(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076939
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】磁性流体シール
(51)【国際特許分類】
F16J 15/43 20060101AFI20240530BHJP
F16J 15/18 20060101ALI20240530BHJP
F16J 15/53 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
F16J15/43
F16J15/18 D
F16J15/53
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022190446
(22)【出願日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】10-2022-0160515
(32)【優先日】2022-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】522466670
【氏名又は名称】マグネックス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】MAGNEX CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】124-1,Gaposan-ro,Heungdeok-gu,Cheongju-si,Chungcheongbuk-do,28374,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】クァック,ヨンウン
(72)【発明者】
【氏名】ホン,ジョンヒ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ジェイン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ギルホ
【テーマコード(参考)】
3J042
3J043
【Fターム(参考)】
3J042AA04
3J042AA11
3J042BA04
3J042CA17
3J042DA20
3J043AA16
3J043BA06
3J043CA01
3J043DA03
3J043HA03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】一般的な磁性流体シールの構造を維持しながら遮断部材を用いて磁性流体の流失防止、状態維持をしながら磁性流体シールの密封性能を向上させ得る磁性流体シールを提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態による磁性流体シールは、回転軸20と、前記回転軸を囲むように配置されるポールピース30と、前記回転軸および前記ポールピースのうち、いずれか1つに形成される複数のトレンチ40と、前記回転軸および前記ポールピースのうちの他の1つおよび前記複数のトレンチの端部のうち、少なくとも1つの間に備えられる磁性流体50と、前記複数のトレンチの間の空間に備えられる遮断部材60と、前記磁性流体に磁力を印加するための永久磁石70と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、
前記回転軸を囲むように配置されるポールピースと、
前記回転軸および前記ポールピースのうち、いずれか1つに形成される複数のトレンチと、
前記回転軸および前記ポールピースのうちの他の1つと前記複数のトレンチの端部のうち、少なくとも1つとの間に備えられる磁性流体と、
前記複数のトレンチの間の空間に備えられる遮断部材と、
前記磁性流体に磁力を印加するための永久磁石と、を含む磁性流体シール。
【請求項2】
前記複数のトレンチの間に形成される空間のうち、前記遮断部材が備えられる空間の大きさは、他の空間の大きさよりも大きく形成される請求項1に記載の磁性流体シール。
【請求項3】
前記ポールピースは、前記永久磁石の両端に備えられる第1ポールピースおよび第2ポールピースを含み、
前記遮断部材は、前記第1ポールピースと回転軸との間、または前記第2ポールピースと回転軸との間に備えられる請求項1に記載の磁性流体シール。
【請求項4】
回転軸と、
前記回転軸を囲むように配置されるポールピースと、
前記回転軸および前記ポールピースのうち、いずれか1つに形成される複数のトレンチと、
前記回転軸および前記ポールピースのうちの他の1つおよび前記複数のトレンチの端部に備えられる磁性流体と、
前記ポールピースおよび前記回転軸のうち、少なくとも1つに備えられる遮断部材収容溝と、
前記遮断部材収容溝に備えられる遮断部材と、
前記磁性流体に磁力を印加する永久磁石と、を含む磁性流体シール。
【請求項5】
回転軸と、
前記回転軸を囲むように配置される第1ポールピースと、
