(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077008
(43)【公開日】2024-06-06
(54)【発明の名称】歯科用加工ピース
(51)【国際特許分類】
A61C 13/00 20060101AFI20240530BHJP
A61C 5/77 20170101ALI20240530BHJP
A61C 8/00 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
A61C13/00 Z
A61C5/77
A61C8/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023199036
(22)【出願日】2023-11-24
(31)【優先権主張番号】22209641
(32)【優先日】2022-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】523444693
【氏名又は名称】ハインリヒ ステガー
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(74)【代理人】
【識別番号】100220423
【弁理士】
【氏名又は名称】榊間 城作
(72)【発明者】
【氏名】ハインリヒ ステガー
【テーマコード(参考)】
4C159
【Fターム(参考)】
4C159AA41
4C159RR15
4C159RR19
4C159SS03
4C159TT10
(57)【要約】
【課題】加工対象の歯科用加工ピースおよびホルダを提供する。
【解決手段】本発明は、歯科用修復物、特にアバットメント、クラウン、ブリッジまたはスナップ式接続部を作製するための加工対象の歯科用ピース(1)またはブランクであって、歯科用加工装置(2)によって加工されることができ、長手方向軸(X)、上面(5)、底面(6)および側面(7)を有する円筒状の基体を有する加工領域(B)と、加工対象のピース(1)を加工装置(2)のホルダ(3)に締結するための締結領域(F)とを有し、締結領域(F)は、加工領域(B)の円筒状の基体の周りに半径方向に配置され、加工対象のピース(1)は、締結領域(F)を利用してホルダ(3)に取り付けられることができ、それにより取り付けられた状態で長手方向軸(X)に平行に加工されることが可能になる、加工対象の歯科用ピースに関する。
【選択図】
図1cd
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科用修復物、特にアバットメント、クラウン、ブリッジまたはスナップ式接続部を作製するための歯科用加工ピース(1)またはブランクであって、
歯科用加工装置(2)によって加工されることができ、長手方向軸(X)、上面(5)、底面(6)および側面(7)を有する円筒状の基体を有する加工領域(B)と、
前記加工対象のピース(1)を前記加工装置(2)のホルダ(3)に締結するための締結領域(F)と、を有し、
前記締結領域(F)は、前記加工領域(B)の前記円筒状の基体の周りに半径方向に配置されることを特徴とし、
前記加工対象のピース(1)は、前記締結領域(F)を利用して前記ホルダ(3)に取り付けられることができ、それにより取り付けられた状態で前記長手方向軸(X)に平行に加工されることが可能になる、歯科用加工ピース。
【請求項2】
前記加工領域(B)の高さ(h1)は、前記加工対象のピース(1)の長さに対応する、請求項1に記載の歯科用加工ピース。
【請求項3】
前記締結領域(B)は、窪みとして構成された少なくとも1つの側方保持面(4)を有し、前記取り付けられた状態で、前記側方保持面(4)の上で前記ホルダ(3)のクランプ要素(4’)が押圧することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の歯科用加工ピース。
【請求項4】
前記締結領域(B)は、前記加工対象のピース(1)の前記側面(7)の一部の周りに環状形状で形成されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の歯科用加工ピース。
【請求項5】
前記加工領域(B)の前記側面(7)および/または前記締結領域(F)の表面(U)は、形状が少なくとも部分的に円柱状であるように構成され、
前記締結領域(F)の側方直径(DF)は、前記加工領域(B)の側方直径(DB)よりも大きいことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の歯科用加工ピース。
【請求項6】
前記加工対象のピース(1)は、好ましくは前記締結領域(F)に面する端部に、前記加工対象のピース(1)を歯科用インプラントに固定するための予め製作されたインプラント接続部(8)を有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の歯科用加工ピース。
【請求項7】
