向における下流が上向きになるように傾斜して支持する第7傾斜部851を有する。
第7ストッパー861は、収納状態において、第7傾斜部851に収納される。
したがって、第7傾斜部851があることで、排出された媒体の飛び出しを抑制することができる。さらに、第7傾斜部851に第7ストッパー861を収納することで、装置の小型化が可能である。
なお、これに関して他の構成が用いられてもよい。
【0132】
例えば、第7載置部841において媒体が載置される第7載置面A27と、第7ストッパー861において媒体を支持する第7支持面A32と、が交差する。
したがって、第7載置面A27に対して第7ストッパー861が傾斜しているため、媒体の飛び出しを抑制することができる。
なお、これに関して他の構成が用いられてもよい。
【0133】
例えば、第7記録装置801は、第7載置部841を収容位置と、使用位置と、に変位させる駆動源161を備えてもよい。
したがって、自動で第7排紙トレイ831が移動することでユーザビリティが向上する。なお、第7ストッパー861が延長状態のまま自動で第7排紙トレイ831が収納されると、ユーザーは第7ストッパー861が延長状態であることに気付かずに操作部21を閉じてしまう可能性が高くなるが、このような場合でも、破損を抑制することができる。
なお、これに関して他の構成が用いられてもよい。
【0134】
ここで、第7載置部841の駆動源は、必ずしも搬送ローラーの駆動源161と同じでなくてもよく、別の駆動源が第7記録装置801に備えられてもよい。
【0135】
以上のように、本実施形態に係る第7記録装置801では、第7排紙トレイ831に設けられた第7ストッパー861が収納されずに第7載置部841が収容された状態で、操作部21が閉じられた際に装置の破損を防ぐことができる。
本実施形態に係る第7記録装置801では、第7載置部841の収容に連動させて、第7案内部865が変位することで第7ストッパー861を収納させることによって、第7ストッパー861が収納されずに第7載置部841のみが収容されてしまう状況を回避することができる。
【0136】
図42~
図47を参照して、操作部と排紙トレイとの連動機構について詳細に説明する。
図42~
図47では、説明の便宜上、第8記録装置901を示して説明する。
図42は、第8記録装置901の第8操作部921と第8排紙トレイ931との連動機構を説明するための図である。
図43は、第8記録装置901の第8操作部921と第8排紙トレイ931との連動機構を説明するための図である。
図44は、第8記録装置901の第8操作部921と第8排紙トレイ931との連動機構を説明するための図である。
図45は、第8記録装置901の第8操作部921と第8排紙トレイ931との連動機構を説明するための図である。
図46は、第8記録装置901の第8操作部921と第8排紙トレイ931との連動機構を説明するための図である。
図47は、第8記録装置901の第8操作部921と第8排紙トレイ931との連動機構を説明するための図である。
図42~
図47には、それぞれ、
図1と同様なXYZ直交座標軸を示してある。
図42~
図47の例では、第8記録装置901のうち、第8操作部921と第8排紙トレイ931との連動機構に関する部分のみを図示してある。本実施形態では、第8記録装置901の他の部分については、
図1~
図6の例と同様であり、詳しい説明を省略する。
【0137】
本実施形態に係る構成は、例えば、第1実施形態、第1a実施形態、第2実施形態~第7実施形態のそれぞれに適用されてもよい。
【0138】
本実施形態では、駆動源161は、搬送ローラーの駆動と、第8排紙トレイ931の駆動と、の両方に共通となっている。
【0139】
図42~
図47を参照して、第8排紙トレイ931と第8操作部921との連動について説明する。
ここで、当該連動を行う第8連動部971は、第1レバー981と、第2レバー982と、カム付き歯車983と、第8A回転軸984Aと、第8B回転軸984Bと、を備える。
