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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007708
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】電波時計レピータ用子機
(51)【国際特許分類】
   G04G 5/00 20130101AFI20240112BHJP
   G04R 20/10 20130101ALI20240112BHJP
   G04B 37/14 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
G04G5/00 J
G04R20/10
G04B37/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108955
(22)【出願日】2022-07-06
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000232461
【氏名又は名称】日本電波株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002457
【氏名又は名称】弁理士法人広和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 恵子
(72)【発明者】
【氏名】三枝 宏美
【テーマコード(参考)】
2F002
【Fターム(参考)】
2F002FA16
(57)【要約】
【課題】 周囲環境の影響を受けることなく、壁掛け式の電波時計に疑似標準電波を届けることが可能な電波時計レピータ用子機を提供する。
【解決手段】 子機11は、子機本体20が収容された子機ケーシング12と、子機ケーシング12に設けられ、壁面Wに固定された壁面取付具Fに子機ケーシング12を掛止めする掛止め具13と、壁掛け式の電波時計Cに子機ケーシング12が重なるように、子機ケーシング12のうち壁面Wと反対側となる前面に電波時計Cを固定する取付具18Eと、を備えている。掛止め具13は、壁面取付具Fの先端部Ftが挿入される壁掛け穴14Aが形成された板体14と、壁面取付具Fの先端部Ftよりも下側に位置して、壁掛け穴14Aを水平方向に跨いで板体14に取り付けられるロックバー15と、を備えている。ロックバー15は、壁面取付具Fの先端部Ftが壁掛け穴14Aから抜けるのを抑制する抜止め部15Cを有している。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
親機から送信された標準時に応じた時刻情報信号を受信して疑似標準電波を出力する子機本体を有する電波時計レピータ用子機であって、
前記子機本体が収容された子機ケーシングと、
前記子機ケーシングに設けられ、壁面に固定された壁面取付具に前記子機ケーシングを掛止めする掛止め具と、
壁掛け式の電波時計に前記子機ケーシングが重なるように、前記子機ケーシングのうち前記壁面と反対側となる前面に前記電波時計を固定する取付具と、を備え、
前記掛止め具は、
前記壁面取付具の先端部が挿入される壁掛け穴が形成された板体と、
前記壁面取付具の前記先端部よりも下側に位置して、前記壁掛け穴を水平方向に跨いで前記板体に取り付けられる閂部材と、を備え、
前記閂部材は、前記壁面取付具の前記先端部が前記壁掛け穴から抜けるのを抑制する抜止め部を有することを特徴とする電波時計レピータ用子機。
【請求項2】
前記掛止め具は、前記板体に設けられ、水平方向に延びる前記閂部材の両端を保持する2つの保持部をさらに備え、
前記閂部材は、
一方の前記保持部に係合する第1係合部と、
他方の前記保持部に係合する第2係合部と、を有し、
前記抜止め部は、前記第1係合部と前記第2係合部との間に位置して前記第1係合部および前記第2係合部に連結され、前記壁面に向けて突出して、前記壁掛け穴に挿入されることを特徴とする請求項1に記載の電波時計レピータ用子機。
【請求項3】
前記抜止め部は、前記壁面取付具の前記先端部に近い上側部分が下側部分に比べて前記壁面に向けて突出していることを特徴とする請求項2に記載の電波時計レピータ用子機。
【請求項4】
2つの前記保持部は、前記板体の前側に突出して先端側が上側に向けて延びたL字形状に形成され、
前記第1係合部は、一方の前記保持部と前記板体との間に挿入され、
前記第2係合部は、他方の前記保持部よりも前側に位置して前記抜止め部に連結された前面連結部と、前記前面連結部の端部を折り返した形状に形成されて他方の前記保持部と前記板体との間に挿入される折返し部とを備えたことを特徴とする請求項2に記載の電波時計レピータ用子機。
【請求項5】
前記電波時計の垂直方向に沿って前記取付具の位置を調整することができるアジャスタ機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の電波時計レピータ用子機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電波時計に向けて疑似標準電波を出力可能な電波時計レピータ用子機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電波時計に向けて標準電波と同じ仕様の疑似的な標準電波(以下、疑似標準電波という)を出力する電波時計レピータが開示されている。この電波時計レピータは、例えばインターネット等を経由して時刻情報を取得し、この時刻情報に基づいて電波時計に向けて疑似標準電波を送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-183501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示された電波時計レピータは、40kHzまたは60kHzの長波の搬送波に時刻データをAM変調させた疑似標準電波を出力している。しかしながら、長波の特性上、波長が長いため、ビル等の内部には標準電波が伝搬されないことが知られている。このため、一般的な性能として10m程度の通信可能距離を持つ電波時計レピータであっても、例えば建物構造によって、電波時計レピータを設置している部屋とは別室に設置された電波時計には、標準電波を伝搬させることができないことがある。この結果、電波時計レピータの通信距離の範囲内であっても、電波時計が疑似標準電波を受信できない場合がある。
【0005】
また、一般的な電波時計レピータは、電波の出力を十分に確保して疑似標準電波を広い範囲に届くようにするために、例えば1~2ワット程度の消費電力が必要であり、駆動電源として商用電源に接続されている。これに対し、壁掛け式の電波時計は、商用電源から離れた位置に設置されている。このため、電波時計レピータは、例えば電波時計の背面のように、電波時計に近接した場所に配置することができなかった。
【0006】
