(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077064
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】振れ補正機能付き光学ユニット
(51)【国際特許分類】
G03B 5/00 20210101AFI20240531BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20240531BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20240531BHJP
H04N 23/57 20230101ALI20240531BHJP
【ＦＩ】
G03B5/00 J
G03B30/00
H04N23/50
H04N23/57
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2022188878
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(72)【発明者】
【氏名】新井 努
(72)【発明者】
【氏名】南澤 伸司
(72)【発明者】
【氏名】須江 猛
【テーマコード（参考）】
2K005
5C122
【Ｆターム（参考）】
2K005AA20
2K005CA04
2K005CA12
2K005CA22
2K005CA44
2K005CA45
2K005CA53
5C122DA09
5C122EA05
5C122EA41
5C122FB03
5C122FC00
5C122GE04
5C122GE06
5C122GE11
5C122GE17
(57)【要約】
【課題】カメラモジュールの光軸を回動中心にする回動が可能となるように可動体を保持する第１中間部材と、可動体と第１中間部材とを繋ぐ複数のバネ部とを備える振れ補正機能付き光学ユニットにおいて、振れ補正機能付き光学ユニットに光軸方向の衝撃が加わっても、第１中間部材に対する可動体の回動方向に弾性変形可能な第１板バネの光軸方向の塑性変形を防止することが可能な振れ補正機能付き光学ユニットを提供する。
【解決手段】この振れ補正機能付き光学ユニットでは、可動体側に形成される第１規制面２０ｋと第１中間部材１０側に形成される第３規制面２３ｃとによって被写体側への第１中間部材１０に対する可動体の可動範囲が規制され、可動体側に形成される第２規制面２０ｐと第１中間部材１０側に形成される第４規制面８ｃとによって反被写体側への第１中間部材１０に対する可動体の可動範囲が規制される。
【選択図】図８
【解決手段】この振れ補正機能付き光学ユニットでは、可動体側に形成される第１規制面２０ｋと第１中間部材１０側に形成される第３規制面２３ｃとによって被写体側への第１中間部材１０に対する可動体の可動範囲が規制され、可動体側に形成される第２規制面２０ｐと第１中間部材１０側に形成される第４規制面８ｃとによって反被写体側への第１中間部材１０に対する可動体の可動範囲が規制される。
【選択図】図８
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラモジュールを有する可動体と、前記可動体を回動可能に保持する第１中間部材と、前記第１中間部材を回動可能に保持する第２中間部材と、前記第２中間部材を回動可能に保持する固定体と、前記カメラモジュールの光軸を回動中心にして前記第１中間部材に対して前記可動体を回動させる第１回動機構と、前記固定体に対して前記可動体を回動させる第２回動機構と、前記可動体と前記第１中間部材とを繋ぐ複数のバネ部とを備え、
前記第１中間部材は、前記カメラモジュールの光軸に交差する第１方向を回動の軸方向として前記第２中間部材に対して回動可能となっており、
前記第２中間部材は、前記第１方向に交差するとともに前記カメラモジュールの光軸に交差する第２方向を回動の軸方向として前記固定体に対して回動可能となっており、
前記バネ部は、前記第１中間部材に対する前記可動体の回動方向に弾性変形可能な平板状の第１板バネを備え、
前記カメラモジュールの光軸の方向である光軸方向の一方側を被写体側とし、前記被写体側の反対側を反被写体側とすると、
前記可動体側には、前記被写体側への前記第１中間部材に対する前記可動体の可動範囲を規制するための第１規制面と、前記反被写体側への前記第１中間部材に対する前記可動体の可動範囲を規制するための第２規制面とが形成され、
前記第１中間部材側には、前記光軸方向において前記第１規制面との間に隙間をあけた状態で前記第１規制面に対向配置される第３規制面と、前記光軸方向において前記第２規制面との間に隙間をあけた状態で前記第２規制面に対向配置される第４規制面とが形成され、
前記第１規制面が前記第３規制面に接触すると、前記被写体側への前記第１中間部材に対する前記可動体の移動が規制され、
前記第２規制面が前記第４規制面に接触すると、前記反被写体側への前記第１中間部材に対する前記可動体の移動が規制されることを特徴とする振れ補正機能付き光学ユニット。
前記第１中間部材は、前記カメラモジュールの光軸に交差する第１方向を回動の軸方向として前記第２中間部材に対して回動可能となっており、
前記第２中間部材は、前記第１方向に交差するとともに前記カメラモジュールの光軸に交差する第２方向を回動の軸方向として前記固定体に対して回動可能となっており、
前記バネ部は、前記第１中間部材に対する前記可動体の回動方向に弾性変形可能な平板状の第１板バネを備え、
前記カメラモジュールの光軸の方向である光軸方向の一方側を被写体側とし、前記被写体側の反対側を反被写体側とすると、
前記可動体側には、前記被写体側への前記第１中間部材に対する前記可動体の可動範囲を規制するための第１規制面と、前記反被写体側への前記第１中間部材に対する前記可動体の可動範囲を規制するための第２規制面とが形成され、
前記第１中間部材側には、前記光軸方向において前記第１規制面との間に隙間をあけた状態で前記第１規制面に対向配置される第３規制面と、前記光軸方向において前記第２規制面との間に隙間をあけた状態で前記第２規制面に対向配置される第４規制面とが形成され、
前記第１規制面が前記第３規制面に接触すると、前記被写体側への前記第１中間部材に対する前記可動体の移動が規制され、
前記第２規制面が前記第４規制面に接触すると、前記反被写体側への前記第１中間部材に対する前記可動体の移動が規制されることを特徴とする振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項2】
前記カメラモジュールの光軸を中心とする９０°ピッチで配置される４個の前記バネ部を備え、
前記第１板バネは、前記被写体側に配置される第１被固定部と、前記反被写体側に配置される第２被固定部と、前記第１被固定部に一端が繋がり前記第２被固定部に他端が繋がるとともに蛇行しながら前記光軸方向に伸びる蛇行部とを備えることを特徴とする請求項１記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
前記第１板バネは、前記被写体側に配置される第１被固定部と、前記反被写体側に配置される第２被固定部と、前記第１被固定部に一端が繋がり前記第２被固定部に他端が繋がるとともに蛇行しながら前記光軸方向に伸びる蛇行部とを備えることを特徴とする請求項１記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項3】
前記可動体は、前記カメラモジュールが内周側に固定される筒状のホルダを備え、
前記第１規制面は、前記ホルダの前記被写体側の面に形成され、
前記第２規制面は、前記ホルダの前記反被写体側の面に形成され、
前記第１中間部材は、前記ホルダの前記被写体側に配置される平板状の第１平板部と、前記ホルダの前記反被写体側に配置される平板状の第２平板部とを備え、
前記バネ部は、前記第１板バネの前記反被写体側の端部が繋がるとともに前記光軸方向に弾性変形可能な平板状の第２板バネを備え、
複数の前記第２板バネは、複数の前記第２板バネと一体で形成される連結部によって繋がっており、
前記連結部は、前記第２平板部の前記被写体側の面に固定され、
前記第１平板部の前記反被写体側の面が前記第３規制面となっており、
前記連結部の前記被写体側の面が前記第４規制面となっていることを特徴とする請求項１または２記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
前記第１規制面は、前記ホルダの前記被写体側の面に形成され、
前記第２規制面は、前記ホルダの前記反被写体側の面に形成され、
前記第１中間部材は、前記ホルダの前記被写体側に配置される平板状の第１平板部と、前記ホルダの前記反被写体側に配置される平板状の第２平板部とを備え、
前記バネ部は、前記第１板バネの前記反被写体側の端部が繋がるとともに前記光軸方向に弾性変形可能な平板状の第２板バネを備え、
複数の前記第２板バネは、複数の前記第２板バネと一体で形成される連結部によって繋がっており、
前記連結部は、前記第２平板部の前記被写体側の面に固定され、
前記第１平板部の前記反被写体側の面が前記第３規制面となっており、
前記連結部の前記被写体側の面が前記第４規制面となっていることを特徴とする請求項１または２記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項4】
前記光軸方向に直交する方向において前記第１中間部材に対する前記可動体の可動範囲を規制する第１規制部と、前記第１中間部材に対する前記可動体の回動方向において前記第１中間部材に対する前記可動体の可動範囲を規制する第２規制部とが設けられていることを特徴とする請求項１または２記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項5】
前記可動体は、前記カメラモジュールが内周側に固定される四角筒状のホルダを備え、
前記第１規制面は、前記ホルダの前記被写体側の面に形成され、
前記第１中間部材は、前記ホルダの前記被写体側に配置される平板状の第１平板部を備え、
前記ホルダには、前記第１規制面から前記被写体側に突出する第１突起部が形成され、
前記第１平板部には、前記光軸方向における前記第１突起部の一部が配置される切欠きが形成され、
前記第１突起部の側面と前記切欠きの側面とによって前記第１規制部および前記第２規制部が構成されていることを特徴とする請求項４記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
前記第１規制面は、前記ホルダの前記被写体側の面に形成され、
前記第１中間部材は、前記ホルダの前記被写体側に配置される平板状の第１平板部を備え、
前記ホルダには、前記第１規制面から前記被写体側に突出する第１突起部が形成され、
前記第１平板部には、前記光軸方向における前記第１突起部の一部が配置される切欠きが形成され、
前記第１突起部の側面と前記切欠きの側面とによって前記第１規制部および前記第２規制部が構成されていることを特徴とする請求項４記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項6】
