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特開2024-76757位置測位プログラム、情報処理装置及び位置測位方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076757
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】位置測位プログラム、情報処理装置及び位置測位方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/70 20170101AFI20240530BHJP
【FI】
G06T7/70 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188471
(22)【出願日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003421
【氏名又は名称】弁理士法人フィールズ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】一角 健人
(72)【発明者】
【氏名】石井 大祐
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA06
5L096CA04
5L096CA05
5L096DA02
5L096FA09
5L096FA67
5L096FA69
5L096HA05
5L096JA03
5L096JA11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】測位対象の姿勢の推定に伴う処理負担を抑えることを可能とする位置測位プログラム、情報処理装置及び位置測位方法を提供する。
【解決手段】方法は、撮影装置から受信した画像データにおける第1測位対象の第1位置を特定し、各測位対象の位置と、各測位対象が映る画像データを撮影した撮影装置の識別情報と、各測位対象の種類とを対応付けて記憶する第1記憶部を参照し、第1位置との位置関係が第1条件を満たす特定の位置に対応する特定の識別情報と特定の種類とを特定し、各測位対象が映る画像データを撮影した撮影装置の識別情報と、各測位対象の種類と、各測位対象が映る画像データにおける各測位対象の特徴点群とを対応付けて記憶する第2記憶部を参照し、特定した特定の識別情報と特定の種類とに対応する特定の特徴点群を特定し、特定した特定の特徴点群から第1測位対象の姿勢を推定する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影装置から受信した画像データにおける第1測位対象の第1位置を特定し、
各測位対象の位置と、各測位対象が映る画像データを撮影した撮影装置の識別情報と、各測位対象の種類とを対応付けて記憶する第1記憶部を参照し、前記第1位置との位置関係が第1条件を満たす特定の位置に対応する特定の識別情報と特定の種類とを特定し、
各測位対象が映る画像データを撮影した撮影装置の識別情報と、各測位対象の種類と、各測位対象が映る画像データにおける各測位対象の特徴点群とを対応付けて記憶する第2記憶部を参照し、特定した前記特定の識別情報と前記特定の種類とに対応する特定の特徴点群を特定し、
特定した前記特定の特徴点群から前記第1測位対象の姿勢を推定する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする位置測位プログラム。
【請求項2】
請求項1において、
前記特定の識別情報と特定の種類とを特定する処理では、前記第1位置との距離が第1閾値以下である位置を前記特定の位置として特定する、
ことを特徴とする位置測位プログラム。
【請求項3】
請求項1において、
さらに、特定した前記特定の識別情報に対応する前記撮影装置との位置関係が第2条件を満たす他の撮影装置を特定し、
前記第2記憶部を参照し、特定した前記他の撮影装置の識別情報と前記特定の種類とに対応する他の特徴点群を特定する、
処理をコンピュータに実行させ、
前記推定する処理では、前記特定の特徴点群と前記他の特徴点群とから前記第1測位対象の姿勢を推定する、
ことを特徴とする位置測位プログラム。
【請求項4】
請求項3において、
前記他の撮影装置を特定する処理では、前記特定の識別情報に対応する前記撮影装置との距離が第2閾値以下である撮影装置を前記他の撮影装置として特定する、
ことを特徴とする位置測位プログラム。
【請求項5】
請求項1において、
前記第1位置を特定する処理では、前記第1測位対象が映る画像データにおける前記第1測位対象の特徴点群を受信し、
前記姿勢を推定する処理では、前記特定の特徴点群のうち、受信した前記第1測位対象の特徴点群との一致度が第3条件を満たす特徴点群から前記第1測位対象の姿勢を推定する、
ことを特徴とする位置測位プログラム。
【請求項6】
請求項1において、
さらに、前記第1位置と、前記特定の特徴点群を含む画像データを撮影した前記撮影装置の識別情報と、前記第1測位対象の種類とを対応付けて前記第1記憶部に記憶する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする位置測位プログラム。
【請求項7】
撮影装置から受信した画像データにおける第1測位対象の第1位置を特定する対象検知部と、
各測位対象の位置と、各測位対象が映る画像データを撮影した撮影装置の識別情報と、各測位対象の種類とを対応付けて記憶する第1記憶部を参照し、前記第1位置との位置関係が第1条件を満たす特定の位置に対応する特定の識別情報と特定の種類とを特定し、各測位対象が映る画像データを撮影した撮影装置の識別情報と、各測位対象の種類と、各測位対象が映る画像データにおける各測位対象の特徴点群とを対応付けて記憶する第2記憶部を参照し、特定した前記特定の識別情報と前記特定の種類とに対応する特定の特徴点群を特定する特徴点群特定部と、
特定した前記特定の特徴点群から前記第1測位対象の姿勢を推定する姿勢推定部と、を有する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
撮影装置から受信した画像データにおける第1測位対象の第1位置を特定し、
各測位対象の位置と、各測位対象が映る画像データを撮影した撮影装置の識別情報と、各測位対象の種類とを対応付けて記憶する第1記憶部を参照し、前記第1位置との位置関係が第1条件を満たす特定の位置に対応する特定の識別情報と特定の種類とを特定し、
各測位対象が映る画像データを撮影した撮影装置の識別情報と、各測位対象の種類と、各測位対象が映る画像データにおける各測位対象の特徴点群とを対応付けて記憶する第2記憶部を参照し、特定した前記特定の識別情報と前記特定の種類とに対応する特定の特徴点群を特定し、
