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特開2024-76943水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器及びその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076943
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 8/80 20210101AFI20240530BHJP
   F24F 6/00 20060101ALI20240530BHJP
   F24F 6/04 20060101ALI20240530BHJP
   F24F 8/24 20210101ALI20240530BHJP
   F24F 8/26 20210101ALI20240530BHJP
   A61L 9/12 20060101ALI20240530BHJP
   C02F 1/461 20230101ALI20240530BHJP
【FI】
F24F8/80 145
F24F6/00 D
F24F6/00 E
F24F6/04
F24F6/00 C
F24F6/00 A
F24F6/00 G
F24F8/24
F24F8/26
F24F8/80 400
F24F8/80 150
F24F8/80 155
A61L9/12
C02F1/461 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005410
(22)【出願日】2023-01-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-05-29
(31)【優先権主張番号】202211452980.X
(32)【優先日】2022-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520066924
【氏名又は名称】▲蘇▼州▲貝▼昂智能科技股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】路 ▲堯▼▲遠▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲義▼▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 辰辰
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲鴻▼▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】章 ▲海▼芸
【テーマコード(参考)】
3L055
4C180
4D061
【Fターム(参考)】
3L055BA01
3L055DA07
3L055DA10
3L055DA11
4C180AA07
4C180AA10
4C180CA06
4C180EA17X
4C180EA58X
4C180GG13
4C180GG17
4C180HH01
4C180HH05
4C180KK03
4C180LL06
4D061DA02
4D061DA03
4D061DB09
4D061EA02
4D061EB02
4D061EB04
4D061EB14
4D061EB37
4D061EB38
4D061EB39
4D061GA04
4D061GA05
4D061GA09
4D061GB04
4D061GC11
4D061GC20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器及びその使用方法を提供する。
【解決手段】水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、液体通路と、加湿器本体を貫通する気体通路とが形成され、前記液体通路の出口が前記気体通路と合流している加湿器本体と、前記液体通路の入口に設置された貯水部材と、前記貯水部材と連通する電気分解アセンブリと、前記液体通路の出口に設置された蒸発フィルタ部材と、前記気体通路の経路上に設置されたファンアセンブリと、前記電気分解アセンブリ及び前記ファンアセンブリと接続された電子制御アセンブリと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器において、前記水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、
液体通路と、加湿器本体を貫通する気体通路とが形成され、前記液体通路の出口が前記気体通路と合流している加湿器本体と、
前記液体通路の入口に設置され、水溶液を収容するために用いられる貯水部材と、
前記貯水部材と連通し、前記水溶液を電気分解して殺菌機能を有する次亜塩素酸イオン及び/またはオゾンを含む電解水を形成するための電気分解アセンブリと、
前記液体通路の出口に設置され、前記液体通路を経由して搬送された前記電解水を吸収し、前記気体通路の出口に向かって水蒸気を蒸発させるための蒸発フィルタ部材と、
前記気体通路の経路上に設置され、回転することによって前記気体通路内に気流を形成し、それにより前記蒸発フィルタ部材による前記水蒸気の蒸発を加速させるファンアセンブリと、
前記電気分解アセンブリ及び前記ファンアセンブリと接続され、前記水蒸気を前記加湿器本体の外部に搬送することを制御する電子制御アセンブリと、を含み、
前記電子制御アセンブリには、電気分解前の前記水溶液に対してTDS検出を行うための水質検出モジュールが形成されており、前記電子制御アセンブリが、検出したTDSパラメータに基づいて前記電気分解アセンブリの電気分解強度を調整し、前記電解水中の次亜塩素酸イオン及び/またはオゾンを所定の濃度に達させており、
環境温度を収集し、かつ温度パラメータを前記水質検出モジュールにフィードバックするための、前記電子制御アセンブリと接続された温度検出部材をさらに含み、前記水質検出モジュールは、前記温度検出部材が検出した温度パラメータに基づいて補償を行うことにより、補償後のTDSパラメータを前記電子制御アセンブリにフィードバックし、前記電子制御アセンブリに、補償後のTDSパラメータに基づいて前記電気分解アセンブリの電気分解強度を調整させることを特徴とする、水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器。
【請求項2】
前記水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、前記電子制御アセンブリと接続されたポンプ部材をさらに含み、
前記蒸発フィルタ部材は前記貯水部材の上方に設置され、前記ポンプ部材は前記貯水部材と前記蒸発フィルタ部材の間の前記液体通路上に設置されており、前記ポンプ部材が前記電解水を前記蒸発フィルタ部材まで搬送して前記蒸発フィルタ部材を湿らせるために用いられることを特徴とする、請求項1に記載の蒸発型加湿器。
【請求項3】
前記ポンプ部材が前記電解水のポンピングを停止した後、前記ファンアセンブリが所定の時間だけ引き続き回転して、前記蒸発フィルタ部材上の前記電解水を完全に蒸発させることを特徴とする、請求項2に記載の蒸発型加湿器。
【請求項4】
前記水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、前記貯水部材内の水位の高さを検出するとともに、水位パラメータを前記電子制御アセンブリにフィードバックして、前記電気分解アセンブリの電気分解強度及び電気分解時間を調整するための、前記電子制御アセンブリと接続された水位検出アセンブリをさらに含み、
前記水位検出アセンブリは、磁気フロートと、前記磁気フロートの所在する位置を感知することができる水位感知部材を含み、前記磁気フロートは前記貯水部材の内部に設置され、かつ液面上を浮遊することができ、前記水位感知部材は前記貯水部材の外壁に設置され、かつ前記磁気フロートを感知するための感知領域が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の蒸発型加湿器。
【請求項5】
前記貯水部材内にセパレータを設置することにより、前記磁気フロートを前記水位感知部材の前記感知領域内に設置しており、前記セパレータと前記貯水部材の底部に隙間を形成することにより、前記電解水を通過させて、前記セパレータ両側の水位の高さを一致させており、