前記光軸方向から見たときの前記ホルダの形状は、正方形または長方形の枠状となっており、
前記第１突起部は、正方形または長方形の枠状をなす前記ホルダの、前記被写体側の面の４辺のそれぞれの中心位置に形成されていることを特徴とする請求項５記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
前記第１突起部は、正方形または長方形の枠状をなす前記ホルダの、前記被写体側の面の４辺のそれぞれの中心位置に形成されていることを特徴とする請求項５記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項7】
前記第２規制面は、前記ホルダの前記反被写体側の面に形成され、
前記ホルダには、前記第２規制面より前記反被写体側に突出するとともに前記カメラモジュールの前記反被写体側の端面よりも前記反被写体側に突出する第２突起部が形成され、
前記固定体は、前記被写体側から前記第１突起部を覆う第１カバー部と、前記反被写体側から前記第２突起部を覆う第２カバー部とを備え、
前記第１突起部の前記被写体側の端面と前記第１カバー部の前記反被写体側の面とは、前記光軸方向において隙間をあけた状態で対向配置され、
前記第２突起部の前記反被写体側の端面と前記第２カバー部の前記被写体側の面とは、前記光軸方向において隙間をあけた状態で対向配置され、
前記第１突起部の前記被写体側の端面と前記第１カバー部の前記反被写体側の面とによって、前記被写体側への前記固定体に対する前記可動体の可動範囲が規制され、
前記第２突起部の前記反被写体側の端面と前記第２カバー部の前記被写体側の面とによって、前記反被写体側への前記固定体に対する前記可動体の可動範囲が規制されることを特徴とする請求項５または６記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
前記ホルダには、前記第２規制面より前記反被写体側に突出するとともに前記カメラモジュールの前記反被写体側の端面よりも前記反被写体側に突出する第２突起部が形成され、
前記固定体は、前記被写体側から前記第１突起部を覆う第１カバー部と、前記反被写体側から前記第２突起部を覆う第２カバー部とを備え、
前記第１突起部の前記被写体側の端面と前記第１カバー部の前記反被写体側の面とは、前記光軸方向において隙間をあけた状態で対向配置され、
前記第２突起部の前記反被写体側の端面と前記第２カバー部の前記被写体側の面とは、前記光軸方向において隙間をあけた状態で対向配置され、
前記第１突起部の前記被写体側の端面と前記第１カバー部の前記反被写体側の面とによって、前記被写体側への前記固定体に対する前記可動体の可動範囲が規制され、
前記第２突起部の前記反被写体側の端面と前記第２カバー部の前記被写体側の面とによって、前記反被写体側への前記固定体に対する前記可動体の可動範囲が規制されることを特徴とする請求項５または６記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項8】
前記ホルダの側面には、前記ホルダの外周側に突出する第３突起部が形成され、
前記固定体は、前記ホルダの外周側に配置される筒状のケース体を備え、
前記第３突起部の先端面と前記ケース体の内周面とは、隙間をあけた状態で対向配置され、
前記第３突起部の先端面と前記ケース体の内周面とによって、前記光軸方向に直交する方向における前記固定体に対する前記可動体の可動範囲が規制されることを特徴とする請求項５または６記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
前記固定体は、前記ホルダの外周側に配置される筒状のケース体を備え、
前記第３突起部の先端面と前記ケース体の内周面とは、隙間をあけた状態で対向配置され、
前記第３突起部の先端面と前記ケース体の内周面とによって、前記光軸方向に直交する方向における前記固定体に対する前記可動体の可動範囲が規制されることを特徴とする請求項５または６記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器等に搭載される振れ補正機能付き光学ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯機器等に搭載される振れ補正機能付きの光学ユニットが知られている（たとえば、特許文献１参照）。特許文献１に記載の光学ユニットは、カメラモジュールを有する可動体と、可動体を回動可能に保持する第１中間部材と、第１中間部材を回動可能に保持する第２中間部材と、第２中間部材を回動可能に保持する固定体と、カメラモジュールの光軸を回動中心にして第１中間部材に対して可動体を回動させる回動機構とを備えている。
【0003】
特許文献１に記載の光学ユニットでは、可動体は、カメラモジュールが固定されるホルダを備えている。第１中間部材は、ホルダの下側に配置される基部を有する枠部材を備えている。また、特許文献１に記載の光学ユニットは、可動体と第１中間部材とを繋ぐための複数の板バネを備えている。具体的には、この光学ユニットは、第１中間部材に対する可動体の回動方向において弾性変形可能な平板状の４枚の第１板バネと、ホルダに固定される１枚の板バネと、枠部材の基部に固定される１枚の板バネとを備えている。
【0004】
特許文献１に記載の光学ユニットでは、第１板バネは、カメラモジュールの光軸の方向である光軸方向における第１板バネの一端部を構成する被固定部と、光軸方向における第１板バネの他端部を構成する被固定部と、２個の被固定部に繋がるとともに蛇行しながら光軸方向に伸びる蛇行部とによって構成されている。第１板バネの一端部を構成する被固定部は、ホルダに固定される板バネに固定されている。第１板バネの他端部を構成する被固定部は、基部に固定される板バネに固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開２０２２－１２２０５７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
たとえば、特許文献１に記載の光学ユニットが搭載される携帯機器等が落下すると、光学ユニットに光軸方向の衝撃が加わることがあり、光学ユニットに光軸方向の衝撃が加わると、光軸方向において第１中間部材に対して可動体が過剰に移動するおそれがある。また、光軸方向において第１中間部材に対して可動体が過剰に移動すると、第１中間部材に対する可動体の回動方向において弾性変形可能な第１板バネが光軸方向において塑性変形するおそれが生じる。具体的には、光軸方向において第１中間部材に対して可動体が過剰に移動すると、第１板バネの蛇行部が光軸方向において塑性変形するおそれが生じる。
【0007】
そこで、本発明の課題は、カメラモジュールを有する可動体と、カメラモジュールの光軸を回動中心にする回動が可能となるように可動体を保持する第１中間部材と、可動体と第１中間部材とを繋ぐ複数のバネ部とを備える振れ補正機能付き光学ユニットにおいて、振れ補正機能付き光学ユニットに光軸方向の衝撃が加わっても、バネ部の一部を構成するとともに第１中間部材に対する可動体の回動方向に弾性変形可能な第１板バネの光軸方向の塑性変形を防止することが可能な振れ補正機能付き光学ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の振れ補正機能付き光学ユニットは、カメラモジュールを有する可動体と、可動体を回動可能に保持する第１中間部材と、第１中間部材を回動可能に保持する第２中間部材と、第２中間部材を回動可能に保持する固定体と、カメラモジュールの光軸を回動中心にして第１中間部材に対して可動体を回動させる第１回動機構と、固定体に対して可動体を回動させる第２回動機構と、可動体と第１中間部材とを繋ぐ複数のバネ部とを備え、第１中間部材は、カメラモジュールの光軸に交差する第１方向を回動の軸方向として第２中間部材に対して回動可能となっており、第２中間部材は、第１方向に交差するとともにカメラモジュールの光軸に交差する第２方向を回動の軸方向として固定体に対して回動可能となっており、バネ部は、第１中間部材に対する可動体の回動方向に弾性変形可能な平板状の第１板バネを備え、カメラモジュールの光軸の方向である光軸方向の一方側を被写体側とし、被写体側の反対側を反被写体側とすると、可動体側には、被写体側への第１中間部材に対する可動体の可動範囲を規制するための第１規制面と、反被写体側への第１中間部材に対する可動体の可動範囲を規制するための第２規制面とが形成され、第１中間部材側には、光軸方向において第１規制面との間に隙間をあけた状態で第１規制面に対向配置される第３規制面と、光軸方向において第２規制面との間に隙間をあけた状態で第２規制面に対向配置される第４規制面とが形成され、第１規制面が第３規制面に接触すると、被写体側への第１中間部材に対する可動体の移動が規制され、第２規制面が第４規制面に接触すると、反被写体側への第１中間部材に対する可動体の移動が規制されることを特徴とする。
【0009】
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットでは、可動体側に、被写体側への第１中間部材に対する可動体の可動範囲を規制するための第１規制面と、反被写体側への第１中間部材に対する可動体の可動範囲を規制するための第２規制面とが形成され、第１中間部材側に、光軸方向において第１規制面との間に隙間をあけた状態で第１規制面に対向配置される第３規制面と、光軸方向において第２規制面との間に隙間をあけた状態で第２規制面に対向配置される第４規制面とが形成されている。また、本発明では、第１規制面が第３規制面に接触すると、被写体側への第１中間部材に対する可動体の移動が規制され、第２規制面が第４規制面に接触すると、反被写体側への第１中間部材に対する可動体の移動が規制される。
【0010】
そのため、本発明では、振れ補正機能付き光学ユニットに光軸方向の衝撃が加わっても、光軸方向において第１中間部材に対して可動体が過剰に移動するのを防止することが可能になる。したがって、本発明では、振れ補正機能付き光学ユニットに光軸方向の衝撃が加わっても、第１中間部材に対する可動体の回動方向に弾性変形可能な第１板バネの光軸方向の塑性変形を防止することが可能になる。
【0011】
本発明において、振れ補正機能付き光学ユニットは、たとえば、カメラモジュールの光軸を中心とする９０°ピッチで配置される４個のバネ部を備え、第１板バネは、被写体側に配置される第１被固定部と、反被写体側に配置される第２被固定部と、第１被固定部に一端が繋がり第２被固定部に他端が繋がるとともに蛇行しながら光軸方向に伸びる蛇行部とを備えている。
【0012】