前記回転軸を囲むように配置される第2ポールピースと、
前記第1ポールピースおよび前記回転軸のうち、いずれか1つに形成される複数のトレンチと、
前記第1ポールピースおよび前記回転軸のうちの他の1つおよび前記複数のトレンチの端部に備えられる磁性流体と、
前記第2ポールピースおよび前記回転軸のうち、少なくとも1つに備えられる遮断部材収容溝と、
前記遮断部材収容溝に備えられる遮断部材と、
前記磁性流体に磁力を印加する永久磁石と、を含む磁性流体シール。
【請求項6】
ハウジングと、
前記ハウジングの内部に備えられる回転軸と、
前記回転軸を囲むように配置されるポールピースと、
前記ハウジングおよび前記回転軸のうち、いずれか1つに形成される複数のトレンチと、
前記ハウジングおよび前記回転軸のうちの他の1つおよび前記トレンチの端部に備えられる磁性流体と、
前記複数のトレンチの間の空間に備えられる遮断部材と、
前記磁性流体に磁力を印加するための永久磁石と、を含む磁性流体シール。
【請求項7】
ハウジングと、
前記ハウジングの内部に備えられる回転軸と、
前記回転軸を囲むように配置されるポールピースと、
前記ハウジングおよび前記回転軸のうち、いずれか1つに形成される複数のトレンチと、
前記ハウジングおよび前記回転軸のうちの他の1つおよび前記トレンチの端部に備えられる磁性流体と、
前記ハウジングおよび前記回転軸のうち、少なくとも1つに備えられる遮断部材収容溝と、
前記遮断部材収容溝に備えられる遮断部材と、
前記磁性流体に磁力を印加する永久磁石と、を含む磁性流体シール。
【請求項8】
ハウジングと、
前記ハウジングの内部に備えられる回転軸と、
前記回転軸を囲むように配置される第1ポールピースと、
前記回転軸を囲むように配置される第2ポールピースと、
前記第1ポールピースおよび前記ハウジングのうち、いずれか1つに形成される複数のトレンチと、
前記第1ポールピースおよび前記ハウジングのうちの他の1つおよび前記複数のトレンチの端部に備えられる磁性流体と、
前記第2ポールピースおよび前記ハウジングのうち、少なくとも1つに備えられる遮断部材収容溝と、
前記遮断部材収容溝に備えられる遮断部材と、
前記磁性流体に磁力を印加する永久磁石と、を含む磁性流体シール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的な磁性流体シールの構造を維持しながら遮断部材を用いて磁性流体を保護し、密封性能を向上させ得る磁性流体シールに関する。
【背景技術】
【0002】
真空状態が維持されなければならない様々な種類の真空装備に動力を伝達するための装備において、従来のOリングなどの機械的方式のシーリング技術の欠点を解決するために磁性流体シールが使用されている。
【0003】
この場合、磁性流体が真空チャンバーにおけるプロセス過程で発生する熱、プロセスガス、パウダーなどの異物などに直接露出することになる。したがって、磁性流体が劣化または汚染が発生して密封性能が低下する問題があった。
【0004】
また、真空側および大気側の圧力差によって長期間使用するとき、磁性流体の流失が発生し、密封性能が低下する問題もあった。
【0005】
これを防止するために、磁性流体が前記熱、プロセスガス、異物などと直接接触するのを防止するための様々な試みがなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】日本公開特許公報第2013-1142466号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述の問題を解決するためのものであって、一般的な磁性流体シールの構造を維持しながら遮断部材を用いて磁性流体の流失防止、状態維持をしながら磁性流体シールの密封性能を向上させ得る磁性流体シールを提供することにある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、前述した課題に限定されるものではなく、言及されない課題は、本明細書および添付図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解できるであろう
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するための本発明の磁性流体シールは、回転軸、前記回転軸を囲むように配置されるポールピースと、前記回転軸および前記ポールピースのうち、いずれか1つに形成される複数のトレンチと、前記回転軸および前記ポールピースのうちの他の1つおよび前記複数のトレンチの端部のうち、少なくとも1つの間に備えられる磁性流体と、前記複数のトレンチの間の空間に備えられる遮断部材と、前記磁性流体に磁力を印加するための永久磁石と、を含む
【0010】
前記複数のトレンチの間に形成される空間のうち、前記遮断部材が備えられる空間の大きさは、他の空間の大きさよりも大きく形成され得る。
