(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007695
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】給湯装置及び給湯装置用サーバシステム
(51)【国際特許分類】
F24H 9/28 20220101AFI20240112BHJP
F24H 15/457 20220101ALI20240112BHJP
F24H 15/10 20220101ALI20240112BHJP
F24H 15/421 20220101ALI20240112BHJP
【FI】
F24H9/28
F24H15/457
F24H15/10
F24H15/421
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108939
(22)【出願日】2022-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 幸弘
(57)【要約】
【課題】外部サーバが提供する製品サポートページのうち、給湯器の型式に対応する製品サポートページのアドレス情報を含む情報コードを、リモコンにあらかじめ記憶しておくことを必要とせずに、リモコンで画像化して表示させる給湯装置を提供する。
【解決手段】給湯器10及びリモコン20を備える給湯装置1のリモコン20は、外部サーバ30が提供する製品サポートページのうち、給湯器10の型式に対応する製品サポートページのアドレス情報を含む2次元コード等の情報コードを、給湯器10で記憶保持された特定情報(給湯器10の型式に関連する情報)に基づいて画像化して前記表示部に表示させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯用水を加熱して出湯し得るように構成された給湯器と、該給湯器の運転操作用のリモコンとを備える給湯装置であって、
前記給湯器は、該給湯器の型式に関連する情報を含む特定情報をあらかじめ記憶保持した記憶部を備えており、
前記リモコンは、外部サーバが複数種類の給湯器の型式毎に分類して提供する製品サポートページに関するアドレス情報を含む情報コードの画像を表示可能な表示部と、前記外部サーバが提供する製品サポートページのうち、前記給湯器の型式に対応する製品サポートページのアドレス情報を含む情報コードである型式対応情報コードを、前記給湯器との通信により該給湯器から取得した前記特定情報に基づいて画像化して前記表示部に表示させる情報コード表示処理部とを有するように構成されていることを特徴とする給湯装置。
【請求項2】
請求項1記載の給湯装置において、
前記特定情報は、前記給湯器の型式を示す型式情報を含み、
前記リモコンの情報コード表示処理部は、前記給湯器から取得した特定情報に含まれる型式情報を用いて前記型式対応情報コードの画像を生成し、その生成した型式対応情報コードを画像化してなる画像を前記表示部に表示させるように構成されていることを特徴とする給湯装置。
【請求項3】
請求項2記載の給湯装置において、
前記リモコンの情報コード表示処理部は、前記給湯器又は前記リモコンで発生した異常に関するエラー情報を付加した前記型式対応情報コードを生成し得るように構成されていることを特徴とする給湯装置。
【請求項4】
請求項1記載の給湯装置において、
前記特定情報は、前記給湯器の型式に対応する製品サポートページのアドレス情報を含む情報コードであり、前記リモコンの情報コード表示処理部は、前記給湯器から前記特定情報として取得した情報コードを前記型式対応情報コードとして画像化してなる画像を前記表示部に表示させるように構成されていることを特徴とする給湯装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の給湯装置において、
前記特定情報は、前記給湯器の製造番号を含み、
前記リモコンの情報コード表示処理部は、前記給湯器の製造番号を付加した前記型式対応情報コードを画像化してなる画像を前記表示部に表示させるように構成されていることを特徴とする給湯装置。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載の給湯装置と、複数種類の給湯器の型式毎に分類された製品サポートぺージを提供する前記外部サーバとを備えることを特徴とする給湯装置用サーバシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯装置と、給湯装置用のサーバシステムとに関する。
