(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077083
(43)【公開日】2024-06-07
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240531BHJP
【FI】
G06Q30/0601
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188911
(22)【出願日】2022-11-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】519259205
【氏名又は名称】株式会社コミュニティオ
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 賢治
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】石川 暁
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB22
5L049BB22
(57)【要約】 (修正有)
【課題】贈与可能な上限数または金額を超えて贈与要求したデジタルギフトの贈与者の厚意が無駄になるのを防ぐ情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システムにおいて、仲介サーバは、記憶部と制御部とを有する。記憶部は、複数のユーザが他のユーザへデジタルギフトを贈与するギフト権利を示すギフト権利情報、複数のユーザにそれまでに贈与されたデジタルギフトの数または金額を示す贈与ギフト情報とを記憶する。制御部は、デジタルギフトの贈与先として第2のユーザが選択された場合に、贈与ギフト情報を基に当該第2のユーザに贈与されたデジタルギフトの数または金額が所定の上限に達しているか否かを判定する。制御部は、数又は金額が上限に達していると判定した場合、第2のユーザへのデジタルギフトの贈与に代えて、他のユーザへギフトを贈与するギフト権利を第2のユーザへ付与するギフト権利情報を生成する。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザが他のユーザへデジタルギフトを贈与するギフト権利を示すギフト権利情報と、前記複数のユーザにそれまでに贈与されたデジタルギフトの数または金額を示す贈与ギフト情報とを記憶する記憶部と、
前記複数のユーザのうち前記ギフト権利を有する第1のユーザのユーザ端末において、前記デジタルギフトの贈与先として第2のユーザが選択された場合に、前記贈与ギフト情報を基に当該第2のユーザに贈与されたデジタルギフトの数または金額が所定の上限に達しているか否かを判定し、
前記数または金額が前記上限に達していないと判定した場合、前記第2のユーザのユーザ端末への前記デジタルギフトの贈与を許容し、
前記数または金額が前記上限に達していると判定した場合、前記第2のユーザへの前記デジタルギフトの贈与に代えて、他のユーザへ前記デジタルギフトを贈与するギフト権利を前記第2のユーザへ付与する前記ギフト権利情報を生成する、
制御部
を具備する情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、前記数または金額が前記上限に達していると判定した場合、前記第2のユーザへの前記デジタルギフトの贈与に代えて、前記第2のユーザに前記ギフト権利が付与される旨を示す情報を前記第1のユーザ端末に出力させる
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、前記各ユーザが有する前記ギフト権利の数を示す情報を前記ユーザ端末に表示可能であり、前記第2のユーザへの前記デジタルギフトの贈与に代えて前記第2のユーザの前記ギフト権利情報が生成された場合、前記第2のユーザのユーザ端末に、前記第2のユーザのギフト権利の数を示す情報を、当該数が1つ増加するように更新して表示させるとともに、前記第1のユーザによって当該ギフト権利が付与されたことを示す情報を出力させる
情報処理システム。
【請求項4】
請求項1または2に記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、前記各ユーザが他のユーザへ贈与したデジタルギフトの贈与履歴情報を前記ユーザ端末に表示可能であり、前記第2のユーザへの前記デジタルギフトの贈与に代えて前記第2のユーザの前記ギフト権利が付与された場合、前記第1のユーザのユーザ端末に、前記第1のユーザの前記贈与履歴情報の一部として、当該生成されたギフト権利情報を示す情報を出力させる
情報処理システム。
【請求項5】
請求項1または2に記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、前記付与されたギフト権利による前記デジタルギフトの贈与可能対象先から前記第1のユーザを除外する
情報処理システム。
【請求項6】
複数のユーザが他のユーザへデジタルギフトを贈与するギフト権利を示すギフト権利情報と、前記複数のユーザにそれまでに贈与されたデジタルギフトの数または金額を示す贈与ギフト情報とを記憶し、
前記複数のユーザのうち前記ギフト権利を有する第1のユーザのユーザ端末において、前記デジタルギフトの贈与先として第2のユーザが選択された場合に、前記贈与ギフト情報を基に当該第2のユーザに贈与されたデジタルギフトの数または金額が所定の上限に達しているか否かを判定し、
前記贈与ギフト数または金額が前記上限に達していないと判定した場合、前記第2のユーザのユーザ端末への前記デジタルギフトの贈与を許容し、
前記贈与されたデジタルギフトの数または金額が前記上限に達していると判定した場合、前記第2のユーザへの前記デジタルギフトの贈与に代えて、前記第2のユーザが他のユーザへ前記デジタルギフトを贈与するギフト権利を付与するギフト権利情報を生成する、
情報処理方法。
【請求項7】
情報処理装置に、
他のユーザへデジタルギフトを贈与するギフト権利を有する第1のユーザが、前記デジタルギフトの贈与先として第2のユーザが選択した場合に、当該第2のユーザにそれまでに贈与されたデジタルギフトの数または金額を示す情報を取得し、当該贈与されたデジタルギフトの数または金額が所定の上限に達しているか否かを判定するステップと、
前記贈与されたデジタルギフトの数または金額が前記上限に達していないと判定した場合、前記第2のユーザのユーザ端末への前記デジタルギフトの贈与を前記第1のユーザに促す情報を出力するステップと、
前記贈与されたデジタルギフトの数または金額が前記上限に達していると判定した場合、前記第2のユーザへの前記デジタルギフトの贈与に代えて、前記第2のユーザが他のユーザへ前記デジタルギフトを贈与するギフト権利を付与することを示す情報を出力するステップと
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルギフトのやり取りを管理することが可能な情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザ間でデジタルギフトを贈るための技術が知られている。
【0003】
例えば下記特許文献1には、様々なイベントの会場で、注文者が、PCや携帯電話、スマートフォン等を用いてシステムのWEBサイト上から会場内の特定人物を受取人として、会場で販売されているドリンクやフードをオンライン決済により奢る事ができるシステムが開示されている。当該特許文献1には、注文が短時間に集中したり、一人に集中したりしないように、商品の金額又は一人の参加者に奢る商品の件数の上限を設定することも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、あるユーザに対して注文されたデジタルギフトが上限に達した場合には、単にそのユーザに対してデジタルギフトが注文できなくなるのみであるため、上限に達した後にそのユーザに対してデジタルギフトを注文した注文者の厚意は無駄になってしまう。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、贈与可能な上限数または金額を超えて贈与要求したデジタルギフトの贈与者の厚意が無駄になるのを防ぐことが可能な情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る情報処理システムは、記憶部と制御部とを有する。前記記憶部は、複数のユーザが他のユーザへデジタルギフトを贈与するギフト権利を示すギフト権利情報と、前記複数のユーザにそれまでに贈与されたデジタルギフトの数または金額を示す贈与ギフト情報とを記憶する。前記制御部は、前記複数のユーザのうち前記ギフト権利を有する第1のユーザのユーザ端末において、前記デジタルギフトの贈与先として第2のユーザが選択された場合に、前記贈与ギフト情報を基に当該第2のユーザに贈与されたデジタルギフトの数または金額が所定の上限に達しているか否かを判定する。そして制御部は、前記数または金額が前記上限に達していないと判定した場合、前記第2のユーザのユーザ端末への前記デジタルギフトの贈与を許容し、前記数または金額が前記上限に達していると判定した場合、前記第2のユーザへの前記デジタルギフトの贈与に代えて、他のユーザへ前記デジタルギフトを贈与するギフト権利を前記第2のユーザへ付与する前記ギフト権利情報を生成する。
