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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076962
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】パッケージング基板及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20240530BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
H01L23/12 F
H05K3/46 Q
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023178556
(22)【出願日】2023-10-17
(31)【優先権主張番号】202211493722.6
(32)【優先日】2022-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521133551
【氏名又は名称】ズハイ アクセス セミコンダクター シーオー.,エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】Zhuhai Access Semiconductor Co., Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 彩夏
(74)【代理人】
【識別番号】100231647
【弁理士】
【氏名又は名称】千種 美也子
(72)【発明者】
【氏名】シャンミン チェン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ホアン
(72)【発明者】
【氏名】ウエンジャン リン
(72)【発明者】
【氏名】ジュチェン ホアン
(72)【発明者】
【氏名】ベンシア ホアン
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA05
5E316AA12
5E316AA43
5E316CC08
5E316DD02
5E316DD03
5E316EE33
5E316HH40
5E316JJ12
5E316JJ25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電子製品において高集積化、多機能、超小型化のニーズを満たすために役立つパッケージング基板及び作製方法をを提供する。
【解決手段】パッケージング基板は、第1誘電体層101と、第1誘電体層101に設けられ、ダム103を含む第1回路層102と、第1誘電体層に101設けられ、且つ、第1回路層102を覆う第2誘電体層104と、第2誘電体層104に埋め込まれ、かつ、ダム103によって囲まれる部品105と、第2誘電体層104に設けられ、且つ、部品105を覆う第3誘電体層106と、を含む。ダム103を設けることにより、ダム103を利用して、第2誘電体層104に埋め込まれる過程で部品105の位置ずれの問題を効果的に避けるとともに、焼いて粗面化するステップを省き、誘電体層の間に良好な結合力を確保できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージング基板であって、
第1誘電体層と、
前記第1誘電体層に設けられる第1回路層であって、ダムを含む第1回路層と、
前記第1誘電体層に設けられ且つ前記第1回路層を覆う第2誘電体層と、
前記第2誘電体層に埋め込まれかつ前記ダムによって囲まれる部品と、
前記第2誘電体層に設けられ且つ前記部品を覆う第3誘電体層とを含むことを特徴とするパッケージング基板。
【請求項2】
前記ダムの高さは、5~50μmであることを特徴とする請求項1に記載のパッケージング基板。
【請求項3】
前記ダムの形状は、前記部品の形状に適合することを特徴とする請求項1に記載のパッケージング基板。
【請求項4】
前記部品の外周の前記ダムに対する距離は、5~500μmであり、且つ/又は
前記部品が前記ダムに埋め込まれた深さは、1μm以上であることを特徴とする請求項1に記載のパッケージング基板。
【請求項5】
前記ダムは、少なくとも1つの開口部を含むことを特徴とする請求項1に記載のパッケージング基板。
【請求項6】
前記第1誘電体層と前記部品との間の第2誘電体層の厚さは、3~30μmであることを特徴とする請求項1に記載のパッケージング基板。
【請求項7】
前記第1誘電体層は、キャビティを含み、前記キャビティは、前記ダムの中に位置することを特徴とする請求項1に記載のパッケージング基板。
【請求項8】
前記キャビティの深さは、60μm以下であることを特徴とする請求項7に記載のパッケージング基板。
【請求項9】
前記第2誘電体層及び前記第3誘電体層は、単層又は複数層の構造であることを特徴とする請求項1に記載のパッケージング基板。
【請求項10】
パッケージング基板の作製方法であって、
具体的には、
a)基板を提供することであって、前記基板は第1誘電体層とその上に位置する第1回路層とを含み、前記第1回路層はダムを含むことと、