前記加工対象のピース(1)は、前記加工対象のピース(1)の全長にわたって延在する前記長手方向軸(X)に沿った加工対象のピースの長さを有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の歯科用加工ピース。
【請求項8】
加工対象の歯科用ピース(1)を保持するためのホルダ(3)であって、特に請求項1~6のいずれか一項に従って構成され、前記加工対象の歯科用ピース(1)のための保持領域(H)を有し、
前記保持領域(H)にはクランプ装置(S)が形成され、
前記クランプ装置(S)は、前記加工対象のピース(1)が前記ホルダ(3)に取り付けられた状態で、その長手方向軸(X)の周りで半径方向に前記加工対象のピース(1)上に形成された締結領域(F)の周りでクランプする、ホルダ(3)。
【請求項9】
前記クランプ装置(S)は、少なくとも2つのクランプ要素(4’)と、少なくとも1つの可動クランプ要素(4”)と、保持リング(R)とを備える3点クランプシステムを形成し、
前記2つのクランプ要素(4’)ならびに前記可動クランプ要素(4”)は各々、前記加工対象のピース(1)が前記ホルダ(3)に取り付けられた状態で、前記締結領域(F)上の側方保持面(4)に係合し、
前記保持リング(R)は、前記加工対象のピース(1)が前記ホルダ(3)に取り付けられた状態で、前記締結領域(F)をクランプすることを特徴とする、請求項8に記載のホルダ(3)。
【請求項10】
前記クランプ装置(S)は、少なくとも1つのクランプ要素(4’)を備え、
前記クランプ要素(4’)は、前記加工対象のピース(1)が前記ホルダ(3)に取り付けられた状態で、前記締結領域(B)上の側方保持面(4)に係合することを特徴とする、請求項8または請求項9に記載のホルダ(3)。
【請求項11】
前記クランプ装置(S)は、保持リング(R)を備え、
前記保持リング(R)は、前記加工対象のピース(1)が前記ホルダ(3)に取り付けられた状態で、前記締結領域(F)をクランプすることを特徴とする、請求項8~10のいずれか一項に記載のホルダ(3)。
【請求項12】
前記クランプ装置(S)は、2つの軸で移動可能な少なくとも1つのクランプ要素(4”)を備え、
前記可動クランプ要素(4”)は、前記加工対象のピース(1)が前記ホルダ(3)に取り付けられた状態で、前記締結領域(B)上の側方保持面(4)に係合することを特徴とする、請求項8~12のいずれか一項に記載のホルダ(3)。
【請求項13】
前記ホルダ(3)は、加工対象の歯科用ピース(1)をそれぞれ保持するための少なくとも2つの保持領域(H)を有することを特徴とする、請求項8~12のいずれか一項に記載のホルダ。
【請求項14】
請求項1~7のいずれか一項に記載の少なくとも1つの加工対象のピース(1)と、請求項8~13のいずれか一項に記載のホルダ(3)とを有する、セット。
【請求項15】
ハウジング(15)と、
請求項7~11のいずれか一項に記載の、特に移動可能に、前記ハウジング(15)に接続された少なくとも1つのホルダ(3)と、
請求項1~7のいずれか一項に記載の、それぞれ前記ホルダ(3)内に締結されてもよい、または締結されている、少なくとも1つの加工対象の歯科用ピース(1)と、
前記加工対象のピース(1)を加工するための、特にフライスカッタ、グラインダなどの少なくとも1つの加工ヘッド(17)と、を有する、歯科用加工装置(2)。
【請求項16】
較正装置(18)によって特徴付けられ、前記ホルダ(3)に対する前記少なくとも1つの加工対象のピース(1)の位置は、前記較正装置(18)によって決定されてもよい、請求項15に記載の加工装置。
【請求項17】
制御または調節ユニットによって特徴付けられ、これにより前記加工ヘッド(17)、前記ホルダ(3)の移動および/または前記較正装置(18)は、制御または調節されてもよい、請求項15または請求項16に記載の加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用修復物、特にアバットメント、クラウン、ブリッジまたはスナップ式接続部を作製するための歯科用加工ピース(dental processing piece)またはブランクであって、歯科用加工装置によって加工されることができ、長手方向軸、上面、底面および側面を有する円筒状の基体を有する加工領域と、加工対象のピース(piece being processed)を加工装置のホルダに締結するための締結領域とを有する、歯科用加工ピースに関する。本発明はさらに、加工対象の歯科用ピースを保持するためのホルダ、少なくとも1つのそのような加工対象のピースおよびそのようなホルダを有するセット、ならびに歯科用加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科業界では、歯科補綴物を形成する多種多様な部品が製造されなければならない。フライス加工または研削のための加工ヘッドを有するCNC装置などの加工装置の助けを借りて、加工対象の歯科用ピース、すなわち、標準化された幾何学形状、異なる形状のアバットメント、クラウン、ブリッジなどを有する歯科用ブランクから製造され得るものがある。
【0003】
