(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007673
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】刺激システム、刺激電極ユニット、中継ケーブル、および刺激制御装置
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20240112BHJP
A61N 1/04 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108901
(22)【出願日】2022-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾▲高▼ 龍吾
(72)【発明者】
【氏名】西脇 重弘
(72)【発明者】
【氏名】吉原 弘
(72)【発明者】
【氏名】前田 尚悟
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 一郎
(72)【発明者】
【氏名】小菅 みのり
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 和正
(72)【発明者】
【氏名】松原 功
(72)【発明者】
【氏名】松尾 礎志
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053BB24
4C053JJ01
4C053JJ15
4C053JJ18
(57)【要約】
【課題】医療従事者による刺激電極ユニットが適正に刺激制御装置に接続されているかの確認作業に係る負担を軽減する。
【解決手段】刺激電極ユニット11は、生体に装着される複数の電極111を備えている。刺激制御装置12は、刺激電極ユニット11との間に電気回路14を形成し、複数の電極111を通じて前記生体に流される刺激電流を制御する。情報要素15は、刺激電極ユニット11を識別する識別情報を保持している。刺激制御装置12は、電気回路14を通じて前記識別情報を読み出し、当該識別情報に基づいて適正な刺激電極ユニット11により電気回路14が形成されているかを判断するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体に装着される複数の電極を備えている刺激電極ユニットと、
前記刺激電極ユニットとの間に電気回路を形成し、前記複数の電極を通じて前記生体に流される刺激電流を制御する刺激制御装置と、
前記刺激電極ユニットを識別する識別情報を保持している情報要素と、
を備えており、
前記刺激制御装置は、前記電気回路を通じて前記識別情報を読み出し、当該識別情報に基づいて適正な刺激電極ユニットにより前記電気回路が形成されているかを判断するように構成されている、
刺激システム。
【請求項2】
前記情報要素は、前記電気回路内に配置されている、
請求項1に記載の刺激システム。
【請求項3】
前記刺激電極ユニットは、前記電気回路の一部を構成するコネクタを備えており、
前記情報要素は、前記コネクタに設けられている、
請求項1または2に記載の刺激システム。
【請求項4】
前記コネクタは、前記複数の電極と電気的に接続された複数の導電接点が形成されている基板を備えており、
前記情報要素は、前記基板に搭載された回路要素である、
請求項3に記載の刺激システム。
【請求項5】
前記情報要素は、前記基板に印刷された抵抗体である、
請求項4に記載の刺激システム。
【請求項6】
前記情報要素は、前記識別情報を記憶している記憶素子である、
請求項4に記載の刺激システム。
【請求項7】
生体に装着される刺激電極ユニットであって、
前記生体に刺激電流を流すための複数の電極と、
前記複数の電極と電気的に接続されており、かつ前記刺激電流を制御する刺激制御装置との間に電気回路を形成するコネクタと、
前記コネクタに設けられており、前記刺激電極ユニットを識別する識別情報を保持している情報要素と、
を備えており、
前記識別情報は、前記電気回路を通じて前記刺激制御装置に読み出され、適正な刺激電極ユニットにより前記電気回路が形成されているかの判断に供される、
刺激電極ユニット。
【請求項8】
生体に装着される複数の電極を備えた刺激電極ユニットと、当該複数の電極を通じて前記生体に流される刺激電流を制御する刺激制御装置との間に電気回路を形成する中継ケーブルであって、
前記刺激電極ユニットを識別する識別情報を保持している情報要素を備えており、
前記識別情報は、前記電気回路を通じて前記刺激制御装置に読み出され、適正な刺激電極ユニットにより前記電気回路が形成されているかの判断に供される、
中継ケーブル。
【請求項9】