【0011】
前記ポールピースは、前記永久磁石の両端に備えられる第1ポールピースおよび第2ポールピースを含み、前記遮断部材は、前記第1ポールピースと回転軸との間、または前記第2ポールピースと回転軸との間に備えられ得る。
【0012】
本発明のまた他の実施形態の磁性流体シールは、前記回転軸を囲むように配置されるポールピースと、前記回転軸および前記ポールピースのうち、いずれか1つに形成される複数のトレンチと、前記回転軸および前記ポールピースうちの他の1つおよび前記複数のトレンチの端部に備えられる磁性流体と、前記ポールピースおよび前記回転軸のうち、少なくとも1つに備えられる遮断部材収容溝と、前記遮断部材収容溝に備えられる遮断部材と、前記磁性流体に磁力を印加する永久磁石と、を含む。
【0013】
本発明のまた他の実施形態の磁性流体シールは、回転軸と、前記回転軸を囲むように配置される第1ポールピースと、前記回転軸を囲むように配置される第2ポールピースと、前記第1ポールピースおよび前記回転軸のうち、いずれか1つに形成される複数のトレンチと、前記第1ポールピースおよび前記回転軸のうちの他の1つおよび前記複数のトレンチの端部に備えられる磁性流体と、前記第2ポールピースおよび前記回転軸のうち、少なくとも1つに備えられる遮断部材収容溝と、前記遮断部材収容溝に備えられる遮断部材と、前記磁性流体に磁力を印加する永久磁石と、を含む。
【0014】
本発明のまた他の実施形態の磁性流体シールは、ハウジングと、前記ハウジングの内部に備えられる回転軸と、前記回転軸を囲むように配置されるポールピースと、前記ハウジングおよび前記回転軸のうち、いずれか1つに形成される複数のトレンチと、前記ハウジングおよび前記回転軸のうちの他の1つおよび前記トレンチの端部に備えられる磁性流体と、前記複数のトレンチの間の空間に備えられる遮断部材と、前記磁性流体に磁力を印加するための永久磁石と、を含む。
【0015】
本発明のまた他の実施形態の磁性流体シールは、ハウジングと、前記ハウジングの内部に備えられる回転軸と、前記回転軸を囲むように配置されるポールピースと、前記ハウジングおよび前記回転軸のうち、いずれか1つに形成される複数のトレンチと、前記ハウジングおよび前記回転軸のうちの他の1つおよび前記トレンチの端部に備えられる磁性流体と、前記ハウジングおよび前記回転軸のうち、少なくとも1つに備えられる遮断部材収容溝と、前記遮断部材収容溝に備えられる遮断部材と、前記磁性流体に磁力を印加する永久磁石と、を含む。
【0016】
本発明の他の実施形態の磁性流体シールは、ハウジングと、前記ハウジングの内部に備えられる回転軸と、前記回転軸を囲むように配置される第1ポールピースと、前記回転軸を囲むように配置される第2ポールピースと、前記第1ポールピースおよび前記ハウジングのうち、いずれか1つに形成される複数のトレンチと、前記第1ポールピースおよび前記ハウジングのうちの他の1つおよび前記複数のトレンチの端部に備えられる磁性流体と、前記第2ポールピースおよびハウジングのうち、少なくとも1つに備えられる遮断部材収容溝と、前記遮断部材収容溝に備えられる遮断部材と、前記磁性流体に磁力を印加する永久磁石と、を含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一実施形態による磁性流体シールは、従来の磁性流体シールの構造を最大限に活用しながら、遮断部材を追加配置する簡単な工程のみで、磁性流体の流失防止、状態維持および磁性流体シールの密封性能を向上させ得る効果がある。
【0018】
本発明の効果は、前述の効果に限定されるものではなく、言及されていない効果は、本明細書および添付の図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態の磁性流体シールの構造を概略的に示す図である。
【
図2】本発明の第1実施形態の磁性流体シールの変形した形態を概略的に示す図である。
【
図3】本発明の第1実施形態の磁性流体シールの変形した形態を概略的に示す図である。
【
図4】本発明の第2実施形態の磁性流体シールの構造を概略的に示す図である。
【
図5】本発明の第3実施形態の磁性流体シールの構造を概略的に示す図である。
【
図6】本発明の第4実施形態の磁性流体の構造を概略的に示す図である。
【
図7】本発明の第5実施形態の磁性流体の構造を概略的に示す図である。
【
図8】本発明の第6実施形態の磁性流体の構造を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。但し、本発明の思想は、提示される実施形態に限定されず、本発明の思想を理解する当業者は、同じ思想の範囲内で他の構成要素を追加、変更、削除などを通じて、退歩的な他の発明や本発明の思想の範囲内に含まれる他の実施形態を容易に提案することができるが、これも本発明の思想の範囲内に含まれると言える。
【0021】