【背景技術】
【0002】
給湯用水を加熱して出湯し得るように構成された給湯器と、該給湯器の運転操作用のリモコンとを備える給湯装置では、例えば特許文献1に見られるように、リモコンの記憶部に、給湯器の取扱説明書の電子データをダウンロードするためのウェブサイトのアドレス情報(URL)を表すQRコード(登録商標)等の情報コードを記憶しておき、その情報コードの画像をリモコンの表示部で適宜表示し得るようにしたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に見られる給湯装置において、ユーザが使用している給湯器の取扱説明書の電子データを容易にダウンロードし得るようにするためには、情報コードにより示されるアドレス情報(URL)が、ユーザが使用している給湯器の型式に対応するアドレス情報であることが好ましい。
【0005】
これは、情報コードにより示されるアドレス情報(URL)が、複数種類の給湯器に関連する上位のアドレス情報であると、ユーザは、その上位のアドレス情報に対応するウェブサイトから、該ユーザが使用している給湯器の型式に対応する情報をユーザ自身で探索しなければならないからである。
【0006】
しかるに、給湯装置では、一般に、給湯器の種類毎に、使用可能なリモコンが1機種に決まっているわけではなく、各機種のリモコンと組み合わせられる給湯器の種類は複数種類であることが多い。従って、各機種のリモコンの製造時あるいは出荷段階で、該リモコンと組み合わせる給湯器の型式に対応するアドレス情報を示す情報コードを該リモコンに記憶保持させることはできない。
【0007】
ここで、例えば給湯器の設置施工時に、施工業者等の業者が上記情報コードをリモコンに記憶保持させることが考えられる。しかるに、この場合、施工業者等の業者の工数が必要になって、該業者の作業負担が増加すると共に、情報コードをリモコンに記憶させるための機器が必要になる。また、誤った情報コードがリモコンに登録されてしまうことも生じやすくなる。
【0008】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、外部サーバが提供する製品サポートページのうち、給湯器の型式に対応する製品サポートページのアドレス情報を含む情報コードを、リモコンにあらかじめ記憶しておくことを必要とせずに、リモコンで画像化して表示させることができる給湯装置と、その給湯装置用のサーバシステムとを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の給湯装置は、上記の目的を達成するために、給湯用水を加熱して出湯し得るように構成された給湯器と、該給湯器の運転操作用のリモコンとを備える給湯装置であって、
前記給湯器は、該給湯器の型式に関連する情報を含む特定情報をあらかじめ記憶保持した記憶部を備えており、
前記リモコンは、外部サーバが複数種類の給湯器の型式毎に分類して提供する製品サポートページに関するアドレス情報を含む情報コードの画像を表示可能な表示部と、前記外部サーバが提供する製品サポートページのうち、前記給湯器の型式に対応する製品サポートページのアドレス情報を含む情報コードである型式対応情報コードを、前記給湯器との通信により該給湯器から取得した前記特定情報に基づいて画像化して前記表示部に表示させる情報コード表示処理部とを有するように構成されていることを特徴とする(第1発明)。
【0010】
なお、本発明において、「情報コード」はそれを画像化して表示したときの画像パターンによって情報を表すデータを意味する。該情報コードとしては、例えばQRコード(登録商標)等の2次元コード、バーコード等の1次元コードを使用し得る。また、本発明では、「特定情報」として、前記型式対応情報コード、あるいは、前記型式対応情報コードとは別形態の情報を使用し得る。そして、「特定情報に基づいて画像化」するというのは、「特定情報」が型式対応情報コードである場合には、該特定情報としての型式対応情報コードを画像化することを意味し、「特定情報」が型式対応情報コードと別形態の情報である場合には、該特定情報に基づいて生成した型式対応情報コードを画像化することを意味する。
【0011】
