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特開2024-76727複合共振回路の駆動制御装置及び駆動制御方法、非接触給電システム、送電装置及び受電装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076727
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】複合共振回路の駆動制御装置及び駆動制御方法、非接触給電システム、送電装置及び受電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/12 20160101AFI20240530BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20240530BHJP
【FI】
H02J50/12
H02J50/80
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188421
(22)【出願日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】小田 博章
(72)【発明者】
【氏名】三島 大地
(72)【発明者】
【氏名】上松 武
(72)【発明者】
【氏名】長岡 真吾
(57)【要約】
【課題】従来技術に比較して、送電装置と受電装置との間で位置ずれが発生しても、容易に簡単な構成で、負荷非依存特性、高効率及び高力率を達成する。
【解決手段】複合共振回路の駆動制御装置は、第1のインダクタと、可変容量C1を有する第1のキャパシタとを含む第1の共振回路と、第1のインダクタと電磁的に結合される第2のインダクタと、第2の可変容量を有する第2のキャパシタとを含む第2の共振回路とを備える複合共振回路を駆動制御する制御回路とを備える。制御回路は、第2の共振回路の共振周波数がインバータのスイッチング周波数となるように可変容量C2を制御する第2の共振制御処理を実行した後、第1のインダクタと第1のキャパシタとが所定の共振周波数で共振状態となるように可変容量C1を制御する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のインダクタと、第1の可変容量を有する第1のキャパシタとを含む第1の共振回路であって、インバータにより変換された交流電力が入力される前記第1の共振回路と、
前記第1のインダクタと電磁的に結合される第2のインダクタと、第2の可変容量を有する第2のキャパシタとを含む第2の共振回路であって、交流電力を出力する第2の共振回路と、
を含む複合共振回路を駆動制御する複合共振回路の駆動制御装置であって、
前記駆動制御装置は、前記第1の可変容量と前記第2の可変容量とを制御する制御回路を備え、
前記制御回路は、
(1)前記第1のインダクタと前記第1のキャパシタとが所定の共振周波数で共振状態となるように前記第1の可変容量を制御する第1の共振制御処理と、
(2)前記第2の共振回路の共振周波数が前記インバータのスイッチング周波数となるように前記第2の可変容量を制御する第2の共振制御処理と、
のうちの一方の共振制御処理を少なくとも1回実行した後、もしくは実行しているときに、前記第1の共振制御処理と前記第2の共振制御処理とのうちの他方の共振制御処理を少なくとも1回実行する、
複合共振回路の駆動制御装置。
【請求項2】
前記他方の共振制御処理を少なくとも1回実行した後、前記一方の共振制御処理を再度少なくとも1回実行する、
請求項1に記載の複合共振回路の駆動制御装置。
【請求項3】
前記制御回路は、
前記第1の共振制御処理を実行した後、もしくは実行しているときに、前記第2の共振制御処理を実行し、次いで、前記第1の共振制御処理を実行する、請求項1に記載の複合共振回路の駆動制御装置。
【請求項4】
前記制御回路は、
前記第2の共振制御処理を実行した後、もしくは実行しているときに、前記第1の共振制御処理を実行し、次いで、前記第2の共振制御処理を実行する、請求項1に記載の複合共振回路の駆動制御装置。
【請求項5】
前記複合共振回路の駆動制御装置は、
入力される直流電力を所定の動作周波数でスイッチングすることにより、前記直流電力を交流電力に変換して前記複合共振回路を駆動する前記インバータと、
前記複合共振回路から出力される交流電力を直流電力に整流して、負荷装置、又はダミー負荷装置に出力する整流回路とをさらに備え
前記制御回路はさらに、前記インバータを制御する、
請求項1に記載の複合共振回路の駆動制御装置。
【請求項6】
前記整流回路からの直流電力を前記負荷装置に出力するか、もしくは、前記ダミー負荷装置に出力するかを切り替えるスイッチをさらに備える、
請求項5に記載の複合共振回路の駆動制御装置。
【請求項7】
前記インバータの前段に設けられ、交流電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータをさらに備える、
請求項5に記載の複合共振回路の駆動制御装置。
【請求項8】
前記整流回路と前記負荷装置との間に設けられ、前記整流回路からの直流電力を所定の直流電力に変換して前記負荷装置に出力するDC/DCコンバータをさらに備える請求項5に記載の複合共振回路の駆動制御装置。
【請求項9】
前記第2の共振回路と前記整流回路との間に挿入される負荷抵抗をさらに備える、
請求項5に記載の複合共振回路の駆動制御装置。
【請求項10】
前記第1の共振制御処理は、所定の極値探索法又は所定のフィードバック制御法を用いて、前記第1の可変容量を制御する処理であって、
(1)前記インバータに入力される直流電力が最小化されるように前記第1の可変容量を制御することと、
(2)前記インバータに入力される直流電力の直流電流が最小化されるように前記第1の可変容量を制御することと、
(3)前記インバータから出力される交流電力の交流電流が最小化されるように前記第1の可変容量を制御することと、
(4)前記第2の共振回路から出力される電力に対する、前記インバータ又は前記第1の共振回路に入力される電力の比の値である電力効率が最大化されるように前記第1の可変容量を制御することと、
(5)前記第1の共振回路に入力される電圧と電流の位相差が0又は0近傍の所望値になるように前記第1の可変容量を制御することと、
(6)前記インバータのスイッチ素子のオン電流と基準電流の偏差が最小化されるように前記第1の可変容量を制御することと、
のうちのいずれかである、
請求項5に記載の複合共振回路の駆動制御装置。
【請求項11】
前記極値探索法は、スイープ法又は山登り法である、
請求項10に記載の複合共振回路の駆動制御装置。
【請求項12】
前記第2の共振制御処理は、所定の極値探索法を用いて、前記第2の可変容量を制御する処理であって、
(1)前記整流回路からの出力電圧が最大化又は最小化されるように前記第2の可変容量を制御することと、
(2)前記第2の共振回路から出力される電力に対する、前記インバータ又は前記第1の共振回路に入力される電力の比の値である電力効率が最大化されるように前記第2の可変容量を制御することと、
のうちのいずれかである、
請求項5に記載の複合共振回路の駆動制御装置。
【請求項13】
前記極値探索法は、スイープ法又は山登り法である、
請求項12に記載の複合共振回路の駆動制御装置。
【請求項14】
請求項1~13のうちのいずれか1つに記載の複合共振回路の駆動制御装置を備える非接触給電システムであって、
前記非接触給電システムは、送電装置と、受電装置と、前記制御回路とを備え、
前記送電装置は、前記第1の共振回路と、前記インバータとを備え、
前記受電装置は、前記第2の共振回路と、整流回路とを備える、
非接触給電システム。
【請求項15】
前記送電装置はさらに、
前記インバータの前段に設けられ、交流電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータをさらに備える、
請求項14に記載の非接触給電システム。
【請求項16】
前記受電装置はさらに、
前記整流回路と負荷装置との間に設けられ、前記整流回路からの直流電力を所定の直流電力に変換して前記負荷装置に出力するDC/DCコンバータをさらに備える、
請求項14に記載の非接触給電システム。
【請求項17】
請求項1~13のうちのいずれか1つに記載の複合共振回路の駆動制御装置を備える非接触給電システムのための送電装置であって、
前記送電装置は、前記第1の共振回路と、前記インバータとを備える送電装置。
【請求項18】
前記送電装置はさらに、
前記インバータの前段に設けられ、交流電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータをさらに備える、
請求項17に記載の送電装置。
【請求項19】
請求項1~13のうちのいずれか1つに記載の複合共振回路の駆動制御装置を備える非接触給電システムのための受電装置であって、
前記受電装置は、前記第2の共振回路と、整流回路とを備える受電装置。
【請求項20】
前記受電装置はさらに、
前記整流回路と負荷装置との間に設けられ、前記整流回路からの直流電力を所定の直流電力に変換して前記負荷装置に出力するDC/DCコンバータをさらに備える、
請求項19に記載の受電装置。
【請求項21】
第1のインダクタと、第1の可変容量を有する第1のキャパシタとを含む第1の共振回路であって、インバータにより変換された交流電力が入力される前記第1の共振回路と、
前記第1のインダクタと電磁的に結合される第2のインダクタと、第2の可変容量を有する第2のキャパシタとを含む第2の共振回路であって、交流電力を出力する第2の共振回路と、
を含む複合共振回路を駆動制御する駆動制御装置により実行される、複合共振回路の駆動制御方法であって、
前記駆動制御装置は、前記第1の可変容量と前記第2の可変容量とを制御する制御回路を備え、
前記制御回路が、
(1)前記第1のインダクタと前記第1のキャパシタとが所定の共振周波数で共振状態となるように前記第1の可変容量を制御する第1の共振制御処理と、
(2)前記第2の共振回路の共振周波数が前記インバータのスイッチング周波数となるように前記第2の可変容量を制御する第2の共振制御処理と、
のうちの一方の共振制御処理を少なくとも1回実行した後、もしくは実行しているときに、前記第1の共振制御処理と前記第2の共振制御処理とのうちの他方の共振制御処理を少なくとも1回実行する、
複合共振回路の駆動制御方法。
【請求項22】
前記他方の共振制御処理を少なくとも1回実行した後、前記一方の共振制御処理を再度少なくとも1回実行する、
請求項21に記載の複合共振回路の駆動制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2個の可変容量を備える複合共振回路の駆動制御装置及び駆動制御方法と、前記駆動制御装置を用いた非接触給電システムと、前記非接触給電システムのための送電装置と、前記非接触給電システムのための受電装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば無線搬送車(AGV(Automatic Guided Vehicle)などの移動体はリチウムイオンバッテリーなどの充電池を搭載している。この充電池を充電するときは、AGVを充電ステーションまで移動させた後、AGVに搭載された受電コイルを、充電ステーションの送電コイルに電磁的に結合させて非接触充電システムにおいて非接触充電を行う。
【0003】
前記非接触給電を用いた非接触給電システムでは、利便性や安全性向上のために広く検討されている。使用されるアプリケーションでは送受電コイル間の位置関係が変動する場合があり、これによる磁気特性の変化は電力変換(供給)効率を高く保つことの阻害要因の1つとなっている。
【0004】
図8Aは従来技術に係るLCCS方式の複合共振回路5を備える非接触給電システムの構成を示すブロック図であり、図8B図8Aの複合共振回路5の等価回路を示す回路図である。
【0005】
図8Aにおいて、LCCS方式の非接触給電システムは、交流電源1と負荷装置4との間に挿入され、AC/DCコンバータ11と、インバータ12と、互いに電磁気的に結合された2個の共振回路13,23を含む複合共振回路5とを備えて構成される。ここで、送電側の共振回路13は、インダクタL0,L1と、キャパシタC0,C1とを備え、受電側の共振回路23は、インダクタL2と、キャパシタC2とを備え、キャパシタC1は可変キャパシタであって可変容量C1を有し、キャパシタC2は可変キャパシタであって可変容量C2を有する。また、インダクタL1とインダクタL2とが鉄心などのコアを介して電磁的に結合され、図8Bの複合共振回路5の等価回路において、Lm,-Lmは電磁的な結合部分のインダクタンス(磁気パラメータ)を表し、当該インダクタンスLm,-Lmは送電装置と受電装置との間の位置ずれにより変化し、また、インダクタL1,L2のインダクタンスも変化する。
【0006】
なお、図8Aの共振回路13において、インダクタL0又はL1がキャパシタC0,C1とが直列に接続され、共振回路23において、インダクタL2とキャパシタC2とが直列に接続されるために、LCCS方式と呼ばれている。LCCS方式の複合共振回路5は、以下の3個の共振回路を備える。
(1)共振回路A:インダクタL0とキャパシタC0;
(2)共振回路B:インダクタL1とキャパシタC1;
(3)共振回路C:インダクタL2とキャパシタC2。
【0007】
ここで、共振回路Aと共振回路Cとが同一の共振周波数で互いに共振していれば、出力電圧Voutは負荷抵抗RLの間に依存しなくなる特性を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第10622841号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Weihan Li, et al., "A Double-Side Self-Tuning LCC/S System Using a Variable Switched Capacitor Based on Parameter Recognition," IEEE Transactions on Industrial Electronics, Vol. 68, No. 4, April 2021.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ここで、送電装置と受電装置との間の位置ずれにより磁気パラメータ(L1,L2,Lm)が変化すると、共振回路B,Cの共振条件が崩れるために、負荷非依存特性、高効率及び高力率を達成できなくなるという課題があった。
【0011】
例えば特許文献1に係る非接触給電システムでは、SS(Series-Series)方式を用いて、インダクタL1,L2の最大電圧点を検索することでキャパシタC1,C2を調整して2個の共振回路の共振点を合わせることを特徴としている。従って、LCCS方式に適用することはできない。
【0012】
また、例えば特許文献1に係る非接触給電システムは、図8Aの複合共振回路5の構成に加えて、入力段にLCフィルタが挿入されている。この非接触給電システムでは、各可変キャパシタC1,C2の電圧検出値及び負荷電圧値、並びに負荷電流値に基づいて、インダクタL1,L2の自己インダクタンスを計算し、各共振回路が所定の共振周波数になるように可変キャパシタC1,C2の値を算出することを特徴としている。
【0013】
しかしながら、これら従来技術に係る非接触給電システムでは、上述のように、送電装置と受電装置との間の位置ずれにより磁気パラメータが変化すると、各共振回路の共振条件が崩れるために、負荷非依存特性、高効率及び高力率を達成できなくなる。
【0014】
本発明の目的は、従来技術に比較して、送電装置と受電装置との間で位置ずれが発生しても、容易に簡単な構成で、負荷非依存特性、高効率及び高力率を達成できる複合共振回路の駆動制御装置及び駆動制御方法、非接触給電システム、送電装置及び受電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一態様に係る複合共振回路の駆動制御装置は、
第1のインダクタと、第1の可変容量を有する第1のキャパシタとを含む第1の共振回路であって、インバータにより変換された交流電力が入力される前記第1の共振回路と、
前記第1のインダクタと電磁的に結合される第2のインダクタと、第2の可変容量を有する第2のキャパシタとを含む第2の共振回路であって、交流電力を出力する第2の共振回路と、
を含む複合共振回路を駆動制御する複合共振回路の駆動制御装置であって、
前記駆動制御装置は、前記第1の可変容量と前記第2の可変容量とを制御する制御回路を備え、
前記制御回路は、
(1)前記第1のインダクタと前記第1のキャパシタとが所定の共振周波数で共振状態となるように前記第1の可変容量を制御する第1の共振制御処理と、
(2)前記第2の共振回路の共振周波数が前記インバータのスイッチング周波数となるように前記第2の可変容量を制御する第2の共振制御処理と、
のうちの一方の共振制御処理を少なくとも1回実行した後、もしくは実行しているときに、前記第1の共振制御処理と前記第2の共振制御処理とのうちの他方の共振制御処理を少なくとも1回実行する。
【発明の効果】
【0016】