b)前記第1誘電体層及び前記第1回路層に第2誘電体層を形成させることと、
c)前記ダムの対応する位置の第2誘電体層に部品を実装することと、
d)前記第2誘電体層を加熱してその流動を回復させ、前記部品に圧力を加えることにより、それを前記基板に垂直な方向に沿って前記ダムによって囲まれた第2誘電体層に埋め込むことと、
e)前記第2誘電体層に前記部品を覆う第3誘電体層を形成させることとを含むことを特徴とする作製方法。
【請求項11】
前記ダムの高さは、5~50μmであることを特徴とする請求項10に記載の作製方法。
【請求項12】
前記方法は、
温度、圧力及び押圧時間を調整することにより、前記部品の埋め込まれた深さを制御することを含むことを特徴とする請求項10に記載の作製方法。
【請求項13】
前記部品が前記ダムに埋め込まれた深さは、1μm以上であることを特徴とする請求項10に記載の作製方法。
【請求項14】
前記部品の外周の前記ダムに対する距離は、5~500μmであり、且つ/又は
前記第1誘電体層と前記部品との間の第2誘電体層の厚さは、3~30μmであることを特徴とする請求項10に記載の作製方法。
【請求項15】
前記方法は、
前記第1誘電体層にキャビティを形成させ、前記キャビティは、前記ダムの中に位置することを含むことを特徴とする請求項10に記載の作製方法。
【請求項16】
前記キャビティの深さは、60μm以下であることを特徴とする請求項15に記載の作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体の技術分野に関し、特に、パッケージング基板及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子工業が継続的に発展するのにつれて、電子製品の多機能化及び超小型化は発展の趨勢となっている。パッケージング基板分野では、部品を基板の内部に埋め込むことは、電子製品において高集積化、多機能、超小型化のニーズを満たすために役立つ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに鑑みて、本開示の目的は、パッケージング基板及び作製方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的から、第1態様として、本開示は、パッケージング基板を提供し、前記パッケージング基板は、
第1誘電体層と、
前記第1誘電体層に設けられる第1回路層であって、ダムを含む第1回路層と、
前記第1誘電体層に設けられ且つ前記第1回路層を覆う第2誘電体層と、
前記第2誘電体層に埋め込まれかつ前記ダムによって囲まれる部品と、
前記第2誘電体層に設けられ且つ前記部品を覆う第3誘電体層とを含む。
【0005】
一部の実施例では、前記ダムの高さは、5~50μmである。
【0006】
一部の実施例では、前記ダムの形状は、前記部品の形状に適合する。
【0007】
一部の実施例では、前記部品の外周の前記ダムに対する距離は、5~500μmであり、且つ/又は
前記部品が前記ダムに埋め込まれた深さは、1μm以上である。
【0008】
一部の実施例では、前記ダムは、少なくとも1つの開口部を含む。
【0009】
一部の実施例では、前記第1誘電体層と前記部品との間の第2誘電体層の厚さは、3~30μmである。
【0010】
一部の実施例では、前記第1誘電体層は、キャビティを含み、前記キャビティは、前記ダムの中に位置する。
【0011】
一部の実施例では、前記キャビティの深さは、60μm以下である。
【0012】
一部の実施例では、前記第2誘電体層及び前記第3誘電体層は、単層又は複数層の構造である。
【0013】
第2態様として、本開示は、パッケージング基板の作製方法を提供し、前記作製方法は、具体的には、
a)基板を提供することであって、前記基板は第1誘電体層とその上に位置する第1回路層とを含み、前記第1回路層はダムを含むことと、
b)前記第1誘電体層及び前記第1回路層に第2誘電体層を形成させることと、
c)前記ダムの対応する位置の第2誘電体層に部品を実装することと、
d)前記第2誘電体層を加熱してその流動を回復させ、前記部品に圧力を加えることにより、それを前記基板に垂直な方向に沿って前記ダムによって囲まれた第2誘電体層に埋め込むことと、
e)前記第2誘電体層に前記部品を覆う第3誘電体層を形成させることとを含む。
【0014】
一部の実施例では、前記ダムの高さは、5~50μmである。
【0015】
一部の実施例では、前記方法は、
温度、圧力及び押圧時間を調整することにより、前記部品の埋め込まれた深さを制御することを含む。
【0016】
一部の実施例では、前記部品が前記ダムに埋め込まれた深さは、1μm以上である。
【0017】
一部の実施例では、前記部品の外周の前記ダムに対する距離は、5~500μmであり、且つ/又は
前記第1誘電体層と前記部品との間の第2誘電体層の厚さは、3~30μmである。
【0018】
一部の実施例では、前記方法は、
前記第1誘電体層にキャビティを形成させることであって、前記キャビティは前記ダムの中に位置することを含む。
【0019】
