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  • 特開-人の心理状態の評価ツール 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076944
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】人の心理状態の評価ツール
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/16 20060101AFI20240530BHJP
   A63H 33/00 20060101ALI20240530BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20240530BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
A61B5/16 100
A63H33/00 A
G06F3/0481
G06F3/01 560
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021157
(22)【出願日】2023-02-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-28
(31)【優先権主張番号】P 2022188794
(32)【優先日】2022-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】514241076
【氏名又は名称】株式会社KANSEI DESIGN
(74)【代理人】
【識別番号】100102923
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 雄二
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 章
(72)【発明者】
【氏名】クク ユンヒョン
【テーマコード(参考)】
2C150
4C038
5E555
【Fターム(参考)】
2C150CA26
2C150DD01
2C150FB14
2C150FC15
4C038PP03
4C038PR00
4C038PR01
4C038PS09
5E555AA08
5E555AA48
5E555BA02
5E555BA86
5E555BA87
5E555BB02
5E555BC01
5E555BC18
5E555CA01
5E555CB12
5E555CC01
5E555CC22
5E555DA01
5E555DA24
5E555DB32
5E555DC30
5E555DC84
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】人の心理状態の評価ツールを提供する。
【解決手段】全て同一サイズの同一形状の複数の球状体を組み合わせたユニットであって、硬さの異なる不透明な被覆材料11~15で芯材20を包むように構成する。形状が全く同じでも、手でつかんでみると感触が異なるというツールを利用して、視覚によらず触覚だけを利用して心理状態を推し量るので、視覚を用いたツールとは異なる角度で心理状態を観察できる。手で握ると変形をする硬さが一定の不透明な被覆材料で、外形の凹凸の程度が段階的に相違する芯材を包む構造も組み合わせるとよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全て同一サイズの同一形状の複数の球状体を組み合わせたユニットであって、
これらの球状体は、それぞれ硬さの異なる被覆材料で芯材を包むように構成されており、
上記の複数の球状体の被覆材料は、手で握ると変形をする程度がそれぞれ段階的に相違するようにその硬さが選定されており、
上記の芯材は、手で握っても被覆材料と一緒に変形することが無い硬さの一定の形状の材料で構成されており、
上記のユニットの中からいずれの球状体が選択されるかによって、その選択をした人の心理状態を評価するために使用される人の心理状態の評価ツール。
【請求項2】
全て同一サイズの同一形状の複数の球状体を組み合わせたユニットであって、
これらの球状体は、それぞれ手で握ると変形をする硬さが一定の不透明な被覆材料で芯材を包むように構成されており、
上記の芯材は、手で握っても被覆材料と一緒に変形することが無い硬さの材料であって、その外形の凹凸の程度がそれぞれ段階的に相違するように選定されており、