特定した前記特定の特徴点群から前記第1測位対象の姿勢を推定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする位置測位方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置測位プログラム、情報処理装置及び位置測位方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像データから映像データに映る測位対象(例えば、人や物)の姿勢を計算する情報処理システムが登場している。このような情報処理システムでは、例えば、カメラ等の撮影装置(以下、単に撮影装置とも呼ぶ)からリアルタイムに取得した映像データの分析処理を行うことによって、測位対象の位置や姿勢を特定する(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-256806号公報
【特許文献2】特開2018-147241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような情報処理システムでは、例えば、測位対象を複数の方向から撮影することによって複数の画像データを予め取得し、取得した複数の画像データごとに、各画像データに映る測位対象の特徴点群を特定する。そして、情報処理システムでは、例えば、測位対象の種類と測位対象の特徴点群との組合せ(以下、記憶対象の組合せとも呼ぶ)を記憶装置に記憶する。
【0005】
その後、情報処理システムでは、例えば、撮影装置から映像データを受信した場合、記憶装置に記憶された特徴点群のうち、受信した映像データを構成する画像データに映る測位対象の種類と特徴点群との組合せ(以下、推定対象の組合せとも呼ぶ)に対応する特徴点群を用いることにより、受信した映像データに映る測位対象の姿勢を推定する。
【0006】
しかしながら、上記のような情報処理システムでは、例えば、記憶対象の組合せの数が多い場合、推定対象の組合せとのマッチング回数が増大する。そのため、情報処理システムでは、この場合、例えば、測位対象の姿勢の推定に伴う処理負担が大きくなり、測位対象の姿勢の推定に要する時間が増加する。
【0007】
これに対し、例えば、測位対象の種類や測位対象の特徴点群の数を少なくする場合、情報処理システムでは、測位対象の姿勢の推定に伴う処理負担を抑えることが可能になる。しかしながら、情報処理システムでは、この場合、例えば、測位対象の姿勢の推定精度が低下する可能性がある。
【0008】
そこで、一つの側面では、本発明は、測位対象の姿勢の推定に伴う処理負担を抑えることを可能とする位置測位プログラム、情報処理装置及び位置測位方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施の形態の一態様では、撮影装置から受信した画像データにおける第1測位対象の第1位置を特定し、各測位対象の位置と、各測位対象が映る画像データを撮影した撮影装置の識別情報と、各測位対象の種類とを対応付けて記憶する第1記憶部を参照し、前記第1位置との位置関係が第1条件を満たす特定の位置に対応する特定の識別情報と特定の種類とを特定し、各測位対象が映る画像データを撮影した撮影装置の識別情報と、各測位対象の種類と、各測位対象が映る画像データにおける各測位対象の特徴点群とを対応付けて記憶する第2記憶部を参照し、特定した前記特定の識別情報と前記特定の種類とに対応する特定の特徴点群を特定し、特定した前記特定の特徴点群から前記第1測位対象の姿勢を推定する、処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
一つの側面によれば、測位対象の姿勢の推定に伴う処理負担を抑えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、情報処理システム10の構成について説明する図である。
図2図2は、情報処理システム10の構成について説明する図である。
図3図3は、情報処理装置1のハードウエア構成を説明する図である。
図4図4は、第1の実施の形態における情報処理装置1の機能について説明する図である。
図5図5は、第1の実施の形態における位置測位処理の概略について説明するフローチャート図である。
図6図6は、第1の実施の形態における位置測位処理の詳細について説明するフローチャート図である。
図7図7は、第1の実施の形態における位置測位処理の詳細について説明するフローチャート図である。
図8図8は、第1の実施の形態における位置測位処理の詳細について説明するフローチャート図である。
図9図9は、第1の実施の形態における位置測位処理の詳細について説明するフローチャート図である。
図10図10は、特徴点群情報133の具体例について説明する図である。
図11図11は、検知結果情報131aの具体例について説明する図である。
図12図12は、過去結果情報132の具体例について説明する図である。
図13図13は、撮影位置情報134の具体例について説明する図である。
図14図14は、第1候補情報135の具体例について説明する図である。
図15図15は、第2候補情報136の具体例について説明する図である。
図16図16は、推定結果情報137の具体例について説明する図である。
図17図17は、過去結果情報132の具体例について説明する図である。
図18図18は、第1の実施の形態における位置測位処理の詳細について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施の形態における情報処理システムの構成]
初めに、情報処理システム10の構成について説明を行う。図1及び図2は、情報処理システム10の構成について説明する図である。
【0013】
図1に示す情報処理システム10は、例えば、情報処理装置1と、撮影装置2aと、撮影装置2bと、撮影装置2cと、撮影装置2dとを有する。以下、撮影装置2a、撮影装置2b、撮影装置2c及び撮影装置2dを総称して単に撮影装置2とも呼ぶ。なお、以下、情報処理システム10が4台の撮影装置2を有する場合について説明を行うが、情報処理システム10は、例えば、4台以外の台数の撮影装置2を有するものであってもよい。
【0014】
撮影装置2は、例えば、工場の室内等に取り付けられた定点カメラであり、撮影可能範囲を継続的に撮影する。すなわち、撮影装置2は、例えば、撮影可能範囲に含まれる人物OB1や物OB2等の測位対象OBを撮影する。そして、撮影装置2は、例えば、撮影した映像データ(映像データを構成する各フレーム)を情報処理装置1に対してリアルタイムに送信する。
【0015】
なお、撮影装置2は、例えば、10(fps)の映像データを撮影して情報処理装置1に送信するものであってよい。すなわち、撮影装置2は、例えば、情報処理装置1に対して、100(ms)ごとにフレーム(以下、画像データとも呼ぶ)を送信するものであってよい。また、以下、画像データにおける位置を単に位置とも呼ぶ。
【0016】
情報処理装置1は、例えば、1以上の物理マシンまたは1以上の仮想マシンである。そして、情報処理装置1は、図2に示すように、例えば、測位処理部11と、トラッキング処理部12として機能する。
【0017】
測位処理部11は、例えば、撮影装置2によって撮影された各画像データに映る測位対象OBの位置や姿勢を算出する処理(以下、位置測位処理とも呼ぶ)を行う。