図1は、本発明の第1実施形態の磁性流体シールの構造を概略的に示す図である。
【0022】
図1を参照すると、本発明の磁性流体シールは、半導体、LCD、OLED、太陽光産業関連の様々な真空装備に適用され、真空側と大気側の密封を維持しながら動力を効果的に伝達するための部品である。具体的には、ハウジング10の内部に回転軸20が備えられ、回転軸20を囲むように形成されて密封構造を形成するようになる。
【0023】
具体的に、本実施形態の磁性流体シールは、ハウジング10、回転軸20、ポールピース30、トレンチ40、磁性流体50、遮断部材60および永久磁石70を含む。そして、前記の構成を除いた一般に知られている磁性流体シールの構造や部品などを多様に適用できる。
【0024】
ハウジング10は、密封装置の外観を形成し、内部に回転軸40を収容できる空間が形成される。
【0025】
回転軸20は、ハウジング10の内部の空間に設けられ、供給される動力によって回転を行う構成である。
【0026】
ポールピース30は、ハウジング10の内部に位置する回転軸20を囲むように備えられて密封構造を形成する。具体的に、ポールピース30とハウジング10には、様々な公知の密封構造が採択され得、本実施形態においては、Oリング11を介して密封構造を形成する。そして、ポールピース30と回転軸20との間には、トレンチ40および磁性流体50を介して密封構造を形成するようになる。
【0027】
ポールピース30は、採択される磁性流体シールの構造に応じて様々な形状および個数で構成され得、本実施形態においては、2つのポールピース31、32が永久磁石70の両側に配置される形態で構成される。
【0028】
トレンチ40は、互いに対向するように配置される回転軸20およびポールピース30の少なくとも一部に突出して形成されるか、または凹溝が形成される方式で備えられ得る。具体的に、本実施形態においては、回転軸30の周りに沿って複数の凹溝20aが形成されることによって、複数のトレンチ40が回転軸30の周りに沿って突出した形に形成される。そして、トレンチの間には、陥没した空間Sが形成される。
【0029】
一般的に、トレンチ40の幅、高さ、形状、トレンチ40の間の間隔は、磁性流体の種類、回転軸の直径、回転速度などを考慮して効果的な密封状態を維持できるように形成される。具体的に、トレンチ40の上部とポールピースの内側との間に磁性流体50が効果的に密封状態を維持しなければならないという条件によって設計されることになる。
【0030】
本発明は、トレンチ40の間に発生する空間のうち、少なくとも一部を用いて磁性流体50の流失防止などのための遮断部材60を備える。すなわち、複数のトレンチ40が形成されることによって発生する空間Sおよび簡単なOリング形の遮断部材60を介して磁性流体50の流失、劣化などを防止できる。
【0031】
一方、遮断部材60としてOリングなどの既製品を使用する場合、トレンチ40の間の空間に挿入されない場合などが発生することがあり、これにより遮断部材60が挿入される空間は、他の空間とは異なる大きさに形成され得る。
【0032】
具体的に、本実施形態において、複数のトレンチ40の間に形成される空間は、第1空間S1および第2空間S2に区分することができ、遮断部材60が挿入される第1空間S1は、第2空間S2よりも大きく形成され得る。
【0033】
遮断部材60は、トレンチ40の間に形成される空間に備えられる。遮断部材60は、回転軸20、ポールピース30、一対のトレンチ40の間に形成される空間を遮蔽することができれば、素材形態の制限はなく、実際の製品適用の容易性などを考慮してOリング構造が採択されることができる。
【0034】
すなわち、本発明においては、一般的に空き空間として形成される空間に一般的なOリングなどの遮断部材60を備えるだけで磁性流体シールの流失、劣化などを効果的に防止できる。
【0035】
磁性流体50は、トレンチ40、トレンチ40と対向する回転軸20またはポールピース30の間に備えられて当該部分を密封するための構成であり、公知の様々な磁性流体が適用され得る。
【0036】
永久磁石70としては、公知の様々な永久磁石の配置および形が適用され得、本実施形態においては、一対のポールピース31、32に配置されて磁性回路を形成する。
【0037】
すなわち、本発明においては、一般的に空き空間として形成される空間に一般的なOリングなどの遮断部材60を備えるだけで磁性流体シールの流失、劣化などを効果的に防止できる。
【0038】
図2および
図3は、本発明の第1実施形態の磁性流体シールの変形した形態を概略的に示す図である。
【0039】
図2および
図3を参照すると、遮断部材60が収容されるトレンチの間の第1空間は、様々な位置に形成され得る。前記第1実施形態のように、ポールピース31の前方に形成されるトレンチ40の間の第1空間S1に備えられ得る。そして、
図2に示すように、ポールピース31の中間に形成されるトレンチの間の第1空間S3、