前記磁気フロートが設置されている部分の前記貯水部材の底部が陥没することにより、前記磁気フロートを収容するための沈設キャビティが形成され、前記磁気フロートの高さが前記沈設キャビティの高さを超えないことを特徴とする、請求項4に記載の蒸発型加湿器。
【請求項6】
前記水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、前記水位検出アセンブリと接続された警告部材をさらに含み、前記貯水部材内の水位が安全水位線を下回ると、前記警告部材が警告信号を発することを特徴とする、請求項4に記載の蒸発型加湿器。
【請求項7】
前記電子制御アセンブリは、互いに連通する電源モジュールと、制御モジュールと、収集フィードバックモジュールとを含み、前記収集フィードバックモジュールは、受信したパラメータを制御信号に変換して前記制御モジュールに伝送することにより、前記制御モジュールに、前記電源モジュールの通電時間及び通電強度に対する制御を行わせることができることを特徴とする、請求項1に記載の蒸発型加湿器。
【請求項8】
蒸発型加湿器の使用方法であって、
貯水部材内に水溶液を注入するステップと、
温度検出部材が水溶液の置かれている環境温度を検出し、検出した温度パラメータを水質検出モジュールにフィードバックするステップと、
水質検出モジュールが温度検出部材からフィードバックされた温度パラメータを受信し、環境温度に基づいて水溶液のTDS値を検出することにより、注入する水溶液のタイプを判断するステップであって、
そのうち、水質検出モジュールが水溶液中の導電率Kを測定する場合、温度の影響を受け、25°Cを基準温度とすると、温度が1°C上がるごとに導電率が2%上昇するので、温度パラメータを補償因子としてTDS計算に組み込んだ場合、公式は、
K=K’×(1+0.02×(T-25))となり、
式中、Tは温度検出部材が測定した温度パラメータであり、
K’は温度補償なしの導電率であり、
TDS=K×(0.5~0.7)であり、
TDS<50PPMの場合、水溶液タイプは精製水であり、50PPM≦TDS<200PPMの場合、水溶液タイプはミネラルウォーターであり、200PPM≦TDS<300PPMの場合、水溶液タイプは水道水であるステップと、
電子制御アセンブリが、水溶液タイプに基づいて電気分解アセンブリの電気分解強度を調節し、形成された電解水を殺菌効果の濃度に達成させて、貯水部材内部の殺菌を実現するステップと、
電気分解の過程で、水位検出アセンブリが持続的に貯水部材内の水位を検出して水不足を防止するとともに、貯水量を電子制御アセンブリにフィードバックし、電子制御アセンブリが貯水部材内の貯水量に基づいて電気分解アセンブリの電気分解強度及び電気分解時間を調節して、電解水の濃度のバランスを保持させるステップと、
ポンプ部材が貯水部材内の電解水を蒸発フィルタ部材に噴射して、蒸発フィルタ部材を完全に湿らせることにより、蒸発フィルタ部材に対する殺菌を行い、ファンアセンブリが形成する気流が気体通路を通って蒸発フィルタ部材まで流れることで、空気に対する殺菌を行い、蒸発フィルタ部材が加湿器本体の外部へ水蒸気を送り出すことで、周囲の空気を加湿するステップと、
ファンアセンブリが気体通路に気流を形成させることにより、蒸発フィルタ部材の水蒸気の蒸発を加速させるステップと、
使用の終了後、ポンプ部材が蒸発フィルタ部材への電解水の搬送を停止し、蒸発フィルタ部材上に残留している電解水がすべて蒸発し完全に乾燥するまで、ファンアセンブリが所定の時間だけ引き続き回転するステップと、を含むことを特徴とする、蒸発型加湿器の使用方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は加湿器技術分野、特に水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
加湿器は空気の湿度を調節するための設備であり、既存の蒸発型加湿器は、通常、水によってフィルタコアを直接湿らせ、さらにファンを利用してフィルタコアを通過した気流を室内に送り込むことによって環境湿度を上昇させるというものであるが、ミストフリー、水質要求の低さ及び省エネといった優位性を有するため、ますます消費者に歓迎されている。
【0003】
しかし、従来の蒸発式加湿器は、タンク内の水がかなり長く放置されるので、細菌が繁殖し、残りの水に異物や異臭が発生し、それによってタンクが汚染されることがあるので、タンクを徹底的に清掃して使い続けなければ、細菌がフィルタコアや加湿器の外部にまでもたらされ、環境の汚染源を形成してしまう。
【0004】
また、フィルタコアを水の中に浸し、サイフォン効果によって湿らせているが、サイフォン効果では水がフィルタコア繊維の隅々まで浸潤することを保証できず、しかもタンク内の水が加湿の過程でゆっくりと消費されるにつれて、水深が浅くなり、フィルタコアの吸引不足が生じて、その表面の湿度にムラが出るので、乾湿境界部に最も細菌が発生しやすく、細菌が繁殖すると空気中に撒き散らされるので、使用者の健康を脅かし、使用者の罹病リスクを高めてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この点に鑑み、本願では、水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器及びその使用方法を提供することにより、既存の蒸発型加湿器において、内部に細菌が繁殖しやすく、かつ細菌が蒸発器の加湿過程で空気中に撒き散らされて環境を汚染することで、使用者の健康を脅かし、使用者の罹病リスクを高めるという問題を解決することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の面では、水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器を提供しており、そのうち、前記水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、
液体通路と、加湿器本体を貫通する気体通路とが形成され、前記液体通路の出口が前記気体通路と合流している加湿器本体と、
前記液体通路の入口に設置され、水溶液を収容するための貯水部材と、
前記貯水部材と連通し、前記水溶液を電気分解して殺菌機能を有する次亜塩素酸イオン及び/またはオゾンを含む電解水を形成するための電気分解アセンブリと、
前記液体通路の出口に設置され、前記液体通路を経由して搬送された前記電解水を吸収し、前記気体通路の出口に向かって水蒸気を蒸発させるための蒸発フィルタ部材と、
前記気体通路の経路上に設置され、回転することによって前記気体通路内に気流を形成し、それにより前記蒸発フィルタ部材による前記水蒸気の蒸発を加速させるファンアセンブリと、
前記電気分解アセンブリ及び前記ファンアセンブリと接続され、前記水蒸気を前記加湿器本体の外部に搬送することを制御する電子制御アセンブリと、を含む。
【0007】
好適には、前記水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、前記電子制御アセンブリと接続されたポンプ部材をさらに含み、
前記蒸発フィルタ部材は前記貯水部材の上方に設置され、前記ポンプ部材は前記貯水部材と前記蒸発フィルタ部材の間の前記液体通路上に設置されており、前記ポンプ部材は前記電解水を前記蒸発フィルタ部材まで搬送して、前記蒸発フィルタ部材を湿らせるために用いられる。
【0008】
好適には、前記ポンプ部材が前記電解水のポンピングを停止した後も、前記ファンアセンブリが所定の時間だけ引き続き回転して、前記蒸発フィルタ部材上の前記電解水を完全に蒸発させる。
【0009】
好適には、前記電子制御アセンブリは、電気分解前の前記水溶液に対してTDS検出を行うための水質検出モジュールが形成されており、前記電子制御アセンブリが、検出したTDSパラメータに基づいて前記電気分解アセンブリの電気分解強度を調整し、前記電解水中の次亜塩素酸イオン及び/またはオゾンを所定の濃度に到達させる。
【0010】
好適には、前記水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、環境温度を収集し、かつ温度パラメータを前記水質検出モジュールにフィードバックするための、前記電子制御アセンブリと接続された温度検出部材をさらに含み、前記水質検出モジュールは、前記温度検出部材が検出した温度パラメータに基づいて補償を行うことにより、補償後のTDSパラメータを前記電子制御アセンブリにフィードバックし、前記電子制御アセンブリに、補償後のTDSパラメータに基づいて前記電気分解アセンブリの電気分解強度を調整させる。