本発明の目的は、周囲環境の影響を受けることなく、壁掛け式の電波時計に疑似標準電波を届けることが可能な電波時計レピータ用子機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、親機から送信された標準時に応じた時刻情報信号を受信して疑似標準電波を出力する子機本体を有する電波時計レピータ用子機であって、前記子機本体が収容された子機ケーシングと、前記子機ケーシングに設けられ、壁面に固定された壁面取付具に前記子機ケーシングを掛止めする掛止め具と、壁掛け式の電波時計に前記子機ケーシングが重なるように、前記子機ケーシングのうち前記壁面と反対側となる前面に前記電波時計を固定する取付具と、を備え、前記掛止め具は、前記壁面取付具の先端部が挿入される壁掛け穴が形成された板体と、前記壁面取付具の前記先端部よりも下側に位置して、前記壁掛け穴を水平方向に跨いで前記板体に取り付けられる閂部材と、を備え、前記閂部材は、前記壁面取付具の前記先端部が前記壁掛け穴から抜けるのを抑制する抜止め部を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、壁掛け式の電波時計の背面に配置された電波時計レピータ用子機が疑似標準電波を出力することによって、周囲環境の影響を受けることなく、電波時計に疑似標準電波を届けることができる。また、閂部材は抜止め部を有するから、電波時計レピータ用子機から電波時計を取り外すときに、壁面取付具の先端部が壁掛け穴から抜けるのを抑制することができる。このため、電波時計を取り外すときに、電波時計レピータ用子機が落下するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態による電波時計レピータを示す全体構成図である。
図2】親機の構成を示すブロック図である。
図3図1中の子機を示す正面図である。
図4】子機を壁に取り付けた状態を示す斜視図である。
図5】子機の構成を示すブロック図である。
図6】子機を示す右側面図である。
図7】子機の掛止め具等を図3中の矢示VII-VII方向からみた拡大断面図である。
図8】ロックバーを板体に取り付ける状態を示す斜視図である。
図9】ロックバーを単体で示す斜視図である。
図10】ロックバーを前側からみた正面図である。
図11】ロックバーを上側からみた平面図である。
図12】子機の掛止め具等を図3中の矢示XII-XII方向からみた拡大断面図である。
図13】ロックバーの第1係合部の先端を一方の保持部に挿入する状態を示す図12と同様位置の拡大断面図である。
図14】第1の変形例によるロックバーを保持部に取り付けた状態を示す図12と同様位置の拡大断面図である。
図15】第2の変形例によるロックバーを上側からみた平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態による電波時計レピータを添付図面に従って詳細に説明する。
【0011】
図1に示すように、電波時計レピータは、標準時に応じた時刻情報信号(標準電波データ)を送信する親機1と、親機1からの時刻情報信号を受信して疑似標準電波を出力する子機11(電波時計レピータ用子機)と、を備えている。このとき、子機11は、電波時計レピータ用子機を構成している。
【0012】
親機1は、箱型の親機ケーシング2を備えている。図2に示すように、親機1は、親機リアルタイムクロック3(以下、親機RTC3という)、主電源部4、無線モジュール5、親機コントローラ8を備えている。親機RTC3、無線モジュール5および親機コントローラ8は、親機ケーシング2内に収容されている。これに加えて、親機1は、時刻設定部6、表示部7を備えている。
【0013】
親機RTC3は、例えば水晶振動子等を用いて構成され、時刻を計時する。親機RTC3は、親機コントローラ8に接続されている。親機RTC3には、親機コントローラ8を介して主電源部4から電力が供給される。このため、主電源部4が商用交流電源(商用AC電源)に接続された状態では、親機RTC3は、主電源部4から供給される電力によって駆動する。親機RTC3は、入力された初期時刻に基づいて現在の時刻を求める。親機RTC3は、現在の時刻に応じた信号を親機コントローラ8に出力する。
【0014】
また、親機RTC3は、例えばボタン型電池、コンデンサ等からなるバックアップ電源3Aに接続されている。これにより、親機RTC3は、主電源部4からの電力供給が一時的に停止された状態でも、バックアップ電源3Aからの電力供給によって駆動を継続し、時刻を刻み続ける。
【0015】
商用AC電源で動作する機器であっても、一般的にRTC(リアルタイムクロック)を利用して時刻を管理する。RTCは、周囲の環境(主に温度)によって時刻に誤差が生じる。この誤差を回避するために、親機RTC3には、補正機能が組み込まれている。具体的には、親機RTC3は、基準発信器(例えば32.768kHz)の周波数クロックが「所定カウント数」入ったら1秒を加算するところ、20秒に1回だけ「所定カウント数+設定値」で1秒を加算する。これにより、親機RTC3は、時刻カウントを補正する。
【0016】
主電源部4は、親機コントローラ8に接続されている。主電源部4は、親機コントローラ8に向けて電力を供給する。主電源部4は、電源アダプタ4A、AC-DC変換回路4B、低電圧電源回路4Cを備えている。電源アダプタ4Aは、例えば差込みプラグ等によって構成され、商用AC電源のコンセント(図示せず)に接続される。電源アダプタ4Aは、商用電源の交流電力をAC-DC変換回路4Bに供給する。AC-DC変換回路4Bは、各種のコンバータ回路によって構成され、交流電力を直流電力に変換する。低電圧電源回路4Cは、AC-DC変換回路4Bから供給される直流電力の電圧を、親機コントローラ8が必要な一定の低電圧(例えば、3.3V)に変換する。低電圧電源回路4Cは、例えば各種のDC-DCコンバータ回路によって構成されている。低電圧電源回路4Cは、低電圧の直流電力を親機コントローラ8に供給する。
【0017】
また、主電源部4は、AC信号抽出回路4Dを備えている。AC信号抽出回路4Dは、電源アダプタ4Aから出力される商用電源の交流電圧を検出し、この交流電圧に応じた信号を親機コントローラ8に出力する。主電源部4は、電源アダプタ4Aを除いて、親機ケーシング2内に収容されている。即ち、AC-DC変換回路4B、低電圧電源回路4C、AC信号抽出回路4Dは、親機ケーシング2内に収容されている。
【0018】
無線モジュール5は、親機側通信部を構成している。親機1の無線モジュール5は、子機11の無線モジュール23との間で、LPWA(Low Power Wide Area-network)の無線通信を行う。無線モジュール5は、例えば920MHz帯でのLoRa通信方式を使用する。これにより、無線モジュール5は、比較的外乱に強く長距離通信が可能になっている。無線モジュール5は、アンテナ(図示せず)から920MHz帯の電波を送信または受信する。920MHz帯の電波を用いるため、受信感度が高く、建物の壁等にも強く、入り組んだ屋内でも通信が可能になっている。
【0019】
時刻設定部6は、親機ケーシング2の正面に取り付けられている。時刻設定部6は、例えば複数のボタンスイッチ等によって構成され、親機コントローラ8に接続されている。時刻設定部6は、親機1の初期時刻を設定するために使用される。具体的には、時刻設定部6は、初期時刻を進退させるスイッチを備えている。例えば親機1を初めて起動するとき、長期間にわたって親機1の電源を入れていなかったときに、使用者は、時刻設定部6を用いて親機1の初期時刻を設定する。
【0020】
表示部7は、親機ケーシング2の正面に取り付けられている。表示部7は、例えば7セグメントのLEDや単色のチップLED、フルカラーLED等によって構成され、親機コントローラ8に接続されている。表示部7は、例えば現在時刻、初期時刻等を表示する。表示部7は、エラー表示として、親機1等に異常が生じたときに点灯する。
【0021】
