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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077067
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】シャッター
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/17 20060101AFI20240531BHJP
   E06B 9/58 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
E06B9/17 Q
E06B9/58 A
E06B9/17 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188884
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 滋
(74)【代理人】
【識別番号】100145838
【弁理士】
【氏名又は名称】畑添 隆人
(72)【発明者】
【氏名】高橋 巧
【テーマコード(参考)】
2E042
【Fターム(参考)】
2E042AA06
2E042CA01
(57)【要約】
【課題】
特定のスラットやガイドレールの構成を考慮した上部ガイドを備えたシャッターを提供する。
【解決手段】
ガイドレール1の一対の側辺10、11の内面には開口溝13に隣接して、高さ方向に亘って第1ガイド要素15が設けてあり、上部ガイド7は、一対の細幅のガイド片70を備えており、一対のガイド片70には対向状に第2ガイド要素75が設けてあり、スラット4の幅方向両端部には耐風フック8を固定するリベット84の頭部840が、側辺10の内面に対向しており、第2ガイド要素75は、リベット84の頭部840に対して開口部側に離間することで、頭部840との接触が規制されており、第2ガイド要素75の下端は、平面視において、第1ガイド要素15の上端と重なる重なり部を備えることで、第1ガイド要素15と第2ガイド要素75が高さ方向に連続している。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のスラットを連結してなり、開口部を開閉するシャッターカーテンと、
前記開口部の幅方向両側に立設された左右のガイドレールと、
前記左右のガイドレールの上端に位置して、左右のブラケットに固定された左右の上部ガイドと、
からなり、
前記ガイドレールは一対の側辺と、底辺と、開口溝と、を備え、前記開口溝から前記一対の側辺間のスラット端部受け入れ部に前記シャッターカーテンの幅方向両端部を受け入れるようになっており、前記一対の側辺の内面には前記開口溝に隣接して、高さ方向に亘って第1ガイド要素が設けてあり、
前記上部ガイドは、一対の細幅のガイド片を備えており、一対のガイド片には対向状に第2ガイド要素が設けてあり、
前記複数枚のスラットの少なくとも一部のスラットの幅方向両端部には耐風フックが固定具によって設けてあり、前記固定具の部分が、前記スラットの少なくとも一方の見付面に突設されており、
前記ガイドレールの内部空間は、耐風フックが係止する被係止片と、前記被係止片に対して底側に位置する耐風フック受け入れ部と、前記被係止片に対して開口溝側に位置する前記スラット端部受け入れ部と、からなり、
前記固定具の部分が少なくとも一方の側辺の内面に対向しており、
前記第2ガイド要素は、前記固定具の部分に対して開口部側に離間することで、当該部分との接触が規制されており、かつ、前記第2ガイド要素の下端は、平面視において、前記第1ガイド要素の上端と重なる重なり部を備えることで、前記第1ガイド要素と前記第2ガイド要素が高さ方向に連続している、
シャッター。
【請求項2】
前記上部ガイドの前記ガイド片及び前記第2ガイド要素は、平面視において、前記ガイドレール及び前記第1ガイド要素の部分の直上に位置して前記重なり部を形成する第1部分と、前記ガイドレール及び前記第1ガイド要素に対して開口部側に位置する第2部分と、からなる、