上記第1発明によれば、リモコンは、その運転操作対象の給湯器(リモコンと併せて給湯装置を構成する給湯器)の型式に対応する製品サポートページのアドレス情報を含む型式対応情報コードを、給湯器から取得した前記特定情報に基づいて画像化して、該リモコンの表示部に表示させることができる。
【0012】
よって、第1発明によれば、外部サーバが提供する製品サポートページのうち、給湯器の型式に対応する製品サポートページのアドレス情報を含む情報コードを、リモコンにあらかじめ記憶しておくことを必要とせずに、リモコンで画像化して表示させることができる。
【0013】
そして、給湯装置のユーザは、型式対応情報コードを読み込み可能なスマートフォン等の通信端末を使用することで、自身の給湯装置の給湯器の型式に対応する製品サポートページに容易にアクセスすることができる。また、リモコンは、複数種類の給湯器で使用することが可能となるので、リモコンの汎用性を高めることができる。
【0014】
上記第1発明では、前記特定情報は、前記給湯器の型式を示す型式情報を含み、前記リモコンの情報コード表示処理部は、前記給湯器から取得した特定情報に含まれる型式情報を用いて前記型式対応情報コードの画像を生成し、その生成した型式対応情報コードを画像化してなる画像を前記表示部に表示させるように構成されているという態様を採用し得る(第2発明)。
【0015】
これによれば、リモコンで給湯器の型式に対応する型式対応情報コードを生成するので、給湯器の型式に対応する製品サポートページのアドレス情報だけでなく、他の様々な情報を型式対応情報コードに含めることが可能となる。
【0016】
例えば、上記第2発明では、前記リモコンの情報コード表示処理部は、前記給湯器又は前記リモコンで発生した異常に関するエラー情報を付加した前記型式対応情報コードを生成し得るように構成され得る(第3発明)。
【0017】
これによれば、リモコンの表示部で表示させる型式対応情報コードが、給湯器の型式に対応する製品サポートページのアドレス情報に加えて、給湯器又はリモコンで発生した異常に関するエラー情報を含むので、該型式対応情報コードの画像をスマートフォン等の適宜の通信端末で読み込んだとき、該通信端末はエラー情報を外部サーバに送信することが可能となる。このため、給湯器の型式に対応する製品サポートページでエラー情報を入力する必要がある場合等に、ユーザが自身でエラー情報を入力する作業を省略することが可能となる。
【0018】
上記第1発明では、前記特定情報は、前記給湯器の型式に対応する製品サポートページのアドレス情報を含む情報コードであり、前記リモコンの情報コード表示処理部は、前記給湯器から前記特定情報として取得した情報コードを前記型式対応情報コードとして画像化してなる画像を前記表示部に表示させるように構成されているという態様を採用することもできる(第4発明)。
【0019】
これによれば、リモコンは、型式対応情報コードを生成する処理を必要とせずに、型式対応情報コードの画像を表示部で表示させることができる。このため、リモコンのソフトウェア構成を簡略化したり、低コスト化することが可能となる。
【0020】
上記第1発明~第4発明のいずれかの発明では、前記特定情報は、前記給湯器の製造番号を含み、前記リモコンの情報コード表示処理部は、前記給湯器の製造番号を付加した前記型式対応情報コードを画像化してなる画像を前記表示部に表示させるように構成され得る(第5発明)。
【0021】
これによれば、リモコンの表示部で表示させる型式対応情報コードが、給湯器の型式に対応する製品サポートページのアドレス情報に加えて、給湯器の製造番号を含むので、該型式対応情報コードの画像をスマートフォン等の適宜の通信端末で読み込んだとき、該通信端末は給湯器の製造番号を外部サーバに送信することが可能となる。このため、給湯器の型式に対応する製品サポートページで給湯器の製造番号を入力する必要がある場合等に、ユーザが自身で製造番号を入力する作業を省略することが可能となる。
【0022】
また、本発明の給湯装置用サーバシステムは、上記第1発明~第5発明のいずれかの発明の給湯装置と、複数種類の給湯器の型式毎に分類された製品サポートぺージを提供する前記外部サーバとを備えることを特徴とする(第6発明)。
これによれば、第1発明~第5発明に関して説明した効果を奏し得るサーバシステムを構築できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態の給湯装置用サーバシステムの全体構成を示す図。