歯科用ブランクの加工は、通常、非常に高価な産業用工作機械を使用して実現され、かなりの労力を必要とする。製造されるアバットメントは、患者に合わせてカスタマイズされた多種多様な形状を有し、例えば、直線状であるか傾斜していなければならない。
【0004】
ホルダを含む加工対象の歯科用ピースは、例えば、独国実用新案第20 2014 103 291 U1号明細書に開示されている。加工対象のピースの加工は、加工対象の歯科用ピースの長手方向軸に対して直角に加工機械において実現される。
【0005】
独国特許出願公開第102014015423号明細書は、ブランクの長手方向軸に沿った実際のブランク材料と、ブランクから製造される歯科用構成要素に対する接続幾何学形状のための要素と、囲いフレームとからなるブランクを開示している。したがって、囲いフレームは、フライス盤上のホルダを囲むように構成され、それによって加工装置に対しても垂直にブランクを載置する。
【0006】
欧州特許第2754408号明細書に開示されているブランクは、ブランクの本体に沿ってリブまたは溝の形態で延在する少なくとも1つの係合要素を備える。したがって構成された保持要素を使用して、ブランクは、リブまたは溝に長手方向に係合することによって保持装置に締結されてもよい。ブランクを加工した後、加工中の保持装置の下の領域に自由にアクセスすることができないため、より詳細な後加工が必要とされる。
【0007】
米国特許出願公開第20030073394号明細書は、そのフライス部および支持部が、フライス盤で締結するためのシャフトと相互接続され、フライス部の底側上の突起および支持部上の凹部によって接続される2パートブランクを開示している。
【0008】
国際公開第2015022296号パンフレットに開示されている保持装置は、加工対象のピースがクランプジョーによって囲まれているクランプ装置またはロック装置を備える。
【0009】
要約すると、引用文献におけるすべてのブランクまたは保持システムは、それぞれ同じ問題に基づいている。開示されたすべてのブランクは、それらの長手方向軸に対して垂直に加工されるように設計されている。これは、意図されたホルダに対応する領域の配置に起因する。したがって、例えば、ねじ接続などの様々な形状嵌合接続を有する異なるように傾斜したアバットメントも可能にするために、特別に調整されたねじ山を加工対象のピースにフライス加工することは不可能である。加えて、保持システムが摩擦係合接続で動作するため、加工対象のピースを複数回再配置すること、すなわち、クランプおよびクランプ解除すること、ならびに個々に、またはカバーねじ、セラミックベニヤ、表面処理などの他の要素に関連するアセンブリとして1回もしくは複数回加工することは不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国実用新案第20 2014 103 291 U1号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102014015423号明細書
【特許文献3】欧州特許第2754408号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第20030073394号明細書
【特許文献5】国際公開第2015022296号パンフレット
【発明の概要】
【0011】
したがって、本発明は、加工対象の歯科用加工ピースおよびホルダを提供するという課題に基づいており、これにより、より小さい工作機械を使用しても、極めて正確かつ精密に歯科補綴物用の構成要素を製造することが可能になり、非常に簡単な方法で患者に合わせてカスタマイズすることができる。
【0012】
この課題は、歯科用修復物、特にアバットメント、クラウン、ブリッジまたはスナップ式接続部を作製するための加工対象の歯科用ピース/歯科用加工ピースまたはブランクであって、歯科用加工装置によって加工されることができ、長手方向軸、上面、底面および側面を有する円筒状の基体を有する加工領域と、加工対象のピースを加工装置のホルダに締結するための締結領域とを有し、締結領域は、加工領域の円筒状の基体の周りに配置される、加工対象の歯科用ピース/歯科用加工ピースによって解決される。ブランクは、締結領域を利用してホルダに取り付けられることができ、それにより取り付けられた状態で長手方向軸に平行に加工されることが可能になる。加工対象のピースの長手方向軸に平行に加工することによって、極めて柔軟に加工することが可能になり、ねじ孔などの様々な形状嵌合接続も加工対象のピースに穿孔することができる。本発明による加工領域の一部の周りの締結領域の配置により、加工領域はまた、領域全体にわたって端面上で加工され得る。ホルダ内の固定領域上にブランクを取り付けることによって、固定領域がその周りに配置される固定領域の下の領域もまた、長手方向軸に平行に加工するときに加工されることが可能になる。例えば、最終ステップにおいて歯科補綴物部分から除去される、歯科補綴物部分を締結領域に接続する完成した歯科補綴物部分の隆起部が設けられてもよい。
【0013】
しかし、加工装置に対して様々な調整可能な角度において様々な中間アダプタを介してブランクを位置決めすることも可能である。
