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特開2024-76996物品数量を検出する装置と方法及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076996
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】物品数量を検出する装置と方法及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/60 20170101AFI20240530BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
G06T7/60 110
G07G1/00 331B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023197340
(22)【出願日】2023-11-21
(31)【優先権主張番号】202211488522.1
(32)【優先日】2022-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ジュ・シエヌタヌ
(72)【発明者】
【氏名】タヌ・ジミン
【テーマコード(参考)】
3E142
5L096
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142BA01
3E142CA12
3E142EA04
3E142GA02
3E142GA03
3E142GA41
5L096BA08
5L096CA02
5L096DA02
5L096DA03
5L096FA02
5L096FA52
5L096GA51
5L096HA11
5L096JA11
5L096JA16
5L096JA22
(57)【要約】
【課題】本発明は、物品数量を検出する装置と方法及び電子機器を提供する。
【解決手段】物品数量を検出する装置は、買い物容器内物品の画像に基づいて前記買い物容器内物品の数量を検出する検出装置;分類器を用いて前記買い物容器内物品の画像を分類し、分類結果に対応する分類重みを取得する分類装置;及び、前記検出装置により検出された前記買い物容器内物品の数量、及び前記分類重みに基づいて、前記買い物容器内物品の数量の予測値を計算する計算装置を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品数量を検出する装置であって、
買い物容器内物品の画像に基づいて前記買い物容器内物品の数量を検出する検出装置;
分類器を用いて前記買い物容器内物品の画像を分類し、分類結果に対応する分類重みを取得する分類装置;及び
前記検出装置により検出された前記買い物容器内物品の数量と、前記分類重みとに基づいて、前記買い物容器内物品の数量の予測値を計算する計算装置を含む、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記予測値とスキャン値との差分を確定する判断装置をさらに含み、
前記スキャン値はスキャン機器が前記買い物容器内物品をスキャンして得た物品の数量である、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、
前記判断装置はさらに、前記差分と閾値との比較を行い、前記差分が前記閾値以上であるときに、アラーム情報を生成する、装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、
前記閾値は前記予測値の所在する区間(range)に基づいて設定される、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であって、
前記予測値が大きいほど、前記閾値が大きくなる、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、
前記分類装置は、画像において買い物容器底部が物品により覆われる度合いに基づいて、前記分類結果を少なくとも2つのカテゴリに分類する、装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、
前記計算装置は、検出された前記買い物容器内物品の数量と前記分類重みとの積を計算して前記買い物容器内物品の数量の予測値を取得する、装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちの何れか1項に記載の装置を含む、電子機器。
【請求項9】
物品数量を検出する方法であって、
買い物容器内物品の画像に基づいて前記買い物容器内物品の数量を検出し;