【0011】
好適には、前記水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、前記貯水部材内の水位の高さを検出するとともに、水位パラメータを前記電子制御アセンブリにフィードバックして、前記電気分解アセンブリの電気分解強度及び電気分解時間を調整するための、前記電子制御アセンブリと接続された水位検出アセンブリをさらに含み、
前記水位検出アセンブリは、磁気フロートと、前記磁気フロートの所在する位置を感知することができる水位感知部材を含み、前記磁気フロートは前記貯水部材の内部に設置され、かつ液面上を浮遊することができ、前記水位感知部材は前記貯水部材の外壁に設置され、かつ前記磁気フロートを感知するための感知領域が形成されている。
【0012】
好適には、前記貯水部材内にセパレータを設置することにより、前記磁気フロートを前記水位感知部材の前記感知領域内に設置しており、前記セパレータと前記貯水部材の底部に隙間を形成することにより、前記電解水を通過させて、前記セパレータ両側の水位の高さを一致させており、
前記磁気フロートが設置されている部分の前記貯水部材の底部が陥没していることにより、前記磁気フロートを収容するための沈設キャビティが形成され、前記磁気フロートの高さは前記沈設キャビティの高さを超えない。
【0013】
好適には、前記水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、前記水位検出アセンブリと接続された警告部材をさらに含み、前記貯水部材内の水位が安全水位線を下回ると、前記警告部材が警告信号を発する。
【0014】
好適には、前記電子制御アセンブリは互いに連通する電源モジュールと、制御モジュールと、収集フィードバックモジュールとを含み、前記収集フィードバックモジュールは、受信したパラメータを制御信号に変換して前記制御モジュールに伝送することにより、前記制御モジュールに、前記電源モジュールの通電時間及び通電強度に対する制御を行わせることができる。
【0015】
本発明の第二の面では蒸発型加湿器の使用方法を提供しており、上記の任意の技術手法に記載されている水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器に応用される。
前記蒸発型加湿器の使用方法は、
貯水部材内に水溶液を注入するステップS10と、
温度検出部材が水溶液の置かれている環境温度を検出し、検出した温度パラメータを水質検出モジュールにフィードバックするステップS20と、
水質検出モジュールが温度検出部材からフィードバックされた温度パラメータを受信し、環境温度に基づいて水溶液のTDS値を検出することにより、注入する水溶液のタイプを判断するステップであって、
そのうち、水質検出モジュールが水溶液中の導電率Kを測定する場合、温度の影響を受け、25°Cを基準温度とすると、温度が1°C上がるごとに導電率が2%上昇するので、温度パラメータを補償因子としてTDS計算に組み込んだ場合、公式は、
K=K’×(1+0.02×(T-25))となり、
式中、Tは温度検出部材が測定した温度パラメータであり、
K’は温度補償なしの導電率であり、
TDS=K×(0.5~0.7)であり、
TDS<50PPMの場合、水溶液タイプは精製水であり、50PPM≦TDS<200PPMの場合、水溶液タイプはミネラルウォーターであり、200PPM≦TDS<300PPMの場合、水溶液タイプは水道水であるステップS30と、
電子制御アセンブリが、水溶液のタイプに基づいて電気分解アセンブリの電気分解強度を調節し、形成された電解水を殺菌効果の濃度に達成させて、貯水部材内部の殺菌を実現するステップS40と、
電気分解の過程で、水位検出アセンブリが持続的に貯水部材内の水位を検出して水不足を防止するとともに、貯水量を電子制御アセンブリにフィードバックし、電子制御アセンブリが貯水部材内の貯水量に基づいて電気分解アセンブリの電気分解強度と電気分解時間を調節して、電解水の濃度のバランスを保持させるステップS50と、
ポンプ部材が貯水部材内の電解水を蒸発フィルタ部材に噴射して、蒸発フィルタ部材を完全に湿らせることにより、蒸発フィルタ部材に対する殺菌を行い、ファンアセンブリが形成する気流が気体通路を通って蒸発フィルタ部材まで流れることで、空気の殺菌を行い、蒸発フィルタ部材が加湿器本体の外部へ水蒸気を送り出すことで、周囲の空気を加湿するステップS60と、
ファンアセンブリが気体通路に気流を形成させることにより、蒸発フィルタ部材の水蒸気の蒸発を加速させるステップS70と、
使用の終了後、ポンプ部材が蒸発フィルタ部材への電解水の搬送を停止し、蒸発フィルタ部材上に残留している電解水がすべて蒸発し完全に乾燥するまで、ファンアセンブリが所定の時間だけ引き続き回転するステップS80と、を含む。
【0016】
従来技術と比較して、本発明の有益な効果は以下の通りである。
【0017】
本発明の水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、電気分解アセンブリによって貯水部材内の水溶液を電気分解することで、次亜塩素酸イオン及び/またはオゾンを含む電解水を形成し、それに殺菌効果を持たせており、そのようにすることで、貯水部材内部及び蒸発フィルタ部材にカビや菌が発生することを抑制しており、また、外部の空気に対して消毒、浄化を行うこともでき、これによって使用者の居る空気環境を有効的に改善し、使用者の罹病リスクを引き下げている。
【0018】
本願の上記の目的、特徴及び長所をより明確かつ理解しやすくするために、以下では好適な実施例を挙げ、添付している図面と組み合わせて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の具体的実施形態または従来技術における技術手法をより明確に説明するために、以下では、具体的実施形態または従来技術の記述において使用する必要がある図面について簡単に説明する。
以下に記述する図面は本発明のいくつかの実施形態であり、当業者であれば、創造的な労働を伴わないことを前提に、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができることは自明である。
図1図1は、本発明の実施例で提供する水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器の構造断面図である。
図2図2は、図1のA部分の拡大図である。
図3図3は、本発明の実施例で提供する水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器のシステム制御概略図である。
図4図4は、本発明の実施例で提供する水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器の気体流通経路の概略図である。
図5図5は、本発明の実施例で提供する水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器の液体流通経路の概略図である。
【0020】
符号:10-加湿器本体;11-気体通路;12-液体通路;20-貯水部材;21-セパレータ;22-沈設キャビティ;30-電気分解アセンブリ;40-蒸発フィルタ部材;50-ファンアセンブリ;60-電子制御アセンブリ;70-ポンプ部材;71-ノズル;80-温度検出部材;90-水位検出アセンブリ;91-磁気フロート;92-水位感知部材。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の具体的実施形態を提供することにより、読者がここに記述されている方法、設備及び/またはシステムを全面的に理解することを助ける。
本願の公開内容を理解した後では、ここに記述されている方法、設備及び/またはシステムの各種の変更、修正及び同等物が自明のものとなるであろう。
例えば、ここで記述されている操作の順序は一例にすぎず、ここで述べている順序に限定されるものではなく、特定の順序で発生させる必要のある操作を除き、本願の公開内容を理解した後に自明となる変更を行うことができる。
