(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076842
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20240530BHJP
【FI】
A63F5/04 601A
A63F5/04 601B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188631
(22)【出願日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】猪瀬 邦夫
【テーマコード(参考)】
2C182
【Fターム(参考)】
2C182CC12
2C182DA13
2C182DA40
(57)【要約】
【課題】異なる機種間において、部品の共通化を促進した遊技機を提供する。
【解決手段】複数の図柄を変動表示可能な複数のリールと、複数のリールを含むリールユニットと、リールユニットを内部に配設可能な筐体20とを備える遊技機において、筐体20には、リールユニットを取り付けるための棚板30が設けられ、棚板30の取付位置として、一の種類の遊技機に使用される場合に対応する下取付穴部21と、他の種類の遊技機に使用される場合に対応する上取付穴部22とを備え、下取付穴部21と上取付穴部22とでは、筐体20における棚板30の上下方向の位置が異なるように設定され、筐体20には、下取付穴部21と上取付穴部22とを区別するための彫刻文字25aが示される文字情報表示部25が設けられる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄を変動表示可能な複数のリールと、前記複数のリールを含むリールユニットと、リールユニットを内部に配設可能な筐体と、を備える遊技機において、
前記筐体には、リールユニットを取り付けるための板状部材が備えられ、
前記板状部材の取付位置として、
一の種類の遊技機に使用される場合に対応する第1取付位置と、
他の種類の遊技機に使用される場合に対応する第2取付位置と、
を備え、
前記第1取付位置と前記第2取付位置とでは、前記筐体における前記板状部材の上下方向の位置が異なるように設定され、
前記筐体には、前記第1取付位置と前記第2取付位置とを区別するための特定情報が示される特定情報表示部が設けられる
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第1取付位置に前記板状部材が取り付けられる場合には、前記板状部材の少なくとも一部と前記特定情報表示部の少なくとも一部とが重なるように配置され、
前記第2取付位置に前記板状部材が取り付けられる場合には、前記板状部材の少なくとも一部と前記特定情報表示部の少なくとも一部とが重ならないように配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
一の種類の遊技機のリールユニットの大きさと、他の種類の遊技機のリールユニットの大きさとは、異なる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
電気基板を収容する回動ケース部と、
前記回動ケース部を、前記筐体に対して前後方向に回動可能に支持する回動支持部とを備え、
一の種類の遊技機のリールユニットは、前側に回動した状態の前記回動ケース部の姿勢を維持する第1姿勢維持部を備え、
他の種類の遊技機のリールユニットは、前側に回動した状態の前記回動ケース部の姿勢を、前記第1姿勢維持部とは異なる高さで維持する第2姿勢維持部を備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技場等に施設に配置される遊技機があった(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の遊技機は、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一形態は、複数の図柄を変動表示可能な複数のリールと、前記複数のリールを含むリールユニットと、リールユニットを内部に配設可能な筐体と、を備える遊技機において、前記筐体には、リールユニットを取り付けるための板状部材が備えられ、前記板状部材の取付位置として、一の種類の遊技機に使用される場合に対応する第1取付位置と、他の種類の遊技機に使用される場合に対応する第2取付位置と、を備え、前記第1取付位置と前記第2取付位置とでは、前記筐体における前記板状部材の上下方向の位置が異なるように設定され、前記筐体には、前記第1取付位置と前記第2取付位置とを区別するための特定情報が示される特定情報表示部が設けられることを特徴とする遊技機である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態の棚板30を下取付位置に取り付けた状態の筐体ユニット10の斜視図である。