【0018】
具体的に、本実施の形態における情報処理装置1は、位置測位処理において、例えば、撮影装置2から受信した画像データにおける測位対象OB(以下、第1測位対象OBとも呼ぶ)の位置(以下、第1位置とも呼ぶ)を特定する。そして、情報処理装置1は、例えば、各測位対象OBの位置と、各測位対象OBが映る画像データを撮影した撮影装置2の識別情報と、各測位対象OBの種類とを対応付けた情報(以下、過去結果情報とも呼ぶ)を記憶する記憶部130を参照し、第1位置との位置関係が条件(以下、第1条件とも呼ぶ)を満たす位置(以下、特定の位置とも呼ぶ)に対応する識別情報(以下、特定の識別情報とも呼ぶ)と種類(以下、特定の種類とも呼ぶ)とを特定する。
【0019】
続いて、情報処理装置1は、例えば、各測位対象OBが映る画像データを撮影した撮影装置2の識別情報と、各測位対象OBの種類と、各測位対象OBが映る画像データにおける各測位対象OBの特徴点群とを対応付けた情報(以下、特徴点群情報とも呼ぶ)を記憶する記憶部130を参照し、特定の識別情報と特定の種類とに対応する特徴点群(以下、特定の特徴点群とも呼ぶ)を特定する。その後、情報処理装置1は、例えば、特定の特徴点群から第1測位対象OBの姿勢を推定する。
【0020】
すなわち、第1測位対象OBの位置(例えば、現在の位置)は、例えば、第1測位対象OBの動作速度等によって、第1測位対象OBの位置として過去に推定された位置(例えば、前回推定された位置)から近い位置である可能性が高いと判断できる。
【0021】
そのため、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、各測位対象OBの姿勢の推定を行った場合、各測位対象OBの姿勢の推定に用いた特徴点群を含む映像データを撮影した撮影装置2の識別情報と、各測位対象OBの位置及び各測位対象OBの種類とを対応付けて過去結果情報として記憶部130に蓄積する。
【0022】
そして、情報処理装置1は、例えば、第1測位対象OBの姿勢の推定を行う場合、過去結果情報を記憶した記憶部130を参照し、第1測位対象OBの位置との位置関係が第1条件を満たす位置に対応する撮影装置2と第1測位対象OBの種類とを特定することで、第1測位対象OBの姿勢を過去に推定した際(例えば、前回推定した際)に用いた特徴点群に対応する撮影装置2と第1測位対象OBの種類とを特定する。その後、情報処理装置1は、例えば、特徴点群情報を記憶した記憶部130を参照し、特定した撮影装置2と第1測位対象OBの種類とに対応する特徴点群を特定する。さらに、情報処理装置1は、例えば、特定した特徴点群を用いて第1測位対象OBの姿勢の推定を行う。
【0023】
これにより、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、第1測位対象OBの姿勢の推定を行う際に、第1測位対象OBの種類及び特徴点群の組合せと、特徴点群情報に含まれる測位対象OBの種類及び特徴点群の組合せの全てとをマッチングさせる必要がなくなる。そのため、情報処理装置1は、第1測位対象OBの姿勢の推定に伴う処理負担を抑えることが可能になる。
【0024】
なお、過去結果情報及び特徴点群情報のそれぞれは、同一の記憶部(記憶部130)に記憶されるものであってもよいし、複数の異なる記憶部に記憶されるものであってもよい。以下、過去結果情報を記憶する記憶部を第1記憶部とも呼び、特徴点群情報を記憶する記憶部を第2記憶部とも呼ぶ。
【0025】
また、以下、位置測位処理において、第1測位対象OBの姿勢を前回推定した際に用いた特徴点群(すなわち、位置測位処理を前回行った際に用いた特徴点群)に対応する撮影装置2の識別情報を特定する場合について説明を行うが、これに限られない。具体的に、情報処理装置1は、位置測位処理において、例えば、第1測位対象OBの姿勢を数回前(例えば、前々回)に推定した際に用いた特徴点群に対応する撮影装置2の識別情報を特定するものであってもよい。
【0026】
図2に戻り、測位処理部11は、さらに、例えば、撮影装置2によって撮影された各画像データに映る測位対象OBの実空間上における3次元座標を算出する。
【0027】
また、トラッキング処理部12は、例えば、測位処理部11によって算出された3次元座標を用いて次の予測タイミングにおける測位対象OBの3次元座標を予測する処理を行うことにより、測位対象OBのトラッキングを行う。予測タイミングは、例えば、測位処理部11からの画像データの送信タイミングと同期しないタイミングであり、200(ms)等の所定時間ごとのタイミングである。すなわち、トラッキング処理部12は、測位処理部11が3次元座標を算出するごとに、算出された3次元座標を用いて次の予測タイミングにおける測位対象OBの3次元座標を予測する。
【0028】
[情報処理装置のハードウエア構成]
次に、情報処理装置1のハードウエア構成について説明を行う。図3は、情報処理装置1のハードウエア構成を説明する図である。
【0029】
情報処理装置1は、図3に示すように、例えば、プロセッサであるCPU(Central Processing Unit)101と、メモリ102と、通信装置(I/Oインタフェース)103と、ストレージ104とを有する。各部は、バス105を介して互いに接続される。
【0030】
ストレージ104は、例えば、位置測位処理を行うためのプログラム110を記憶するプログラム格納領域(図示せず)を有する。また、ストレージ104は、例えば、位置測位処理を行う際に用いられる情報を記憶する記憶部130(以下、情報格納領域130とも呼ぶ)を有する。なお、ストレージ104は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)であってよい。
【0031】
CPU101は、例えば、ストレージ104からメモリ102にロードされたプログラム110を実行して位置測位処理を行う。
【0032】
また、通信装置103は、例えば、インターネット等のネットワークを介して撮影装置2との通信を行う。
【0033】
[第1の実施の形態における情報処理装置の機能]
次に、第1の実施の形態における情報処理装置1の機能について説明を行う。図4は、第1の実施の形態における情報処理装置1の機能について説明する図である。
【0034】
情報処理装置1は、図4に示すように、例えば、CPU101やメモリ102等のハードウエアとプログラム110とが有機的に協働することにより、測位処理部11の機能として、情報生成部111と、データ受信部112と、対象検知部113と、特徴点群特定部114と、姿勢推定部115とを含む各種機能を実現する。
【0035】
また、情報格納領域130には、図4に示すように、例えば、映像データ131と、過去結果情報132と、特徴点群情報133と、撮影位置情報134と、第1候補情報135と、第2候補情報136と、推定結果情報137とが記憶される。
【0036】