一部の実施例では、前記キャビティの深さは、60μm以下である。
【発明の効果】
【0020】
以上の記載から分かるように、本開示によって提供されるパッケージング基板及び作製方法は、ダムを設けることにより、ダムを利用して、第2誘電体層に埋め込まれる過程で部品の位置ずれの問題を効果的に避けるとともに、焼いて粗面化するステップを省き、誘電体層の間に良好な結合力があることを確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
以下、本開示又は関連技術における技術的解決手段をより明瞭に説明するために、実施例又は関連技術の説明で使用する図面を簡単に紹介する。言うまでもないが、以下に説明される図面は、本開示の実施例に過ぎず、当業者は、新規性のある作業をすることなく、これらの図面から他の図面を得ることができる。図面では、より一層の理解及び説明しやすさのために、一部の層及び領域の厚さ及び形状を誇張することができる。
図1図1は、本開示の実施例によって提供されるパッケージング基板の断面模式図である。
図2図2は、図1のパッケージング基板の部分構造の平面図である。
図3図3は、本開示の実施例によって提供される別のパッケージング基板の断面模式図である。
図4図4は、本開示の実施例によって提供されるパッケージング基板において部品が力を受けることの模式図である。
図5(a)】図5(a)は、本開示の実施例のパッケージング基板の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図である。
図5(b)】図5(b)は、本開示の実施例のパッケージング基板の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図である。
図5(c)】図5(c)は、本開示の実施例のパッケージング基板の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図である。
図5(d)】図5(d)は、本開示の実施例のパッケージング基板の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図である。
図5(e)】図5(e)は、本開示の実施例のパッケージング基板の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図である。
図5(f)】図5(f)は、本開示の実施例のパッケージング基板の作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図である。
図6(a)】図6(a)は、本開示の実施例のパッケージング基板のもう1つの作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図である。
図6(b)】図6(b)は、本開示の実施例のパッケージング基板のもう1つの作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図である。
図6(c)】図6(c)は、本開示の実施例のパッケージング基板のもう1つの作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図である。
図6(d)】図6(d)は、本開示の実施例のパッケージング基板のもう1つの作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図である。
図6(e)】図6(e)は、本開示の実施例のパッケージング基板のもう1つの作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図である。
図6(f)】図6(f)は、本開示の実施例のパッケージング基板のもう1つの作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図である。
図6(g)】図6(g)は、本開示の実施例のパッケージング基板のもう1つの作製方法の各ステップの中間構造の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本開示の目的、技術的解決手段及び利点が一層明瞭になるように、特定の実施例を用い、図面を参照して、本開示をより詳細に説明する。
【0023】
なお、特に定義がない限り、本開示の実施例で使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解している一般的な意味を有する。本開示の実施例で使用される「第1」、「第2」及び類似する用語は、順番、数量又は重要度を一切表さず、異なる構成部分を区別するために使用される。「含む」又はこれに類似する用語は、当該用語より先に現れる素子又は物体が、当該用語の後ろに列挙される素子又は物体及びその同等なものをカバーし、ただし他の素子又は物体は除外しないことを意味する。「上」、「下」、「左」、「右」などは、相対的な位置関係だけを表すために使用され、説明対象の絶対的な位置が変わると、当該相対的な位置関係はこれに応じて変わる可能性がある。
【0024】
