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特開2024-77073消音設計支援システム、防振設計支援システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077073
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】消音設計支援システム、防振設計支援システム
(51)【国際特許分類】
   G01H 17/00 20060101AFI20240531BHJP
【FI】
G01H17/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188896
(22)【出願日】2022-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】荒木 陽三
【テーマコード(参考)】
2G064
【Fターム(参考)】
2G064AA05
2G064AB01
2G064AB02
2G064AB15
2G064BA02
2G064BD02
(57)【要約】
【課題】建物施設内の音源に対して消音器を設置するに際し、受音点における音圧レベルが騒音閾値を下回り、かつ消音器の設置費用が小さくなるような設置案を、自動的に計算する。
【解決手段】消音設計支援システム1は、建物施設から発生する設備騒音を抑制するための消音設計を支援する。消音設計支援システム1は、建物施設内の音源の各々から受音点の各々までの、周波数帯域ごとの伝搬損失、複数の種類の消音器の各々の、周波数帯域ごとの騒音低減量及び設置費用、及び受音点の各々における音圧レベルの騒音閾値が、設計条件として設定されているデータベース2と、音源から受音点までの伝搬損失と、消音器の騒音低減量及び設置費用を基に、全ての受音点における音圧レベルがこの受音点の騒音閾値を下回るとともに、消音器の設置費用の総計が小さくなるように、進化計算手法を適用して、音源ごとに、複数の種類の消音器から当該音源に対して設置する消音器を選定し、消音器の設置案を策定する消音器設置案策定部3と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物施設から発生する設備騒音を抑制するための消音設計を支援する、消音設計支援システムであって、
建物施設内の音源の各々から受音点の各々までの、周波数帯域ごとの伝搬損失、複数の種類の消音器の各々の、周波数帯域ごとの騒音低減量及び設置費用、及び前記受音点の各々における音圧レベルの騒音閾値が、設計条件として設定されているデータベースと、
前記音源から前記受音点までの前記伝搬損失と、前記消音器の前記騒音低減量及び前記設置費用を基に、全ての前記受音点における音圧レベルが当該受音点の前記騒音閾値を下回るとともに、前記消音器の前記設置費用の総計が小さくなるように、進化計算手法を適用して、前記音源ごとに、複数の種類の前記消音器から当該音源に対して設置する前記消音器を選定し、前記消音器の設置案を策定する消音器設置案策定部と、
を備えることを特徴とする消音設計支援システム。
【請求項2】
前記消音器設置案策定部は、既定の数の、複数の設計候補データを有し、
複数の前記設計候補データの各々は、前記音源の各々と、前記音源の各々に対して割り当てられた前記消音器の種類と、の対応関係を含み、
複数の前記設計候補データに対し、前記進化計算手法における選択処理、交叉処理、及び突然変異処理により、前記対応関係を変更して、複数の前記設計候補データを更新することを繰り返す、消音器選定部を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の消音設計支援システム。
【請求項3】
前記消音器設置案策定部は、
複数の前記設計候補データの各々に対し、前記音源の各々に対して前記消音器の種類をランダムに設定して初期化する消音器初期化部と、
複数の前記設計候補データの各々に対し、前記音源の各々に、当該設計候補データにおいて割り当てられた種類の前記消音器を設置した際の、全ての前記受音点における前記音圧レベルと、前記消音器の前記設置費用の総計を計算する騒音レベル・費用計算部と、
前記消音器選定部において更新された複数の前記設計候補データの中で、全ての前記受音点における前記音圧レベルが当該受音点の前記騒音閾値を下回るものがあれば、当該設計候補データを最終候補データとして登録し、前記消音器選定部における繰り返し回数が既定の回数に達した場合に、前記消音器選定部の処理を終了させる、終了判定部と、
前記最終候補データの中で、前記消音器の前記設置費用の総計が最も小さいものを最適データとして選定し、当該最適データにおける、前記音源の各々に対して割り当てられた前記消音器の種類、及び前記消音器の前記設置費用の総計を表示する設計結果出力部と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の消音設計支援システム。
【請求項4】
建物施設から発生する設備振動を抑制するための防振設計を支援する、防振設計支援システムであって、
建物施設内の振動源の各々から受振点の各々までの、周波数帯域ごとの伝搬損失、複数の種類の防振材の各々の、周波数帯域ごとの振動低減量及び設置費用、及び前記受振点の各々における振動レベルの振動閾値が、設計条件として設定されているデータベースと、
前記振動源から前記受振点までの前記伝搬損失と、前記防振材の前記振動低減量及び前記設置費用を基に、全ての前記受振点における振動レベルが当該受振点の前記振動閾値を下回るとともに、前記防振材の前記設置費用の総計が小さくなるように、進化計算手法を適用して、前記振動源ごとに、複数の種類の前記防振材から当該振動源に対して設置する前記防振材を選定し、前記防振材の設置案を策定する防振材設置案策定部と、
を備えることを特徴とする防振設計支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物施設内から発生する設備騒音を抑制する推奨施策を提示する設備騒音対策用の消音設計支援システム、及び設備振動対策用の防振設計支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの設備が設置される工場、ごみ処理場、プラント等の建物施設においては、設備によって生じる騒音が、当該建物施設の敷地境界線上において、定められた規制値以下となる必要がある。したがって、建物施設を計画する段階において、敷地境界線上で騒音が規制値以上となることが想定される場合には、騒音に関する対策を施す必要がある。
【0003】
このような騒音の対策に関し、次のような特許文献1~3が開示されている。
特許文献1には、騒音発生源から発生する騒音の伝播距離及び遮音設備に対して減衰した音圧レベルをサンプリング地点毎に求め、騒音発生源別に求めた音圧レベル値をサンプリング地点毎に加算し、その加算値に応じたデータをサンプリング地点毎に騒音発生源と遮音設備と共に表示する構成が開示されている。
特許文献2には、機器の実稼働状態の振動騒音伝達状態及びその寄与率を推定し、振動騒音伝達経路確率推論モデルに基づき、事前対応施策実施の有無と事後問題発生抑止率を関連付ける事後振動騒音問題抑止確度表を生成し、入力される各々の振動騒音問題の抑制施策実施にかかる事前費用及び問題発生後にかかる事後費用からなる事前事後費用リストに基づき費用表を生成し、事後振動騒音問題抑止確度表及び費用表に基づいて、最適な適用施策と共に最適な適用施策を実施した時の予想振動騒音レベルをユーザーに提示する構成が開示されている。