請求項1に記載のシャッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッターに係り、詳しくは、左右のガイドレールの上方の上部ガイドを備えたシャッターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電動シャッター(例えば、軽量電動シャッター)では、左右のガイドレールの上方に上部ガイドを設けて、ガイドレールの上端からシャッターケース内へスラットを案内するようにしたものがある。例えば、特許文献1には、シャッター収納部とガイドレールとの連結部分に設けられ、シャッターカーテンの出入りを案内するシャッターカーテンの案内構造であって、シャッターカーテン開閉時の接触音を抑制したシャッターカーテンの案内構造及び案内部材が記載されている。
【0003】
シャッター開閉時にスラットが上部ガイドに接触し得ることから、上部ガイドには静音性が要求されるが、上部ガイドの静音性は、特定のスラットやガイドレールの構成の影響を受け得ることから、特定のスラットやガイドレールの構成を考慮しつつ上部ガイドの構造を検討する必要がある。
【特許文献1】特開2004-232399
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、特定のスラットやガイドレールの構成を考慮した上部ガイドを備えたシャッターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が採用した技術手段は、
複数枚のスラットを連結してなり、開口部を開閉するシャッターカーテンと、
前記開口部の幅方向両側に立設された左右のガイドレールと、
前記左右のガイドレールの上端に位置して、左右のブラケットに固定された左右の上部ガイドと、
からなり、
前記ガイドレールは一対の側辺と、底辺と、開口溝と、を備え、前記開口溝から前記一対の側辺間のスラット端部受け入れ部に前記シャッターカーテンの幅方向両端部を受け入れるようになっており、前記一対の側辺の内面には前記開口溝に隣接して、高さ方向に亘って第1ガイド要素が設けてあり、
前記上部ガイドは、一対の細幅のガイド片を備えており、一対のガイド片には対向状に第2ガイド要素が設けてあり、
前記複数枚のスラットの少なくとも一部のスラットの幅方向両端部には耐風フックが固定具によって設けてあり、前記固定具の部分が、前記スラットの少なくとも一方の見付面に突設されており、
前記ガイドレールの内部空間は、耐風フックが係止する被係止片と、前記被係止片に対して底側に位置する耐風フック受け入れ部と、前記被係止片に対して開口溝側に位置する前記スラット端部受け入れ部と、からなり、
前記固定具の部分が少なくとも一方の側辺の内面に対向しており、
前記第2ガイド要素は、前記固定具の部分に対して開口部側に離間することで、当該部分との接触が規制されており、かつ、前記第2ガイド要素の下端は、平面視において、前記第1ガイド要素の上端と重なる重なり部を備えることで、前記第1ガイド要素と前記第2ガイド要素が高さ方向に連続している、
シャッター、である。
【0006】
1つの態様では、前記上部ガイドの前記ガイド片及び前記第2ガイド要素は、平面視において、前記ガイドレール及び前記第1ガイド要素の部分の直上に位置して前記重なり部を形成する第1部分と、前記ガイドレール及び前記第1ガイド要素に対して開口部側に位置する第2部分と、からなる。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、第1ガイド要素を備えたガイドレールと、第2ガイド要素を備えた上部ガイドを備え、スラット端部に耐風フックを固定する固定具の部分が当該スラット端部に突設するシャッターにおいて、固定具の突設した部分と第2ガイド要素との接触を避けつつ、第1ガイド要素と第2ガイド要素とから高さ方向に連続したガイド面を形成することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係るシャッターカーテンを備えたシャッター装置(全閉姿勢)を屋外側から見た正面図及び縦断面図である。
図2】本実施形態に係るシャッターカーテンの正面図である。
図3】本実施形態に係るシャッターカーテンの側面図である。
図4】本実施形態に係る耐風フックの取付構造を示す図である。