分類器を用いて前記買い物容器内物品の画像を分類し、分類結果に対応する分類重みを取得し;及び
検出された前記買い物容器内物品の数量と、前記分類重みとに基づいて、前記買い物容器内物品の数量の予測値を計算することを含む、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
前記予測値とスキャン値との差分を確定することをさらに含み、
前記スキャン値はスキャン機器が前記買い物容器内物品をスキャンして得た物品の数量である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像検出の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
顧客の専用レジカウンターでのセルフレジは非常に便利であり、また、従業員削減や運営コスト削減にもつながる。
【0003】
セルフレジにおける商品数量の計算ミスを避けるために、商品数量を確認するための技術が幾つか登場している。例えば、幾つかの技術において、検出機器により、商品に設けられるRFID(Radio Frequency Identification)タグの情報を読み取って商品の数量や価格などの情報を検出でき、また、例えば、他の幾つかの技術において、コンピュータビジョン処理装置により、買い物かごが空か商品でいっぱいかを確定し、商品数量の計算ミスの可能性を評価できる。
【0004】
なお、上述の背景技術についての紹介は、本発明の技術案を明確かつ完全に説明し、また、当業者がそれを理解しやすいためのものである。これらの技術案は、本発明の背景技術に記述されているため、当業者にとって周知であると解釈してはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
商品数量を確認するための上述の技術には幾つかの制限が存在する。例えば、RFIDタグにおける情報に基づいて商品数量を検出する場合に、商品毎にRFIDタグを設ける必要があるため、コストが高く、かつ労力がかかり、また、コンピュータビジョン処理装置を用いた技術の場合に、買い物かごが空か商品でいっぱいかのみを判断でき、買い物かごの中の商品の数量を正確に検出できない。
【0006】
上述の技術問題のうちの少なくとも1つに鑑み、本発明の実施例は、比較的低いコストで買い物容器内の物品の数量を正確に検出し得る物品数量検出装置と方法及び電子機器の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例の1つの側面によれば、物品数量を検出する装置が提供され、前記物品数量を検出する装置は、
買い物容器内物品の画像に基づいて前記買い物容器内物品の数量を検出する検出装置;
分類器を用いて前記買い物容器内物品の画像を分類し、分類結果に対応する分類重みを取得する分類装置;及び
前記検出装置により検出された前記買い物容器内物品の数量、及び前記分類重みに基づいて、前記買い物容器内物品の数量の予測値を計算する計算装置を含む。
【0008】
本発明の実施例のもう1つの側面によれば、物品数量を検出する方法が提供され、前記物品数量を検出する方法は、
買い物容器内物品の画像に基づいて前記買い物容器内物品の数量を検出し;
分類器を用いて前記買い物容器内物品の画像を分類し、分類結果に対応する分類重みを取得し;及び
検出された前記買い物容器内物品の数量、及び前記分類重みに基づいて、前記買い物容器内物品の数量の予測値を計算することを含む。
【0009】
本発明の実施例のまたもう1つの側面によれば、記憶器及び処理器を含む電子機器が提供され、前記記憶器にはコンピュータプログラムが記憶されており、前記処理器は前記コンピュータプログラムを実行することで物品数量を検出するための前述の方法を実現するように構成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施例の有利な効果は少なくとも次のとおりである。即ち、画像に基づいて検出された物品数量及び分類重みを使用して買い物容器内物品の数量を計算することにより、比較的低いコストで買い物容器の中の物品数量を正確に検出することができる。
【0011】
また、1つの実施例について説明した及び/又は示した特徴は、同じ又は類似した方式で1つ又は複数の他の実施例に使用し、他の実施例における特徴と組み合わせ、又は他の実施例における特徴を置換することもできる。
【0012】