本発明において、たとえば、可動体は、カメラモジュールが内周側に固定される筒状のホルダを備え、第１規制面は、ホルダの被写体側の面に形成され、第２規制面は、ホルダの反被写体側の面に形成され、第１中間部材は、ホルダの被写体側に配置される平板状の第１平板部と、ホルダの反被写体側に配置される平板状の第２平板部とを備え、バネ部は、第１板バネの反被写体側の端部が繋がるとともに光軸方向に弾性変形可能な平板状の第２板バネを備え、複数の第２板バネは、複数の第２板バネと一体で形成される連結部によって繋がっており、連結部は、第２平板部の被写体側の面に固定され、第１平板部の反被写体側の面が第３規制面となっており、連結部の被写体側の面が第４規制面となっている。この場合には、比較的簡易な構成によって、第１中間部材に対する可動体の光軸方向への過剰な移動を防止することが可能になる。
【0013】
本発明において、振れ補正機能付き光学ユニットには、光軸方向に直交する方向において第１中間部材に対する可動体の可動範囲を規制する第１規制部と、第１中間部材に対する可動体の回動方向において第１中間部材に対する可動体の可動範囲を規制する第２規制部とが設けられていることが好ましい。このように構成すると、振れ補正機能付き光学ユニットに衝撃が加わったときに、光軸方向に直交する方向および第１中間部材に対する可動体の回動方向において第１中間部材に対して可動体が過剰に移動するのを防止することが可能になる。したがって、振れ補正機能付き光学ユニットに衝撃が加わっても、光軸方向に直交する方向および第１中間部材に対する可動体の回動方向におけるバネ部の塑性変形を防止することが可能になる。
【0014】
本発明において、可動体は、カメラモジュールが内周側に固定される四角筒状のホルダを備え、第１規制面は、ホルダの被写体側の面に形成され、第１中間部材は、ホルダの被写体側に配置される平板状の第１平板部を備え、ホルダには、第１規制面から被写体側に突出する第１突起部が形成され、第１平板部には、光軸方向における第１突起部の一部が配置される切欠きが形成され、第１突起部の側面と切欠きの側面とによって第１規制部および第２規制部が構成されていることが好ましい。
【0015】
このように構成すると、第１突起部の側面と切欠きの側面とによって、光軸方向に直交する方向において第１中間部材に対する可動体の可動範囲を規制することが可能になるとともに、第１中間部材に対する可動体の回動方向において第１中間部材に対する可動体の可動範囲を規制することが可能になる。したがって、振れ補正機能付き光学ユニットに第１規制部と第２規制部とが設けられていても、振れ補正機能付き光学ユニットの構成を簡素化することが可能になる。
【0016】
本発明において、光軸方向から見たときのホルダの形状は、正方形または長方形の枠状となっており、第１突起部は、正方形または長方形の枠状をなすホルダの、被写体側の面の４辺のそれぞれの中心位置に形成されていることが好ましい。このように構成すると、第１中間部材に対する可動体の回動量を確保しつつ、第１突起部の側面と切欠きの側面との隙間を狭くすることが可能になる。したがって、第１中間部材に対する可動体の回動量を確保しつつ、振れ補正機能付き光学ユニットを小型化することが可能になる。
【0017】
本発明において、第２規制面は、ホルダの反被写体側の面に形成され、ホルダには、第２規制面より反被写体側に突出するとともにカメラモジュールの反被写体側の端面よりも反被写体側に突出する第２突起部が形成され、固定体は、被写体側から第１突起部を覆う第１カバー部と、反被写体側から第２突起部を覆う第２カバー部とを備え、第１突起部の被写体側の端面と第１カバー部の反被写体側の面とは、光軸方向において隙間をあけた状態で対向配置され、第２突起部の反被写体側の端面と第２カバー部の被写体側の面とは、光軸方向において隙間をあけた状態で対向配置され、第１突起部の被写体側の端面と第１カバー部の反被写体側の面とによって、被写体側への固定体に対する可動体の可動範囲が規制され、第２突起部の反被写体側の端面と第２カバー部の被写体側の面とによって、反被写体側への固定体に対する可動体の可動範囲が規制されることが好ましい。
【0018】
このように構成すると、振れ補正機能付き光学ユニットに光軸方向の衝撃が加わっても、光軸方向において固定体に対して可動体が過剰に移動するのを防止することが可能になる。したがって、振れ補正機能付き光学ユニットに光軸方向の衝撃が加わっても、振れ補正機能付き光学ユニットの構成部品の損傷を防止することが可能になる。
【0019】
本発明において、ホルダの側面には、ホルダの外周側に突出する第３突起部が形成され、固定体は、ホルダの外周側に配置される筒状のケース体を備え、第３突起部の先端面とケース体の内周面とは、隙間をあけた状態で対向配置され、第３突起部の先端面とケース体の内周面とによって、光軸方向に直交する方向における固定体に対する可動体の可動範囲が規制されることが好ましい。このように構成すると、振れ補正機能付き光学ユニットに光軸方向に直交する方向の衝撃が加わっても、光軸方向に直交する方向において固定体に対して可動体が過剰に移動するのを防止することが可能になる。したがって、振れ補正機能付き光学ユニットに光軸方向に直交する方向の衝撃が加わっても、振れ補正機能付き光学ユニットの構成部品の損傷を防止することが可能になる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明では、カメラモジュールを有する可動体と、カメラモジュールの光軸を回動中心にする回動が可能となるように可動体を保持する第１中間部材と、可動体と第１中間部材とを繋ぐ複数のバネ部とを備える振れ補正機能付き光学ユニットにおいて、振れ補正機能付き光学ユニットに光軸方向の衝撃が加わっても、バネ部の一部を構成するとともに第１中間部材に対する可動体の回動方向に弾性変形可能な第１板バネの光軸方向の塑性変形を防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態にかかる振れ補正機能付き光学ユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
（振れ補正機能付き光学ユニットの全体構成）
図１は、本発明の実施の形態にかかる振れ補正機能付き光学ユニット１の斜視図である。図２は、図１に示す振れ補正機能付き光学ユニット１からカバー部材２５を取り外した状態の平面図である。図３は、図１に示す振れ補正機能付き光学ユニット１の分解斜視図である。図４は、図３に示す回動機構５、第２中間部材１１およびケース体２４等の分解斜視図である。図５は、図４に示す第１中間部材１０およびホルダ２０等の分解斜視図である。図６は、図１に示す振れ補正機能付き光学ユニット１の縦断面図である。
図１は、本発明の実施の形態にかかる振れ補正機能付き光学ユニット１の斜視図である。図２は、図１に示す振れ補正機能付き光学ユニット１からカバー部材２５を取り外した状態の平面図である。図３は、図１に示す振れ補正機能付き光学ユニット１の分解斜視図である。図４は、図３に示す回動機構５、第２中間部材１１およびケース体２４等の分解斜視図である。図５は、図４に示す第１中間部材１０およびホルダ２０等の分解斜視図である。図６は、図１に示す振れ補正機能付き光学ユニット１の縦断面図である。
【0024】
以下の説明では、図１等に示すように、互いに直交する３方向のそれぞれをＸ方向、Ｙ方向およびＺ方向とし、Ｘ方向を左右方向、Ｙ方向を前後方向、Ｚ方向を上下方向とする。また、左右方向の一方側である図１等のＸ１方向側を「右」側とし、その反対側である図１等のＸ２方向側を「左」側とし、前後方向の一方側である図１等のＹ１方向側を「前」側とし、その反対側である図１等のＹ２方向側を「後ろ」側とし、上下方向の一方側である図１等のＺ１方向側を「上」側とし、その反対側である図１等のＺ２方向側を「下」側とする。
【0025】
本形態の振れ補正機能付き光学ユニット１（以下、「光学ユニット１」とする。）は、たとえば、スマートフォン等の携帯機器に搭載される小型かつ薄型のユニットであり、撮影用のレンズおよび撮像素子を有するカメラモジュール２を備えている。また、光学ユニット１は、撮影時に振れが発生した場合の撮像画像の乱れを回避するための振れ補正機能を備えている。具体的には、光学ユニット１は、ピッチング方向、ヨーイング方向およびローリング方向の振れ補正機能を備えている。
【0026】
光学ユニット１は、全体として厚さの薄い扁平な直方体状に形成されている。光学ユニット１の厚さは、たとえば、３～４ｍｍ程度となっている。本形態の光学ユニット１は、カメラモジュール２の光軸Ｌの方向である光軸方向から見たときの形状が正方形状となるように形成されている。光学ユニット１の４つの側面は、左右方向と上下方向とから構成されるＺＸ平面または前後方向と上下方向とから構成されるＹＺ平面と平行になっている。
【0027】
光学ユニット１は、カメラモジュール２を有する可動体３と、可動体３を保持する保持体４と、カメラモジュール２の光軸Ｌを回動中心にして保持体４に対して可動体３を回動させる第１回動機構としての回動機構５と、可動体３と保持体４とを繋ぐための板バネ６～８とを備えている。保持体４は、可動体３を回動可能に保持する第１中間部材１０と、第１中間部材１０を回動可能に保持する第２中間部材１１と、第２中間部材１１を回動可能に保持する固定体１２とを備えている。可動体３は、カメラモジュール２の光軸Ｌを回動中心にして第１中間部材１０に対して回動可能となっている。回動機構５は、第１中間部材１０に対して可動体３を回動させる。
【0028】
第１中間部材１０は、カメラモジュール２の光軸Ｌに交差する第１方向（図２のＶ方向）を回動の軸方向として第２中間部材１１に対して回動可能となっている。すなわち、第１中間部材１０は、第１方向を軸線方向とする第１軸線Ｌ１（図２参照）を回動中心にして第２中間部材１１に対して回動可能となっている。本形態の第１方向は、光軸Ｌに直交している。第２中間部材１１は、第１方向に交差するとともにカメラモジュール２の光軸Ｌに交差する第２方向（図２のＷ方向）を回動の軸方向として固定体１２に対して回動可能となっている。すなわち、第２中間部材１１は、第２方向を軸線方向とする第２軸線Ｌ２（図２参照）を回動中心にして固定体１２に対して回動可能となっている。本形態の第２方向は、第１方向に直交している。このように、可動体３と固定体１２との間には、２軸のジンバル機構が構成されている。
【0029】
本形態では、後述の駆動用コイル３９、４０に電流が供給されていないときに、第１中間部材１０および第２中間部材１１が所定の基準位置に配置されており、カメラモジュール２の光軸Ｌが所定の基準位置に配置されている。カメラモジュール２の光軸Ｌが基準位置にあるときには、カメラモジュール２の光軸方向は、上下方向と一致している。なお、ピッチング方向およびヨーイング方向の振れ補正が行われるときの、上下方向に対するカメラモジュール２の光軸Ｌの傾きはわずかである。そのため、カメラモジュール２の光軸方向は、上下方向とほぼ一致している。
【0030】