親機コントローラ8は、例えばマイコンピュータ等によって構成されている。親機コントローラ8は、メモリ8Aに格納されたプログラムに従って駆動する。親機コントローラ8は、親機RTC3に基づく時刻を、商用交流電源(商用AC電源)の電圧信号に基づいて修正する。
【0022】
商用AC電源の周波数は、電力会社により高精度に制御されている。このため、商用AC電源の電圧信号を時計の発振回路として使用すると、水晶振動子のように一定の割合で「誤差/月」が発生することが無く、1年を通じて累積誤差を±10秒程度の範囲に維持することできる。従って、長期的な観点でみると、RTCを用いずにAC電源同期で時刻管理を行う方が高精度になる。そこで、親機コントローラ8は、商用AC電源によって駆動しているときに、定期的に親機RTC3とAC同期時刻の偏差を求める。親機コントローラ8は、この偏差に基づいて、親機RTC3の補正設定値を変更する。これにより、親機コントローラ8は、親機RTC3を用いて正確な時刻情報を取得することができる。
【0023】
なお、親機1は、親機RTC3を用いて時刻情報を取得するものに限らない。親機1は、例えば、特許文献1に開示された電波時計レピータと同様に、有線または無線によってインターネットに接続され、インターネットを経由して時刻情報を取得してもよい。
【0024】
親機コントローラ8は、標準電波データ設定回路9に接続されている。親機コントローラ8は、親機RTC3等を用いて取得した正確な時刻情報を標準電波データ設定回路9に出力する。標準電波データ設定回路9は、親機コントローラ8から入力された時刻情報に基づいて、疑似標準電波のデータとなるタイムコードを設定する。タイムコードには、例えば、年、月、日、時、分等の時刻情報が含まれる。標準電波データ設定回路9は、設定した標準電波データ(タイムコード)を親機コントローラ8に出力する。
【0025】
親機コントローラ8は、常時はスリープ状態になっている。親機コントローラ8は、予め決められた起動日時D10になると起動して、子機11からの呼出信号が届くのを待つ。親機コントローラ8は、子機11からの呼出信号を受信すると、子機11との間の通信を確立し、時刻情報信号としての標準電波データを、無線モジュール5を用いて子機11に送信する。
【0026】
図3ないし図6に示すように、子機11は、親機1から送信された標準時に応じた時刻情報信号を受信して疑似標準電波を出力する子機本体20を有している。図5に示すように、子機本体20は、子機リアルタイムクロック21(以下、子機RTC21という)、電源部22、無線モジュール23、疑似標準電波出力部24、子機コントローラ30を備えている。子機本体20は、子機ケーシング12内に収容されている。これに加えて、子機11は、表示部25、設定部26を備えている。
【0027】
なお、子機本体20は、時刻情報信号を受信して疑似標準電波を出力すればよく、例えば電源部22を省いてもよい。この場合、電源部22は子機ケーシング12の外側に配置され、子機RTC21、無線モジュール23、疑似標準電波出力部24、子機コントローラ30は電源部22から供給される電力によって駆動する。
【0028】
子機RTC21は、親機RTC3とほぼ同様に構成されている。このため、子機RTC21は、例えば水晶振動子等を用いて構成され、時刻を計時する。子機RTC21は、子機コントローラ30に接続されている。子機RTC21には、子機コントローラ30を介して電源部22から電力が供給される。このため、子機RTC21は、電源部22から供給される電力によって駆動する。子機RTC21は、子機11の時刻設定部(図示せず)によって入力された初期時刻に基づいて現在の時刻を求める。子機RTC21の初期時刻は、必ずしも子機11によって設定する必要はなく、親機1と子機11との間の通信を使用して、親機1によって設定してもよい。子機RTC21は、現在の時刻に応じた信号を子機コントローラ30に出力する。また、子機RTC21にも、親機RTC3と同様に、誤差を修正するための補正機能が組み込まれている。なお、子機RTC21にも、親機RTC3と同様に、例えばボタン型電池、コンデンサ等からなるバックアップ電源に接続してもよい。
【0029】
電源部22は、子機コントローラ30に接続されている。電源部22は、子機コントローラ30に向けて電力を供給する。電源部22は、電池ユニット22A、過放電保護回路22B、電源スイッチ22C、電池電圧確認回路22D、レギュレータ22Eを備えている。
【0030】
電池ユニット22Aは、例えば互いに直列接続された複数の電池(図示せず)を備えている。電池ユニット22Aは、複数の電池を収容するソケット(図示せず)を有している。電池ユニット22Aは、過放電保護回路22Bとレギュレータ22Eを介して子機コントローラ30に向けて電力を供給する。過放電保護回路22Bは、過放電から電池を保護する。レギュレータ22Eは、電池ユニット22Aからの出力電圧を子機コントローラ30が必要な一定の低電圧(例えば、3.3V)に変換する。電源スイッチ22Cは、過放電保護回路22Bに接続されている。電源スイッチ22CがONのときには、電池ユニット22Aから子機コントローラ30に電力が供給される。電源スイッチ22CがOFFのときには、電池ユニット22Aから子機コントローラ30への電力供給が遮断される。電池電圧確認回路22Dは、過放電保護回路22Bと子機コントローラ30に接続されている。電池電圧確認回路22Dは、電池ユニット22Aからの出力電圧を検出し、検出信号を過放電保護回路22Bと子機コントローラ30に出力する。
【0031】
無線モジュール23は、子機側通信部を構成している。無線モジュール23は、無線モジュール5と同様に構成されている。子機11の無線モジュール23は、親機1の無線モジュール5との間で、LPWAの無線通信を行う。無線モジュール23は、例えば920MHz帯でのLoRa通信方式を使用する。無線モジュール23は、アンテナ(図示せず)から920MHz帯の電波を送信または受信する。
【0032】
なお、親機1と子機11の間は、LPWAの無線通信を行うものとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、親機1と子機11の間は、例えばBluetooth(登録商標)、BLE等を含む各種の無線通信を行う構成としてもよい。
【0033】
疑似標準電波出力部24は、標準電波出力回路24A、コイル24B、コンデンサ24Cを備えている。標準電波出力回路24Aは、子機コントローラ30に接続されている。標準電波出力回路24Aは、例えば40kHzの搬送波信号に子機コントローラ30から入力されるタイムコード(標準電波データ)を変調して、コイル24Bに供給する。コイル24Bは、アンテナコイルを構成している。コイル24Bは、直径が5~10mm程度(例えば7mm)で、軸方向の長さ寸法が8~15mm程度(例えば10mm)の小型のインダクタである。コイル24Bとコンデンサ24Cは、制御回路基板24Dに実装されると共に、互いに並列接続されている(図5参照)。このとき、コイル24Bとコンデンサ24Cは、Q値が40kHzとなった共振回路を構成している。コイル24Bは、標準電波出力回路24Aから供給される信号に基づいて、40kHzの疑似的な標準電波(疑似標準電波)を放射する。このため、疑似標準電波出力部24は、低消費電力でコイル24Bから40kHzの疑似標準電波を効率よく放射することができる。
【0034】