図5】本実施形態に係る駆動側ブラケットを示す図である。
図6】本実施形態に係る従動側ブラケットを示す図である。
図7】本実施形態に係るガイドレールを見込方向から見た正面図である。
図8】本実施形態に係るガイドレールの断面図である。
図9】本実施形態に係る上部ガイドを示す図である。
図10】本実施形態に係る光電スイッチの配線を示す正面図である。
図11】本実施形態に係る光電スイッチの配線を示す側面図である。
図12】ガイドレールの第1ガイド要素と上部ガイドの第2ガイド要素との位置関係を示す図である。
図13図12におけるガイド要素の部分拡大図である。
図14】シャッターカーテンが全開状態に近い状態にある時の上部ガイドとスラット(下端のスラットが傾いた姿勢で巻き上げられた場合)との位置関係(高さ方向)を示す側面図である。
図15】シャッターカーテンの全開時の上部ガイドとスラット(下端のスラットが傾いた姿勢で巻き上げられた場合)及び座板との位置関係(高さ方向)を示す側面図である。
図16】シャッターカーテンが左右方向均等位置にある場合のスラット端部と上部ガイドとの位置関係を示す正面図及び平面図である。
図17】シャッターカーテンが右方向に寄って、耐風フックが係止状態にある場合のスラット端部と上部ガイドとの位置関係を示す正面図及び平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、全閉状態のシャッター装置を屋外側から見た正面図及び縦断面図であって、シャッター装置は、開口部の左右のガイドレール1と、開口部上方のシャッター収納空間に設けた巻取シャフト2と、上端が巻取シャフト2に連結されており、幅方向両端がガイドレール1の溝部内に案内されるシャッターカーテン3と、を備えている。図1図3に示すように、シャッターカーテン3は、互いに揺動可能に連結された複数枚のスラット4と、複数枚のスラット4の最下位のスラット4に揺動可能に連結された座板5と、からなる。開口部上方の幅方向両端部には、左右のガイドレール1の上方に位置して左右のブラケット6が設けてある。左右のブラケット6には、各ガイドレール1の上端に位置して上部ガイド(ブラケットガイドとも称される)7が固定されている。シャッターカーテン3を形成する複数枚のスラット4において、高さ方向に1枚置きで、スラット4の左右方向両端部には、耐風フック8が設けてある。
【0010】
図7図8に示すように、本実施形態に係るガイドレール1は、対向状の一対の側辺10、11と、底辺12と、から断面視コ字形状を備え、一対の側辺10、11の先端間に、スラット端部を受け入れる開口溝13が形成されている。ガイドレール1の側辺10、11には、底辺12側に位置して、対向状に耐風フック8(係止部83)が係止する被係止片14が形成されており、ガイドレール1の側辺10、11間に形成された内部空間は、被係止片14の開口溝側のスラット端部受け入れ空間1Aと、被係止片14の底辺側のフック部受け入れ空間1Bと、からなる。側辺10の先端には第1見込片16Aが一体形成されており、側辺11の先端には第2見込片16Bが一体形成されている。ガイドレール1の見込面が形成する垂直面を参照番号16で表す。
【0011】
ガイドレール1の一対の側辺10、11の内面には開口溝13に隣接して、高さ方向に亘ってポケット部15´が形成されており、ポケット部15´には高さ方向に亘って第1ガイド要素15が対向状に設けてある。本実施形態に係る第1ガイド要素15は、ゴム部材から形成された長尺状要素であるが、第1ガイド要素15の材質は限定されない。
【0012】
本実施形態に係るガイドレール1は、複数の部材から組み立てられたガイドレール組立体として用意されている。具体的には、図8に示すように、一対の側辺10、11と、底辺12と、から断面視コ字形状を備えた第1部材と、第1側見込片17Aと、第1側見付面18Aと、第1側底辺19Aと、から断面視コ字形状を備えた第2部材と、第2側見込片17Bと、第2側見付面18Bと、第2側底辺19Bと、から断面視コ字形状を備えた第3部材と、から組み立てられており、ガイドレール組立体の第1側の見付面は第1側見付面18Aからなり、第2側の見付面は第2側見付面18Bからなり、第1側の見込面は、第1見込片16Aと第1側見込片17Aからなり、第2側の見込面は、第2見込片16Bと第2側見込片17Bからなり、底面は、底辺12と第1側底辺19Aと第2側底辺19Bとからなる。図示の態様において、第1部材と第2部材は、開口溝13から離間する側が係止され、見込部が螺子で連結されており、第1部材と第3部材は、開口溝13から離間する側が係止され、見込部が螺子で連結されている。ガイドレール1の具体的な構成は、図示の態様には限定されない。