【0008】
この構成により情報処理システムは、デジタルギフト贈与時に贈り先のユーザの贈与ギフトの数または金額が上限数に達していた場合には、当該贈与を許容しない代わりに贈与先のユーザに他のユーザへデジタルギフトを贈与する権利を付与することで、贈与可能な上限数または金額を超えて贈与要求したデジタルギフトの贈与者の厚意が無駄になるのを防ぐことができ、ひいては、デジタルギフトをより多くのユーザ間で贈り合わせることができる。これは、贈与元のユーザから見ると、ギフトを贈与する権利を贈与先のユーザに譲渡することになる。当該ギフト権利情報の生成は、第1のユーザによる承認を必要としてもよい。また当該ギフト権利情報の生成は、上記上限に達していると判定した時であってもよいし、その時から所定時間(例えば数時間、1日等)経過した時であってもよい。上記数の上限は、デジタルギフトの単価に応じて、合計金額が所定金額(例えば3000円)となる個数等に設定され得る。上記金額の上限は例えば3000円であるがこれに限られない。
【0009】
前記制御部は、前記数または金額が前記上限に達していると判定した場合、前記第2のユーザへの前記デジタルギフトの贈与に代えて、前記第2のユーザに前記ギフト権利が付与される旨を示す情報を前記第1のユーザ端末に出力させてもよい。
【0010】
これにより情報処理システムは、単にデジタルギフトの贈与可能数または額に上限があることを贈与元のユーザに示す場合に比べて、贈与元のユーザに、自身の行為が贈与先のユーザに還元されることで無駄にはなっていないこと(むしろより多くのユーザにデジタルギフトを広められる効果があること)を知らせて納得感を与えることができる。
【0011】
前記制御部は、前記各ユーザが有する前記ギフト権利の数を示す情報を前記ユーザ端末に表示可能であり、前記第2のユーザへの前記デジタルギフトの贈与に代えて前記第2のユーザの前記ギフト権利情報が生成された場合、前記第2のユーザのユーザ端末に、前記第2のユーザのギフト権利の数を示す情報を、当該数が1つ増加するように更新して表示させるとともに、前記第1のユーザによって当該ギフト権利が付与されたことを示す情報を出力させてもよい。
【0012】
これにより情報処理システムは、贈与先のユーザに、第1のユーザがデジタルギフトを贈与しようとしたことで自身のギフト権利が生成されたことを把握させることができる。
【0013】
前記制御部は、前記各ユーザが他のユーザへ贈与したデジタルギフトの贈与履歴情報を前記ユーザ端末に表示可能であり、前記第2のユーザへの前記デジタルギフトの贈与に代えて前記第2のユーザの前記ギフト権利が付与された場合、前記第1のユーザのユーザ端末に、前記第1のユーザの前記贈与履歴情報の一部として、当該生成されたギフト権利情報を示す情報を出力させてもよい。
【0014】
これにより情報処理システムは、贈与元のユーザに、第2のユーザのギフト権利の生成を、デジタルギフトの贈与行為と異なるものの同等の価値を有する事象として把握させることができる。
【0015】
前記制御部は、前記付与されたギフト権利による前記デジタルギフトの贈与可能対象先から前記第1のユーザを除外してもよい。
【0016】
これにより情報処理システムは、贈与元のユーザと贈与先のユーザが互いにデジタルギフトを無限に贈り合うことが可能となりデジタルギフトの贈与可能数に上限を設定したことが無意味になってしまうのを防ぐことができる。また上限に達した場合にデジタルギフトの贈与に代えてギフト権利を贈与する回数にも上限を設けてもよい。これにより、3者間、4者間等、贈り合う人数が増えた場合でも対処可能である。
【0017】
本発明の他の形態に係る情報処理方法は、
複数のユーザが他のユーザへデジタルギフトを贈与するギフト権利を示すギフト権利情報と、前記複数のユーザにそれまでに贈与されたデジタルギフトの数または金額を示す贈与ギフト情報とを記憶し、
前記複数のユーザのうち前記ギフト権利を有する第1のユーザのユーザ端末において、前記デジタルギフトの贈与先として第2のユーザが選択された場合に、前記贈与ギフト情報を基に当該第2のユーザに贈与されたデジタルギフトの数または金額が所定の上限に達しているか否かを判定し、
前記贈与ギフト数または金額が前記上限に達していないと判定した場合、前記第2のユーザのユーザ端末への前記デジタルギフトの贈与を許容し、
前記贈与されたデジタルギフトの数または金額が前記上限に達していると判定した場合、前記第2のユーザへの前記デジタルギフトの贈与に代えて、前記第2のユーザが他のユーザへ前記デジタルギフトを贈与するギフト権利を付与するギフト権利情報を生成するものである。
【0018】
本発明の他の形態に係るプログラムは、情報処理装置に、
他のユーザへデジタルギフトを贈与するギフト権利を有する第1のユーザが、前記デジタルギフトの贈与先として第2のユーザが選択した場合に、当該第2のユーザにそれまでに贈与されたデジタルギフトの数または金額を示す情報を取得し、当該贈与されたデジタルギフトの数または金額が所定の上限に達しているか否かを判定するステップと、
前記贈与されたデジタルギフトの数または金額が前記上限に達していないと判定した場合、前記第2のユーザのユーザ端末への前記デジタルギフトの贈与を前記第1のユーザに促す情報を出力するステップと、
前記贈与されたデジタルギフトの数または金額が前記上限に達していると判定した場合、前記第2のユーザへの前記デジタルギフトの贈与に代えて、前記第2のユーザが他のユーザへ前記デジタルギフトを贈与するギフト権利を付与することを示す情報を出力するステップと、を実行させるものである。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、贈与可能な上限数または金額を超えて贈与要求したデジタルギフトの贈与者の厚意が無駄になるのを防ぐことができる。しかし、当該効果は本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係るデジタルギフト仲介システムの構成を示したブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る仲介サーバによる、デジタルギフト贈与権利付与処理の流れを示したフローチャートである。
【
図3】本発明の一実施形態に係るデジタルギフト仲介システムによる、デジタルギフト送付処理の流れを示したシーケンス図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る仲介サーバによって表示されるビジネスコミュニケーションツールのタイムライン画面の例を示した図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る仲介サーバによって表示されるギフト贈与画面(マイギフト画面)の例を示した図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る仲介サーバによって表示されるギフト贈与画面の、ギフト送付時の画面遷移例を示した図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るデジタルギフト仲介システムによる、課金によるデジタルギフト贈与権利付与処理の流れを示したシーケンス図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る仲介サーバによる、ユーザ評価スコア算出処理の流れを示したフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施形態に係る仲介サーバによる、ユーザ評価スコアに基づくギフト贈与権利付与処理の流れを示したフローチャートである。
【
図10】本発明の一実施形態に係る仲介サーバによる、デジタルギフトの受贈可能額に上限を設定する処理の流れを示したフローチャートである。
【
図11】本発明の一実施形態に係る仲介サーバによる、受贈可能額に上限が設定された場合のデジタルギフト/ギフト権利送付処理の流れを示したフローチャートである。
【
図12】本発明の一実施形態に係る仲介サーバによる、受贈可能額に上限が設定された場合のデジタルギフト/ギフト権利送付処理の流れを示したフローチャートである。
【
図13】本発明の一実施形態に係る仲介サーバによる、受贈可能額に上限が設定された場合のデジタルギフト/ギフト権利送付処理の流れを示したフローチャートである。
【
図14】本発明の一実施形態に係る仲介サーバによる、受贈可能額に上限が設定された場合のデジタルギフト/ギフト権利送付処理の流れを示したフローチャートである。
【