本実施形態では、第8載置部941の第8載置面A28には、カム付き歯車983を回転させるためのラックが設けられている。
【0140】
第8排紙トレイ931及び第8操作部921は、カセット121の上方に配置されている。
第8連動部971は、第8排紙トレイ931の上方に配置されている。
第8操作部921は、第8操作部回動軸C8を中心軸として回動することで、平行状態と傾斜状態とで変位する。
【0141】
カム付き歯車983は、第8排紙トレイ931の第8載置面A28において媒体を載置する載置領域よりも外側に設けられた不図示のラックと噛み合っている。
カム付き歯車983は、回動可能に第2レバー982の一端と接続されている。
第2レバー982の棒状の途中の位置に、第8B回転軸984Bによって、第1レバー981の一端が回動可能に接続されている。
第1レバー981の他端が、第8A回転軸984Aによって、第8記録装置901の所定位置に回動可能に固定されている。
【0142】
図42の例では、第8操作部921が平行状態であり、第8載置部941が収容位置にある。この状態のまま第8操作部921が平行状態であると、第8載置部941の第8傾斜部951は、第8操作部921の下端と干渉する。
本実施形態では、この状態から、第8載置部941が使用位置に向けて引き出されると、カム付き歯車983が所定方向に回動することで、
図42の例から、
図43の例のように、第8操作部921が平行状態から傾斜状態に次第に変位していく。
本実施形態では、第8操作部921が平行状態から傾斜状態に変位していく動作が行われるのは
図42に示される状態から
図43に示される状態までである。
図43に示される状態では、第2レバー982の上端が第8操作部921と当接している。
そして、
図43に示される状態からさらに第8載置部941が使用位置に向けて引き出されると、
図44の例のように第2レバー982が第8操作部921から離間していき、さらに第8載置部941が引き出されることで、
図45の例の状態となる。
ここで、
図45に示される状態では、第2レバー982の姿勢が
図42に示される状態と同じ姿勢になる。この姿勢では、第8操作部921の傾斜の角度を任意に変えることが可能である。
【0143】
図46の例では、第8操作部921が平行状態であり、第8載置部941が使用位置にある。この状態のまま第8操作部921が平行状態であると、第8載置部941の第8傾斜部951は、第8操作部921の下端と干渉する。
本実施形態では、この状態から、第8載置部941が収容位置に向けてしまわれると、カム付き歯車983が上記の所定方向とは逆方向に回動することで、
図47の例のように、第8操作部921が平行状態から傾斜状態に次第に変位していく。
【0144】
図42~
図47の例では、第8操作部921の傾斜状態において、第8操作部921の下端は、カセット121の先端を超えない。
【0145】
第8記録装置901は、第8載置部941の変位に応じて、第8操作部921を回動させる第8連動部971を備える。
第8載置部941は、媒体の排出方向における下流が上向きになるように傾斜して支持する第8傾斜部951を有する。
第1面A1に交差する方向に見て、第8傾斜部951は、平行状態の第8操作部921とオーバーラップする。
したがって、第8傾斜部951があることで、排出された媒体の飛び出しを抑制することができる。第8傾斜部951が平行状態の第8操作部921と干渉する位置にあると、第8操作部921の位置によっては第8排紙トレイ931を収容できない可能性があるが、第8連動部971によって干渉を回避させることができる。
【0146】
ここで、第8載置部941と第8操作部921との連動は、必ずしも第8載置部941の変位区間の全体について行われなくてもよく、例えば、第8操作部921の下端と第8載置部941の第8傾斜部951との干渉を無くすことができる一部の変位区間で行われてもよい。
また、カム付き歯車983を回動させるための駆動源は、例えば、搬送ローラーの駆動源161と共通であってもよく、あるいは、別の駆動源が備えられてもよい。