特許文献3には、機器の実稼働状態の振動騒音伝達状態及びその寄与率を推定し、振動騒音伝達経路確率推論モデルに基づき事前対応施策実施の有無と事後問題発生抑止率を関連付ける振動騒音問題抑止確度表を生成し、入力される各々の振動騒音問題の抑制施策実施にかかる事前費用及び問題発生後にかかる事後費用からなる事前事後費用リストに基づき費用表を生成し、振動騒音問題抑止確度表及び費用表に基づき費用期待値に関する利得表を生成し、入力される製品の設計製作の各工程における行動選択と状況判断のツリー構造であるゲーム木における、行動選択の各選択肢の費用期待値に関する利得表を生成しユーザーに提示する構成が開示されている。
【0004】
ところで、騒音の対策を行うその対象としては、音源となる設備や、設備から敷地境界線までの騒音の伝搬経路が考えられる。例えば音源となる設備に対しては、設備に消音器を取り付けることで、騒音を低減するのが一般的である。
しかし、設備は、その種類によって、発生する騒音の周波数特性が異なる。同様に、消音器においても、その種類によって、消音する対象となる音の周波数特性が異なる。このため、設備に対して消音器を設置するに際しては、その種類を、詳細に検討する必要がある。ここで、対策を要する設備や、敷地境界上において騒音を評価するべき地点の数は、通常であれば、数十、数百の数に及ぶ。このため、敷地境界線上の全ての地点において騒音が規制値以下となるように、消音器の設置費用を考慮しつつ、各設備に対して適切に消音器の種類を選定する、という作業を、人間が行うことは、実質的に不可能である。
これに関し、上記の特許文献1においては、サンプリング地点における音圧レベルを表示するものであり、消音器の種類の選定に適用できるものではない。また、特許文献2、3においては、使用者が事前に、適用施策のリストを準備し、適用施策にかかる費用等を基に利得表を生成するものであり、これらの技術を用いて、消音器の設置案の策定を、自動的に行うようにすることは難しい。
建物施設内の音源に対して消音器を設置するに際し、受音点における音圧レベルが騒音閾値を下回り、かつ消音器の設置費用が小さくなるような設置案を、自動的に計算することが望まれている。
【0005】
同様なことが、振動に関しても、望まれている。すなわち、建物施設内の振動源に対して防振材を設置するに際し、受振点における振動レベルが振動閾値を下回り、かつ防振材の設置費用が小さくなるような設置案を、自動的に計算することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許平2-287770号公報
【特許文献2】特開2019-106032号公報
【特許文献3】特開2019-191851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、建物施設内の音源に対して消音器を設置するに際し、受音点における音圧レベルが騒音閾値を下回り、かつ消音器の設置費用が小さくなるような設置案を、自動的に計算する、消音設計支援システム、及び、建物施設内の振動源に対して防振材を設置するに際し、受振点における振動レベルが振動閾値を下回り、かつ防振材の設置費用が小さくなるような設置案を、自動的に計算する、防振設計支援システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、建物施設内から発生する設備騒音を抑制する消音設計支援システムとして、音源から受音点までの伝搬損失と、消音器の騒音低減量及び設置費用を基に、全ての受音点での音圧レベルを騒音閾値以下とし、かつ消音器の設置費用の総計が小さい設備騒音対策用の推奨施策案を選定するに際にして、進化計算手法を使用することで、短時間で、音源ごとに、複数の種類の消音器から適切な消音器の設置案を提示できる点に着眼し、本発明に至った。
また、防振設計支援システムでは、前記消音設計支援システムでの設備騒音及び音圧を、設備振動と振動レベルに読み替えるとともに、音源を振動源とし、消音器を防振材と、それぞれ読み替えることで、設備振動を抑制する推奨施策案を提示するものである。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の消音設計支援システムは、建物施設から発生する設備騒音を抑制するための消音設計を支援する、消音設計支援システムであって、建物施設内の音源の各々から受音点の各々までの、周波数帯域ごとの伝搬損失、複数の種類の消音器の各々の、周波数帯域ごとの騒音低減量及び設置費用、及び前記受音点の各々における音圧レベルの騒音閾値が、設計条件として設定されているデータベースと、前記音源から前記受音点までの前記伝搬損失と、前記消音器の前記騒音低減量及び前記設置費用を基に、全ての前記受音点における音圧レベルが当該受音点の前記騒音閾値を下回るとともに、前記消音器の前記設置費用の総計が小さくなるように、進化計算手法を適用して、前記音源ごとに、複数の種類の前記消音器から当該音源に対して設置する前記消音器を選定し、前記消音器の設置案を策定する消音器設置案策定部と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、音源から受音点までの伝搬損失と、消音器の騒音低減量及び設置費用を基に、全ての受音点における音圧レベルが当該受音点の騒音閾値を下回るともに、消音器の設置費用の総計が小さくなるように、進化計算手法を適用して、音源ごとに、複数の種類の消音器から当該音源に対して設置する消音器を選定することで、消音器の設置案が求められる。これにより、建物施設内の音源に対して消音器を設置するに際し、受音点における音圧レベルが騒音閾値を下回り、かつ消音器の設置費用が小さくなるような消音器の設置案を、自動的に計算する、消音設計支援システムを提供することができる。
【0009】
本発明の一態様においては、前記消音器設置案策定部は、既定の数の、複数の設計候補データを有し、複数の前記設計候補データの各々は、前記音源の各々と、前記音源の各々に対して割り当てられた前記消音器の種類と、の対応関係を含み、複数の前記設計候補データに対し、前記進化計算手法における選択処理、交叉処理、及び突然変異処理により、前記対応関係を変更して、複数の前記設計候補データを更新することを繰り返す、消音器選定部を備えている。
このような構成によれば、既定の数の、複数の設計候補データに対し、進化計算手法における選択処理、交叉処理、及び突然変異処理により、音源の各々と、音源の各々に対して割り当てられた消音器の種類との対応関係を変更して、複数の設計候補データを更新することを繰り返す。このように、消音器設置案策定部においては、複数の設計候補データを、生物の染色体のように見立て、選択処理、交差処理、及び突然変異処理を順次繰り返すことで、音源に対する消音器の種類の割り当てがより適切な設計候補データが優先的に残されるように、処理が進行する。これにより、より理想的な設計候補データを探索して、適切な消音器の設置案を選定することができる。
【0010】
