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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076783
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】測定装置および選別機
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/24 20060101AFI20240530BHJP
   B07C 5/342 20060101ALI20240530BHJP
   G01B 11/30 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
G01B11/24 K
B07C5/342
G01B11/30 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188537
(22)【出願日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(74)【代理人】
【識別番号】110003052
【氏名又は名称】弁理士法人勇智国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石津 任章
(72)【発明者】
【氏名】宮本 知幸
【テーマコード(参考)】
2F065
3F079
【Fターム(参考)】
2F065AA17
2F065AA22
2F065AA23
2F065AA24
2F065AA48
2F065AA52
2F065AA58
2F065BB15
2F065DD03
2F065EE00
2F065FF04
2F065GG03
2F065GG07
2F065GG23
2F065JJ02
2F065JJ05
2F065JJ25
2F065LL04
2F065LL22
2F065PP15
2F065QQ03
2F065QQ31
2F065QQ41
2F065QQ42
2F065TT03
3F079AC15
3F079CA18
3F079CA20
3F079CA23
3F079CA27
3F079CB30
3F079CC03
3F079DA06
(57)【要約】
【課題】 ラインセンサを備える測定装置または選別機において、形状的および/または寸法的な特徴の検出精度を改善する。
【解決手段】 対象物の全体および/または一部分についての形状的および/または寸法的な特徴を測定するための測定装置は、対象物を移送するように構成された移送部と、移送部の作用によって移送中の対象物に電磁波を照射するように構成された電磁波照射源と、対象物の移送方向と交差する第1の方向に直線状に配列された複数の電磁波検出素子を有し、電磁波照射源から照射され、対象物で反射した反射電磁波、および、対象物を透過した透過電磁波の少なくとも一方を検出するように構成されたラインセンサと、移送中の対象物の所定の方向の移送速度を検出するように構成された移送速度検出部と、ラインセンサによって取得される画像と、所定の方向の移送速度と、に基づいて対象物の特徴を決定するように構成された特徴決定部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の全体および/または一部分についての形状的および/または寸法的な特徴を測定するための測定装置であって、
前記対象物を移送するように構成された移送部と、
前記移送部の作用によって移送中の前記対象物に電磁波を照射するように構成された電磁波照射源と、
前記対象物の移送方向と交差する第1の方向に直線状に配列された複数の電磁波検出素子を有し、前記電磁波照射源から照射され、前記対象物で反射した反射電磁波、および、前記対象物を透過した透過電磁波の少なくとも一方を検出するように構成されたラインセンサと、
前記移送中の対象物の所定の方向の移送速度を検出するように構成された移送速度検出部と、
前記ラインセンサによって取得される画像と、前記所定の方向の移送速度と、に基づいて前記対象物の前記特徴を決定するように構成された特徴決定部と
を備える測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の測定装置であって、
前記特徴は、前記対象物の全体および/または一部分についての第1の特徴量を含み、
前記特徴決定部は、さらに、前記ラインセンサによって取得される前記画像を前記所定の方向の前記移送速度に基づいて補正し、補正された画像に基づいて前記第1の特徴量を決定するように構成されるか、または、前記ラインセンサによって取得される前記画像に基づいて決定される第2の特徴量を前記所定の方向の前記移送速度に基づいて補正することによって前記第1の特徴量を決定するように構成された
測定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の測定装置であって、
前記特徴は、前記対象物の全体および/または一部分についての品質を含み、
前記特徴決定部は、前記対象物の全体および/または一部分についての第1の特徴量に基づいて前記品質を決定するように構成され、
前記特徴決定部は、さらに、前記ラインセンサによって取得される前記画像を前記所定の方向の前記移送速度に基づいて補正し、補正された画像に基づいて前記第1の特徴量を取得するように構成されるか、または、前記ラインセンサによって取得される前記画像に基づいて決定される第2の特徴量を前記所定の方向の前記移送速度に基づいて補正することによって前記第1の特徴量を取得するように構成された
測定装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の測定装置であって、
前記所定の方向は、前記第1の方向と直交する第2の方向を含み、
前記特徴は、前記対象物の全体および/または一部分についての品質を含み、
前記特徴決定部は、さらに、前記ラインセンサによって取得される前記画像に基づいて決定される特徴量と、前記第2の方向の移送速度に基づいて決定される閾値と、を比較して、前記品質を決定するように構成された
測定装置。
【請求項5】
請求項2または請求項3に記載の測定装置であって、
前記所定の方向は、前記第1の方向と直交する第2の方向を含み、
前記特徴決定部は、さらに、前記画像の前記第2の方向の大きさを前記第2の方向の前記移送速度に基づいて修正することによって前記画像を補正するか、または、前記第2の特徴量のうちの、前記第2の方向の特徴量成分を前記第2の方向の前記移送速度に基づいて修正することによって前記第2の特徴量を補正するように構成された
測定装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の測定装置であって、
前記所定の方向は、前記第1の方向を含み、
前記特徴決定部は、さらに、前記画像を構成する複数の画素の前記第1の方向の座標値を前記第1の方向の前記移送速度に基づいて修正することによって、前記画像を補正し、補正された画像に基づいて前記対象物の前記特徴を決定するように構成された
測定装置。
【請求項7】
選別機であって、
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の測定装置と、
前記特徴決定部によって決定された前記特徴に基づいて、前記対象物の選別を行うように構成された選別部と