【
図2】
図1に示す給湯装置の作動に関する構成を示すブロック図。
【
図3】
図1に示す外部サーバが提供する製品サポートページの例を示す図。
【
図4】
図2に示す情報コード表示処理部の第1実施形態での処理を示すフローチャート。
【
図5】
図2に示す情報コード表示処理部の第2実施形態での処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を
図1~
図4を参照して以下に説明する。
図1を参照して、本実施形態の給湯装置用サーバシステムは、給湯装置1と、外部サーバ30と、通信端末40とを備える。
【0025】
給湯装置1は、給湯用水を加熱して出湯し得るように構成された熱源機としての給湯器10と、給湯器10の運転操作用のリモコン20とを備える。給湯器10には、給水路11と出湯路12とが接続されており、給水路11から供給される給湯用水を図示しない加熱装置で加熱し、その加熱した給湯用水を出湯路12から出湯する。加熱装置としては、例えば燃焼式の加熱装置が使用される。
【0026】
なお、給湯器10は、加熱した給湯用水を貯湯する貯湯タンクを備えるものであってもよい。この場合、給湯器10は、貯湯タンク内の給湯用水を加熱する加熱装置として、燃焼式の加熱装置に限らず、例えばヒートポンプ方式の加熱装置、あるいは、電熱式の加熱装置を備えていてもよい。また、給湯器10は、浴槽に対する湯はり機能や追い焚き機能を備えていてもよい。さらに、給湯器10は、温水等の熱媒を使用する暖房装置用の暖房回路を備えていてもよい。
【0027】
給湯器10には、その作動制御等を行う機能を有する制御装置15が搭載されている。該制御装置15は、マイコン等のプロセッサ、メモリ(ROM、RAM等)、インターフェース回路、通信装置等を含む一つ以上の電子回路ユニットにより構成され、リモコン20と有線又は無線による通信を行うことが可能である。そして、制御装置15は、実装されたハードウェア構成及びプログラム(ソフトウェア構成)により実現される機能によって、給湯器10の作動制御を行い得る。
【0028】
また、
図2に示すように、制御装置15は、該制御装置15が搭載された給湯器10の型式に関する情報を含む特定情報をあらかじめ記憶保持する記憶部15a(メモリ)を有する。この記憶部15aは、例えばEEPROM等の不揮発性メモリにより構成され得る。そして、記憶部15aに記憶保持された特定情報は、本実施形態では、給湯器10の型式に関する情報(型式に対応付けられた情報)として、給湯器10の型式そのものを示す型式情報を含み、さらに、該型式情報に加えて、給湯器10の製造番号を含む。該特定情報は、例えば、給湯器10の出荷前に、製造ライン等においてあらかじめ記憶部15aに書き込まれる。
【0029】
リモコン20は、
図2に示すように、液晶表示器、有機EL表示器等により構成される表示部22と、図示しない複数の操作スイッチを含む操作部23と、リモコン20の作動制御等を行う機能を有する制御部21とを備える。なお、表示部22は、操作部23としての機能を含むタッチパネル型の表示部であってもよい。
【0030】
制御部21は、マイコン等のプロセッサ、メモリ(ROM、RAM等)、インターフェース回路、通信装置等を含む一つ以上の電子回路ユニットにより構成される。この制御部21は、給湯器10の制御装置15と有線又は無線による通信を行うことが可能であると共に、操作部23の操作信号が入力される。そして、制御部21は、実装されたハードウェア構成及びプログラム(ソフトウェア構成)により実現される機能によって、表示部22の表示情報を制御することや、図示しない発音部の作動制御を行うことが可能である。
【0031】
ここで、本実施形態では、表示部22は、様々な情報を画像パターンにより表す情報コードとして、例えばQRコード(登録商標)等の2次元コードの画像を表示することが可能である。そして、制御部21は、リモコン20と併せて給湯装置1を構成する給湯器10の型式に対応する2次元コードである型式対応2次元コードの画像の表示要求が発生したとき、該型式対応2次元コードの画像を表示部22に表示させる情報コード表示処理部21aとしての機能を含む。なお、型式対応2次元コードの詳細は後述する。
【0032】