【
図2】実施形態の棚板30を下取付位置に取り付けた状態の筐体ユニット10の左側面図、右側面図である。
【
図3】実施形態の筐体ユニット10の分解斜視図である。
【
図4】実施形態の棚板30を上取付位置に取り付けた状態の筐体ユニット10の斜視図である。
【
図5】実施形態の棚板30を上取付位置に取り付けた状態の筐体ユニット10の左側面図、右側面図である。
【
図6】実施形態の回動ケース部45を閉状態にした基板ケース部40を前側Y1の左上から見た斜視図である。
【
図7】実施形態の回動ケース部45を開状態にした基板ケース部40の左側面図である。
【
図8】実施形態の回動ケース部45を開状態にした基板ケース部40を前側Y1の左上から見た斜視図である。
【
図9】実施形態の遊技機110の内部構造(前扉を取り外した状態)の斜視図である。
【
図10】実施形態の遊技機110に取り付けられた回動ケース部45が回動する態様を、左側X1から見た模式図である。
【
図11】実施形態の遊技機120の内部構造(前扉を取り外した状態)の斜視図である。
【
図12】実施形態の遊技機120に取り付けられた回動ケース部45が回動する態様を、左側X1から見た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、実施形態の棚板30を下取付位置に取り付けた状態の筐体ユニット10の斜視図である。
図1(A)は、前側Y1の右上から見た斜視図であり、
図1(B)は、前側Y1の右下から見た斜視図である。
図2は、実施形態の棚板30を下取付位置に取り付けた状態の筐体ユニット10の左側面図、右側面図である。
図3は、実施形態の筐体ユニット10の分解斜視図である。
図3には、筐体ユニット10に加えて、遊技機110のリールユニット115を図示した。
図4は、実施形態の棚板30を上取付位置に取り付けた状態の筐体ユニット10の斜視図である。
図4(A)は、前側Y1の右上から見た斜視図であり、
図4(B)は、前側Y1の右下から見た斜視図である。
図5は、実施形態の棚板30を上取付位置に取り付けた状態の筐体ユニット10の左側面図、右側面図である。
【0008】
筐体ユニット10、後述する遊技機110,120の構成は、左右方向Xにおいてほぼ対称である。
実施形態、図面では、適宜、XYZ直交座標系を用いて説明する。この座標系は、
図1等に示すように、筐体20の左右方向X(左側X1、右側X2)、前後方向Y(前側Y1、後側Y2)、鉛直方向Z(上下方向)(下側Z1、上側Z2)を表す。
【0009】
筐体ユニット10は、後述する遊技機110(一の種類の遊技機)(
図9、
図10参照)、遊技機120(他の種類の遊技機)(
図11、
図12参照)の構成部品である。遊技機110,120は、遊技場等の施設に配置される。遊技機110,120は、リールを回転させることによって遊技媒体であるメダルを払い出す回胴式遊技機(スロットマシン)である。
【0010】
筐体ユニット10は、筐体20、棚板30(板状部材)、基板ケース部40を備えるアッセンブリである。
筐体20は、前側Y1に開口した箱体である。筐体20は、例えば、木板を組み合わせて構成される。筐体20の内部には、棚板30、回動ケース部45及びその他の各種部品(電源ユニット等)が収容される。
【0011】
図1から
図3に示すように、筐体20は、下ネジ穴部21(第1ネジ穴部)、上ネジ穴部22(第2ネジ穴部)、文字情報表示部25(特定情報表示部)、基板ケース部40を備える。
下ネジ穴部21、上ネジ穴部22は、棚板30を、それぞれ筐体20の下取付位置(第1取付位置)(
図1、
図2参照)、上取付位置(第2取付位置)(
図4、