なお、疑似標準電波出力部24は、40kHzの疑似標準電波を出力するものに限らず、60kHzの疑似標準電波を出力してもよい。また、疑似標準電波の周波数は、40kHzと60kHzのいずれか一方が選択される構成としてもよい。
【0035】
図3に示すように、標準電波を受信する電波時計Cの受信アンテナAは、電波時計Cの左右方向の中央部分に配置される傾向がある。この点を考慮して、コイル24Bは、子機ケーシング12の左右方向の中央部分に配置されている。即ち、コイル24Bは、子機ケーシング12の左右方向に対して、アジャスタ機構18の取付具18Eと略同じ位置に配置されている。一方、電波時計Cの壁掛け穴は、電波時計Cの左右方向に対して、中央部分に配置されている。これにより、子機11を電波時計Cの背面に取り付けたときには、コイル24Bは、電波時計Cの受信アンテナAと近付いた位置に配置される。この結果、電波時計Cの受信アンテナAは、コイル24Bからの疑似標準電波に対する感度が高くなる。また、コイル24Bは、子機ケーシング12の上側部分に配置されている。
【0036】
表示部25は、子機ケーシング12の正面に取り付けられている。表示部25は、例えば単色のチップLED、フルカラーLED等によって構成されている。表示部25は、例えば2個のLEDによって構成され、子機コントローラ30に接続されている。表示部25は、現在の子機11の状態(ステータス)に応じて点灯する。具体的には、表示部25は、スリープ状態、駆動状態、親機1との通信状態、エラー状態等に応じて、消灯、点灯、点滅、点灯色等が切り換わる。
【0037】
設定部26は、例えば表示部25と隣り合う位置に取り付けられている。設定部26は、例えばロータリースイッチによって構成され、子機コントローラ30に接続されている。設定部26は、ロータリースイッチを操作することによって、子機11の番号を設定する。これにより、複数の子機11が単一の親機1と通信を行う場合でも、親機1は、これらの子機11を個々に判別して、子機11に標準電波データを送信することができる。
【0038】
アクセススイッチ27は、例えば表示部25の下側位置に取り付けられ、子機コントローラ30に接続されている。アクセススイッチ27を押すと、親機1に子機11の設定部26に応じた子機番号が通知され、親機1に子機11が登録される。
【0039】
電源スイッチ22Cは、例えば設定部26の下側位置に取り付けられ、子機コントローラ30に接続されている。電源スイッチ22Cを押すことによって、子機11は駆動を開始する。これにより、子機コントローラ30は、メモリ30Aに格納されたプログラムを実行する。
【0040】
子機コントローラ30は、無線モジュール23および疑似標準電波出力部24を制御する子機制御手段である。子機コントローラ30は、例えばマイコンピュータ等によって構成されている。子機コントローラ30は、メモリ30Aに格納されたプログラムに従って駆動する。子機コントローラ30は、子機RTC21に基づく時刻を、親機コントローラ8からの標準電波データに基づいて修正する。これにより、子機コントローラ30は、子機RTC21を用いて正確な時刻情報を取得することができる。
【0041】
子機コントローラ30は、疑似標準電波出力部24に接続されている。子機コントローラ30は、子機RTC21を用いて取得した正確な時刻情報を疑似標準電波出力部24に出力する。疑似標準電波出力部24は、取得した時刻情報に基づいて、タイムコード(標準電波データ)が変調された疑似標準電波の信号を生成し、コイル24Bから疑似標準電波を放射させる。
【0042】
子機コントローラ30は、常時はスリープ状態になっている。子機コントローラ30は、予め決められた起動日時D11になると起動して、親機コントローラ8に呼出信号を送信する。呼出信号に基づいて、子機11と親機1との間で通信が確立されたときには、親機コントローラ8は、標準電波データ設定回路9から取得した標準電波データを、無線モジュール5を用いて子機11に送信する。子機コントローラ30は、無線モジュール23を用いて標準電波データを受信したときに、子機RTC21に基づく時刻を、標準電波データに基づいて修正する。その後、子機コントローラ30は、再びスリープ状態になり、予め決められた開始時刻Tsになるまで待機する。
【0043】
開始時刻Tsになると、子機コントローラ30は、開始時刻Tsから終了時刻Teにわたって、子機RTC21を用いて取得した正確な時刻情報を疑似標準電波出力部24に出力する。これにより、子機11は、開始時刻Tsから終了時刻Teにわたって、コイル24Bから疑似標準電波を放射させる。なお、疑似標準電波は、開始時刻Tsから終了時刻Teにわたって、連続的に出力してもよく、一定時間毎に間欠的に出力してもよい。
【0044】
親機1は、商用AC電源に接続されるため、常時起動してもよい。しかしながら、消費電力を低減するために、親機1は、起動日時D10から必要な時間だけ駆動するのが好ましい。なお、親機1の起動日時D10は、子機11の起動日時D11と同日である。しかしながら、子機RTC21による時刻の誤差を許容できるように、起動日時D10の時刻は、起動日時D11の時刻よりも数分程度(例えば5分程度)早くなっている。これにより、子機11が呼出信号を送信するときには、親機1は駆動状態になっている。
【0045】
開始時刻Tsと終了時刻Teは、これらの間に電波時計Cが標準電波を受信して時刻を修正する時刻が含まれるように設定されている。一般的に、電波時計Cは、午前2:00から午前3:30の間に標準電波を受信して、時刻を修正している。このため、開始時刻Tsは、例えば午前1:55頃に設定されており、終了時刻Teは、午前3:35頃に設定されている。また、子機11の起動日時D11は、例えば開始時刻Tsの1時間前に設定されている。
【0046】
起動日時D10,D11は、例えば1日から30日の間で予め決められた日数間隔が設定されている。具体的には、起動日時D10,D11は、例えば2週間(14日)の日数間隔が設定されている。従って、例えば子機11の起動日時D11が1月1日の午前0:50頃に起動する場合、親機1は、起動日時D10として1月1日の午前0:45頃に起動する。また、次回に親機1および子機11が起動する日(次回の起動日)は、2週間後の1月15日になっている。起動日時D10,D11、開始時刻Ts、終了時刻Teは、使用者の要求や電波時計Cの仕様等に応じて、適宜変更可能としてもよい。また、本実施形態では、子機11から親機1を呼び出すものとしたが、親機1から子機11を呼び出す構成としてもよい。
【0047】
なお、本実施形態では、子機11が起動する日数間隔は、2週間である場合を例示したが、本発明はこれに限らない。例えば、子機11が起動する日数間隔は、1日ないし13日のいずれかの日数でもよく、15日ないし30日のいずれかの日数でもよい。子機11が起動する日数間隔は、電波時計Cの時刻精度や子機11の消費電力等を考慮して、適宜設定される。また、電波時計Cが昼間に標準電波を受信して時刻を修正する場合には、その時刻の疑似標準電波を送信するように、開始時刻Tsと終了時刻Teを設定してもよい。
【0048】
図3図4図6ないし図8に示すように、子機11は、子機ケーシング12、掛止め具13、アジャスタ機構18を備えている。子機ケーシング12は、所定の厚さ寸法を有する薄い箱状に形成され、本体収容部12Aと、蓋部12Bとによって構成されている。本体収容部12Aは、例えば四角形の箱状に形成され、前面側が開口している。本体収容部12Aの内部には、子機RTC21、電源部22、無線モジュール23、疑似標準電波出力部24、子機コントローラ30等からなる子機本体20が収容されている。