を備える選別機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物の全体および/または一部分についての形状的および/または寸法的な特徴を測定するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
移送中の選別対象物(以下、単に対象物とも呼ぶ)に光源から光を照射した際に光学センサによって得られる光情報を使用して、対象物の特徴(例えば、良品であるか、それとも不良品であるか)を決定し、特定の対象物(例えば、不良品)を除去する光学式選別機(以下、単に選別機とも呼ぶ)が従来から知られている。例えば、下記の特許文献1は、光学センサとして、対象物の移送方向と交差する方向に複数の受光素子が直線状に配列されたラインセンサを使用する選別機を開示している。ラインセンサによれば、各受光素子に対する光源からの光の照度が均一に保たれるので、選別対象物の外観上の欠陥を精度良く検出できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-197855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ラインセンサを備える選別機は、形状的および/または寸法的な特徴を検出する目的においては、特徴の検出精度について改善の余地を残している。具体的には、ラインセンサは、移送中の一つの対象物に対して何度もスキャンして得られるライン状の複数の画像を合成して、当該一つの対象物の画像を取得するので、対象物の移送速度および/または移送方向の影響を受ける。
【0005】
例えば、ラインセンサでは、その複数の受光素子が並ぶ方向(以下、配列方向とも呼ぶ)と直交する方向における対象物の移送速度に応じて、当該方向における分解能が変化する特性を有している。このため、対象物の移送速度を一定に揃えることができない処理条件下では、上述の特性は、取得される画像上の対象物の寸法および形状の検出精度を低下させることになる。
【0006】
さらに、選別機では、例えば移送中の対象物同士の衝突などによって、対象物の移送方向が、意図せずに配列方向の成分を含む事象が発生し得る。そのような事象が発生した場合、ラインセンサで取得されるライン状の複数の画像を単純に合成すると、対象物の実際の形状に対して配列方向に歪んだ形状が検出されてしまう。このことは、取得される画像上の対象物の形状の検出精度を低下させることになる。
【0007】
上述の問題は、対象物に光を照射するタイプの選別機に限らず、電磁波照射源と、電磁波を検出するラインセンサと、を備える種々の選別機に共通する。また、この問題は、選別機に限らず、対象物の形状的および/または寸法的な特徴を測定するための測定装置にも共通する。このようなことから、ラインセンサを備える測定装置または選別機において、対象物の形状的および/または寸法的な特徴の検出精度を改善することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0009】
本発明の第1の形態によれば、対象物の全体および/または一部分についての形状的および/または寸法的な特徴を測定するための測定装置が提供される。この測定装置は、対象物を移送するように構成された移送部と、移送部の作用によって移送中の対象物に電磁波を照射するように構成された電磁波照射源と、対象物の移送方向と交差する第1の方向に直線状に配列された複数の電磁波検出素子を有し、電磁波照射源から照射され、対象物で反射した反射電磁波、および、対象物を透過した透過電磁波の少なくとも一方を検出するように構成されたラインセンサと、移送中の対象物の所定の方向の移送速度を検出するように構成された移送速度検出部と、ラインセンサによって取得される画像と、所定の方向の移送速度と、に基づいて対象物の特徴を決定するように構成された特徴決定部と、を備えている。
【0010】
「移送部の作用によって移送中の対象物」には、例えば、移送部上で移送中の対象物や、移送部から落下中の対象物が含まれ得る。また、電磁波照射源は、可視光、近赤外光、X線のうちの少なくとも1つを照射してもよい。
【0011】
この測定装置によれば、特徴決定部は、ラインセンサによって取得される画像と、移送中の対象物の所定方向の移送速度と、に基づいて対象物の特徴を決定する。したがって、対象物の所定方向の移送速度の違いを反映して(換言すれば、所定の方向の移送速度の違いが画像に与える影響を低減または除去して)、対象物の形状的および/または寸法的な特徴を正確に決定できる。
【0012】
本発明の第2の形態によれば、第1の形態において、特徴は、対象物の全体および/または一部分についての第1の特徴量を含む。特徴決定部は、さらに、ラインセンサによって取得される画像を所定の方向の移送速度に基づいて補正し、補正された画像に基づいて第1の特徴量を決定するように構成されるか、または、ラインセンサによって取得される画像に基づいて決定される第2の特徴量を所定の方向の移送速度に基づいて補正することによって第1の特徴量を決定するように構成される。この形態によれば、所定方向の移送速度に基づいて画像または第2の特徴量を補正することによって(換言すれば、所定の方向の移送速度の違いが画像に与える影響を低減または除去する補正を行うことによって)、対象物の全体および/または一部分についての第1の特徴量を正確に決定できる。第1の特徴量は、例えば、対象物の全体および/または一部分の面積、高さ、幅、外周長さ、円形度の少なくとも一つであってもよい。この点は、後述する第3の形態についても同様である。
【0013】
本発明の第3の形態によれば、第1または第2の形態において、特徴は、対象物の全体および/または一部分についての品質を含む。特徴決定部は、対象物の全体および/または一部分についての第1の特徴量に基づいて品質を決定するように構成される。特徴決定部は、さらに、ラインセンサによって取得される画像を所定の方向の移送速度に基づいて補正し、補正された画像に基づいて第1の特徴量を取得するように構成されるか、または、ラインセンサによって取得される画像に基づいて決定される第2の特徴量を所定の方向の移送速度に基づいて補正することによって第1の特徴量を取得するように構成される。この形態によれば、所定の方向の移送速度に基づいて画像または第2の特徴量を補正することによって(換言すれば、所定の方向の移送速度の違いが画像に与える影響を低減または除去する補正を行うことによって)、対象物の全体および/または一部分についての品質を正確に決定できる。品質は、例えば、所定の基準に基づく、良否判定結果(良品であるか、それとも、不良品であるかの判定結果)であってもよいし、品質の等級であってもよい。また、品質は、不良の種別を含んでいてもよい。
【0014】
本発明の第4の形態によれば、第1または第2の形態において、所定の方向は、第1の方向と直交する第2の方向を含む。特徴は、対象物の全体および/または一部分についての品質を含む。特徴決定部は、さらに、ラインセンサによって取得される画像に基づいて決定される特徴量と、第2の方向の移送速度に基づいて決定される閾値と、を比較して、品質を決定するように構成される。この形態によれば、第2の方向の移送速度に基づいて閾値を決定する(換言すれば、第2の方向の移送速度の変動に起因する第2の方向の画像寸法の変動に合わせて、画像寸法と同じ変動方向に閾値が増減するように閾値を補正する)ことによって、対象物の全体および/または一部分についての品質を正確に決定できる。
【0015】