本発明の一態様においては、前記消音器設置案策定部は、複数の前記設計候補データの各々に対し、前記音源の各々に対して前記消音器の種類をランダムに設定して初期化する消音器初期化部と、複数の前記設計候補データの各々に対し、前記音源の各々に、当該設計候補データにおいて割り当てられた種類の前記消音器を設置した際の、全ての前記受音点における前記音圧レベルと、前記消音器の前記設置費用の総計を計算する騒音レベル・費用計算部と、前記消音器選定部において更新された複数の前記設計候補データの中で、全ての前記受音点における前記音圧レベルが当該受音点の前記騒音閾値を下回るものがあれば、当該設計候補データを最終候補データとして登録し、前記消音器選定部における繰り返し回数が既定の回数に達した場合に、前記消音器選定部の処理を終了させる、終了判定部と、前記最終候補データの中で、前記消音器の前記設置費用の総計が最も小さいものを最適データとして選定し、当該最適データにおける、前記音源の各々に対して割り当てられた前記消音器の種類、及び前記消音器の前記設置費用の総計を表示する設計結果出力部と、を備える。
このような構成によれば、更新された複数の設計候補データの中で、全ての受音点における音圧レベルが受音点の騒音閾値を下回るものがあれば、その設計候補データを最終候補データとして登録する。また、消音器選定部における繰り返し回数が既定の回数に達した場合は、消音器選定部の処理を終了させる。そして、最終候補データの中で、消音器の設置費用の総計が最も小さいものを最適データとして選定し、この最適データにおける、音源の各々に対して割り当てられた消音器の種類、及び消音器の設置費用の総計を表示する。このようにして、全ての受音点における音圧レベルが受音点の騒音閾値を下回り、かつ消音器の設置費用の総計がより小さくなる、適切な消音器の設置案を選定することができる。
【0011】
本発明の防振設計支援システムは、建物施設から発生する設備振動を抑制するための防振設計を支援する、防振設計支援システムであって、建物施設内の振動源の各々から受振点の各々までの、周波数帯域ごとの伝搬損失、複数の種類の防振材の各々の、周波数帯域ごとの振動低減量及び設置費用、及び前記受振点の各々における振動レベルの振動閾値が、設計条件として設定されているデータベースと、前記振動源から前記受振点までの前記伝搬損失と、前記防振材の前記振動低減量及び前記設置費用を基に、全ての前記受振点における振動レベルが当該受振点の前記振動閾値を下回るとともに、前記防振材の前記設置費用の総計が小さくなるように、進化計算手法を適用して、前記振動源ごとに、複数の種類の前記防振材から当該振動源に対して設置する前記防振材を選定し、前記防振材の設置案を策定する防振材設置案策定部と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、振動源から受振点までの伝搬損失と、防振材の振動低減量及び設置費用を基に、全ての受振点における振動レベルが当該受振点の振動閾値を下回るともに、防振材の設置費用の総計が小さくなるように、進化計算手法を適用して、振動源ごとに、複数の種類の防振材から防振材を選定することで、防振材の設置案が求められる。これにより、建物施設内の振動源に対して防振材を設置するに際し、受振点における振動レベルが振動閾値を下回り、かつ防振材の設置費用が小さくなるような防振材の設置案を、自動的に計算する、防振設計支援システムを提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、建物施設内の音源に対して消音器を設置するに際し、受音点における音圧レベルが騒音閾値を下回り、かつ消音器の設置費用が小さくなるような設置案を、自動的に計算する、消音設計支援システム、及び、建物施設内の振動源に対して防振材を設置するに際し、受振点における振動レベルが振動閾値を下回り、かつ防振材の設置費用が小さくなるような設置案を、自動的に計算する、防振設計支援システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る消音設計支援システムの概略構成を示す図である。
図2】データベースに記憶された、音源の各々から受音点の各々までの間の各周波数帯域の伝搬損失のリストの一例を示す図である。
図3】データベースに記憶された、音源となる各設備の周波数帯域ごとのパワーレベルを並べたリストの一例を示す図である。
図4】データベースに記憶された、設備に対して設置する可能性のある消音器の周波数帯域ごとの騒音低減量と設置にかかる費用を並べたリストの一例を示す図である。
図5】データベースに記憶された、各受音点における規制値(A特性音圧レベル)を並べたリストの一例を示す図である。
図6】消音設計支援システムにおいて、消音器の設置案を策定する処理の流れを示すフローチャートである。
図7】騒音レベル・費用計算部で、音圧レベルを計算する際の処理の流れを示すフローチャートである。
図8】騒音レベル・費用計算部により得られた、P個の設計候補データを示すものである。
図9】消音器選定部で、目的関数の評価を行う際の処理の流れを示すフローチャートである。
図10】消音器選定部で実行する、選択処理の流れを示すフローチャートである。
図11】選択処理で用いられる、目的関数の大きさに比例して選ばれる確率が大きくなるルーレットの一例を示す図である。
図12】消音器選定部で実行する、交叉処理の流れを示すフローチャートである。
図13】交叉処理により選択した、新たな設計候補データを示す図である。
図14】消音器選定部で実行する、突然変異処理の流れを示すフローチャートである。
図15】実施例における、音源の各々から受音点の各々までの間の伝搬損失を示す図である。
図16】実施例における、音源のパワーレベルを示す図である。
図17】実施例における、消音器の騒音低減量と費用を示す図である。
図18】実施例によって得られた、総費用が最も小さい設計候補データを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、建物施設内から発生する設備騒音を抑制する推奨施策を提示する設備騒音対策用の消音設計支援システムと、設備振動を抑制する設備振動対策用の防振設計支援システムである。
消音設計支援システムでは、建物施設内の全ての騒音源に対して、様々な消音装置を設置して、設備騒音レベルを騒音閾値以下とし、かつ消音装置の組み合わせで総額費用が小さくなる、費用対効果に優れた設備騒音対策用の推奨施策プランを選定でき、提示できる。また、防振設計支援システムでは、建物施設内の全ての設備振動に対して、様々な防振材を設置して、設備振動レベルを振動閾値以下とし、かつ防振材の組み合わせで総額費用が小さくなる、費用対効果に優れた設備振動対策用の推奨施策プランを選定でき、提示できる。
以下、添付図面を参照して、本発明による消音設計支援システムを実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
本発明の実施形態に係る消音設計支援システムの概略構成を示す図を図1に示す。
図1に示される消音設計支援システム1は、建物施設内に位置する複数の音源から発生する設備騒音を抑制するための消音設計を支援する。消音設計支援システム1は、建物施設内の音源の各々について、音源ごとに、複数の種類の消音器から当該音源に対して設置する消音器を選定し、予め設定された複数の受音点の各々において、音圧レベルが騒音閾値を下回るような、消音器の設置案を策定する。
騒音の音源となる設備としては、例えば、屋外に設置される室外機やクーリングタワー、チラー等が考えられ得る。また、消音器としては、例えば、主に、吸音材としてのグラスウールと、鋼板から構成される箱型のものが多い。このような消音器は、各設備の吸気口や吐出口に取付けたり、設備全体を覆ったりすることで、設備から発生する騒音を効率的に吸音し、外部に放射される騒音を低減する。