【0049】
蓋部12Bは、平板状に形成され、ねじ止め等によって本体収容部12Aに取り付けられている。蓋部12Bは、本体収容部12Aの前面側に位置して、本体収容部12Aの開口部分を覆っている。蓋部12Bの中央部分には、窓部12Cが形成されている。窓部12Cは、例えば四角形の貫通穴によって構成され、その内部には電源スイッチ22C、表示部25、設定部26、アクセススイッチ27等が露出している。
【0050】
掛止め具13は、子機ケーシング12の上部に取り付けられている。掛止め具13は、壁面取付具Fの先端部Ftが挿入される壁掛け穴14Aが形成された板体14と、壁面取付具Fの先端部Ftよりも下側に位置して、壁掛け穴14Aを水平方向(図3中の左右方向)に跨いで板体14に取り付けられる閂部材としてのロックバー15と、を備えている。掛止め具13は、板体14に設けられ、水平方向に延びるロックバー15の両端を保持する2つの保持部16,17をさらに備えている。
【0051】
板体14は、例えば金属材料、樹脂材料等を用いて剛性をもった長方形の平板状に形成されている。板体14の中央部分には、例えば五角形の貫通孔からなる壁掛け穴14Aが形成されている。壁掛け穴14Aのうち最上部に位置する角部14Bには、例えば建物の壁面Wに取り付けられたフック状をなす壁面取付具Fの先端部Ftが挿入される。これにより、掛止め具13は、子機11を壁(壁面W)に掛止め状態で固定する。板体14には、ロックバー15が取り付けられている。板体14の壁掛け穴14Aには、角部14Bの下端に位置して周壁部分を三角形状に切欠いた切欠き部14Cが形成されている(図8参照)。切欠き部14Cには、壁掛け穴14A内に挿入されたロックバー15の抜止め部15Cが接触する。このため、抜止め部15Cが切欠き部14Cに引っ掛かることによって、抜止め部15Cの水平方向の変位は制限される。また、板体14は、その下側に前側に向けてL字型に屈曲した2つの脚部14Dを備えている。脚部14Dは、ボルト等と用いて子機ケーシング12の本体収容部12Aに取り付けられている。
【0052】
なお、板体14の形状は、長方形に限らず、種々の形状が選択可能である。また、壁掛け穴14Aは、五角形状に限らず、三角形状、菱形状でもよく、多角形状でもよい。壁掛け穴14Aは、円形状や楕円形状でもよい。
【0053】
図3図4に示すように、ロックバー15は、板体14の左右方向の両端側に設けられた保持部16,17に取り付けられている。ロックバー15は、壁掛け穴14Aの角部14Bよりも下側に位置して、壁掛け穴14Aを跨いで板体14の左右方向に延びている。壁面Wに固定された壁面取付具Fの先端部Ftは、ロックバー15を取外した状態で、壁掛け穴14Aに挿入され、角部14Bの位置で固定される。これにより、ロックバー15は、壁(壁面W)に固定された壁面取付具Fが壁掛け穴14Aの角部14Bに挿入されるのを許す。ロックバー15は、壁掛け穴14Aに壁面取付具Fが挿入された後に、掛止め具13に取り付けられる。これにより、ロックバー15は、壁掛け穴14Aの開口面積を小さく制限する。
【0054】
図9ないし図13に示すように、ロックバー15は、一方の保持部16に係合する第1係合部15Aと、他方の前記保持部17に係合する第2係合部15Bと、を有している。ロックバー15は、壁面取付具Fの先端部Ftが壁掛け穴14Aから抜けるのを抑制する抜止め部15Cを有している。ロックバー15は、例えば樹脂材料によって水平方向の延びる細長い板状に形成され、板体14の厚さ方向に弾性変形が可能になっている。ロックバー15は、樹脂材料に限らず、例えば金属材料によって形成されてもよい。
【0055】
第1係合部15Aは、保持部16と板体14との間に挿入される。第1係合部15Aは、水平方向に延びる帯状に形成されている。第1係合部15Aの先端部分には、基端側に向けて厚み寸法が大きくなった楔部15A1が形成されている。第1係合部15Aの先端部分を保持部16と板体14との間に挿入したときに、楔部15A1は、保持部16と板体14とに接触して、保持部16と板体14との間に挟まれた状態で支持される。これにより、第1係合部15Aは、保持部16と板体14との間から抜け出るのが抑制されている。
【0056】
第2係合部15Bは、保持部17よりも前側に位置して抜止め部15Cに連結された前面連結部15B1と、前面連結部15B1の端部を折り返した形状に形成されて他方の保持部17と板体14との間に挿入される折返し部15B2とを備えている。前面連結部15B1および折返し部15B2は、水平方向に延びる帯状に形成されている。前面連結部15B1と第1係合部15Aとは、板体14の厚さ方向(前後方向)に対して異なる位置に配置される。即ち、前面連結部15B1は、第1係合部15Aよりも板体14の前側に配置される。一方、折返し部15B2の先端部分は、板体14の厚さ方向に対して、第1係合部15Aと略同じ位置に配置される。
【0057】
第2係合部15Bを保持部17に取り付けたときには、前面連結部15B1と折返し部15B2との間に保持部17が挟まれる。このとき、保持部17は、前面連結部15B1および折返し部15B2によって取り囲まれる。これにより、第2係合部15Bは、板体14の前側方向への変位が規制されると共に、保持部16に近付く方向への変位が規制される。
【0058】
抜止め部15Cは、第1係合部15Aと第2係合部15Bとの間に位置して第1係合部15Aおよび第2係合部15Bに連結され、壁面Wに向けて突出して、壁掛け穴14Aに挿入される。抜止め部15Cは、例えばV字型に折れ曲がった形状に形成され、ロックバー15の厚み方向に向けて突出した凸部となっている。抜止め部15Cは、壁面取付具Fの先端部Ftに近い上側部分が下側部分に比べて壁面Wに向けて突出している。即ち、先端部Ftの上側部分の突出寸法は、先端部Ftの下側部分の突出寸法よりも大きくなっている。子機11が壁面取付具Fに掛止めされた状態で、子機11を上側に変位させると、抜止め部15Cの上端部分が壁面取付具Fの下側に接触する。これにより、抜止め部15Cは、電波時計Cを子機11から取外すときに、子機11から壁面取付具Fが抜けるのを阻止する。
【0059】
抜止め部15Cの突出端は、例えば板体14よりも壁面W側に突出している。但し、抜止め部15Cの突出端が壁面Wに接触すると、抜止め部15Cの突出端と壁掛け穴14Aの角部14Bで子機11を支持することになり、子機11が不安定になる虞れがある。このため、抜止め部15Cの突出端が壁面Wに接触しない範囲で、板体14よりも壁面W側に突出するように、抜止め部15Cの突出寸法は設定されている。また、抜止め部15Cの厚み寸法は、第1係合部15Aおよび第2係合部15Bの厚み寸法よりも小さく設定されている。これにより、ロックバー15を板体14に取り付けるときには、ロックバー15は、抜止め部15Cの位置でロックバー15の厚み方向に容易に撓み変形することができる。
【0060】
図3図4図8に示すように、保持部16は、板体14のうち水平方向の一側(図3中の右側)に設けられている。保持部16は、フック部を構成しており、板体14の前側に突出して先端側が上側に向けて延びたL字形状に形成されている。保持部16は、例えば金属材料からなる板体14をくり抜いて形成された四角形の短冊部からなり、この短冊部を板体14の前側にL字状に突出するように折曲げ加工することによって形成されている。保持部16は、ロックバー15の第1係合部15Aを保持する。