【0147】
なお、第8記録装置901では、例えば、第8操作部921を所定の傾斜位置で固定するロック部が備えられてもよい。当該ロック部の機構については、詳しい説明を省略する。
【0148】
図48~
図49を参照して、第8a記録装置901aを説明する。
図48は、第8a記録装置901aの第8a操作部921aと第8a排紙トレイ931aとの他の位置関係の例を示す図である。
図49は、第8a記録装置901aの第8a操作部921aと第8a排紙トレイ931aとの他の位置関係の例を示す図である。
図48~
図49には、それぞれ、
図1と同様なXYZ直交座標軸を示してある。
図48~
図49の例では、第8a記録装置901aのうち、第8a操作部921aと第8a排紙トレイ931aとの連動機構に関する部分のみを図示してある。本実施形態では、第8a記録装置901aの他の部分については、
図1~
図6の例と同様であり、詳しい説明を省略する。
【0149】
本実施形態に係る第8a記録装置901aは第8記録装置901の変形例であり、第8記録装置901と相違する点を説明する。
本実施形態に係る構成は、例えば、第1実施形態、第1a実施形態、第2実施形態~第7実施形態のそれぞれに適用されてもよい。
【0150】
図48~
図49には、第8a操作部921a、第8a排紙トレイ931aの第8a載置部941a、第8a連動部971aを示してある。
また、
図48~
図49には、第8a操作部921aの第8a操作面回動軸C8a、及び、第8a載置部941aの第8a傾斜部951aも示してある。
【0151】
図48~
図49の例では、第8a操作部921aの傾斜状態において、第8a操作部921aの下端は、カセット121の先端を超え得る。
【0152】
以上、実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0153】
以下、構成例を示す。
なお、上位の構成例に対して下位の構成例は、適用されてもよく、あるいは、適用されなくてもよい。
また、上位の2以上の構成例のいずれかに適用可能な下位の構成例は当該上位の2以上の構成例のうちの任意の構成例に適用されてもよく、つまり2以上の適用例が発生し、当該下位の構成例よりも更に下位の構成例はこれら2以上の適用例のうちの任意の適用例に適用されてもよい。
【0154】
[構成例1]
媒体に記録を行う記録部と、
前記記録部によって記録された前記媒体が排出される排出トレイと、
装置の操作を行う操作部と、
前記記録部を収容する筐体と、
を備える記録装置であって、
前記操作部は、前記筐体の第1面に対して、前記第1面に沿った平行状態と、前記第1面と交差する傾斜状態とに回動可能に設けられ、
前記排出トレイは、
前記筐体の内部に収容された収容位置と、前記筐体の前記第1面から外部に突出した使用位置と、に変位可能な載置部と、
前記載置部に収納された収納状態と、前記載置部に対して突出した延長状態と、に変位可能な延長部と、
を有し、
前記載置部が前記収容位置にあって、前記延長部が前記延長状態であるとき、前記延長部は、前記筐体の外部に突出し、
前記第1面に直交する方向に見て、少なくとも前記延長状態の前記延長部は、前記平行状態の前記操作部とオーバーラップし、
前記操作部において前記平行状態のときに前記第1面と対向する裏面と、前記延長部の先端とが当接した際に、前記延長状態から前記収納状態に変位する第1方向の力が加わる、
記録装置。
【0155】
ここで、上記[構成例1]の構成は、例えば、第1実施形態及び第1a実施形態、第2実施形態~第4実施形態のそれぞれに適用されている。
【0156】
[構成例2]
前記裏面の前記先端と当接する面及び前記先端の前記裏面と当接する面の少なくとも一方は、前記第1方向と交差する、
[構成例1]に記載の記録装置。
【0157】
ここで、上記[構成例2]の構成は、例えば、第1実施形態及び第1a実施形態、第2実施形態~第4実施形態のそれぞれに適用されている。
【0158】