図15】本発明の一実施形態において、デジタルギフトの送付先として選択されたユーザの受贈ギフト額が上限に達していない場合にユーザ端末に表示される画面の例を示した図である。
【
図16】本発明の一実施形態において、デジタルギフトの送付先として選択されたユーザの受贈ギフト額が上限に達している場合にユーザ端末に表示される画面の例を示した図である。
【
図17】本発明の一実施形態において、デジタルギフトに代えてギフト権利が送付された場合の送付先のユーザのマイギフト画面(受贈履歴画面)の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0022】
[システムの構成]
図1は、本実施形態に係るデジタルギフト仲介システムの構成を示したブロック図である。
【0023】
同図に示すように、このシステムは、仲介サーバ100と、各企業の複数のユーザ端末200と、デジタルギフト提供システム300と、金融機関システム400とがインターネット50等のネットワークを介して接続されて構成されている。
【0024】
ユーザ端末200は、企業の従業員であるユーザにより利用される端末であり、例えばノートブックPC(Personal Computer)、デスクトップPC、スマートフォン、タブレットPC等である。またユーザ端末200のユーザは、金融機関システム400を運営する金融機関に口座を有しているものとする。
【0025】
ユーザ端末200は、通信装置21を有する。通信装置21は、例えばEthernet用のNIC(Network Interface Card)や無線LAN等の無線通信用の各種モジュールであり、仲介サーバ100や金融機関システム400との間の通信処理を担う。また図示しないがユーザ端末200は、その他演算装置、記憶装置、入力装置、出力装置といったコンピュータとしての動作に必要なハードウェアを備えている。
【0026】
ユーザ端末200には、各企業の従業員同士が業務におけるコミュニケーションのために利用するビジネスコミュニケーションツール22(以下単にビジネスツール22とも称する)がインストールされている。
【0027】
ビジネスコミュニケーションツール22とは例えばMicrosoft Teams(登録商標)やSlack(登録商標)といったグループウェア、メッセージングアプリ、グループチャットアプリ、ビジネス用のSNS(Social Networking Service)、メーラー等であるがこれらに限られない。本実施形態では、ビジネスツール22の一例としてMicrosoft Teams(登録商標)が使用される例を説明する。
【0028】
本実施形態のビジネスツール22は、登録された従業員グループ間におけるチャット・通話機能、ビデオ会議機能、ファイル共有機能を有するほか、グループの従業員宛に、お礼、お祝い、賞賛といった各種の気持ちを示すステッカーとメッセージとがセットになったサンクスカード(以下、単にステッカーとも称する。)を投稿する機能をプラグインとして有する。このステッカーの投稿履歴はタイムライン上で閲覧可能となっている。
【0029】
そしてこのステッカーの投稿時においては、各従業員は任意で、ステッカーの宛先の従業員へデジタルギフトを贈与することが可能となっている。
【0030】
各ユーザ端末200のビジネスツール22は、各企業のビジネスツールシステム210によって管理されている。ビジネスツールシステム210は、各従業員の氏名、役職、入社年月日、所属部署、勤務体系等の従業員情報を管理するほか、各従業員がビジネスツール22を利用するためのアカウント情報を管理する。ビジネスツールシステム210によって管理され各ユーザ端末200へインストールされるビジネスツール22の数はもちろん1つに限られない。
【0031】
デジタルギフト提供システム300は、デジタルギフトを販売する企業によって運営されるサーバ等のコンピュータであり、図示しないが、演算装置、通信装置、記憶装置といったハードウェアを有する。
【0032】
デジタルギフト提供システム300は、各種のデジタルギフトを管理し、ユーザ端末200からの要求に応じて、当該ユーザ端末200のユーザが他のユーザへ贈与するデジタルギフトを発行する。
【0033】
デジタルギフトは、例えばコンビニエンスストア、レストラン、ネットショップ、その他各種小売店、デリバリーサービス、旅行予約サービス等の特定または不特定の商品についての割引や購入、所定のサービスの提供を受けられるデジタルクーポン等であるが、これに限られない。例えば各従業員に対して、現金の代わりに支払いに充てたり、様々な特典や景品と交換することができるポイントが付与される場合に、当該ポイントをデジタルギフトとして他の従業員に贈与できてもよい。
【0034】
仲介サーバ100は、上記ユーザ端末200の利用するビジネスツール22と、デジタルギフト提供システム300とを仲介するサーバであり、企業の各従業員が他の従業員へデジタルギフトを贈与する権利(以下、単にギフト権利とも称する)を管理している。
【0035】
仲介サーバ100は、上記ギフト権利に基づいてユーザ端末200から要求されたギフト贈与要求に応じて、デジタルギフト提供システム300へデジタルギフトの発行を要求し、発行されたデジタルギフトまたはそのURL(Uniform Resource Locator)を贈与先のユーザへ送信する。
【0036】
仲介サーバ100は、通信装置11、演算装置12、記憶装置13の各種ハードウェアを有する。また図示しないが、仲介サーバ100は、その他入力装置(マウス、キーボード、タッチパネル等)や出力装置(例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic ElectroLuminescence Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイス)を有する。
【0037】
通信装置11は、上記NICや無線LAN等の無線通信用の各種モジュールであり、ユーザ端末200やデジタルギフト提供システム300との間の通信処理を担う。
【0038】
演算装置12は、CPU(Central Processing Unit)等であり、各種演算処理を行いながら仲介サーバ100の各ブロック全体を統括的に制御する。
【0039】
記憶装置13は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶装置13には、OS(Operating System)や各種プログラム、各種データが記憶される。
【0040】
特に本実施形態では、記憶装置13は、各従業員のギフト権利を管理し、ビジネスツール22とデジタルギフト提供システム300とを仲介してデジタルギフトを送付するためのプログラムやデータを記憶している。
【0041】
演算装置12は、上記ギフト権利の管理及びデジタルギフトの送付に必要な処理を実行するための機能ブロックとして、投稿管理部121、ユーザ情報取得部122、ギフト権利管理部123、ギフト贈与処理部124、デジタルギフト送付部125、及び評価スコア算出部126を有する。
【0042】
また記憶装置13は、上記演算装置12の各機能ブロックが処理したデータを蓄積し、または当該処理において参照されるデータベースとして、投稿履歴データベース131、ギフト権利情報データベース132、ギフト贈与履歴データベース133、及び評価スコアデータベース134を有する。
【0043】
投稿管理部121は、各従業員によって投稿された上記ステッカーに関する投稿履歴情報(投稿日時、投稿ユーザ、投稿ステッカー、投稿メッセージ等)を投稿履歴データベース131により記憶・管理する。
【0044】
ユーザ情報取得部122は、各従業員へのギフト権利付与処理を実行する際に上記ビジネスツールシステム210から従業員情報(役職、所属部署、入社年月日等)を取得する。
【0045】
ギフト権利管理部123は、各従業員へ付与されたギフト権利に関する情報(個数、金額、有効期限等)を、上記各従業員のユーザ情報(ユーザ名、ユーザID等)と対応付けて、ギフト権利情報データベース132により記憶・管理する。
【0046】
ギフト贈与処理部124は、各従業員の上記ギフト権利に基づいてデジタルギフト提供システム300へ贈与対象のデジタルギフトの発行を要求し、その贈与履歴情報(贈与元ユーザ、贈与先ユーザ、贈与ギフト等)をギフト贈与履歴データベース133により記憶・管理する。
【0047】
デジタルギフト送付部125は、デジタルギフト提供システム300から発行されたデジタルギフトまたはそのURLを贈与先のユーザへ送信する。
【0048】
評価スコア算出部126は、上記デジタルギフトの受贈履歴を基に各従業員のユーザ評価スコアを算出し、それを評価スコアデータベース134により記憶・管理する。
【0049】
[システムの動作]
次に、以上のように構成されたデジタルギフト仲介システムの動作について説明する。当該動作は、仲介サーバ100の通信装置11、演算装置12等のハードウェアと、記憶装置13に記憶されたソフトウェアとの協働により実行される。以下の説明では、便宜上、演算装置11の上記各機能ブロックを主な動作主体とする。
