IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電気株式会社の特許一覧 ▶ NECソリューションイノベータ株式会社の特許一覧

特開2024-77041需要予測装置、需要予測方法、及びプログラム
<>
  • 特開-需要予測装置、需要予測方法、及びプログラム 図1
  • 特開-需要予測装置、需要予測方法、及びプログラム 図2
  • 特開-需要予測装置、需要予測方法、及びプログラム 図3
  • 特開-需要予測装置、需要予測方法、及びプログラム 図4
  • 特開-需要予測装置、需要予測方法、及びプログラム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077041
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】需要予測装置、需要予測方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0202 20230101AFI20240531BHJP
【FI】
G06Q30/0202
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188845
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】鷲塚 尚紀
(72)【発明者】
【氏名】赤澤 恭子
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB02
5L049BB02
(57)【要約】
【課題】学習データの量に拘わらず、商品の需要予測の精度を高めることができる需要予測装置を提供することにある。
【解決手段】本開示の需要予測装置は、対象商品の需要を予測する単品予測モデル、及び、当該対象商品を含むカテゴリの需要を予測するカテゴリ予測モデルを取得する、モデル取得手段と、単品予測モデル及びカテゴリ予測モデルにおける対象商品の需要予測の精度を算出する、算出手段と、精度に基づいて、単品予測モデル及びカテゴリ予測モデルのいずれかの予測モデルを採用する、採用手段と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象商品の需要を予測する単品予測モデル、及び、当該対象商品を含むカテゴリの需要を予測するカテゴリ予測モデルを取得する、モデル取得手段と、
前記単品予測モデル及び前記カテゴリ予測モデルにおける前記対象商品の需要予測の精度を算出する、算出手段と、
前記精度に基づいて、前記単品予測モデル及び前記カテゴリ予測モデルのいずれかの予測モデルを採用する、採用手段と、を備える、需要予測装置。
【請求項2】
採用した前記予測モデルの情報を出力する、出力手段と、を更に備える、請求項1に記載の需要予測装置。
【請求項3】
前記モデル取得手段は、前記対象商品が新商品である場合、対象商品と類似する商品の前記単品予測モデル及び前記カテゴリ予測モデルを取得する、請求項1又は2に記載の需要予測装置。
【請求項4】
前記出力手段は、商品毎の需要の予測結果を一覧表示する場合、前記予測結果がいずれの予測モデルを用いて予測された結果であるかを表示する、請求項2に記載の需要予測装置。
【請求項5】
前記出力手段は、更に、採用した前記予測モデルによる予測結果と実績値との誤差率を表示する、請求項2に記載の需要予測装置。
【請求項6】
前記出力手段は、前記誤差率が所定以上である場合に、アラートを出力する、請求項5に記載の需要予測装置。
【請求項7】
コンピュータが、
対象商品の需要を予測する単品予測モデル、及び、当該対象商品を含むカテゴリの需要を予測するカテゴリ予測モデルを取得し、
前記単品予測モデル及び前記カテゴリ予測モデルにおける前記対象商品の需要予測の精度を算出し、
前記カテゴリ予測モデルのいずれかの予測モデルを採用する、需要予測方法。
【請求項8】
対象商品の需要を予測する単品予測モデル、及び、当該対象商品を含むカテゴリの需要を予測するカテゴリ予測モデルを取得し、
前記単品予測モデル及び前記カテゴリ予測モデルにおける前記対象商品の需要予測の精度を算出し、
前記カテゴリ予測モデルのいずれかの予測モデルを採用することをコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、需要予測装置、需要予測方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
AI(Artificial intelligence)により生成した需要予測モデルを用いて、商品の需要予測した場合の予測精度を高める方法が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、商品の需要予測を行う場合、過去の販売実績のデータ量に応じて需要予測モデルを変更し、販売実績のデータ量が多くなるにつれて、予測精度の高い需要予測モデルを用いて商品の需要予測を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-103373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された発明では、販売実績のデータ量に応じて需要予測モデルを変更する。しかしながら、適切な需要予測モデルは、必ずしも学習データの量のみで決まるわけではない。