[構成例3]
前記延長部は、回動軸を中心に回動して前記収納状態と、前記延長状態と、に変位可能である、
[構成例1]又は[構成例2]に記載の記録装置。
【0159】
ここで、上記[構成例3]の構成は、例えば、第1実施形態及び第1a実施形態、第2実施形態~第3実施形態のそれぞれに適用されている。
【0160】
[構成例4]
前記裏面の前記先端と当接する当接部は、傾斜して突出している、
[構成例3]に記載の記録装置。
【0161】
ここで、上記[構成例4]の構成は、例えば、第3実施形態に適用されている。
【0162】
[構成例5]
前記延長部は、前記延長状態において、前記媒体の排出方向と交差する方向に突出する、
[構成例3]又は[構成例4]に記載の記録装置。
【0163】
ここで、上記[構成例5]の構成は、例えば、第1実施形態及び第1a実施形態に適用されている。
【0164】
[構成例6]
前記先端は、前記媒体の排出方向と交差する幅方向において、前記媒体が排出される領域の中央に位置する、
[構成例5]に記載の記録装置。
【0165】
ここで、上記[構成例6]の構成は、例えば、第1a実施形態に適用されている。
【0166】
[構成例7]
前記延長部は、並行移動可能である、
[構成例1]又は[構成例2]に記載の記録装置。
【0167】
ここで、上記[構成例7]の構成は、例えば、第4実施形態に適用されている。
【0168】
[構成例8]
前記延長部を前記延長状態に向けて付勢する付勢部をさらに備える、
[構成例1]乃至[構成例7]のいずれか一項に記載の記録装置。
【0169】
ここで、上記[構成例8]の構成は、例えば、第1実施形態及び第1a実施形態、第2実施形態~第4実施形態のそれぞれに適用されている。
【0170】
[構成例9]
媒体に記録を行う記録部と、
前記記録部によって記録された媒体が排出される排出トレイと、
装置の操作を行う操作部と、
前記記録部を収容する筐体と、
を備える記録装置であって、
前記操作部は、前記筐体の第1面に対して、前記第1面に沿った平行状態と、前記第1面と交差する傾斜状態とに回動可能に設けられ、
前記排出トレイは、
前記筐体の内部に収容された収容位置と、前記筐体の前記第1面から外部に突出した使用位置と、に変位可能な載置部と、
前記載置部に収納された収納状態と、前記載置部に対して突出した延長状態と、に変位可能な延長部と、
を有し、
前記載置部が前記収容位置にあって、前記延長部が前記延長状態であるとき、前記延長部は、前記筐体の外部に突出し、
前記第1面に直交する方向に見て、少なくとも前記延長状態の前記延長部は、前記平行状態の前記操作部とオーバーラップし、
前記延長部は、前記載置部に対して変位する第1延長部と、前記第1延長部に対して軸部を中心に回動する第2延長部と、を有し、
前記軸部は、前記第1面に平行に延びる、
記録装置。
【0171】
ここで、上記[構成例9]の構成は、例えば、第6実施形態に適用されている。
【0172】
[構成例10]
前記第1面に直交する方向に見て、前記軸部を中心に回動した前記第2延長部の少なくとも一部が、前記平行状態の前記操作部とオーバーラップしない、
[構成例9]に記載の記録装置。
【0173】
ここで、上記[構成例10]の構成は、例えば、第6実施形態に適用されている。
【0174】
[構成例11]
前記載置部を前記収容位置と、前記使用位置と、に変位させる駆動源をさらに備える、
[構成例1]乃至[構成例10]のいずれか一項に記載の記録装置。
【0175】
ここで、上記[構成例11]の構成は、例えば、上記の[構成例1]-[構成例10]のそれぞれが適用可能な実施形態のそれぞれに適用可能である。
【0176】
[構成例12]
前記載置部は、前記媒体の排出方向における下流が上向きになるように傾斜して支持する傾斜部を有し、
前記延長部は、前記収納状態において、前記傾斜部に収納される、
[構成例1]乃至[構成例11]のいずれか一項に記載の記録装置。
【0177】