なお、「含む/有する」のような用語は、本明細書に使用されるときに、特徴、要素、ステップ、又はアセンブルの存在を指すが、1つ又は複数の他の特徴、要素、ステップ、又はアセンブリの存在若しくは付加を排除しないということも指す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の1つの図面又は1つの実施例に記載の要素及び特徴は、1つ又は複数の他の図面又は実施例に示した要素及び特徴と組み合わせることができる。また、図面では、類似した符号は、幾つの図面の中の対応部品を示し、複数の実施例に用いられる対応部品を示すためにも用いられる。
図1】本発明の実施例において物品数量を検出する装置を示す図である。
図2】本発明による物品数量検出装置の適用シナリオを示す図である。
図3A】買い物容器内物品の画像を示す図(その1)である。
図3B】買い物容器内物品の画像を示す図(その2)である。
図3C】買い物容器内物品の画像を示す図(その3)である。
図4】閾値と予測値の対応関係を示す図である。
図5】本発明の実施例において物品数量を検出する方法を示す図である。
図6】本発明の実施例に係る電子機器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付した図面及び以下の説明を参照することにより、本発明の前述及び他の特徴が明らかになる。なお、明細書及び図面では本発明の特定の実施例を開示するが、それらは本発明の原理を採用し得る一部のみの実施例を示し、理解すべきは、本発明は記載される実施例に限定されず、即ち、本発明は添付した特許請求の範囲に属するすべての変更、変形及び代替によるものをも含むということである。
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について説明する。
【0016】
<第一側面の実施例>
本発明の実施例では、物品数量を検出する装置が提供される。
【0017】
図1は本発明の実施例において物品数量を検出する装置を示す図である。図1に示すように、物品数量を検出する装置100は検出装置1、分類装置2及び計算装置3を含む。
【0018】
本発明の実施例において、検出装置1は買い物容器内物品の画像に基づいて該買い物容器内物品の数量を検出し、分類装置2は分類器を用いて買い物容器内物品の画像を分類し、分類結果に対応する分類重みを取得し、計算装置3は検出装置1が検出した買い物容器内物品の数量、及び分類装置2が得た分類重みに基づいて、買い物容器内物品の数量を計算することで、買い物容器内物品の数量の予測値を得る。
【0019】
本発明の第一側面の実施例によれば、画像に基づいて検出された物品数量及び分類重みを使用して買い物容器内物品の数量を計算することにより、比較的低いコストで買い物容器の中の物品数量を正確に検出することができる。
【0020】
少なくとも1つの実施例において、物品数量を検出する装置100は商店などの場所に適用され得る。図2は本発明による物品数量検出装置の1つの適用シナリオを示す図である。
【0021】
図2に示すように、買い物容器は物品(商品)を収納する容器(コンテナ)、例えば、買い物かごやショッピングカートなどであっても良い。図2における買い物容器201はショッピングカートである。
【0022】
少なくとも1つの実施例において、買い物容器内物品の画像は例えば、カメラを用いて買い物容器内物品を撮影して得た画像であっても良く、該カメラは買い物容器に設置されても良く、又は買い物容器の外部、例えば、商店のチェックアウトカウンターなどの位置に設置されても良い。カメラは買い物容器の上から買い物容器内物品を撮影してその画像を得ることができる。
【0023】
例えば、図2に示すように、カメラ203はチェックアウトカウンター202の近傍に配置され、買い物容器201の上から買い物容器201における物品を撮影して買い物容器内物品の画像204を取得し得る。
【0024】
物品数量を検出する装置100は、カメラ203が得た買い物容器内物品の画像204に基づいて、買い物容器201の中の物品の数量を検出できる。
【0025】
少なくとも1つの実施例において、検出装置1は検出モデルを使用して画像204に対して検出を行うことで、買い物容器内物品の数量detect_numを得ることができる。検出装置1が使用する該検出モデルは目標検出アルゴリズムに基づいても良く、該目標検出アルゴリズムは深層学習アルゴリズム、例えば、YOLO(You Only Look Once)アルゴリズムであり得る。また、他のアルゴリズムであっても良い。
【0026】
少なくとも1つの例において、訓練サンプルとしての画像を用いて検出モデルを訓練することで訓練済みの検出モデルを得ることができる。検出装置1は訓練済みのモデルを使用して画像204に対して検出を行う。
【0027】