【0050】
(ギフト権利付与処理)
まずギフト権利の付与処理について説明する。
図2は、仲介サーバ100による、ギフト権利付与処理の流れを示したフローチャートである。
【0051】
同図に示すように、仲介サーバ100のユーザ情報取得部122は、該当企業のビジネスツールシステム210へ、ギフト権利付与対象の従業員(ユーザ)のユーザ(従業員)情報の取得要求を送信する(ステップ21)。当該ユーザ情報取得要求は、例えば対象ユーザのユーザIDを含む。
【0052】
続いてユーザ情報取得部122は、上記ユーザ情報取得要求に応答してビジネスツールシステム210から送信されたユーザ情報を取得する(ステップ22)。
【0053】
ここで取得されるユーザ情報は、例えば、入社年度、勤続年数、役職(役員、部長、課長、係長等)、職位(統括、事業部長、所長、室長、テーマリーダー等)、所属組織、部署等の情報であるが、これらに限られない。
【0054】
続いて仲介サーバ100のギフト権利管理部123は、上記取得したユーザ情報を基に、対象ユーザのギフト権利の個数・金額・期間(有効期限)を算出する(ステップ23)。
【0055】
すなわち、ギフト権利管理部123は、入社年度または勤続年数が長いほど、また役職、職位、または等級が上位のユーザほど、付与されるギフト権利の個数を多く設定し、また使用可能な金額(ギフト1個当たりの単価)の上限を高く設定する。具体的には、ギフト権利管理部123は、予め設定されたギフト権利の基本個数及び基本額に、上記勤続年数や役職等に応じて設定された係数を乗じることでギフト権利の個数や金額を算出してもよい。
【0056】
またギフト権利管理部123は、特定の部署に所属している社員にのみ、ギフト権利を付与してもよい(部署予算でギフト権利を付与するケース)。
【0057】
またギフト権利の期間については、主に以下の3つのユースケースが考えられる。
(1)ギフト権利が付与される時期が決まっているケース(例:4月に付与)
(2)ギフト権利が付与されるタイミングが決まっていて、年に複数回付与されるケース(例:4月と10月に付与)
(3)ギフト権利が付与されるタイミングが決まっていないケース(キャンペーン、施策に応じて都度付与される)
【0058】
したがってギフト権利管理部123は、上記(1)~(3)によりギフト権利の付与タイミングが到来したこと、またはキャンペーン等が発生したことをトリガとしてギフト権利付与処理を開始する。
【0059】
またギフト権利管理部123は、ギフト権利の付与時期とは別に期間(有効期限)を設定する。ギフト権利がユーザに付与されていたとしても、その有効期限前は使用できない(例:4月に付与されていても、利用可能なのは5月から)。
【0060】
またギフト権利管理部123は、ギフト権利の有効期限を例えば付与後1か月間等、どのユーザにも一律に設定してもよいし、上記勤続年数や役職等に応じた長さに設定してもよい。有効期限が経過するとそのギフト権利は失効し使用不可となる。
【0061】
一方でギフト権利管理部123は、上記入社年度や役職等にかかわらずギフト権利の条件を全従業員で同一としても構わない。
【0062】
ギフト権利管理部123は、上記算出したギフト権利の情報(個数、金額、期間(有効期限))をユーザID等と対応付けて上記ギフト権利情報データベース132に格納し管理する(ステップ24)。
【0063】
ユーザ情報取得部122及びギフト権利管理部123は、以上の処理を対象ユーザ毎に繰り返す。
【0064】
なお上記ギフト権利の個数、単価、期間、および、付与対象となるデジタルギフトの商品種別については、上記権利付与後においても、企業のシステム管理者による管理画面上での入力により変更可能である。
【0065】
このように、各企業は例えば福利厚生の一環としてギフト権利を各従業員に付与することができ、また当該ギフト権利をインセンティブとしてビジネスツール22上での従業員間のコミュニケーションをより活発化することができる。
【0066】
(デジタルギフト送付処理)
次に上記ギフト権利の送付(贈与)処理について説明する。
図3は、仲介システムによる、デジタルギフト送付処理の流れを示したシーケンス図である。
【0067】
同図に示すように、まずユーザ端末200(贈与側)は、ビジネスツール22からの指示に基づき仲介サーバ100へデジタルギフト贈与要求を送信する(ステップ31)。当該デジタルギフト贈与要求は、デジタルギフトのID、名称、金額等、贈与要求対象のデジタルギフトを特定する情報を含む。また後述するが、当該デジタルギフト贈与要求は、上記ステッカーの送信要求と共に送信される。
【0068】
仲介サーバ100のギフト贈与処理部124は、ユーザ端末200から当該デジタルギフト贈与要求を受信すると(ステップ32)、ギフト権利情報データベース132を参照して、ギフト贈与要求の送信元のユーザが贈与可能なデジタルギフトの個数、単価、期間を判定する(ステップ33)。
【0069】
一例として、そのユーザのギフト権利の残数が0個の場合は贈与不可と判定する(個数で不可)。
【0070】
別の例として、ギフト権利の残数が1個以上あるが、設定単価(例えば500円)を超えた贈与要求の場合、贈与不可と判定する(単価で不可)。
【0071】
別の例として、ギフト権利の残数が1個以上あり、設定単価(例えば500円)の範囲内だが、贈与可能な期間が来月から開始する場合、贈与不可と判定する(期間で不可。有効期限前の贈与は不可)。
【0072】
別の例として、ギフト権利の残数が1個以上あり、設定単価(例えば500円)の範囲内だが、贈る期間が先月までで終了している場合、贈与不可と判定する(期間で不可。有効期限後の贈与は不可)。
【0073】
別の例として、ギフト権利の残数が1個以上あり、設定単価(例えば500円)の範囲内で、贈与可能期間内であれば、贈与可と判定する。
【0074】
ギフト贈与処理部124は、上記によりギフト贈与可と判定した場合、デジタルギフト提供システム300へ、上記デジタルギフトID等を含むデジタルギフト発行処理要求を送信する(ステップ34)。ギフト贈与不可と判定した場合には、その理由と共にギフト贈与不可をユーザ端末200へ通知する。
【0075】
デジタルギフト提供システム300は、仲介サーバ100からデジタルギフト発行処理要求を受信すると、デジタルギフト発行処理を行う(ステップ35)。すなわち、当該デジタルギフト発行処理要求に含まれるデジタルギフトIDに対応するデジタルギフトを店舗等で利用するためのコード情報等を生成し、対応する金額について、予め設定された手法で決済を実行する。そしてデジタルギフト提供システム300は、当該デジタルギフトの発行情報仲介サーバ100へ送信する(ステップ36)。
【0076】
ギフト贈与処理部124は、デジタルギフト提供システム300からデジタルギフト発行情報を受信すると、それをギフト贈与履歴データベース133へ格納する(ステップ37)。またこのときギフト権利管理部123は、贈与側のユーザのギフト権利情報を、ギフト権利を1個減じるように更新する。
【0077】
そしてデジタルギフト送付部125は、上記デジタルギフト発行情報に基づいてデジタルギフトをユーザ端末200(受贈側)へ送信する(ステップ38)。
【0078】
ここで、ビジネスツール22上でのデジタルギフト贈与処理のためのユーザインタフェースについて説明する。
【0079】
上述のように、ビジネスツール22ではステッカーの投稿履歴をタイムラインとして閲覧可能となっているが、デジタルギフト贈与要求のためのユーザインタフェースもこのタイムライン上に設けられている。
【0080】
すなわち、
図4に示すように、ビジネスツール22上では例えば左端に各種画面のタブ選択のためのアイコンが設けられており、そのうちステッカーアイコン41が選択されると、同図に示すようなステッカー投稿履歴のタイムライン画面40が表示される。
【0081】
当該タイムライン画面40上には、ステッカー投稿履歴41が上下に一覧表示され、また新規にステッカーを投稿するためのステッカー投稿ボタン42が上部に表示されるほか、例えばこの画面の左上に、各ユーザのデジタルギフトに関する情報を表示するマイギフトページへのリンクが設定されたマイギフトアイコン43が表示される。
【0082】
ユーザが当該マイギフトアイコン43を押下すると、
図5に示すようなマイギフトページが表示される。
【0083】
同図に示すように、当該マイギフトページは、各ユーザのギフト権利を示すギフト権利表示情報51と、これまでのデジタルギフト授受履歴を示すギフト履歴情報52を有する。
【0084】
ギフト権利表示情報51は、例えば、各ユーザに付与されたギフト権利の期間(有効期限)毎に、当該ギフト権利の個数をギフトアイコン53の数で示したものである。各ユーザのギフト権利の単価については、贈与可能なデジタルギフトリスト(後述)が表示される際に、当該単価以下のデジタルギフトしか表示されないことで、間接的にユーザに把握される。もちろん、ユーザのギフト権利の単価がマイギフトページ上に表示されていてもよい。