図5参照)に取り付けるための部分である。鉛直方向Zにおいて、下取付位置は、上取付位置よりも低い位置である。このため、鉛直方向Zにおいて、棚板30の筐体20への取付位置は、下取付位置と上取付位置とでは異なる。
下ネジ穴部21は、筐体ユニット10を遊技機110に用いる際に、棚板30を取り付けるために利用される。下ネジ穴部21は、下取付位置に対応している。上ネジ穴部22は、筐体ユニット10を遊技機120に用いる際に、棚板30を取り付ける際に利用される。上ネジ穴部22は、上取付位置に対応している。
【0012】
図1、
図2に示すように、下ネジ穴部21は、左側X1に3つ、右側X2に2つ、合計5つのネジ穴21aを備える。ネジ穴21aは、例えば、筐体20の穴部にインサートネジが埋め込まれて形成される。
左側X1の3つのネジ穴21aは、ほぼ同じ高さに、前後方向Yに並べて配置されている。
右側X2の2つのネジ穴21aは、同じ高さに、前後方向Yに並べて配置されている。
【0013】
図4、
図5に示すように、上ネジ穴部22は、下ネジ穴部21と同様に、左側X1に3つ、右側X2に2つ、合計5つのネジ穴22aを備える。
なお、上ネジ穴部22のネジ穴22aは、下ネジ穴部21のネジ穴21aを、そのまま上側Z2かつ後側Y2に移動した位置に配置されている。このため、下ネジ穴部21のネジ穴21a間の位置関係(各ネジ穴21a及び他ネジ穴21aの相対的な位置関係)と、上ネジ穴部22のネジ穴22a間の位置関係(各ネジ穴22a及び他ネジ穴22a)とは、同じである。
これにより、下ネジ穴部21、上ネジ穴部22は、同一形状の棚板30を取り付けることができ、遊技機110,120で、棚板30を共通化できる。
【0014】
図3等に示すように、棚板30は、リールユニット115,125(
図9、
図11等参照)を取り付けるための板材である。棚板30は、筐体20内部に取り付けられる。棚板30は、例えば、金属板のプレス成形品等である。棚板30は、リールユニット115,125に接続されるケーブルを保持するホルダ等が設けられている。
棚板30は、長方形の板状の本体部の左右縁部から、上側Z2に立ちが上がる左板部31、右板部32を備える。
左板部31は、3つの穴部33を備える。なお、最も前側Y1の穴部33は、切り欠き状である。3つの穴部33は、下ネジ穴部21の左側X1の3つのネジ穴21aに対応した位置に設けられている。
同様に、右板部32は、上ネジ穴部22の右側X2の2つのネジ穴21aに対応した位置に、2つの穴部33を備える。
前述したように、下ネジ穴部21のネジ穴21a間の位置関係と、上ネジ穴部22のネジ穴22a間の位置関係とは、同じであるため、棚板30の5つの穴部33の位置は、下ネジ穴部21に加えて、上ネジ穴部22の各ネジ穴22aの位置に対応している。
【0015】
文字情報表示部25は、下取付位置と上取付位置とを区別するための彫刻文字25a(特定情報)が設けられている。彫刻文字25aは、筐体20の左内側面のうち、前側Y1及び中央の2つのネジ穴21aの間の範囲を、凹部状に加工することにより設けられる。彫刻文字25aは、実施形態では、文字「J」の彫刻文字25aである。彫刻文字25aの「J」は、例えば、遊技機120の頭文字等である。
【0016】
棚板30が下取付位置に取り付けられた状態では、棚板30の少なくとも一部と文字情報表示部25の少なくとも一部とが重なる。このため、作業者は、遊技機120に対応した彫刻文字25aを棚板30で隠すように取り付ければよいので、誤作業を抑制できる。また、彫刻文字25aの「J」を判読できないことにより、棚板30が下取付位置に取り付けられた筐体20が、遊技機110に使用されるものであること(つまり遊技機120に使用されないこと)の確認作業が容易である。
一方、棚板30が上取付位置に取り付けられた状態では、棚板30の少なくとも一部と文字情報表示部25の少なくとも一部とが重ならない。このため、作業者は、遊技機120に対応した彫刻文字25aを棚板30で隠さないように取り付ければよいので、誤作業を抑制できる。また、遊技機120に対応した彫刻文字25aの「J」を判読できることにより、棚板30が上取付位置に取り付けられた筐体ユニット10が、遊技機120に使用されるものであることの確認作業が容易である。
【0017】
このように、筐体20は、彫刻文字25aを備えるので、棚板30の取付時の誤作業を抑制でき、また、棚板30が取り付けられた後の検査が容易である。