情報生成部111は、例えば、複数の撮影装置2が複数の測位対象OBのそれぞれを撮影した画像データごとに、各画像データに映る測位対象OBの特徴点群と種類とを特定する。そして、情報生成部111は、例えば、特定した特徴点群と種類との組合せを含む特徴点群情報133を生成する。特徴点群情報133は、例えば、各測位対象OBが映る画像データを撮影した撮影装置2の識別情報と、各測位対象OBの種類と、各測位対象OBが映る画像データにおける各測位対象OBの特徴点群とを対応付けた情報である。その後、情報生成部111は、例えば、生成した特徴点群情報133を情報格納領域130に記憶する。
【0037】
なお、以下、複数の撮影装置2のそれぞれが各測位対象OBを撮影する場合について説明を行うが、例えば、1台の撮影装置2が撮影位置を変更しながら各測位対象OBを複数回撮影するものであってもよい。
【0038】
また、以下、特徴点群情報133が撮影装置2によって撮影された画像データから生成される場合について説明を行うが、情報生成部111は、例えば、CG(Computer Graphics)データや想定パラメータを用いることによって、特徴点群情報133を生成するものであってもよい。具体的に、情報生成部111は、例えば、測位対象OBの形状(例えば、長方形)から推定される測位対象OBの各位置(例えば、エッジの位置)を想定パラメータとして特定した後、特定した各位置に対応する各特徴点をさらに特定することにより、特徴点群情報133を生成するものであってよい。
【0039】
データ受信部112は、例えば、撮影装置2によって撮影された映像データ131を取得(受信)する。具体的に、データ受信部112は、例えば、撮影装置2によって順次送信された画像データ(映像データ131を構成する画像データ)を順次受信する。
【0040】
対象検知部113は、例えば、データ受信部112が受信した画像データに映る第1測位対象OBを検知する。具体的に、対象検知部113は、例えば、データ受信部112が受信した画像データにおける第1測位対象OBの第1位置を特定する。
【0041】
特徴点群特定部114は、例えば、情報格納領域130に記憶された過去結果情報132を参照し、対象検知部113が特定した第1位置との位置関係が第1条件を満たす特定の位置に対応する特定の識別情報と特定の種類とを特定する。過去結果情報132は、例えば、各測位対象OBの位置と、各測位対象OBが映る画像データを撮影した撮影装置2の識別情報と、各測位対象OBの種類とを対応付けた情報である。具体的に、特徴点群特定部114は、例えば、対象検知部113が特定した第1位置との距離が第1閾値以下である位置に対応する特定の識別情報と特定の種類とを特定する。
【0042】
また、特徴点群特定部114は、例えば、情報格納領域130に記憶された特徴点群情報133を参照して、特定の識別情報と特定の種類とに対応する特定の特徴点群を特定する。
【0043】
姿勢推定部115は、例えば、特徴点群特定部114が特定した特定の特徴点群から第1測位対象OBの姿勢を推定する。撮影位置情報134、第1候補情報135、第2候補情報136及び推定結果情報137についての説明は後述する。
【0044】
[第1の実施の形態における位置測位処理の概略]
次に、第1の実施の形態の概略について説明する。図5は、第1の実施の形態における位置測位処理の概略を説明するフローチャート図である。
【0045】
対象検知部113は、図5に示すように、例えば、撮影装置2によって撮影された映像データ131を構成する画像データに映る第1測位対象OBの位置を特定する(S1)。具体的に、対象検知部113は、例えば、データ受信部112が撮影装置2から受信した映像データに含まれる画像データに映る第1測位対象OBの位置を特定する。
【0046】
そして、特徴点群特定部114は、例えば、情報格納領域130に記憶された過去結果情報132を参照し、S1の処理で特定した第1位置との位置関係が第1条件を満たす特定の位置に対応する特定の識別情報と特定の種類とを特定する(S2)。
【0047】
続いて、特徴点群特定部114は、例えば、情報格納領域130に記憶された特徴点群情報133を参照して、S2の処理で特定した特定の識別情報と特定の種類とに対応する特定の特徴点群を特定する(S3)。
【0048】
姿勢推定部115は、例えば、S3の処理で特定した特定の特徴点群から第1測位対象OBの姿勢を推定する(S4)。
【0049】
これにより、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、第1測位対象OBの姿勢の推定を行う際に、第1測位対象OBの種類及び特徴点群の組合せと、特徴点群情報に含まれる測位対象OBの種類及び特徴点群の組合せの全てとをマッチングさせる必要がなくなる。そのため、情報処理装置1は、測位対象OBの姿勢の推定に伴う処理負担を抑えることが可能になる。
【0050】
[第1の実施の形態における位置測位処理の詳細]
次に、第1の実施の形態における位置測位処理の詳細について説明する。図6から図9は、第1の実施の形態における位置測位処理の詳細について説明するフローチャート図である。また、図10から図18は、第1の実施の形態における位置測位処理の詳細について説明する図である。
【0051】
[情報生成処理]
初めに、位置測位処理のうち、特徴点群情報133を生成する処理(以下、情報生成処理とも呼ぶ)について説明を行う。図6は、情報生成処理について説明するフローチャート図である。
【0052】
情報生成部111は、図6に示すように、例えば、複数の撮影装置2のそれぞれが複数の測位対象OBのそれぞれを撮影した各画像データを取得する(S101)。
【0053】
そして、情報生成部111は、例えば、S101の処理で取得した画像データごとに、各画像データに映る測位対象OBの特徴点群と種類との組合せをそれぞれ特定する(S102)。具体的に、情報生成部111は、例えば、各画像データに映る測位対象OBの角度や輝度の勾配等を特徴点群として特定するものであってよい。
【0054】
その後、情報生成部111は、例えば、S102の処理で特定した各組合せを含む特徴点群情報133を生成する(S103)。そして、情報生成部111は、例えば、生成した特徴点群情報133を情報格納領域130に記憶する。以下、特徴点群情報133の具体例について説明を行う。
【0055】
[特徴点群情報の具体例]
図10は、特徴点群情報133の具体例について説明する図である。
【0056】
図10に示す特徴点群情報133は、例えば、各測位対象OBの種類が設定される「種類」と、各測位対象OBが映る画像データを撮影した撮影装置2の識別情報(以下、カメラIDとも呼ぶ)が設定される「カメラID」とを項目として有する。また、図10に示す特徴点群情報133は、例えば、各測位対象OBの特徴点群に含まれる特徴点が設定される「特徴点」と、各測位対象OBの特徴点群に含まれる特徴点における特徴量が設定される「特徴量」とを項目として有する。なお、1台の撮影装置2が撮影位置を変更しながら各測位対象OBを複数回撮影する場合、「カメラID」には、例えば、各撮影位置の識別情報が設定されるものであってよい。
