(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076770
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】電子機器用止め具
(51)【国際特許分類】
A45C 13/30 20060101AFI20240530BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20240530BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
A45C13/30 H
H05K5/02 D
G06F1/16 313Z
G06F1/16 312G
H05K5/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188493
(22)【出願日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】522462018
【氏名又は名称】株式会社うだつ
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 明弘
【テーマコード(参考)】
3B045
4E360
【Fターム(参考)】
3B045CE10
3B045DA23
3B045LA10
4E360AB42
4E360AD02
4E360AD03
4E360EA23
4E360EC04
4E360ED07
4E360ED08
4E360ED13
4E360ED14
4E360ED23
4E360ED25
4E360ED30
4E360GA07
4E360GA53
4E360GB46
4E360GC02
4E360GC08
(57)【要約】
【課題】 電子機器に差し込んだコネクタ類の抜けを防止可能であるとともに、電子機器の落下も防止可能である電子機器用止め具を提供する。
【解決手段】 電子機器用止め具であって、電子機器に固定される台座部と、抜け防止部と、落下防止部と、を備え、前記台座部は、一方の面である上面と他方の面である下面とを有する板部と、前記板部の上面に突設され、前記抜け防止部の一端と係合する第1係合部と、前記板部の上面に突設され、前記落下防止部の一端と係合する第2係合部と、前記板部の下面に設けられる粘着材と、を備える、電子機器用止め具。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器用止め具であって、
電子機器に固定される台座部と、抜け防止部と、落下防止部と、を備え、
前記台座部は、
一方の面である上面と他方の面である下面とを有する板部と、
前記板部の上面に突設され、前記抜け防止部の一端と係合する第1係合部と、
前記板部の上面に突設され、前記落下防止部の一端と係合する第2係合部と、
前記板部の下面に設けられる粘着材と、を備える
ことを特徴とする、電子機器用止め具。
【請求項2】
前記第1係合部と前記第2係合部は、横並びに設けられ、
前記第1係合部は、前記板部の上面に平行に貫通する第1係合孔を有し、
前記第2係合部は、前記板部の上面に平行に貫通する第2係合孔を有し、
前記第1係合孔と前記第2係合孔は、互いに平行に延びている
ことを特徴とする、請求項1に記載の電子機器用止め具。
【請求項3】
前記第2係合部は、上部が正面視半円リング状である
ことを特徴とする、請求項2に記載の電子機器用止め具。
【請求項4】
前記抜け防止部は、ツイストタイを含んで構成され、
前記ツイストタイの一端部は、前記第1係合孔を通して折り返して、前記ツイストタイの本体部に固定部材で固定してある
ことを特徴とする、請求項2に記載の電子機器用止め具。
【請求項5】
前記落下防止部は、
前記第2係合部と係合する開閉可能な台座取付部と、
対象物に着脱可能に取り付けるための対象物取付部と、
前記台座取付部と前記対象物取付部の間に配置される本体部と、を備える
ことを特徴とする、請求項1に記載の電子機器用止め具。
【請求項6】
前記落下防止部の前記本体部は、長手方向に伸縮可能である
ことを特徴とする、請求項5に記載の電子機器用止め具。
【請求項7】
電子機器に固定される、電子機器用止め具の台座部であって、
一方の面である上面と他方の面である下面とを有する板部と、
前記板部の上面に突設され、抜け防止部の一端と係合する第1係合部と、