また、受音点としては、本実施形態においては、建物施設の敷地境界線上に設けられている場合を考える。ただし、建物施設中の、例えば会議室等の静音が求められる場所を受音点として、建物施設の内部へと伝わる騒音を低減するようにしてもよい。あるいは、敷地境界線よりも外側に位置する地点を受音点としても構わない。これらいずれの場合においても、下記と同様な説明が可能である。
【0015】
上記のような設備は、その種類によって、発生する騒音の周波数特性が異なる。同様に、消音器においても、その種類によって、消音する対象となる音の周波数特性が異なる。このため、設備に対して消音器を設置するに際しては、その種類を、詳細に検討する必要がある。ここで、対策を要する設備すなわち音源や、受音点の数は、通常であれば、数十、数百の数に及ぶ。このため、全ての受音点において騒音が規制値以下となるように、消音器の設置費用を考慮しつつ、各音源に対して適切に消音器の種類を選定する、という作業を、人間が行うことは、実質的に不可能である。
本実施形態における消音設計支援システム1は、音源ごとに、複数の種類の消音器から適切な消音器を選定し、受音点の各々において音圧レベルが騒音閾値を下回るような、消音器の設置案を、自動的に策定する。
消音設計支援システム1は、データベース2と、消音器設置案策定部3と、を備えている。
【0016】
図2は、データベースに記憶された、音源の各々から受音点の各々までの間の各周波数帯域の伝搬損失のリストの一例を示す図である。図3は、データベースに記憶された、音源となる各設備の周波数帯域ごとのパワーレベルを示すリストの一例を示す図である。図4は、データベースに記憶された、設備に対して設置する可能性のある消音器の周波数帯域ごとの騒音低減量と設置にかかる費用を示すリストの一例を示す図である。図5は、データベースに記憶された、各受音点における規制値(A特性音圧レベル)を示すリストの一例を示す図である。
データベース2には、設計条件として、複数種の設計条件データが記憶され、設定されている。設計条件データとしては、例えば、建物施設内の音源の各々から受音点の各々までの、周波数帯域ごとの伝搬損失、各音源の周波数帯域ごとのパワーレベル、複数の種類の消音器の各々の周波数帯域ごとの騒音低減量、複数の種類の消音器の各々の設置費用、及び受音点の各々における音圧レベルの騒音閾値(規制値)が、設定されている。
【0017】
図2に示すように、設計条件データのうち、音源の各々から受音点の各々までの間の伝搬損失は、音源となるM個の設備の各々からN個の受音点の各々までの、各周波数帯域における伝搬損失の値を示すものである。図2においては、音源j(j=1、2、…、M)から受音点i(i=1、2、…、N)までの、周波数帯域k(k=63、125、…、8k)における伝搬損失が、R i、jとして表されている。音源の各々から受音点の各々までの間の伝搬損失の値は、時間領域有限差分法、有限要素法、境界要素法、拡張エネルギー積分方程式法などの数値解析手法によって、計算することが可能である。
図3に示すように、設計条件データのうち、音源のパワーレベルは、音源となる各設備の各々の、周波数帯域ごとのパワーレベルを示すものである。図3においては、音源j(j=1、2、…、M)の、周波数帯域k(k=63、125、…、8k)におけるパワーレベルが、L として表されている。
図4に示すように、設計条件データのうち、消音器の騒音低減量および費用は、設備に対して設置する可能性のある、複数の種類の、本実施形態においてはK種類の消音器の各々の、周波数帯域ごとの騒音低減量と、設置にかかる費用(設置費用)を示すものである。図4においては、消音器l(l=1、2、…、K)の、周波数帯域k(k=63、125、…、8k)における騒音低減量が、R として、及び設置費用がCとして、それぞれ表されている。
図5に示すように、設計条件データのうち、受音点における騒音閾値は、各受音点における規制値(A特性音圧レベル)を示すものである。図5においては、受音点i(i=1、2、…、N)の騒音閾値は、LTiとして示されている。なお、騒音閾値としての規制値は、図5に示すように受音点によって異なる値を用いてもよいし、全ての受音点について共通の値を用いてもよい。
【0018】
消音器設置案策定部3は、音源から受音点までの伝搬損失と、消音器の騒音低減量及び設置費用を基に、全ての受音点における音圧レベルが、それぞれの受音点の騒音閾値を下回るとともに、消音器の設置費用の総計が小さくなるように、音源ごとに、複数の種類の消音器から当該音源に対して設置する消音器を選定し、消音器の設置案を策定する。図1に示されるように、消音器設置案策定部3は、パラメータ入力部31と、消音器初期化部32と、騒音レベル・費用計算部33と、消音器選定部34と、終了判定部35と、設計結果出力部36と、を備えている。
パラメータ入力部31は、消音器の最適設計を行うために必要なパラメータの外部からの入力を受け付ける。入力されるパラメータは、例えば、後に説明するような、設計候補データの数P、交叉率CR、突然変異率MR、設計の反復回数ITER等である。
【0019】
消音器設置案策定部3は、既定の数の、より具体的にはパラメータ入力部31に入力された数Pの、複数の設計候補データを有している。複数の設計候補データの各々は、音源の各々と、音源の各々に対して割り当てられた消音器の種類と、の対応関係を含む。この、複数の設計候補データの各々の中の、音源と消音器の種類との対応関係が更新されていくことで、各音源に対して適切な種類の消音器が探索される。
消音器初期化部32は、複数の設計候補データの各々に対し、音源の各々に対して消音器の種類をランダムに設定することで、音源の各々に対して配置する消音器の組み合わせを初期化(設定)する。
騒音レベル・費用計算部33は、複数の設計候補データの各々に対し、音源の各々に、当該設計候補データにおいて割り当てられた種類の消音器を設置した際の、全ての受音点における音圧レベルと、消音器の設置費用の総計(総費用)を計算する。
【0020】
消音器選定部34は、複数の設計候補データに対し、後に詳述する進化計算手法を用いることで、複数の設計候補データの各々における、音源の各々と、音源の各々に対して割り当てられた消音器の種類と、の対応関係を順次変更し、複数の設計候補データを複数回にわたって更新する。消音器選定部34は、P個の設計候補データに対し、後に詳述する、進化計算手法における選択処理、交叉処理、突然変異処理を順次適用して、P個の設計候補データの各々の、音源と消音器の種類との対応関係を更新することで、P個の設計候補データを更新する、という処理を繰り返す。これにより、消音器選定部34は、目的に合った、理想に近い設計候補データを探索する。
本実施形態においては、進化計算手法として、遺伝的アルゴリズムを、消音器の選定に適用する。進化計算手法として、他の手法、例えば差分進化を用いるようにしても構わない。
【0021】
終了判定部35は、消音器選定部34における、設計候補データの更新処理が、予め設定された終了条件を満たしているか否かを判定する。
具体的には、終了判定部35は、消音器選定部34で更新された設計候補データのうち少なくとも一つ以上の設計候補データにおいて、全ての受音点で、受音点の各々における音圧レベルが当該受音点の騒音閾値(規制値)を下回るものがあれば、当該設計候補データを最終候補データとして登録する。そのうえで、消音器選定部34で複数の設計候補データの更新を実行した繰り返し回数が、既定の回数、すなわちパラメータ入力部31で入力した、設計の反復回数ITERに達した、という終了条件を満たしている場合に、設計候補データの更新処理が終了した、と判定する。