また、明確さと簡潔さを向上させるために、本分野において既知の特徴の記述を省略することができる。
【0022】
ここに記述されている特徴は、異なる形式で実施することができ、かつここに記述されている例に限定されると解釈してはならない。
より正確に言うと、ここに記述されている例は、本願の公開内容を理解した後に自明となる、ここに記述されている方法、設備及び/またはシステムを実現するための様々な実行可能な形態の中の一部を示すために用いられるにすぎない。
【0023】
明細書全体において、素子(例えば、層、領域または基板など)がもう1つの素子「上」に「ある」、もう1つの素子に「接続されている」、もう1つの素子に「結合されている」、もう1つの素子「の上」に「ある」、またはもう1つの素子を「被覆している」と記述されている場合は、直接的に、もう1つの素子「上」に「ある」、もう1つの素子に「接続されている」、もう1つの素子に「結合されている」、もう1つの素子「の上」に「ある」、またはもう1つの素子を「被覆している」としてもよいし、またはそれらの間に介在する1つまたは複数のその他の素子が存在してもよい。
それと比較して、素子が「直接」もう1つの素子「上にある」、もう1つの素子に「直接接続されている」、もう1つの素子に「直接結合されている」、「直接」もう1つの素子「の上にある」、またはもう1つの素子を「直接被覆している」と記述されている場合は、それらの間に介在する他の素子が存在しなくてもよい。
【0024】
ここで使用されているように、用語の「及び/または」は、列記されている関連項目のうちの任意の1つ、及び任意の2つ以上の項目の任意の組み合わせを含む。
【0025】
ここでは、「第1」、「第2」及び「第3」などの用語を使用して、各構成部材、アセンブリ、領域、層または部分を記述することはできるが、これらの構成部材、アセンブリ、領域、層または部分は、これらの用語による制限を受けない。
より正確に言うと、これらの用語は、1つの構成部材、アセンブリ、領域、層または部分を、他の構成部材、アセンブリ、領域、層または部分と区別するためにのみ用いられる。よって、例示による指示を逸脱しない状況において、ここに記述されている例における第1の構成部材、アセンブリ、領域、層または部分は、第2の構成部材、アセンブリ、領域、層または部分と呼ぶこともできる。
【0026】
記述しやすいように、ここでは「....の上」、「上部」、「....の下」及び「下部」などの空間関係の用語を用いて、図面に示されている1つの素子ともう1つの素子との関係を述べることができる。このような空間関係の用語の意図には、図面に描写されている方位のほかに、装置の使用または操作における様々な方位も含まれている。
例えば、図面の中の装置が反転させられた場合、もう1つの素子に対して「その上」または「上部」に位置すると記載されている素子は、その後、もう1つの素子に対して「その下」または「下部」に位置することになる。
よって、「....の上」という用語は、装置の空間方位に基づいて、「....の上」及び「....の下」という2種類の方位を含む。前記の装置は他の形態で位置決めすることもでき(例えば、90度回転させたり、別の方位に置いたり)、かつここで使用される空間関係の用語に対して相応の解釈を行うこともできる。
【0027】
ここで使用する用語は各種の例を説明するためにのみ用いられるものであり、本開示を限定するものではない。
上下の文脈に別途明確に示されていない限り、単数の形式は複数の形式を含むことも意図している。
用語の「含む」、「含有する」及び「有する」は、述べられている特徴、数量、操作、構成部材、素子及び/またはそれらの組み合わせの存在を列挙しているが、1つまたは複数の他の特徴、数量、操作、構成部材、素子及び/またはそれらの組み合わせの存在または投入を排除するものではない。
【0028】
製造技術及び/または公差により、図面に示されている形状の変化が生じる可能性がある。
よって、ここに記載されている例は、図面に示されている特定の形状に限定されるものではなく、製造期間中に発生する形状の変更を含むものである。
【0029】
ここに記述されている例の特徴は、本願の公開内容を理解した後に自明となる各種の形態に基づいて組み合わせることができる。
また、ここに記述されている例は様々な構造を有しているが、本願の公開内容を理解した後で自明となるように、他の構造も可能である。
【0030】
本発明に基づいて提供される水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、加湿器本体10と、貯水部材20と、電気分解アセンブリ30と、蒸発フィルタ部材40と、ファンアセンブリ50と、電子制御アセンブリ60とを含む。
【0031】
以下の文中では、本実施例に基づく水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器の上記部材の具体的な構成について述べる。
【0032】
本実施例において、図1図4及び図5に示すように、加湿器本体10には液体通路12と加湿器本体10を貫通する気体通路11が形成されており、液体通路12の出口は気体通路11と合流しており、これによって加湿器本体10の内部と外部に循環する気流を形成させており、液体通路12の末端の蒸発型加湿器は、液体を蒸発させて水蒸気に変換することができ、水蒸気は気体通路11内の気流に沿って加湿器本体10の外部に送られて、使用者の居る空気環境に対して加湿を行う。
【0033】
加湿器の加湿効果を向上させるために、本実施例では、図1図4及び図5に示すように、気体通路11の出口は、好適には加湿器本体10の頂部に設置され、加湿作用を有する水蒸気が加湿器本体10の頂部から蒸発し、周囲の環境に拡散するようにしている。
気体通路11の入口を加湿器本体10の底部に設置することで、気体通路11が下から上に向かって加湿器本体10を貫通するようにできる。
【0034】
好適な実施形態では、気体通路11は、環状構造として形成することにより、水蒸気の蒸発速度を向上させ、かつ水蒸気を四方へ拡散させて、蒸発型加湿器の加湿効果を向上させることができる。
また、気体通路11の数は、加湿器の出力及び加湿効果に基づいて、1つまたは複数として設定することができる。
【0035】
本実施例では、図1図4及び図5に示すように、貯水部材20は液体通路12の入口に設置され、水溶液を収容するために用いられており、貯水部材20内部の水溶液は、液体通路12を経由して蒸発フィルタ部材40まで搬送され、貯水部材20は円筒状及び四角いボックス状の中空体構造として形成することができ、水溶液または下記の電解水を貯蔵する能力さえ備えていればよい。
【0036】
説明しておかなければならないが、貯水部材20中の水溶液は、使用者が使用する前に手動で投入した、または前回の使用で残った液体であり、該液体は市が供給する水道水やミネラルウォーター、または精製水などであってよい。
【0037】
本実施例では、図1図5に示すように、電気分解アセンブリ30は貯水部材20と連通しており、水溶液を電気分解して電解水を形成するために用いられており、電気分解アセンブリ30は陽極と陰極を含み、電解水内には殺菌機能を有する次亜塩素酸イオン及び/またはオゾンが含まれており、貯水部材20、蒸発フィルタ部材40及び外部の空気に対する殺菌を行う。次亜塩素酸イオン及び/またはオゾンが経由する部分は、いずれも該部分に対して殺菌機能を実現することができる。使用者が貯水部材20内に投入する液体は、市が供給する水道水、ミネラルウォーターまたは精製水などである可能性があり、その中のいずれもが、異なる量の塩素イオン(Cl)を含んでおり、鉱物質の溶解による場合もあれば、塩素消毒による塩素イオンの場合もある。電気分解により次亜塩素酸イオンを形成する反応式は次の通りである。
陽極反応:
2Cl→Cl+2e
Cl+HO→HClO+HCl
HClO<==>ClO+H
HClO→O+Cl+H
ClO→O+Cl
陰極反応:
2H+2e→H
水溶液は電気分解過程でオゾン(O)を生成することができ、発生する反応は以下の通りである。
陽極主反応:
3HO→O+6H+6e
陽極副反応:
2HO→O+4H+4e
陰極水素析出反応:
H++2e→H
陰極酸素還元反応:
+4H+4e→2H
【0038】
本実施例では、図1図5に示すように、蒸発フィルタ部材40は液体通路12の出口に設置されており、液体通路12を経由して搬送される電解水を吸収して気体通路11の出口に向かって水蒸気を蒸発させるために用いられている。