【0057】
具体的に、図10に示す特徴点群情報133において、例えば、「種類」が「A01」であって「カメラID」が「CA001」である情報(1行目から3行目の情報)の「特徴点」には、「F11」、「F12」及び「F13」が設定されている。すなわち、図10に示す特徴点群情報133における1行目から3行目には、例えば、「カメラID」が「CA001」である撮影装置2が撮影した各測位対象OBの特徴点群のうち、「種類」が「A01」である測位対象OBの特徴点群についての情報が設定されている。
【0058】
また、図10に示す特徴点群情報133において、例えば、「種類」が「A01」であって「カメラID」が「CA002」である情報(4行目から6行目の情報)の「特徴点」には、「F21」、「F22」及び「F23」が設定されている。すなわち、図10に示す特徴点群情報133における4行目から6行目には、例えば、「カメラID」が「CA002」である撮影装置2が撮影した各測位対象OBの特徴点群のうち、「種類」が「A01」である測位対象OBの特徴点群についての情報が設定されている。図10に含まれる他の情報についての説明は省略する。
【0059】
[位置測位処理のメイン処理]
次に、位置測位処理のメイン処理について説明を行う。図7から図9は、位置測位処理のメイン処理について説明するフローチャート図である。
【0060】
データ受信部112は、図7に示すように、例えば、撮影装置2によって撮影された映像データ131を構成する画像データ(撮影装置2によって送信された画像データ)を受信する(S11)。
【0061】
具体的に、データ受信部112は、例えば、第1測位対象OBを撮影する撮影装置2として予め定められた1台の撮影装置2によって撮影された映像データ131を構成する画像データを受信する。
【0062】
そして、対象検知部113は、例えば、S11の処理で受信した画像データにおける第1測位対象OBの第1位置を特定する(S12)。
【0063】
具体的に、対象検知部113は、例えば、S11の処理で受信した画像データにおける座標のうち、第1測位対象OBが映る領域(矩形領域)の中心位置の座標を特定する。なお、対象検知部113は、例えば、S11の処理で受信した画像データにおける座標のうち、第1測位対象OBが映る領域(矩形領域)の中心以外の位置の座標を特定するものであってもよい。
【0064】
また、対象検知部113は、S12の処理において、例えば、特定した第1位置を示す情報(以下、検知結果情報131aとも呼ぶ)を生成するものであってもよい。以下、検知結果情報131aの具体例について説明を行う。
【0065】
[検知結果情報の具体例]
図11は、検知結果情報131aの具体例について説明する図である。
【0066】
図11に示す検知結果情報131aは、例えば、第1測位対象OBの種類が設定される「種類」と、画像データにおける第1測位対象OBのX座標が設定される「X座標」と、画像データにおける第1測位対象OBのY座標が設定される「Y座標」とを項目として有する。
【0067】
具体的に、図11に示す検知結果情報131aには、例えば、「種類」として「B04」が設定され、「X座標」として「42」が設定され、「Y座標」として「35」が設定されている。
【0068】
図7に戻り、特徴点群特定部114は、例えば、情報格納領域130に記憶された過去結果情報132を参照し、S12の処理で特定した第1位置との距離が第1閾値以下である位置に対応する撮影装置2の識別情報(特定の識別情報)と測位対象OBの種類(特定の種類)とを特定する(S13)。
【0069】
具体的に、特徴点群特定部114は、例えば、情報格納領域130に記憶された過去結果情報132と、対象検知部113が生成した検知結果情報131aとを比較することによって、S12の処理で特定した第1位置との距離が第1閾値以下である位置に対応する識別情報と種類とを特定する。以下、過去結果情報132の具体例について説明を行う。
【0070】
[過去結果情報の具体例]
図12及び図17は、過去結果情報132の具体例について説明する図である。
【0071】
図12等に示す過去結果情報132は、例えば、各測位対象OBのX座標が設定される「X座標」と、各測位対象OBのY座標が設定される「Y座標」とを項目として有する。また、図12等に示す過去結果情報132は、例えば、各測位対象OBが映る画像データを撮影した撮影装置2の識別情報(カメラID)が設定される「カメラID」と、各測位対象OBの種類が設定される「種類」とを項目として有する。
【0072】
具体的に、図12に示す過去結果情報132における1行目の情報には、例えば、「X座標」として「10」が設定され、「Y座標」として「72」が設定され、「カメラID」として「CA002」が設定され、「種類」として「A03」が設定されている。
【0073】
また、図12に示す過去結果情報132における2行目の情報には、例えば、「X座標」として「42」が設定され、「Y座標」として「34」が設定され、「カメラID」として「CA001」が設定され、「種類」として「B04」が設定されている。図12に含まれる他の情報については説明を省略する。
【0074】
ここで、図11で説明した検知結果情報131aには、「X座標」として「42」が設定されており、「Y座標」として「34」が設定されている。また、図12で説明した過去結果情報132における2行目の情報には、「X座標」として「42」が設定されており、「Y座標」として「35」が設定されている。そのため、例えば、「X座標」が「42」であって「Y座標」が「34」である位置と、「X座標」が「42」であって「Y座標」が「35」である位置との距離が第1閾値以下である場合、特徴点群特定部114は、S13の処理において、例えば、図12で説明した過去結果情報132における2行目の情報の「カメラID」及び「種類」のそれぞれに設定された「CA001」及び「B04」を特定する。
【0075】
図7に戻り、特徴点群特定部114は、例えば、情報格納領域130に記憶された撮影位置情報134を参照し、S13の処理で特定した識別情報に対応する撮影装置2との距離が第2閾値以下である他の撮影装置2の識別情報(以下、他の識別情報とも呼ぶ)を特定する(S14)。撮影位置情報134は、例えば、各撮影装置2の設置位置(撮影位置)を示す情報である。以下、撮影位置情報134の具体例について説明を行う。
【0076】
[撮影位置情報の具体例]
図13は、撮影位置情報134の具体例について説明する図である。
【0077】
図13に示す撮影位置情報134は、例えば、各撮影装置2の識別情報(カメラID)が設定される「カメラID」と、各撮影装置2の設置位置のX座標(実空間上におけるX座標)が設定される「X座標」と、各撮影装置2の設置位置のY座標(実空間上におけるY座標)が設定される「Y座標」とを項目として有する。
【0078】
具体的に、図13に示す撮影位置情報134における1行目の情報には、例えば、「カメラID」として「CA001」が設定され、「X座標」として「92」が設定され、「Y座標」として「14」が設定されている。