設計結果出力部36は、最終候補データの中で、消音器の設置費用の総計が最も小さいものを最適データとして選定し、当該最適データにおける、音源の各々に対して割り当てられた消音器の種類、及び消音器の設置費用の総計を表示する。
【0022】
次に、上記したような消音設計支援システム1における処理の流れについて説明する。
図6は、消音設計支援システムにおいて、消音器の設置案を策定する処理の流れを示すフローチャートである。
図6に示されるように、消音設計支援システム1で、消音器の設置案を策定するには、まず、データベース2に、設計条件データを入力する(ステップS11)。具体的には、データベース2に、設計条件データとして、建物施設内の音源の各々から受音点の各々までの、周波数帯域ごとの伝搬損失(図2参照)、各音源の周波数帯域ごとのパワーレベル(図3参照)、複数の種類の消音器の各々の周波数帯域ごとの騒音低減量(図4参照)、複数の種類の消音器の各々の設置費用(図4参照)、及び受音点の各々における音圧レベルの規制値すなわち騒音閾値(図5参照)を入力する。
次いで、パラメータ入力部31で、消音器の最適設計を行うために必要な最適化パラメータを入力する(ステップS12)。ここで入力されるパラメータは、例えば、設計候補データの数P、及び、後に説明するような交叉率CR、突然変異率MR、設計の反復回数ITERである。
【0023】
次に、消音器初期化部32が、音源の各々に対して配置する消音器の組み合わせを初期化(設定)する(ステップS13)。
既に説明したように、複数の設計候補データの各々は、音源の各々と、音源の各々に対して割り当てられた消音器の種類と、の対応関係を含んでいる。本実施形態においては、設計候補データの各々は、後に図8を用いて説明するように、上記の対応関係に加え、後に説明する騒音レベル・費用計算部33において計算される、当該設計候補データにおいて割り当てられた種類の消音器を設置した際の、全ての受音点の各々における音圧レベルと、消音器の設置費用の総計を、更に含む。
消音器初期化部32は、複数の設計候補データの各々に対し、音源の各々に対して消音器の種類をランダムに設定して初期化する。消音器初期化部32は、全設計候補データの各音源に設置する消音器の候補を、0からKの整数でランダムに初期化する。0は消音器を設置しない場合に相当する。また、1からKは、それぞれ消音器の種類に相当する。すなわち、ある音源に対して値l(l=1、2、…、K)が設定された場合においては、当該音源に対しては、l番目の種類の消音器を割り当てることを意味する。
【0024】
次に、騒音レベル・費用計算部33で、複数の設計候補データの各々に対し、音源の各々に、当該設計候補データにおいて割り当てられた種類の消音器を設置した際の、全ての受音点における音圧レベルを計算する(ステップS14)。
図7は、騒音レベル・費用計算部で、設計候補データp(p=1、2、…、P)に対して、音圧レベルを計算する際の処理の流れを示すフローチャートである。
各設計候補データp(p=1、2、…、P)に対し、騒音レベル・費用計算部33は、まず、音源j(j=1、2、…、M)から受音点i(i=1、2、…、N)までの各周波数帯域k(k=63、125、…、8k)における音圧レベルL p、i、jを、次式(1)により求める(ステップS141~S144)。
【数1】
ここで、音源j(j=1、2、…、M)の、周波数帯域k(k=63、125、…、8k)におけるパワーレベルをL とする。また、消音器l(この場合のlは、現在処理の対象となっている設計候補データp(p=1、2、…、P)において、音源j(j=1、2、…、M)に割り当てられた消音器の種類であり、後に示す図8におけるSp、jに相当する)の騒音低減量をR 、音源j(j=1、2、…、M)から受音点i(i=1、2、…、N)までの各周波数帯域k(k=63、125、…、8k)における伝搬損失をR i、jとする。
【0025】
次に、各設計候補データp(p=1、2、…、P)に対し、騒音レベル・費用計算部33は、各受音点i(i=1、2、…、N)での、各周波数帯域k(k=63、125、…、8k)における音圧レベルのエネルギー和L p、iを次式(2)により求める(ステップS145)。
【数2】
【0026】
その後、各設計候補データp(p=1、2、…、P)に対し、騒音レベル・費用計算部33は、各受音点i(i=1、2、…、N)での、A特性音圧レベルLp、i(i=1、2、…、N)を、次式(3)により求める(ステップS146)。ここで、w は、A特性の各周波数帯域の重みである。
【数3】
このようにして、騒音レベル・費用計算部33は、各設計候補データp(p=1、2、…、P)に対して、各受音点i(i=1、2、…、N)での音圧レベルLp、iを計算する。
【0027】
次に、騒音レベル・費用計算部33で、複数の設計候補データの各々に対し、消音器の設置費用の総計(総費用)を計算する(ステップS15)。騒音レベル・費用計算部33は、データベース2に記憶された設計条件データ、および消音器初期化部32で初期化された複数の設計候補データの各々に基づいて、各音源に設置する消音器の候補について、消音器にかかる総費用を計算する。消音器にかかる総費用は、図4に基づき、各設計候補データにおいて、各音源に割り当てられている種類の消音器の設置費用の総和をとることで算出できる。
図8は、騒音レベル・費用計算部により得られた、P個の設計候補データを示すものである。図8に示すように、各設計候補データp(p=1、2、…、P)は、音源j(j=1、2、…、M)の各々と、当該設計候補データpにおいて音源jの各々に対して割り当てられた消音器の種類(Sp、j)と、の対応関係と、騒音レベル・費用計算部33によって計算された、各受音点i(i=1、2、…、N)における音圧レベルLp、i、及び、消音器の設置費用の総計(Ctot、p)のデータとが対応付けられている。
ここで、値Sp、jは、0からK(Kは消音器の種類の数)の値を取り得るものである。値Sp、jが1からKの値をとるときは、この値は、設計候補データpにおいて、音源jに割り当てられた消音器の種類(の識別番号)を示す。また、値Sp、jが、0の値をとるときは、設計候補データpにおいて、音源jには消音器が割り当てられないことを示す。
【0028】
次に、終了判定部35は、処理が終了されるべきか否かを判定する(ステップS17)。終了判定部35における終了判定に関しては、後に詳説するが、次に説明するステップS16を繰り返し実行した回数が、パラメータ入力部31で入力した、設計の反復回数ITER以上である(n≧ITER)、という条件が、判定条件の一部として設けられている。したがって、終了判定部35で初めて実行される終了判定においては、ステップS16がまだ一度も実行されていないため、処理は終了されるものとは判定されず(ステップS17のNo)、ステップS16へと遷移する。
【0029】
次に、消音器選定部34で、設計候補データを更新する(ステップS16)。具体的には、消音器選定部34は、各設計候補データに対して、音源と消音器の種類との対応関係を更新する。
図9は、消音器選定部で、設計候補データの更新を行う際の処理の流れを示すフローチャートである。
消音器選定部34は、設計候補データにおける、音源の各々と、音源の各々に対して割り当てられた消音器の種類と、の対応関係を生物の染色体と見立てて、設計候補データの選択処理(ステップS161)、交叉処理(ステップS162)、突然変異処理(ステップS163)の、3種類の処理を、順次実行する。