少なくとも1つの実施例において、検出装置1が物品検出を行うときのIOU(Intersection over Union)は0.5よりも大きくても良く、即ち、IoU>0.5である。そのうち、IOUとは、検出装置1が検出した物品の枠と、該物品の実際の枠との共通部分(Intersection)と、検出装置1が検出した物品の枠と該物品の実際の枠との和集合(Union)との比率(ratio)を指す。検出装置1が物品検出を行うときに、精度(precision)は0.8であっても良く、再現率(recall)は0.8であっても良い。
【0028】
少なくとも1つの実施例において、分類装置2は分類器を用いて画像204を分類し、分類結果に対応する分類重みwiを得ることができる。
【0029】
分類装置2が分類した結果は画像204の中の買い物容器の底部が物品により覆われる程度(度合い)に対応しても良い。分類の結果は少なくとも2つのカテゴリ(クラスともいう)を含む。例えば、分類の結果は第一カテゴリ、第二カテゴリ及び第三カテゴリを含み得る。
【0030】
第一カテゴリは、買い物容器の底部が少量の物品により覆われる状態、例えば、物品により覆われる面積が買い物容器の底部面積の1/2よりも小さい状態に対応しても良く、該状態は、買い物容器が空(empty)に近い状態と見なすことでき、第二カテゴリは、買い物容器の底部がより多くの物品により覆われる状態、例えば、物品により覆われる面積が買い物容器の底部面積の1/2よりも大きく、かつ買い物容器の底部面積の2/3よりも小さい状態に対応しても良く、該状態は、買い物容器が半分近く埋まった状態と見なすことができ、第三カテゴリは、買い物容器の底部が大量の物品により覆われる状態、例えば、物品により覆われる面積が買い物容器の底部面積の2/3よりも大きい状態に対応しても良く、該状態は、買い物容器がフル(full)に近い状態と見なすことができる。
【0031】
少なくとも1つの実施例において、分類装置2が使用する分類器は、ラベル付けられた訓練サンプル画像を利用して訓練することで得たものであっても良い。例えば、訓練サンプル画像の中の物品により覆われる買い物容器の底部面積に基づいて、該訓練サンプル画像は第一カテゴリ、第二カテゴリ又は第三カテゴリとラベル付けられても良い。具体的には、該訓練サンプル画像において、物品により覆われる買い物容器の底部面積が買い物容器の底部面積の1/2よりも小さい場合に、該訓練サンプル画像は第一カテゴリとラベル付けることができ、該訓練サンプル画像において、物品により覆われる買い物容器の底部面積が買い物容器の底部面積の1/2よりも大きく、かつ買い物容器の底部面積の2/3よりも小さい場合に、該訓練サンプル画像は第二カテゴリとラベル付けることができ、該訓練サンプル画像において、物品により覆われる買い物容器の底部面積が買い物容器の底部面積の2/3よりも大きい場合に、該訓練サンプル画像は第三カテゴリとラベル付けることができ、また、該訓練サンプル画像において、買い物かごの中の物品が該買い物容器の辺縁(エッジ)から露出した場合(例えば、買い物かごの中の物品の画像が該買い物容器の辺縁とオーバーラップした場合)に、該訓練サンプル画像は第三カテゴリとラベル付けることもできる。
【0032】
なお、上述の第一カテゴリ、第二カテゴリ及び第三カテゴリは例示に過ぎず、分類の結果は4つ以上のカテゴリを有しても良い。
【0033】
少なくとも1つの実施例において、分類装置2が使用する分類器は、残差ネットワーク(Residual Network、Resnet)50のネットワーク構成を有しても良い。
【0034】
少なくとも1つの実施例において、分類装置2は分類結果に対応する分類重みwiを得ることができ、例えば、分類装置2は、分類結果と分類重みとの間のマッピング関係に基づいて分類重みwiを得ることができ、異なる分類結果は異なる分類重みwiに対応し得る。1つの具体的な例において、第一カテゴリに対応する分類重みwiは1.33に等しくても良く、第二カテゴリに対応する分類重みwiは2.21に等しくても良く、第三カテゴリに対応する分類重みwiは3.64に等しくても良い。
【0035】
各分類結果に対応する分類重みwiは、該分類結果に対応する訓練サンプル画像において、買い物容器の中の物品の真(実際)の数量と、検出装置1により検出された物品の数量との間の比率を表すために用いられても良い。
【0036】
各分類結果に対応する分類重みwiは次のような方式で計算することにより得られても良く、即ち、該分類結果に対応する所定数量の訓練サンプル画像における買い物容器内物品の実際の数量の和を求めて、実際の数量の総和sum_gtを取得し、検出装置1が該所定数量の各訓練サンプル画像について検出した物品の数量の和を求めて、検出数量の総和sum_detectionを取得し、そして、実際の数量の総和sum_gtと検出数量の総和sum_detectionの商を求めて分類重みwiを取得し、即ち、wi=sum_gt/sum_detectionである。