「上」、「上面」、「下面」、「横」などの用語を使用して2つの部品の位置関係を説明する場合は、これらの用語が用語「すぐ隣」又は「直接」と共に使用されない限り、1つ又は複数の部品が2つの部品の間に位置してもよい。
【0025】
1つの素子又は層が別の素子又は層の「上」に設けられる場合は、別の層又は素子は、直接当該別の素子の上に又はそれらの間に挿入されてもよい。
【0026】
従来のキャビティ(Cavity)レス埋込技術では、一般に、部品を樹脂の表面に実装し、次に焼いて硬化させ、さらに樹脂媒体で部品を包み込み、最後に層間の電気的導通を行う。
【0027】
後の樹脂包込プロセスで熱圧下の樹脂流動が引き起こす部品の位置ずれを避けるために、部品を実装した後に、窒素の中で焼いて部品を樹脂の表面に固定させる工程を加える必要がある。焼いた後に樹脂の表面が既に硬化しているため、一般には、後の樹脂包込に備え、2層の樹脂間の結合力が悪いという問題を避けるために、さらに樹脂の表面の粗面化処理が必要であるが、樹脂包込層は厚くなりすぎて、層間ビアホールの作製及び基板全体の厚さの低減には不利である。
【0028】
これに鑑みて、第1態様として、本開示の実施例は、パッケージング基板を提供し、ダムを設けることにより、ダムを利用して、第2誘電体層に埋め込まれる過程で部品の位置ずれの問題を効果的に避けるとともに、焼いて粗面化するステップを省き、誘電体層の間に良好な結合力があることを確保するために役立つ。
【0029】
図1図3に示されるとおり、前記パッケージング基板は、第1誘電体層101と、第1誘電体層101に設けられる第1回路層102であって、ダム103を含む(図2を参照)第1回路層と、第1誘電体層101に設けられ且つ第1回路層102を覆う第2誘電体層104と、ダム103に埋め込まれる部品105であって、底部は第2誘電体層104に接触する部品105と、第2誘電体層104に設けられ且つ部品105を覆う第3誘電体層106とを含む。
【0030】
ここで、図4が参照されるとおり、窒素の中で焼く代わりにダム103を利用するのは、一方では、ダム103は第2誘電体層の流動を止める役割を果たし、他方では、部品105は圧着誘電体層の流動で力F1とバランスがとれないためスライドしようとする時に「ダム」から反力F2を受け、これにより部品105を第2誘電体層104に埋め込み、第3誘電体層106を圧着する過程で位置ずれが生じないことが確保される。また、焼く必要もなければ、さらに誘電体層の表面の粗面化処理ステップを増設する必要もないため、作製プロセスは簡素化され、基板の総厚さは低減される。
【0031】
一部の実施例では、第1誘電体層101は、載置板又は基板の表面の誘電体層であってもよく、材料は、例えば、液晶高分子ポリマー、BT(bismaleimide triazine(ビスマレイミドトリアジン))樹脂、プリプレグ(Prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up(味の素ビルドアップ))フィルム、エポキシ樹脂(expoxy)、ポリイミド(polyimide)樹脂などから選ばれてもよく、本開示はこれについて限定しない。
【0032】
一部の実施例では、ダム103の高さは、5~50μmであり、例えば、5μm、10μm、15μm、26μm、32μm、38μm、45μm、又は50μmである。なお、ダム103の高さが5μm未満であれば、位置ずれを防ぐ効果は保証できず、ダム103及び第1回路層102を同時に作製するため、ダム103の高さが50μmを超えれば、作製コストは高く且つその必要もない。ここで、第1回路層102は、電気メッキによって形成されてもよく、材料は、銅であってもよい。
【0033】
部品105は、能動素子であってもよく、例えば、トランジスタ、ICチップ、論理回路素子、電力増幅器であり、受動素子であってもよく、例えば、コンデンサ、インダクタ、抵抗器又はそれらの組み合わせである。本開示はこれについて限定しない。
【0034】
これにより、ダム103の形状は、部品105の形状に適合し、例えば、円形、正方形などである。
【0035】
さらに、ダム103は、完全に閉鎖された構造であってもよいし(図2を参照)、少なくとも1つの開口部を含んでもよい(不図示)。当業者は、必要に応じて、ダム103の構造を具体的に調整することにより、実際のニーズを満たすことできる。
【0036】
一部の実施例では、部品105がダム103に埋め込まれた深さは、1μm以上であり、例えば、1μm、1.5μm、2μmである。
【0037】
一部の実施例では、部品105の外周のダム103に対する距離dは、5~500μmであり(図2を参照)、例えば、5μm、50μm、100μm、180μm、220μm、250μm、296μm、388μm、420μm、460μm、500μmである。
【0038】
一部の実施例では、第1誘電体層101と部品105との間の第2誘電体層104の厚さは、3~30μmであり、例えば、3μm、7μm、10μm、15μm、20μm、22μm、30μmである。
【0039】