【0079】
また、図13に示す撮影位置情報134における2行目の情報には、例えば、「カメラID」として「CA003」が設定され、「X座標」として「90」が設定され、「Y座標」として「16」が設定されている。図13に含まれる他の情報についての説明は省略する。
【0080】
ここで、図13で説明した撮影位置情報134における1行目の情報には、「X座標」として「92」が設定されており、「Y座標」として「14」が設定されている。また、図13で説明した撮影位置情報134における2行目の情報には、「X座標」として「90」が設定されており、「Y座標」として「16」が設定されている。そのため、例えば、S13の処理で特定した「カメラID」が「CA001」であって、かつ、「X座標」が「92」であって「Y座標」が「14」である位置と「X座標」が「90」であって「Y座標」が「16」である位置との距離が第2閾値以下である場合、特徴点群特定部114は、S14の処理において、例えば、図13で説明した撮影位置情報134における1行目の情報の「カメラID」に設定された「CA003」を、他の撮影装置2の識別情報として特定する。
【0081】
なお、例えば、S13の処理で特定した識別情報に対応する撮影装置2との距離が第2閾値以下である他の撮影装置2が複数存在する場合、特徴点群特定部114は、S14の処理において、複数存在した他の撮影装置2に対応する識別情報のそれぞれを他の識別情報として特定するものであってよい。
【0082】
図7に戻り、特徴点群特定部114は、例えば、S13の処理で特定した撮影装置2の識別情報(特定の識別情報)及び測位対象OBの種類(特定の種類)と、S14の処理で特定した撮影装置2の識別情報(他の識別情報)とを含む第1候補情報135を情報格納領域130に記憶する(S15)。以下、第1候補情報135の具体例について説明を行う。
【0083】
[第1候補情報の具体例]
図14は、第1候補情報135の具体例について説明する図である。
【0084】
図14に示す第1候補情報135は、例えば、S13の処理で特定した測位対象OBの種類が設定される「種類」と、S13の処理で特定した撮影装置2の識別情報が設定される「カメラID(1)」と、S14の処理で特定した撮影装置2の識別情報(他の識別情報)が設定される「カメラID(2)」とを項目として有する。
【0085】
具体的に、図14に示す第1候補情報135には、例えば、「種類」として「B04」が設定され、「カメラID(1)」として「CA001」が設定され、「カメラID(2)」として「CA003」が設定されている。
【0086】
図8に戻り、特徴点群特定部114は、例えば、情報格納領域130に記憶された第1候補情報135を参照し、撮影装置2の識別情報の1つを特定する(S21)。
【0087】
そして、特徴点群特定部114は、例えば、情報格納領域130に記憶された特徴点群情報133を参照し、S13の処理で特定した測位対象OBの種類と、S21の処理で特定した撮影装置2の識別情報とに対応する特徴点群を特定する(S22)。
【0088】
具体的に、図10で説明した特徴点群情報133における1行目から3行目には、「種類」として「A01」が設定され、「カメラID」として「CA001」が設定され、「特徴点」として「F11」、「F12」及び「F13」が設定されている。そのため、例えば、S13の処理で特定した種類がA01であって、S21の処理で特定した撮影装置2の識別情報がCA001である場合、特徴点群特定部114は、特徴点であるF11、F12及びF13を含む特徴点群を特定する。
【0089】
続いて、特徴点群特定部114は、例えば、S11の処理で受信した画像データにおける第1測位対象OBの特徴点群を特定する(S23)。具体的に、特徴点群特定部114は、例えば、S11の処理で受信した画像データに映る第1測位対象OBの角度や輝度の勾配等を特徴点群として特定するものであってよい。
【0090】
その後、姿勢推定部115は、例えば、S22の処理で特定した特徴点群とS23の処理で特定した特徴点群との一致度を算出する(S24)。
【0091】
具体的に、姿勢推定部115は、例えば、S22の処理で特定した特徴点群に含まれる各特徴点と、S23の処理で特定した特徴点群に含まれる各特徴点との一致度の平均を、S22の処理で特定した特徴点群とS23の処理で特定した特徴点群との一致度として算出するものであってよい。
【0092】
そして、姿勢推定部115は、例えば、S13の処理で特定した種類と、S21の処理で特定した撮影装置2の識別情報と、S22の処理で特定した特徴点群と、S24の処理で算出した一致度とを含む第2候補情報136を情報格納領域130に記憶する(S25)。以下、第2候補情報136の具体例について説明を行う。
【0093】
[第2候補情報の具体例]
図15は、第2候補情報136の具体例について説明する図である。
【0094】
図15に示す第2候補情報136は、例えば、S21の処理で特定した撮影装置2の識別情報が設定される「カメラID」と、S13の処理で特定した測位対象OBの種類が設定される「種類」と、S22の処理で特定した特徴点群に含まれる特徴点が設定される「特徴点」と、S22の処理で特定した特徴点群に含まれる特徴点における特徴量が設定される「特徴量」と、S24の処理で算出した一致度が設定される「一致度」とを項目として有する。
【0095】
具体的に、図15に示す第2候補情報136において、例えば、「カメラID」が「CA001」であって「種類」が「B04」である情報(1行目から3行目の情報)には、「特徴点」として「F31」、「F32」及び「F33」が設定され、「一致度」として「0.98」が設定されている。
【0096】
また、図15に示す第2候補情報136において、例えば、「カメラID」が「CA003」であって「種類」が「B04」である情報(4行目から6行目の情報)には、「特徴点」として「F41」、「F42」及び「F43」が設定され、「一致度」として「0.95」が設定されている。図15に含まれる他の情報についての説明は省略する。
【0097】
図8に戻り、姿勢推定部115は、例えば、S21の処理において全ての識別情報(撮影装置2の識別装置)を特定済であるか否かを判定する(S26)。
【0098】
その結果、S21の処理において全ての識別情報を特定済でないと判定した場合(S26のNO)、特徴点群特定部114及び姿勢推定部115は、例えば、S21以降の処理を再度行う。
【0099】
一方、S21の処理において全ての識別情報を特定済であると判定した場合(S26のYES)、姿勢推定部115は、図9に示すように、例えば、情報格納領域130に記憶された第2候補情報136に含まれる情報のうち、一致度が条件(以下、第3条件とも呼ぶ)を満たす情報に含まれる特徴点群から第1測位対象OBの姿勢を推定する(S31)。
【0100】
具体的に、姿勢推定部115は、例えば、情報格納領域130に記憶された第2候補情報136に含まれる情報のうち、一致度が高い所定数の情報に含まれる特徴点群から第1測位対象OBの姿勢を推定する。