また、第１中間部材１０が所定の基準位置に配置されているときに、第２方向は、光軸Ｌに直交している。すなわち、第１中間部材１０が基準位置に配置されていて第２中間部材１１に対して回動していないときには、第２方向は、光軸Ｌに直交している。一方、第１中間部材１０が第２中間部材１１に対して回動しているときには、第２方向は、光軸Ｌに交差してはいるが、直角には交わっていない。第１方向は、上下方向から見たときに、前後方向に対して図２の反時計回りの方向（反時計方向）へ約５５°ずれた方向となっている。第２方向は、上下方向から見たときに、左右方向に対して図２の反時計方向へ約５５°ずれた方向となっている。
【0031】
第１方向における第１中間部材１０の両端部には、第２中間部材１１に対する第１中間部材１０の回動の支点となる第１支点部１５が配置されている。第２方向における第２中間部材１１の両端部には、固定体１２に対する第２中間部材１１の回動の支点となる第２支点部１６が配置されている。また、光学ユニット１は、カメラモジュール２の光軸Ｌが任意の方向に傾くように固定体１２に対して可動体３を回動させる第２回動機構としての回動機構１７を備えている。
【0032】
可動体３は、光軸方向の厚さが薄い扁平な直方体状に形成されている。可動体３は、カメラモジュール２が内周側に固定される筒状のホルダ２０を備えている。ホルダ２０は、樹脂材料で形成されている。ホルダ２０は、四角筒状に形成されている。具体的には、ホルダ２０は、光軸方向の長さが短い四角筒状に形成されている。カメラモジュール２の光軸方向から見たときのホルダ２０の形状は、正方形の枠状となっている。カメラモジュール２の外周側は、ホルダ２０によって覆われている。カメラモジュール２の下端側からは、フレキシブルプリント基板２１が引き出されている。ホルダ２０のより具体的な構成については後述する。
【0033】
上述のように、カメラモジュール２は、レンズおよび撮像素子を備えている。撮像素子は、カメラモジュール２の下端側に配置されており、カメラモジュール２の上側に配置される被写体がカメラモジュール２によって撮影される。また、上述のように、ピッチング方向およびヨーイング方向の振れ補正が行われるときの、上下方向に対するカメラモジュール２の光軸Ｌの傾きはわずかであり、カメラモジュール２の光軸方向は、上下方向とほぼ一致している。そのため、カメラモジュール２の光軸方向の一方側（具体的には、カメラモジュール２の光軸方向において被写体が配置される側）を被写体側とし、被写体側の反対側（具体的には、カメラモジュール２の光軸方向において撮像素子が配置される側）を反被写体側とすると、被写体側は、上側とほぼ一致し、反被写体側は、下側とほぼ一致している。
【0034】
第１中間部材１０は、枠部材２２と、枠部材２２に固定されるカバー板２３とから構成されている。枠部材２２は、ステンレス鋼等の金属材料で形成されている。枠部材２２は、ホルダ２０の下側に配置される基部２２ａと、基部２２ａから上側に向かって立ち上がる２個の立上部２２ｂと、基部２２ａから上側に向かって立ち上がる２個の立上部２２ｃとを備えている。基部２２ａは、平板状に形成されている。基部２２ａの上面は、上下方向に略直交する平面となっている。
【0035】
基部２２ａは、正方形の枠状に形成されている。第１中間部材１０および第２中間部材１１が基準位置に配置されているときには、正方形の枠状をなす基部２２ａの４辺のうちの２辺は、左右方向と平行になっており、基部２２ａの残りの２辺は、前後方向と平行になっている。立上部２２ｂ、２２ｃは、長方形の平板状に形成されている。立上部２２ｂ、２２ｃは、正方形の枠状に形成される基部２２ａの四隅のそれぞれから上側に向かって立ち上がっている。立上部２２ｂの厚さ方向は、第１方向と一致し、立上部２２ｃの厚さ方向は、第２方向と一致している。
【0036】
カバー板２３は、ステンレス鋼等の金属材料で形成されている。カバー板２３は、平板状に形成されている。カバー板２３の下面は、上下方向に略直交する平面となっている。また、カバー板２３は、正方形の枠状に形成されている。第１中間部材１０および第２中間部材１１が基準位置に配置されているときには、正方形の枠状をなすカバー板２３の４辺のうちの２辺は、左右方向と平行になっており、カバー板２３の残りの２辺は、前後方向と平行になっている。カバー板２３は、立上部２２ｂ、２２ｃの上端面に固定されている。
【0037】
カバー板２３には、ホルダ２０に形成される後述の突起部２０ｆ、２０ｇの一部が配置される切欠き２３ａ、２３ｂが形成されている。切欠き２３ａは２箇所に形成され、切欠き２３ｂは２箇所に形成されている。切欠き２３ａは、カバー板２３の左右方向の外側端から左右方向の内側に向かって窪むように形成されている。切欠き２３ａは、カバー板２３の前後方向の中心位置に形成されている。切欠き２３ｂは、カバー板２３の前後方向の外側端から前後方向の内側に向かって窪むように形成されている。切欠き２３ｂは、カバー板２３の左右方向の中心位置に形成されている。切欠き２３ａは、前後方向を長辺の方向とする長方形状に形成され、切欠き２３ｂは、左右方向を長辺の方向とする長方形状に形成されている。
【0038】
ホルダ２０は、カメラモジュール２の光軸方向において、基部２２ａとカバー板２３との間に配置されている。具体的には、ホルダ２０の、後述の突起部２０ｆ、２０ｇ、２０ｊを除いた部分は、カメラモジュール２の光軸方向において、基部２２ａとカバー板２３との間に配置されている。また、ホルダ２０は、光軸Ｌを中心とする径方向において、立上部２２ｂ、２２ｃの内側に配置されている。本形態のカバー板２３は、ホルダ２０の被写体側に配置される平板状の第１平板部となっており、第１平板部には、切欠き２３ａ、２３ｂが形成されている。また、本形態の基部２２ａは、ホルダ２０の反被写体側に配置される平板状の第２平板部となっている。
【0039】
第２中間部材１１は、ステンレス鋼等の金属材料によって形成されている。また、第２中間部材１１は、バネ性を有する金属板を所定形状に折り曲げることで形成されている。第２中間部材１１は、第１中間部材１０よりも上側に配置される基部１１ａと、基部１１ａから第１方向の両側に向かって伸びる２本の腕部１１ｂと、基部１１ａから第２方向の両側に向かって伸びる２本の腕部１１ｃとによって構成されている。基部１１ａは、円形の枠状に形成されている。基部１１ａの内周側には、カメラモジュール２の上端部が配置されている。
【0040】
図４に示すように、腕部１１ｂの先端側は、下側に向かって折れ曲がっている。腕部１１ｂの先端部１１ｄは、平板状に形成されている。先端部１１ｄの厚さ方向は、第１方向と略一致している。先端部１１ｄは、第１方向において、立上部２２ｂの外側に配置されている。腕部１１ｃの先端側は、下側に向かって折れ曲がっている。腕部１１ｃの先端部１１ｅは、平板状に形成されている。先端部１１ｅの厚さ方向は、第２方向と略一致している。先端部１１ｅは、第２方向において、立上部２２ｃの外側に配置されている。
【0041】
先端部１１ｄには、第１支点部１５の一部を構成する後述の球体２８の一部が配置される凹部１１ｆが形成されている（図４参照）。凹部１１ｆは、半球状に形成されている。凹部１１ｆは、第１方向の内側に向かって窪んでいる。先端部１１ｅには、第２支点部１６の一部を構成する後述の球体３０の一部が配置される凹部が形成されている。この凹部は、半球状に形成されており、第２方向の内側に向かって窪んでいる。
【0042】
固定体１２は、光軸Ｌを中心とする径方向において可動体３、第１中間部材１０および第２中間部材１１の外側に配置される筒状のケース体２４と、ケース体２４の上面および側面を覆うカバー部材２５と、ケース体２４の下面を覆う底板２６とを備えている。ケース体２４は、樹脂材料で形成されている。ケース体２４は、四角筒状に形成されている。具体的には、ケース体２４は、上下方向の長さが短い四角筒状に形成されている。上下方向から見たときのケース体２４の形状は、正方形の枠状となっている。ケース体２４は、ホルダ２０の外周側に配置されている。
【0043】
カバー部材２５は、金属材料で形成されている。カバー部材２５は、ケース体２４の上面を覆う上面部２５ａと、ケース体２４の側面を覆う側面部２５ｂとから構成されている。側面部２５ｂは、四角筒状に形成されている。上面部２５ａは、正方形の平板状に形成されている。上面部２５ａは、上面部２５ａの厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。上面部２５ａには、第２中間部材１１等が配置される貫通穴が形成されている。底板２６は、金属材料で形成されている。底板２６は、正方形の平板状に形成されている。底板２６は、底板２６の厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。
【0044】
第１支点部１５は、第１中間部材１０の立上部２２ｂに固定される支持部材２７と、支持部材２７に固定される球状の球体２８とを備えている（図４参照）。支持部材２７および球体２８は、金属材料で形成されている。支持部材２７は、球体２８が固定される平板状の固定部２７ａを備えている。固定部２７ａの厚さ方向は、第１方向と一致している。球体２８は、第１方向における固定部２７ａの内側面に固定されている。固定部２７ａは、第１方向において、立上部２２ｂの外側に配置されている。第２中間部材１１の先端部１１ｄは、第１方向において、立上部２２ｂと固定部２７ａとの間に配置されている。球体２８の一部は、凹部１１ｆの中に配置されている。腕部１１ｂのバネ性によって、球体２８は、凹部１１ｆの底面に所定の接触圧で接触している。
【0045】
第２支点部１６は、ケース体２４の内周側に固定される支持部材２９と、支持部材２９に固定される球状の球体３０とを備えている（図４参照）。支持部材２９および球体３０は、金属材料で形成されている。支持部材２９は、球体３０が固定される平板状の固定部２９ａを備えている。固定部２９ａの厚さ方向は、第２方向と一致している。球体３０は、第２方向における固定部２９ａの内側面に固定されている。固定部２９ａは、第２方向において、第２中間部材１１の先端部１１ｅの外側に配置されている。球体３０の一部は、先端部１１ｅの凹部の中に配置されている。腕部１１ｃのバネ性によって、球体３０は、先端部１１ｅの凹部の底面に所定の接触圧で接触している。
【0046】
回動機構５は、ホルダ２０の側面に固定される駆動用磁石３２と、駆動用磁石３２に対向配置される駆動用コイル３３とを備えている。駆動用磁石３２は、長方形の平板状に形成されている。駆動用磁石３２は、ホルダ２０の左側面部に固定されている。駆動用磁石３２は、前後方向において２極に着磁されている。駆動用コイル３３は、略長方形状の枠状に導線が巻回されることで形成されている。駆動用コイル３３は、フレキシブルプリント基板３５に取り付けられている。フレキシブルプリント基板３５は、ケース体２４の外周面に固定されている。駆動用磁石３２と駆動用コイル３３とは左右方向で対向している。
【0047】