一部の実施例では、図6(b)に示されるとおり、第1誘電体層101は、キャビティ109を含み、キャビティ109は、ダム103の中に位置する。キャビティ109を設けることにより、ダム103の深さを大きくすることができ、部品105をより深く埋め込むことができ、一方では、後工程の圧着プロセスで部品105は「ダム」のより大きな面積から保護されて誘電体層材料に従って流動し部品105の位置が移ることはなくて済み、他方では、部品105の埋め込まれた深さが大きくなるため、部品105の高さは減り、最終的に基板の厚さも低減される。
【0040】
任意に、キャビティ109の深さは、60μm以下であり、例えば、2μm、10μm、16μm、24μm、28μm、30μm、37μm、45μm、52μm、60μmである。
【0041】
一部の実施例では、第2誘電体層104及び第3誘電体層106は、単層又は複数層の構造であってもよく、第2誘電体層104と第3誘電体層106は、同じ素材の絶縁材料であってもよいし、異なってもよく、例えば、樹脂材料、BT(bismaleimide triazine(ビスマレイミドトリアジン))樹脂、プリプレグ(Prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up(味の素ビルドアップ))フィルム、エポキシ樹脂(expoxy)、ポリイミド(polyimide)樹脂などであり、種類は具体的に限定しない。
【0042】
なお、第2誘電体層104と第3誘電体層106に境界線があるかどうかは、樹脂材料の化学的特性から決定されることであり、一般には、同じ材料であれば界面はないが、これは異なる材料であれば界面が必ずあるということにならず、本開示は界面については限定しない。
【0043】
例示的に、図1は、第2誘電体層104と第3誘電体層106との間に界面がある場合の構造模式図を示し、図3は、第2誘電体層104と第3誘電体層106との間に界面がない場合の構造模式図を示す。
【0044】
一部の実施例では、図5(f)が参照されるとおり、パッケージング基板は、ビアピラー107と、第2回路層108とをさらに含む。第2回路層108は、第3誘電体層106に位置し、ビアピラー107は、第1回路層102と第2回路層108を接続させるために用いられる。
【0045】
ここで、本開示は、第3誘電体層106の厚さに対して厳しく限定せず、部品105をその中に包み込めばよい。
【0046】
第2態様として、本開示は、また、パッケージング基板の作製方法を提供する。図5(a)~図5(f)が参照されるとおり、前記作製方法は、以下のステップを含む。図5(a)に示されるとおり、基板100を提供する-ステップ(a)。ここで、基板100は、半完成基板であり、例えば、プリント回路基板であり、具体的には、半完成基板のタイプは、ニーズに応じて選ぶことができ、後のプロセスでは、半完成基板だけを示して説明するが、当該作製方法は半完成基板だけに適するようには限定しない。任意に、テンティング法プロセス、MSAPプロセス又はSAPプロセスにより半完成基板を作製することができ、具体的に限定しない。
【0047】
さらに、基板100は、第1誘電体層101と、その上に位置する第1回路層102とを含み、第1回路層102は、ダム103を含む(図5(a)の点線枠Aを参照)。任意に、ダム103の高さは、5~50μmである。
【0048】
次に、図5(b)に示されるとおり、第1誘電体層101及び第1回路層102に第2誘電体層104を形成させる-ステップ(b)。ここで、第2誘電体層104の表面は、室温下又は加熱下で粘性を備え、部品を粘着することができる。
【0049】
例示的に、液状樹脂塗布の方式で第2誘電体層104を形成させてもよいし、ドライフィルム型でコンフォーマルコーティング機能を備える媒体材料を圧着する方式で第2誘電体層104を形成させてもよく、ここで具体的に限定しない。
【0050】
続いて、図5(c)に示されるとおり、ダム103の対応する位置の第2誘電体層104に部品105を実装する-ステップ(c)。一部の実施例では、チップマウンターで部品105を第2誘電体層104に貼り合わせてもよく、貼り合わせる時は第2誘電体層104の粘性の大きさによって加熱するかどうかを選ぶことができ、例えば、粘性が低い場合は部品を加熱するか又は加熱機能を備えるチップマウンターを用いて半完成基板を加熱してから部品105を貼り合わせてもよい。
【0051】
次に、図5(d)に示されるとおり、第2誘電体層104を加熱してその流動を回復させ、部品105に圧力F3を加えることにより、それを基板100に垂直な方向に沿ってダム103によって囲まれた第2誘電体層104に埋め込む-ステップ(d)。一実施例では、部品105が第2誘電体層104を押圧するため、第2誘電体層104は部品105の側面において接着剤となって這い上がり、加圧パラメータが異なると、接着剤が這い上がる高さは異なり、本開示はこれについて限定しない。
【0052】
なお、温度、圧力及び押圧時間を調整することにより、部品105の埋め込まれた深さを制御する。温度、圧力及び押圧時間のパラメータは、具体的には、実際の状況に応じて調整することができ、ここでは限定しない。
【0053】