従って、本発明に係る複合共振回路の駆動制御装置等によれば、送電装置と受電装置との間で位置ずれが発生しても、容易に簡単な構成で、負荷非依存特性、高効率及び高力率を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】実施形態1に係る非接触給電システムの構成例を示すブロック図である。
図1B】実施形態1の変形例に係る非接触給電システムの構成例を示すブロック図である。
図2】実施形態2に係る非接触給電システムの構成例を示すブロック図である。
図3】実施形態2の変形例に係る非接触給電システムの構成例を示すブロック図である。
図4A】変形例1に係るインバータ12Aの構成例を示す回路図である。
図4B】変形例2に係るインバータ12Bの構成例を示す回路図である。
図5A】変形例3に係る整流回路21Aの構成例を示す回路図である。
図5B】変形例4に係る整流回路21Bの構成例を示す回路図である。
図5C】変形例5に係る整流回路21Cの構成例を示す回路図である。
図5D】変形例6に係る整流回路21Dの構成例を示す回路図である。
図6A】実施形態において、ダミー負荷が無いときのメイン処理及びサブルーチン処理を示す表である。
図6B】実施形態において、ダミー負荷があるときのメイン処理及びサブルーチン処理を示す表である。
図7A】実施形態において、可変容量C2の制御処理におけるサブルーチン処理を示す表である。
図7B】実施形態において、可変容量C1の制御処理におけるサブルーチン処理を示す表である。
図8A】従来技術に係るLCCS方式の複合共振回路5を備える非接触給電システムの構成を示すブロック図である。
図8B図8Aの複合共振回路5の等価回路を示す回路図である。
図9A】実施形態の対策2の詳細を示す図であって、電圧V2又はV3の最大化又は最小化方法を示す、電圧利得の周波数特性のグラフである。
図9B】実施形態の対策2の詳細を示す図であって、非接触給電の送受電間の効率ηの最大化方法を示す、可変容量C2に対する効率ηを示すグラフである。
図10A】実施形態の対策2の詳細を示す図であって、入力電流I1(又は、入力電流I0、入力電力P0)の最大化方法を示す、可変容量C1に対する入力電流I1のグラフである。
図10B】実施形態の対策2の詳細を示す図であって、インバータ12の出力電圧V1と出力電流I1の位相差を0又は所望値に制御する方法を示す、可変容量C1に対する位相差のグラフである。
図11】実施形態の対策1の詳細を示す図であって、スイッチ素子の電圧と電流との関係を示すタイミングチャートである。
図12】実施形態の対策1の詳細を示す図であって、フィードバック制御法により可変容量C1を制御するフィードバック制御回路50を示すブロック図である。
図13】実施形態において、位相差が0で無くてもいい理由を説明する図であって、(a)ソフトスイッチングが成功したとき及び(b)ソフトスイッチングが失敗したときのスイッチ素子のゲート電流と電流を示すタイミングチャートである。
図14】実施形態において、位相差が0で無くてもいい理由を説明する図であって、位相差0のときのソフトスイッチングの失敗例を示すタイミングチャートである。
図15】実施形態において、位相差が0で無くてもいい理由を説明する図であって、位相差0よりソフトスイッチングの成功を優先させた例を示すタイミングチャートである。
図16】実施形態において、電圧V2が一定になるように電圧V0,V2を制御する場合を示す図であって、可変容量C2に対する電圧V0,V2を示すグラフである。
図17A】実施形態において、電圧V2が一定になるようにインバータ12のデューティ比d0を制御する場合を示す図であって、デューティ比d0=1(位相差θ=0)のときのスイッチ素子のゲート電圧及び電流を示すタイミングチャートである。
図17B】実施形態において、電圧V2が一定になるようにインバータ12のデューティ比d0を制御する場合を示す図であって、デューティ比d<1(位相差θ≠0)のときのスイッチ素子のゲート電圧及び電流を示すタイミングチャートである。
図18】実施形態において、電圧V2が一定になるようにインバータ12のデューティ比d0を制御する場合を示す図であって、可変容量C2に対するデューティ比d0を示すグラフである。
図19】実施形態において、負荷抵抗値を小さくすることで、電圧V3の利得の山が急峻になることを利用して動作周波数に対する電圧V3を制御することを示すグラフである。
図20】実施形態において、山登り法を用いた可変容量C2の制御方法を示す図であって、可変容量C2に対する電圧V2又はV3を示すグラフである。
図21】実施形態において、スイープ法を用いた可変容量C2の制御方法を示す図であって、可変容量C2に対する負荷電圧V4を示すグラフである。
図22】実施形態において、山登り法を用いた可変容量C1の制御方法を示す図であって、可変容量C1に対するインバータ12の出力電流I1を示すグラフである。
図23】実施形態において、スイープ法を用いた可変容量C1の制御方法を示す図であって、可変容量C1に対するインバータ12の出力電流I1を示すグラフである。
図24】実施形態に係る制御回路10の制御処理MA1及び制御回路20の制御処理MB1を示すフローチャートである。
図25】実施形態に係る制御回路10の制御処理MA2及び制御回路20の制御処理MB2を示すフローチャートである。
図26】実施形態に係る制御回路10の制御処理MA3及び制御回路20の制御処理MB3を示すフローチャートである。
図27】実施形態に係る制御回路10の制御処理MA4及び制御回路20の制御処理MB4を示すフローチャートである。
図28】実施形態に係る制御回路10の制御処理MA5及び制御回路20の制御処理MB5を示すフローチャートである。
図29】実施形態に係る制御回路10の制御処理MA6及び制御回路20の制御処理MB6を示すフローチャートである。
図30】実施形態に係る制御回路10の制御処理MA7及び制御回路20の制御処理MB7を示すフローチャートである。
図31】実施形態に係る制御回路10の制御処理MA8及び制御回路20の制御処理MB8を示すフローチャートである。
図32】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C2C1制御処理SA11及び制御回路20の可変容量C2C1制御処理SB11を示すフローチャートである。
図33】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C2C1制御処理SA12及び制御回路20の可変容量C2C1制御処理SB12を示すフローチャートである。
図34】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1C2制御処理SA13及び制御回路20の可変容量C1C2制御処理SB13を示すフローチャートである。
図35】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1C2制御処理SA14及び制御回路20の可変容量C1C2制御処理SB14を示すフローチャートである。
図36】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C2C1制御処理SA15及び制御回路20の可変容量C2C1制御処理SB15を示すフローチャートである。
図37】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C2C1制御処理SA16及び制御回路20の可変容量C2C1制御処理SB16を示すフローチャートである。
図38】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1C2制御処理SA17及び制御回路20の可変容量C1C2制御処理SB17を示すフローチャートである。
図39】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1C2制御処理SA18及び制御回路20の可変容量C1C2制御処理SB18を示すフローチャートである。
図40】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路20の可変容量C2制御処理SB21を示すフローチャートである。
図41A】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C2制御処理SA22及び制御回路20の可変容量C2制御処理SB22の第1の部分を示すフローチャートである。
図41B】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路20の可変容量C2制御処理SB22の第2の部分を示すフローチャートである。
図42】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路20の可変容量C2制御処理SB23を示すフローチャートである。
図43】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C2制御処理SA24及び制御回路20の可変容量C2制御処理SB24を示すフローチャートである。
図44A】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C2制御処理SA25及び制御回路20の可変容量C2制御処理SB25の第1の部分を示すフローチャートである。
図44B】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路20の可変容量C2制御処理SB25の第2の部分を示すフローチャートである。
図45】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C2制御処理SA26及び制御回路20の可変容量C2制御処理SB26を示すフローチャートである。
図46】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1制御処理SA31を示すフローチャートである。
図47A】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1制御処理SA32の第1の部分及び制御回路20の可変容量C1制御処理SB32を示すフローチャートである。
図47B】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1制御処理SA32の第2の部分を示すフローチャートである。
図48】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1制御処理SA33を示すフローチャートである。
図49】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1制御処理SA34を示すフローチャートである。
図50】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1制御処理SA35を示すフローチャートである。
図51】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1制御処理SA36及び制御回路20の可変容量C1制御処理SB36を示すフローチャートである。
図52】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1制御処理SA37を示すフローチャートである。
図53】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1制御処理SA38を示すフローチャートである。
図54】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1制御処理SA39を示すフローチャートである。
図55】実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1制御処理SA310を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施形態及び変形例について図面を参照して説明する。なお、同一又は同様の構成要素については同一の符号を付している。
【0019】
(発明者の知見)
図8A及び図8Bを参照して、上述の課題に対する原因を考察すると、以下の通りであると考える。
(原因1)共振回路Bが最適な共振条件からずれて、高効率で電力を伝送できなくなる。
(原因2)共振回路Aと共振回路Cの共振周波数がずれて、高効率で電力を伝送できなくなる。
【0020】
原因1に対する対策処理1として、可変キャパシタC1の容量(以下、可変容量C1という。)を調整するように制御して共振回路Bの共振周波数を変更して入力力率を調整する。また、原因2に対する対策処理2として、キャパシタC2を可変キャパシタにしてその容量(以下、可変容量C2という。)を調整するように制御して、共振回路Cの共振条件を共振回路Aの共振条件に合わせることで高い電力伝送条件に調整する。これにより、共振回路Cを共振回路Aに対して共振状態にする。
【0021】
ここで、対策処理2を実行した後、対策処理1を実行することが好ましい。その理由は、入力力率が1からずれるためである。ただし、対策処理1を実行した後、対策処理2、対策処理1を実行してもよい。なお、対策処理2を実行した後、対策処理1を実行することを1回実行してもよし、複数回実行してもよい。もしくは、対策処理2を実行した後、対策処理1を実行し、その後、いずれか一方の対策処理を複数回繰り返してもよい。
【0022】
以上説明した対策処理1は、共振回路Bにおいて、可変容量C1を調整することで、インダクタL1と可変キャパシタC1とを所定の共振周波数で共振させる共振制御処理である。また、対策処理2は、共振回路Cにおいて、可変容量C2を調整することで、インダクタL2と可変キャパシタC2とを所定の共振周波数(例えば、インバータ12のスイッチング周波数)で共振させる共振制御処理である。共振回路B及びCを含む複合共振回路では、各共振周波数を互いに異なるように可変容量C1,C2を制御することで、より高い伝送効率で電力伝送できる。
【0023】
次いで、対策処理2の詳細について、図9A及び図9Bを参照して以下に説明する。
【0024】
対策処理2において、可変容量C2の調整制御は、以下の2つの方法がある。
(方法A)後述する図1の整流回路21からDC/DCコンバータ22への出力電圧V2、もしくは後述する図2の整流回路21からダミー負荷装置24への出力電圧V3を最大化又は最小化する。図9Aに示すように、負荷抵抗の大きさに応じて、動作周波数(共振周波数)に対して極大点が形成する場合もあれば、極小点を形成する場合もあり、可変容量C2を調整する。
(方法B)図1の送電装置2と受電装置3との間の電力効率ηを最大化する。図9Bに示すように、入力電力P0(=V0×I0)と、出力電力P2(=V2×I2;又はP3=V3×I3、もしくはP4=V4×I4))から電力効率η(=P2/P0、P3/P0、又はP4/P0)を算出してそれが最大になるように可変容量C2を調整する。
【0025】
ここで、方法A,Bの両方を装置に実装する必要は無く、これらの調整は山登り法又はスイープ法などの極値探索法を用いて実行する。
【0026】
次いで、対策処理1の詳細について、図10A図12を参照して以下に説明する。
【0027】
対策処理1は、具体的には以下のように実行する。
(1)入力電流I0、インバータ12の出力電流I1、もしくは入力電力P0(=V0×I0)を最小化するように可変容量C1が最小点になるように調整する(一例を図10Aに示す)。
(2)送電装置と受電装置間の電力効率ηを最大化するように可変容量C1を調整する。なお、電力効率ηは次式を用いて計算できる。
η=P2/P0、又はP3/P0、もしくはP4/P0
ここで、P0=V0×I0,P2=V2×I2,P3=V3×I3,P4=V4×I4である。P0は入力電力であり、P2は整流回路21からDC/DCコンバータ22への出力電力であり、P3は整流回路21からダミー負荷装置24への出力電力であり、P4は実際の負荷装置(以下、負荷装置という。)4への負荷電力である。
(3)インバータ12の出力電圧V1と出力電流I1の位相差θが0もしくは所望値になるように調整する(図10B)。
(4)インバータ12のスイッチ素子のオン時の電流で可変容量C1を調整することもできる。図11に示すように、インバータ12の各スイッチ素子(例えば4個のスイッチ素子Q1~Q4)がターンオンした瞬間の電流値(瞬時値)又はターンオンした瞬間から電流がゼロクロスするまでの電流値(積分値)を計測して、電流値が任意の電流値になるように、可変容量C1を調整する。スイッチ素子Q1~Q4の電流の検出箇所はデバイス電流iQ1,iQ2,iQ3,iQ4又は電流I1である。なお、Vgs1~Vgs4はスイッチ素子Q1~Q4へのゲート電圧である。
【0028】
ここで、インバータ12の出力電圧V1と出力電流I1の位相差θ、もしくは、インバータ12のスイッチ素子のオン電流は山登り法とスイープ以外に図12のフィードバック制御回路50で調整してもよい。図12において、フィードバック制御回路50は、減算器51と、制御装置52と、制御対象回路53と、フィードバック要素回路54とを備えて構成される。ここで、制御装置52は可変容量C1に対応し、制御対象回路53は無線給電回路に対応し、フィードバック要素回路54は補償器に対応する。フィードバック制御回路50では、目標値である位相差の偏差が0になるようにフィードバック制御されて、制御量である位相及びオン電流が発生される。