上記のユニットの中からいずれの球状体が選択されるかによって、その選択をした人の心理状態を評価するために使用される人の心理状態の評価ツール。
【請求項3】
全て同一サイズの同一形状の複数の球状体を組み合わせたユニットであって、
これらの球状体は、それぞれ手で握ると変形をする硬さが一定の不透明な被覆材料で芯材を包むように構成されており、
上記の芯材は、手で握っても被覆材料と一緒に変形することが無い硬さの複数の材料であって、その数もしくは配置がそれぞれ段階的に相違するように選定されており、
上記のユニットの中からいずれの球状体が選択されるかによって、その選択をした人の心理状態を評価するために使用される人の心理状態の評価ツール。
【請求項4】
全て同一サイズの同一形状の複数の球状体の画像を組み合わせたユニットを表示する表示部を備え、上記のユニットの中からいずれの球状体が操作者に選択されるかによって、その選択をした人の心理状態を評価するために使用されるものであって、
これらの球状体は、それぞれ硬さの異なる被覆材料で芯材を包んでいるように設定されており、
上記の芯材は、被覆材料と一緒に変形することが無い硬さの材料で構成されているように設定されており、
上記のいずれかの球状体が表示された画像を、表示部に触れながら、指で押し潰すような操作がされたり2本の指で挟むような操作がされたりしたときには、
被覆材料が柔らかく設定されている球状体ほど、タッチセンサで検出した指の動きに早く反応して、被覆材料部分が変形するように画像を制御する、画像硬さ表現制御部を備えたことを特徴とする人の心理状態の評価ツール。
【請求項5】
全て同一サイズの同一形状の複数の球状体の画像を組み合わせたユニットを表示する表示部を備え、上記のユニットの中からいずれの球状体が操作者に選択されるかによって、その選択をした人の心理状態を評価するために使用されるものであって、
これらの球状体は、それぞれ硬さの異なる被覆材料で芯材を包んでいるように設定されており、
上記の芯材は、被覆材料と一緒に変形することが無い硬さの材料で構成されているように設定されており、
上記のいずれかの球状体が表示された画像を、表示部に触れながら、指で押し潰すような操作がされたり2本の指で挟むような操作がされたりしたときには、
被覆材料部分が変形するように画像を制御するとともに、被覆材料が柔らかく設定されている球状体ほど、バイブレーションの強さが強く、もしくは振動の繰り返し周期が短くなるように制御する、画像硬さ表現制御部を備えたことを特徴とする人の心理状態の評価ツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、言葉に頼らずに人の心理状態を掴むための評価ツールに関する。
【背景技術】
【0002】
幼い子供はもとより大人を相手にしたときも、医師や指導者は、その心の状態を的確に把握して対応することが求められる。しかし、様々な感情を他人に伝えるのは誰にとっても容易ではない。本発明者等は、言葉で表しにくい感情を他人に伝えることができる各種のツールを開発した。一つは、模型を用いたもので、もうひとつはタブレットPCを用いたものである(特許文献1)(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6508988号公報
【特許文献2】特許6408064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献では、人の視覚に直接訴えるようなツールを使用した。これに対して、本発明では、これらとは違った方法で、人の視覚に頼らずに人の触覚により心の状態を掴むことができる心理状態の評価ツールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下の構成はそれぞれ上記の課題を解決するための手段である。
【0006】
<構成1>
全て同一サイズの同一形状の複数の球状体を組み合わせたユニットであって、
これらの球状体は、それぞれ硬さの異なる被覆材料で芯材を包むように構成されており、
上記の複数の球状体の被覆材料は、手で握ると変形をする程度がそれぞれ段階的に相違するようにその硬さが選定されており、
上記の芯材は、手で握っても変形しない一定の形状の材料で構成されており、
上記のユニットの中からいずれの球状体が選択されるかによって、その選択をした人の心理状態を評価するために使用される人の心理状態の評価ツール。
【0007】
<構成2>