また、筐体20のリユース等のために、下取付位置の棚板30が複数回着脱されても、「J」の文字は、彫刻文字25aであるので、かすれ等が生じない。このため、筐体20は、複数回にわたってリユースされる際にも、彫刻文字25aの「J」の文字を判読でき、上記作用、効果を奏する。
【0018】
(基板ケース部40)
図6は、実施形態の回動ケース部45を閉状態にした基板ケース部40を前側Y1の左上から見た斜視図である。
図7は、実施形態の回動ケース部45を開状態にした基板ケース部40の左側面図である。
図8は、実施形態の回動ケース部45を開状態にした基板ケース部40を前側Y1の左上から見た斜視図である。
図8(A)は、回動ケース部45がスライドすることなく開状態にされた状態、
図8(B)は、回動ケース部45が開状態にされた状態で上側Z2にスライドされた状態の図である。
基板ケース部40は、遊技機110のリールユニット115の上側Z2と、遊技機120のリールユニット125の上側Z2とに設置される(
図10、
図12等参照)。
基板ケース部40は、ケース基部41、回動ケース部45、回動支持部46を備える。
回動ケース部45は、ケース基部41に対して、回動可能かつ鉛直方向Zにスライド可能に支持されている。実施形態では、回動ケース部45が閉じた状態を閉状態(
図6参照)、回動ケース部45が閉状態から前側Y1に回動した状態を開状態(
図6(A)、
図6(B)、
図7参照)等ともいう。
【0019】
ケース基部41は、基板ケース部40のベースとなる部材である。ケース基部41は、閉状態の回動ケース部45を収容するために、前側Y1に開口した凹部41a(
図8(A)参照)を備える。ケース基部41は、筐体20の背面板に対して、ネジ止め等によって固定される。
回動ケース部45は、主制御基板等の電気基板45a(
図10等参照)を内部に収容するケース部材である。詳細な説明は省略するが、回動ケース部45は、前側Y1のケース部材及び後側Y2のケース部材が分離不可能(つまり分離するためには破壊を要する)に結合部材等(いわゆる、かしめ部材等)によって結合されている。これらのケース部材は、透明、半透明等の樹脂の成形品等であり、電気基板45aを外部から視認できるようになっている。
【0020】
図7に示すように、回動支持部46は、回動ケース部45を、筐体20に対して前後方向Yに回動可能に支持する部分である。
回動支持部46は、ケース基部41に設けられた支持穴46a、回動ケース部45に設けられた支軸46bを備える。支持穴46a、支軸46bは、基板ケース部40の左右にそれぞれ設けられている。
支持穴46aは、ケース基部41の凹部41aの内側面に設けられている(
図8(A)参照)。左右方向Xから見た状態で、支持穴46aは、鉛直方向Zに細長い長方形状である。
支軸46bは、回動ケース部45の下部の左右コーナ部からそれぞれ左右外側に突出するように設けられた軸体である。支軸46bは、ケース基部41に設けられた支持穴46aに挿入されている。
【0021】
上記構成により、回動支持部46は、回動ケース部45をケース基部41に対して、前後方向Yに回動可能に支持する(
図7等参照)。また、これに加えて、回動支持部46は、前側Y1に倒れるように回動した回動ケース部45を鉛直方向Zにスライド可能に支持する(
図7、
図8(B)等参照)。
【0022】
[遊技機110の構成]
図9は、実施形態の遊技機110の内部構造(前扉を取り外した状態)の斜視図である。
図9(A)は、前側Y1の右上から見た斜視図であり、
図9(B)は、前側Y1の右下から見た斜視図である。
図10は、実施形態の遊技機110に取り付けられた回動ケース部45が回動する態様を、左側X1から見た模式図である。
図10(A)は、回動ケース部45が回動途中の図であり、
図10(B)は、回動ケース部45が開状態の図である。
【0023】
遊技機110は、筐体ユニット10、リールユニット115(変動表示手段)を備える。
筐体ユニット10を遊技機110に用いる際には、棚板30は、下取付位置に取り付けられる。
リールユニット115は、ノブ付きボルト、ローレットビス等の固定部材130(
図3参照)を用いて、棚板30上に固定される。
リールユニット115は、筐体20内部に配設されている。