【0029】
次いで、上述の可変容量C1又はC2の調整において、位相差θを0になるように制御しなくてもよい理由については以下に説明する。
【0030】
無線給電回路の設計において、位相差0による力率の向上により、ソフトスイッチング達成を優先することがある。位相差0で力率が1と高くできたとしても、スイッチ素子の損失が増加し、無線伝送の電力効率が低下するケースがあるからである。位相差0にするとソフトスイッチング達成できなくなることがあるため、位相差を0にするではなく、位相差0に近づける、もしくは所望値に調整することが好ましい。
【0031】
ここで、ソフトスイッチングとは、スイッチのオンとオフのタイミングの損失を低減する技術であり、スイッチ素子に印加されているゲート電圧が0Vになっている状態で、スイッチ素子がオフからオンに遷移することを言う。ゲート電圧が0Vのときにスイッチ素子をオフからオンに切り替えるためには、スイッチ素子がオフ期間にスイッチ素子に負電流が流れている必要がある。すなわち、ソフトスイッチング達成(成功)の条件はスイッチ素子がオンするタイミングで、スイッチ素子に負電流が流れていることとなる(図11図15参照)。このソフトスイッチングを達成するとスイッチ素子のスイッチング損失が低減されるため、回路全体の高効率に繋げることができる。
【0032】
位相差θ=0(力率1)よりソフトスイッチングの達成されないケースの一例について以下に説明する。
【0033】
このケースは、後述する図4Bのインバータ12(フルブリッジ回路で構成)を位相シフト制御した場合に発生する。位相シフト制御では、インバータ12のスイッチ素子Q1とQ2、Q3とQ4を180度だけずらしてスイッチングし、さらにスイッチ素子Q1とQ4、スイッチ素子Q2とQ3の位相をθだけずらして、インバータ12の出力電圧V1を制御する。
【0034】
図14に、位相シフト制御したときのインバータ12の出力電圧V1を矩形波電圧で示す。この矩形波を発生するために、スイッチ素子Q1とQ4、スイッチ素子Q2とQ3のスイッチ素子のオンタイミング(ゲートVgsのハイタイミング)が位相差θだけずれている。矩形波電圧の基本波成分を点線の正弦波になる。位相差θ=0(力率1)の場合、インバータ12の出力電圧V1と出力電流I1(実線の正弦波波形)は同じ位相の正弦波になります。このときのデバイス電流iQ1,iQ2,iQ3,iQ4を確認すると、デバイス電流iQ1,iQ2はソフトスイッチングできているものの、デバイス電流iQ3,iQ4がソフトスイッチング達成することができていないことが分かる。このように位相シフト制御をする場合、力率1でもソフトスイッチング達成されないケースが発生する場合がある。
【0035】
次いで、位相シフト制御する場合のすべてのスイッチ素子Q1~Q4について、ソフトスイッチングを達成させるための対策方法について以下に説明する。
【0036】
すべてのスイッチ素子Q1~Q4でソフトスイッチングを達成するために位相シフト制御では、若干の位相差をあえて発生させる場合がある。図15は、若干の位相差θをあえて発生した波形になっている。図15から明らかなように、インバータ12の出力電圧V1と出力電流I1の正弦波電流の位相差θが0になっておらず、スイッチ素子Q3とQ4のゲート電圧Vgsがハイになるときに出力電流I1が0になるところまでずれている。このように位相をずらすことで、図14でソフトスイッチングが未達成だったものが、図15でソフトスイッチング達成になっている。上記のように位相シフト制御の場合はソフトスイッチングの達成のために位相をずらすが、位相差θが0に近いことが好ましい(すなわち、力率が高いことが好ましい)ため、ソフトスイッチング達成する範囲で力率1に近づくように制御する。
【0037】
以上の知見に基づいた実施形態及びその変形例に係る非接触給電システムについて以下に説明する。
【0038】
(実施形態1)
図1Aは実施形態1に係る非接触給電システムの構成例を示すブロック図である。図1Aの非接触給電システムは、交流電源1と負荷装置4との間に挿入され、送電装置2と、受電装置3とを備えて構成される。
【0039】
図1Aにおいて、送電装置2は、AC/DCコンバータ11と、インバータ12と、共振回路13と、制御回路10と、通信装置15と、電圧検出器16,18と、電流検出器17,19とを備える。
【0040】
電圧検出器16は電圧V0を検出してその検出信号を制御回路10に出力し、電流検出器17は電流I0を検出してその検出信号を制御回路10に出力する。電圧検出器18は電圧V1を検出してその検出信号を制御回路10に出力し、電流検出器19は電流I1を検出してその検出信号を制御回路10に出力する。電圧検出器16,18と、電流検出器17,19は、以下の制御処理において必要な検出器のみを備えるように他の検出器を削除してもよい。
【0041】
共振回路13は、インダクタL0,L1と、キャパシタC0と、可変容量C1を有する可変キャパシタC1とを備える。ここで、インダクタL1は例えば鉄心などのコアを有し、受電装置3が送電装置2の所定の位置に移動したときに、受電装置3の共振回路23のインダクタL2と電磁的に結合される。
【0042】
制御回路10は、制御処理を実行するために必要なデータと、計算途中のデータとを記録格納するメモリ10mを備え、AC/DCコンバータ11及びインバータ12の動作を制御するとともに、可変容量C1を制御する。ここで、制御回路10は、インバータ12の複数のスイッチ素子の複数のゲート電圧を、所定のデューティ比d0を有するPWM電圧で発生することで、インバータ12の動作を制御する。また、制御回路10は、通信装置15と接続され、通信装置15、通信回線35及び通信装置25を介して受電装置3の制御回路20と所定の複数の信号を用いて通信を行う。ここで、通信回線35は無線通信回線であってもいいし、有線通信回線であってもよい。
【0043】
また、受電装置3は、共振回路23と、DC/DCコンバータ22と、制御回路20と、通信装置25と、電圧検出器26,28と、電流検出器27,28Aとを備える。
【0044】
電圧検出器26は電圧V2を検出してその検出信号を制御回路20に出力し、電流検出器27は電流I2を検出してその検出信号を制御回路20に出力し、電圧検出器28は電圧V4を検出してその検出信号を制御回路20に出力する。また、電流検出器28Aは電流I4を検出してその検出信号を制御回路20に出力する。なお、電圧検出器26,28と、電流検出器27は、以下の制御処理において必要な検出器のみを備えるように他の検出器を削除してもよい。
【0045】
共振回路23は、インダクタL2と、可変容量C2を有する可変キャパシタC2とを備える。ここで、インダクタL2は例えば鉄心などのコアを有し、受電装置3が送電装置2の所定の位置に移動したときに、送電装置2の共振回路13のインダクタL1と電磁的に結合される。
【0046】
制御回路20は、制御処理を実行するために必要なデータと、計算途中のデータとを記録格納するメモリ20mを備え、整流回路21及びDC/DCコンバータ22の動作を制御するともに、可変容量C2を制御する。ここで、制御回路20は、通信装置25と接続され、通信装置25、通信回線35及び通信装置15を介して送電装置2の制御回路10と所定の複数の信号を用いて通信を行う。
【0047】
制御回路10及び20は、上述の通信回線35を用いて互いに連携しながら、後述する図24図31のメイン処理及び図32図55のサブルーチン処理を実行することで、前記の対策処理2及び1を実行するように、可変容量C2,C1を調整して制御する。ここで、制御回路10,20は、互いに電磁的に結合された2個の共振回路13,23を含む複合共振回路を駆動制御する、複合共振回路の駆動制御装置を構成する。
【0048】
以上のように構成された図1Aの非接触給電システムにおいて、交流電源1からの交流電圧(交流電力)は、AC/DCコンバータ11により所定の直流電圧(直流電力)に変換された後、電圧検出器16及び電流検出器17を介してインバータ12に入力される。インバータ12は入力される直流電圧(直流電力)を、制御回路10からのゲート電圧Vgs1~Vgs4に従ってスイッチングすることで所定のデューティ比d0を有する矩形波形状の交流電圧(交流電力)を発生して、電圧検出器18及び電流検出器19、共振回路13,23を介して整流回路21に出力する。整流回路21は入力される交流電圧(交流電力)を整流し平滑して所定の直流電圧(直流電力)に変換した後、電圧検出器26及び電流検出器27を介してDC/DCコンバータ22に出力する。DC/DCコンバータ22は入力される直流電圧(直流電力)を所定の直流電圧(直流電力)に変換した後、電圧検出器28を介して負荷装置4に出力する。
【0049】
従って、図1Aの非接触給電システムによれば、インダクタL1,L2の間の位置ずれが発生しても、負荷非依存特性(定電圧特性;負荷の値が変化しても電圧出力特性が変化しない)と、高電力効率と、高力率(力率1)の動作を達成することができる。これにより、磁気パラメータと負荷の変動に強く、高効率な電力伝送が可能な非接触給電システムを提供することができる。ここで、磁気パラメータの変動に対しての調整機構が設けられるので、位置ずれに対する電力供給可能な範囲を拡大することができ(位置ずれロバスト性の向上)、ユーザビリティの向上に繋がる。さらに、高電力効率になることで、当該回路で発生する損失(熱)が低減され、非接触給電システムの小型軽量化を実現できる。
【0050】
さらに、給電中に送電装置2へ負荷や出力電圧などをフィードバックが不要にできるため、制御の遅延がなくなり、安定した出力電圧が得られる。また、フィードバックを不要にできるので、給電ノイズによる一時的な通信障害を回避することができる。さらに、負荷急変などのオープン故障などの異常状態においても出力電圧を一定に保つことができるため、過電圧による回路の故障を防ぐことができる。またさらに、部品の製造ばらつきによる非接触給電の給電特性の悪化を抑制することができる。
【0051】
以上のように構成された図1の非接触給電システムでは、対策処理2を実行した後、対策処理1を実行することで、負荷非依存特性と高効率と高力率を達成することができる。これらの対策処理2,1は必ずしも対策処理2からでなくてもよい。すなわち、対策処理1を実行した後対策処理を実行することを除き、対策処理1を実行し、対策処理2を実行した後、対策処理1を実行してもよい。ここで、対策処理2,1の各処理は1回でもいいし、複数回でもよい。本実施形態のように、負荷非依存特性(定電圧特性)を有する共振回路(LCCS方式)において、可変容量C2を調整して共振回路23のインダクタL2と可変容量C2が所定の共振周波数で完全に共振している状態になるように可変容量C2を調整し、さらに共振回路13の可変容量C1を共振回路23と同一の共振周波数で共振するように調整することで、負荷非依存特性と高効率と高力率を達成する非接触給電システムを提供することができる。また、加えて、本実施形態は給電中に負荷値、出力電圧を送電装置2にフィードバックして制御する必要もない場合もあり、通信障害による給電停止を回避できる。
【0052】
実施形態1における概略の制御手順は以下の通りである。
(1)所定の電圧、周波数でAC/DCコンバータ11を起動した後、インダクタL0とキャパシタC0の共振周波数でインバータ12を起動する。
(2)次いで、電圧V2(又はV3(図2))を最大化(又は最小化)し、もしくは送電装置2と受電装置3との間の電力効率ηが最大するように可変容量C2を調整するように制御して設定する。
(3)次いで、(A)電流I0の最小化、(B)電流I1の最小化、(C)電力P0(=V0×I0)の最小化、(D)送電装置2と受電装置3との間の電力効率ηの最大化、(E)インバータ12の出力電圧V1と出力電流I1の位相差θを0又はその近傍値への調整、(F)インバータ12のスイッチ素子のオン電流の調整のいずれかの方法で可変容量C1を調整するように制御して設定する。
【0053】
なお、受電装置3における共振回路23の共振調整の方法において、電圧V2を調整することに代えて、以下の共振調整方法を用いてもよい。
(1)電圧V2が一定になるように入力電圧V0を制御する場合、入力電圧V0が最小となるときインダクタL2可変キャパシタC2が所定の共振周波数で共振していると判定してもよい。
(2)電圧V2が一定になるようにインバータ12の出力電圧V1をインバータ12へのPWM信号の位相シフト、すなわちデューティ比d0で制御してもよく、この場合、デューティ比d0が最小になるときインダクタL2可変キャパシタC2が所定の共振周波数で共振していると判定してもよい。
【0054】
ここで、電圧V2が一定になるように電圧V0を制御する場合、電圧V0が最小となるときインダクタL2とキャパシタC2が共振していると判定する。整流回路21の出力電圧V2が下に凸になる場合、電圧V0は最大になる。すなわち、本来、電圧V0が一定の場合は、電圧V2はインダクタL2とキャパシタC2の共振点をピークとして、上に凸の放物線を描くようになる。しかし、電圧V0を制御量として、電圧V2を制御する場合、電圧V2に電圧の放物線を観測することができない。従って、電圧V2の変化を抑制している電圧V0の変化量を観測して、インダクタL2とキャパシタC2が共振していると判断する。電圧V0がピーク電圧(極大点電圧)もしくはボトム電圧(極小点の電圧)になる点で共振点を検出する。
【0055】
また、電圧V2が一定になるようにインバータ12のデューティ比d0を制御する場合、インバータ12が例えばフルブリッジ回路(図4B)の場合、スイッチ素子Q1,Q2,Q3,Q4のゲート電圧Vgs1,Vgs2,Vgs3,Vgs4の位相θに係るデューティ比d0を制御することで、インバータ12の出力電圧V1を調整することができる。インバータ12の出力電圧V1の大きさは入力電圧V0と時間(d0・π・Ts)の積(面積)で決まると考えてよい。ここで、Tsはスイッチング周期である。図17A及び図17Bから明らかなように、デューティ比d0を1より小さくすると出力電圧V2の面積が小さくなり、出力電圧V2を小さく調整できていることがわかる。ここで、デューティ比d0の範囲は0<d0<1なので、このデューティ比制御では、インバータ12の出力電圧V1を下げるようにしか調整はできない。インバータ12のスイッチ素子Q1,Q2,Q3,Q4のゲート電圧Vgs1,Vgs2,Vgs3,Vgs4の位相θに係るデューティ比d0を制御することで、電圧V2を一定に保つように制御する場合のインダクタL2とキャパシタC2の共振点の調整方法について、以下に説明する。
【0056】
電圧V2が一定になるようにインバータ12の出力電圧V1をデューティ比d0で制御する場合、デューティ比d0が最小になるときインダクタL2及びキャパシタC2が共振していると判定する。共振回路23の電圧利得が下に凸になる場合は、デューティ比d0は最大になる。位相シフトで出力電圧V2を一定になるように制御している場合では、インバータ12の出力電圧V2を降圧することしかできないため、インダクタL2とキャパシタC2が共振し、出力電圧V2が最大になる条件では、図18に示すように、デューティ比d0は最小の値になる。従って、デューティ比d0の最小点(極大点)を探すことができれば、インダクタL2とキャパシタC2が共振点を見つけられたことになる。
【0057】
次いで、負荷非依存点と高電力効率を求める制御アルゴリズムの実施形態について以下に説明する。
【0058】
対策処理2と対策処理1の制御アルゴリズムの実施形態を以下に示す。対策方法は山登り法又はスイープ法のいずれかを用いる。
【0059】
(対策処理2)
(I)整流回路21の出力電圧V2又はV3を検出し、負荷非依存点を求める実施形態:
(Ia)山登り法
負荷装置4への切り替え、もしくは、負荷装置4からテストモードのダミー負荷装置24へ切り替え、出力電圧V2又はV3が局所的に最大となるように可変容量C2を制御して可変容量C2の値を求める。
(Ib)可変容量C2のスイープ法
負荷装置4へ切り替え、もしくは、負荷装置4からテストモードのダミー負荷装置24へ切替え、任意の範囲で可変容量C2を変化させ、出力電圧V2又はV3を記録し、最大となる可変容量C2を求める。なお、スイープする回数は1回のみ行う。
【0060】
(対策処理1)
(II)インバータの出力電流I1を検出し、インバータの力率1の点を求める例
(IIa)山登り法
負荷装置4へ切り替え、もしくは、負荷装置4からテストモードのダミー負荷装置24へ切り替え、出力電流I1が局所的に最小となるように可変容量C1を制御し、可変容量C1の値を求める。
(IIb)可変容量C1のスイープ法
負荷装置4の負荷へ切り替え、もしくは、負荷装置4からテストモードのダミー負荷装置24へ切り替え、任意の範囲で可変容量C1の容量を変化させ、出力電流I1を記録し、最小となる可変容量C1を求める。なお、スイープする回数は1回のみ行う。
【0061】
なお、出力電圧V2の最大値と出力電流I2の最大値と評価値が異なるだけで、根本的なアルゴリズムは同じである。
【0062】