【0061】
保持部17は、板体14のうち水平方向の他側(図3中の左側)に設けられている。保持部17は、保持部16と同様に形成されている。このため、保持部17は、板体14の前側に突出して先端側が上側に向けて延びたL字形状に形成されている。保持部17は、ロックバー15の第2係合部15Bを保持する。
【0062】
図3図4図8に示すように、アジャスタ機構18は、レール部材18A、スペーサ18C、スライダ18D、取付具18Eを備えている。レール部材18Aは、掛止め具13の板体14の前面に位置して上下方向に延びている。レール部材18Aの中央部分には、上下方向に延びる細長いスリットからなるガイド穴18Bが形成されている。レール部材18Aは、例えば3個のスペーサ18Cを介して板体14の前面側に取り付けられている。スペーサ18Cは、レール部材18Aの上端部分に1個配置されると共に、レール部材18Aの下端部分に2個配置されている。レール部材18Aと掛止め具13との間にスペーサ18Cが介在することによって、レール部材18Aは、間隔をもって板体14と対面している。レール部材18Aと板体14との間には、ロックバー15が挿通されている。
【0063】
スライダ18Dは、レール部材18Aを挟んで互いに対面した2枚の板状部材によって構成されている。スライダ18Dの中央部分は、レール部材18Aのガイド穴18Bに挿入されている。スライダ18Dは、ガイド穴18Bに沿って上下方向に位置をずらすことができる。
【0064】
スライダ18Dの中央部分には、取付具18Eの基端が挿入されている。取付具18Eは、電波時計Cの壁掛け穴(図示せず)に挿入され、電波時計Cを支持する。取付具18Eは、円柱状の棒状部と、棒状部の先端に形成され棒状部よりも径方向寸法の大きな円板部とによって構成されている。取付具18Eは、例えば金属材料によって形成されている。円板部の外周面には、ローレット加工が施されている。取付具18Eの円板部は、電波時計Cが取付具18Eから抜け落ちるのを防止する抜止め部となっている。
【0065】
取付具18Eの棒状部の基端には、ボルトが形成されている。このボルトが締まる方向に取付具18Eの円板部を回転させたときに、スライダ18Dの2枚の板状部材は、互いに接近する方向に変位する。これにより、スライダ18Dは、2枚の板状部材によってレール部材18Aを挟持した状態となって、上下方向に対する変位が規制され、位置決め固定される。
【0066】
ボルトが緩む方向に取付具18Eの円板部を回転させたときに、スライダ18Dの2枚の板状部材は、互いに離間する方向に変位する。これにより、スライダ18Dは、2枚の板状部材によるレール部材18Aの挟持状態が解除され、上下方向に対する変位が可能になる。
【0067】
次に、図3図4図7図8図12図13を参照して、子機11を壁面取付具Fに取り付けるときのロックバー15の使用方法および機能について説明する。
【0068】
子機11を壁面取付具Fに取り付けるときには、ロックバー15を取り外した状態で、壁面取付具Fの先端部Ftを掛止め具13の壁掛け穴14Aに挿入する。その後、子機11を自由状態にすると、子機11には自重によって下側に向かう力が作用し、壁面取付具Fが壁掛け穴14Aの角部14Bに接触する。これにより、J字状の壁面取付具Fに板体14が引っ掛かり、子機11は、壁面取付具Fに掛止めされた状態になる。但し、この状態では、壁面取付具Fの先端部Ftに比べて壁掛け穴14Aの開口面積が大きいため、振動等によって子機11が水平方向や前後方向に変位したり、壁面取付具Fの先端部Ftが壁掛け穴14Aから抜けてしまう可能性がある。
【0069】
そこで、ロックバー15を板体14に取り付けることによって、壁掛け穴14Aの開口面積を小さくする。図8に示すように、ロックバー15を板体14に取り付けるときには、板体14とアジャスタ機構18のレール部材18Aとの間に、ロックバー15を横から差し込み、左から右に向けて第1係合部15Aの先端を移動させる。そして、壁掛け穴14Aの下側を跨ぐようにロックバー15を配置し、第1係合部15Aの先端を保持部16と板体14との間に挿入する。このとき、ロックバー15の抜止め部15Cは、壁掛け穴14Aを挟んで左右方向で保持部16と反対側の位置(図3中の左側)で板体14と対面した位置に配置される。そこで、ロックバー15の抜止め部15Cの突出端(先端)を板体14の前面に接触させた状態で、ロックバー15を保持部16に向けて水平方向に移動させる(図13参照)。
【0070】
このとき、抜止め部15Cが板体14に乗り上げながら、ロックバー15をスライドさせることによって、抜止め部15Cは壁掛け穴14Aに挿入される。これにより、ロックバー15の組付け作業性が向上している。また、ロックバー15は、他の部分に比べて抜止め部15Cの板厚だけ薄くなっている。このため、抜止め部15Cが板体14に乗り上げたときに、ロックバー15は柔軟に撓み変形し、ロックバー15が板体14に組み付くようにしている。
【0071】
また、抜止め部15Cの上側部分が下側部分よりも板体14側に向けて突出している。このため、抜止め部15Cの先端部分は、上下方向に対して斜めに傾斜している。この結果、抜止め部15Cの先端部分と板体14との接触面積を減少させることができ、抜止め部15Cと板体14との摩擦抵抗が少なくなっている。
【0072】
抜止め部15Cが壁掛け穴14Aに到達すると、抜止め部15Cが壁掛け穴14A内に進入し、第2係合部15Bが板体14に近付く方向に変位する。これにより、図13中に二点鎖線で示すように、第2係合部15Bの前面連結部15B1は、保持部17の前面に接触した状態になる。この状態で、ロックバー15を保持部16に向けて水平方向に移動させる。第1係合部15Aの先端が保持部16に引っ掛かる。これに続いて、第2係合部15Bの折返し部15B2の先端が保持部17に引っ掛かる。このとき、第1係合部15Aおよび折返し部15B2を保持部16,17に挿入し易くするために、第1係合部15Aおよび折返し部15B2の先端部分には面取りが施されている。
【0073】
第1係合部15Aの楔部15A1が保持部16を越えて右側に進出すると、楔部15A1の厚肉部分が板体14に接触し、板体14の表面(前面)に強く干渉し、ロックバー15は停止する。これにより、ロックバー15にはクリック感、ホールド感が発生し、ロックバー15の取り付け作業者は、ロックバー15の第1係合部15Aがしっかり固定されていることが分かる。このように、ロックバー15は、第1係合部15Aおよび第2係合部15Bを備えることによって、板体14に対する取付性が向上している。このため、例えば高所に電波時計Cを配置するために、作業者が手を伸ばして子機11を壁面Wに取り付けるときであっても、保持部16,17に対してロックバー15を容易に取り付けることができる。
【0074】
ロックバー15の両端が保持部16,17に保持されたときには、抜止め部15Cの突出端部分が壁掛け穴14Aに挿入される。このとき、抜止め部15Cは、保持部16,17よりも壁面Wに向けて突出すると共に、J字状に屈曲した壁面取付具Fの下端部分(屈曲部分)の下側に近接して配置される。
【0075】
子機11を壁面取付具Fに取り付けた後に、子機11に重なり合うように電波時計Cを近付けて、電波時計Cの壁掛け穴に子機11の取付具18Eを挿入する。これにより、電波時計Cが子機11に固定される。このとき、子機11は、電波時計Cと壁面Wとの間に配置され、子機11の前面は、電波時計Cによって覆われる。この結果、電波時計Cの背面に位置する子機11が疑似標準電波を放射するから、周囲環境に影響されることなく電波時計Cに子機11からの疑似標準電波を届けることができる。