【0006】
本開示の目的の一例は、学習データの量に拘わらず、商品の需要予測の精度を高めることができる需要予測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様における需要予測装置は、対象商品の需要を予測する単品予測モデル、及び、当該対象商品を含むカテゴリの需要を予測するカテゴリ予測モデルを取得する、モデル取得手段と、単品予測モデル及びカテゴリ予測モデルにおける対象商品の需要予測の精度を算出する、算出手段と、精度に基づいて、単品予測モデル及びカテゴリ予測モデルのいずれかの予測モデルを採用する、採用手段と、を備える。
【0008】
本開示の一態様における需要予測方法は、コンピュータが、対象商品の需要を予測する単品予測モデル、及び、当該対象商品を含むカテゴリの需要を予測するカテゴリ予測モデルを取得し、単品予測モデル及びカテゴリ予測モデルにおける対象商品の需要予測の精度を算出し、精度に基づいて、単品予測モデル及びカテゴリ予測モデルのいずれかの予測モデルを採用する。
【0009】
本開示の一態様におけるプログラムは、対象商品の需要を予測する単品予測モデル、及び、当該対象商品を含むカテゴリの需要を予測するカテゴリ予測モデルを取得し、単品予測モデル及びカテゴリ予測モデルにおける対象商品の需要予測の精度を算出し、精度に基づいて、単品予測モデル及びカテゴリ予測モデルのいずれかの予測モデルを採用することをコンピュータに実行させるプログラムを記録する。
【発明の効果】
【0010】
本開示による効果の一例は、学習データの量に拘わらず、商品の需要予測の精度を高めることができる需要予測装置を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第一の実施形態における需要予測装置を含む構成を示す図である。
図2図2は、第一の実施形態における需要予測装置をコンピュータ装置とその周辺装置で実現したハードウェア構成を示す図である。
図3図3は、第一の実施形態において、出力部による予測モデルの情報を出力するための画面の例である。
図4図4は、第一の実施形態において、出力部による予測モデルの情報を出力するための画面の別の例である。
図5図5は、第一の実施形態における需要予測の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
はじめに本発明の一実施形態の需要予測装置100の概要について説明する。需要予測装置100は、対象商品の需要を予測する単品予測モデル、及び、当該対象商品を含むカテゴリの需要を予測するカテゴリ予測モデルを取得する、モデル取得手段と、単品予測モデル及びカテゴリ予測モデルにおける対象商品の需要予測の精度を算出する、算出手段と、精度に基づいて、単品予測モデル及びカテゴリ予測モデルのいずれかの予測モデルを採用する、採用手段と、を備える。この構成によれば、需要予測装置100は、単品予測モデル及びカテゴリ予測モデルにおける対象商品の需要予測の精度に基づいて、単品予測モデル及びカテゴリ予測モデルのいずれかの予測モデルを採用する。よって、採用された予測モデルを用いて商品の需要を予測すれば、学習データの量に拘わらず、需要予測の精度を高めることができる。
【0013】
[第一の実施形態]
本実施形態における需要予測装置100は、生鮮食料品、日配品等の食料品又は生活雑貨等の小売店で販売される商品の需要予測を行うための装置である。本実施形態の具体例として、ある店舗が予測の対象とする商品(以下、対象商品と記す。)をどの程度販売するかを示す販売数量等の需要を予測することを想定する。また、需要予測装置100は、予測した需要に基づいて、その店舗で必要な対象商品の数量の発注も可能な発注システムとして構成されてもよい。
【0014】
本実施形態において、需要の予測対象期間としては、例えば、一日や一週間といった予め決められた所定期間、又は、発注間隔に応じた期間等が考えられる。本実施形態では、主として、特定の店舗における対象商品の一日毎の販売数量を予測する場合を想定して説明する。
【0015】
図1は、第一の実施形態における需要予測装置100を含む構成を示す図である。図1を参照すると、需要予測装置100は、POS(Point of sale)サーバ200から、後述するネットワーク接続用の通信I/F508を介して需要予測に必要なデータを取得する。POSサーバ200には、例えば、商品の販売履歴、及び、商品毎の販売数量が記憶されている。
【0016】
図1に示すように、需要予測装置100は、モデル取得部101、算出部102、採用部103、及び、出力部104を備える。次に、第一の実施形態における需要予測装置100の構成について詳しく説明する。