消音器選定部34は、ステップS161の選択処理においては、設計候補データで割り当てられた種類の消音器を音源に設置した際に、受音点の各々における音圧レベルが当該受音点における規制値(騒音閾値)よりも小さく、かつ設置費用の総計が小さいほど大きな値となる目的関数によって、複数の設計候補データの各々を評価して評価値を計算する。
【0030】
図10は、消音器選定部で実行する、選択処理の流れを示すフローチャートである。
この図10に示すように、消音器選定部34で選択処理を行うには、まず、P個の設計候補データの各々に対し、次式(4)で定義される、目的関数f(m=1、2、…、P)の値を求める(ステップS1611、S1612)。
【数4】
ここで、Qは、設計候補データm(m=1、2、…、P)において、規制値(騒音閾値)を満足している受音点の数である。Cmaxは、全ての(K種類の)消音器のなかでの、設置費用の最大値である。Ctot、mは、設計候補データmの消音器の設置費用の総計(図8におけるCtot、p)である。MCmaxの項は、仮にM個全ての設備に対して最も設置費用の高い消音器を設置した場合の総費用を表している。これにより、MCmax-Ctot、mの値は、費用の安い消音器を割り当てるほど大きくなる。したがって、費用の安い消音器を割り当てるほど、目的関数fの値が大きくなる。
なお、上記目的関数においては、規制値を満たしている受音点の数Qが、受音点の総数である値Nに等しい場合にのみ、MCmax-Ctot、mの値が加えられており、Nより小さい場合には加えられていない。これは、全ての受音点において規制値を満たすことが、消音器にかかる費用に優先されることを示している。すなわち、全ての受音点において規制値を満たしていない場合(Q<Nの場合)には、例え消音器にかかる費用が安くても、評価値(目的関数)が小さくなるように、目的関数が設計されている。
【0031】
次に、消音器選定部34は、目的関数の総和Gを次式(5)により求める(ステップS1613)。
【数5】
ここで、消音器選定部34は、複数の設計候補データm(m=1、2、…、P)の各々に対し、当該設計候補データmの評価値(目的関数f)を、評価値の総和Gで除算した値f/Gを、確率値として計算する。消音器選定部34は、P個の設計候補データのなかから、この確率値に従って、一つの設計候補データを選択する、という処理を、P回繰り返す。より詳細には、消音器選定部34は、0からGまでの値による領域を、各設計候補データmの確率値f/Gに応じて複数の領域に分割したうえで、0からGまでの値をランダムに生成し、その値が分割された複数の領域の中のどの領域に属するかを判定し、当該領域に対応する設計候補データを、残すべき設計候補データとして選択する、という処理を、P回繰り返す。これにより、消音器選定部34は、P個の設計候補データのなかから、P個の設計候補データを、再度選択する。これは、図11に示すような、目的関数の大きさに比例して選ばれる確率が大きくなるルーレットRを回して、P個の設計候補データの中から、設計候補データをP回、再度抽出することに相当する。
【0032】
上記の確率値f/Gは、目的関数fの値が大きい設計候補データmであるほど、大きな値となるように計算されている。したがって、上記のように、P個の設計候補データのなかから、確率値に従って選択することで新たに得られるP個の設計候補データは、選択前の設計候補データの中でも、目的関数の値が高い、換言すれば、受音点の各々における音圧レベルが当該受音点における規制値(騒音閾値、図5におけるLTi)よりも小さく、かつ設置費用の総計が小さくなるような、消音器の割り当てとなっているものである可能性が高い。
このようにして、目的とするものにより近い設計候補データに対して、高い生存確率を設定することで、より適切と考えられる設計候補データが、優先的に選択され、残される。
消音器選定部34は、上記のようにして、複数の設計候補データのなかから、複数の設計候補データの各々の確率値に従うように、既定の数だけ、複数の設計候補データを再選択する(ステップS1614、S1615)。
【0033】
図12は、消音器選定部で実行する、交叉処理の流れを示すフローチャートである。図13は、交叉処理により選択した、新たな設計候補データを示す図である。
消音器選定部34は、ステップS162の交叉処理においては、一の設計候補データの、一部の音源に対して、対応する消音器の種類を、他の設計候補データにおいて当該一部の音源に対応する消音器の種類に置換する。
消音器選定部34は、設計候補データiに対し、交叉率CRで、他の設計候補データと交叉する。この交叉率CRはパラメータ入力部31で入力した値である。
具体的には、消音器選定部34は、以下のような処理を、全ての設計候補データi(i=1、2、…、P)に対して実行する(ステップS1621)。
まず、消音器選定部34は、0≦r<1となるように乱数rを設定する(ステップS1622)。
次に、消音器選定部34は、この乱数rを、交叉率CRと比較する(ステップS1623)。比較の結果、乱数rが交差率CRより大きければ(ステップS1623のNo)、消音器選定部34は、現在処理の対象となっている設計候補データiに対しては、交叉処理を行わない。
【0034】
乱数rが交差率CRより小さい場合には(ステップS1623のYes)、消音器選定部34は、設計候補データiに対して、交叉処理を実行する。
消音器選定部34は、まず、交叉する対象となる他の設計候補データjをランダムに決める(ステップS1624)。
更に、交叉点kを、1から音源の数Mまでの整数の中から、ランダムに決める(ステップS1625)。
そして、消音器選定部34は、図13に示すように、設計候補データiの、1からk番目の音源に割り当てる消音器の種類を、基となる設計候補データiから引き継いで同一のものとなるようにしつつ、k+1からM番目の音源に割り当てる消音器の種類を、交叉する対象となる設計候補データjから引き継いで更新することで、新たな設計候補データiを生成する(ステップS1626)。
このようにして、交叉処理においては、一定の確率CRで、2つの設計候補データi、jを交叉させて、新たな設計候補データを生成する。
【0035】
図14は、消音器選定部で実行する、突然変異処理の流れを示すフローチャートである。
消音器選定部34は、ステップS163の突然変異処理においては、設計候補データの、一部の音源に対して、対応する消音器の種類を、ランダムに、他の消音器の種類に置換する。
消音器選定部34は、交叉処理を行って新しく生成されたP個の設計候補データに対して、突然変異処理を行う。消音器選定部34は、各設計候補データの、各音源に割り当てられている消音器の種類に対し、突然変異率MRで突然変異を行う。この突然変異率MRはパラメータ入力部31で入力した値である。
具体的には、消音器選定部34は、以下のような処理を、全ての設計候補データi(i=1、2、…、P)に対して実行する(ステップS1631)。
消音器選定部34は、当該設計候補データiの、各音源k(k=1、2、…、M)に対し(ステップS1632)、まず、0≦r<1となるように乱数rを設定する(ステップS1633)。
次に、消音器選定部34は、この乱数rを、突然変異率MRと比較する(ステップS1634)。比較の結果、乱数rが突然変異率MRより大きければ(ステップS1634のNo)、消音器選定部34は、現在処理の対象となっている設計候補データiの音源kに対しては、突然変異処理を行わない。
【0036】
乱数rが突然変異率MRより小さい場合には(ステップS1634のYes)、消音器選定部34は、設計候補データiの音源kに対して、突然変異処理を実行する。