回動機構１７は、ホルダ２０の側面に固定される駆動用磁石３７、３８と、駆動用磁石３７に対向配置される駆動用コイル３９と、駆動用磁石３８に対向配置される駆動用コイル４０とを備えている。駆動用磁石３７、３８は、長方形の平板状に形成されている。駆動用磁石３７は、ホルダ２０の右側面部に固定されている。駆動用磁石３８は、ホルダ２０の後側面部に固定されている。駆動用磁石３７、３８は、上下方向において２極に着磁されている。駆動用コイル３９、４０は、略長方形状の枠状に導線が巻回されることで形成されている。駆動用コイル３９、４０は、フレキシブルプリント基板３５に取り付けられている。駆動用磁石３７と駆動用コイル３９とは左右方向で対向し、駆動用磁石３８と駆動用コイル４０とは前後方向で対向している。
【0048】
ホルダ２０の左側面と駆動用磁石３２との間には、磁性材料からなる磁性板３４（図５参照）が配置されている。同様に、ホルダ２０の右側面と駆動用磁石３７との間には磁性板３４が配置され、ホルダ２０の後側面と駆動用磁石３８との間には磁性板３４が配置されている。磁性板３４は、ホルダ２０の側面に固定されている。
【0049】
フレキシブルプリント基板３５には、磁性材料からなる磁性板４１（図４参照）が固定されている。磁性板４１は、フレキシブルプリント基板３５の、駆動用コイル３９が固定されている面の反対側の面と、フレキシブルプリント基板３５の、駆動用コイル４０が固定されている面の反対側の面との２箇所に固定されている。駆動用磁石３７と磁性板４１との間に生じる磁気的吸引力と、駆動用磁石３８と磁性板４１との間に生じる磁気的吸引力とによって、基準位置に配置される第１中間部材１０および第２中間部材１１の位置が保持されている。すなわち、磁性板４１は、駆動用コイル３９、４０に電流が供給されていないときに、第１中間部材１０および第２中間部材１１の姿勢を維持する機能を果たしている。
【0050】
光学ユニット１では、可動体３の傾きの変化を検知するための所定の検知機構によって可動体３の傾きの変化が検知されると、検知機構の検知結果に基づいて、駆動用コイル３３、３９、４０に電流が供給されて、振れが補正される。
【0051】
【0052】
本形態の光学ユニット１は、４枚の板バネ６と１枚の板バネ７と１枚の板バネ８とを備えている。板バネ６は、金属材料によって形成されている。本形態の板バネ６は、銅合金によって形成されている。板バネ６は、光軸方向に直交する所定の方向を厚さ方向とする平板状に形成されている。具体的には、板バネ６は、第１中間部材１０に対する可動体３の回動方向（すなわち、光軸Ｌを回動中心とする可動体３の回動方向）を厚さ方向とする平板状に形成されている。板バネ６は、第１中間部材１０に対する可動体３の回動方向に弾性変形可能となっている。また、板バネ６は、全体として光軸方向に細長い平板状に形成されている。板バネ６の厚さは、たとえば、２０～４０μｍ程度となっている。
【0053】
４枚の板バネ６は、光軸Ｌを中心とする９０°ピッチで配置されている。駆動用コイル３３に電流が供給されておらず第１中間部材１０に対して可動体３が基準位置に配置されているときには、４枚の板バネ６のうちの２枚の板バネ６は、上下方向から見たときに、前後方向に対して図２の反時計方向へ約３５°ずれた位置に配置され、残りの２枚の板バネ６は、上下方向から見たときに、左右方向に対して図２の反時計方向へ約３５°ずれた位置に配置されている。また、板バネ６は、可動体３および第１中間部材１０の外周側に配置されている。
【0054】
板バネ６は、板バネ７の一部を構成する後述のバネ保持部７ａに固定される被固定部６ａと、板バネ８の一部を構成する後述のバネ保持部８ａに固定される被固定部６ｂと、被固定部６ａ、６ｂに繋がるとともに蛇行しながら光軸方向に伸びる蛇行部６ｃとから構成されている。被固定部６ａ、６ｂは、光軸方向に伸びている。被固定部６ａは、板バネ６の上端部（被写体側の端部）を構成し、被固定部６ｂは、板バネ６の下端部（反被写体側の端部）を構成している。本形態の被固定部６ａは、被写体側に配置される第１被固定部となっており、被固定部６ｂは、反被写体側に配置される第２被固定部となっている。
【0055】
蛇行部６ｃは、被固定部６ａと被固定部６ｂとの間に配置されている。蛇行部６ｃの一端（具体的には、蛇行部６ｃの上端）は、被固定部６ａに繋がり、蛇行部６ｃの他端（具体的は、蛇行部６ｃの下端）は、被固定部６ｂに繋がっている。図７に示すように、板バネ６の厚さ方向から見たときの蛇行部６ｃの形状は、複数の直線部６ｄと複数の円弧部６ｅとから構成される波型状となっている。直線部６ｄは、光軸Ｌを中心とする径方向に伸びる直線状に形成されている。円弧部６ｅは、半円状に形成されており、光軸方向に並ぶ直線部６ｄを繋いでいる。すなわち、蛇行部６ｃは、光軸Ｌを中心とする径方向で蛇行している。
【0056】
板バネ７、８は、金属材料によって形成されている。本形態の板バネ７、８は、板バネ６と同様の銅合金によって形成されている。板バネ７、８は、光軸方向を厚さ方向とする平板状に形成されている。板バネ７、８の厚さは、たとえば、７０μｍ程度となっている。板バネ７、８は、全体として略正方形の枠状に形成されている。板バネ７は、ホルダ２０の上面側に形成されるバネ固定面２０ａに固定されている。バネ固定面２０ａは、光軸方向に直交する平面である。板バネ７は、板バネ６の上側に配置されている。板バネ８は、枠部材２２の基部２２ａの上面に固定されている。板バネ８は、板バネ６の下側に配置されている。
【0057】
略正方形の枠状に形成される板バネ７の四隅は、板バネ６の被固定部６ａが繋がるバネ保持部７ａとなっている。すなわち、板バネ７は、４個のバネ保持部７ａを備えている。バネ保持部７ａには、被固定部６ａが差し込まれるスリット状の切欠きが形成されている。この切欠きは、板バネ７の外周端から板バネ７の内側に向かって形成されている。被固定部６ａは、この切欠き部に差し込まれた状態でバネ保持部７ａに固定されている。本形態では、被固定部６ａは、バネ保持部７ａに半田付けされて固定されている。
【0058】
板バネ８は、板バネ６の被固定部６ｂが繋がる４個のバネ保持部８ａと、４個のバネ保持部８ａを繋ぐ連結部８ｂとから構成されている。すなわち、４個のバネ保持部８ａと連結部８ｂとは１枚の金属板から一緒に製造されており、４個のバネ保持部８ａは、４個のバネ保持部８ａと一体で形成される連結部８ｂによって繋がっている。また、４個のバネ保持部８ａと連結部８ｂとは同一平面上に配置されている。４個のバネ保持部８ａは、板バネ８の四隅の近傍から板バネ８の外周側に向かって突出しており、光軸Ｌを中心とする９０°ピッチで配置されている。
【0059】
バネ保持部８ａの基端は、連結部８ｂに繋がっている。バネ保持部８ａの基端部および連結部８ｂは、枠部材２２の基部２２ａの上面に固定されている。すなわち、バネ保持部８ａの基端部および連結部８ｂは、基部２２ａの被写体側の面に固定されている。バネ保持部８ａの基端部および連結部８ｂの上面は、上下方向に略直交する平面となっている。バネ保持部８ａは、光軸方向に弾性変形可能となっている。光軸方向におけるバネ保持部８ａのバネ定数は、光軸方向における板バネ６のバネ定数よりも大幅に小さくなっている。バネ保持部８ａの幅は、バネ保持部８ａの先端から基端に向かうにしたがって次第に広くなっている。
【0060】
板バネ６の被固定部６ｂは、バネ保持部８ａの先端部に固定されている。バネ保持部８ａの先端部には、被固定部６ｂが差し込まれるスリット状の切欠きが形成されている。この切欠きは、バネ保持部８ａの先端から基端側に向かって形成されている。被固定部６ｂは、この切欠きに差し込まれた状態でバネ保持部８ａに固定されている。本形態では、被固定部６ｂは、バネ保持部８ａに半田付けされて固定されている。
【0061】
本形態では、板バネ６と、板バネ７のバネ保持部７ａと、板バネ８のバネ保持部８ａとによって、可動体３と第１中間部材１０とを繋ぐバネ部４３が構成されている。すなわち、光学ユニット１は、４個のバネ部４３を備えている。板バネ６とバネ保持部７ａとバネ保持部８ａとは、別体で形成されており、バネ部４３では、別体で形成される板バネ６とバネ保持部７ａとバネ保持部８ａとが互いに固定されている。４個のバネ部４３は、光軸Ｌを中心とする９０°ピッチで配置されている。
【0062】
光学ユニット１では、バネ部４３によって、第１中間部材１０に対する可動体３の回動方向において、基準位置に配置される可動体３の位置が保持されている。すなわち、バネ部４３は、駆動用コイル３３に電流が供給されていないときに、第１中間部材１０に対する可動体３の回動方向において、可動体３の姿勢を維持する機能を果たしている。本形態の板バネ６は、第１中間部材１０に対する可動体３の回動方向に弾性変形可能な第１板バネとなっている。また、本形態のバネ保持部８ａは、板バネ６の反被写体側の端部が繋がるとともに光軸方向に弾性変形可能な第２板バネとなっている。
【0063】
（ホルダの構成および可動体の可動範囲を規制するための構成）
図８は、図４のＦ－Ｆ方向から第１中間部材１０およびホルダ２０等を示す正面図である。図９は、図５に示すホルダ２０を異なる方向から示す斜視図である。
図８は、図４のＦ－Ｆ方向から第１中間部材１０およびホルダ２０等を示す正面図である。図９は、図５に示すホルダ２０を異なる方向から示す斜視図である。
【0064】
上述のように、ホルダ２０は、カメラモジュール２が内周側に固定される四角筒状に形成されている。ホルダ２０には、駆動用磁石３２、３７、３８が配置される磁石配置凹部２０ｂが形成されている。駆動用磁石３２が配置される磁石配置凹部２０ｂは、ホルダ２０の左側面から右側に向かって窪んでいる。駆動用磁石３７が配置される磁石配置凹部２０ｂは、ホルダ２０の右側面から左側に向かって窪んでいる。駆動用磁石３８が配置される磁石配置凹部２０ｂは、ホルダ２０の後側面から前側に向かって窪んでいる。
【0065】
また、磁石配置凹部２０ｂは、ホルダ２０の下面（反被写体側の面）から上側に向かって窪んでおり、光軸方向におけるホルダ２０の全域には形成されていない。駆動用磁石３２、３７が配置される磁石配置凹部２０ｂは、ホルダ２０の前後方向の中心位置に形成され、駆動用磁石３８が配置される磁石配置凹部２０ｂは、ホルダ２０の左右方向の中心位置に形成されている。
【0066】
ホルダ２０の側面には、ホルダ２０の外周側に向かって突出する第３突起部としての突起部２０ｃが形成されている。突起部２０ｃは、ホルダ２０の４個の側面のそれぞれに形成されている。ホルダ２０の左側面、右側面および後側面に形成される突起部２０ｃは、磁石配置凹部２０ｂの両側の２箇所に形成されている。ホルダ２０の前側面には、１個の突起部２０ｃが形成されている。
【0067】
突起部２０ｃの先端面は、平面となっている。具体的には、ホルダ２０の左側面および右側面に形成される突起部２０ｃの先端面は、可動体３、第１中間部材１０および第２中間部材１１が基準位置に配置されているときに、左右方向に直交する平面となっており、ホルダ２０の後側面および前側面に形成される突起部２０ｃの先端面は、可動体３、第１中間部材１０および第２中間部材１１が基準位置に配置されているときに、前後方向に直交する平面となっている。
【0068】