全て同一サイズの同一形状の複数の球状体を組み合わせたユニットであって、
これらの球状体は、それぞれ手で握ると変形をする硬さが一定の不透明な被覆材料で芯材を包むように構成されており、
上記の芯材は、手で握っても被覆材料と一緒に変形することが無い硬さの材料であって、その外形の凹凸の程度がそれぞれ段階的に相違するように選定されており、
上記のユニットの中からいずれの球状体が選択されるかによって、その選択をした人の心理状態を評価するために使用される人の心理状態の評価ツール。
<構成3>
全て同一サイズの同一形状の複数の球状体を組み合わせたユニットであって、
これらの球状体は、それぞれ手で握ると変形をする硬さが一定の不透明な被覆材料で芯材を包むように構成されており、
上記の芯材は、手で握っても被覆材料と一緒に変形することが無い硬さの複数の材料であって、その数もしくは配置がそれぞれ段階的に相違するように選定されており、
上記のユニットの中からいずれの球状体が選択されるかによって、その選択をした人の心理状態を評価するために使用される人の心理状態の評価ツール。
【0008】
<構成4>
全て同一サイズの同一形状の複数の球状体の画像を組み合わせたユニットを表示する表示部を備え、上記のユニットの中からいずれの球状体が操作者に選択されるかによって、その選択をした人の心理状態を評価するために使用されるものであって、
これらの球状体は、それぞれ硬さの異なる被覆材料で芯材を包んでいるように設定されており、
上記の芯材は、被覆材料と一緒に変形することが無い硬さの材料で構成されているように設定されており、
上記のいずれかの球状体が表示された画像を、表示部に触れながら、指で押し潰すような操作がされたり2本の指で挟むような操作がされたりしたときには、
被覆材料が柔らかく設定されている球状体ほど、タッチセンサで検出した指の動きに早く反応して、被覆材料部分が変形するように画像を制御する、画像硬さ表現制御部を備えたことを特徴とする人の心理状態の評価ツール。
<構成5>
全て同一サイズの同一形状の複数の球状体の画像を組み合わせたユニットを表示する表示部を備え、上記のユニットの中からいずれの球状体が操作者に選択されるかによって、その選択をした人の心理状態を評価するために使用されるものであって、
これらの球状体は、それぞれ硬さの異なる被覆材料で芯材を包んでいるように設定されており、
上記の芯材は、被覆材料と一緒に変形することが無い硬さの材料で構成されているように設定されており、
上記のいずれかの球状体が表示された画像を、表示部に触れながら、指で押し潰すような操作がされたり2本の指で挟むような操作がされたりしたときには、
被覆材料部分が変形するように画像を制御するとともに、被覆材料が柔らかく設定されている球状体ほど、バイブレーションの強さが強く、もしくは振動の繰り返し周期が短くなるように制御する、画像硬さ表現制御部を備えたことを特徴とする人の心理状態の評価ツール。
【発明の効果】
【0009】
形状が全く同じでも、手で掴んでみると感触が異なるようなツールを利用して、視覚によらず、主として触覚を利用して心理状態を推し量るので、視覚だけを用いたツールとは異なる角度で心理状態を深く評価できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】被覆材料の硬さが異なるユニット例の断面図
図2】形の異なる芯材を有する3種のユニット例の断面図
図3】同じ硬さの被覆材料で、形の異なる芯材を有するユニット例の断面図
図4】同じ硬さの被覆材料で、複数の芯材を有するユニット例の断面図
図5】コンピュータによる心理状態評価ツールの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を実施例毎に詳細に説明する。
【実施例0012】
図1は本発明のツールの実施例を示し、5種類の球状体の断面図を段階順に並べたものである。以下のいずれの実施例も、芯材は断面でなく側面図で表した。
この図の5種類の球状体は、全て同じ形状をしている。しかし、各球状体の被覆材料11~15は、それぞれ5段階の硬さの違う素材を使用している。例えば、被覆材料にシリコーンゴムを使用したとすれば、最も柔らかなものの硬度を5度とし、順に10度、20度、30度、50度といった固さのものを選択する。
【0013】
