(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076946
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】ウォータージェット織機用チェックバルブ
(51)【国際特許分類】
D03D 47/32 20060101AFI20240530BHJP
【FI】
D03D47/32
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046401
(22)【出願日】2023-03-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-05-22
(31)【優先権主張番号】10-2022-0160161
(32)【優先日】2022-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523106436
【氏名又は名称】金 貞 善
【氏名又は名称原語表記】KIM, JEONG SUN
【住所又は居所原語表記】101-1602(Hwanggeum-dong,Taewang Honors Apt),345, Cheongho-ro, Suseong-gu, Daegu Republic of KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】100115200
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修之
(72)【発明者】
【氏名】金 貞 善
【テーマコード(参考)】
4L050
【Fターム(参考)】
4L050EA18
4L050EB14
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ウォータージェット織機の噴射圧の低下がないながらも耐久性に優れているウォータージェット織機用チェックバルブを提供する。
【解決手段】本発明は、ウォータージェット織機用チェックバルブであって、内側に収容空間部(12)が形成された胴体(10)と、胴体(10)と結合して密閉した状態で噴射水が流入するカバー(20)と、胴体(10)の内側の収容空間部(12)に位置し、胴体(10)を通過して流れる噴射水の流れを管理し、吐き出される噴射水を整流するとともに噴射水が拡散せずに集束するように多数のブレードが放射状に形成されることによって多数の流路(33)が形成された開閉バルブ(30)とを含んでなり、チェックバルブによって管理される噴射水が整流されて流れるとともに集束して流れるように案内することにより、噴射水が早く吐き出され、噴射圧が低下しない効果がある。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォータージェット織機用チェックバルブであって、
内側に収容空間部(12)が形成された胴体(10)と、
胴体(10)と結合して密閉した状態で噴射水が流入するカバー(20)と、
胴体(10)の内側の収容空間部(12)に位置し、胴体(10)を通過して流れる噴射水の流れを管理し、吐き出される噴射水を整流するとともに噴射水が拡散せずに集束するように多数のブレード(34)が放射状に形成されることによって多数の流路(33)が形成された開閉バルブ(30)と、を含むことを特徴とする、ウォータージェット織機用チェックバルブ。
【請求項2】
噴射水が吐き出される開放口(11)の縁部には、開閉部材(30)を通過して流れる噴射水の集束性が向上するように傾斜ガイド面(13)が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のウォータージェット織機用チェックバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はウォータージェット織機用チェックバルブに関するものであり、特に噴射水の流れを管理する開閉部材によって噴射水を整流しながら拡散を防止することで、噴射圧の低下なしに噴射水を早く吐き出すウォータージェット織機用チェックバルブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ウォータージェット織機用チェックバルブは、噴射水の流れによって内側に設けられた開閉部材が前後に移動しながら噴射水の流れを間欠的に断続するように作動する。
【0003】
従来のチェックバルブは、噴射水の流れを管理する開閉部材と、開閉部材によって噴射水が流れる出水孔とがチェックバルブの胴体に別個に形成されているから、開閉部材によって噴射水の流れが許された状態で出水孔によって噴射水の抵抗が発生することによって噴射水の流れを妨げて噴射ノズルによる噴射圧の低下が発生し、さらにチェックバルブの構成が複雑であるという問題があるものである。
【0004】
また、チェックバルブによる噴射水の流れが一様でないという問題もあるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開実用新案第20-2000-0002143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、ウォータージェット織機の噴射圧の低下がないながらも耐久性に優れているウォータージェット織機用チェブベルブを提供することである。
【0007】
また、本発明の他の目的は、チェックバルブによって管理される噴射水が整流されて流れるようにするとともに集束して流れるようにするウォータージェット織機用チェックバルブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための本発明は、ウォータージェット織機用チェックバルブであって、内側に収容空間部(12)が形成された胴体(10)と、胴体(10)と結合して密閉した状態で噴射水が流入するカバー(20)と、胴体(10)の内側の収容空間部(12)に位置し、胴体(10)を通過して流れる噴射水の流れを管理し、吐き出される噴射水を整流するとともに噴射水が拡散せずに集束するように多数のブレード(34)が放射状に形成されることによって多数の流路(33)が形成された開閉バルブ(30)とを含むことを特徴とする。