【0014】
半径方向締結と組み合わせて長手方向軸に平行に加工することによって、加工装置によって制限される角度まで、締結領域内のブランクに対して任意の平行孔および横孔を導入することが可能になる。対照的に、長手方向軸に対して直角に加工されているブランクでは、孔の角度は30°に制限され、いかなる形状嵌合接続も加工されない場合がある。ブランクは端面でクランプされず、むしろ締結領域で半径方向にクランプされるため、ブランクは、必要に応じて頻繁にすべての側部から上面で加工することができる。これは、ワークピースが、例えば、クランプおよびクランプ解除など数回再配置され、また個々に、またはカバーねじ、セラミックベニヤ、表面処理などの他の要素に関連するアセンブリとして1回もしくは数回加工され得ることを意味する。
【0015】
加工対象のピースまたはブランクはまた、半完成品であってもよい。以下では、加工対象のピースおよびブランクという用語は、同義的に使用される。
【0016】
ブランクから作製され得る歯科用修復物は、任意のタイプの歯科用修復物および構造体であり得る。本発明によるブランクの実施形態は、そこから任意の歯科用修復物を製造することを可能にする。
【0017】
固定領域の高さは、加工領域の高さよりも小さくてもよいし、または同じであってもよい。固定領域の高さがより小さい場合、加工中に除去される必要がある材料がより少なくなるため、加工がより迅速かつ効率的に実行され得る。
【0018】
特に好ましくは、締結領域は、窪みとして構成された少なくとも1つの側方保持面を有し、その上にホルダのクランプ要素が取り付けられた状態で押圧する。これは、加工対象の歯科用ピースが、締結領域を使用してホルダにクランプされ得ることを意味する。側方保持面は、ホルダ内で加工対象のピースの配向を決定する。クランプ要素の助けを借りて、加工対象のピースは、繰り返し可能な精度および再現性で非常に簡単な方法でホルダに取り付けることができる。例えば、ブランクは、正確性が高い3点クランプ要素を使用して締結されてもよい。
【0019】
さらに、締結領域は、加工対象のピースの側面の一部の周りにリングの形状で構成されてもよい。このようにして、加工対象のピースは、例えば保持リングを使用して締結領域をホルダにクランプすることによって、非常に簡単な方法でホルダに締結され得る。
【0020】
加工対象のピースはまた、予めフライス加工された内部チャネルを有してもよい。
【0021】
さらなる実施形態の変形例では、加工領域の側面および/または締結領域の表面は、形状が少なくとも部分的に円柱状であり、締結領域の側方直径は、加工領域の側方直径よりも大きい。このようにして、締結領域は加工対象のピースの最も広い領域であり、これは締結領域でホルダにクランプされてもよい。円形断面に起因して、一方では、加工対象のピースは、例えば保持リングを利用して非常に容易にホルダにクランプされることができ、他方では、加工領域は、基本形状が指定されることなく非常に柔軟に加工されることができる。特に、傾斜したアバットメントなどを作製することができる。
【0022】
加工領域の側方直径に対する締結領域の側方直径の比は、一方では、加工領域の側方直径が大きすぎないことが特に好ましいが、大量の材料が最初に除去されなければならないため、加工中のサイクル時間が延長されず、ブランクを効率的に加工することができないようになる。他方では、加工領域の側方直径は、複数の異なる歯科用構造体を収容し、これらをブランクから作製することを可能にするのに十分な大きさになるように選択されなければならない。締結領域の直径は、加工装置で使用される最大の加工ツールが依然として加工領域を加工するのに十分な空間を有することを確実にするのに十分な大きさになるように選択されなければならない。直径が小さすぎる場合、加工ツールは、締結領域を除去しなければ締結領域の下に達することができない可能性がある。
【0023】
加工対象の歯科用ピースはまた、任意の他の円筒状の形状をとることができ、多角形の底面を有することができる。加えて、締結領域はまた、加工領域の周りに部分的にのみ配置されてもよい。
【0024】
さらに、ブランクは、好ましくは締結領域に面する端部に、加工対象のピースを歯科用インプラントに固定するための予め製作されたインプラント接続部を有してもよい。これは、歯科技術者にとって作業をより容易にすることができる。インプラント接続部は、適用領域および使用される歯科用インプラントのタイプに応じて異なる形状を有してもよい。締結領域は、インプラント接続部の真上、すなわち、加工領域の底面の上で加工対象のピースの長手方向に位置することが特に好ましい。次いで、締結領域は、加工領域の底面から加工領域の高さの最大半分まで延在する高さにわたって延在することができる。このようにして、加工対象の歯科用ピースは、上面から、すなわち、インプラント接続部とは反対側からの加工装置によって、非常に柔軟にかつすべての側部から加工され得る。
【0025】