【0037】
本発明において、計算装置3は、検出装置1が画像204について検出した買い物容器内物品の数量detect_num、及び分類装置2が該画像204について得た分類重みwiに基づいて、画像204における買い物容器内物品の数量の予測値predict_numを算出する。例えば、該予測値predict_numは、検出された買い物容器内物品の数量detect_numと分類重みwiとの積であっても良く、即ち、predict_num=detect_num*wiである。
【0038】
これにより、計算装置3は買い物容器内物品の画像に基づいて買い物容器内物品の数量を正確に計算でき、かつコストが比較的低い。
【0039】
図3A図3Bは、買い物容器内物品の画像を示す図である。
【0040】
例えば、図3Aに示す画像について、検出装置1が検出した物品数量detect_numは6であり、分類装置2が分類した結果は第一カテゴリであり、対応する分類重みwiは1.33である。よって、計算装置3が算出した予測値は、predict_num=detect_num*wi=6*1.33=8である。
【0041】
また、例えば、図3Bに示す画像について、検出装置1が検出した物品数量detect_numは9であり、分類装置2が分類した結果は第二カテゴリであり、対応する分類重みwiは2.21である。よって、計算装置3が算出した予測値は、predict_num=detect_num*wi=9*2.21=20である。
【0042】
さらに、例えば、図3Cに示す画像について、検出装置1が検出した物品数量detect_numは11であり、分類装置2が分類した結果は第三カテゴリであり、対応する分類重みwiは3.64である。よって、計算装置3が算出した予測値は、predict_num=detect_num*wi=11*3.64=40である。
【0043】
図1に示すように、物品数量を検出する装置100は判断装置4をさらに含んでも良い。
【0044】
判断装置4は、計算装置3が算出した買い物容器内物品の数量の予測値predict_numと、スキャン値scanning_numとの差分Errorを確定でき、即ち、Error=predict_num-scanning_numである。
【0045】
スキャン値scanning_numはスキャン機器が買い物容器内物品をスキャンして得た物品の数量である。例えば、図2に示すように、スキャン機器205はチェックアウトカウンター202又はチェックアウトカウンター202の近傍に設置されても良く、スキャン機器205は物品上のバーコード、QRコード(登録商標)又は磁場などをスキャンすることで、物品数量情報及び/又は価格情報などを得ることができる。
【0046】
少なくとも1つの実施例において、判断装置4はさらに、差分Errorと閾値Thとを比較し、差分Errorが閾値Th以上のときに、アラーム情報を生成することもできる。
【0047】
例えば、顧客はチェックアウトカウンター202でチェックアウトするときに、買い物容器内物品を取り出して一つずつスキャン機器205に置いてスキャンを行うことで、チェックアウトを行うことができる。スキャンが完了した後に、スキャン機器205が得た物品の数量はスキャン値scanning_numであり、また、計算装置3が買い物容器内物品の画像に基づいて算出した物品数量の予測値はpredict_numであり、判断装置4は予測値predict_numとスキャン値scanning_numの差分Errorを計算し、該差分Errorが閾値Th以上のときにアラーム情報を生成する。スタッフは該アラーム情報を受け取ったときに、該買い物容器内物品の数量に対して手動で確認するなどの処理を行うことができる。これにより、買い物容器内物品のスキャン漏れを回避できる。
【0048】
少なくとも1つの実施例において、判断装置4が使用する閾値Thは予測値predict_numの所在する区間(range)に基づいて設定されても良い。例えば、予測値predict_numが大きいほど、閾値Thが大きくなる。
【0049】
図4は閾値と予測値の対応関係を示す図である。図4に示すように、異なる閾値Thは異なる予測値predict_numの区間に対応でき、即ち、閾値Thは予測値predict_numに対して階段状に変わっても良い。例えば、予測値predict_numの区間が(0、8]であり、閾値Thは1であり、予測値predict_numの区間が(8、15]であり、閾値Thは3であり、予測値predict_numの区間が(15、26]であり、閾値Thは9であり、予測値predict_numが26よりも大きいときに、閾値Thは20である。