上述のように、ホルダ２０の上面側には、光軸方向に直交する平面であるバネ固定面２０ａが形成されている。ホルダ２０の上面側には、バネ固定面２０ａよりも上側に突出する（すなわち、被写体側に突出する）凸部２０ｅが形成されている。凸部２０ｅは、光軸方向から見たときの形状が正方形の枠状をなすホルダ２０の４辺のそれぞれに形成されている。すなわち、凸部２０ｅは、４箇所に形成されている。凸部２０ｅの上面（被写体側の面）は、光軸方向に直交する平面となっている。なお、板バネ７には、板バネ７と凸部２０ｅとの干渉を防止するための切欠き７ｂ（図５参照）が形成されている。
【0069】
また、ホルダ２０の上面側には、凸部２０ｅの上面から上側（被写体側）に突出する第１突起部としての突起部２０ｆ、２０ｇが形成されている。突起部２０ｆは、ホルダ２０の、前後方向に略平行な２辺に形成される凸部２０ｅの上面から上側に突出している。突起部２０ｇは、ホルダ２０の、左右方向に略平行な２辺に形成される凸部２０ｅの上面から上側に突出している。
【0070】
突起部２０ｆは、ホルダ２０の前後方向の中心位置に形成され、突起部２０ｇは、ホルダ２０の左右方向の中心位置に形成されている。すなわち、突起部２０ｆ、２０ｇは、正方形の枠状をなすホルダ２０の被写体側の面の４辺のそれぞれの中心位置に形成されている。突起部２０ｆ、２０ｇは、直方体状に形成されている。光軸方向から見たときの突起部２０ｆの形状は、前後方向を長辺の方向とする長方形状となっている。光軸方向から見たときの突起部２０ｇの形状は、左右方向を長辺の方向とする長方形状となっている。突起部２０ｆ、２０ｇの上端面（被写体側の端面）は、光軸方向に直交する平面となっている。
【0071】
図９に示すように、ホルダ２０の下面側には、下側に突出する（すなわち、反被写体側に突出する）突起部２０ｈが形成されている。突起部２０ｈは、ホルダ２０の４辺のそれぞれに形成されている。また、突起部２０ｈは、ホルダ２０の４辺のそれぞれにおいて２箇所に形成されている。ホルダ２０の左側面、右側面および後側面に形成される突起部２０ｈは、磁石配置凹部２０ｂの両側の２箇所に形成されている。ホルダ２０の前側面に形成される２個の突起部２０ｈは、左右方向に間隔をあけた状態で形成されている。突起部２０ｈの下端面（反被写体側の端面）は、光軸方向に直交する平面となっている。突起部２０ｈの下端面は、カメラモジュール２の反被写体側の端面よりも被写体側に配置されている。
【0072】
また、ホルダ２０の下面側には、突起部２０ｈの下端面よりも下側に突出する（すなわち、反被写体側に突出する）第２突起部としての突起部２０ｊが形成されている。突起部２０ｊは、カメラモジュール２の反被写体側の端面よりも反被写体側に突出している（図６参照）。突起部２０ｊは、ホルダ２０の四隅の近傍のそれぞれに形成されている。突起部２０ｊの下端面（反被写体側の端面）は、光軸方向に直交する平面となっている。
【0073】
図８に示すように、凸部２０ｅの上面は、バネ固定面２０ａに固定される板バネ７の上面よりも上側（被写体側）に配置されている。凸部２０ｅの上面には、光軸方向において凸部２０ｅの上面との間に隙間をあけた状態でカバー板２３の下面が対向配置されている。本形態では、凸部２０ｅの上面は、被写体側への第１中間部材１０に対する可動体３の可動範囲を規制するための第１規制面２０ｋとなっている。すなわち、第１規制面２０ｋは、ホルダ２０の被写体側の面に形成されており、可動体３側に形成されている。また、カバー板２３の下面は、第１規制面２０ｋとともに被写体側への第１中間部材１０に対する可動体３の可動範囲を規制する第３規制面２３ｃとなっている。すなわち、カバー板２３の反被写体側の面が第３規制面２３ｃとなっており、第３規制面２３ｃは、第１中間部材１０側に形成されている。
【0074】
また、突起部２０ｈの下端面には、枠部材２２の基部２２ａの上面に固定される板バネ８の連結部８ｂの上面が光軸方向において突起部２０ｈの下端面との間に隙間をあけた状態で対向配置されている（図８参照）。本形態では、突起部２０ｈの下端面は、反被写体側への第１中間部材１０に対する可動体３の可動範囲を規制するための第２規制面２０ｐとなっている。すなわち、第２規制面２０ｐは、ホルダ２０の反被写体側の面に形成されており、可動体３側に形成されている。また、連結部８ｂの上面は、第２規制面２０ｐとともに反被写体側への第１中間部材１０に対する可動体３の可動範囲を規制する第４規制面８ｃとなっている。すなわち、基部２２ａに固定される連結部８ｂの被写体側の面が第４規制面８ｃとなっており、第４規制面８ｃは、第１中間部材１０側に形成されている。
【0075】
本形態では、第１規制面２０ｋが第３規制面２３ｃに接触すると、被写体側への第１中間部材１０に対する可動体３の移動が規制される。また、第２規制面２０ｐが第４規制面８ｃに接触すると、反被写体側への第１中間部材１０に対する可動体３の移動が規制される。第１規制面２０ｋと第３規制面２３ｃとの隙間、および、第２規制面２０ｐと第４規制面８ｃとの隙間は、光学ユニット１に光軸方向の衝撃が加わって第１中間部材１０に対して可動体３が光軸方向に移動しても、板バネ６および板バネ８のバネ保持部８ａが塑性変形しないように設定されている。
【0076】
突起部２０ｆ、２０ｇの上端面は、カバー板２３の上面よりも上側に配置されている。光軸方向における突起部２０ｆの一部は、カバー板２３の切欠き２３ａの中に配置され、光軸方向における突起部２０ｇの一部は、カバー板２３の切欠き２３ｂの中に配置されている。本形態では、２個の突起部２０ｆの左右方向の内側の側面と２個の切欠き２３ａの左右方向の内側の側面とによって、左右方向において第１中間部材１０に対する可動体３の可動範囲が規制され、２個の突起部２０ｇの前後方向の内側の側面と２個の切欠き２３ｂの前後方向の内側の側面とによって、前後方向において第１中間部材１０に対する可動体３の可動範囲が規制される。
【0077】
また、本形態では、突起部２０ｆの前後方向の側面と切欠き２３ａの前後方向の２個の側面とによって、第１中間部材１０に対する可動体３の回動方向において第１中間部材１０に対する可動体３の可動範囲が規制されるとともに、突起部２０ｇの左右方向の側面と切欠き２３ｂの左右方向の２個の側面とによって、第１中間部材１０に対する可動体３の回動方向において第１中間部材１０に対する可動体３の可動範囲が規制される。
【0078】
すなわち、本形態では、突起部２０ｆ、２０ｇの側面と切欠き２３ａ、２３ｂの側面とによって、光軸方向に直交する方向において第１中間部材１０に対する可動体３の可動範囲を規制する第１規制部４６と、第１中間部材１０に対する可動体３の回動方向において第１中間部材１０に対する可動体３の可動範囲を規制する第２規制部４７とが構成されており、光学ユニット１には、第１規制部４６と第２規制部４７とが設けられている。
【0079】
カバー部材２５の上面部２５ａは、上側（被写体側）から突起部２０ｆ、２０ｇを覆っている。底板２６は、下側（反被写体側）から突起部２０ｊを覆っている。突起部２０ｆ、２０ｇの上端面（被写体側の端面）と上面部２５ａの下面（反被写体側の面）とは、光軸方向において隙間をあけた状態で対向配置されている（図６参照）。突起部２０ｊの下端面（反被写体側の端面）と底板２６の上面（被写体側の面）とは、光軸方向において隙間をあけた状態で対向配置されている（図６参照）。
【0080】
本形態では、突起部２０ｆ、２０ｇの被写体側の端面と上面部２５ａの反被写体側の面とによって、被写体側への固定体１２に対する可動体３の可動範囲が規制される。また、突起部２０ｊの反被写体側の端面と底板２６の被写体側の面とによって、反被写体側への固定体１２に対する可動体３の可動範囲が規制される。本形態の上面部２５ａは第１カバー部であり、底板２６は第２カバー部である。
【0081】
上述のように、ホルダ２０の外周側には、四角筒状のケース体２４が配置されている。図２に示すように、ホルダ２０の側面に形成される突起部２０ｃの先端面とケース体２４の内周面とは、隙間をあけた状態で対向配置されている。本形態では、突起部２０ｃの先端面とケース体２４の内周面とによって、光軸方向に直交する方向における固定体１２に対する可動体３の可動範囲が規制される。
【0082】
なお、第１規制面２０ｋと第３規制面２３ｃとの隙間は、突起部２０ｆ、２０ｇの被写体側の端面と上面部２５ａの反被写体側の面との隙間よりも狭くなっている。また、第２規制面２０ｐと第４規制面８ｃとの隙間は、突起部２０ｊの反被写体側の端面と底板２６の被写体側の面との隙間よりも狭くなっている。また、突起部２０ｆの左右方向の内側の側面と切欠き２３ａの左右方向の内側の側面との隙間、および、突起部２０ｇの前後方向の内側の側面と切欠き２３ｂの前後方向の内側の側面との隙間は、突起部２０ｃの先端面とケース体２４の内周面との隙間よりも狭くなっている。
【0083】
（本形態の主な効果）
以上説明したように、本形態では、ホルダ２０に、被写体側への第１中間部材１０に対する可動体３の可動範囲を規制するための第１規制面２０ｋと、反被写体側への第１中間部材１０に対する可動体３の可動範囲を規制するための第２規制面２０ｐとが形成されている。また、本形態では、第１中間部材１０の一部を構成するカバー板２３に、光軸方向において第１規制面２０ｋとの間に隙間をあけた状態で第１規制面２０ｋに対向配置される第３規制面２３ｃが形成され、第１中間部材１０の一部を構成する枠部材２２の基部２２ａに固定される板バネ８の連結部８ｂに、光軸方向において第２規制面２０ｐとの間に隙間をあけた状態で第２規制面２０ｐに対向配置される第４規制面８ｃが形成されている。
以上説明したように、本形態では、ホルダ２０に、被写体側への第１中間部材１０に対する可動体３の可動範囲を規制するための第１規制面２０ｋと、反被写体側への第１中間部材１０に対する可動体３の可動範囲を規制するための第２規制面２０ｐとが形成されている。また、本形態では、第１中間部材１０の一部を構成するカバー板２３に、光軸方向において第１規制面２０ｋとの間に隙間をあけた状態で第１規制面２０ｋに対向配置される第３規制面２３ｃが形成され、第１中間部材１０の一部を構成する枠部材２２の基部２２ａに固定される板バネ８の連結部８ｂに、光軸方向において第２規制面２０ｐとの間に隙間をあけた状態で第２規制面２０ｐに対向配置される第４規制面８ｃが形成されている。
【0084】
また、本形態では、第１規制面２０ｋが第３規制面２３ｃに接触すると、被写体側への第１中間部材１０に対する可動体３の移動が規制され、第２規制面２０ｐが第４規制面８ｃに接触すると、反被写体側への第１中間部材１０に対する可動体３の移動が規制される。そのため、本形態では、光学ユニット１に光軸方向の衝撃が加わっても、光軸方向において第１中間部材１０に対して可動体３が過剰に移動するのを防止することが可能になる。したがって、本形態では、光学ユニット１に光軸方向の衝撃が加わっても、板バネ６および板バネ８のバネ保持部８ａの光軸方向の塑性変形を防止することが可能になる。
【0085】