リールユニット115は、3つのリール115L,115C,115R、ドラムユニット116、ケース維持部117(第1姿勢維持部)を備える。
各リール115L,115C,115Rは、円周部分が複数の図柄(識別情報)が印刷等により設けられている。
ドラムユニット116は、各リール115L,115C,115Rを独立して回転駆動可能な装置である。各リール115L,115C,115Rが回転駆動されることにより、前扉に設けられた窓部(図示せず)に、複数の図柄が変動表示される。
【0024】
ケース維持部117は、開状態の回動ケース部45の姿勢を維持する突起である。ケース維持部117は、リールユニット115の枠体の上部に設けられている。
【0025】
図10(A)等に示すように、リールユニット115の上側Z2には、基板ケース部40が配置されている。棚板30が下取付位置に取り付けられているので、鉛直方向Zにおいて、リールユニット115の上側Z2には、十分なスペースを有する。このスペースには、例えば、液晶表示装置等の表示部等が設置できる。
なお、鉛直方向Zにおいて、リールユニット115及び基板ケース部40は、一部が重なってもよく、つまり、リールユニット115の上部及び、基板ケース部40の下部が重なっていてもよい。
【0026】
図10(A)に示すように、回動ケース部45は、閉状態から開状態に回動される過程において、ほとんどリールユニット115に当接しない。
図10(B)に示すように、そして、ほぼ開状態になる状態で前面部がケース維持部117に当接しながら、上側Z2にスライドする。
図10(B)に示す状態では、回動ケース部45は、ケース維持部117に載置されたような形態となることにより、ほぼ90度又は90度以上回動した状態の姿勢が維持される。
なお、作業者の上記作業の説明は、一例であり、例えば、作業者は、回動ケース部45をスライドさせながら回動させることより、ケース維持部117に当接することなく回動させて、最終的に、ケース維持部117に載置することにより、開状態の回動ケース部45の姿勢を維持するようにしてもよい。
【0027】
回動ケース部45は、透過性を有するので、ケース維持部117に載置された状態では、作業者は、回動ケース部45の裏面部を通して、電気基板45aの裏面を検査、つまり異常がなく正常であるか否かを検査できる。また、回動ケース部45は、ケース維持部117に載置された状態では、作業者の手が離されても、開状態が維持される。このため、作業者は、他の作業(例えば、基板検査表の記入等)をすることができるので、基板検査の作業効率を向上できる。
【0028】
[遊技機120の構成]
図11は、実施形態の遊技機120の内部構造(前扉を取り外した状態)の斜視図である。
図12(A)は、前側Y1の右上から見た斜視図であり、
図12(B)は、前側Y1の右下から見た斜視図である。
図12は、実施形態の遊技機120に取り付けられた回動ケース部45が回動する態様を、左側X1から見た模式図である。
図12(A)は、回動ケース部45が回動途中の図であり、
図12(B)は、回動ケース部45が開状態の図である。
【0029】
遊技機120は、筐体ユニット10、リールユニット125を備える。
遊技機120のリールユニット125は、遊技機110のリールユニット115とほぼ同様な構成であり、3つのリール125L,125C,125R、ドラムユニット126、ケース維持部127(第2姿勢維持部)等を備えている。また、リールユニット125は、固定部材130を用いて、棚板30上に固定される。
【0030】
但し、これらリールユニット115,125は、以下の構成が異なる。
すなわち、リールユニット125の直径(大きさ)は、リールユニット115の直径よりも例えば10mm程度以上大きい。
また、図示は、省略するが、鉛直方向Zにおいて、遊技機110のリールユニット115よりも上側Z2には、液晶表示装置等の表示部等が配置される。遊技機120は、表示部が設けられていないか、又は表示部が設けられていても、遊技機110の表示部よりも小さい。
【0031】
このため、遊技機120は、棚板30が上ネジ穴部22(ネジ穴22a)を利用して取り付けられることにより、リールユニット125が筐体20内において、遊技機110のリールユニット115よりも高い位置に取り付けられる。
棚板30が上ネジ穴部22に取り付けられた状態では、文字情報表示部25(彫刻文字25a)が隠れるので、棚板30の取付時に誤作業を抑制できる。