蒸発フィルタ部材40は貯水部材20の上方に設置することができ、蒸発フィルタ部材40が吸収する電解水が比較的多い場合、電解水は重力を受けて循環し、貯水部材20内に戻ることができる。
【0039】
好適な実施形態では、蒸発フィルタ部材40は液体通路12と気体通路11の合流部分に設置され、蒸発フィルタ部材40の寸法が合流部分の寸法と整合することで、液体通路12と気体通路11の合流部分を塞ぎ、加湿器本体10外部から気体通路11の空気を吸入する場合に必ず蒸発フィルタ部材40を経由するようにしている。
【0040】
こうすることで、吸入した空気の殺菌を行い、それにより周辺環境を改善しており、また排出する水蒸気が細菌をもたらすことを防止することもできるので、使用者の罹病確率を引き下げ、使用者のアレルギーや風邪などの疾病情況の重症化を防止している。
【0041】
本実施例では、図1図5に示すように、ファンアセンブリ50が気体通路11の経路上に設置されており、ファンアセンブリ50が回転することにより気体通路11内に気流を形成し、それにより蒸発フィルタ部材40による水蒸気の蒸発を加速させている。好適な実施形態では、ファンアセンブリ50は蒸発フィルタ部材40の上方に、蒸発フィルタ部材40と対応して設置されており、こうすることで蒸発フィルタ部材40が水蒸気を蒸発させる速度を有効的に加速させている。
【0042】
また、実施例では、図4に示すように、ファンアセンブリ50は駆動部材とブレードを含み、駆動部材には回転モータを選択することができ、ブレードは複数枚設置することができる。説明しておかなければならないが、駆動部材の出力とブレードの数及び/または寸法などのパラメータを変更することによって、ファンアセンブリ50が形成する風量の大きさを制御することができ、これによって気体通路11内の気流の流通速度が加湿器の需要を満たすようにしている。
【0043】
本実施例では、図1図5に示すように、電子制御アセンブリ60は電気分解アセンブリ30及びファンアセンブリ50と接続され、電気分解アセンブリ30を制御して貯水部材20内の水溶液を電解水に変換しており、電解水は蒸発フィルタ部材40において水蒸気となって蒸発することができ、ファンアセンブリ50が回転して蒸発フィルタ部材40内の水蒸気が素早く加湿器本体10の外部に送り出されることを補助している。
【0044】
本実施例では、図1図5に示すように、電子制御アセンブリ60は、互いに連通する電源モジュールと、制御モジュールと、収集フィードバックモジュールとを含み、電子制御アセンブリ60は貯水部材20の下方に設置することができ、そのうち、電源モジュールは電池または外付け電源であってよく、制御モジュール及び収集フィードバックモジュールはシングルチップマイコンコントローラであってよい。
【0045】
収集フィードバックモジュールは、受信したパラメータを制御信号に変換し、かつ制御モジュールに伝送することができ、それにより制御モジュールに電源モジュールの通電時間及び通電強度に対する制御を行わせる。
【0046】
本実施例では、図1及び図5に示すように、貯水部材20内の電解水を蒸発フィルタ部材40に搬送するために、水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、電子制御アセンブリ60と接続されたポンプ部材70をさらに含み、ポンプ部材70は、電力駆動のポンプを採用して、電子制御アセンブリ60がポンプ部材70の起動及び停止、及びポンプ部材70のポンピング量(水圧)を制御できるようにすることができる。
【0047】
蒸発フィルタ部材40は貯水部材20の上方に設置され、ポンプ部材70は貯水部材20と蒸発フィルタ部材40の間の液体通路12上に設置されており、貯水部材20の底部には電解水出口を設置することができ、ポンプ部材70は電解水出口部分に設けられ、ポンプ部材70は電解水を蒸発フィルタ部材40まで搬送して蒸発フィルタ部材40を湿らせるために用いられる。
【0048】
好適な実施形態では、図1に示すように、ポンプ部材70と蒸発フィルタ部材40との間の液体通路12上には、さらにノズル71が設置されており、ノズル71上に液体流通経路方向に沿って貫通する複数の貫通孔を形成することにより、ポンプ部材70がポンピングする水柱を、ノズル71を経て拡散させ、かつ蒸発フィルタ部材40上に噴射することにより、蒸発フィルタ部材40を均等に湿らせて、蒸発型加湿器の加湿効果を向上させており、また、蒸発フィルタ部材40に乾湿境界部ができることを防止して、蒸発フィルタ部材40にカビや菌が発生することを防止することもできる。
【0049】
本実施例では、図1図5に示すように、蒸発型加湿器が動作を停止すると(使用者が自主的に加湿の停止を選択した状態、及び貯水部材20内に水不足が生じて加湿器が受動的に動作を停止した状態を含む)、ポンプ部材70が電解水のポンピングを停止した後も、ファンアセンブリ50が所定の時間だけ引き続き回転し、蒸発フィルタ部材40上に残留している電解水を完全に蒸発させる。
これにより、加湿器を使用していない状況で、湿った蒸発フィルタ部材40にカビや菌が発生しやすいことを防止している。
【0050】
説明しておかなければならないが、該所定の時間は、ファンアセンブリ50が形成する風量と蒸発フィルタ部材40の吸水効果に基づいて設定することができ、加湿器が加湿を停止した後、ファンアセンブリ50が蒸発フィルタ部材40を完全に乾燥させることを保証できれば、所定の時間は1分でもよい。
【0051】
電気分解アセンブリ30が形成する電解水を必要な殺菌効果濃度に到達させるために、本実施例では、電子制御アセンブリ60に水質検出モジュールが形成されており、水質検出モジュールは電気分解前の水溶液にTDS検出を行って、水溶液のTDS値を検出し、かつ検出したTDS値に基づいて使用者が貯水部材20内に投入した水溶液が概ね市の供給する水道水か、またはミネラルウォーターか、または精製水などであるかを判断し、電子制御アセンブリ60が、検出したTDSパラメータに基づいて、電気分解アセンブリ30の電気分解強度を調整し、電解水中の次亜塩素酸イオン及び/またはオゾンを所定の濃度に到達させることで、対応する、細菌などの微生物を消滅させることのできる電解水濃度要求に到達させる。
【0052】
具体的には、TDS=導電率×(0.5~0.7)であり、電子制御アセンブリ60は電気分解アセンブリ30の正負極間の電流の検出を行う。導電率=電流/電圧である。
【0053】
説明しておかなければならないが、上記の制御モジュールと収集フィードバックモジュールが組み合わされて、水質検出モジュールのTDS検出機能を実現しており、制御モジュールはTDSパラメータに基づいて電源モジュールを調整しており、即ち、電気分解アセンブリ30の電気分解強度を調整しているのである。
【0054】
さらに説明しておかなければならないが、電子制御アセンブリ60が電気分解アセンブリ30の電気分解強度を調整する手段は、上記の電子制御アセンブリ60内の制御モジュールが電源モジュールの電流または電圧を調節するというものであってよい。
【0055】
電子制御アセンブリ60が電気分解アセンブリ30の電気分解時間を調整する手段は、上記の電子制御アセンブリ60内の制御モジュールが電源モジュールの通電時間を調節するというものであってよい。
【0056】
水質検出モジュールの検出精度を向上させるために、本実施例では、図1及び図3に示すように、水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、環境温度を収集するための、電子制御アセンブリ60と接続された温度検出部材80をさらに含み、温度検出部材80には温度センサを選択することができ、かつ検出した温度パラメータを水質検出モジュールにフィードバックすることができ、水質検出モジュールは、実際の環境温度に基づいて水溶液のTDS検出を行い、これによって水質検出モジュールが水溶液タイプを判断する精度を向上させている。
【0057】
説明しておかなければならないが、検出される環境温度と水溶液の温度はほぼ同じであるため、環境温度を収集するだけでよく、温度検出部材80が長時間水溶液に浸されることを回避するとともに、電気分解アセンブリ30の電気分解過程で温度検出部材80に影響を与えることも回避している。
【0058】