具体的には、消音器選定部34は、1から、消音器の種類の数であるKまでの整数の中から、ランダムに値を決定し、これを、音源kに対して割り当てる、新たな消音器の種類とする(ステップS1635)。
このようにして、突然変異処理においては、一定の確率MRで、各設計候補データの、各音源に割り当てられている消音器の種類を、ランダムに、他の消音器の種類へと変更する。
【0037】
このようにして、ステップS16において、選択処理、交叉処理、及び突然変異処理を実行することで、ステップS16を実行する前に比べると、P個の設計候補データの内容が、より詳細には各設計候補データにおける、音源と、音源に割り当てる消音器の種類と、の対応関係が、更新されている。このため、更新された新たな設計候補データにおいては、更新される前の設計候補データとは、受音点における音圧レベルや、消音器の設置費用の総計(総費用)が変わっているはずである。
したがって、騒音レベル・費用計算部33は、更新されたP個の設計候補データの各々に対し、受音点における音圧レベルと、消音器の設置費用の総計(総費用)を、再度計算する(ステップS14、S15)。
【0038】
その後、終了判定部35は、消音器選定部34における、設計候補データの更新処理が、予め設定された終了条件を満たしているか否かを判定する(ステップS17)。
具体的には、終了判定部35は、ステップS16において消音器選定部34で更新された設計候補データのうち少なくとも一つ以上の設計候補データにおいて、全ての受音点で、受音点の各々における音圧レベルが当該受音点の騒音閾値(規制値、図5におけるLTi)を下回るものがあれば、当該設計候補データを最終候補データとして登録する。そのうえで、消音器選定部34で複数の設計候補データの更新を実行した繰り返し回数(すなわちステップS16を実行した繰り返し回数)が、既定の回数、すなわちパラメータ入力部31で入力した、設計の反復回数ITERに達した、という終了条件を満たしているか否かを判定する。
その結果、ステップS17で、終了条件を満たしていない、と判定された場合(ステップS17のNo)、消音器選定部34における、設計候補データの更新処理(すなわち消音器の種類の組み合わせを修正する処理)を、再度繰り返す(ステップS16)。
ステップS17で、終了条件を満たしている、と判定された場合(ステップS17のYes)、設計結果出力部36は、最終候補データの中で、消音器の設置費用の総計が最も小さいものを最適データとして選定し、当該最適データにおける、音源の各々に対して割り当てられた消音器の種類、及び消音器の設置費用の総計を表示する。
【0039】
上述したような消音設計支援システム1は、建物施設から発生する設備騒音を抑制するための消音設計を支援する、消音設計支援システム1であって、建物施設内の音源の各々から受音点の各々までの、周波数帯域ごとの伝搬損失、複数の種類の消音器の各々の、周波数帯域ごとの騒音低減量及び設置費用、及び受音点の各々における音圧レベルの騒音閾値が、設計条件として設定されているデータベース2と、音源から受音点までの伝搬損失と、消音器の騒音低減量及び設置費用を基に、全ての受音点における音圧レベルが当該受音点の騒音閾値を下回るとともに、消音器の設置費用の総計が小さくなるように、進化計算手法を適用して、音源ごとに、複数の種類の消音器から当該音源に対して設置する消音器を選定し、消音器の設置案を策定する消音器設置案策定部3と、を備える。
このような構成によれば、音源から受音点までの伝搬損失と、消音器の騒音低減量及び設置費用を基に、全ての受音点における音圧レベルが当該受音点の騒音閾値を下回るともに、消音器の設置費用の総計が小さくなるように、進化計算手法を適用して、音源ごとに、複数の種類の消音器から当該音源に対して設置する消音器を選定することで、消音器の設置案が求められる。これにより、建物施設内の音源に対して消音器を設置するに際し、受音点における音圧レベルが騒音閾値を下回り、かつ消音器の設置費用が小さくなるような消音器の設置案を、自動的に計算する、消音設計支援システム1を提供することができる。
【0040】
また、消音器設置案策定部3は、既定の数の、複数の設計候補データを有し、複数の設計候補データの各々は、音源の各々と、音源の各々に対して割り当てられた消音器の種類と、の対応関係を含み、複数の設計候補データに対し、進化計算手法における選択処理、交叉処理、及び突然変異処理により、対応関係を変更して、複数の設計候補データを更新することを繰り返す、消音器選定部34を備えている。
このような構成によれば、既定の数の、複数の設計候補データに対し、進化計算手法における選択処理、交叉処理、及び突然変異処理により、音源の各々と、音源の各々に対して割り当てられた消音器の種類との対応関係を変更して、複数の設計候補データを更新することを繰り返す。このように、消音器設置案策定部3においては、複数の設計候補データを、生物の染色体のように見立て、選択処理、交差処理、及び突然変異処理を順次繰り返すことで、音源に対する消音器の種類の割り当てがより適切な設計候補データが優先的に残されるように、処理が進行する。これにより、より理想的な設計候補データを探索して、適切な消音器の設置案を選定することができる。
【0041】
また、消音器選定部34は、選択処理においては、設計候補データで割り当てられた種類の消音器を音源に設置した際に、受音点の各々における音圧レベルが当該受音点における騒音閾値よりも小さく、かつ設置費用の総計が小さいほど大きな値となる目的関数によって、複数の設計候補データの各々を評価して評価値を計算し、複数の設計候補データの各々に対し、当該設計候補データの評価値を評価値の総和で除算した値を確率値として計算し、複数の設計候補データのなかから、複数の設計候補データの各々の確率値に従うように、既定の数だけ、複数の設計候補データを再選択する。
このような構成によれば、選択処理を、適切に実現することができる。
【0042】
また、消音器選定部34は、交叉処理においては、一の設計候補データの、一部の音源に対して、対応する消音器の種類を、他の設計候補データにおいて当該一部の音源に対応する消音器の種類に置換する。
このような構成によれば、交叉処理を、適切に実現することができる。
【0043】
また、消音器選定部34は、突然変異処理においては、設計候補データの、一部の音源に対して、対応する消音器の種類を、ランダムに、他の消音器の種類に置換する。
このような構成によれば、突然変異処理を、適切に実現することができる。
【0044】
また、消音器設置案策定部3は、複数の設計候補データの各々に対し、音源の各々に対して消音器の種類をランダムに設定して初期化する消音器初期化部32と、複数の設計候補データの各々に対し、音源の各々に、当該設計候補データにおいて割り当てられた種類の消音器を設置した際の、全ての受音点における音圧レベルと、消音器の設置費用の総計を計算する騒音レベル・費用計算部33と、消音器選定部34において更新された複数の設計候補データの中で、全ての受音点における音圧レベルが当該受音点の騒音閾値を下回るものがあれば、当該設計候補データを最終候補データとして登録し、消音器選定部34における繰り返し回数が既定の回数に達した場合に、消音器選定部34の処理を終了させる、終了判定部35と、最終候補データの中で、消音器の設置費用の総計が最も小さいものを最適データとして選定し、この最適データにおける、音源の各々に対して割り当てられた消音器の種類、及び消音器の設置費用の総計を表示する設計結果出力部36と、を備える。