前記板部の上面に突設され、落下防止部の一端と係合する第2係合部と、
前記板部の下面に設けられる粘着材と、を備える
ことを特徴とする台座部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器のコネクタ類の抜けや電子機器の落下を防止するための電子機器用止め具に関する。
【背景技術】
【0002】
タブレット端末などの小型の電子機器がますます普及しており、学校教育現場、飲食店等の店舗、建設現場などでは、道具として使われている。このような電子機器は、手に取って使用するため、手を滑らせると床や地面に落下して破損することがある。
【0003】
例えばタブレット端末は、学校では使用者が子供であり、落下させて破損する事例が多発している。破損した場合は、修理期間中の代替機器が必要となり、また高い修理費用を誰が負担するかといった問題も生じる。損害保険で賄うことも考えられるが、破損が多発すると何度も賄いきれないことがある。
【0004】
一方で、従来、電子機器に用いられる器具として、「プラグ抜け防止器具であって、片面に粘着材が形成されたシート状の絶縁部材から構成され、前記シート状の絶縁部材は、電子機器の表面に張り付けられる横方向に延びた第1の片、プラグの周囲に巻き付けられる横方向に延びた第2の片と、前記第1の片の中央部から前記第2の片の一端部に向けて縦方向に延び、前記第1の片と前記第2の片を連結する第3の片、を有することを特徴とするプラグ抜け防止器具」が提案されている(特許文献1の請求項1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記プラグ抜け防止器具は、電子機器に用いられ、プラグが抜けるのを防止することはできるものの、電子機器が落下して破損することを防止することはできない。プラグ抜け防止器具とは別途に落下防止用の器具を電子機器に取り付けることも考えられるが、複数の箇所に複数の防止具ないし止め具を設けると、電子機器の使い勝手が悪くなり、コストも高くなる。
【0007】
本発明は、上記課題の少なくとも一つを解決するためのものであり、電子機器に差し込んだコネクタ類(プラグやUSBコネクタ等)の抜けを防止可能であるとともに、電子機器の落下も防止可能である電子機器用止め具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決する本発明の一態様は、電子機器用止め具であって、電子機器に固定される台座部と、抜け防止部と、落下防止部と、を備え、前記台座部は、一方の面である上面と他方の面である下面とを有する板部と、前記板部の上面に突設され、前記抜け防止部の一端と係合する第1係合部と、前記板部の上面に突設され、前記落下防止部の一端と係合する第2係合部と、前記板部の下面に設けられる粘着材と、を備える。
【0009】
好ましくは、上記電子機器用止め具において、前記第1係合部と前記第2係合部は、横並びに設けられ、前記第1係合部は、前記板部の上面に平行に貫通する第1係合孔を有し、前記第2係合部は、前記板部の上面に平行に貫通する第2係合孔を有し、前記第1係合孔と前記第2係合孔は、互いに平行に延びている。
【0010】
好ましくは、上記電子機器用止め具において、前記第2係合部は、上部が正面視半円リング状である。
【0011】
好ましくは、上記電子機器用止め具において、前記抜け防止部は、ツイストタイを含んで構成され、前記ツイストタイの一端部は、前記第1係合孔を通して折り返して、前記ツイストタイの本体部に固定部材で固定してある。
【0012】
好ましくは、上記電子機器用止め具において、前記落下防止部は、前記第2係合部と係合する開閉可能な台座取付部と、対象物に着脱可能に取り付けるための対象物取付部と、前記台座取付部と前記対象物取付部の間に配置される本体部と、を備える。
【0013】
好ましくは、上記電子機器用止め具において、前記落下防止部の前記本体部は、長手方向に伸縮可能である。
【0014】
上記の課題を解決する本発明の一態様は、電子機器に固定される、電子機器用止め具の台座部であって、一方の面である上面と他方の面である下面とを有する板部と、前記板部の上面に突設され、抜け防止部の一端と係合する第1係合部と、前記板部の上面に突設され、落下防止部の一端と係合する第2係合部と、前記板部の下面に設けられる粘着材と、を備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電子機器に差し込んだコネクタ類の抜けを防止可能であるとともに、電子機器の落下も防止可能である電子機器用止め具を提供することができる。