【0085】
図6は、当該マイギフトページ上からデジタルギフト贈与処理が実行される場合の画面遷移例を示した図である。
【0086】
同
図Aに示すように、ユーザ端末200のユーザが、マイギフトページのギフト権利表示情報51内のいずれかのギフトアイコン53をクリックすると、贈与可能なデジタルギフトリスト54が表示される。デジタルギフトリスト54は、例えばデジタルギフトの商品名、店舗名、金額、写真等からなるギフト欄が例えば上下方向に並んで構成される。
【0087】
続いて同
図Bに示すように、ユーザが上記デジタルギフトリスト54上からいずれかのギフトをクリックで選択すると、ステッカー送付画面55が表示される。当該ステッカー送付画面55は、ステッカーと共に送信されるメッセージの入力欄と共に、上記選択されたデジタルギフトの情報が表示される。
【0088】
そして当該ステッカー送付画面55上でユーザが送付先ユーザとステッカーを選択し、メッセージを入力して、「おくる」ボタン56をクリックすると、上述のようにデジタルギフト提供システム300へデジタルギフト発行要求が送信され、受贈側のユーザ端末200へデジタルギフトが送信される。なお送付先ユーザ及び/またはステッカーの選択の後に贈与するデジタルギフトの選択処理が行われてもよい。
【0089】
そして同
図Cに示すように、デジタルギフトの送信が完了すると、ギフト権利管理部123は、上記ギフト権利表示情報51を更新する。すなわち、ギフト権利表示情報51に表示されていた対応するギフトアイコン53を削除し、代わりに例えば「済」といった画像を表示させる。ギフトアイコン53を削除するのみで代わりの画像は表示させなくてもよい。これによりユーザは自身のギフト権利が1個減ったことを容易に把握できる。また投稿管理部121は、ギフト履歴情報52上に、当該デジタルギフト付きのステッカーの送信履歴を新たに掲載させる。
【0090】
さらに、受贈側のユーザ端末200のビジネスツール22のマイギフトページ上のギフト履歴情報52上には、上記デジタルギフトとともに送信されたステッカーの受信履歴が新たに表示されるとともに、当該デジタルギフトに対するリアクションが可能なリアクションボタンが表示される。そして当該リアクションボタンを受贈側のユーザがクリックすることで、それがリアクション情報として仲介サーバ100へ送信され、同
図Cに示すように、投稿管理部121により、対応するギフト履歴情報52内のステッカー送信履歴上に、受贈側のユーザからのデジタルギフトの贈与に対するリアクションを示すリアクションアイコン58が表示される。
【0091】
また投稿管理部121は、上記ステッカーの投稿履歴を、ステッカーの送信元及び送信先のユーザ以外のビジネスツール22のグループ内のユーザにタイムライン上で閲覧可能に管理する一方で、デジタルギフトの授受履歴については、その贈与元及び贈与先の各ユーザの上記マイギフトページのギフト履歴情報52でのみ閲覧可能で、その他のグループ内のユーザには閲覧不可に管理する。これにより、各従業員がデジタルギフトを贈与する行為を、それがグループ内のユーザに公開されることで躊躇してしまうのを防ぐことができる。
【0092】
(課金によるギフト権利付与処理)
上述の例では、各従業員の勤続年数や役職等によってギフト権利の個数や単価が異なる例を説明したが、それに加えて、各従業員が課金によりギフト権利を増やすことも可能である。
図7は、デジタルギフト仲介システムによる、課金によるデジタルギフト贈与権利付与処理の流れを示したシーケンス図である。
【0093】
同図に示すように、まずユーザ端末200は、例えばビジネスツール22の上記マイギフトページに設けられたギフト権利取得ボタン(図示せず)等を介して、仲介サーバ100へギフト権利取得要求を送信(ステップ41)。当該ギフト権利取得要求は、例えば、取得を希望するギフト権利の単価及び個数(例えば500円/個×4個)を示す情報を含む。
【0094】
仲介サーバ100のギフト権利管理部123は、当該ギフト権利取得要求を受信すると(ステップ42)、ユーザが取得を希望するギフト贈与権利の価格(課金額)を算出する(ステップ43)。上述の例であれば、500×4=2000円と算出される。
【0095】
続いてギフト権利管理部123は、金融機関システム400へ当該取得要求の送信元のユーザの登録口座の上記算出額分の減額処理の要求を送信する(ステップ44)。
【0096】
金融機関システム400は、当該減額処理要求を受信すると上記ユーザの登録口座減額処理を実行し(ステップ45)、減額処理結果を仲介サーバ100へ送信する(ステップ46)。
【0097】
ギフト権利管理部123は、当該減額処理結果を受信すると(ステップ47)、対応するギフト贈与権利情報をギフト贈与権利データベース132へ格納する(ステップ48)。上述の例の場合、上記課金額2000円に応じて、500円のギフト権利が4個増加するようにギフト権利情報が更新される。またギフト権利管理部123は、上記マイギフトページのギフト権利表示情報51上に、4個のギフトアイコンを新たに表示させる。
【0098】
なお課金に基づいて付与されるギフト権利には期間(有効期限)は設定されないか、または企業から無償で付与されるギフト権利の期間(例えば数週間、1か月等)と比較して長い期間(数か月、1年等)が設定される。
【0099】
そしてギフト権利管理部123は、取得要求元のユーザ端末200へ、ギフト権利が取得できたことを示すギフト権利取得結果を送信する(ステップ49)。
【0100】
このように、ユーザからの登録口座への課金額に応じて、ギフト権利情報の個数、単価または期間を変更することで、従業員の企業における立場等にかかわらず、例えば企業から無償で付与されたギフト権利を使い切った場合等でも、他の従業員にデジタルギフトを贈与したい従業員にギフト権利を付与することができる。
【0101】
ここで、上記ギフト権利管理部123は、企業から無償で付与されたギフト権利と、従業員の課金により付与されたギフト権利とを別個に取り扱い、上記マイギフトページ上でも、両者(のギフトアイコン53)をその領域を区別して表示する。一方、これに代えてギフト権利管理部123は、無償で付与されたギフト権利をグレードアップする(例えば金額を増加したり期間を長くしたりする)ために従業員からの課金を受け付けてもよい。
【0102】
また従業員による課金額の支払については、上述のように上記金融機関システム400に各従業員が有する登録口座(またはクレジットカード)から支払われてもよいし、従業員の給与から天引きされてもよい。
【0103】
またギフト権利管理部123は、上記登録口座とは別に、電子マネー用のウォレットを各従業員に設定し、マイギフトページ上で当該ウォレットに課金・残額確認できるようにしてもよい。
【0104】
この場合、従業員がウォレットに例えば1800円を課金したとすると、マイギフトページのウォレット残額には1800円が表示される。この状態で従業員は、例えば500円/個×3個=1500円のギフト権利の購入を要求すると、ウォレットから1500円が減額される。そしてマイギフトページのギフト権利表示情報51の課金領域には、購入した3個のギフト権利を示す3個のギフトアイコン53が表示され、ウォレット残額として300円が表示される。なお、ウォレットには、従業員が課金するのみならず、企業から福利厚生の一環として、例えば定期的に所定金額の電子マネーが課金されてもよい。また電子マネーとしてではなくポイントとして課金され、当該ポイントと電子マネーとの換算率が設定されており、各従業員は当該ポイントでギフト権利を購入してもよい。
【0105】
(ユーザ評価スコア算出処理)
本実施形態において、仲介サーバ100は、上記デジタルギフトのトラフィックデータに基づいてユーザを評価することが可能である。具体的には、仲介サーバ100は、デジタルギフトを贈与されたユーザを、当該贈与された回数に応じて評価したユーザ評価スコアを算出する。
図8は、仲介サーバ100による、ユーザ評価スコア算出処理の流れを示したフローチャートである。
【0106】
同図に示すように、仲介サーバ100の評価スコア算出部126はまず、ギフト贈与履歴データベース133から、対象ユーザについて、一定期間(例えば半年、1年等)内の贈与履歴を取得する(ステップ51)。当該取得のタイミングは、例えば半期終了時点、年度末時点等であるがこれに限られない。
【0107】
続いて評価スコア算出部126は、上記取得したギフト贈与履歴からユーザの評価スコアを算出する(ステップ52)。
【0108】
そしてスコア算出部126は、算出したユーザ評価スコアを評価スコアデータベース134へ格納する(ステップ53)。
【0109】
評価スコア算出部126は、以上の処理を対象ユーザ毎に繰り返す。
【0110】
ここで、評価スコアの算出処理の詳細について説明する。
【0111】