生体に装着される複数の電極を備えた刺激電極ユニットとの間に電気回路を形成し、前記複数の電極を通じて前記生体に流される刺激電流を制御する刺激制御装置であって、
前記刺激電極ユニットを識別する識別情報を保持している情報要素から前記電気回路を通じて当該識別情報を取得するインタフェースと、
前記識別情報に基づいて、適正な刺激電極ユニットにより前記電気回路が形成されているかを判断するプロセッサと、
を備えている、
刺激制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生体に装着される複数の電極を備えている刺激電極ユニットに関連する。本開示は、当該刺激電極ユニットとの間に電気回路を形成し、当該複数の電極を通じて生体に流される刺激電流を制御する刺激制御装置にも関連する。本開示は、当該刺激電極ユニットと当該刺激制御装置を含む刺激システムにも関連する。本開示は、当該刺激電極ユニットと当該刺激制御装置との間に電気回路を形成する中継ケーブルにも関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、生体に装着される刺激電極ユニットを開示している。刺激電極ユニットは、複数の電極を備えている。当該対象者の筋肉の弛緩度を監視するために、当該複数の電極を通じて当該筋肉に繋がる神経に刺激電流が流される。刺激電極ユニットは、刺激制御装置と電気的に接続される。刺激電流の制御は、当該刺激制御装置により行なわれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
医療従事者による刺激電極ユニットが適正に刺激制御装置に接続されているかの確認作業に係る負担を軽減することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示により提供されうる態様例の一つは、刺激システムであって、
生体に装着される複数の電極を備えている刺激電極ユニットと、
前記刺激電極ユニットとの間に電気回路を形成し、前記複数の電極を通じて前記生体に流される刺激電流を制御する刺激制御装置と、
前記刺激電極ユニットを識別する識別情報を保持している情報要素と、
を備えており、
前記刺激制御装置は、前記電気回路を通じて前記識別情報を読み出し、当該識別情報に基づいて適正な刺激電極ユニットにより前記電気回路が形成されているかを判断するように構成されている。
【0006】
本開示により提供されうる態様例の一つは、生体に装着される刺激電極ユニットであって、
前記生体に刺激電流を流すための複数の電極と、
前記複数の電極と電気的に接続されており、かつ前記刺激電流を制御する刺激制御装置との間に電気回路を形成するコネクタと、
前記コネクタに設けられており、前記刺激電極ユニットを識別する識別情報を保持している情報要素と、
を備えており、
前記識別情報は、前記電気回路を通じて前記刺激制御装置に読み出され、適正な刺激電極ユニットにより前記電気回路が形成されているかの判断に供される。
【0007】
本開示により提供されうる態様例の一つは、生体に装着される複数の電極を備えた刺激電極ユニットと、当該複数の電極を通じて前記生体に流される刺激電流を制御する刺激制御装置との間に電気回路を形成する中継ケーブルであって、
前記刺激電極ユニットを識別する識別情報を保持している情報要素を備えており、
前記識別情報は、前記電気回路を通じて前記刺激制御装置に読み出され、適正な刺激電極ユニットにより前記電気回路が形成されているかの判断に供される。
【0008】
本開示により提供されうる態様例の一つは、生体に装着される複数の電極を備えた刺激電極ユニットとの間に電気回路を形成し、前記複数の電極を通じて前記生体に流される刺激電流を制御する刺激制御装置であって、
前記刺激電極ユニットを識別する識別情報を保持している情報要素から前記電気回路を通じて当該識別情報を取得するインタフェースと、
前記識別情報に基づいて、適正な刺激電極ユニットにより前記電気回路が形成されているかを判断するプロセッサと、
を備えている。
【0009】
上記の各態様例に係る構成によれば、刺激電極ユニットと刺激制御装置との間に電気回路を形成する操作を行なえば、情報要素に保持された識別情報が読み出されることにより適正な刺激電極ユニットが接続されているかの判断がなされる。すなわち、目視確認などによる人的管理に委ねられていた当該判断を、刺激制御装置による自動化された管理に委ねることができる。結果として、医療従事者による刺激電極ユニットが適正に刺激制御装置に接続されているかの確認作業に係る負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態に係る刺激システムの機能構成を例示している。
【