【0050】
なお、以上、本発明に係る各部品又はモジュールのみを説明したが、本発明はこれらに限定されない。物品数量を検出する装置100は他の部品又はモジュールをさらに含んでも良く、また、これらの部品又はモジュールの具体的な内容については関連技術を参照できる。
【0051】
便宜のため、図1には各部品又はモジュールの間の接続関係又は信号方向のみが示されているが、当業者が理解できるように、バス接続などの様々な関連技術を採用しても良い。また、上述の各部品又はモジュールは例えば、処理器、記憶器などのハードウェアにより実現されても良いが、本発明の実施例ではこれらについて限定しない。
【0052】
上述の各実施例は本発明の実施例を例示的に説明するためのものであるが、本発明はこれらに限られず、上述の各実施例をもとに適切な変形などを行っても良い。例えば、上述の各実施例を単独で使用しても良く、上述の各実施例のうちの複数を組み合わせて使用しても良い。
【0053】
<第二側面の実施例>
本発明の実施例では、物品数量を検出する方法が提供され、それは、第一側面の実施例において物品数量を検出する装置に対応する。なお、第二側面の実施例では第一側面の実施例と同じ内容の記載を省略する。
【0054】
図5は物品数量を検出する方法を示す図である。図5に示すように、該方法は以下の操作(ステップ)を含む。
【0055】
操作501:買い物容器内物品の画像に基づいて前記買い物容器内物品の数量を検出し、検出値detect_numを取得し;
操作502:分類器を用いて前記買い物容器内物品の画像を分類し、分類結果に対応する分類重みwiを取得し;及び
操作503:検出された前記買い物容器内物品の数量、及び前記分類重みに基づいて、前記買い物容器内物品の数量の予測値predict_numを計算する。
【0056】
操作503では、検出値detect_numと分類重みwiの積を求めて予測値predict_numを得ることができる。
【0057】
操作501、502、503により、比較的低いコストで買い物容器の中の物品数量を正確に検出することができる。
【0058】
図5に示すように、物品数量を検出する方法はさらに次の操作(ステップ)を含んでも良い。
【0059】
操作504:前記予測値predict_numとスキャン値scanning_numの差分Errorを確定する。
【0060】
操作504では、スキャン値scanning_numはスキャン機器が前記買い物容器内物品をスキャンして得た物品の数量である。
【0061】
図5に示すように、物品数量を検出する方法はさらに次の操作(ステップ)を含んでも良い。
【0062】
操作505:差分Errorと閾値Thを比較し、差分が閾値以上のときに、アラーム情報を生成する。
【0063】
操作505で使用される閾値Thは予測値predict_numの区間に応じて設定され得る。例えば、予測値predict_numが大きいほど、閾値Thが大きくなる。
【0064】
以上、本発明に係る各ステップ又はプロセスを説明したが、本発明はこれらに限定されない。物品数量を検出する方法はさらに他のステップ又はプロセスを含んでも良く、また、これらのステップ又はプロセスの具体的な内容については従来技術を参照できる。さらに、以上、物品数量を検出する方法で使用されるモデルの幾つかの構成を例にして本発明の実施例について例示的に説明したが、本発明はこれらの構成に限定されず、これらの構成に対して適切な変形などを行っても良く、また、これらの変形の実施例も本発明の実施例の範囲に含まれるべきである。
【0065】
上述の各実施例は本発明の実施例を例示的に説明するためのものであるが、本発明はこれらに限られず、上述の各実施例をもとに適切な変形などを行うこともできる。例えば、上述の各実施例を単独で使用しても良く、上述の各実施例のうちの複数を組み合わせて使用しても良い。
【0066】
上述の実施例から分かるように、本発明の物品数量を検出する方法により、画像に基づいて検出された物品数量及び分類重みを使用して、買い物容器内物品の数量を計算することで、比較的低いコストで買い物容器の中の物品数量を正確に検出することができる。
【0067】
<第三側面の実施例>
本発明の実施例では、電子機器が提供され、それは、第一側面の実施例に記載の物品数量を検出する装置100を含み、その内容は、ここに合併される。該電子機器は例えば、コンピュータ、サーバー、ワークステーション、ラップトップコンピュータ、スマートフォンなどであっても良いが、本発明の実施例はこれらに限定されない。