【0076】
例えば電波時計Cの電池を交換するときには、子機11から電波時計Cを取り外す。このとき、電波時計Cの壁掛け穴は、一般的に電波時計Cが自重で電波時計Cが下側に変位することによって固定されるような形状になっている。このため、子機11から電波時計Cを取り外すときには、電波時計Cを上側に持ち上げながら、前側に引っ張るように移動させる。このとき、J字状に屈曲した壁面取付具Fの先端部Ftは、斜め上側に向けて延びている。このため、ロックバー15自体が存在しない場合やロックバー15の抜止め部15Cを省いた場合には、電波時計Cの壁掛け穴が子機11の取付具18Eに引っ掛かって電波時計Cと一緒に子機11が上側に変位したときに、子機11の壁掛け穴14Aから壁面取付具Fの先端部Ftは抜けてしまい、子機11が落下する虞れがある。
【0077】
これに対し、本実施形態では、ロックバー15は、壁面Wに向けて突出して壁掛け穴14Aに挿入される抜止め部15Cを備えている。このため、電波時計Cと一緒に子機11が前側(壁面Wから離れる方向)に引っ張られたときには、子機11は、壁面取付具Fの底部分のばらつき代の分だけ前側に移動するものの、壁面取付具Fの周囲の隙間は、抜止め部15Cによって制限される。また、電波時計Cと一緒に子機11が上側に変位するときには、壁面取付具Fの下端部分(屈曲部分)に壁掛け穴14Aに挿入された抜止め部15Cの上端部分が接触する。この結果、子機11が上側に変位するのを規制することができ、壁面取付具Fの先端部Ftが壁掛け穴14Aから抜けるのを抑制することができる。これにより、子機11の落下を防止しつつ、子機11から電波時計Cを取り外すことでき、子機11や床面の損傷を防止することができる。
【0078】
かくして、本実施形態では、親機1から送信された標準時に応じた時刻情報信号を受信して疑似標準電波を出力する子機本体20を有する電波時計レピータ用子機11であって、子機本体20が収容された子機ケーシング12と、子機ケーシング12に設けられ、壁面Wに固定された壁面取付具Fに子機ケーシング12を掛止めする掛止め具13と、壁掛け式の電波時計Cに子機ケーシング12が重なるように、子機ケーシング12のうち壁面Wと反対側となる前面に電波時計Cを固定する取付具18Eと、を備えている。
【0079】
これにより、子機11は、壁掛け式の電波時計Cに重なるように、電波時計Cの背面と壁面Wとの間に取り付けられる。このため、電波時計Cの背面に位置する子機11が疑似標準電波を放射するから、周囲環境に影響されることなく電波時計Cに子機11からの疑似標準電波を届けることができる。
【0080】
また、掛止め具13は、壁面取付具Fの先端部Ftが挿入される壁掛け穴14Aが形成された板体14と、壁面取付具Fの先端部Ftよりも下側に位置して、壁掛け穴14Aを水平方向に跨いで板体14に取り付けられるロックバー15(閂部材)と、を備え、ロックバー15は、壁面取付具Fの先端部Ftが壁掛け穴14Aから抜けるのを抑制する抜止め部15Cを有している。
【0081】
このとき、壁面取付具Fに子機11を取り付けるときには、ロックバー15を板体14から取り外した状態で、掛止め具13の壁掛け穴14Aに壁面取付具Fの先端部Ftを挿入する。これにより、大きな開口面積を有する壁掛け穴14Aに壁面取付具Fの先端部Ftを挿入することができ、子機11の掛止め具13を壁面取付具Fに容易に取り付けることができる。また、掛止め具13の壁掛け穴14Aに壁面取付具Fの先端部Ftを挿入した後には、掛止め具13の板体14にロックバー15を取り付ける。これにより、壁掛け穴14Aの開口面積を小さくことができ、壁掛け穴14Aの角部14Bに壁面取付具Fの挿入部分を配置することができると共に、先端部Ftが壁掛け穴14Aから抜けるのを抑制することができる。
【0082】
これに加えて、ロックバー15は抜止め部15Cを有しているから、子機11の取付具18Eから電波時計Cを取り外すときに、電波時計Cと一緒に子機11が上側に変位するときでも、壁面取付具Fの先端部Ftが壁掛け穴14Aから抜けるのを抑制することができる。この結果、子機11から電波時計Cを取り外すときに、子機11が落下するのを抑制することができる。
【0083】
本実施形態では、掛止め具13は、板体14に設けられ、水平方向に延びるロックバー15の両端を保持する2つの保持部16,17をさらに備え、ロックバー15は、一方の保持部16に係合する第1係合部15Aと、他方の保持部17に係合する第2係合部15Bと、を有し、抜止め部15Cは、第1係合部15Aと第2係合部15Bとの間に位置して第1係合部15Aおよび第2係合部15Bに連結され、壁面Wに向けて突出して、壁掛け穴14Aに挿入される。
【0084】
このため、子機11が上側に変位するときには、壁面取付具Fの先端部Ftの下端部分に壁掛け穴14Aに挿入された抜止め部15Cの上端部分が接触する。この結果、子機11が上側に変位するのを規制することができ、壁面取付具Fの先端部Ftが壁掛け穴14Aから抜けるのを抑制することができる。
【0085】
このとき、抜止め部15Cは、壁面取付具Fの先端部Ftに近い上側部分が下側部分に比べて壁面Wに向けて突出している。このため、子機11が壁面Wから離れる方向に変位しつつ上側に移動するときでも、壁面取付具Fの先端部Ftの下端部分に抜止め部15Cの上端部分を接触させることができる。一方、抜止め部15Cの突出寸法が大きくなるのに応じて、ロックバー15を板体14に設けられた保持部16,17に取り付けるときに、抜止め部15Cが板体14に干渉して、取付性が悪化する傾向がある。これに対し、本実施形態では、抜止め部15Cの上側部分に比べて抜止め部15Cの下側部分の突出寸法を小さくすることができ、抜止め部15Cの下側部分が上側部分と同程度に突出したものに比べて、ロックバー15の取付性を向上させることができる。
【0086】
本実施形態では、2つの保持部16,17は、板体14の前側に突出して先端側が上側に向けて延びたL字形状に形成され、第1係合部15Aは、一方の保持部16と板体14との間に挿入され、第2係合部15Bは、他方の保持部17よりも前側に位置して抜止め部15Cに連結された前面連結部15B1と、前面連結部15B1の端部を折り返した形状に形成されて他方の保持部17と板体14との間に挿入される折返し部15B2とを備えている。
【0087】
このため、ロックバー15を板体14に取り付けるときには、壁掛け穴14Aを跨ぐようにロックバー15を配置し、第1係合部15Aの先端を保持部16と板体14との間に挿入する。その後、第2係合部15Bの前面連結部15B1を保持部17の前面に接触させた状態で、ロックバー15を保持部16に向けて水平方向に移動させる。これにより、第2係合部15Bの折返し部15B2の先端部分が保持部17と板体14との間に挿入され、ロックバー15が固定される。これにより、ロックバー15の取付性を向上させることができる。
【0088】
子機11は、電波時計Cの垂直方向に沿って取付具18Eの位置を調整することができるアジャスタ機構18を備えている。このため、子機11は、電波時計Cの垂直方向に沿って電波時計Cに対する相対的な位置を調整することができる。従って、電波時計Cの背面に子機11を配置した場合に、電波時計Cの上側または下側に子機11の一部が露出(はみ出す)するときであっても、アジャスタ機構18を用いて、電波時計Cに対する子機11の相対的な位置を調整することができる。これにより、子機11の全体または大部分を電波時計Cで覆うことができ、電波時計Cの背面に子機11を隠すことができる。