【0101】
すなわち、第2候補情報136には、例えば、特徴点群情報133に含まれる情報のうち、S11の処理で受信した画像データにおける第1測位対象OBの特徴点群との一致度が他の情報よりも高いと判断可能な情報が含まれる。また、第2候補情報136には、例えば、特徴点群情報133に含まれる情報のうち、S11の処理で受信した画像データにおける第1測位対象OBの種類と判断可能な種類(S13の処理で特定した種類)に対応する情報が含まれる。
【0102】
そのため、本実施の形態における情報処理装置1では、例えば、情報格納領域130に記憶された第2候補情報136から第1測位対象OBの姿勢の推定に用いる特徴点群の特定を行うことで、情報格納領域130に記憶された特徴点群情報133から第1測位対象OBの姿勢の推定に用いる特徴点群の特定を行う場合と比較して、第1測位対象OBの姿勢の推定を効率的に行うことが可能になる。
【0103】
これにより、本実施の形態における情報処理装置1では、例えば、第1測位対象OBの姿勢の推定に要する時間を短縮することが可能になる。具体的に、情報処理装置1は、例えば、測位対象OBの種類の数が多い場合や、同一種類の測位対象OBが複数存在する場合や、測位対象OBの形状が多様である場合等であっても、第1測位対象OBの姿勢の推定をリアルタイムに行うことが可能になる。
【0104】
なお、姿勢推定部115は、例えば、ホモグラフィー変換等の手法を用いることによって、第2候補情報136に含まれる情報のうちの一致度が条件を満たす情報に含まれる特徴点群から、第1測位対象OBの姿勢を推定するものであってよい。また、姿勢推定部115は、例えば、第1測位対象OBの位置として実空間上における3次元座標を推定するものであってよい。
【0105】
さらに、姿勢推定部115は、S31の処理において、例えば、第1測位対象OBの姿勢の推定結果を示す推定結果情報137を生成して情報格納領域130に記憶するものであってよい。また、姿勢推定部115は、例えば、生成した推定結果情報137をトラッキング処理部12に送信するものであってよい。以下、推定結果情報137の具体例について説明を行う。
【0106】
[推定結果情報の具体例]
図16は、推定結果情報137の具体例について説明する図である。
【0107】
図16に示す推定結果情報137は、例えば、第1測位対象OBのX座標(実空間上におけるX座標)の推定結果が設定される「X座標」と、第1測位対象OBのY座標(実空間上におけるY座標)の推定結果が設定される「Y座標」と、第1測位対象OBのZ座標(実空間上におけるZ座標)の推定結果が設定される「Z座標」とを項目として有する。また、図16に示す推定結果情報137は、例えば、第1測位対象OBの姿勢としてZ軸周りの回転角度が設定される「姿勢」を項目として有する。
【0108】
具体的に、図16に示す推定結果情報137には、例えば、「X座標」として「23」が設定され、「Y座標」として「45」が設定され、「Z座標」として「43」が設定され、「姿勢」として「30(度)」が設定されている。
【0109】
図9に戻り、姿勢推定部115は、例えば、情報格納領域130に記憶された第2候補情報136に含まれる情報のうち、一致度が最も高い情報に含まれる撮影装置2の識別情報を特定する(S32)。
【0110】
そして、姿勢推定部115は、例えば、S12の処理で特定した位置と、S13の処理で特定した測位対象OBの種類と、S32の処理で特定した撮影装置2の識別情報とを対応付けた情報を新たな過去結果情報132として情報格納領域130に記憶する(S33)。
【0111】
具体的に、例えば、S12の処理で特定したX座標が42であってY座標が35であり、S13の処理で特定した測位対象OBの種類がB04であり、S32の処理で特定した撮影装置2の識別情報がCA001である場合、姿勢推定部115は、例えば、図17の下線部分に示すように、情報格納領域130に記憶された過去結果情報132(図10で説明した過去結果情報132)のうち、「種類」が「B04」である情報(2行目の情報)の「Y座標」を「35」に更新する。
【0112】
なお、姿勢推定部115は、S32の処理において、例えば、情報格納領域130に記憶された第2候補情報136に含まれる情報のうち、一致度が高い所定数(複数)の情報に含まれる撮影装置2の識別情報を特定するものであってもよい。そして、姿勢推定部115は、S33の処理において、例えば、S32の処理で特定した識別情報ごとに、新たな過去結果情報132を生成して情報格納領域130に記憶するものであってもよい。
【0113】
このように、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、撮影装置2から受信した画像データにおける第1測位対象OBの第1位置を特定する。そして、情報処理装置1は、例えば、各測位対象OBの位置と、各測位対象OBが映る画像データを撮影した撮影装置2の識別情報と、各測位対象OBの種類とを対応付けた過去結果情報132を記憶する情報格納領域130を参照し、第1位置との位置関係が第1条件を満たす特定の位置に対応する特定の識別情報と特定の種類とを特定する。
【0114】
続いて、情報処理装置1は、例えば、各測位対象OBが映る画像データを撮影した撮影装置2の識別情報と、各測位対象OBの種類と、各測位対象OBが映る画像データにおける各測位対象OBの特徴点群とを対応付けた特徴点群情報133を記憶する情報格納領域130を参照し、特定の識別情報と特定の種類とに対応する特定の特徴点群を特定する。その後、情報処理装置1は、例えば、特定の特徴点群から第1測位対象OBの姿勢を推定する。
【0115】
すなわち、第1測位対象OBの位置(例えば、現在の位置)は、例えば、第1測位対象OBの動作速度等によって、第1測位対象OBの位置として過去に推定された位置(例えば、前回推定された位置)から近い位置である可能性が高いと判断できる。
【0116】
そのため、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、各測位対象OBの姿勢の推定を行った場合、各測位対象OBの姿勢の推定に用いた特徴点群を含む映像データを撮影した撮影装置2の識別情報と、各測位対象OBの位置及び各測位対象OBの種類とを対応付けて過去結果情報132として情報格納領域130に蓄積する。
【0117】
そして、情報処理装置1は、図18に示すように、例えば、第1測位対象OBの姿勢の推定を行う場合、過去結果情報132を記憶した情報格納領域130を参照し、第1測位対象OBの位置との位置関係が第1条件を満たす位置に対応する撮影装置2と第1測位対象OBの種類とを特定することで、第1測位対象OBの姿勢を過去に推定した際(例えば、前回推定した際)に用いた特徴点群に対応する撮影装置2と第1測位対象OBの種類とを特定する。その後、情報処理装置1は、例えば、特徴点群情報133を記憶した情報格納領域130を参照し、特定した撮影装置2と第1測位対象OBの種類とに対応する特徴点群を特定する。さらに、情報処理装置1は、例えば、特定した特徴点群を用いて第1測位対象OBの姿勢の推定を行う。