外部サーバ30は、給湯器10を含む複数種類の給湯器に関する製品サポートページ(WEBページ)をインターネットや電話回線網等により構成される外部ネットワークNWを介して提供可能なサーバである。この場合、外部サーバ30は、給湯器の型式毎に分類された製品サポートページを提供し得るように構築されている。
【0033】
例えば、外部サーバ30は給湯器の各型式毎の製品サポートページとして、
図3に例示する如き製品サポートページを提供することが可能である。この例では、ある型式の給湯器に対応する製品サポートページにおいて、品名コード、型式、商品名、使用するガス種、製造番号が表示される。
【0034】
また、この製品サポートページでは、該当する型式の給湯器の取扱説明書を取得(ダウンロード)するためのページ、該当する型式の給湯器に関してよくある質問とその回答を表示するためのページ、該当する型式の給湯器の修理の依頼をするためページ、該当する型式の給湯器に関する問い合わせをするためのページ、該当する型式の給湯器に関する消耗品やオプション品を注文するためのページ、該当する型式の給湯器に関して所有品登録(ユーザ登録)をするためのページを選択することが可能である。
【0035】
ここで、リモコン20の制御部21が、情報コード表示処理部21aにより表示部22に表示させる型式対応2次元コードについて説明しておく。該型式対応2次元コードは、その画像パターンによって表される情報として、外部サーバ30が提供する製品サポートページのうち、リモコン20と併せて給湯装置1を構成する給湯器10の型式に対応する製品サポートページのアドレス(URL)を示すアドレス情報を少なくとも含む2次元コードである。該型式対応2次元コードは、本発明における型式対応情報コードに相当する。
【0036】
そして、情報コード表示処理部21aは、本実施形態では、型式対応2次元コードを表示部22に表示させる要求が発生したとき、給湯器10の制御装置15の記憶部15aに記憶保持されている前記特定情報を用いて型式対応2次元コードを生成する処理を実行し、その生成した型式対応2次元コードを画像化してなる画像を表示部22に表示させることが可能である。
【0037】
通信端末40は、例えばスマートフォンやタブレット端末等により構成された通信端末であり、表示部41と、カメラ42とを備える。なお、表示部41は、例えばタッチパネル型の表示部であり得るが、表示部41とは別に操作部が通信端末40に備えられていてもよい。また、カメラ42は、通信端末40に一体に備えられたものに限らず、接続ケーブルを介して通信端末40に接続される外付け型のカメラであってもよい。
【0038】
この通信端末40には、カメラ42を介して2次元コードの画像を読み取るためのアプリケーションがあらかじめインストールされている。また、通信端末40は、外部ネットワークNWと随時、通信を行うことが可能である。このため、リモコン20の表示部22に型式対応2次元コードの画像が表示された状態で、該型式対応2次元コードの画像を
図1に示す如く通信端末40のカメラ42で撮影すると、通信端末40は、該型式対応2次元コードの画像パターンにより表される情報を自動的に取得することが可能である。
【0039】
そして、該通信端末40は、型式対応2次元コードの画像から取得した情報のうち、給湯器10の型式に対応する製品サポートページのアドレス情報に基づいて、該アドレス情報により示されるアドレス宛に外部サーバ30に対してアクセスすることが可能であり、このアクセスに応じて当該アドレスの製品サポートページを表示部41で表示させることが可能である。
【0040】
次に、本実施形態において、リモコン20の表示部22に型式対応2次元コードの画像を表示させる場合の作動を説明する。本実施形態では、給湯装置1のユーザがリモコン20で所定の操作(型式対応2次元コードの画像を表示させるための操作)行うか、あるいは、給湯器10もしくはリモコン20で異常が発生した場合に、リモコン20の制御部21が型式対応2次元コードの画像を表示部22に表示させる要求が発生したことを検知する。
【0041】
このとき、リモコン20の制御部21の情報コード表示処理部21aは、
図4のフローチャートに示す処理を実行する。STEP1において、情報コード表示処理部21aは、給湯器10の制御装置15との通信によって、制御装置15の記憶部15aに記憶保持されている特定情報(給湯器10の型式情報及び製造番号を含む特定情報)を取得する。