評価スコアの算出に際して管理すべきデータは、どのユーザからどのユーザに対して、何件のデジタルギフトが贈られたかである。これらのデータは、一定期間でリセットされてもよい(例えば、半期ごとにリセット、年度末リセット等)し、累積で詰み上がってもよい(いずれの場合も、ギフト贈与履歴データベース133のデータ自体は削除されない)。
【0112】
それぞれのデジタルギフトが贈られた件数は、デジタルギフトの受贈者が、「他者をサポートした」、「組織に貢献した」等の良い行動をした結果とみなす。また、そのような行動の背景には、その受贈者の「協調性」、「社会性」、「人望(徳)」等の目に見えない特性があったものとみなす。
【0113】
したがって評価スコア算出部126は、デジタルギフトを贈られた件数が多いユーザほど、好ましい行動、特性を行う人物ということと分析(意味づけ、評価)し、デジタルギフトを贈られた件数が多いユーザほど、そのユーザ評価スコアを高くする一方、単純に件数のみで評価するのではなく、好ましい行動、特性の項目に応じて異なる重みを付与してもよい。
【0114】
例えば、他者をサポートしたことによってデジタルギフトを贈られたと判断できる場合には、贈られた件数に係数0.8を掛ける一方で、その人の人望によってデジタルギフトを贈られたと判断できる場合には、贈られた件数に係数0.3を掛けてもよい。
【0115】
これは、他者をサポートしたという行為は事実として明らかな評価項目である一方で、人望はすぐに判別できる評価項目ではないため、前者に比べて後者はユーザ評価スコアとして溜まりにくくなるように、その係数を小さくしたものである。すなわち、評価項目としてじっくりと見極めるべきものほど、ユーザ評価スコアが溜まりにくくなるように係数を設定することができる。
【0116】
ここで、他者をサポートしたことによってデジタルギフトを贈られたのか、人望によってデジタルギフトを贈られたのかといった行動や特性については、当該デジタルギフトと共に送信されたステッカー及びメッセージを参照、解析することで判別可能である。
【0117】
また評価スコア算出部126は、同じユーザがデジタルギフトを贈られた場合でも、そのデジタルギフトが、贈り主が課金により購入したギフト権利に基づく場合には、贈り主に企業から無償で付与されたギフト権利に基づく場合よりも、ユーザ評価スコアを高く算定してもよい(例えば無償で付与されたギフト権利に基づくギフトが1に対して課金により付与されたギフト権利に基づくギフトは2と重みを付与する)。
【0118】
さらに、評価スコア算出部126は、デジタルギフトを贈与されたユーザのユーザ評価スコアを、当該贈与されたユーザと贈与したユーザとの関係に応じて重み付けしてもよい。
【0119】
すなわち、評価スコア算出部126は、デジタルギフトの贈与者と受贈者の役職、勤続年数、部署等の情報を基に、デジタルギフトを贈与されたユーザに対して、贈与したユーザが、上司なのか、部下なのか、同僚なのか、同じ部署か異なる部署か、等に応じて上記係数を異ならせてもよい。
【0120】
より具体的には、例えば、デジタルギフトの送り主が、デジタルギフトを贈られたユーザをいつも見ている直属の上司であれば高い係数(=評価が高くなる)、異なる部署の上司であれば少し低めの係数としたり、贈り主が同僚の場合は、贈り主が上司や部下の場合よりも係数を高くしたりすることが可能である。
【0121】
これらユーザの行動、特性に関する項目は任意で設定可能であり、また係数も任意で設定可能である。また評価スコア算出部126は、各ユーザのマイギフトページ上でそのユーザ自身のユーザ評価スコアを表示させてもよいし、企業のシステム管理者については全従業員のユーザ評価スコアを閲覧可能であってもよい。
【0122】
(評価スコアに基づくギフト権利付与処理)
仲介サーバ100は、上記算出したユーザ評価スコアを、ギフト権利として還元することも可能である。すなわち仲介サーバ100は、ユーザ評価スコアに応じて、各ユーザがデジタルギフトを贈与可能な件数、金額、期間のうち少なくとも1つを増加させてもよい。
図9は、仲介サーバ100による、ユーザ評価スコアに基づくギフト権利付与処理の流れを示したフローチャートである。
【0123】
同図に示すように、仲介サーバ100のギフト権利管理部123はまず、評価スコアデータベース134から、対象ユーザについて、一定期間(半期、1年等)内のユーザ評価スコアを取得する(ステップ61)。
【0124】
続いてギフト権利管理部123は、上記取得したユーザ評価スコアから、ギフト権利を算出する(ステップ62)。
【0125】
そしてギフト権利管理部123は、算出したギフト贈与権利情報をギフト権利情報データベース132へ格納し、上記マイギフトページ上のギフト権利表示情報51を更新する(ステップ63)。
【0126】
ギフト権利管理部123は、以上の処理を対象ユーザ毎に繰り返す。
【0127】
ここで、上記ユーザ評価スコアに基づくギフト権利算出処理の詳細について説明する。
【0128】
ギフト権利管理部123は、上記ユーザ評価スコアとして評価するユーザの好ましい行動、特性それぞれに閾値を設定し、ユーザ評価スコアが当該閾値を上回った場合にギフト権利を付与してもよい(例えば、好ましい行動、特性それぞれ、ユーザ評価スコア20ポイントごとに1個のギフト権利を付与)。
【0129】
また当該閾値を上回るごとにギフト権利が付与されてもよい(ユーザ評価スコア20ポイントで1個付与、40ポイントで2個付与)。または、複数の閾値が設定されユーザ評価スコアが各閾値を上回ると対応するギフト権利が付与されてもよい(20ポイントで1個付与、100ポイントで10個付与等)。
【0130】
またギフト権利管理部123は、好ましい行動、特性の合計値に閾値を設定し、ユーザ評価スコアが当該閾値を上回った場合にギフト権利を付与してもよい。
【0131】
なおユーザ評価スコアに基づいて付与されるギフト権利については、付与限度数が設定されていてもよい(例えば年間で最大20個/ユーザ等)。
【0132】
またギフト権利管理部123は、上記閾値を用いたギフト権利付与手法に代えて、各ユーザのユーザ評価値をそのままポイントとして扱い、上記マイギフトページ上で、ユーザの要求に応じて、所定のポイントごとにギフト権利とポイントとを交換可能としてもよい(例えば20ポイントで1個のギフト権利と交換可)。この場合も交換可能なギフト権利の限度数が設定されていてもよい(例えば年間で最大20個/ユーザ等)。
【0133】
またギフト権利管理部123は、個数のみならず単価の異なる複数のギフト権利を、上記ポイントに応じて交換可能としてもよい(20ポイントで250円×1個のギフト権利付与、40ポイントで250円×2個または500円×1個のギフト権利付与等)。
【0134】
このように仲介サーバ100は、ユーザ評価スコアをギフト権利としてユーザに還元することで、ユーザに、高評価によるギフト権利の獲得をインセンティブとして企業に貢献する活動(好ましい行動、特性)を促すことができる。
【0135】
(ギフト受贈可能数の上限の設定)
ところで、上述の実施形態において、少数の人にデジタルギフトの贈与が偏ってしまうと、従業員間に感謝や称賛を広く行き渡らせることが難しくなる。また、デジタルギフトを多くの額受け取ったユーザには、課税せざるを得なくなり、かえってユーザの不利益になる可能性があり、また給与担当者の業務も煩雑となる。
【0136】
そこで本実施形態において、各ユーザが受贈可能なデジタルギフトの数または金額(特定のユーザに贈与可能なデジタルギフトの数または合計額)に上限が設けられてもよい。そして仲介サーバ100は、あるユーザが他のユーザにデジタルギフトを贈与しようとした場合に、贈与先のユーザが受贈済みのデジタルギフトの数または金額が上限に達している場合には、単に贈与を許容しない代わりに、贈与先のユーザが他のユーザにデジタルギフトを贈与する権利(ギフト権利)を贈与先のユーザに付与してもよい。以下、この処理の詳細について説明する。
【0137】
図10は、本実施形態に係る仲介サーバ100による、デジタルギフトの受贈可能額に上限を設定する処理の流れを示したフローチャートである。なお以下では、仲介サーバ100はAPIサーバとして機能し、ユーザ端末200は、ビジネスツール22がブラウザ上でJavaScript等のウェブアプリケーションプログラムを実行することで以下の動作を実現するものとして説明する。
【0138】
同図に示すように、ギフト権利管理部123は、各企業からの依頼を受けた仲介サーバ100の管理者端末から、デジタルギフトの受贈可能額の上限設定要求を受信する(ステップ71)。当該上限設定要求は、企業を識別する企業ID及び上限金額を示す情報を含む。
【0139】
そうするとギフト権利管理部123は、上記企業IDに対応するギフト権利情報データベース132に上記上限金額を示す情報を格納する。上限金額は、現物給与として課税しなくてもよい程度の金額(いわゆる少額不追及)が好ましい(例えば3000円等)。
【0140】
当該上限は、例えば実施されるキャンペーンごとに設定されてもよいし、複数のキャンペーンにまたがって(各キャンペーンにおける受贈数・額の合算について)設定されてもよい。
【0141】