【0013】
本実施形態に係るガイドレール組立体の上端部は、凸部となっており、一対の側辺10、11と、底辺12と、から断面視コ字形状を備えた第1部材(開口溝、ポケット部、被係止片14を含む)は、ガイドレール組立体の全高に亘って延びており、第1部材の上端部位が凸部となっている。ガイドレール組立体の上端面は、最も高い位置にある第1上端100と、第1上端100の見込方向両側で第1上端100よりも下方に位置する第2上端101と、からなる。
【0014】
図5図6に示すように、ブラケット6は、板状の面部60と、面部60の周縁の複数の折り曲げ片61、62、63、64と、からなり、面部60の略中央には巻取シャフト2の支持部65が設けてあり、所定の折り曲げ片間には開口部幅方向に延びる複数本のアングル材66(図10参照)が連結されている。面部60の基端側(躯体側)の下端には、各ガイドレール1の上端に位置して上部ガイド7が固定されている。本実施形態において、左右のブラケット6は、駆動側ブラケット6Aと、従動側ブラケット6Bと、からなり、駆動側ブラケット6Aの面部60の所定部位には、配線を収容する絞り加工凸部が形成されている。
【0015】
左右のブラケット6間には、シャッター収納空間を備えたシャッターケースCが設けてあり、左右のブラケット6の面部60の支持部65には、巻取シャフト2が設けられており、開口部全開時には、シャッターカーテン3が巻取シャフト2に巻き取られた状態で、シャッターケースC内に収納されている。
【0016】
図9に示すように、上部ガイド7は、上方に向かって拡開状の一対の湾曲片である細幅のガイド片70と、一対のガイド片70の下端部位を支持する一対の立ち上がり状の支持部71と、各支持部71の下端の一対の水平片72と、一対のガイド片70から離間して底側に位置する垂直片73と、一対の水平片72の底側の立ち上がり片74と、からなる。上部ガイド7は、垂直片73、立ち上がり片74を、ブラケット6の面部60に当接させた状態で固定(例えば、スポット溶接)されている。
【0017】
上部ガイド7の一対の細幅のガイド片70の内面(対向面)には、対向状に第2ガイド要素75が設けてあり、一対の第2ガイド要素75は上方に向かって拡開状の湾曲ガイド面を規定する。本実施形態においてガイド片70と第2ガイド要素75は同幅である。本実施形態に係る第2ガイド要素75は樹脂製のガイド部材であるが、第2ガイド要素15の材質は限定されない。
【0018】
図9に示すように、本実施形態に係る上部ガイド7において、一対のガイド片70の下端部位を支持する一対の支持部71は、上側支持片710と、下側支持片711と、からなる。一対の上側支持片710と垂直片73と、から断面視コ字状の第1部材が形成されており、一方の下側支持片711と一方の水平片72とから第2部材が形成されており、他方の下側支持片711と他方の水平片72とから第3部材が形成されている。
【0019】
第1部材の下端及びガイド片70(及び第2ガイド要素75)の下端は、一対の水平片72よりも上方に位置しており、一対の水平片72の間に、ガイドレール1の上端の凸部の挿入部が形成され、凸部の上端の第1上端100が上部ガイド7の第1部材の下端に当接し、ガイドレール組立体の第2上端101が、上部ガイド7の水平片72の下面に当接するようになっている(図14参照)。
【0020】
左右の上部ガイド7の下方の水平片72の下面は、ブラケット6の下端と一致している。上部ガイド7のガイド片70及び第2ガイド要素75の下端は、ブラケット6の下端よりも上方に位置しており、ガイドレール1の上端の凸部は、ブラケット6の下端よりも上方に位置している。左右の水平片72間には、まぐさ部67が支持されている。まぐさ部67は、シャッターケースCの下端に位置して開口幅全幅に亘って延びている。
【0021】