図3に示すように、2つのポールピース31、32のうち、いずれか1つのポールピース32と対向するように備えられるトレンチ40の間の空間S4に形成され得る。
【0040】
図4は、本発明の第2実施形態の磁性流体シールの構造を概略的に示す図である。
【0041】
本実施形態の磁性流体シールの全体構成は、前述した第1実施形態と同様であり、以下、相違点を中心に説明する。
【0042】
図4を参照すると、本実施形態においては、遮断部材60が収容される遮断部材収容溝131aが別の構成で形成される。すなわち、前記第1実施形態においては、磁性流体50を備えるためのトレンチ40の間の空間を活用して遮断部材60を配置したが、本実施形態においては、トレンチ40の間の空間とは異なる別個の遮断部材収容溝131aを形成する。
【0043】
遮断部材収容溝131aは、磁性流体50が真空側に流失することを防止するために真空側の一番前方に形成されることが好ましい。そして、ポールピース130に形成されてもよく、回転軸20に形成されてもよいが、本実施形態においては、ポールピース131に別の構成で遮断部材収容溝131aが形成される。
【0044】
図5は、本発明の第3実施形態の磁性流体シールの構造を概略的に示す図である。
【0045】
本実施形態の磁性流体シールの全体構成は、前述した実施形態と同様であり、以下、相違点を中心に説明する。
【0046】
図5を参照すると、本実施形態においては、2つのポールピース231、232が備えられる。そして、遮断部材60は、2つのポールピースのうち、いずれか1つにのみ備えられ得る。そして、遮断部材60が備えられるポールピースは、遮断部材が備えられていないポールピースよりも大きさを小さく形成し得、これにより全体的な磁性流体シールの大きさを小さく作製できるようになる。
【0047】
一般に、トレンチ40によって磁性流体50が複数層密封される構造が形成される。結局、遮断部材60が備えられるポールピース232の場合、磁性流体50によるシーリングと遮断部材60を用いた機構的なシーリングが行われることになり、磁性流体50のみで密封される場合と対比する場合、トレンチ40の数を少なくしながらも類似の密封性能を発揮することができる。
【0048】
図6は、本発明の第4実施形態の磁性流体の構造を概略的に示す図であり、
図7は、本発明の第5実施形態の磁性流体の構造を概略的に示す図であり、
図8は、本発明の第6実施形態の磁性流体の構造を概略的に示す図である。
【0049】
図6~
図8を参照すると、磁性流体シールの場合、前記第1実施形態ないし第3実施形態のように、回転軸10とポールピース530との間に磁性流体によって密封される構造と異なり、ハウジング10の内側面とポールピース530との間が密封されることができる。
【0050】
すなわち、
図6を参照すると、本発明の第4実施形態において、トレンチ140は、ハウジング10とポールピース330との間に備えられ、具体的に、本実施形態においては、2つのポールピース331、332の外径の周りに沿って凹溝330aを形成しつつ、複数のトレンチ140を形成することになる。
【0051】
そして、遮断部材60の位置は、前述した第1実施形態のように、複数のトレンチ140の間に形成される溝のうちの1つに配置される。
【0052】
図7を参照すると、本発明の第5実施形態におけるトレンチ140は、ハウジング10とポールピース430との間に備えられ、具体的に、本実施形態においては、2つのポールピース431、432の外径に沿って凹溝430aを形成しつつ、複数のトレンチ140を形成することになる。
【0053】
そして、本実施形態においては、前記第2実施形態のように別個の遮断部材収容溝120aがハウジング120の内側面の周りに沿って形成され、遮断部材60が収容される。
【0054】
図8を参照すると、本発明の第6実施形態のトレンチ140は、ハウジング10とポールピース530との間に形成される。具体的に、本実施形態においては、2つのポールピース531、532の外径に沿って凹溝530aを形成しつつ、複数のトレンチ140を形成することになる。
【0055】
そして、本実施形態において、前記第3実施形態のように、遮断部材60が備えられるポールピースは、遮断部材が備えられていないポールピースよりも大きさを小さく形成し得、これにより全体的な磁性流体シールの大きさを小さく製作できるようになる。
【0056】
以上、本発明による実施形態に基づいて本発明の構成および特徴を説明したが、本発明は、これに限定されず、本発明の思想と範囲内で様々に変更または変形できることは、本発明が属する技術分野の当業者には明らかであり、したがって、このような変更または変形は、添付の特許請求の範囲に属することを明らかにする。
【符号の説明】
【0057】
10:ハウジング
20:回転軸
30:ポールピース
40:トレンチ
50:磁性流体
60:遮断部材
70:永久磁石
【外国語明細書】