【0016】
上記した以外の課題、構成、及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態の電子機器用止め具の一例を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態の電子機器用止め具の台座部の例を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【
図3】本発明の一実施形態の電子機器用止め具の台座部の例を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のAA線断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態の電子機器用止め具の落下防止部の例を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態の電子機器用止め具の使用状態の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態の例について、図面を参照して説明する。なお、下記実施形態において共通する構成要素については、前出の符号と同様な符号を付し説明を省略することがある。また、構成要素等の形状、位置関係等に言及する場合は、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態の電子機器用止め具の一例を示す斜視図である。本実施形態では、電子機器は、小型の電子機器、とりわけタブレット端末など使用者が手に取って使用し、通信や充電のためにコネクタ類が差し込まれることがあるものを指す。
【0020】
本実施形態の電子機器用止め具1は、電子機器に固定される台座部2と、抜け防止部7と、落下防止部8と、を備える。台座部2は、一方の面である上面と他方の面である下面とを有する板部3と、板部3の上面に突設され、抜け防止部7の一端と係合する第1係合部4と、板部3の上面に突設され、落下防止部8の一端と係合する第2係合部5と、板部3の下面に設けられる粘着材6と、を備える。
【0021】
本実施形態の電子機器用止め具1は、一の台座部2に抜け防止部7と係合する第1係合部4と、落下防止部8と係合する第2係合部5の両方を備えるため、電子機器に差し込んだコネクタ類の抜けを防止可能であるとともに、電子機器の落下も防止可能である。また、簡易な構成であるため、取付けが容易で、コストの面でも優れている。また、一の台座部2に機能を集中させることで、使い勝手がよく、取付け忘れも回避できる。
【0022】
まず、
図2及び
図3を参照して台座部について詳細に説明する。
図2は本発明の一実施形態の台座部の例を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図(左側面図)である。
図3は本発明の一実施形態の台座部の例を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のAA線断面図である。各図において、Xは横方向(左右方向、水平方向)、Yは縦方向(上下方向、鉛直方向)、Zは奥行方向(前後方向)を示す。なお、
図2及び
図3では粘着材の図示は省略されている。
【0023】
板部3は、例えば、平面視矩形(図示では長方形)に形成される。好ましくは、板部3は角部がR面取りされ、角丸矩形になっている。板部3は、他の形状に形成されてもよい。板部3の上面31は、図示のように水平面であることが好ましいが、傾斜面でもよい。板部3の下面32は、図示のように水平面であることが好ましいが、傾斜面でもよい。
【0024】
第1係合部4は、上面31に突設され、上面31に平行に貫通する第1係合孔40を有する。図示では、第1係合孔40は、第1係合部4の下寄りの部分を水平面(XZ面)である上面31に平行に前後方向に貫通している。
【0025】
第1係合部4は、第1係合孔40を3面で囲う壁である、1対の側壁41及び両側壁41を連結する上壁42を有する。側壁41は、図示では、上面31から垂直に上方に立ち上がっている。好ましくは、側壁41の下端寄りの部分が上端寄りの部分よりも横幅(左右端間距離、以下同じ)が広く、下方に向かって側方(Y方向に延びる中心線Bから離れる方向)に広がり、壁厚が厚くなっている。これにより、第1係合部4が、上面31との接続部分、即ち根本で折れることを防止できる。