図2】一実施形態に係る刺激電極ユニットの外観を例示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図面を参照しつつ、実施形態の例について詳細に説明する。なお、以降の説明において参照される各図面では、各要素を認識可能な大きさとするために縮尺が適宜に変更されている場合がある。
【0012】
図1は、一実施形態に係る刺激システム10の機能構成を例示している。刺激システム10は、生体の筋肉の弛緩度を監視する際に用いられる。刺激システム10は、刺激電極ユニット11、刺激制御装置12、および中継ケーブル13を含んでいる。
【0013】
刺激電極ユニット11は、生体に装着される複数の電極111を備えている。刺激制御装置12は、刺激電極ユニット11との間に電気回路14を形成するように構成されている。本実施形態においては、中継ケーブル13が刺激電極ユニット11と刺激制御装置12を電気的に接続することにより、電気回路14が形成される。
【0014】
刺激制御装置12は、プロセッサ121とインタフェース122を備えている。プロセッサ121は、インタフェース122を通じて刺激電極ユニット11へ制御信号を送出するように構成されている。制御信号は、複数の電極111を通じて生体に流される刺激電流を制御するように構成されている。刺激電流は、生体の筋肉に繋がる神経に刺激を与える。筋刺激の手法としては、TOF(Train of Four)法などが用いられる。
【0015】
プロセッサ121は、当該刺激に対する当該筋肉の反応に対応する生体信号を、インタフェース122を通じて取得するように構成されている。プロセッサ121は、当該生体信号に基づいて弛緩度を監視するように構成されている。
【0016】
図2は、刺激電極ユニット11の外観を例示している。刺激電極ユニット11は、複数の電極111を支持する支持体112を備えている。支持体112は、可撓性および電気的絶縁性を有する材料により形成されている。複数の電極111は、刺激電極111a、活性電極111b、基準電極111c、および中立電極111dを含んでいる。
【0017】
刺激電極ユニット11は、コネクタ部113を備えている。コネクタ部113は、複数の導電接点113aと基板部113bを備えている。基板部113bは、電気的絶縁性を有する材料により形成されている。基板部113bは、導電接点113aを支持している。本例においては、基板部113bは、支持体112の一部として形成されている。
【0018】
刺激電極ユニット11は、配線部114を備えている。配線部114は、導電性を有する材料により形成されており、支持体112に支持されている。配線部114は、複数の電極111と複数の導電接点113aを電気的に接続している。
【0019】
刺激電極111aは、刺激電極ユニット11が生体に装着された際に所望の神経へ刺激を与えうる位置に配置されている。当該神経の例としては、尺骨神経が挙げられる。刺激電極111aは、陽極電極111a1と負極電極111a2を含んでいる。
【0020】
陽極電極111a1は、配線部114により複数の導電接点113aの一つと電気的に接続されている。負極電極111a2は、配線部114により複数の導電接点113aの一つと電気的に接続されている。
【0021】
活性電極111bと基準電極111cの各々は、刺激電極111aにより付与された電気刺激に反応した筋肉から生じる生体信号を検出しうる位置に配置されている。当該筋肉の例としては、小指外転筋が挙げられる。本例においては、活性電極111bは負極に対応しており、基準電極111cは陽極に対応している。
【0022】
活性電極111bは、配線部114により複数の導電接点113aの一つと電気的に接続されている。基準電極111cは、配線部114により複数の導電接点113aの一つと電気的に接続されている。
【0023】
中立電極111dは、ノイズを遮断するために設けられている。中立電極111dは、負極電極111a2と活性電極111bの間に配置されている。中立電極111dは、配線部114により複数の導電接点113aの一つと電気的に接続されている。
【0024】
図1に例示されるように、中継ケーブル13は、第一コネクタ131、第二コネクタ132、および配線部133を備えている。配線部133は、第一コネクタ131と第二コネクタ132を電気的に接続している。
【0025】
第一コネクタ131は、刺激電極ユニット11のコネクタ部113に対して着脱可能に構成されている。第一コネクタ131がコネクタ部113と接続されると、導電接点113aと中継ケーブル13の配線部133とが電気的に接続される。
【0026】