本形態では、光学ユニット１に、光軸方向に直交する方向において第１中間部材１０に対する可動体３の可動範囲を規制する第１規制部４６と、第１中間部材１０に対する可動体３の回動方向において第１中間部材１０に対する可動体３の可動範囲を規制する第２規制部４７とが設けられている。そのため、本形態では、光学ユニット１に衝撃が加わったときに、光軸方向に直交する方向および第１中間部材１０に対する可動体３の回動方向において第１中間部材１０に対して可動体３が過剰に移動するのを防止することが可能になる。したがって、本形態では、光学ユニット１に衝撃が加わっても、光軸方向に直交する方向および第１中間部材１０に対する可動体の回動方向における板バネ６およびバネ保持部８ａの塑性変形を防止することが可能になる。
【0086】
本形態では、突起部２０ｆ、２０ｇの側面と切欠き２３ａ、２３ｂの側面とによって、第１規制部４６と第２規制部４７とが構成されている。そのため、本形態では、光学ユニット１に第１規制部４６と第２規制部４７とが設けられていても、光学ユニット１の構成を簡素化することが可能になる。
【0087】
本形態では、突起部２０ｆ、２０ｇは、正方形の枠状をなすホルダ２０の、被写体側の面の４辺のそれぞれの中心位置に形成されている。そのため、本形態では、第１中間部材１０に対する可動体３の回動量を確保しつつ、突起部２０ｆの側面と切欠き２３ａの側面との隙間、および、突起部２０ｇの側面と切欠き２３ｂの側面との隙間を狭くすることが可能になる。したがって、本形態では、第１中間部材１０に対する可動体３の回動量を確保しつつ、光学ユニット１を小型化することが可能になる。
【0088】
本形態では、突起部２０ｆ、２０ｇの被写体側の端面と上面部２５ａの反被写体側の面とによって、被写体側への固定体１２に対する可動体３の可動範囲が規制され、突起部２０ｊの反被写体側の端面と底板２６の被写体側の面とによって、反被写体側への固定体１２に対する可動体３の可動範囲が規制される。そのため、本形態では、光学ユニット１に光軸方向の衝撃が加わっても、光軸方向において固定体１２に対して可動体３が過剰に移動するのを防止することが可能になる。したがって、本形態では、光学ユニット１に光軸方向の衝撃が加わっても、第２中間部材１１等の光学ユニット１の構成部品の損傷を防止することが可能になる。
【0089】
本形態では、突起部２０ｃの先端面とケース体２４の内周面とによって、光軸方向に直交する方向における固定体１２に対する可動体３の可動範囲が規制される。そのため、本形態では、光学ユニット１に光軸方向に直交する方向の衝撃が加わっても、光軸方向に直交する方向において固定体１２に対して可動体３が過剰に移動するのを防止することが可能になる。したがって、本形態では、光学ユニット１に光軸方向に直交する方向の衝撃が加わっても、駆動用磁石３２、３７、３８、駆動用コイル３３、３９、４０および第２中間部材１１等の光学ユニット１の構成部品の損傷を防止することが可能になる。
【0090】
（他の実施の形態）
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0091】
上述した形態において、光軸方向から見たときのホルダ２０の形状は、長方形の枠状となっていても良い。また、上述した形態において、突起部２０ｆは、ホルダ２０の前後方向の中心位置からずれた位置に形成されていても良いし、突起部２０ｇは、ホルダ２０の左右方向の中心位置からずれた位置に形成されていても良い。
【0092】
上述した形態において、たとえば、ホルダ２０の四隅に形成される突起部と、枠部材２２の立上部２２ｂ、２２ｃとによって、光軸方向に直交する方向において第１中間部材１０に対する可動体３の可動範囲を規制する第１規制部が構成されていても良い。また、上述した形態において、たとえば、ホルダ２０の側面に形成される突起部と、立上部２２ｂ、２２ｃに形成されるとともにホルダ２０の突起部が係合する切欠き等とによって、第１中間部材１０に対する可動体３の回動方向において第１中間部材１０に対する可動体３の可動範囲を規制する第２規制部が構成されていても良い。
【0093】
上述した形態において、バネ保持部８ａの基端部および連結部８ｂは、枠部材２２の基部２２ａの下面に固定されていても良い。この場合には、基部２２ａの上面は、光軸方向において第２規制面２０ｐとの間に隙間をあけた状態で第２規制面２０ｐに対向配置されており、基部２２ａの上面が、第２規制面２０ｐともに反被写体側への第１中間部材１０に対する可動体３の可動範囲を規制する第４規制面となっている。また、上述した形態において、凸部２０ｅの上面は、バネ固定面２０ａに固定される板バネ７の上面よりも下側（反被写体側）に配置されていても良い。この場合には、板バネ７の上面が、被写体側への第１中間部材１０に対する可動体３の可動範囲を規制するための第１規制面となっている。
【0094】
上述した形態において、板バネ６の蛇行部６ｃは、光軸方向に伸びる直線状の複数の直線部と、光軸Ｌを中心とする径方向で並ぶこの直線部を繋ぐ円弧状の複数の円弧部とから構成されていても良い。また、板バネ６は、蛇行部６ｃに代えて、長方形状、楕円形状または長円形状等に形成される基部を備えていても良い。この場合には、基部を貫通する貫通穴が基部に形成されていても良いし、基部にスリット状の溝が形成されていても良い。また、板バネ６の全体が長方形状、楕円形状または長円形状等に形成されていても良い。この場合には、板バネ６を貫通する貫通穴やスリット状の溝が板バネ６に形成されていても良い。
【0095】
上述した形態において、板バネ７は、板バネ８と同形状に形成されていても良い。また、上述した形態において、被固定部６ａは、溶接または接着によってバネ保持部７ａに固定されていても良いし、被固定部６ｂは、溶接または接着によってバネ保持部８ａに固定されていても良い。さらに、上述した形態において、光学ユニット１が備えるバネ部４３の数は、３個であっても良いし、５個以上であっても良い。
【0096】
上述した形態において、光学ユニット１は、板バネ８を備えていなくても良い。この場合には、被固定部６ｂは、枠部材２２に固定されている。また、この場合には、板バネ６と板バネ７のバネ保持部７ａとによって、バネ部４３が構成されている。また、上述した形態において、光学ユニット１は、板バネ７を備えていなくても良い。この場合には、被固定部６ａは、ホルダ２０に固定されている。また、この場合には、板バネ６と板バネ８のバネ保持部８ａとによって、バネ部４３が構成されている。さらに、上述した形態において、第１方向は、光軸Ｌに直交していなくても良いし、第２方向は、第１方向に直交していなくても良い。
【0097】
（本技術の構成）
なお、本技術は以下のような構成を取ることが可能である。
（１）カメラモジュールを有する可動体と、前記可動体を回動可能に保持する第１中間部材と、前記第１中間部材を回動可能に保持する第２中間部材と、前記第２中間部材を回動可能に保持する固定体と、前記カメラモジュールの光軸を回動中心にして前記第１中間部材に対して前記可動体を回動させる第１回動機構と、前記固定体に対して前記可動体を回動させる第２回動機構と、前記可動体と前記第１中間部材とを繋ぐ複数のバネ部とを備え、
前記第１中間部材は、前記カメラモジュールの光軸に交差する第１方向を回動の軸方向として前記第２中間部材に対して回動可能となっており、
前記第２中間部材は、前記第１方向に交差するとともに前記カメラモジュールの光軸に交差する第２方向を回動の軸方向として前記固定体に対して回動可能となっており、
前記バネ部は、前記第１中間部材に対する前記可動体の回動方向に弾性変形可能な平板状の第１板バネを備え、
前記カメラモジュールの光軸の方向である光軸方向の一方側を被写体側とし、前記被写体側の反対側を反被写体側とすると、
前記可動体側には、前記被写体側への前記第１中間部材に対する前記可動体の可動範囲を規制するための第１規制面と、前記反被写体側への前記第１中間部材に対する前記可動体の可動範囲を規制するための第２規制面とが形成され、
前記第１中間部材側には、前記光軸方向において前記第１規制面との間に隙間をあけた状態で前記第１規制面に対向配置される第３規制面と、前記光軸方向において前記第２規制面との間に隙間をあけた状態で前記第２規制面に対向配置される第４規制面とが形成され、
前記第１規制面が前記第３規制面に接触すると、前記被写体側への前記第１中間部材に対する前記可動体の移動が規制され、
前記第２規制面が前記第４規制面に接触すると、前記反被写体側への前記第１中間部材に対する前記可動体の移動が規制されることを特徴とする振れ補正機能付き光学ユニット。
（２）前記カメラモジュールの光軸を中心とする９０°ピッチで配置される４個の前記バネ部を備え、
前記第１板バネは、前記被写体側に配置される第１被固定部と、前記反被写体側に配置される第２被固定部と、前記第１被固定部に一端が繋がり前記第２被固定部に他端が繋がるとともに蛇行しながら前記光軸方向に伸びる蛇行部とを備えることを特徴とする（１）記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
（３）前記可動体は、前記カメラモジュールが内周側に固定される筒状のホルダを備え、
前記第１規制面は、前記ホルダの前記被写体側の面に形成され、
前記第２規制面は、前記ホルダの前記反被写体側の面に形成され、
前記第１中間部材は、前記ホルダの前記被写体側に配置される平板状の第１平板部と、前記ホルダの前記反被写体側に配置される平板状の第２平板部とを備え、
前記バネ部は、前記第１板バネの前記反被写体側の端部が繋がるとともに前記光軸方向に弾性変形可能な平板状の第２板バネを備え、
複数の前記第２板バネは、複数の前記第２板バネと一体で形成される連結部によって繋がっており、
前記連結部は、前記第２平板部の前記被写体側の面に固定され、
前記第１平板部の前記反被写体側の面が前記第３規制面となっており、
前記連結部の前記被写体側の面が前記第４規制面となっていることを特徴とする（１）または（２）記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
（４）前記光軸方向に直交する方向において前記第１中間部材に対する前記可動体の可動範囲を規制する第１規制部と、前記第１中間部材に対する前記可動体の回動方向において前記第１中間部材に対する前記可動体の可動範囲を規制する第２規制部とが設けられていることを特徴とする（１）から（３）のいずれかに記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
（５）前記可動体は、前記カメラモジュールが内周側に固定される四角筒状のホルダを備え、
前記第１規制面は、前記ホルダの前記被写体側の面に形成され、
前記第１中間部材は、前記ホルダの前記被写体側に配置される平板状の第１平板部を備え、
前記ホルダには、前記第１規制面から前記被写体側に突出する第１突起部が形成され、
前記第１平板部には、前記光軸方向における前記第１突起部の一部が配置される切欠きが形成され、
前記第１突起部の側面と前記切欠きの側面とによって前記第１規制部および前記第２規制部が構成されていることを特徴とする（４）記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