本発明の第5の形態によれば、第2または第3の形態において、所定の方向は、第1の方向と直交する第2の方向を含む。特徴決定部は、さらに、画像の第2の方向の大きさを第2の方向の移送速度に基づいて修正することによって画像を補正するか、または、第2の特徴量のうちの、第2の方向の特徴量成分を第2の方向の移送速度に基づいて修正することによって第2の特徴量を補正するように構成される。この形態によれば、対象物の第2の方向の移送速度の違いに起因して、ラインセンサの第2の方向の分解能が変化しても、その分解能の変化の影響が低減または除去されるように画像または第2の特徴量を補正できる。したがって、補正された画像または補正された第2の特徴量に基づいて、対象物の形状的および/または寸法的な特徴を正確に決定できる。
【0016】
本発明の第6の形態によれば、第1ないし第5のいずれかの形態において、所定の方向は、第1の方向を含む。特徴決定部は、さらに、画像を構成する複数の画素の第1の方向の座標値を第1の方向の移送速度に基づいて修正することによって、画像を補正し、補正された画像に基づいて対象物の特徴を決定するように構成される。この形態によれば、対象物の移送速度が第1の方向の速度成分を有している場合に、つまり、対象物が、意図される移送方向に対して横ずれしながら移送される場合に、横ずれに起因して生じる画像上の対象物の歪みが低減または除去されるように画像を補正できる。したがって、補正された画像に基づいて、対象物の形状的および/または寸法的な特徴を正確に決定できる。
【0017】
本発明の第7の形態によれば、選別機が提供される。この選別機は、第1ないし第6のいずれかの形態の測定装置と、特徴決定部によって決定された特徴に基づいて、対象物の選別を行うように構成された選別部と、を備えている。この選別機によれば、第1ないし第6のいずれかの形態と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態による光学式選別機の概略構成を示す模式図である。
図2】カラーセンサにおける光学素子の配置を示す模式図である。
図3】一つの選別対象物における1回のスキャンで撮像される領域を例示する説明図である。
図4】色ずれ量の算出方法の一例を示す説明図である。
図5】対象物の第2の方向の移送速度に基づく画像の補正方法の例を示す説明図である。
図6】対象物の第1の方向の移送速度に基づく画像の補正方法の例を示す説明図である。
図7】対象物の第1の方向の移送速度に基づく画像の補正方法の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の一実施形態としての光学式選別機(以下、単に選別機と呼ぶ)10の概略構成を示す模式図である。本実施形態では、選別機10は、選別対象物(以下、単に対象物と呼ぶ)90の一例としての米粒(より具体的には、玄米または精白米)から不良品(例えば、砕米、未熟粒、着色粒、被害粒、死米、異物(例えば、小石、泥、ガラス片など)など)を選別するために使用される。ただし、対象物90は、玄米または精白米に限られるものではなく、任意の粒状物であってもよい。例えば、対象物90は、籾、麦粒、豆類(大豆、ひよこ豆、枝豆など)、樹脂(ペレット等)、ゴム片等であってもよい。
【0020】
図1に示すように、選別機10は、光学検出部20と、貯留タンク71と、フィーダ72と、シュート73と、良品排出樋74と、不良品排出樋75と、選別部60と、コントローラ80と、を備えている。コントローラ80は、選別機10の動作全般を制御する。コントローラ80は、移送速度算出部81および特徴決定部82としても機能する。コントローラ80の機能は、所定のプログラムをCPUが実行することによって実現されてもよいし、専用回路(例えば、PLD、ASICなど)によって実現されてもよいし、CPUと専用回路との組み合わせによって実現されてもよい。また、コントローラ80の機能は、一体的な一つのデバイスに割り当てられてもよいし、複数のデバイスに分散的に割り当てられてもよい。コントローラ80の機能の詳細については後述する。
【0021】
貯留タンク71は、対象物90を一時的に貯留する。フィーダ72は、貯留タンク71に貯留された対象物90を、対象物を移送するための移送部の一例としてのシュート73上に供給する。シュート73上に供給された対象物90は、シュート73上を下方に向けて滑走し、シュート73の下端から落下する。シュート73は、多数の対象物90を同時に落下させることができる所定幅を有している。移送部として、シュート73に代えて、コンベアが使用されてもよい。
【0022】
光学検出部20は、シュート73から滑り落ちた対象物90(つまり、シュート73から落下中の対象物90)に対して光を照射し、対象物90に関連付けられた光(具体的には、対象物90を透過した透過光、および/または、対象物90によって反射された反射光)を検出する。なお、代替実施形態では、シュート73上を滑走中の対象物90に対して光が照射されてもよい。また、シュート73に代えて、コンベアが使用される場合には、コンベア上で移送中の対象物90、または、コンベアから落下中の対象物90に対して光が照射されてもよい。
【0023】
図1に示すように、光学検出部20は、第1の光源31と、第2の光源32と、第1のラインセンサ40と、第2のラインセンサ50と、を備えている。第1の光源31および第1のラインセンサ40は、対象物90の移送経路(換言すれば、シュート73からの落下軌跡)に対して一方側(フロント側とも呼ぶ)に配置されている。一方、第2の光源32および第2のラインセンサ50は、対象物90の移送経路に対して他方側(リア側とも呼ぶ)に配置されている。
【0024】
第1の光源31は、移送中の(つまり、シュート73から落下中の)複数の対象物90に向けて第1の光33を放出する。同様に、第2の光源32は、移送中の複数の対象物90に向けて第2の光34を放出する。第1の光33および第2の光34の各々は、赤色に対応する波長と、緑色に対応する波長と、青色に対応する波長と、を有している。本実施形態では、第1の光源31および第2の光源32は、いわゆるカラーLEDである。ただし、光源31,32は、他の任意の発光素子(例えば、ハロゲンランプ)であってもよい。また、図1では、光源31,32の数は、それぞれ一つであるものとして示されているが、光源31,32のうちの少なくとも一方の光源の数は、複数であってもよい。
【0025】
第1のラインセンサ40および第2のラインセンサ50は、移送中の対象物90に関連付けられた光を検出する。フロント側の第1のラインセンサ40は、フロント側の第1の光源31から放出され、対象物90で反射された光33(以下、反射光33とも呼ぶ)と、リア側の第2の光源32から放出され、対象物90を透過した光34(以下、透過光34とも呼ぶ)と、を検出可能である。リア側の第2のラインセンサ50は、リア側の第2の光源32から放出され、対象物90で反射された光34(以下、反射光34とも呼ぶ)と、フロント側の光源31から放出され、対象物90を透過した光33(以下、透過光33とも呼ぶ)と、を検出可能である。
【0026】
ラインセンサ40,50によってどのような光が検出されるかは、光源31,32の点灯パターンによって定まる。第1の光源31と第2の光源32とが同時に点灯する第1の点灯パターンでは、第1のラインセンサ40は、反射光33と透過光34とが合成された光(以下、反射透過光とも呼ぶ)を検出し、第2のラインセンサ50は、反射光34と透過光33とが合成された反射透過光を検出する。第1の光源31が点灯し、第2の光源32が消灯する第2の点灯パターンでは、第1のラインセンサ40は、反射光33を検出し、第2のラインセンサ50は、透過光33を検出する。第1の光源31が消灯し、第2の光源32が点灯する第3の点灯パターンでは、第1のラインセンサ40は、透過光34を検出し、第2のラインセンサ50は、反射光34を検出する。第1ないし第3の点灯パターンのいずれを採用するかは、対象物90の種類、性状、除去されるべき不良品の種類に応じて、任意に決定され得る。第1ないし第3の点灯パターンのいずれか一つのみが採用されてもよい。あるいは、第1ないし第3の点灯パターンのうちの二つ以上の点灯パターンが、所定の時間間隔で交互に、または、予め定められた繰り返し規則で出現してもよい。