第二コネクタ132は、刺激制御装置12と着脱可能に構成されている。第二コネクタ132が刺激制御装置12と接続されると、中継ケーブル13の配線部133と刺激制御装置12のインタフェース122とが電気的に接続される。
【0027】
したがって、第一コネクタ131がコネクタ部113に接続され、第二コネクタ132が刺激制御装置12に接続されることにより、インタフェース122から複数の電極111に至る電気回路14が形成される。
【0028】
刺激システム10は、情報要素15を含んでいる。情報要素15は、刺激電極ユニット11を識別する識別情報を保持している。識別情報の例としては、刺激電極ユニットの種別(大人用、小児用、新生児用など)、品質保証期間、使用時間、使用回数、製造番号などが挙げられる。
【0029】
刺激制御装置12は、電気回路14を通じて識別情報を読み出し、当該識別情報に基づいて適正な刺激電極ユニット11により電気回路14が形成されているかを判断するように構成されている。
【0030】
本明細書で用いられる「適正な刺激電極ユニット11により電気回路14が形成されているかを判断」という表現は、以下に列挙される判断を含みうる。
・ 刺激電極ユニット11が、刺激制御装置12から外れていないか(電極外れ)
・ 正しい種別の刺激電極ユニット11が刺激制御装置12に接続されているか
・ 品質保証期間内の刺激電極ユニット11が刺激制御装置12に接続されているか
・ 所定の製造番号が付与された刺激電極ユニット11が刺激制御装置12に接続されているか
【0031】
プロセッサ121は、判断の結果をインタフェース122を通じて不図示の報知装置に通知する。判断の結果は、当該報知装置によりユーザへ報知される。報知は、「適正な刺激電極ユニット11により電気回路14が形成されていること」と「適正な刺激電極ユニット11により電気回路14が形成されていないこと」の少なくとも一方についてなされうる。報知装置は、刺激制御装置12の一部であってもよいし、刺激制御装置12と通信可能に接続された別装置の少なくとも一部であってもよい。
【0032】
図3と
図4を参照しつつ、情報要素15に基づいて刺激電極ユニット11を識別することの具体例について説明する。
【0033】
本例においては、情報要素15は、刺激電極ユニット11におけるコネクタ部113の基板部113bに印刷された抵抗体15aである。抵抗体15aの長さ寸法(抵抗値)が、刺激電極ユニット11の種別に関連付けられている。すなわち、抵抗値は、識別情報の一例である。例えば、
図3に例示される長さの抵抗体15aは、大人用の刺激電極ユニット11であることを識別可能にしている。
図4に例示される長さの抵抗体15aは、小児用の刺激電極ユニット11であることを識別可能にしている。
【0034】
本例においては、刺激制御装置12のプロセッサ121は、電気回路14の形成に伴い、インタフェース122を通じて抵抗体15aの抵抗値を読み出すように構成されている。プロセッサ121には予め接続されるべき刺激電極ユニット11の種別が情報として与えられている。プロセッサ121は、接続された刺激電極ユニット11から読み出された抵抗値が示す種別が、予め与えられている情報が示す種別と一致しているかを判断する。両者が一致していれば、適正な刺激電極ユニット11が接続されているとの判断がなされる。
【0035】
例えば、小児用の刺激電極ユニット11が接続されるべきであるところ、実際に接続された刺激電極ユニット11から読み出された抵抗値が大人用の刺激電極ユニット11であることを示している場合、プロセッサ121は、適正な刺激電極ユニット11が接続されていないと判断し、然るべき報知を行なう。
【0036】
上記のような構成によれば、刺激電極ユニット11と刺激制御装置12との間に電気回路14を形成する操作を行なえば、情報要素15に保持された識別情報が読み出されることにより適正な刺激電極ユニット11が接続されているかの判断がなされる。すなわち、目視確認などによる人的管理に委ねられていた当該判断を、刺激制御装置12による自動化された管理に委ねることができる。結果として、医療従事者による刺激電極ユニット11が適正に刺激制御装置12に接続されているかの確認作業に係る負担を軽減できる。
【0037】
印刷された抵抗体15aは、回路要素の一例である。この場合、支持体112に配線部114を形成する工程と情報要素15を形成する工程を共有することができるので、刺激電極ユニット11の製造効率を高めることができる。
【0038】
しかしながら、電気回路14を通じて刺激制御装置12により読み出し可能であれば、識別情報は他の回路要素のパラメータ値として保持されうる。他の回路要素の例としては、抵抗素子、コンデンサ素子、コイル素子などが挙げられる。
【0039】