特に好ましくは、加工対象のピースは、加工対象のピースの全長にわたって延在する長手方向軸に沿った加工対象のピースの長さを有する。これは、加工領域の高さが加工対象のピースの全長に対応することを意味する。加工対象のピース全体に沿った加工は、長手方向軸に平行な加工対象のピースの加工により可能である。ホルダにおける加工対象のピースを長手方向軸の周りに半径方向に配置された締結領域に締結することによって、締結領域の下の領域も加工することができる。それにもかかわらず、加工装置内での加工対象のピースの正確かつ精密に位置合わせされた固定が保証されている。
【0026】
さらに、加工対象のピースの締結領域および加工領域が一体部品として構成されることが提供されてもよい。このようにして、加工対象のピースは、1つの材料からなる単一のブロックのみを形成する。
【0027】
好ましくは、加工対象のピースは、チタン合金またはコバルト-クロム合金などの歯科用合金で作られる。
【0028】
加えて、本発明はまた、加工対象の歯科用ピースまたはブランクを保持するためのホルダであって、加工対象の歯科用ピースまたはブランクのための保持領域を有し、クランプ装置が、保持領域に構成され、加工対象のピースがホルダに取り付けられた状態で、クランプ装置は、その長手方向軸の周りで半径方向に加工対象のピース上に形成された締結領域の周りでクランプする、ホルダに関する。
【0029】
好ましくは、クランプ装置は、少なくとも1つのクランプ要素を備える。クランプ要素は、ホルダ内のブランクの領域の周りに半径方向に形成された締結領域をクランプするために使用することができる。この目的のために、クランプ要素は、加工対象のピースがホルダに取り付けられた状態で、締結領域上の側方保持面に係合する。
【0030】
クランプ装置は、特に好ましくは、保持リングを備え、保持リングは、加工対象のピースがホルダに取り付けられた状態で、締結領域をクランプする。保持リングを利用して、加工対象のピースは、非常に容易に、正確に、かつほとんど振動なくホルダに固定することができる。
【0031】
クランプ装置は、加えて、少なくとも2つの軸で移動することができるクランプ要素を備えてもよい。
【0032】
さらなる実施形態の変形例では、ホルダは、1つの加工対象の歯科用ピースをそれぞれ保持するための少なくとも2つの保持領域を有する。
【0033】
本発明はまた、本発明による少なくとも1つの加工対象のピースと、本発明によるホルダとを有する、セットに関する。
【0034】
本発明はさらに、ハウジングと、特に移動可能に、ハウジングに接続された本発明による少なくとも1つのホルダと、ホルダ内に締結されてもよい、または締結されている、本発明による少なくとも1つの加工対象の歯科用ピースと、加工対象のピースを加工するための少なくとも1つの加工ヘッド、特にフライスカッタ、グラインダなどとを有する歯科用加工装置に関する。
【0035】
さらに、加工装置は、較正装置を有してもよく、それによってホルダに対する少なくとも1つの加工対象のピースの位置は、較正装置によって決定されてもよい。
【0036】
好ましくは、加工装置は、制御または調節ユニットを備え、これにより加工ヘッド、ホルダの移動および/または較正装置は、制御または調節されてもよい。
【0037】
本発明のさらなる利点および詳細は、以下の図および図の説明を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図2a】加工対象のピースと共にホルダを示す様々な図である。
【
図2b】加工対象のピースと共にホルダを示す様々な図である。
【
図2c】加工対象のピースと共にホルダを示す様々な図である。
【
図2d】加工対象のピースと共にホルダを示す様々な図である。
【
図3】ホルダが挿入され、加工対象のピースを有する歯科用加工装置の切り欠き図である。
【
図4a】歯科用構造物の形態の加工対象のピースを示す図である。
【
図4b】歯科用構造物の形態の加工対象のピースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1a~
図1gは、下から(
図1a)、上から(
図1b)、側部から(
図1cおよび
図1d)、斜視図で(
図1eおよび
図1f)および断面図で(
図1g)アバットメントの形態の加工対象の歯科用ピース1またはブランクを示す。
【0040】
図1a~
図1gに示すように、加工対象の歯科用ピース1は、歯科用加工装置2によって加工されることができ、上面5、底面6および側面7を有する円筒状の基体を有する加工領域Bを備える。加えて、加工対象のピース1は、加工対象のピース1を加工装置2のホルダ3に締結するための締結領域Fを備える。締結領域Fは、締結領域Fの高さh2が加工領域Bの高さh1よりも小さくなるように、加工領域Bの円筒状の基体の周りに配置される。締結領域Fを利用して、加工対象のピース1は、ホルダ3に取り付けられることができ、それにより取り付けられた状態で長手方向軸Xに平行に加工されることが可能になる。
【0041】
好ましくは、加工対象の歯科用ピースは、チタン合金またはコバルト-クロム合金などの歯科用合金で作られる。
【0042】