左右のガイドレール1の下方部位には、一方の受光部9Aと他方の投光部9Bと、からなる光電センサ9が設けてあり、障害物によって光線が遮られた時に検知信号が開閉機の制御部に送信されるようになっている。ブラケット6には、光電センサ9のアンプ90が設けてあり、本実施形態では、検知信号がアンプ90に入力されて、制御部に出力されるようになっている。
【0022】
上部ガイド7の一対の水平片72には、孔部76が形成されており、一方の孔部76が光電スイッチの配線91Aないし91Bに用いられ、他方の孔部76はキャップで閉塞される。上部ガイド7の一対の水平片72の孔部76の直下に位置して、ガイドレール組立体の第2部材の中空部、第3部材の中空部が位置しており、光電スイッチの取付位置(内付け、外付け)に応じて、異なる配線(図11において、配線91Aが外付けの場合の光電スイッチの配線であり、配線91Bが内付けの場合の光電スイッチの配線)が選択的に行われる。
【0023】
図1図4に示すように、スラット4は、開口幅方向に延びる長尺材であって、第1見付面400、第2見付面401を備えた中空状の本体40と、本体40の上側に一体形成された上側の係合部41と、本体40の下側に一体形成された下側の係合部42と、からなる。上下に隣接するスラット4において、上側のスラット4の下側の係合部42に下側のスラット4の上側の係合部41がインターロック連結するようになっている。
【0024】
図2図3に示すように、シャッターカーテン3を形成する複数枚のスラット4において、高さ方向に1枚置きで、スラット4の幅方向両端部には、耐風フック8が設けてある。図4に示すように、耐風フック8は、スラット4の本体40の幅方向端部において、中空部に挿入される挿入部80と、スラット4の幅方向両端部の端面に当接する当接部81と、当接部81に突設された突出部82と、突出部82の先端に形成した係止部83と、からなり、耐風フック8は、本体40の幅方向端部(挿入部80が挿入されている)において、厚さ方向に貫設したリベット84によってスラット4に固定されている。スラット4の本体の第1見付面400の幅方向両端部位において、リベット84の頭部840が突設されている。耐風フック8の当接部81の上端部位、下端部位は、上下に隣接するスラット4の係合部位に外部から対向近接しており、スラット4の横ずれが規制されている。
【0025】
座板5は、開口幅方向に延びる長尺材であって、床面ないし地面FLに着床するフラット部51と、フラット部51から立ち上がる垂直部50と、から一体形成されている。座板5の垂直部50は、スラット4と同じ幅寸法を備えているのに対して、フラット部51は垂直部50よりも短く、フラット部の幅寸法は、開口部の幅寸法よりも少し小さい。座板5の垂直部50の幅方向両端部位は、ガイドレール1の溝部(スラット端部受け入れ部1A)内に位置しており、フラット部51は、ガイドレール1の溝部外に位置している。開口部全閉時には、座板5のフラット部51の下面が着床し、開口部全開時には、座板5のフラット51の上面が上部ガイド7の水平片72の下面及びまぐさ部67に当接するようになっている。
【0026】
本実施形態に係るシャッターは、複数枚のスラット4を連結してなり、開口部を開閉するシャッターカーテン3と、前記開口部の幅方向両側に立設された左右のガイドレール1と、左右のガイドレール1の上端に位置して、左右のブラケット6に固定された左右の上部ガイド7と、を備え、ガイドレール1は一対の側辺10、11と、底辺12と、開口溝13と、を備え、開口溝13からシャッターカーテン3の幅方向両端部を受け入れるようになっている。一対の側辺10、11の内面には開口溝13に隣接して、高さ方向に亘って第1ガイド要素15が設けてある。
【0027】
スラット4の幅方向両端部には耐風フック8が固定具として例示するリベット84によって設けてあり、リベット84の頭部840が、スラット4の一方の見付面400に突設されており、ガイドレールの内部空間は、耐風フック8が係止する被係止片14と、被係止片14に対して底側に位置する耐風フック受け入れ部1Bと、被係止片14に対して開口溝13側に位置するスラット端部受け入れ部1Aと、からなり、リベット84の頭部840が、スラット端部受け入れ部1Aにおいて、側辺10の内面に対向している。