【0068】
図6は本発明の実施例に係る電子機器を示す図である。図6に示すように、電子機器600は処理器(例えば、中央処理器CPU)610及び記憶器620を含んでも良く、記憶器620は中央処理器610に接続される。そのうち、該記憶器620は各種のデータを記憶でき、また、情報処理用のプログラム621をも記憶でき、かつ処理器610の制御下で該プログラム621を実行できる。
【0069】
幾つかの実施例において、物品数量を検出する装置100の機能は処理器610に統合して実現される。そのうち、処理器610は第二側面の実施例に記載の物品数量を検出する方法を実現するように構成される。
【0070】
幾つかの実施例において、物品数量を検出する装置100は処理器610と別々に配置され、例えば、物品数量を検出する装置を、処理器610に接続されるチップとして構成し、処理器610の制御により物品数量を検出する装置の機能を実現しても良い。
【0071】
例えば、処理器610は次のような制御を行うように構成されても良く、即ち、買い物容器内物品の画像に基づいて前記買い物容器内物品の数量を検出し;分類器を用いて前記買い物容器内物品の画像を分類し、分類結果に対応する分類重みを取得し;及び、検出される前記買い物容器内物品の数量、及び前記分類重みに基づいて、前記買い物容器内物品の数量の予測値を計算する。
【0072】
少なくとも幾つかの実施例において、前記物品数量を検出する方法はさらに、前記予測値とスキャン値の差分を確定することを含み、そのうち、前記スキャン値はスキャン機器が前記買い物容器内物品をスキャンして得た物品の数量である。
【0073】
少なくとも幾つかの実施例において、前記物品数量を検出する方法はさらに、前記差分與と閾値を比較し、前記差分が前記閾値以上のときにアラーム情報を生成することを含む。
【0074】
少なくとも幾つかの実施例において、前記閾値は前記予測値の所在する区間に基づいて設定される。
【0075】
少なくとも幾つかの実施例において、前記予測値が大きいほど、前記閾値が大きくなる。
【0076】
少なくとも幾つかの実施例において、画像中の前記買い物容器底部が物品により覆われる程度に基づいて、前記分類結果は少なくとも2つのカテゴリに分けられる(分類される)。
【0077】
少なくとも幾つかの実施例において、検出された前記買い物容器内物品の数量と、前記分類重みとの積を求めることで、前記買い物容器内物品の数量の予測値を取得する。
【0078】
また、図6に示すように、電子機器600はさらに、I/O装置630、表示器640などを含む。そのうち、これらの部品の機能は従来技術と同様であり、ここではその詳しい説明を省略する。なお、電子機器600は図6中のすべての部品を含む必要がない。また、電子機器600はさらに、図6にない部品を含んでも良く、これについては関連技術を参照できる。
【0079】
本発明の実施例ではさらにコンピュータ可読プログラムが提供され、そのうち、電子機器で前記プログラムを実行するときに、前記プログラムはコンピュータに、前記電子機器で第二側面の実施例に記載の物品数量を検出する方法を実行させる。
【0080】
本発明の実施例ではさらに、コンピュータ可読プログラムを記憶している記憶媒体が提供され、そのうち、前記コンピュータ可読プログラムはコンピュータに、電子機器で第二側面の実施例に記載の物品数量を検出する方法を実行させる。
【0081】
また、上述の装置及び方法は、ソフトウェア又はハードウェアにより実現されても良く、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにより実現されても良い。本発明はさらに、下記のようなコンピュータ読み取り可能なプログラムに関し、即ち、該プログラムは、ロジック部品により実行されるときに、該ロジック部品に上述の装置又は構成部品を実現させ、又は、該ロジック部品に上述の各種の方法又はステップを実現させる。ロジック部品は例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)、マイクロプロセッサ、コンピュータに用いる処理器などであっても良い。本発明はさらに、上述のプログラムを記憶した記憶媒体、例えば、ハードディスク、磁気ディスク、光ハードディスク、DVD、フラッシュメモリなどにも関する。
【0082】