【0027】
ラインセンサ40,50は、本実施形態では、カラーCCDセンサである。より具体的には、ラインセンサ40,50の各々は、赤色に対応する波長を有する光を検出するための複数の光学素子(以下、R素子と呼ぶ)と、緑色に対応する波長を有する光を検出するための複数の光学素子(以下、G素子と呼ぶ)と、青色に対応する波長を有する光を検出するための複数の光学素子(以下、B素子と呼ぶ)と、を有している。R,G,Bとは、RGB色空間のR,G,Bをそれぞれ意味している。これらの光学素子の各々は、集光レンズと、カラーフィルタと、光電変換素子と、を備えている。カラーフィルタの各々は、検出すべき光の色(例えば、R素子であれば、赤色)に対応する波長の光を透過させ、その他の波長の光を透過させない特性を有している。ラインセンサ40,50は、CCDセンサに限定されるものではなく、CMOSセンサなどの他の形式のラインセンサであってもよい。
【0028】
図2は、第1のラインセンサ40における光学素子の配置を示す模式図である。図示するように、第1のラインセンサ40は、いわゆる3ラインセンサであり、複数のR素子41が1列に配列されたR素子群44と、複数のG素子42が1列に配列されたG素子群45と、複数のB素子43が1列に配列されたB素子群46と、を備えている。複数のR素子41、複数のG素子42、および、複数のB素子43は、いずれも、対象物90の移送方向(対象物90の落下方向)と交差する第1の方向D1(これは、シュート73の幅方向でもある)に直線状に配列されている。換言すれば、R素子群44、G素子群45およびB素子群46は、第1の方向D1に直交する第2の方向D2に互いに離間するように平行に配置されている。第2の方向D2は、対象物90の移送方向として意図される方向でもある。ただし、実際には、対象物90同士の衝突などによって対象物90が第1の方向D1の速度成分を持つ場合があり、そのような場合には、対象物90の移送方向は、第2の方向D2に対して交差する方向となる。
【0029】
R素子群44とG素子群45との離間距離はL1であり、G素子群45とB素子群46との離間距離はL2であり、R素子群44とB素子群46との離間距離はL3(=L1+L2)である。通常、L1=L2であるが、L1とL2とが異なる値であってもよい。第2のラインセンサ50は、第1のラインセンサ40と同一の構成を有しているので、その説明は省略する。
【0030】
このようなラインセンサ40,50からの出力、すなわち、検出された光の強度を表すアナログ信号は、AC/DCコンバータ(図示省略)によってデジタル信号に変換される。このデジタル信号は、画像データとしてコントローラ80に入力される。周知のように、ラインセンサでは、一回のスキャンでライン状の画像が得られるので、複数回のスキャンで得られたライン状の複数の画像を合成することによって、第2の方向D2に対応する方向に所定の高さを有する画像(少なくとも一つの対象物90が納まる大きさの画像であり、典型的には、多数の対象物90が納まる大きさの画像)を取得できる。例えば、図3に示すように、10回(説明を簡素化するために、実際よりも少ない回数であるものとして例示している)のスキャンによって、R,G,Bの色ごとに、一つの対象物90の全体画像が取得される。図3に示される1~10の数字は、当該数字が付されたライン状の領域が、何回目のスキャンによって撮像される領域であるかを示している。例えば、「2」が付された領域は、2回目のスキャンによって画像データが取得される。
【0031】
コントローラ80は、ラインセンサ40,50によってこのようにして取得される画像に基づいて、特徴決定部82の処理として、対象物90の各々について、対象物90の特徴を決定する。そのような処理は、第1のラインセンサ40によって取得された画像、および、第2のラインセンサ50によって取得された画像の両方について行われる。本実施形態では、この特徴には、色彩的な特徴(換言すれば、光学的な特徴)と、形状的および/または寸法的な特徴と、が含まれる。また、特徴には、特徴を物理量で表す特徴量と、特徴量に基づいて判定される品質と、が含まれる。
【0032】
色彩的な特徴量には、対象物90を表す画像の各画素の色階調値が含まれる。形状的および/または寸法的な特徴量には、例えば、対象物90の全体および/または一部分の面積、高さ、幅、外周長さ、および、円形度の少なくとも一つが含まれ得る。そのような特徴量は、画像を構成する画素の数を単位とする値として算出されてもよい。あるいは、特徴量は、画素の数を単位とする値と、ラインセンサ40,50の分解能と、に基づいて、実寸法を単位とする値として算出されてもよい。
【0033】
本実施形態では、「品質」には、例えば、良品(つまり、品質が相対的に高い米粒)と不良品(つまり、品質が相対的に低い米粒、および/または、異物)との区分が含まれる。ただし、「品質」には、不良の種別(例えば、砕米、未熟粒、着色粒、被害粒、死米、異物のいずれに該当するか)が含まれてもよい。あるいは、「品質」には、選別部60において除去すべき物と、除去すべきではない物と、の区分が含まれてもよい。また、「品質」には、色彩的な特徴に基づいて決定される品質と、が含まれる。色彩的な特徴に基づいて決定される不良品には、例えば、未熟粒、着色粒、被害粒、死米、異物が含まれ得る。形状的および/または寸法的な特徴に基づいて決定される不良品には、例えば、砕米、虫害粒、異物が含まれ得る。
【0034】
本実施形態では、特徴決定部82は、色彩的な特徴量(換言すれば、画像データの階調値)と、予め定められた閾値と、を比較することによって(換言すれば、色彩的な特徴量が、予め定められた正常範囲にあるか否かに基づいて)、対象物90が良品であるか、それとも、不良品であるかを決定する。そのような決定は、対象物90の画像を構成する複数の画素の階調値の代表値(平均値、中央値、最大値、最小値など)に基づいて行われてもよい。あるいは、不良品には、所定以上の大きさの部分的不良を有する対象物90が含まれてもよい。そのような部分的不良は、対象物90の画像を構成する複数の画素のうち、階調値が正常範囲にない画素の数が所定数以上である(換言すれば、不良部分の面積が所定値以上である)ことを基準として決定されてもよい。
【0035】
さらに、本実施形態では、特徴決定部82は、形状的および/または寸法的な特徴量と、予め定められた閾値と、を比較することによって(換言すれば、形状的および/または寸法的な特徴量が、予め定められた正常範囲にあるか否かに基づいて)、対象物90が良品であるか、それとも、不良品であるかを決定する。
【0036】
選別部60は、特徴決定部82によって決定された特徴に基づいて、対象物90の選別を行う。この選別は、特定の対象物90の軌道を変更するための軌道変更動作によって行われる。具体的には、選別部60は、複数のノズル61と、ノズル61に対応する数(本実施形態では、ノズル61と同数であるが、ノズル61の数と異なっていてもよい)のバルブ62と、を備えている。複数のノズル61は、シュート73の幅方向に配列されている。