続いて、上記上限金額が設定された場合のデジタルギフト送付処理の詳細について説明する。
図11乃至
図14は、本実施形態の仲介サーバ100による、受贈可能額に上限が設定された場合のデジタルギフト送付処理の流れを示したフローチャートである。
【0142】
図11に示すように、まず、ユーザ端末200は、ユーザから、マイギフトページ上で、デジタルギフトの贈与先ユーザの選択を受け付けると(ステップ81)、当該選択されたギフト贈与先ユーザの受贈可能上限数情報を仲介サーバ200へ要求する(ステップ82)。
【0143】
仲介サーバ100のギフト贈与処理部124は、ギフト贈与先ユーザの受贈可能上限数情報要求を受信すると(ステップ83)、上記ギフト権利情報データベース132を参照して、当該受贈可能上限数を算出する(ステップ84)。
【0144】
具体的には、ギフト贈与処理部124は、デジタルギフトの種別として200円~500円がある場合、そのうち最も高い種別の金額(500円)をデジタルギフト1つの金額と仮定して、上記設定された上限金額(例えば3000円)を、当該デジタルギフト1つの金額(500円)で除算することで、当該贈与先のユーザのギフト受贈可能上限数(6個)を算出する。
【0145】
そしてギフト贈与処理部124は、上記算出したギフト受贈可能上限数を示す情報を上記要求元のユーザ端末200へ送信する(ステップ85)。
【0146】
ユーザ端末200は、上記ギフト受贈可能上限数の情報を受信すると(ステップ86)、上記ギフト贈与履歴データベース133から、上記贈与先のユーザがこれまでに受贈したデジタルギフトの数を取得し、当該取得した数が、上記ギフト受贈可能上限数に達しているか否かを判断する(ステップ87)。
【0147】
上記取得した数が、ギフト受贈可能上限数に達していないと判断した場合(ステップ87のNo)、ユーザ端末200は、
図12のAに進み、デジタルギフトの贈与を許容して、マイギフトページ上で、ユーザに上記贈与先のユーザにデジタルギフトを贈与することを促す情報を表示する(ステップ91)。
【0148】
図15は、この場合に表示される画面の例を示した図である。同図に示すように、当該画面では、デジタルギフトの贈与先を選択するためのアイコン61と、現在選択中の贈与先ユーザを示すアイコン62が表示されるとともに、例えば当該アイコン62を表示元として、当該選択中の贈与先ユーザにデジタルギフトを贈ることを促すテキストを含むポップアップ画面63が表示される。当該ポップアップ画面63には、贈るデジタルギフトを選択するための上記デジタルギフトリスト54(
図6参照)を表示するためのリンクボタン64も設けられ、ユーザが当該リンクボタン64を押下するとデジタルギフトリスト54が表示される。
【0149】
図12に戻り、上記デジタルギフトリスト54上でデジタルギフトを選択して「おくる」ボタン56を押下すると、ユーザ端末200は、仲介サーバ200へ、上記選択された贈与先ユーザへのデジタルギフト贈与要求を送信する(ステップ92)。
【0150】
仲介サーバ100のギフト贈与処理部124は、ユーザ端末200からデジタルギフト贈与要求を受信すると(ステップ93)、当該要求に従い、上述したデジタルギフト送信処理を実行する(ステップ94)。
【0151】
デジタルギフト送信処理が完了すると、ギフト贈与処理部124は、贈与元のユーザ端末200へ、デジタルギフトの送信結果を送信する(ステップ95)。
【0152】
それとともにギフト贈与処理部124は、デジタルギフト送信先のユーザ端末200へ、デジタルギフト送信を通知する(ステップ96)。
【0153】
贈与元のユーザ端末200は、仲介サーバ100からデジタルギフトの送信結果を送信すると(ステップ97)、当該送信結果(送信完了通知)を上記マイギフトページ上に表示する(ステップ98)。
【0154】
図11のステップ87において、上記取得した数が、ギフト受贈可能上限数に達していると判断した場合(ステップ87のYes)、ユーザ端末200は、
図13のBに進み、ギフト贈与に代えてギフト権利を譲渡するか否かをユーザに確認する確認画面を表示する(ステップ101)。
【0155】
図16は、当該確認画面の例を示した図である。同図に示すように、当該確認画面には、デジタルギフトの贈与先として選択されたユーザがデジタルギフト受贈可能金額の上限を超えていることを示す通知71と共に、贈与先として選択されたユーザに贈ろうとしたデジタルギフトが、当該選択されたユーザのギフト権利(ユーザが他のユーザにデジタルギフトを贈与する権利)に還元される旨のテキストを含むポップアップ画面72が表示される。なお上記通知71は、同図に示すように、「ギフトで満たされている」等の間接的な表現も含む。
【0156】
上記ポップアップ画面72には、当該デジタルギフトのギフト権利への還元が、従業員間に感謝・称賛を広く広める目的であることを示すテキストも表示される。これにより、単にデジタルギフトが贈与できないことを贈与元のユーザに知らせる場合に比べて、贈与元のユーザに、自身の行為が無駄にはなっていないこと(むしろより多くのユーザにデジタルギフトを広められる効果があること)を知らせて納得感を与えることができる。
【0157】
また、ポップアップ画面72の例えば下方には、上記デジタルギフトに代えてギフト権利を譲渡することをユーザが承認するか否かをユーザが入力するための承認ボタン73及び否認ボタン74が設けられる。ユーザ端末200は、ユーザによる承認ボタン73の押下により上記ギフト権利の譲渡が承認されたか否かを判断する(ステップ102)。
【0158】
否認ボタン74が押下された場合(ステップ102のNo)には、ユーザ端末200は、贈与処理を終了する。
【0159】
承認ボタン73が押下されギフト権利の譲渡が承認されたと判断した場合(ステップ102のYes)、ユーザ端末200は、仲介サーバ100へ、上記ギフト権利の譲渡要求を送信する(ステップ103)。
【0160】
仲介サーバ100のギフト贈与処理部124は、上記ギフト権利の譲渡要求を受信すると(ステップ104)、当該ギフト権利の譲渡処理を実行する(ステップ105)。当該譲渡処理は、対象がデジタルギフトからギフト権利に代わる以外は上記デジタルギフトの送信処理と同様である。
【0161】
ギフト権利譲渡処理が完了すると、ギフト贈与処理部124は、贈与元のユーザ端末200へ、ギフト権利の譲渡結果を送信する(ステップ106)。
【0162】
それとともにギフト贈与処理部124は、ギフト権利譲渡先のユーザ端末200へ、ギフト権利譲渡結果を通知する(ステップ107)。
【0163】
譲渡元のユーザ端末200は、仲介サーバ100からギフト権利の譲渡結果を送信すると(ステップ108)、当該譲渡結果(譲渡完了通知)を上記マイギフトページ上に表示する(ステップ109)。
【0164】
なお、複数キャンペーンが同時に実施されている場合に、あるキャンペーンにおいて贈与先に選択されたユーザがそのキャンペーンにおいては受贈金額が上限に達しており、他のキャンペーンでは上限に達していないということもあり得る。その場合、ユーザ端末200は、マイギフトページ上で、その旨を表示するとともに、「〇〇さんのこのキャンペーンのギフトは満たされています。他のキャンペーンのギフトを贈ってみましょう。」といったような他のキャンペーンにおけるデジタルギフトの贈与を促すメッセージを表示してもよい。
【0165】
当該譲渡処理に伴い、ギフト権利管理部123は、上記ギフト権利情報データベース132上の譲渡元のユーザのギフト権利情報を、ギフト権利を1個減じるように更新する。それとともにギフト権利管理部123は、当該譲渡元のユーザのマイギフトページ上のギフト権利表示情報51に表示されていた対応するギフトアイコン53を削除し、代わりに例えば「済」といった画像を表示させる。
【0166】
また投稿管理部121は、ギフト履歴情報52上に、当該ギフト権利の譲渡履歴を、デジタルギフトの授受履歴と並列的に新たに掲載させる。これにより譲渡元のユーザは、ギフト権利の譲渡行為を、デジタルギフトの贈与行為と異なるものの、それと同等の価値を有する事象として把握させることができる。
【0167】
一方、ギフト権利管理部123は、上記ギフト権利情報データベース132上の譲渡先のユーザのギフト権利情報を、ギフト権利を1個増加するように更新する。それとともにギフト権利管理部123は、
図16に示すように、当該譲渡先のユーザのマイギフトページのギフト権利表情報51に、新たなギフトアイコン53aを1つ追加表示させる。当該ギフトアイコン53aは、システム側から付与されたギフト権利を示すギフトアイコン53と区別するために、異なる表示態様で表示されてもよい。
【0168】
当該譲渡されたギフト権利は、例えば、譲渡元のデジタルギフトが属するキャンペーンと同じキャンペーンにおいて他のユーザの贈与可能なものとされる。
【0169】
また投稿管理部121は、
図16に示すように、譲渡先のユーザのギフト履歴情報52上に、上記譲渡元のユーザによって当該ギフト権利が付与されたこと(及び受贈ギフトが上限に達していたこと)を示す受贈履歴情報82を、デジタルギフトの受贈履歴情報81と並列的に表示する。