【0009】
また、噴射水が吐き出される開放口(11)の縁部には、開閉部材(30)を通過して流れる噴射水の集束性が向上するように傾斜ガイド面(13)が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、チェックバルブによって管理される噴射水が整流されて流れるとともに集束して流れるように案内することで、噴射水が早く吐き出されるとともに噴射圧が低下しない効果がある。
【0011】
また、チェックバルブのカバーが大面積で胴体と密着して結合することにより、漏水防止効果に優れ、カバーの変形や破損が発生しない効果があり、噴射水の流れを管理する開閉部材と噴射水が流れる流路とが一体に形成されることで、噴射水の流れを妨げなくて噴射圧の低下が発生しない効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施例によるウォータージェット織機用チェックバルブの構成を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施例によるウォータージェット織機用チェックバルブの構成を示す斜視図である。
【
図4】
図1のA-A’線についての断面構成図である。
【
図5】本発明の実施例によるウォータージェット織機用チェックバルブに設けられる開閉部材の構成を示す図である。
【
図6】本発明の実施例によるウォータージェット織機用チェックバルブに設けられる開閉部材の構成を示す図である。
【
図7】本発明の他の実施例によるウォータージェット織機用チェックバルブの構成を示す図である。
【
図8】本発明の実施例によるウォータージェット織機用チェックバルブの作動構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
図1及び
図2は本発明の実施例によるウォータージェット織機用チェックバルブの構成を示す図であり、
図3はその分解斜視図であり、
図4はその断面構成図である。
【0014】
本発明のウォータージェット織機用チェックバルブ100は、内側に収容空間部12が形成された胴体10と、胴体10と結合して密閉した状態で噴射水が流入するカバー20と、胴体10の内側の収容空間部12に位置し、胴体10を通過して流れる噴射水の流れを管理し、吐き出される噴射水を整流するとともに噴射水が拡散せずに集束することができるように多数のブレード34が放射状に形成されて多数の流路33が形成された開閉バルブ30からなる。
【0015】
前記胴体10は円筒状に形成され、内側には噴射水が流れることができるように収容空間部12が形成されており、一側にはカバー20が密着する結合面15が形成され、他側には流入した噴射水が吐き出される開放口11が形成されている。
【0016】
前記結合面15には流入口21が形成されたカバー20が結合されることで、その内側に噴射水が流れるようにし、胴体10と結合するカバー20の一側には、内側の噴射水を密閉させることができるOリング22が設けられる。
【0017】
本発明は、カバー20と胴体10とが大面積を有する結合面15で密着して結合することにより、チェックバルブ100が強い結合力によって締結された状態で長時間作動する場合、カバー20の締結部位が撓うかまたはひどい場合は破損して漏水が発生するおそれがあることを防止する。
【0018】
すなわち、大きな結合面積を有することによってカバー20の耐久性が高くなることができるとともに漏水を防止する効果が高くなるものである。
【0019】
胴体10とカバー20とが結合した状態で胴体10内側の収容空間部12には、カバー20の流入口21を通して流入した噴射水が開放口11から吐き出されるかまたは吐き出されれないように、噴射水の流れを管理する開閉部材30が設けられる。
【0020】
本発明の開閉部材30は胴体10の内側に設けられ、開閉によって噴射水の流れを管理するとともに噴射水が吐き出されるように構成されるものであり、噴射水の開閉機能及び吐出機能を単一の開閉部材30によって果たすものである。
【0021】
したがって、従来の噴射水の開閉機能及び吐出機能が別に形成された構成で発生する噴射水の噴射圧の低下を防止することができ、製品の構成も簡素化するものである。
【0022】
また、開放口11を通して吐き出される噴射水が開閉部材30を通過しながら整流されるとともに噴射水が拡散せずに集束することができるものである。
【0023】
図5を参照して本発明の開閉部材30の詳細構成を説明する。
【0024】
本発明の開閉部材30は、胴体10とカバー20との結合の際、カバー20に密着して流入口21を開閉して噴射水の流れを管理する密着面31と、多数のブレード34が四方に形成されることによって形成され、開閉バルブを通過する噴射水を整流させるための多数の流路33と、流路33に形成され、後方に行くほど中心方向に傾くように形成されることで、流入口21を通して流入した噴射水が流路33を通過しながら中心方向に集まるようにして噴射水が拡散しないようにする傾斜面35と、ブレード34に形成され、収容空間部12内の噴射水の流れによって開閉部材30が作動するようにする弾性スプリング40が装着される係止段36とからなる。
【0025】
前記密着面31は段差部32によって、開閉部材30から突出するように形成され、カバー20と密着することで、流入口21を通して流れる噴射水の流れを管理する。
【0026】
すなわち、開閉部材30によって噴射水の流れが遮断された状態では、密着面31とカバー20とが触れ合って密着して流入口21を塞げることにより、噴射水が流れなくなり、噴射水の流れが許された状態では、密着面31とカバー20とが離隔して流入口21が開放することによって噴射水が流れることができる。
【0027】