(Ia)山登り法を用いた制御処理では、図20に示すように、可変容量C2に対する電圧V2(又はV3)曲線で可変容量C2を一方向(増加又は減少)にスイープし、電圧V2(又はV3)が増加から減少に転換(電圧V2(又はV3)の傾きの極性が反転)すると可変容量C2をスイープする方向を逆方向にする。これを繰り返すことにより、負荷依存性のない出力定電圧点(電圧V2(又はV3)が局所的に最大となる点)を検出し、この点の可変容量C2を求めて設定する。
【0063】
(Ib)スイープ法を用いた制御処理では、図21に示すように、可変容量C2の所定範囲内において可変容量C2を、高値から低値に、もしくは低値から高値へのいずれか一方向に一度スイープし、電圧V2又はV3を検出して局所的に最大となる点の可変容量C2を求めて設定する。
【0064】
(IIa)山登り法を用いた制御処理では、図22に示すように、可変容量C1に対するインバータ12の出力電流I1曲線で、可変容量C1を一方向(増加又は減少)にスイープし、出力電流I1が増加から減少に転換(出力電流I1の傾きの極性が反転)すると可変容量C1をスイープする方向を逆方向にする。これを繰り返すことにより力率1の動作点(出力電流I1が局所的に最小となる点)を検出し、この点の可変容量C1を設定する。
【0065】
(IIb)スイープ法を用いた制御処理では、図23に示すように、所定範囲内において可変容量C1を高値から低値に、もしくは低値から高値へのいずれか一方向に一度スイープし、インバータ12の出力電流I1を検出して局所的に最小となる点の可変容量C1を求めて設定する。
【0066】
以上のように構成された実施形態1に係る非接触給電システムによれば、制御回路10及び20は、通信回線35を用いて互いに連携しながら、後述する図24図31のメイン処理及び図32図55のサブルーチン処理を実行することで、前記の対策処理2及び1を実行するように、可変容量C2,C1を調整して制御する。これにより、従来技術に比較して、送電装置と受電装置との間で位置ずれが発生しても、容易に簡単な構成で、負荷非依存特性、高効率及び高力率を達成できる。
【0067】
(実施形態1の変形例)
図1Bは実施形態1の変形例に係る非接触給電システムの構成例を示すブロック図である。図1Bの非接触給電システムは、図1Aの非接触給電システムと比較して以下の点が異なる。
(1)電圧検出器18からの電圧V1の検出信号と、電流検出器19からの電流I1の検出信号に基づいて、それらの位相差θを検出してその検出信号を制御回路10に出力する位相差検出回路14を備えた。
【0068】
以上のように構成された図1Bの非接触給電システムの制御回路10,20は、位相差検出回路14を備え、図48の制御処理SA33を実行することを特徴としており、このことを除き、図1Aの非接触給電システムの動作と同様に動作し、作用効果も同様の作用効果を有する。
【0069】
なお、整流回路21は、詳細後述するように、例えば、半波整流回路、両波整流回路、フルブリッジ整流回路、ハーフアクティブ整流回路、倍電圧整流回路、又は倍電流整流回路などの整流回路であってもよい。また、整流回路21は入力される交流電力を直流電力に整流してもよい。
【0070】
ここで、図4A図5Dを参照して、インバータ12及び整流回路21の変形例について以下に説明する。
【0071】
図4Aは変形例1に係るインバータ12Aの構成例を示す回路図である。図4Aにおいて、インバータ12Aは、入力キャパシタCinと、互いに直列に接続された2個のMOSFETにてなるスイッチ素子Q1,Q2からなるハーフブリッジ回路とを備えて構成される。なお、スイッチ素子Q1,Q2の各ゲートへのゲート電圧Vgs1,Vgs2は制御回路10から供給される。
【0072】
図4Bは変形例2に係るインバータ12Bの構成例を示す回路図である。図4Bにおいて、インバータ12Bは、入力キャパシタCinに加えて、互いに直列に接続された2個のMOSFETにてなるスイッチ素子Q1,Q2と、互いに直列に接続された2個のMOSFETにてなるスイッチ素子Q3,Q4との並列回路からなるフルブリッジ回路とを備えて構成される。なお、スイッチ素子Q1~Q4の各ゲートへのゲート電圧Vgs1~Vgs4は制御回路10から供給される。
【0073】
図5Aは変形例3に係る整流回路21Aの構成例を示す回路図である。図5Aにおいて、整流回路21Aは、ブリッジ形式で接続された4個のダイオードD1~D4を含む全波整流回路と、出力キャパシタC10とを備えて構成される。
【0074】
図5Bは変形例4に係る整流回路21Bの構成例を示す回路図である。図5Bにおいて、整流回路21Bは、互いに直列に接続された2個のダイオードD1,D2を含むD級整流回路(倍電圧整流回路)と、出力キャパシタC10とを備えて構成される。
【0075】
図5Cは変形例5に係る整流回路21Cの構成例を示す回路図である。図5Cにおいて、整流回路21Cは同期整流回路であって、ブリッジ形式で接続された4個のMOSFETであるスイッチ素子Q11~Q14を含む全波整流回路と、出力キャパシタC10とを備えて構成される。なお、スイッチ素子Q11~Q14へのゲート電圧Vgs11~Vgs14は、制御回路20から供給される。
【0076】
図5Dは変形例6に係る整流回路21Dの構成例を示す回路図である。図5Dにおいて、整流回路21Dは同期整流回路であって、互いに直列に接続された2個のMOSFETであるスイッチ素子Q11,Q12を含むD級整流回路(倍電圧整流回路)と、出力キャパシタC10とを備えて構成される。なお、スイッチ素子Q11,Q12へのゲート電圧Vgs11,Vgs12は、制御回路20から供給される。
【0077】
(実施形態2)
図2は実施形態2に係る非接触給電システムの構成例を示すブロック図である。図2は実施形態2に係る非接触給電システムの構成例を示すブロック図である。図2の非接触給電システムは、図1Aの非接触給電システムと比較して以下の点が異なる。
(1)受電装置3に代えて受電装置3Aを備える。受電装置3Aは、受電装置3に比較して、スイッチSWを備えて、整流回路21の出力電圧を電圧検出器29及び電流検出器30を介してダミー負荷装置24に切り替え可能にすることを特徴とする。ダミー負荷装置24の動作は制御回路20により制御される。
以下、相違点について説明する。
【0078】
電圧検出器29はダミー負荷装置24への入力電圧V3を検出してその検出信号を制御回路20に出力し、電流検出器30はダミー負荷装置24への入力電流I3を検出してその検出信号を制御回路20に出力する。ここで、電圧検出器16,18,26,28,29と、電流検出器17,19,27,30は、以下の制御処理において必要な検出器のみを備えるように他の検出器を削除してもよい。
【0079】
制御回路10,20は、後述する図36~39の制御処理SA15,SB15~SA18,SB18を実行する。
【0080】
次いで、実施形態2の動作の特徴について以下に説明する。
【0081】
図2において、共振回路23のインダクタL2とキャパシタC2の共振状態を調整する際に負荷抵抗値の大きさによっては検出しにくい場合がある。この対策として、整流回路21の後段に本来の負荷装置4とダミー負荷装置24(抵抗値小)を切り替えるためのスイッチSWを設け、ダミー負荷装置24の負荷抵抗を、意図的に負荷装置4の負荷抵抗よりも小さくする。このように抵抗値を小さくすることで、電圧V3の利得の山が急峻になり(図19参照)、出力電圧V3の電圧を検出しやすくなる。このとき、ダミー負荷装置24の抵抗が破損(焼損)しないように、動作モードに対してテストモードを用い、負荷装置4に給電する電圧及び電力ではない低い電圧及び電力を使用する。
【0082】
ダミー負荷装置24に切り替えるテストモードにおいて、電圧V3の電圧を調整する方法は以下の3つの方法がある。
(1)AC/DCコンバータ11の出力電圧V0を動作モードに比較して小さくする。
(2)インバータ12の位相シフト制御で電圧V3を動作モードに比較して小さくする。
(3)AC/DCコンバータ11に代えて、外部の直流電源を用いて、その電圧V0を動作モードに比較して小さくする。
【0083】
ここで、電圧V3を制御する方法は、AC/DCコンバータ11の出力電圧V0を制御するか、もしくはインバータ12の位相シフト(すなわち、デューティ比d0)を制御する。なお、テストモードでダミー負荷装置24を用いて、共振回路13,23の共振状態を調整する場合は、上述の制御処理を用いる。
【0084】
実施形態2における概略の制御手順は以下の通りである。
(1)まず、テストモードにおいて、スイッチSWをダミー負荷装置24側に切り替える。
(2)所定の電圧、周波数でAC/DCコンバータ11を起動した後、インダクタL0とキャパシタC0の共振周波数でインバータ12を起動する。
(3)次いで、電圧V2(又はV3(図2))を最大化(又は最小化)し、もしくは送電装置2と受電装置3との間の電力効率ηが最大するように可変容量C2を調整するように制御して設定する。
(4)次いで、(A)電流I0の最小化、(B)電流I1の最小化、(C)電力P0(=V0×I0)の最小化、(D)送電装置2と受電装置3との間の電力効率ηの最大化、(E)インバータ12の出力電圧V1と出力電流I1の位相差θを0又はその近傍値への調整、(F)インバータ12のスイッチ素子のオン電流の調整のいずれかの方法で可変容量C1を調整するように制御して設定する。
(5)次いで、スイッチSWをDC/DCコンバータ22側に切り替えて、テストモードから動作モードに切り替える。ここで、制御回路10は受電装置3で検出した電圧V3から必要な入力電圧V0を計算し、AC/DCコンバータ11から電力供給されるように制御する。
【0085】
以上のように構成された実施形態2に係る非接触給電システムでは、ダミー負荷装置24を用いたテストモードの後に、動作モードを実行することで、実施形態1と同様に、負荷非依存特性と高効率と高力率を達成する非接触給電システムを提供することができる。
【0086】
以上の実施形態2では、可変キャパシタC1を備えているが、本発明はこれに限らず、可変キャパシタC1を備えなくてもよく、もしくは固定のキャパシタC1で構成してもよい。これにより、送電装置2の回路構成及び制御処理を簡単化できる。
【0087】
(実施形態2の変形例)
図3は実施形態2の変形例に係る非接触給電システムの構成例を示すブロック図である。図3の非接触給電システムは、図2の非接触給電システムに比較して以下の点が異なる。
(1)受電装置3Aに代えて受電装置3AAを備える。受電装置3AAは受電装置3Aと比較して、スイッチSWと、電圧検出器29と、電流検出器30と、ダミー負荷装置24とを削除する一方、整流回路21の前段に既知の負荷抵抗Rtと、負荷電圧V21を検出する電圧検出器31を備える。
(2)整流回路21として、図5C又は図5Dの同期整流回路21C又は21Dを用いる。
【0088】
以上のように構成された図3の非接触給電システムにおいて、テストモードでは、同期整流回路21C又は21Dの各スイッチ素子Q11~Q14をオープン状態にすることで、既知の負荷抵抗Rtに負荷が切り替えられる。なお、テストモードにおける既知の負荷抵抗Rtの負荷電圧V21を負荷電圧V3に代えて検出する。ここで、負荷抵抗Rtの抵抗値を他の回路と比較して十分に大きな値に設定することで、充電時における負荷装置4の負荷値への影響をなくすことができる。
【0089】
(制御回路10,20が実行する制御処理であるメイン処理及びサブルーチン処理)
以上のように構成された実施形態1~3に係る非接触給電システムの制御回路10,20は図6A図7Bにおいて分類して示す制御処理であるメイン処理及びサブルーチン処理を実行することで、可変容量C2及び可変容量C1の制御処理を実行する。
【0090】
図6Aは実施形態において、ダミー負荷装置24が無いときのメイン処理及びサブルーチン処理を示す表である。図6Aにおいて、制御回路10,20は図24図27のメイン処理である制御処理MA1~MA4,MB1~MB4のいずれかを実行し、それらの制御処理に対応して図32図35のサブルーチン処理SA11~SA14,SB11~SB14のいずれかを実行することで、可変容量C2及び可変容量C1の制御処理を実行する。
【0091】
図6Bは実施形態において、ダミー負荷があるときのメイン処理及びサブルーチン処理を示す表である。図6Bにおいて、制御回路10,20は図28図31のメイン処理である制御処理MA5~MA8,MB5~MB8のいずれかを実行し、それらの制御処理に対応して図36図39のサブルーチン処理SA15~SA18,SB15~SB18のいずれかを実行することで、可変容量C2及び可変容量C1の制御処理を実行する。
【0092】
図7Aは実施形態において、可変容量C2の制御処理におけるサブルーチン処理を示す表である。図7Aにおいて、制御回路10,20は、可変容量C2を制御するために、制御方法に応じて、図40図45の制御処理(SB21;SA22,SB22;SB23;SA24,SB24;SA25,SB25;SA26,SB26)のいずれかを実行する。ここで、これらのうち、制御処理(SB21;SB23)は制御回路20単独で実行するものであり、制御処理(SA22,SB22;SA24,SB24;SA25,SB25;SA26,SB26)は制御回路10と制御回路20との間で連携して実行する。
【0093】
図7Bは実施形態において、可変容量C1の制御処理におけるサブルーチン処理を示す表である。図7Bにおいて、制御回路10,20は、可変容量C1を制御するために、制御方法に応じて、図46図55の制御処理(SA31;SA32,SB32;SA33;SA34;SA35;SA36,SB36;SA37;SA38;SA39;SA310)のいずれかを実行する。ここで、これらのうち、制御処理(SA31;SA33;SA34;SA35;SA37;SA38;SA39;SA310)は制御回路10単独で実行するものであり、制御処理(SA32,SB32;SA36,SB36)は制御回路10と制御回路20との間で連携して実行する。
【0094】
ここで、制御処理SA31~SA33、SA35~SA37及びSA39、並びにSB21~SB26では、共振回路13のインダクタンスL1と可変容量C1の共振周波数fは次式を満たすように共振させる。
【数1】
【0095】
また、制御処理SA33、SA34、SA37、SA38、SA39及びSA310では、前記の共振周波数の式を用いず、インバータ12のスイッチ素子のオンタイミングの電流値が規定値になるように制御する。
【0096】
(メイン処理)
制御回路10,20が実行するメイン処理について以下に説明する。なお、以下のメイン処理及びサブルーチン処理において、制御回路10と制御回路20との間の信号の送受信は、上述のように、通信装置15、通信回線35及び通信装置25を用いて実行され、以下のフローチャートでは、その説明を省略する。また、制御回路10,20の各ステップの処理について、説明の便宜上、各制御回路10,20毎に、時間的に先に実行されるステップを有する制御回路から説明する。さらに、フローチャートの処理の説明において括弧内は変形例を示す。
【0097】
図24は実施形態に係る制御回路10の制御処理MA1及び制御回路20の制御処理MB1を示すフローチャートである。
【0098】
図24の制御回路20の制御処理MB1のステップS21において、まず、制御回路20は、受電装置2が充電位置に停止したとき、制御回路10に充電位置停止信号を送信した後、ステップS22において可変容量C2を初期値C2intに設定する。次いで、ステップS23において、制御回路20は、制御回路10から充電位置停止確認信号を受信し、ステップS24で所定の許容範囲の電圧V2を確認したか否かを判断し、YESのときはステップS25に進む一方、NOのときはステップS24に戻り確認を繰り返す。ステップS25において、サブルーチン処理である可変容量C2C1制御処理SB1を実行する。ここで、可変容量C2C1制御処理SB1は、後述する制御処理SB11又はSB12(図32図32)である。次いで、ステップS26で給電停止要求信号を制御回路10に送信した後、ステップS27で制御回路10から給電停止通知信号を受信し、ステップS28で受電を停止して当該制御処理を終了する。
【0099】
一方、図24の制御回路10の制御処理MA1のステップS11において、制御回路10は制御回路20からの充電位置停止信号を受信し、ステップS12において可変容量C1を初期値C1intに設定する。次いで、ステップS13で制御回路20に充電位置停止確認信号を送信した後、ステップS14において初期電圧V0intで受電装置3に給電を開始する。次いで、ステップS15でサブルーチン処理である可変容量C2C1制御処理SA1を実行する。ここで、可変容量C2C1制御処理SA1は後述する制御処理SA11又はSA12(図32図33)である。ステップS16において、制御回路20から給電停止要求信号を受信した後、ステップS17で給電を停止し、ステップS18で制御回路20に給電停止通知信号を送信し、当該制御処理を終了する。
【0100】
図25は実施形態に係る制御回路10の制御処理MA2及び制御回路20の制御処理MB2を示すフローチャートである。
【0101】