【0017】
図2は、本開示の第一の実施形態における需要予測装置を、プロセッサを含むコンピュータ装置500で実現したハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示されるように、需要予測装置100は、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503等のメモリ、プログラム504を格納するハードディスク等の記憶装置505、ネットワーク接続用の通信I/F(Interface)508、データの入出力を行う入出力インタフェース511を含む。
【0018】
本実施形態において、記憶装置505には、対象商品の需要を予測する単品予測モデル、及び、当該対象商品を含むカテゴリの需要を予測するカテゴリ予測モデルを取得するモデルの各予測モデルが記憶されている。
【0019】
CPU501は、オペレーティングシステムを動作させて本発明の第一の実施形態に係る需要予測装置100の全体を制御する。また、CPU501は、例えばドライブ装置507等に装着された記録媒体506からメモリにプログラムやデータを読み出す。また、CPU501は、第一の実施形態におけるモデル取得部101、算出部102、採用部103、出力部104、及びこの一部として機能し、プログラムに基づいて後述する図5に示すフローチャートにおける処理または命令を実行する。
【0020】
記録媒体506は、例えば光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、外付けハードディスク、または半導体メモリ等である。記憶装置の一部の記録媒体は、不揮発性記憶装置であり、そこにプログラムを記録する。また、プログラムは、通信網に接続されている図示しない外部コンピュータからダウンロードされてもよい。
【0021】
入力装置509は、例えば、マウスやキーボード、内蔵のキーボタン等で実現され、入力操作に用いられる。入力装置509は、マウスやキーボード、内蔵のキーボタンに限らず、例えばタッチパネルでもよい。出力装置510は、例えばディスプレイ装置で実現され、出力を確認するために用いられる。
【0022】
以上のように、図1に示す第一の実施形態は、図2に示されるコンピュータ・ハードウェアによって実現される。ただし、図1の需要予測装置100が備える各部の実現手段は、以上説明した構成に限定されない。また需要予測装置100は、物理的に結合した一つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した二つ以上の装置を有線または無線で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。例えば、入力装置509及び出力装置510は、コンピュータ装置500とネットワークを経由して接続されたシステムとして構成されていてもよい。また、図1に示す第一の実施形態における需要予測装置100は、クラウドコンピューティング等で構成することもできる。
【0023】
モデル取得部101は、対象商品の需要を予測する単品予測モデル、及び、当該対象商品を含むカテゴリの需要を予測するカテゴリ予測モデルを取得する手段である。単品予測モデルとは、商品毎に生成された予測モデルであり、商品毎とは、例えば、JAN(Japanese Article Number)コード等の商品コードが同一であって、在庫管理上の最小単位を指す。
【0024】
本実施形態において、カテゴリ予測モデルとは、対象商品に含まれるカテゴリ毎に生成された予測モデルである。商品のカテゴリは、野菜、肉、菓子、冷凍食品、生鮮食料品、調味料等のような売り場といった大分類であってもよい。また、商品のカテゴリは、ヨーグルト、牛乳、プリン、ゼリー等のように小分類であってもよい。また、商品のカテゴリは、あらかじめ、需要予測装置100を利用するユーザが設定したカテゴリであってもよい。
【0025】
モデル取得部101は、例えば、記憶装置505より、単品予測モデル、及び、カテゴリ予測モデルを取得する。この場合、図示しない生成手段が、あらかじめ過去の販売数量の実績値を学習データとして、機械学習により各予測モデルを生成し、記憶装置505に記憶する。
【0026】
モデル取得部101は、対象商品が新商品の場合は、対象商品と類似する商品の単品予測モデル、及び、カテゴリ予測モデルを取得する。モデル取得部101は、記憶装置505内から対象商品と商品名又は商品の特徴が類似する商品の各モデルを取得してもよい。
【0027】
本実施形態において、生成手段による予測モデルの生成方法は、以下のとおりである。なお、以下の説明では、生成手段が予測モデルを生成することとするが、モデル取得部101が、各予測モデルを生成してもよい。
【0028】