流入口21を通して流入した噴射水は開閉部材30を通過しながら整流されてから吐き出されることができる。このために、開閉部材30には放射状に多数のブレード34が形成され、ブレード34の間に形成された流路33に沿って噴射水が流れて後方に吐き出されることにより、流入口21を通して流入して乱流を発生させる不安定な状態の噴射水を整流することができる。
【0028】
乱流が発生した噴射水が多数の流路33を通して流れることによって整流されて吐き出されることにより、噴射水の速度が低下しなく、早く流れることができる。
【0029】
また、流路33を通して流れる噴射水が吐き出される過程で中央に集束することができるように、流路33に傾斜面35が形成できる。
【0030】
前記傾斜面35は、
図6に示すように、噴射水が吐き出される方向に行くほど中心に傾くように形成されることで、流路33に沿って流れる噴射水が傾いた傾斜面35に沿って流れながら中央に集束することができる。
【0031】
多数の流路33によって噴射水が整流されながら傾斜面35に沿って流れ、中央に集束して吐き出されることにより、噴射水の噴射速度が低下しなく、噴射水が開閉部材30内で停滞せず、早く抜け出て吐き出されることができる。
【0032】
さらに、噴射水が吐き出される開放口11の縁部には、開閉部材30を通して流れる噴射水の集束性が向上するように、傾斜ガイド面13が形成できる。
【0033】
前記傾斜ガイド面13は、胴体10の後方に行くほど中心方向に開放口11の直径が減少するように傾いた形態に形成されることで、開閉部材30を通過した噴射水が傾斜ガイド面13によってもう一度集束することができるようにする。
【0034】
図7は本発明の他の実施例による開閉部材30の構成を示す図である。
【0035】
本発明の開閉部材30に形成されるブレード34の個数を減らしてブレード34の間の空間である流路33の幅を広くすることで、噴射水が早く開閉部材30を通過して吐き出されるようにする。
【0036】
一実施例として、開閉部材30には6個のブレード34が形成でき、広い流路33を通して噴射水が早く流れて開閉部材30を抜け出るようになる。
【0037】
ブレード34の数を減らして広い流路33を形成することで、噴射水を整流する効果を提供するとともに、噴射水が開閉部材30内から早く抜け出ることにより噴射水の噴射速度が低下しなくなる。
【0038】
前記ブレード34は、牽引される糸の種類に応じて、開閉部材30に形成されるブレード34の数を調節して噴射水が流れる流路33の幅を減らすかまたは増やすように形成できる。一例として、細い糸に対しては流路33の幅が小さくなるように、かつ相対的に太い糸に対しては流路33の幅が広くなるようにブレード34の数を調節することが良い。
【0039】
図8は本発明の開閉バルブが作動しながら噴射水の流れを管理する構成を説明する図である。
【0040】
図8の(a)のように噴射水が流入口21を通して流入しない状態では、弾性スプリング40が収縮しない状態であるので、カバー20の流入口21が開閉バルブの密着面31に当接して閉鎖した状態になるので、噴射水の流れを遮断するようになる。
【0041】
図8の(b)のように流入口21を通して噴射水が流入すると、噴射水の圧力によって開閉部材30が後方に押し出されることで、ブレード34の係止段36と胴体10に形成された支持段14との間に設けられた弾性スプリング40が収縮し、これにより、流入口21を通して流入した噴射水が開閉部材30の流路33に沿って開閉部材30を通過して開放口11から吐き出される。
【0042】
ここで、開閉部材30を通過する噴射水は多数のブレード34によって形成された流路33に沿って流れながら整流されるとともに傾斜面35によって中央に集束し、吐き出される噴射水が開放口11に形成された傾斜ガイド面13によってもう一度集束することにより、噴射水の噴射圧が低下しなく、吐き出されることができる。
【0043】
また、噴射水の流入が遮断されると、収縮していた弾性スプリング40が元の状態に復帰しながら開閉部材30を押し出すことで、流入口21が密着面31によって塞がった状態になって噴射水の流れが遮断される。
【0044】
上述した本発明の説明では具体的な実施例について説明したが、さまざまな変形が本発明の範囲から逸脱しない範疇内で実施可能である。したがって、本発明の範囲は前述した実施例によって決定されるものではなく、特許請求の範囲及びその特許請求の範囲の均等物によって決定されなければならない。
【符号の説明】
【0045】
10 胴体
11 開放口
12 収容空間部
13 傾斜ガイド面
14 支持段
15 結合面
20 カバー
21 流入口
22 Oリング
30 開閉部材
31 密着面
32 段差部
33 流路
34 ブレード
35 傾斜面
36 係止段
40 弾性スプリング
100 チェックバルブ
【手続補正書】
【提出日】2024-02-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォータージェット織機用チェックバルブであって、
内側に収容空間部(12)が形成された胴体(10)と、
胴体(10)と結合して密閉した状態で噴射水が流入するカバー(20)と、
胴体(10)の内側の収容空間部(12)に位置し、胴体(10)を通過して流れる噴射水の流れを管理し、吐き出される噴射水を整流するとともに噴射水が拡散せずに集束するように多数のブレード(34)が放射状に形成されて後方に行くほど中心方向に傾くような傾斜面(35)を有する多数の流路(33)が形成された開閉バルブ(30)と、を含み、
噴射水が吐き出される開放口(11)の縁部には、開閉部材(30)を通過して流れる噴射水の集束性が向上するように傾斜ガイド面(13)が形成されていることを特徴とする、ウォータージェット織機用チェックバルブ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
したがって、本発明の目的は、ウォータージェット織機の噴射圧の低下がないながらも耐久性に優れているウォータージェット織機用チェックバルブを提供することである。