図25の制御回路20の制御処理MB2のステップS21において、まず、受電装置2が充電位置に停止したとき、制御回路10に充電位置停止信号を送信し、ステップS22で可変容量C2を初期値C2intに設定する。次いで、ステップS23で、制御回路20は制御回路10から充電位置停止確認信号を受信し、ステップS24で所定の許容範囲内電圧V2を確認したか否かを判断し、YESのときはステップS24Aに進む一方、NOのときはステップS24に戻り確認を繰り返す。ステップS24Aで、制御回路20は制御回路10に許容範囲内電圧V2確認通知信号を送信し、ステップS25Aで、サブルーチン処理である可変容量C1C2制御処理SB2を実行する。ここで、可変容量C1C2制御処理SB2は後述する制御処理SB13又はSB14(図34図35)である。ステップS26において制御回路20は、制御回路10に給電停止要求信号を送信し、ステップS27で制御回路10から給電停止通知信号を受信し、ステップS28で受電を停止し、当該制御処理を終了する。
【0102】
一方、図25の制御回路10の制御処理MA2のステップS11において、制御回路20から充電位置停止信号を受信し、ステップS12で可変容量C1を初期値C1intに設定し、ステップS13で制御回路20に充電位置停止確認信号を送信する。次いで、ステップS14において、初期電圧V0intで受電装置3に給電を開始し、ステップS14Aで制御回路20から許容範囲内電圧V2確認通知信号を受信する。次いで、ステップS15Aで制御回路10はサブルーチン処理である可変容量C1C2制御処理SA2を実行する。ここで、可変容量C1C2制御処理SA2は後述する制御処理SA13又はSA14(図34図35)である。次いで、ステップS16で制御回路10は制御回路20から給電停止要求信号を受信し、ステップS17で給電を停止し、ステップS18で制御回路10は制御回路20に給電停止通知信号を送信して当該制御処理を終了する。
【0103】
図26は実施形態に係る制御回路10の制御処理MA3及び制御回路20の制御処理MB3を示すフローチャートである。
【0104】
図26の制御回路20の制御処理MB3のステップS21において、まず、受電装置2が充電位置に停止したとき、制御回路20は制御回路10に充電位置停止信号を送信し、ステップS22で可変容量C2を初期値C2intに設定し、ステップS23で制御回路10から充電位置停止確認信号を受信する。次いで、ステップS24Bで、制御回路20は、電圧V0(又はデューティ比d0)に基づいて電圧V2を制御するための制御信号を制御回路10と送受信することで電圧V2制御処理を実行する。次いで、ステップS24で所定の許容範囲の電圧V2を確認したか否かを判断し、YESのときはステップS25Bに進む一方、NOのときはステップS24に戻り確認を繰り返す。ステップS25Bで可変容量C2C1制御処理SB3を実行する。ここで、可変容量C2C1制御処理SB3は、後述する制御処理SB11又はSB12(図32図33)である。次いで、ステップS26で、制御回路20は制御回路10に給電停止要求信号を送信し、ステップS27で制御回路10から給電停止通知信号を受信し、ステップS28で受電を停止して、当該制御処理を終了する。
【0105】
一方、図26の制御回路10の制御処理MA3のステップS11において、まず、制御回路20から充電位置停止信号を受信し、ステップS12で可変容量C1を初期値C1intに設定した後、ステップS13で制御回路10に充電位置停止確認信号を送信する。次いで、制御回路20は、ステップS14Bで、電圧V0(又はデューティ比d0)に基づいて電圧V2を制御するための制御信号を制御回路10と送受信することで、電圧V2制御処理を実行する。そして、制御回路10はステップS15Bで、可変容量C2C1制御処理SA3を実行する。ここで、可変容量C2C1制御処理SA3は、後述する制御処理SA11又はSA12(図32図33)である。次いで、ステップS16で、制御回路20から給電停止要求信号を受信し、ステップS17で給電を停止し、ステップS18で制御回路20に給電停止通知信号を送信して、当該制御処理を終了する。
【0106】
図26の制御処理MA3において、可変容量C1の位相差(0近傍制御)とオン電流最小化の制御はステップS14BもしくはステップS24Bで給電開始する前に可変容量C1の制御動作を開始させてもよい。
【0107】
図27は実施形態に係る制御回路10の制御処理MA4及び制御回路20の制御処理MB4を示すフローチャートである。
【0108】
図27の制御回路20の制御処理MB4のステップS21で、まず、受電装置3が充電位置に停止したとき、制御回路20は制御回路10に充電位置停止信号を送信し、ステップS22で可変容量C2を初期値C2intに設定し、ステップS23で制御回路10から充電位置停止確認信号を受信する。次いで、ステップS24Cにおいて、電圧V0(又はデューティ比d0)に基づいて電圧V2を制御するための制御信号を制御回路10と送受信することで、電圧V2制御処理を実行する。そして、制御回路20は、ステップS24で所定の許容範囲内電圧V2を確認したか否かを判断し、YESのときはステップS24Aに進む一方、NOのときはステップS24に戻り確認を繰り返す。ステップS24Aで、制御回路20は制御回路10に許容範囲内電圧V2検出確認信号を送信し、ステップS25Cで、可変容量C1C2制御処理SB4を実行する。ここで、可変容量C1C2制御処理SB4は、後述する制御処理SB13又はSB14(図34図35)である。次いで、ステップS26で、制御回路20は制御回路10に給電停止要求信号を送信し、ステップS27で制御回路10から給電停止通知信号を受信し、ステップS28で受電を停止して、当該制御処理を終了する。
【0109】
図27の制御処理MA4において、可変容量C1の位相差(0近傍制御)とオン電流最小化の制御はステップS14CもしくはステップS24Cで給電開始する前に可変容量C1の制御動作を開始させてもよい。
【0110】
一方、図27の制御回路10の制御処理MA4のステップS11において、まず、制御回路20から充電位置停止信号を受信し、ステップS12で可変容量C1を初期値C1intに設定し、ステップS13で制御回路10に充電位置停止確認信号を送信する。次いで、制御回路10は、ステップS14Cで、電圧V0(又はデューティ比d0)に基づいて電圧V2を制御するための制御信号を送受信することで、電圧V2制御処理を実行し、ステップS14Aで制御回路20から許容範囲内電圧V2検出確認信号を受信する。そして、制御回路10は、ステップS15Cにおいて、可変容量C1C2制御処理SA4を実行する。ここで、可変容量C1C2制御処理SA4は、後述する制御処理SA13又はSA14(図34図35)である。次いで、制御回路10は,ステップS16で制御回路20から給電停止要求信号を受信し、ステップS17において給電を停止し、ステップS18で制御回路20に給電停止通知信号を送信して、当該制御処理を終了する。
【0111】
図28は実施形態に係る制御回路10の制御処理MA5及び制御回路20の制御処理MB5を示すフローチャートである。
【0112】
図28の制御回路20の制御処理MB5のステップS21において、まず、受電装置3が充電位置に停止したとき、制御回路20は制御回路10に充電位置停止信号を送信し、ステップS22で可変容量C2を初期値C2intに設定し、ステップS22DでスイッチSWをダミー負荷装置24に切り替える。次いで、ステップS23において制御回路20は制御回路10から充電位置停止確認信号を受信した後、ステップS24Dで所定の許容範囲内の電圧V3を確認したか否かを判断し、YESのときはステップS25Dに進む一方、NOのときはステップS24Dに戻り確認を繰り返す。そして、制御回路20は、ステップS25Dで可変容量C2C1制御処理SB5を実行する。ここで、可変容量C2C1制御処理SB5は、後述する制御処理SB15又はSB16(図36図37)である。そして、ステップS26で、制御回路20は制御回路10に給電停止要求信号を送信し、ステップS27で制御回路10から給電停止通知信号を受信し、ステップS28で受電を停止して、当該制御処理を終了する。
【0113】
一方、図28の制御回路10の制御処理MA5のステップS11において、まず、制御回路10は制御回路20から充電位置停止信号を受信し、ステップS12で可変容量C1を初期値C1intに設定し、ステップS13で制御回路20から充電位置停止確認信号を送信する。次いで、制御回路10は、ステップS14Dにおいてテスト電圧V0testで受電装置3に給電を開始し、ステップS15Dで可変容量C2C1制御処理SA5を実行する。ここで、可変容量C2C1制御処理SA5は、後述する制御処理SA15又はSA16(図36図37)である。そして、ステップS16で、制御回路10は制御回路20から給電停止要求信号を受信し、ステップS17で給電を停止し、ステップS18で制御回路20に給電停止通知信号を送信して、当該制御処理を終了する。
【0114】
図29は実施形態に係る制御回路10の制御処理MA6及び制御回路20の制御処理MB6を示すフローチャートである。
【0115】
図29の制御回路20の制御処理MB6のステップS21において、まず、充電位置に停止したとき、制御回路20は制御回路10に充電位置停止信号を送信し、ステップS22で可変容量C2を初期値C2intに設定する。次いで、制御回路20は、ステップS22Dでダミー負荷装置24に切り替え、ステップS23で制御回路10から充電位置停止確認信号を受信し、ステップS24Dで所定の許容範囲の電圧V3を確認したか否かを判断し、YESのときはステップS24Eに進む一方、NOのときはステップS24Dに戻り確認を繰り返す。ステップS24Eで、制御回路20は、許容範囲内電圧V3確認通知信号を送信し、ステップS25Eで可変容量C1C2制御処理SB6を実行する。ここで、可変容量C1C2制御処理SB6は、後述する制御処理SB17又はSB18(図38図39)である。そして、ステップS26で、制御回路20は制御回路10に給電停止要求信号を送信し、ステップS27で制御回路20から給電停止通知信号を受信し、ステップS28で受電を停止し、当該制御処理を終了する。
【0116】
一方、図29の制御回路10の制御処理MA6のステップS11において、まず、制御回路10は制御回路20から充電位置停止信号を受信し、ステップS12で可変容量C1を初期値C1intに設定し、ステップS13で制御回路20に充電位置停止確認信号を送信する。次いで、制御回路10は、ステップS14Dにおいて、テスト電圧V0testで受電装置3に給電を開始し、ステップS14Eで制御回路20から許容範囲内電圧V3確認通知信号を受信し、ステップS15Eで可変容量C1C2制御処理SA6を実行する。ここで、可変容量C1C2制御処理SA6は、後述する制御処理SA17又はSA18(図38図39)である。そして、ステップS16で、制御回路10は制御回路20から給電停止要求信号を受信し、ステップS17で給電を停止し、ステップS18で制御回路20に給電停止通知信号を送信して、当該制御処理を終了する。
【0117】
図30は実施形態に係る制御回路10の制御処理MA7及び制御回路20の制御処理MB7を示すフローチャートである。
【0118】
図30の制御回路20の制御処理MB7のステップS21で、受電装置3が充電位置に停止したとき、制御回路10に充電位置停止信号を送信し、ステップS22で可変容量C2を初期値C2intに設定し、ステップS22DでスイッチSWをダミー負荷装置24に切り替える。次いで、ステップS23で、制御回路10から充電位置停止確認信号を受信し、ステップS24Fで電圧V0(又はデューティ比d0)に基づいて電圧V3を制御するための制御信号を送受信することで、電圧V3制御処理を実行する。そして、制御回路20は、ステップS24Dで許容範囲内の電圧V3を確認したか否かを判断し、YESのときはステップS25Fに進む一方、NOのときはステップS24Dに戻り確認を繰り返す。ステップS25Fで、制御回路20は可変容量C2C1制御処理SB7を実行する。ここで、可変容量C2C1制御処理SB7は、後述する制御処理SB15又はSB16(図36図37)である。そして、ステップS26で、制御回路20は制御回路10に給電停止要求信号を送信し、ステップS27で制御回路20から給電停止通知信号を受信し、ステップS28で受電を停止して、当該制御処理を終了する。
【0119】
一方、図30の制御回路10の制御処理MA7のステップS11において、まず、制御回路10は制御回路20から充電位置停止信号を受信し、ステップS12で可変容量C1を初期値C1intに設定し、ステップS13で制御回路10に充電位置停止確認信号を送信する。次いで、ステップS14Fで、制御回路10は、電圧V0(又はデューティ比d0)に基づいて電圧V3を制御するための制御信号を送受信することで、電圧V3制御処理を実行し、ステップS15Fで可変容量C2C1制御処理SA7を実行する。ここで、可変容量C2C1制御処理SA7は、後述する制御処理SA15又はSA16(図36図37)である。そして、ステップS16で制御回路10は制御回路20から給電停止要求信号を受信し、ステップS17で給電を停止し、ステップS18で制御回路20に給電停止通知信号を送信して、当該制御処理を終了する。
【0120】
なお、図30の制御回路10の制御処理MA7において、可変容量C1の位相差(0近傍制御)とオン電流最小化の制御はステップS14FもしくはステップS24Fで給電開始する前に可変容量C1の制御動作を開始させてもよい。
【0121】
図31は実施形態に係る制御回路10の制御処理MA8及び制御回路20の制御処理MB8を示すフローチャートである。
【0122】
図31の制御回路20の制御処理MB8のステップS21において、まず、受電装置3が充電位置に停止したとき、制御回路20は制御回路10に充電位置停止信号を送信し、ステップS22で可変容量C2を初期値C2intに設定する。次いで、ステップS22DでスイッチSWをダミー負荷装置24に切り替え、ステップS23で制御回路10から充電位置停止確認信号を受信し、ステップ24Fで電圧V0(又はデューティ比d0)に基づいて電圧V3を制御するための制御信号を送受信することで、電圧V3制御処理を実行する。そして、制御回路20は、ステップS24Dで所定の許容範囲内の電圧V3を確認したか否かを判断し、YESのときはステップS24Eに進む一方、NOのときはステップS24Dに戻り確認を繰り返す。ステップS24Eで、制御回路20は制御回路10に許容範囲内電圧V3確認通知信号を送信し、ステップS25Gで、可変容量C1C2制御処理SB8を実行する。ここで、可変容量C1C2制御処理SB8は、後述する制御処理SB17又はSB18(図38図39)である。そして、ステップS26で制御回路20は制御回路10に給電停止要求信号を送信し、ステップS27で制御回路から給電停止通知信号を受信し、ステップS28で受電を停止して、当該制御処理を終了する。
【0123】
一方、図31の制御回路10の制御処理MA8のステップS11において、まず、充電位置停止信号を受信し、ステップS12で可変容量C1を初期値C1intに設定し、ステップS13で制御回路20に充電位置停止確認信号を送信する。次いで、ステップS14Fで電圧V0(又はデューティ比d0)に基づいて電圧V3を制御するための制御信号を送受信することで、電圧V3制御処理を実行し、ステップS14Eで、制御回路20から許容範囲内電圧V3確認通知信号を受信し、ステップS15Gで可変容量C1C2制御処理SA8を実行する。ここで、可変容量C1C2制御処理SA8は、後述する制御処理SA17又はSA18(図38図39)である。そして、制御回路10は、ステップS16で給電停止要求信号を受信し、ステップS17で給電を停止し、ステップS18で給電停止通知信号を送信して、当該制御処理を終了する。
【0124】
なお、図31の制御処理MA8において、可変容量C1の位相差(0近傍制御)とオン電流最小化の制御はステップS14FもしくはステップS24Fで給電開始する前に可変容量C1の制御動作を開始させてもよい。
【0125】
(サブルーチン処理)
次いで、制御回路10,20が実行する下記のサブルーチン処理について以下に説明する。
(1)図32図39:可変容量C2C1制御処理及び可変容量C1C2制御処理;
(2)図40図45:可変容量C2制御処理;及び
(3)図46図55:可変容量C1制御処理。
【0126】
(可変容量C2C1制御処理及び可変容量C1C2制御処理)
図32は実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C2C1制御処理SA11及び制御回路20の可変容量C2C1制御処理SB11を示すフローチャートである。
【0127】
図32の制御回路20の可変容量C2C1制御処理SB11のステップS41において、まず、制御回路20は、サブルーチン処理である可変容量C2制御処理SS1Bを実行する。ここで、可変容量C2制御処理SS1Bは後述する制御処理SB21~SB26(図40図45)のいずれかである。次いで、制御回路20は、ステップS42で制御回路10にC2制御終了通知信号を送信し、ステップS43で制御回路10からC1制御終了通知信号を受信し、ステップS44で充電を継続し、ステップS45で所定時間が経過したか否かを判断し、YESのときはステップS47に進む一方、NOのときはステップS46に進む。ステップS46で制御回路20は充電が完了したか否かを判断し、YESのときはステップS48で制御回路10に処理終了信号を送信して元のメインルーチンに戻る。なお、ステップ47で、処理継続信号を制御回路10に送信し、ステップS41に戻る。