本実施例では、図1図3に示すように、水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、電子制御アセンブリ60と接続された水位検出アセンブリ90をさらに含み、貯水部材20内の水位の高さを検出するために用いられ、かつ水位パラメータを電子制御アセンブリ60にフィードバックすることにより、電気分解アセンブリ30の電気分解強度及び電気分解時間を調整し、電解水の殺菌分子(次亜塩素酸塩イオン及び/またはオゾン)の溶解濃度に相対的なバランスを保持させることによって、有効かつ持続的に殺菌機能を実現し、使用者の健康を保障している。
また、水位検出アセンブリ90は、貯水部材20に水不足による乾燥情況が発生することを回避することもでき、貯水部材20内に安全水位を設定することで、水位が安全水位を下回ると、水位検出アセンブリ90が電子制御アセンブリ60にフィードバックして、電子制御アセンブリ60にポンプ部材70を制御させ、動作を停止させることができる。
【0059】
本実施例では、図1に示すように、水位検出アセンブリ90は、磁気フロート91と、磁気フロート91の所在する位置を感知することができる水位感知部材92とを含み、磁気フロート91は貯水部材20の内部に設置され、かつ液面上を浮遊することができ、水位感知部材92は貯水部材20の外壁に設置され、かつ磁気フロート91を感知するための感知領域が形成されており、水位感知部材92の高さ方向における感知領域は、貯水部材20の頂部から安全水位までに設定することができ、実際の水位が安全水位を下回ると、水位感知部材92はこれを感知できなくなり、水不足の情報フィードバックを発信する。
【0060】
水位感知部材92に磁気フロート91の所在位置を有効に感知させることができるよう、本実施例では、図1に示すように、貯水部材20内にはセパレータ21が設置され、磁気フロート91が水位感知部材92の感知領域内に設置されており、セパレータ21は垂直方向に沿って延伸する板状構造に形成することができ、かつセパレータ21を磁気フロート91に向かって弯曲または曲折する板状構造として形成し、磁気フロート91をセパレータ21に囲まれた垂直領域内でのみ上下に浮動できるようにして、磁気フロート91が貯水部材20内で勝手に浮遊することを防止し、磁気フロート91が常に水位感知部材92の感知領域内にあることを保証することもできる。
【0061】
また、好適な実施形態では、セパレータ21と貯水部材20の底部に電解水を通す隙間を形成し、セパレータ21両側の水位の高さを一致させることにより、水位検出アセンブリ90の水位検出の精度を保証している。
【0062】
また、本実施例では、磁気フロート91は高さ寸法を有する柱状構造として形成されており、安全水位が磁気フロート91の高さ寸法より低ければ、水位感知部材92はその時の実際の水位が安全水位を下回っているか否かを正確に判断することができないので、磁気フロート91部分の貯水部材20の底部に凹みを設けて、磁気フロート91を収容するための沈設キャビティ22を形成しており、磁気フロート91の高さは沈設キャビティ22の高さを超えないので、安全水位が沈設キャビティ22まで下がることはなく、水位検出アセンブリ90による貯水部材20内の実際の水位に対する判断の精度を向上させている。
【0063】
また、本実施例では、水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、水位検出アセンブリ90と接続された警告部材(未表示)をさらに含み、貯水部材20内の水位が安全水位線を下回ると、警告部材が警告信号を発する。
警告部材は表示パネルとして形成することができ、それに対応して、警告信号は、例えば「水が不足しているので、水を入れてください」と提示するなど、警告文字として形成することができる。警告部材は警告ランプとして形成することもでき、水位検出アセンブリ90が、水位が安全水位を下回っていることを検出すると、警告部材が持続的に点灯または明滅する警告信号を発する。
但し、警告部材の警告手段はこれに限定されるわけではなく、使用者にこの時点の加湿器が水不足の状態にあることを示すことができるものであれば、警告音声などの手段を用いてもよい。
【0064】
本発明に基づく水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、水溶液に対して温度検出、TDS検出及び水位検出を行うことができ、かつ検出したパラメータを電子制御アセンブリにフィードバックすることで、電気分解アセンブリの電気分解強度及び電気分解時間を調節し、貯水部材内の水溶液を電気分解して次亜塩素酸イオン及び/またはオゾンを含む電解水を形成するとともに、安定した殺菌濃度を維持しており、このようにすることで、貯水部材内部及び蒸発フィルタ部材にカビや菌が発生することを抑制し、また外部の空気に対して消毒、浄化を行うこともでき、これによって使用者の居る空気環境を有効的に改善し、使用者の罹病リスクを引き下げることができる。
【0065】
本発明の第二の面で提供する蒸発型加湿器の使用方法は、上記の水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器に応用されて実施される。
【0066】
本実施例において、蒸発型加湿器の使用方法は、
貯水部材内に水溶液を注入するステップS10と、
温度検出部材が水溶液の置かれている環境温度を検出し、検出した温度パラメータを水質検出モジュールにフィードバックするステップS20と、
水質検出モジュールが温度検出部材からフィードバックされた温度パラメータを受信し、環境温度に基づいて水溶液のTDS値を検出することにより、注入する水溶液のタイプを判断するステップであって、
そのうち、水質検出モジュールが水溶液中の導電率Kを測定する場合、温度の影響を受け、25°Cを基準温度とすると、温度が1°C上がるごとに導電率が2%上昇するので、温度パラメータを補償因子としてTDS計算に組み込んだ場合、公式は、
K=K’×(1+0.02×(T-25))となり、
式中、Tは温度検出部材が測定した温度パラメータであり、
K’は温度補償なしの導電率であり、
TDS=K×(0.5~0.7)であり、
TDS<50PPMの場合、水溶液タイプは精製水であり、50PPM≦TDS<200PPMの場合、水溶液タイプはミネラルウォーターであり、200PPM≦TDS<300PPMの場合、水溶液タイプは水道水であるステップS30と、
電子制御アセンブリが、水溶液タイプに基づいて電気分解アセンブリの電気分解強度を調節し、形成された電解水を殺菌効果の濃度に達成させて、貯水部材内部の殺菌を実現するステップS40と、
電気分解の過程で、水位検出アセンブリが持続的に貯水部材内の水位を検出して水不足を防止するとともに、貯水量を電子制御アセンブリにフィードバックし、電子制御アセンブリが貯水部材内の貯水量に基づいて電気分解アセンブリの電気分解強度と電気分解時間を調節して、電解水の濃度のバランスを保持させるステップS50と、
ポンプ部材が貯水部材内の電解水を蒸発フィルタ部材に噴射して、蒸発フィルタ部材を完全に湿らせることにより、蒸発フィルタ部材に対する殺菌を行い、ファンアセンブリが形成する気流が気体通路を通って蒸発フィルタ部材まで流れることで空気の殺菌を行い、蒸発フィルタ部材が加湿器本体の外部へ水蒸気を送り出すことで、周囲の空気を加湿するステップS60と、
ファンアセンブリが気体通路に気流を形成させることにより、蒸発フィルタ部材の水蒸気の蒸発を加速させるステップS70と、
使用の終了後、ポンプ部材が蒸発フィルタ部材への電解水の搬送を停止し、蒸発フィルタ部材上に残留している電解水がすべて蒸発し完全に乾燥するまで、ファンアセンブリが所定の時間だけ引き続き回転するステップS80と、を含む。
【0067】
本発明の蒸発型加湿器の使用方法は、制御が簡単で、操作がしやすいという優位性を有しており、電子制御アセンブリによって各部分の素子を制御してスムーズに実行することにより、理想的な電気分解効果を達成し、電解水の濃度のバランスを保ちつつ、殺菌能力を有する有効範囲にあるようにすることで、持続的に殺菌を行うことを実現し、それにより良好な殺菌効果を保証し、使用者の健康のための保障を形成する。
【0068】
最後に説明しておかなければならないが、上記の実施例は本願の具体的な実施形態にすぎず、本願の技術手法を説明するものであって、それを限定するものではなく、本願の保護範囲がこれによって限定されるわけではない。
【0069】