【0042】
次いで、STEP2において、情報コード表示処理部21aは、給湯器10又はリモコン20で生じた異常に関するエラー情報があるか否かを判断する。ここで、給湯器10で異常が発生した場合には、その異常内容や発生日時等を示すエラー情報が給湯器10の制御装置15で時系列的に記憶され、リモコン20で異常が発生した場合には、その異常内容や発生日時等を示すエラー情報がリモコン20の制御部21で時系列的に記憶される。なお、エラー情報は、給湯器10の制御装置15又はリモコン20の制御部21で一括して記憶されていてもよい。
【0043】
給湯器10の制御装置15又はリモコン20の制御部21で記憶されたエラー情報がある場合に、STEP2の判断結果が肯定的になる。この場合には、情報コード表示処理部21aは、STEP3において、最新のエラー情報、又は直近の所定期間分もしくは所定回数分のエラー情報を取得する。
【0044】
さらに、STEP4において、情報コード表示処理部21aは、STEP1で取得した特定情報とSTEP3で取得したエラー情報とを用いて型式対応2次元コードを生成する。この場合、情報コード表示処理部21aは、取得した特定情報のうちの型式情報を用いて給湯器10の型式に対応する製品サポートページのアドレス(URL)を決定する。
【0045】
具体的には、本実施形態では、リモコン20の制御部21には、外部サーバ30が提供する製品サポートページのうち、型式毎の製品サポートページの上位の製品サポートページのアドレスである上位アドレスがあらかじめ記憶保持されている。
【0046】
そして、情報コード表示処理部21aは、当該上位アドレスに、給湯器10の型式情報をパラメータとして付加することで、給湯器10の型式に対応する製品サポートページのアドレスを決定する。このように上位アドレスに、給湯器10の型式情報をパラメータとして付加したアドレスは、例えば、「https://www.rinnai-style.jp/products_support/?P1= CXUR-B2300W」というような形式で表される。この例では、「www.rinnai-style.jp/products_support/」が上位アドレスであり、「?P1= CXUR-B2300W」が型式情報(=CXUR-B2300W)をパラメータとして付加した部分である。
【0047】
なお、上記上位アドレスは、給湯器10の制御装置15で記憶保持してもよい。そして、給湯器10の型式に対応する製品サポートページのアドレスを決定する際等に、リモコン20の制御部21が給湯器10の制御装置15から上位アドレスを取得するようにしてもよい。また、上位アドレスは、前記特定情報に含まれていてもよい。
【0048】
STEP4では、情報コード表示処理部21aは、上記のように給湯器10の型式に対応する製品サポートページのアドレスを決定した後、そのアドレスを示すアドレス情報と、STEP1で取得した特定情報のうちの給湯器10の製造番号と、STEP3で取得したエラー情報とを含む情報を画像パターンにより表す2次元コードとして、型式対応2次元コードを生成する。
【0049】
ここで、本実施形態では、リモコン20の制御部21に実装されたプログラムには、2次元コードを生成するためのアプリケーションが含まれている。そして、情報コード表示処理部21aは、そのアプリケーションの処理を実行することで、型式対応2次元コードを生成する。
【0050】
一方、給湯器10の制御装置15又はリモコン20の制御部21で記憶されたエラー情報が無い場合には、STEP2の判断結果が否定的になる。この場合には、情報コード表示処理部21aは、STEP5において、型式対応2次元コードを生成する。このSTEP5では、情報コード表示処理部21aは、STEP1で取得した特定情報を用いて型式対応2次元コードを生成する。
【0051】
この場合、情報コード表示処理部21aは、STEP4と同様に、取得した特定情報のうちの型式情報を用いて、給湯器10の型式に対応する製品サポートページのアドレス(URL)を決定する。そして、情報コード表示処理部21aは、決定したアドレスを示すアドレス情報と、特定情報のうちの製造番号とを含む情報を画像パターンにより表す2次元コードとして、型式対応2次元コードを生成する。
【0052】