【0089】
また、子機11は、時刻情報信号を受信する無線モジュール23(子機側通信部)と、アンテナとしてのコイル24Bを有し、標準電波データ(時刻情報信号)に基づいてコイル24Bから疑似標準電波を出力する疑似標準電波出力部24と、を備え、アジャスタ機構18は、電波時計Cの垂直方向に対してコイル24Bの位置を調整することができる。このため、電波時計Cの受信アンテナAが疑似標準電波の受信するときの感度が高くなるように、子機11のコイル24Bと電波時計Cの受信アンテナAの相対位置を調整することができる。
【0090】
本実施形態では、親機1と子機11との間の通信には、標準電波に比べて波長が短い電波(例えば、900MHz帯の電波)が使用されている。このため、親機1と子機11が異なる部屋に配置された場合でも、親機1と子機11の間で通信が可能になる。この結果、子機11は、親機1からの時刻情報信号を受信することができ、時刻情報信号に基づいて疑似標準電波を出力することができる。
【0091】
また、子機11は、電池ユニット22Aからの電力によって駆動するため、商用電源への接続が不要である。このため、壁掛け式の電波時計Cの近くに商用電源が配置されていない環境であっても、子機11を使用することができる。
【0092】
さらに、子機11は電波時計Cの背面に取り付けられるから、疑似標準電波の届く範囲は10~50cm程度(例えば30cm)で十分であり、疑似標準電波の出力を小さくすることができる。このため、子機11の平均電流を例えば0.2mA/h以下まで低減することができ、子機11の電池交換の頻度を例えば1年当り1回程度まで低下させることができる。
【0093】
なお、子機11は、垂直方向(上下方向)に対して電波時計Cとの相対位置を調整可能なアジャスタ機構18を備えるものとしたが、本発明はこれに限らない。例えば子機11が電波時計Cの背面に隠れる程度に十分に小型で、かつ電波時計Cが子機11からの疑似標準電波を受信可能であれば、アジャスタ機構18を省いてもよい。即ち、取付具18Eは、上下方向に対して変位不能な状態で固定されたものでもよい。
【0094】
前記実施形態では、取付具18Eは、レール部材18A等を介して掛止め具13の板体14に取り付けられるものとしたが、本発明はこれに限らない。取付具18Eは、例えば子機ケーシング12に取り付けられてもよい。
【0095】
子機11は、親機1からの時刻情報信号を直接的に受信するものとしたが、本発明はこれに限らない。例えば子機11の無線モジュール23は、親機1と他の子機11との間の通信を中継する機能を備えてもよい。この場合、子機11は、他の子機11を介して親機1からの時刻情報信号を間接的に受信することができる。
【0096】
前記実施形態では、閂部材は水平方向に延びる帯状のロックバー15によって形成するものとしたが、本発明はこれに限らない。閂部材は、例えば水平方向に延びる棒状部材でもよく、平板部材でもよい。
【0097】
前記実施形態では、ロックバー15の抜止め部15Cは、上側部分が下側部分よりも壁面W側に突出するものとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、ロックバー15の抜止め部15Cは、上側部分と下側部分が壁面W側に向けて同程度に突出したものでもよく、下側部分が上側部分よりも壁面W側に突出してもよい。
【0098】
前記実施形態では、ロックバー15の第2係合部15Bは、保持部17よりも前側に位置して抜止め部15Cに連結された前面連結部15B1と、前面連結部15B1の端部を折り返した形状に形成されて他方の保持部17と板体14との間に挿入される折返し部15B2とを備えるものとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、図14に示す第1の変形例によるロックバー41(閂部材)のように、第1係合部41A、第2係合部41Bおよび抜止め部41Cを備える構成としてもよい。この場合、第1係合部41Aは、第1係合部15Aと同様に構成される。また、抜止め部41Cは、抜止め部15Cと同様に構成される。これに対し、第2係合部41Bは、保持部17と板体14との間に挿入されて抜止め部15Cに連結された連結部41B1と、連結部41B1の端部を前側で折り返した形状に形成された折返し部41B2とを備えている。
【0099】
前記実施形態では、ロックバー15の抜止め部15Cは、上方から平面視したときにV字型に屈曲した形状としたが、本発明はこれに限らない。図15に示す第2の変形例によるロックバー51(閂部材)のように、第1係合部51Aと第2係合部51Bとの間に連結された抜止め部51Cは、平面視したときに例えば中実な三角柱形状に形成してもよい。このとき、第1係合部51Aは、第1係合部15Aと同様に構成され、第2係合部51Bは、第2係合部15Bと同様に構成されている。また、ロックバーの抜止め部は、中実な四角柱形状、半円形状等でもよい。さらに、ロックバーの抜止め部は、平面視したときに例えば四角形状、多角形状、円形状、楕円形状に曲がった形状でもよい。
【0100】
前記実施形態では、ロックバー15を保持する保持部16,17は、板体14の前側に突出して先端側が上側に向けて延びたL字形状に形成するものとしたが、本発明はこれに限らない。保持部は、ロックバー(閂部材)が容易に脱着することができるものであればよく、例えば上端と下端が板体に取り付けられたリング状でもよく、他の形状や構造のものでもよい。
【0101】
前記実施形態では、ロックバー15を備えた掛止め具13は、掲示対象物である電波時計Cと壁面Wとの間に取り付けられる中間取付装置である電波時計レピータ用子機11に適用するものとした。ロックバー15を備えた掛止め具13は、掲示対象物である絵画やパネルと壁面との間に取り付けられ、絵画等を照らす中間取付装置としての照明装置や間接照明装置に適用してもよい。また、ロックバー15を備えた掛止め具13は、掲示対象物である壁掛け時計やモニタと壁面との間に取り付けられ、時計等の表示方向を調整する中間取付装置としてのモニタ支持装置に適用してもよい。
【0102】
前記実施形態では、壁面取付具Fは先端部Ftが斜め上側に向けて延びるJ字状に形成されるものとしたが、本発明はこれに限らない。壁面取付具は、例えば子機11の取付具18Eと同様に、軸部の先端に外径寸法の大きな皿頭が形成された釘状部材でもよい。この場合、壁掛け穴14Aの開口面積がロックバー15によって小さく制限されたときに、この開口面積が皿頭の面積と同等または小さくなることによって、壁掛け穴14Aから壁面取付具が抜けるのを抑制することができる。
【符号の説明】
【0103】
1 親機
11 子機(電波時計レピータ用子機)
12 子機ケーシング
13 掛止め具
14 板体
14A 壁掛け穴
14B 角部
15,41,51 ロックバー(閂部材)
15A,41A,51A 第1係合部
15B,41B,51B 第2係合部
15B1 前面連結部
15B2,41B2 折返し部
15C,51C 抜止め部
16,17 保持部
18 アジャスタ機構
18E 取付具
20 子機本体
C 電波時計
W 壁面
F 壁面取付具
Ft 先端部
図1
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