（６）前記光軸方向から見たときの前記ホルダの形状は、正方形または長方形の枠状となっており、
前記第１突起部は、正方形または長方形の枠状をなす前記ホルダの、前記被写体側の面の４辺のそれぞれの中心位置に形成されていることを特徴とする（５）記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
（７）前記第２規制面は、前記ホルダの前記反被写体側の面に形成され、
前記ホルダには、前記第２規制面より前記反被写体側に突出するとともに前記カメラモジュールの前記反被写体側の端面よりも前記反被写体側に突出する第２突起部が形成され、
前記固定体は、前記被写体側から前記第１突起部を覆う第１カバー部と、前記反被写体側から前記第２突起部を覆う第２カバー部とを備え、
前記第１突起部の前記被写体側の端面と前記第１カバー部の前記反被写体側の面とは、前記光軸方向において隙間をあけた状態で対向配置され、
前記第２突起部の前記反被写体側の端面と前記第２カバー部の前記被写体側の面とは、前記光軸方向において隙間をあけた状態で対向配置され、
前記第１突起部の前記被写体側の端面と前記第１カバー部の前記反被写体側の面とによって、前記被写体側への前記固定体に対する前記可動体の可動範囲が規制され、
前記第２突起部の前記反被写体側の端面と前記第２カバー部の前記被写体側の面とによって、前記反被写体側への前記固定体に対する前記可動体の可動範囲が規制されることを特徴とする（５）または（６）記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
（８）前記ホルダの側面には、前記ホルダの外周側に突出する第３突起部が形成され、
前記固定体は、前記ホルダの外周側に配置される筒状のケース体を備え、
前記第３突起部の先端面と前記ケース体の内周面とは、隙間をあけた状態で対向配置され、
前記第３突起部の先端面と前記ケース体の内周面とによって、前記光軸方向に直交する方向における前記固定体に対する前記可動体の可動範囲が規制されることを特徴とする（５）から（７）のいずれかに記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
なお、本技術は以下のような構成を取ることが可能である。
（１）カメラモジュールを有する可動体と、前記可動体を回動可能に保持する第１中間部材と、前記第１中間部材を回動可能に保持する第２中間部材と、前記第２中間部材を回動可能に保持する固定体と、前記カメラモジュールの光軸を回動中心にして前記第１中間部材に対して前記可動体を回動させる第１回動機構と、前記固定体に対して前記可動体を回動させる第２回動機構と、前記可動体と前記第１中間部材とを繋ぐ複数のバネ部とを備え、
前記第１中間部材は、前記カメラモジュールの光軸に交差する第１方向を回動の軸方向として前記第２中間部材に対して回動可能となっており、
前記第２中間部材は、前記第１方向に交差するとともに前記カメラモジュールの光軸に交差する第２方向を回動の軸方向として前記固定体に対して回動可能となっており、
前記バネ部は、前記第１中間部材に対する前記可動体の回動方向に弾性変形可能な平板状の第１板バネを備え、
前記カメラモジュールの光軸の方向である光軸方向の一方側を被写体側とし、前記被写体側の反対側を反被写体側とすると、
前記可動体側には、前記被写体側への前記第１中間部材に対する前記可動体の可動範囲を規制するための第１規制面と、前記反被写体側への前記第１中間部材に対する前記可動体の可動範囲を規制するための第２規制面とが形成され、
前記第１中間部材側には、前記光軸方向において前記第１規制面との間に隙間をあけた状態で前記第１規制面に対向配置される第３規制面と、前記光軸方向において前記第２規制面との間に隙間をあけた状態で前記第２規制面に対向配置される第４規制面とが形成され、
前記第１規制面が前記第３規制面に接触すると、前記被写体側への前記第１中間部材に対する前記可動体の移動が規制され、
前記第２規制面が前記第４規制面に接触すると、前記反被写体側への前記第１中間部材に対する前記可動体の移動が規制されることを特徴とする振れ補正機能付き光学ユニット。
（２）前記カメラモジュールの光軸を中心とする９０°ピッチで配置される４個の前記バネ部を備え、
前記第１板バネは、前記被写体側に配置される第１被固定部と、前記反被写体側に配置される第２被固定部と、前記第１被固定部に一端が繋がり前記第２被固定部に他端が繋がるとともに蛇行しながら前記光軸方向に伸びる蛇行部とを備えることを特徴とする（１）記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
（３）前記可動体は、前記カメラモジュールが内周側に固定される筒状のホルダを備え、
前記第１規制面は、前記ホルダの前記被写体側の面に形成され、
前記第２規制面は、前記ホルダの前記反被写体側の面に形成され、
前記第１中間部材は、前記ホルダの前記被写体側に配置される平板状の第１平板部と、前記ホルダの前記反被写体側に配置される平板状の第２平板部とを備え、
前記バネ部は、前記第１板バネの前記反被写体側の端部が繋がるとともに前記光軸方向に弾性変形可能な平板状の第２板バネを備え、
複数の前記第２板バネは、複数の前記第２板バネと一体で形成される連結部によって繋がっており、
前記連結部は、前記第２平板部の前記被写体側の面に固定され、
前記第１平板部の前記反被写体側の面が前記第３規制面となっており、
前記連結部の前記被写体側の面が前記第４規制面となっていることを特徴とする（１）または（２）記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
（４）前記光軸方向に直交する方向において前記第１中間部材に対する前記可動体の可動範囲を規制する第１規制部と、前記第１中間部材に対する前記可動体の回動方向において前記第１中間部材に対する前記可動体の可動範囲を規制する第２規制部とが設けられていることを特徴とする（１）から（３）のいずれかに記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
（５）前記可動体は、前記カメラモジュールが内周側に固定される四角筒状のホルダを備え、
前記第１規制面は、前記ホルダの前記被写体側の面に形成され、
前記第１中間部材は、前記ホルダの前記被写体側に配置される平板状の第１平板部を備え、
前記ホルダには、前記第１規制面から前記被写体側に突出する第１突起部が形成され、
前記第１平板部には、前記光軸方向における前記第１突起部の一部が配置される切欠きが形成され、
前記第１突起部の側面と前記切欠きの側面とによって前記第１規制部および前記第２規制部が構成されていることを特徴とする（４）記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
（６）前記光軸方向から見たときの前記ホルダの形状は、正方形または長方形の枠状となっており、
前記第１突起部は、正方形または長方形の枠状をなす前記ホルダの、前記被写体側の面の４辺のそれぞれの中心位置に形成されていることを特徴とする（５）記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
（７）前記第２規制面は、前記ホルダの前記反被写体側の面に形成され、
前記ホルダには、前記第２規制面より前記反被写体側に突出するとともに前記カメラモジュールの前記反被写体側の端面よりも前記反被写体側に突出する第２突起部が形成され、
前記固定体は、前記被写体側から前記第１突起部を覆う第１カバー部と、前記反被写体側から前記第２突起部を覆う第２カバー部とを備え、
前記第１突起部の前記被写体側の端面と前記第１カバー部の前記反被写体側の面とは、前記光軸方向において隙間をあけた状態で対向配置され、
前記第２突起部の前記反被写体側の端面と前記第２カバー部の前記被写体側の面とは、前記光軸方向において隙間をあけた状態で対向配置され、
前記第１突起部の前記被写体側の端面と前記第１カバー部の前記反被写体側の面とによって、前記被写体側への前記固定体に対する前記可動体の可動範囲が規制され、
前記第２突起部の前記反被写体側の端面と前記第２カバー部の前記被写体側の面とによって、前記反被写体側への前記固定体に対する前記可動体の可動範囲が規制されることを特徴とする（５）または（６）記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
（８）前記ホルダの側面には、前記ホルダの外周側に突出する第３突起部が形成され、
前記固定体は、前記ホルダの外周側に配置される筒状のケース体を備え、
前記第３突起部の先端面と前記ケース体の内周面とは、隙間をあけた状態で対向配置され、
前記第３突起部の先端面と前記ケース体の内周面とによって、前記光軸方向に直交する方向における前記固定体に対する前記可動体の可動範囲が規制されることを特徴とする（５）から（７）のいずれかに記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【符号の説明】
【0098】
１ 光学ユニット（振れ補正機能付き光学ユニット）
２ カメラモジュール
３ 可動体
４ 保持体
５ 回動機構（第１回動機構）
６ 板バネ（第１板バネ）
６ａ 被固定部（第１被固定部）
６ｂ 被固定部（第２被固定部）
６ｃ 蛇行部
８ａ バネ保持部（第２板バネ）
８ｂ 連結部
８ｃ 第４規制面
１０ 第１中間部材
１１ 第２中間部材
１２ 固定体
１７ 回動機構（第２回動機構）
２０ ホルダ
２０ｃ 突起部（第３突起部）
２０ｆ、２０ｇ 突起部（第１突起部）
２０ｊ 突起部（第２突起部）
２０ｋ 第１規制面
２０ｐ 第２規制面
２２ａ 基部（第２平板部）
２３ カバー板（第１平板部）
２３ａ、２３ｂ 切欠き
２３ｃ 第３規制面
２４ ケース体
２５ａ 上面部（第１カバー部）
２６ 底板（第２カバー部）
４３ バネ部
４６ 第１規制部
４７ 第２規制部
Ｌ カメラモジュールの光軸
Ｖ 第１方向
Ｗ 第２方向
２ カメラモジュール
３ 可動体
４ 保持体
５ 回動機構（第１回動機構）
６ 板バネ（第１板バネ）
６ａ 被固定部（第１被固定部）
６ｂ 被固定部（第２被固定部）
６ｃ 蛇行部
８ａ バネ保持部（第２板バネ）
８ｂ 連結部
８ｃ 第４規制面
１０ 第１中間部材
１１ 第２中間部材
１２ 固定体
１７ 回動機構（第２回動機構）
２０ ホルダ
２０ｃ 突起部（第３突起部）
２０ｆ、２０ｇ 突起部（第１突起部）
２０ｊ 突起部（第２突起部）
２０ｋ 第１規制面
２０ｐ 第２規制面
２２ａ 基部（第２平板部）
２３ カバー板（第１平板部）
２３ａ、２３ｂ 切欠き
２３ｃ 第３規制面
２４ ケース体
２５ａ 上面部（第１カバー部）
２６ 底板（第２カバー部）
４３ バネ部
４６ 第１規制部
４７ 第２規制部
Ｌ カメラモジュールの光軸
Ｖ 第１方向
Ｗ 第２方向
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】