生成手段は、例えば、POSサーバ200から、少なくとも、数日前~数十日前の対象商品の日毎の販売数量の実績値を含む学習データを取得して、単品予測モデルを生成する。また、同様に、生成手段は、POSサーバ200から、少なくとも、数日前~数十日前の対象商品を含むカテゴリの販売数量の実績値を含む学習データを取得して、カテゴリ予測モデルを生成する。また、生成手段は、学習データとして、数日前~数十日前から予測実施日の前日までの販売数量の実績値の移動平均を用いて、各予測モデルを生成してもよい。
【0029】
生成手段は、単品予測モデルを生成するとき、例えば、「A社○○ヨーグルト△△味」が対象商品である場合、同じメーカーの同一商品(すなわち、「A社○○ヨーグルト△△味」)の販売数量の実績値を学習データに用いる。ただし、生成手段は、同一商品の販売数量の実績値のデータ量が少ない場合は、同じメーカーの類似商品の販売数量の実績値を学習データに用いても構わない。例えば、「A社○○ヨーグルト△△味」が対象商品の場合、対象商品と商品名の要部が一致する「A社○○ヨーグルト××味」の販売数量の実績値を学習データに用いても構わない。
【0030】
生成手段は、カテゴリ予測モデルを生成するとき、カテゴリが同一の商品群の販売数量の実績値を学習データに用いる。生成手段は、例えば、「A社○○ヨーグルト△△味」が対象商品である場合、例えば、同じメーカーの商品名が類似する商品(すなわち、「A社○○ヨーグルト××味」)及び他のメーカーの同様の商品(すなわち、「B社○○ヨーグルト」)の販売数量の実績値を学習データに用いる。
【0031】
本実施形態において予測モデルは、店舗毎に生成される。予測モデルとしては、販売数量を目的変数とし、目的変数が説明変数の線形和で表されているものであればよく、その予測式(予測モデル)の内容は任意である。説明変数としては、販売数量に影響を与える因子に対応する変数が用いられる。
【0032】
因子としては、例えば、需要予測対象日のカレンダー情報(平日/休日、曜日)、気象情報(最高気温、最低気温、天気)、又は、客数若しくは販売数量等の過去の実績の情報である。また、因子として、例えば、割引等の販売促進活動(キャンペーン)、店舗の近くで行われるイベント(近隣イベント)、店舗で行われる催し(催事)、テレビ、雑誌等のメディアでの広告、紹介記事(CM/メディア)等の需要予測対象日前後に生じる特別要因を含んでもよい。ただし、因子としては、販売数量や客数に影響のある情報であれば、これらに限られない。
【0033】
因子の情報は、ユーザからの入力を受け付けるものであってもよく、記憶装置505にあらかじめ記憶されている情報を読み出すものであってもよく、ネットワークを介してPOSサーバ200又は図示しない外部システム等の他の装置から取得するものであってもよい。また、採用部103は、他の装置から取得した客数又は販売数量を用いて、移動平均等を計算し、計算した値を説明変数として用いてもよい。モデル取得部101は、取得した単品予測モデル及びカテゴリ予測モデルを算出部102に出力する。
【0034】
算出部102は、単品予測モデル及びカテゴリ予測モデルにおける対象商品の需要予測の精度を算出する。具体的には、まず、算出部102は、各予測モデルに、予測する日の説明変数値を代入することで、対象商品の需要の予測結果をそれぞれ算出する。予測する日としては、販売数量の実績値が存在する過去の日とする。次いで、算出部102は、各予測モデルによる対象商品の予測結果に対して、対象商品の実際の販売数量の実績値との誤差率を算出し、各予測モデルの需要予測の精度を算出する。
【0035】
採用部103は、需要予測の精度に基づいて、単品予測モデル及びカテゴリ予測モデルのいずれかの予測モデルを採用する手段である。採用部103は、算出部102から入力された各予測モデルの精度を比較し、精度の高い予測モデルを採用する。採用部103は、例えば、商品毎に採用した予測モデルの情報を記憶装置505に記憶して管理する。
【0036】
出力部104は、採用した予測モデルの情報を出力する手段である。出力部104は、例えば、ディスプレイ装置により実現される。出力部104は、単品予測モデル及びカテゴリ予測モデルのいずれの予測モデルを採用したかの情報を出力する。出力部104は、モデルの条件分岐又はモデル式等のモデルの情報も出力してもよい。また、出力部104は、採用した予測モデルによる対象商品の販売数量の予測結果、及び、予測モデルの精度のいずれかの情報を表示させてもよいし、再学習を指示するアイコン等を表示させてもよい。
【0037】
出力部104は、採用部103が、対象商品に対していずれかの予測モデルを採用したタイミングで予測モデルの情報を出力してもよい。また、出力部104は、ユーザの操作により、需要予測装置100に対して、予測モデルの情報を出力するための操作が行われたされた場合に、記憶装置505内の予測モデルの情報を出力しても構わない。
【0038】
また、出力部104は、商品毎の予測モデルによる予測結果を一覧表示する場合に、予測結果がいずれの予測モデルを用いて予測された結果であるかを表示しても構わない。また、出力部104は、採用された予測モデルの精度が所定以下となったタイミング、又は、予測モデルの精度が、閾値を所定回数以上下回ったタイミングで、対象商品の予測モデルの再学習を指示するアイコン等を表示させても構わない。また、出力部104は、採用された予測モデルを生成してから所定期間(例えば、数か月)経過したら、商品の予測モデルの再学習を指示するアイコン等を表示させても構わない。