上記のようにSTEP4又は5で型式対応2次元コードを生成した後、情報コード表示処理部21aは、STEP6において、該型式対応2次元コードを画像化してなる画像をリモコン20の表示部22で表示させる。
以上の如く、情報コード表示処理部21aの処理が実行される。
【0053】
上記のようにリモコン20の表示部22に型式対応2次元コードの画像が表示された状態で、給湯装置1のユーザが、自身の通信端末40のカメラ42により該型式対応2次元コードの画像を撮影することで、該通信端末40は、型式対応2次元コードの画像パターンにより表される情報のうち、給湯器10の型式に対応する製品サポートページのアドレス情報により示されるアドレス宛に、外部サーバ30に対してアクセスし得る状態になる。
【0054】
このとき、ユーザが当該アクセスを要求する操作を通信端末40で行うと、該通信端末40が、当該アクセスを実行する。これにより、
図3に示した如き、給湯器10の型式に対応する製品サポートページが通信端末40の表示部41で表示される。
【0055】
このように、ユーザは、自身が使用する給湯器10の型式や、外部サーバ30が提供する製品サポートページのアドレスを知らずとも、リモコン20の表示部22で表示される型式対応2次元コードの画像を、自身の通信端末40によりカメラ42を介して読み取ることで、容易に、給湯器10の型式に対応する製品サポートページを自身の通信端末40の表示部41で表示させることができる。
【0056】
ひいては、ユーザは、その製品サポートページを起点として、自身の給湯器10の型式に対応する取扱説明書を取得したり、該給湯器10に関してよくある質問とその回答を確認したり、該給湯器10の修理の依頼をしたり、該給湯器10に関する問い合わせをしたり、該給湯器10に関する消耗品やオプション品を注文したり、該給湯器10に関して所有品登録(ユーザ登録)をすることを容易に行い得る。
【0057】
また、型式対応2次元コードの画像パターンにより表される情報は、エラー情報や製造番号を含んでいるため、これらの情報を通信端末40から外部サーバ30に自動的に送信し得る。このため、給湯器10の修理の依頼をしたり、給湯器10に関する問い合わせをするときに、エラー情報や製造番号をユーザが入力する作業を省略できる。ひいては、当該依頼や当該問い合わせを容易に行うことができると共に、ユーザによるエラー情報や製造番号の誤入力も防止できる。
【0058】
また、所有品登録(ユーザ登録)をする場合においても、給湯器10の型式や、製造番号等の情報をユーザが入力する作業を省略できるので、所有品登録(ユーザ登録)を容易に行うことができる。
【0059】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を
図5を参照して説明する。なお、本実施形態は、給湯器10の制御装置15の記憶部15aに記憶保持される特定情報の内容と、リモコン20の情報コード表示処理部21aの処理だけが第1実施形態と相違するので、第1実施形態と同一の事項については説明を省略する。
【0060】
本実施形態では、給湯器10の制御装置15の記憶部15aに記憶保持される特定情報は、例えば2次元コードである。この場合、該2次元コードは、その画像パターンにより表される情報として、外部サーバ30が提供する製品サポートページのうち、給湯器10の型式に対応する製品サポートページのアドレスを示すアドレス情報と、給湯器10の製造番号とを含む型式対応2次元コードである。
【0061】
この場合、給湯器10の型式に対応する製品サポートページのアドレスは、第1実施形態で情報コード表示処理部21aがSTEP4又は5で決定したアドレスと同じ形式のアドレス(給湯器10の型式をパラメータとして用いるアドレス)でもよいが、給湯器10の型式をパラメータとして用いずに、該型式に対応するディレクトリを直接的に指定する形式のアドレスであってもよい。
【0062】
このようなアドレスは、例えば、「https://www.rinnai-style.jp/products_support/index/CXUR/000001」というような形式で表される。この例では、「www.rinnai-style.jp/products_support/」が前記した上位アドレスであり、「index/CXUR/000001」が給湯器10の型式に対応するディレクトリを示す部分である。
【0063】