任意に、部品105がダム103に対して埋め込まれた深さは、1μm以上である。任意に、部品105の外周のダム103に対する距離は、5~500μmである。任意に、第1誘電体層101と部品105との間の第2誘電体層104の厚さは、3~30μmである。
【0054】
続いて、図5(e)に示されるとおり、第2誘電体層104に部品105を覆う第3誘電体層106を形成させる-ステップ(e)。なお、第3誘電体層106の形成方式は、第2誘電体層104に似ており、ここで説明は省略する。
【0055】
第3誘電体層106と第2誘電体層104は、同じ素材の絶縁材料であってもよいし、異なってもよく、例えば、樹脂材料、BT(bismaleimide triazine(ビスマレイミドトリアジン))樹脂、プリプレグ(Prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up(味の素ビルドアップ))フィルム、エポキシ樹脂(expoxy)、ポリイミド(polyimide)樹脂などであり、種類は具体的に限定しない。
【0056】
次に、図5(f)に示されるとおり、層間導通ブラインドビアを作製し、第2回路層108及びビアピラー107を形成させる-ステップ(f)。ここで、導通ブラインドビアの開設方式は、レーザーによる穴あけであってもよく、第2回路層108及びビアピラー107の形成方式は、電気メッキであってもよい。本開示は、これについて具体的に限定しない。
【0057】
本開示は、また、別のパッケージング基板の作製方法を提供する。作製方法は前記方法のステップとほぼ同じであるため、ここでは次のとおりに簡単に説明する。
図6(a)~図6(g)が参照されるとおり、前記作製方法は、以下のステップを含む。図6(a)に示されるとおり、基板100を提供する-ステップ(a)。
【0058】
次に、図6(b)に示されるとおり、第1誘電体層101にキャビティ109を形成させ、キャビティ109はダム103の中に位置する-ステップ(b)。ここで、Plasma(プラズマ)、サンドブラスト、深さを制御されたメカニカルミリング、レーザーアブレーション、エッチングなどの方式で「ダム」の中の樹脂誘電体層を薄くすることにより、第1誘電体層101にキャビティ109を形成させ、縦方向においてより深い「ダム」を得る。本開示は、「キャビティ」を形成させるための加工方式を限定しない。
【0059】
任意に、前記キャビティの深さは、60μm以下である。キャビティ109を設けることにより、ダム103の深さを大きくすることができ、部品105をより深く埋め込むことができ、一方では、後工程の圧着プロセスで部品105は「ダム」のより大きな面積から保護されて誘電体層材料に従って流動し部品105の位置が移ることはなくて済み、他方では、部品105の埋め込まれた深さが大きくなるため、部品105の高さは減り、最終的に基板の厚さも低減される。
【0060】
続いて、図6(c)に示されるとおり、第1誘電体層101及び第1回路層102に第2誘電体層104を形成させる-ステップ(c)。
【0061】
次に、図6(d)に示されるとおり、ダム103の対応する位置の第2誘電体層104に部品105を実装する-ステップ(d)。
【0062】
続いて、図6(e)に示されるとおり、第2誘電体層104を加熱してその流動を回復させ、部品105に圧力F3を加えることにより、それを基板100に垂直な方向に沿ってダム103に埋め込む-ステップ(e)。
【0063】
次に、図6(f)に示されるとおり、第2誘電体層104に部品105を覆う第3誘電体層106を形成させる-ステップ(f)。
【0064】
続いて、図6(g)に示されるとおり、層間導通ブラインドビアを作製し、第2回路層108及びビアピラー107を形成させる-ステップ(g)。
【0065】
当業者は、上記のいずれかの実施例に関する討論が例示的なものに過ぎず、本開示の範囲(請求項を含む)がこれらの例に限られることを示唆するものではないということを理解できるだろう。本開示の趣旨の下で、上記の実施例又は異なる実施例の技術的特徴を互いに組み合わせることができ、ステップを任意の順番で実施してもよく、上記の本開示の実施例の異なる態様の多くの他の変化が存在してもよく、簡素化のためにそれらは詳細な説明において提供されていない。
【0066】
本開示の実施例は、特許請求の範囲の広い範囲に入るそのような差し替え、補正及び変形の全てを含もうとする。したがって、本開示の実施例の趣旨と原則において、いずれの省略、補正、同等な差し替え、改善などを行う場合は、そのいずれも本開示の請求範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0067】
100 基板、101 第1誘電体層、102 第1回路層、103 ダム、104 第2誘電体層、105 部品、106 第3誘電体層、107 ビアピラー、108 第2回路層、109 キャビティ、F1 力、F2 反力、F3 圧力、d 距離
図1
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】
図5(c)】
図5(d)】
図5(e)】
図5(f)】
図6(a)】
図6(b)】
図6(c)】
図6(d)】
図6(e)】
図6(f)】
図6(g)】