このような構成によれば、更新された複数の設計候補データの中で、全ての受音点における音圧レベルが受音点の騒音閾値を下回るものがあれば、その設計候補データを最終候補データとして登録する。また、消音器選定部34における繰り返し回数が既定の回数に達した場合は、消音器選定部34の処理を終了させる。そして、最終候補データの中で、消音器の設置費用の総計が最も小さいものを最適データとして選定し、この最適データにおける、音源の各々に対して割り当てられた消音器の種類、及び消音器の設置費用の総計を表示する。このようにして、全ての受音点における音圧レベルが受音点の騒音閾値を下回り、かつ消音器の設置費用の総計がより小さくなる、適切な消音器の設置案を選定することができる。
【0045】
(実施例)
工場の敷地内の屋外に設置された32個の設備から発生する騒音の合成値が、工場の敷地境界線上の受音点300点において規制値40dB以下となるように、各設備に3種類の消音器を割り当てることを考える。
図15は、実施例における、音源の各々から受音点の各々までの間の伝搬損失を示す図である。図16は、実施例における、音源のパワーレベルを示す図である。図17は、実施例における、消音器の騒音低減量と費用を示す図である。
パラメータ入力部31で入力する設計候補データの数Pは80、交叉率CRは0.7、突然変異率MRは0.05、設計の反復回数ITERは1000とする。
設計候補データの選定を1000回反復したのち、設計結果出力部36から出力された、総費用が最も小さい設計候補データを図18に示す。
【0046】
(実施形態の変形例)
なお、本発明の消音設計支援システムは、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、これまで設備騒音に対して消音器を割り当てる場合を例にして説明してきたが、設備振動を対象として、設備に取付ける防振材を適切に割り当てる場合にもこの装置は利用できる。
この場合には、上記実施形態の説明において、音を振動と読み替えることで、上記実施形態と同様な説明が可能である。より詳細には、上記実施形態の説明において、消音設計を防振設計と、騒音及び音圧を振動と、音源を振動源と、受音点を受振点と、消音器を防振材と、それぞれ読み替えることで、上記実施形態と同様な説明が可能である。
【0047】
すなわち、防振設計支援システムは、建物施設から発生する設備振動を抑制するための防振設計を支援する、防振設計支援システムであって、建物施設内の振動源の各々から受振点の各々までの、周波数帯域ごとの伝搬損失、複数の種類の防振材の各々の、周波数帯域ごとの振動低減量及び設置費用、及び受振点の各々における振動レベルの振動閾値が、設計条件として設定されているデータベースと、振動源から受振点までの伝搬損失と、防振材の振動低減量及び設置費用を基に、全ての受振点における振動レベルが当該受振点の振動閾値を下回るとともに、防振材の設置費用の総計が小さくなるように、進化計算手法を適用して、振動源ごとに、複数の種類の防振材から当該振動源に対して設置する防振材を選定し、防振材の設置案を策定する防振材設置案策定部と、を備える。
このような構成によれば、振動源から受振点までの伝搬損失と、防振材の振動低減量及び設置費用を基に、全ての受振点における振動レベルが当該受振点の振動閾値を下回るともに、防振材の設置費用の総計が小さくなるように、進化計算手法を適用して、振動源ごとに、複数の種類の防振材から当該振動源に対して設置する防振材を選定することで、防振材の設置案が求められる。これにより、建物施設内の振動源に対して防振材を設置するに際し、受振点における振動レベルが振動閾値を下回り、かつ防振材の設置費用が小さくなるような防振材の設置案を、自動的に計算する、防振設計支援システムを提供することができる。
【0048】
また、防振材設置案策定部は、既定の数の、複数の設計候補データを有し、複数の設計候補データの各々は、振動源の各々と、振動源の各々に対して割り当てられた防振材の種類と、の対応関係を含み、複数の設計候補データに対し、進化計算手法における選択処理、交叉処理、及び突然変異処理により、対応関係を変更して、複数の設計候補データを更新することを繰り返す、防振材選定部を備えている。
このような構成によれば、既定の数の、複数の設計候補データに対し、進化計算手法における選択処理、交叉処理、及び突然変異処理により、振動源の各々と、振動源の各々に対して割り当てられた防振材の種類との対応関係を変更して、複数の設計候補データを更新することを繰り返す。このように、防振材設置案策定部においては、複数の設計候補データを、生物の染色体のように見立て、選択処理、交差処理、及び突然変異処理を順次繰り返すことで、振動源に対する防振材の種類の割り当てがより適切な設計候補データが優先的に残されるように、処理が進行する。これにより、より理想的な設計候補データを探索して、適切な防振材の設置案を選定することができる。
【0049】
また、防振材設置案策定部は、複数の設計候補データの各々に対し、振動源の各々に対して防振材の種類をランダムに設定して初期化する防振材初期化部と、複数の設計候補データの各々に対し、振動源の各々に、当該設計候補データにおいて割り当てられた種類の防振材を設置した際の、全ての受振点における振動レベルと、防振材の設置費用の総計を計算する振動レベル・費用計算部と、防振材選定部において更新された複数の設計候補データの中で、全ての受振点における振動レベルが当該受振点の振動閾値を下回るものがあれば、当該設計候補データを最終候補データとして登録し、防振材選定部における繰り返し回数が既定の回数に達した場合に、防振材選定部の処理を終了させる、終了判定部と、最終候補データの中で、防振材の設置費用の総計が最も小さいものを最適データとして選定し、この最適データにおける、振動源の各々に対して割り当てられた防振材の種類、及び防振材の設置費用の総計を表示する設計結果出力部と、を備える。
このような構成によれば、更新された複数の設計候補データの中で、全ての受振点における振動レベルが受振点の振動閾値を下回るものがあれば、その設計候補データを最終候補データとして登録する。また、防振材選定部における繰り返し回数が既定の回数に達した場合は、防振材選定部の処理を終了させる。そして、最終候補データの中で、防振材の設置費用の総計が最も小さいものを最適データとして選定し、この最適データにおける、振動源の各々に対して割り当てられた防振材の種類、及び防振材の設置費用の総計を表示する。このようにして、全ての受振点における振動レベルが受振点の振動閾値を下回り、かつ防振材の設置費用の総計がより小さくなる、適切な防振材の設置案を選定することができる。
【0050】
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
上記の実施形態では、設備騒音に対して消音器を設置して、音圧レベルを騒音閾値以下としたが、消音器に限定することなく、防音材、吸音材、遮音材、防振材、制振材のいずれか1つ、またはそれらを組み合わせた消音設計支援システムであってもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 消音設計支援システム 33 騒音レベル・費用計算部
2 データベース 34 消音器選定部
3 消音器設置案策定部 35 終了判定部
32 消音器初期化部 36 設計結果出力部
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