【0028】
上部ガイド7は、一対の細幅のガイド片70を備えており、一対のガイド片70には対向状に第2ガイド要素75が設けてあり、シャッターカーテン3の開閉時に、第2ガイド要素75は、リベット84の頭部840に対して開口部側に離間することで、頭部840との接触が規制されている。シャッターカーテン3の開閉時に、上部ガイド7の高さ位置において、スラット4が傾斜姿勢となると(図14参照)、スラット4の第1見付面400ないし第2見付面401の幅方向端部と第2ガイド要素75が当接する場合があり、スラット4に突設されたリベット84の頭部840と第2ガイド要素75とが接触すると異音発生の原因になる。
【0029】
図16は、シャッターカーテン3が左右方向均等位置にある場合のスラット端部と上部ガイド7との位置関係を示しており、第2ガイド要素75とリベット84の頭部840が同じ高さ位置にある場合に、リベット84の頭部840と第2ガイド要素75が離間している。図17は、シャッターカーテン3が右方向に寄って、耐風フック8が被係止片14と係止状態にある場合のスラット端部と上部ガイド7との位置関係を示しており、図16の状態からスラット端部が開口部側に寄った場合であっても、第2ガイド要素75とリベット84の頭部840が同じ高さ位置にある場合に、リベット84の頭部840と第2ガイド要素75が離間している。
【0030】
図12図13に示すように、上部ガイド7のガイド片70は、ガイドレール1の見込面が形成する垂直面16に対して内側に位置する第1部分70Aと、垂直面16に対して外側に位置する第2部分70Bと、からなる。上部ガイド7の第2ガイド要素75は、ガイドレール1の見込面が形成する垂直面16に対して内側に位置する第1部分75Aと、垂直面16に対して外側に位置する第2部分75Bと、からなる。
【0031】
上部ガイド7のガイド片70の下端には、ガイドレールの側辺10、11の先端側部位が当接しており、第2ガイド要素75の下端と第1ガイド要素15の上端部位の部分が近接している。第1ガイド要素15は高さ方向に亘って略垂直面からなるガイド面を形成しており、第2ガイド要素75のガイド面の下端部位は、第1ガイド要素15のガイド面が形成する垂直面に一致している。
【0032】
第2ガイド要素75の下端は、平面視において、第1ガイド要素15の上端と重なる重なり部(図13において、重なり部の範囲を参照番号750で示す)を備えることで、第1ガイド要素15のガイド面と第2ガイド要素75のガイド面が高さ方向に連続している。本実施形態では、第2ガイド要素75の下端は、平面視において、ガイドレール1のポケット部15´及び第1ガイド要素15の部分の直上に位置して重なり部750を形成する第1部分75Aと、ガイドレール1及び第1ガイド要素15に対して開口部側に位置する第2部分75Bと、からなる。
【0033】
本実施形態は、第1ガイド要素15を備えたガイドレール1と、第2ガイド要素75を備えた上部ガイド7を備え、スラット端部に耐風フック8を固定するリベット84の頭部840がスラット4の第1見付面400の幅方向端部において突設するシャッターにおいて、リベット84の頭部840と第2ガイド要素75との接触を避けつつ、第1ガイド要素15と第2ガイド要素75とから高さ方向に連続したガイド面を形成することを可能とする。本実施形態に係る上部ガイド7のガイド片70及び第2ガイド要素75は、ガイドレール1の見込面が形成する垂直面16に対して外側(開口部側)に位置する第2部分70B、第2部分75Bを備えているが、第2部分70B、第2部分75Bは開口部の上方に位置しているため、有効開口幅寸法を狭めることがない。
【符号の説明】
【0034】
1 ガイドレール
10 側辺
11 側辺
12 底辺
13 開口溝
14 被係止片
15 第1ガイド要素
15´ ポケット部
3 シャッターカーテン
4 スラット
6 ブラケット
7 上部ガイド
70 ガイド片
70A 第1部分
70B 第2部分
75 第2ガイド要素
75A 第1部分
75B 第2部分
8 耐風フック
84 リベット
840 リベットの頭部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17