【0032】
リールユニット125が遊技機110のリールユニット115よりも高い取付位置に取り付けられるので、ケース維持部127も、遊技機110のケース維持部117よりも高い位置に配置される。
図11(A)等に示すように、棚板30が上取付位置に取り付けられているので、鉛直方向Zにおいて、リールユニット125の上側Z2のスペースは、リールユニット115の上側Z2のスペースよりも小さい。
図12(A)に示すように、このため、回動ケース部45は、閉状態から開状態に回動される過程において、初期の段階でリールユニット125のケース維持部127に当接する。そして、回動ケース部45は、前面部がケース維持部127に当接しながら回動することにより、上側Z2にスライドする。そして、
図12(B)に示すように、回動ケース部45は、ケース維持部127に載置されたような形態となることにより、ほぼ90度又は90度以上回動した状態の姿勢が維持される。開状態に維持された回動ケース部45の高さは、遊技機120の方が遊技機110よりも高くなる。
【0033】
このように、回動ケース部45は、遊技機120においても、ケース維持部127に載置されるように回動されることにより、開状態の姿勢が維持される。
これにより、遊技機120は、基板ケース部40よりも上側Z2のスペースが小さくても、遊技機110と同様に、電気基板45aの検査時における作業性がよい。
【0034】
以上説明したように、実施形態の筐体ユニット10は、遊技機110,120の何れか機種に使用されるかに応じて、棚板30の取り付け位置を、容易に調整できる。これにより、また、筐体ユニット10は、遊技機の機種に応じてリールユニット115,125の大きさが異なる仕様である場合等にも、部品の共通化を促進できる。
【0035】
これに対して、従来の遊技機の筐体は、遊技機の機種に応じて、棚板の取付位置を変更等できるものではなく、筐体の共通化の観点で遅れていた。
【0036】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能である。なお、前述した実施形態の各構成及び後述する変形形態の各構成は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0037】
(変形形態)
【0038】
(1)実施形態において、文字彫刻は、棚板を下取付位置に取り付けた状態で隠れる位置に設けられている例を示したが、これに限定されない。例えば、文字彫刻は、棚板を上位置に取付位置に取り付けた状態で隠れる位置に設けられてもよい。文字彫刻は、棚板を下取付位置に取り付けた状態で隠れるもの(例えば「J」の文字)、棚板を上取付位置に取り付けた状態で隠れるもの(例えば「K」の文字)の2つを設けてもよい。
【0039】
(2)実施形態において、棚板は、2種に遊技機で共通形状である例を示したが、これに限定されない。例えば、棚板は、2種に遊技機毎に、個別の形状でもよい。この場合でも、筐体を2種に遊技機で共通で用いることができる。
【0040】
(3)実施形態において、リールユニットの大きさ、表示部(液晶表示装置等)の有無等の仕様に応じて、棚板の筐体への取付位置(つまりリールユニットの取付位置)を変更する例を示したが、これに限定されない。棚板の取付位置に関する遊技機の上記仕様は、一例であり、棚板の筐体への取付位置は、遊技機の他の仕様(例えば、デザイン等)に応じて、適宜変更できる。
【0041】
(4)実施形態において、遊技機は、スロットマシンである例を示したが、これに限定されない。実施形態の各構成は、例えば、パチンコ、玉スロなどその他の遊技機に適宜適用してもよい。また、実施形態の各構成は、実物の遊技媒体(メダル、パチンコ球等)を用いないスロットマシン、パチンコ機等の遊技機(スマスロ、スマパチ等ともいう)に適宜適用してもよい。
【符号の説明】
【0042】
10:筐体ユニット
20:筐体
21:下ネジ穴部
21a:ネジ穴
22:上ネジ穴部
22a:ネジ穴
25:文字情報表示部
25a:彫刻文字
30:棚板
40:基板ケース部
45:回動ケース部
45a:電気基板
110,120:遊技機
115,125:リールユニット
115L,115C,115R,125L,125C,125R:リール
116,126:ドラムユニット
117,127:ケース維持部