【0037】
複数のノズル61は、複数のバルブ62をそれぞれ介して、コンプレッサ(図示せず)に接続されている。コントローラ80からの制御信号に応じて複数のバルブ62が選択的に開かれることによって、複数のノズル61は、不良品であると決定された対象物90(より正確には、ラインセンサ40,50の少なくとも一方によって取得された画像に関して、色彩的な特徴量に基づいて不良品であると決定された対象物90、ならびに、形状的および/または寸法的な特徴量に基づいて不良品であると決定された対象物90)に向けてエア63を選択的に噴射する。不良品であると決定された対象物90は、エア63によって吹き飛ばされ、シュート73からの落下軌道から逸脱して不良品排出樋75に導かれる(図1に対象物91として示す)。一方、良品であると決定された対象物90には、エア63は噴射されない。このため、良品であると決定された対象物90は、落下軌道を変えることなく、良品排出樋74に導かれる(図1に対象物92として示す)。
【0038】
代替実施形態では、シュート73から落下した後の対象物90に向けてエア63を噴射する構成に代えて、シュート73上を滑走中の対象物90に向けてエア63を噴射して、対象物90の移送経路を変更してもよい。また、移送手段として、シュート73に代えて、ベルトコンベヤが使用されてもよい。この場合、ベルトコンベヤの一端から落下する対象物に向けてエアが噴射されてもよい。あるいは、ベルトコンベヤ上で搬送中の対象物に向けてエアが噴射されてもよい。
【0039】
さらなる代替実施形態では、不良品であると決定された対象物90に対してエア63を噴射する構成に代えて、良品であると決定された対象物90に対してエア63が噴射されてもよい(いわゆる逆打ち)。また、軌道変更動作は、エア63の噴射に限定されるものではなく、公知の任意の他の方法が採用されてもよい。
【0040】
上述の選別機10では、対象物90の形状的および/または寸法的な特徴の決定に関する精度を向上させるために、移送中の対象物90の所定方向の移送速度を検出し、当該移送速度に基づいて、形状的および/または寸法的な特徴を決定する。以下、そのような構成について詳しく説明する。本実施形態では、所定の方向には、第1の方向D1および第2の方向D2の両方が含まれる。ただし、所定の方向は、第1の方向D1および第2の方向D2の一方のみであってもよい。
【0041】
まず、対象物90の所定方向の移送速度を検出する方法について、図4および図5を参照して説明する。以下では、第1のラインセンサ40を利用して、第1のラインセンサ40によって撮像される瞬間の対象物90の移送速度を検出する方法について詳しく説明する。そのような移送速度の検出は、コントローラ80の移送速度算出部81の処理として実行される。
【0042】
移送速度を検出するために、移送速度算出部81は、まず、第1のラインセンサ40によって取得されるカラー画像について色ずれの量を算出する。第1のラインセンサ40では、R素子群44、G素子群45およびB素子群46は同時にスキャンを行うが、R素子群44、G素子群45およびB素子群46が第2の方向D2に互いに離間しているので(図2参照)、厳密には、この離間距離分だけ対象物90の撮像箇所が各色間でずれることになる。このため、R素子群44によって取得される赤色画像と、G素子群45によって取得される緑色画像と、B素子群46によって取得される青色画像と、の間で、第2の方向D2に対応する方向に色ずれが生じる。さらに、対象物90同士の衝突などに起因して、対象物90の移送方向が第1の方向D1の成分を含む場合(換言すれば、対象物90の移送方向が、第2の方向D2と交差する方向(ただし、垂直方向を除く)である場合)には、赤色画像と緑色画像と青色画像との間で、第1の方向D1に対応する方向にも色ずれが生じることとなる。このような色ずれの量は、画像を構成する単位である1画素よりも小さい単位で算出される。
【0043】
本実施形態では、移送速度算出部81は、赤色画像と緑色画像との間の色ずれ量S1rg,S2rgと、緑色画像と青色画像との間の色ずれ量S1gb,S2gbと、赤色画像と青色画像との間の色ずれ量S1rb,S2rbと、を算出する。図4は、色ずれ量の算出方法の一例を示す説明図である。以下では、図4を参照して、赤色画像92Rと緑色画像92Gとの色ずれ量S1rg,S2rgを、対象物90の粒単位で算出するものとして説明する。色ずれ量の算出においては、移送速度算出部81は、まず、1粒の対象物90の赤色画像92R、および、当該1粒の対象物90の緑色画像92Gの各々に対して、1画素よりも細かい分解能で共通の座標を設定する。例えば、X方向(第1の方向D1に対応する方向)およびY方向(第2の方向D2に対応する方向)の各々について、1/1000画素単位の座標点が設定されてもよい。この場合、1画素には、100万(=1000×1000)個の座標点が割り当てられる。この分解能は、色ずれ量の所望の算出精度に応じて任意の値に設定され得る。
【0044】
次いで、移送速度算出部81は、各座標点の色階調値(1画素に相当する100万個の座標点の階調値は互いに同一である)に基づいて、赤色画像92Rの赤色濃度重心座標点93Rと、緑色画像92Gの緑色濃度重心座標点93Gと、を算出する。濃度重心座標点の座標値は、X座標およびY座標の各々について、座標点ごとに座標値と階調値とを乗算した値の総和を、各座標点の階調値の総和で除算することによって算出することができる。
【0045】
そして、移送速度算出部81は、求めた濃度重心座標点から色ずれ量を算出する。例えば、移送速度算出部81は、図4に示すように、Y方向(すなわち、第2の方向D2に対応する方向)における赤色濃度重心座標点93Rと緑色濃度重心座標点93Gとの離間距離を、赤色画像92Rと緑色画像92GとのY方向の色ずれ量S2rg(単位は画素)として取得する。また、移送速度算出部81は、X方向(すなわち、第1の方向D1に対応する方向)における赤色濃度重心座標点93Rと緑色濃度重心座標点93Gとの離間距離を、赤色画像92Rと緑色画像92GとのX方向の色ずれ量S1rgとして取得する。図示は省略するが、移送速度算出部81は、同様に、緑色画像92Gと青色画像92Bとの間のY方向およびX方向の色ずれ量S2gb,S1gbと、赤色画像92Rと青色画像92Bとの間のY方向およびX方向の色ずれ量S2rb,S1rbと、をそれぞれ算出する。
【0046】
色ずれ量の計算は、濃度重心を利用した上述の方法に限らず、公知の任意の方法によって行い得る。また、対象物90の粒ごとに色ずれ量を算出する構成に代えて、または、加えて、カラー画像上で重なり合っている粒群ごとに色ずれ量が算出されてもよい。対象物90の粒ごと、および/または、粒群ごとに色ずれの量を算出するために、対象物90の粒または粒群を表す画像領域以外の画像領域(以下、ブランク領域とも呼ぶ)は、色ずれ量の算出対象領域から除外されてもよい。ブランク領域は、カラー画像を2値化することによって容易に除去することができる。このように、粒または粒群単位で色ずれ量を算出すれば、色ずれ量を精度良く算出することができる。ただし、移送速度算出部81は、カラー画像を複数の領域(この領域は、複数の粒が含まれ得る大きさである)に分割し、複数の領域の各々で色ずれ量を算出してもよい。
【0047】