さらに、図面に記載の機能ブロックのうちの1つ又は複数の組み合わせ及び/又は機能ブロックの1つ又は複数の組み合わせは、本明細書に記載の機能を実行するための汎用処理器、デジタル信号処理器(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラム可能な論理部品、ディスクリートゲート又はトランジスタ論理部品、ディスクリートハードウェアアセンブリ又は他の任意の適切な組み合わせとして実現されても良い。また、図面に記載の機能ブロックのうちの1つ又は複数の組み合わせ及び/又は機能ブロックの1つ又は複数の組み合わせはさらに、計算装置の組み合わせ、例えば、DSP及びマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPと通信により接続される1つ又は複数のマイクロプロセッサ又は他の任意の構成の組み合わせとして構成されても良い。
【0083】
また、上述の実施例などに関し、さらに以下のような付記をも開示する。
【0084】
(付記1)
物品数量を検出する方法であって、
買い物容器内物品の画像に基づいて前記買い物容器内物品の数量を検出し;
分類器を用いて前記買い物容器内物品の画像を分類し、分類結果に対応する分類重みを取得し;及び
検出された前記買い物容器内物品の数量、及び前記分類重みに基づいて、前記買い物容器内物品の数量の予測値を計算することを含む、方法。
【0085】
(付記2)
付記1に記載の物品数量を検出する方法であって、
前記物品数量を検出する方法はさらに、前記予測値とスキャン値の差分を確定することを含み、
そのうち、前記スキャン値はスキャン機器が前記買い物容器内物品をスキャンして得た物品の数量である、方法。
【0086】
(付記3)
付記2に記載の物品数量を検出する方法であって、
前記物品数量を検出する方法はさらに、前記差分と閾値を比較し、前記差分が前記閾値以上のときにアラーム情報を生成することを含む、方法。
【0087】
(付記4)
付記3に記載の物品数量を検出する方法であって、
前記閾値は前記予測値の所在する区間に基づいて設定される、方法。
【0088】
(付記5)
付記4に記載の物品数量を検出する方法であって、
前記予測値が大きいほど、前記閾値が大きくなる、方法。
【0089】
(付記6)
付記1に記載の物品数量を検出する方法であって、
画像中の前記買い物容器底部が物品により覆われる程度に基づいて、前記分類結果を少なくとも2つのカテゴリに分ける(分類する)、方法。
【0090】
(付記7)
付記1に記載の物品数量を検出する方法であって、
検出された前記買い物容器内物品の数量と前記分類重みの積を求めて前記買い物容器内物品の数量の予測値を得る、方法。
【0091】
(付記8)
コンピュータ可読プログラムを記憶した記憶媒体であって、
前記コンピュータ可読プログラムは、該記憶媒体に接続される処理器に、以下の方法を実行させ、即ち、
買い物容器内物品の画像に基づいて前記買い物容器内物品の数量を検出し;
分類器を用いて前記買い物容器内物品の画像を分類し、分類結果に対応する分類重みを取得し;及び
検出された前記買い物容器内物品の数量、及び前記分類重みに基づいて、前記買い物容器内物品の数量の予測値を計算することを含む方法である、記憶媒体。
【0092】
(付記9)
付記8に記載の記憶媒体であって、
前記物品数量を検出する方法はさらに、前記予測値とスキャン値の差分を確定することを含み、
そのうち、前記スキャン値はスキャン機器が前記買い物容器内物品をスキャンして得た物品の数量である、記憶媒体。
【0093】
(付記10)
付記9に記載の記憶媒体であって、
前記物品数量を検出する方法はさらに、前記差分と閾値を比較し、前記差分が前記閾値以上のときにアラーム情報を生成することを含む、記憶媒体。
【0094】
(付記11)
付記10に記載の記憶媒体であって、
前記閾値は前記予測値の所在する区間に基づいて設定される、記憶媒体。
【0095】
(付記12)
付記11に記載の記憶媒体であって、
前記予測値が大きいほど、前記閾値が大きくなる、記憶媒体。
【0096】
(付記13)
付記8に記載の記憶媒体であって、
画像中の前記買い物容器底部が物品により覆われる程度(度合い)に基づいて、前記分類結果を少なくとも2つのカテゴリに分類する、記憶媒体。
【0097】
(付記14)
付記8に記載の記憶媒体であって、
検出された前記買い物容器内物品の数量と前記分類重みの積を計算して前記買い物容器内物品の数量の予測値を得る、記憶媒体。
【0098】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこのような実施例に限定されず、本発明の趣旨を離脱しない限り、本発明に対するあらゆる変更は本発明の技術的範囲に属する。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6