【0170】
これにより譲渡先のユーザは、譲渡元のユーザがデジタルギフトを贈与しようとしたことで自身のギフト権利が生成されたことを把握させることができる。
【0171】
なお、ギフト権利は、譲渡元のユーザから承認があった場合に即時に譲渡され使用可能とされるものであってもよいし、承認から所定期間経過後に譲渡先のユーザに通知され使用可能とされてもよい。
【0172】
ところで、上記ギフト権利が譲渡された場合に、譲渡先のユーザが、当該ギフト権利によって、ギフト権利譲渡元のユーザにデジタルギフトを贈ることが可能な場合、両者間でギフト権利とデジタルギフトを無限に贈り合うことが可能となってしまう。そこでギフト権利管理部123は、上記譲渡されたギフト権利によるデジタルギフトの贈与可能対象先から、当該ギフト権利の譲渡元のユーザを除外してもよい。また同様の趣旨から、ギフト受贈可能数/金額が上限に達しているユーザ間でギフト権利を譲渡することを禁止してもよい。これにより、デジタルギフトの贈与可能数/額に上限を設定したことが無意味になってしまうのを防ぐことができる。さらに、贈与先のユーザのデジタルギフトの受贈数または受贈金額が上限に達した場合にギフト権利を譲渡する回数にも上限(例えば5回等)を設けてもよい。これにより、2者間のみならず、3者間、4者間等、3人以上のユーザが結託してデジタルギフト(及びギフト権利)を無限に贈り合うような行為を防止することができる。
【0173】
[まとめ]
以上説明したように、本実施形態によれば、デジタルギフトの受贈可能数または金額に上限を設ける一方で、上限に達したユーザに対するデジタルギフト贈与要求があった場合には、代わりにギフト権利を譲渡可能としたため、贈与可能な上限数または上限金額を超えて贈与要求したデジタルギフトの贈与者の厚意が無駄になるのを防ぐことができる。それとともに、デジタルギフトを贈る楽しみ、貰う喜びを増やすことができ、感謝・称賛をより多くのユーザに広めることができる。
【0174】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0175】
上述の実施形態では、デジタルギフトはステッカーと共に送信される例が示されたが、ステッカーとは独立して贈与可能であってもよい。
【0176】
上述の実施形態では、デジタルギフト提供システム300が発行したデジタルギフトを、仲介サーバ100が受贈側のユーザ端末200へ直接送付していた。しかし、仲介サーバ100は、ステッカー送付時に、デジタルギフト提供システム300へ、デジタルギフト発行処理を要求する代わりに、デジタルギフトのURLを要求し、それを取得して受贈側のユーザ端末200へ例えばメールその他の通信手段で送信してもよい。
【0177】
この場合、送付されたステッカーはマイギフトページのギフト履歴情報52に履歴として蓄積される。またマイギフトページとは別にステッカーのタイムライン42上にも当該ステッカーは反映されるが、そこではデジタルギフトに関する情報は表示されない。
【0178】
上述の実施形態で示した仲介サーバ100は、単一のサーバとして示されたが、その機能が複数のサーバや情報処理装置に分散されたシステムとして構成されていても構わない。
【0179】
上記
図11のフローチャートでは、デジタルギフトの贈与先として選択されたユーザのデジタルギフト受贈数が上限に達しているか否かをユーザ端末200(アプリケーション)が判断する例を示した。これに代えて、当該判断を仲介サーバ100が行ってもよい。
【0180】
図17は、この場合のデジタルギフト送付処理の流れを示したフローチャートである。同図に示すように、ステップ101~104までの処理は、上記
図11のステップ81~84までの処理と同様であるが、その後、ギフト贈与処理部124は、上記算出したギフト受贈可能上限数を示す情報を上記要求元のユーザ端末200へ送信する代わりに、自ら、上記贈与先のユーザがこれまでに受贈したデジタルギフトの数を取得し、当該取得した数が、上記ギフト受贈可能上限数に達しているか否かを判断する(ステップ105)。
【0181】
ギフト贈与先ユーザの受贈ギフト数が上限に達していないと判断した場合(ステップ105のNo)、ギフト贈与処理部124は、その旨の情報をユーザ端末200へ送信する(ステップ106)。ユーザ端末200は、ギフト贈与先ユーザの受贈ギフト数が上限に達していない旨の情報を受信すると(ステップ107)、上記
図12のAに進む。その後の処理は上記と同様である。
【0182】
ギフト贈与先ユーザの受贈ギフト数が上限に達していると判断した場合(ステップ105のYes)、ギフト贈与処理部124は、その旨の情報をユーザ端末200へ送信する(ステップ108)。ユーザ端末200は、ギフト贈与先ユーザの受贈ギフト数が上限に達している旨の情報を受信すると(ステップ109)、上記
図13のBに進む。その後の処理は上記と同様である。
【0183】
上述の実施形態では、ギフト権利管理部123は、デジタルギフトの受贈可能上限額(3000円)を設定し、ギフト贈与処理部124は、当該設定された上限金額を、デジタルギフト1個の金額として固定した金額(種別によらず一律、例えば500円)で除算することで、当該贈与先のユーザのギフト受贈可能上限数(6個)を算出し、贈与先として選択されたユーザの受贈数が当該上限数に達しているか否かを判定していた。これに代えてギフト贈与処理部124は、実際に受贈したデジタルギフトのそれぞれの金額を基に、贈与先として選択されたユーザの受贈金額が上限金額に達しているか否かを判断してもよい。例えば上限金額が3000円の場合、200円のデジタルギフト×10個+500円のデジタルギフト×2個で上限に達することになる。
【0184】
これに代えてギフト権利管理部123は、デジタルギフトの受贈金額ではなく受贈個数に上限(例えば15個等)を設定してもよい。この場合ギフト贈与処理部124は、上限数を算出する必要は無く、単に設定された上限値を参照するだけでよい。
【0185】
なお、デジタルギフトを受贈したユーザが非課税となることを前提に上記金額(3000円)を設定することとしたが、課税されてもよいユーザについてはそれ以上の金額(例えば10000円)を上限金額として設定してもよい。
【0186】
上述の実施形態において、各従業員が保有するポイントがデジタルギフトとして他の従業員に贈与される場合、当該ポイントについて受贈可能上限ポイント数が設定されていてもよい。そしてユーザが他のユーザにポイントを贈与しようとした場合に、ポイント贈与先のユーザの受贈ポイント数が上限に達していると判定された場合には、上述と同様に、贈与しようとしたポイント数に対応するポイント分のギフト権利(ポイント贈与権利)がポイント贈与先のユーザに付与(譲渡)されてもよい。
【0187】
上述の実施形態では、ユーザ端末200の利用するビジネスツール22と、デジタルギフト提供システム300とを仲介する仲介サーバ100が、ギフト権利の付与処理、デジタルギフトの贈与処理、デジタルギフトの受贈可能上限金額(上限数)の設定処理及びデジタルギフトのギフト権利への還元処理を実行する例を示した。しかし、これらの処理は、仲介サーバ100及びビジネスツール22の存在を前提とするものでなくてもよい。すなわち、本発明は、仲介サーバ100が存在せず、デジタルギフト提供システム300が直接ユーザ端末200と、ビジネスツール22を介さずに例えばブラウザやデジタルギフト提供システムが提供するアプリケーションによってやり取りするシステムにも適用可能であり、その場合は、上記処理をデジタルギフト提供システム300が実行する。
【0188】
また、上述の実施形態では、企業の各従業員が業務中に他の従業員へデジタルギフトを贈与する場合が例に挙げられたが、デジタルギフトやギフト権利をやり取りするユーザは企業の従業員に限られず、やり取りする環境もビジネス環境に限られない。
【0189】
本願の特許請求の範囲に記載された発明のうち、「情報処理方法」と記載された発明は、その各ステップを、ソフトウェアによる情報処理によりコンピュータ等の少なくとも1つの装置が自動的に行うものであり、人間がコンピュータ等の装置を用いて行うものではない。すなわち、当該「情報処理方法」は、コンピュータ・ソフトウェアによる情報処理方法であって、コンピュータという計算道具を人間が操作する方法ではない。
【符号の説明】
【0190】
11…通信装置
12…演算装置
13…記憶装置
51…ギフト権利表示情報
52…ギフト履歴情報
53…デジタルギフトアイコン
54…デジタルギフトリスト
100…仲介サーバ
121…投稿管理部
122…ユーザ情報取得部
123…ギフト権利管理部
124…ギフト贈与処理部
125…デジタルギフト送付部
126…評価スコア算出部
131…投稿履歴データベース
132…ギフト権利情報データベース
133…ギフト贈与履歴データベース
134…評価スコアデータベース
200…ユーザ端末
300…デジタルギフト提供システム
400…金融機関システム