この図1の例では、球状体の内部にいずれも等しい外径の球状の芯材20を埋め込んだ。これは、球状体を握ったときの握り心地と、持ち上げたときの重量の調整のためである。球状体の被覆材料11~15は、この実施例では透明でも不透明でも構わない。この図の実施例では、被覆材料の硬さの差が分かるように、発泡率の異なる発泡体を被覆した例を示した。芯材はいずれも、被覆材料と一緒に変形することが無い硬さのものとする。被覆材料を握って潰したときに、その手で芯材の形状を感じ取ることができる必要があるからである。
【0014】
このユニットは、外観は同一形状であっても、手に取って握ってみると、硬いものから柔らかいものまでの5種類の球状体で構成されている。各球状体に触れてみて、握ってみて、手の感触だけで自分の心境に最も近い物を選択させることができる。芯材が同一形状だから、被覆材料が透明であっても外観は全て同じに見える。
【0015】
即ち、「どの球の感触が好きか?」と尋ねてみると、5種類の球状体を何度も持ち替えて握ってみて、その柔らかさや硬さを確かめて、いずれか一つを選ぶことになる。こうして選んだものが、現在の気持ちを表すものということができる。
【0016】
安心しているときは柔らかい物が選ばれ、緊張しているときは固い物が選ばれる。
また、相手に心を許している状態なら柔らかい物を選び、自身が頑なになっているときは固い物が選ばれる傾向がある。このユニットは「1」~「5」の5段階で評価できるが、これは何段階であっても構わない。
【0017】
図1のツールを使用して評価定をした後に、図2に示したツールを使用して、更に別の角度で心理状態を評価することができる。
【0018】
図2の例では、図1に示した球状体のうちの、柔らかい3種類の被覆材料13,14,15を有するものを使用する。これらの球状体に、それぞれ形状の違う5種類の芯材20~24を埋め込んだ3種類のユニットを示した。このうちの一種類のユニットを使用する例を、図3を用いて説明する。
【0019】
図3に示したユニットは、すべて外観は同じ形状で、5種類の異なる形状の芯材20~24を、同じ硬さの被覆材料14で包んだものである。これらの被覆材料は、全て全体が不透明で中身が見えないことが好ましい。
【0020】
これらの球状体を握ったときにはじめて、中に埋め込まれた芯材20~24の形状に応じて、握り心地が異なることを知る。このときも、何度も球状体を持ち替えて握ってみて、自分の気持ちに合ったいずれか一つの球状体を選ぶことができる。
【0021】
図3において、段階が「1」の球状体を選んだときは平常心であるといえる。落ち着きの無さやイライラのレベルに応じて2~5の球状体が選ばれる。凸凹の激しい芯材を埋め込んだ球状体が選ばれたときは相応の心理状態と推察できる。
【0022】
図1に示したユニットで、心を開いているかどうかを確かめて、その後、図3に示したユニットを使用してもう一歩深掘りした心境を知ることができる。心が開かれていると分った状態であれば、続いてその心境が正確に具体的に伝わってくる。
【0023】
これらのユニットを使用した本発明の心理状態の評価ツールには、もう一つ重要な機能がある。例えば、意思と患者の対話の場合には、各球状体にかわるがわる触れてみて、いずれかを選びながら、患者が時間をかけて医師と話し合うことができる。球状体を選ぶ過程で医師と患者が様々な会話をすることによって、医師は、患者の所作を観察して、その心理を把握することができる。
【0024】
即ち、患者が今の気持ちを示すために選んだ球状体の種類に頼るだけでなく、その球状体を選ぶ過程で患者から発せられた言葉や態度が、その患者の気持ちを正確に表しており、これを感じ取ることができる。
【0025】
このツールを使用した観察を何度かくりかえせば、患者の経時的な心理状態の変化を相対比較することができる。さらに、上記のように医師と患者との対話を促進し、球状体を選ぶ過程でその心を読み取ることに役立てることができる。
【0026】
一見して形状が異なる数種類の球状体から、自分の気持ちを表す球状体を選ぶといった場合には、ツールを視覚的に捉えて該当する球状体を選択することになる。これに対して、本発明では、形状が全く同じでも、手でつかんでみると感触が異なるというツールを利用して、視覚によらず、触覚だけを利用して心理状態を推し量るので、視覚を用いたツールとは異なる角度で心理状態を観察できる。
【0027】
図4の実施例では、上記の芯材が複数埋め込まれているものが混在している。いずれの芯材25~28も、手で握って変形しない材料である。この例では、芯材25~28の数とサイズを段階的に変えて、握った時の感触を変えている。各芯材の形状は任意である。球形でもサイコロ状でもよい。複数の同一形状の芯材の配置を段階的に相違するようにしてもよい。この実施例の場合は被覆材料を、手で握ったときに芯材を確かめることができる程度に柔らかいものにしておくと、かなり感触の違いを感じることができる。従って、心理状態の観察にきわめて効果的である。