【0128】
一方、図32の制御回路10の可変容量C2C1制御処理SA11のステップS31において、まず、制御回路10は制御回路20からC2制御終了通知信号を受信し、ステップS32で、サブルーチン処理である可変容量C1制御処理SS1Aを実行する。ここで、可変容量C2制御処理SS1Bは後述するフィードバック制御無しの制御処理SA31~SA38(図46図53)のいずれかである。次いで、ステップS33で、制御回路10は制御回路20にC1制御終了通知信号を送信し、ステップS34で処理継続信号又は処理終了信号を受信したか否かを判断し、処理継続信号を受信したときはステップS31に戻る一方、処理終了信号を受信したときは、ステップS35で充電のための給電を継続し、元のメインルーチンに戻る。
【0129】
図32において、可変容量C2制御処理SS1B、可変容量C1制御処理SS1Aは複数回実行可能であるが、本発明はこれに限らず、それぞれ1回のみ実行するように構成してもよい。
【0130】
図33は実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C2C1制御処理SA12及び制御回路20の可変容量C2C1制御処理SB12を示すフローチャートである。
【0131】
図33の制御回路20の可変容量C2C1制御処理SB12のステップS41Aにおいて、サブルーチン処理である可変容量C2制御処理SS2Bを実行する。ここで、可変容量C2制御処理SS2Bは、後述する制御処理SB21~SB26(図40図45)のいずれかである。次いで、ステップS41AAにおいて、次回の可変容量C1制御処理SS2Aは1回目であるか否かを判断し、YESのときはステップS42に進む一方、NOのときはステップS44に進む。ステップS42で、制御回路20は制御回路10にC2制御終了通知信号を送信した後、ステップS43でC1制御終了通知信号を受信する。そして、ステップS44で充電を継続し、ステップS45で所定時間が経過したか否かを判断し、YESのときはステップS41Aに戻る一方、NOのときはステップS46に進む。ステップS46では、充電が完了したか否かを判断し、YESのときは元のメインルーチンに戻る一方、NOのときはステップS44に戻る。
【0132】
図33の制御回路10の可変容量C2C1制御処理SA12のステップS31において、まず、制御回路10は制御回路20からC2制御終了通知信号を受信し、ステップS32Aで、サブルーチン処理である可変容量C1制御処理SS2Aを実行する。ここで、可変容量C1制御処理SS2Aは、後述する制御処理SA31~SA310のうちフィードバック制御有りの制御処理SA39~SA310(図44図45)のいずれかである。次いで、ステップS33で、制御回路10は制御回路20にC1制御終了通知信号を送信し、ステップS34で充電のための給電を継続し、元のメインルーチンに戻る。
【0133】
図33において、可変容量C2制御処理SS2B、可変容量C1制御処理SS2Aは複数回実行可能であるが、本発明はこれに限らず、それぞれ1回のみ実行するように構成してもよい。
【0134】
図34は実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1C2制御処理SA13及び制御回路20の可変容量C1C2制御処理SB13を示すフローチャートである。
【0135】
図34の制御回路10の可変容量C1C2制御処理SA13において、まず、ステップS50において制御回路20からC1制御指示信号を受信した後、ステップS51において、制御回路10は、サブルーチン処理である可変容量C1制御処理SS3Aを実行する。ここで、可変容量C1制御処理SS3Aは、後述する制御処理SA31~SA310のうちフィードバック制御なしの制御処理SA31~SA38(図46図53)のいずれかである。次いで、ステップS52で、制御回路10は制御回路20にC2制御終了通知信号を送信し、ステップS53で、制御回路20からC2制御終了通知信号を受信し、ステップS54で充電のための給電を継続し、元のメインルーチンに戻る。
【0136】
一方、図34の制御回路20の可変容量C1C2制御処理SB13において、まず、ステップS60において、制御回路10に対してC1制御指示信号を送信した後、ステップS61で、制御回路20は制御回路10からC2制御終了通知信号を受信し、ステップS62で、サブルーチン処理である可変容量C2制御処理SS3Bを実行する。ここで、可変容量C1制御処理SS3Bは、後述する制御処理SB21~SB26(図40図45)のいずれかである。次いで、ステップS63で、制御回路20は制御回路10にC2制御終了通知信号を送信し、ステップS64で充電を継続し、ステップS65で所定時間が経過したか否かを判断し、YESのときはステップS62に戻る一方、NOのときはステップS66に進む。ステップS66で、制御回路20は充電が完了したか否かを判断し、YESのときは元のメインルーチンに戻る一方、NOのときはステップS64に戻る。
【0137】
図34において、可変容量C1制御処理SS3Aは複数回実行可能であるが、本発明はこれに限らず、1回のみ実行するように構成してもよい。また、可変容量C2制御処理SS3Bは複数回実行可能であるが、本発明はこれに限らず、1回のみ実行するように構成してもよい。
【0138】
図35は実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1C2制御処理SA14及び制御回路20の可変容量C1C2制御処理SB14を示すフローチャートである。
【0139】
図35の制御回路10の可変容量C1C2制御処理SA14のステップS51Aにおいて、制御回路10は、サブルーチン処理である可変容量C1制御処理SS4Aを実行する。ここで、可変容量C1制御処理SS4Aは、後述する制御処理SA31~SA310のうちフィードバック制御有りの制御処理SA39~SA310(図54図55)のいずれかである。次いで、ステップS51AAで、次回の可変容量C2制御処理SS3Bは1回目の実行であるか否かを判断し、YESのときはステップS52に進む一方、NOのときはステップS54に進む。ステップS52で、制御回路10は制御回路20にC1制御終了通知信号を送信し、ステップS53で、制御回路20からC2制御終了通知信号を受信し、ステップS54で処理継続信号又は処理終了信号を受信したか否かを判断し、処理継続信号を受信したときはステップS51Aに戻り、処理終了信号を受信したときは、充電のための給電を継続し、元のメインルーチンに戻る。
【0140】
一方、図35の制御回路20の可変容量C1C2制御処理SB14のステップS61において、制御回路20は制御回路10からC1制御終了通知信号を受信し、ステップS62Aで可変容量C2制御処理SS4Bを実行する。ここで、可変容量C2制御処理SS4Bは、後述する制御処理SB21~SB26(図40図45)のいずれかである。次いで、制御回路20は、ステップS64で充電を継続し、ステップS65で所定時間が経過したか否かを判断し、YESのときはステップS67に進む一方、NOのときはステップS66に進む。ステップS66で、制御回路20は充電が完了したか否かを判断し、YESのときはステップS68に進む一方、NOのときはステップS64に戻る。ステップS67で制御回路20は制御回路10に処理継続信号を送信した後、ステップS61に戻る。また、ステップS68で、制御回路20は制御回路10に処理終了信号を送信し、元のメインルーチンに戻る。
【0141】
図35において、可変容量C2制御処理SS4B、可変容量C1制御処理SS4Aは複数回実行可能であるが、本発明はこれに限らず、それぞれ1回のみ実行するように構成してもよい。
【0142】
図36は実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C2C1制御処理SA15及び制御回路20の可変容量C2C1制御処理SB15を示すフローチャートである。
【0143】
図36の制御回路20の可変容量C2C1制御処理SB15のステップS81において、まず、制御回路20は、サブルーチン処理である可変容量C2制御処理SS5Bを実行する。ここで、可変容量C2制御処理SS5Bは、後述する制御処理SB22、SB24~SB26(図41図43図45)のいずれかである。次いで、ステップS82で、制御回路20は制御回路10にC2制御終了通知信号を送信し、ステップS83で、C1制御中の電圧V3をメモリ20mに記録し、ステップS84で制御回路10からC1制御終了通知信号を受信する。そして、制御回路20は、ステップS85で、可変容量C2制御処理SS5B及び可変容量C1制御処理SS5Aを所定回数実行したか否かを判断し、YESのときはステップS86に進む一方、NOのときはステップS81に戻る。ステップS86で、制御回路20は制御回路10に送電停止指示信号を送信し、ステップS87で、制御回路10からC1制御停止通知信号及びスイッチ切替指示信号を受信する。さらに、制御回路20は、ステップS88において、テスト電圧V0testと電圧V3の最大電圧の比の値を電圧利得Gとして算出し、ステップS89でスイッチSWをDC/DCコンバータ22側に切り替えた後、ステップS90で、制御回路10にスイッチ切替通知信号及び電圧利得情報通知信号を送信する。制御回路20は、ステップS91で充電を継続し、ステップS92で、充電が完了したか否かを判断し、YESのときは元のメインルーチンに戻る一方、NOのときはステップS82に戻る。
【0144】
図36の制御回路10の可変容量C2C1制御処理SA15のステップS71において、制御回路10は制御回路20からC2制御終了通知信号を受信し、ステップS72で、サブルーチン処理である可変容量C1制御処理SS5Aを実行する。ここで、可変容量C1制御処理SS5Aは、後述する制御処理SA31~SA310のうちフィードバック制御無しの制御処理SA31~SA38(図46図53)のいずれかである。次いで、ステップS73で、制御回路10は制御回路20にC1制御終了通知信号を送信し、ステップ73Aで所定の時間内に制御回路20から送電停止指示信号を受信したか否かを判断し、YESのときはステップS74に進む一方、NOのときはステップS71に戻る。ステップS74で、制御回路10は制御回路20から制御回路20から送電停止指示信号を受信し、ステップS75で、テスト電圧V0testの送電を停止し、ステップS76で、制御回路20にC1制御停止通知信号及びスイッチ切替指示信号を送信する。さらに、ステップS77で、制御回路10は制御回路20からスイッチ切替通知信号及び電圧利得情報通知信号を受信し、ステップS78で、電圧利得Gに基づいて電圧V2に必要な電圧V0を算出して当該電圧V0で充電のための給電を開始して継続し、元のメインルーチンに戻る。
【0145】
図36において、可変容量C2制御処理SS5B、可変容量C1制御処理SS5Aは複数回実行可能であるが、本発明はこれに限らず、それぞれ1回のみ実行するように構成してもよい。
【0146】
図37は実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C2C1制御処理SA16及び制御回路20の可変容量C2C1制御処理SB16を示すフローチャートである。
【0147】
図37の制御回路20の可変容量C2C1制御処理SB16のステップS81Aにおいて、まず、制御回路20は、サブルーチン処理である可変容量C2制御処理SS6Bを実行する。ここで、可変容量C2制御処理SS6Bは、後述する制御処理SB21~SB26(図40図45)のいずれかである。次いで、ステップS81AAで、制御回路20は可変容量C2制御処理SS6Bを所定回数実行したか否かを判断し、YESのときはステップS82に進む一方、NOのときはステップS81Aに戻る。ステップS82で、制御回路20は制御回路10にC2制御終了通知信号を送信し、ステップS83でC1制御中の電圧V3をメモリ20mに記録し、ステップS87で制御回路10からC1制御停止通知信号及びスイッチ切替指示信号を受信する。そして、ステップS88で、制御回路20は、テスト電圧V0testと電圧V3の最大電圧の比の値を電圧利得Gとして算出し、ステップS89でスイッチSWをDC/DCコンバータ22側に切り替える。さらに、制御回路20は、ステップS90で制御回路10にスイッチ切替通知信号及び電圧利得情報通知信号を送信し、ステップS91で充電を継続し、ステップS92で充電が完了したか否かを判断し、YESのときは元のメインルーチンに戻る一方、NOのときはステップS82に戻る。
【0148】
一方、図37の制御回路10の可変容量C2C1制御処理SA16のステップS71において、まず、制御回路10は制御回路20からC2制御終了通知信号を受信し、ステップS72Aで、サブルーチン処理である可変容量C1制御処理SS6Aを実行する。ここで、可変容量C1制御処理SS6Aは、後述する制御処理SA31~SA310のうちSA39~SA310(図44図45)のいずれかである。次いで、ステップS75で、制御回路10は、テスト電圧V0testの送電を停止し、ステップS76で、制御回路20にC1制御停止通知信号及びスイッチ切替指示信号を送信し、ステップS77で、制御回路20からスイッチ切替通知信号及び電圧利得情報通知信号を受信する。さらに、制御回路10は、ステップS78で、電圧利得Gに基づいて電圧V2に必要な電圧V0を算出して当該電圧V0で充電のための給電を開始して継続し、元のメインルーチンに戻る。
【0149】
図37において、可変容量C2制御処理SS6Bは複数回実行可能であるが、本発明はこれに限らず、1回のみ実行するように構成してもよい。また、可変容量C1制御処理SS6Aは複数回実行可能であるが、本発明はこれに限らず、1回のみ実行するように構成してもよい。
【0150】
図38は実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1C2制御処理SA17及び制御回路20の可変容量C1C2制御処理SB17を示すフローチャートである。
【0151】
図38の制御回路10の可変容量C1C2制御処理SA17のステップS101において、まず、サブルーチン処理である可変容量C1制御処理SS7Aを実行する。ここで、可変容量C1制御処理SS7Aは、後述する制御処理SA31~SA310のうちフィードバック制御無しの制御処理SA31~SA38(図46図53)のいずれかである。次いで、ステップS102で、制御回路10は制御回路20にC1制御終了通知信号を送信し、ステップS103で制御回路20からC2制御終了通知信号を受信し、ステップS104で、可変容量C1制御処理SS7A及び可変容量C2制御処理SS7Bを所定回数実行したか否かを判断し、YESのときはステップS105に進む一方、NOのときはステップS101に戻る。ステップS105では、制御回路10は、テスト電圧V0testの送電を停止し、ステップS106で、制御回路20にC1制御停止通知信号及びスイッチ切替指示信号を送信し、ステップS107で制御回路20からスイッチ切替通知信号及び電圧利得情報通知信号を受信する。さらに、制御回路10は、ステップS108で、電圧利得Gに基づいて電圧V2に必要な電圧V0を算出して当該電圧V0で充電のための給電を開始して継続し、元のメインルーチンに戻る。
【0152】
一方、図38の制御回路20の可変容量C1C2制御処理SB17のステップS111において、まず、制御回路20は制御回路10からC1制御終了信号を受信し、ステップS112でC2制御中の電圧V3をメモリ20mに記録し、ステップS113で、サブルーチン処理である可変容量C2制御処理SS7Bを実行する。ここで、可変容量C2制御処理SS7Bは、後述する制御処理SB21~SB26(図40図45)のいずれかである。次いで、ステップS114で、制御回路20は制御回路10にC2制御終了通知信号を送信し、ステップS114Aで、所定時間内にC1制御停止通知信号を受信したか否かを判断し、YESのときはステップS115に進む一方、NOのときはステップS111に戻る。ステップS115で、制御回路20は、制御回路10からC1制御停止通知信号及びスイッチ切替指示信号を受信し、ステップS116で、テスト電圧V0testと電圧V3の最大電圧の比の値を電圧利得Gとして算出し、ステップS117でスイッチSWをDC/DCコンバータ22側に切り替える。さらに、制御回路20は、ステップS118で制御回路10にスイッチ切替通知信号及び電圧利得情報通知信号を送信し、ステップS119で充電を継続し、ステップS120で充電が完了したか否かを判断し、YESのときは元のメインルーチンに戻る一方、NOのときはステップS119に戻る。
【0153】
図38において、可変容量C2制御処理SS7B、可変容量C1制御処理SS7Aは複数回実行可能であるが、本発明はこれに限らず、それぞれ1回のみ実行するように構成してもよい。
【0154】
図39は実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1C2制御処理SA18及び制御回路20の可変容量C1C2制御処理SB18を示すフローチャートである。
【0155】