前述の実施例を参照して本願を詳細に説明してきたが、当業者は、本技術分野に精通している技術者であれば、本願で開示されている技術範囲内で、前述の実施例に記載されている技術手法に対して修正や容易に想到可能な変更を行ったり、または技術的特徴の中の一部に対して同等の置換を行ったりすることはできるが、これらの修正、変更または置換は、対応する技術手法の本質を本願の実施例における技術手法の主旨及び範囲から逸脱させるものではなく、すべて本願の保護範囲でカバーされるということを理解しておかなければならない。
よって、本願の保護範囲は、前述の請求の範囲の保護範囲を基準としなければならない。
【符号の説明】
【0070】
10 加湿器本体
11 気体通路
12 液体通路
20 貯水部材
21 セパレータ
22 沈設キャビティ
30 電気分解アセンブリ
40 蒸発フィルタ部材
50 ファンアセンブリ
60 電子制御アセンブリ
70 ポンプ部材
71 ノズル
80 温度検出部材
90 水位検出アセンブリ
91 磁気フロート
92 水位感知部材

図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器において、前記水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、
液体通路と、加湿器本体を貫通する気体通路とが形成され、前記液体通路の出口が前記気体通路と合流している加湿器本体と、
前記液体通路の入口に設置され、水溶液を収容するために用いられる貯水部材と、
前記貯水部材と連通し、前記水溶液を電気分解して殺菌機能を有する次亜塩素酸イオン及び/またはオゾンを含む電解水を形成するための電気分解アセンブリと、
前記液体通路の出口に設置され、前記液体通路を経由して搬送された前記電解水を吸収し、前記気体通路の出口に向かって水蒸気を蒸発させるための蒸発フィルタ部材と、
前記気体通路の経路上に設置され、回転することによって前記気体通路内に気流を形成し、それにより前記蒸発フィルタ部材による前記水蒸気の蒸発を加速させるファンアセンブリと、
前記電気分解アセンブリ及び前記ファンアセンブリと接続され、前記水蒸気を前記加湿器本体の外部に搬送することを制御する電子制御アセンブリと、を含み、
前記電子制御アセンブリには、電気分解前の前記水溶液に対してTDS検出を行うための水質検出モジュールが形成されており、前記電子制御アセンブリが、検出したTDSパラメータに基づいて前記電気分解アセンブリの電気分解強度を調整し、前記電解水中の次亜塩素酸イオン及び/またはオゾンを所定の濃度に達させており、
環境温度を収集し、かつ温度パラメータを前記水質検出モジュールにフィードバックするための、前記電子制御アセンブリと接続された温度検出部材をさらに含み、前記水質検出モジュールは、前記温度検出部材が検出した温度パラメータに基づいて補償を行うことにより、補償後のTDSパラメータを前記電子制御アセンブリにフィードバックし、前記電子制御アセンブリに、補償後のTDSパラメータに基づいて前記電気分解アセンブリの電気分解強度を調整させ
前記蒸発フィルタ部材は、前記貯水部材の直上、且つ前記ファンアセンブリの直下に配置されていることを特徴とする、水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器。
【請求項2】
前記水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、前記電子制御アセンブリと接続されたポンプ部材をさらに含み、
記ポンプ部材は前記貯水部材と前記蒸発フィルタ部材の間の前記液体通路上に設置されており、前記ポンプ部材が前記電解水を前記蒸発フィルタ部材まで搬送して前記蒸発フィルタ部材を湿らせるために用いられることを特徴とする、請求項1に記載の蒸発型加湿器。
【請求項3】
前記ポンプ部材が前記電解水のポンピングを停止した後、前記ファンアセンブリが所定の時間だけ引き続き回転して、前記蒸発フィルタ部材上の前記電解水を完全に蒸発させることを特徴とする、請求項2に記載の蒸発型加湿器。
【請求項4】
前記水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、前記貯水部材内の水位の高さを検出するとともに、水位パラメータを前記電子制御アセンブリにフィードバックして、前記電気分解アセンブリの電気分解強度及び電気分解時間を調整するための、前記電子制御アセンブリと接続された水位検出アセンブリをさらに含み、
前記水位検出アセンブリは、磁気フロートと、前記磁気フロートの所在する位置を感知することができる水位感知部材を含み、前記磁気フロートは前記貯水部材の内部に設置され、かつ液面上を浮遊することができ、前記水位感知部材は前記貯水部材の外壁に設置され、かつ前記磁気フロートを感知するための感知領域が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の蒸発型加湿器。
【請求項5】
前記貯水部材内にセパレータを設置することにより、前記磁気フロートを前記水位感知部材の前記感知領域内に設置しており、前記セパレータと前記貯水部材の底部に隙間を形成することにより、前記電解水を通過させて、前記セパレータ両側の水位の高さを一致させており、
前記磁気フロートが設置されている部分の前記貯水部材の底部が陥没することにより、前記磁気フロートを収容するための沈設キャビティが形成され、前記磁気フロートの高さが前記沈設キャビティの高さを超えないことを特徴とする、請求項4に記載の蒸発型加湿器。
【請求項6】
前記水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、前記水位検出アセンブリと接続された警告部材をさらに含み、前記貯水部材内の水位が安全水位線を下回ると、前記警告部材が警告信号を発することを特徴とする、請求項4に記載の蒸発型加湿器。
【請求項7】
前記電子制御アセンブリは、互いに連通する電源モジュールと、制御モジュールと、収集フィードバックモジュールとを含み、前記収集フィードバックモジュールは、受信したパラメータを制御信号に変換して前記制御モジュールに伝送することにより、前記制御モジュールに、前記電源モジュールの通電時間及び通電強度に対する制御を行わせることができることを特徴とする、請求項1に記載の蒸発型加湿器。
【請求項8】
蒸発型加湿器の使用方法であって、
貯水部材内に水溶液を注入するステップと、
温度検出部材が水溶液の置かれている環境温度を検出し、検出した温度パラメータを水質検出モジュールにフィードバックするステップと、
水質検出モジュールが温度検出部材からフィードバックされた温度パラメータを受信し、環境温度に基づいて水溶液のTDS値を検出することにより、注入する水溶液のタイプを判断するステップであって、
そのうち、水質検出モジュールが水溶液中の導電率Kを測定する場合、温度の影響を受け、25°Cを基準温度とすると、温度が1°C上がるごとに導電率が2%上昇するので、温度パラメータを補償因子としてTDS計算に組み込んだ場合、公式は、
K=K’×(1+0.02×(T-25))となり、
式中、Tは温度検出部材が測定した温度パラメータであり、
K’は温度補償なしの導電率であり、
TDS=K×(0.5~0.7)であり、
TDS<50PPMの場合、水溶液タイプは精製水であると判断し、50PPM≦TDS<200PPMの場合、水溶液タイプはミネラルウォーターであると判断し、200PPM≦TDS<300PPMの場合、水溶液タイプは水道水であると判断するステップと、
電子制御アセンブリが、水溶液タイプに基づいて電気分解アセンブリの電気分解強度を調節し、形成された電解水を殺菌効果の濃度に達成させて、貯水部材内部の殺菌を実現するステップと、
電気分解の過程で、水位検出アセンブリが持続的に貯水部材内の水位を検出して水不足を防止するとともに、貯水量を電子制御アセンブリにフィードバックし、電子制御アセンブリが貯水部材内の貯水量に基づいて電気分解アセンブリの電気分解強度及び電気分解時間を調節して、電解水の濃度のバランスを保持させるステップと、
ポンプ部材が貯水部材内の電解水を蒸発フィルタ部材に噴射して、蒸発フィルタ部材を完全に湿らせることにより、蒸発フィルタ部材に対する殺菌を行い、ファンアセンブリが形成する気流が気体通路を通って蒸発フィルタ部材まで流れることで、空気に対する殺菌を行い、蒸発フィルタ部材が加湿器本体の外部へ水蒸気を送り出すことで、周囲の空気を加湿するステップと、