ここで、上記[構成例12]の構成は、例えば、上記の[構成例1]-[構成例11]のそれぞれが適用可能な実施形態のそれぞれに適用可能である。
【0178】
[構成例13]
前記載置部の変位に応じて、前記操作部を回動させる連動部をさらに備え、
前記載置部は、前記媒体の排出方向における下流が上向きになるように傾斜して支持する傾斜部を有し、
前記第1面に交差する方向に見て、前記傾斜部は、前記平行状態の前記操作部とオーバーラップする、
[構成例1]乃至[構成例12]のいずれか一項に記載の記録装置。
【0179】
ここで、上記[構成例13]の構成は、例えば、上記の[構成例1]-[構成例12]のそれぞれが適用可能な実施形態のそれぞれに適用可能である。
また、上記[構成例13]の構成について、例えば、
図42~
図47の例に係る実施形態及び
図48~
図49の例に係る実施形態で具体例が示されている。
【0180】
[構成例14]
前記載置部において前記媒体が載置される載置面と、前記延長部において前記媒体を支持する支持面と、が交差する、
[構成例1]乃至[構成例13]のいずれか一項に記載の記録装置。
【0181】
ここで、上記[構成例14]の構成は、例えば、上記の[構成例1]-[構成例13]のそれぞれが適用可能な実施形態のそれぞれに適用可能である。
【符号の説明】
【0182】
1…記録装置、11…筐体、21…操作部、31…排紙トレイ、41…載置部、51…傾斜部、61…ストッパー、65…案内部、111…記録部、121…カセット、131…給紙ローラー、132…反転ローラー、133…紙送りローラー、134…従動ローラー、135…排紙ローラー、136‥従動ギザローラー、141…排紙トレイ駆動ピニオン、161…駆動源、201…第1記録装置、201a…第1a記録装置、231…第1排紙トレイ、231a…第1a排紙トレイ、241…第1載置部、241a…第1a載置部、251…第1傾斜部、261…第1ストッパー、261a…第1aストッパー、301…第2記録装置、331…第2排紙トレイ、341…第2載置部、361…第2ストッパー、371…当接面、401…第3記録装置、421…第3操作部、431…第3排紙トレイ、441…第3載置部、461…第3ストッパー、471…当接部、501…第4記録装置、531…第4排紙トレイ、541…第4載置部、561…第4ストッパー、601…第5記録装置、631…第5排紙トレイ、641…第5載置部、661…第5ストッパー、671…第5保持部、672…切換部、673…ロック付勢方向、681…回動防止壁、691…傾斜凹部、701…第6記録装置、721…第6操作部、731…第6排紙トレイ、741…第6載置部、761…第6ストッパー、771…第1延長部、772…第2延長部、801…第7記録装置、831…第7排紙トレイ、841…第7載置部、851…第7傾斜部、861…第7ストッパー、865…第7案内部、871…第7保持部、881…第1穴部、882…第2穴部、901…第8記録装置、901a‥第8a記録装置、921…第8操作部、921a…第8a操作部、931…第8排紙トレイ、931a…第8a排紙トレイ、941…第8載置部、941a…第8a載置部、951…第8傾斜部、951a…第8a傾斜部、971…第8連動部、971a…第8a連動部、981…第1レバー、982…第2レバー、983…カム付き歯車、984A…第8A回転軸、984B…第8B回転軸、A1…第1面、A11…載置面、A12…支持面、A21…第1載置面、A22…第1支持面、A24…第4載置面、A27…第7載置面、A28…第8載置面、A32…第7支持面、B1…裏面、B13…第3裏面、C1…第1回動軸、C1a…第1a回動軸、C2…第2回動軸、C6…第6回動軸、C8…第8操作面回動軸、C8a…第8a操作面回動軸、D1…第1回動方向、D7…第7回動方向、E1…第1先端、E1a…第1a先端、E2…第2先端、E3…第3先端、E6…第6先端、F1…第1方向、F2…第2方向、G1…第1付勢方向、G7…第7付勢方向、H1…第1幅方向、V1…ガイド部、V11…第1ガイド面、V12…第2ガイド面、W1…第1把手部