【0026】
上壁42は、上面31に平行に延伸する平板形状で、両側壁41の上端を連結する。1対の側壁41と上壁42との間の角部の表面側は、好ましくはR面取りされる。
【0027】
第1係合部4は、上壁42の横幅が側壁41の高さより大きく、正面視扁平な形状で、第1係合孔40も扁平な形状(図示では横長の長方形)である。第1係合部4が扁平な形状に形成されることで、後述の扁平な形状の抜け防止部7が通りやすくなる。
【0028】
第1係合部4は、例えば、中心線Bに関して、前後対称、左右対称に形成される。第1係合部4は、横幅Cが、好ましくは、6~10mm程度で、例えば、8mm程度である。第1係合部4は、高さDが、好ましくは、2~3mm程度で、例えば、2.5mm程度である。第1係合部4は、奥行方向の前後幅Eが、好ましくは、4~6mm程度で、例えば、5mm程度である。第1係合部4は、壁厚Fが薄い箇所で1mm程度である。第1係合部4は、好ましくは、第1係合孔40や上壁42を後述の抜け防止部7を構成するツイストタイに対応して形成される。
【0029】
第2係合部5は、上面31に突設され、上面31に平行に貫通する第2係合孔50を有する。好ましくは、第2係合部5は、第1係合部4と横並び(図示では右方)に設けられ、第2係合孔50は、第1係合孔40と並列に互いに平行に延びるように設けられる。言い換えれば、第2係合孔50は、第1係合孔40と同様に、第2係合部5の下寄りの部分を水平面(XZ面)である上面31に平行に前後方向に貫通している。
【0030】
台座部2をこのように構成することで、第1係合部4における係合方向と第2係合部5における係合方向が同方向となり、抜け防止部7及び落下防止部8の取付けを迷わずに迅速に行える。また、第1係合部4に係止される抜け防止部7を巻き付けるコネクタ類のケーブルと、第2係合部5に係止される落下防止部8の長尺の本体部が、同じ方向に延びるようになるため、電子機器の操作時に不意に引っかかる可能性も低くなる。
【0031】
第2係合部5は、第2係合孔50を3面で囲う壁である、1対の側壁51と、両側壁51を連結する上壁52とを有する。側壁51は、図示では上面31から垂直に上方に立ち上がっている。好ましくは、側壁51の下端寄りの部分が上端寄りの部分よりも横幅が広く、下方に向かって側方(Y方向に延びる中心線Gから離れる方向)に広がり、壁厚が厚くなっている。これにより、第2係合部5が、上面31との接続部分、即ち根本で折れることを防止できる。
【0032】
上壁52は、上方に円弧状に突出する半円リング形状で、両側壁51の上端を連結する。言い換えれば、第2係合部5は、上部が正面視半円リング状である。第2係合部5は、例えば、下部の高さ(側壁51の高さ)Iが第1係合部4の全体の高さDと同程度である。第2係合部5は、上部が円弧状に形成されるため、後述の落下防止部8が通りやすくなる。
【0033】
第2係合部5は、例えば、中心線Gに関して、前後対称、左右対称に形成される。第2係合部5は、横幅Hが、好ましくは、6~10mm程度で、例えば、8mm程度である。第2係合部5は、下部の高さIが、好ましくは、2~3mm程度で、例えば、2.5mm程度である。第2係合部5は、上部の高さJが、好ましくは、3~5mm程度で、例えば、4mm程度である。第2係合部5は、奥行方向の幅Kが、好ましくは、4~6mm程度で、例えば、5mm程度である。第2係合部5は、壁厚Lが薄い箇所で2mm程度である。ここでは、第2係合部5を第1係合部4よりも壁厚に形成することで、落下の際に受ける力に耐えられるようにする。
【0034】
台座部2は、板部3、第1係合部4及び第2係合部5が、例えば、樹脂製で、一体に形成される。板部3の厚みMは、好ましくは2.5mm~3.5mm程度で、例えば、3mm程度である。第1係合部4と第2係合部5は、例えば、板部3の中心線(Z方向に延びる中心線)Nの両側に配置され、第1係合部4の中心線(Z方向に延びる中心線)Oと第2係合部5の中心線(Z方向に延びる中心線)Pの間の距離は、好ましくは9mm~15mm程度で、例えば、12mm程度である。
【0035】