次いで、移送速度算出部81は、対象物90の粒ごとに、Y方向(すなわち、第2の方向D2に対応する方向)の色ずれ量S2rg,S2gb,S2rbに基づいて、対象物90の第2の方向D2の移送速度を算出する。第1のラインセンサ40の1回のスキャンに要する時間をスキャン時間Tとすると、赤色画像92Rと緑色画像92Gとの色ずれ量S2rgに基づいて算出される対象物90の第2の方向D2の移送速度V2rgは、例えば、下式(1)によって得られる。式(1)において、L1>0である。また、式(1)において、色ずれ量S2rgの単位は、距離を表す単位である。例えば、離間距離L1および色ずれ量S2rgの単位は「mm」であり、スキャン時間Tの単位は「ms」であり、この場合、得られる移送速度V2rgの単位は「m/s」となる。上述したように、移送速度算出部81が、「画素」を単位とする色ずれ量S2rgを取得する場合には、「画素」を単位とする色ずれ量S2rgに、第1のラインセンサ40の第2の方向D2の画素の大きさ(mm)(つまり、1画素当たりの大きさ)を乗じることによって、「mm」を単位とする色ずれ量S2rgが得られる。移送速度V2rgは、式(1)に限らず、実験等に基づいて、色ずれ量S2rgを変数として含む他の式によって算出されてもよい。
V2rg=(L1+S2rg)/T ・・・(1)
【0048】
同様にして、色ずれ量S2gbに基づいて算出される対象物90の第2の方向D2の移送速度V2gbは、下式(2)によって得られ、色ずれ量S2rbに基づいて算出される対象物90の第2の方向D2の移送速度V2rbは、下式(3)によって得られる。式(2)および式(3)において、L2>0、L3>0である。
V2gb=(L2+S2gb)/T ・・・(2)
V2rb=(L3+S2rb)/T ・・・(3)
【0049】
さらに、移送速度算出部81は、X方向(すなわち、第1の方向D1に対応する方向)の色ずれ量S1rg,S1gb,S1rbに基づいて、対象物90の第1の方向D1の移送速度V1rg,V1gb,V1rbをそれぞれ算出する。移送速度V1rg,V1gb,V1rbは、例えば、以下の式(4)~(6)によって得られる。
V1rg=S1rg/T ・・・(4)
V1gb=S1gb/T ・・・(5)
V1rb=S1rb/T ・・・(6)
【0050】
移送速度算出部81は、上記のようにして求められた移送速度V2rg,V2gb,V2rbの代表値(例えば、それらの平均値、中央値など)を、対象物90の第2の方向D2の移送速度V2として検出する。同様に、移送速度算出部81は、移送速度V1rg,V1gb,V1rbの代表値(例えば、それらの平均値、中央値など)を、対象物90の第1の方向D1の移送速度V1として検出する。代替実施形態では、移送速度算出部81は、移送速度V2rg,V2gb,V2rbのうちの一つまたは二つに基づいて移送速度V2を検出してもよいし、移送速度V1rg,V1gb,V1rbのうちの一つまたは二つに基づいて移送速度V1を検出してもよい。
【0051】
次いで、移送速度に基づいて対象物90の形状的および/または寸法的な特徴を決定する方法について、図5~7を参照して説明する。以下では、第1のラインセンサ40によって取得された画像に基づいて算出された移送速度に基づいて、第1のラインセンサ40によって取得された画像の形状的および/または寸法的な特徴を決定する方法について詳しく説明する。本実施形態では、特徴決定部82は、第1の方向D1の移送速度V1および第2の方向D2の移送速度V2に基づいて対象物90の画像を補正し、補正された画像に基づいて、対象物90の形状的および/または寸法的な特徴を決定する。ただし、移送速度V1に基づく補正および移送速度V2に基づく補正の一方のみが実施されてもよい。移送速度V1および/または移送速度V2に基づく補正は、対象物90の粒ごとに行われる。
【0052】
まず、第2の方向D2の移送速度V2に基づく画像の補正について説明する。ラインセンサの第2の方向D2(図2の例では、素子41~43の各々が並ぶ方向と直交する方向)の分解能は、1回のスキャン時間の間に対象物90が第2の方向D2に移動した距離によって定まる。具体的には、第2の方向D2の分解能は、1回のスキャン時間と、対象物90の第2の方向D2の移送速度V2と、の積で表される。このため、画像上での対象物90の第2の方向D2に対応する方向(つまり、図4のY方向)の大きさ(換言すれば、画素数)は、移送速度V2に応じて変動することとなる。より具体的には、対象物90の第2の方向D2の移送速度V2と、画像上での対象物90の第2の方向D2に対応する方向の大きさと、は反比例の関係にある。一方、ラインセンサの第1の方向D1の分解能は、対象物90の移送速度に依存することなく、一定である。
【0053】
このような特徴を有するラインセンサでは、予め想定した移送速度(つまり、移送速度V2に関する設計値)と異なる移送速度V2で対象物90が移送される場合には、画像上の第2の方向D2に対応する方向における対象物90の大きさが実際の大きさと異なることになる。そのような場合には、形状的および/または寸法的な特徴量の測定精度が低下する。さらに、形状的および/または寸法的な品質を決定するための閾値は、移送速度V2に関する設計値に基づいて(換言すれば、対象物90の実際の大きさに基づいて)予め設定されている。このため、予め想定した移送速度と異なる移送速度V2で対象物90が移送される場合には、形状的および/または寸法的な品質の測定精度も低下する。そのような測定精度の低下を抑制するために、本実施形態では、第2の方向D2の移送速度V2に基づいて、第1のラインセンサ40によって取得された画像の補正が行われる。
【0054】
具体的には、特徴決定部82は、移送速度算出部81によって算出された第2の方向D2の移送速度V2と、第2の方向D2の移送速度V2に関する設計値(以下、基準値VRとも呼ぶ)と、の違いが画像(より具体的には、第2の方向D2に対応する方向の対象物90の画像の大きさ)に与える影響を低減または除去する方向に、第1のラインセンサ40によって取得された画像上の対象物90の第2の方向D2の大きさを修正する。
【0055】
例えば、移送速度算出部81によって算出された第2の方向D2の移送速度V2が、基準値VRよりも大きい場合には、第2の方向D2に対応する方向の対象物90の画像上の大きさが実際の大きさよりも小さくなる。そのような場合には、特徴決定部82は、その影響を低減または除去するために、第2の方向D2に対応する方向の対象物90の画像上の大きさが大きくなるように画像を補正する。
【0056】
逆に、移送速度算出部81によって算出された第2の方向D2の移送速度V2が基準値VRよりも小さい場合には、第2の方向D2に対応する方向の対象物90の画像上の大きさが実際の大きさよりも大きくなる。そのような場合には、特徴決定部82は、その影響を低減または除去するために、第2の方向D2に対応する方向の対象物90の画像上の大きさが小さくなるように画像を補正する。
【0057】
上述の通り、対象物90の第2の方向D2の実際の移送速度V2と、第2の方向D2に対応する方向の対象物90の画像上の大きさと、は反比例の関係にあるので、第1のラインセンサ40によって取得された対象物90の画像の第2の方向D2に対応する方向の寸法(すなわち、画素数)に比率V2/VRを乗じる補正を行えば、移送速度V2の変動による画像への影響を最小化できる(つまり、画像上の対象物90の大きさを実際の大きさに補正できる)。図5では、そのような補正の一例を示している。移送速度V2が基準値VRよりも小さい場合には、対象物94(補正前の対象物90の画像)を、第2の方向D2に対応するY方向についてのみ比率V2/VRで縮小して、対象物93(実寸大の対象物90の画像)が取得される。一方、移送速度V2が基準値VRよりも大きい場合には、対象物95(補正前の対象物90の画像)を、第2の方向D2に対応するY方向についてのみ比率V2/VRで拡大して、対象物93(実寸大の対象物90の画像)が取得される。