【0039】
図3は、第一の実施形態において、出力部104による予測モデルの情報を出力するための画面の例である。図3の例では、A店において、6種類のヨーグルトの予測モデルでの予測結果、販売数量の実績値、誤差率(精度)、いずれの予測モデルを用いて予測された結果であるかが表示されている。また、図3に示すように、誤差率が所定以上の場合は、アラートを出力しても構わない。図3の例では、出力部104は、誤差率が40%のヨーグルトBにアラートを出力している。出力部104は、誤差率が所定以上の場合に、アラートとして、文字を太線にしたり、色を変えたりして強調表示させてもよい。
【0040】
図4は、第一の実施形態において、出力部104による予測モデルの情報を出力するための画面の別の例である。図4の例では、A店において、ヨーグルトAの日毎のモデルによる予測結果、販売数量の実績値、誤差率、いずれの予測モデルを用いて予測された結果であるかが表示されている。図4においても、誤差率が所定以上である場合に、アラートを出力しても構わない。また、図4に示すように、出力部104は、誤差率が所定以上である場合に、モデルの再学習を指示するアイコン等を表示しても構わない。図4の例では、ヨーグルトBについて、再学習のアイコンが表示されている。ユーザがこのアイコンを押下操作することで、需要予測装置100に再学習を指示することができる。
【0041】
以上のように構成された需要予測装置100の動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0042】
図5は、第一の実施形態における需要予測装置100の動作の概要を示すフローチャートである。尚、このフローチャートによる処理は、前述したプロセッサによるプログラム制御に基づいて、実行されてもよい。需要予測装置100は、例えば、対象商品の需要を予測する度に本フローチャートによる処理を繰り返す。
【0043】
図5に示すように、まず、モデル取得部101は、既存商品である場合(S101;Yes)、対象商品の単品予測モデル、及び、カテゴリ予測モデルを取得する(ステップS102)。一方、モデル取得部101は、対象商品が既存商品ではなく、新商品である場合(S101;No)、対象商品と類似する商品の単品予測モデル及びカテゴリモデルを取得する(ステップS103)。次に、算出部102は、単品予測モデル及びカテゴリ予測モデルを用いて、対象商品の所定の期間における需要予測の精度を算出する(ステップS104)。次に、採用部103は、需要予測の精度に基づいて、単品予測モデル及びカテゴリ予測モデルのいずれかの予測モデルを採用する(ステップS105)。次に、出力部104は、採用したモデルの情報及びその精度を出力する(ステップS106)。次に、出力部104は、採用した予測モデルの精度が所定以下である場合(S107;Yes)、アラートを出力する(ステップS108)。一方、出力部104は、採用した予測モデルの精度が所定以下ではない場合(S107;No)、アラートを出力せずに、動作を終了する。以上で、需要予測装置100は、動作を終了する。
【0044】
本実施形態における需要予測装置100は、採用部103が、需要予測の精度に基づいて、単品予測モデル及びカテゴリ予測モデルのいずれかの予測モデルを採用する。この場合、需要予測の精度の高い予測モデルを採用することにより、学習データの量に拘わらず、商品の需要予測の精度を高められる。
【0045】
また、本実施形態において、モデル取得部101は、対象商品が新商品である場合、対象商品と類似する商品の単品予測モデル及びカテゴリモデルを取得する。これにより、学習データがない場合であっても、精度が高い予測モデルを採用して需要予測を行うことができる。
【0046】
以上、各実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しえる様々な変更をすることができる。
【0047】
例えば、複数の動作をフローチャートの形式で順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の動作を実行する順番を限定するものではない。このため、各実施形態を実施するときには、その複数の動作の順番は内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【符号の説明】
【0048】
100 需要予測装置
101 モデル取得部
102 算出部
103 採用部
104 出力部
200 POSサーバ
500 コンピュータ装置
501 CPU
502 ROM
503 RAM
504 プログラム
505 記憶装置
506 記録媒体
507 ドライブ装置
508 通信インタフェース
509 入力装置
510 出力装置
511 入出力インタフェース
512 バス
図1
図2
図3
図4
図5