台座部2は、好ましくは、第1係合部4の下方に、板部3の板厚を貫通する貫通孔33が形成され、抜け防止部7が第1係合孔40を通りやすく(潜りやすく)なっていている。台座部2は、好ましくは、第2係合部5の下方に、板部3の板厚を貫通する貫通孔34が形成され、落下防止部8が第2係合孔50を通りやすく(潜りやすく)なっていている。
【0036】
図1に示すように、台座部2は、板部3の下面32を覆うように粘着材6が設けられる。粘着材6には、例えば両面テープが用いられ、使用の際に剥離紙を剥がして使用される。
【0037】
次いで、
図1に戻って、抜け防止部7について説明する。抜け防止部7は、例えば、ツイストタイを含んで構成され、ツイストタイの一端部701は、第1係合孔40を通して折り返して、ツイストタイの本体部73に固定部材72で固定してある。以下、詳細に説明する。
【0038】
抜け防止部7を構成するツイストタイは、一端部701と、他端部702を有する長尺のものである。本実施形態では、ツイストタイは、樹脂(PETやPVC等)シートの間に針金が挟み込まれる、ビニールタイとも呼ばれるものを指す。ツイストタイの長さは、電子機器における台座部2の固定箇所と差込口(例えばメス側コネクタ)との距離などに応じて適宜設定できる。
【0039】
端部701を本体部73に固定する固定手段は、特に限定されない。図示例では、金属の固定部材72を用いて端部701を本体部73にカシメにより固定してある。言い換えれば、抜け防止部7は、端部701側が第1係合部4にループ状に取り付けられて、第1係合部4と係合するループ部71が形成される。このように、抜け防止部7は、予め端部701側を第1係合部4に係合してあるため、取付けが簡便になる。抜け防止部7の他端部702は、コネクタ類に取付ける前は、自由端である。
【0040】
次いで、
図1及び
図4を参照して落下防止部について説明する。
図4は本発明の一実施形態の落下防止部の例を示す図である。落下防止部8は、第2係合部5と係合する開閉可能な台座取付部81と、対象物に着脱可能に取り付けるための対象物取付部82と、台座取付部81と対象物取付部82の間に配置される本体部83と、を備える。以下、詳細に説明する。
【0041】
台座取付部81は、例えば、開状態にして第2係合部5に取り付けた後、閉状態にして第2係合部5に係合させ、開操作をしない限り閉状態を保つようなものである。台座取付部81は、一例として、
図1のように、1対の半円リング部材が、一端が共通の軸部材に取り付けられ、他端同士を開閉させる構成である。台座取付部81は、一例として、
図4のように、本体部83と接続するリング状の接続部に開閉部材が設けられ、開閉部材の突起を押し下げると閉塞部が開き、突起を離すと閉塞部が閉じる構成である。これらの例は、操作が簡便で安価である点、優れている。
【0042】
対象物取付部82は、電子機器を使用する際に対象物に取り付け、取外しの操作をしない限り取付状態を保つようなものである。本実施形態では、対象物は、電子機器の落下を防止するために落下防止部8を介して電子機器を保持するものを指し、例えば、容易に動かない机や床に据え付けた物体などであってもよいし、人体であってもよい。対象物取付部82は、決まった場所で使用するなど、対象物からの取外しが不要の場合は、取り外せない構成でもよい。
【0043】
対象物取付部82は、一例として、
図1のように、机などに設けられたフック等に引っ掛けるリングでもよいし、このようなフックに引っ掛けるフックでもよい。対象物取付部82は、一例として、
図4のように、本体部83と接続するリング状の接続部に吸盤が設けられ、机等の平面部分に吸着するものでもよい。対象物取付部82は、一例として、使用者のベルトや衣服に装着するクリップやフック等を備えるものでもよい。これらの例は、操作が簡便で安価である点、優れている。
【0044】
本体部83は、電子機器を床等に落下させないような強度や長さを有する長尺のものである。本体部83の長さは、使用者の身長や使用時の姿勢、取付けの対象物等を考慮して設定される。本体部83は、好ましくは、扱いやすいように、長手方向に伸縮可能に構成される。本体部83は、例えば、
図1及び
図4のように引張コイルばねで構成され、ばね定数などは電子機器の重量を考慮して伸長し過ぎないように設定される。
【0045】
次いで、
図5を参照して、本実施形態の電子機器用止め具の使用状態について説明する。
【0046】