加えて、締結領域Fは、窪みとして構成された少なくとも1つの側方保持面4を有してもよく、その上にホルダ3のクランプ要素4’が取り付けられた状態で押圧する。クランプ要素4’は、これらの側方保持面4に係合し、したがって加工対象のピース1がホルダ3内で移動するのを防止することができる。好ましくは、側方保持面4は、
図1a~
図1gに示すような窪みとして構成される。
【0043】
図1eに見られ得るように、加工対象の歯科用ピース1の外側輪郭の大部分は、好ましくは、長手方向軸Xを中心として回転対称である。側方保持面4および場合によってはインプラント接続部8のみが、回転対称ではない。
【0044】
図1cおよび
図1dに示すように、インプラント接続部8は、好ましくは、締結領域Fに面する加工対象のピース1の端部にまたは加工領域Bの底面6上にそれぞれ位置し、加工対象のピース1を歯科用インプラントに固定するために使用される。したがって、加工対象の歯科用ピース1には、使用される歯科用インプラントのタイプに応じて変化してもよい予め製作されたインプラント接続部8が既に設けられていてもよい。
【0045】
さらに、締結領域Fは、
図1a~
図1gに示すように、加工対象のピース1の周りにリングの形状で構成されてもよい。このようにして、加工対象の歯科用ピース1は、ホルダ3にしっかりとクランプされ得、加工中に加工対象のピース1が滑ることを防止する。
【0046】
さらなる実施形態では、加工対象のピース1は、予めフライス加工された内側チャネル9を有してもよい。加えて、加工対象のピース1はまた、いくつかの予めフライス加工された内側チャネル9を有してもよい。
【0047】
好ましくは、加工領域Bの側面7および/または締結領域Fの表面Uは、図に示すように、形状が少なくとも部分的に円柱状であるように構成される。締結領域Fは、側方保持面4が締結領域Fの側面上に位置される点で円柱状の形状から逸脱する。側方保持面4は、側面上に窪みを形成し得る。締結領域Fの側方直径DFは、加工領域Bの側方直径DBよりも大きい。次いでこれは、締結領域Fが、加工領域Bの周りで加工対象のピース1の長手方向軸Xの一部に沿って半径方向に延在することを定義する。
【0048】
特に好ましくは、加工対象のピース1は、加工対象のピース1の全長にわたって延在する長手方向軸Xに沿った加工対象のピースの長さを有する。これは、加工装置2を使用して加工対象のピース1から最終的に作製される歯科用要素、例えば、アバットメントが、その最大長さとして加工対象のピース1の全長を有し得ることを意味する。したがって、加工領域Bの高さは、加工対象のピース1の長さに対応する。より小さい歯科用要素の場合、加工対象のピース1は、加工装置2を使用して加工領域Bの上面5の下の領域を除去またはフライス加工することによって短くされる。加工対象のピース2から作製された歯科用要素の一例が、
図4aおよび
図4bに示される。この例では、その中に傾斜したねじ山がフライス加工されている、傾斜したアバットメントが図示されている。これは、加工装置2における長手方向軸Xに沿った加工対象のピース1の加工により可能である。加えて、
図4aおよび
図4bでは、加工領域Bのかなりの領域が除去されてアバットメントを作製していることを見ることができる。加えて、アバットメントは、依然として図示された隆起部を介して固定領域Fに接続されており、隆起部は、アバットメントから容易に分離することができる。
【0049】
図2aおよび
図2bでは、本発明によるホルダ3が示されており、
図2cおよび
図2dでは、ホルダ3の詳細なセクションが示されている。ホルダ3は、加工対象の歯科用ピース1のための保持領域Hを有することによって、加工対象の歯科用ピース1を保持することを可能にする。クランプ装置Sが保持領域Hに形成されており、その中に加工対象のピース1の締結領域Fがクランプされ得る。
【0050】
好ましくは、クランプ装置Sは、少なくとも1つのクランプ要素4’を備える。クランプ要素4’は、締結領域F上に形成された側方保持面4の対になるものを形成し、保持面4に係合し、したがってホルダ3内に加工対象のピース1を位置決めすることができる。
【0051】
特に好ましくは、クランプ装置Sはまた、保持リングRを備える。保持リングRは、締結領域Fをクランプすることによって、正確にかつ低振動で加工対象のピース1をクランプすることを可能にする。さらに、クランプ装置Sは、2つの軸で移動することができる少なくとも1つのクランプ要素4”を備えてもよい。このようにして、加工対象のピース1は、ホルダ3上にさらにより正確にクランプされ得る。加えて、加工対象のピース1はまた、したがって再現可能にクランプされてもよく、すなわち、加工対象のピース1が加工装置2における加工中にホルダ3から除去され、その後さらなる加工のためにホルダ3に再導入される場合であっても、加工対象のピース1は、さらなる加工を可能にするために、可動クランプ要素4”および側方保持面4を利用してホルダ3上の全く同じ位置に再び固定され得る。したがって、クランプ装置Sによって可能にされる本発明によるクランプ機構は、最大のクランプおよび繰り返し精度でブランク1の明確に画定されたクランプを可能にする。このようにして、加工対象のピース1は、任意の後加工を実行するために、数回クランプしたりクランプ解除したりすることもできる。加えて、クランプ装置Sは、非常に簡単で安全なクランプ機構を可能にする。