【0058】
特徴決定部82は、このようにして移送速度V2に基づいて補正された画像に基づいて、対象物90の形状的および/または寸法的な特徴(すなわち、特徴量、および、それに基づく品質)を決定する。このような補正によれば、移送速度V2の変動によってラインセンサ40の第2の方向D2の分解能が変化し、第2の方向D2に対応する方向の大きさが実際の大きさと異なる対象物90の画像が得られたとしても、当該画像を、第2の方向D2の大きさが実際の大きさに近づくように、または、実際の大きさになるように、補正することができる。したがって、特徴決定部82は、補正された画像に基づいて、対象物90の形状的および/または寸法的な特徴を正確に決定できる。
【0059】
次いで、第1の方向D1の移送速度V1に基づく画像の補正について説明する。対象物90が第1の方向D1の速度成分を持つ場合には、各スキャンの画像を単純に合成すると、図3に示した1~10の数字が付されたライン状の領域が、第1の方向D1に対応する方向に段階的にずれてしまう。このため、対象物90の実際の形状に対して、第1の方向D1に対応する方向(Y方向)に歪んだ形状が検出され、その結果、対象物90の形状的および/または寸法的な特徴の測定精度を低下させることになる。そこで、そのような測定精度の低下を抑制するために、本実施形態では、第1の方向D1の移送速度V1に基づく画像の補正が行われる。
【0060】
具体的には、特徴決定部82は、第1の方向D1の移送速度V1に起因して生じるずれの分だけ、対象物90の画像を構成する複数の画素の第1の方向D1の座標値を修正する。具体的には、N回目(Nは自然数)のスキャンによって得られる対象物90の画像領域と、N+1回目のスキャンによって得られる対象物90の画像領域と、では、第1のラインセンサ40での1回のスキャン時間の間に対象物90が第1の方向D1に移動する距離L4だけ、第1の方向D1における対象物90の座標値がずれることになる。このため、特徴決定部82は、一つの対象物90について行われる1回目のスキャンを基準として、2回目以降のスキャンによって得られる対象物90の画像の座標値を、基準からずれた分だけ元の位置に戻すように補正する。M回目(Mは2以上の整数)のスキャンによって得られる対象物90の画像領域の座標値の補正量(実際の距離)は、(M-1)×L4で表される。(M-1)×L4の値を、第1のラインセンサ40の第1の方向D1の画素の大きさ(つまり、1画素当たりの大きさ)で除算すれば、画素数を単位とする補正量を算出できる。
【0061】
図6および図7は、そのような補正の一例を示している。図中の各格子は、画像を構成する1画素を表している。また、図中の数値は、第1の方向D1に対応するX方向と、第2の方向D2に対応するY方向と、によって定義されるXY座標系の座標値を示している。この例では、Y方向の座標値は、第1のラインセンサ40のスキャンごとに割り当てられる。つまり、Y座標値は、何回目のスキャンによって取得されるライン状の画像領域であるかを示している。図6のハッチングを付した格子は、補正前の画像上の対象物90(対象物96として示す)を表す画素を示しており、図7のハッチングを付した格子は、補正後の画像上の対象物90(対象物97として示す)を表す画素を示している。
【0062】
また、図6および図7は、移送速度V1の方向がX座標の負方向に向けた方向であり、かつ、距離L4(1回のスキャン時間の間に対象物90が第1の方向D1に移動する距離)が、ラインセンサ40の第1の方向D1の分解能に等しいと仮定した場合を示している。図示するように、図6に示す対象物96の画像(第1の方向D1の移送速度V1に起因して歪んだ形状に撮像された対象物90の画像)は、Y座標値が2のラインを基準として、Y座標値が1増えるにつき、X座標値がX座標の距離L4(ここでは、1画素分の距離)だけ増えるように修正され、それによって、図7に示す対象物97の画像(実際の形状の対象物90の画像)に補正されている。
【0063】
特徴決定部82は、このようにして移送速度V1に基づいて補正された画像に基づいて、対象物90の形状的および/または寸法的な特徴を決定する。このような補正によれば、対象物90が、意図される移送方向(すなわち、第2の方向D2)に対して横ずれしながら(すなわち、第1の方向D1にずれながら)移送され、第1の方向D1に対応する方向に歪んだ対象物90の画像が得られたとしても、当該歪みが低減または除去されるように画像を補正できる。したがって、特徴決定部82は、補正された画像に基づいて、対象物90の形状的および/または寸法的な特徴を正確に決定できる。
【0064】
なお、移送速度算出部81は、第2のラインセンサ50によって取得された画像の色ずれ量に基づいて移送速度V1,V2を算出してもよい。この場合、特徴決定部82は、第2のラインセンサ50を利用して取得された移送速度V1,V2に基づいて、第2のラインセンサ50によって取得された画像を補正し、補正された画像に基づいて対象物90の形状的および/または寸法的な特徴を決定してもよい。
【0065】
本実施形態では、移送速度算出部81は、対象物90ごとに算出された移送速度V1,V2に基づいて、対応する対象物90の画像の補正を行う。つまり、補正に使用される移送速度V1,V2は、個々の対象物90に固有の値である。この構成によれば、移送速度算出部81は、個々の対象物90ごとに、より正確な移送速度V1,V2を用いて、より正確な補正を行うことができる。その結果、形状的および/または寸法的な特徴をより正確に決定できる。ただし、少なくとも一つの対象物90に関して所定のタイミングで検出された移送速度V1,V2が、複数の対象物90の画像の補正に共通的に使用されてもよい。この場合、補正に使用される移送速度V1,V2は、例えば、所定の頻度(例えば、5分ごと)で更新されてもよい。あるいは、選別機10の運転開始時に検出された移送速度V1,V2が、その後の運転において継続的に補正に使用されてもよい。これらの構成によれば、移送速度算出部81の演算負荷を低減できる。さらに、移送速度V1,V2として、複数の対象物90についての代表値(例えば、平均値)が、当該複数の対象物90の画像の補正に共通的に使用されてもよい。
【0066】
代替実施形態では、第2の方向D2の移送速度V2に基づいて画像を補正する構成に代えて、特徴決定部82は、第2の方向D2の移送速度V2に基づいて形状的および/または寸法的な特徴量を直接的に補正してもよい。この代替実施形態では、補正された画像に基づいて決定される形状的および/または寸法的な特徴量に相当する特徴量(以下、第1の特徴量とも呼ぶ)を取得するために、特徴決定部82は、まず、第1のラインセンサ40(または、第2のラインセンサ50)によって取得された画像(上述の補正が適用されていない画像)から形状的および/または寸法的な特徴量(第2の特徴量)を決定する。次いで、特徴決定部82は、第2の特徴量のうちの、第2の方向D2に対応する方向の特徴量成分を第2の方向D2の移送速度V2に基づいて修正することによって、第2の特徴量を補正して、第1の特徴量を取得する。
【0067】