まず、コネクタ類の抜け防止について、USBコネクタRを例に説明する。USBコネクタRは、オス側コネクタR1と、オス側コネクタR1より細くなっている首部R2と、一端が首部R2を挿通しているケーブルR3とを含む。
【0047】
ここでは、まず、台座部2を粘着材6(
図5では不図示、
図1を参照)により、電子機器Qのメス側コネクタの近傍に貼り付けて固定する。次に、電子機器Qのメス側コネクタに、USBコネクタRのオス側コネクタR1を差し込む。次に、抜け防止部7を引っ張りながら、USBコネクタRの首部R2に、抜け防止部7の本体部73を1周以上巻き付ける。さらに、他端部702側を引っ張りながら折り返して、ループ部71に近い本体部73に巻き付ける。なお、電子機器Qのメス側コネクタにUSBコネクタRのオス側コネクタR1を差し込んだ後、台座部2を電子機器Qに貼り付けて固定してもよい。
【0048】
このように、電子機器用止め具1は、抜け防止部7のループ部71が台座部2の第1係合部4に係合され、中間部分がUSBコネクタRの首部R2に巻き付けられ、他端部702側がループ部71に近い本体部73に巻き付けられるため、差し込む方向に力がかかり、抜け止めを効果的に防止できる。また、抜け防止部7をUSBコネクタRに絡めるだけでよいので、使用者が子供の場合も容易に取り付けられる。
【0049】
また、抜け防止部7が、針金及びこれを被覆する扁平な帯状の樹脂シートからなるツイストタイで構成される場合は、単なるワイヤと比べて、USBコネクタRの首部R2に緩みなく、面でガッチリつかんでかかることができる。また、絡めたツイストタイを容易に外せるので、USBコネクタRを抜く場合も簡便である。また、ツイストタイは形状を元に戻せるので、繰り返し使用できる。なお、ツイストタイは、被覆部分が、ほどよい柔軟性を有し、繰返し使用可能であれば、金属箔や紙等樹脂以外の材料が用いられてもよい。芯材が、所定の強度や折り曲げ性を有するものであれば、塑性変形する樹脂からなる樹脂ワイヤ等針金以外の材料が用いられてもよい。
【0050】
次いで、電子機器Qの落下防止について、
図4の落下防止部8を例に、
図5に加えて
図4を参照しながら説明する。
【0051】
ここでは、まず、対象物取付部82を、対象物に取り付ける。図示では、対象物取付部82である吸盤を、対象物である机等に吸着させる。次に、台座取付部81を、引っ張りながら電子機器Qに固定された台座部2に近づけて、第2係合部5に取り付ける。これで、落下防止部8の取付けは完了する。なお、先に、台座取付部81側を第2係合部5に取り付けてもよい。
【0052】
このように、落下防止部8の取付けは、台座部2を利用すると非常に簡便であるため、使用者が子供の場合も容易に行える。また、台座部2は、図示のように電子機器Qのメス側コネクタの近傍に貼り付けられ、タブレット端末などではメス側コネクタが下端に配置されることが多いため、落下防止部8を取り付けても操作の邪魔にならないことが多い。
【0053】
また、台座部2の上面に第1係合部4及び第2係合部5が突設され、係合状態でもループ部71や台座取付部81がある程度姿勢を変えながら動くことができるため、使用者は電子機器Qを持つ姿勢や操作姿勢をあまり制限されずに電子機器を使用できる。
【0054】
以上に記載のように、電子機器用止め具1は、電子機器Qが落下する恐れのある状況で使えるので、様々な場面で役立つ。電子機器用止め具1は、例えば、学校や建設現場、飲食店、ドローンの操縦等で使用するタブレット端末などに好適である。
【0055】
なお、電子機器用止め具1は、コネクタ類の抜け防止と電子機器の落下防止の両方に使われてもよいし、一方に使われてもよいことは言うまでもない。
【0056】
以上、本発明に係る電子機器用止め具の実施形態について説明したが、これらは本発明の一例に過ぎず、本発明はこれらに限定されない。本発明には、以上の各実施形態やその変形例を組み合わせた形態や、さらに様々な変形例が含まれる。請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0057】
1…電子機器用止め具、2…台座部、3…板部、31…上面、32…下面、4…第1係合部、40…第1係合孔、41…側壁、42…上壁、5…第2係合部、50…第2係合孔、51…側壁、52…上壁、6…粘着材、7…抜け防止部、701…端部、702…端部、71…ループ部、72…固定部材、73…本体部、8…落下防止部、81…台座取付部、82…対象物取付部、83…本体部。