【0052】
図2a~
図2dに示すホルダ3の実施形態の変形例では、保持領域Hは、2つのクランプ要素4’および可動クランプ要素4”ならびに保持リングRを有するクランプ装置Sを有する。これは3点クランプシステムをもたらし、これにより加工対象のピース1の締結領域Fは、ホルダ3上で非常に正確にかつ低振動でクランプすることができる。締結領域F上に形成された側方保持面4は、ホルダ3内で加工対象のピース1を配向させることを非常に容易にする。
図2aに示すように、可動クランプ要素4”は、2つのねじaおよびbを備えることができ、それによって第1のねじaは、好ましくは雌ねじおよび雄ねじを備え、それによって第2のねじbは、好ましくは雄ねじを備え、これは第1のねじaの雌ねじに係合する。第1のねじaを回すことによって、ブランク1をホルダ3上にクランプすることができ、それによってブランク1は、長手方向軸Xに対して垂直な1つの軸に沿ってのみ移動する。別の軸における移動を回避することによって、歪みのリスクが低減される。しかし、可動クランプ要素4”はまた、他の実施形態を有してもよい。
【0053】
好ましくは、ホルダ3は、加工対象の歯科用ピース1を保持するための2つ以上の保持領域Hを有する。例えば、
図2bのホルダ3は、3つの保持領域Hを有しており、3つの加工対象のピース1が同時にホルダ3にクランプされ、毎回ホルダ3に新しい加工対象のピース1をクランプする必要なく、次々に加工装置2で加工されることを可能にする。
【0054】
図3は、その中にホルダ3が導入されるハウジング15を有する歯科用加工装置2の切り欠き図を示す。加工装置2は、フライスカッタ、グラインダなどであってもよい加工ヘッド17を有する。好ましくは、ホルダ3は、
図3に示すように、加工装置2のワークピースのための受けリングに導入され、好ましくはそこでストッパに当接する。ストッパは、円形であってもよい。さらに、ホルダ3は、ねじなどのクランプ要素および/または締結要素によって、加工軸、すなわち、ブランク1の長手方向軸Xに平行に、ワークピース用の受けリングにクランプされてもよい。
【0055】
好ましい実施形態では、加工装置2は、較正装置18を有し、これによりホルダ3に対する少なくとも1つの加工対象のピース1の位置が決定されてもよい。好ましくは、較正装置18は、3D較正プローブを備え、これによりホルダ3内にクランプされた後、加工対象の歯科用ピース1の位置が正確に測定され得る。3D較正プローブを使用して、加工対象のピース1の位置はすべての軸において決定することができ、位置ならびに計算された位置からのあらゆる逸脱は、加工ヘッド17を使用した加工中に考慮および補償され得る。
【0056】
特に好ましくは、加工装置2はまた、制御または調節ユニットを備え、これにより加工ヘッド17、ホルダ3の移動および/または較正装置18は、制御または調節されてもよい。この制御または調節ユニットを使用して、上述のように較正装置18によって決定され得る加工対象のピース1のいかなる位置ずれも、加工ヘッド17を新しい位置に調整することによって補償することができる。したがって、較正装置18は、加工対象のピース1の位置を制御または調節ユニットに送信する。較正装置18によって検出された値は、制御または調節ユニットのソフトウェアに記憶され、後続の計算、またはこのデータに基づいて既に行われた計算の実行または調整をそれぞれ可能にする。
【符号の説明】
【0057】
1 加工対象の歯科用ピース
2 歯科用加工装置
3 ホルダ
4 側方保持面
4’ クランプ要素
4” 可動クランプ要素
5 上面
6 底面
7 側面
8 インプラント接続部
9 内側チャネル
15 ハウジング
17 加工ヘッド
18 較正装置
B 加工領域
F 締結領域/固定領域
H 保持領域
R 保持リング
S クランプ装置
U 表面
X 長手方向軸
DB 側方直径
DF 側方直径
a 第1のねじ
b 第2のねじ
h1 高さ
h2 高さ
【手続補正書】
【提出日】2024-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科用修復物、特にアバットメント、クラウン、ブリッジまたはスナップ式接続部を作製するための歯科用加工ピース(1)またはブランクであって、
歯科用加工装置(2)によって加工されることができ、長手方向軸(X)、上面(5)、底面(6)および側面(7)を有する円筒状の基体を有する加工領域(B)と、
加工対象の前記ピース(1)を前記加工装置(2)のホルダ(3)に締結するための締結領域(F)と、を有し、
前記締結領域(F)は、前記加工領域(B)の前記円筒状の基体の周りに半径方向に配置されることを特徴とし、
前記加工対象のピース(1)は、前記締結領域(F)を利用して前記ホルダ(3)に取り付けられることができ、それにより取り付けられた状態で前記長手方向軸(X)に平行に加工されることが可能になる、歯科用加工ピース。
【請求項2】