【実施例0028】
図5はコンピュータによる心理状態評価ツールの説明図である。
図5に示したタブレット(コンピューター)30は、上記の実施例と同様の、全て同一サイズの同一形状の複数の球状体の画像34を選択して表示する表示部32を備えている。この実施例では、5種類の球状体の縮小画像を配列したユニット画像33を表示部32の一部に表示している。このユニットの中からいずれの球状体が操作者に選択されるかによって、その選択をした人の心理状態を評価できる。
【0029】
これら球状体の画像34のデータは、それぞれ硬さの異なる被覆材料36で芯材38を包んでいるように属性データが設定されている。また、上記の芯材38は、硬くて変形しない材料で構成されているように属性データが設定されている。
【0030】
既知の液晶ディスプレイ等による表示画像は、物の硬さを示す機能を持たない。硬さを色や模様で表すと、視覚的な印象が強くなり、物の硬さが直感的に伝わり難い。そこで、この実施例では、画像の変形し易さの程度で球状体の硬さを表現する。さらに、バイブレーションの強さや振動の繰り返し周期も利用した例を説明する。図5中の画像硬さ表現制御部44が、これを制御する。
【0031】
上記のユニット画像33中のいずれかの球状体が表示部32の中央に表示されたとき、その画像を、表示部32に触れながら指で押し潰すような操作をしたり、人の親指と人差し指の2本の指40で挟むようなピンチイン操作をしたりすると、被覆材料36が、タッチセンサ42で検出した指の動きに反応して、図5の(b)の状体から(c)の状体に変形するように動画表示される。
【0032】
被覆材料36が硬く設定されている球状体の画像34は、例えば、タッチセンサ42で検出した指の動きにゆっくり反応して変形する、指を早く動かしてもすぐには反応しない。一方、被覆材料36が柔らかく設定されている球状体の画像34は、タッチセンサ42で検出した指の動きに素早く反応して変形する。これで、硬さを感じることができる。
【0033】
ほかにも方法がある。例えば、被覆材料36が硬く設定されているときは、ピンチイン操作をしたときに、パルス状の強い振動を短い周期で発生させる。被覆材料36が柔らかく設定されているときは、パルス状の弱い振動を長い周期で発生させる。画像硬さ表現制御部44はこのような制御をすればよい。なお、ゆっくりとピンチインしたときに振動が途切れることなく微細な振動から徐々に強くなっていくと、中心の硬い球体に近付いた感じがする。
【0034】
このように、表示部32に表示された球状体の画像34の硬さや柔らかさをある程度直感的に捉えることができる。従って、タブレット30があれあば、実施例1と同様の心理の解析が可能になる。図5では、タブレット30に心理評価部46を内蔵させた。従って、操作者が、自分の気持ちに近い球状体の画像34を選択して選択決定ボタン48をタッチすると、解析結果を表示部32に表示することができる。
【0035】
球状体の外側の被覆材料の柔らかさは、人に対してどれだけ心を許しているか、安心できるかを示す指標になる。従って、中心部分に同じ大きさの固い球を入れて、外側の被覆材料の柔らかさだけを数段階にすると、他者に対する緊張感や安心感がどの程度かを測るのに適しているといえる。
【0036】
実際に、一番柔らかい被覆材料の球状体を潰してみると、中心の固い球に触れて、自分の心に触れるような何とも言えない感じがする。そこで、内なる自分の気持ちの程度を中心部の物の形で表現するツールを利用し、もう一方のツールで、外側の樹脂の固さの違いで、他者に対する自分の気持ちを表すようにするのが上記のツールの有効な利用方法といえる。
【0037】
中心部の形が球状のものを選んだならば平常心、凸凹の形を選んだなら、凸凹の程度が落ち着きの無さやイライラのレベルを示す。そして、球状体を握って、被覆材料の硬さを選ぶことで、他人を信頼しているのか頑なになっているのかを示すことができる。
【符号の説明】
【0038】
11~15 被覆材料
20~28芯材
30 タブレット
32 表示部
33 ユニット画像
34 球状体の画像
36 被覆材料
38 芯材
40 人の2本の指
42 タッチセンサ
44 画像硬さ表現制御部
46 心理評価部
48 決定ボタン
図1
図2
図3
図4
図5