図39の制御回路10の可変容量C1C2制御処理SA18のステップS101Aにおいて、まず、制御回路10は、可変容量C1制御処理SS8Aを実行する。ここで、可変容量C1制御処理SS8Aは、後述する制御処理SA31~SA310のうちフィードバック制御有りの制御処理SA39~SA310(図54図55)のいずれかである。次いで、ステップS102で、制御回路10は制御回路20にC1制御終了通知信号を送信し、ステップS103で制御回路20からC2制御終了通知信号を受信し、ステップS105でテスト電圧V0testの送電を停止する。さらに、ステップS106で、制御回路10は制御回路20にC1制御停止通知信号及びスイッチ切替指示信号を送信し、ステップS107で制御回路20からスイッチ切替通知信号及び電圧利得情報通知信号を受信し、ステップS108で、電圧利得Gに基づいて電圧V2に必要な電圧V0を算出して当該電圧V0で充電のための給電を開始して継続し、当該制御処理を終了する。
【0156】
一方、図39の制御回路20の可変容量C1C2制御処理SB18のステップS111において、まず、制御回路10は制御回路20からC1制御終了信号を受信し、ステップS112で、C2制御中の電圧V3をメモリ20mに記録し、ステップS113Aで、サブルーチン処理である可変容量C2制御処理SS8Bを実行する。ここで、可変容量C2制御処理SS8Bは、後述する制御処理SB21~SB26(図40図45)のいずれかである。次いで、ステップS113AAで、可変容量C2制御処理SS8Bを所定回数実行したか否かを判断し、YESのときはステップS114に進む一方、NOのときはステップS113Aに戻る。そして、ステップS114で、制御回路20は制御回路10にC2制御終了通知信号を送信し、ステップS115で、制御回路20からC1制御停止通知信号及びスイッチ切替指示信号を受信し、ステップS116で、テスト電圧V0testと電圧V3の最大電圧の比の値を電圧利得Gとして算出し、ステップS117でスイッチSWをDC/DCコンバータ22側に切り替える。さらに、ステップS118で、制御回路20は制御回路10にスイッチ切替通知信号及び電圧利得情報通知信号を送信し、ステップS119で充電を継続し、ステップS120で充電が完了したか否かを判断し、YESのときは元のメインルーチンに戻る一方、NOのときはステップS119に戻る。
【0157】
図39において、可変容量C2制御処理SS8B、可変容量C1制御処理SS8Aは複数回実行可能であるが、本発明はこれに限らず、それぞれ1回のみ実行するように構成してもよい。
【0158】
(可変容量C2制御処理)
図40は実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路20の可変容量C2制御処理SB21を示すフローチャートである。
【0159】
図40の制御回路20の可変容量C2制御処理SB21のステップS121において、制御回路20は、可変容量C2の初期値C2intにおける電圧V2(又はV3)を検出し、メモリ20mに記録し、ステップS122で可変容量C2の変化方向を「増加方向」(又は「減少方向」)に設定し、ステップS123で可変容量C2を所定のステップ容量だけ「設定方向」で変化させる。次いで、制御回路20は、ステップS124で、電圧V2(又はV3)を検出して可変容量C2に対応させてメモリ20mに記録し、ステップS125で可変容量C2の変化の前後で電圧V2(又はV3)の極性が反転したか否かを判断し、YESのときはステップS126に進む一方、NOのときはステップS123に戻る。ステップS126で、制御回路20は、極性反転回数Npを計数し、ステップS127で可変容量C2の変化方向を「設定方向」から「逆方向」に設定し、ステップS128で、Np>Npth(ここで、Npthは、極性反転回数のしきい値)であるか否かを判断し、YESのときはステップS129に進む一方、NOのときはステップS123に戻る。さらに、ステップS129で、可変容量C2を、電圧V2(又はV3)が最大(又は最小)になるときの可変容量C2に設定し、元のメインルーチンに戻る。
【0160】
図41Aは実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C2制御処理SA22及び制御回路20の可変容量C2制御処理SB22の第1の部分を示すフローチャートであり、図41Bは実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路20の可変容量C2制御処理SB22の第2の部分を示すフローチャートである。
【0161】
図41Aの制御回路20の可変容量C2制御処理SB22のステップS141において、まず、制御回路20は、電圧V2及び電流I2に基づいて電力P2(又は、電圧V3及び電流I3に基づいて電力P3、もしくは電圧V4及び電流I4に基づいて電力P4)を算出し、ステップS142で制御回路10に電力送信指示信号を送信し、ステップS143で、制御回路10から、算出された電力P0を含む電力送信信号を受信する。次いで、制御回路20は、ステップS144で、電力効率η(=P0/P2(又はP0/P3、もしくはP0/P4))を算出して可変容量C2に対応させてメモリ20mに記録し、ステップS145で可変容量C2の変化方向を「増加方向」(又は「減少方向」)に設定し、ステップS146で可変容量C2を所定のステップ容量だけ「設定方向」で変化させる。さらに、制御回路20は、ステップS147で、制御回路10に可変容量変化通知信号を送信し、ステップS148で。制御回路10から、算出された電力P0を含む電力送信信号を受信し、ステップS149で、電力効率η(=P0/P2(又はP0/P3、もしくはP0/P4))を算出して可変容量C2に対応させてメモリ20mに記録して、図41BのステップS151に進む。
【0162】
図41BのステップS151において、制御回路20は、可変容量C2の変化の前後で効率ηの増減の極性が反転したか否かを判断し、YESのときはステップS152に進む一方、NOのときはステップS156に進む。ステップS152では、制御回路20は、極性反転回数Npを計数し、ステップS153で、Np>Npthであるか否かを判断し、YESのときはステップS154に進む一方、NOのときはステップS156に進む。ステップS154で、効率ηが最大になるときの可変容量C2に設定し、ステップS155で制御回路10に処理終了信号を送信して元のメインルーチンに戻る。ステップS156では、制御回路20は可変容量C2の変化の前後で効率ηの極性が反転したか否かを判断し、YESのときはステップS158に進む一方、NOのときはステップS157に進む。ステップS157で制御回路10に処理継続信号を送信し、図41AのステップS146に戻る。次いで、制御回路20は、ステップS158で可変容量C2の変化方向を「設定方向」から「逆方向」に設定し、ステップS159で制御回路10に処理継続信号を送信し、図41AのステップS146に戻る。
【0163】
一方、図41Aの制御回路10の可変容量C2制御処理SA22のステップS131において、まず、制御回路10は制御回路20から電力送信指示信号を受信し、ステップS132で電圧V0及び電流I0に基づいて電力P0を算出し、ステップS133で、制御回路20に、算出された電力P0を含む電力送信信号を送信する。次いで、制御回路10は、ステップS134で、制御回路20から可変容量変化通知信号を受信し、ステップS135で、電圧V0及び電流I0に基づいて電力P0を算出し、ステップS136で、制御回路20に、算出された電力P0を含む電力送信信号を送信し、ステップS137で、処理継続信号又は処理終了信号を受信したか否かを判断し、処理継続信号を受信したときはステップS134に戻る一方、処理終了信号を受信したときは元のメインルーチンに戻る。
【0164】
図42は実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路20の可変容量C2制御処理SB23を示すフローチャートである。
【0165】
図42の制御回路20の可変容量C2制御処理SB23のステップS161において、まず、制御回路20は、可変容量C2の変化方向を「増加方向」(又は「減少方向」)に設定し、ステップS162で、可変容量C2を所定のステップ容量で「設定方向」でスイープさせながら、電圧V2(又はV3)を可変容量C2に対応させてメモリ20mに記録する。次いで、制御回路20は、ステップS163でメモリ20mに記録された電圧V2(又はV3)が最大(又は最小)になるときの可変容量C2を検索して設定し、元のメインルーチンに戻る。
【0166】
図43は実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C2制御処理SA24及び制御回路20の可変容量C2制御処理SB24を示すフローチャートである。
【0167】
図43の制御回路20の可変容量C2制御処理SB24のステップS181において、まず、制御回路20は、可変容量C2の変化方向を「増加方向」(又は「減少方向」)に設定し、ステップS182で可変容量C2を所定のステップ容量で「設定方向」で変化させ、電圧V2
(又はV3、もしくはV4)を可変容量C2に対応させてメモリ20mに記録する。次いで、制御回路20は、ステップS183で電圧V2及び電流I2に基づいて電力P2(又は、電圧V3及び電流I3に基づいて電力P3、もしくは電圧V4及び電流I4に基づいて電力P4)を算出し、ステップS184で制御回路10に電力送信指示信号を送信し、ステップS185で、制御回路10から、算出された電力P0を含む電力送信信号を受信する。そして、制御回路20は、ステップS186で、電力効率η(=P0/P2(又はP0/P3、もしくはP0/P4))を算出して、可変容量C2と電力効率ηを可変容量C2に対応させてメモリ20mに記録し、ステップS187で、可変容量C2が所定のスイープ範囲でスイープされたか否かを判断し、YESのときはステップS189に進む一方、NOのときはステップS188に進む。ステップS188では、制御回路20は制御回路10に処理継続信号を送信してステップS182に戻る。ステップS189で、制御回路20は制御回路10に処理終了信号を送信し、ステップS190でメモリ20mに記録された電力効率ηが最大になるときの可変容量C2を検索して設定し、元のメインルーチンに戻る。
【0168】
一方、図43の制御回路10の可変容量C2制御処理SA24のステップS171において、制御回路10は制御回路20から電力送信指示信号を受信し、ステップS172で電圧V0及び電流I0に基づいて電力P0を算出する。次いで、制御回路10は、ステップS173で、制御回路20に、算出された電力P0を含む電力送信信号を送信し、ステップS174で、処理継続信号又は処理終了信号を受信したか否かを判断する。ここで、処理継続信号を受信したときはステップS171に戻る一方、処理終了信号を受信したときは元のメインルーチンに戻る。
【0169】
図44Aは実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C2制御処理SA25及び制御回路20の可変容量C2制御処理SB25の第1の部分を示すフローチャートであり、図44Bは実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路20の可変容量C2制御処理SB25の第2の部分を示すフローチャートである。
【0170】
図44Aの制御回路20の可変容量C2制御処理SB25のステップS201において、まず、制御回路20は制御回路10に、可変容量の初期値C2intにおける電圧V0(又はデューティ比d0)を送信するように指示する情報送信指示信号を送信し、ステップS202で制御回路10から、電圧V0(又はデューティ比d0)の情報を含む情報送信応答信号を受信してその情報をメモリ20mに記録し、ステップS203で可変容量C2の変化方向を「増加方向」(又は「減少方向」)に設定する。次いで、ステップS204で、制御回路20は、可変容量C2を所定のステップ容量で「設定方向」で変化させ、可変容量C2をメモリ20mに記録するS205電圧V0(又はデューティ比d0)を送信するように指示する情報送信指示信号を制御回路10に送信する。そして、制御回路20は、ステップS206で、制御回路10から、電圧V0(又はデューティ比d0)の情報を含む情報送信応答信号を受信して可変容量C2に対応する情報をメモリ20mに記録し、ステップS207で、可変容量C2の変化の前後で電圧V0(又はデューティ比d0)の増減の極性が反転したか否かを判断し、YESのときはステップS208に進む一方、NOのときはステップS208Aで処理継続信号を送信した後ステップS204に戻る。ステップS208で、制御回路20は制御回路10に処理継続信号を送信し、図44BのステップS209に進む。
【0171】
図44BのステップS209で、制御回路20は、極性反転回数Npを計数し、ステップS210で、可変容量C2の変化方向を「設定方向」から逆方向に設定し、ステップS211で、Np>Npthであるか否かを判断する。YESのときはステップS212に進む一方、NOのときは図44AのステップS204に戻る。ステップS212で、制御回路20は制御回路10に処理終了信号を送信し、ステップS213で、メモリ20mに記録された電圧V0(又はデューティ比d0)の情報を検索して、その最小となるときの可変容量C2を検索して設定し、元のメインルーチンに戻る。
【0172】
一方、図44Aの制御回路10の可変容量C2制御処理SA25のステップS191において、まず、制御回路10は、可変容量の初期値C2intにおける電圧V0(又はデューティ比d0)を送信するように指示する情報送信指示信号を制御回路20から受信し、ステップS192で、電圧V0(又はデューティ比d0)の情報を含む情報送信応答信号を制御回路20に送信する。次いで、ステップS193で、制御回路10は制御回路20から、電圧V0(又はデューティ比d0)を送信するように指示する情報送信指示信号を受信し、ステップS194で、電圧V0(又はデューティ比d0)の情報を含む情報送信応答信号を制御回路20に送信し、ステップS195で、処理継続信号又は処理終了信号を受信したか否かを判断する。ここで、処理継続信号を受信したときはステップS193に戻る一方、処理終了信号を受信したときは元のメインルーチンに戻る。
【0173】
図45は実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C2制御処理SA26及び制御回路20の可変容量C2制御処理SB26を示すフローチャートである。
【0174】
図45の制御回路20の可変容量C2制御処理SB26のステップS231において、まず、制御回路20は、可変容量C2の変化方向を「増加方向」(又は「減少方向」)に設定し、ステップS232で可変容量C2を所定のステップ容量で「設定方向」で変化させ、電圧V2
(又はV3)を可変容量C2に対応させてメモリ20mに記録する。次いで、S233で、制御回路20は制御回路10に電圧V0(又はデューティ比d0)の情報を送信するように指示する情報送信指示信号を送信し、ステップS234で、電圧V0(又はデューティ比d0)の情報を含む情報送信応答信号を制御回路10から受信して可変容量C2に対応する情報をメモリ20mに記録する。そして、制御回路20は、ステップS235で可変容量C2が所定のスイープ範囲でスイープされたか否かを判断し、YESのときはステップS237に進む一方、NOのときはステップS236に進む。ステップS236では、制御回路20は制御回路10に処理継続信号を送信し、ステップS231に戻る。ステップS237では、制御回路20は制御回路10に処理終了信号を送信し、ステップS238で、メモリ20mに記録された電圧V0(又はデューティ比d0)が最大になるときの可変容量C2を検索して設定し、元のメインルーチンに戻る。
【0175】
一方、図45の制御回路10の可変容量C2制御処理SA26のステップS221において、まず、制御回路10は制御回路20から、電圧V0(又はデューティ比d0)の情報を送信するように指示する情報送信指示信号を受信し、ステップS222で、電圧V0(又はデューティ比d0)の情報を含む情報送信応答信号を制御回路20に送信し、ステップS223で処理継続信号又は処理終了信号を受信したか否かを判断する。ここで、処理継続信号を受信したときはステップS221に戻る一方、処理終了信号を受信したときは元のメインルーチンに戻る。
【0176】
(可変容量C1制御処理)
図46は実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1制御処理SA31を示すフローチャートである。
【0177】