前記加工領域(B)の高さ(h1)は、前記加工対象のピース(1)の長さに対応する、請求項1に記載の歯科用加工ピース。
【請求項3】
前記締結領域(B)は、窪みとして構成された少なくとも1つの側方保持面(4)を有し、前記取り付けられた状態で、前記側方保持面(4)の上で前記ホルダ(3)のクランプ要素(4’)が押圧することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の歯科用加工ピース。
【請求項4】
前記締結領域(B)は、前記加工対象のピース(1)の前記側面(7)の一部の周りに環状形状で形成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の歯科用加工ピース。
【請求項5】
前記加工領域(B)の前記側面(7)および/または前記締結領域(F)の表面(U)は、形状が少なくとも部分的に円柱状であるように構成され、
前記締結領域(F)の側方直径(DF)は、前記加工領域(B)の側方直径(DB)よりも大きいことを特徴とする、請求項1または2に記載の歯科用加工ピース。
【請求項6】
前記加工対象のピース(1)は、好ましくは前記締結領域(F)に面する端部に、前記加工対象のピース(1)を歯科用インプラントに固定するための予め製作されたインプラント接続部(8)を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の歯科用加工ピース。
【請求項7】
前記加工対象のピース(1)は、前記加工対象のピース(1)の全長にわたって延在する前記長手方向軸(X)に沿った加工対象のピースの長さを有することを特徴とする、請求項1または2に記載の歯科用加工ピース。
【請求項8】
加工対象の歯科用ピース(1)を保持するためのホルダ(3)であって、特に請求項1または2に従って構成され、前記加工対象の歯科用ピース(1)のための保持領域(H)を有し、
前記保持領域(H)にはクランプ装置(S)が形成され、
前記クランプ装置(S)は、前記加工対象のピース(1)が前記ホルダ(3)に取り付けられた状態で、その長手方向軸(X)の周りで半径方向に前記加工対象のピース(1)上に形成された締結領域(F)の周りでクランプする、ホルダ(3)。
【請求項9】
前記クランプ装置(S)は、少なくとも2つのクランプ要素(4’)と、少なくとも1つの可動クランプ要素(4”)と、保持リング(R)とを備える3点クランプシステムを形成し、
前記2つのクランプ要素(4’)ならびに前記可動クランプ要素(4”)は各々、前記加工対象のピース(1)が前記ホルダ(3)に取り付けられた状態で、前記締結領域(F)上の側方保持面(4)に係合し、
前記保持リング(R)は、前記加工対象のピース(1)が前記ホルダ(3)に取り付けられた状態で、前記締結領域(F)をクランプすることを特徴とする、請求項8に記載のホルダ(3)。
【請求項10】
前記クランプ装置(S)は、少なくとも1つのクランプ要素(4’)を備え、
前記クランプ要素(4’)は、前記加工対象のピース(1)が前記ホルダ(3)に取り付けられた状態で、前記締結領域(B)上の側方保持面(4)に係合することを特徴とする、請求項8に記載のホルダ(3)。
【請求項11】
前記クランプ装置(S)は、保持リング(R)を備え、
前記保持リング(R)は、前記加工対象のピース(1)が前記ホルダ(3)に取り付けられた状態で、前記締結領域(F)をクランプすることを特徴とする、請求項8に記載のホルダ(3)。
【請求項12】
前記クランプ装置(S)は、2つの軸で移動可能な少なくとも1つのクランプ要素(4”)を備え、
前記移動可能なクランプ要素(4”)は、前記加工対象のピース(1)が前記ホルダ(3)に取り付けられた状態で、前記締結領域(B)上の側方保持面(4)に係合することを特徴とする、請求項8に記載のホルダ(3)。
【請求項13】
前記ホルダ(3)は、加工対象の歯科用ピース(1)をそれぞれ保持するための少なくとも2つの保持領域(H)を有することを特徴とする、請求項8に記載のホルダ。
【請求項14】
請求項1または2に記載の少なくとも1つの加工対象のピース(1)と、請求項8に記載のホルダ(3)とを有する、セット。
【請求項15】
ハウジング(15)と、
請求項8に記載の、特に移動可能に、前記ハウジング(15)に接続された少なくとも1つのホルダ(3)と、
請求項1に記載の、それぞれ前記ホルダ(3)内に締結されてもよい、または締結されている、少なくとも1つの加工対象の歯科用ピース(1)と、
前記加工対象のピース(1)を加工するための、特にフライスカッタ、グラインダなどの少なくとも1つの加工ヘッド(17)と、を有する、歯科用加工装置(2)。
【請求項16】
較正装置(18)によって特徴付けられ、前記ホルダ(3)に対する前記少なくとも1つの加工対象のピース(1)の位置は、前記較正装置(18)によって決定されてもよい、請求項15に記載の加工装置。
【請求項17】
制御または調節ユニットによって特徴付けられ、これにより前記加工ヘッド(17)、前記ホルダ(3)の移動および/または前記較正装置(18)は、制御または調節されてもよい、請求項15に記載の加工装置。
【外国語明細書】