ファンアセンブリが気体通路に気流を形成させることにより、蒸発フィルタ部材の水蒸気の蒸発を加速させるステップと、
使用の終了後、ポンプ部材が蒸発フィルタ部材への電解水の搬送を停止し、蒸発フィルタ部材上に残留している電解水がすべて蒸発し完全に乾燥するまで、ファンアセンブリが所定の時間だけ引き続き回転するステップと、を含むことを特徴とする、蒸発型加湿器の使用方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器において、前記水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、
液体通路と、加湿器本体を貫通する気体通路とが形成され、前記液体通路の出口が前記気体通路と合流している加湿器本体と、
前記液体通路の入口に設置され、水溶液を収容するために用いられる貯水部材と、
前記貯水部材と連通し、前記水溶液を電気分解して殺菌機能を有する次亜塩素酸イオン及び/またはオゾンを含む電解水を形成するための電気分解アセンブリと、
前記液体通路の出口に設置され、前記液体通路を経由して搬送された前記電解水を吸収し、前記気体通路の出口に向かって水蒸気を蒸発させるための蒸発フィルタ部材と、
前記気体通路の経路上に設置され、回転することによって前記気体通路内に気流を形成し、それにより前記蒸発フィルタ部材による前記水蒸気の蒸発を加速させるファンアセンブリと、
前記電気分解アセンブリ及び前記ファンアセンブリと接続され、前記水蒸気を前記加湿器本体の外部に搬送することを制御する電子制御アセンブリと、を含み、
前記電子制御アセンブリには、電気分解前の前記水溶液に対してTDS検出を行うための水質検出モジュールが形成されており、前記電子制御アセンブリが、検出したTDSパラメータに基づいて前記電気分解アセンブリの電気分解強度を調整し、前記電解水中の次亜塩素酸イオン及び/またはオゾンを所定の濃度に達させており、
環境温度を収集し、かつ温度パラメータを前記水質検出モジュールにフィードバックするための、前記電子制御アセンブリと接続された温度検出部材をさらに含み、前記水質検出モジュールは、前記温度検出部材が検出した温度パラメータに基づいて補償を行うことにより、補償後のTDSパラメータを前記電子制御アセンブリにフィードバックし、前記電子制御アセンブリに、補償後のTDSパラメータに基づいて前記電気分解アセンブリの電気分解強度を調整させ、
前記蒸発フィルタ部材は、前記貯水部材の直上、且つ前記ファンアセンブリの直下に、前記液体通路と前記気体通路の合流部分を塞いで配置され
前記蒸発フィルタ部材と前記ファンアセンブリとは、上下方向に沿って直接対向して配置され、
前記液体通路上には、前記蒸発フィルタ部材に隣接配置されて、前記電解水を拡散させ、かつ前記蒸発フィルタ部材上に噴射するノズルが設置されていることを特徴とする、水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器。
【請求項2】
前記水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、前記電子制御アセンブリと接続されたポンプ部材をさらに含み、
前記ポンプ部材は前記貯水部材と前記蒸発フィルタ部材の間の前記液体通路上に設置されており、前記ポンプ部材が前記電解水を前記蒸発フィルタ部材まで搬送して前記蒸発フィルタ部材を湿らせるために用いられることを特徴とする、請求項1に記載の蒸発型加湿器。
【請求項3】
前記ポンプ部材が前記電解水のポンピングを停止した後、前記ファンアセンブリが所定の時間だけ引き続き回転して、前記蒸発フィルタ部材上の前記電解水を完全に蒸発させることを特徴とする、請求項2に記載の蒸発型加湿器。
【請求項4】
前記水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、前記貯水部材内の水位の高さを検出するとともに、水位パラメータを前記電子制御アセンブリにフィードバックして、前記電気分解アセンブリの電気分解強度及び電気分解時間を調整するための、前記電子制御アセンブリと接続された水位検出アセンブリをさらに含み、
前記水位検出アセンブリは、磁気フロートと、前記磁気フロートの所在する位置を感知することができる水位感知部材を含み、前記磁気フロートは前記貯水部材の内部に設置され、かつ液面上を浮遊することができ、前記水位感知部材は前記貯水部材の外壁に設置され、かつ前記磁気フロートを感知するための感知領域が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の蒸発型加湿器。
【請求項5】
前記貯水部材内にセパレータを設置することにより、前記磁気フロートを前記水位感知部材の前記感知領域内に設置しており、前記セパレータと前記貯水部材の底部に隙間を形成することにより、前記電解水を通過させて、前記セパレータ両側の水位の高さを一致させており、
前記磁気フロートが設置されている部分の前記貯水部材の底部が陥没することにより、前記磁気フロートを収容するための沈設キャビティが形成され、前記磁気フロートの高さが前記沈設キャビティの高さを超えないことを特徴とする、請求項4に記載の蒸発型加湿器。
【請求項6】
前記水と空気に対して殺菌機能を有する蒸発型加湿器は、前記水位検出アセンブリと接続された警告部材をさらに含み、前記貯水部材内の水位が安全水位線を下回ると、前記警告部材が警告信号を発することを特徴とする、請求項4に記載の蒸発型加湿器。
【請求項7】
前記電子制御アセンブリは、互いに連通する電源モジュールと、制御モジュールと、収集フィードバックモジュールとを含み、前記収集フィードバックモジュールは、受信したパラメータを制御信号に変換して前記制御モジュールに伝送することにより、前記制御モジュールに、前記電源モジュールの通電時間及び通電強度に対する制御を行わせることができることを特徴とする、請求項1に記載の蒸発型加湿器。
【請求項8】
蒸発型加湿器の使用方法であって、
貯水部材内に水溶液を注入するステップと、
温度検出部材が水溶液の置かれている環境温度を検出し、検出した温度パラメータを水質検出モジュールにフィードバックするステップと、
水質検出モジュールが温度検出部材からフィードバックされた温度パラメータを受信し、環境温度に基づいて水溶液のTDS値を検出することにより、注入する水溶液のタイプを判断するステップであって、
そのうち、水質検出モジュールが水溶液中の導電率Kを測定する場合、温度の影響を受け、25°Cを基準温度とすると、温度が1°C上がるごとに導電率が2%上昇するので、温度パラメータを補償因子としてTDS計算に組み込んだ場合、公式は、
K=K’×(1+0.02×(T-25))となり、
式中、Tは温度検出部材が測定した温度パラメータであり、
K’は温度補償なしの導電率であり、
TDS=K×(0.5~0.7)であり、
TDS<50PPMの場合、水溶液タイプは精製水であると判断し、50PPM≦TDS<200PPMの場合、水溶液タイプはミネラルウォーターであると判断し、200PPM≦TDS<300PPMの場合、水溶液タイプは水道水であると判断するステップと、
電子制御アセンブリが、水溶液タイプに基づいて電気分解アセンブリの電気分解強度を調節し、形成された電解水を殺菌効果の濃度に達成させて、貯水部材内部の殺菌を実現するステップと、
電気分解の過程で、水位検出アセンブリが持続的に貯水部材内の水位を検出して水不足を防止するとともに、貯水量を電子制御アセンブリにフィードバックし、電子制御アセンブリが貯水部材内の貯水量に基づいて電気分解アセンブリの電気分解強度及び電気分解時間を調節して、電解水の濃度のバランスを保持させるステップと、
ポンプ部材が貯水部材内の電解水を蒸発フィルタ部材に噴射して、蒸発フィルタ部材を完全に湿らせることにより、蒸発フィルタ部材に対する殺菌を行い、ファンアセンブリが形成する気流が気体通路を通って蒸発フィルタ部材まで流れることで、空気に対する殺菌を行い、蒸発フィルタ部材が加湿器本体の外部へ水蒸気を送り出すことで、周囲の空気を加湿するステップと、
ファンアセンブリが気体通路に気流を形成させることにより、蒸発フィルタ部材の水蒸気の蒸発を加速させるステップと、
使用の終了後、ポンプ部材が蒸発フィルタ部材への電解水の搬送を停止し、蒸発フィルタ部材上に残留している電解水がすべて蒸発し完全に乾燥するまで、ファンアセンブリが所定の時間だけ引き続き回転するステップと、を含むことを特徴とする、蒸発型加湿器の使用方法。