そして、本実施形態では、リモコン20の制御部21が型式対応2次元コードの画像を表示部22に表示させる要求が発生したことを検知したときに、該制御部21の情報コード表示処理部21aが、
図5のフローチャートに示す処理を実行する。STEP11において、情報コード表示処理部21aは、給湯器10の制御装置15との通信によって、制御装置15の記憶部15aに記憶保持されている特定情報としての型式対応2次元コードを取得する。
【0064】
次いで、STEP12において、情報コード表示処理部21aは、STEP11で取得した型式対応2次元コードを画像化してなる画像をリモコン20の表示部22で表示させる。
【0065】
本実施形態では、以上の如く、情報コード表示処理部21aの処理が実行される。本実施形態は、以上説明した事項以外は、第1実施形態と同じである。なお、本実施形態では、情報コード表示処理部21aは、2次元コードを生成する処理を実行しないので、リモコン20の制御部21に、2次元コードの生成用のアプリケーションを備えておく必要はない。
【0066】
かかる本実施形態においても、型式対応2次元コードの画像パターンにより表される情報は、給湯器10の型式に対応する製品サポートページのアドレスを示すアドレス情報を含んでいるので、リモコン20の表示部22に型式対応2次元コードの画像が表示された状態で、給湯装置1のユーザが、自身の通信端末40のカメラ42により該型式対応2次元コードの画像を撮影することで、第1実施形態と同様に、給湯器10の型式に対応する製品サポートページを通信端末40の表示部41で表示させることができる。
【0067】
従って、第1実施形態と同様に、ユーザは、自身が使用する給湯器10の型式や、外部サーバ30が提供する製品サポートページのアドレスを知らずとも、容易に、外部サーバ30が提供する製品サポートページのうち、給湯器10の型式に対応する製品サポートページを自身の通信端末40の表示部41で表示させることができる。
【0068】
ひいては、ユーザは、その製品サポートページを起点として、自身の給湯器10の型式に対応する取扱説明書を取得したり、該給湯器10に関してよくある質問とその回答を確認したり、該給湯器10の修理の依頼をしたり、該給湯器10に関する問い合わせをしたり、該給湯器10に関する消耗品やオプション品を注文したり、該給湯器10に関して所有品登録(ユーザ登録)をすることを容易に行い得る。
【0069】
また、型式対応2次元コードの画像パターンにより表される情報は、製造番号を含んでいるため、該製造番号を通信端末40から外部サーバ30に自動的に送信し得る。このため、給湯器10の修理の依頼をしたり、給湯器10に関する問い合わせをするときに、製造番号をユーザが入力する作業を省略できる。ひいては、当該依頼や当該問い合わせを容易に行うことができると共に、ユーザによる製造番号の誤入力も防止できる。
【0070】
また、所有品登録(ユーザ登録)をする場合においても、給湯器10の型式や、製造番号等の情報をユーザが入力する作業を省略できるので、所有品登録(ユーザ登録)を容易に行うことができる。
【0071】
[他の実施形態]
なお、本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態を採用することもできる。以下に他の実施形態をいくつか例示する。前記第1実施形態では、特定情報のうち、給湯器10の型式に関する情報として、型式そのものを示す型式情報を用いたが、該型式情報の代わりに、例えば、給湯器10の型式に対応する製品サポートページのアドレス情報を用いてもよい。この場合、該製品サポートページのアドレス情報は、型式情報をパラメータとして用いるアドレス情報、あるいは、型式情報をパラメータとして用いることなく、ディレクトリを指定するアドレス情報のいずれであってもよい。
【0072】
前記各実施形態では、給湯器10の制御装置15の記憶部15aに記憶保持させる特定情報に、給湯器10の製造番号を含めたが、該製造番号を省略してもよい。
【0073】
前記各実施形態では、情報コードとしてQRコード(登録商標)等の2次元コードを使用したが、本発明における情報コードは、2次元コードに限らず、例えばバーコード等の1次元コードであってもよい
【符号の説明】
【0074】
1…給湯装置、10…給湯器、15a…記憶部、20…リモコン、22…表示部、21a…情報コード表示処理部、30…外部サーバ。