図46の制御回路10の可変容量C1制御処理SA31のステップS301において、電圧V0と電流I0に基づく入力電力P0(又は電流I0、もしくはI1)の検出値を検出してメモリ10mに記録し、ステップS302で、可変容量C1の変化方向を「増加方向」(又は「減少方向」)に設定する。次いで、制御回路10は、ステップS303で可変容量C1を所定のステップ容量で「設定方向」で変化させ、電圧V0と電流I0に基づく入力電力P0(又は電流I0、もしくはI1)の検出値を検出して可変容量C1に対応させてメモリ10mに記録し、ステップS304で、可変容量C1の変化の前後で検出値の増減の極性が反転したか否かを判断する。ここで、YESのときはステップS305に進む一方、NOのときはステップS308に進む。ステップS305では、制御回路10は、極性反転回数Npを計数し、ステップS306で、Np≧Npthであるか否かを判断し、YESのときはステップS307に進む一方、NOのときはステップS308に進む。ステップS307で、制御回路10は、現在の可変容量C1を設定し、元のメインルーチンに戻る。ステップS308で、制御回路10は、可変容量C1の変化の前後で検出値の極性が反転したか否かを判断し、YESのときはステップS309に進む一方、NOのときはステップS303に戻る。ステップS309では、可変容量C1の変化方向を「設定方向」とは逆方向に設定し、ステップS303に戻る。
【0178】
図47Aは実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1制御処理SA32の第1の部分及び制御回路20の可変容量C1制御処理SB32を示すフローチャートであり、図47Bは実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1制御処理SA32の第2の部分を示すフローチャートである。
【0179】
図47Aの制御回路10の可変容量C1制御処理SA32のステップS321において、まず、制御回路10は、電圧V0及び電流I0に基づいて電力P0を算出し、ステップS322で電圧V2及び電流I2に基づいて電力P2(又は、電圧V3及び電流I3に基づいて電力P3、もしくは電圧V4及び電流I4に基づいて電力P4)を算出して送信ように指示する電力送信指示信号を制御回路20に送信する。次いで、ステップS323で、制御回路10は制御回路20から、S323電力送信信号を受信し、ステップS324で電力効率η(=P0/P2(又はP0/P3、もしくはP0/P4))を算出して可変容量C1に対応させてメモリ10mに記録し、ステップS325で可変容量C1の変化方向を「増加方向」(又は「減少方向」)に設定する。そして、制御回路10は、ステップS326で、可変容量C1を所定のステップ容量だけ設定方向」で変化させ、ステップS327で、制御回路20に可変容量変化通知信号を送信し、ステップS328で制御回路20から電力送信信号を受信し、ステップS329で、電力効率η(=P0/P2(又はP0/P3、もしくはP0/P4))である検出値を算出して可変容量C1に対応させてメモリ10mに記録し、図47BのステップS330に進む。
【0180】
図47BのステップS330において、制御回路10は、可変容量C1の変化の前後で検出値の増減の極性が反転したか否かを判断し、YESのときはステップS331に進む一方、NOのときはステップS335に進む。ステップS331で、制御回路10は極性反転回数Npを計数し、ステップS332で、Np≧Npthであるか否かを判断する。ここで、YESのときはステップS333に進む一方、NOのときはステップS335に進む。ステップS333で、制御回路10は制御回路20に処理終了信号を送信し、ステップS334で、現在の可変容量C1を設定し、元のメインルーチンに戻る。ステップS335では、制御回路10は、可変容量C1の変化の前後で検出値の極性が反転したか否かを判断し、YESのときはステップS336に進む一方、NOのときはステップS337に進む。制御回路10は、ステップS336で、可変容量C1の変化方向を「設定方向」とは逆方向に設定し、ステップS337で制御回路20に処理継続信号を送信し、図47AのステップS326に戻る。
【0181】
一方、図47Aの制御回路20の可変容量C2制御処理SB32のステップS341において、まず、制御回路20は制御回路10から、電力送信指示信号を受信し、ステップS342で電圧V2及び電流I2に基づいて電力P2(又は、電圧V3及び電流I3に基づいて電力P3、もしくは電圧V4及び電流I4に基づいて電力P4)を算出して電力P2(又はP3、もしくはV4)を含む電力送信信号を制御回路1に送信する。次いで、ステップS343において、制御回路20は制御回路10から可変容量変化通知信号を受信し、ステップS344で、電圧V2及び電流I2に基づいて電力P2(又は、電圧V3及び電流I3に基づいて電力P3、もしくは電圧V4及び電流I4に基づいて電力P4)を算出して電力P2(又はP3、もしくはV4)を含む電力送信信号を制御回路10に送信する。さらに、制御回路20は、ステップS344で処理継続信号又は処理終了信号を受信したか否かを判断し、処理継続信号を受信したときはステップS343に戻る一方、処理終了信号を受信したときは元のメインルーチンに戻る。
【0182】
図48は実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1制御処理SA33を示すフローチャートである。
【0183】
図48の制御回路10の可変容量C1制御処理SA33のステップS351において、まず、飛び越え回数Noverに初期値0を設定し、可変回数nを0に初期化した後、ステップS352で電圧V1と電流I1に基づいて位相差θ0を算出してメモリ10mに記録し、S353で所定の位相差θp(基準位相差(指令値))と位相差θ0の差の絶対値θd0を算出してメモリ10mに記録し、ステップS354で可変容量C1の変化方向を増加方向(又は減少方向)に「設定方向」として設定する。さらに、ステップS355において、可変容量C1を所定のステップ容量だけ「設定方向」に変化させ、可変回数nを1だけインクリメントした後、ステップS356に進む。ステップS356では、電圧V1と電流I1に基づいて位相差θnを算出してメモリ10mに記録し、ステップS357で所定の位相差θpと位相差θnの差の絶対値(偏差)θdnを算出してメモリ10mに記録する。次いで、ステップS358において、可変回数n=1のときθd1<θd0、もしくは可変回数n>1のときθdn<θdn-1であるか否かが判断され、YESのときはステップS355に戻る一方、NOのときはステップS359に進む。ステップS359において、θp-θnとθp-θn-1の正負は同じであるか否かが判断され、YESのときはステップS360に進む一方、NOのときはステップS361に進む。ステップS360において、可変容量C1の可変方向を現在の設定方向から逆方向に設定した後、ステップS355に戻る。一方、ステップS361において飛び越え回数Noverを1だけインクリメントし、ステップS362で、飛び越え回数Nover≧しきい値Nthであるか否かが判断され、YESのときはステップS363に進む一方、NOのときはステップS360に戻る。ステップS363では、現在の可変容量C1を設定して元のメインルーチンに戻る。
【0184】
図48の制御処理SA33において、ステップS352からステップS358のYESまでのループ処理において、偏差θdが小さくなる場合は調整を同じ方向に繰り返し、偏差θdの大きさが前回の可変容量C1の変化時より大きくなると逆方向へと反転させる。また、ステップS359では、所定の位相差θpから遠ざかったか、それとも位相差θpを跨いだかを判定しており、前者のときは、ステップS359でNOであり、後者のときはYESとなる。
【0185】
図49は実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1制御処理SA34を示すフローチャートである。
【0186】
図49の制御回路10の可変容量C1制御処理SA34のステップS371において、まず、飛び越え回数Noverに初期値0を設定し、可変回数nを0に初期化した後、ステップS372でインバータ12の所定のスイッチ素子のオン電流I10を検出してメモリ10mに記録し、S373で所定の電流I1p(基準電流(指令値))と電流I10の差の絶対値I1d0を算出してメモリ10mに記録し、ステップS374で可変容量C1の変化方向を増加方向もしくは減少方向に「設定方向」として設定する。さらに、ステップS375において、可変容量C1を所定のステップ容量だけ「設定方向」に変化させ、可変回数nを1だけインクリメントした後、ステップS376に進む。ステップS376では、インバータ12の所定のスイッチ素子のオン電流I1nを検出してメモリ10mに記録し、ステップS377で所定の電流I1pと電流I1nの差の絶対値(偏差)I1dnを算出してメモリ10mに記録する。次いで、ステップS378において、可変回数n=1のときI1d1<I1d0、もしくは可変回数n>1のときI1dn<I1dn-1であるか否かが判断され、YESのときはステップS375に戻る一方、NOのときはステップS379に進む。ステップS379において、I1p-I1nとI1p-I1n-1の正負は同じであるか否かが判断され、YESのときはステップS380に進む一方、NOのときはステップS381に進む。ステップS380において、可変容量C1の可変方向を現在の設定方向から逆方向に設定した後、ステップS375に戻る。一方、ステップS381において飛び越え回数Noverを1だけインクリメントし、ステップS382で、飛び越え回数Nover≧しきい値Nthであるか否かが判断され、YESのときはステップS383に進む一方、NOのときはステップS380に戻る。ステップS383では、現在の可変容量C1を設定して元のメインルーチンに戻る。
【0187】
図49の制御処理SA34において、ステップS372からステップS378のYESまでのループ処理において、偏差I1dが小さくなる場合は調整を同じ方向に繰り返し、偏差I1dの大きさが前回の可変容量C1の変化時より大きくなると逆方向へと反転させる。また、ステップS379では、所定の位相差I1pから遠ざかったか、それとも位相差I1pを跨いだかを判定しており、前者のときは、ステップS379でNOであり、後者のときはYESとなる。
【0188】
図50は実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1制御処理SA35を示すフローチャートである。
【0189】
図50の制御回路10の可変容量C1制御処理SA35のステップS391において、まず、制御回路10は、可変容量C1を増加方向(又は減少方向)でスイープしながら電圧V0及び電流I0に基づいた電力P0(もしくは、電流I0又はI1)を検出して、可変容量C1に対応させて検出値をメモリ10mに記録する。次いで、制御回路10は、ステップS392でメモリ10mに記録された検出値から、検出値が最小となるときの可変容量C1を検索して設定し、元のメインルーチンに戻る。
【0190】
図51は実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1制御処理SA36及び制御回路20の可変容量C1制御処理SB36を示すフローチャートである。
【0191】
図51の制御回路10の可変容量C1制御処理SA36のステップS401において、制御回路10は、まず、可変容量C1の変化方向を「増加方向」(又は「減少方向」)に設定し、ステップS402で可変容量C1を所定のステップ容量だけ「設定方向」で変化させる。次いで、制御回路10は、ステップS403で、電圧V2と電流V2に基づいた電力P2(又は電圧V3と電流V3に基づいた電力P3、もしくは電圧V4及び電流I4に基づいて電力P4)を算出して送信するように指示する電力送信指示信号を制御回路20に送信し、ステップS404で、電力送信信号を制御回路20から受信する。そして、制御回路10は、ステップS405で、電力効率η(=P0/P2(又はP0/P3、もしくはP0/P4))を算出して可変容量C1に対応させてメモリ10mに記録し、ステップS406で可変容量C1が所定のスイープ範囲でスイープされたか否かを判断し、YESのときはステップS408に進む一方、NOのときはステップS407に進む。ステップS407では、制御回路10は制御回路20に、処理継続信号を送信し、ステップS402に戻る。一方、ステップS408では、制御回路10は制御回路20に処理終了信号を送信し、ステップS409でメモリ10mに記録された電力効率ηが最大となる可変容量C1を検索して設定し、元のメインルーチンに戻る。
【0192】
図51の制御回路20の可変容量C1制御処理SB36のステップS411において、まず、制御回路20は制御回路10から、電力送信指示信号を受信し、ステップS412で電圧V2と電流V2に基づいた電力P2(又は電圧V3と電流V3に基づいた電力P3、もしくは電圧V4及び電流I4に基づいて電力P4)を算出して当該電力を含む電力送信信号を制御回路10に送信する。次いで、制御回路20は、ステップS413で、処理継続信号又は処理終了信号を受信したか否かを判断し、処理継続信号を受信したときはステップS411に戻る一方、処理終了信号を受信したときは元のメインルーチンに戻る。
【0193】
図52は実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1制御処理SA37を示すフローチャートである。
【0194】
図52の制御回路10の可変容量C1制御処理SA37のステップS421において、制御回路10は、可変容量C1を増加方向(又は減少方向)でスイープしながら電圧V1及び電流I1に基づいた位相差θを検出して、可変容量C1に対応させて検出された位相差θをメモリ10mに記録し、ステップS422でメモリ10mに記録された位相差θが所望の位相差になるときの可変容量C1を検索して設定し、元のメインルーチンに戻る。
【0195】
図53は実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1制御処理SA38を示すフローチャートである。
【0196】
図53の制御回路10の可変容量C1制御処理SA38のステップS431において、制御回路10は、可変容量C1を増加方向(又は減少方向)でスイープしながらインバータ12の所定のスイッチ素子のオン電流I1を検出して、可変容量C1に対応させて検出されたオン電流I1をメモリ10mに記録し、ステップS432でメモリ10mに記録されたオン電流I1が所望のオン電流I1になるときの可変容量C1を検索して設定し、元のメインルーチンに戻る。
【0197】
図54は実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1制御処理SA39を示すフローチャートである。
【0198】
図54の制御回路10の可変容量C1制御処理SA39のステップS441において、制御回路10は、図12のフィードバック制御回路を用いて、位相差θの基準位相差(指令値)θrefに対して、電圧V1と電流I1の位相差θを検出して、補償器により基準位相差θrefとの偏差|θ-θref|が最小となるように連続的に制御し、これを繰り返す。
【0199】
図55は実施形態に係るサブルーチン処理である制御回路10の可変容量C1制御処理SA310を示すフローチャートである。
【0200】
図55の制御回路10の可変容量C1制御処理SB310のステップS451において、制御回路10は、図12のフィードバック制御回路を用いて、電流I1の基準電流(指令値)I1refに対して、インバータ12の所定のスイッチ素子のオン電流I1を検出して、補償器により基準電流I1refとの偏差|I1-I1ref|が最小となるように連続的に制御して、これを繰り返す。
【0201】
(別の変形例)
以上の実施形態及び変形例においては、AC/DCコンバータ11及びDC/DCコンバータ22を備えているが、本発明はこれに限らず、必要に応じて、省略してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0202】
以上詳述したように、従来技術に比較して、送電装置と受電装置との間で位置ずれが発生しても、容易に簡単な構成で、負荷非依存特性、高効率及び高力率を達成できる。
【符号の説明】
【0203】
1 交流電源
2,2A 送電装置
3,3A,3AA 受電装置
4 負荷装置
5 複合共振回路
10 制御回路
10m メモリ
11 AC/DCコンバータ
12,12A~12D インバータ
13 共振回路
14 位相差検出回路
15 通信装置
16 電圧検出器
17 電流検出器
18 電圧検出器
19 電流検出器
20 制御回路
20m メモリ
21,21A~21D 整流回路
22 DC/DCコンバータ
23 共振回路
24 ダミー負荷装置
25 通信装置
26 電圧検出器
27 電流検出器
28 電圧検出器
28A 電流検出器
29 電圧検出器
30 電流検出器
31 電圧検出器
35 通信回線
50 フィードバック制御回路
51 減算器
52 制御装置
53 制御対象回路
54 フィードバック要素回路
Cin,C0,C1,C2,C10 キャパシタ
D1~D4 ダイオード
L0,L1,L2,Lm インダクタ
Q1~Q4 スイッチ素子
Rt 抵抗
SW スイッチ
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
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図37
図38
図39
図40
図41A
図41B
図42
図43
図44A
図44B
図45
図46
図47A
図47B
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55