【0118】
これにより、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、第1測位対象OBの姿勢の推定を行う際に、第1測位対象OBの種類及び特徴点群の組合せと、特徴点群情報133に含まれる測位対象OBの種類及び特徴点群の組合せの全てとをマッチングさせる必要がなくなる。そのため、情報処理装置1は、第1測位対象OBの姿勢の推定に伴う処理負担を抑えることが可能になる。
【0119】
以上の実施の形態をまとめると、以下の付記のとおりである。
【0120】
(付記1)
撮影装置から受信した画像データにおける第1測位対象の第1位置を特定し、
各測位対象の位置と、各測位対象が映る画像データを撮影した撮影装置の識別情報と、各測位対象の種類とを対応付けて記憶する第1記憶部を参照し、前記第1位置との位置関係が第1条件を満たす特定の位置に対応する特定の識別情報と特定の種類とを特定し、
各測位対象が映る画像データを撮影した撮影装置の識別情報と、各測位対象の種類と、各測位対象が映る画像データにおける各測位対象の特徴点群とを対応付けて記憶する第2記憶部を参照し、特定した前記特定の識別情報と前記特定の種類とに対応する特定の特徴点群を特定し、
特定した前記特定の特徴点群から前記第1測位対象の姿勢を推定する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする位置測位プログラム。
【0121】
(付記2)
付記1において、
前記特定の識別情報と特定の種類とを特定する処理では、前記第1位置との距離が第1閾値以下である位置を前記特定の位置として特定する、
ことを特徴とする位置測位プログラム。
【0122】
(付記3)
付記1において、
さらに、特定した前記特定の識別情報に対応する前記撮影装置との位置関係が第2条件を満たす他の撮影装置を特定し、
前記第2記憶部を参照し、特定した前記他の撮影装置の識別情報と前記特定の種類とに対応する他の特徴点群を特定する、
処理をコンピュータに実行させ、
前記推定する処理では、前記特定の特徴点群と前記他の特徴点群とから前記第1測位対象の姿勢を推定する、
ことを特徴とする位置測位プログラム。
【0123】
(付記4)
付記3において、
前記他の撮影装置を特定する処理では、前記特定の識別情報に対応する前記撮影装置との距離が第2閾値以下である撮影装置を前記他の撮影装置として特定する、
ことを特徴とする位置測位プログラム。
【0124】
(付記5)
付記1において、
前記第1位置を特定する処理では、前記第1測位対象が映る画像データにおける前記第1測位対象の特徴点群を受信し、
前記姿勢を推定する処理では、前記特定の特徴点群のうち、受信した前記第1測位対象の特徴点群との一致度が第3条件を満たす特徴点群から前記第1測位対象の姿勢を推定する、
ことを特徴とする位置測位プログラム。
【0125】
(付記6)
付記1において、
さらに、前記第1位置と、前記特定の特徴点群を含む画像データを撮影した前記撮影装置の識別情報と、前記第1測位対象の種類とを対応付けて前記第1記憶部に記憶する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする位置測位プログラム。
【0126】
(付記7)
撮影装置から受信した画像データにおける第1測位対象の第1位置を特定する対象検知部と、
各測位対象の位置と、各測位対象が映る画像データを撮影した撮影装置の識別情報と、各測位対象の種類とを対応付けて記憶する第1記憶部を参照し、前記第1位置との位置関係が第1条件を満たす特定の位置に対応する特定の識別情報と特定の種類とを特定し、各測位対象が映る画像データを撮影した撮影装置の識別情報と、各測位対象の種類と、各測位対象が映る画像データにおける各測位対象の特徴点群とを対応付けて記憶する第2記憶部を参照し、特定した前記特定の識別情報と前記特定の種類とに対応する特定の特徴点群を特定する特徴点群特定部と、
特定した前記特定の特徴点群から前記第1測位対象の姿勢を推定する姿勢推定部と、を有する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0127】
(付記8)
付記7において、
前記特徴点群特定部は、前記第1位置との距離が第1閾値以下である位置を前記特定の位置として特定する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0128】
(付記9)
付記7において、
前記特徴点群特定部は、特定した前記特定の識別情報に対応する前記撮影装置との位置関係が第2条件を満たす他の撮影装置を特定し、
前記第2記憶部を参照し、特定した前記他の撮影装置の識別情報と前記特定の種類とに対応する他の特徴点群を特定し、
位置姿勢特定部は、前記特定の特徴点群と前記他の特徴点群とから前記第1測位対象の姿勢を推定する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【0129】
(付記10)
撮影装置から受信した画像データにおける第1測位対象の第1位置を特定し、
各測位対象の位置と、各測位対象が映る画像データを撮影した撮影装置の識別情報と、各測位対象の種類とを対応付けて記憶する第1記憶部を参照し、前記第1位置との位置関係が第1条件を満たす特定の位置に対応する特定の識別情報と特定の種類とを特定し、
各測位対象が映る画像データを撮影した撮影装置の識別情報と、各測位対象の種類と、各測位対象が映る画像データにおける各測位対象の特徴点群とを対応付けて記憶する第2記憶部を参照し、特定した前記特定の識別情報と前記特定の種類とに対応する特定の特徴点群を特定し、
特定した前記特定の特徴点群から前記第1測位対象の姿勢を推定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする位置測位方法。
【0130】
(付記11)
付記10において、
前記特定の識別情報と特定の種類とを特定する処理では、前記第1位置との距離が第1閾値以下である位置を前記特定の位置として特定する、
ことを特徴とする位置測位方法。
【0131】
(付記12)
付記10において、
さらに、特定した前記特定の識別情報に対応する前記撮影装置との位置関係が第2条件を満たす他の撮影装置を特定し、
前記第2記憶部を参照し、特定した前記他の撮影装置の識別情報と前記特定の種類とに対応する他の特徴点群を特定する、
処理をコンピュータが実行し、
前記推定する処理では、前記特定の特徴点群と前記他の特徴点群とから前記第1測位対象の姿勢を推定する、
ことを特徴とする位置測位方法。
【符号の説明】
【0132】
1:情報処理装置 2a:撮影装置
2b:撮影装置 2c:撮影装置
2d:撮影装置 101:CPU
102:メモリ 103:I/Oインタフェース
104:ストレージ 105:バス
130:情報格納領域
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