例えば、第1の特徴量として取得すべき特徴量が対象物90の面積または高さ(第2の方向D2に対応する方向の長さ)である場合には、特徴決定部82は、第2の特徴量に比率V2/VRを乗じた値を、第1の特徴量として決定する。第1の特徴量として取得すべき特徴量が対象物90の幅(第1の方向D1に対応する方向の長さ)である場合には、特徴決定部82は、補正を行うことなく、第2の特徴量を第1の特徴量として決定する。第1の特徴量として取得すべき特徴量が対象物90の外周長さである場合には、外周長さのうちの、第1の方向D1に対応する方向の長さ成分(Lxとも呼ぶ)は補正せずに、第2の方向D2に対応する方向の長さ成分(Lyとも呼ぶ)のみに比率V2/VRを乗じた補正を行い、Lx+Ly×V2/VRの値を第1の特徴量として決定する。
【0068】
成分Lx,Lyは、例えば、特開2012-127706号公報に記載の手法を用いて特定できる。この手法は周知であるので、簡単に説明すると、まず、画像が二値化され、対象物90を表す画素範囲が特定される。次いで、対象物90を表す画素範囲に対して、所定サイズ(例えば、2×2画素、3×3画素など)のウィンドウが適用される。ウィンドウ内のどの位置に対象物90を表す画素が位置するかに応じて、ウィンドウ内に位置する画素が、対象物90の外周を表す画素であるか、それとも、対象物90の内部を表す画素であるかを特定することができるとともに、対象物90の外周を表す画素が成分Lx,Lyのいずれに該当するかを特定できる。このような特定処理は、対象物90を表す画素の全てについて、その属性が特定されるまで、ウィンドウの適用位置を1画素ずつずらしながら、繰り返し行われる。
【0069】
このようにして形状的および/または寸法的な第1の特徴量を取得すると、特徴決定部82は、第1の特徴量に基づいて、上述の手法によって形状的および/または寸法的な品質を決定する。上記のように、移送速度V2に基づいて画像を補正する代わりに、移送速度V2に基づいて第2の特徴量を補正して第1の特徴量を取得しても、画像を補正する場合と同等の効果が得られる。
【0070】
さらなる代替実施形態では、第2の方向D2の移送速度V2に基づいて画像を補正する構成に変えて、特徴決定部82は、形状的および/または寸法的な品質を決定するための閾値を第2の方向D2の移送速度V2に基づいて決定(補正)してもよい。上述の通り、画像上の対象物90の第2の方向D2に対応する方向の大きさは、実際の大きさに対してVR/V2倍になる。そこで、特徴決定部82は、例えば、第2の方向D2に対応する方向に関連する閾値の設計値に対して比率VR/V2を乗じて、閾値を補正する。つまり、特徴決定部82は、移送速度V2の変動に起因する第2の方向D2の画像寸法の変動に合わせて、閾値が同等の比率で変化するように閾値を補正する。
【0071】
例えば、特徴決定部82は、対象物90の面積または高さ(第2の方向D2に対応する方向の長さ)に関連する閾値を、比率VR/V2を乗じることによって補正してもよい。この場合、特徴決定部82は、補正されていない画像から算出された形状的および/または寸法的な特徴量と、補正された閾値と、を比較することによって、対象物90が良品であるか、それとも、不良品であるかを決定する。このような構成によっても、対象物90の形状的および/または寸法的な品質を正確に決定できる。
【0072】
さらなる代替実施形態では、移送速度V1,V2は、上述した方法以外の任意の方法で検出されてもよい。例えば、選別機10は、移送速度V1,V2を検出するためのエリアセンサを備えていてもよい。この場合、特徴決定部82は、異なる二つのタイミングでエリアセンサによって取得した二つの画像上の同一の対象物90について、その二つのタイミングの間での移動距離および移動時間に基づいて、移送速度V1,V2を算出する。移動距離は、上述の例と同様に、二つの画像の各々の対象物90の濃度重心の位置の違いに基づいて算出されてもよい。移動時間は、既知であるスキャン時間に基づいて算出可能である。あるいは、選別機10は、そのようなエリアセンサに代えて、異なる検出位置(移送経路上における対象物90の撮像位置)にそれぞれ配置された二つのラインセンサが使用されてもよい。
【0073】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、上記した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれる。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、任意の省略が可能である。
【0074】
例えば、ラインセンサ40,50は、上述した3ラインセンサに代えて、R素子群とG素子群とB素子群とのうちの少なくとも二つの素子群が第2の方向D2に互いに離間するように配置される任意のカラーセンサであってもよい。例えば、ラインセンサ40,50は、ベイヤー配列のカラーセンサであってもよい。この場合は、R素子群およびB素子群から得られる赤色画像と青色画像との色ずれ量に基づいて移送速度V1,V2を決定できる。
【0075】
あるいは、特徴決定部82は、移送速度V1および/または移送速度V2に基づいて、対象物90の一部分についての形状的および/または寸法的な特徴を決定してもよい。そのような一部分は、対象物90のうちの所定の色彩的な特徴を有する部分であってもよい。例えば、特徴決定部82は、所定以上の大きさの部分的不良を有するか否かに基づいて対象物90の色彩的な品質を決定するために、部分的不良を有する領域(換言すれば、画像上の、色階調値が正常範囲にない画素群からなる領域)の形状的および/または寸法的な特徴量を移送速度V1および/または移送速度V2に基づいて決定してもよい。
【0076】
あるいは、選別機10は、可視光光源(上述の例では、光源31,32)に代えて、または、加えて、任意の波長を有する電磁波を対象物90に照射する電磁波照射源を備えていてもよい。そのような電磁波は、例えば、X線および近赤外線の少なくとも一方であってもよい。この場合、選別機10は、電磁波照射源によって照射される電磁波の波長に対応する複数の電磁波検出素子を有するラインセンサを備えていてもよい。そのような電磁波照射源およびラインセンサを利用して取得された画像に対しても、上述の種々の補正を適用できる。
【0077】
本発明は、選別機に限られず、種々の形態で実現可能である。例えば、本発明は、対象物の全体および/または一部分についての形状的および/または寸法的な特徴を測定するための測定装置として実現されてもよい。そのような測定装置は、例えば、図1に示した選別機10から選別部60が取り除かれた形態を備えていてもよい。この場合、コントローラ80は、決定した対象物90の特徴(あるいは、その統計量)を、任意のデバイス(例えば、ディスプレイ、通信インタフェース、記憶媒体、印刷装置など)に出力してもよい。
【符号の説明】
【0078】
10...光学式選別機
20...光学検出部
31...第1の光源
32...第2の光源
33...第1の光
34...第2の光
40...第1のラインセンサ
41...R素子
42...G素子
43...B素子
44...R素子群
45...R素子群
46...R素子群
50...第2のラインセンサ
60...選別部
61...ノズル
62...バルブ
63...エア
71...貯留タンク
72...フィーダ
73...シュート
74...良品排出樋
75...不良品排出樋
80...コントローラ
81...移送速度算出部
82...特徴決定部
90,91,92,93,94,95,96,97...対象物
92G...緑色画像
92R...赤色画像
93G...緑色濃度重心座標点
93R...赤色濃度重心座標点
D1...第1の方向
D2...第2の方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7