図5に例示されるコネクタ部113に搭載された記憶素子15bもまた、回路要素の一例となりうる。記憶素子15bは、読み出し専用の記憶素子であってもよいし、書き換え可能な記憶素子であってもよい。この場合、より詳細かつ多様な識別情報を、読み出し可能なデータとして情報要素15に保持させることができる。
【0040】
上記の中継ケーブル13は、複数種の刺激電極ユニット11に対して汎用可能に構成されている。しかしながら、特定種の刺激電極ユニット11とともに使用されることが前提であれば、
図6に例示されるように、当該刺激電極ユニット11について識別に供される情報を保持した情報要素15が、中継ケーブル13の配線部133に設けられうる。
【0041】
上記の各例のように情報要素15が電気回路14内に配置されている場合、識別情報が読み出せない事実をもって、情報要素を備えていない非正規品の接続や、電気回路14における断線などの不良が疑われうる。プロセッサ121は、このような場合においても適正な刺激電極ユニット11が接続されていないと判断し、然るべき報知を行なうことができる。
【0042】
しかしながら、情報要素15は、必ずしも電気回路14内に配置されることを要しない。
図7は、刺激電極ユニット11のコネクタ部113における基板部113bの背面113cを拡大して例示している。背面113cは、基板部113bにおいて複数の導電接点113aが設けられている面と反対側を向いている面である。
【0043】
本例においては、近接無線通信技術に用いられる記憶素子15cが、背面113cに配置されている。近接無線通信技術の例としては、RFID(Radio Frequency Identifier)やNFC(Near Field Communication)が挙げられる。記憶素子15cには、刺激電極ユニット11を識別するための識別情報が、データとして記憶されている。
【0044】
この場合、中継ケーブル13の第一コネクタ131に記憶素子15cから非接触で識別情報を読み出すための構成が設けられる。当該構成自体は周知であるので、詳細な説明は省略する。読み出された識別情報は、配線部133を通じて刺激制御装置12により受け付けられる。
【0045】
あるいは、
図8に例示されるように、特定の刺激電極ユニット11に係る識別情報を保持した同様の記憶素子15cが中継ケーブル13の第二コネクタ132に設けられ、記憶素子15cと近接無線通信を行ないうる構成が刺激制御装置12に設けられうる。この場合、当該刺激電極ユニット11が接続された中継ケーブル13が刺激制御装置12に接続されることにより、識別情報が刺激制御装置12により読み出される。
【0046】
これまで説明した各種の機能を有する刺激制御装置12のプロセッサ121は、汎用メモリと協働して動作する汎用マイクロプロセッサにより実現されうる。汎用マイクロプロセッサとしては、CPU、MPU、GPUが例示されうる。汎用メモリとしては、ROMやRAMが例示されうる。この場合、ROMには、上述した処理を実行するコンピュータプログラムが記憶されうる。汎用マイクロプロセッサは、ROM上に記憶されたプログラムの少なくとも一部を指定してRAM上に展開し、RAMと協働して上述した処理を実行する。
【0047】
プロセッサ121は、マイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどの上記のコンピュータプログラムを実行可能な専用集積回路によって実現されてもよい。プロセッサ121は、汎用マイクロプロセッサと専用集積回路の組合せによっても実現されうる。
【0048】
これまで説明した様々な構成は、本開示の理解を容易にするための例示にすぎない。各構成例は、本開示の趣旨の範囲内で適宜に変更や相互の組合せがなされうる。
【0049】
刺激電極ユニット11から出力された生体信号は、最終的にベッドサイドモニタなどの生体情報モニタ装置による信号処理に供される。刺激制御装置12は、そのような生体情報モニタ装置へ生体信号を中継する装置であってもよいし、そのような生体情報モニタ装置の一部であってもよい。
【0050】
上記の実施形態例においては、刺激電極ユニット11におけるコネクタ部113の基板部113bは、支持体112の一部として形成されている。しかしながら、電気的絶縁性を有する材料により形成されているのであれば、支持体112と基板部113bは、互いに独立した部材であってもよい。
【符号の説明】
【0051】
10:刺激システム、11:刺激電極ユニット、111:複数の電極、113:コネクタ部、113a:複数の導電接点、113b:基板部、12:刺激制御装置、121:プロセッサ、122:インタフェース、13:中継ケーブル、14:電気回路、15:情報要素、15a:抵抗体、15b、15c:記憶素子